JP7019799B2 - カンナビス油を注入した植物製品の製造方法 - Google Patents

Description

本発明は、一般に植物体に関し、より詳細には、カンナビス属の植物から抽出された油を注入した植物製品、およびこの植物質の注入方法に関する。

本ＰＣＴ出願は、その全体が本明細書に組み込まれる、２０１７年９月１５日に出願の同時係属中の米国仮特許出願第６２／５５９，２５５号の利益を主張する。

カンナビス属の植物からのカンナビノイドの健康上の利益がますます実現されている。これらの（様々な効果を示す）フィトカンナビノイドの少なくとも１１３が、カンナビス属の植物から単離されている。これらのうち、主要な精神活性化合物は、ＴＨＣとして一般に知られているデルタ－９テトラヒドロ－カンナビノールである。別の主なフィトカンナビノイドは、一般にＣＢＤと略されるカンナビジオールであり、これは、カンナビス属のいくつかの栽培品種からの抽出物の４０％までを占める。カンナビス植物品種間には広い範囲のＴＨＣおよびＣＢＤの効能がある。

ＣＢＤは精神活性ではないが、その代わりに、不安を軽減する抗精神病効果を有する。２０１７年３月１日にHuffington Postに発表された「カンナビジオールについての手引きおよびＣＢＤの利点（A Primer about Cannabidiol and the Benefits of CBD）」において、科学的研究により、ＣＢＤが、ｉ）てんかんの治療のため、ｉｉ）脳卒中および外傷性脳損傷において、脳物質を保護する神経保護化合物として、ｉｉｉ）外傷後ストレス障害（ＰＴＳＤ）の治療のため、ならびにｉｖ）多発性癌の悪性細胞増殖を阻害においてインビトロおよびインマウス研究において効果的であることが示されている抗腫瘍剤として、医学の分野において役立つものであることが示されたと述べられている。

科学界は、カンナビス属の種（species）の分類学的定義について、何世紀にもわたり意見が分かれてきた。ＣＢＤの高いカンナビス植物品種とＴＨＣ含有量の高いカンナビス品種とを区別するための便利な方法として、俗に言う２つの別々の種、カンナビス・サティバ（Cannabis sativa）およびカンナビス・インディシア（Cannabis indicia）が用いられている。しかし、「カンナビスおよびカンナビノール研究（Cannabis and Cannabinol Research）」（Hazekamp, et al.; Cannabis and Cannabinoid Research 2016, 1.1）に報告されているように、現在の科学的研究は、カンナビスは単型属であり、単一種カンナビス・サティバＬのみからなることを示している。この種には２つの亜種がある。１つの亜種は、ＣＢＤ含有量が高い非薬物の繊維型カンナビスである。これはもともと繊維、油、動物飼料用に産業規模で栽培されていたので、しばしば「大麻」または「産業用大麻」と呼ばれる。本明細書では、この亜種から抽出された油を「大麻油」と呼ぶ。他の亜種は、ＴＨＣ含量が高い薬剤型カンナビスであり、多くの場合「マリファナ」と呼ばれる。本明細書では、この亜種から抽出された油を「ハッシュ油」と呼ぶ。本明細書では、カンビナス属の種または亜種のいずれかから抽出された油を「カンナビス油」と呼ぶ。

カンナビス属の植物は、多くの場合、喫煙によって気化して吸入される。通常、植物質フィラーは、薄い外装ラッパーで包まれ、細く伸ばされた、植物を詰めた喫煙可能な巻筒体（タバコを詰めたシガレットと同様）に巻かれる。これは、ジョイント、ブラント、シガレット、スプリフまたはその他の用語で呼ばれるものであるが、ここでは「ジョイント／ブラント」と呼ぶ。ラッパーは、タバコ、大麻、木質パルプ等で形成されてもよく、また、より厚みがあっても（よりゆっくり燃焼する）、またはより薄く（より迅速に燃焼する）てもよい。喫煙可能な円筒形に巻かれたジョイント／ブラントにおいてフィラーとして使用される植物質は、カンナビス植物由来であってもよく、またはカンナビス物質とタバコ植物由来の物質との混合物であってもよい。他の気化方法には、植物製品を燃焼させるために設計されたパイプおよび水パイプが含まれる。

