以下、複数の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、各実施形態で実質的に同一の要素には同一の符号を付し、説明を省略する。
(第1実施形態)
以下では、第1実施形態について図1~図9を参照して説明する。
まず、洗濯機10の概略構成について、図1~図3を参照して説明する。図1に示す洗濯機10は、外箱11、トップカバー12、水槽13、回転槽14、パルセータ15、モータ16、及び注水装置20を備えている。なお、洗濯機10の設置面側つまり鉛直下側を洗濯機10の下側とし、設置面とは反対側つまり鉛直上側を洗濯機10の上側とする。また、図1の紙面左右方向を、洗濯機10の左右方向とする。洗濯機10は、回転槽14の回転軸が鉛直方向を向いたいわゆる縦軸型の洗濯機である。なお、洗濯機は、縦軸型に限られず、回転槽の回転軸が水平又は後方へ向かって下降傾斜した横軸型いわゆるドラム式洗濯機であっても良い。
外箱11は、例えば鋼板によって全体として矩形箱状に構成されている。トップカバー12は、例えば合成樹脂製であって、外箱11の上部に設けられている。水槽13及び回転槽14は、洗濯物を収容する洗濯槽及び脱水槽として機能する。水槽13は、外箱11内に設けられている。水槽13及び回転槽14は、上面が開口した容器状に構成されている。回転槽14は、複数の小孔141を有しており、この小孔141を通して、回転槽14と水槽13との間で水が行き来する。また、水槽13の底部には、図示しない排水口が形成されている。
モータ16は、図示しないクラッチ機構を介して回転槽14に接続されている。図示しないクラッチ機構は、モータ16の回転を回転槽14に対して選択的に伝達する。また、モータ16は、パルセータ15に直接的に接続されている。モータ16の回転は、パルセータ15に対して連続的に伝達される。モータ16及び図示しないクラッチ機構は、洗い時及びすすぎ時には、回転槽14の回転を停止させた状態でモータ16の駆動力をパルセータ15に伝達してパルセータ15を低速で直接正逆回転駆動する。一方、モータ16及び図示しないクラッチ機構は、脱水時等にはモータ16の駆動力を回転槽14に伝達して、回転槽14及びパルセータ15を一方向に高速で回転駆動させる。
注水装置20は、外箱11の上部にあってトップカバー12の内部に設けられている。注水装置20は、接続口21、注水口22、柔軟剤側給水弁23、2つの洗剤側給水弁24、調節器25、注水ケース30、及び2つの微細気泡発生装置40を有している。接続口21は、図示しないホースを介して例えば水道の蛇口等の外部の給水源に接続される。図2にも示すように、接続口21の下流側は複数に分岐して注水ケース30に接続されている。本実施形態の場合、接続口21の下流側は3つの経路に分岐して、注水ケース30に接続されている。
注水ケース30は、接続口21から供給された水を注水ケース30内に通して、注水口22から水槽13及び回転槽14内へ注水する。注水ケース30は、ケース本体31、洗剤収容部33、及び柔軟剤収容部32を有している。ケース本体31は、例えば合成樹脂製の容器状に形成されている。ケース本体31の上流側は、接続口21に接続されて外部の給水源からの水が流入する。なお、外部の給水源は、水道に限られず、例えば浴槽等であっても良い。また、ケース本体31の下流側は、注水口22に接続されており、ケース本体31内に流入した水は、注水口22から水槽13及び回転槽14内に注水される。
柔軟剤収容部32は、例えば上面が開口した容器状に形成されており、ケース本体31の内部に設けられている。柔軟剤収容部32は、ケース本体31に対して洗濯機10の前方側へ引き出し可能に構成されている。また、柔軟剤収容部32は、サイフォン構造部321を有している。柔軟剤収容部32の内部は、サイフォン構造部321を介してケース本体31内の底部側に連通している。ユーザは、柔軟剤を使用する洗濯運転を行う際、柔軟剤収容部32を引き出して柔軟剤収容部32内に柔軟剤を投入する。
洗剤収容部33は、例えば上面が開口した容器状に形成されており、ケース本体31の内部に設けられている。洗剤収容部33は、ケース本体31に対して洗濯機10の前方側へ引き出し可能に構成されている。また、洗剤収容部33は、通水部331を有している。通水部331は、洗剤収容部33の容器状の底部を貫いて形成されており、下方へ向かって開口している。洗剤収容部33の内部は、通水部331を介してケース本体31内の底部側に連通している。また、洗剤収容部33の底部は、通水部331に向かって下降傾斜している。ユーザは、洗剤を使用する運転をする際、洗剤収容部33を引き出して、洗剤収容部33内に洗剤を投入する。
本実施形態の場合、接続口21から分岐した3つの経路のうち1つは、外部の水源から接続口21に供給された水が、注水ケース30の柔軟剤収容部32を経て注水口22から注がれて、水槽13及び回転槽14に至る経路に構成されている。また、接続口21から分岐した3つの経路のうち2つは、外部の水源から接続口21に供給された水が、注水ケース30の洗剤収容部33を経て注水口22から注がれて、水槽13及び回転槽14に至る経路に構成されている。
以下の説明では、図2の矢印Aで示すように、接続口21からケース本体31内の柔軟剤収容部32を経て、注水口22から水槽13及び回転槽14に至る経路を、柔軟剤側給水経路Aと称する。また、図2の矢印Bで示すように、接続口21からケース本体31内の洗剤収容部33を経て、注水口22から水槽13及び回転槽14に至る経路を、洗剤側給水経路Bと称する。これら柔軟剤側給水経路Aと洗剤側給水経路Bとは、柔軟剤収容部32及び洗剤収容部33の下流側であってケース本体31内で合流している。
