JP7017853B2 - セパレータ巻芯の洗浄方法、セパレータ捲回体、およびセパレータ捲回体の製造方法 - Google Patents

セパレータ巻芯の洗浄方法、セパレータ捲回体、およびセパレータ捲回体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、非水電解液二次電池用セパレータを捲回する際に用いられるセパレータ巻芯の洗浄方法、セパレータ捲回体、およびセパレータ捲回体の製造方法に関する。
特許文献1には、ローラーなどの搬送系によって搬送されながら連続して製造されるセパレータにおいて、製造されたセパレータが製品として供給される際に捲回されるセパレータ巻芯の一例が開示されている。製造されたセパレータは、セパレータ巻芯の外周面に捲回されたセパレータ捲回体として供給される。
特開2013-139340号公報(2013年7月18日公開)
セパレータが捲き出された使用後のセパレータ巻芯には、例えば導電性を有する異物などが付着している可能性がある。この異物が付着した状態のセパレータ巻芯をそのまま再使用した場合、セパレータ巻芯に捲回されるセパレータに異物が付着し、そのセパレータを用いて製造される非水電解液二次電池が短絡するなどの製品不良の原因になる。
本発明は、前記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、セパレータ巻芯を再使用した場合に生じるセパレータへの異物の付着を抑制することにある。
上記の課題を解決するために、本発明に係るセパレータ巻芯の洗浄方法は、非水電解液二次電池用セパレータを外周面に捲回するセパレータ巻芯の洗浄方法であって、前記セパレータ巻芯の端面に付着した異物を除去する端面洗浄工程を含むことを特徴としている。
セパレータ(非水電解液二次電池用セパレータ)が捲き出された使用後のセパレータ巻芯には、導電性を有する異物などが付着している可能性があり、この異物は、セパレータ巻芯の端面に特に付着しやすい。上記の方法では、端面洗浄工程にてセパレータ巻芯の端面に付着した異物を除去する。これにより、セパレータ巻芯の再使用時に、捲回されるセパレータに異物が付着することを抑制することができる。
したがって、上記の方法によれば、セパレータ巻芯を再使用した場合に生じるセパレータへの異物の付着を好適に抑制可能なパレータ巻芯の洗浄方法を実現することができる。
また、本発明に係るセパレータ巻芯の洗浄方法では、前記外周面に傷が生じているか否かを検査する凹凸検査工程をさらに含むことが好ましい。
セパレータ巻芯からセパレータを切り離す際にはカッターなどが用いられることがあるため、使用後のセパレータ巻芯の外周面に傷が生じている可能性がある。この傷が生じた状態のセパレータ巻芯をそのまま再使用した場合、当該傷の凹凸によって、セパレータ巻芯に捲回されるセパレータが損傷し、そのセパレータを用いて製造される非水電解液二次電池が短絡するなどの製品不良の原因になる。
上記の方法では、凹凸検査工程にてセパレータ巻芯の外周面に傷が生じているか否かを検査する。したがって、上記の構成によれば、外周面に傷が生じたセパレータ巻芯が、そのまま再使用されることを未然に防ぐことができるので、当該セパレータ巻芯に捲回されるセパレータが傷の凹凸によって損傷することを抑制することができる。
また、本発明に係るセパレータ巻芯の洗浄方法では、前記凹凸検査工程にて、前記外周面に前記傷が確認された場合に当該傷を修復する傷修復工程をさらに含むことが好ましい。
上記の方法によれば、傷修復工程にてセパレータ巻芯の外周面に生じた傷を除去することにより、セパレータ巻芯の再使用時に、当該傷の凹凸によってセパレータが損傷すること抑制することができる。
また、本発明に係るセパレータ巻芯の洗浄方法では、前記外周面に付着した異物を除去する外周面洗浄工程をさらに含むことが好ましい。
上記の方法によれば、外周面洗浄工程にてセパレータ巻芯の外周面に付着した異物を除去することにより、セパレータ巻芯の再使用時に、外周面に付着した異物がセパレータに付着することを抑制することができる。
また、本発明に係るセパレータ巻芯の洗浄方法では、前記セパレータ巻芯の全体を、繊維部材で払拭する全体洗浄工程をさらに含むことが好ましい。
上記の方法によれば、全体洗浄工程にてセパレータ巻芯の全体を、繊維部材で払拭することにより、セパレータ巻芯に付着した異物をより確実に除去することができる。
また、本発明に係るセパレータ巻芯の洗浄方法では、前記端面洗浄工程にて、前記端面に圧接部材を圧接させることが好ましい。
上記の方法によれば、例えばアルコールなどの溶剤を用いてセパレータ巻芯の端面を洗浄する場合に比べて、セパレータ巻芯の劣化を抑制することができる。
また、本発明に係るセパレータ巻芯の洗浄方法では、前記圧接部材は、シート状であることが好ましい。
上記の方法によれば、セパレータ巻芯の端面に付着した異物を、シート状の圧接部材で擦り落とすことで好適に除去することができる。
また、本発明に係るセパレータ巻芯の洗浄方法では、前記圧接部材に凹凸または複数の微孔が形成されていることが好ましい。
