JP7023039B2 - 触媒担体及び排気浄化装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自動四輪車や自動二輪車の内燃機関で発生した排気の浄化処理に係り、排気中の有害物質を触媒反応で除去する触媒担体及び排気浄化装置に関する。
従来、内燃機関で発生した排気中に含まれる窒素酸化物等の有害物質の除去に、触媒反応によって除去する触媒担体が用いられている。触媒担体には、ステンレス製の金属板で形成されたハニカム構造体に触媒物質を担持させたものが多く用いられており、例えば特許文献1には、フェライト系耐熱ステンレスの帯状の金属薄板と金属波板を重ねて螺旋状に巻き付けて円柱状のハニカム構造体を形成し、ハニカム構造体の表面に触媒物質を担持させ、触媒物質を担持したハニカム構造体を円筒状の外筒内に挿入した状態とし、このハニカム構造体の両側の外端縁をそれぞれ外筒にレーザー溶接して固定する触媒担体が開示されている。
このハニカム構造体による触媒担体では、有害物質の充分な除去に必要な触媒反応を得るために、触媒物質を担持したハニカム構造体の排気が流通する直線流路を長くする必要がある。そのため、この触媒担体は直線的な厚さやサイズが大きいものとなってしまい、排気経路における設置場所がかなり制約される。
また、触媒担体の厚さを小さくできる可能性のあるものとして、特許文献2の金網積層多孔体がある。この金網積層多孔体は、複数枚の金網が積層されて焼結された多孔体であり、例えばその表面に触媒物質を分散担持したアルミナ薄層が形成されて触媒担持フィルターとされる。特許文献2の金網積層多孔体或いは触媒担持フィルターは、排気の通過する流路を三次元にわたる曲線状にして排気と触媒物質の接触性を高められ、触媒物質を担持したハニカム構造体よりも厚さを大幅に薄くすることが可能である。
特開平11-197519号公報 特許第5363406号公報
ところで、特許文献2における触媒担持フィルターを外筒に内装して触媒担体とする場合、複数個の触媒担持フィルターを外筒の軸方向に並べて外筒に内装することにより、浄化性能にある程度優れる触媒担体を得ることは可能である。しかし、例えば同一形状で同一の開口部位を有する複数個の触媒担持フィルターを軸方向で開口部位の位置を揃えて軸方向に並べて配置した場合、複数個の触媒担持フィルターの軸方向に連通する開口部位を排気が気流の衝突なしで短時間で素通りしてしまう可能性が高くなる。そのため、触媒物質との排気の十分な接触を得ることができず、十分な浄化性能を発揮できない触媒担体となる可能性がある。
本発明は上記課題に鑑み提案するものであり、金網積層多孔体に触媒物質を担持させた複数個の触媒担持フィルターを外筒に内装する触媒担体において、触媒物質と排気との接触性を高めることが可能であり、優れた浄化性能をより確実に発揮することができる触媒担体、及びその触媒担体を備える排気浄化装置を提供することを目的とする。
本発明の触媒担体は、複数枚の金網が積層されて焼結された金網積層多孔体で構成され、触媒物質を分散担持する触媒担持フィルターと、複数個の前記触媒担持フィルターが軸方向に並べて内装される外筒を備え、一個の前記触媒担持フィルターの軸方向視の開口面積よりも開口面積が小さくなるように前記複数個の前記触媒担持フィルターが設置されていると共に、前記外筒が金属製であり、各々の前記触媒担持フィルターの外周端が前記外筒の内周面に略当接するように形成され、前記触媒担持フィルターの厚さ方向の中間で周回する中間領域にて、前記触媒担持フィルターの外周端に位置する針金の端面が当接する前記外筒の内周面に溶着されていることを特徴とする。
これによれば、一個の触媒担持フィルターの軸方向視の開口面積よりも開口面積が小さくなるように複数個の触媒担持フィルターを設置することにより、排気が気流の衝突なしで短時間で素通りしてしまう可能性を低くし、触媒物質と流通する排気との接触性を高めることができる。従って、金網積層多孔体に触媒物質を担持させた複数個の触媒担持フィルターを外筒に内装する触媒担体の優れた浄化性能をより確実に発揮させることができる。また、排気が触媒担持フィルターに衝突し易くなることから、排気の運動エネルギーを低減して排気の消音効果を得ることができる。また、複数枚の金網が積層されて焼結され、触媒物質を分散担持する触媒担持フィルターを複数個軸方向に並設する触媒担体は、既存のハニカム構造体による触媒担体よりも触媒担体の長さを短尺にすることができ、排気経路における設置場所の自由度、柔軟性を高めることができる。また、触媒担持フィルターの中間領域で溶着することにより、複数枚の金網が積層されて焼結された触媒担持フィルター又は金網積層多孔体の溶接による溶け落ちや熱変形を防止し、触媒担持フィルターの形状が保持された触媒担体とすることができる。また、中間領域にて、針金の端面がランダムに配置された触媒担持フィルターの外周端を外筒の内周面に高強度で溶着された状態にすることができ、排気浄化装置に搭載したときに熱、振動、排圧などで壊れない十分な強度を得ることができる。また、溶着部を全周に亘って設ける場合には、触媒担持フィルターと外筒の固定により高い強度が求められる場合に対応し、針金の端面がランダムに配置された触媒担持フィルターの外周端を外筒の内周面により高い強度で溶着された状態にすることができる。
本発明の排気浄化装置は、本発明の触媒担体が内燃機関の排気経路の離間した複数箇所に設けられることを特徴とする。