柔軟剤側給水弁23及び2つの洗剤側給水弁24は、いずれも電磁的に開閉動作可能な液体用の開閉弁である。柔軟剤側給水弁23は、柔軟剤側給水経路Aの途中部分であって接続口21と柔軟剤収容部32との間に設けられており、柔軟剤側給水経路Aを開閉する。2つの洗剤側給水弁24は、それぞれ洗剤側給水経路Bの途中部分であって、接続口21と洗剤収容部33との間に設けられており、それぞれ各洗剤側給水経路Bを開閉する。
調節器25は、柔軟剤側給水経路Aの途中部分であって柔軟剤側給水弁23の下流側、この場合、柔軟剤側給水弁23と柔軟剤収容部32との間に設けられている。調節器25は、例えばいわゆる節水コマで構成されており、接続口21から供給された水の流速及び流量を低減させる機能を有している。接続口21から供給された水は、調節器25によって流速及び流量が低減された状態で、柔軟剤収容部32側へ供給される。
2個の微細気泡発生装置40は、それぞれ2つの洗剤側給水経路Bの途中部分であって洗剤側給水弁24の下流側、この場合、洗剤側給水弁24と洗剤収容部33との間に設けられている。微細気泡発生装置40は、内部を通過する水に微細気泡を含ませるためのものである。
なお、本実施形態における「微細気泡」とは、いわゆるファインバブルであり、例えば直径が1μm~数百μm程度のマイクロバブル、及び直径が1μm以下のウルトラファインバブルを含んだ概念である。そして、微細気泡水とは、微細気泡発生装置40を通過したことによって微細気泡を含んだ水、つまり何ら処理していない通常の水道水に比べて上述した微細気泡を多量に含んだ水をいう。特に本実施形態において微細気泡を含んだ水とは、上述したファインバブルの中でもウルトラファインバブルを主体的に多く含んだ水を意味する。ウルトラファインバブルは長時間水中に滞留することができるとともに、その小ささから繊維の隙間の奥にまで入り込みやすい性質を有する。
微細気泡発生装置40は、水等の液体が微細気泡発生装置40の内部を図6の白抜き矢印方向へ向かって通過する際に、ベンチュリ管の原理を利用してその液体の圧力を急激に減圧することで、その液体中に溶存している気体例えば空気を析出させて微細気泡を発生させるものである。本実施形態の微細気泡発生装置40は、特にウルトラファインバブルを多量に含む微細気泡を発生させることができる。
微細気泡発生装置40は、図3~図6に示すように、全体としてフランジを有する円筒形状に形成されている。図1及び図2において、微細気泡発生装置40は、例えば洗剤側給水弁24と注水ケース30とを接続する管の内部に挿入されている。微細気泡発生装置40は、例えば樹脂製であって、図3~図7にも示すように、流路部材50、60と、衝突部70と、を備えている。流路部材50、60は、図6に示すように、それぞれ液体が通過可能な流路41、42を有している。流路41、42は、相互に接続されて連続する1本の流路を構成する。
流路41、42を連続する1本の流路と見た場合、衝突部70は、連続する流路41、42内に設けられている。衝突部70は、流路41、42の断面積を局所的に縮小することで流路41、42を通過する液体中に微細気泡を発生させる。本実施形態の場合、微細気泡発生装置40は、2つに分割されて別体に構成された流路部材50、60を組み合わせて構成されている。以下の説明では、流路部材50、60のうち、上流側の流路部材50を上流側流路部材50と称し、下流側の流路部材60を下流側流路部材60と称する。そして、2本の流路41、42のうち、上流側の流路41を上流側流路41と称し、下流側の流路42を下流側流路42と称する。
上流側流路部材50は、図4~図6に示すように、フランジ部51、中間部52、及び挿入部53を有して構成されている。フランジ部51は、上流側流路部材50における上流側部分を構成している。中間部52は、フランジ部51と挿入部53との間を接続する部分である。中間部52の外径寸法は、フランジ部51の外径寸法よりも小さい。挿入部53は、上流側流路部材50における下流側部分を構成している。挿入部53の外径寸法は、中間部52の外径寸法よりも小さい。
上流側流路部材50は、図6に示すように、内部に上流側流路41を有している。上流側流路41は、絞り部411とストレート部412とを含んで構成されている。絞り部411は、上流側流路41の入口部分から下流側つまり衝突部70側へ向かって内径が縮小する形状に形成されている。すなわち、絞り部411は、上流側流路41の断面積つまり液体の通過可能な面積が上流側から下流側へ向かって連続的に徐々に減少するようないわゆる円錐形のテーパ管状に形成されている。ストレート部412は、絞り部411の下流側に設けられている。ストレート部412は、内径が変化しない、すなわち流路の断面積つまり液体の通過可能な面積が変化しない円筒形、いわゆるストレート管状に形成されている。
衝突部70は、上流側流路部材50と一体に形成されている。この場合、衝突部70は、上流側流路部材50の下流側端部に設けられている。衝突部70は、図6及び図7に示すように、複数の突出部71、この場合、4本の突出部71によって構成されている。各突出部71は、流路41の断面の周方向に向かって相互に等間隔に離間した状態で配置されている。なお、以下の説明において、流路41の断面とした場合には、流路41等の内部を流れる液体の流れ方向に対して直角方向に切断した場合の断面、すなわち、図6のX7-X7線方向に切断した断面を意味するものとする。また、流路41の周方向とした場合には、流路41等の断面の中心に対する円周方向を意味するものとする。