上記の方法によれば、シート状の圧接部材に凹凸または複数の微孔を形成することにより、シート状の圧接部材による払拭効果を向上させることができる。
また、本発明に係るセパレータ巻芯の洗浄方法では、前記端面洗浄工程にて、前記端面に加速された液体を衝突させることが好ましい。
上記の方法によれば、セパレータ巻芯の端面に付着した異物をより簡便に除去することができる。
また、本発明に係るセパレータ巻芯の洗浄方法では、前記端面洗浄工程にて、非プロトン性の溶剤で前記端面を処理することが好ましい。
上記の方法によれば、例えばアルコールを用いてセパレータ巻芯の端面を処理する方法に比べて、セパレータ巻芯の劣化を抑制することができる。
また、本発明に係るセパレータ巻芯の洗浄方法では、前記端面洗浄工程にて、水に界面活性剤を添加した液体で前記端面を処理することが好ましい。
上記の方法によれば、例えばアルコールを用いてセパレータ巻芯の端面を処理する方法に比べて、セパレータ巻芯の劣化を抑制することができる。
また、本発明に係るセパレータ巻芯の洗浄方法では、色温度が2500K以上7000K以下かつ特殊演色評価数R15が60以上である照明の下で、前記端面洗浄工程によって洗浄された前記セパレータ巻芯に付着した異物の有無を検査する異物検査工程を含むことが好ましい。
上記の方法によれば、セパレータ巻芯に付着した黒色の導電性物質や白色物質が十分目立つので、当該黒色の導電性物質や白色物質が異物としてセパレータ巻芯に付着している場合に、この異物を速やかに発見することが容易である。従って、上記の方法によれば、セパレータ巻芯の再利用に必要な検査工程の時間を短縮することが可能となる。
上記の課題を解決するために、本発明に係るセパレータ捲回体は、本発明に係る洗浄方法によって洗浄した前記セパレータ巻芯に、非水電解液二次電池用セパレータが捲回されてなることを特徴としている。
したがって、上記の構成によれば、セパレータ巻芯を再使用した場合に生じるセパレータへの異物の付着およびセパレータの損傷を抑制可能なセパレータ捲回体を実現することができる。
上記の課題を解決するために、本発明に係るセパレータ捲回体の製造方法は、本発明に係る洗浄方法によって洗浄した前記セパレータ巻芯に、非水電解液二次電池用セパレータを捲回する巻取工程を含むことを特徴としている。
したがって、上記の方法によれば、セパレータ巻芯を再使用した場合に生じるセパレータへの異物の付着およびセパレータの損傷を抑制可能なパレータ捲回体の製造方法を実現することができる。
本発明によれば、セパレータ巻芯を再使用した場合に生じるセパレータへの異物の付着を抑制可能なセパレータ巻芯の洗浄方法、セパレータ捲回体、およびセパレータ捲回体の製造方法を提供することができるという効果を奏する。
実施形態1のリチウムイオン二次電池の断面構成を示す模式図である。 図1に示されるリチウムイオン二次電池の各状態における様子を示す模式図である。 他の構成のリチウムイオン二次電池の各状態における様子を示す模式図である。 スリットされたセパレータをコアに捲回する巻取工程の一例を示す模式図である。 (a)は、耐熱セパレータを捲回するコアを示す側面図であり、(b)は、(a)に示されるコアにセパレータが捲回されたセパレータ捲回体の一例を示す側面図である。 使用後のコアの洗浄方法の概略を示すフロー図である。 図6に示されるラベル除去工程を説明するための模式図である。 図6に示される外周面洗浄工程を説明するための模式図である。 図6に示される端面洗浄工程を説明するための模式図である。 実施形態2のセパレータ捲回体の製造方法の概略を示すフロー図である。
〔実施形態1〕
以下、本発明の実施の一形態について、図1~9に基づいて説明すれば以下のとおりである。本実施形態では、非水電解液二次電池用セパレータを捲回する際に用いられるセパレータ巻芯の洗浄方法の一例について説明する。
ここで、本明細書における「洗浄」とは、セパレータ巻芯から異物を除去する作業を意味する。すなわち、本明細書における「洗浄」は、洗浄液を用いてセパレータ巻芯から異物を除去する作業に限定されず、セパレータ巻芯から異物を擦り落とすことによってセパレータ巻芯から異物を除去する作業や、セパレータ巻芯の払拭によってセパレータ巻芯から異物を除去する作業等、セパレータ巻芯から異物を除去する作業全般を含む。
まず、本実施形態に係るセパレータ巻芯に捲回される非水電解液二次電池用セパレータ(以下、セパレータと称する場合がある。)を備えるリチウムイオン二次電池(非水電解液二次電池)について説明する。
<リチウムイオン二次電池の構成>
リチウムイオン二次電池の構成について、図1~3に基づいて説明する。リチウムイオン二次電池に代表される非水電解液二次電池は、エネルギー密度が高く、それゆえ、現在、パーソナルコンピュータ、携帯電話、携帯情報端末などの機器、自動車、航空機などの移動体に用いる電池として、また、電力の安定供給に資する定置用電池として広く使用されている。