これによれば、本発明の触媒担体の効果を有する排気浄化装置を得ることができると共に、例えば一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)、窒素酸化物(NOx)等の有害物質の種類に合わせて各々の触媒担体の触媒物質を調整し、各々の触媒担体をそれぞれの有害物質がより触媒反応を起こしやすい場所に設置し、全体的な浄化性能を高めることも可能となる。
本発明の排気浄化装置は、本発明の触媒担体の1つが、内燃機関の排気経路の上流位置に設けられることを特徴とする。この内燃機関の上流位置は、触媒担体の最も内燃機関寄りの触媒担持フィルターの内燃機関側の端部と内燃機関との距離が0~300mmである場合を含む。また、この場合、これと別の本発明の触媒担体を、排気経路の上流位置の触媒担体と離間した箇所に設けても好適である。
これによれば、本発明の触媒担体は軸方向の寸法、断面積ともにコンパクト化し、排気経路の所望箇所に設置することが可能であり、内燃機関の上流位置に触媒担体を配置することで、排気のエネルギーを殆ど損失することなく、排気の触媒物質への接触性を高めることができ、排ガス性能を飛躍的に向上することができる。
本発明の排気浄化装置は、自動二輪車の内燃機関の出口から配管されるエギゾーストパイプの上流位置に前記触媒担体が設けられることを特徴とする。
これによれば、自動二輪車の場合、内燃機関の出口から配管されるエギゾーストパイプは、他部品との干渉を避けるため、小径かつ複数の曲げが加わった複雑なレイアウトとなり、ここに軸方向に長い既存のメタル担体等を搭載することは寸法上の制約から困難であるが、本発明の触媒担体による上記排気浄化装置は、そのコンパクト性から、斯様な寸法上の制約がある自動二輪車のエギゾーストパイプでも設置することが可能である。
本発明によれば、金網積層多孔体に触媒物質を担持させた複数個の触媒担持フィルターを外筒に内装する触媒担体において、触媒物質と排気との接触性を高めることができ、優れた浄化性能を確実に発揮させることができる。
(a)は本発明による第1実施形態の触媒担体の正面図、(b)はそのA-A縦断面図。 図1のB部拡大説明図。 (a)は第1実施形態の触媒担体の触媒担持フィルターを構成する金網の部分縦断説明図、(b)は第1実施形態の触媒担体の触媒担持フィルターの部分縦断説明図。 (a)は第1実施形態の触媒担体の触媒担持フィルターの側面図、(b)はそのC部拡大図、(c)はそのC部における溶着状態を説明する説明図。 第1実施形態の触媒担体における複数個の触媒担持フィルターの外筒の軸方向視の開口面積を説明する説明図。 第1実施形態の変形例の触媒担体における複数個の触媒担持フィルターの外筒の軸方向視の開口面積を説明する説明図。 第1実施形態の触媒担体を内燃機関の排気経路の離間した複数箇所に設けた構成を説明する説明図。 本発明による第2実施形態の触媒担体のA-A縦断面に相当する縦断面図。 (a)は本発明による第3実施形態の触媒担体の正面図、(b)はその縦断面説明図。 第3実施形態の触媒担体における複数個の触媒担持フィルターの外筒の軸方向視の開口面積を説明する説明図。 第3実施形態の変形例の触媒担体における複数個の触媒担持フィルターの外筒の軸方向視の開口面積を説明する説明図。 第1実施形態の触媒担体を自動二輪車の排気経路における内燃機関の上流位置に設けた構成を説明する説明図。 本発明による触媒担体のCAE解析における解析の前提となる金網を示す説明図。 (a)~(d)は解析モデルを構成する触媒担持フィルターの例を示す正面図。 (a)~(d)は解析モデルを構成する触媒担持フィルターをそれぞれ90度回転した状態の例を示す正面図。 (a)~(d)は2個の触媒担持フィルターを金網の積層方向に重ねて設定した構造体の例を示す正面図。 (a)は触媒担持フィルターを隣接配置した構造体による解析モデルを示す説明図、(b)は触媒担持フィルターを離間配置した構造体による解析モデルを示す説明図。 触媒担持フィルターを隣接配置した構造体における開口率と圧力損失の関係を示すグラフ。 触媒担持フィルターを離間配置した構造体における開口率と圧力損失の関係を示すグラフ。
〔第1実施形態の触媒担体〕
本発明による第1実施形態の触媒担体1は、図1及び図2に示すように、触媒物質を分散担持する触媒担持フィルター2と、触媒担持フィルター2が内装される金属製の外筒3を備える。触媒担持フィルター2は、複数枚の金網20が積層されて焼結された金網積層多孔体で構成されており、図示例では、5枚の金網20が5層に積層されて焼結されることで金網積層多孔体が形成され、この金網積層多孔体に触媒物質が分散担持されている。そして、複数個の触媒担持フィルター2が軸方向に並べられて外筒3に内装されている。
各々の触媒担持フィルター2の外周端は、外筒3の内周面31に略当接するように形成されている。図示例における外筒3は、ステンレス等の金属で略円筒形の短筒状に形成され、その板厚はt2である。そして、略円形の触媒担持フィルター2の外周端の外径は外筒3の内径と略同一に形成され、外筒3の内周面31に略当接するようになっている。
触媒担持フィルター2は、例えば針金の周期的な繰り返しパターンの波長λ、最大の厚さに相当する針金の繰り返しパターンの波高hの略矩形の金網20a(図3(a)参照)を互いの凹凸が入り込むようにして積層層n=5で積層し、積層された略矩形の金網20aを円形に切断して形成され、その厚さt1は波高h×積層数nよりも小さくなっている(図2、図3(b)参照)。金網20aを円形に切断して形成された略円形の金網20で構成される略円形の触媒担持フィルター2では、その外周端の位置で切断面である針金の端面21が露出しており、この針金の端面21が外筒3の内周面31に略当接される。
