以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
図1に示すように、本実施形態のパチンコ機50は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠51にて各構成を保持する構造を有している。外枠51の左側上下にはヒンジ53が設けられており、ヒンジ53により、板ガラス61が嵌め込まれた前枠(ガラス枠)52及び後述の内枠が、外枠51に対し開閉可能に保持される。また、前枠52の板ガラス61の奥には、内枠に保持された遊技盤1(図2)が設けられている。
前枠52の上部の左右両側にはスピーカ66が設置されており、これらにより遊技音が出力され、遊技の趣向性を向上させる。また、前枠52には、遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプ65のほか、遊技の異常を報知するLEDが設けられている。前枠52の下部には、上皿55と下皿63とが一体に形成されている。また、下皿63の右側には発射ハンドル64が設けられており、該発射ハンドル64を時計回りに操作することにより発射装置が作動し、上皿55から供給された遊技球が遊技盤1に向けて発射される。
下皿63は、上皿55から溢れた賞球を受けるよう構成されており、球抜きレバーを操作することで、下皿63に溜まった遊技球を遊技店に備えられたドル箱に移すことができる。また、上皿55の中央には、演出ボタン67及びジョグダイヤル68が設けられている。
パチンコ機50は、いわゆるCR機であり、プリペイドカードの読み書きを行うプリペイドカードユニット(CRユニット)56が付属されていると共に、上皿55の右側には球貸ボタン57,精算ボタン58,精算表示装置59が設けられている。
また、図2に示すように、遊技盤1には、外レール2aと内レール2bとによって囲まれた略円形の遊技領域3が形成されている。遊技領域3には、その中央部にセンターケース5が装着され、センターケース5に向かって左横には、普通図柄作動ゲート22が設置されている。普通図柄作動ゲート22を遊技球が通過すると、普通図柄の当否抽選用の複数種類の乱数が抽出され、抽出された乱数に基づく当否判定(普通図柄抽選)が行われる。
センターケース5の直下には、第1始動口11が設置され、更にその下方に第1始動口12が設定されている。第1始動口11、第1始動口12はいずれも遊技球の入球に起因して第1特別図柄(第1特図あるいは特図1とも記載)の変動表示を伴う大当り抽選が行われる。第1始動口11、第1始動口12はいずれも、左打ち(センターケース5の左側を狙い打つこと)により発射された遊技球が主に流下する領域(左打ち領域)に配置されている、第1始動口11は、常時遊技球が入球可能に構成されているが、第1始動口12は、普通図柄抽選での当選により開放される普通電動役物として構成されており、開放時のみ入球可能となっている。なお、閉鎖時であっても、稀に入球可能な構成としても良い。第1始動口11、または第1始動口12に遊技球が入球すると、第1特図に対応する複数種類の乱数が抽出され、第1保留記憶として記憶される。
また、右打ち(センターケース5の右側を狙い打つこと)により発射された遊技球が主に流下する領域(右打ち領域)に、特別電動役物からなる第1大入賞口21が設けられており、大当り抽選で当ると行われる大当り遊技の際に開放される。第1大入賞口21の上方に、特別電動役物からなる第2大入賞口20が設けられている。第2大入賞口20は小当り時にのみ開放される。
また、第1大入賞口21の下側には、大当り遊技中に第1大入賞口21に入球した遊技球が誘導され、大当り遊技終了後に確変状態(当否判定で当る確率が上昇した状態)となることを決定するための確変決定装置13が配置されている。なお、確変決定装置13の詳細については、後述する。
第1大入賞口21の右方には、遊技球の入球に起因して第2特別図柄(第2特図あるいは特図2とも記載)の変動表示を伴う大当り抽選が行われる第2始動口16が設置されている。第2始動口16は、常時遊技球が入球可能に構成されている。第2始動口16に遊技球が入球すると、第2特図に対応する複数種類の乱数が抽出され、第2保留記憶として記憶される。
第1始動口11,12および第2始動口16が前記の様な位置に設置されているため、左打ちを行うことで第1始動口11,12を狙い打つことができ、右打ちを行うことで第2始動口16を狙い打つことができる。なお、図示はされていないが、センターケース5の右方に植設された複数の前記釘は、右打ちした際に容易に第2始動口16に入球する配列となっている。
遊技盤1における向かって左側の領域には、7セグメントの第1特図表示装置9及び第2特図表示装置10と、4個のLEDからなる第1特図保留数表示装置23及び第2特図保留数表示装置24が設置されている。なお、第2特図保留数表示装置24の右に設置されているのは一般入賞口25、26、27であり、これらには常時、遊技球が入球可能に構成されている。また、遊技盤1における向かって右下の領域には、2個のLEDからなる普通図柄表示装置7と、4個のLEDからなる普図保留数表示装置8が設置されている。
センターケース5には、中央に演出図柄表示装置6のLCDパネルが配設され、LCDパネルの画面上では、演出図柄の変動表示等を行うことで、第1,第2特図に対応する大当り抽選の結果を報知する図柄演出が行われる。また、センターケース5には、周知のものと同様にワープ入口、ワープ樋、ステージ等が設けられている。なお、遊技盤1の遊技領域3には多数の遊技釘(図示されているのはその一部)が植設されており、盤面最下部にはアウト口が設けられている。
次に、確変決定装置13の構成について図3を用いて説明する。確変決定装置13は、第1大入賞口21に入球した遊技球が排出される排出口13aと、確変状態への移行を決定するための確変口15と、確変口15を閉鎖あるいは開放するシャッター14を備える。
確変口15が閉鎖されているときに排出口13aから遊技球が排出されると、該遊技球はシャッター14によりはずれ口13bに誘導される(図3(a)参照)。一方、確変口15が開放されているときに排出口13aから遊技球が排出されると、確変口15に入球し、大当り遊技終了後に確変状態となることが決定される(図3(b)参照)。確変口15は大当り遊技の第1ラウンドにおいて短時間のみ開放される(第2ラウンド以降は開放されない)。大当り遊技後に確変状態となる大当りでは、第1ラウンドにおいて第1大入賞口21が長時間開放されて確変口15に容易に入球し、大当り遊技後に通常状態(低確率状態)となる大当りでは、第1ラウンドにおいて第1大入賞口21が短時間開放されて確変口15に入球するのが極めて困難となる。後述するようにパチンコ機50では大当り遊技において開閉される大入賞口は第1大入賞口21のみであり、第2大入賞口20は小当りの場合のみ開閉される構成である。
