JP7022131B2 - ブルトン型チロシンキナーゼのイミダゾピラジン阻害剤 - Google Patents

ブルトン型チロシンキナーゼのイミダゾピラジン阻害剤 Download PDF

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Description

発明の分野
[001] ある実施形態において、本発明は、式(I)及び(II)の化合物と、これらの化合物を含む医薬組成物と、治療におけるそれらの使用とに関する。ある実施形態において、本発明は、過剰増殖性疾患、炎症性疾患、免疫疾患、又は自己免疫疾患の治療における式(I)若しくは(II)の化合物又は薬学的に許容できる塩の使用に関する。
発明の背景
[002] ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)は、B細胞及び骨髄細胞において発現されるTecファミリー非受容体プロテインキナーゼである。研究結果は、自己免疫疾患における自己抗体の産生の調節におけるBTKの重要な役割を裏付けている。また、BTKの阻害は、Davis, et al, Nature, 2010, 463, 88-94に記載されるように、慢性活動性BCRシグナル伝達のため、B細胞リンパ腫に特に関連しているようである。
[003] 多くの固形腫瘍において、支持微小環境(腫瘍塊の大部分を構成し得る)は、腫瘍生存を可能にする原動力である。腫瘍微小環境は、一般に、Swartz, et al, Cancer Res., 2012, 72, 2473に記載されるように、「悪性形質転換を促進し、腫瘍増殖及び浸潤を助長し、宿主免疫から腫瘍を保護し、治療抵抗性を促進し、主要な転移を達成させるニッチを提供する細胞、可溶性因子、シグナル伝達分子、細胞外基質、及び機械的キュー」の複合混合物として定義される。腫瘍は、T細胞によって認識されるべきである抗原を発現するが、微小環境による免疫抑制のため、免疫系による腫瘍クリアランスは稀である。例えば、化学療法により腫瘍細胞自体に対処することは、微小環境の防御作用を克服するのに不十分であることも分かっている。したがって、微小環境の役割を考慮に入れた固形腫瘍のより有効な治療のための新たな手法が緊急に必要とされている。
発明の概要
[004] 一態様において、BTK阻害剤は、構造:
Figure 0007022131000001
を有する式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩である。
[005] 別の態様において、BTK阻害剤は、構造:
Figure 0007022131000002
を有する式(II)の化合物又はその薬学的に許容できる塩である。
[006] さらに別の態様において、本発明は、過剰増殖性疾患、炎症性疾患、免疫疾患、又は自己免疫疾患の治療における式(I)又は(II)の化合物の使用に関する。
図面の簡単な説明
[007] 本発明の上記の概要及び以下の詳細な説明は、添付の図面とともに読まれる場合によりよく理解される。
式(I)の化合物のH-13Cの2/3結合相関NMRスペクトルを示す。 BTK IMAPアッセイにおけるプレインキュベーション時間(0、30、又は60分)及びATP濃度(5、25、又は100μΜ)の変化による式(I)の化合物の活性を示す。 LanthaScreenアッセイを用いた、BTK野生型(BTK-WT)及びBTK突然変異体Cys481Ser(BTK-C481S)における経時的な式(I)の化合物の見かけのIC50を示す。 Ramos B細胞内のBTK標的占有率に対する式(I)の化合物の用量反応を示す。 アカラブルチニブの主な代謝経路を示す。 アカラブルチニブからM27への主な酸化代謝経路を示す。 アカラブルチニブからM23への代謝経路を示す。 ヒトにおけるアカラブルチニブの生体内変換経路を示す。 ヒトにおけるアカラブルチニブの生体内変換経路を示す。 アカラブルチニブ及びM27がBTKの共有結合性阻害剤であることを示す。左側の図は、経時的な共有結合によるBTK-WTに対する経時的な効力の増加を示す。右側の図は、BTK-C481Sに対する化合物の可逆的結合(親和性)を示し、時間とともに変化しない。BTK-WTとBTK-C481Sとの間の効力の相違は、共有結合の影響を示す。 Ramos細胞内のアカラブルチニブ及びM27のBTK標的占有率(BTK TO)を示す。 単回用量(1μΜ)のM27(DiscoveRx scanMAX)におけるKINOMEscanプロファイリングを示す。 式(III)から式(II)の化合物への代謝経路を示す。
発明の詳細な説明
[008] 本発明の好ましい実施形態が本明細書に示され、記載されているが、このような実施形態は、例として示されるに過ぎず、本発明の範囲を特に限定することを意図されていない。本発明の記載される実施形態の様々な代替形態は、本発明を実施するのに用いられ得る。
[009] 特に定義されない限り、本明細書において使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書において言及される全ての特許及び刊行物は、その全体が参照により援用される。
[0010] 「薬学的に許容できる塩」という用語は、当該技術分野において公知の様々な有機及び無機対イオンに由来する塩を指す。薬学的に許容できる酸付加塩は、無機酸及び有機酸とともに形成され得る。塩が由来し得る無機酸としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、及びリン酸が挙げられる。塩が由来し得る有機酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、及びサリチル酸が挙げられる。薬学的に許容できる塩基付加塩は、無機及び有機塩基とともに形成され得る。塩が由来し得る無機塩基としては、例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、及びアルミニウムが挙げられる。塩が由来し得る有機塩基としては、例えば、第一級、第二級及び第三級アミン、天然置換アミンを含む置換アミン、環状アミン及び塩基性イオン交換樹脂が挙げられる。具体例としては、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、及びエタノールアミンが挙げられる。選択された実施形態において、薬学的に許容できる塩基付加塩は、アンモニウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩、及びマグネシウム塩から選択される。
[0011] 「薬学的に許容できる担体」又は「薬学的に許容できる賦形剤」は、あらゆる溶媒、分散媒、コーティング、抗菌剤及び抗真菌剤、等張剤及び吸収遅延剤を含むことが意図される。薬学的に活性な物質のためのこのような媒体及び薬剤の使用は、当該技術分野において周知である。従来の媒体又は薬剤が有効成分と不適合でない限り、本発明の治療用組成物におけるその使用が想定される。補助的な有効成分も記載される組成物に組み込まれ得る。
[0012] 本明細書において、例えば、分子量又は化学式などの物理的又は化学的特性を表すために範囲が使用されるとき、範囲及びその特定の実施形態の全ての組合せ及び部分的組合せが含まれることが意図される。数値又は数値範囲に言及するときの「約」という用語の使用は、言及される数値又は数値範囲が実験のばらつきの範囲内(又は統計的な実験誤差の範囲内)の近似値であり、したがって、数値又は数値範囲が、例えば、記載される数値又は数値範囲の1%~15%で変化し得ることを意味する。「含んでいる」という用語(及び「含む(comprise)」、又は「含む(comprises)」、又は「有している」、又は「包含している」などの関連する用語)は、例えば、記載される特徴「からなる」又は「から本質的になる」任意の組成物、方法又はプロセスの一実施形態などの実施形態を含む。
化合物
[0013] 第1の実施形態において、M27とも呼ばれる、式(I):
Figure 0007022131000003
の化合物若しくはその薬学的に許容できる塩、又は式(II):
Figure 0007022131000004
の化合物若しくはその薬学的に許容できる塩が提供される。
[0014] 一実施形態において、BTK阻害剤は、4-(8-アミノ-3-(4-(ブタ-2-インアミド)ブタノイル)イミダゾ[1,5-a]ピラジン-1-イル)-N-(ピリジン-2-イル)ベンズアミド及び4-(8-アミノ-3-(4-(ブタ-2-インアミド)ブタノイル)イミダゾ[1,5-a]ピラジン-1-イル)-2-メトキシ-N-(ピリジン-2-イル)ベンズアミドからなる群から選択される化合物である。
[0015] 一実施形態において、化合物は、式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩である。
[0016] 一実施形態において、化合物は、式(II)の化合物又はその薬学的に許容できる塩である。
[0017] 式(I)及び(II)の化合物及び塩は、溶媒和形態及び非溶媒和形態で存在し得る。例えば、溶媒和形態は、半水和物、一水和物、二水和物、三水和物、又はその代替的な数量などの水和形態であり得る。
[0018] 式(I)及び(II)の化合物及び塩は、例えば、化合物の多形、疑似多形、溶媒和物、水和物、非溶媒和多形(無水物を含む)、立体配座多形、及び非晶質形態、並びにそれらの混合物を含む、式(I)及び(II)の化合物の結晶形態及び非晶質形態を同様に含む。「結晶形態」及び「多形」は、特定の結晶形態又は非晶質形態が言及されない限り、例えば多形、疑似多形、溶媒和物、水和物、非溶媒和多形(無水物を含む)、立体配座多形、及び非晶質形態、並びにそれらの混合物を含む、化合物の全ての結晶形態及び非晶質形態を含むことが意図される。
[0019] 一実施形態において、式(I)の化合物若しくはその薬学的に許容できる塩、又は式(II)の化合物若しくはその薬学的に許容できる塩が提供され、ここで、化合物は、単離形態である。
[0020] 「単離形態」における式(I)の化合物若しくはその薬学的に許容できる塩、又は式(II)若しくはその薬学的に許容できる塩は、他の成分、例えば生体に見られる有機成分を実質的に含まないものである。
[0021] 一実施形態において、式(I)の化合物若しくはその薬学的に許容できる塩、又は式(II)の化合物若しくはその薬学的に許容できる塩が提供され、ここで、化合物は、HPLCによって測定される少なくとも90%の純度の高純度である。
[0022] 一実施形態において、式(I)の化合物若しくはその薬学的に許容できる塩、又は式(II)の化合物若しくはその薬学的に許容できる塩が提供され、ここで、化合物は、HPLCによって測定される少なくとも95%の純度の高純度である。
[0023] 一実施形態において、式(I)の化合物若しくはその薬学的に許容できる塩、又は式(II)の化合物若しくはその薬学的に許容できる塩が提供され、ここで、化合物は、HPLCによって測定される少なくとも96%の純度の高純度である。
[0024] 一実施形態において、式(I)の化合物若しくはその薬学的に許容できる塩、又は式(II)の化合物若しくはその薬学的に許容できる塩が提供され、ここで、化合物は、HPLCによって測定される少なくとも97%の純度の高純度である。
[0025] 一実施形態において、式(I)の化合物若しくはその薬学的に許容できる塩、又は式(II)の化合物若しくはその薬学的に許容できる塩が提供され、ここで、化合物は、HPLCによって測定される少なくとも98%の純度の高純度である。
[0026] 一実施形態において、式(I)の化合物若しくはその薬学的に許容できる塩、又は式(II)の化合物若しくはその薬学的に許容できる塩が提供され、ここで、化合物は、HPLCによって測定される少なくとも99%の純度の高純度である。
[0027] 一実施形態において、式(I)の化合物若しくはその薬学的に許容できる塩、又は式(II)の化合物若しくはその薬学的に許容できる塩が提供され、ここで、化合物は、HPLCによって測定される100%の純度である。
[0028] 一実施形態において、式(I)の化合物若しくはその薬学的に許容できる塩、又は式(II)の化合物若しくはその薬学的に許容できる塩が提供され、ここで、化合物は、生体外で生成されている。
[0029] 「生体外で」は、生体、例えば癌又は他の疾病について治療されるヒト患者の外部を意味する。
