以下、添付図面を参照して、本願に係る支援装置の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態では、支援装置としての治療計画装置を含む放射線治療システムを一例に挙げて説明するが、実施形態は以下の内容に限定されるものではない。即ち、本願に係る支援装置は、以下で説明する放射線治療システムに含まれるいずれの装置によって実現される場合であってもよい。また、本願に係る支援装置は、以下で説明する放射線治療システムに含まれる装置とは別個の装置として実現される場合であってもよい。
(第1の実施形態)
まず、第1の実施形態に係る放射線治療システム1の構成の一例について説明する。図1は、第1の実施形態に係る放射線治療システム1の構成の一例を示す図である。例えば、放射線治療システム1は、図1に示すように、医用画像診断装置10と、放射線治療装置20と、超音波診断装置30と、治療計画装置40と、治療情報システム50と、PACS(Picture Archiving and Communication Systems)サーバ60とを有し、各装置が相互に接続される。ここで、第1の実施形態に係る放射線治療システム1においては、治療計画装置40が、医用画像診断装置10から医用画像データを取得し、放射線治療の対象となる対象部位(以下、治療対象部位と記す)に対する放射線治療の治療計画を立てて、放射線治療装置20に治療計画を送信する。また、治療計画装置40は、治療計画に基づいて、治療対象部位を走査する超音波プローブを被治療体に配置することを支援する。さらに、治療計画装置40は、放射線治療が実行される手技室などに配置されたディスプレイに種々の情報を表示させる表示制御を実行したり、放射線治療システム1における放射線治療全体の管理を実行したりする。治療情報システム50は、患者データ、治療履歴などを管理する。また、PACSサーバ60は、医用画像診断装置10によって収集された医用画像データを記憶したり、医用画像データに対して各種画像処理を行ったりする。なお、図1に示す構成はあくまでも一例であり、実施形態はこれに限定されるものではなく、例えば、表示制御を実行する装置や、放射線治療管理を実行する装置などがそれぞれ別に配置される場合であってもよい。
医用画像診断装置10は、治療計画を立てる際に用いられる医用画像データを収集するための装置であり、例えば、X線CT(Computed Tomography)装置、磁気共鳴イメージング(Magnetic Resonance Imaging:MRI)装置、X線アンギオ装置、PET(Positron Emission Tomography)装置、SPECT(Single Photon Emission Computed Tomography)装置等である。以下では、医用画像診断装置10の一例として、図2に示す放射線治療計画用CT装置100について説明する。図2は、第1の実施形態に係る放射線治療計画用CT装置100の一例を示す図である。放射線治療計画用CT装置100は、図2に示すように、架台110と、天板122を有する寝台装置とを有し、天板122に横臥した被治療体の治療対象部位を含むCT投影データを収集して、再構成したCT画像データを治療計画装置40に送信する。
放射線治療装置20は、治療計画装置40による治療計画に基づいて、被治療体に対する放射線治療を実行する装置である。ここで、放射線治療装置20について、図3を用いて説明する。図3は、第1の実施形態に係る放射線治療装置20の一例を示す図である。放射線治療装置20は、図3に示すように、回転架台270と、天板250を有する寝台装置と、治療用の放射線を照射する放射線発生器232と、放射線絞り器233とを有し、治療計画装置40から転送された治療計画に沿って、治療対象部位に対して放射線を照射する。
また、放射線治療装置20は、治療対象部位が呼吸等により動く部位である場合(例えば、肝臓など)には、治療対象部位が放射線の照射位置に来た時に放射線を照射することができる。例えば、放射線治療装置20は、放射線治療の間に超音波診断装置30により収集される超音波画像を用いて、治療対象部位の位置及び動きを確認しながら、照射位置に治療対象部位がある間に放射線を照射する。
ここで、放射線治療装置20は、治療の準備段階として被治療体の位置を補正するための医用画像を収集する医用画像収集装置を備えることもできる。例えば、放射線治療装置20は、図3に示すように、撮像用の放射線を照射する放射線発生器271と、撮像用の放射線を検出する検出器272を含むXVI(Cone-BeamCT用kVイメージング装置)をさらに備え、位置合わせ用のコーンビームCT画像を生成することもできる。
例えば、放射線治療装置20においては、放射線治療の前に、回転架台270を一回転させて、その間に放射線発生器271により放射線を被治療体に照射し続け、被治療体を透過した放射線が検出器272によって受容される。これにより、様々な方向からの被治療体の撮影画像(2次元画像)が生成される。そして、生成された複数の撮影画像に基づいてコーンビームCT画像が再構成され、ディスプレイ220に表示される。このコーンビームCT画像と治療計画用のCT画像データとで位置合わせを行い、治療計画用のCT画像データをコーンビームCT画像と一致するように変換するのと同様に治療計画を変更することで、治療対象部位の位置をターゲットにした治療が正確に行えるようになる。
超音波診断装置30は、治療対象部位を含む超音波画像を収集する。例えば、超音波診断装置30は、放射線治療装置20が有する放射線発生器232によって治療用の放射線が照射されている間に、治療対象部位を含む超音波画像データをリアルタイムで収集し、放射線治療装置20に送信したり、超音波画像データから生成した超音波画像を操作者に提示したりする。
ここで、放射線治療システム1においては、放射線治療計画用CT装置100における座標系と、放射線治療装置20における座標系と、超音波診断装置30における座標系とが予め位置合わせされる。例えば、放射線治療システム1においては、放射線治療計画用CT装置100が設置された部屋と、放射線治療装置20が設置された部屋とに赤外線追跡装置がそれぞれ設置され、各部屋に設置されたレーザー照準器を用いて座標系のおおよその位置合わせが行われる。
さらに、放射線治療システム1では、治療計画用のCT画像とコーンビームCT画像と超音波画像との位置合わせを行うことで、放射線治療計画用CT装置100における座標系と、放射線治療装置20における座標系と、超音波診断装置30における座標系とが関連付けされる。例えば、放射線治療システム1では、治療計画用のCT画像とコーンビームCT画像に描出された解剖学的な特徴点と同一の特徴点が指定されることで、放射線治療計画用CT装置100における座標系と放射線治療装置20における座標系とが関連付けられる。さらに、放射線治療システム1では、位置情報及び角度情報を取得するセンサが備えられた超音波プローブによって被治療体Pの超音波画像が収集され、コーンビームCT画像に描出された解剖学的な特徴点と同一の特徴点が超音波画像データ上で指定されることで、その時のセンサの位置及び角度によって決まる超音波画像の座標系と放射線治療装置20の座標系とが関連付けられる。これにより、放射線治療計画用CT装置100における座標系と放射線治療装置20における座標系を関連付けることで正確な治療位置が放射線治療装置20で同定される。さらに、放射線治療装置20における座標系と超音波診断装置30における座標系を関連付けることで、放射線治療装置20で決定した治療位置に目的の腫瘍があるかどうかを判断できるようになる。
治療計画装置40は、放射線治療計画用CT装置100により収集された被治療体のCT画像データを用いて、放射線治療装置20による放射線治療の治療計画を立てる。例えば、治療計画装置40は、放射線治療計画用CT装置100が収集したCT画像データを用いて、被治療体内の治療対象部位の位置を特定する。また、例えば、治療計画装置40は、CT画像データを用いて位置を特定した腫瘍等に対して放射線治療装置20が照射する放射線の線量や照射角度、照射する回数などの計画を立てる。
次に、治療計画装置40は、立てた治療計画(放射線の照射条件や被治療体への照射線量マップ等)を操作者に提示する。操作者は、治療計画に従って放射線治療を実行した場合に、被治療体の被曝量が許容範囲内であるか否か、あるいは、放射線治療の効果を十分に得られるか否かといった観点から、治療計画の内容が適切であるかを判断する。ここで、治療計画が適切でないと操作者が判断した場合、治療計画装置40は再度治療計画を立てる。一方で、治療計画が適切であると操作者が判断した場合、治療計画装置40は、治療計画を放射線治療装置20に対して送信する。
また、治療計画装置40は、放射線治療装置20による放射線治療を、超音波診断装置30による超音波ガイド下で行うか否かを判断する。例えば、治療計画装置40は、ディスプレイを通じて操作者に提示するGUIのダイアログボックスにおいて、「Yes」及び「No」を示すボタンを表示し、ボタンの押下に応じて超音波ガイドの有無を判断する。また、例えば、治療計画装置40は、ディスプレイを通じて操作者に提示するGUIのチェックボックスへのチェックの有無に応じて、超音波ガイドの有無を判断することもできる。
そして、治療計画装置40は、放射線治療を超音波ガイド下で行うと判断した場合、治療計画に基づいて、放射線治療の際に治療対象部位を走査する超音波プローブの配置の推奨度を被治療体における位置ごとに算出し、算出した推奨度を被治療体における位置に対応付けて操作者に通知する。即ち、治療計画装置40は、超音波ガイドを実行するため、超音波プローブを被治療体に配置することを支援する。この点については後述する。
なお、放射線治療装置20は、放射線治療装置20が備えるXVIなどの医用画像収集装置によって収集された医用画像と、放射線治療計画用CT装置100によって収集されたCT画像データとで位置合わせを行って、治療対象部位が正確に狙えるよう治療計画を修正する。即ち、放射線治療装置20は、XVIなどの医用画像収集装置によって収集された医用画像と、放射線治療計画用CT装置100によって収集されたCT画像データとで位置合わせを行うことで、放射線治療を行う空間での治療対象部位の正確な位置を同定し、同定した位置に合わせて治療を行う。
図1に示す放射線治療システム1の構成は、あくまでも一例であり、その他種々の装置を備えることができる。例えば、放射線治療システム1は、体動による被治療体の位置の動きを検出する位置確認装置を備える場合であってもよいし、RIS(Radiology Information System)やHIS(Hospital Information System)等の種々のシステムが更に導入される場合であってもよい。
次に、放射線治療システム1における各装置について説明する。図4は、第1の実施形態に係る放射線治療計画用CT装置100の構成の一例を示す図である。図4に示すように、放射線治療計画用CT装置100は、架台110と、寝台装置120と、コンソール130とを備える。
架台110は、被治療体P(患者)にX線を照射し、被治療体Pを透過したX線を検出して、コンソール130に出力する装置であり、X線照射制御回路111と、X線発生装置112と、検出器113と、データ収集回路(DAS:Data Acquisition System)114と、回転フレーム115と、架台駆動回路116とを有する。