吸入はＣＢＤの効果的な摂取手段であるが、また、ＣＢＤは様々な病状を軽減することが知られているが、医療提供者が投与量を処方することは困難であった。これは、部分的には、様々なカンナビス栽培品種におけるＣＢＤの量の変動が原因である。より高いＣＢＤ含有量を有する品種が選択される場合、より低いＣＢＤ含有量を有する品種が選択される場合よりも、患者はより高い投与量を受け得るが、処方された、または所望のＣＢＤ摂取を達成するために、ユーザは所望されるよりも多くの製品を喫煙しなければならない場合があることが依然としてある。したがって、ＣＢＤの量が一貫して調節された製品、およびＣＢＤのレベルを制御することができるこの製品を確実に製造する方法が必要とされている。これにより、医療提供者はＣＢＤの投与量を処方することができ、ユーザにＣＢＤの投与量を知らせることができる。また、天然植物製品において利用可能であるよりも高い用量のＣＢＤを提供することができる。

別の関連する問題は、マリファナ製品に油を添加する試みであり、その結果はムラのある、望ましくない製品を製造するものであった。例えば、喫煙前にマリファナのＴＨＣ含有量を増加させるため、一部のユーザは、マリファナの芽に濃いハッシュ油を噴出し、次いで、それらを細断し、ラッパーに入れ、巻いて、喫煙可能な円筒形に巻かれたジョイント／ブラントを形成する。油は、不均等な分布で芽の外側に残る。これは、ムラのある燃焼につながり、しばしば、喫煙中にジョイント／ブラントに再び火をつけなければならないことになる。したがって、安定した燃焼のために、油がムラなく散布された、油を注入した製品を確実に製造する方法が必要とされている。

そのため、注入された油の濃度を制御することができ、現在利用可能なものを超えて濃度を増大させることができ、油がムラなく散布された、信頼できる品質の、カンナビス油を注入した植物製品が必要とされている。さらに、植物質の劣化を最小限に抑えながら、このカンナビス油を注入した植物製品を提供する方法が必要とされている。

本発明は、カンナビス油を注入した植物製品および加工方法に関する。概説すると、この方法は、アルコールと大麻油との混合物で被覆された、乾燥させた植物質を加圧可能な容器に入れ、加圧および加熱し、油／アルコール混合物を有する植物質を醸成時間の間、容器内に置き、油／アルコール混合物の残留物を真空によって除去し、加圧可能な容器から油を注入された植物質を回収するステップを含む。

本発明の一態様では、植物性物質は、加工された植物質であってもよい。

本発明の別の態様では、加工された植物質は、実質的に大麻、タバコ、他の種類の植物質、または合成材料と組み合わされた植物質から形成され得るブラントラッパー（「巻紙」とも呼ばれる）であってもよく、加工された植物質は、製品を収容するのに適した薄いシートを形成するように、また製品を収容する細長い喫煙可能な円筒形に巻かれたジョイント／ブラントを巻くのに適した薄いシートを形成するように加工される。