各突出部71は、上流側流路部材50の内周面から、流路41の径方向の中心へ向かって突出した棒状又は板状に形成されている。本実施形態では、各突出部71は、流路41の径方向の中心へ向かって先端部が尖った錐状で付け根部分が半円柱形の棒状に形成されている。各突出部71は、錐状の先端部を相互に所定間隔だけ離間した状態で突き合わせて配置されている。これにより、微細気泡発生装置40における流路41、42の最小面積部分は、全体として十字形又はX字形のスリット状に形成されている。この場合、図7に示すように、対抗する2つの突出部71の先端部間の寸法を、ギャップ寸法Lと称する。本実施形態の場合、ギャップ寸法Lは、0.7mm程度に設定されている。
上流側流路41の下流側の端部は、衝突部70を構成する各突出部71の間つまり十字形又はX字形のスリットを通して上流側流路41の外部に連通されている。また、衝突部70の下流側の端面つまり上流側流路部材50の下流側の端面54は、図4及び図6に示すように全体として平坦に構成されている。
下流側流路部材60は、図3~図5に示すように、全体として円筒形状に形成されており、図6等に示すように内部に下流側流路42を有している。また、図6に示すように、下流側流路部材60の外径寸法は、中間部52の外径寸法に略等しい。そして、下流側流路部材60は、図6及び図7に示すように、内部に被挿入部61及び変形部62を有している。
被挿入部61は、図6に示すように、下流側流路部材60内において下流側流路42の上流側に設けられている。被挿入部61は、円筒形状に形成されている。図6等に示すように、被挿入部61の内径寸法は、上流側流路部材50の挿入部53の外径寸法よりも僅かに大きい。そのため、上流側流路部材50の挿入部53は、下流側流路部材60の被挿入部61内に挿入可能となっている。
変形部62は、図5及び図7に示すように、被挿入部61の内側面から下流側流路部材60の径方向の中心へ向かって突出するように設けられている。この場合、変形部62は、下流側流路42の流れ方向つまり下流側流路部材60の長手方向に沿って伸びる細長い棒状、いわゆるリブ形状に構成されている。本実施形態の場合、下流側流路部材60は、4つの変形部62を有している。各変形部62は、図7に示すように、被挿入部61の内周面の周方向に沿って等間隔に配置されている。
図7に示すように、上流側流路部材50の挿入部53が、下流側流路部材60の被挿入部61内に挿入されると、変形部62は、被挿入部61の外周面に押し潰されて変形する。このため、挿入部53の周囲は、変形部62によって押圧される。これにより、上流側流路部材50と下流側流路部材60とは、挿入部53と被挿入部61とが相互に圧迫された状態で接続される。
本実施形態の場合、被挿入部61は、上流側から下流側へ向かって内径寸法が連続的に徐々に減少するようないわゆる円錐形のテーパ管状に形成されている。すなわち、被挿入部61における上流端部の内径寸法は、被挿入部61における下流端部の内径寸法よりも大きく、かつ、挿入部53の外径寸法よりも大きい。そして、各変形部62は、テーパ管状の被挿入部61の内側面に沿って、上流側から下流側へ向かって各変形部62の距離が縮まるように傾斜させて配置されている。
この場合、被挿入部61の入口側つまり上流端部の内径寸法は、挿入部53の外径寸法よりも大きいことから、挿入部53を被挿入部61内に挿入し易い。そして、挿入部53を被挿入部61内に押し込むと、挿入部53の外側面が、傾斜した変形部62に沿って移動するため、挿入部53の中心と被挿入部61の中心とが一致し易くなる。すなわち、この場合、上流側流路41の径方向の中心と下流側流路42の径方向の中心とが一致し易くなる。これらの結果、挿入部53を被挿入部61に挿入する際の作業が容易になる。なお、変形部62に換えて、変形部62と同様の構成を挿入部53の外周部に設けても良い。これによっても、変形部62と同様の作用効果が得られる。
この構成において、図2に示す柔軟剤側給水弁23が開放されると、外部の給水源から接続口21に供給された水は、柔軟剤側給水経路Aを流れる。この場合、柔軟剤側給水経路Aには、微細気泡発生装置40が設けられていない。そのため、柔軟剤側給水弁23が開放されると、微細気泡発生装置40を経ておらず微細気泡を含んでいない水が、注水ケース30のケース本体31内に流入し、柔軟剤収容部32に流れ落ちる。そして、柔軟剤収容部32に一定量溜まると、柔軟剤収容部32内の水がサイフォン機構部321を通ってケース本体31の底部側へ流れ落ち、その後、注水口22から水槽13及び回転槽14内へ注水される。このとき、柔軟剤収容部32内に柔軟剤が収容されていれば、その柔軟剤は、柔軟剤側給水経路Aを通って供給された水に押し流されて、注水口22から水槽13及び回転槽14内へ流し落とされる。
