A.第1実施形態
図1は、パチンコ機50の構成を示す正面図である。パチンコ機50は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠51にて各構成を保持する構造を有している。外枠51の左側上下にはヒンジ53が設けられており、ヒンジ53により、板ガラス61が嵌め込まれた前枠(ガラス枠)52及び後述の内枠が、外枠51に対し開閉可能に保持される。また、前枠52の板ガラス61の奥には、内枠に保持された遊技盤2(図2)が設けられている。
前枠52の上部の左右両側にはスピーカ66が設置されており、これらにより遊技音が出力され、遊技の趣向性を向上させる。また、前枠52には、遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプ65のほか、遊技の異常を報知するLEDが設けられている。前枠52の下部には、上皿55と下皿63とが一体に形成されている。また、下皿63の右側には発射ハンドル64が設けられており、発射ハンドル64を時計回りに操作することにより発射装置が作動し、上皿55から供給された遊技球が1分間に約100個のペースで遊技盤2に向けて発射される。
下皿63は、上皿55から溢れた賞球を受けるよう構成されており、球抜きレバーを操作することで、下皿63に溜まった遊技球を遊技店に備えられたドル箱に移すことができる。また、上皿55の中央には、演出ボタン67及びジョグダイヤル68が設けられている。
パチンコ機50は、いわゆるCR機であり、プリペイドカードの読み書きを行うプリペイドカードユニット(CRユニット)56が付属されていると共に、上皿55の右側には球貸ボタン57,精算ボタン58,精算表示装置59が設けられている。
図2は、遊技盤2の正面図である。遊技盤2には外レール2aと内レール2bとによって囲まれた略円形の遊技領域3が形成されている。また遊技領域3は、そのほぼ中央上方寄りの位置にセンターケース5が装着されている。これにより遊技領域3は、遊技球を所定の強度で発射したときに遊技球が流下する左打ち領域Lと、前記所定の強度よりも強く発射したときに遊技球が流下する右打ち領域Rとに分けられる。尚、遊技領域3には多数の遊釘2cや風車2dが植設されている。センターケース5は中央に演出図柄表示装置6(全体の図示は省略)のLCDパネルが配設されている。尚、センターケース5には、周知のものと同様にワープ入口、ワープ樋、ステージなどが設けられている。また、左打ち領域Lは「第1遊技領域部」の具体例を構成し、右打ち領域Rは「第2遊技領域部」の具体例を構成する。
センターケース5の直下には、常時入球(入賞)可能な第1始動口11が設置されている。第1始動口11へは、左打ち領域Lからセンターケース5のワープ樋等を流下する遊技球が入球しやすい構成である。第1始動口11は、入球により第1特別図柄(以下、特別図柄を特図ともいう)の当否判定が実行される起因となる入球口である。第1始動口11への入球により第1特別図柄(以下、第1特図と称することがある。)の大当り決定用乱数、第1特図の大当り図柄決定乱数、第1特図の変動パターン決定用乱数などの複数種類の乱数が抽出され、保留記憶される。なお、以下の説明において、第2特別図柄を「第2特図」と称することもある。
保留記憶は4つ(第1始動口11への入賞4回分)まで記憶される。これら保留記憶に基づいて第1特図の当否判定が実行され、結果は大当り、ハズレのいずれかの判定がなされる。また左打ち領域Lには複数の一般入賞口25が配置されている。なお、遊技盤2の盤面右下には、普通図柄表示装置7と、普図保留数表示装置8と、第1特図表示装置9と、第2特図表示装置10と、第1特図保留数表示装置23が設けられている。また、第1特図表示装置9は第1特図表示手段の具体例を構成し、第2特図表示装置10は第2特図表示手段の具体例を構成する。
図3は、右打ち領域Rの詳細を示す説明図である。右打ち領域Rは、流下路R1に沿って遊技球が流下するように構成されている。
この流下路R1には、遊技球の流下方向に沿って役連ゲート27と、普図作動ゲート22と、第1特別電動役物扉(以下、第1特電扉と称することがある)88と、普通電動役物(以下、普電扉若しくは普電ということがある)24と、第2特別電動役物扉(以下、第2特電扉と称することがある)89とが、この順に設けられている。以下、右打ち領域Rを流下する遊技球の挙動を説明する。流下路R1に沿って流下する遊技球はまず、役連ゲート27に入球し、これを通過する。但し、大当り図柄が確定表示された状態(条件装置が作動した状態)で役連ゲート27を遊技球が通過すると、役物連続作動装置が作動し、大当り遊技が開始される。なお、役連ゲートの詳細については後述する。
そして、役連ゲート27の下流には、役連ゲート27を通過した遊技球が高い確率で通過(入球)可能な普通図柄(以下、普図という)の普図作動ゲート22が設けられている。普図作動ゲート22は遊技球が入球して通過することにより普図の当否抽選(普図の当否判定)が実行される起因となるもので、通過により普図の当り決定用乱数、普図の当り図柄決定乱数、普図の変動パターン決定用乱数などの複数種類の乱数が抽出され、保留記憶される。
普図作動ゲート22の左右両側には遊技球をパチンコ機台内へ取り込むアウト球口92が設けられている。アウト球口92は普図作動ゲート22へ入球できなかった遊技球を取り込むもので、遊技球が普図作動ゲート22へ入球し通過する際に球の流下速度が落ちるため、後続の遊技球が前の球に衝突して横にそれたものを取り込むように構成されている。このように普図作動ゲート22へ連続して入球する遊技球はある程度の間隔をおくこととなる。
なお、本実施例では、役連ゲート27と普図作動ゲート22とを遊技球の流下方向に沿って別個に設けたが、1つのゲートによって役連ゲート27と普図作動ゲート22を兼ねてもよい。その場合、大当り図柄が確定表示された状態(後述の条件装置が作動した状態)の時だけ、役連ゲート27の機能が有効となり、普図作動ゲート22の機能が無効となる構成でも良いし、普図作動ゲート22の機能としては常に有効となる構成でも良い。特に、流下路R1として十分な距離が確保できない時等は兼用させれば良いし、逆に遊技性として役連ゲート27と普図作動ゲート22を別の流下路に設けたい時は、別々に設ければ良い。
普図作動ゲート22の下流側位置には、可動式の仕切り板からなる第1特電扉88により開閉可能に設けられた第1大入賞口14が設けられている。第1大入賞口14は大当り遊技において第1特電扉88が作動することにより所定の時間開放される。尚、第1特電扉88は通常、第1大入賞口14を塞ぐように突出しており、作動時に後退して第1大入賞口14を開放する。また、第1特電扉88は、非作動時においてその上面を遊技球が転動し、第1大入賞口14の下流側へ遊技球を案内する。第1大入賞口14の下流側には、普通電動役物(普電扉)24が設けられている。
普通電動役物(普電扉)24へは、普図作動ゲート22及び第1特電扉88を通過した遊技球のみが到達できる構成となっている。つまり、普図作動ゲート22を通過し、非作動時の第1特電扉88の上面を転動し、普通電動役物(普電扉)24の方向に誘導された遊技球のみが、普通電動役物(普電扉)24に到達可能とされている。
普通電動役物(普電扉)24は、その下方若しくは後方に設けられた第2始動口12の開閉を行うものである。この普通電動役物(普電扉)24は、第2始動口12に遊技球が入球可能な開放状態と入球不可能な閉鎖状態とを択一的に実行可能である。例えば、(1)第2始動口12を塞ぐようにその上部に突出する閉鎖状態と、後退して第2始動口12を開放する開放状態とを択一的に実行可能な普通電動役物(普電扉)24や、(2)後方の第2始動口12を隠蔽する位置に配置され、遊技球の入球を不可能とする閉鎖状態と、下方にスライドして第2始動口12を露呈し、遊技球の入球を可能とする開放状態とを択一的に実行可能な普通電動役物(普電扉)24等を例示できる。
ここで、第2始動口12は、入球により第2特図の当否判定が実行される起因となる入球口である。第2始動口12への入球により第2特図の大当り決定用乱数、大当り図柄決定乱数、第2特図の変動パターン決定用乱数などの複数種類の乱数が抽出される。これら乱数に応じて第2特図の当否判定が実行され、結果は大当り、小当り、ハズレのいずれかの判定がなされる。尚、本実施形態では、通常遊技時の普図の変動時間は長く、普電扉24の開放時間は短時間に設定しているので、通常遊技時に右打ちしても第2始動口12での抽選は開始されないように設計されている。そのため、通常遊技時は左打ちにて第1始動口11で大当りを目指すのがメインとなる。
ここで、本明細書においては、パチンコ機50が「有利な状態が示す有利状態フラグ」がセットされていてない基本的な状態を、「通常状態(或いは、通常遊技時)」と表現する。より、具体的には、「特別図柄の当否判定で大当りとされる確率を高確率とする確率変動機能が作動しておらず(確変フラグがセットされておらず)、しかも第2始動口12の開放時間を延長する開放延長機能(普電サポート機能)が作動していない状態」を「通常状態(通常遊技時若しくは通常遊技状態ともいう)」と表現する。また、本実施例では、普電扉24が非作動時(第2始動口12を閉鎖しているとき)に、普電扉24に到達した遊技球は普電扉24を通過し、流下路R1の下流側に位置する第2大入賞口20の方向に案内される(第2大入賞口20の方向に誘導される)。
この第2大入賞口20は、第2特電扉89により開閉可能とされ、普図作動ゲート22を入球、通過し、第1特電扉88が非作動でその上面を転動し、普電扉24が非作動で第2始動口12へ入球できずにこれを通過した遊技球のみが到達できる構成とされている。第2大入賞口20は小当り遊技において第2特電扉89が作動することにより所定の時間開放される。尚、第2特電扉89は通常、第2大入賞口20を塞ぐように突出しており、作動時に後退して第2大入賞口20を開放する。また、第2特電扉89は非作動時においてその上面を遊技球が転動し、遊技領域3の中央下端部の盤面最下部には遊技球を取込むアウト口94が設けられている。
図4は、パチンコ機50の構成を示す背面図である。パチンコ機50の裏側には、遊技盤2を脱着可能に取付ける内枠70が外枠51に収納された構成となっている。内枠70は、前枠52と同様、一方の側縁(図4に向かって右側)の上下位置が外枠51に設けられたヒンジ53に結合され、開閉可能に設置されている。内枠70には、遊技球流下通路が形成されており、上方(上流)から球タンク71、タンクレール72、払出ユニット73が設けられ、払出ユニット73の中には払出装置が設けられている。この構成により、遊技盤2の入賞口に遊技球が入賞すると、球タンク71に貯留されている所定個数の遊技球(賞球)が払出装置から払い出され、流下通路を通り上皿55に払い出される。また、本実施形態では、払出装置は、球貸ボタン57の操作に応じて遊技球(貸球)を払い出すよう構成されている。
また、パチンコ機50の裏側には、主制御装置80,払出制御装置81,演出図柄制御装置82,サブ統合制御装置83,発射制御装置,電源基板85が設けられている。主制御装置80,演出図柄制御装置82,サブ統合制御装置83は、遊技盤2に設けられ、払出制御装置81,発射制御装置,電源基板85は、内枠70に設けられている。なお、図4では発射制御装置が記載されていないが、発射制御装置は、払出制御装置81の奥側(遊技盤2側)に配されている。また、球タンク71の右側には、外部接続端子板78が設けられており、外部接続端子板78により、遊技状態や遊技結果を示す信号が図示しないホールコンピュータへ送られる。
図5は、パチンコ機50の電気的構成を示す説明図である。パチンコ機50は、主制御装置80を中心にして構成されている。なお、このブロック図には、単に信号を中継するいわゆる中継基板や電源基板等は記載されていない。また、詳細な図示は省略するが、主制御装置80,払出制御装置81,演出図柄制御装置82,サブ統合制御装置83のいずれもCPU,ROM,RAM,入力ポート,出力ポート等を備えている。また、発射制御装置84,電源基板にはCPU,ROM,RAMは設けられていないが、これに限るわけではなく、発射制御装置84等にCPU,ROM,RAM等を設けてもよい。
主制御装置80には、第1始動口11に入球した遊技球を検出する第1始動口SW11a、第2始動口12に入球した遊技球を検出する第2始動口SW12a、役連ゲート27を通過した遊技球を検出する役連ゲートSW27a、普通図柄作動ゲート22に進入した遊技球を検出する普通図柄作動SW22a、一般入賞口25に入球した遊技球を検出する一般入賞口SW25a等からの検出信号が入力される。また、この他にも、第1大入賞口14に入球した遊技球を計数するための第1カウントSW14a、第2大入賞口20に入球した遊技球を計数するための第2カウントSW20aが入力される。
また、主制御装置80は、待機フラグの値が「1」であるとき(条件装置を作動させた状態)で役連ゲートSW27aが遊技球の通過を検知すると、役物連続作動装置を作動させ、待機フラグの値が「0」とされる。この点に関しては、更に後述する。
主制御装置80は、搭載しているプログラムに従って動作して、上述の検出信号等に基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成し、払出制御装置81及びサブ統合制御装置83に出力する。また、主制御装置80は、図柄表示装置中継端子板90を介して接続されている第1特図表示装置9,第2特図表示装置10,第1特図保留数表示装置23,普通図柄表示装置7,普図保留数表示装置8の表示を制御する。
さらに、主制御装置80は、第1大入賞口ソレノイド14bを制御することで第1大入賞口14の開閉を制御すると共に、第2大入賞口ソレノイド20bを制御することで第2大入賞口20の開閉を制御し、普電役物ソレノイド24bを制御することで普電扉24の開閉を制御する。主制御装置80からの出力信号は試験信号端子にも出力されるほか、図柄変動や大当り等の管理用の信号が外部接続端子板78に出力されてホールコンピュータ87に送られる。主制御装置80と払出制御装置81とは双方向通信が可能である。