回転フレーム115は、X線発生装置112と検出器113とを被治療体Pを挟んで対向するように支持し、架台駆動回路116によって被治療体Pを中心した円軌道にて高速に回転する円環状のフレームである。X線照射制御回路111は、図示しない高電圧発生器を制御して、X線管112aに高電圧を供給する。ここで、X線照射制御回路111は、スキャン制御回路133による制御の下、X線管112aに供給する管電圧や管電流を調整することで、被治療体Pに対して照射されるX線量を調整する。また、X線照射制御回路111は、ウェッジ112bの切り替えを行う。また、X線照射制御回路111は、コリメータ112cの開口度を調整することにより、X線の照射範囲(ファン角やコーン角)を調整する。
X線発生装置112は、X線を発生し、発生したX線を被治療体Pへ照射する装置であり、X線管112aと、ウェッジ112bと、コリメータ112cとを有する。X線管112aは、X線照射制御回路111による制御のもと図示しない高電圧発生器から供給される高電圧を用いてX線を発生する真空管であり、回転フレーム115の回転にともなって、X線ビームを被治療体Pに対して照射する。ウェッジ112bは、X線照射制御回路111の制御により、X線管112aから曝射されたX線のX線量を調節するためのX線フィルタである。具体的には、ウェッジ112bは、X線管112aから被治療体Pへ照射されるX線が、予め定められた分布になるように、X線管112aから曝射されたX線を透過して減衰するフィルタである。なお、ウェッジ112bは、ウェッジフィルタ(wedge filter)や、ボウタイフィルタ(bow-tie filter)とも呼ばれる。
コリメータ112cは、X線照射制御回路111の制御により、ウェッジ112bによってX線量が調節されたX線の照射範囲を絞り込むためのスリットである。架台駆動回路116は、回転フレーム115を回転駆動させることによって、被治療体Pを中心とした円軌道上でX線発生装置112と検出器113とを旋回させる。検出器113は、被治療体Pを透過したX線を検出する2次元アレイ型検出器(面検出器)であり、複数チャンネル分のX線検出素子を配してなる検出素子列が被治療体Pの体軸方向(図4に示すZ軸方向)に沿って複数列配列される。
データ収集回路114は、DASであり、検出器113が検出したX線の検出データから、CT投影データを収集する。例えば、データ収集回路114は、検出器113により検出されたX線強度分布データに対して、増幅処理やA/D変換処理、チャンネル間の感度補正処理等を行なってCT投影データを生成し、生成したCT投影データをコンソール130に送信する。例えば、回転フレーム115の回転中に、X線管112aからX線が連続曝射されている場合、データ収集回路114は、全周囲分(360度分)のCT投影データ群を収集する。また、データ収集回路114は、収集した各CT投影データに管球位置を対応付けて、コンソール130に送信する。管球位置は、CT投影データの投影方向を示す情報となる。
寝台装置120は、被治療体Pを載せる装置であり、寝台駆動装置121と、天板122とを有する。寝台駆動装置121は、天板122をZ軸方向へ移動して、被治療体Pを回転フレーム115内に移動させる。天板122は、被治療体Pが載置される板である。なお、通常CT用の天板は患者の体にフィットするよう中心が凹んだような形状をしているが、放射線治療計画用CT装置100の場合は、放射線治療装置20の天板250と同様の形状をしている。
コンソール130は、操作者による放射線治療計画用CT装置100の操作を受け付けるとともに、架台110によって収集されたCT投影データを用いてCT画像データ(ボリュームデータ)を再構成する装置である。コンソール130は、図4に示すように、入力回路131と、ディスプレイ132と、スキャン制御回路133と、前処理回路134と、記憶回路135と、画像再構成回路136と、処理回路137とを有する。
入力回路131は、放射線治療計画用CT装置100の操作者が各種指示や各種設定の入力に用いるマウスやキーボード、トラックボール、スイッチ、ボタン、ジョイスティック等を有し、操作者から受け付けた指示や設定の情報を、処理回路137に転送する。ディスプレイ132は、操作者によって参照されるモニタであり、処理回路137による制御のもと、CT画像データの一部を操作者に表示したり、入力回路131を介して操作者から各種指示や各種設定等を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)を表示したりする。
スキャン制御回路133は、処理回路137による制御のもと、X線照射制御回路111、架台駆動回路116、データ収集回路114及び寝台駆動装置121の動作を制御することで、架台110におけるCT投影データの収集処理を制御する。具体的には、スキャン制御回路133は、放射線治療計画用のCT画像データを収集する撮影におけるCT投影データの収集処理を制御する。
前処理回路134は、データ収集回路114によって生成されたCT投影データに対して、対数変換処理と、オフセット補正、感度補正及びビームハードニング補正等の補正処理とを行なって、補正済みのCT投影データを生成して、記憶回路135に格納する。記憶回路135は、前処理回路134により生成されたCT投影データを記憶する。また、記憶回路135は、画像再構成回路136によって生成されたCT画像データを記憶する。
画像再構成回路136は、記憶回路135が記憶するCT投影データを用いてCT画像データ(ボリュームデータ)を再構成する。ここで、再構成方法としては、種々の方法があり、例えば、逆投影処理が挙げられる。また、逆投影処理としては、例えば、FBP(Filtered Back Projection)法による逆投影処理が挙げられる。或いは、画像再構成回路136は、逐次近似法を用いて、CT画像データを再構成することもできる。そして、画像再構成回路136は、再構成したCT画像データを記憶回路135に格納し、また、治療計画装置40に送信する。
処理回路137は、架台110、寝台装置120及びコンソール130の動作を制御することによって、放射線治療計画用CT装置100の全体制御を行う。具体的には、処理回路137は、スキャン制御回路133を制御することで、架台110で行なわれるCTスキャンを制御する。また、処理回路137は、記憶回路135が記憶するCT画像データから表示用のCT画像を生成し、ディスプレイ132に表示するように制御する。
なお、図4に示す各回路によって実現される各処理機能は、コンピュータによって実行可能なプログラムの形態で記憶回路135に記録されている。また、各回路は、各プログラムを記憶回路135から読み出し、実行することで各プログラムに対応する機能を実現するプロセッサである。
図5は、第1の実施形態に係る放射線治療装置20の構成の一例を示す図である。図5に示すように、放射線治療装置20は、入力回路210と、ディスプレイ220と、放射線発生装置230と、移動機構240と、天板250と、システム制御回路260とを有する。また、放射線発生装置230は、放射線制御回路231と、放射線発生器232と、放射線絞り器233とを有する。放射線制御回路231は、システム制御回路260による制御のもと、治療計画に沿った放射線量の放射線を照射するように、放射線発生器232の高電圧発生器における印加電圧や印加時間等を制御する。放射線発生器232は、図示しない電子銃と加速管を備える。加速管は、電子銃から発生した熱電子を加速し、タングステンターゲットに衝突させて治療用の放射線を放射する。放射線絞り器233は、例えば、MLC(Multi-Leaf Collimator)であり、治療用の放射線の照射範囲を設定する複数の絞り羽根を有する。例えば、放射線絞り器233は、絞り移動機構241によってこれらの絞り羽根を移動させることで被治療体Pの治療対象部位に対応した形状を有する放射線照射領域を形成する。
移動機構240は、絞り移動機構241と、機構制御回路242と、天板移動機構243とを有する。絞り移動機構241は、機構制御回路242による制御のもと放射線絞り器233の絞り羽根を移動させる。天板移動機構243は、機構制御回路242による制御のもと、天板250を移動させる。機構制御回路242は、システム制御回路260による制御のもと、絞り羽根移動制御信号を絞り移動機構241に送信することにより絞り羽根を移動させる。また、機構制御回路242は、天板移動制御信号を天板移動機構243へ送信することにより、天板250を移動させる。
入力回路210は、放射線治療装置20の操作者が各種指示や各種設定の入力に用いるマウスやキーボード、トラックボール、スイッチ、ボタン、ジョイスティック等を有し、操作者から受け付けた指示や設定の情報を、システム制御回路260に転送する。ディスプレイ220は、操作者によって参照されるモニタであり、システム制御回路260による制御のもと、コーンビームCT画像を操作者に表示したり、入力回路210を介して操作者から各種指示や各種設定等を受け付けるためのGUIを表示したりする。
システム制御回路260は、回転架台270、放射線発生装置230、移動機構240の動作を制御することによって、放射線治療装置20の全体制御を行う。具体的には、システム制御回路260は、治療計画装置40から受信した治療計画に基づいて、放射線制御回路231を制御することで、被治療体Pへの放射線の照射を制御する。また、システム制御回路260は、治療計画に基づいて、機構制御回路242を制御することで、天板250の位置を制御する。また、システム制御回路260は、コーンビームCT画像やGUIを、ディスプレイ220に表示するように制御する。ここで、放射線治療装置20においては、図示しない記憶回路を有し、治療計画装置40から転送された治療計画を記憶回路に記憶する。そして、システム制御回路260は、記憶回路から治療計画を読み出して、上述した制御を実行する。
なお、図5に示す各回路によって実現される各処理機能は、コンピュータによって実行可能なプログラムの形態で図示しない記憶回路に記録されている。また、各回路は、各プログラムを図示しない記憶回路から読み出し、実行することで各プログラムに対応する機能を実現するプロセッサである。
図6は、第1の実施形態に係る超音波診断装置30の構成の一例を示す図である。図6に示すように、第1の実施形態に係る超音波診断装置30は、超音波プローブ310と、入力回路320と、ディスプレイ330と、装置本体340と、センサ350と、トランスミッター360とを有する。
超音波プローブ310は、複数の圧電振動子を有し、これら複数の圧電振動子が、送受信回路341から供給される駆動信号に基づき超音波を発生する。また、超音波プローブ310は、被治療体Pからの反射波を受信して電気信号に変換する。また、超音波プローブ310は、圧電振動子に設けられる整合層と、圧電振動子から後方への超音波の伝播を防止するバッキング材等を有する。
例えば、超音波プローブ310から被治療体Pに超音波が送信されると、送信された超音波は、被治療体Pの体内組織における音響インピーダンスの不連続面で次々と反射され、反射波信号として超音波プローブ310が有する複数の圧電振動子にて受信される。受信される反射波信号の振幅は、超音波が反射される不連続面における音響インピーダンスの差に依存する。なお、送信された超音波パルスが、移動している血流や心臓壁等の表面で反射された場合の反射波信号は、ドプラ効果により、移動体の超音波送信方向に対する速度成分に依存して、周波数偏移を受ける。