図4にパチンコ機50の裏側を示す。パチンコ機50の裏側には、遊技盤1を脱着可能に取付ける内枠70が外枠51に収納された構成となっている。内枠70は、前枠52と同様、一方の側縁(図4に向かって右側)の上下位置が外枠51に設けられたヒンジ53に結合され、開閉可能に設置されている。内枠70には、遊技球流下通路が形成されており、上方(上流)から球タンク71、タンクレール72、払出ユニット73が設けられ、払出ユニット73の中には払出装置が設けられている。この構成により、遊技盤1の入賞口に遊技球が入賞すると、球タンク71に貯留されている所定個数の遊技球(賞球)が払出装置から払い出され、流下通路を通り上皿55に払い出される。また、本実施形態では、払出装置は、球貸ボタン57の操作に応じて遊技球(貸球)を払い出すよう構成されている。
また、パチンコ機50の裏側には、主制御装置80,払出制御装置81,演出図柄制御装置82,サブ統合制御装置83,発射制御装置,電源基板85が設けられている。主制御装置80,演出図柄制御装置82,サブ統合制御装置83は、遊技盤1に設けられ、払出制御装置81,発射制御装置,電源基板85は、内枠70に設けられている。なお、図4では発射制御装置が記載されていないが、発射制御装置は、払出制御装置81の奥側(遊技盤1側)に配されている。また、球タンク71の右側には、外部接続端子板78が設けられており、外部接続端子板78により、遊技状態や遊技結果を示す信号が図示しないホールコンピュータへ送られる。
次に、パチンコ機50の電気的構成について説明する。このパチンコ機50は、図5のブロック図に示すとおり、主制御装置80を中心にして構成されている。なお、このブロック図には、単に信号を中継するいわゆる中継基板や電源基板等は記載されていない。また、詳細な図示は省略するが、主制御装置80,払出制御装置81,演出図柄制御装置82,サブ統合制御装置83のいずれもCPU,ROM,RAM,入力ポート,出力ポート等を備えている。また、発射制御装置84,電源基板にはCPU,ROM,RAMは設けられていないが、これに限るわけではなく、発射制御装置84等にCPU,ROM,RAM等を設けてもよい。
主制御装置80には、第1始動口11、12に入球した遊技球を検出する第1始動口SW11a、第2始動口16に入球した遊技球を検出する第2始動口SW16a、普通図柄作動ゲート22に進入した遊技球を検出する普通図柄作動SW22a、一般入賞口25〜27に入球した遊技球を検出する一般入賞口SW25a等からの検出信号が入力される。
また、この他にも、第1大入賞口21に入球した遊技球を計数するための第1カウントSW21a、第2大入賞口20に入球した遊技球を計数するための第2カウントSW20a、確変決定装置13に設けられた確変口15に入球した遊技球を検出する確変口SW15aが入力される。
主制御装置80は、搭載しているプログラムに従って動作して、上述の検出信号等に基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成し、払出制御装置81及びサブ統合制御装置83に出力する。また、主制御装置80は、図柄表示装置中継端子板90を介して接続されている第1特図表示装置9,第2特図表示装置10,第1特図保留数表示装置23,第2特図保留数表示装置24,普通図柄表示装置7,普図保留数表示装置8の表示を制御する。
さらに、主制御装置80は、第1大入賞口ソレノイド21bを制御することで第1大入賞口21の開閉を制御すると共に、第2大入賞口ソレノイド20bを制御することで第2大入賞口20の開閉を制御し、普電役物ソレノイド12bを制御することで第1始動口12の開閉を制御する。また、シャッターソレノイド14aを制御することで、シャッター14を制御し、確変決定装置13に設けられた確変口15の開閉状態を切り替える。
主制御装置80からの出力信号は試験信号端子にも出力されるほか、図柄変動や大当り等の管理用の信号が外部接続端子板78に出力されてホールコンピュータ87に送られる。主制御装置80と払出制御装置81とは双方向通信が可能である。
払出制御装置81は、主制御装置80から送られてくるコマンドに応じて払出モータ30を稼働させて賞球を払い出させる。本実施例においては、賞球として払い出される遊技球を計数するための払出SW31の検出信号は払出制御装置81に入力され、払出制御装置81で賞球の計数が行われる構成を用いる。この他にも主制御装置80と払出制御装置81に払出SW31の検出信号が入力され、主制御装置80と払出制御装置81の双方で賞球の計数を行う構成を用いることも考えられる。
なお、払出制御装置81は、ガラス枠閉鎖SW45,内枠閉鎖SW46,球切れSW33,払出SW31,満杯SW32からの信号が入力され、満杯SW32により下皿63が満タンであることを示す信号が入力された場合や、球切れSW33により球タンク71に遊技球が少ないあるいは無いことを示す信号が入力された場合には、払出モータ30を停止させ、賞球の払出動作を停止させる。また、満杯SW32,球切れSW33も、その状態が解消されるまで信号を出力し続ける構成になっており、払出制御装置81は、その信号が出力されなくなることに起因して払出モータ30の駆動を再開させる。
また、払出制御装置81は、CRユニット端子板34を介してCRユニット56と交信することで払出モータ30を作動させ、貸し球を排出する。払出された貸し球は払出SW31に検出され、検出信号は払出制御装置81に入力される。また、CRユニット端子板34は、精算表示装置59とも双方向通信可能に接続されており、精算表示装置59には、遊技球の貸出しを要求するための球貸ボタン57、精算を要求するための精算ボタン58が設けられている。また、払出制御装置81は、外部接続端子板78を介して賞球に関する情報、枠(内枠70,前枠52)の開閉状態を示す情報などをホールコンピュータ87に送信するほか、発射制御装置84に対して発射停止信号を送信する。
発射制御装置84は、発射モータ40を制御して、遊技領域3に遊技球を発射させる。なお、発射制御装置84には、払出制御装置81以外に、発射ハンドル64からの回動量信号、タッチSW38からのタッチ信号、発射停止SW39から発射停止信号が入力される。
回動量信号は、遊技者が発射ハンドル64を操作することで出力され、タッチ信号は遊技者が発射ハンドル64を触ることで出力され、発射停止スイッチ信号は、遊技者が発射停止SW39を押すことで出力される。なお、タッチ信号が発射制御装置84に入力されていなければ、遊技球は発射できないほか、発射停止スイッチ信号が入力されているときには、遊技者が発射ハンドル64を触っていても遊技球は発射出来ないようになっている。
サブ統合制御装置83は、主制御装置80から送信されてくるデータ及びコマンドを受信し、それらを演出表示制御用、音制御用及びランプ制御用のデータに振り分けて、演出表示制御用のコマンド等は演出図柄制御装置82に送信し、音制御用及びランプ制御用は自身に含まれている各制御部位(音声制御装置及びランプ制御装置としての機能部)に分配する。
そして、音声制御装置としての機能部は、音声制御用のデータに基づいて音LSIを作動させることによってスピーカ66からの音声出力を制御し、ランプ制御装置としての機能部は、ランプ制御用のデータに基づいてランプドライバを作動させることによって各種LED、ランプ28を制御する。また、サブ統合制御装置83には、演出ボタン67およびジョグダイヤル68が接続されており、遊技者が演出ボタン67を押した際には、その信号がサブ統合制御装置83に入力される。遊技者がジョグダイヤル68を回転させた際には、その回転方向や回転速度を示す信号がサブ統合制御装置83に入力される。サブ統合制御装置83と演出図柄制御装置82とは双方向通信が可能である。