本発明の別の態様において、植物性物質は、天然または最小限に加工された植物質であってもよい。

本発明のさらなる態様では、植物性物質は、抽出に適した植物製品であってもよい。

本発明のさらなる態様において、植物性物質は、喫煙可能な植物製品であってもよい。

本発明の別の態様では、植物性物質は、乾燥させたハーブであってもよい。

本発明のさらなる態様では、植物性物質は、大麻であってもよい。

本発明の別の態様では、植物性物質は、コーヒー豆であってもよい。

本発明のさらなる態様において、植物性物質は、乾燥させたカンナビス植物質であってもよい。

本発明のさらなる態様では、植物性物質は、タバコであってもよい。

本発明の別の態様では、植物性物質は、ツボクサ（Centella asiatica）としても知られるゴツコラ（gotu kola）であってもよい。

本発明のさらなる態様では、カンナビス油は大麻油であってもよい。

本発明のさらなる態様では、カンナビス油は、高ＣＢＤ大麻油であってもよい。

本発明の別の態様では、カンナビス油は、ハッシュ油であってもよい。

本発明のさらなる態様では、カンナビス油は、高ＴＨＣハッシュ油であってもよい。

本発明の別の態様では、カンナビス油は、ハッシュ油と大麻油との組み合わせであってもよい。

本発明の目的は、単に乾物の表面をカンナビス油で被覆するのではなく、カンナビス油を乾物に添加した、カンナビス油を注入した植物製品の製造方法を提供することである。

さらなる目的は、様々な乾燥させた植物性物質のいずれにもカンナビス油を注入することである。

本発明のこれらおよび他の目的、特徴、および利点は、添付の図面、および以下の好ましい実施形態の詳細な説明からより容易に明らかになるであろう。

本発明の好ましい実施形態は、以下に本発明を例示するために提供され、限定するためではない添付の図面と併せて記載され、ここで、同様の名称は同様の要素を示す。

本発明のカンナビス油を注入した植物製品を製造するために植物性材料を加工する方法の実施形態を示すフローチャートである。

本発明の天然または最小限に加工された植物性物質からのカンナビス油を注入した植物製品の可能性のある例示的な使い方を示すフローチャートである。

本発明の加工された植物性物質からのカンナビス油を注入した植物製品の可能性のある例示的な使い方を示すフローチャートである。

図面のいくつかの図を通して、同様の参照番号は、同様の部分を指すものである。

図面を通して示されるように、本発明は、カンナビス油を注入した植物製品５０に関するものであり、乾燥および／または硬化させた植物性物質２０をアルコール３０とカンナビス油４０との混合物６０で加工して、熱および圧力を用いて、本発明のカンナビス油を注入した植物製品５０を製造する方法に関するものである。

ここで図１を参照すると、油を注入した植物質製品５０を製造する生産者は、最初に、注入される乾燥および／または硬化させた植物性物質２０の種類を取得し（１１）、所望のカンナビス油４０の種類を取得し（１２）、使用されるアルコール３０の種類を取得する（１３）。

カンナビス油４０は、カンナビス属の植物から抽出された油であり、大麻植物栽培品種（ＣＢＤが高く、ＴＨＣがほとんどまたは全くない）およびマリファナ植物栽培品種（大麻栽培品種よりもＴＨＣが高い）の両方を含む。カンナビス油４０は、大麻植物から抽出された大麻油、マリファナ植物から抽出されたハッシュ油、および大麻およびハッシュ油混合物を含む、カンナビス属の植物から抽出された任意の油であってもよい。カンナビス油４０は、例えば、ブタン、エタノール、クロロホルム、エタノール、イソプロパノールなどであり得る溶媒を使用する方法などの、任意の従来の様式で抽出されてもよい。カンナビス油４０は、油の抽出前に乾燥されてあることが好ましいカンナビス属の植物の任意の部分から抽出することができる。使用のために選択されるカンナビス油は、抽出工程において使用される任意の溶媒の残留痕跡を最小限にするか、または全く含まないことが好ましい。

加工方法で使用される植物性物質２０は、本発明の方法を開始する前に乾燥および／または硬化されることが好ましい。乾燥および硬化は、様々な公知の乾燥および硬化手順のいずれかを実施することによって行われてきた。乾燥は、空気乾燥であってもよく、または、より好ましくは、脱水機または強制空気乾燥機を使用することによるものであってもよい。植物性物質２０は、ブラントラッパーなどの加工された植物性物質であってもよく、または、例えば、カンナビス植物質、乾燥させた喫煙可能なハーブ、またはコーヒーおよび茶を含む抽出に適した乾燥ハーブなどの、天然または最小限に加工された植物性物質であってもよい。