図1は、リチウムイオン二次電池1の断面構成を示す模式図である。図1に示されるように、リチウムイオン二次電池1は、カソード11と、セパレータ12と、アノード13とを備える。リチウムイオン二次電池1の外部において、カソード11とアノード13との間に、外部機器2が接続される。そして、リチウムイオン二次電池1の充電時には方向Aへ、放電時には方向Bへ、電子が移動する。
<セパレータ>
セパレータ12は、リチウムイオン二次電池1の正極であるカソード11と、その負極であるアノード13との間に、これらに挟持されるように配置される。セパレータ12は、カソード11とアノード13との間を分離しつつ、これらの間におけるリチウムイオンの移動を可能にする。セパレータ12は、その材料として、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィンなどが用いられる。
図2は、図1に示されるリチウムイオン二次電池1の各状態における様子を示す模式図である。図2の(a)は、通常の様子を示し、図2の(b)は、リチウムイオン二次電池1が昇温したときの様子を示し、図2の(c)は、リチウムイオン二次電池1が急激に昇温したときの様子を示す。
図2の(a)に示されるように、セパレータ12には、多数の孔Pが設けられている。通常、リチウムイオン二次電池1のリチウムイオン3は、孔Pを介し往来できる。
ここで、例えば、リチウムイオン二次電池1の過充電、または、外部機器2の短絡に起因する大電流などにより、リチウムイオン二次電池1は、昇温することがある。この場合、図2の(b)に示されるように、セパレータ12が融解または柔軟化し、孔Pが閉塞する。そして、セパレータ12は収縮する。これにより、リチウムイオン3の往来が停止するため、上述の昇温も停止する。
しかし、リチウムイオン二次電池1が急激に昇温する場合、セパレータ12は、急激に収縮する。この場合、図2の(c)に示されるように、セパレータ12は、破壊されることがある。そして、リチウムイオン3が、破壊されたセパレータ12から漏れ出すため、リチウムイオン3の往来は停止しない。ゆえに、昇温は継続する。
<耐熱セパレータ>
図3は、他の構成のリチウムイオン二次電池1の各状態における様子を示す模式図である。図3の(a)は、通常の様子を示し、図3の(b)は、リチウムイオン二次電池1が急激に昇温したときの様子を示す。
図3の(a)に示されるように、リチウムイオン二次電池1は、耐熱層4をさらに備えてよい。この耐熱層4は、セパレータ12に設けることができる。図3の(a)は、セパレータ12に、機能層としての耐熱層4が設けられた構成を示している。以下、セパレータ12に耐熱層4が設けられたフィルムを、機能層付セパレータの一例として、耐熱セパレータ12aとする。また、機能層付セパレータにおけるセパレータ12を、機能層に対して基材とする。
図3の(a)に示す構成では、耐熱層4は、セパレータ12のカソード11側の片面に積層されている。なお、耐熱層4は、セパレータ12のアノード13側の片面に積層されてもよいし、セパレータ12の両面に積層されてもよい。そして、耐熱層4にも、孔Pと同様の孔が設けられている。通常、リチウムイオン3は、孔Pと耐熱層4の孔とを介し往来する。耐熱層4は、その材料として、例えば全芳香族ポリアミド(アラミド樹脂)を含む。
図3の(b)に示されるように、リチウムイオン二次電池1が急激に昇温し、セパレータ12が融解または柔軟化しても、耐熱層4がセパレータ12を補助しているため、セパレータ12の形状は維持される。ゆえに、セパレータ12が融解または柔軟化し、孔Pが閉塞するにとどまる。これにより、リチウムイオン3の往来が停止するため、上述の過放電または過充電も停止する。このように、セパレータ12の破壊が抑制される。
<セパレータ・耐熱セパレータの製造工程>
リチウムイオン二次電池1のセパレータ12および耐熱セパレータ12aの製造は特に限定されるものではなく、公知の方法を利用して行うことができる。以下では、セパレータ12(耐熱セパレータ12a)の原料である多孔質フィルムがその材料として主にポリエチレンを含む場合を仮定して説明する。しかし、多孔質フィルムが他の材料を含む場合でも、同様の製造工程により、セパレータ12(耐熱セパレータ12a)を製造することができる。
例えば、熱可塑性樹脂に無機充填剤または可塑剤を加えてフィルム成形した後、該無機充填剤および該可塑剤を適当な溶媒で洗浄除去する方法が挙げられる。例えば、多孔質フィルムが、超高分子量ポリエチレンを含むポリエチレン樹脂から形成されてなるポリオレフィンセパレータである場合には、以下に示すような方法により製造することができる。
この方法は、(1)超高分子量ポリエチレンと、無機充填剤(例えば、炭酸カルシウム、シリカ)、または可塑剤(例えば、低分子量ポリオレフィン、流動パラフィン)とを混練してポリエチレン樹脂組成物を得る混練工程、(2)ポリエチレン樹脂組成物を用いてフィルムを成形する圧延工程、(3)工程(2)で得られたフィルム中から無機充填剤または可塑剤を除去する除去工程、および、(4)工程(3)で得られたフィルムを延伸して多孔質フィルムを得る延伸工程を含む。なお、前記工程(4)を、前記工程(2)と(3)との間で行うこともできる。