演出図柄制御装置82は、サブ統合制御装置83から受信したデータ及びコマンド(共に主制御装置80から送信されてきたものとサブ統合制御装置83が生成したものとがある)に基づいて演出図柄表示装置6を制御して、演出図柄の変動表示(図柄演出)等の演出画面を表示させる。
次に、第1実施形態におけるパチンコ機50の動作について説明する。上述したように、本パチンコ機50は、大当り遊技中、第1大入賞口21に遊技球が入球し、さらに、該遊技球が確変決定装置13の確変口15に入球すると、確変機能が作動し、大当り遊技後の遊技状態は、当否判定で当る確率が高い確変状態となる。なお、確変状態は、後述する時短状態と同じ期間にわたり継続させても良いし、次回の大当りまで継続させても良い。
また、大当り遊技では、第1大入賞口21が開放される。したがって、本パチンコ機50は、形式上、全ての大当りで確変機能が作動する可能性があり、名目上の確変割合は、大当りとなった特図の種類や当り図柄に関らず一定(100%)となる。
しかし、大当り遊技の開放パターンとして、シャッター14の閉鎖時に第1大入賞口21が開放することにより、大当り遊技後に低確率状態となる開放パターン(低確率パターン)と、シャッター14の開放時に第1大入賞口21が開放することにより、大当り遊技後に高確率状態となる開放パターン(高確率パターン)がある。開放パターンが低確率パターンである大当り遊技では、確変口15への入球は非常に稀であり、開放パターンが高確率パターンである大当り遊技では、確変口15へ容易に入球する。開放パターンが低確率パターンになるか高確率パターンになるかは大当り図柄により決定し、第1特図による大当りでは50%、第2特図による大当りでは10%の確率で低確率パターンとなる。
パチンコ機50の仕様の概要を図6に示す。本図に示すように、通常確率(低確率ともいう)における大当りが発生する確率は、第1特図、第2特図とも1/200であり、高確率状態では第1特図、第2特図とも1/50となっている。大当りが発生した直後の遊技状態が高確率状態となる割合(高確率状態突入率、又は確変付与率という)は第1特図が50%、第2特図が90%となっている。また、大当りが発生した直後には、第1特図、第2特図によらず時短が付与される場合があり、時短状態では、普通図柄抽選で当選(確率199/200)した際の第2始動口16は1秒間、2回開放され、普通図柄抽選がなされた際の普通図柄表示装置7での変動表示時間は1秒となる(通常状態においては普通図柄は平均30秒間変動し、1/200の確率で当選し、第2始動口16は0.3秒間、1回開放される)。このように時短状態では、第1始動口12への入賞が容易となるので、入賞容易状態、或いは電サポともいう。また、第1特図の変動時間は時短状態において普図と同様、短縮されるが、第2特図の変動時間は通常状態と変わらない。第2特図の変動時間の短縮は、大当り遊技後に非入賞容易状態となる場合に、該大当り遊技の直後に行なわれる。
時短および高確率状態は、第1特図と第2特図の変動回数の合計が100回となるまで継続する。非入賞容易状態は高確率状態とともに発生し、特別図柄が100回変動されると終了する。該終了とともに第2特図の短縮状態も終了し、第2特図の変動時間が10分に戻る。時短が終了すると、第2始動口16の開放パターンは0.3秒間、1回のみとなり、普通図柄の変動表示時間は30秒となる。
大当り遊技のラウンド数は、第1特図による大当りは8ラウンドのみ、第2特図による大当りは4ラウンドと8ラウンドの2種類が存在する。より詳しくは、第1特図による大当りは、大当り後に通常確率且つ時短有りとなるもの、大当り後に高確率状態且つ時短なしとなるもの、大当り後に高確率状態且つ時短ありとなるものの3種類が存在する。一方、第2特図による大当りは、大当り後に通常確率且つ時短有りとなる8ラウンド大当り、大当り後に高確率状態且つ時短なしとなる4ラウンド大当り、大当り後に高確率状態且つ時短ありとなる8ラウンド大当りの3種類が存在する(詳しくは図21で後述)。
パチンコ機50の遊技進行の概要は以下のようである。遊技開始時点では、右打ちをして第2始動口16に入球すると第2特図が10分間も変動する。これでは当否判定が1時間に高々6回しか行われないため、非常に時間効率が悪い。その一方、第2特図の変動時間は平均12秒(図6参照)であるため、遊技者は左打ちを行うことになる。前述のように第1始動口12には開放しないと入球しないので、遊技者は専ら第1始動口11を狙う。そして、第1特図で大当りとなり、大当り後に高確率状態かつ非入賞容易状態となると、第2特図の変動時間が1秒に短縮されるので遊技者は右打ちを行う。第2始動口16に入球すると、第2特図が49/50の確率で小当りするため、頻繁に小当りが発生する状態となる。これを小当りラッシュと呼ぶことにする。小当りが発生すると第2大入賞口20が2秒開放するか又は第2大入賞口20に1個入球するまで開放する。第2大入賞口20に1個入球すると10個の賞球があるため、第2始動口16への入球のし易さと相まって、小当りラッシュ中は徐々に遊技者の持ち球が増えていく。
小当りラッシュ中に特別図柄が100回変動すると、第2特図の変動短縮状態が高確率状態とともに終了し、再び遊技者は左打ちを行うことになる。ただし該100回変動する前に第2特図が当り、それが4ラウンド大当りであって該大当り中に確変口15に入球すると、該大当りの終了後の状態が再び第2特図の変動短縮状態および高確率状態となり、小当りラッシュとなる。前記大当りが4ラウンド大当りではなく8ラウンド大当りだった場合には、該大当りの終了後の状態に、第1特図の変動短縮状態且つ第1始動口12の入賞容易状態となり、第2特図の変動短縮状態とはならないので、遊技者は左打ちをすることになる。なお、最初の大当りの終了後に入賞容易状態となった場合は、そのまま左打ちを続行することになる。また、入賞容易状態であるにも拘らず、第2始動口16に入球し、第2特図が10分間の変動を開始した場合でも、該変動と同時に第1特図も変動可能な仕様(詳細は後述)となっているので、時間効率が極めて悪い遊技を遊技者に強いることはない。
この遊技進行を実現する処理について説明する。まず、図7にパチンコ機50の主制御装置80が実行するメインルーチンを示す。このメインルーチンは、2ms周期のタイマ割り込み処理として起動されるが、2ms以外の割り込み周期で起動しても良い。
S10では、正常なタイマ割り込みによりメインルーチンが起動されたか否かを判定し、肯定判定が得られた場合には(S10:Yes)、S20に移行し、否定判定が得られた場合には(S10:No)、S15にてCPUやI/O等の初期設定を行い、S70に移行する。S10で肯定判定が得られた場合には、初期値乱数の更新(S20),大当り決定用乱数の更新(S25),大当り図柄決定用乱数の更新(S30),当り決定用乱数の更新(S35),リーチ判定用乱数の更新(S40),変動パターン決定用乱数の更新(S45)を行う。