使用される植物性物質２０は、植物の任意の部分（茎、根、葉、芽、花部分、樹皮、根茎、果実など）から取り出されてもよく、注入加工のために選択された特定の植物品種に応じて異なる植物部分が利用される。植物性物質２０は、葉（茶または大麻の葉など）、芽（カンナビス芽など）、樹皮（クスノキ属のシナモンの木の樹皮など）、種子（コーヒーまたはセロリなど）、または根（セロリ植物（Apium graveolens）の乾燥させた根など）であってもよい。例として、植物性物質は以下のいずれかであり得るが、これらに限定されない：茶葉、コーヒー豆（粉砕または好ましくは丸ごと）、セイヨウノコギリソウ（Achillea millefolium）、サルビア属（セージ（sages）、サルビア・アピアナ（Salvia apiana）およびサルビア・ディビノルム（Salvia divinorum）を含む）、シソ科（Lamiaceae species）（ペパーミントおよびスペアミントを含む）、レオノチス属（Leonotis species）（ワイルドダッガ（wild dagga）およびクリプダッガ（klip dagga）を含む）、ケシ科（Papaveraceae family）の植物（フタバケシ（celandine poppy）およびハナビシソウ（California poppy）を含む）、インドヒツジグサ（Nymphaea caerulea）、クラトム（kratom）、タバコ（tobacco）、草本の非タバコ（herbal non-tobacco）、ヨモギ（mugwort）、フキタンポポの葉（coltsfoot leaf）、シニクイチ（Heimia salicifolia）、セイヨウオトギリ（St. John's wort）、レモンバーム（Melissa officinalis）、タツナミソウ（skullcap（Scutellaria laterifolia））、アズテックゴールド（yerba lenna yesca）、インチンコウ（Capillaris Herba）、カレア・ザカテチチ（Calea zacatechichi）、ホソバメハジキ（Leonurus sibericus）、ダミアナ（damiana）、カバ（kava）、エンバク（Avena sativa）、カノコソウ属（valarian）、カンナ（kanna）、ワイルドレタス（Lactuca virosa）、クローブ（clove）、ミルラ（myrrh）、ヤナギ（willow）、ミズキ属（Cornus）（アカクキミズキ（red osier）を含むミズキ（dogwood））、ウメガサソウ属（pipsissewa）（オオウメガサソウ（Chimaphila umbellata））、イチヤクソウ属（pyrola）、クマコケモモ（kinnikinnik）、クマコケモモ（arctostaphylos uva-ursi）、カミツレ（camomile）、マンザニータ（manzanita）、アルクトスタフィロス属（Arctostaphylos species）、マドロナ（madrone）、マドロナ（Arbutus menziesii）、キイチゴ属（Rubus species）（ラズベリー（raspberry）、クロイチゴ（blackberry）など）、エニシダ（Cytisus scoparius）、カンナビス属（マリファナおよび大麻を含む）、ショウブ（calamus）、モウズイカ属（Verbascum species）（ビロードモウズイカ（mullein））、クスノキ科（Cinnamomum species）、ショウズク（Elettatia cardamomum）、ジンコウ属（Aquilaria genus）の植物、サフラン（Crocus sativus）、ビャクダン（Santalum album）、アシュワガンダ（Withania somnifera）、ビロードマメ（Mucuna pruriens）、ジョティスマーティ（Celastrus paniculatus）、ユカン（Emblica officinalis）、ミロバラン（Terminalia chebula）、ターミナリア・ベリリカ（Terminalia bellerica）、ソラナム・キサントカルパム（Solanum xanthocarpum）、カンゾウ（Glycyrrhiza glabra）（カンゾウ（licorice））、カミメボウキ（Ocimum sanctum）、ショウガ科（Zingiberaceae family）の植物（ウコン（Curcuma long）（ターメリック（turmeric）およびショウガ（Zingiber officinale）（ショウガ属（ginger））を含む）、アーハイ（a’hai）、セロリ植物（Apium graveolens）、グッグル（Commiphora mukul）、ボスウェリア・セラータ（Boswellia serrata）、ニンジンボク（Vitex negundo）、オトメアゼナ（Bacopa monnieri）、ハマスゲ（Cyperus rotundus）、ニクズク（Myristica fragrans）、セイヨウカノコソウ（Valeriana wallichii）、スパイクナード（Nardostachys jatamansi）、ミモザ・ホスティリス（Mimosa hostilis）、ソウシジュ（Acacia confusa）、トケイソウ科（Passifloraceae species）、ムラサキバレンギク（Echinacea purpurea）、オオアザミ（Silybum marianum）、シシウド属（Angelica species）（セイヨウトウキ（Angelica archangelica）を含む）、イヌハッカ植物（Nepeta cataria）、ラベンダー（Lavandula angustifolia）、タンポポ属（Taraxacum species）（セイヨウタンポポ（dandelion）を含む）、シナノキ属の花（linden tree flowers）、レモンバーベナ（Aloysia citrodora）、およびゴツコラ（Centella asiatica）。

工程１０において溶媒として使用されるアルコール３０は、エタノール（ビール、ワイン、および様々な量のエタノールを含有する蒸留酒を含む）、イソプロピルアルコール、およびポリエチレングリコール（好ましい）を含むが、これらに限定されない、任意の種類のアルコールであってもよい。アルコール３０は、任意に、リグノセルロース構造を遊離させるために、およびエタノール発酵の前に多糖類の酵素加水分解を促進するために、前処理されるリグノセルロース作物のバイオマスから抽出されたエタノールであってもよく、この前処理とは、例えば、参照によって組み込まれる、KuglarzらによりBioresource Technologyの第１６３巻、２０１４年７月、２３６～２４３頁に記載された、希釈混合水蒸気（１４０～１８０℃）および希酸前加水分解（０．０～２．０％）を使用する方法である。任意に、アルコール３０は、大麻から抽出されたエタノールであってもよく、そのような抽出工程は、茎を発酵させること、また、ガス化、酸加水分解、および酵素を使用することを含んでもよい。