また、各洗剤側給水弁24が開放されると、外部の給水源から接続口21に供給された水は、柔軟剤側給水経路Aを流れる。この場合、洗剤側給水経路Bには、微細気泡発生装置40が設けられている。そのため、洗剤側給水弁24が開放されると、微細気泡発生装置40を経て微細気泡を含んだ微細気泡水が、注水ケース30のケース本体31内に流入し、洗剤収容部33に流れ落ちる。そして、洗剤収容部33に流れ落ちた微細気泡水は、通水部331から注水ケース30の底部側へ流れ落ち、その後、注水口22から水槽13及び回転槽14内へ注水される。このとき、洗剤収容部33内に洗剤が収容されていれば、その洗剤は、洗剤側給水経路Bを通って供給された微細気泡水に押し流されて、注水口22から水槽13及び回転槽14内へ流し落とされる。
この場合、柔軟剤側給水経路Aと洗剤側給水経路Bとは、柔軟剤収容部32及び洗剤収容部33の下流側であってケース本体31内で合流している。そのため、柔軟剤側給水弁23と洗剤側給水弁24とが同時に開放されると、柔軟剤側給水経路Aを通る水と、洗剤側給水経路Bを通る微細気泡水とが、ケース本体31内の底部で合流して、注水口22から水槽13及び回転槽14内に注水される。
ここで、本実施形態において、柔軟剤側給水経路Aには、微細気泡発生装置40は設けられておらず、調節器25が設けられている。これは、柔軟剤側給水経路Aに微細気泡発生装置40を設けることが難しいという事情があるからである。すなわち、水道の水圧は0.2~0.4MPa程度が標準であるが、接続口21から供給される水を減圧せずにそのまま柔軟剤収容部32内に供給してしまうと、水の勢いが強すぎるため、柔軟剤収容部32に流入した水が柔軟剤収容部32から溢れたり、そこで跳ね返って周囲に飛び散ってしまったりする。このとき、柔軟剤収容部32内に液体の柔軟剤が収容されていると、その勢いの良い水が当たることで、柔軟剤収容部32内の液体の柔軟剤を濃度が濃いまま周囲に飛び散らせてしまう。そして、濃度の濃い液体の柔軟剤が周囲に付着したまま乾燥してしまうと、汚れの原因となってしまい、見た目にも衛生的にも好ましくない。
そのため、柔軟剤側給水経路Aの途中部分には、接続口21から供給された水を減圧するために、調節器25が設けられている。しかしながら、微細気泡発生装置40によって発生する微細気泡の量は、印加される水圧に比例する。そのため、調節器25と共に微細気泡発生装置40を柔軟剤側給水経路Aに設けるとすると、微細気泡発生装置40に印加される水圧が低くなり、柔軟剤側給水経路Aに設けた微細気泡発生装置40の能力を十分に発揮させることができない。このような理由から、柔軟剤側給水経路Aに微細気泡発生装置40を設けることは難しいため、柔軟剤側給水経路Aには微細気泡発生装置40は設けられていない。
また、洗濯機10は、図8に示すように、制御装置17を備えている。制御装置17は、マイクロコンピュータなどから構成されており、洗濯機10の作動全般を制御する。モータ16、柔軟剤側給水弁23、及び洗剤側給水弁24は、それぞれ制御装置17に電気的に接続されており、制御装置17からの制御信号に基づいて駆動制御される。
また、洗濯機10は、排水弁18及び水位センサ19を備えている。排水弁18は、水槽13の底部に形成された図示しない排水口を開閉するためのものである。洗濯機10は、排水弁18を閉じることで、水槽13内に水を貯水可能とし、排水弁18を開くことで、水槽13内に貯留されている水を排水する。水位センサ19は、水槽13内に貯留された水の水位を計測するためのものである。排水弁18及び水位センサ19も、制御装置17に電気的に接続されている。
次に、制御装置17によって行われる洗濯運転の制御内容について、図9も参照して説明する。なお、図9中の右向き矢印は、排水弁18、柔軟剤側給水弁23、及び洗剤側給水弁24がそれぞれ開状態にあることを示している。制御装置17は、洗濯運転を実行すると、図9に示すように、ステップS11の洗い行程と、ステップS12の排水・脱水行程と、ステップS13のすすぎ行程と、ステップS14の排水・脱水行程と、ステップS15の最終すすぎ行程と、ステップS16の及び排水・脱水行程と、を順に実行する。なお、ステップS11の洗い行程及びステップS13、15のすすぎ行程における注水量や攪拌時間、及びステップSS12、S14、S16の脱水行程における脱水時間は、洗濯物の量やユーザの任意によって適宜変更することができる。
制御装置17は、ステップS11の洗い行程を実行すると、排水弁18を閉じた状態で、2つの洗剤側給水弁24を開く。これにより、洗剤側給水経路Bを通った水が水槽13及び回転槽14内に注水されるとともに、洗剤収容部33内に収容されている洗剤が、洗剤側給水経路Bを通る水に押し流されて水槽13及び回転槽14内に投入される。そして、制御装置17は、水槽13及び回転槽14への注水と並行して、モータ16を駆動させてパルセータ15を回転槽14に対して相対的に回転させる。これにより、水槽13及び回転槽14内に投入された洗剤が溶解されて洗濯液が生成されるととともに、その洗濯液内で洗濯物が攪拌されて洗われる。
このとき、洗剤側給水経路Bを通る水は、微細気泡発生装置40によって微細気泡を多量に含んだ微細気泡水となる。そのため、ステップS11の洗い行程で用いられる洗濯液は、微細気泡が多量に含まれたものとなる。
ここで、洗剤の主成分である陰イオン(アニオン)界面活性剤及び微細気泡水中の微細気泡は、それぞれ個別でも汚れを落とす洗浄能力を有している。しかし、例えば微細気泡水に洗剤を溶解させるなどして濃縮洗剤水に微細気泡水を付与すると、疎水相互作用と称される分子間に働く引力的相互作用によって洗剤中の界面活性剤と微細気泡が吸着し、これにより界面活性剤の凝集つまりミセルがほぐれて水中に分散し易くなる。その結果、界面活性剤が汚れと短時間で反応し易い状態となって洗浄能力が向上する。