各々の触媒担持フィルター2は、図4に示すように、その厚さ方向の中間で周回する中間領域45にて、触媒担持フィルター2の外周端に位置する針金の端面21が当接する外筒3の内周面31に溶着部42で溶着されている。本実施形態では、中間領域45で、触媒担持フィルター2の外周端に位置する針金の端面21が当接する外筒3の内周面31に溶着される溶着部42が全周に亘って設けられており、外周端で露出し且つ中間領域45内に位置する部分で、外筒3の内周面31に当接する針金の端面21が溶着部42でランダムに外筒3の内周面31に溶着されている。尚、中間領域45で、針金の端面21以外の金網20の部分が当接する外筒3の内周面31に溶着された部分が、針金の端面21の溶着部42と併存する構成としてもよい。
この中間領域45は、触媒担持フィルター2の3枚以上の複数の金網20が積層されて構成される金網層のうち、中間層である一層の金網20の波高hと位置、幅を略対応させると好適であり、図示例における中間領域45は、金網20が5層に積層された金網層のうち、中央に位置する3層目の金網20の波高hと位置、幅を略対応するように設定され、中間領域45の幅Wは金網20の波高hと略同一になっている。そして、3層目の金網20と略対応する中間領域45内で外筒3の内周面31に当接する触媒担持フィルター2の針金の端面21、或いは端面21の一部が、溶着部42で外筒3の内周面31に溶着されている。
また、図1、図2中の41は溶接ビードであり、触媒担持フィルター2の針金の端面21或いは端面21の一部と外筒3の内周面31を溶着部42で溶着する際に、外筒3の外側からレーザー貫通溶接を施した際に形成されたものである。溶接ビード41の外筒3の内周面31の幅は中間領域45の幅Wと略対応しており、外筒3の内周面31の溶接幅が中間領域45の幅Wになるようにしてレーザー貫通溶接が施されている。
外筒3に内装される複数個の触媒担持フィルター2は、近接若しくは隣接して外筒3の軸方向に並べて設けられている。図示例では、合計5個の触媒担持フィルター2が外筒3の長さ方向における略中間位置に内装して配置されており、各々の触媒担持フィルター2は、近接若しくは隣接して連続するように外筒3の内部に並設され、外筒3の内空断面の全体に拡がるように設けられている。
複数個の触媒担持フィルター2は、一個の触媒担持フィルター2の外筒3の軸方向視における開口面積よりも、外筒3の軸方向視における開口面積が小さくなるように設置されており、第1実施形態では、外筒3の軸方向視における複数個の触媒担持フィルター2の開口面積が0となるようにして、複数個の触媒担持フィルター2が設置されている。
即ち、図5に示すように、外筒3の内部には、複数個の触媒担持フィルター2による構造体によって軸方向に直線状で筒抜けになる部位が無く、この構造体によって外筒3の内部に遮蔽部5が構成されている。そして、遮蔽部5により、外筒3の軸方向視における複数個の触媒担持フィルター2の開口面積が0となっており、外筒3の内部に軸方向に可視光を当てた場合に直線光が通り抜けないようになっている。
尚、第1実施形態の変形例として、図6に示すように、外筒3の軸方向視において複数個の触媒担持フィルター2による構造体が開口部6を有する構成とすることも可能である。この場合、外筒3の軸方向視における複数個の前記触媒担持フィルター2の開口部6による開口面積は、外筒3の内断面積の20.9%以下とすると良好であり、より好ましくは10%以下、より一層好ましくは5.1%以下とするとよい。また、外筒3の軸方向視における複数個の触媒担持フィルター2の開口部6は分散配置するように構成することが好ましい。
第1実施形態やその変形例の触媒担体1における触媒担持フィルター2は、複数の金網20の積層状態における厚さt1が例えば3mm~20mm程度、図示例では3mm~6mm程度で薄く、この薄い触媒担持フィルター2を複数個、軸方向に並設し、その軸方向の両側に排気管との接合に必要な長さを確保した触媒担体1や外筒3の長さも短くなる。従って、触媒担体1を内燃機関の排気経路に集約して一カ所に設けて排気浄化装置を構成することの他、図7に示すように、触媒担体1を内燃機関11の排気経路12の離間した複数箇所に設けて排気浄化装置を構成することも可能であり、これにより、例えば一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)、窒素酸化物(NOx)等の有害物質の種類に合わせて各々の触媒担体1の触媒物質を調整し、各々の触媒担体1をそれぞれの有害物質がより触媒反応を起こしやすい場所に設置し、全体的な浄化性能を高めることも可能となる。尚、複数の触媒担体1を排気経路に集約或いは離間して設ける場合、各触媒担体1の触媒担持フィルター2の並設する数は同数或いは異なる数とすることが可能である。
第1実施形態によれば、一個の触媒担持フィルター2の軸方向視の開口面積よりも開口面積が小さくなるように複数個の触媒担持フィルター2を設置することにより、排気が気流の衝突なしで短時間で素通りしてしまう可能性を低くし、触媒物質と流通する排気との接触性を高めることができる。従って、金網積層多孔体に触媒物質を担持させた複数個の触媒担持フィルター2を外筒3に内装する触媒担体1の優れた浄化性能をより確実に発揮させることができる。また、排気が触媒担持フィルター2に衝突し易くなることから、排気の運動エネルギーを低減して排気の消音効果を得ることができる。また、複数枚の金網20が積層されて焼結され、触媒物質を分散担持する触媒担持フィルター2を複数個軸方向に並設する触媒担体1は、既存のハニカム構造体による触媒担体よりも長さを短尺にすることができ、排気経路12における設置場所の自由度、柔軟性を高めることができる。