植物性物質２０、カンナビス油４０、およびアルコール３０を取得（１１、１２、１３（図１））した後、生産者は、所定の比率を用いて油４０とアルコール３０の混合物６０を生成する（１４）。カンナビス油４０に対するアルコール３０の所定の比率は、２．５対７．５と７．５対２．５との間であり、好ましくは、４対６～６対４の間である。油／アルコール混合物中のカンナビス油４０の割合を増加させることによって、注入された製品の濃度を制御することができる。例えば、４対６のアルコール対カンナビス油の比率は、６対４のアルコール対カンナビス油の比率よりも高い効力の、油を注入した植物製品の最終品を提供する。

次に、この油／アルコール混合物６０は、油／アルコール混合物６０の被覆を植物性物質２０上に噴霧する噴霧器６５に入れられる。噴霧器６５が、油／アルコール混合物６０を軽いミスト中に均一に分配することが好ましい。噴霧器６５は、圧縮ガス噴霧器、高容量低圧（ＨＶＬＰ）噴霧器、エアレス塗料噴霧器、静電噴霧器、回転ディスク噴霧器、または当技術分野で知られている他の噴霧器であってもよい。ＨＶＬＰ噴霧器は、約５ポンド／平方インチ（ｐｓｉ）などといった非常に低圧で大量の空気を送達するタービンを利用してもよく、または約２５ｐｓｉのコンプレッサーからの空気を利用する転換ＨＶＬＰであってもよい。噴霧器６５は、典型的には、油／アルコール混合物６０を受け入れるためのタンクと、噴霧ヘッドまたはノズルとを含む。噴霧器６５は、混合物を攪拌してそれを均一な状態に保つための攪拌機を任意に含んでもよい。好ましくは、噴霧器６５は圧力調整を有する。

植物性物質２０は、例えば、単一層を形成するように広げられるなど、噴霧器６５から油／アルコール噴霧を受け取るようにばら撒かれる。次に、植物性物質２０に、油／アルコール混合物６０を噴霧する（１５）。噴霧器からの噴霧は、油／アルコール混合物６０を植物性物質２０上にほぼ均一に分配するように、手動または機械的手段（ロボットまたは機械的アームなどによる）のいずれかによって方向付けられる。

噴霧を植物性物質２０上にほぼ均一に加えることにより、既知の重量のカンナビス油４０を既知の重量の植物性物質２０に加えることができ、したがって生産者は、製品重量当たりにムラがなく制御された量のカンナビス油を有する、油を注入した製品５０を製造することができる。油対植物質の比率は、０．１～１グラムの範囲の油に対して１グラムの乾燥させた植物質であってもよい。本発明の一の態様では、植物性物質に対する油の比率が、植物性物質１グラムに対して（所定の比率でアルコール担体と混合された）油０．２５グラムである。別の態様では、植物性物質に対する油の比が、植物性物質１グラムに対して（所定の比率でアルコール担体と混合された）油０．５グラムである。一例では、特定の種類の高ＣＢＤ大麻芽を植物性物質として使用する場合、および大麻油をカンナビス油として使用する場合、１グラムの特定の種類の高ＣＢＤ大麻の平均ＣＢＤ含有量を知るまたは決定することができ、１グラムの高ＣＢＤ大麻に加えられる油の比重量に対するＣＢＤ含有量を知るまたは決定することができる。したがって、製造者が、総ＣＢＤ含有量を知るまたは決定することができ、これを、正確な投与のために医療従事者に提供することができる。さらに、植物性物質に加えられる油の重量を増加させることで、特定の重量の製品中のＣＢＤの量を増加させることができる。したがって、ＣＢＤの、より高い投与量を必要とする人は、より多くの製品を喫煙する必要はなく、代わりに、乾燥させた植物性物質に対する油の比率がより高い製品を喫煙することができる。

油／アルコール混合物６０を植物性物質２０に噴霧（１５）した後、より柔軟になり、また、より良く結合されるようになった油／アルコールで被覆された植物性物質を、加圧可能な容器３５に入れる（１６）。この油加工された植物性物質２０は、容器３５内に直接配置されてもよく、または、容器３５内に配置される、ラック、メッシュバスケット内、または別の内部編成装置内に配置されてもよい。植物性物質２０が内部編成装置と共に容器３５に入れられるかどうか、および使用される内部編成装置の種類は、生産者が注入するものとして選択した植物性物質２０の、主に種類および粒径に基づく。