[0030] 一実施形態において、式(I)の化合物若しくはその薬学的に許容できる塩、又は式(II)の化合物若しくはその薬学的に許容できる塩が提供され、ここで、化合物は、有機合成によって生成されている。有機合成経路は、比較的純粋な形態における、例えばHPLCによって測定される80%以上、90%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、及び99%以上の純度の式(I)若しくは(II)の化合物又はその薬学的に許容できる塩を調製するために利用可能である。再結晶化及び他の精製方法が実質的に100%の純度の化合物を提供するために行われ得る。このような合成方法及び精製技術は、当該技術分野において公知であり、後に続く実施例において非限定的な方法で示されている。
[0031] 「有機合成」は、生成物を得るための実験室又は製造施設における合成反応の実施を意味する。
[0032] 一実施形態において、式(I)若しくは(II)の化合物又はその薬学的に許容できる塩は、実質的に純粋な形態で提供される。「実質的に純粋な」は、化合物がFDAの認可に十分に純粋であり、汚染物質若しくは他の材料を実質的に含有しないか、又は安全性、有効性、安定性、及び他の望ましい特性に関して、化合物の特性に有害な若しくは許容できない影響を与えないレベルの不純物を含有することを意味する。
医薬組成物
[0033] 選択された実施形態において、本発明は、固形腫瘍癌、リンパ腫、及び白血病を治療するための医薬組成物を提供する。
[0034] 医薬組成物は、典型的に、治療的有効量の、有効成分としての式(I)若しくは(II)の化合物又はその薬学的に許容できる塩を提供するように製剤化される。必要に応じて、医薬組成物は、薬学的に許容できる塩及び/又はその配位錯体と、1つ以上の薬学的に許容できる賦形剤、担体(不活性固体希釈剤及び充填剤を含む)、希釈剤(滅菌水溶液及び様々な有機溶媒を含む)、透過促進剤、可溶化剤及び補助剤とを含有する。
[0035] 必要に応じて、他の薬剤が製剤に混合され得るか、又は両方の成分が、別々に若しくは同時に組み合わせて使用するために別個の製剤に配合され得る。
[0036] 選択された実施形態において、本発明の医薬組成物において提供される式(I)若しくは(II)の化合物又は薬学的に許容できる塩のそれぞれの濃度は、独立して、例えば医薬組成物の総質量又は総体積に対して100%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、0.4%、0.3%、0.2%、0.1%、0.09%、0.08%、0.07%、0.06%、0.05%、0.04%、0.03%、0.02%、0.01%、0.009%、0.008%、0.007%、0.006%、0.005%、0.004%、0.003%、0.002%、0.001%、0.0009%、0.0008%、0.0007%、0.0006%、0.0005%、0.0004%、0.0003%、0.0002%、又は0.0001%w/w、w/v、又はv/v未満である。
[0037] 選択された実施形態において、本発明の医薬組成物において提供される式(I)若しくは(II)の化合物又は薬学的に許容できる塩のそれぞれの濃度は、独立して、医薬組成物の総質量又は総体積に対して90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、19.75%、19.50%、19.25%、19%、18.75%、18.50%、18.25%、18%、17.75%、17.50%、17.25%、17%、16.75%、16.50%、16.25%、16%、15.75%、15.50%、15.25%、15%、14.75%、14.50%、14.25%、14%、13.75%、13.50%、13.25%、13%、12.75%、12.50%、12.25%、12%、11.75%、11.50%、11.25%、11%、10.75%、10.50%、10.25%、10%、9.75%、9.50%、9.25%、9%、8.75%、8.50%、8.25%、8%、7.75%、7.50%、7.25%、7%、6.75%、6.50%、6.25%、6%、5.75%、5.50%、5.25%、5%、4.75%、4.50%、4.25%、4%、3.75%、3.50%、3.25%、3%、2.75%、2.50%、2.25%、2%、1.75%、1.50%、125%、1%、0.5%、0.4%、0.3%、0.2%、0.1%、0.09%、0.08%、0.07%、0.06%、0.05%、0.04%、0.03%、0.02%、0.01%、0.009%、0.008%、0.007%、0.006%、0.005%、0.004%、0.003%、0.002%、0.001%、0.0009%、0.0008%、0.0007%、0.0006%、0.0005%、0.0004%、0.0003%、0.0002%、又は0.0001%w/w、w/v、又はv/vを超える。
[0038] 選択された実施形態において、本発明の式(I)若しくは(II)の化合物又は薬学的に許容できる塩のそれぞれの濃度は、独立して、医薬組成物の総質量又は総体積に対して約0.0001%~約50%、約0.001%~約40%、約0.01%~約30%、約0.02%~約29%、約0.03%~約28%、約0.04%~約27%、約0.05%~約26%、約0.06%~約25%、約0.07%~約24%、約0.08%~約23%、約0.09%~約22%、約0.1%~約21%、約0.2%~約20%、約0.3%~約19%、約0.4%~約18%、約0.5%~約17%、約0.6%~約16%、約0.7%~約15%、約0.8%~約14%、約0.9%~約12%、又は約1%~約10%w/w、w/v、又はv/vの範囲である。
[0039] 選択された実施形態において、本発明の式(I)若しくは(II)の化合物又は薬学的に許容できる塩のそれぞれの濃度は、独立して、医薬組成物の総質量又は総体積に対して約0.001%~約10%、約0.01%~約5%、約0.02%~約4.5%、約0.03%~約4%、約0.04%~約3.5%、約0.05%~約3%、約0.06%~約2.5%、約0.07%~約2%、約0.08%~約1.5%、約0.09%~約1%、約0.1%~約0.9%w/w、w/v、又はv/vの範囲である。
[0040] 選択された実施形態において、本発明の式(I)若しくは(II)の化合物又は薬学的に許容できる塩のそれぞれの量は、独立して、3.0g、2.5g、2.0g、1.5g、1.0g、0.95g、0.9g、0.85g、0.8g、0.75g、0.7g、0.65g、0.6g、0.55g、0.5g、0.45g、0.4g、0.35g、0.3g、0.25g、0.2g、0.15g、0.1g、0.09g、0.08g、0.07g、0.06g、0.05g、0.04g、0.03g、0.02g、0.01g、0.009g、0.008g、0.007g、0.006g、0.005g、0.004g、0.003g、0.002g、0.001g、0.0009g、0.0008g、0.0007g、0.0006g、0.0005g、0.0004g、0.0003g、0.0002g、又は0.0001g以下である。
[0041] 選択された実施形態において、本発明の式(I)若しくは(II)の化合物又は薬学的に許容できる塩のそれぞれの量は、独立して、0.0001g、0.0002g、0.0003g、0.0004g、0.0005g、0.0006g、0.0007g、0.0008g、0.0009g、0.001g、0.0015g、0.002g、0.0025g、0.003g、0.0035g、0.004g、0.0045g、0.005g、0.0055g、0.006g、0.0065g、0.007g、0.0075g、0.008g、0.0085g、0.009g、0.0095g、0.01g、0.015g、0.02g、0.025g、0.03g、0.035g、0.04g、0.045g、0.05g、0.055g、0.06g、0.065g、0.07g、0.075g、0.08g、0.085g、0.09g、0.095g、0.1g、0.15g、0.2g、0.25g、0.3g、0.35g、0.4g、0.45g、0.5g、0.55g、0.6g、0.65g、0.7g、0.75g、0.8g、0.85g、0.9g、0.95g、1g、1.5g、2g、2.5、又は3gを超える。
[0042] 本発明に係る式(I)若しくは(II)の化合物又は薬学的に許容できる塩のそれぞれは、広い投与量範囲にわたって有効である。例えば、成人の治療の際、投与量は、独立して、1日当たり0.01~1000mg、0.5~100mg、1~50mgの範囲であり、1日当たり5~40mgが使用され得る投与量の例である。正確な投与量は、投与経路、化合物が投与される形態、治療される対象の性別及び年齢、治療される対象の体重、並びに担当医の選好及び経験に応じて決まる。
[0043] 後述されるのは、非限定的な医薬組成物及びそれを調製するための方法である。
投与量及び投与計画
[0044] 投与される式(I)若しくは(II)の化合物又は薬学的に許容できる塩の量は、治療される哺乳動物、疾患又は病態の重症度、投与速度、化合物の性質(disposition)及び処方医師の裁量に応じて決まる。しかしながら、有効な投与量は、単回又は分割投与で1日当たりkg体重当たり約0.001~約100mg、例えば約1~約35mg/kg/日の範囲である。70kgのヒトの場合、これは、約0.05~7g/日、例えば約0.05~約2.5g/日になるであろう。ある場合、上記の範囲の下限未満の投与量レベルは、十分なものを超え得る一方、他の場合、さらに多い用量は、例えば、このようなより多い用量を、1日を通した投与のためにいくつかの少ない用量に分割することにより、有害な副作用を引き起こさずに用いられ得る。
[0045] 選択された実施形態において、式(I)若しくは(II)の化合物又は薬学的に許容できる塩は、単回投与で投与される。典型的に、このような投与は、薬剤を迅速に導入するために注射、例えば静脈注射によって行われる。しかしながら、必要に応じて他の経路が使用され得る。単回投与の式(I)若しくは(II)の化合物又は薬学的に許容できる塩は、急性疾患の治療にも使用され得る。
[0046] 選択された実施形態において、式(I)若しくは(II)の化合物又は薬学的に許容できる塩は、複数回投与で投与される。投与は、1日に約1回、2回、3回、4回、5回、6回、又は7回以上であり得る。投与は、月に約1回、2週間に1回、週に1回、又は1日おきに1回であり得る。他の実施形態において、式(I)若しくは(II)の化合物又は薬学的に許容できる塩は、1日に約1回~1日に約6回投与される。別の実施形態において、式(I)又は(II)の化合物の投与は、約7日未満にわたって続く。さらに別の実施形態において、投与は、約6、10、14、28日間、2ヶ月間、6ヶ月間、又は1年間を超えて続く。場合により、連続投与が必要な限り達成及び維持される。
[0047] 本発明の薬剤の投与は、必要な限り続き得る。選択された実施形態において、式(I)若しくは(II)の化合物又は薬学的に許容できる塩は、1、2、3、4、5、6、7、14、又は28日間を超えて投与される。ある実施形態において、式(I)若しくは(II)の化合物又は薬学的に許容できる塩は、28、14、7、6、5、4、3、2、又は1日間未満投与される。選択された実施形態において、式(I)若しくは(II)の化合物又は薬学的に許容できる塩は、例えば、慢性作用の治療のために継続的に慢性的に投与される。
[0048] 有効量の式(I)若しくは(II)の化合物又は薬学的に許容できる塩の組合せは、直腸、口腔、鼻腔内及び経皮経路、動脈内注射によるもの、静脈内、腹腔内、非経口、筋肉内、皮下、経口、局所、又は吸入剤としてのものを含む、同様の有用性を有する、薬剤の許容される投与方法のいずれかにより、単回又は複数回投与のいずれかで投与され得る。
[0049] インビトロ試験に基づいて、アカラブルチニブは、主に、CYP3A酵素により、且つより程度は低いが、グルタチオン抱合及びアミド加水分解により代謝される。式(I)の化合物は、アカラブルチニブの曝露より約2~3倍高い幾何平均曝露(AUC)で血漿中の主要代謝産物として特定された。主要代謝産物は、生化学アッセイにおいて、BTK阻害に関してアカラブルチニブより約50%効力が低い。
[0050] アカラブルチニブ及び主要代謝産物は、BTK活性部位におけるシステイン残基とともに共有結合を形成して、BTK酵素活性の阻害をもたらす。システイン残基とのアカラブルチニブ結合は、迅速且つ不可逆的に発生し、定常状態で高い標的占有率を提供する。対象に100mgのアカラブルチニブの単回経口投与を与える臨床試験に基づいて、アカラブルチニブ及び主要代謝産物の消失半減期の中央値(t1/2)は、それぞれ0.9(範囲:0.6~2.8)時間及び6.9時間であった。アカラブルチニブの平均の見かけの経口クリアランス(CL/F)は、159L/時であり、母集団薬物動態分析に基づいて、患者と健常対象との間で同様の薬物動態を有していた。
[0051] より迅速に除去されるアカラブルチニブの血中濃度が低下するにつれて、より長い期間にわたって利用可能である、よりゆっくりと除去される主要代謝産物は、新たに合成されたBTK酵素を阻害し、投与間隔にわたってより高いレベルの有効なBTK標的占有率を維持することにより、さらなる利益を提供することが可能である。