また、外筒3の軸方向視における複数個の触媒担持フィルター2の開口面積が0となるようにして複数個の触媒担持フィルター2を設置する場合、基本的に外筒3を流れる排気流の全てを複数個の触媒担持フィルター2で構成される構造体に衝突させることができ、複数個の触媒担持フィルター2の構造体に対して排気流が留まる時間を一層増やし、流通する排気の触媒物質との接触性、浄化性能をより高めることができる。また、排気流の中で局所的に触媒物質との接触性が低く浄化の度合の低い領域が発生することを防止することができる。また、外筒3の軸方向視における複数個の触媒担持フィルター2の開口面積を0に設定することにより、開口面積の増加に応じて増加傾向となる内燃機関11のエンジン出力性能、開口面積の増加に応じて減少傾向となる排気浄化性能、消音性能を安定させて設定しやすくなり、エンジン出力、消音、浄化の性能のバラツキを最小限に抑えることができる。また、排気が触媒担持フィルター2により衝突し易くなることから、排気の運動エネルギーの低減による消音効果をより高めることができる。
また、外筒3の軸方向視における複数個の触媒担持フィルター2の開口面積を外筒3の内断面積の20.9%以下とすることにより、排気が気流の衝突なしで短時間で素通りしてしまう可能性をより低くし、触媒物質と流通する排気との接触性、浄化性能をより高めることができる。また、排気が触媒担持フィルター2により衝突し易くなることから、排気の運動エネルギーの低減による消音効果をより高めることができる。また、外筒3の軸方向視における複数個の触媒担持フィルター2の開口面積を外筒3の内断面積の20.9%以下とする場合には圧力損失の収束傾向が顕著となることから、エンジン出力、消音、浄化の性能のバラつき抑制効果を高めることができる。更に、外筒3の軸方向視における複数個の触媒担持フィルター2の開口面積を外筒3の内断面積の10%以下、より好適には5.1%以下とする場合には、これらの効果をより確実に得ることができる。また、外筒3の軸方向視における複数個の触媒担持フィルター2の開口部6を分散配置する場合には、排気流の中で局所的に触媒物質との接触性が低く浄化の度合の低い領域が発生することを防止することができる。
また、複数個の触媒担持フィルター2を近接若しくは隣接して軸方向に並設することにより、触媒担体1の長さをより短尺にすることができ、排気経路12における設置場所の自由度、柔軟性を一層高めることができる。また、複数個の触媒担持フィルター2で構成される構造体に排気流が留まる時間、排気の触媒物質との接触性を必要な範囲に留め、排圧の上昇を抑制することができ、排圧抑制によってエンジン出力の低下防止が求められる場合に調整、適応し易くすることができる。
また、触媒担持フィルター2の中間領域で溶着することにより、複数枚の金網20が積層されて焼結された触媒担持フィルター2又は金網積層多孔体の溶接による溶け落ちや熱変形を防止し、触媒担持フィルター2の形状が保持された触媒担体1とすることができる。また、中間領域にて、針金の端面21がランダムに配置された触媒担持フィルター2の外周端を外筒3の内周面に高強度で溶着された状態にすることができ、排気浄化装置に搭載したときに熱、振動、排圧などで壊れない十分な強度を得ることができる。また、溶着部42を全周に亘って設ける場合には、触媒担持フィルター2と外筒3の固定により高い強度が求められる場合に対応し、針金の端面21がランダムに配置された触媒担持フィルター2の外周端を外筒3の内周面により高い強度で溶着された状態にすることができる。
〔第2実施形態の触媒担体〕
本発明による第2実施形態の触媒担体1aは、図8に示すように、触媒物質を分散担持する触媒担持フィルター2aと、複数個の触媒担持フィルター2aが内装される金属製の外筒3aを備える。触媒担持フィルター2aは第1実施形態の触媒担持フィルター2と同一構成であり、外筒3aは長さが外筒3よりも長いこと以外は第1実施形態の外筒3と同一構成である。
複数個の触媒担持フィルター2aは軸方向に並べて外筒3aに内装され、図示例では、複数個である5個の触媒担持フィルター2aの各々が相互に間隔を開けるようにして軸方向に並設されている。離間する触媒担持フィルター2a相互の間隔は、排気の乱流化を促進する観点からは、3mm以上とするとよく、5mm以上とするとより好ましい。また、複数個の触媒担持フィルター2aを離間して間隔を開けて設ける場合、複数個の触媒担持フィルター2aの少なくとも一個の触媒担持フィルター2aを他の触媒担持フィルター2aと間隔を開けるようにして、複数個の触媒担持フィルター2aを軸方向に並べて設ける構成とすることが可能であり、第2実施形態の図示例の構成に限定されない。
複数個の触媒担持フィルター2aは、一個の触媒担持フィルター2aの外筒3aの軸方向視における開口面積よりも、外筒3aの軸方向視における開口面積が小さくなるように設置されており、第2実施形態でも、外筒3aの軸方向視における複数個の触媒担持フィルター2aの開口面積が0となるようにして、複数個の触媒担持フィルター2aが設置されている。尚、第1実施形態の変形例、更にその好ましい例のように、外筒3aの軸方向視において複数個の触媒担持フィルター2aによる構造体が開口部を有する構成とすることも可能である。