ここで、超音波プローブ310は、複数の圧電振動子がマトリックス状に配置されることで、被治療体Pを3次元で超音波走査することが可能な2Dプローブである。或いは、超音波プローブ310は、一列に配置された複数の圧電振動子により、被治療体Pを2次元で走査するとともに、複数の圧電振動子を所定の角度(揺動角度)で揺動させることで、被治療体Pを3次元で走査する3Dプローブである。
また、超音波プローブ310は、有線の形態で実現されるものであってもよく、無線の形態で実現されるものであってもよい。有線の形態の場合、超音波プローブ310は、例えば、プローブ本体と、接続端子と、コネクタと、ケーブルとを有する、プローブ本体は、複数の圧電振動子を有し、上述した超音波の送受信を行う。接続端子は、プローブ本体への送信信号やプローブ本体からの受信信号が送受信されるための信号線を装置本体340に接続する端子である。コネクタは、ケーブルを収納するとともに、超音波プローブ310を装置本体340に固定して電気的な接続を確保する。ケーブルは、プローブ本体と装置本体340との間で信号を送受信するためのケーブルである。例えば、ケーブルは、複数の信号線を有し、各信号線が接続端子を介して装置本体340と接続される。
無線の形態の場合、超音波プローブ310及び装置本体340が、それぞれ無線通信を実行する無線通信回路を有し、超音波プローブ310と装置本体340との接続にかかる制御信号や、超音波の送受信に係る制御信号などを無線信号によってやり取りする。この場合、超音波プローブ310は、複数の圧電振動子を有し、上述した超音波の送受信を行うプローブ本体を有する。即ち、無線の形態の場合、超音波プローブ310は、上述した接続端子、コネクタ及びケーブルを含まない。
ここで、図6に示すように、超音波プローブ310(プローブ本体)にはセンサ350が取り付けられ、装置本体340の近傍の任意の位置に、トランスミッター360が配置される。トランスミッター360は、自装置を中心として外側に向かって磁場を形成する装置である。センサ350は、トランスミッター360によって形成された3次元の磁場の強度と傾きとを検出する。そして、センサ350は、検出した磁場の情報に基づいて、トランスミッター360を原点とする空間における自装置の位置及び角度を算出し、算出した位置及び角度を装置本体340に送信する。
このように、超音波プローブ310がセンサ350を有することにより、放射線治療システム1は、圧電振動子にて受信した反射波信号に基づく超音波画像データの3次元座標における超音波プローブ310の位置及び角度を一意に同定することができる。また、放射線治療計画用CT装置100、放射線治療装置20及び超音波診断装置30の座標系は予め位置合わせされることから、放射線治療システム1は、放射線治療計画用CT装置100によるCT画像データ上での超音波プローブ310の位置及び角度、あるいは、放射線治療装置20による放射線治療を受ける状態の被治療体Pに対する超音波プローブ310の位置及び角度を一意に同定することができる。
なお、超音波プローブ310は、図示しない固定部によって、被治療体Pに対して固定される。例えば、固定部は、被治療体Pを載置する天板上に安定して載置され、被治療体Pに対して超音波プローブ310を固定するホルダである。また、例えば、固定部は、1又は複数の関節を有するアームを含み、被治療体Pの任意の位置に対して、超音波プローブ310を任意の角度で傾けて固定するホルダである。
入力回路320は、マウス、キーボード、ボタン、パネルスイッチ、タッチコマンドスクリーン、フットスイッチ、トラックボール、ジョイスティック等を有し、超音波診断装置30の操作者からの各種設定要求を受け付け、装置本体340に対して受け付けた各種設定要求を転送する。ディスプレイ330は、超音波診断装置30の操作者が入力回路320を用いて各種設定要求を入力するためのGUIを表示したり、装置本体340において生成された各種画像データ等を表示したりする。
装置本体340は、図6に示すように、送受信回路341と、Bモード処理回路342と、ドプラ処理回路343と、画像メモリ344と、記憶回路345と、処理回路346とを有する。送受信回路341は、パルス発生器、送信遅延回路、パルサ等を有し、圧電振動子に駆動信号を供給する。パルス発生器は、所定のレート周波数で、送信超音波を形成するためのレートパルスを繰り返し発生する。また、送信遅延回路は、圧電振動子から発生される超音波をビーム状に集束し、かつ送信指向性を決定するために必要な圧電振動子ごとの遅延時間を、パルス発生器が発生する各レートパルスに対し与える。また、パルサは、レートパルスに基づくタイミングで、圧電振動子に駆動信号(駆動パルス)を印加する。即ち、送信遅延回路は、各レートパルスに対し与える遅延時間を変化させることで、圧電振動子面から送信される超音波の送信方向を任意に調整する。
なお、送受信回路341は、処理回路346の指示に基づいて、所定のスキャンシーケンスを実行するために、送信周波数、送信駆動電圧等を瞬時に変更可能な機能を有している。特に、送信駆動電圧の変更は、瞬時にその値を切り替え可能なリニアアンプ型の発信回路、又は、複数の電源ユニットを電気的に切り替える機構によって実現される。
また、送受信回路341は、プリアンプ、A/D(Analog/Digital)変換器、受信遅延回路、加算器等を有し、圧電振動子が受信した反射波信号に対して各種処理を行って反射波データを生成する。プリアンプは、反射波信号をチャネル毎に増幅する。A/D変換器は、増幅された反射波信号をA/D変換する。受信遅延回路は、受信指向性を決定するために必要な遅延時間を与える。加算器は、受信遅延回路によって処理された反射波信号の加算処理を行なって反射波データを生成する。加算器の加算処理により、反射波信号の受信指向性に応じた方向からの反射成分が強調され、受信指向性と送信指向性とにより超音波送受信の総合的なビームが形成される。なお、送受信回路341からの出力信号の形態は、RF(Radio Frequency)信号と呼ばれる位相情報が含まれる信号である場合や、包絡線検波処理後の振幅情報である場合等、種々の形態が選択可能である。
Bモード処理回路342は、送受信回路341から反射波データを受信し、対数増幅、包絡線検波処理等を行なって、信号強度が輝度の明るさで表現されるデータ(Bモードデータ)を生成する。ドプラ処理回路343は、送受信回路341から受信した反射波データから速度情報を周波数解析し、ドプラ効果による血流や組織、造影剤エコー成分を抽出し、速度、分散、パワー等の移動体情報を多点について抽出したデータ(ドプラデータ)を生成する。
なお、Bモード処理回路342及びドプラ処理回路343は、3次元の反射波データについて処理可能である。即ち、Bモード処理回路342は、3次元の反射波データから3次元のBモードデータを生成する。また、ドプラ処理回路343は、3次元の反射波データから3次元のドプラデータを生成する。3次元のBモードデータは、3次元走査範囲の各走査線上で設定された複数の点(サンプル点)それぞれに位置する反射源の反射強度に応じた輝度値が割り当てられたデータとなる。また、3次元のドプラデータは、3次元走査範囲の各走査線上で設定された複数の点(サンプル点)それぞれに、血流情報(速度、分散、パワー)の値に応じた輝度値が割り当てられたデータとなる。
画像メモリ344は、処理回路346が生成した画像データを記憶するメモリである。また、画像メモリ344は、Bモード処理回路342やドプラ処理回路343が生成したデータを記憶することも可能である。記憶回路345は、超音波送受信、画像処理及び表示処理を行なうための制御プログラム等の各種データを記憶する。また、記憶回路345は、必要に応じて、画像メモリ344が記憶する画像データの保管等にも使用される。
処理回路346は、超音波診断装置30の処理全体を制御する。例えば、処理回路346は、Bモード処理回路342及びドプラ処理回路343が生成したデータから超音波画像データを生成する。即ち、処理回路346は、Bモード処理回路342が生成したBモードデータから反射波の強度を輝度にて表したBモード画像データを生成する。Bモード画像データは、超音波走査された領域内の組織形状が描出されたデータとなる。また、処理回路346は、ドプラ処理回路343が生成したドプラデータから移動体情報を表すドプラ画像データを生成する。ドプラ画像データは、速度画像データ、分散画像データ、パワー画像データ、又は、これらを組み合わせた画像データである。即ち、ドプラ画像データは、超音波走査された領域内を流動する流体に関する流体情報を示すデータとなる。
ここで、処理回路346は、一般的には、超音波走査の走査線信号列を、テレビ等に代表されるビデオフォーマットの走査線信号列に変換(スキャンコンバート)し、表示用の超音波画像を生成する。具体的には、処理回路346は、超音波プローブ310による超音波の走査形態に応じて座標変換を行なうことで、超音波画像を生成する。また、処理回路346は、例えば、スキャンコンバート後の複数の画像フレームを用いて、輝度の平均値画像を再生成する画像処理(平滑化処理)や、画像内で微分フィルタを用いる画像処理(エッジ強調処理)等を行なう。
更に、処理回路346は、Bモード処理回路342が生成した3次元のBモードデータに対して座標変換を行なうことで、3次元のBモード画像データを生成する。また、処理回路346は、ドプラ処理回路343が生成した3次元のドプラデータに対して座標変換を行なうことで、3次元のドプラ画像データを生成する。3次元Bモードデータ及び3次元ドプラ画像データは、スキャンコンバート処理前のボリュームデータとなる。
また、処理回路346は、上述した装置全体における種々の制御を実行する。例えば、処理回路346は、入力回路320を介して操作者から入力された各種設定要求や、記憶回路345から読込んだ各種データに基づき、送受信回路341、Bモード処理回路342、ドプラ処理回路343の処理を制御する。また、処理回路346は、ボリュームデータを治療計画装置40に送信する。また、処理回路346は、画像メモリ344や記憶回路345が記憶するボリュームデータから表示用の超音波画像を生成し、ディスプレイ330にて表示するように制御する。
なお、図6に示す各回路によって実現される各処理機能は、コンピュータによって実行可能なプログラムの形態で記憶回路345に記録されている。また、各回路は、各プログラムを記憶回路345から読み出し、実行することで各プログラムに対応する機能を実現するプロセッサである。
図7は、第1の実施形態に係る治療計画装置40の構成の一例を示す図である。図7に示すように、治療計画装置40は、入力回路410と、ディスプレイ420と、記憶回路430と、処理回路440とを有する。例えば、治療計画装置40は、ワークステーションや、任意のパーソナルコンピュータなどである。
入力回路410は、マウス等のポインティングデバイス、キーボード等の入力デバイスであり、治療計画装置40に対する各種操作の入力を操作者から受け付ける。例えば、入力回路410は、放射線治療計画用CT装置100によって収集されたCT画像データに対する治療対象部位を指定するための操作を受け付ける。また、例えば、入力回路410は、超音波プローブ310の被治療体Pにおける位置を指定する指定操作を受け付ける。