加圧可能な容器３５は、少なくとも５５ｐｓｉまで、好ましくは７０ｐｓｉまで加圧されるのに適した容器である。加圧可能な容器３５は、加工される植物性物質２０の量を受け入れるのに十分な大きさの内部を有し、蓋などで閉めるおよび／または密封することができる。容器３５内の圧力を（密封後に）所定の圧力まで増大させる（１８）ために、空気コンプレッサー又は空気ポンプを注入口に取り付けてもよい。

加圧可能な容器を密封（１７）した後、容器は所定の圧力レベルに加圧（１８）される。所定の圧力は、２０から１００ｐｓｉまでの範囲であり、好ましくは５５から８５ｐｓｉまでの範囲であり、最も好ましくは６５から７５ｐｓｉまでの間である。さらに、（油／アルコールで被覆された植物性物質が入っている）容器３５は、華氏９０度から１９０度までの範囲、好ましくは、華氏１２５度から１７５度までの範囲の所定の温度に加熱される（１９）。熱は、内蔵されたエネルギー源または外部エネルギー源によって生成されてもよい。エネルギー源は、放射熱、加熱された空気または他の流体、電磁熱誘導、電流、およびそれらの任意の組み合わせなどの形態で熱エネルギーを提供する。

油／アルコールで被覆された植物性物質は、カンナビス油４０が植物性物質２０の組織内に深く浸透する醸成期間の間、密封され、加熱され、加圧された容器３５内に留まる（３７）。油による植物性物質の前処理により、この加工時間中の植物性物質の劣化は最小限となる。

醸成時間は、３時間から５日までの範囲であり、好ましくは５～２４時間である。醸成時間は、植物性物質２０の種類、特定の種類の植物性物質２０に最適であると考えられる特定の温度、および特定の種類の植物性物質２０に最適であるとして選択された圧力などの要因に基づいてもよい。所定の醸成時間を待った後、残留油／アルコール混合物（油は吸収されるので、残留物は実質的にアルコール）は、真空ポンプを介して容器３５から除去される（２１）。

次に、新たに生成された油を注入した植物製品５０は、容器３５から取り出され（２２）、すぐにでも販売のためまたは使用のための包装ができる。

製造者が、風味のあるカンナビス油を注入した植物製品５０を生成したい場合、油／アルコール混合物６０の生成時（１４）に、風味付与材を油／アルコール混合物６０に添加する。これにより、風味付与材を油４０およびアルコール３０と混合し、植物性物質２０に噴霧することによって塗布することができる（１５）。風味付与材と油の両方が植物性物質の葉肉に浸透するので、風味付与材は、油と共に植物性物質に吸収される。風味付与材は、全て天然、全て人工、又は天然および人工香味料のブレンドであってもよい。追加的に使用される風味付与材は、フルーツフレーバー（リンゴ、イチゴ、ピーチ、ブドウ、レモン等）、ナッツフレーバー、ハーブの香りおよび／または香料（ミント、ラベンダー、ロゼマリー、ユーカリプタス等）等である。風味付与材は、全て天然、全て人工、または天然および人工香味料のブレンドであり得る。

図２および図３は、カンナビス油を注入した植物製品５０の例示的な使い方を示す。カンナビス油を注入した植物製品５０の使い方は、最初の植物性物質２０に使用される植物品種の種類、植物性物質２０が注入前に加工されたのか、または天然／最小限に加工されたのか、および注入工程で使用されたカンナビス油４０の種類に基づいて変化する。

図２は、天然または最小限に加工された植物質２０から生成される、カンナビス油を注入した植物製品５０の例示的な使い方を示す。第１の例示的な使い方において、カンナビス油を注入した植物製品５０は、紙またはコーンを使用してジョイント／ブラントに形成され（２６）、喫煙される（２９）。例えば、カンナビス油４０がハッシュ油を含み、植物物質２０がカンナビス材料を含む場合、注入された植物体５０は、ハッシュ油が注入されたカンナビスであり、このカンナビスは、ジョイント／ブラントに形成（２６）されてもよく、または任意に喫煙パイプまたは水パイプで喫煙されてもよい。