上記の除去工程によって、フィルム中に多数の微細孔が設けられる。また、上記の延伸工程によって延伸されたフィルムの微細孔は、上述の孔Pとなる。これにより、所定の厚さと透気度とを有するポリエチレン微多孔膜である多孔質フィルム(セパレータ12)が得られる。
なお、混練工程にて、超高分子量ポリエチレン100重量部と、重量平均分子量1万以下の低分子量ポリオレフィン5~200重量部と、無機充填剤100~400重量部とを混練してもよい。
また、上述のようにして得られたセパレータ12の表面に、機能層としての耐熱層4を積層することで、耐熱セパレータ12aを製造することができる。セパレータ12への機能層の積層は、セパレータ12に、機能層に対応する塗料(材料)を塗工し、乾燥させることで行われる。なお、耐熱セパレータ12aの製造については、実施形態2で説明するセパレータ捲回体の製造方法において詳細に記述する。
耐熱層4を有しないセパレータ12および耐熱セパレータ12aは(以下、セパレータと称する場合がある。)は、リチウムイオン二次電池1などの応用製品に適した幅(以下「製品幅」)であることが好ましい。しかし、生産性を上げるために、セパレータは、その幅が製品幅以上となるように製造される。そして、一旦製造された後に、セパレータは、製品幅に切断(スリット)されて、コア(セパレータ巻芯)に巻き取られる。
なお、「セパレータの幅」とは、セパレータが延びる平面に対し平行であり、かつ、セパレータの長手方向に対し垂直である方向の、セパレータの長さを意味する。以下では、スリットされる前の幅広のセパレータを「原反」と称する場合がある。また、スリットとは、セパレータを長手方向(製造におけるセパレータの流れ方向、MD:Machine direction)に沿って切断することを意味し、カットとは、セパレータを横断方向(TD:transverse direction)に沿って切断することを意味する。横断方向(TD)とは、セパレータが延びる平面に対し平行であり、かつ、セパレータの長手方向(MD)に対し略垂直である方向を意味する。
図4は、スリットされた耐熱セパレータ12aをコア5に捲回する巻取工程の一例を示す模式図である。図4に示されるように、MD方向に搬送される耐熱セパレータ12aの原反は、所定の製品幅にスリットされて、複数の耐熱セパレータ12aに分割される。複数の耐熱セパレータ12aは、それぞれ、円筒形状の各コア(セパレータ巻芯)5へ巻き取られる。なお、ロール状に巻き取られたセパレータ(セパレータ12または耐熱セパレータ12a)およびコア5の一体物をセパレータ捲回体6と称する。
<コアの構造>
次に、コア5の構成について、図5に基づいて説明する。図5の(a)は、本実施形態に係るコア5を示す側面図であり、図5の(b)は、図5の(a)に示されるコア5にセパレータが捲回されたセパレータ捲回体6の一例を示す側面図である。なお、図5の(b)では、コア5に耐熱セパレータ12aが捲回されたセパレータ捲回体6を例示している。
図5の(a)に示されるように、コア5は、外側円筒部材51、内側円筒部材52、および複数のリブ53を備える。内側円筒部材52は、外側円筒部材51の内側に設けられ、コア5を回転させる巻取ローラーなどの軸が嵌まる軸受として機能する。リブ53は、外側円筒部材51と内側円筒部材52との間に径方向に延び、両者と繋がる支持部材である。本実施形態では、リブ53は互いに均等に間隔をあけ、円周を8等分した位置に、外側円筒部材51と内側円筒部材52とに略垂直になるように、それぞれ配置されている。しかし、リブ53の個数や配置の間隔についてはこれに限られない。
なお、外側円筒部材51および内側円筒部材52との中心軸は略一致していることが好ましいが、これに限られない。さらに、外側円筒部材51および内側円筒部材52の厚みや幅、および半径などの寸法は、捲回するセパレータの種類などに応じて適宜設計が可能である。
コア5の材質は、ABS樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、および塩化ビニール樹脂のいずれかを含む樹脂を好適に採用できる。これによりコア5を、金型を利用した樹脂成型により製造することが可能となる。
図5の(b)に示されるように、製品幅にスリットされたセパレータ(図5の(b)では耐熱セパレータ12aを例示している。)は、コア5の外周面54(すなわち、外側円筒部材51の外周面)にロール状に巻き取られ、セパレータ捲回体6を構成する。
<コアの再使用時の問題点>
セパレータ捲回体6からセパレータが捲き出された使用後のコア5には、導電性を有する異物などが付着している可能性がある。この異物は、コア5の端面(すなわち、軸方向に互い対向するコア5の側面)55に特に付着しやすく、この異物が付着した状態のコア5をそのまま再使用した場合、コア5に捲回されるセパレータに異物が付着し、そのセパレータを用いて製造されるリチウムイオン二次電池1が短絡するなどの製品不良の原因になる。