[0052] アカラブルチニブは、CYP3A4/5、CYP2C8、及びCYP2C9の弱い阻害剤であるが、CYP1A2、CYP2B6、CYP2C19、及びCYP2D6を阻害しない。アカラブルチニブは、CYP1A2、CYP2B6、及びCYP3A4の弱い誘導剤である。主要代謝産物は、CYP2C8、CYP2C9、及びCYP2C19の弱い阻害剤であるが、CYP1A2、CYP2B6、CYP2D6、及びCYP3A4/5を阻害しない。主要代謝産物は、CYP3A4の弱い誘導剤である。
治療の方法
[0053] 一実施形態において、本発明は、哺乳動物におけるBTK介在性疾患を治療する方法であって、治療的有効量の式(I)若しくは(II)の化合物又はその薬学的に許容できる塩を前記哺乳動物に投与することを含む方法に関する。
[0054] ある実施形態において、本発明は、哺乳動物における過剰増殖性疾患、炎症性疾患、免疫疾患、又は自己免疫疾患を治療する方法であって、治療的有効量の式(I)若しくは(II)の化合物又はその薬学的に許容できる塩を前記哺乳動物に投与することを含む方法に関する。
[0055] ある実施形態において、本発明は、膀胱癌、頭頸部癌、膵管腺癌(PDA)、膵臓癌、結腸癌、乳癌(mammary carcinoma)、乳癌(breast cancer)、線維肉腫、中皮腫、腎細胞癌、肺癌、胸腺腫、前立腺癌、大腸癌、卵巣癌、急性骨髄性白血病、胸腺癌、脳腫瘍、扁平上皮細胞癌、皮膚癌、眼癌、網膜芽細胞腫、黒色腫、眼内黒色腫、口腔癌及び口腔咽頭癌、胃癌(gastric cancer)、胃癌(stomach cancer)、子宮頸癌、頭部癌、頸部癌、腎臓癌(renal cancer)、腎臓癌(kidney cancer)、肝臓癌、卵巣癌、前立腺癌、大腸癌、食道癌、精巣癌、婦人科癌、甲状腺癌、後天性免疫不全症候群(AIDS)関連癌(例えば、リンパ腫及びカポジ肉腫)、ウイルス誘導性癌、膠芽細胞腫、食道腫瘍、血液学的腫瘍、原発性中枢神経系リンパ腫、非小細胞肺癌(NSCLC)、慢性骨髄性白血病、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、食道腫瘍、濾胞中心リンパ腫、頭頸部腫瘍、C型肝炎ウイルス感染、肝細胞癌、ホジキン病、転移性結腸癌、多発性骨髄腫、非ホジキンリンパ腫、卵巣腫瘍、膵臓腫瘍、腎細胞癌、小細胞肺癌、又はIV期黒色腫からなる群から選択される、哺乳動物における過剰増殖性疾患を式(I)若しくは(II)の化合物又は薬学的に許容できる塩で治療する方法に関する。選択された実施形態において、本発明は、限定はされないが、急性骨髄性白血病、胸腺、脳、肺、扁平上皮細胞、皮膚、眼、網膜芽細胞腫、眼内黒色腫、口腔及び口腔咽頭、膀胱、胃(gastric)、胃(stomach)、膵臓、膀胱、乳房、子宮頸部、頭部癌、頸部癌、腎臓(renal)、腎臓(kidney)、肝臓、卵巣、前立腺、大腸、食道、精巣、婦人科、甲状腺、CNS、PNS、AIDS関連(例えば、リンパ腫及びカポジ肉腫)又はウイルス誘導性癌などの癌を含む過剰増殖性疾患などの疾患をBTK阻害剤で治療する方法に関する。ある実施形態において、前記医薬組成物は、皮膚(例えば、乾癬)、再狭窄、又は前立腺(例えば、良性前立腺肥大症(BPH))の良性過形成などの非癌性過剰増殖性疾患の治療のためのものである。特定の実施形態において、過剰増殖性疾患の治療の方法は、本発明の化合物(例えば、式(I)若しくは(II)の化合物又はその薬学的に許容できる塩)を哺乳動物に投与することを含む。一実施形態において、式(I)若しくは(II)の化合物又はその薬学的に許容できる塩は、哺乳動物に直接投与されるが、別のBTK阻害剤とともに哺乳動物に同時投与されない。一実施形態において、式(I)若しくは(II)の化合物又はその薬学的に許容できる塩は、哺乳動物に直接投与されるが、アカラブルチニブとともに哺乳動物に同時投与されない。一実施形態において、式(I)若しくは(II)の化合物又はその薬学的に許容できる塩は、哺乳動物に直接投与される唯一のBTK阻害剤である。
[0056] ある実施形態において、本発明は、式(I)若しくは(II)の化合物又はその薬学的に許容できる塩で哺乳動物における炎症性疾患、免疫疾患、又は自己免疫疾患を治療する方法に関する。特定の実施形態において、式(I)若しくは(II)の化合物又はその薬学的に許容できる塩は、哺乳動物に直接投与される。一実施形態において、式(I)若しくは(II)の化合物又はその薬学的に許容できる塩は、哺乳動物に直接投与されるが、別のBTK阻害剤とともに哺乳動物に同時投与されない。一実施形態において、式(I)若しくは(II)の化合物又はその薬学的に許容できる塩は、哺乳動物に直接投与されるが、アカラブルチニブとともに哺乳動物に同時投与されない。一実施形態において、式(I)若しくは(II)の化合物又はその薬学的に許容できる塩は、哺乳動物に直接投与される唯一のBTK阻害剤である。選択された実施形態において、本発明は、式(I)若しくは(II)の化合物又はその薬学的に許容できる塩で疾病を治療する方法であって、疾病は、腫瘍血管新生、慢性炎症性疾患、関節リウマチ、アテローム性動脈硬化症、炎症性腸疾患、乾癬、湿疹及び強皮症などの皮膚疾患、1型糖尿病、2型糖尿病、糖尿病性網膜症、未熟網膜症、加齢性黄斑変性症、血管腫、神経膠腫及び黒色腫、潰瘍性大腸炎、アトピー性皮膚炎、回腸嚢炎、脊椎関節炎、ブドウ膜炎、ベーチェット病、リウマチ性多発筋痛、巨細胞性動脈炎、サルコイドーシス、川崎病、若年性特発性関節炎、汗腺膿瘍、シェーグレン症候群、乾癬性関節炎、若年性関節リウマチ、強直性脊椎炎、クローン病、紅斑性狼瘡、ループス腎炎、ヒト白血球抗原(HLA)関連疾患、自己抗体、免疫療法、アジソン病、自己免疫性多内分泌腺症候群1型(APS-1)、自己免疫性多内分泌腺症候群2型(APS-2)、グレーブス病、橋本甲状腺炎、多内分泌自己免疫、医原性自己免疫、特発性上皮小体機能低下症、白斑、及びループス腎炎からなる群から選択される、方法にも関する。
[0057] 「直接投与する」は、式(I)若しくは式(II)の化合物又はそのいずれかの薬学的に許容できる塩が、前駆体分子の投与によって間接的に投与されるのではなく、直接患者に投与されることを意味する。式(I)若しくは式(II)の化合物又はそのいずれかの薬学的に許容できる塩を温血動物に投与することが一般的な意味で言及されている任意の実施形態では、前記化合物又は塩が直接投与されるさらなる実施形態が提供される。
[0058] ある実施形態において、本発明は、関節リウマチ(RA)、若年性RA、若年性特発性関節炎、変形性関節症、乾癬性関節炎、尋常性乾癬、天疱瘡、水疱性類天疱瘡、変形性関節症、感染性関節炎、進行性慢性関節炎、リウマチ性多発筋痛、変形性関節炎、外傷性関節炎、痛風性関節炎、ライター症候群、多発性軟骨炎、急性滑膜炎、強直性脊椎炎、脊椎炎、シェーグレン症候群(SS)、全身性エリテマトーデス(SLE)、円板状エリテマトーデス(円板状LE)、腫瘍性紅斑性LE、ループス腎炎(LN)、抗リン脂質症、皮膚筋炎、多発性筋炎、自己免疫血液疾患、血小板減少症、特発性血小板減少性紫斑病、血栓性血小板減少性紫斑病、自己免疫(寒冷)凝集素症、自己免疫溶血性貧血、クリオグロブリン血症、再生不良性貧血、好中球減少症、自己免疫脈管炎、ベーチェット病、抗好中球細胞質抗体(ANCA)関連脈管炎、強皮症、全身性硬化症、重症筋無力症、多発性硬化症(MS)、慢性限局性脳炎、ギラン・バレー症候、慢性疲労症候群、全身性労作不耐症、視神経脊髄炎、自己免疫ブドウ膜炎、結膜炎、角結膜炎、グレーブス病、甲状腺眼症、慢性甲状腺炎、顕微鏡的多発性血管炎を伴う肉芽腫症、ウェゲナー肉芽腫症、自己免疫胃炎、自己免疫性炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病、移植片対宿主病、特発性スプルー、自己免疫性肝炎、(急性及び慢性)活動性肝炎、特発性肺線維症、気管支炎、間質性肺線維症、慢性炎症性肺疾患、サルコイドーシス、特発性膜性腎症、IgA腎症、糸球体硬化、糸球体腎炎(ネフローゼ症候群を伴う又は伴わない)、膵炎及び1型又は2型糖尿病からなる群から選択される、炎症性疾患、免疫疾患、又は自己免疫疾患を治療する方法を提供する。
[0059] ある実施形態において、本発明は、糖尿病性網膜症、巨細胞性動脈炎、川崎病、炎症性腸疾患、過敏性腸症候群、特発性スプルー、腸疾患、帯状疱疹後神経痛、リウマチ性多発筋痛、原発性胆汁性肝硬変、重症筋無力症、炎症性痛覚、悪液質、歯周病、中耳炎、塵肺、単核球症、肺気腫、肺線維症、珪肺症、慢性炎症性肺疾患、慢性閉塞性肺疾患、肺機能不全、間質性肺線維症、ウィップル病、皮膚の良性過形成(例えば、乾癬)、感染症に起因する筋肉痛、感染症に続発する悪液質、全身性労作不耐症、アテローム性動脈硬化症、肉芽腫症、顕微鏡的多発性血管炎を伴う肉芽腫症、汗腺膿瘍、加齢性黄斑変性症、及びアミロイド症からなる群から選択される、炎症性疾患、免疫疾患、又は自己免疫疾患を治療する方法を提供する。
[0060] ある実施形態において、本発明は、炎症性疾患、免疫疾患、又は自己免疫疾患を治療する方法であって、炎症性疾患、免疫疾患、又は自己免疫疾患は、BTK介在性シグナルが炎症細胞の動員、活性化及び/又は増殖、並びに皮膚における炎症メディエータ及び抗菌ペプチドの産生に関与する皮膚疾患である、方法を提供する。ある実施形態において、本発明は、全身性疾患の皮膚の症状に起因する皮膚疾患を治療する方法であって、感作、リンパ球動員、局所若しくはリンパ節抗原提示細胞によるリンパ球スキューイング(skewing)、皮膚常在若しくは皮膚ホーミングリンパ球の活性化、自然免疫による感知、ケラチノサイト抗菌応答、常在若しくは浸潤性骨髄樹枝状細胞、形質細胞様樹状細胞、マクロファージ、肥満細胞、好中球、及び/又はランゲルハンス細胞の活性化は、皮膚病変の発生をもたらす、方法を提供する。ある実施形態において、本発明は、尋常性乾癬、滴状乾癬、乾癬性紅皮症、爪の乾癬、環状膿疱性乾癬、膿疱性乾癬、逆乾癬(inverse psoriasis)、乾癬性関節炎、膿漏性角皮症、類乾癬、結節性紅斑、掌蹠汗腺炎、アトピー性皮膚炎、アトピー性湿疹、脂漏性湿疹、脂漏性皮膚炎、発汗異常症、酒さ、皮膚エリテマトーデス、急性皮膚エリテマトーデス、亜急性皮膚エリテマトーデス、円板状エリテマトーデス、腫瘍性紅斑性エリテマトーデス、ループス腎炎(LN)、エリテマトーデス脂肪織炎、多形紅斑、疣贅、疣贅状エリテマトーデス、白斑、円形脱毛症、結節性痒疹、扁平苔癬、色素性痒疹、尋常性天疱瘡、水疱性類天疱瘡、紅斑性天疱瘡、結節性天疱瘡、紅皮症性サルコイドーシス、肉芽腫性皮膚炎、強皮症、全身性硬化症、全身性硬化症の皮膚症状、汎発性皮膚肥満細胞症、紅皮症性肥満細胞症、環状肉芽腫、耳輪結節性軟骨皮膚炎、接触皮膚炎、薬疹、線状IgA水疱性皮膚疾患、好酸球性皮膚炎、毛孔性角化症、リンパ腫様丘疹症、急性痘瘡状苔癬状粃糠疹(PLEVA)、慢性苔癬状粃糠疹(PLC)、熱潰瘍性ムーシャ・ハーベルマン病(FUMHD)、慢性じんましん、リウマチ性好中球性皮膚炎、クリオグロブリン血症性紫斑病、及び高グロブリン血症性紫斑病からなる群から選択される皮膚疾患を治療する方法を提供する。
[0061] ある実施形態において、本発明は、過剰増殖性疾患を治療する方法であって、過剰増殖性疾患は、破骨細胞、肥満細胞、及び骨髄細胞におけるBTKシグナル伝達が骨溶解、破骨細胞過程、骨再形成過程の不均衡、又は骨密度の低下に関与する骨の慢性自己免疫及び炎症性疾患である、方法を提供する。自己免疫成分を同様に有することが多いこの性質の疾病としては、変形性関節症、転移による骨量減少、溶骨性病変、骨粗鬆症、強直性脊椎炎、脊椎関節炎、広汎性特発性骨増殖症、痛風性関節炎、及び多発性骨髄腫に関連する骨疾患が挙げられる。ある実施形態において、本発明は、過剰増殖性疾患を治療する方法であって、過剰増殖性疾患は、変形性関節症、転移による骨量減少、溶骨性病変、骨粗鬆症、強直性脊椎炎、脊椎関節炎、広汎性特発性骨増殖症、痛風性関節炎、及び多発性骨髄腫に関連する骨疾患からなる群から選択される、方法を提供する。
[0062] ある実施形態において、本発明は、活性化B細胞がIgE抗体を産生し、FcεRの関与後、肥満細胞が脱顆粒して、炎症性因子の放出及び局所組織応答の急な活性化、並びに内皮細胞、神経受容体及び臓器の機能を決定する他の近位構造に対する慢性変化をもたらすアレルギー性及びアトピー性疾患を治療する方法を提供する。このような病態としては、アトピー性皮膚炎、接触皮膚炎、湿疹、アトピー性湿疹、尋常性天疱瘡、水疱性類天疱瘡、結節性痒疹、スティーブンス・ジョンソン症候群、喘息、気道過敏症、気管支けいれん、気管支炎、反応性喘息、慢性閉塞性肺疾患、1型過敏症、2型過敏症、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、及び気道における他の炎症性又は閉塞性疾患が挙げられる。治療又は予防され得るアレルギーとしては、中でも特に、食品、食品添加物、昆虫毒、イエダニ、花粉、動物性物質、金属、及び特定の薬剤に対するアレルギーが挙げられる。