払出制御装置81は、主制御装置80から送られてくるコマンドに応じて払出モータ30を稼働させて賞球を払い出させる。本実施例においては、賞球として払い出される遊技球を計数するための払出SW31の検出信号は払出制御装置81に入力され、払出制御装置81で賞球の計数が行われる構成を用いる。この他にも主制御装置80と払出制御装置81に払出SW31の検出信号が入力され、主制御装置80と払出制御装置81の双方で賞球の計数を行う構成を用いることも考えられる。
なお、払出制御装置81は、ガラス枠閉鎖SW45,内枠閉鎖SW46,球切れSW30,払出SW31,満杯SW32からの信号が入力され、満杯SW32により下皿63が満タンであることを示す信号が入力された場合や、球切れSW33により球タンク71に遊技球が少ないあるいは無いことを示す信号が入力された場合には、払出モータ30を停止させ、賞球の払出動作を停止させる。また、満杯SW32,球切れSW33も、その状態が解消されるまで信号を出力し続ける構成になっており、払出制御装置81は、その信号が出力されなくなることに起因して払出モータ30の駆動を再開させる。
また、払出制御装置81は、CRユニット端子板34を介してCRユニット56と交信することで払出モータ30を作動させ、貸し球を排出する。払出された貸し球は払出SW31に検出され、検出信号は払出制御装置81に入力される。また、CRユニット端子板34は、精算表示装置59とも双方向通信可能に接続されており、精算表示装置59には、遊技球の貸出しを要求するための球貸ボタン57、精算を要求するための精算ボタン58が設けられている。また、払出制御装置81は、外部接続端子板78を介して賞球に関する情報、枠(内枠70,前枠52)の開閉状態を示す情報などをホールコンピュータ87に送信するほか、発射制御装置84に対して発射停止信号を送信する。
発射制御装置84は、発射モータ40を制御して、遊技領域3に遊技球を発射させる。なお、発射制御装置84には、払出制御装置81以外に、発射ハンドル64からの回動量信号、タッチSW38からのタッチ信号、発射停止SW39から発射停止信号が入力される。回動量信号は、遊技者が発射ハンドル64を操作することで出力され、タッチ信号は遊技者が発射ハンドル64を触ることで出力され、発射停止スイッチ信号は、遊技者が発射停止SW39を押すことで出力される。なお、タッチ信号が発射制御装置84に入力されていなければ、遊技球は発射できないほか、発射停止スイッチ信号が入力されているときには、遊技者が発射ハンドル64を触っていても遊技球は発射出来ないようになっている。
サブ統合制御装置83は、主制御装置80から送信されてくるデータ及びコマンドを受信し、それらを演出表示制御用、音制御用及びランプ制御用のデータに振り分けて、演出表示制御用のコマンド等は演出図柄制御装置82に送信し、音制御用及びランプ制御用は自身に含まれている各制御部位(音声制御装置及びランプ制御装置としての機能部)に分配する。
そして、音声制御装置としての機能部は、音声制御用のデータに基づいて音LSIを作動させることによってスピーカ66からの音声出力を制御し、ランプ制御装置としての機能部は、ランプ制御用のデータに基づいてランプドライバを作動させることによって各種LED、ランプ28を制御する。また、サブ統合制御装置83には、演出ボタン67およびジョグダイヤル68が接続されており、遊技者が演出ボタン67を押した際には、その信号がサブ統合制御装置83に入力される。遊技者がジョグダイヤル68を回転させた際には、その回転方向や回転速度を示す信号がサブ統合制御装置83に入力される。サブ統合制御装置83と演出図柄制御装置82とは双方向通信が可能である。
演出図柄制御装置82は、サブ統合制御装置83から受信したデータ及びコマンド(共に主制御装置80から送信されてきたものとサブ統合制御装置83が生成したものとがある)に基づいて演出図柄表示装置6を制御して、演出図柄の変動表示(図柄演出)等の演出画面を表示させる。
図6は、パチンコ機50の仕様の概要を示す説明図である。特別図柄の当否判定で大当りと判定される確率が通常確率(低確率ともいう)に設定されているとき、当該当否判定で大当りを発生する確率(大当り判定確率)は、第1特図、第2特図とも1/320である。また、大当り判定確率が高確率に設定されているとき(確変機能作動時に)、当該大当り判定確率は第1特図、第2特図とも1/75となっている。そして、大当りが発生し、大当り遊技を実行した直後の遊技状態が高確率状態となる割合(高確率状態突入率、又は確変付与率という)は第1特図、第2特図とも65%となっている。
つまり、特別図柄の当否判定で大当りと判定されると、乱数抽選(大当り図柄決定用乱数を用いた乱数抽選)によって、大当りの種類が65%の割合で確変大当りに決定され、35%の割合で普通大当り(通常大当り)に決定される。そして、確変大当りは、大当り判定確率を高確率に設定する契機となる大当りであり、確変大当りに係る大当り遊技を実行した後、パチンコ機50の遊技状態は、次回の大当りを発生するまで、高確率状態となる。一方、普通大当りは、大当り判定確率を高確率に設定する契機とならない大当りであり、普通大当りに係る大当り遊技を実行した後、パチンコ機50の遊技状態は、特別図柄の変動表示回数が50回になるか(第1特図、第2特図によらず、50回になるか)、次回の大当りを発生するまで通常確率状態かつ開放延長状態となる。そして、大当りを生ずることなく、特別図柄の変動表示回数が50回を超えると、通常確率状態かつ非開放延長状態となる。
ここで、「開放延長状態」は、所謂「電サポ状態」であり、普電サポート、サポありともいい、「非開放延長状態」は、所謂「電サポ無し状態」であり、普電サポートなし、サポなしともいう。そして、後述するサポフラグ(開放延長フラグ)がセットされると(当該フラグの値が「1」になると)、開放延長状態となり、普電の開放時間が長時間になる。このため、第2始動口12の入賞数が多くなり、入賞による賞球の発生及び第2始動口12で抽選機会が増え、「非開放延長状態」と比較して有利な遊技状態となる。
第2特図の当否判定においては、小当りと判定されることもあり、遊技状態によらず1/1.003の高確率(大当り確率や外れ確率よりも高確率)で発生する。小当り遊技では、第2始動口12が1.6秒間にわたって1回または2回開放される。小当り遊技における第2始動口12の開放回数は、小当り図柄の種類に応じて決定される。他の実施形態では、第1特図の当否判定においても小当りと判定される場合を生じさせてもよい。
本実施形態では、第1特図の保留記憶数は4個であり、第2特図には保留記憶数は設定されていない。普通図柄の保留記憶数は1個である。他の実施形態では、各図柄の保留記憶数を適宜増減してもよい。
本実施形態では、第1特図および第2特図は、同時に変動可能に構成されている。第1特図および第2特図の他方が小当り時には、一方の特図の変動を中断する。第1特図および第2特図の他方が大当り時には、一方の特図を強制的にハズレに設定する。
通常遊技状態(通常確率状態かつ非開放延長状態、つまり、通常遊技)において、普通図柄抽選(後述する普通図柄の当否判定)がなされた際、普通図柄表示装置7における普通図柄の変動時間は、0.050秒間である。高確率状態(確変状態)若しくは開放延長状態(サポあり状態)においても、普通図柄の変動表示時間は、0.050秒である。
また、普通図柄抽選(普通図柄の当否判定)の当選確率は、通常状態(通常遊技状態)ならびに、確変状態(確変機能)または開放延長状態(開放延長機能)の少なくとも何れかが作動しているときは、1/1である。普通図柄が当選した場合、開放延長機能(サポあり)が作動している開放延長状態(サポあり)では、普通電動役物(普電扉)24は、8秒間にわたって1回開放され、開放延長機能が作動していない非開放延長状態(サポなし)では、普通電動役物(普電扉)24は、4秒間にわたって1回開放される。他の実施形態では、普通電動役物(普電扉)24の開放時間(開放パターン)を普通図柄の変動開始時に決定してもよい。
特別図柄の平均変動時間は、通常確率状態(低確率状態)か高確率状態か、ならびに、非開放延長状態(電サポあり)か開放延長状態(電サポなし)か、に応じて設定される。
通常遊技状態、すなわち、低確率・非開放延長状態では、第1特別図柄の平均変動時間は、10秒に設定され、第2特別図柄の平均変動時間は、180秒に設定される。
普通大当り遊技の終了後に移行する低確率・開放延長状態では、第1特別図柄の平均変動時間は、5秒に設定され、第2特別図柄の平均変動時間は、1秒に設定される。
確変大当り遊技の終了後の小当りラッシュ状態、すなわち、高確率・非開放延長状態では、第1特別図柄の平均変動時間は、8秒に設定され、第2特別図柄の平均変動時間は、3秒に設定される。
小当りラッシュ終了後に移行する高確率・開放延長状態では、第1特別図柄の平均変動時間は、8秒に設定され、第2特別図柄の平均変動時間は、1秒に設定される。
以上の構成の上で高確率状態かつ非開放状態(確変かつサポなし)を小当りラッシュ状態とする。「通常確率状態または高確率状態での開放延長状態」では普通電動役物(普電)24の開放延長機能を作動させて第2始動口12への入球タイミングと第2大入賞口20への入球タイミングが被るように制御することにより、普通電動役物24の流下に位置する第2大入賞口20への入球が困難な状態とする。対して、「小当りラッシュ状態」の場合は、普通電動役物24の開放時間及び開放タイミングを第2大入賞口20への入球が容易な状態となるように制御することにより、比較して開放延長状態(サポあり)の時よりも第2大入賞口20への入賞により賞球が得られるようにしている。なお、普通電動役物24へ入賞した際の賞球数は2個(図示せず)に設定されており、第2大入賞口20に入賞した際の賞球数は15個に設定されている。なお、通常確率状態かつ非開放状態では、第2特図の変動時間を180秒に設定しているため、その間に発射に要する遊技球数と一度の小当りで得られる賞球数とのバランスが取れず、通常確率状態時から第2始動口12での抽選遊技を困難にさせている。
図7は、大当り図柄と大当り遊技後の遊技状態との関係を示す説明図である。図7には、対応する大当り遊技によって遊技者に付与される出玉数の目安、確変が付与される態様、小当りラッシュが付与される期間、各大当り図柄の発生割合について示されている。
第1特図の大当り図柄としては、「特図1_10R確変図柄」、「特図1_6R確変図柄」、「特図1_6R通常図柄」の3種類が設定され、大当り図柄決定用乱数を用いた乱数抽選によって、それぞれ20%、45%、35%の割合で決定される。なお、「R」はラウンドのことであり、「通常」とは大当り遊技終了後の大当り確率が「通常確率」であることを示し、「確変」は大当り遊技終了後の大当り確率が「高確率」であることを示している。
第1特図の大当り図柄が20%の確率で「特図1_10R確変図柄」に決定された場合、10ラウンドの大当り遊技が実行される。10ラウンドの大当り遊技の終了後、小当りラッシュ状態(高確率・非開放延長状態)が実行される。小当りラッシュ状態は、第2特図の小当り図柄の1つである終期移行図柄の確定表示、または、次回の大当り図柄の確定表示まで継続する。小当りラッシュ状態が終期移行図柄の確定表示によって終了した場合、高確率・開放延長状態が実行される。この高確率・開放延長状態は、大当り遊技が終了してから特別図柄の合計変動回数が10000回に到達するまで、すなわち、当選確率の関係から実質的に次回の大当りまで継続する。
第1特図の大当り図柄が45%の確率で「特図1_6R確変図柄」に決定された場合、6ラウンドの大当り遊技が実行される。この6ラウンドの大当り遊技の終了後、「特図1_10R確変図柄」と同様に、小当りラッシュ状態(高確率・非開放延長状態)が実行される。
第1特図の大当り図柄が35%の確率で「特図1_6R普通図柄」に決定された場合、6ラウンドの大当り遊技が実行される。この6ラウンドの大当り遊技の終了後、低確率・開放延長状態が実行される。この低確率・開放延長状態は、第1特別図柄および第2特別図柄の合計変動回数が50回になるまで継続する。低確率・開放延長状態において特別図柄の合計変動回数が50回になる場合、普通遊技状態(低確率・非開放延長状態)が実行される。
第2特図の大当り図柄としては、「特図2_10R確変図柄」、「特図2_6R確変図柄」、「特図2_6R通常図柄」の3種類が設定され、大当り図柄決定用乱数を用いた乱数抽選によって、それぞれ20%、45%、35%の割合で決定される。
第2特図の大当り図柄が20%の確率で「特図2_10R確変図柄」に決定された場合、10ラウンドの大当り遊技が実行される。10ラウンドの大当り遊技の終了後、「特図1_10R確変図柄」と同様に、小当りラッシュ状態(高確率・非開放延長状態)が実行される。
第2特図の大当り図柄が45%の確率で「特図2_6R確変図柄」に決定された場合、6ラウンドの大当り遊技が実行される。この6ラウンドの大当り遊技の終了後、「特図1_10R確変図柄」と同様に、小当りラッシュ状態(高確率・非開放延長状態)が実行される。
第2特図の大当り図柄が35%の確率で「特図2_6R普通図柄」に決定された場合、6ラウンドの大当り遊技が実行される。この6ラウンドの大当り遊技の終了後、低確率・開放延長状態が実行される。この低確率・開放延長状態は、第1特別図柄および第2特別図柄の合計変動回数が50回になるまで継続する。低確率・開放延長状態において特別図柄の合計変動回数が50回になる場合、普通遊技状態(低確率・非開放延長状態)が実行される。