また、コア5からセパレータを切り離す(カットする)際にはカッターなどが用いられることがあるため、コア5の外周面54に傷が生じている可能性がある。この傷が生じた状態のコアをそのまま再使用した場合、当該傷の凹凸によって、コア5に新たに捲回されるセパレータが損傷すると、そのセパレータを用いて製造されたリチウムイオン二次電池1が短絡するなどの製品不良の原因になる。
このように、使用後のコア5をそのまま再使用した場合、セパレータへの異物の付着およびセパレータの損傷が生じている可能性ある。そのため、本実施形態では、使用後のコア5を洗浄することにより、上述したセパレータへの異物の付着およびセパレータの損傷を抑制している。
<コアの洗浄方法>
図6は、使用後のコア5の洗浄方法の概略を示すフロー図である。このフローは、外観検査工程S1、ラベル除去工程S2、外周面洗浄工程S3、端面洗浄工程S4、異物検査工程Sa、凹凸検査工程S5、傷修復工程S6、および全体洗浄工程S7を含んでいる。以下、各工程S1~S7について、順に説明する。ただし、各工程の順序はこれに限られるものではない。
(外観検査工程)
外観検査工程S1は、使用後のコア5に欠陥が生じているか否かを検査する工程である。外観検査工程S1では、限度見本を基準にして、使用後のコア5に割れや欠けなどの欠陥が生じているか否かを目視により確認し、選別する。外観検査工程S1にて割れや欠けなどの欠陥が確認されなかったコア5は次工程へ送られる。
(ラベル除去工程)
ラベル除去工程S2は、コア5に貼付された、セパレータに関する製品情報などを表示するラベルを剥がす工程である。
図7は、ラベル除去工程S2を説明するための模式図である。図7に示されるように、通常、例えばコア5の内周面(すなわち、内側円筒部材52の内周面)56などに、コア5に捲回されるセパレータに関する製品情報を示すラベルLが貼付されている。そのため、ラベル除去工程S2では、巻き出し済みのセパレータに関する製品情報などを表示するラベルLを剥がし、コア5の内周面56を露出させる。
(外周面洗浄工程)
外周面洗浄工程S3は、コア5の外周面54を洗浄する工程である。使用後のコア5の外周面54には、例えば耐熱層4に含まれるアラミド樹脂などの異物が付着している可能性がある。そのため、外周面洗浄工程S3にて、コア5の外周面54に付着した異物を除去することが好ましい。
図8は、外周面洗浄工程S3を説明するための模式図である。図8に示されるように、外周面洗浄工程S3では、例えば、粘着性を有する粘着シート71を敷設し、当該粘着シート71にコア5の外周面54を当接させた状態で、コア5を往復回転させる。これにより、コア5の外周面54に付着した異物を粘着シート71に付着させて除去することができる。
(端面洗浄工程)
端面洗浄工程S4は、コア5の端面55を洗浄する工程である。使用後のコア5の端面55には、非水電解液二次電池(リチウムイオン二次電池1)の製造に使用される正極材(例えば、リチウム系合金など)および負極材(例えば、黒鉛系炭素材料など)などの異物が特に付着しやすい。そのため、端面洗浄工程S4にて、コア5の端面55に付着した異物を除去することが好ましい。
図9は、端面洗浄工程S4を説明するための模式図である。図9に示されるように、端面洗浄工程S4では、圧接シート(圧接部材)72を用いてコア5の端面55に付着した異物を擦り落とす。例えば、圧接シート72を敷設し、当該圧接シート72にコア5の端面55を圧接させた状態で、コア5を平行移動させる。この作業をコア5の双方の端面55に対して実施すことにより、コア5の端面55に付着した異物を圧接シート72によって擦り落とし、除去することができる。
圧接シート72としては、適度な弾性と摩擦抵抗とを有するシートを用いることが好ましい。圧接シート72として、例えば発泡塩化ビニルシートなどの発泡樹脂シートを好適に使用することができる。この圧接シート72の表面には、凹凸または複数の微孔が形成されていることが好ましい。これにより、圧接シート72による払拭効果を向上させることができる。
また、端面洗浄工程S4にて、コア5の端面55を溶剤に浸漬させるなどの処理を行った後、圧接シート72を用いてコア5の端面55に付着した異物を払拭してもよい。これにより、コア5の端面55の洗浄効果を向上させることができる。
使用する溶剤としては、非プロトン性の溶剤が好ましい。ABS樹脂などでコア5を構成した場合、溶剤としてアルコールを使用すると、コア5が劣化しやすい。そのため、溶剤として非プロトン性の溶剤を使用することにより、コア5の劣化を抑制しつつ、コア5の端面55の洗浄効果を向上させることができる。非プロトン性の溶剤としては、極性を持たない非極性の溶剤であることが好ましく、例えば炭化水素(デカンなど)を好適に使用することができる。このような非極性の溶剤は、コア5を劣化させ難いことに加えて揮発性があるため、洗浄後のコア5を乾燥する工程を必要としないので好ましい。
また、溶剤としては、水に界面活性剤を添加した液体を用いてもよい。この際、当該液体を40~90℃に加熱して使用すると洗浄効果が向上するため好ましく、50~70℃に加熱することがより好ましい。