そして、始動口等といった入賞口への遊技球の入賞を検出する入賞確認処理(S50)と、始動口への入賞に起因して大当り抽選を行う当否判定処理(S55)と、サブ統合制御装置83等にデータ及びコマンドを送信し、また、ホールコンピュータ87等に各種情報を送信する各出力処理(S60)と、遊技者の不正行為を検出する不正監視処理(S65)とを行う。
なお、これ以外にも、遊技球の普通図柄作動ゲート22の通過に起因して普通図柄抽選等を行う普図当否判定処理や、普通電動役物(第2始動口16)を開放することで普図遊技を行う普図遊技処理等が行われる。また、当否判定処理に続いて、大当り遊技を行うための大当り遊技処理が行われる。そして、S70では、次のタイマ割込みが発生してメインルーチンが起動されるまで、初期値乱数の更新を繰り返し行う。
次に、主制御装置80が実行する始動口入賞確認処理について、図8に記載のフローチャートを用いて説明する。なお、本処理は、メインルーチンから実行される入賞確認処理からコールされるサブルーチンとして構成されている。
S100では、第1始動口SW11aの検出信号に基づき、第1始動口11或いは第1始動口12への遊技球の入賞が発生したかを判定する。そして、肯定判定の場合は、S105に処理を移行し、第1特図についての保留記憶の数が最大値(一例として4)未満か否かを判定する。肯定判定の場合は(S105:yes)、S110に処理を移行する。
S110では、大当り抽選に用いられる大当り決定用乱数や、大当り抽選で当った際に停止表示される図柄(当り図柄)を決定するための大当り図柄決定用乱数や、図柄演出でリーチとなるか否かを決定するためのリーチ判定用乱数や、特別図柄の変動時間等を決定するための変動パターン決定用乱数等を抽出する。そして、抽出した乱数を、第1特図についての保留記憶として記憶し、S115に処理を移行する。否定判定の場合は(S100:no)、S115に移行する。なお、S100が否定判定された場合またはS105が肯定判定された場合もS115に移行する。
S115では、第2始動口SW16aの検出信号に基づき、第2始動口16への遊技球の入賞が発生したかを判定する。そして、肯定判定の場合は(S115:yes)、S120に処理を移行し、第2特図についての保留記憶の数が、最大値(一例として4)未満か否かを判定する。肯定判定の場合は、S110に当処理を終了(リターン)する。
S120で行なう処理は、S110にて第1特図に関して行なった処理を第2特図に関して行なうものである。そして、抽出した乱数を、第2特図についての保留記憶として記憶し、当処理を終了する。なお、S115が否定判定された場合も当処理を終了する。
図9〜10に示す第1特別図柄当否判定処理では、主制御装置80は、特別電動役物が作動中か否かを大当りフラグ又は小当りフラグ(後述)がセットされているか否か(セットされているなら作動中)に基づいて判断する(S150)。S150の判定が否定判断で、第1特別図柄が変動中でなく(S155:no)、確定図柄の表示中でもなければ(S160:no)、図10のS215に移行し、第1保留記憶(上記、S110による保留記憶)があるか否かを判断する(S200)。この保留記憶があれば(S215:yes)、第1保留記憶数をデクリメントし(S230)、変動中の特別図柄(ここでは第2特図)が大当りとなるか否かを判定する(S240)。否定判断、すなわち第2特図が大当りにならなければS245に進む。
S245では保留記憶の中で最も古いものを読み込んで(その保留記憶は消去する)、読み込んだ大当り決定用乱数をテーブルに記録されている当り値と照合し、大当りか否かを判定する(S250)。なお、前述のS240およびS250の処理における判定は、現在の遊技状態が高確率状態であるか否かに応じ、高確率テーブルか低確率テーブルかを選択して行なわれる。S250が肯定判定であれば、大当り図柄決定用乱数によって当り図柄を決定する(S255)。大当り図柄決定用乱数と当り図柄の関係を図21(a)に示す。なお、図21(a)では大当り図柄決定用乱数を特図1決定用乱数、当り図柄を特別図柄1停止図柄と表記しており、またハズレ図柄についても示している。
図21(a)に示すように、大当り図柄決定用乱数が0〜9の場合は当り図柄として図柄1、大当り図柄決定用乱数が10〜19の場合は当り図柄として図柄2、大当り図柄決定用乱数が20〜29の場合は当り図柄として図柄3、大当り図柄決定用乱数が30〜39の場合は当り図柄として図柄4、大当り図柄決定用乱数が40〜49の場合は当り図柄として図柄5、大当り図柄決定用乱数が50〜59の場合は当り図柄として図柄6、大当り図柄決定用乱数が60〜69の場合は当り図柄として図柄7、大当り図柄決定用乱数が70〜79の場合は当り図柄として図柄8、大当り図柄決定用乱数が80〜89の場合は当り図柄として図柄9、大当り図柄決定用乱数が90〜99の場合は当り図柄として図柄10が設定される。またハズレ図柄には図柄11が割り当てられている。
そして図柄1〜5が8ラウンド(本図ではRと表記)通常時短有図柄であり、これらの図柄で当った際には確変口15に入球させることが困難な8ラウンドからなる大当りが発生し、該大当りの後の状態が通常確率かつ入賞容易状態となる。そして図柄6〜8が8ラウンド特定時短無図柄であり、これらの図柄で当った際には確変口15に入球させることが容易な8ラウンドからなる大当りが発生し、該大当りの後の状態が高確率状態かつ非入賞容易状態となる。そして図柄9,10が8ラウンド特定時短当図柄であり、これらの図柄で当った際には確変口15に入球させることが容易な8ラウンドからなる大当りが発生し、該大当りの後の状態が高確率状態かつ入賞容易状態となる。なお、図柄6〜10で当っても、確変口に入球させることができなかった場合は、大当りの後の状態は高確率状態とはならない。特に、図柄6〜10で当って確変口に入球させることができなかった場合は、特別図柄2の変動時間が短縮されることもない。図柄1〜10には大当り図柄決定用乱数が10個ずつ割り当てられているので、図柄の組合せが8ラウンド通常時短有図柄、8ラウンド特定時短無図柄、8ラウンド特定時短有図柄となる割合(振分け)は、それぞれ50/100,30/100,20/100となる。
図10に戻る。こうして大当り図柄を決定すると、変動パターン決定用乱数によって変動パターンを決定する(S260)。S260の処理では第1特別図柄表示装置9に表示される第1特別図柄の大当り用の変動時間等の変動パターンを決定し、続くS263にて遊技状態設定処理を実行する。
遊技状態設定処理について図11に示す。当処理が起動されると、S255で決定された当り図柄が確変かつ非時短当りに対応するものか否かを判定する(S270)。確変かつ非時短当りは、第1特別図柄においては8ラウンド特定時短無図柄に対応する。肯定判定ならば(S270:yes)S272に移行し、リミッタフラグが1か否かを判定する。リミッタフラグとは、連続して小当りラッシュが発生した回数が上限(本実施例では5)に到達したか否かを示すフラグであり、1が到達、0が未到達を示す。否定判定ならば(S272:no)S278に移行し、大当り後の遊技状態を確変かつ非時短(高確率状態かつ非入賞容易状態)に設定し、当処理を終了(リターン)する。