図２に示す第２の例示的な使い方では、カンナビス油を注入した植物製品５０を水に浸して（２７）茶またはコーヒーを抽出することができ、これは、ユーザがその後飲むことができる（３１）。カンナビス油４０に大麻油を使用し、植物性物質２０としてゴツコラ植物の葉を使用する場合、精神活性ではない、生成されたカンナビス油を注入したゴツコラ製品５０は、（第１の例示的な使い方におけるように）ジョイント／ブラントを形成（２６）する際のフィラーとして使用することができ、または（第２の例示的な使い方におけるように）お茶として飲むために水に浸す（２７）ことができる。この例では、ＣＢＤ大麻油（または高ＣＢＤ油）がカンナビス油４０として使用される場合、アルコール３０に対するカンナビス油４０の比率を変化させて、ＣＢＤの濃度を制御することができる。濃度は、５０ｍｇ／グラム～３．５ｇ／グラムの範囲であってもよい。この注入工程１０を用いた投与量の調節は、現在利用可能ではない、治療効果の一貫性を可能にするものである。さらに、従来の加工手段と比較して、より多量のＣＢＤをより少ない量の植物質に添加することができ、したがって、この方法で生成される場合、製品の濃度がより高いため、より多い用量のＣＢＤをより短い喫煙時間で投与することができる。

また、図２には、天然または最小限に加工された植物質２０から製造されたカンナビス油を注入した植物製品５０の第３の例示的な使い方が示されている。この例示的な使い方においては、カンナビス油を注入した植物製品５０は、容器３５から取り出され、ケーフで巻かれる（２８）。次いで、ケーフで覆われた、油を注入した植物性フィラーから、ブラント／ジョイントを形成することができる（３２）。例えば、植物性物質２０としてマリファナ芽が使用され、カンナビス油４０にハッシュ油が使用される場合、カンナビス油が注入されたマリファナ芽５０は、粘着性のある外面を有することになり、したがって、ケーフで巻かれる（２８）と、ケーフは芽に付着することになる。そして、ケーフが付着した、油を注入した芽は、喫煙することができる（３３）細長い円筒形のブラント／ジョイントを形成（３２）するために、巻紙に入れられ、巻かれ、密封されるフィラーとして使用することができる。これらの、ケーフが付着した、カンナビス油を注入したマリファナ芽は、単に油が芽の外面に加えられただけの現在入手可能な製品と比較して、より良好でよりムラのない燃焼を提供する。油を注入され、任意にケーフで覆われた植物製品５０を喫煙する他の方法は、喫煙パイプまたは水パイプを使用することを含む。

図３は、加工された植物質２０から生成される、カンナビス油を注入した植物製品５０の例示的な使い方を示す。この例示的な使い方の事例では、使用される最初の植物性物質２０が、大麻のみから製造されたラッパー、主に大麻から製造されたラッパー、または亜麻、サイザル、わら、およびエスパルトなどの一以上の他の天然物から製造されたラッパーであってもよい。あまり好ましくないが、ラッパーは、全てまたは部分的に人工の製品から形成されてもよい。ラッパーはまた、燃焼を調節する添加剤（例えば、酒石酸カリウムナトリウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム）、浸透性に影響を及ぼす添加剤（例えば、炭酸カルシウム）、または色に影響を及ぼす添加剤（例えば、炭酸マグネシウムまたは酸化チタン）を含み得る添加剤を組み込みんでもよい。様々な組成のこれらのラッパーのいずれかおよびすべてを、本明細書では「大麻ラッパー」と総称する。

大麻ラッパーは、非限定的な例では、存在する液体と共に大麻植物体を粉砕してペーストを形成し、ペーストを薄いシートに広げ、シートを乾燥させることなど、従来の方法で形成される。あるいは、大麻ラッパーは、任意の他の従来の様式で形成されてもよい。

加工された植物性物質２０、例えば乾燥させた大麻ラッパーを取得した（１１）後、それらは、例えば単層で広げられる。そして、天然植物性物質２０への噴霧において上述したように、カンナビス油とアルコールとの混合物が、大麻ラッパー２０に噴霧される。これにより、油／アルコールで被覆された大麻ラッパーが形成され、次いで、加圧可能な容器３５内に配置される（１６）。油／アルコールで被覆された大麻ラッパーは、容器３５内に直接配置されてもよく、または容器３５内のラックタイプの内部編成装置上に配置されてもよい。例えば、２０～３０個のラッパーのスタックを容器３５に入れてもよい。加圧および加熱の後、および醸成時間の経過後、図１に記載されるように、油を注入したラッパー５０は取り出され（２２）、すぐにでも包装または使用することができる。