なお、端面洗浄工程S4では、シート状の圧接部材(圧接シート72)を用いてコア5の端面55に付着した異物を払拭する方法に代えて、加速された液体をコア5の端面55に衝突させることで、当該端面55に付着した異物を洗い流す方法を採用してもよい。当該液体としては、上記の非プロトン性の溶剤、および水に界面活性剤を添加した液体などが挙げられ、好ましくは、水に界面活性剤を添加した液体が採用される。
(凹凸検査工程)
凹凸検査工程S5は、コア5の外周面54に傷が生じているか否かを検査する工程である。上述のとおり、コア5からセパレータを切り離す(カットする)際にはカッターなどが用いられるため、使用後のコ5の外周面54に傷が生じている可能性がある。そのため、凹凸検査工程S5にて、コア5の外周面54に傷が生じている否かを確認し、傷が確認された場合、次工程の傷修復工程S6にて傷を修復する。これにより、外周面54に傷が生じたコア5が、そのまま再使用されることを防ぐことができる。
(傷修復工程)
傷修復工程S6は、コア5の外周面54に生じた傷を修復する工程である。傷修復工程S6では、凹凸検査工程S5にて外周面54に傷が確認された場合、当該傷をスクレーパーなどで削ることにより、傷による外周面54の凹凸を低減させる。なお、凹凸検査工程S5にてコア5の外周面54に傷が確認されなかった場合、傷修復工程S6を省略してもよい。
(全体洗浄工程)
全体洗浄工程S7は、溶剤を含ませた布(繊維部材)などでコア5の全体を払拭する工程である。全体洗浄工程S7にて、コア5を構成する外側円筒部材51、内側円筒部材52、および複数のリブ53を払拭することにより、コア5の表面全体に付着した異物をより確実に除去することができる。
(異物検査工程)
異物検査工程Saは、端面洗浄工程S4によって洗浄されたコア5に付着した異物の有無を検査する工程である。異物検査工程Saは、色温度が2500K以上7000K以下かつ特殊演色評価数R15が60以上である照明の下で行う。当該照明は、LED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)であることが典型的であるが、蛍光灯または電球等であってもよい。
光源の演色性を評価するための指標として、JIS(日本工業規格)Z 8726:1990(光源の演色性評価方法)においては、平均演色評価数R1~R8および特殊演色評価数R9~R15が定められている。このうち、特殊演色評価数R15は、マンセル表色系において、色相(Hue)が1YR、明度(Value)が6、彩度(Chroma)が4と定義された色であり、「日本人の肌の色」として解説される。
異物検査工程Saによれば、コア5に付着した黒色の導電性物質や白色物質が十分目立つので、当該黒色の導電性物質や白色物質が異物としてコア5に付着している場合に、この異物を速やかに発見することが容易である。従って、異物検査工程Saによれば、コア5の再利用に必要な検査工程の時間を短縮することが可能となる。
表1には、端面洗浄工程S4によって洗浄されたコア5に付着した異物の有無を検査する工程において使用する照明の種類と、コア5に付着した汚れ(異物)の発見し易さとの関係を示している。
表1の作成においては、コア5として、マンセル表色系における色相が5Y、明度が9.0、彩度が2.0の白コア(5Y 9.0/2.0)、および同色相が5R、明度が4.0、彩度が12.0の赤コア(5R 4.0/12.0)について検証を行った。また、表1におけるコア5の汚れは、下記の要領により作成した。すなわち、まず、HB鉛筆(三菱鉛筆株式会社製、事務用鉛筆9800)から取出した芯(長さ10mm×太さ2mmΦ)を堅牢度摩擦試験機((株)東洋精機製作所D型)に、摩擦試験後に10mm幅の擦り跡ができるようにセットし、セットされた当該芯で荷重200gにてコア5のテストピース(幅15mm×長さ45mm×厚さ6mm、ABS製)の中央部分を長さ方向に10往復移動分擦った。続いて、当該芯を紙ワイパー(日本製紙クレシア株式会社製、キムワイプS-200、120mm×215mm)を二つ折りにしたものに置き換え、紙ワイパーにエタノール(1mL)を浸み込ませたのちに、当該コア5のテストピースを荷重200gにて1往復移動分擦った。残った当該芯の跡を、コア5の汚れとした。
以上の条件で作成した、コア5に付着した汚れの有無の検査を、表1に記載の色温度、特殊演色評価数R15、および明るさの組み合わせによって定義される照明の下で行った。当該組み合わせの違いを、それぞれ実施例1~実施例4、比較例1、および比較例2として表1に示している。そして、目視による視認性を、下記の判断基準で確認した。
汚れの存在が、明確に分かる:◎
汚れの存在が、よく見れば分かる:○
汚れの存在が、判別困難:△
汚れの存在が、ほぼ判別不能:×
Figure 0007017853000001
表1の実施例1~実施例4によれば、コア5に付着した汚れを判別するためには、色温度が2500K以上7000K以下であることが好ましいということが分かった。また、表1の実施例1~実施例4、および比較例1によれば、コア5に付着した汚れを判別するためには、特殊演色評価数R15が60以上であることが好ましいということが分かった。加えて、表1の実施例1~実施例4によれば、コア5に付着した汚れを判別するためには、特殊演色評価数R15が95以下であることが好ましく、特殊演色評価数R15が90以下であることがより好ましいということが分かった。