図8は、小当り図柄と小当り遊技との関係を示す説明図である。第2特図の小当り図柄は、「特図2_小当り図柄1」~「特図2_小当り図柄30」の30種類である。各種の小当り図柄の発生確率は同一である。小当り図柄のうち「特図2_小当り図柄2」は、非開放延長状態から開放延長状態への移行によって高確率・非開放延長状態(小当りラッシュ)を終了させる契機となる終期移行図柄である。
第2特図の小当り図柄が50%の確率で「特図2_小当り図柄1,3,5,・・・,27,29(奇数)」に決定された場合、第2大入賞口20が1.600秒間にわたって1回開放する小当り遊技が実行される。第2特図の小当り図柄が50%の確率で「特図2_小当り図柄2,4,6,・・・,28,30(偶数)」に決定された場合、第2大入賞口20が1.600秒間にわたって2回開放する小当り遊技が実行される。小当り遊技の態様は、2種類に限らず、1種類であってもよいし、3種類以上であってもよい。各種の小当り遊技の発生確率は、同一でなくてもよく、適宜変更できる。
図9は、パチンコ機50の主制御装置80が実行するメインルーチンを示すフローチャートである。このメインルーチンは、2ms周期のタイマ割り込み処理として起動されるが、2ms以外の割り込み周期で起動しても良い。まずS10において、正常なタイマ割り込みによりメインルーチンが起動されたか否かを判定し、肯定判定が得られた場合には(S10:YES)、S20に移行し、否定判定が得られた場合には(S10:NO)、S15にてCPUやI/O等の初期設定を行い、S70に移行する。S10で肯定判定が得られた場合には、初期値乱数の更新(S20),大当り決定用乱数の更新(S25),大当り図柄決定用乱数の更新(S30),小当り図柄決定用乱数の更新(S32),当り決定用乱数の更新(S35),リーチ判定用乱数の更新(S40),変動パターン決定用乱数の更新(S45)を行う。
そして、始動口等といった入賞口への遊技球の入賞を検出する入賞確認処理(S50)と、始動口への入賞に起因して大当り判定を行う特図当否判定処理(S55)と、遊技球の普通図柄作動ゲート22の通過に起因して普通図柄の当否判定を行う普図当否柄判定処理(S55)とを実行する。更に、サブ統合制御装置83等にデータ及びコマンドを送信し、ホールコンピュータ87等に各種情報を送信する各出力処理(S60)と、遊技者の不正行為を検出する不正監視処理(S65)も行う。なお、特図当否判定処理に続いて、大当り遊技等を行うための大当り遊技処理が行われる。また、普図当否判定処理に続いて普通電動役物(第2始動口12)を開放することで普図遊技を行う普図遊技処理等が行われる。そして、S70では、次のタイマ割込みが発生してメインルーチンが起動されるまで、初期値乱数の更新を繰り返し行う。
図10は、主制御装置80が実行する特別図柄始動口入賞確認処理を示すフローチャートである。なお、本処理は、メインルーチンの入賞確認処理(S50)からコールされるサブルーチンとして構成されている。S100では、第1始動口SW11aの検出信号に基づき、第1始動口11への遊技球の入賞が発生したかを判定する。そして、肯定判定の場合は、S105に移行し、第1特図についての保留記憶の数が最大値(一例として4)未満か否かを判定する。否定判定の場合は(S105:YES)、S110に移行する。
S110では、大当り抽選(大当り判定)に用いられる大当り決定用乱数や、大当り抽選で当った際に停止表示される図柄(大当り図柄)を決定するための大当り図柄決定用乱数や、図柄演出でリーチとなるか否かを決定するためのリーチ判定用乱数や、特別図柄の変動時間等を決定するための変動パターン決定用乱数等を抽出する。そして、抽出した乱数を、第1特図についての保留記憶として記憶し、当処理を終了(リターン)する。なお、S100が否定判定された場合またはS105が肯定判定された場合も当処理を終了する。
図11および図12は、主制御装置80が実行する第1特別図柄当否判定処理を示すフローチャートである。先ず、図11に示すように、第1特別図柄当否判定処理において、主制御装置80は、特別電動役物が作動中か否かを判定する(S150)。S150において否定判定されると(S150:NO)、第1特別図柄が変動中であるか否かを判定する(S155)。そして、否定判定されると(S155:NO)、確定図柄を表示中であるか否かを判定する(S160)。
そして、S160の処理で否定判定されると(S160:NO)、第1保留記憶が存在するか否かを判定し(S170)、肯定判定される場合には(S170:YES)、第1保留記憶数をデクリメントし(S180)、図12のS190に進む。なお、特別電動役物が作動中である場合(S150:YES)には、そのまま第1特別図柄当否判定処理を終了(リターン)する。また、第1保留記憶が存在しない場合には(S170:NO)、そのまま第1特別図柄当否判定処理を終了(リターン)し、第2特別図柄当否判定処理へ移行する。
図12のS190の処理において、主制御装置80は、第1保留記憶の中でも最も古いものを読み込んで(その保留記憶は消去する)、確変フラグがセットされている(すなわち1)か否かを判定する。ここで確変フラグが「1」とは、現在のパチンコ機50が高確率状態(大当り判定確率が高確率)であることを意味する。S190の処理において肯定判定される場合には(S190:YES)、読み込んだ大当り決定用乱数を確変テーブルに記憶されている当り値と照合し(S192)、S200の処理に移行する。
一方、S190の処理において、確変フラグが「0」である場合には(S190:NO)、読み込んだ大当り決定用乱数を通常テーブルに記憶されている当り値と照合し(S195)、S200の処理に移行する。
S200の処理において、主制御装置80は、第2特別図柄が大当り変動中(大当り図柄を確定表示するための変動中)であるか否かを判定し、大当り変動中ではない場合には(S200:NO)、第1保留記憶をデクリメントして、読み込んだ大当り決定用乱数と当り値と照合し、大当りか否かを判定し(S205)、大当りであると判定された場合には(S205:YES)、大当り図柄決定用乱数によって大当り図柄を決定し(S210)、更に変動パターン(変動時間)を決定する(S215)。このS215の処理では、パチンコ機50の遊技状態に応じて変動パターンテーブルを参照し、第1特図の変動パターン(変動時間)を決定する。ここで、参照する変動パターンテーブルには、変動パターン乱数に対応づけられた複数個の変動パターンが格納されている。そして、図10のS110の処理に取得した変動パターン決定用乱数に対応する変動パターンが選択される。
そして、変動パターン決定処理後、大当り設定処理を行い(S220)、S240の処理に移行する。大当り設定処理とは決定した大当り図柄(図7を参照)によって、大当り遊技実行後の遊技状態(高確率状態に設定されるか否か等)や大当り遊技にかかる情報(大当りのオープニング時間(以下、大当り開始インターバル時間ともいう)、大入賞口14の開放パターン、大当り開放インターバル時間、大当りのエンディング時間(以下、大当り終了インターバル時間ともいう)、ラウンド数、ラウンド遊技間のインターバル時間等)を取得する処理である。
つまり、パチンコ機50において、主制御装置80は大当り図柄に基づいて、大当り遊技実行後の遊技状態や、大当り遊技にかかる情報を設定し(S220)、その後、S240の処理に移行する。
また、S200において第2特別図柄が大当り変動中であると判定された場合(S200:YES)、又は第1保留記憶をデクリメントして、読み込んだ大当り決定用乱数を当り値と照合し、大当りではないと判定された場合には(S205:NO)、ハズレ図柄を決定し(S225)、変動パターン決定用乱数によって変動パターンを決定し(S230)、ハズレ設定処理を行ない(S235)、S240の処理へと移行する。ハズレ設定処理(S235)では、後述するサポ回数(開放延長回数)がプラスであれば、-1する。
なお、高確率状態でハズレ設定処理(S235)を行う場合には、確変回数がプラスであり、ハズレ設定処理(S235)を実行する度に確変回数を-1する。但し、確変回数は元々「10000」回に設定されているため、大当りが発生するまで特別図柄の変動表示を繰り返しても、S435の処理で肯定判定され、S348の処理で確変フラグが解除されることはない。なお、本実施形態では、サポ回数は「50」回に設定されている。また、本実施例では、特別変動表示を開始する際にサポ回数(開放延長回数)や確変回数をデクリメントする。
ここで、S230の処理においても、パチンコ機50の遊技状態に応じて、変動パターンテーブルを参照し、第1特図の変動パターン(変動時間)を決定する。本実施形態では、S215若しくはS230の変動パタ-ン決定処理で同一の変動パターンテーブル(変動テーブル)が参照され、図10のS110の処理に取得した変動パターン決定用乱数に対応する変動パターンが選択される。
そして、S215若しくはS230の何れの処理においても決定される変動パターンに基づいて、遊技状態が通常遊技状態である場合、第1特図の変動時間は、平均10秒に設定される。また、遊技状態が高確率状態である場合、第1特図の変動時間は、平均8秒に設定される。但し、S215の処理で参照する変動パターンテーブル(大当り用の変動パターンテーブル)と、S230の処理で参照する変動パターンテーブル(ハズレ用の変動パターンテーブル)が異なっていてもよい。例えば、大当り用の変動パターンが特定する変動時間が、ハズレ用の変動パターンが特定する変動時間よりも長くなってもよい。この点に関しては、後述する第2特別図柄の変動時間についても同様であり、大当り用の変動パターンが特定する変動時間が、ハズレ用の変動パターンが特定する変動時間よりも長くなってもよい。
S220又はS235の処理に続いては、上述の抽選結果を示すデータ、具体的には大当り、リーチ外れ(外れであるがリーチ表示有り)、リーチ表示無しの外れのいずれかを示すデータと変動時間を指定する変動パターンのデータが含まれる変動開始コマンド(表示制御コマンド)をサブ統合制御装置83に出力し(S240)、第2特別図柄当否判定処理を行なう。
図13、図14、図15および図16Aは、主制御装置80が実行する第2特別図柄当否判定処理を示すフローチャートである。図13に示すように、第2特別図柄当否判定処理において、主制御装置80は、特別電動役物が作動中か否かを判定する(S250)。S250の処理において否定判定されると(S250:NO)、第2特別図柄が変動中であるか否かを判定する(S255)。そして、S255の処理で否定判定されると(S255:NO)、確定図柄を表示中であるか否かを判定する(S260)。
更に、S260の処理で否定判定されると(S260:NO)、第2始動口12に入賞したか否かを判定し(S265)、肯定判定されると(S265;YES)、S268の乱数抽出処理を行なった後、図14のS270の処理に移行し、否定判定されると(S265;NO)、大当り遊技処理に移行する。S268の処理では乱数抽出処理を行なう。この乱数抽出処理は、大当り抽選に用いられる大当り決定用乱数や、大当り抽選で当った際に停止表示される図柄(当り図柄)を決定するための大当り図柄決定用乱数や、図柄演出でリーチとなるか否かを決定するためのリーチ判定用乱数や、特別図柄の変動時間等を決定するための変動パターン決定用乱数等を抽出する。
図14のS270の処理に移行すると、主制御装置80は確変フラグがセットされている(値が「1」)か否かを判定する。S270の処理で肯定判定されると、図13のS268の処理で抽出した大当り決定用乱数を確変テーブルに記憶されている当り値と照合し(S272)、S280の処理に移行する。
一方、S270の処理において、確変フラグが「0」である場合には(S270:NO)、図13のS268の処理で抽出した大当り決定用乱数を通常テーブルに記憶されている当り値と照合し(S275)、S280の処理に移行する。
S280の処理において、主制御装置80は、第1特別図柄が大当り変動中(大当り図柄を確定表示する前提の変動中)であるか否かを判定する。そして、大当り変動中ではない場合には(S280:NO)、主制御装置80は、図13のS268の処理で抽出した大当り決定用乱数を当り値と照合した結果が、大当りか否かを判定する(S285)。
大当りである場合には(S285:YES)、大当り図柄決定用乱数によって大当り図柄を決定した後(S290)、変動パターン(変動時間)を決定する(S295)。つまり、S295の処理では、パチンコ機50の遊技状態に応じた変動パターンテーブルが参照される。ここで、参照する変動パターンテーブルには、変動パターン乱数に対応づけられた複数個の変動パターンが格納されている。そして、図13のS268の処理に取得した変動パターン決定用乱数に対応する変動パターンが選択される。
そして、変動パターンを決定すると(S295)、大当り設定処理を行い(S300)、S360処理に移行する。大当り設定処理(S300)とは決定した大当り図柄(図7を参照)によって、大当り後の遊技状態(高確率状態に設定されるか否か等)や大当り遊技にかかる情報(大当りのオープニング時間、大入賞口14の開放パターン、大当りのエンディング時間、ラウンド数等)を取得する処理である。
S285の処理において、読み込んだ大当り決定用乱数を当り値と照合し、大当りではないと判定された場合には(S285:NO)、S310の処理において、主制御装置80は、読み込んだ大当り決定用乱数を当り値と照合して小当りか否かを判定する。なお、前述ように、第2特別図柄の小当り確率は1/1.003となっている(図6参照)。そして、S310の処理で肯定判定されると、S315の処理に移行し、小当り図柄決定用乱数に基づいて小当り図柄を決定する。
主制御装置80は、S315処理に続いて、S316の処理に移行し、変動パターン(変動時間)を決定する。つまり、S316の処理では、パチンコ機50の遊技状態に応じた変動パターンテーブルが参照される。ここで、参照する変動パターンテーブルには、変動パターン乱数に対応づけられた複数個の変動パターンが格納されている。そして、図13のS268の処理に取得した変動パターン決定用乱数に対応する変動パターンが選択される。そして、変動パターンを決定すると(S316)、小当り設定処理(S318)を行い、S360の処理に移行する。