使用するために、フィラーが油を注入したラッパー５０に添加され（３４）、ラッパー５０はフィラーの周りに巻かれ、一般に接着剤で密封されて喫煙（３６）のためジョイント／ブラントを形成する（２６）。フィラーは、タバコ、植物性物質２０としての使用に適しているものとして先に列挙した他の植物のいずれか、および本発明によって提供されるカンナビス油を注入した植物性物質５０のいずれかの種類を含む、使用者が喫煙を望む任意の材料であってもよい。

カンナビス油を注入した植物質５０の全ての喫煙可能な形態において、本発明の方法は、単に製品の外側にのみ存在するのではない、ムラなく油が分布された、味の良い製品を生成し、その結果、それは信頼性をもって燃焼し、再び火をつける必要がない。

本発明は、本工程から生産される、カンナビス油を注入した植物質５０中のＣＢＤなどの治療薬の投与量を制御し、治療薬の投与量を現在利用可能な投与量を超えて増大させる手段を提供する。

本明細書に例示的に開示された本発明は、本明細書に特に開示されていない要素が存在しない場合に適切に実施することができる。

本発明の記載された好ましい実施形態に対して、多くの修正、変形、および詳細な変更を行うことができるので、前述の説明および添付の図面に示されたすべての事項は、例示的なものとして解釈され、限定的な意味で解釈されるものではないことが意図される。したがって、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲およびそれらの法的均等物によって決定されるべきである。

Claims (12)

1. ポリエチレングリコールおよびエタノールからなるの群より選ばれる１以上を含む溶剤とカンナビス油とを混合して、前記溶剤と前記カンナビス油の比率が２．５対７．５と７．５対２．５との間である油／溶剤混合物を生成することと、
   乾燥させたカンナビス植物性物質に前記油／溶剤混合物を噴霧して、油／溶剤で被覆されたカンナビス植物性物質を生成することと、
   前記油／溶剤で被覆されたカンナビス植物性物質を加圧可能な容器に入れることと、
   前記加圧可能な容器を６５ｐｓｉから７５ｐｓｉの圧力に加圧することと、
   前記加圧可能な容器を華氏１２５度から１７５度までの温度に加熱することと、
   前記乾燥させたカンナビス植物性物質および前記油／溶剤混合物を、前記圧力および前記温度で、３時間から２５時間までの間、前記加圧可能な容器中に置いて、カンナビス油を注入した植物製品を得ることと、を備える、
   カンナビス油を注入した植物製品（Cannabis oil-infused botanical product）の製造方法。
2. 前記カンナビス油が、大麻油およびハッシュ油からなる群より選ばれる１以上を含む、
   請求項１に記載のカンナビス油を注入した植物製品の製造方法。
3. 前記乾燥させたカンナビス植物性物質が、天然材料から形成された加工されたラッパーを含む、
   請求項１に記載のカンナビス油を注入した植物製品の製造方法。
4. 前記乾燥させたカンナビス植物性物質が、タバコをさらに含む、
   請求項１に記載のカンナビス油を注入した植物製品の製造方法。
5. 前記油／溶剤混合物に風味付与材を添加することをさらに含む、
   請求項１に記載のカンナビス油を注入した植物製品の製造方法。
6. 前記大麻油は、高ＣＢＤ大麻油を含む、
   請求項２に記載のカンナビス油を注入した植物製品の製造方法。
7. 前記ハッシュ油は、高ＴＨＣハッシュ油を含む、
   請求項２に記載のカンナビス油を注入した植物製品の製造方法。
8. 前記風味付与材は、フルーツフレーバー、ナッツフレーバー、およびハーブフレーバーの群のうちの１以上を含む、
   請求項５に記載のカンナビス油を注入した植物製品の製造方法。
9. 前記カンナビス油を注入した植物製品をケーフで巻いて、前記ケーフを前記カンナビス油を注入した植物製品に付着させることをさらに含む、
   請求項１に記載のカンナビス油を注入した植物製品の製造方法。
10. 前記カンナビス油を注入した植物製品は、ブラントラッパーを含む、
    請求項１に記載のカンナビス油を注入した植物製品の製造方法。
11. 添加剤が、前記ブラントラッパーに組み込まれる、
    請求項１０に記載のカンナビス油を注入した植物製品の製造方法。
12. 前記添加剤は、酒石酸カリウムナトリウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、及び酸化チタンからなる群より選ばれる１以上を含む、
    請求項１１に記載のカンナビス油を注入した植物製品の製造方法。

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