JP7017169B2 - 溶媒中の微粒子除去装置 - Google Patents

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Description

本発明は、機械部品や電子部品の製造及び洗浄工程、あるいは化学合成のために用いられる溶媒中の微粒子を除去する装置に関するものである。
半導体製造プロセス等において使用される超純水の製造・供給システムは、サブシステムの末端に微粒子除去用のクロスフロー型の限外濾過膜(UF膜)装置を設置し、水回収率90~99%で運転することで、ナノメートルサイズの微粒子の除去を行っている。また、半導体・電子材料洗浄用の洗浄機直前には、ユースポイントポリッシャーとして、ミニサブシステムを設置し、最終段に微粒子除去用のUF膜装置を設置したり、ユースポイントにおける洗浄機内のノズル直前に微粒子除去用のUF膜を設置し、より小さいサイズの微粒子を高度に除去することも検討されている。
近年、半導体製造プロセスの発展により、水中の微粒子管理が益々厳しくなってきており、例えば、国際半導体技術ロードマップ(ITRS:International Technology Roadmap for Semiconductors)では、2019年には、粒子径>11.9nmの保証値として、<1000個/Lとすることが求められている。
一方、溶媒中の微粒子除去については、上記超純水のように、明確な微粒子管理は設定されていない。しかし、半導体構造の微細化に伴って、パターン倒壊を防ぐために、表面張力の小さな溶媒がウエハ洗浄時に用いられるようになってきており、その結果として、溶媒中の微粒子等の除去ニーズは高まってきている。
従来、超純水製造装置において、水中の微粒子などの不純物を高度に除去して純度を高めるための技術として、次のような提案がなされている。
特許文献1には、超純水供給装置を構成する前処理装置、一次純水装置、二次純水装置(サブシステム)または回収装置のいずれかに膜分離手段を設け、その後段にアミン溶出の低減処理を施した逆浸透膜を配置することが記載されている。逆浸透膜により微粒子を除去することも可能であるが、以下のことから、逆浸透膜を設けるのは好ましくない。即ち、逆浸透膜を運転するためには、給水を昇圧しなければならず、透過水量も0.75MPaの圧力で、1m/m/day程度と少ない。一方、UF膜を使用している現行システムでは、0.1MPaの圧力で、7m/m/dayと50倍以上の水量があり、逆浸透膜でUF膜に匹敵する水量をまかなうためには膨大な膜面積が必要となる。また、昇圧ポンプを駆動することにより、新たな微粒子や金属類が発生する等のリスクが生じる。
特許文献2には、超純水ラインのUF膜の後段にアニオン官能基を有する機能性材料または逆浸透膜を配置することが記載されているが、このアニオン官能基を有する機能性材料または逆浸透膜は、アミン類の低減が目的であり、本発明で除去対象とする粒子径数十nm以下の微粒子の除去には適さない。また、逆浸透膜を配置することは、上記特許文献1と同様に好ましくない。
特許文献3にも、サブシステムにおいて、最終段のUF膜装置の前に逆浸透膜装置を設けることが記載されているが、上記特許文献1と同様の問題がある。
特許文献4には、超純水製造ラインに使用する膜モジュールにプレフィルターを内蔵させて粒子を除去することが記載されているが、粒子径0.01mm以上の粒子の除去が目的であり、本発明で除去対象とする粒子径数十nm以下の微粒子の除去を行うことはできない。
特許文献5には、電気脱イオン装置の処理水を、イオン交換基で修飾していない濾過膜を有したUF膜濾過装置で濾過処理した後、イオン交換基で修飾したMF膜を有した膜濾過装置処理することが記載されているが、イオン交換基としては、スルホン酸基やイミノジ酢酸基といったカチオン交換基が例示されているのみである。イオン交換基の定義には、アニオン交換基も含まれるがその種別や除去対象に関する記載はない。