ディスプレイ420は、液晶ディスプレイ等の表示デバイスであり、各種情報を表示する。例えば、ディスプレイ420は、操作者から各種操作を受け付けるためのGUIや、治療計画のためのCT画像データから生成された表示用のCT画像、さらに、後述する処理回路440による処理結果などを表示する。ここで、治療計画装置40は、複数のディスプレイ420を備えることができ、例えば、操作者が治療計画を立案する部屋や、放射線治療装置20が配置された部屋などにディスプレイ420をそれぞれ配置することもできる。
記憶回路430は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、又は、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置などであり、後述する処理回路440によって読み出され、実行される各種プログラムを記憶する。また、例えば、記憶回路430は、処理回路440により立案された治療計画を記憶する。一例を挙げると、記憶回路430は、治療対象部位に対する放射線の照射条件や、照射条件に基づいて算出される線量分布及び線量体積ヒストグラムなどの情報を被治療体ごとに記憶する。なお、記憶回路430は、被治療体ごとの被曝情報を記憶することも可能である。また、記憶回路430は、後述する処理回路440による処理結果を記憶する。
処理回路440は、放射線治療計画用CT装置100により収集された被治療体PのCT画像データを用いて、放射線治療装置20による放射線治療の治療計画を立てる。例えば、処理回路440は、放射線治療計画用CT装置100が収集したCT画像データを用いて、被治療体P内の治療対象部位の位置を特定する。また、例えば、処理回路440は、CT画像データを用いて位置を特定した治療対象部位に対して放射線治療装置20が照射する放射線の線量や照射角度、照射する回数などの計画を立てる。そして、処理回路440は、立てた治療計画を記憶回路430に格納する。
また、処理回路440は、治療計画装置40における各種処理を実行する。例えば、処理回路440は、図7に示す算出機能441、通知制御機能442、受付機能443、決定機能444、取得機能445及び判定機能446に対応するプログラムを記憶回路430から読み出して実行することで、種々の処理を行う。図7に示す各回路によって実現される各処理機能は、コンピュータによって実行可能なプログラムの形態で記憶回路430に記録されている。また、各回路は、各プログラムを記憶回路430から読み出し、実行することで各プログラムに対応する機能を実現するプロセッサである。なお、図7に示す算出機能441は、特許請求の範囲における算出部に対応する。また、図7に示す通知制御機能442は、特許請求の範囲における通知制御部に対応する。
そして、治療計画装置40は、治療計画に基づいて、放射線治療における超音波プローブ310を被治療体Pに配置することを支援する。具体的には、治療計画装置40は、超音波プローブ310の配置の推奨度を被治療体Pにおける位置ごとに算出し、算出した推奨度を被治療体Pにおける位置に対応付けて操作者に通知することで、放射線治療における超音波プローブ310の配置を支援する。
例えば、算出機能441は、まず、被治療体Pの治療対象部位に対する放射線の照射計画(治療計画)を、記憶回路430から取得する。なお、算出機能441が取得する治療計画には、放射線治療計画用CT装置100が3次元で収集した被治療体PのCT画像データが含まれる。ここで、算出機能441は、治療計画から、治療対象部位に照射される放射線の照射範囲や超音波プローブ310と治療対象部位との間における超音波の媒質の分布、超音波プローブ310と治療対象部位との間の距離、超音波プローブ310と接触する被治療体Pの接触面の変形度、治療対象部位を走査する状態の超音波プローブ310と接触面との角度といった、種々の情報を取得する。そして、算出機能441は、放射線の照射計画に基づく種々の情報から、超音波プローブ310のプローブ位置の推奨度を、被治療体Pにおける位置ごとに算出する。また、通知制御機能442は、推奨度を被治療体Pにおける位置に対応付けて操作者に通知する。これにより、放射線治療における超音波プローブ310の位置決めを支援することができるようになる。
ここで、まず、第1の実施形態に係る放射線治療システム1による処理の一例について、図8を用いて説明する。図8は、第1の実施形態に係る放射線治療システム1による処理の手順の一例を示すフローチャートである。図8に示すように、放射線治療システム1においては、まず、放射線治療計画用CT装置100が、CT画像データを収集して(ステップS101)、収集したCT画像データを治療計画装置40に送信する。そして、治療計画装置40は、治療計画を立て(ステップS102)、治療計画を放射線治療装置20に送信する。なお、放射線治療装置20では、治療計画の検証(Comission)を実行する。治療計画の検証では、治療計画通りに放射線の照射ができることをファントムや線量計などを用いて検証するとともに、放射線治療装置20内で、あるいは放射線治療装置20と被治療体Pとで干渉が生じるか否かを目視で判定する。
次に、治療計画装置40は、放射線治療装置20による放射線治療が超音波画像によるガイド下で行われるか否かを判定する(ステップS103)。超音波ガイド下の治療でない場合(ステップS103否定)、放射線治療装置20は、被治療体Pを寝台に乗せ、被治療体Pの位置合わせを実行する(ステップS104)。例えば、放射線治療装置20は、同じ部屋にCT装置が設置されている場合はCT画像を撮影し、治療計画で使用したCT画像と比較することで被治療体Pの位置を同定する。或いは、放射線治療装置20は、コーンビームCT機能を使用し、コーンビームCT画像を撮影した後で、再構成した画像と治療計画で使用したCT画像とで骨や臓器などをランドマークとして位置合わせを実施し、被治療体Pの位置を同定する。或いは、放射線治療装置20は、X線画像を2方向から撮影し、特徴的な構造に基づいて治療計画で使用したCT画像との位置合わせを実施し、被治療体Pの位置を同定する。そして、このような方法によって位置合わせが実行された被治療体Pに対して、放射線治療装置20は、放射線治療を実施する(ステップS107)。
一方で、超音波ガイド下の治療である場合(ステップS103肯定)、治療計画装置40は、上述した被治療体Pの位置合わせと並行して、操作者が被治療体Pに対して超音波プローブ310を配置することを支援する(ステップS105)。次に、治療計画装置40は、超音波プローブ310の配置が完了したかを判定する(ステップS106)。ここで、超音波プローブ310の配置が完了したと判定された場合は(ステップS106肯定)、放射線治療装置20は、放射線治療を実施する(ステップS107)。一方、超音波プローブ310の配置が完了していないと判定された場合には(ステップS106否定)、治療計画装置40は、再度、操作者が被治療体Pに対して超音波プローブを配置することを支援する。
このように、第1の実施形態に係る放射線治療システム1においては、図8のステップS105において、治療計画装置40が、操作者が被治療体Pに対して超音波プローブ310を配置することを支援することにより、放射線治療の超音波画像によるガイドを効率よく行うことを可能にする。以下、第1の実施形態に係る治療計画装置40による処理の一例について、図9を用いて説明する。図9は、第1の実施形態に係る治療計画装置40による処理の手順の一例を示すフローチャートである。ここで、図9に示す処理は、図8のステップS105の処理に対応する。
図9に示すステップS201及びステップS202は、処理回路440が記憶回路430から算出機能441に対応するプログラムを読み出して実行されるステップである。また、図9に示すステップS203、ステップS209及びステップS212は、処理回路440が記憶回路430から通知制御機能442に対応するプログラムを読み出して実行されるステップである。また、図9に示すステップS204は、処理回路440が記憶回路430から受付機能443に対応するプログラムを読み出して実行されるステップである。また、図9に示すステップS205は、処理回路440が記憶回路430から決定機能444に対応するプログラムを読み出して実行されるステップである。また、図9に示すステップS207は、処理回路440が記憶回路430から取得機能445に対応するプログラムを読み出して実行されるステップである。また、図9に示すステップS206、ステップS208、ステップS210、ステップS211及びステップS213は、処理回路440が記憶回路430から判定機能446に対応するプログラムを読み出して実行されるステップである。
図9に示すように、治療計画装置40においては、まず、算出機能441が、被治療体Pの治療対象部位に対する放射線の照射計画(治療計画)を取得する(ステップS201)。次に、算出機能441は、治療計画から、超音波プローブ310の配置の推奨度を、被治療体Pにおける位置ごとに算出する(ステップS202)。例えば、算出機能441は、治療計画から、治療対象部位に照射される放射線の照射範囲に基づく値「B」、超音波プローブ310と治療対象部位との間における超音波の媒質の分布に基づく値「A」、超音波プローブ310と治療対象部位との間の距離に基づく値「D」、治療対象部位を走査する状態の超音波プローブ310と接触面との角度に基づく値「I」、超音波プローブ310と接触する被治療体Pの接触面の変形度に基づく値「S」をそれぞれ算出し、これら治療計画に基づく数値を用いて、以下の式(1)により、推奨度「R」を算出する。
なお、式(1)における「a」、「b」、「c」、「d」及び「e」は、それぞれ、「B」、「A」、「D」、「I」及び「S」にかかる所定の係数である。また、式(1)における「B」、「A」、「D」、「I」及び「S」は、被治療体Pにおける位置の座標を変数とする関数である。そして、算出機能441は、被治療体Pの各位置における「B」、「A」、「D」、「I」及び「S」の値から、被治療体Pの各位置における推奨度「R」を算出する。
なお、以下では、算出機能441が、推奨度「R」を、「0」以上の数値として、被治療体Pにおける各位置について算出する場合を一例として説明する。また、以下では、算出機能441が、推奨度「R」の値が小さいほど超音波プローブ310の位置として好適であるものとして、推奨度「R」を算出する場合を一例として説明する。以下、算出機能441が推奨度「R」の算出に用いる「B」、「A」、「D」、「I」及び「S」のそれぞれについて説明する。
まず、治療対象部位に照射される放射線の照射範囲に基づく値「B」について説明する。算出機能441は、まず、治療計画に基づいて、被治療体Pにおける各位置が放射線の照射範囲に含まれるか否かを判定する。ここで、治療計画には、CT画像データを用いて特定した治療対象部位の位置の情報、及び、放射線治療装置20が照射する放射線の照射角度の情報が含まれることから、算出機能441は、被治療体Pにおける各位置が放射線の照射範囲に含まれるか否かを判定することができる。