なお、図6においては、異物検査工程Saを、端面洗浄工程S4と凹凸検査工程S5との間に実施しているが、異物検査工程Saは、凹凸検査工程S5より後に実施されてもよい。具体的に、異物検査工程Saは、端面洗浄工程S4と凹凸検査工程S5との間、凹凸検査工程S5と傷修復工程S6との間、傷修復工程S6と全体洗浄工程S7との間、および全体洗浄工程S7の後、のうち、少なくとも1つのタイミングにて実施すればよい。
また、異物検査工程Saにおいて、コア5に付着した異物の有無は、目視で検査してもよいし、光学検査機等の機械で検査してもよい。
さらに、色温度が2500K以上7000K以下かつ特殊演色評価数R15が60以上(好ましくは95以下、より好ましくは90以下)である照明の下でコア5に付着した異物の有無を検査することは、異物検査工程Saへの適用に限定されない。すなわち、異物検査工程Saへの適用に限らず、当該検査によれば、黒色の導電性物質や白色物質が異物としてコア5に付着している場合に、この異物を速やかに発見することが容易である。換言すれば、色温度が2500K以上7000K以下かつ特殊演色評価数R15が60以上である照明の下で、コア5に付着した異物の有無を検査する工程を含むコア5の検査方法まで、本実施の形態の範疇に含まれる。
このように、本実施形態に係るコア5の洗浄方法は、コア5の端面55に付着した異物を除去する端面洗浄工程S4と、コア5の外周面54に傷が生じているか否かを検査する凹凸検査工程S5とを含んでいる。
本実施形態に係るコア5の洗浄方法では、端面洗浄工程S4にてコア5の端面55に付着した異物を除去する。これにより、コア5の再使用時に、捲回されるセパレータに異物が付着することを抑制することができる。
また、本実施形態に係るコア5の洗浄方法では、凹凸検査工程S5にてコア5の外周面54に傷が生じているか否かを検査する。これにより、外周面54に傷が生じたコア5が、そのまま再使用されることを未然に防ぐことができるので、当該コア5に捲回されるセパレータが傷の凹凸によって損傷することを抑制することができる。
したがって、本実施形態によれば、コア5を再使用した場合に生じるセパレータへの異物の付着およびセパレータの損傷を好適に抑制可能なコア5の洗浄方法を実現することができる。
〔実施形態2〕
本発明の他の実施の一形態について、図10に基づいて説明すれば以下のとおりである。本実施形態では、上記の実施形態で説明したセパレータ捲回体6の製造方法の一例について説明する。
<セパレータ捲回体の製造方法>
図10は、本実施形態に係るセパレータ捲回体6の製造方法の概略を示すフロー図である。コア5に捲回される耐熱セパレータ12aは、セパレータ12に機能層として耐熱層4が積層された構成である。耐熱セパレータ12aは、ローラーなどの搬送系によって搬送されるセパレータ12の原反を基材として、その表面に耐熱層4を形成し、製品幅にスリットすることにより得られる。
例示するフローは、耐熱層4の塗料として全芳香族ポリアミド(アラミド樹脂)を用い、それをセパレータ12の原反(以下、セパレータ原反と称する場合がある。)に積層する工程を含む。
具体的には、このフローは、第1検査工程S11、塗工工程S12、析出工程S13、洗浄工程S14、乾燥工程S15、第2検査工程S16、スリット工程S17、および巻取工程S18を含む。以下、各工程S11~S18について、順に説明する。
(第1検査工程)
第1検査工程S11は、耐熱セパレータ12aの基材となるセパレータ原反に欠陥が生じているか否かについて、次工程に先立ち検査を行う工程である。
(塗工工程)
塗工工程S12は、第1検査工程S11にて検査したセパレータ原反に耐熱層4の塗料(材料)を塗工する工程である。塗工工程S12では、セパレータ原反の一方の面のみに塗工を行ってもよいし、両面に塗工を行ってもよい。
例えば、塗工工程S12では、セパレータ原反に、耐熱層4用の塗料として、アラミド/NMP(N-メチル-ピロリドン)溶液を塗工する。なお、耐熱層4は上記アラミド耐熱層に限定されない。例えば、耐熱層4用の塗料として、アルミナ/カルボキシメチルセルロースなどのフィラーを含む混合液を塗工してもよい。
塗料をセパレータ原反に塗工する方法は、セパレータ原反を均一にウェットコーティングできる方法であれば特に限定はなく、種々の方法を採用することができる。
例えば、キャピラリーコート法、スリットダイコート法、スプレーコート法、ディップコート法、ロールコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、バーコーター法、グラビアコーター法、ダイコーター法などを採用することができる。
また、セパレータ原反に塗工される耐熱層4の塗料の膜厚は、塗工ウェット膜の厚み、および、塗工液の固形分濃度を調節することによって制御することができる。
(析出工程)