特許文献6には、サブシステムにおけるUF膜装置の後段にアニオン吸着膜装置を配置することが記載され、除去対象をシリカとした実験結果が報告されているが、アニオン交換基の種類や微粒子のサイズに関しては記載がない。イオン状シリカを除去する場合には強アニオン交換基が必要であることが一般的に知られている(ダイヤイオン1イオン交換樹脂・合成吸着材マニュアル、三菱化学株式会社、p15)ことから、特許文献5でも強アニオン交換基を有する膜が使用されていると考えられる。
上記特許文献1~6は、いずれも超純水中の微粒子除去であるのに対して、特許文献7には、1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基、及び4級アンモニウム塩からなる群から選ばれる1つ以上の官能基を含み、かつ、陰イオン交換容量が0.01~10ミリ当量/gであるポリケトン多孔膜が記載されており、このポリケトン多孔膜は、半導体・電子部品製造、バイオ医薬品分野、ケミカル分野、食品工業分野の製造プロセスにおいて、微粒子、ゲル、ウイルスなどの不純物を効率的に除去することができることが記載されている。また、10nm微粒子や多孔膜の孔径未満のアニオン粒子の除去が可能であることを示唆する記載もある。また、特許文献8には、微粒子除去のための官能基としては、1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基が適していると書かれているが、これら特許文献7、8は、溶媒中の微粒子除去については言及しておらず、さらには溶媒に超純水を添加することで効率的に微粒子が除去できることは言及していない。
特許第3906684号公報 特許第4508469号公報 特開平5-138167号公報 特許第3059238号公報 特開2004-283710号公報 特開平10-216721号公報 特開2014-173013号公報 特開2016-155052号公報
電子部品の製造及び洗浄工程のみならず、機械部品の製造及び洗浄工程、あるいは化学合成においても、製品の歩留まり向上のため、溶媒中の不純物、特に微粒子を除去することが求められている。
しかしながら、従来、超純水製造装置において、水中の微粒子を高度に除去して純度を高めるための技術については、上記の通り、種々提案がなされているものの、溶媒中の微粒子を超純水要求レベルまで高度に除去する技術については提案がなされていない。
本発明は、溶媒中の微粒子を安定かつ効率的に高度に除去することができる溶媒中の微粒子除去装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、従来、超純水等の液中の微粒子の除去に用いられている、荷電性官能基を有する微粒子吸着材は、溶媒中においても、当該荷電性官能基と逆の荷電性の微粒子を吸着することができること、しかし、その効果は、水中と比べて低く、荷電性官能基の状態によっては微粒子除去能を発揮し得ない場合があること、この微粒子吸着材に常時あるいは間欠的に純水を接触させて微粒子吸着材の含水率を所定値以上に保つことによって、溶媒中でも微粒子除去能を十分に発揮し得ること、を見出した。
本発明はこのような知見に基づいて達成されたものであり、以下を要旨とする。
[1] 微粒子を含む溶媒から微粒子を除去する装置であって、荷電性官能基を有する微粒子吸着材が充填された微粒子除去フィルターと、該微粒子除去フィルターに溶媒を供給する溶媒ラインと、該微粒子除去フィルターに純水を供給する純水ラインと、該微粒子除去フィルターへの溶媒の供給と純水の供給とを切り替える切替手段とを有する溶媒中の微粒子除去装置。
[2] 微粒子を含む溶媒から微粒子を除去する装置であって、荷電性官能基を有する微粒子吸着材が充填された微粒子除去フィルターと、該微粒子除去フィルターに溶媒を供給する溶媒ラインと、該溶媒ラインに連続的又は間欠的に純水を供給する純水ラインとを有する溶媒中の微粒子除去装置。
[3] [1]又は[2]において、前記溶媒が、電子部品製造工程で使用される有機溶媒であり、前記微粒子がシリカ微粒子であることを特徴とする溶媒中の微粒子除去装置。
本発明によれば、荷電性官能基を有する微粒子吸着材により、溶媒中の微粒子を安定かつ効率的に、高度に除去することができる。