次に、算出機能441は、照射範囲に含まれない位置の値「B」が照射範囲に含まれる位置の値「B」よりも小さくなるように、被治療体Pにおける各位置の値「B」を算出する。そして、算出機能441は、式(1)により、照射範囲に含まれる位置を除く前記被治療体における位置について、放射線の照射範囲に含まれる位置よりも推奨されることを示す推奨度「R」を算出する。
即ち、算出機能441は、被治療体Pにおける位置のうち、照射範囲に含まれる位置についての推奨度「R」の値が大きくなるように、値「B」を算出する。一例を挙げると、算出機能441は、照射範囲に含まれる位置の値「B」を大きな値(例えば、無限大など)とする。ここで、値「B」が大きな値となる場合には、式(1)により、推奨度「R」も大きな値となる。そして、算出機能441は、照射範囲に含まれる各位置について、プローブ位置として推奨されないことを示す推奨度「R」を算出することができる。
また、算出機能441は、照射範囲に含まれない位置について、放射線の照射条件に基づいて散乱線強度を計算し、計算した散乱線の強度の総計に応じて「B」を算出する。そして、算出機能441は、式(1)により、散乱線の強度の総計が小さい位置ほど、プローブ位置として推奨されることを示す推奨度「R」を算出する。なお、算出機能441は、散乱線強度の総計を一次散乱の放射線強度から算出してもよいし、一次散乱及び二次以上の高次散乱の放射線強度から算出してもよい。
なお、算出機能441は、値「B」を算出するため、超音波プローブ310の固定部を考慮する場合であってもよい。例えば、算出機能441は、まず、治療計画に基づいて、超音波プローブ310を固定するために用いられる固定部の情報を取得する。算出機能441は、固定部の情報として、例えば、固定部の大きさや形状、アームにおける関節の可動範囲等の情報を取得する。なお、治療計画において、治療対象部位ごとに固定部が選択される場合であってもよい。
次に、算出機能441は、取得した固定部の情報に基づいて、被治療体Pにおける位置ごとに、その位置に超音波プローブ310を配置した場合に超音波プローブ310及び固定部が照射範囲に含まれるか否かを判定する。そして、算出機能441は、被治療体Pにおける位置のうち、照射範囲に超音波プローブ310及び固定部の少なくとも一方が含まれる位置についての推奨度「R」の値が大きくなるように、値「B」を算出する。
一例を挙げると、算出機能441は、照射範囲に超音波プローブ310及び固定部の少なくとも一方が含まれる位置の値「B」を大きな値(例えば、無限大など)とする。ここで、値「B」が大きな値となる場合には、式(1)により、推奨度「R」も大きな値となる。そして、算出機能441は、照射範囲に超音波プローブ310及び固定部の少なくとも一方が含まれる位置を除く被治療体Pにおける位置について、照射範囲に超音波プローブ310及び固定部が含まれる位置よりも推奨されることを示す推奨度「R」を算出することができる。
次に、超音波プローブ310と治療対象部位との間における超音波の媒質の分布に基づく値「A」について説明する。例えば、算出機能441は、治療計画に含まれる放射線治療計画用CT装置100により生成されたCT画像データから、超音波プローブ310と治療対象部位との間における超音波の媒質の分布を取得することができる。なお、以下では、被治療体Pにおける各位置と治療対象部位との間の領域を、単に、超音波パスとも記載する。超音波パスは、被治療体Pにおける位置ごとに決定される領域である。
例えば、算出機能441は、まず、被治療体Pにおける各位置について、超音波パス上の超音波の媒質として骨や気体が分布するか否かを判定する。次に、算出機能441は、超音波パス上に骨や気体が分布しない位置の値「A」が、骨や気体が分布する位置の値「A」よりも小さくなるように、被治療体Pにおける各位置の値「A」を算出する。この場合、算出機能441は、式(1)により、超音波の媒質として骨や気体が分布する位置を除く前記被治療体における位置について、媒質として骨や気体が分布する位置よりもプローブ位置として推奨されることを示す推奨度「R」を算出する。なお、超音波の媒質としての気体は、被治療体Pの肺の中の空気や、消化器系内のガスなどである。
即ち、算出機能441は、被治療体Pにおける位置のうち、超音波パス上に骨や気体が分布する位置についての推奨度「R」の値が大きくなるように、値「A」を算出する。一例を挙げると、算出機能441は、超音波パス上の超音波の媒質として骨や気体が分布する位置の値「A」を大きな値(例えば、無限大など)とする。そして、算出機能441は、式(1)により、超音波パス上に骨や気体が分布する位置については、プローブ位置として推奨されないことを示す推奨度「R」を算出する。
また、算出機能441は、超音波パス上に骨や気体が分布しない位置については、超音波パス上の体内組織の不均一さを評価し、不均一である位置ほど値「A」を大きな値とする。一例を挙げると、算出機能441は、まず、治療計画から、超音波パス上の体内組織を含むCT画像データを取得する。そして、算出機能441は、CT画像データのうち超音波パスに対応する各位置の画素値について分散値を算出し、分散値が大きいほど、体内組織が不均一であるとして、値「A」を大きな値とする。
なお、算出機能441は、放射線治療計画用CT装置100により収集されたCT値についての分散値を算出する場合であってもよいし、CT値と相互情報量の概念を元に計算された音響インピーダンスについての分散値を算出する場合であってもよい。また、後者の場合、デュアルエネルギーCTを元に物質を特定すると、音響インピーダンスを正確に同定できる。また、算出機能441は、放射線治療計画用CT装置100による画像データに限らず、超音波パス上の体内組織を含む種々の医用画像データから分散値を算出することができる。
また、算出機能441は、超音波パス上の超音波の媒質の分布を評価するに際し、時系列的に収集された複数のCT画像データを用いる場合であってもよい。例えば、治療対象部位が肺に近い位置にあるなどして、治療対象部位が放射線治療の最中に動く場合、放射線治療計画用CT装置100は、治療対象部位を含む複数のCT画像データを時系列的に収集する。そして、算出機能441は、複数のCT画像データに基づいて治療対象部位の動きの情報を算出する。ここで、動きの情報とは、例えば、超音波プローブ310を設置する被治療体Pの体表面の位置の座標や、複数のCT画像データのそれぞれが収集された時点での治療対象部位の位置の座標などである。
一例を挙げると、算出機能441は、複数のCT画像データのそれぞれが収集された時点での治療対象部位の位置と、被治療体Pにおける移動する体表面の位置との間の領域を示す、複数の超音波パスを算出する。言い換えると、算出機能441は、被治療体Pの各位置について、CT画像データごとに超音波パスを算出する。次に、算出機能441は、被治療体Pの各位置について、複数の超音波パスの中のいずれかに骨又は気体が分布するか否かを判定する。そして、算出機能441は、複数の超音波パスの中のいずれかに骨や気体が分布する場合、値「A」を大きな値(例えば、無限大など)とする。あるいは、算出機能441は、複数の超音波パスのそれぞれについて分散値を算出し、超音波パスごとに算出した複数の分散値を平均する。そして、算出機能441は、分散値の平均値が大きいほど、体内組織が不均一であるとして、値「A」を大きな値とする。
また、一例を挙げると、算出機能441は、複数のCT画像データのそれぞれについて、被治療体Pの位置ごとに、超音波プローブ310と治療対象部位との間における超音波の媒質の分布に基づく値「A´」を算出する。次に、算出機能441は、CT画像データごとに算出した複数の値「A´」について、被治療体Pの位置ごとに、平均値を算出する。そして、算出機能441は、被治療体Pの各位置について算出した平均値を、式(1)における「A」に代入して、推奨度「R」を算出する。
次に、超音波プローブ310と治療対象部位との間の距離に基づく値「D」について説明する。例えば、算出機能441は、まず、放射線治療計画用CT装置100により生成されたCT画像データから、被治療体Pにおける各位置について、治療対象部位との間の距離(超音波パスの長さ)を取得する。そして、算出機能441は、被治療体Pにおける各位置について、超音波パスが長くなるほど、値「D」を大きな値とする。即ち、算出機能441は、値「D」を、超音波プローブ310と治療対象部位との間の距離の関数として算出する。
ここで、算出機能441は、値「D」を算出する関数を、超音波パスにおける超音波の減衰率を用いて定義することができる。一例を挙げると、算出機能441は、値「D」を算出する関数を、超音波パスの長さと、超音波パスにおける物質の対数減衰率との積を含む形とすることができる。また、一例を挙げると、算出機能441は、値「D」を算出する関数を、超音波パスの長さと、超音波パスにおける物質の減衰比の逆数との積を含む形とすることができる。即ち、算出機能441は、超音波パスにおける超音波の媒質の物性によって超音波が減衰しやすいほど、値「D」が大きくなりやすいように関数を定義する。そして、算出機能441は、超音波プローブ310から送信される超音波の治療体部位における減衰の度合いを算出し、値「D」を算出することができる。なお、算出機能441は、超音波プローブ310と治療対象部位との間の組織について軟組織を仮定し、値「D」を算出することができる。
また、算出機能441は、値「D」を算出する関数を、超音波プローブ310による走査の走査条件に応じて変更することができる。例えば、算出機能441は、値「D」を算出する関数を、超音波パスの長さと、超音波の周波数との積を含む形とすることができる。即ち、算出機能441は、超音波は同一の距離であっても周波数が大きいほど減衰しやすいことから、超音波が減衰しやすい走査条件について、値「D」が大きくなりやすいように関数を定義する。そして、算出機能441は、超音波の周波数が大きいほど、値「D」を大きな値として算出する。なお、算出機能441は、送信周波数、送信駆動電圧等を調整する送受信回路341から、走査条件を取得することができる。なお、ここでは値「D」を超音波パスの長さ、あるいは超音波パスの長さと超音波の周波数との積と定義したが、値「D」は、超音波の周波数と音響インピーダンスを元に計算した治療対象部位までの減衰率を元に計算してもよい。具体的には、例えば減衰率を「80%」とすると、「1」から「0.8」を引き、その差分の逆数を算出する。
次に、治療対象部位を走査する状態の超音波プローブ310と接触面との角度に基づく値「I」について説明する。なお、以下では、超音波プローブ310との接触面が被治療体Pの体表面(皮膚)である場合を一例として説明するが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、超音波プローブ310との接触面は、粘膜等の皮膚以外の体表面組織であってもよい。また、被治療体Pが超音波プローブ310を飲み込むことにより、被治療体Pの内側(食道など)からの走査を行う場合には、接触面は体表面である場合に限られない。
例えば、算出機能441は、まず、治療計画から治療対象部位の位置情報を取得し、被治療体Pにおける各位置について、治療対象部位への方向を取得する。ここで、被治療体Pに配置された超音波プローブ310は治療対象部位へ向いた状態で走査を行うものであるから、被治療体Pにおける各位置から治療対象部位への方向が、治療対象部位を走査する状態の超音波プローブ310の方向となる。