各々の触媒担持フィルター2aの外周端は、第1実施形態と同一構成で、外筒3aの内周面に略当接されて中間領域45に相当する中間領域で溶着されており、図8の溶接ビード41aは外筒3aの外側からレーザー貫通溶接を施した際に形成されたものである。その他の構成は第1実施形態と同様である。また、第2実施形態の触媒担体1aを用い、触媒担体1aを内燃機関の排気経路に集約して一カ所に設けて排気浄化装置を構成することの他、触媒担体1aを内燃機関の排気経路の離間した複数箇所に設けて排気浄化装置を構成することが可能である。
第2実施形態によれば、第1実施形態と対応する構成から対応する効果を得ることができる。また、触媒担持フィルター2a・2a相互の間隔も利用して排気流の乱流化を促進することができ、排気の乱流によって触媒物質と流通する排気との接触性をより高め、浄化性能を一層向上することができる。
〔第3実施形態の触媒担体〕
本発明による第3実施形態の触媒担体1bは、図9及び図10に示すように、触媒物質を分散担持する触媒担持フィルター2bと、複数個の触媒担持フィルター2bが内装される金属製の外筒3bを備える。触媒担持フィルター2bは、外形が略円形ではなく略矩形であること以外は第1実施形態の触媒担持フィルター2と同一構成である。外筒3bは、略円筒形ではなく略四角筒形であること、長さが外筒3よりも若干長いこと以外は第1実施形態の外筒3と同一構成である。
複数個の触媒担持フィルター2bは軸方向に並べて外筒3bに内装され、図示例では、複数個である6個の触媒担持フィルター2bが近接若しくは隣接して外筒bの軸方向に並べて設けられている。合計6個の触媒担持フィルター2bは外筒3bの長さ方向における略中間位置に内装して配置されており、各々の触媒担持フィルター2bは、近接若しくは隣接して連続するように外筒3bの内部に並設され、外筒3bの内空断面の全体に拡がるように設けられている。
複数個の触媒担持フィルター2bは、一個の触媒担持フィルター2bの外筒3bの軸方向視における開口面積よりも、外筒3bの軸方向視における開口面積が小さくなるように設置されており、第3実施形態では、外筒3bの軸方向視における複数個の触媒担持フィルター2bの開口面積が0となるようにして、複数個の触媒担持フィルター2bが設置されている。即ち、図10に示すように、外筒3bの内部には、複数個の触媒担持フィルター2bによる構造体によって軸方向に直線状で筒抜けになる部位が無く、この構造体によって外筒3bの内部に遮蔽部5bが構成されている。
尚、第1実施形態の変形例と同様、図11のように、外筒3bの軸方向視において複数個の触媒担持フィルター2bによる構造体が開口部6bを有する構成とすることも可能である。この場合、外筒3bの軸方向視における複数個の前記触媒担持フィルター2bの開口部6bによる開口面積は、外筒3bの内断面積の20.9%以下とすると良好であり、より好ましくは10%以下、より一層好ましくは5.1%以下とするとよい。また、外筒3bの軸方向視における複数個の触媒担持フィルター2bの開口部6bは分散配置するように構成することが好ましい。
各々の触媒担持フィルター2bの外周端は、第1実施形態と同一構成で、外筒3bの内周面に略当接されて中間領域45に相当する中間領域で溶着されており、図9(b)の溶接ビード41bは外筒3bの外側からレーザー貫通溶接を施した際に形成されたものである。その他の構成は第1実施形態と同様である。また、第3実施形態の触媒担体1bを用い、触媒担体1bを内燃機関の排気経路に集約して一カ所に設けて排気浄化装置を構成することの他、触媒担体1bを内燃機関の排気経路の離間した複数箇所に設けて排気浄化装置を構成することが可能である。
第3実施形態によれば、第1実施形態と対応する構成から対応する効果を得ることができる。
〔本明細書開示発明の包含範囲〕
本明細書開示の発明は、発明として列記した各発明、各実施形態及びその変形例の他に、適用可能な範囲で、これらの部分的な内容を本明細書開示の他の内容に変更して特定したもの、或いはこれらの内容に本明細書開示の他の内容を付加して特定したもの、或いはこれらの部分的な内容を部分的な作用効果が得られる限度で削除して上位概念化して特定したものを包含する。そして、本明細書開示の発明には下記変形例や追記した内容も含まれる。
例えば軸方向に並べて設けられる複数個の触媒担持フィルター2、2a、2bについて、各触媒担持フィルター2・2相互、2a・2a相互、2b・2b相互には、針金の位置及び外筒3、3a、3bの軸方向の開口位置が同一又は異なる触媒担持フィルター2、2a、2bを用いることが可能である。
また、複数個の触媒担持フィルター2、2a、2bで、一個の触媒担持フィルター2、2a、2bの外筒3、3a、3bの軸方向視における開口面積よりも、外筒3、3a、3bの軸方向視における開口面積が小さくなるように設置する構成、更には外筒3、3a、3bの軸方向視における複数個の触媒担持フィルター2、2a、2bの開口面積が0となるようにして複数個の触媒担持フィルター2、2a、2bを設置する構成等は適宜である。例えば円筒形の外筒3、3a等の場合には、中心を通って直径に相当するように針金が延びる触媒担持フィルター2、2a等を用い、これと針金の位置及び開口位置が同一の触媒担持フィルター2、2a等を用い、複数個の触媒担持フィルター2、2a等を回転させながら軸方向に並べて並設する構成とすることが可能である。また、例えば四角筒形の外筒3b等の場合には、横方向に延びる針金の高さを異ならせるようにして複数個の触媒担持フィルター2b等を形成し、複数個の触媒担持フィルター2b等を軸方向に並べて並設する構成とすることが可能である。