すなわち、微細気泡水に洗剤を溶解させて洗濯液を生成することで、洗剤中の界面活性剤と微細気泡水中の微細気泡との相互作用が働き、その結果、水道水に洗剤を溶かしただけの単なる洗濯液又は単なる微細気泡水と比べて、洗浄能力を格段に高めることができる。また、汚れが乳化されて水中に分散し易くなるため、衣類に汚れが再付着することを防ぐ効果も期待できる。このような理由により、本実施形態の洗濯液は、通常の水道水に洗剤を溶かした洗濯液よりも洗浄能力が高いものとなっている。
その後、制御装置17は、水位センサ19の検出結果に基づいて、水槽13内に所定量の水が注水されたことを検出すると、2つの洗剤側給水弁24を閉じて注水を停止する。制御装置17は、モータ16の駆動を継続させて、所定期間が経過するまで洗濯物の洗い動作を継続する。そして、制御装置17は、所定期間が経過すると、モータ16の駆動を停止させて、洗い行程を終了する。
洗い行程が終了すると、制御装置17は、ステップS12の排水・脱水行程を実行する。排水・脱水行程を開始すると、まず、制御装置17は、排水弁18を開いて水槽13内に貯留されている洗濯液を排水する。そして、制御装置17は、水位センサ19の検出結果に基づいて、水槽13内の洗濯液が排水されたことを検出すると、モータ16及び図示しないクラッチ機構を駆動させて回転槽14を高速で回転させる。これにより、回転槽14内の洗濯物が遠心力により脱水される。そして、制御装置17は、所定期間が経過すると、モータ16の駆動を停止させて、排水・脱水行程を終了する。
排水・脱水行程が終了すると、制御装置17は、ステップS13のすすぎ行程を実行する。制御装置17は、ステップS13のすすぎ行程を開始すると、排水弁18を閉じた状態で、2つの洗剤側給水弁24を開いて、すすぎ用の水つまりすすぎ水を、洗剤側給水経路Bを通して水槽13及び回転槽14内へ注水する。これにより、水槽13及び回転槽14内には、微細気泡発生装置40によって微細気泡を多量に含んだ微細気泡水がすすぎ水として注水される。そして、制御装置17は、水槽13及び回転槽14への注水と並行して、モータ16を駆動させてパルセータ15を回転槽14に対して相対的に回転させる。これにより、回転槽14内の洗濯物が攪拌されて、すすぎが行われる。
その後、制御装置17は、水位センサ19の検出結果に基づいて、水槽13内に所定量の水が注水されたことを検出すると、2つの洗剤側給水弁24を閉じて注水を停止する。そして、制御装置17は、モータ16の駆動を継続させて、所定期間が経過するまで洗濯物のすすぎ動作を継続する。そして、制御装置17は、所定期間が経過すると、モータ16の駆動を停止させて、すすぎ行程を終了する。
すすぎ行程が終了すると、制御装置17は、ステップS12と同様に、ステップS14において排水・脱水行程を実行する。なお、ステップS15の最終すすぎ行程以前に行われるすすぎ行程及び排水・脱水行程の回数は、洗濯物の量やユーザの好み等によって増減させても良い。
ステップS14の排水・脱水行程が終了すると、制御装置17は、ステップS15の最終すすぎ行程を実行する。最終すすぎ行程は、柔軟剤収容部32に収容された柔軟剤を用いるすすぎ行程である。制御装置17は、ステップS15の最終すすぎ行程を開始すると、排水弁18を閉じた状態で、2つの洗剤側給水弁24を開いて、洗剤側給水経路Bを通して水槽13及び回転槽14内へすすぎ水を注水する。これにより、水槽13及び回転槽14内には、微細気泡発生装置40によって微細気泡を多量に含んだ微細気泡水が、すすぎ水として注水される。
また、制御装置17は、2つの洗剤側給水弁24のうち少なくとも一方を開いている状態で、本実施形態の場合、2つの洗剤側給水弁24を開いている状態で、柔軟剤側給水弁23を開く。すると、柔軟剤収容部32内に収容されている柔軟剤が、柔軟剤側給水経路Aを通る水に押し流されて水槽13及び回転槽14内に投入される。本実施形態の場合、制御装置17は、2つの洗剤側給水弁24を開くのと同時期に、柔軟剤側給水弁23を開く。つまり、本実施形態では、柔軟剤を用いた最終すすぎ行程の注水において、柔軟剤側給水経路Aを通して柔軟剤を投入する期間と、洗剤側給水経路Bを通して微細気泡水を注水する期間とは、少なくとも一部の期間で重なっている。
これにより、最終すすぎ行程において、柔軟剤収容部32内の柔軟剤は、微細気泡水が水槽13及び回転槽14内に注水されるのとほぼ同時期に、水槽13及び回転槽14内に投入される。そのため、最終すすぎ行程の初期の段階つまり注水の段階で微細気泡水と柔軟剤とが混ざったすすぎ水が生成される。すなわち、これによれば、回転槽14内の洗濯物に、微細気泡水のみ又は柔軟剤が溶解された水道水のみが浸み込む前に、微細気泡水と柔軟剤とが混ぜ合わされる。
また、本実施形態の場合、洗剤側給水経路Bと柔軟剤側給水経路Aとは、柔軟剤収容部32の下流側であってケース本体31内で合流している。そのため、柔軟剤を使用する最終すすぎ行程では、柔軟剤側給水経路Aを通る柔軟剤と洗剤側給水経路Bを通る微細気泡水とが、ケース本体31内で混ざり合った状態で注水口22から水槽13及び回転槽14内に注水される。