S272が肯定判定された場合は、S282に移行してリミッタカウンタを0にする。リミッタカウンタとは、連続して小当りラッシュが発生した回数をカウントするためのものである。続いて大当り後の遊技状態を通常かつ非時短当り(低確率状態かつ非入賞容易状態)に設定し(S284)し、当処理を終了する。なお、S284にて非時短当り(非入賞容易状態)が設定された場合には第1特図であれば8ラウンド大当り、第2特図であれば4ラウンド大当りが発生し、何れも1ラウンドは第1大入賞口21が短時間開放し、大当り遊技後は第2特図の変動時間が短縮されず、10分となる。S270が否定判定された場合は、S290に移行してリミッタフラグを0にし、続くS292にてリミッタカウンタを0にし、S255で決定された当り図柄が確変かつ時短当りに対応するものか否かを判定する(S294)。確変かつ時短当りは、第1特別図柄においては8ラウンド特定時短有図柄に対応する。否定判断(S294:no)ならば大当り後の遊技状態を確変かつ時短(低確率状態かつ入賞容易状態)に設定し(S296)、当処理を終了する。S294が肯定判断された場合は大当り後の遊技状態を確変かつ時短(高確率状態かつ入賞容易状態)に設定し(S298)、当処理を終了する。
図10に戻る。遊技状態設定処理を実行した後、大当り設定処理を行う(S265)。大当り設定処理とは決定した大当り図柄によって、大当り後の遊技状態や大当り遊技にかかる情報(大当りのオープニング時間、開放パターン、大当りのエンディング時間、ラウンド数等)を取得する処理である。大当り設定処理が終了すると、S296に移行する。
S250において外れと判定された場合は、S286に移行する。なお、S240にて肯定判断された場合(すなわち変動中の第2特別図柄が当たる場合)もS286に移行する。S286では、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数に基づいて変動パターンを決定する。こうしてS286により変動パターンが設定されると、S296に移行する。なお、S240にて肯定判断された場合に、S250の当否判定を行なわないことは、変動中の特別図柄(第2特図)が当りの際には、当方の特別図柄(第1特図)は強制的にハズレと判定することに等しい。
S296では、上述の抽選結果を示すデータ、具体的には特別図柄、大当り、リーチ外れ(外れであるがリーチ表示有り)、リーチ表示無しの外れのいずれかを示すデータと変動時間を指定する変動パターンのデータが含まれる変動開始コマンド(表示制御コマンド)をサブ統合制御装置83に出力し、第2特別図柄当否判定処理を行なう。なお、S215が否定された場合は第2特別図柄当否判定処理(図12)に移行する。また、S296の処理を実行すると、特別図柄の変動が主制御装置80によって開始される。
図12〜13に示す第2特別図柄当否判定処理では、主制御装置80は、特別電動役物が作動中か否かを大当りフラグ又は小当りフラグがセットされているか否か(セットされているなら作動中)に基づいて判断する(S300)。S300の判定が否定判断で、第2特別図柄が変動中でなく(S305:no)、確定図柄の表示中でもなければ(S310:no)、図13のS315に移行し、第2保留記憶(上記、S125による保留記憶)があるか否かを判断する。この保留記憶があれば(S315:yes)、第2保留記憶数をデクリメントし(S330)、変動中の特別図柄(ここでは第1特図)が大当りとなるか否かを判定する(S340)。否定判断、すなわち第1特図が大当りにならなければS340に進む。
S340では、変動中の特別図柄(ここでは第1特別図柄)が大当りか否かを判定する。否定判断、すなわちハズレであればS345に進む。S345では、S330で読み込んだ大当り決定用乱数をテーブルに記録されている当り値と照合し、大当りか否かを判定し(S350)、肯定判定であれば(S350:yes)、大当り図柄決定処理(S355)、変動パターン決定処理(S360)、遊技状態設定処理(S365)、大当り情報設定処理(S370)、特別図柄変動開始コマンド送信処理(S395)を行なう。なお、これらS355〜S395の各処理は、前述したS255〜S296の各処理を第1特別図柄の代りに第2特別図柄に対して行なうものである。例えば大当り図柄決定処理(S355)では、図21(b)のテーブルに従って、大当り図柄が決定され、大当り情報設定処理(S370)において、S278またはS284の処理に応じて設定されるラウンド数は8ではなく4となる。
なお、図21(b)に示すように第2特図では、図柄1が8ラウンド通常時短有図柄であり、図柄2〜8が4ラウンド特定時短無図柄であり、図柄9,10が8ラウンド特定時短当図柄である。図柄の組合せが8ラウンド通常時短有図柄、4ラウンド特定時短無図柄、8ラウンド特定時短有図柄となる割合(振分け)は、それぞれ10/100,70/100,20/100となる。また第2特図にはハズレは存在せず、図柄12が小当り図柄に割り当てられている。
図13に戻る。S350において外れと判定された場合は、S373に移行し、S330で読み込んだ大当り決定用乱数に基づいて小当りか否かを判定する。否定判断であればS383に移行する。なお、第2特図にはハズレがないので、S373が否定されることはない。S340にて肯定判断された場合(すなわち変動中の第1特別図柄が当たる場合)もS383に移行する。S383では、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数に基づいて変動パターンを決定し、S395に移行する。S373が肯定判定された場合は、S376にて小当り図柄を決定し、S380にて変動パターンを決定し、S395に移行する。なお、S340、S350、およびS373の処理における判定は、現在の遊技状態が高確率状態であるか否かに応じ、高確率テーブルか低確率テーブルかを選択して行なわれる。
S395では、上述の抽選結果を示すデータ、具体的には特別図柄、大当り、リーチ外れ(外れであるがリーチ表示有り)、リーチ表示無しの外れのいずれかを示すデータと変動時間を指定する変動パターンのデータが含まれる変動開始コマンド(表示制御コマンド)をサブ統合制御装置83に出力し、特別遊技処理を行なう。なお、S315が否定された場合は特別遊技処理に直行する。また、S395の処理を実行すると、特別図柄の変動が主制御装置80によって開始される。
図9のS155において第1特別図柄が変動中と判定された場合、または図12のS305において第2特別図柄が変動中と判定された場合には、図14のS170に移行し、図柄変動時間(S260、S286、S360、S380,又はS383の変動パターンに基づく)を経過したか否かを判定する。否定判断(S170:no)であれば、第1特別図柄の当否判定処理であるか否かを判定する(S180)。肯定判断(S180:yes)であれば、図12のS300へと移行する。否定判断(S180:no)であれば、特別遊技処理を行う。