また、複数個の触媒担持フィルター2、2a、2bを外筒3の軸方向に並べて内装する場合、並設する触媒担持フィルター2、2a、2bの数は2個以上の複数であれば適宜であるが、この並設数は3個~12個とすると好ましく、更には4個~8個とするとより好ましい。この並設数により、触媒担持フィルター2、2a、2b等の増設コストを抑制しつつ、触媒物質と流通する排気との高度な接触性をより安定して確保することができる。
また、複数個の触媒担持フィルター2、2a、2bを外筒3の軸方向に並べて内装する場合、並設する触媒担持フィルター2、2a、2bの合計の厚さ(外筒3の軸方向の長さの合計)は9mm~100mmとすると好ましく、更には12mm~50mmとするとより好ましい。この厚さにより、触媒担持フィルター2、2a、2b等の増設コストを抑制しつつ、触媒物質と流通する排気との高度な接触性をより安定して確保することができる。
また、実施形態の触媒担体1、1a、1b等は、内燃機関11の排気経路12における内燃機関11の上流位置に設ける構成としても好適であり、この内燃機関11の上流位置は、触媒担体1、1a、1b等の最も内燃機関寄りの触媒担持フィルター2、2a、2b等の内燃機関側の端部と内燃機関11との距離が0~300mmとなるようにすることが好ましい。更に、実施形態の触媒担体1、1a、1b等は、内燃機関11の排気経路12における内燃機関11の直下近傍の位置に設ける構成とするとより好適であり、この内燃機関11の直下近傍の位置は、触媒担体1、1a、1b等の最も内燃機関寄りの触媒担持フィルター2、2a、2b等の内燃機関側の端部と内燃機関11との距離が0~100mmとなるようにすることが好ましい。また、この場合、これと別の触媒担体1、1a、1b等を、排気経路12の上流位置の触媒担体1、1b、1b等と離間した箇所に設けても好適である。
このような例として図12を示す。図12の内燃機関11、排気経路12は自動二輪車の内燃機関、排気経路であり、この排気経路12は、内燃機関11の出口から配管されるエギゾーストパイプ12mと、サイレンサー12nとから構成されている。触媒担体1は、内燃機関11の出口から配管されるエギゾーストパイプ12mに設けられ、エギゾーストパイプ12mが触媒担体1の外筒3に相当するようになっている。尚、触媒担体1に代え、触媒担体1a、1b等の本発明の触媒担体を用いることが可能である。
軸方向の寸法、断面積ともにコンパクト化して排気経路12の所望箇所に設置することが可能な触媒担体1、1a、1b等を、排気経路12における内燃機関11の上流位置、より好ましくは直下近傍に設けることにより、排気のエネルギーを殆ど損失することなく、排気の触媒物質への接触性を高めることができ、排ガス性能を飛躍的に向上することができる。特に、自動二輪車の場合、内燃機関11の出口から配管されるエギゾーストパイプ12mは、他部品との干渉を避けるため、小径かつ複数の曲げが加わった複雑なレイアウトとなり、ここに軸方向に長い既存のメタル担体等を搭載することは寸法上の制約から困難であるが、触媒担体1、1a、1b等による上記排気浄化装置は、そのコンパクト性から、斯様な寸法上の制約がある自動二輪車のエギゾーストパイプ12mでも設置することが可能である。
〔本発明による触媒担体のCAE解析及びその解析結果〕
本発明による触媒担体に対応する解析モデルを設定し、SCRYU/Tetra(株式会社ソフトウェアクレイドル製)を用いてCAE解析を行った。解析の前提として、図13に示すように、針金201の線径Φ0.58mm、12-6MESH(1インチ四方に縦線12本の針金と横線6本の針金の平織)の金網を設定した。そして、図13の金網を縦L1=10mm、横L2=10mmの10mm四方の太線矩形枠で切断したものを金網aとし、金網aを基準に太線矩形枠をX方向に0.58mmずらして切断したものを金網b、金網aを基準に太線矩形枠をX方向に1.16mmずらして切断したものを金網c、金網aを基準に太線矩形枠をX方向に1.74mmずらして切断したものを金網dとした。これらの金網a~dのうちから選択した4枚の金網を積層して、解析モデルを構成する触媒担持フィルターを設定した。
図14(a)~(d)は解析モデルを構成する触媒担持フィルターを示しており、201は針金、601は正面視で針金201が存在しない開口部である。図14(a)における触媒担持フィルター2fは金網aを縦横方向を同じにして4枚積層して構成され、触媒担持フィルター2fの開口率(触媒担持フィルターの正面視における開口部の面積の合計/太線矩形枠に対応する触媒担持フィルターの面積)は、金網aの開口率と同一で58.6%である。図14(b)における触媒担持フィルター2gは、後述する空気の流入方向Fから金網a、金網b、金網a、金網bの順で、それぞれ縦線と横線の方向を同じにして4枚積層して構成され、触媒担持フィルター2gの正面視の開口率は37.7%になっている。
図14(c)における触媒担持フィルター2hは、空気の流入方向Fから金網a、金網b、金網c、金網aの順で、それぞれ縦線と横線の方向を同じにして4枚積層して構成され、触媒担持フィルター2hの正面視の開口率は18.6%になっている。図14(d)における触媒担持フィルター2iは、空気の流入方向Fから金網a、金網b、金網c、金網dの順で、それぞれ縦線と横線の方向を同じにして4枚積層して構成され、触媒担持フィルター2jの正面視の開口率は0%になっている。