ここで、柔軟剤の主成分である陽イオン(カチオン)界面活性剤を微細気泡水に溶解させると、洗剤と同様に、疎水相互作用によって溶液中の界面活性剤と微細気泡が吸着し、これにより界面活性剤の凝集つまりミセルがほぐれて水中に分散し易くなる。その結果、界面活性剤が洗濯物に短時間で効率良く付着し易い状態となって柔軟効果が向上する。すなわち、微細気泡水に柔軟剤を溶解させることで、柔軟剤中の界面活性剤と微細気泡水中の微細気泡との相互作用が働き、その結果、水道水に柔軟剤を溶かしただけのものと比べて、洗濯物に柔軟効果を高めて仕上げることができるとともに香り付けも効果的に行えるなど、柔軟剤の効果を格段に高めることができる。
また、制御装置17は、水槽13及び回転槽14への注水と並行して、モータ16を駆動させてパルセータ15を回転槽14に対して相対的に回転させる。これにより、回転槽14内の洗濯物が攪拌されて、柔軟剤を用いたすすぎ動作が行われる。その後、制御装置17は、水位センサ19の検出結果に基づいて、水槽13内に所定量の水が注水されたことを検出すると、柔軟剤側給水弁23及び洗剤側給水弁24を閉じて注水を停止する。
そして、制御装置17は、モータ16の駆動を継続させて、所定期間が経過するまで洗濯物のすすぎ動作を継続する。その後、制御装置17は、所定期間が経過すると、モータ16の駆動を停止させて、最終すすぎ行程を終了する。最終すすぎ行程が終了すると、制御装置17は、ステップS12、S14と同様に、ステップS16の排水・脱水行程を実行する。そして、ステップS16の排水・脱水行程の終了により、洗い運転に関する一連の行程を終了する。
以上説明した実施形態によれば、洗濯機10は、柔軟剤側給水経路Aと、洗剤側給水経路Bと、微細気泡発生装置40と、を備えている。柔軟剤側給水経路Aは、接続口21からケース本体31内の柔軟剤収容部32を経て注水口22から水槽13及び回転槽14に至る給水経路である。洗剤側給水経路Bは、接続口21からケース本体31内の洗剤収容部33を経て注水口22から水槽13及び回転槽14に至る給水経路である。微細気泡発生装置40は、洗剤側給水経路Bの途中部分に設けられて内部を通過する水に微細気泡を含ませる。
また、柔軟剤側給水経路Aには、微細気泡発生装置40が設けられていない。そして、柔軟剤収容部32に収容された柔軟剤を用いる最終すすぎ行程は、外部の給水源からの水が洗剤側給水経路Bを通って水槽13及び回転槽14に注水されている状態で、外部の給水源からの水が柔軟剤側給水経路Aを通って水槽13及び回転槽14に注水される期間を有している。すなわち、最終すすぎ行程では、すすぎ水を水槽13及び回転槽14内に注水する注水期間において、柔軟剤側給水弁23を開いて柔軟剤を投入する期間と、洗剤側給水弁24を開いて微細気泡水を注水する期間とは、少なくとも一部が重なっている。
これによれば、最終すすぎ行程の初期の段階つまり注水の段階で、微細気泡水と柔軟剤とを混ぜ合せることができる。つまり、これによれば、柔軟剤を用いたすすぎ行程において、流量の少ない柔軟剤側給水経路Aを通って濃度が高い状態で水槽13及び回転槽14内に投入された柔軟剤が、回転槽14内の洗濯物に浸み込みきってしまう前に、微細気泡水と柔軟剤とを混ぜ合せることができる。これにより、柔軟剤に含まれる界面活性剤のミセルを解離させて、すすぎ液中に界面活性剤を効率良く分散させることができる。その結果、微細気泡水と柔軟剤との相乗効果を引き出して、洗濯物に対して柔軟剤の作用を効率良く発揮させることができる。
また、柔軟剤側給水経路Aと洗剤側給水経路Bとは、柔軟剤収容部32の下流側であってケース本体31内で合流している。この構成によれば、柔軟剤収容部32内に収容されている柔軟剤は、柔軟剤を用いた最終すすぎ行程の注水の際に、柔軟剤側給水経路Aを通る水によって柔軟剤収容部32から押し流された後、洗剤側給水経路Bを通る微細気泡水とケース本体31内で合流して混ぜ合わさった状態で、注水口22から水槽13及び回転槽14内に注水される。
これによれば、微細気泡水と柔軟剤とを予め混ぜ合せたすすぎ液を、最終すすぎ行程の注水の初期の段階から水槽13及び回転槽14に注水することができる。したがって、これによれば、柔軟剤の濃度が高い状態で水槽13及び回転槽14内に投入されて洗濯物に部分的に、或いは不均一に浸透してしまうことを抑制することができる。その結果、洗濯物に対して柔軟剤の作用を更に効率良く発揮させることができる。
ここで、本実施形態の微細気泡発生装置40は、内部を通過する水を局所的に絞ることで、水中に微細気泡を析出させるものである。そのため、洗剤側給水経路Bの途中に微細気泡発生装置40を設けると、洗剤側給水経路Bから水槽13及び回転槽14に注水される水の量が低下し、その結果、注水時間が長くなる。そこで、本実施形態の洗濯機10は、2つの洗剤側給水経路Bを備えている。これにより、洗濯機10は、微細気泡発生装置40による流量の低下を補いつつ微細気泡の発生量を増加させることができ、その結果、微細気泡発生装置40を設けたことによる注水時間の延長を抑制することができる。
なお、微細気泡発生装置40は、2つの洗剤側給水経路Bのうち少なくとも一方に設けられていれば良い。例えば図10に示すように、2つの洗剤側給水経路Bのうち一方に微細気泡発生装置40を設け、他方に微細気泡発生装置40を設けない構成としても良い。
これによれば、微細気泡水に含まれる微細気泡の濃度が低下することから、洗剤を用いた洗い行程における洗浄性能や柔軟剤を用いた最終すすぎ行程におけるすすぎ性能は、上記実施形態に比べてやや劣るものの、上記実施形態と同様の作用効果が得られる。更に、図10の例によれば、微細気泡発生装置40を設けていない洗剤側給水経路Bについては、微細気泡発生装置40を設けることによる流量の低下が回避されるため、上記実施形態に比べて、洗い行程やすすぎ行程における注水時間を更に短縮することができる。