[0063] 一実施形態において、本発明は、移植片対宿主病(GVHD)を治療する方法であって、式(I)若しくは(II)の化合物又はその薬学的に許容できる塩を投与する工程を含み、GVHDは、幹細胞移植に関連するGVHD、骨髄移植に関連するGVHD、胸腺GVHD、皮膚GVHD、胃腸GVHD、肝臓GVHD、急性GVHD、及び慢性GVHDからなる群から選択される、方法を提供する。特定の実施形態において、式(I)若しくは(II)の化合物又はその薬学的に許容できる塩は、哺乳動物に直接投与される。一実施形態において、式(I)若しくは(II)の化合物又はその薬学的に許容できる塩は、哺乳動物に直接投与されるが、別のBTK阻害剤とともに哺乳動物に同時投与されない。一実施形態において、式(I)若しくは(II)の化合物又はその薬学的に許容できる塩は、哺乳動物に直接投与されるが、アカラブルチニブとともに哺乳動物に同時投与されない。一実施形態において、式(I)若しくは(II)の化合物又はその薬学的に許容できる塩は、哺乳動物に直接投与される唯一のBTK阻害剤である。
[0064] 一実施形態において、薬剤は、活性化シグナルを伝達するか、活性化された内皮細胞におけるインテグリンを認識するか、浸出するか、又はインサイチュでサイトカイン及び/又はケモカイン産生細胞になるためにBTKシグナル伝達を必要とする、ミクログリアの活性化、マクロファージの動員及び活性化、骨髄細胞を含む炎症細胞の浸潤に関与する神経変性疾患を阻害する。式(I)若しくは(II)の化合物又はその薬学的に許容できる塩によるBTKの阻害は、タンパク質の毒性凝集体、例えばβアミロイド沈着(アミロイド斑)、神経原線維変化、タウ凝集及び過リン酸化、細胞質内封入体、細胞質内対らせん状細線維、ポリグルコサン封入体、Papp-Lantos体、ユビキチン含有封入体の蓄積に関連する神経変性疾患、並びにタンパク質分解の不十分な制御及び/又はミスフォールドしたタンパク質を除去できないことが神経変性をもたらす疾患を阻害することにより、疾患活動性又は疾患進行を阻害するであろう。このような疾病としては、孤発性及び家族性アルツハイマー病、軽度認知障害、脳アミロイド血管症、レビー小体型認知症、レビー小体型アルツハイマー病、ダウン症、ハンチントン病、線条体黒質変性症、多系統萎縮症(MSA-P、MSA-C、シャイ・ドレーガー症候群)、孤発性又は遺伝性筋萎縮性側索硬化症(ALS又はルー・ゲーリッグ病)、原発性側索硬化症、若年性原発性側索硬化症、神経変性タウオパチー、孤発性又は遺伝性シヌクレイノパチー、神経核内封入体病、パーキンソン病、17番染色体に連鎖したパーキンソニズムを伴う前頭側頭認知症(FTDP-17)が挙げられる。
[0065] 一実施形態において、本発明は、哺乳動物における神経変性疾患を式(I)若しくは(II)の化合物又はその薬学的に許容できる塩で治療する方法であって、グリア細胞、骨髄細胞、シュワン細胞、乏突起膠細胞及びCNS内にある他の骨髄由来の細胞型における炎症過程の阻害は、BTKとのその共有結合性相互作用及びBTK経路を介したシグナル伝達の阻害によって行われる、方法に関する。式(I)若しくは(II)の化合物又はその薬学的に許容できる塩の投与は、トリヌクレオチドリピート病(ポリグルタミン病)、ハンチントン病、脊髄小脳失調症1、2、3型(マチャド・ジョセフ病)、6、7、及び17型;球脊髄性筋萎縮症、歯状核赤核・淡蒼球ルイ体萎縮症、神経セロイドリポフスチン症、前頭側頭認知症(ピック病、原発性進行性失語症、及び意味認知症)、大脳皮質基底核変性症及び進行性核上麻痺に起因する、ミスフォールドした及び/又は蓄積された細胞内タンパク質に対する免疫認識及び炎症反応を阻害することにより、神経変性を予防又は低減するであろう。特定の実施形態において、式(I)若しくは(II)の化合物又はその薬学的に許容できる塩は、哺乳動物に直接投与される。一実施形態において、式(I)若しくは(II)の化合物又はその薬学的に許容できる塩は、哺乳動物に直接投与されるが、別のBTK阻害剤とともに哺乳動物に同時投与されない。一実施形態において、式(I)若しくは(II)の化合物又はその薬学的に許容できる塩は、哺乳動物に直接投与されるが、アカラブルチニブとともに哺乳動物に同時投与されない。一実施形態において、式(I)若しくは(II)の化合物又はその薬学的に許容できる塩は、哺乳動物に直接投与される唯一のBTK阻害剤である。
[0066] 別の実施形態において、式(I)若しくは(II)の化合物又はその薬学的に許容できる塩の投与を用いて、哺乳動物におけるBTKを阻害し、それにより、孤発性又は遺伝性プリオン病、プリオン障害、例えば、クロイツフェルト・ヤコブ病、クールー、ゲルストマン・ストロイスラー・シャインカー症候群、及びオリーブ橋小脳萎縮症、孤発性致死性不眠症、致死性家族性不眠症をもたらす疾患に起因する炎症介在性神経細胞死及び他の神経炎症作用を改善することができる。家族性プリオン障害の場合、哺乳動物における式(I)若しくは(II)の化合物又はその薬学的に許容できる塩の投与を用いて、臨床兆候の発現後に病徴を軽減し、疾病進行を遅らせることに加えて、疾病の臨床症状の発生を防ぎ及び/又は遅らせることもできる。特定の実施形態において、式(I)若しくは(II)の化合物又はその薬学的に許容できる塩は、哺乳動物に直接投与される。一実施形態において、式(I)若しくは(II)の化合物又はその薬学的に許容できる塩は、哺乳動物に直接投与されるが、別のBTK阻害剤とともに哺乳動物に同時投与されない。一実施形態において、式(I)若しくは(II)の化合物又はその薬学的に許容できる塩は、哺乳動物に直接投与されるが、アカラブルチニブとともに哺乳動物に同時投与されない。一実施形態において、式(I)若しくは(II)の化合物又はその薬学的に許容できる塩は、哺乳動物に直接投与される唯一のBTK阻害剤である。
[0067] 一実施形態において、本発明は、中枢及び/又は末梢神経系における自己免疫介在性神経変性疾患を式(I)若しくは(II)の化合物又はその薬学的に許容できる塩で治療する方法に関する。BTK介在性自己抗体産生の阻害により、式(I)若しくは(II)の化合物又はその薬学的に許容できる塩は、組織内にある骨髄由来細胞の活性化を低減し、循環骨髄細胞のトランスサイトーシス、溢出及び浸潤を阻害し、それにより炎症を低減し得る。さらに、式(I)若しくは(II)の化合物又はその薬学的に許容できる塩による治療は、1)ミクログリアと内皮細胞との間のクロストークを変化させ、2)Bリンパ球の活性化及び循環又は浸潤T細胞に対するそれらの同種抗原提示を阻害し、3)サイトカイン及び/又はケモカイン産生を低減することにより、内皮-ミクログリア境界及び間質腔(自己免疫神経障害では、ここで、リンパ球凝集体が観察されている)における炎症過程の活性化を低減し得る。式(I)若しくは(II)の化合物又はその薬学的に許容できる塩との共有結合性相互作用によるBTK阻害のこれらの効果は、B細胞活性化、サイトカイン活性化、及びAPC機能の阻害により、且つ浸潤性単球、活性化ミクログリア、及び乏突起膠細胞を含むプロフェッショナルなAPCの発達及び成熟状態を変化させることにより、灰白質及び白質への自己免疫T細胞の浸潤を低減するものと考えられる。したがって、式(I)及び(II)の化合物などの共有結合性BTK阻害剤による自己免疫介在性神経変性疾患の治療方法は、自然免疫過程を阻害することと、抗体産生及び自己免疫T細胞の活性化を低減することとによって疾病進行を妨げ得る。本発明は、動物モデルにおける実験的自己免疫脳症、及び視神経脊髄炎(デビック症候群)、ギラン・バレー症候群、多発性硬化症、臨床的に初発の症状、再発寛解型多発性硬化症、悪性多発性硬化症、原発性進行性多発性硬化症、視神経脊髄炎スペクトラム疾患、バロー同心円性硬化症、マールブルグ多発性硬化症、びまん性脱髄性硬化症(diffuse myelinoclastic sclerosis)、慢性限局性脳炎、ラスムッセン脳炎、スティッフパーソン症候群、重症筋無力症、抗MAG IgM単クローン性免疫グロブリン血症に関連する多発性神経障害を含むヒト神経障害の進行を遅らせるか又はその寛解を誘導し得る。特定の実施形態において、式(I)若しくは(II)の化合物又はその薬学的に許容できる塩は、哺乳動物に直接投与される。一実施形態において、式(I)若しくは(II)の化合物又はその薬学的に許容できる塩は、哺乳動物に直接投与されるが、別のBTK阻害剤とともに哺乳動物に同時投与されない。一実施形態において、式(I)若しくは(II)の化合物又はその薬学的に許容できる塩は、哺乳動物に直接投与されるが、アカラブルチニブとともに哺乳動物に同時投与されない。一実施形態において、式(I)若しくは(II)の化合物又はその薬学的に許容できる塩は、哺乳動物に直接投与される唯一のBTK阻害剤である。
[0068] 別の実施形態において、本発明は、Bannworth症候群(ライム病)、慢性脳脊髄炎(ライム病);帯状疱疹後神経痛;HTLV-1関連脊髄症;進行性多巣性白質脳症;慢性疲労症候群(CFS)、全身性労作不耐症(SEID)、筋痛性脳脊髄炎(ME)、ウイルス感染後疲労症候群(PVFS)、慢性疲労免疫不全症候群(CFIDS);メニエール病(めまい-内耳内リンパ体液調節(vertigo-inner ear endolymph fluid regulation))、ギラン・バレー症候群、筋萎縮性側索硬化症、進行性球麻痺、小児性進行性球麻痺(又は若年性進行性球麻痺)、ベル麻痺、前庭神経炎、急性散在性脳脊髄炎、再発性又は多相性散在性脳脊髄炎、及び慢性脳脊髄炎を含む、哺乳動物における感染症又は感染後神経炎症に起因する多発性神経障害を式(I)若しくは(II)の化合物又はその薬学的に許容できる塩で治療する方法に関する。特定の実施形態において、式(I)若しくは(II)の化合物又はその薬学的に許容できる塩は、哺乳動物に直接投与される。一実施形態において、式(I)若しくは(II)の化合物又はその薬学的に許容できる塩は、哺乳動物に直接投与されるが、別のBTK阻害剤とともに哺乳動物に同時投与されない。一実施形態において、式(I)若しくは(II)の化合物又はその薬学的に許容できる塩は、哺乳動物に直接投与されるが、アカラブルチニブとともに哺乳動物に同時投与されない。一実施形態において、式(I)若しくは(II)の化合物又はその薬学的に許容できる塩は、哺乳動物に直接投与される唯一のBTK阻害剤である。一実施形態において、哺乳動物は、ヒトである。
[0069] ある実施形態において、過剰増殖性疾患は、膀胱癌、扁平上皮細胞癌、頭頸部癌、膵管腺癌(PDA)、膵臓癌、結腸癌、乳癌、乳癌、線維肉腫、中皮腫、腎細胞癌、肺癌、胸腺腫、前立腺癌、大腸癌、卵巣癌、急性骨髄性白血病、胸腺癌、脳腫瘍、扁平上皮細胞癌、皮膚癌、眼癌、網膜芽細胞腫、黒色腫、眼内黒色腫、口腔癌、口腔咽頭癌、胃癌、胃癌、子宮頸癌、腎臓癌、腎臓癌、肝臓癌、卵巣癌、前立腺癌、大腸癌、食道癌、精巣癌、婦人科癌、甲状腺癌、後天性免疫不全症候群(AIDS)関連癌(例えば、リンパ腫及びカポジ肉腫)、ウイルス誘導性癌、例えば、子宮頸癌(ヒトパピローマウイルス)、B細胞リンパ増殖性疾患、鼻咽頭癌(エプスタイン・バーウイルス)、カポジ肉腫及び原発性滲出液リンパ腫(カポジ肉腫ヘルペスウイルス)、肝細胞癌(B型肝炎及びC型肝炎ウイルス)、及びT細胞白血病(ヒトT細胞白血病ウイルス1型)、膠芽細胞腫、食道腫瘍、頭頸部腫瘍、転移性結腸癌、頭頸部扁平上皮細胞癌、卵巣腫瘍、膵臓腫瘍、腎細胞癌、血液学的腫瘍、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、IV期黒色腫、及び神経膠腫からなる群から選択される固形腫瘍癌である。
[0070] ある実施形態において、過剰増殖性疾患は、慢性リンパ球性白血病(CLL)、小リンパ球性白血病(SLL)、非ホジキンリンパ腫(NHL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、ホジキンリンパ腫、B細胞急性リンパ芽球性白血病(B-ALL)、バーキットリンパ腫、ワルデンストレームマクログロブリン血症(WM)、バーキットリンパ腫、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群、又は骨髄線維症からなる群から選択されるB細胞悪性血液疾患である。一実施形態において、本発明は、哺乳動物における癌を治療する方法であって、癌は、慢性骨髄性白血病、急性骨髄性白血病、DLBCL(活性化されたB細胞(ABC)及び胚中心B細胞(GCB)亜型を含む)、濾胞中心リンパ腫、ホジキン病、多発性骨髄腫、無痛性非ホジキンリンパ腫、及び成熟B細胞ALLである、方法に関する。