S170が肯定判断であれば対応した特別図柄の確定図柄表示処理(S175)を行なってから、S180に移行する。確定図柄表示処理では、確定図柄を表示する旨のコマンド(図柄確定コマンド)をサブ統合制御装置83に出力するとともに、特別図柄表示装置9,10にコマンドを出力して確定図柄にて停止させる。
図9のS160において第1特別図柄の確定図柄が表示中と判定された場合、または図12のS310において第2特別図柄の確定図柄が表示中と判定された場合には、図15のS400に移行し、確定図柄の表示時間が終了したか否かを判定する。否定判断(S400:no)であれば特別遊技処理を行い、肯定判断であれば確定図柄表示設定処理(S405)を行なってから大当りになる組合せか否かを判定する(S410)。肯定判断であれば他方の特別図柄変動終了処理に移行する(S420)。本実施例では、「一方の特別図柄」とは、大当りを示す図柄で確定表示された特別図柄をいい、「他方の特別図柄」とは、大当りを示す図柄で確定表示された特別図柄ではない、特別図柄をいう。
S420の処理では、第1特別図柄および第2特別図柄が同時変動中であるか否かを確認して、同時変動中であれば他方の特別図柄をハズレ図柄で停止させる。なお、主制御装置80からサブ統合制御装置83へと外れ図柄停止指定コマンドが送信される。S420の処理後、確変フラグが1か否かを判定する(S425)。確変フラグを1にすると本実施例では高確率状態となる。肯定判定であれば(S425:yes)、S430にて確変フラグを0にし、S433に移行する。確変フラグが1でなければ(S425:no)、そのままS433に移行する。S433では、時短フラグが1か否かを判定する。時短フラグを1にすると本実施例では入賞容易状態となる。肯定判定であれば(S433:yes)、S435にて時短フラグを0にし、S438に移行する。時短フラグが1でなければ(S433:no)、そのままS438に移行する。
S438では条件装置作動開始処理を行う。続くS440にて大当りフラグをセットし、役物連続作動装置を作動させ、S445にて大当り開始演出処理を行なう。大当り開始演出処理では、大当り遊技を開始するコマンド及び大当り遊技に係る情報(大当りのオープニング時間、開放パターン、大当りのエンディング時間、ラウンド数等)をサブ統合制御装置83に送信する。S445の処理後、特別遊技処理を行う。
S410で、確定表示させた特別図柄が大当りになる表示でないと判定された場合は、S448にて確変フラグが1か否かを判定し、1であれば、確変回数が0か否かを判定する(S450)。本実施例では確変回数の初期値は100である。確変回数が0であれば、S453にて確変フラグを0にし、S455にてリミッタカウンタをクリアしてS458に進む。確変フラグが1でないとき(S448:no)又は確変回数が0ではないとき(S450:no)はそのままS458に移行する。
S458では、時短フラグが1か否かを判定し、1であれば(S570:yes)、時短回数が0か否かを判定する(S460)。本実施例では時短回数の初期値は100である。時短回数が0であれば、S463にて時短フラグを0にしてS465に進む。時短フラグが1でないとき(S458:no)又は時短回数が0ではないとき(S460:no)はそのままS465に移行する。S465では、S405にて確定表示が設定された図柄の組み合わせが小当りになるものか否かを判定する。肯定判断なら他方の特別図柄の変動を中断する(S468)。これは他方の特別図柄の変動時間の計測を停止させるだけで、小当りが終了すると変動を再開する。何らかの図柄で確定表示させるわけではない。S468に続いてS470にて小当りフラグをセットすると共に特別電動役物作動開始処理を実行し、S475にて小当り開始演出処理を行ない、特別遊技処理を行なう。S465が否定判定された場合はそのまま特別遊技処理を行なう。
図16に示す特別遊技処理では、主制御装置80は、役物連続作動装置が作動中か否かを大当りフラグに基づいて判断する(S500)。役物連続作動装置が作動中なら(S500:yes)、第1大入賞口14が開放中か否かを判断する(S505)。第1大入賞口14が開放中でない場合は(S505:no)、ラウンド間のインターバル中により第1大入賞口14が閉鎖しているのか判断する(S510)。インターバル中でもない場合は(S510:no)、大当り終了演出中であるか判断する(S515)。これも否定判断の場合は(S515:no)、今から大当り遊技を開始する演出に要する時間が経過したか否かを判定する(S520)。大当り開始演出時間が経過した場合は(S520:yes)、第1大入賞口開放処理(S525)を行なって本処理を終了(リターン)する。
S505で第1大入賞口14が開放中であると判定された場合は、図17のS530に進み、リミッタフラグが1か否かを判定する。肯定判定の場合はS535に移行し、確変口SW15aからの信号により、確変口15への入球が生じたか否かを判定する。肯定判定の場合(S535:yes)は、確変口入球フラグをセット(S540)し、S550に移行する。確変口入球フラグがセット(値が1になること)されると、大当り遊技終了後の遊技状態が高確率状態となり、確変口入球フラグの値がゼロの場合は、大当り遊技終了後の遊技状態が低確率状態となる。S530が肯定判定の場合、又はS535が否定判定の場合には、S550に直行する。S550では第1大入賞口14に10個入賞したか否かを判定する。なお、本実施例では10個だが、9個、8個でもよく、特に限定するものではない。第1大入賞口21に10個入賞した場合(S550:yes)にはS560に進み、第1大入賞口21を閉鎖する。そして大当りインターバル処理(S565)を行なって、特別遊技処理を終了する。第1大入賞口14に10個入賞していない場合(S550:no)にはS555に進み、第1大入賞口21の開放時間が終了したか否かを判定する。本実施例では、大当りの場合は各ラウンドの最大開放時間は29秒に設定している。無論、この秒数に限定するものではない。開放時間が終了した場合(S555:yes)には、S560に合流し、終了していない場合(S555:no)は特別遊技処理を終了する。
図16のS510でインターバル中であると判定された場合は、図17のS570に進み、大当りインターバル時間が経過したか否かを判定する。インターバル時間が経過している場合(S570:yes)は、直前に第1大入賞口21が開いていたのが最終ラウンドか否かを判定する(S575)。最終ラウンドであれば、大当り終了演出処理(S580)を行い、特別遊技処理を終了する。最終ラウンドでなければ(S575:no)、再び第1大入賞口21を開放する処理(S565)を行い、特別遊技処理を終了する。なお、大当りインターバル時間が経過していないと判定された場合(S570:no)には、そのまま特別遊技処理を終了する。なお、第1大入賞口21を開放・閉鎖する処理においては、サブ統合制御装置83にも信号を送信する。サブ統合制御装置83は、その信号に基づいて、現在のラウンドを把握し、該ラウンドに応じた演出を行なう。