本実施例の小当り設定処理(S318)は、小当り図柄(図8を参照)によって、小当り遊技にかかる情報(小当りのオープニング時間(以下、小当り開始インターバル時間ともいう)、の開放パターン、小当りのエンディング時間(以下、小当り終了インターバル時間ともいう))を取得する。また、小当り設定処理(S318)では、後述するサポ回数(開放延長回数)がプラスであれば、-1する。
なお、高確率状態で小当り設定処理(S318)を行う場合には、確変回数がプラスであり、小当り設定処理(S318)を実行する度に確変回数を-1するが、確変回数は元々「10000」回に設定されているため、大当りが発生するまで特別図柄の変動表示を繰り返しても、S435の処理で肯定判定され、S348の処理で確変フラグが解除されることはない。
S280の処理において、第1特別図柄が大当り変動中である場合(S280:YES)、又は図13のS268の処理で抽出した大当り決定用乱数を当り値と照合し、ハズレと判定された場合には(S285:NO、S310:NO)、ハズレ図柄を決定した後(S340)、第2特図の変動パターン(変動時間)を決定する(S350)。ここで、S350の処理においても、パチンコ機50の遊技状態に応じた変動パターンテーブルが参照される。ここで、参照する変動パターンテーブルには、変動パターン乱数に対応づけられた複数個の変動パターンが格納されている。そして、図13のS268の処理に取得した変動パターン決定用乱数に対応する変動パターンが選択される。そして、変動パターンを決定すると(S350)、ハズレ設定処理(S355)を行い、S360の処理に移行する。
また、ハズレ設定処理(S355)では、後述するサポ回数(開放延長回数)がプラスであれば、-1する。なお、高確率状態でS355のハズレ設定処理においても、確変回数がプラスであれば、-1するが、確変回数は元々「10000」回に設定されているため、大当りが発生するまで特別図柄の変動表示を繰り返しても、S435の処理で肯定判定され、S438の処理で確変フラグが解除されることはない。
ここで、S295、S316及びS350の変動パターン決定処理について説明する。パチンコ機50では、S295、S316及びS350の何れの処理においても決定される変動パターンに基づいて、遊技状態が通常遊技状態である場合、第2特図の変動時間は、平均180秒に設定される。また、遊技状態が高確率状態である場合、第2特図の変動時間は、平均3秒に設定される。なお、S295の処理で参照する変動パターンテーブル(大当り用の変動テーブル)と、S316の処理で参照する変動パターンテーブル(小当り用の変動テーブル)と、S350の処理で参照する変動パターンテーブル(ハズレ用の変動テーブル)が異なっていてもよい。
なお、第2特別図柄を変動させる際に参照する変動パターンテーブル(変動テーブル)のうち、少なくともハズレ用の変動パターンテーブルに関しては、本実施例のように、高確率時に参照するものに比べ、通常率時に参照するものが、長い変動時間(例えば、60~180場合の時間)を特定することとすることが望ましい。通常時に右打ち遊技をしても、変動時間を長くすることにより、実質的に遊技が行なえないようにするためである。
S300、S318又はS355の処理に続いては、上述の抽選結果を示すデータ、具体的には大当り、小当り、リーチ外れ(外れであるがリーチ表示有り)、リーチ表示無しの外れのいずれかを示すデータと変動時間を指定する変動パターンのデータが含まれる変動開始コマンド(表示制御コマンド)をサブ統合制御装置83に出力し(S360)、大当り技処理に移行する。
図11のS155の処理において、第1特別図柄が変動中であると判定された場合(S155:YES)、又は図13のS255の処理において、第2特別図柄が変動中であると判定された場合には(S255:YES)、図15のS365へ移行し、図柄変動時間(S215、S235、S295、S316、又はS350の変動パターンに基づいて特定された変動表示時間)を経過したか否かを判定する。
図柄変動時間を経過した場合には(S365:YES)、確定図柄表示処理を行い(S368)、S370の処理に移行する。ここで、確定図柄表示処理(S368)では、確定図柄を表示する旨のコマンド(図柄確定コマンド)をサブ統合制御装置83に出力するとともに、特別図柄表示装置にコマンドを出力して確定図柄にて停止させる。なお、本実施例では図柄確定コマンドをサブ統合制御装置83に送信する構成だが、変動開始コマンドにて変動時間を指定していることから、図柄確定コマンドを送信しない構成でもよい。この構成ならばコマンド数を抑えながら同等に演出表示を実行することができる。
S370の処理の処理においては、S368で確定表示された特別図柄(この場合、特図2である)が小当り図柄であるか否かを判定する(S370)。そして、小当り図柄である場合には(S370;YES)、中断フラグを「1」にセットし(S372)、特別図柄当否判定処理を終了し、大当り遊技処理へ移行する。
また、S370の処理で否定判定される場合には、S368で確定表示された特別図柄が大当り図柄であるか否かを判定する。そして、大当り図柄である場合には(S374:YES)、停止フラグを「1」にセットし(S376)、特別図柄当否判定処理を終了し、大当り遊技処理へ移行する。更に、S368で確定表示された特別図柄がハズレ図柄であると判定された場合には(S374:NO)、特別図柄当否判定処理を終了し、大当り遊技処理へ移行する。
図柄変動時間を経過していない場合には(S365:NO)、中断フラグが「1」にセットされているか否かを判定する(S378)。そして、肯定判定されると(S378:YES)、特別図柄中断処理(S380)を行い、特別図柄当否判定処理を終了し、大当り遊技処理に移行する。また、S378の処理で否定判定される場合には(S378:NO)、停止フラグが「1」にセットされているか否かを判定する(S382)。そして、肯定判定されると(S382:YES)、特別図柄停止処理(S386)を行い、特別図柄当否判定処理を終了し、大当り遊技処理に移行する。更に、中断フラグ及び停止フラグの値が何れも「0」である場合には(S378;NO、S382;NO)、そのまま特別図柄当否判定処理を終了し、大当り遊技処理に移行する。
ここで、S386の処理は、第1特別図柄又は第2特別図柄のうちの一方の特別図柄が大当り図柄で確定表示されたため、変動中の他方を特別図柄の変動をハズレ図柄で停止させる処理である。また、S380の処理は、第1特別図柄又は第2特別図柄のうちの一方の特別図柄(本実施例では、第2特別図柄)が小当り図柄で確定表示されたため、変動中の他方を特別図柄(本実施例では、第1特別図柄)の変動を中断する処理である。この処理は、当該他方の特別図柄の変動時間の計測を停止させる処理であり、後述するように、一方の特別図柄の確定表示に基づく小当り遊技を終了すると、当該他方の特別図柄の変動を再開する。
図11のS160において確定図柄を表示中と判定された場合(S160:YES)、又は図13のS260において確定図柄を表示中と判定された場合には(S260:YES)、図16AのS390の処理に移行する。S390の処理において、主制御装置80は、確定図柄の表示時間が終了したか否かを判定し、確定図柄の表示時間が終了となった場合には(S390:YES)、確定図柄の表示を終了し(S392)、S394の処理に移行する。また、確定図柄の表示時間が終了となっていない場合には(S390:NO)、そのまま大当り遊技処理に移行する。
S394の処理において、主制御装置80は、確定表示された特別図柄が大当りになる組合せであるか否かを判定し、大当りになる組合せであると判定された場合には(S394:YES)、確変フラグが「1」にセットされているか否かを判定する(S396)。そして、肯定判定されると(S396:YES)、確変フラグを「0」にし(S398)、S400の処理に移行する。また、S396の処理で否定判定されると(S396:NO)、そのままS400の処理に移行する。
S400の処理において、主制御装置80は、サポフラグが「1」にセットされているか否かを判定し、肯定判定されると(S400:YES)、サポフラグの値を「0」にし(S403)、S410の処理に移行し、S400の処理で否定判定されると(S400:NO)、そのままS410の処理に移行する。ここで、サポフラグ(開放延長フラグともいう。)は前述のように、パチンコ機50の遊技状態が普電サポート(サポあり)状態にあることを示すフラグであり、セットされると(当該フラグの値が「1」になると)、開放延長状態となり、普通電動役物(普電)24の開放時間が延長される。一方、解除されると(当該フラグの値が「0」になると)、非開放延長状態となり、普通電動役物(普電)24の開放時間が延長されない。
S410の処理では条件装置の作動を開始する処理を行い、大当りフラグの値を「1」にセットする。このとき、待機フラグがセットされ、以後、役連ゲート27による遊技球の検知が有効化される。ここで、待機フラグとは、役物連続作動装置の作動を待機する状態にあることを示すフラグである。S410の処理に続いてS415の処理に移行し、役連ゲートスイッチ27aが遊技球の通過を検知したか否かを判定する。つまり、待機フラグがセットされた状態で役連ゲート27を遊技球が通過したか否かを判定する。そして、肯定判定されるとS416の処理に移行し、役物連続作動装置を作動させる処理と、待機フラグを解除する処理を行う。これにより、大当り遊技を開始可能な状態となり、S418の処理において大当り遊技開始処理を行なう。なお、待機フラグがセットされた状態で役連ゲートスイッチ27aが遊技球の通過を検知すると、以後、役連ゲートスイッチ27aが遊技球の通過を検知しても有効なもの(大当りを開始させるもの)とはされない。つまり、役連ゲートスイッチ27aの遊技球の通過検知は無効化される。
ここで、大当り遊技開始処理では、大当り遊技を開始するコマンド及び大当り遊技に係る情報(大当りのオープニング時間、開放パターン、大当りのエンディング時間、ラウンド数等)をサブ統合制御装置83に送信する。大当り遊技開始処理が終了すると、大当り遊技処理に移行する。
また、S415の処理の肯定判定が得られない場合には、大当り遊技処理を経て図9のメインルーチンに復帰する。そして、再度、特別図柄の当否判定処理が起動し、S415の肯定判定を経ると、S416の処理に移行する。
なお、このように条件装置が作動を開始しても、遊技球が役連ゲート27を通過しなければ、大当り遊技が開始されないこととするのは、遊技者に不利益を与えないためである。つまり、左打ちを中心とする遊技を進行中に第1始動口11への遊技球の入球を生じ、大当りを発生することがある。但し、大当り遊技の際に開閉する第1大入賞口14は右打ち領域に設けられているため、条件装置が作動すると直ちに役物連続作動装置を作動し、大当り遊技が開始される構成とする場合、大当り遊技の開始に気づかず、ある程度大当たり遊技が進行してから、大当り遊技の開始に気づき、慌てて左打ちを右打ちに切り替えるケースを生じ、遊技者が本来獲得するはずの賞球量が、少なくなる可能性がある。
一方、本実施例のように、条件装置の作動を開始しても、役連ゲート27に遊技球を通過させなければ大当り遊技が開始されないこととすれば、遊技者にとって望ましいタイミングで(左打ちを右打ちに切り替えてから)、大当り遊技を開始させる(最初のラウンドを開始させる)ことができ、遊技者に不利益を与えることを防止できる。
S394の処理において確定表示させた特別図柄が大当りになる表示でないと判定された場合は(S394:NO)、確変フラグが「1」の値か否かを判定し(S430)、「1」であれば(S430:YES)、確変回数(確変カウンタの値)が0であるか否かを判定する(S435)。そして、S435の処理で肯定判定されると(S435:YES)、確変フラグの値を「0」にし(S438)、S440の処理へ移行する。また、確変フラグの値が「0」である場合(S430:NO)、又は確変回数が0ではない場合(S435:NO)には、S440の処理へ移行する。
S440の処理において、主制御装置80は、サポフラグの値が「1」か否かを判定し、「1」であれば(S440:YES)、サポ回数(サポカウンタの値)が0か否かを判定する(S446)。サポ回数が0であれば(S446:YES)、S448の処理にてサポフラグの値を「0」にして、S460の処理に進む。
S460の処理では、主制御装置80が現在の遊技状態が高確率状態中であるか否か、サポあり状態中(開放延長状態中)であるか、普通電動役物(普電)24の開放態様が有利な状態に変更されているか否かなどの状態を示す状態指定コマンドを特別図柄確定時間(600ms)後にサブ統合制御装置83に送信し、S470の処理へ移行する。本実施例の場合、特別図柄当否判定処理における主制御装置80からサブ統合制御装置83に状態指定コマンドを送信するタイミングは、特別図柄確定時間後となっているが、特別図柄変動開始時及び電源復旧時においても状態指定コマンドを送信する構成にしてもよい。
S470の処理において、主制御装置80は確定表示された第2特別図柄が小当り図柄か否かを判定する。そして、確定表示された第2特別図柄が小当り図柄である場合には(S470:YES)、S476以降の処理へ移行する。S476の処理に移行すると特別電動役物の作動を開始させ(S476)、その後、小当り遊技開始処理(S478)を行う。そして、S470の処理で否定判定されるか、S478の処理を実行すると、大当り遊技処理に移行する。