[0071] ある実施形態において、過剰増殖性疾患は、CLLの亜型である。CLLのいくつかの亜型が特徴付けられている。CLLは、白血病細胞における免疫グロブリン重鎖可変領域(IgV)突然変異状態に分類されることが多い。R. N. Damle, et al, Blood 1999, 94, 1840-47; T. J. Hamblin, et al, Blood 1999, 94, 1848-54。IgV突然変異を有する患者は、一般に、IgV突然変異を有さない患者より長生きする。ZAP70発現(陽性又は陰性)もCLLを特徴付けるのに使用される。L. Z .Rassenti, et al, N. Engl. J. Med. 2004, 351, 893-901。CpG3におけるZAP-70のメチル化も、例えばパイロシーケンシングによってCLLを特徴付けるのに使用される。R. Claus, et al, J. Clin. Oncol. 2012, 30, 2483-91;J. A. Woyach, et al, Blood 2014, 123, 1810-17。CLLは、Binet又はRai基準で疾病の段階によっても分類される。J. L. Binet, et al, Cancer 1977, 40, 855-64;K. R. Rai, T. Han, Hematol. Oncol. Clin. North Am. 1990, 4, 447-56。11q欠失、13q欠失、及び17p欠失などの他の一般的な突然変異は、蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)などの周知の技術を用いて評価され得る。一実施形態において、本発明は、ヒトにおけるCLLを治療する方法であって、CLLは、IgV突然変異陰性CLL、ZAP-70陽性CLL、CpG3 CLLにおいてメチル化されたZAP-70、CD38陽性CLL、17p13.1(17p)欠失によって特徴付けられる慢性リンパ球性白血病、及び11q22.3(11q)欠失によって特徴付けられるCLLからなる群から選択される、方法に関する。
[0072] ある実施形態において、過剰増殖性疾患は、リヒタートランスフォーメーションを起こしたCLLである。リヒター症候群としても知られているリヒタートランスフォーメーションを評価する方法は、P. Jain and S. O’Brien, Oncology, 2012, 26, 1146-52に記載されている。リヒタートランスフォーメーションは、5~10%の患者において観察されるCLLの亜型である。リヒタートランスフォーメーションは、CLLからのアグレッシブリンパ腫の発生を含み、一般に予後不良を有する。
[0073] ある実施形態において、過剰増殖性疾患は、リンパ球増加症に罹患しやすい患者におけるCLL又はSLLである。一実施形態において、本発明は、患者におけるCLL又はSLLを治療する方法であって、患者は、ウイルス感染、細菌感染、原虫感染、又は脾臓摘出後状態からなる群から選択される疾患によって引き起こされるリンパ球増加症を示す、方法に関する。一実施形態において、上記の実施形態のいずれかにおけるウイルス感染は、伝染性単核球症、肝炎、及びサイトメガロウイルスからなる群から選択される。一実施形態において、上記の実施形態のいずれかにおける細菌感染は、百日咳、結核、及びブルセラ症からなる群から選択される。
[0074] ある実施形態において、過剰増殖性疾患は、骨髄増殖性疾患(MPD)、骨髄増殖性腫瘍、真性赤血球増加症(PV)、本態性血小板血症(ET)、原発性骨髄線維症(PMF)、骨髄異形成症候群、慢性骨髄性白血病(BCR-ABL1陽性)、慢性好中球性白血病、慢性好酸球性白血病、又は肥満細胞症からなる群から選択される。
[0075] 一実施形態において、治療に使用するための、式(I)の化合物若しくはその薬学的に許容できる塩、又は式(II)の化合物若しくはその薬学的に許容できる塩が提供される。
[0076] 一実施形態において、薬剤の製造における、式(I)の化合物若しくはその薬学的に許容できる塩、又は式(II)の化合物若しくはその薬学的に許容できる塩の使用が提供される。
[0077] 一実施形態において、生体外で製造される薬剤の製造における、式(I)の化合物若しくはその薬学的に許容できる塩、又は式(II)の化合物若しくはその薬学的に許容できる塩の使用が提供される。
[0078] 薬剤の製造が一般的な意味で言及されている任意の実施形態において、薬剤が生体外で製造されるさらなる実施形態が存在する。
[0079] 一実施形態において、哺乳動物における過剰増殖性疾患、炎症性疾患、免疫疾患、又は自己免疫疾患の治療に使用するための、式(I)の化合物若しくはその薬学的に許容できる塩、又は式(II)の化合物若しくはその薬学的に許容できる塩が提供される。
[0080] 一実施形態において、BTKによって介在される疾病の治療に使用するための、式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩が提供され、ここで、疾病は、過剰増殖性疾患である。過剰増殖性疾患は、本明細書において言及される任意の過剰増殖性疾患であり得る。
実施例
[0081] ここで、本明細書に包含される実施形態が以下の実施例を参照して説明される。これらの実施例は、例示のために示されるに過ぎず、本明細書に包含される本開示は、これらの実施例に限定されるものと決して解釈されるべきではなく、むしろ本明細書に示される教示の結果として明らかになるあらゆる変形形態を包含するものと解釈されるべきである。実施例に記載される試薬は、市販されているか、又は文献に記載される手順に従って調製され得る。
実施例1 - 分析方法
[0082] 以下の液体クロマトグラフィー(LC)及び質量分析(MS)方法が、本発明に含まれる化合物を特性評価するのに使用され得る。
方法A
LC-MS分光計(Agilent)
検出器:DAD(210、254及び280nm)
質量検出器:API-ES(10~2000amu、正/負イオンモード)
溶離剤(移動相):A:MilliQ水中0.1%のギ酸、B:アセトニトリル
カラム:Waters XTerra C18 MS、50×4.6mmの内径、2.5μm
流量:0.5mL/分
Figure 0007022131000005
方法B:
HPLC:Gilson分析HPLCシステム
カラム:Phenomenex Luna C18(2)(100×2.00mm、5μm)
検出器:UV/Vis(210/240nm)
流量:1mL/分
溶離剤(移動相):A:アセトニトリル、B:アセトニトリル/MilliQ水=1/9(v/v)、C:MilliQ水中0.1%のTFA
Figure 0007022131000006
実施例2 - 式(I)の化合物の合成
Figure 0007022131000007
4-[8-アミノ-3-(ピロリジン-2-イル)イミダゾ[1,5-a]ピラジン-1-イル]-N-ピリジン-2-イルベンズアミドの調製。
[0083] この化合物を、実質的に国際公開第2013/010868号に記載される方法に従って調製した。
4-[8-アミノ-3-(3,4-ジヒドロ-2H-ピロール-5-イル)イミダゾ[1,5-a]ピラジン-1-イル]-N-ピリジン-2-イルベンズアミドの調製。
[0084] 4-[8-アミノ-3-[(2S)-ピロリジン-2-イル]イミダゾ[1,5-a]ピラジン-1-イル]-N-(2-ピリジル)ベンズアミド(1.13g、2.83mmol)をDCM(50mL)中で懸濁させた。N-クロロスクシンイミド(416mg、3.11mmol)を加え、混合物を21℃で撹拌した。10分後、反応混合物は、透明な淡黄色の溶液であった。トリエチルアミン(868μL、6.23mmol)を加え、混合物を21℃で撹拌し続けた。15分間の撹拌後、白色の沈殿物が形成された。沈殿物をフィルタ上に収集し、アセトニトリル(20mL)で洗浄し、空気乾燥させた。これにより、表題化合物を白色の固体(800mg、70%)として得た。MS(ESI+)m/z 398.2(M+H);1H NMR(400Mhz,DMSO-d6,300K):δ=7.72(1H,d,J=5.0Hz),6.98(1H,d,J=5.0Hz),4.45(1H,t,J=6.9Hz),2.99(1H,br s),2.77-2.90(2H,m),2.09-2.20(1H,m),1.99-2.09(1H,m),1.78-1.89(1H,m),1.66-1.78(1H,m)。
4-(8-アミノ-3-(4-(ブタ-2-インアミド)ブタノイル)イミダゾ[1,5-a]ピラジン-1-イル)-N-(ピリジン-2-イル)ベンズアミドの調製。
[0085] 4-[8-アミノ-3-(3,4-ジヒドロ-2H-ピロール-5-イル)イミダゾ[1,5-a]ピラジン-1-イル]-N-(2-ピリジル)ベンズアミド(167mg、1.69mmol)をメタノール(26.8mL)中に分散させた。撹拌しながら濃塩酸(12M、670μL、8.04mmol)を加えた。30分後、白色の沈殿物が形成された。全ての溶媒を蒸発させ、トルエン(10mL)ですすぎ、再び蒸発させた。得られた白色の固体をアセトン(70mL)中に分散させ、トリエチルアミン(705μL、5.06mmol)を加えた。アセトン(2mL)中のブチリルクロリド(207.4mg、2.02mmol)の溶液を滴下して加え、白色の固体を徐々に溶解させた。揮発性物質を減圧下で除去し、残渣をクロロホルム(200mL)に取り込み、水(200mL)及び塩水で洗浄した。水性相をクロロホルム(2×50mL)で抽出した。組み合わされた有機層を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過し、回転蒸発によって濃縮して、657mgの淡黄色の固体を得た。粗生成物を、DCM中2~5%のMeOH(10%の水酸化アンモニウムを含有する)で溶離しながらシリカゲル(90g)におけるクロマトグラフィーを用いて精製した。純粋な生成物画分をプールし、減圧下で濃縮して、228mg(27%)の淡黄色の固体を得た。LC-MS(方法A)Rt:3.76分;m/z 482.1(M+H);HPLC(方法B)Rt:5.79分;純度99.8%;1H NMR(400Mhz,DMSO-d6,300K):δ=10.91(1H,s),8.72(1H,d,J=4.8Hz),8.54(1H,t,J=6.0Hz),8.42(1H,d,J=4.9Hz),8.22(3H,t,J=8.5Hz),7.87(1H,dt,J1=1.9Hz),7.82(2H,d,J=8.5Hz),7.51(1H,d,J=4.8Hz),7.19(1H,dd,J1=0.9Hz,J2=4.8Hz),6.47(2H,s),3.11-3.26(4H,m),1.93(3H,s),1.83(2H,m)。
実施例3 - 式(II)の化合物の合成
Figure 0007022131000008
[0086] ジクロロメタン(250mL)中の4-ブロモ-2-メトキシ-安息香酸(15.3g、66.2mmol)の溶液にピリジン-2-アミン(6.9g、72.8mmol)及びDIPEA(34.6mL、198.7mmol)を加えた。HATU(32.7g、86.1mmol)を加え、混合物を室温で一晩撹拌した。水(200mL)を加え、反応混合物を1時間撹拌した。有機層を減圧下で濃縮した。DCM(50mL)を加え、溶液を週末にかけて結晶化させた。固体をろ過して取り出し、ジエチルエーテル(10mL)で2回洗浄し、減圧下で乾燥させて、4-ブロモ-2-メトキシ-N-(2-ピリジル)ベンズアミド(14.4g、66.8%)を淡褐色の結晶として得た。LC-MS(方法A)Rt:6.05分;m/z 307.0+309.0(1:1)(M+H)
[0087] 1,4-ジオキサン(175mL)中の4-ブロモ-2-メトキシ-N-(2-ピリジル)ベンズアミド(14.4g、46.9mmol)の溶液にビス(ピナコラト)ジボロン(14.3g、56.3mmol)及び酢酸カリウム(9.2g、93.8mmol)を加えた。PdCl2(dppf).DCM(1.9g、2.3mmol)を加え、混合物を100℃で5時間撹拌した。反応混合物を水(150mL)で希釈し、酢酸エチル(150mL)で2回抽出した。組み合わされた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘプタン中0~50%の酢酸エチル)によって精製した。生成物を含有する画分を減圧下で濃縮した。残渣をヘプタン(150mL)中で懸濁させ、30分間撹拌した。固体をろ過して取り出し、ヘプタン(15mL)で2回洗浄して、2-メトキシ-N-(2-ピリジル)-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンズアミド(10.4g、62.6%)を白色の固体として得た。LC-MS(方法A)Rt:6.86分;m/z 355.2(M+H)。1H NMR(400MHz,DMSO-d6,300K):δ=10.51(1H,s),8.36(1H,m),8.26(1H,d,J=8.4Hz),7.89(1H,d,J=7.6Hz),7.85(1H,m),7.41(1H,dd,J1=7.6Hz,J2=0.9Hz),7.38(1H,s),7.17(1H,m),4.01(3H,s),1.33(12H,s)。