図16のS515で大当りの終了演出中であると判定された場合は、図18のS645に進み、大当り終了演出時間が経過したか否かを判定する。大当り終了演出時間が経過した場合には、役物連続作動装置の作動を停止し(S650)、条件装置の作動を停止する(S655)。そして、確変口入球フラグが1か否かを判定する(S660)。肯定判断の場合は、確変回数および時短回数を設定する(S665)。なお、当り図柄が8ラウンド特定時短無図柄または4ラウンド特定時短無図柄であった場合は確変回数のみを設定する。続いて確変口入球フラグをクリアし(S670)、リミッタカウンタ更新処理(S675)を行なった後、S695に移行する。
リミッタカウンタ更新処理について図19に示す。当処理が起動されると、S255で決定された当り図柄が確変かつ非時短当りに対応するものか否かを判定する(S800)。否定判定、すなわち当り図柄が確変かつ時短当りの場合は、S810にて確変フラグ・時短フラグを1に設定し、当処理を終了(リターン)する。肯定判定(S800:yes)の場合は、S820にて確変フラグのみを1に設定し、リミッタカウンタをインクリメントする(S830)。続いて、リミッタカウンタが5か否かを判定し(S840)、肯定判定ならばS850にてリミッタフラグを1にして当処理を終了し、否定判定(S840:no)ならばそのまま当処理を終了する。
図18に戻る。確変口入球フラグが1ではない場合(S660:no)はS685に移行し、時短設定があるか否かを判定する。肯定判定なら時短回数を設定し(S687)、時短フラグを1に設定し(S690)、S693にてリミッタカウンタをゼロにする。このゼロはリミッタカウンタの初期値である。S693は、大当り遊技後に高確率状態にならないので小当りラッシュの連続発生が途切れた(そもそも小当りラッシュが発生していない場合を含む)ことに伴う処理である。S693の処理が終了するとS695に直行する。S685が否定判定された場合はそのままS693に移行する。S695では、大当り終了コマンドをサブ統合制御装置83に送信し、続くS698にて状態指定コマンドをサブ統合制御装置83に送信し、特別遊技処理を終了する。S645で大当り終了演出時間が経過していないと判定された場合も特別遊技処理を終了する。
図16で役物連続作動装置が作動していないと判定された場合(S500:no)には、図20に示す小当り遊技処理を実行する。本処理が起動すると、S705にて特別電動役物が作動中であるか判断し、作動中であれば、小当り開始演出中か否かを判定する(S710)。肯定判断の場合、小当り開始演出の時間が経過したか否かを判定し(S715)、肯定判断なら第2大入賞口20を開放(S720)して当処理を終了(リターン)する。なお、特別電動役物が作動中ではないと判定された場合(S705:no)、または小当り開始演出の時間が経過していないと判定された場合(S715:no)はそのまま当処理を終了する。
S710にて小当り開始演出中でないと判定された場合には、第2大入賞口20が開放中か否かを判定する(S725)。否定判定の場合、第2大入賞口20に1個以上入賞したか否かを判定する(S730)。これも否定判定なら第2大入賞口20の開放時間(ここでは2秒)が経過したか否かを判定し(S735)、肯定判断なら第2大入賞口20を閉鎖(S740)して当処理を終了する。S730が肯定判定された場合にはS740に直行し、S735が否定判定された場合には当処理を終了する。S725が否定判定された場合にはS750に移行し、特別電動役物の作動を停止させ、S755にて小当り終了コマンドをサブ統合制御装置83に送信して小当り遊技処理を終了する。
以上のように構成された遊技機によれば、連続して小当りラッシュが発生する回数が5回に制限されるので、遊技者に有利過ぎる状況となるのを回避でき、遊技店と遊技者の利益バランスを保つことができる。なお、遊技機には、役物(例えば第1大入賞口21や第2大入賞口20)が稼働することによって遊技者が得る賞球の、役物の稼働・非稼働を問わない全賞球に対する比率(役物比率)を7割以内にするという規則がある。連続して小当りラッシュが発生する回数が5回に制限することにより、運悪く、連続して何度も小当りラッシュが可能な状態に移行したことが理由で、規則違反となることも防止できる。また、当り図柄に対応してリミッタカウンタをインクリメントすると、確変口15に入球させ損ねた場合に小当りラッシュの連続回数を過剰(大当り遊技後に通常状態になるので本来はインクリメントすべきではない)にカウントする可能性があるが、大当り遊技が終了してからインクリメントを行なっているので、該連続回数を適切にカウントすることができる。
ここで本実施例の構成・状態と、本発明の構成要件との対応関係を示す。「大当り決定用乱数」が本発明の「数値データ」に相当し、S110及びS125の処理が本発明の「数値データ抽出手段」に相当し、S250の処理が本発明の「当否判定手段」に相当し、「特別遊技処理」が本発明の「大当り遊技実行手段」に相当し、「小当り遊技処理」が本発明の「小当り遊技実行手段」に相当し、S830の処理が本発明の「数値変更手段」に相当し、「第1始動口12」が本発明の「所定の始動口」に相当し、「第2始動口16」が本発明の「特定の始動口」に相当し、S820の処理が本発明の「確変状態移行手段」に相当し、S810の処理が本発明の「確変状態移行手段」と「入賞容易状態移行手段」を兼ねたものに相当し、S690の処理が本発明の「入賞容易状態移行手段」に相当し、S272の処理が本発明の「規制手段」に相当する。なお、S453の処理は高確率状態を終了させる処理であるが、当実施例では高確率状態の終了とともに非入賞容易状態も終了するので、S453の処理は実質的に本発明の「非入賞容易状態終了手段」に相当する。
[実施例2]
本発明の第2実施例について図22を用いて説明する。なお、本実施例は第1実施例と共通点が多いため、異なる点のみを重点的に説明する。
図22は第2実施例における遊技状態設定処理であり、第1実施例の図11に相当するものである。第2実施例の遊技状態設定処理では、小当りラッシュ中に8ラウンド特定時短有図柄で当った場合の処理が異なる。すなわち、8ラウンド特定時短有図柄で当ると、S270が否定判定され、S290に移行し、当り図柄は8ラウンド特定時短有図柄か否か(図では「確変かつ時短当り?」と表記))が行なわれる。8ラウンド特定時短有図柄で当るとS290は肯定判定されるので、リミッタフラグを0にすることも、リミッタカウンタをクリアすることもなく、大当り後の遊技状態を確変かつ時短に設定する。このようにすると、小当りラッシュ中に8ラウンド通常時短有図柄で当った場合は、第1実施例と同様、リミッタカウンタがクリアされるが、8ラウンド特定時短有図柄で当った場合には、リミッタカウンタがクリアされない。
ところで小当りラッシュ中に8ラウンド特定時短有図柄で当ると、該当りにより発生した大当り遊技の後に、高ベース且つ高確率の状態となる(小当りラッシュは不可)。この状態においては、持ち球が殆ど減ることなく、しかも高確率状態であるため次の大当りも発生しやすい。仮に該大当りが8ラウンド特定時短無図柄により発生すると、該大当りの終了後に再び小当りラッシュが可能な状態となる。第1実施例の遊技機によれば、先の小当りラッシュの終了時にリミッタカウンタがクリアされているので、更に連続で最高5回の小当りラッシュが発生する可能性がある。しかもこの小当りラッシュと、その前回の小当りラッシュの間は、前述の高ベース且つ高確率の状態であったため、実質的にリミッタを上回る回数の小当りラッシュが連続発生したに等しい賞球を遊技者に付与する可能性がある。