(第2実施形態)
次に、図11~図14を参照して第2実施形態について説明する。
本実施形態の洗濯機10は、洗剤側給水経路として、第1洗剤側給水経路B1と、第2洗剤側給水経路B2と、を備えている。また、本実施形態の洗濯機10は、洗剤側給水弁として、第1洗剤側給水弁241と、第2洗剤側給水弁242と、を備えている。そして、本実施形態の洗濯機10は、微細気泡発生装置として、第1微細気泡発生装置401と、第2微細気泡発生装置402と、を備えている。
第1洗剤側給水経路B1及び第2洗剤側給水経路B2は、上記第1実施形態の洗剤側給水経路Bと同様に、接続口21からケース本体31内の洗剤収容部33を経て、注水口22から水槽13及び回転槽14に至る経路である。第1洗剤側給水弁241及び第2洗剤側給水弁242は、上記第1実施形態の洗剤側給水弁24と同様に、電磁的に開閉動作可能な液体用の開閉弁であり、制御装置17によって駆動制御される。
この場合、第1洗剤側給水弁241は、第1洗剤側給水経路B1の途中部分であって洗剤収容部33の上流側に設けられており、第1洗剤側給水経路B1を開閉する。また、第2洗剤側給水弁242は、第2洗剤側給水経路B2の途中部分であって洗剤収容部33の上流側に設けられており、第2洗剤側給水経路B2を開閉する。
第1微細気泡発生装置401及び第2微細気泡発生装置402は、いずれも上記第1実施形態の微細気泡発生装置40と同様の構造であるが、その能力が異なる。すなわち、第1微細気泡発生装置401と第2微細気泡発生装置402とでは、図7に示す衝突部70に形成されたスリットのギャップ寸法Lが異なる。
以下の説明では、第1微細気泡発生装置401におけるスリットのギャップ寸法LをL1とし、第2微細気泡発生装置402におけるスリットのギャップ寸法LをL2とする。この場合、図12に示すように、第1微細気泡発生装置401のギャップ寸法L1は、例えば上記第1実施形態の微細気泡発生装置40のギャップ寸法Lと同じ値に設定されている。また、第2微細気泡発生装置402のギャップ寸法L2は、第1微細気泡発生装置401のギャップ寸法L1の9割以下に設定されている。具体的には、本実施形態の場合、第1微細気泡発生装置401のギャップ寸法L1は0.7mmに設定されているのに対し、第2微細気泡発生装置402のギャップ寸法L2は0.6mmに設定されている。
ギャップ寸法Lを小さくしてスリットの面積を小さくするほど、つまり衝突部70における通水可能な面積を小さくするほど、発生する微細気泡の数は多くなるものの、単位時間当たりの通水量は少なくなる。したがって、第2微細気泡発生装置402は、第1微細気泡発生装置401よりも微細気泡の発生能力が高くかつ単位時間当たりの水の流量が小さく設定されている。
ここで、洗濯機10が使用される地域によっては、水道等の外部の給水源の水圧が不安的な場合がある。そして、微細気泡発生装置401、402に印加される水圧が低下すると、微細気泡発生装置401、402の能力を十分に発揮できなくなるおそれがある。そこで、本実施形態の洗濯機10は、水槽13及び回転槽14への注水の際に、外部の給水源の水圧に応じて、つまり第1洗剤側給水弁241と第2洗剤側給水弁242に印加される水圧に応じて、第1洗剤側給水弁241と第2洗剤側給水弁242の開閉状態の組み合わせを変更する。
すなわち、本実施形態の洗濯機10は、図13に示すように、水圧検出処理部171を更に備えている。水圧検出処理部171は、接続口21から供給される水の圧力、つまり、柔軟剤側給水弁23、第1洗剤側給水弁241、及び第2洗剤側給水弁242に印加される水圧を検出する水圧検出手段として機能する。本実施形態の場合、制御装置17は、水位センサ19で検出された水位と、各給水弁23、241、242の開放時間とから算出される注水速度を監視することで、柔軟剤側給水弁23、第1洗剤側給水弁241、及び第2洗剤側給水弁242に印加されている水圧を検出する。
具体的には、例えば洗濯機10は、図14に示すように、各給水弁23、241、242の開閉状態に応じて、接続口21から例えば所定の水圧で水が供給された場合における注水速度V1、V2を基準値として記憶している。この場合、所定の水圧は、各微細気泡発生装置401、402の性能を発揮させるのに十分な値であって、例えば水道の一般的な水圧である0.4MPa以下に設定されている。
すなわち、所定の水圧は、各微細気泡発生装置401、402に印加される水圧がその所定の水圧以下となった場合には、微細気泡発生装置401、402の性能を十分に発揮できないような値に設定されている。また、注水速度は、単位時間当たりに水槽13及び回転槽14内に注水される水量を意味する。なお、洗濯機10は、水位センサ19の検出結果を用いる水圧検出処理部171に換えて、接続口21に供給される水圧を計測する水圧センサを備えていても良い。
本実施形態の場合、図9のステップS11の洗い行程及びステップS13のすすぎ行程では、排水弁18を閉じるとともに、柔軟剤側給水弁23を閉じた状態で洗剤側給水弁241、242を開くことにより注水を行う。また、ステップS15の最終すすぎ行程では、排水弁18を閉じるとともに、柔軟剤側給水弁23及び洗剤側給水弁241、242を開くことにより注水を行う。したがって、本実施形態において、洗濯機10は、図14に示すように、柔軟剤側給水弁23を閉じかつ洗剤側給水弁241、242を開いた状態での注水速度V1と、柔軟剤側給水弁23及び洗剤側給水弁241、242を開いた状態での注水速度V2と、を記憶している。