Figure 0007022131000009
1-ブロモ-3-[(2S)-ピロリジン-2-イル]イミダゾ[1,5-a]ピラジン-8-アミンの調製。
[0088] マグネチックスターラーを備えた2000mLの丸底フラスコに37%の塩化水素(660mL、7971mmol)を充填した。ベンジル(2S)-2-(8-アミノ-l-ブロモ-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-3-イル)ピロリジン-1-カルボキシレート硫酸(205g、399mmol)を少しずつ(約30分)加え、反応混合物を50℃で8時間撹拌した。反応混合物を8時間にわたって室温に冷ました。反応混合物をMTBE(3×1200mL)で洗浄した。水(約600mL)中33%の水酸化ナトリウムを、20~30℃の温度に維持しながら、約14のpHに達するまで水性相に滴下して加えた(MTBE層が現れる)。添加後、水性相を1時間撹拌し、ジクロロメタン(2×1500mL)で抽出した。活性炭(10g)を、組み合わされたDCM層に加え、混合物を40℃で1時間撹拌した。固体をジカライト(dicalite)上でのろ過によって除去し、ろ液を減圧下で濃縮して、1-ブロモ-3-[(2S)-ピロリジン-2-イル]イミダゾ[1,5-a]ピラジン-8-アミン(112.3g、397.9mmol、99.8%の収率)をオフホワイトの固体として得た。LC-MS(方法A)Rt:0.673分;m/z 282.0+284.0(1:1)(M+H)+;1H NMR(400Mhz,DMSO-d6,300K):δ=7.72(1H,d,J=5.0Hz),6.98(1H,d,J=5.0Hz),4.45(1H,t,J=6.9Hz),2.99(1H,br s),2.77-2.90(2H,m),2.09-2.20(1H,m),1.99-2.09(1H,m),1.78-1.89(1H,m),1.66-1.78(1H,m)。
4-[8-アミノ-3-[(2S)-ピロリジン-2-イル]イミダゾ[1,5-a]ピラジン-1-イル]-2-メトキシ-N-(2-ピリジル)ベンズアミドの調製。
[0089] 1-ブロモ-3-[(2S)-ピロリジン-2-イル]イミダゾ[1,5-a]ピラジン-8-アミン(112.3g、398.03mmol)、2-メトキシ-N-(2-ピリジル)-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンズアミド(148.04g、417.93mmol)及びヨウ化カリウム(19.82g、119.41mmol)を三つ口の3Lのフラスコ中に充填した。2-ブタノール(550mL)及び水(880mL)を加え、得られた懸濁液を、窒素ガスをそれに通してバブリングしながら撹拌した。トリエチルアミン(165.97mL、1194.1mmol)を加え、懸濁液をゆっくりと溶解させた。ビス(tert-ブチルジシクロヘキシルホスフィン)ジクロロパラジウム(II)(Pd-166、1.37g、1.99mmol)を加え、反応混合物を10分間にわたって再び脱酸素化し、82℃で一晩撹拌して、褐色の懸濁液を得た。反応混合物を室温に冷ました。次に、混合物を40℃に加熱し、水(1800mL)を加え、添加後、再び室温に冷ました。混合物をろ過し、ケーキを水(500mL)及びヘプタン(300mL)で洗浄した。固体をヘプタン(500mL)中で懸濁させ、同時蒸発させた。固体を再びヘプタン(500ml)と同時蒸発させ、50℃で一晩、減圧下で乾燥させて、4-[8-アミノ-3-[(2S)-ピロリジン-2-イル]イミダゾ[1,5-a]ピラジン-1-イル]-2-メトキシ-N-(2-ピリジル)ベンズアミド(142.11g、330.9mmol、83.1%の収率)を淡黄色の固体として得た。LC-MS(方法A)Rt:2.885分;m/z 430.1(M+H)+;HPLC(方法B)
Rt:1.483分;純度98.1%;1H NMR(400Mhz,DMSO-d6,300K):δ=10.49(1H,s),8.37(1H,m),8.30(1H,d,J=8.3Hz),8.04(1H,d,J=8.0Hz),7.87(1H,dt,J1=1.9Hz,J2=7.8Hz),7.79(1H,d,J=5.0Hz),7.43(1H,s),7.39(1H,dd,J1=1.4Hz,J2=8.0Hz),7.18(1H,dd,J1=1.0Hz,J2=8.0HzHz),7.09(1H,d,J=4.9Hz),6.20(2H,s),4.55(1H,t,J=7.5Hz),4.07(3H,s),2.90(2H,t,J=7.2Hz),2.25(1H,m),2.12(1H,m),1.89(1H,m),1.78(1H,m)。
4-[8-アミノ-3-(3,4-ジヒドロ-2H-ピロール-5-イル)イミダゾ[1,5-a]ピラジン-1-イル]-2-メトキシ-N-(2-ピリジル)ベンズアミドの調製。
[0090] 4-[8-アミノ-3-[(2S)-ピロリジン-2-イル]イミダゾ[1,5-a]ピラジン-1-イル]-2-メトキシ-N-(2-ピリジル)ベンズアミド(250mg、0.58mmol)を持ち込み、DCM(20mL)に部分的に溶解させた。N-クロロスクシンイミド(85.1mg、0.64mmol)を加え、混合物を21℃で撹拌した。10分後、反応混合物は、透明な黄色の溶液であった。トリエチルアミン(177.1μL、1.27mmol)を加え、混合物を21℃で撹拌し続けた。30分間の撹拌後、沈殿物が形成された。沈殿物を、遠心分離機を用いて単離して、表題化合物をオフホワイトの固体(187.7mg、75.8%)として得た。HPLC(クロロ中間体)(方法B)Rt:5.596分。
4-[8-アミノ-3-(4-アミノブタノイル)イミダゾ[1,5-a]ピラジン-1-イル]-2-メトキシ-N-(2-ピリジル)ベンズアミド三塩酸塩の調製
[0091] 4-[8-アミノ-3-(3,4-ジヒドロ-2H-ピロール-5-イル)イミダゾ[1,5-a]ピラジン-1-イル]-2-メトキシ-N-(2-ピリジル)ベンズアミド(187.7mg、0.44mmol)をメタノール(8mL)に取り込んだ。濃塩酸(174.5μL、2.09mmol)を加えた。混合物を1.5時間撹拌した。固体がろ過によって得られ、表題化合物が定量的収率(269mg)で淡黄色の固体として得られた。HPLC(方法B)Rt:3.790分。
4-(8-アミノ-3-(4-(ブタ-2-インアミド)ブタノイル)イミダゾ[1,5-a]ピラジン-1-イル)-2-メトキシ-N-(ピリジン-2-イル)ベンズアミドの調製。
[0092] 4-[8-アミノ-3-(4-アミノブタノイル)イミダゾ[1,5-a]ピラジン-1-イル]-2-メトキシ-N-(2-ピリジル)ベンズアミド三塩酸塩(250mg、0.451mmol)をアセトン(2mL)とともにDCM(14mL)中で懸濁させた。HATU(289.7mg、0.762mmol)、トリエチルアミン(254.7μL、1.833mmol)及び2-ブチン酸(64.1mg、0.762mmol)を加えた。混合物を21℃で一晩撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮した。粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(DCM中0~7%のメタノール)を用いて精製した。生成物画分を組み合わせて、減圧下で濃縮した。残渣をメタノール(2mL)中で懸濁させ、溶媒を、遠心分離機を用いて除去した。固体をジエチルエーテル(2mL)で洗浄し、減圧下で乾燥させて、表題化合物をオフホワイトの固体(76.2mg、33.1%)として得た。LC-MS(方法A)Rt:4.300分;m/z 512.2(M+H);HPLC(方法B)Rt:6.499分;純度98.8%;1H NMR(400Mhz,DMSO-d6,300K):δ=10.51(1H,s),8.73(1H,d,J=4.8Hz),8.55(1H,t,J=6.3Hz),8.38(1H,m),8.30(1H,d,J=8.5Hz),8.06(1H,d,J=7.9Hz),7.88(1H,dt,J1=1.9Hz,J2=4.3Hz),7.52(1H,d,J=4.8Hz),7.50(1H,d,J=1.3Hz),7.44(1H,dd,J1=1.5Hz,J2=8.0Hz),7.19(1H,m),6.55(2H,s),4.08(3H,s),3.20(2H,t,J=7.2Hz),3.16(2H,q,J=6.0Hz),1.93(3H,s),1.83(2H,t,J=7.9Hz)。
実施例4 - BTK中のCys481と同じ位置におけるシステインを用いたBTK及び他のキナーゼのキナーゼ活性の測定
Figure 0007022131000010
[0093] BTK酵素活性は、以下に概説されるように、IMAP(固定化金属イオンアフィニティーに基づく蛍光偏光)アッセイを用いて測定される。
[0094] BTK酵素(His-BTK(Milliporeカタログ番号14-552))をKR緩衝液(10mMのトリス-HCl、10mMのMgCl、0.01%のTween-20、0.05%のNaN、1mMのDTT、2mMのMnCl、pH7.2)中で0.4U/mLに希釈する。
[0095] 2mM~63.2nMの試験化合物の連続希釈log10を100%のDMSO中で行う。次に、DMSO中の希釈物をKR緩衝液中で50倍に希釈する。アッセイにおける最終的な化合物濃度範囲は、10μΜ~0.316nMの範囲であった。
[0096] アッセイを以下のように行う:KR緩衝液(アッセイにおける最終的なDMSO濃度は、1%である)中の5μL/ウェルの試験化合物を5μl/ウェルの0.4U/mLのBTK酵素(アッセイにおける最終濃度は、0.1U/mLである)と混合する。試験化合物及びBTK酵素を室温で60分間プレインキュベートしてから、KR緩衝液中の5μL/ウェルの200nMのフルオレセイン標識基質ペプチド(Blk/Lyntide基質、例えば#R7188/#R7233、Molecular Devices)を加える。アッセイにおける最終的なペプチド基質濃度は、50nMである。KR緩衝液中の5μL/ウェルの20μΜのATP(最終的なATP濃度は、5μΜのATPである、BTK IMAPアッセイにおけるKm ATP)を加えることにより、キナーゼアッセイを開始する。室温で2時間のインキュベーション後、(1:600のProgressive Binding Solutionとともに75%の1×緩衝液A及び25%の1×緩衝液Bを用いて、供給業者(Molecular Devices)のプロトコルに従って)40μL/ウェルのIMAP Progressive Binding Solutionを加えることによって酵素反応を停止させる。暗所における室温で60分間のインキュベーション後、FPシグナルを読み取る。535nmにおける蛍光を、平行及び垂直フィルタを用いて測定して、ビーズへのリン酸化基質ペプチドの結合に起因する回転の差を決定する。ATPを伴う及び伴わない対照の読み出しの差(ΔmPi)のパーセンテージとして値を計算する。Dotmaticsにおいて、実験結果の曲線あてはめによってIC50値を決定する。結果が表1に報告される。
[0097] ITK酵素活性は、以下に概説されるように、IMAP(固定化金属イオンアフィニティーに基づく蛍光偏光)アッセイを用いて測定される。
[0098] ITK酵素(Millipore #14-660M)をKR緩衝液(10mMのトリス-HCl、10mMのMgCl、0.01%のTween-20、0.1%のNaN、1mMのDTT、2mMのMnCl、pH7.5)中で0.2U/mLに希釈する。
[0099] 2mM~63.2nMの試験化合物の連続希釈log10を100%のDMSO中で行う。次に、DMSO中の希釈物をKR緩衝液中で50倍に希釈する。アッセイにおける最終的な化合物濃度範囲は、10μΜ~0.316nMの範囲であった。