更に、図15(a)~(d)は解析モデルを構成する触媒担持フィルター2f、2g、2h、2iをそれぞれ90度回転した状態の触媒担持フィルター2f’、2g’、2h’、2i’を示している。触媒担持フィルター2f’、2g’、2h’、2i’の開口率は触媒担持フィルター2f、2g、2h、2iの開口率とそれぞれ同一である。
更に、図16(a)は2個の触媒担持フィルター2fと触媒担持フィルター2f’を金網の積層方向に重ねて設定した構造体TP1(TP1’)であり、この構造体TP1(TP1’)の全体の正面視の開口率は触媒担持フィルター2f、2f’のそれぞれの開口率よりも小さい50.4%になっている。図16(b)は2個の触媒担持フィルター2gと触媒担持フィルター2g’を金網の積層方向に重ねて設定した構造体TP2(TP2’)であり、この構造体TP2(TP2’)の全体の正面視の開口率は触媒担持フィルター2g、2g’のそれぞれの開口率よりも小さい20.9%になっている。
図16(c)は2個の触媒担持フィルター2hと触媒担持フィルター2h’を金網の積層方向に重ねて設定した構造体TP3(TP3’)であり、この構造体TP3(TP3’)の全体の正面視の開口率は触媒担持フィルター2h、2h’のそれぞれの開口率よりも小さい5.1%になっている。図16(d)は2個の触媒担持フィルター2iと触媒担持フィルター2i’を金網の積層方向に重ねて設定した構造体TP4(TP4’)であり、この構造体TP4(TP4’)の全体の正面視の開口率は触媒担持フィルター2i、2i’のそれぞれの開口率と同じ0%になっている。
そして、触媒担持フィルター2f・2f’を隣接配置した構造体TP1、触媒担持フィルター2g・2g’を隣接配置した構造体TP2、触媒担持フィルター2h・2h’を隣接配置した構造体TP3、触媒担持フィルター2i・2i’を隣接配置した構造体TP4を、それぞれ長さS3=9.3mmの設置区間に設定し、設置区間に設定した構造体TP1~TP4における流体流入側に流体の流れを安定化する長さS1=50mmの助走区間を設定すると共に、設置区間に設定した構造体TP1~TP4における流体流出側に流体の流れを安定化する長さS2=50mmの助走区間を設定し、解析モデルとした。図17(a)は触媒担持フィルター2f・2f’を隣接配置した構造体TP1の解析モデルを示している。
これらの開口率が異なる触媒担持フィルター2f・2f’の構造体TP1による解析モデル、触媒担持フィルター2g・2g’の構造体TP2による解析モデル、触媒担持フィルター2h・2h’の構造体TP3による解析モデル、触媒担持フィルター2i・2i’の構造体による解析モデルTP4に対し、流体:空気(圧縮性流体)、流体の温度:400℃、流体の流速:18m/secとして、各構造体TP1~TP4の正面視の領域全体(10mm四方の領域全体)に亘って空気を流入させ、10mm四方の各触媒担持フィルター構造体TP1~TP4を空気が通過するときの圧力損失ΔPを求めた。図17(a)の太線矢印は空気の流入方向Fである。尚、実機は排気が想定されるが、解析上は空気と同視することができる。また、流速は、例えば自動車の排気量や回転数に応じて様々なものが想定されるが、任意の流速における開口率-圧力損失の関係の傾向は他の流速域でも妥当する。
図18は解析モデルの解析結果を示すものであり、触媒担持フィルターを隣接配置した構造体TP1~TP4における開口率と圧力損失の関係を示すグラフである。グラフの点は、構造体TP1(開口率50.4%)の圧力損失315.1Pa、構造体TP2(開口率20.9%)の圧力損失559.1Pa、構造体TP3(5.1%)の圧力損失690.8Pa、構造体TP4(開口率0%)の圧力損失641.4Paを示している。このグラフから明らかなように、触媒担持フィルターを隣接配置した構造体TP1~TP4における圧力損失△Pと開口率の関係は基本的に反比例することが分かる。即ち、開口率が小さい方が流体が触媒担持フィルターの構造体に多く接触することを示しており、自動車等の実機において排気の浄化性能の向上を図ることができる。更に、触媒担持フィルターの構造体の下流側の流体の運動エネルギーは、開口率が小さい方が小さくなるため、自動車等の実機において排気の消音効果を図ることができる。更に、圧力損失の値は、触媒担持フィルターの構造体の開口率が小さくなるにつれ収束する傾向があることから、開口率が小さいほど、エンジン出力、消音、浄化の性能のバラつきを抑制することができる。
特に開口率が20.9%以下とする場合、好ましくは10%以下とする場合、より好ましくは5.1%以下とする場合には、浄化性能、消音効果をより高めることができると共に、圧力損失の収束傾向が顕著となることから、エンジン出力、消音、浄化の性能のバラつき抑制効果を一層高くすることができる。尚、前述の開口率は、自動車等の実機における排気管等の外筒の軸方向視における複数個である2個の触媒担持フィルターの開口面積/外筒の内断面積に相当する。
また、別の解析モデルとして、触媒担持フィルター2f・2f’を離間配置した構造体TP1’、触媒担持フィルター2g・2g’を離間配置した構造体TP2’、触媒担持フィルター2h・2h’を離間配置した構造体TP3’、触媒担持フィルター2i・2i’を離間配置した構造体TP4’を、それぞれ長さS3=14.3mmの設置区間に離間距離S4=5mm離間して設定し、設置区間に設定した構造体TP1’~TP4’における流体流入側に流体の流れを安定化する長さS1=50mmの助走区間を設定すると共に、設置区間に設定した構造体TP1’~TP4’における流体流出側に流体の流れを安定化する長さS2=50mmの助走区間を設定した。図17(b)は触媒担持フィルター2f・2f’を離間配置した構造体TP1’の解析モデルを示している。