図16Bは、主制御装置80が実行する小当り遊技開始処理(ステップS478)の詳細を示すフローチャートである。小当り遊技開始処理(ステップS478)を開始した後、主制御装置80は、確変フラグが「1」であるか否か、すなわち、高確率状態(確変状態)であるか否かを判断する(ステップS482)。確変フラグが「0」(低確率状態)である場合(ステップS482:「NO」)、主制御装置80は、小当り遊技設定処理(ステップS488)を実行する。
確変フラグが「1」である場合、すなわち、高確率状態である場合(ステップS482:「YES」)、主制御装置80は、サポフラグが「0」であるか否か、すなわち、非開放延長状態であるか否かを判断する(ステップS483)。サポフラグが「0」ではない、すなわち、サポフラグが「1」(開放延長状態)である場合(ステップS483:「NO」)、主制御装置80は、小当り遊技設定処理(ステップS488)を実行する。
確変フラグが「1」かつサポフラグが「0」である場合、すなわち、小当りラッシュ状態(高確率非開放延長状態)である場合(ステップS483:「YES」)、主制御装置80は、小当り図柄が終期移行図柄「特図2_小当り図柄2」であるか否かを判断する(ステップS484)。小当り図柄が終期移行図柄ではない場合(ステップS484:「NO」)、主制御装置80は、小当り遊技設定処理(ステップS488)を実行する。
小当り図柄が終期移行図柄である場合(ステップS484:「YES」)、主制御装置80は、サポフラグに「1」を設定し(ステップS485)、サポカウンタに残りのカウンタ値を設定する(ステップS586)。これによって、普通電動役物24の動作状態は、非開放延長状態から開放延長状態へと移行する。その結果、パチンコ機50の遊技状態は、小当りラッシュ状態(高確率非開放延長状態)から高確率開放延長状態に移行する。このように小当りラッシュ状態を終了した後(ステップS485,S486)、主制御装置80は、小当り遊技設定処理(ステップS488)を実行する。
小当り遊技設定処理(ステップS488)において、主制御装置80は、小当り遊技を開始するコマンド、小当り遊技に関する情報(小当りのオープニング時間、開放パターン、小当りのエンディング時間など)をサブ統合制御装置83に送信する。その後、主制御装置80は、図16Bの小当り遊技開始処理(ステップS478)を終え、元のルーチンにリターンする。
図17、図18および図19は、主制御装置80が実行する大当り遊技処理を示すフローチャートである。図17に示すように、大当り遊技処理が起動すると主制御装置80は、役物連続作動装置が作動中か否かを判定する(S500)。役物連続作動装置が作動中である場合(S500:YES)、第1大入賞口14が開放中であるか否かを判定し(S505)、第1大入賞口14が閉鎖中であると判定された場合には(505:NO)、ラウンド遊技間のインターバル中により第1大入賞口14が閉鎖しているのか判断する(S510)。
ラウンド遊技間のインターバル中でもない場合は(S510:NO)、大当り終了演出中であるか判定する(S515)。これも否定判定の場合は(S515:NO)、今から大当り遊技を開始する演出に要する時間が経過したか否かを判定する(S520)。そして、大当り開始演出時間が経過した場合は(S520:YES)、大入賞口開放処理(S525)を行なって、大当り遊技処理を終了(リターン)する。なお、S500の処理において、役物連続作動装置が作動していない場合には(S500:NO)、図20に示す小当り遊技処理に移行する。また、S520の処理において、大当り開始演出時間を経過していない場合には(S520:NO)、大当り遊技処理を終了する。
第1大入賞口14が開放中であると判定された場合は(S505:YES)、図18のS550の処理に進み、第1大入賞口14に10個入賞したか否かを判定する。なお、本実施例では第1大入賞口14への規定入賞数は10個だが、8個、9個でもよく、特に限定するものではない。第1大入賞口14に10個入賞していない場合(S550:NO)には、S555に進み、第1大入賞口14の開放時間が終了したか否かを判定する。そして、開放時間が終了した場合(S555:YES)には、S560の処理に移行する。また、第1大入賞口14の開放時間が終了していない場合には(S555:NO)、そのまま大当り遊技処理を終了(リターン)する。
S550において、第1大入賞口14に遊技球が10個入賞したと判定される場合には(S550:YES)、大入賞口閉鎖処理(S560)を行い、大当りインターバル処理(S565)を行い、大当り遊技処理を終了(リターン)する。
図17に戻る。図17のS510の処理でインターバル中であると判定された場合は(S510:YES)、図18のS570の処理に進み、ラウンド遊技間のインターバル時間が経過したか否かを判定する。ラウンド遊技間のインターバル時間が経過している場合(S570:YES)は、直前に第1大入賞口14が開いていたのが最終ラウンドか否かを判定する(S575)。また、ラウンド遊技間のインターバル時間が経過していない場合には(S570:NO)、そのまま大当り遊技処理を終了(リターン)する。S575の処理において、最終ラウンドと判定されると(S575:YES)、大当り終了演出処理(S580)を行い、大当り遊技処理を終了(リターン)する。
S575において、最終ラウンドでないと判定されると(S575:NO)、第1大入賞口14を開放する処理(S585)を行い、大当り遊技処理を終了(リターン)する。なお、大入賞口14を開放・閉鎖する処理においては、サブ統合制御装置83にも信号を送信する。サブ統合制御装置83は、その信号に基づいて、現在のラウンドを把握し、該ラウンドに応じた演出を行なう。
図17に戻る。図17のS515で大当りの終了演出中であると判定された場合は(S515:YES)、図19のS600に進み、大当り終了演出時間が経過したか否かを判定する。大当り終了演出時間が経過した場合には(S600:YES)、役物連続作動装置の作動を停止し(S605)、条件装置の作動を停止し(S610)、S615に移行する。また、大当り終了演出時間が経過していない場合には(S600:NO)、大当り遊技処理を終了(リターン)する。
そして、S615において、主制御装置80は、次回の遊技状態で確変(高確率状態)に移行するか否かを判定する。
つまり、実行された大当り遊技の起因となった大当りを生じさせた当否判定(特別の当否判定)の大当り設定処理(図12のS220、図14のS300の処理を参照)の設定内容に基づき、大当り遊技を実行した後、確変機能を作動させるか否かを判定する。より具体的に説明すると、大当り設定処理後にその設定内容が記憶されたモードバッファの内容(図示を省略)に基づいて、実行された大当り遊技が「確変大当り図柄」が確定表示されたことに基づくものであるか、「通常大当り図柄」が確定表示されたことに基づくものであるかを判定する。そして、「確変大当り図柄」が確定表示されたことに基づき実行された大当り遊技であった場合には、S615において肯定判定され、「通常大当り図柄」が確定表示されたことに基づき実行された大当り遊技であった場合には、S615において否定判定される。
そして、S615で肯定判定の場合には(S615:YES)、確変回数を設定し(S620)、確変フラグを1に設定し(S625)、S630に移行する。確変フラグを1にすると本実施例では、特別図柄の当否判定において大当り確率が向上する。なお、確変回数は10000回に設定される。S615において、次回の遊技状態を確変に移行しないと判定された場合(S615:NO)、若しくは、S625の処理を実行した後、S630において、次回の遊技状態でサポあり状態(つまり、開放延長状態)に移行するか否かを判定する。本実施形態では、全ての大当り遊技の後、サポあり状態(開放延長状態)に移行する。
S630においても、前述のモードバッファ設定処理の内容(図示を省略)に基づいて、終了する大当り遊技が「サポあり状態の移行契機となる確変大当り図柄(以下、「サポあり確変大当り図柄」ということがある)、若しくは、「通常大当り図柄」が確定表示されたことに基づき実行されたものである場合には、S630の処理で肯定判定される。このS630の処理の肯定判定を経ると、サポ回数を設定し(S635)、サポフラグを1に設定し(S640)、S645へ移行する。
なお、上述のようにサポフラグを1にすると本実施例では特別図柄の平均変動時間短縮(特別図柄の変動短縮)がなされる。また、本実施例では、確変大当りに基づく大当遊技の終了時にはサポ回数(開放延長回数)は10000回に設定され、通常大当りに基づく大当遊技の終了時にはサポ回数(開放延長回数)は50回に設定される。
主制御装置80は、S630の処理の否定判定を得るか、S640の処理を実行するとS645の処理に移行する。S645の処理において主制御装置80は、停止フラグが「1」にセットされているか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S645:YES)、停止フラグを「0」にし(S650)、S660の処理に移行する。また、S645の処理で否定判定の場合には(S645:NO)、そのままS660の処理に移行する。
S660の処理において、主制御装置80は、大当り終了コマンドをサブ統合制御装置83に送信する処理を行う。次いで、S665の処理に移行し、状態指定コマンドをサブ統合制御装置83に送信し、大当り遊技処理を終了(リターン)する。
図20および図21は、主制御装置80が実行する小当り遊技処理を示すフローチャートである。前述の図17で役物連続作動装置が作動していないと判定された場合(S500:NO)には、図20に示す小当り遊技処理を実行する。小当り遊技処理を起動すると、S700にて特別電動役物が作動中であるかを判定し、作動中と判定されると(S700:YES)、小当り開始演出中か否かを判定する(S705)。そして、S705の処理で肯定判定されると、小当り開始演出の時間が経過したか否かを判定する(S710)。
S710の処理で肯定判定されると、第2大入賞口20を開放する処理(S715)を実行し、小当り遊技処理を終了(リターン)する。なお、特別電動役物が作動中ではないと判定された場合(S700:NO)、または小当り開始演出の時間が経過していないと判定された場合(S710:NO)はそのまま小当り遊技処理を終了する。
S705の処理において小当り開始演出中でないと判定された場合には、第2大入賞口20が開放中か否かを判定する(S720)。そして、S720の処理で肯定判定されると、第2大入賞口20に1個以上入賞したか否かを判定する(S725)。これも否定判定なら第2大入賞口20の開放時間(ここでは1.6秒)が経過したか否かを判定し(S730)、肯定判断なら第2大入賞口20を閉鎖する処理を行い(S735)、小当り遊技処理を終了する。S725の処理で肯定判定された場合にはS735の処理に直行し、S730の処理で否定判定された場合には小当り遊技処理を終了する。
また、S720の処理で否定判定されると、図21のS750の処理に移行し、特別電動役物の作動を停止させる処理(S750)を行い、S770の処理に移行する。
S770の処理では中断フラグが設定されている(値が「1」である)か否かを判定する。そして、肯定判定される場合には(S770;YES)、中断フラグを解除(値を「0」に)する(S780)。このS780が行われると、変動を中断していた第1特別図柄は変動を再開する。そして、S770の処理で否定判定されるか、S780の処理を実行すると、主制御装置80は小当り終了コマンドをサブ統合制御装置83に送信し(S790)、小当り遊技を終了する。
図22は、主制御装置80が実行する普図始動入賞確認処理を示すフローチャートである。普図始動入賞確認処理は、入賞確認処理(S50)のサブルーチンであり、まずゲート17を遊技球が通過したか確認する(S800)。なお、本図ではゲート22を始動口として構成し直す場合も想定し、「普図始動口又はゲート入球?」と表記している。入球があれば(S800:YES)、普図の保留記憶が満杯(当実施例では1個)でないか確認する(S805)。保留記憶が満杯でなければ(S805:NO)、S810の処理で、普図の当り決定用乱数、当り図柄決定用乱数、はずれ図柄決定用乱数などの各種乱数を抽出し、抽出された各種乱数が保留記憶として主制御装置80のメモリに記憶される(1組のみ)。そして、普図保留数表示装置8へ普図保留数のコマンドを送信し(S815)、当処理を終了(リターン)する。S800が否定判定された場合、又はS805が肯定判定された場合はそのまま当処理を終了する。なお、本実施例と異なり、普通図柄の保留記憶を有しないこととしてもよい。
図23、図24および図25は、主制御装置80が実行する普図当否判定処理を示すフローチャートである。普図当否判定処理は、当否判定処理(S55)のサブルーチンである。普図当否判定処理が起動すると、まず特図の始動口12(第2始動口12)を開放させるための普通電動役物が作動中か確認する(S820)。作動していなければ(S820:NO)、普図が変動中か確認し(S823)、変動中でなければ普図の確定図柄が表示されているか確認する(S826)。なお、普通電動役物が作動中(S820:YES)であれば普図遊技処理に移行する。
S826の処理で確定図柄が表示中でなければ、普図の保留記憶があるか確認(S830)し、普図の保留記憶があれば、普図の保留記憶数を減算し、保留記憶のシフト処理を行う(S833)。該シフト処理により普図の保留記憶のうち最も古い保留記憶が当否判定の対象となる。普図の保留記憶がなければ(S830:NO)、普図遊技処理に移行する。
次にS836の処理で、サポフラグの値が「1」であるか否かを確認する。つまり、このS836の処理では、パチンコ機50の遊技状態が通常遊技状態のときに否定判定し、有利状態(サポありの状態)であれば肯定判定する。そして、S836の処理で肯定判断であれば、高確率の当否判定用テーブルで当否判定を行なうようにセットする(S838)。否定判断であれば(S836:NO)、通常確率(低確率)の当否判定用テーブルで当否判定を行なうようにセットする(S840)。そして、S845の処理では、S838またはS840の処理でセットした当否判定用テーブルと当り判定用乱数とを対比して当りか否か当否判定を行なう。本実施形態では、いずれの当否判定用テーブルにおいても、当選確率は1/1である。