[00100] アッセイを以下のように行う:KR緩衝液(アッセイにおける最終的なDMSO濃度は、1%である)中の5μL/ウェルの試験化合物を5μL/ウェルの0.2U/mLのITK酵素(アッセイにおける最終濃度は、0.05U/mL(8.4nM)である)と混合する。試験化合物及びITK酵素を室温で60分間プレインキュベートしてから、KR緩衝液中の5μL/ウェルの200nMのフルオレセイン標識基質ペプチド(Blk/Lyntide基質#R8124、Molecular Devices)を加える。アッセイにおける最終的なペプチド基質濃度は、50nMである。KR緩衝液中の5μL/ウェルの20μΜのATP(最終的なATP濃度は、5μΜのATPである、ITK IMAPアッセイにおけるKm ATP)を加えることにより、キナーゼアッセイを開始する。室温で2時間のインキュベーション後、(800倍希釈ビーズ(Progressive Binding System、Molecular Devices #R8124)とともに60%の1×緩衝液A及び40%の1×緩衝液Bを用いて、供給業者(Molecular Devices)のプロトコルに従って、40μL/ウェルのIMAP Progressive Binding Solutionを加えることによって酵素反応を停止させる。暗所における室温で60分間のインキュベーション後、FPシグナルを読み取る。535nmにおける蛍光を、平行及び垂直フィルタを用いて測定して、ビーズへのリン酸化基質ペプチドの結合に起因する回転の差を決定する。ATPを伴う及び伴わない対照の読み出しの差(ΔmPi)のパーセンテージとして値を計算する。Dotmaticsにおいて、実験結果の曲線あてはめによってIC50値を決定する。
[00101] TEC酵素活性は、以下に概説されるように、ThermoFisher製のLanthaScreenアッセイを用いて測定される。
[00102] TEC酵素(LifeTech #PV3269)及びEu抗HIS抗体(Invitrogen #PV5596)を混合し、キナーゼ緩衝液(50mMのHepes pH7.5+10mMのMgCl2+1mMのEGTA+0.01%のBrij-35)中でそれぞれ3及び6nMに希釈する。酵素及び抗体についてのアッセイにおける最終濃度は、それぞれ1及び2nMである。
[00103] トレーサー(Kinase Tracer 178、Invitrogen #PV5593)をキナーゼ緩衝液中で3nMに希釈する。アッセイにおける最終濃度は、1nMである。
[00104] 1mM~3.16nMの試験化合物の連続希釈log10を100%のDMSO中で行う。次に、DMSO中の希釈物をキナーゼ緩衝液(50mMのHepes pH7.5+10mMのMgCl2+1mMのEGTA+0.01%のBrij-35)中で33倍に希釈する。
[00105] アッセイを以下のように行う:5μL/ウェルのTEC酵素及びEU抗His抗体希釈物をキナーゼ緩衝液中で5μL/ウェルのトレーサー希釈物及び5μL/ウェルの化合物希釈物と混合する。アッセイにおける最終的な化合物濃度は、10μΜ~0.316nMの範囲であり、アッセイにおけるDMSOの最終濃度は、1%である。室温で2時間のインキュベーション後、615nm及び665nmにおけるTR-FRETシグナルを読み取る。比率665/615を用いて、トレーサーを伴う及び伴わない対照の読み出しの差(S/N)のパーセンテージで表される値を計算した。Dotmaticsにおいて、実験結果の曲線あてはめによってIC50値を決定した。
[00106] BMX、TXK、EGFR、ERBB2、ERBB4、JAK3、BLKキナーゼ活性を、Thermo FisherにおいてZ’-LYTEアッセイを用いて測定した。10点用量反応(アッセイにおける最終濃度は、1希釈工程当たり3倍希釈で10μΜ~0.5nMの範囲であった)を、ATPの添加によるキナーゼ反応の開始前に、キナーゼを伴う試験化合物の1時間のインキュベーションにより作成した。アッセイにおけるATP濃度は、様々なキナーゼについてKm ATPであった。Thermo Fisherにおいて、実験結果の曲線あてはめによってIC50値を決定する。
実施例5 - 化合物の共有結合を調べるためのATP競合を用いたBTK IMAP
[00107] ATP競合を有するBTK酵素活性を、IMAP(固定化金属イオンアフィニティーに基づく蛍光偏光)アッセイを用いて測定した。
[00108] BTK酵素(Millipore)をキナーゼ反応(KR)緩衝液(10mMのトリス-HCl、10mMのMgCl2、0.01%のTween-20、0.1%のNaN3、1mMのDTT、2mMのMnCl2、pH7.5)中でそれぞれ16nMに希釈した。
[00109] 1mM~31.6nMの試験化合物の連続希釈log10を100%のDMSO中で行った。次に、DMSO中の希釈物をKR緩衝液中で25倍に希釈した。最終的な化合物濃度は、10μΜ~0.316nMの範囲であった。
[00110] アッセイを以下のように行う:KR緩衝液(アッセイにおける最終的なDMSO濃度は、1%である)中の5μL/ウェルの試験化合物を5μl/ウェルのBTK又はITK酵素(アッセイにおける最終濃度は、BTK及びITKについてそれぞれ4及び8nMであった)と混合した。試験化合物及びキナーゼ酵素を0、30、又は60分間プレインキュベートしてから、KR緩衝液中の5μL/ウェルの200nMのフルオレセイン標識基質ペプチド(Blk/Lyntide基質、Molecular Devices)を加えた。アッセイにおける最終的なペプチド基質濃度は、50nMであった。KR緩衝液中の5μL/ウェルの20、100、又は400μΜのATP(最終的なATP濃度は、5、25、又は100μΜのATPであった)を加えることにより、キナーゼアッセイを開始した。室温で2時間のインキュベーション後、800倍希釈ビーズとともに60%の1×緩衝液A及び40%の1×緩衝液Bを用いて、製品の説明書に従って)40μL/ウェルのIMAP Progressive Binding Solution(Molecular Devices)を加えることにより、酵素反応を停止した。暗所における室温で60分間のインキュベーション後、FPシグナルを読み取った。535nmにおける蛍光を、平行及び垂直フィルタを用いて測定して、ビーズへのリン酸化基質ペプチドの結合に起因する回転の差を決定した。ATPを伴う及び伴わない対照の読み出しの差(ΔmPi)のパーセンテージとして値を計算した。Dotmaticsを用いて、実験結果の曲線あてはめによってIC50値を決定した。
[00111] 標準的なIMAPアッセイは、代謝産物M27がBTK阻害剤であることを示したが、M27が共有結合性阻害剤であるかどうかを決定するためにさらなる試験が必要とされた。M27を可変のプレインキュベーション時間(0、30、及び60分)及びATP濃度(5、25及び100μΜ)でBTK IMAP ATP競合アッセイにおいて試験した。表2及び図2における結果により、M27がBTKの共有結合性阻害剤であることが確認される。プレインキュベーション時間を増加させることにより、M27についての効力の変化がもたらされた。さらに、M27を伴うBTKのプレインキュベーション後、ATP競合の低下があり、これは、共有結合する化合物に典型的な結果である。
Figure 0007022131000011
実施例6 - 化合物の共有結合を調べるためのBTK-WT及びBTK-C481S LanthaScreen
[00112] BTK野生型(BTK-WT)及びBTK Cys481 Ser突然変異体(BTK-C481S)における阻害活性を、製造業者のプロトコルに従って、ThermoFisher製のLanthaScreenアッセイ技術を用いて測定した。
[00113] BTK-WT又はBTK-C481S(Genscript)を混合し、キナーゼ緩衝液(50mMのHepes pH7.5+10mMのMgCl2+1mMのEGTA+0.01%のBrij-35)中のEu抗GST抗体(Invitrogen)でそれぞれ15及び6nMに希釈した。酵素及び抗体についてのアッセイにおける最終濃度は、それぞれ5及び2nMである。
[00114] トレーサー(Kinase Tracer 236、Invitrogen)をキナーゼ緩衝液中で90nMに希釈する。アッセイにおける最終濃度は、30nMである。
[00115] 1mM~3.16nMの試験化合物の連続希釈log10を100%のDMSO中で行う。次に、DMSO中の希釈物をキナーゼ緩衝液(50mMのHepes pH7.5+10mMのMgCl2+1mMのEGTA+0.01%のBrij-35)中で33倍に希釈する。
[00116] アッセイを以下のように行う:5μL/ウェルのBTK-WT又はBTK-C481S酵素及びEU抗GST抗体希釈物をキナーゼ緩衝液中の5μL/ウェルのトレーサー希釈物及び5μL/ウェルの化合物希釈物と混合する。アッセイにおける最終的な化合物濃度は、10μΜ~0.316nMの範囲であり、アッセイにおけるDMSO最終濃度は、1%であった。混合物を、暗所で及び様々なインキュベーション時間(5分、10分、20分、30分、40分、60分、90分、120分、180分及び300分)で室温においてインキュベートし、TR-FRETシグナルを615nm及び665nmで読み取った。比率665/615を用いて、トレーサーを伴う及び伴わない対照の読み出しの差(S/N)のパーセンテージとして表される値を計算した。Dotmaticsにおいて、実験結果の曲線あてはめによって各時点のIC50値を決定した。
[00117] M27の共有結合的阻害を確認するために、製造業者のプロトコルに従って、ThermoFisher製のLanthaScreenアッセイ技術を用いて、BTK-WT及びBTK Cys481Ser突然変異体(BTK C481S)に対するM27の阻害活性を調べた。IC50の測定を、BTK及びBTK-C481Sを伴う化合物のインキュベーション後の異なる時点で行った。図9に示される結果により、BTKへのM27の共有結合が確認される。BTK-WTとBTK-C481Sとの間の効力の差は、BTKへの化合物の共有結合の影響を示す。BTK-C481Sを用いた実測値IC50は、可逆的阻害の効力を反映し、時間とともに変化しないか又はほとんど変化しない。BTK-WTで観察される効力の増加は、BTKのATPポケットにおけるC481に共有結合するM27の能力に起因する。共有結合における動態を、BTKに対する化合物の親和性及び求電子剤の反応性によって決定する。
[00118] BTK-WTにおけるLanthaScreenアッセイからのM27についてのデータを用いて、阻害定数は、親及び代謝産物について計算され得る。阻害定数をより正確に決定するために、インキュベーションの開始後のより早いさらなる時点を含むようにLanthaScreen実験を繰り返した。これらの実験の結果が表3にまとめられている。Ki及びkinactパラメータを、アッセイにおいて使用されるトレーサーについての測定値Km=102nMにおいて、Krippendorffらの方法(J Biomol Screen. 2009, 14 (8): 913-23)に従って時間とともにIC50値から導き出した。
Figure 0007022131000012
実施例7 - Ramos B細胞内のBTK標的占有率
[00119] Ramos B細胞(ATCC、カタログ番号CRL-1923)を、900μLのDMEMF12+10%のFBS+2mMのL-グルタミン+Pen/Strepの総体積中で1ウェル当たり2×10個の細胞で24ウェル培養プレートにおいて平板培養した。5~7%のCO2及び37℃で1時間にわたって細胞を静置させた。
[00120] 10mM~316nMの試験化合物の連続希釈log10を100%のDMSO中で行った後、培地中での100倍希釈を行う。
[00121] 次に、各ウェルについて、100μLを、900μLのRamos B細胞を含むウェルプレートに移した。アッセイにおける最終的な化合物濃度範囲は、0.1%の最終的なDMSO濃度において10μΜ~0.316nMで変化し、5~7%のCO及び37℃で2時間にわたってインキュベートした。その後、細胞を、以下に概説されるBTK標的占有率ELISAを用いたBTK標的占有率の測定のために採取する。