析出工程S13は、塗工工程S12にて塗工した塗料を固化させる工程である。塗料がアラミド塗料である場合には、例えば、塗工面に水蒸気を与え、湿度析出によりアラミドを固化させる。
(洗浄工程)
洗浄工程S14は、析出工程S13にて塗料を固化したセパレータ原反(以下、耐熱セパレータ原反と称する場合がある。)を洗浄する工程である。耐熱層4がアラミド耐熱層である場合には、洗浄液として、例えば、水、水系溶液、アルコール系溶液が好適に用いられる。
なお、洗浄工程S14は、洗浄効果を高めるために、複数回の洗浄を行う多段洗浄であってもよい。
また、洗浄工程S14の後、洗浄工程S14で洗浄した耐熱セパレータ原反を水切りする水切り工程を行ってもよい。水切りの目的は、次工程の乾燥工程S15に入る前に、耐熱セパレータ原反に付着した水などを取り除き、乾燥を容易にし、また乾燥不足を防止することにある。
(乾燥工程)
乾燥工程S15は、洗浄工程S14にて洗浄した耐熱セパレータ原反を乾燥させる工程である。乾燥の方法は、特には限定されず、例えば、加熱されたロールに耐熱セパレータ原反を接触させる方法や、耐熱セパレータ原反に熱風を吹き付ける方法など、種々の方法を用いることができる。
(第2検査工程)
第2検査工程S16は、乾燥工程S15にて乾燥させた耐熱セパレータ原反を検査する工程である。この検査を行う際、欠陥箇所を適宜マーキングすることで、耐熱セパレータ原反に欠陥が混入することを効果的に抑制することができる。
(スリット工程)
スリット工程S17は、第2検査工程S16にて検査した耐熱セパレータ原反を、所定の製品幅にスリット(切断)する工程である。具体的には、スリット工程S17では、耐熱セパレータ原反をリチウムイオン二次電池1などの応用製品に適した幅である製品幅にスリットする。
上述のとおり、生産性を上げるために、通常、耐熱セパレータ原反は、その幅が製品幅以上となるように製造される。そのため、スリット工程S17にて耐熱セパレータ原反を製品幅にスリットすることにより、耐熱セパレータ12aが得られる。
(巻取工程)
巻取工程S18は、スリット工程S17にて製品幅にスリットされた耐熱セパレータ12aを円筒形状のコア5に巻き取る工程である。本実施形態では、コア5は、上記の実施形態で説明した洗浄方法によって洗浄したものを再使用している。そのため、使用後のコア5を洗浄せずにそのまま再使用した場合に生じる耐熱セパレータ12aへの異物の付着および耐熱セパレータ12aの損傷を抑制することができる。その結果、耐熱セパレータ12aを用いて製造されるリチウムイオン二次電池1に短絡するなどの製品不良が発生することを防ぐことができる。
このように、本実施形態に係るセパレータ捲回体6の製造方法は、上記の実施形態に係る洗浄方法によって洗浄したコア5に、耐熱セパレータ12aを捲回する巻取工程S18を含んでいる。
したがって、本実施形態によれば、コア5を再使用した場合に生じる耐熱セパレータ12aへの異物の付着および耐熱セパレータ12aの損傷を抑制可能なセパレータ捲回体6を製造することができる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
1 リチウムイオン二次電池(非水電解液二次電池)
5 コア(セパレータ巻芯)
6 セパレータ捲回体
12 セパレータ
12a 耐熱セパレータ(セパレータ)
54 外周面
55 端面
72 圧接シート(圧接部材)
S3 外周面洗浄工程
S4 端面洗浄工程
S5 凹凸検査工程
S6 傷修復工程
S7 全体洗浄工程
S18 巻取工程

Claims (8)

  1. 非水電解液二次電池用セパレータを外周面に捲回するセパレータ巻芯の洗浄方法であって、
    前記セパレータ巻芯の端面に付着した異物を除去する端面洗浄工程を含み、
    前記外周面に傷が生じているか否かを検査する凹凸検査工程をさらに含み、
    色温度が2500K以上7000K以下かつ特殊演色評価数R15が60以上である照明の下で、前記端面洗浄工程によって洗浄された前記セパレータ巻芯に付着した異物の有無を検査する異物検査工程を含むセパレータ巻芯の洗浄方法。
  2. 前記凹凸検査工程にて、前記外周面に前記傷が確認された場合に当該傷を修復する傷修復工程をさらに含む請求項に記載のセパレータ巻芯の洗浄方法。
  3. 前記端面洗浄工程にて、前記端面に圧接部材を圧接させる請求項1または2に記載のセパレータ巻芯の洗浄方法。
  4. 前記圧接部材は、シート状である請求項に記載のセパレータ巻芯の洗浄方法。
  5. 前記圧接部材に凹凸または複数の微孔が形成されている請求項に記載のセパレータ巻芯の洗浄方法。
  6. 前記端面洗浄工程にて、前記端面に加速された液体を衝突させる請求項1または2に記載のセパレータ巻芯の洗浄方法。
  7. 前記端面洗浄工程にて、非プロトン性の溶剤で前記端面を処理する請求項1からのいずれか1項に記載のセパレータ巻芯の洗浄方法。
  8. 前記端面洗浄工程にて、水に界面活性剤を添加した液体で前記端面を処理する請求項1からのいずれか1項に記載のセパレータ巻芯の洗浄方法。
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