また、算出機能441は、放射線治療計画用CT装置100により収集されたCT画像データから、被治療体Pにおける各位置における接触面の方向を取得する。例えば、算出機能441は、接触面の方向として、被治療体Pにおける各位置における皮膚に対する垂線を法線ベクトルとする面の方向を取得する。そして、算出機能441は、治療対象部位を走査する状態の超音波プローブ310の方向と、接触面の方向のなす角度(以下、単に、接触角度とも記載する)を、被治療体Pにおける各位置について算出する。
例えば、接触角度が「90°」となる位置に超音波プローブ310を配置する場合には、皮膚に対して超音波プローブ310を垂直に置けばいいので、超音波プローブ310を設置することは容易である。従って、算出機能441は、接触角度が「90°」に近い値となる位置ほど、「I」を小さな値として算出する。一方で、例えば、接触角度が「0°」に近い位置に超音波プローブ310を配置する場合には、皮膚に対して超音波プローブ310を傾けて置くこととなる。超音波プローブ310を大きく傾けることは、設置の困難さに加えて、超音波プローブ310と皮膚との間に隙間を生じてしまう可能性がある。そして、超音波プローブ310と皮膚との間に隙間を生じた場合、超音波画像の収集は困難となる。従って、算出機能441は、接触角度が「0°」に近い値となる位置ほど、「I」を大きな値として算出する。
一例を挙げると、算出機能441は、接触角度を「θ」とし、余弦「cosθ」の二乗の値を「I」とする。この場合、接触角度が「90°」であれば「I」は「0」となり、接触角度が「0°」であれば「I」は「1」となる。あるいは、算出機能441は、接触角度「θ」を「0°」から「90°」の範囲で算出し、余弦「cosθ」を「I」とする。
なお、算出機能441は、治療対象部位を走査する状態の超音波プローブ310の方向として、治療対象部位を走査する状態の超音波プローブ310において被治療体Pの皮膚に接触する面の中心座標から、治療対象部位への方向を算出する。そして、算出機能441は、治療対象部位を走査する状態の超音波プローブ310の方向及び接触面の方向から接触角度を算出し、接触角度に基づいて、「I」を算出する。
次に、超音波プローブ310と接触する被治療体Pの接触面の変形度に基づく値「S」について説明する。ここで、変形度とは、被治療体Pにおいて超音波プローブ310と接触する皮膚の変形のしやすさである。例えば、算出機能441は、被治療体Pの各位置の変形度を、近傍の組織及び骨までの距離に基づいて算出する。一例を挙げると、算出機能441は、放射線治療計画用CT装置100により収集されたCT画像データから、被治療体Pにおける各位置について、最も近い骨までの距離を算出する。そして、算出機能441は、骨までの距離が短いほど、変形度の値が小さくなるようにして、被治療体Pにおける各位置の変形度を算出する。
そして、算出機能441は、被治療体Pにおける各位置について、変形度が小さいほど、値「S」を大きな値として算出する。一例を挙げると、変形度が大きい位置に超音波プローブ310を配置する場合、被治療体Pの皮膚と接触した状態で超音波プローブ310を治療対象部位の方向に向けることは容易である。従って、算出機能441は、変形度が大きい位置については、値「S」を小さな値として算出する。一方で、変形度が小さい位置に超音波プローブ310を配置する場合、治療対象部位の方向に向けるために超音波プローブ310を接触面に対して傾けると、超音波プローブ310と皮膚との間に隙間を生じてしまう場合がある。従って、算出機能441は、変形度が小さい位置については、値「S」を大きな値として算出する。
上述したように、算出機能441は、治療計画から、治療対象部位に照射される放射線の照射範囲に基づく値「B」、超音波プローブ310と治療対象部位との間における超音波の媒質の分布に基づく値「A」、超音波プローブ310と治療対象部位との間の距離に基づく値「D」、治療対象部位を走査する状態の超音波プローブ310と接触面との角度に基づく値「I」、超音波プローブ310と接触する被治療体Pの接触面の変形度に基づく値「S」をそれぞれ算出する。また、算出機能441は、算出した「B」、「A」、「D」、「I」及び「S」の値を用いて、式(1)により、推奨度「R」を算出する。
そして、通知制御機能442は、算出機能441が被治療体Pの各位置について算出した推奨度「R」を、被治療体Pにおける位置に対応付けて操作者に通知する(ステップS203)。以下、図10を用いて、推奨度の通知について説明する。図10は、第1の実施形態に係る推奨度の通知を説明するための図である。例えば、通知制御機能442は、図10に示すように、被治療体Pを表すモデル上に推奨度「R」に対応する色を付した画像を、ディスプレイ420やディスプレイ220、ディスプレイ330などに表示させることで、推奨度「R」を操作者に通知する。なお、通知制御機能442は、推奨度「R」に対応する色として、色相、彩度及び輝度のうち一つ、又は、色相、彩度及び輝度の2以上の組み合わせを用いることができる。
また、通知制御機能442は、被治療体Pを表すモデルを、例えば、記憶回路430によって予め記憶されたモデルデータに基づいて生成することができる。ここで、モデルデータとは、例えば、年齢、成人/子供、男性/女性、体重、身長などの体格に関わるパラメータの複数の組み合わせに応じた標準的な体格を有する人体について、実際にCTなどの医用画像検査装置で撮影した画像である。
例えば、通知制御機能442は、まず、治療計画やPACSサーバ60から読み出した被治療体情報に応じて対応するモデルデータを記憶回路430から読み出す。次に、通知制御機能442は、放射線治療計画用CT装置100から受信した被治療体PのCT画像データ(ボリュームデータ)中の解剖学的な特徴点を抽出する。また、通知制御機能442は、CT画像データ中の解剖学的な特徴点と、読み出したモデルデータ中の特徴点とを照合して、ボリュームデータの座標空間とモデルデータの座標空間とを関連付ける。そして、通知制御機能442は、特徴点の関連付けによりCT画像データに近似させたモデルデータを取得する。
即ち、通知制御機能442は、記憶回路430に記憶されたモデルデータから、被治療体Pの体型に合わせた人体モデルを生成することができる。そして、通知制御機能442は、生成した人体モデル上の各位置に、被治療体Pの各位置について算出された推奨度「R」を、色相、彩度及び輝度のうち一つ、又は、色相、彩度及び輝度の2以上の組み合わせによって表示することができる。なお、通知制御機能442は、上述した人体モデルに代えて、放射線治療計画用CT装置100等により収集された被治療体PのCT画像データを用いる場合であってもよい。
また、通知制御機能442は、推奨度「R」を被治療体Pにおける位置に対応付けて操作者に通知することに加えて、MPR(Multi Planar Reconstruction)画像を表示させる場合であってもよい。なお、通知制御機能442は、MPR画像を、モデルデータ、放射線治療計画用CT装置100やその他のCT装置から送信されたCT画像データから生成することができる。
例えば、通知制御機能442は、被治療体Pにおける各位置のうち、算出された推奨度「R」の値が最も小さかった位置や、操作者が入力回路410を介して指定した位置を含んで、相互に直交する3平面のMPR画像を表示させる。ここで、通知制御機能442は、表示させる3平面のMPR画像のうち、最低2平面に治療対象部位が含まれるようにすることができる。また、例えば、通知制御機能442は、治療対象部位を含んで相互に直交する3平面のMPR画像を表示させる。ここで、通知制御機能442は、表示させる3平面のMPR画像のうちの最低2平面に、算出された推奨度「R」の値が最も小さかった位置、あるいは操作者が入力回路410を介して指定した位置が含まれるようにすることができる。
なお、上述した例では、算出機能441が、「B」、「A」、「D」、「I」及び「S」を用いて、1つの推奨度「R」を算出する場合について説明した。ここで、算出機能441は、複数の推奨度を算出することもできる。一例を挙げると、算出機能441は、治療対象部位に照射される放射線の照射範囲に基づく値「B」、超音波プローブ310と治療対象部位との間における超音波の媒質の分布に基づく値「A」、超音波プローブ310と治療対象部位との間の距離に基づく値「D」、及び、超音波プローブ310と接触する被治療体Pの接触面の変形度に基づく値「S」の4つの値を用いて、以下の式(2)により、第1の推奨度を算出する。なお、式(2)における「a」、「b」、「c」及び「e」は、式(1)と同様である。
更に、算出機能441は、治療対象部位を走査する状態の超音波プローブ310と接触面との角度に基づく値「I」と所定の係数「d」とを掛け合わせることで、第2の推奨度を算出する。そして、通知制御機能442は、複数の推奨度のそれぞれを、被治療体Pにおける位置に対応付けて操作者に通知する。例えば、通知制御機能442は、第1の推奨度を色相及び彩度のうち一つ、又は、色相及び彩度の組み合わせによって表現し、第2の推奨度を輝度で表現した人体モデルの画像を、ディスプレイ420やディスプレイ220、ディスプレイ330などに表示させることで、被治療体Pの各位置における推奨度を操作者に通知する。
あるいは、通知制御機能442は、算出機能441が算出した複数の推奨度ごとに、被治療体Pの各位置における推奨度を示す画像を生成し、操作者からの操作に応じて、通知する推奨度を切り替える場合であってもよい。また、推奨度の算出に用いる値「B」、「A」、「D」、「I」及び「S」の組み合わせは任意であり、推奨度を複数算出する場合には、重複して用いる場合であってもよい。
次に、受付機能443は、超音波プローブ310の被治療体Pにおける位置を指定する指定操作を、入力回路410を通じて操作者から受け付ける(ステップS204)。ここで、受付機能443は、通知制御機能442により被治療体Pにおける位置に対応付けて表示された推奨度を参照した操作者から、超音波プローブ310の位置として適切であると判断した位置を指定する指定操作を受け付ける。
以下、図11A及び図11Bを用いて、超音波プローブ310の位置の指定操作の一例について説明する。図11A及び図11Bは、第1の実施形態に係る超音波プローブ310の位置の指定操作を説明するための図である。まず、通知制御機能442は、図11Aに示すように、人体モデル上の各位置に、被治療体Pの各位置について算出された推奨度を、対応する色相によって表示する。次に、操作者は、超音波プローブ310の位置を判断する。例えば、操作者は、推奨度が色相で表現された人体モデル上の各位置のうち、推奨度の値が最も小さい位置R1を、超音波プローブ310の位置として判断する。そして、受付機能443は、入力回路410が有するマウス操作等により、位置R1を指定する指定操作を受け付ける。
ここで、通知制御機能442は、指定操作を受け付けた位置において治療対象部位を走査する状態の超音波プローブ310の接触面に対する角度を通知することができる。例えば、通知制御機能442は、図11Bに示すように、指定操作を受け付けた位置R1に、治療対象部位の方向を向いた超音波プローブ310を示す図形を表示することができる。そして、表示された超音波プローブ310の角度が不適切であると操作者によって判断される場合には、受付機能443は、超音波プローブ310の被治療体Pにおける位置を指定する指定操作を再度受け付けることができる。