[00122] Ramos B細胞試料中の薬剤が結合されたBTKのパーセントを、ELISAに基づく方法によって以下のように決定した:OptiPlate 96ウェルプレート(Perkin Elmer)を125ng/ウェルの抗BTK Ab(BD Biosciences)で被覆し、BSA(Sigma-Aldrich)でブロックした。Ramos B細胞を含有する試料を、50mMのトリス-HCl pH7.5、250mMのスクロース、5mMのMgCl2、1mMのジチオスレイトール(DTT)、0.05%のジギトニン、及びプロテアーゼ阻害剤混合物(Sigma-Aldrich)を含有する氷冷溶解緩衝液に溶解させた。次に、細胞溶解物を、完全なBTK占有率をもたらす飽和濃度である1μΜのアカラブルチニブの非存在下又は存在下で1時間にわたってインキュベートした。BTK標的占有率ELISAにおいて1ウェル当たりで使用される細胞溶解物の最終的な量は、2×10個のRamos B細胞を表す。過剰なアカラブルチニブとともにインキュベートされていない細胞溶解物のシグナルの相違は、遊離BTK(BTK阻害剤によって占有されていない)を表す。試料を式(II)のビオチンタグ化合物(100nM)とともに1時間にわたってインキュベートした。このプローブは、ATPポケットが共有結合性BTK阻害剤によって占有されていないとき、BTKにおけるATPポケットにおけるCys481に共有結合するであろう。次に、各試料を、準備されたOptiplateに二連で加え、周囲温度で2時間インキュベートした。プレートをPBS+0.05%のTween20で4回洗浄した。ストレプトアビジン-HRP(Invitrogen;ELISAグレード)を100μL/ウェル(120ng/mL)で加え、室温で1時間インキュベートした。プレートをPBS+0.05%のTween20で3回洗浄し、次に(Tween 20なしで)PBSで2回洗浄した。100μL/ウェルのSuperSignal ELISA Femto Substrate(ThermoFisher Scientific)を加え、次に化学発光を1分後に測定した(En Vision(登録商標)プレートリーダー;PerkinElmer)。各試料についてのBTK占有率のパーセントをビヒクル対照に対して計算した。外因性アカラブルチニブを用いないビヒクル対照からのシグナルは、100%の遊離BTK(又は0%占有されたBTK)を表す一方、外因性アカラブルチニブを用いたビヒクル対照からのシグナルは、0%の遊離BTK(又は100%占有されたBTK)を表す。1μΜのアカラブルチニブを伴う各細胞溶解物のインキュベーションを用いて、遊離BTKに関連していないバックグラウンドシグナルを補正した。
%遊離BTK試料X=(試料X-試料X+薬剤[1uM])/(1日目の前投与-1日目の前投与+薬剤[1uM])×100%
%占有BTK=100%-%遊離BTK
[00123] 細胞内のBTKへのM27の結合は、Ramos(バーキットリンパ腫)細胞株を用いて行った。Ramos細胞をある用量範囲のM27とともにインキュベートし、BTK標的占有率をELISAによって決定した。結果が図10及び表4に示される。BTK標的占有率ELISAの設定を所与として、可逆的阻害剤がアッセイ中に洗い流され得るため、これらのデータにより、M27がRamos細胞内のBTKに共有結合することも確認される。
Figure 0007022131000013
実施例8 - ヒト末梢血単核細胞(PBMC)CD69アッセイ及びIn WBアッセイ
[00124] 全血を、ヘパリンで被覆されたVacutainer管(BD Biosciences,San Jose,CA)中に採取し、Ficoll-Hypaque(Pharmacia, Uppsala, Sweden)を用いたPBMCの単離に使用した。単離されたPBMCを、後に使用するまで90%のFCS/10%のDMSO中で凍結保存した。
[00125] 極低温保存からの細胞を37℃の水浴中で解凍し、RPMI/1%のFCSで希釈し、2回洗浄し、次に96ウェルプレートにおいてRPMI/10%のFCS中の1ウェル当たり2×10個の細胞で平板培養した。
[00126] 10mM~316nMの試験化合物の連続希釈log10を100%のDMSO中で行った後、RPMI/1%のFCS中での100倍希釈を行う。次に、各ウェルについて、10μLを、90μLのPBMC細胞を含むディープウェルプレートに移した。アッセイにおける最終的な化合物濃度範囲は、0.1%の最終的なDMSO濃度において10μΜ~0.316nMの範囲であった。次に、PBMCを、18時間にわたるヤギF(ab’)2抗IgM(Southern Biotech、#2022-14、アッセイにおける最終濃度5μg/mL)による刺激前に試験化合物の存在下又は非存在下において37℃で2時間インキュベートする。
[00127] 抗IgMによる刺激後、PBMCを抗CD69-FITC、抗CD19-BV421(それぞれBD Biosciences #555530及び#562440)及び7AAD(Life Technologies #A1310)とともに30分間にわたって氷上でインキュベートした。フローサイトメトリーを行い、蛍光値を、CD19+ゲートされた生存B細胞におけるCD69-FITCチャネルから得た。GraphPad Prismを用いて、実験結果の曲線あてはめによってEC50値を決定する。
[00128] PBMCアッセイ:凍結保存されたPBMCを解凍し、洗浄し、96ウェルプレートにおいてRPMI+10%のFBS中の2×105個の細胞/ウェルで懸濁させた。試験化合物を、1/2log用量漸増法(最終濃度は、10μΜ~0.316nMであった)を用いて加え、37℃、5%のCO2で2時間のインキュベーションにわたってインキュベートした。アッセイにおける最終的なDMSO濃度は、0.1%であった。実験の洗い流し部分では、PBMCを沈降させ、細胞ペレットを、試験化合物を含まない培地中で再懸濁させた。これを2回繰り返した。洗い流しを伴う及び伴わないPBMCにヤギ抗ヒトIgM F(ab’)2抗体(Southern Biotech)を加え(最終濃度5μg/mL)、細胞をさらに18時間インキュベートした。次に、細胞を4℃で30分間にわたってCD69-FITC及びCD19-BV421抗体(BD Biosciences)で染色した。非結合抗体を洗い流した後、7-AADを生存率の指標として加えた後、FACSVerse機器(BD Biosciences)を用いたフローサイトメトリーを行った。CD69陽性細胞のパーセンテージを、FCSExpress分析ソフトウェア(De Novo Software)を用いてCD19+Bリンパ球ゲートから得た。Dotmaticsを用いて、実験結果の曲線あてはめによってEC50値を決定した。
[00129] WBアッセイ:45μLの血液をRPMI+1%のFBS中1:1で希釈し、上述されるように試験化合物とともにインキュベートした。血液細胞を10μg/mLのマウス抗ヒト抗IgD抗体(BD Biosciences、アッセイにおける最終濃度10μg/mL)で刺激し、18時間インキュベートした。細胞を室温で15分間にわたってCD69-FITC、CD86-PE、及びCD19-BV421(BD Biosciences)で染色した後、FACS Lysing Solution(BD Biosciences)を用いたRBC溶解を行った。細胞を1mL/ウェルのPBS+0.5%のBSAで3回洗浄した後、フローサイトメトリー分析を行った。CD69についての蛍光強度の中央値を、FCSExpress分析ソフトウェア(De Novo Software)を用いてCD19+Bリンパ球ゲートから得た。Dotmaticsを用いて、実験結果の曲線あてはめによってEC50値を決定した。
[00130] 初代B細胞内のBTK阻害剤の効力は、阻害剤の存在下におけるBCR活性化後の機能的変化を評価するアッセイにおいて評価され得る。シグナル伝達タンパク質における特定のリン酸化エピトープの阻害、並びに細胞表面におけるCD86(B7-2)及びCD69の増加した発現などのBCR活性化のより間接的な指標は、フローサイトメトリー(Report R2013003Aを参照されたい)によって測定され得る。この試験では、CD69発現に対するM27の影響を評価した。ヒトPBMC調製物及びWBにおけるCD69上方制御の結果が表5にまとめられている。
Figure 0007022131000014
[00131] データ(表5)により、M27がBTKの共有結合性阻害剤であり、M27がRamos B細胞内のBTKに共有結合し、それを完全に占有するという結果が確認される。
実施例9:M27のKinomeプロファイリング
[00132] M27を用いて行われるキナーゼプロファイリングを、全ての利用可能なキナーゼにおける1μΜの単回投与でDiscoveRxにおいて行った(KINOMEscan)。全キナーゼ選択性スコアが表6にある。結果は、1μΜのM27についての全キナーゼ選択性プロファイルを示す。M27について1μΜで65%超阻害されたキナーゼは、DiscoveRxにおいて用量反応を追跡された。この実験から決定されたKd値が表7に列挙されている。M27は、TXKを除いてほぼ同じ組のキナーゼについて1μΜ未満のIC50値を有したが、BRK(PTK6)のさらなる阻害を有していた。
Figure 0007022131000015
Figure 0007022131000016

Claims (15)

  1. 構造:
    Figure 0007022131000017

    を有する式(I)若しくは式(II)の化合物又はその薬学的に許容できる塩。
  2. 式(I)の前記化合物又はその薬学的に許容できる塩である、請求項1に記載の化合物。
  3. 式(II)の前記化合物又はその薬学的に許容できる塩である、請求項1に記載の化合物。
  4. 過剰増殖性疾患、炎症性疾患、免疫疾患、又は自己免疫疾患の治療に使用するための、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容できる塩
  5. 慢性リンパ球性白血病、小リンパ球性白血病、非ホジキンリンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、B細胞急性リンパ芽球性白血病、バーキットリンパ腫、ワルデンストレームマクログロブリン血症、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群、及び骨髄線維症からなる群から選択される過剰増殖性疾患の治療に使用するための、請求項2に記載の化合物又はその薬学的に許容できる塩。
  6. 前記過剰増殖性疾患は、慢性リンパ球性白血病である、請求項5に記載の化合物。
  7. 前記過剰増殖性疾患は、小リンパ球性白血病である、請求項5に記載の化合物。
  8. 前記過剰増殖性疾患は、マントル細胞リンパ腫である、請求項5に記載の化合物。
  9. 前記過剰増殖性疾患は、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫である、請求項5に記載の化合物。
  10. 前記過剰増殖性疾患は、ワルデンストレームマクログロブリン血症である、請求項5に記載の化合物。
  11. 腫瘍血管新生、慢性炎症性疾患、関節リウマチ、アテローム性動脈硬化症、炎症性腸疾患、乾癬、湿疹、強皮症、1型糖尿病、2型糖尿病、糖尿病性網膜症、未熟網膜症、加齢性黄斑変性症、血管腫、神経膠腫、黒色腫、潰瘍性大腸炎、アトピー性皮膚炎、回腸嚢炎、脊椎関節炎、ブドウ膜炎、ベーチェット病、リウマチ性多発筋痛、巨細胞性動脈炎、サルコイドーシス、川崎病、若年性特発性関節炎、汗腺膿瘍、シェーグレン症候群、乾癬性関節炎、若年性関節リウマチ、強直性脊椎炎、クローン病、紅斑性狼瘡、ループス腎炎、ヒト白血球抗原関連疾患、自己抗体、免疫療法、アジソン病、自己免疫性多内分泌腺症候群1型、自己免疫性多内分泌腺症候群2型、グレーブス病、橋本甲状腺炎、多内分泌自己免疫、医原性自己免疫、特発性上皮小体機能低下症、白斑、及びループス腎炎からなる群から選択される疾病の治療に使用するための、請求項3に記載の化合物又はその薬学的に許容できる塩
  12. 請求項2に記載の化合物又はその薬学的に許容できる塩と、少なくとも1つの薬学的に許容できる賦形剤とを含む医薬組成物。
  13. 過剰増殖性疾患の治療を、それを必要とする患者において行うのに使用するためのものであり、前記過剰増殖性疾患は、慢性リンパ球性白血病、小リンパ球性白血病、非ホジキンリンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、B細胞急性リンパ芽球性白血病、バーキットリンパ腫、ワルデンストレームマクログロブリン血症、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群、及び骨髄線維症からなる群から選択される、請求項12に記載の医薬組成物
  14. 請求項3に記載の化合物又はその薬学的に許容できる塩と、少なくとも1つの薬学的に許容できる賦形剤とを含む医薬組成物。
  15. 腫瘍血管新生、慢性炎症性疾患、関節リウマチ、アテローム性動脈硬化症、炎症性腸疾患、乾癬、湿疹、強皮症、1型糖尿病、2型糖尿病、糖尿病性網膜症、未熟網膜症、加齢性黄斑変性症、血管腫、神経膠腫、黒色腫、潰瘍性大腸炎、アトピー性皮膚炎、回腸嚢炎、脊椎関節炎、ブドウ膜炎、ベーチェット病、リウマチ性多発筋痛、巨細胞性動脈炎、サルコイドーシス、川崎病、若年性特発性関節炎、汗腺膿瘍、シェーグレン症候群、乾癬性関節炎、若年性関節リウマチ、強直性脊椎炎、クローン病、紅斑性狼瘡、ループス腎炎、ヒト白血球抗原関連疾患、自己抗体、免疫療法、アジソン病、自己免疫性多内分泌腺症候群1型、自己免疫性多内分泌腺症候群2型、グレーブス病、橋本甲状腺炎、多内分泌自己免疫、医原性自己免疫、特発性上皮小体機能低下症、白斑、及びループス腎炎からなる群から選択される疾病の治療に使用するための、請求項14に記載の医薬組成物
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