そして、S845の当否判定の結果が、普図が当りでなければ(S845:NO)、前記対象となる保留記憶の変動パターン決定用乱数に基づいて変動パターンを決定する(S850)。そして、S850にて、前記対象となる保留記憶の変動パターン決定用乱数に基づいて、変動パターンを決定し、S860の処理に移行する。
一方、S845の当否判定の結果が、当りであれば(S845:YES)、前記対象となる保留記憶の当り図柄決定用乱数に基づいて当り図柄を決定し(S854)、前記対象となる保留記憶の変動パターン決定用乱数に基づいて当りの変動パターンを決定する(S856)。本実施形態では、いずれの変動パターンであっても、変動時間は、平均0.050秒である。
そして、S856の処理を実行すると、普通図柄の当り遊技の内容を設定する処理を行ない(S858)、S860の処理に移行する。ここで、S858の「普通図柄の当り遊技の内容を設定する処理」とは、当り遊技の普通図柄開始インターバル時間、当り遊技の普通図柄終了インターバル時間を設定する処理である。
主制御装置80は、S850の処理若しくはS858の処理を実行すると、S860の処理に移行する。そして、S860の処理で普通図柄表示装置7へ普図変動開始コマンドを送信すると、普図遊技処理に移行する。
図23のS823の処理において、普通図柄が変動中のときは(S823:YES)、図24のS870の処理に移行する。S870の処理において普通図柄の変動時間が経過した場合には(S870:YES)、S873の処理に移行し、確定図柄表示処理を行い、普通図柄表示装置7の確定図柄表示、サブ統合制御装置83及び演出図柄制御装置82へ普通図柄を確定表示させるコマンドを送信し、普通図柄当否判定処理を終了し、普通図柄遊技処理に移行する。また、普通図柄の変動時間が経過していない場合には(S870:NO)、普通図柄遊技処理に移行する。
図23のS826の処理において、確定表示させた普通図柄が表示中となっている場合には(S826:YES)、図25のS884の処理に移行する。S884の処理において確定図柄の表示時間が終了となったか否かを判定する。そして、確定図柄の表示時間が終了となった場合には(S884:YES)、確定図柄の表示を終了させて(S886)、S888の処理に移行する。また、確定図柄の表示時間が終了となっていない場合(S884:NO)、そのまま普通図柄遊技処理へと移行する。S888の処理において、確定図柄の組合せが当りであるか否かを判定し、肯定判定される場合には(S888:YES)、普通電動役物作動開始処理(S890)を行い、普通図柄遊技開始処理(S892)を行い、普通図柄遊技処理へ移行する。
また、確定図柄の組合せがハズレである場合には(S888:NO)、そのまま普通図柄遊技処理に移行する。なお、普通図柄遊技開始処理(S890)では、普通図柄遊技を開始するコマンド及び普通図柄遊技に係る情報(普通図柄開始インターバル時間、普通図柄終了インターバル時間など)をサブ統合制御装置83に送信する。
図26および図27は、主制御装置80が実行する普通図柄遊技処理を示すフローチャートである。先ず、図26のS900の処理において、普通電動役物24が開放中であるか否かを判定する。普通電動役物24が開放していない場合には(S900:NO)、普通図柄終了インターバル中か否かを判定する(S902)。そして、普通図柄終了インターバル中でない場合には(S902:NO)、普通図柄開始インターバル時間を経過したか否かを判定する(S904)。普通図柄開始インターバル時間を経過したと判定する場合には(S904:YES)、普通電動役物開放処理(S906)を行い、普通図柄遊技処理は終了(リターン)となる。また、普通図柄開始インターバル時間を経過していない場合には(S904:NO)、そのまま、普通図柄遊技処理は終了(リターン)となる。
普通電動役物開放処理(S906)において、所定の開放パターンに従って普電扉24を開放する処理を行う。本実施形態では、普通図柄遊技の開始時(当り遊技開始時)にサポフラグがセットされている場合には、普通電動役物(普電扉)24の開放パターン(開放態様)が、普通電動役物(普電扉)24を8.000秒間にわたって1回開放するパターンに決定される。また、普通図柄遊技の開始時(当り遊技開始時)にサポフラグがセットされていない場合には、普通電動役物(普電扉)24の開放パターン(開放態様)が、普通電動役物(普電扉)24を4.000秒間にわたって1回開放するパターンに決定される。
図26のS900の処理において、普通電動役物(普電扉)24が作動中であると判定されると(S900:YES)、図27のS910の処理に移行する。そして、第2始動口12に10個(規定数)の入球があったか否かの判定する(S910)。そして、規定数(10個)に達した場合には(S910:YES)、S914の処理に移行する。また、第2始動口12に10個(規定数)の入球がないと判定される場合には(S910:NO)、普通電動役物(普電扉)24の開放時間が終了したか否かを判定する(S912)。そして、S912の処理で肯定判定されると(S912:YES)、普通電動役物閉鎖処理(S914)を行い、普通図柄終了インターバル処理(S916)に移行し、普通図柄遊技処理は終了(リターン)となる。また、S912の処理で否定判定の場合には(S912:NO)、そのまま普通図柄遊技処理を終了(リターン)する。
図26のS902の処理において、普通図柄終了インターバル中であると判定された場合には(S902:YES)、図27のS920の処理に移行する。そして、普通図柄終了インターバルを経過したか否かを判定し(S920)、肯定判定の場合には(S920:YES)、普通図柄遊技終了処理(S922)を行い、普通図柄遊技処理を終了(リターン)する。また、S920の処理で否定判定の場合には(S920:NO)、そのまま普通図柄遊技処理を終了(リターン)する。なお、普通図柄遊技終了処理(S922)にて、普通図柄当り遊技終了コマンドをサブ統合制御装置83に送信する。
以上のように構成された遊技機によれば、パチンコ機50の遊技進行の概要は以下のようである。遊技開始時点(パチンコ機50の遊技状態が通常遊技状態であるとき)では、右打ちをすると遊技球が容易に普通図柄作動ゲート22を通過して、普通図柄が0.050秒変動した後、1/1の確率で当選し、普通電動役物(普電扉)24が4.000秒間にわたって1回開放する。普通図柄作動ゲート22を通過した遊技球は普通電動役物(普電扉)24に入球して第2始動口12に入賞し、第2特図が変動し、確率1/1.003で小当りし、第2大入賞口20が1.6秒間開放するが、この変動は平均180秒という長時間であるため、時間効率が非常に悪い。
しかも、第2始動口12は賞球が1個であり、たとえ頻繁に普通電動役物(普電扉)24が開放しても、アウト球口92に流れた遊技球の数ほどの持ち球が減っていく。なお、第2大入賞口20に1個入球すれば15個の賞球が付与されるが、180秒に高々1回しか開放しない第2大入賞口20による賞球は期待できない。一方、第1特図の変動時間は平均10秒であるため、第1特図に係る当否判定を180秒間で平均10回受けることができるので、遊技者は左打ちを行うことになる。なお、平均10回という回数は、遊技者の技量や、第1特別図柄の保留記憶の発生具合などにより変わり得るが、180秒に1回よりは遥かに多い回数の当否判定が行なわれる。
そして、「特図1_10R確変図柄」、「特図1_6R確変図柄」、「特図2_10R確変図柄」および「特図2_6R確変図柄」が確定表示されることに基づく大当り遊技の実行後において、高確率・非開放延長状態(小当りラッシュ状態)に移行する。すると、第2特図の平均変動時間が3秒となり、普通電動役物(普電扉)24の開放時間は延長されない4.000秒間であるため、右打ちすれば頻繁に第2大入賞口20が開放されるとともに、第2大入賞口20による賞球も期待できる小当りラッシュになる。
高確率・非開放延長状態(小当りラッシュ)は、第2特図の小当り図柄の1つである終期移行図柄の確定表示、または、次回の大当り図柄の確定表示まで継続する。小当りラッシュ状態が終期移行図柄の確定表示によって終了した場合、高確率・開放延長状態が実行される。この高確率・開放延長状態は、特別図柄の合計変動回数が10000回に到達するまで、すなわち、当選確率の関係から実質的に次回の大当りまで継続する。
また、「特図1_6R普通図柄」および「特図2_6R普通図柄」が確定表示されることに基づく大当り遊技の実行後において、パチンコ機50の遊技状態は、特図の変動回数が50回となるまで低確率・開放延長状態に移行する。すると、第2特図の平均変動時間が1秒となり、右打ちすれば頻繁に第2大入賞口20が開放するが、開放延長状態になる普通電動役物(普電扉)24が8.000秒間にわたって1回開放するため、この場合は第2大入賞口20による賞球は期待できない。つまり、高確率・開放延長状態において右打ちを行なっても第2大入賞口20は頻繁に開閉するが、第2大入賞口20に入賞できないので、遊技者の持ち球が増えず、小当りラッシュとはならない。しかし、普通電動役物(普電)24には頻繁に入賞するため、持ち球は増えないが、あまり減らすことなく第2特別図柄での抽選によって大当りを狙うことができる。
パチンコ機50は、第1遊技領域部と、第2遊技領域部と、第1始動口と、普通図柄始動部と、普通電動役物と、第2始動口と、大入賞口と、第1当否判定手段と、第1特別図柄表示手段と、第2当否判定手段と、第2特別図柄表示手段と、小当り遊技実行手段と、大当り遊技実行手段と、高確率設定手段と、開放延長設定手段と、状態制御手段とを備える。
遊技盤2の領域Lは、所定の発射強度未満で発射される遊技球が主に転動する第1遊技領域部を構成する。遊技盤2の領域Rは、所定の発射強度以上で発射される遊技球が主に転動する第2遊技領域部を構成する。第1始動口11は、第1遊技領域部に位置する第1始動口である。普図作動ゲート22は、第2遊技領域部に位置する普通図柄始動部である。普通電動役物24は、第2遊技領域部に位置し、普通図柄始動部における遊技球の流下に基づく普通図柄の抽選結果に応じて開閉する普通電動役物である。第2始動口12は、第2遊技領域部に位置し、普通電動役物の開放によって入球率が高くなる第2始動口である。第2大入賞口20は、第2遊技領域部に位置し、開閉可能に構成された大入賞口である。
主制御装置80は、第1特別図柄当否判定処理(図11および図12)を実行する際、第1始動口への遊技球の入球に基づいて当否判定を実行する第1当否判定手段として機能する。主制御装置80は、第1特別図柄当否判定処理において確変テーブルで判定する際(ステップS192)、第1当否判定手段が実行する当否判定における大当りの確率が通常遊技における通常確率状態より高確率になる高確率状態を設定する高確率設定手段として機能する。第1特図表示装置9は、第1当否判定手段による判定結果に応じて、第1特別図柄を変動表示した後に確定表示する第1特別図柄表示手段である。
主制御装置80は、第2特別図柄当否判定処理(図13および図14)を実行する際、第2始動口への遊技球の入球に基づいて当否判定を実行する第2当否判定手段として機能する。主制御装置80は、第2特別図柄当否判定処理において確変テーブルで判定する際(ステップS272)、第2当否判定手段が実行する当否判定における大当りの確率が通常遊技における通常確率状態より高確率になる高確率状態を設定する高確率設定手段として機能する。第2特図表示装置10は、第2当否判定手段による判定結果に応じて、第2特別図柄を変動表示した後に確定表示する第2特別図柄表示手段である。
主制御装置80は、小当り遊技処理(図20および図21)を実行する際、第2特別図柄表示手段が小当り図柄を確定表示する場合、大入賞口を開放することによって通常遊技より遊技者に有利な小当り遊技を実行する小当り遊技実行手段として機能する。
主制御装置80は、大当り遊技処理(図17、図18および図19)を実行する際、第1特別図柄表示手段または第2特別図柄表示手段が大当り図柄を確定表示する場合、小当り遊技より遊技者に有利な大当り遊技を実行する大当り遊技実行手段として機能する。
主制御装置80は、普通図柄遊技処理(図26)の普通電動役物開放処理(ステップS906)を実行する際、所定の開放延長条件を満たす場合、普通電動役物の開放時間が通常遊技における非開放延長状態より延長される開放延長状態を設定する開放延長設定手段として機能する。
主制御装置80は、大当り遊技処理(図17、図18および図19)の確変回数設定処理(ステップS620)およびサポ回数設定処理(ステップS635)を実行する際、ならびに、その後の第1特別図柄当否判定処理(図11および図12)および第2特別図柄当否判定処理(図13および図14)を実行する際、ならびに、小当り遊技開始処理(図16B)を実行する際、状態制御手段として機能する。状態制御手段として機能する主制御装置80は、特定条件を満たす場合に高確率非開放延長状態に制御し、その高確率非開放延長状態において第2特別図柄表示手段が大当り図柄とは異なる第2特別図柄である終期移行図柄を確定表示する場合に非開放延長状態から開放延長状態への移行を制御する。本実施形態では、特定条件は、大当り図柄のうち所定の大当り図柄(確変大当り図柄)の確定表示に基づく大当り遊技が終了することである。
図28は、確変大当り終了後の動作の一例を示す説明図である。図28の動作は、大当り遊技の終了後に高確率・非開放延長状態(小当りラッシュ)に移行した後、終期移行図柄の確定表示によって高確率・非開放延長状態(小当りラッシュ)から高確率・開放延長状態(確変・電サポあり)に移行し、再び、大当り遊技に移行する動作である。