これらの離間配置の別の解析モデルに対し、流体:空気(圧縮性流体)、流体の温度:400℃、流体の流速:18m/secとして、各構造体TP1’~TP4’の正面視の領域全体(10mm四方の領域全体)に亘って空気を流入させ、10mm四方の各触媒担持フィルター構造体TP1’~TP4’を空気が通過するときの圧力損失ΔPを求めた。図17(b)の太線矢印は空気の流入方向Fである。
図19は別の解析モデルの解析結果を示すものであり、触媒担持フィルターを離間配置した構造体TP1’~TP4’における開口率と圧力損失の関係を示すグラフである。グラフの点は、構造体TP1’(開口率50.4%)の圧力損失358.9Pa、構造体TP2’(開口率20.9%)の圧力損失621.8Pa、構造体TP3’(5.1%)の圧力損失743.1Pa、構造体TP4’(開口率0%)の圧力損失708.5Paを示している。この別の解析モデルでも、基本的に触媒担持フィルターを隣接配置した構造体TP1~TP4の場合と同様の結果が得られた。即ち、触媒担持フィルターを離間配置した構造体TP1’~TP4’における圧力損失△Pと開口率の関係は基本的に反比例することがグラフから分かり、開口率が小さい方が流体が触媒担持フィルターの構造体に多く接触することをグラフは示しており、自動車等の実機において排気の浄化性能の向上を図ることができる。更に、触媒担持フィルターの構造体の下流側の流体の運動エネルギーは、開口率が小さい方が小さくなるため、触媒担持フィルターを離間配置した構造体の場合にも自動車等の実機において排気の消音効果を図ることができる。更に、別の解析モデルでも、圧力損失の値は、触媒担持フィルターの構造体の開口率が小さくなるにつれ収束する傾向があることから、開口率が小さいほど、エンジン出力、消音、浄化の性能のバラつきを抑制することができる。
特に開口率が20.9%以下とする場合、好ましくは10%以下とする場合、より好ましくは5.1%以下とする場合には、浄化性能、消音効果をより高めることができると共に、圧力損失の収束傾向が顕著となることから、エンジン出力、消音、浄化の性能のバラつき抑制効果を一層高くすることができる。尚、前述の開口率も、自動車等の実機における排気管等の外筒の軸方向視における複数個である2個の触媒担持フィルターの開口面積/外筒の内断面積に相当する。
また、触媒担持フィルターを離間配置した構造体TP1’~TP4’の別の解析モデルの方が、触媒担持フィルターを隣接配置した構造体TP1~TP4の解析モデルよりも、全体的に圧力損失ΔPが若干大きくなる傾向が認められる。これは離間配置の場合には排気の乱流化が促進されるためと考えられ、排気浄化性能を一層高めることが可能となる。他方において、複数個の触媒担持フィルターを隣接若しくは近接して配置した構造体を実機に適用した場合、複数個の触媒担持フィルターで構成される構造体に排気流が留まる時間、排気の触媒物質との接触性を必要な範囲に留め、排圧の上昇を抑制することができ、排圧抑制によってエンジン出力の低下防止が求められる場合に調整、適応し易い構造となる。
本発明は、内燃機関の排気経路に設置される触媒担体や排気浄化装置に利用することができる。
1、1a、1b…触媒担体 2、2a、2b…触媒担持フィルター 20、20a…金網 21…針金の端面 3、3a、3b…外筒 31…内周面 41、41a、41b…溶接ビード 42…溶着部 45…中間領域 5、5b…遮蔽部 6、6b…開口部 11…内燃機関 12…排気経路 12m…エギゾーストパイプ 12n…サイレンサー t1…触媒担持フィルターの厚さ t2…外筒の板厚 h…金網の波高 λ…金網の波長 W…中間領域の幅 2f、2g、2h、2i、2f’、2g’、2h’、2i’…触媒担持フィルター 201…針金、601…開口部 L1…金網の縦の長さ、L2…金網の横の長さ a…金網 TP1、TP1’、TP2、TP2’、TP3、TP3’、TP4、TP4’…解析モデルの構造体 S1、S2…助走区間の長さ S3…設置区間の長さ S4…離間距離

Claims (4)

  1. 複数枚の金網が積層されて焼結された金網積層多孔体で構成され、触媒物質を分散担持する触媒担持フィルターと、
    複数個の前記触媒担持フィルターが軸方向に並べて内装される外筒を備え、
    一個の前記触媒担持フィルターの軸方向視の開口面積よりも開口面積が小さくなるように前記複数個の前記触媒担持フィルターが設置されていると共に、
    前記外筒が金属製であり、
    各々の前記触媒担持フィルターの外周端が前記外筒の内周面に略当接するように形成され、前記触媒担持フィルターの厚さ方向の中間で周回する中間領域にて、前記触媒担持フィルターの外周端に位置する針金の端面が当接する前記外筒の内周面に溶着されていることを特徴とする触媒担体。
  2. 請求項1記載の触媒担体が内燃機関の排気経路の離間した複数箇所に設けられることを特徴とする排気浄化装置。
  3. 請求項1記載の触媒担体の1つが、内燃機関の排気経路の上流位置に設けられることを特徴とする排気浄化装置。
  4. 自動二輪車の内燃機関の出口から配管されるエギゾーストパイプの上流位置に前記触媒担体が設けられることを特徴とする請求項3記載の排気浄化装置。
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