本発明によれば、機械部品や電子部品の製造及び洗浄工程、あるいは化学合成のために用いられる溶媒中の微粒子を安定して高度に除去することで、製品歩留りや収率等を向上させることができる。
本発明の溶媒中の微粒子除去装置の実施の形態の一例を示す系統図である。 本発明の溶媒中の微粒子除去装置の実施の形態の他の例を示す系統図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
[メカニズム]
荷電性官能基を有する微粒子吸着材の荷電性官能基が溶媒中で微粒子除去能を発揮するためには、荷電性官能基を有する吸着材が一定以上の含水率を有している必要がある。本発明の溶媒中の微粒子除去装置は、溶媒を供給するラインと純水を供給するラインが切り替わるようになっているか、あるいは、溶媒を供給するラインに純水を供給するラインが合流して、常時あるいは間欠的に純水を含んだ溶媒が吸着材に供給されるようになっているため、吸着剤を常に一定以上の含水率に保つことができる。
このようにすることで、本発明では、荷電性官能基を有する微粒子吸着材の含水率を3%(質量%)以上に保つことができ、微粒子除去率30%(質量%)以上を維持することができる。
[溶媒中の微粒子除去装置]
本発明の溶媒中の微粒子除去装置は、荷電性官能基を有する微粒子吸着材を充填した微粒子除去フィルターに溶媒を供給する溶媒ラインと純水を供給する純水ラインとを有し、微粒子除去フィルターへの溶媒ラインと純水ラインが切り替わるものであっても、溶媒ラインに純水ラインが合流するものであっても良い。あるいはこれらの両方を備えたものであっても良い。
図1は、微粒子除去フィルターへの溶媒ラインと純水ラインが切り替わるタイプの微粒子除去装置を示すものであり、荷電性官能基を有する微粒子吸着材が充填された微粒子除去フィルター1と、この微粒子除去フィルター1に溶媒を供給する溶媒ライン2と、微粒子除去フィルター1で微粒子が除去された処理溶媒を微粒子除去フィルター1から使用場所へ送給するための供給ライン3と、微粒子除去フィルター1に純水を供給する純水ライン4と、微粒子除去フィルター1からの排出液を系外へ排出する廃棄ライン5とを備える。
図1の微粒子除去装置は、溶媒ライン2による溶媒の通液と、純水ライン4による純水の通水とを、図示しない切替手段により切り替えることができるように構成されている。
この微粒子除去装置では、まず、微粒子除去フィルター1への溶媒の通液に先立ち、微粒子除去フィルター1に純水ライン4より純水を通水して微粒子除去フィルター1内の荷電性官能基を有する微粒子吸着材を湿潤させる。この純水通水時の排出液は廃棄ライン5より系外へ排出する。所定時間あるいは所定量の純水を通水して、微粒子除去フィルター1内の荷電性官能基を有する微粒子吸着材を湿潤させた後は、バルブ等の切替手段により流路を切り替え、純水の通水を停止して、溶媒ライン2より溶媒の通液を開始し、溶媒中の微粒子を微粒子除去フィルター1で除去し、微粒子を除去した処理溶媒を供給ライン3を経て使用場所へ送給する。
溶媒の処理中に微粒子除去フィルター1内の荷電性官能基を有する微粒子吸着材の含水率が下がり、微粒子除去能が低下したときには、再度、純水通水への切り替え、その後の溶媒通液を行って荷電性官能基を有する微粒子吸着材の含水率を高め、微粒子除去能を回復させるようにすることもできる。
図2は、溶媒ラインに純水ラインが合流するタイプの微粒子除去装置を示すものであり、図2の微粒子除去装置は、溶媒ライン2を流れる溶媒に純水ライン4から純水を注入し、混合器6で混合した後、溶媒と純水の混合液を混合液ライン7より微粒子除去フィルター1に通液できるように構成されている。その他の構成は図1に示す微粒子除去装置と同様であり、同一機能を奏する部材に同一符号を付してある。
混合器6としては溶媒と純水とを十分に混合できるものであれば、特に制限はない。純水と親和性のある溶媒の場合は混合器6を省略することができる。