図28(a)は、高確率状態と低確率状態とに変化する確率変動のタイミングを示す。図28(b)は、開放延長状態と非開放延長状態とに変化する電サポのタイミングを示す。図28(c)は、特別図柄を確定表示するタイミングを示す。図28(d)は、パチンコ機50の遊技状態が変化するタイミングを示す。図28(e)は、演出図柄表示装置6において実施される演出のタイミングを示す。
確変大当り図柄に基づく確変大当り遊技が終了した後(タイミングt11)、主制御装置80は、低確率状態から高確率状態へと設定を変更するとともに、非開放延長状態の設定を継続する。これによって、パチンコ機50の遊技状態は、大当り遊技状態から高確率・非開放延長状態(小当りラッシュ)に移行する。高確率・非開放延長状態(小当りラッシュ)は、第2特図の小当り図柄の1つである終期移行図柄の確定表示、または、次回の大当り図柄の確定表示まで継続する。高確率・非開放延長状態(小当りラッシュ)を実行する間、演出図柄制御装置82は、演出図柄表示装置6において表示される演出である「達吉ラッシュ演出」を制御する。演出図柄表示装置6は、達吉ラッシュ演出において、演出図柄の表示に併せて、第2遊技領域部への遊技球の発射(右打ち)を示唆する。達吉ラッシュ演出の詳細については後述する。
高確率・非開放延長状態(小当りラッシュ)に移行した後(タイミングt11)、第2特図の小当り図柄の1つである終期移行図柄が確定表示された場合(タイミングt12)、主制御装置80は、非開放延長状態(電サポなし)から開放延長状態(電サポあり)への移行を制御する。これによって、パチンコ機50の遊技状態は、高確率・非開放延長状態(小当りラッシュ)から高確率・開放延長状態(確変・電サポあり)に移行する。この高確率・開放延長状態(確変・電サポあり)は、大当り遊技が終了してから特別図柄の合計変動回数が10000回に到達するまで、すなわち、当選確率の関係から実質的に次回の大当りまで継続する。高確率・開放延長状態を実行する間、演出図柄制御装置82は、演出図柄表示装置6において表示される演出である「電サポ演出」を制御する。演出図柄表示装置6は、電サポ演出において、演出図柄の表示に併せて、第2遊技領域部への遊技球の発射(右打ち)を示唆する。電サポ演出の詳細については後述する。
高確率・開放延長状態(確変・電サポあり)に移行した後(タイミングt12)、大当り図柄が確定表示された場合(タイミングt13)、主制御装置80は、高確率状態から低確率状態への移行を制御するとともに、大当り遊技を開始する。これによって、パチンコ機50の遊技状態は、高確率・開放延長状態(確変・電サポあり)から大当り遊技状態に移行する。その大当り遊技が確変大当り遊技である場合、その大当り遊技が終了した後、パチンコ機50の遊技状態は、再び高確率・非開放延長状態(小当りラッシュ)に移行する。一方、その大当り遊技が普通大当り遊技である場合、その大当り遊技が終了した後、パチンコ機50の遊技状態は、50回転の特図変動回数まで継続する低確率・開放延長状態(通常確率・電サポあり)に移行する。低確率・開放延長状態(通常確率・電サポあり)が終了した場合、パチンコ機50の遊技状態は、通常遊技状態に戻る。
図29は、確変大当り終了後に実施される演出の一例を示す説明図である。図29(a)は、「達吉ラッシュ演出」を実施する画面510を示す。図29(b)は、演出「電サポ演出」を実施する画面520を示す。画面510および画面520は、演出図柄表示領域300L,300C,300Rと、保留図柄表示領域411,412,413,414とを備える。
演出図柄表示領域300Lは、左側の演出図柄の可変表示を実施する領域である。演出図柄表示領域300Cは、中央の演出図柄の可変表示が実施される領域である。演出図柄表示領域300Rは、右側の演出図柄の可変表示が実施される領域である。本実施形態では、演出図柄表示領域300L,300C,300Rにおいて演出図柄がそれぞれ可変表示された後、通常、演出図柄表示領域300L、演出図柄表示領域300C、演出図柄表示領域300Rの順に演出図柄が停止表示され、最終的に演出図柄表示領域300L,300C,300Rにおいて演出図柄がそれぞれ停止した状態で確定表示される。図29(b)の300Cには、終期移行図柄となる小当り図柄態様が示されている。終期移行図柄(始期移行図柄)に対応した小当り図柄の態様と、その他の小当り図柄に対応した小当り図柄の態様とは、容易に判別可能(例えば、配色の相違、点滅の有無など)であることが好ましい。
保留図柄表示領域411,412,413,414は、保留図柄を表示する領域である。保留図柄表示領域411に保留図柄が表示されていないとき、演出図柄表示領域300L,300C,300Rにおいて可変表示が実施されている間に、始動口への入球が発生した場合、保留図柄表示領域411に保留図柄が表示される。その後に更なる入球が発生した場合、保留図柄表示領域412に保留図柄が表示される。その後に更なる入球が発生した場合、保留図柄表示領域413、その次に保留図柄表示領域414へと順に保留図柄が表示される。
図29(a)に示すように、「達吉ラッシュ演出」を実施する画面510は、発射示唆領域512と、状態示唆領域514と、キャラクタ領域516とを備える。
画面510の発射示唆領域512は、第2遊技領域部への遊技球の発射(右打ち)を示唆する画像を表示する領域である。図29(a)の例では、発射示唆領域512には、文字列「右打ち」および図形「右向き矢印」が左端から右端へと連続的に移動する動画が表示される。
画面510の状態示唆領域514は、パチンコ機50の遊技状態を示唆する画像を表示する領域である。図29(a)の例では、状態示唆領域514には、文字列「達吉」「RUSH!」が表示される。これによって、パチンコ機50の遊技状態が「達吉ラッシュ」であることが示唆されている。なお、「達吉ラッシュ」は、パチンコ機50における小当りラッシュの名称である。
画面510のキャラクタ領域516は、パチンコ機50の遊技状態を示唆するキャラクタ画像を表示する領域である。図29(a)の例では、キャラクタ領域516には、笑顔のキャラクタ「熊の達吉」を示す画像が表示されている。これによって、パチンコ機50の遊技状態が「達吉ラッシュ」であることが示唆されている。
図29(b)に示すように、「電サポ演出」を実施する画面520は、発射示唆領域522と、状態示唆領域524と、キャラクタ領域526とを備える。
画面520の発射示唆領域522は、第2遊技領域部への遊技球の発射(右打ち)を示唆する画像を表示する領域である。図29(b)の例では、発射示唆領域522には、文字列「右打ち」および図形「右向き矢印」が左端から右端へと連続的に移動する動画が表示される。
画面520の状態示唆領域524は、パチンコ機50の遊技状態を示唆する画像を表示する領域である。図29(b)の例では、状態示唆領域524には、文字列「電サポ開始」が表示される。これによって、パチンコ機50の遊技状態が高確率・開放延長状態(確変・電サポあり)であることが示唆されている。
画面520のキャラクタ領域526は、パチンコ機50の遊技状態を示唆するキャラクタ画像を表示する領域である。図29(b)の例では、キャラクタ領域526には、無表情のキャラクタ「熊の達吉」を示す画像が表示されている。これによって、パチンコ機50の遊技状態が高確率・開放延長状態(確変・電サポあり)であることが示唆されている。
図30は、確変大当り終了後の動作の一例を示す説明図である。図30の動作は、大当り遊技の終了後に高確率・非開放延長状態(小当りラッシュ)に移行した後、大当り図柄の確定表示によって高確率・非開放延長状態(小当りラッシュ)から大当り遊技に移行する動作である。
図30(a)は、高確率状態と低確率状態とに変化する確率変動のタイミングを示す。図30(b)は、開放延長状態と非開放延長状態とに変化する電サポのタイミングを示す。図30(c)は、特別図柄を確定表示するタイミングを示す。図30(d)は、パチンコ機50の遊技状態が変化するタイミングを示す。図30(e)は、演出図柄表示装置6において実施される演出のタイミングを示す。
確変大当り図柄に基づく確変大当り遊技が終了した後(タイミングt21)、主制御装置80は、低確率状態から高確率状態へと設定を変更するとともに、非開放延長状態の設定を継続する。これによって、パチンコ機50の遊技状態は、大当り遊技状態から高確率・非開放延長状態(小当りラッシュ)に移行する。高確率・非開放延長状態(小当りラッシュ)は、第2特図の小当り図柄の1つである終期移行図柄の確定表示、または、次回の大当り図柄の確定表示まで継続する。高確率・非開放延長状態(小当りラッシュ)を実行する間、演出図柄制御装置82は、演出図柄表示装置6において表示される演出である「達吉ラッシュ演出」を制御する(図29(a)を参照)。
高確率・非開放延長状態(小当りラッシュ)に移行した後(タイミングt21)、大当り図柄が確定表示された場合(タイミングt22)、主制御装置80は、高確率状態から低確率状態への移行を制御するとともに、大当り遊技を開始する。これによって、パチンコ機50の遊技状態は、高確率・非開放延長状態(小当りラッシュ)から大当り遊技状態に移行する。その大当り遊技が確変大当り遊技である場合、その大当り遊技が終了した後、パチンコ機50の遊技状態は、再び高確率・非開放延長状態(小当りラッシュ)に移行する。一方、その大当り遊技が普通大当り遊技である場合、その大当り遊技が終了した後、パチンコ機50の遊技状態は、50回転の特図変動回数まで継続する低確率・開放延長状態(通常確率・電サポあり)に移行する。低確率・開放延長状態(通常確率・電サポあり)が終了した場合、パチンコ機50の遊技状態は、通常遊技状態に戻る。
以上説明した第1実施形態によれば、小当り遊技を高頻度で発生させる高確率非開放延長状態(小当りラッシュ)を、所定の大当り図柄(確変大当り図柄)の確定表示に基づく大当り遊技の終了を契機として開始し(図28のタイミングt11)、大当り図柄とは異なる終期移行図柄の確定表示を契機として終了する(図16BのステップS484,S485、図28のタイミングt12)という新たな興趣を遊技者に提供することができる。
B.第2実施形態
第2実施形態のパチンコ機50は、高確率・非開放延長状態(小当りラッシュ)を開始する態様が異なる点を除き、第1実施形態と同様である。第2実施形態では、状態制御手段として機能する主制御装置80は、大当り図柄のうち確変大当り図柄の確定表示に基づく大当り遊技が終了する場合に、高確率・開放延長状態に制御する。状態制御手段として機能する主制御装置80は、高確率・開放延長状態において、大当り図柄とは異なる第2特別図柄である始期移行図柄を確定表示する場合に、高確率・非開放延長状態(小当りラッシュ)に制御する。
本実施形態では、小当り図柄のうち「特図2_小当り図柄2」は、始期移行図柄と終期移行図柄とを兼ねる。すなわち、「特図2_小当り図柄2」は、開放延長状態から非開放延長状態への移行によって高確率・非開放延長状態(小当りラッシュ)を開始させる契機となる始期移行図柄であるとともに、非開放延長状態から開放延長状態への移行によって高確率・非開放延長状態(小当りラッシュ)を終了させる契機となる終期移行図柄でもある。他の実施形態では、始期移行図柄は、終期移行図柄と異なる小当り図柄であってもよい。
図31は、第2実施形態における大当り図柄と大当り遊技後の遊技状態との関係を示す説明図である。図31には、第1実施形態における図7と同様に、大当り図柄に関する情報(出玉数の目安、確変態様、小当りラッシュ期間、発生割合)について示されている。
第1特図の大当り図柄としては、第1実施形態と同様に、「特図1_10R確変図柄」、「特図1_6R確変図柄」、「特図1_6R通常図柄」の3種類が設定され、大当り図柄決定用乱数を用いた乱数抽選によって、それぞれ20%、45%、35%の割合で決定される。
第1特図の大当り図柄が20%の確率で「特図1_10R確変図柄」に決定された場合、10ラウンドの大当り遊技が実行される。10ラウンドの大当り遊技の終了後、高確率・開放延長状態(確変・電サポあり)が実行される。この高確率・開放延長状態は、特別図柄の合計変動回数が10000回に到達するまで、すなわち、当選確率の関係から実質的に次回の大当りまで継続する。高確率・開放延長状態において第2特図の小当り図柄の1つである始期移行図柄が確定表示された場合、小当りラッシュ状態(高確率・非開放延長状態)が実行される。小当りラッシュ状態は、第2特図の小当り図柄の1つである終期移行図柄の確定表示、または、次回の大当り図柄の確定表示まで継続する。小当りラッシュ状態が終期移行図柄の確定表示によって終了した場合、高確率・開放延長状態が再び実行される。この高確率・開放延長状態において小当りラッシュ状態が再び実行される可能性がある。
第1特図の大当り図柄が45%の確率で「特図1_6R確変図柄」に決定された場合、6ラウンドの大当り遊技が実行される。この6ラウンドの大当り遊技の終了後、「特図1_10R確変図柄」と同様に、高確率・開放延長状態(確変・電サポあり)が実行され、次回の大当りまでに複数回の小当りラッシュ状態が実行される可能性がある。
第1特図の大当り図柄が35%の確率で「特図1_6R普通図柄」に決定された場合、6ラウンドの大当り遊技が実行される。この6ラウンドの大当り遊技の終了後、第1実施形態と同様に、低確率・開放延長状態が実行される。
第2特図の大当り図柄としては、第1実施形態と同様に、「特図2_10R確変図柄」、「特図2_6R確変図柄」、「特図2_6R通常図柄」の3種類が設定され、大当り図柄決定用乱数を用いた乱数抽選によって、それぞれ20%、45%、35%の割合で決定される。