そして、決定機能444は、超音波プローブ310の被治療体Pにおける位置を決定する(ステップS205)。例えば、決定機能444は、ステップS204において受付機能443が操作者から指定操作を受け付けた位置を、プローブ位置として決定する。なお、ステップS204は行わない場合であってもよい。この場合、決定機能444は、算出機能441により算出された推奨度の値に応じて、プローブ位置を決定する。例えば、決定機能444は、推奨度の値が最も小さい位置を、プローブ位置として決定する。
上述したように、実施形態に係る処理回路440は、被治療体Pの位置ごとの推奨度を算出することを通じて、超音波プローブ310の位置決定を支援する。なお、放射線治療装置20は、処理回路440により実行されるステップS201からステップS205までのステップと並行して、被治療体Pを寝台に乗せ、被治療体Pの位置合わせを実行することができる。ここで、放射線治療装置20による被治療体Pの位置合わせは、図8のステップS104における位置合わせと同様である。
次に、判定機能446は、超音波プローブ310の設置を補助するか否かを判定する(ステップS206)。例えば、判定機能446は、ディスプレイ420に表示されるGUIのダイアログボックスにおいて、「Yes」及び「No」を示すボタンを表示し、操作者からのボタンの押下に応じて、超音波プローブ310の設置を補助するか否かを判定する。また、例えば、判定機能446は、ディスプレイ420に表示されるGUIのチェックボックスへのチェックの有無に応じて、設置を補助するか否かを判定する。ここで、超音波プローブ310の設置を補助しない場合は(ステップS206否定)、超音波プローブ310を配置する支援のための処理を終了する。
一方で、超音波プローブ310の設置を補助する場合(ステップS206肯定)、取得機能445は、超音波プローブ310の位置及び角度を取得する(ステップS207)。ここで、超音波プローブ310は、三次元座標系での位置及び角度を特定するためのセンサ350を備える。そして、取得機能445は、センサ350が検知した位置情報及び角度情報を受信することで、超音波プローブ310の位置及び角度を取得する。即ち、取得機能445が取得する超音波プローブ310の位置及び角度は、現時点における超音波プローブ310の位置及び角度を示す。
次に、判定機能446は、決定機能444が決定したプローブ位置と、取得機能445が取得した超音波プローブ310の位置との一致度を判定する(ステップS208)。以下、決定機能444が決定した超音波プローブ310の被治療体Pにおける位置を推奨位置とも記載する。また、取得機能445が取得した超音波プローブ310の被治療体Pにおける位置を現在位置とも記載する。
ここで、放射線治療システム1においては、放射線治療計画用CT装置100における座標系と、放射線治療装置20における座標系と、超音波診断装置30における座標系とが予め位置合わせされる。従って、判定機能446は、例えば、決定機能444が放射線治療計画用CT装置100の座標系で決定した推奨位置と、取得機能445が超音波診断装置30の座標系で取得した現在位置との位置関係を一意に同定することができる。そして、判定機能446は、例えば、推奨位置の座標と現在位置の座標との距離を算出し、算出した距離の値に反比例するように、推奨位置と現在位置との一致度(以下、位置の一致度とも記載する)を判定する。
次に、通知制御機能442は、判定機能446が判定した位置の一致度を操作者に通知する(ステップS209)。例えば、通知制御機能442は、位置の一致度に対応する色や数字をディスプレイ420やディスプレイ220、ディスプレイ330などに表示させ、あるいは一致度に対応する音声その他の音を発することにより、一致度を操作者に通知する。即ち、通知制御機能442は、判定機能446により判定された一致度を、色相、彩度、輝度、数字、音、又は色相、彩度、輝度、数字、音の2以上の組み合わせによって操作者に通知する。
ここで、判定機能446は、超音波プローブ310を設置する位置を決定する決定操作を操作者から受け付けたか否かを判定する(ステップS210)。推奨位置への超音波プローブ310の設置が完了していない場合、判定機能446は、位置の決定操作を受け付けず(ステップS210否定)、通知制御機能442は、再度位置の一致度を操作者に通知する。
一方で、推奨位置への超音波プローブ310の設置が完了したと操作者が判断した場合、判定機能446は、位置の決定操作を受け付け(ステップS210肯定)、決定機能444が決定したプローブ位置(推奨位置)において治療対象部位を走査する状態の超音波プローブ310及び超音波プローブ310に接触する被治療体Pの接触面の角度と、取得機能445が取得した超音波プローブ310の角度との一致度を判定する(ステップS211)。
ここで、推奨位置において治療対象部位を走査する状態の超音波プローブ310とは、推奨位置から治療対象部位への方向を向いた超音波プローブ310である。また、超音波プローブ310に接触する被治療体Pの接触面とは、例えば、推奨位置における被治療体Pの皮膚からの垂線を法線ベクトルとする面である。以下では、推奨位置において治療対象部位を走査する状態の超音波プローブ310及び超音波プローブ310に接触する被治療体Pの接触面の角度を推奨角度とも記載する。
また、取得機能445が取得した超音波プローブ310の角度とは、例えば、現在の超音波プローブ310が向いている方向と、推奨位置における被治療体Pの接触面との角度である。以下では、取得機能445が取得した超音波プローブ310の角度を現在角度とも記載する。そして、判定機能446は、放射線治療システム1においては各装置の座標系が予め位置合わせされることから、推奨角度と現在角度との関係を一意に同定することができる。そして、判定機能446は、例えば、推奨角度と現在角度との差を算出し、算出した差に反比例するように、推奨角度と現在角度との一致度(以下、角度の一致度とも記載する)を判定する。
次に、通知制御機能442は、判定機能446が判定した角度の一致度を操作者に通知する(ステップS212)。例えば、通知制御機能442は、角度の一致度に対応する色や数字をディスプレイ420やディスプレイ220、ディスプレイ330などに表示させ、あるいは角度の一致度に対応する音声その他の音を発することにより、角度の一致度を操作者に通知する。即ち、通知制御機能442は、判定機能446により判定された角度の一致度を、色相、彩度、輝度、数字及び音のうち一つ、又は、色相、彩度、輝度、数字及び音の2以上の組み合わせによって操作者に通知する。
ここで、判定機能446は、超音波プローブ310を設置する角度を決定する決定操作を操作者から受け付けたか否かを判定する(ステップS213)。推奨角度に超音波プローブ310の角度を合わせる操作が完了していない場合、判定機能446は、角度の決定操作を受け付けず(ステップS213否定)、通知制御機能442は、再度角度の一致度を操作者に通知する。一方で、推奨角度に超音波プローブ310の角度を合わせる操作が完了した場合、判定機能446は、操作者から角度の決定操作を受け付け(ステップS213肯定)、超音波プローブ310を配置する支援のための処理を終了する。
なお、通知制御機能442は、判定機能446が判定した超音波プローブ310の位置の一致度及び角度の一致度を、同時に通知することもできる。一例を挙げると、通知制御機能442は、人体モデル上に、推奨位置にあり推奨角度の方向を向いた超音波プローブ310を示す図形と、現在位置にあり現在角度の方向を向いた超音波プローブ310を示す図形とを合成した画像を操作者に提示することで、位置の一致度及び角度の一致度を同時に通知する。
超音波プローブ310の配置が終了すると、超音波診断装置30は、治療対象部位を含む超音波画像を生成し、ディスプレイ330等を通じて操作者に提示する。また、放射線治療の開始コマンドが入力されると、放射線治療装置20は、超音波ガイドの下で治療対象部位の位置や動きを確認しながら、治療計画に従って被治療体Pに対して放射線を照射し、放射線治療を実行する。
上述したように、第1の実施形態によれば、算出機能441が、被治療体Pの対象部位に対する放射線の照射計画に基づいて、放射線の照射時に対象部位を走査する超音波プローブ310の配置の推奨度を、被治療体Pにおける位置ごとに算出する。通知制御機能442が、推奨度を被治療体Pにおける位置に対応付けて操作者に通知する。従って、第1の実施形態に係る治療計画装置40は、放射線治療における超音波プローブの配置を支援することを可能にする。
また、第1の実施形態によれば、算出機能441は、治療対象部位に照射される放射線の照射範囲に基づく値「B」に基づいて、推奨度を算出する。従って、第1の実施形態に係る治療計画装置40は、超音波プローブ310や固定部を透過する際に放射線が減衰して放射線治療の効率が低下したり、超音波プローブ310そのものが劣化したりすることを回避できるように、被治療体Pに超音波プローブ310を配置する支援をすることができる。
また、第1の実施形態によれば、算出機能441は、放射線の散乱線強度に基づいて値「B」を算出し、推奨度を算出する。従って、第1の実施形態に係る治療計画装置40は、放射線の照射範囲に含まれない位置に超音波プローブ310を配置する際に、放射線の散乱線による超音波プローブ310の劣化を低減することを可能にする。
また、第1の実施形態によれば、算出機能441は、超音波プローブ310と治療対象部位との間における超音波の媒質の分布に基づく値「A」に基づいて、推奨度を算出する。従って、第1の実施形態に係る治療計画装置40は、超音波パス上の超音波の媒質として骨や気体が分布することで治療対象部位の超音波画像の画質が低下することを回避できるように、被治療体Pに超音波プローブ310を配置する支援をすることができる。
また、第1の実施形態によれば、算出機能441は、超音波パス上の各位置の信号値に基づく分散値を算出し、算出した分散値に基づいて値「A」を算出し、推奨度を算出する。従って、第1の実施形態に係る治療計画装置40は、超音波パス上の超音波の媒質として骨や気体が分布しない位置に超音波プローブ310を配置する際についても、超音波パスにおける音波の媒質としての体内組織の分布が不均一であることで超音波が減衰し、超音波画像の画質が低下することを回避できるように、被治療体Pに超音波プローブ310を配置する支援をすることができる。
また、第1の実施形態によれば、算出機能441は、複数のCT画像データに基づいて治療対象部位の動きの情報を算出し、超音波パス上の超音波の媒質の時間的に変化する分布を算出し、算出した分布に基づいて値「A」を算出し、推奨度を算出する。従って、第1の実施形態に係る治療計画装置40は、治療対象部位が肺に近い位置にあるなどして治療対象部位が放射線治療の最中に動く場合であっても、被治療体Pに超音波プローブ310を配置する支援をすることができる。
また、第1の実施形態によれば、算出機能441は、超音波プローブ310と治療対象部位との間の距離に基づく値「D」に基づいて、推奨度を算出する。従って、第1の実施形態に係る治療計画装置40は、超音波パスが長くなることで治療対象部位に到達する超音波が減衰し、治療対象部位の超音波画像の画質が低下することを回避できるように、被治療体Pに超音波プローブ310を配置する支援をすることができる。