例えば、左打ちの状態から第1特図が8ラウンド特定時短無図柄で当り、該当りにより小当りラッシュが発生し、その後、3回連続で4ラウンド当りが発生したとする。この場合、初回を含め、4回連続で小当りラッシュが発生したことになり、リミッタカウンタの値は4となる。そして小当りラッシュが、8ラウンド特定時短有図柄で当ったことにより終了したとする。この場合、リミッタカウンタはS292(図11)でクリアされてゼロになる。そしてその8ラウンド大当りの後に発生した入賞容易状態において8ラウンド特定時短無図柄で当り、再び小当りラッシュが可能になると、そこから更に連続して5回の小当りラッシュが発生する可能性がある。これは実質的に最高9回連続で小当りラッシュが可能になることと等しく、リミッタの意味が減退する。
この点、第2実施例の遊技機によれば、小当りラッシュ中(とは限らないが)に8ラウンド特定時短有図柄で当った場合にはリミッタカウンタがクリアされないので、リミッタの上限値に近い出玉性能となる。前記例でいえば、小当りラッシュを終了させた当りの図柄が8ラウンド特定時短有図柄であるため、S290(図22)が肯定判定されてリミッタカウンタは4のままとなる。そしてその8ラウンド大当りの後に発生した入賞容易状態において8ラウンド特定時短無図柄で当ると、S800(図19)が否定判定されて到達するS830にてリミッタカウンタがインクリメントされて5となり、S840にてリミッタフラグが1となる。こうして発生した小当りラッシュおいて4ラウンド当りが発生すると、S272が肯定判定されて、S284にて遊技状態として通常確率かつ非入賞容易状態(ただし第2特図は変動短縮しない)が設定され、「小当りラッシュが連続して発生する回数は最高5回」が維持できる。
[他の実施例]
前記実施例とは各部の配置を異ならせても良い。例えば第1始動口11や第1始動口12を右打ち領域に配置したり、第2始動口16を左打ち領域に配置したりしても良い。なお、本実施例では遊技球を払出す構成であるが、入賞等に応じて発生した賞球を払い出さずに記憶する封入式の構成にしても良い。
また、前記実施例では第2特別図柄にはハズレが存在しなかったが、存在しても良い。この場合、例えば通常確率においては1/200の確率で当り、198/200の確率で小当りとなり、1/200の確率でハズレるとし、高確率においては1/50の確率で当り、48/50の確率で小当りとなり、1/50の確率でハズレ等と設定することが考えられる。また、第1特別図柄に小当りが存在してもよい。
リミッタカウンタは、S678にてインクリメントしていたが、初期値を上限値(前記実施例では5)とし、S678に相当する処理としてデクリメントし、S680においてリミッタカウンタがゼロになったらS683の処理を行なうようにしてもよい。この場合、S693、S282及びS292ではリミッタカウンタを初期化する(前記上限値にする)。また、前記実施例では前記インクリメントを、大当り遊技が終了すると行なっていたが、大当り遊技後の遊技状態(前記実施例では高確率かつ非時短状態)が実際に発生してから行なっても良い。また、確変口15を備えず、当り図柄によってのみ大当り遊技後の遊技状態が決定する構成とした場合には、該当り図柄が決定した際や、該当り図柄に対応する大当り遊技が発生してから行なっても良い。(デクリメントについても同様に様々なタイミングで行なうことが考えられる)。
リミッタフラグを1にするのも様々なタイミングが考えられる。前記実施例では、連続した5回目の小当りラッシュが可能となる大当りが終了するとリミッタフラグを1にしていた(S683)が、連続5回目の小当りラッシュにおいて更に大当りが発生する直前にリミッタフラグが1となるように構成しても良い。確変口15を備えず、当り図柄によってのみ大当り遊技後の遊技状態が決定する構成とした場合には、大当り遊技の開始時や、大当り図柄が決定した際にリミッタフラグを1にすることも考えられる。何れにせよ、該大当りの直後が必ず低確率かつ非入賞容易状態(ただし第2特図は非短縮変動状態)となるように構成することになる。
前記実施例では、何れもリミッタに到達した際には低確率かつ非入賞容易状態になったが、他の状態になってもよい。例えば、低確率かつ入賞容易状態になれば、リミッタに到達してしまった遊技者に入賞容易状態という救済を付与することができる。また、他の状態として高確率かつ非入賞容易状態(ただし第2特図は非短縮変動状態)になれば、付与されるはずだった高確率状態については奪われないことになるので、リミッタの作動に対する遊技者の不満を軽減できる可能性がある。或いは、他の状態として高確率かつ入賞容易状態になれば、前記不満の一層の軽減が期待できる。
第2実施例において低確率かつ入賞容易状態で当った場合には、リミッタカウンタをクリアしたが、該場合にも該クリアを行なわない仕様にしてもよい。該入賞容易状態は低確率であるものの、高ベースであるため、比較的有利に次回の大当りを狙うことができてしまう。クリアを行なわない仕様にすると、高確率であるか否かを問わず、小当りラッシュの終了後に発生した入賞容易状態の前後で、小当りラッシュの発生回数を合算して、該合算値が上限値(前記実施例では5)に到達しない遊技機とすることができる。なお、該遊技機においてリミッタカウンタがクリアされるのは、小当りラッシュにおいて特別図柄が100回変動した場合となる(S455の処理)。
前記実施例における小当りの開放パターンは、第2大入賞口20を最長2秒間、1回開放するものであったが、これ以外の開放パターンであっても良い。例えば、最長開放時間が2秒でなくてもよいし、複数回開放しても良い。また、第2大入賞口20を閉鎖することとなる規定入賞数は1個であったが、これ以外の個数であっても良い。なお、小当りで第2大入賞口20ではなく第1大入賞口21を開閉しても良い。大当り遊技の開放パターンも、特定のラウンド(例えば第1ラウンド)のみ第1大入賞口21を開放し、他のラウンドは第2大入賞口20を開放するようにしてもよい。
前記実施例における弾球遊技機はいずれも確変口15を備えたものであったが、当り図柄のみで高確率になるか否かが決定する遊技機に適用してもよい。また、第1大入賞口21の開放パターンで確変機能が作動するか否かが決まる構成で説明したが、他にも第1大入賞口21の開放時間は同一でもシャッター14の動きにより確変口15への入球を困難にしてもよい。その場合は第1大入賞口21への入球数に応じてシャッター14の動きを規定することが考えられる。他にも、クルーンなど複数の入球口を備えた振分装置を用いて所定の入球口に確変口15を備え、完全に遊技球の動きで確変機能を作動させる構成も考えられる。
前記実施例における弾球遊技機はいずれも特別図柄の保留が存在したが、第2特別図柄に関しては保留が存在しなくても良い。この場合には、図8のS115〜125を廃し、図13のS315において第2始動口16に入球したか否かを判定し、肯定判定ならS330にて、大当り決定用乱数等の乱数を抽出する(S315が否定判定なら特別遊技処理に移行する)ことが考えられる。