次に、図15を参照して、注水時における制御内容を説明する。制御装置17は、図9のステップS11、S13、S15の各行程において注水を開始すると(図15のスタート)、ステップT11において注水を開始する。この場合、図9のステップS11の洗い行程及びS13のすすぎ行程における注水であれば、制御装置17は、柔軟剤側給水弁23を閉じた状態で洗剤側給水弁241、242を開いて注水を行う。また、ステップS15の最終すすぎ行程における注水であれば、制御装置17は、柔軟剤側給水弁23及び洗剤側給水弁241、242を開いて注水を行う。
注水を開始すると、制御装置17は、ステップT12において、柔軟剤側給水弁23及び洗剤側給水弁241、242に印加されている水圧が所定値以下であるか否かを判断する。具体的には、制御装置17は、ステップT11で注水を開始してからの時間と、水位センサ19によって検出される現在の水位とから、水槽13及び回転槽14内への注水速度を算出する。制御装置17は、算出した現在の注水速度が、各給水弁23、241、242の開閉状態に応じて予め設定された注水速度V1、V2以下となっていないか否かを判断する。
この場合、制御装置17は、算出した現在の注水速度が、予め設定された注水速度V1、V2を超えていれば、各給水弁23、241、242には所定値を超える水圧が印加されていると判断する。一方、制御装置17は、算出した現在の注水速度が、予め設定された注水速度V1、V2以下となった場合に、各給水弁23、241、242に印加されている水圧が所定値以下となったと判断する。
具体的には、図9のステップS11の洗い行程及びS13のすすぎ行程における注水であれば、制御装置17は、算出した現在の注水速度が、図15に示す注水速度V1以下となった場合に、洗剤側給水弁241、242に印加されている水圧が所定値以下になったと判断する。また、ステップS15の最終すすぎ行程における注水であれば、制御装置17は、算出した現在の注水速度が、図15に示す注水速度V2以下となった場合に、柔軟剤側給水弁23及び洗剤側給水弁241、242に印加されている水圧が値所定値以下になったと判断する。
水圧の低下が検出されなかった場合(図15のステップT14でNO)、制御装置17は、ステップT13を実行することなくステップT14へ処理を移行させる。一方、水圧の低下が検出された場合(ステップT12でYES)、制御装置17は、ステップT13において、第1洗剤側給水弁241を閉じる。これにより、第2洗剤側給水弁242に印加される水圧が増大する。その結果、第2微細気泡発生装置402で発生する微細気泡の数が減少することを抑制することができる。
その後、制御装置17は、ステップT14において、水位センサ19の検出結果に基づき、水槽13内の水位が予め設定された所定水位に達したか否かを判断する。所定水位に達していない場合(ステップT14でNO)、制御装置17は、ステップT12へ処理を戻し、所定水位に達するまでステップT12~T14を繰り返す。そして、所定水位に達すると(ステップT14でYES)、制御装置17は、ステップT15において、現在開いている給水弁23、241、242を閉じて注水を終了する。これにより、注水に関する一連の制御が終了する(エンド)。
このように、第2実施形態によれば、制御装置17は、水槽13及び回転槽14への注水の際に、第1洗剤側給水弁241及び第2洗剤側給水弁242に印加される水圧が所定値を超えている場合には第1洗剤側給水弁241及び第2洗剤側給水弁242の両方を開いて注水する。一方、制御装置17は、第1洗剤側給水弁241及び第2洗剤側給水弁242に印加される水圧が所定値以下となった場合に第1洗剤側給水弁241を閉じた状態で第2洗剤側給水弁242を開いて注水する。
これによれば、外部の給水源の水圧が十分に高い場合には、第1洗剤側給水弁241及び第2洗剤側給水弁242の両方を開いて注水することで、流量を多く確保して注水時間を短縮することができる。また、外部の給水源の水圧が低くなった場合には、第1洗剤側給水弁241を閉じることで、第2微細気泡発生装置402に印加される水圧が低下することを抑制することができる。その結果、少なくとも第2微細気泡発生装置402から発生される微細気泡の発生量を確保することができる。
また、本実施形態において、第2微細気泡発生装置402は、第1微細気泡発生装置401よりも微細気泡の発生能力が高く設定されている。つまり、印加される水圧が同一であれば、第2微細気泡発生装置402は、第1微細気泡発生装置401に比べて微細気泡を多く発生できる。これによれば、外部の給水源の水圧が低くなった場合であっても、水槽13及び回転槽14に注水される水に含まれる微細気泡の濃度が極端に低下することを防止できる。
なお、上記各実施形態において、「第1」、「第2」との語句は、同様の機能を有する構成を区別して表現するために便宜的に付けたものであって、何らかの優先順位を表す表現ではない。
また、微細気泡発生装置40、401、402は、上述したベンチュリ管の原理を利用ものに限られない。
また、上記各実施形態は、必要に応じて適宜組み合わせて構成することができる。
以上、本発明の複数の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。