また、第1の実施形態によれば、算出機能441は、超音波パスにおける超音波の減衰率及び走査条件を用いて値「D」を算出する関数を定義し、推奨度を算出する。従って、第1の実施形態に係る治療計画装置40は、治療対象部位に到達する超音波の減衰の程度をより適切に算出することができる。
また、第1の実施形態によれば、算出機能441は、治療対象部位を走査する状態の超音波プローブ310と接触面との角度に基づく値「I」に基づいて、推奨度を算出する。従って、第1の実施形態に係る治療計画装置40は、被治療体Pの皮膚に対して超音波プローブ310を大きく傾けて設置するという困難を回避できるように、被治療体Pに超音波プローブ310を配置する支援をすることができる。
また、第1の実施形態によれば、算出機能441は、超音波プローブ310と接触する被治療体Pの接触面の変形度に基づく値「S」に基づいて、推奨度を算出する。従って、第1の実施形態に係る治療計画装置40は、被治療体Pの皮膚に対して超音波プローブ310を密着させた状態で傾け得るように、被治療体Pに超音波プローブ310を配置する支援をすることができる。
また、第1の実施形態によれば、判定機能446は、超音波プローブ310の推奨位置と現在位置との一致度、及び推奨角度と現在角度との一致度を判定し、通知制御機能442は、判定された一致度を操作者に通知する。従って、第1の実施形態に係る治療計画装置40は、被治療体Pへの超音波プローブ310の設置を補助することができる。
また、第1の実施形態によれば、通知制御機能442は、超音波プローブ310の推奨位置と現在位置との一致度、及び推奨角度と現在角度との一致度をそれぞれ操作者に通知する。従って、第1の実施形態に係る治療計画装置40は、被治療体Pに超音波プローブ310を設置する際に位置及び角度を同時に調整する困難を回避し、超音波プローブ310を容易に設置することを可能にする。
(第2の実施形態)
さて、これまで第1の実施形態について説明したが、上述した第1の実施形態以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。
上述した第1の実施形態では、算出した推奨度を操作者に通知する場合について説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、算出機能441は、算出した推奨度を操作者に通知することに加えて、あるいは推奨度を操作者に通知することに代えて、推奨度に基づき、治療計画を補正する場合であってもよい。
例えば、算出機能441は、被治療体Pにおける各位置について推奨度を算出した結果、超音波プローブ310の位置として適切な位置がないと判定した場合に、治療計画を補正する。一例を挙げると、算出機能441は、被治療体Pにおける各位置について算出された推奨度の最小値を閾値と比較し、推奨度の最小値が閾値よりも大きい場合に、超音波プローブ310を配置する適切な位置がないと判定する。
超音波プローブ310を配置する適切な位置がないと判定した場合、算出機能441は、例えば、治療計画のうち、超音波の周波数を補正する。ここで、周波数が小さくなるように治療計画を補正することで、超音波が減衰しにくくなり、より離れた位置から治療対象部位を走査することが可能となる。言い換えると、周波数が小さくなるように治療計画を補正することで、超音波プローブ310と治療対象部位との間の距離に基づく値「D」が小さくなり、被治療体Pの各位置における推奨度の値も小さくなる。例えば、算出機能441は、被治療体Pの各位置における推奨度の最小値が閾値を下回るように、周波数を補正する。
そして、算出機能441は、補正後の治療計画に基づいて、再度、推奨度を算出し、通知制御機能442は、補正後の治療計画に基づく推奨度を操作者に通知する。ここで、周波数の補正後においては推奨度が閾値を下回る位置が存在するため、通知制御機能442は、超音波プローブ310を配置する適切な位置を操作者に提示することができる。
また、例えば、算出機能441は、超音波プローブ310を配置する適切な位置が存在すると判定した場合に、治療計画を補正する場合であってもよい。一例を挙げると、算出機能441は、被治療体Pの各位置について算出した推奨度の最小値を閾値と比較し、推奨度の最小値が閾値よりも小さい場合に、超音波プローブ310を配置する適切な位置が存在すると判定する。
超音波プローブ310を配置する適切な位置が存在すると判定した場合、算出機能441は、例えば、超音波の周波数が大きくなるように治療計画を補正する。かかる場合、値「D」が大きくなり、被治療体Pの各位置における推奨度の値も大きくなるため、算出機能441は、超音波プローブ310を配置する適切な位置がなくならない範囲で、超音波の周波数が大きくなるように治療計画を補正する。そして、算出機能441は、治療計画を補正することで、高周波数の超音波に基づく高コントラストの超音波画像を生成することを可能とする。また、通知制御機能442は、超音波プローブ310を配置する適切な位置を操作者に提示する。
上述した例では、治療計画のうち、治療対象部位の走査に用いる超音波の周波数を補正する場合について説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではなく、算出機能441は、治療計画のうち、他の条件(例えば、治療用の放射線の照射方向など)を補正する場合であってもよい。
また、上述した第1の実施形態では、算出機能441が、推奨度「R」を、「0」以上の数値として、また、値が小さいほど超音波プローブ310の位置として好適であるものとして算出する場合を一例として説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではなく、例えば、算出機能441は、推奨度「R」を、値が大きいほど超音波プローブ310の位置として好適であるものとして算出する場合であってもよい。また、算出機能441が推奨度「R」を数値として算出する際の数値の範囲は任意である。また、例えば、算出機能441は、推奨度「R」を、2以上の段階で評価する場合であってもよい。一例を挙げると、算出機能441は、推奨度「R」として、被治療体Pの各位置が超音波プローブ310の位置として適切であるか否かを算出する場合であってもよい。
また、第1の実施形態では、推奨位置における被治療体Pの接触面を基準として超音波プローブ310の推奨角度及び現在角度を算出する場合について説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、判定機能446は、放射線治療装置20が設置される部屋の床や壁といった任意の面を基準として、超音波プローブ310の推奨角度及び現在角度を算出することができる。また、例えば、判定機能446は、推奨位置において治療対象部位を走査する状態の超音波プローブ310の方向ベクトルと、取得機能445が取得した超音波プローブ310の方向ベクトルとの内積を求め、内積の値が大きいほど一致度も大きいものとして、角度の一致度を判定することもできる。
また、第1の実施形態では、治療計画の立案に用いられるボリュームデータとしてCT画像データを用いる場合を例に挙げて説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではなく、例えば、MRI装置や、PET装置、SPECT装置などによって収集されたボリュームデータを用いる場合であってもよい。
また、上述した第1の実施形態では、放射線治療における超音波プローブ310の配置を支援する支援装置として、処理回路440による各機能を実行する治療計画装置40について説明した。しかしながら実施形態はこれに限定されるものではなく、上述した支援装置は、図1に示したいずれの装置によって実現されてもよいし、図1に示した各装置とは別個の装置として実現されてもよい。
例えば、放射線治療装置20が、放射線治療における超音波プローブ310の配置を支援することができる。一例を挙げると、まず、放射線治療装置20のシステム制御回路260が、治療計画装置40から、被治療体Pの治療対象部位に対する治療計画を取得する。次に、システム制御回路260が、治療計画に基づいて、超音波プローブ310の配置の推奨度を被治療体Pにおける位置ごとに算出し、算出した推奨度を被治療体Pにおける位置に対応付けて操作者に通知することで、放射線治療における超音波プローブ310の配置を支援することができる。即ち、システム制御回路260が、処理回路440による各機能を実行することで、上述した支援装置が放射線治療装置20において実現される。
なお、上述した放射線治療計画用CT装置100、放射線治療装置20、超音波診断装置30及び治療計画装置40の説明において用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、或いは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。プロセッサは記憶回路に保存されたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、記憶回路にプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むよう構成しても構わない。この場合、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、本実施形態の各プロセッサは、プロセッサごとに単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて1つのプロセッサとして構成し、その機能を実現するようにしてもよい。
また、第1の実施形態で図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。即ち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUおよび当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、或いは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
また、第1の実施形態で説明した支援方法は、予め用意された支援プログラムをパーソナルコンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することによって実現することができる。この支援プログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布することができる。また、この支援プログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク(FD)、CD-ROM、MO、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行することもできる。
以上説明したとおり、第1及び第2の実施形態によれば、放射線治療における超音波プローブの配置を支援することを可能にする。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。