第2特図の大当り図柄が20%の確率で「特図2_10R確変図柄」に決定された場合、10ラウンドの大当り遊技が実行される。10ラウンドの大当り遊技の終了後、「特図1_10R確変図柄」と同様に、高確率・開放延長状態(確変・電サポあり)が実行され、次回の大当りまでに複数回の小当りラッシュ状態が実行される可能性がある。
第2特図の大当り図柄が45%の確率で「特図2_6R確変図柄」に決定された場合、6ラウンドの大当り遊技が実行される。この6ラウンドの大当り遊技の終了後、「特図1_10R確変図柄」と同様に、高確率・開放延長状態(確変・電サポあり)が実行され、次回の大当りまでに複数回の小当りラッシュ状態が実行される可能性がある。
第2特図の大当り図柄が35%の確率で「特図2_6R普通図柄」に決定された場合、6ラウンドの大当り遊技が実行される。この6ラウンドの大当り遊技の終了後、第1実施形態と同様に、低確率・開放延長状態が実行される。
図32は、第2実施形態における小当り遊技開始処理(ステップS478)の詳細を示すフローチャートである。小当り遊技開始処理(ステップS478)を開始した後、主制御装置80は、確変フラグが「1」であるか否か、すなわち、高確率状態(確変状態)であるか否かを判断する(ステップS482)。確変フラグが「0」(低確率状態)である場合(ステップS482:「NO」)、主制御装置80は、小当り遊技設定処理(ステップS488)を実行する。
確変フラグが「1」である場合、すなわち、高確率状態である場合(ステップS482:「YES」)、主制御装置80は、サポフラグが「0」であるか否か、すなわち、非開放延長状態であるか否かを判断する(ステップS483)。
確変フラグが「1」かつサポフラグが「1」である場合、すなわち、高確率・開放延長状態(確変・電サポあり)である場合(ステップS483:「NO」)、主制御装置80は、小当り図柄が始期移行図柄「特図2_小当り図柄2」であるか否かを判断する(ステップS492)。小当り図柄が始期移行図柄ではない場合(ステップS492:「NO」)、主制御装置80は、小当り遊技設定処理(ステップS488)を実行する。
小当り図柄が始期移行図柄である場合(ステップS492:「YES」)、主制御装置80は、主制御装置80は、サポフラグに「0」を設定する(ステップS494)。これによって、普通電動役物24の動作状態は、開放延長状態から非開放延長状態へと移行する。その結果、パチンコ機50の遊技状態は、高確率・開放延長状態から小当りラッシュ状態(高確率・非開放延長状態)に移行する。小当りラッシュ状態を開始した後(ステップS494)、主制御装置80は、小当り遊技設定処理(ステップS488)を実行する。
確変フラグが「1」かつサポフラグが「0」である場合、すなわち、小当りラッシュ状態(高確率非開放延長状態)である場合(ステップS483:「YES」)、主制御装置80は、小当り図柄が終期移行図柄「特図2_小当り図柄2」であるか否かを判断する(ステップS484)。小当り図柄が終期移行図柄ではない場合(ステップS484:「NO」)、主制御装置80は、小当り遊技設定処理(ステップS488)を実行する。
小当り図柄が終期移行図柄である場合(ステップS484:「YES」)、主制御装置80は、サポフラグに「1」を設定する(ステップS485)。これによって、普通電動役物24の動作状態は、非開放延長状態から開放延長状態へと移行する。その結果、パチンコ機50の遊技状態は、小当りラッシュ状態(高確率・非開放延長状態)から高確率・開放延長状態に移行する。小当りラッシュ状態を終了した後(ステップS485)、主制御装置80は、小当り遊技設定処理(ステップS488)を実行する。
小当り遊技設定処理(ステップS488)において、主制御装置80は、小当り遊技を開始するコマンド、小当り遊技に関する情報(小当りのオープニング時間、開放パターン、小当りのエンディング時間など)をサブ統合制御装置83に送信する。その後、主制御装置80は、図32の小当り遊技開始処理(ステップS478)を終え、元のルーチンにリターンする。
図33は、第2実施形態における確変大当り終了後の動作の一例を示す説明図である。図33の動作は、大当り遊技の終了後に高確率・開放延長状態(確変・電サポあり)に移行した後、始期移行図柄の確定表示による高確率・非開放延長状態(小当りラッシュ)の開始、終期移行図柄の確定表示による高確率・非開放延長状態(小当りラッシュ)の終了、始期移行図柄の確定表示による高確率・非開放延長状態(小当りラッシュ)の再度の開始と続き、再び、大当り遊技に移行する動作である。
図33(a)は、高確率状態と低確率状態とに変化する確率変動のタイミングを示す。図33(b)は、開放延長状態と非開放延長状態とに変化する電サポのタイミングを示す。図33(c)は、特別図柄を確定表示するタイミングを示す。図33(d)は、パチンコ機50の遊技状態が変化するタイミングを示す。図33(e)は、演出図柄表示装置6において実施される演出のタイミングを示す。
確変大当り図柄に基づく確変大当り遊技が終了した後(タイミングt31)、主制御装置80は、低確率状態から高確率状態へと設定を変更するとともに、非開放延長状態から開放延長状態へと設定を変更する。これによって、パチンコ機50の遊技状態は、大当り遊技状態から高確率・開放延長状態(確変・電サポあり)に移行する。この高確率・開放延長状態(確変・電サポあり)は、特別図柄の合計変動回数が10000回に到達するまで、すなわち、当選確率の関係から実質的に次回の大当りまで継続する。高確率・開放延長状態(確変・電サポあり)を開始する場合、演出図柄制御装置82は、演出図柄表示装置6において表示される演出である「電サポ開始演出」を制御する。演出図柄表示装置6は、電サポ開始演出において、演出図柄の表示に併せて、第2遊技領域部への遊技球の発射(右打ち)を示唆する。電サポ開始演出の詳細については後述する。
高確率・開放延長状態(確変・電サポあり)に移行した後(タイミングt31)、第2特図の小当り図柄の1つである始期移行図柄が確定表示された場合(タイミングt32)、主制御装置80は、開放延長状態(電サポあり)から非開放延長状態(電サポなし)への移行を制御する。これによって、パチンコ機50の遊技状態は、高確率・開放延長状態(確変・電サポあり)から高確率・非開放延長状態(小当りラッシュ)に移行する。高確率・非開放延長状態(小当りラッシュ)を実行する間、演出図柄制御装置82は、第1実施形態と同様に、演出図柄表示装置6において表示される演出である「達吉ラッシュ演出」を制御する。
高確率・非開放延長状態(小当りラッシュ)に移行した後(タイミングt32)、第2特図の小当り図柄の1つである終期移行図柄が確定表示された場合(タイミングt33)、主制御装置80は、非開放延長状態(電サポなし)から開放延長状態(電サポあり)への移行を制御する。これによって、パチンコ機50の遊技状態は、高確率・非開放延長状態(小当りラッシュ)から高確率・開放延長状態(確変・電サポあり)に再び移行する。高確率・非開放延長状態(小当りラッシュ)から移行した高確率・開放延長状態を実行する間、演出図柄制御装置82は、第1実施形態と同様に、演出図柄表示装置6において表示される演出である「電サポ演出」を制御する。
高確率・開放延長状態(確変・電サポあり)に移行した後(タイミングt33)、第2特図の小当り図柄の1つである始期移行図柄が再び確定表示された場合(タイミングt34)、主制御装置80は、開放延長状態(電サポあり)から非開放延長状態(電サポなし)への移行を制御する。これによって、パチンコ機50の遊技状態は、高確率・開放延長状態(確変・電サポあり)から高確率・非開放延長状態(小当りラッシュ)に再び移行する。
高確率・非開放延長状態(小当りラッシュ)に再び移行した後(タイミングt34)、大当り図柄が確定表示された場合(タイミングt35)、主制御装置80は、高確率状態から低確率状態への移行を制御するとともに、大当り遊技を開始する。これによって、パチンコ機50の遊技状態は、高確率・非開放延長状態(小当りラッシュ)から大当り遊技状態に移行する。その大当り遊技が確変大当り遊技である場合、その大当り遊技が終了した後、パチンコ機50の遊技状態は、再び高確率・開放延長状態(確変・電サポあり)に移行する。一方、その大当り遊技が普通大当り遊技である場合、その大当り遊技が終了した後、パチンコ機50の遊技状態は、50回転の特図変動回数まで継続する低確率・開放延長状態(通常確率・電サポあり)に移行する。低確率・開放延長状態(通常確率・電サポあり)が終了した場合、パチンコ機50の遊技状態は、通常遊技状態に戻る。
図34は、第2実施形態における確変大当り終了後に実施される演出の一例を示す説明図である。図34(a)は、演出「電サポ開始演出」を実施する画面530を示す。図34(b)は、第1実施形態の図29(a)と同様に、「達吉ラッシュ演出」を実施する画面510を示す。図34(c)は、第1実施形態の図29(b)と同様に、演出「電サポ演出」を実施する画面520を示す。画面530は、画面510および画面520と同様に、演出図柄表示領域300L,300C,300Rと、保留図柄表示領域411,412,413,414とを備える。
図34(a)に示すように、「電サポ開始演出」を実施する画面530は、発射示唆領域532と、状態示唆領域534と、キャラクタ領域536とを備える。
画面530の発射示唆領域532は、第2遊技領域部への遊技球の発射(右打ち)を示唆する画像を表示する領域である。図34(a)の例では、発射示唆領域532には、文字列「右打ち」および図形「右向き矢印」が左端から右端へと連続的に移動する動画が表示される。
画面530の状態示唆領域534は、パチンコ機50の遊技状態を示唆する画像を表示する領域である。図34(a)の例では、状態示唆領域534には、文字列「電サポ開始」が表示される。これによって、パチンコ機50の遊技状態が高確率・開放延長状態(確変・電サポあり)であることが示唆されている。
画面530のキャラクタ領域536は、パチンコ機50の遊技状態を示唆するキャラクタ画像を表示する領域である。図34(a)の例では、キャラクタ領域536には、笑顔のキャラクタ「熊の達吉」を示す画像が表示されている。これによって、パチンコ機50の遊技状態が高確率・開放延長状態(確変・電サポあり)を開始したことが示唆されている。
以上説明した第2実施形態によれば、大当り遊技後に高確率・開放延長状態(確変・電サポあり)を開始した後、その高確率・開放延長状態において始期移行図柄の確定表示を契機として高確率・非開放延長状態(小当りラッシュ)に移行し(図32のステップS492,S494、図33のタイミングt32,t34)、その高確率・非開放延長状態において終期移行図柄の確定表示を契機として高確率開放延長状態に移行する(図32のステップS484,S485、図33のタイミングt33)。そのため、次回の大当りが生起するまでに高確率・開放延長状態(確変・電サポあり)と高確率・非開放延長状態(小当りラッシュ)とを交互に繰り返す可能性という新たな興趣を遊技者に提供することができる。
C.第3実施形態
第3実施形態のパチンコ機50は、高確率・非開放延長状態(小当りラッシュ)を終了する態様が異なる点を除き、第2実施形態と同様である。第3実施形態では、状態制御手段として機能する主制御装置80は、高確率・開放延長状態において第1特別図柄および第2特別図柄の合計変動回数が所定回数(例えば30回)になる場合に、高確率・非開放延長状態(小当りラッシュ)に制御する。第3実施形態によれば、第2実施形態と同様に、高確率・開放延長状態(確変・電サポあり)と高確率・非開放延長状態(小当りラッシュ)とを交互に繰り返す可能性という新たな興趣を遊技者に提供することができる。
D.その他の実施形態
本明細書に開示する技術は、上述した実施形態、実施例および変形例に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現できる。例えば、上述した実施形態、実施例および変形例における技術的特徴のうち、発明の概要の欄に記載した各形態における技術的特徴に対応するものは、上述の課題の一部または全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部または全部を達成するために、適宜、差し替えおよび組み合わせることができる。また、本明細書中に必須なものとして説明されていない技術的特徴については、適宜、削除できる。例えば、本発明は、弾球遊技機台内に所定数の遊技球が封入され、封入された遊技球を遊技盤の遊技領域に向けて発射するとともに、発射された遊技球を回収し、回収した遊技球を再度発射することで内部の所定数の遊技球を循環的に使用して遊技を行う封入式弾球遊技機に適用してもよい。
上述した実施形態では、第2特図の当否判定結果のほとんどが小当りであるため、始期移行図柄と終期移行図柄とのどちらも小当り図柄で構成されている。他の実施形態では、小当り当選確率をより低くする場合には、複数種類のハズレ図柄を設定し、所定のハズレ図柄を始期移行図柄および終期移行図柄の少なくとも一方に設定してもよい。この場合、演出画面には始期移行図柄および終期移行図柄に対応した演出図柄を表示することによって、遊技者にハズレ図柄の始期移行図柄および終期移行図柄を報知可能に構成することが好ましい。
従来の弾球遊技機の多くがそうであるように、小当りラッシュの終了契機を大当りの当選とした場合、大当り当選確率における通常確率と高確率との設定には規則上の縛りがあるため、小当りラッシュの終了契機の設定についても自由度が低い傾向にある。これに対して、小当りラッシュの終了を開放延長状態の開始として、その契機を大当り図柄とは異なる終期移行図柄の確定表示とした場合、図柄の選択割合を自由に設定できることから、小当りラッシュの終了契機の設定の自由度を高くすることができる。これによって、大当り確率を同等に設定した弾球遊技機であっても、小当りラッシュの終了契機を終期移行図柄の表示に応じた開放延長状態の開始とすることによって、小当りラッシュの終了契機を自由に設定できるため、より興趣ある遊技性を提供することができる。