なお、図2の微粒子除去装置に図1の純水ライン4と同様、微粒子除去フィルター1に直接純水を供給する純水ラインを設け、溶媒と純水との切り替え、溶媒と純水の混合液の通液、あるいは溶媒と純水の混合液と純水との切り替えができるように構成しても良い。
いずれの場合であっても、微粒子除去フィルター1内の荷電性官能基を有する微粒子吸着材の含水率が3%以上、好ましくは10~90%となるように溶媒と純水との切り替えや溶媒への純水の混合を行うことで、溶媒中の微粒子を安定かつ効率的に、高度に除去することができる。
[荷電性官能基を有する微粒子吸着材]
本発明において、溶媒中の微粒子の除去に用いる荷電性官能基を有する微粒子吸着材は、カチオン交換基、アニオン交換基等の荷電性官能基が付与されたポリマーよりなることが好ましい。
吸着材を構成するポリマーとしては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイドなどのポリエーテル、PTFE、CTFE、PFA、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)などのフッ素樹脂、ポリ塩化ビニルなどのハロゲン化ポリオレフィン、ナイロン-6、ナイロン-66などのポリアミド、ユリア樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリスチレン、セルロース、酢酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエーテルケトン、ポリエーテルケトンケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリベンゾイミダゾール、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリアクリルニトリル、ポリエーテルニトリル、ポリビニルアルコールおよびこれらの共重合体などの素材が使用できるが、この限りではない。また、1種類の素材に限定されることはなく、必要に応じて1種又は2種以上の種々の素材を選択できる。ただし、処理する溶媒に耐性を有することが必要である。
本発明で用いる荷電性官能基を有する微粒子吸着材の吸着材の形状としては、多孔質の膜状(平膜、中空糸膜)、粒子状、繊維(糸)状等が挙げられる。平膜状の吸着材は折り畳んでプリーツ形状にしても良く、糸状の吸着材は巻き回して糸巻きフィルターにしても良い。
荷電性官能基としては、スルホン酸基、リン酸基、ホスホン酸基、ホスフィン酸基、カルボキシル基、4級アンモニウム基、1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基、ピリジン基などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの荷電性官能基はH型、OH型だけではなく、Naなどの塩型であっても良い。
本発明では、これらの荷電性官能基の1種のみが付与された吸着材を用いてもよく、2種以上が導入された吸着材を使用しても良いし、それぞれ異なった荷電性官能基が導入された吸着材を複数種用いて、異なる荷電性官能基をもつ複合吸着材としても良い。
ポリマーへの荷電性官能基の導入方法はポリマー材質によって異なり、適当な導入方法を選択する。例えば、ポリスチレンの場合、硫酸溶液中にパラホルムアルデヒドを適量添加し、加熱架橋することで、スルホン酸基の導入が可能である。ポリビニルアルコールの場合は、水酸基に、トリアルコキシシラン基やトリクロロロシラン基、あるいはエポキシ基などを作用させることなどにより、荷電性官能基を導入することができる。材質によって直接荷電性官能基を導入できない場合は、まず、スチレンなどの反応性の高いモノマー(反応性モノマーと呼ぶ)を導入した上で、荷電性官能基を導入するといったような、2段階以上の導入操作を経て、目的とする荷電性官能基を導入しても良い。これらの反応性モノマーとしては、グリシジルメタクリレート、スチレン、クロロメチルスチレン、アクロレイン、ビニルピリジン、アクリロニトリルなどがあるが、この限りではない。繊維状の吸着材の場合、荷電性官能基は、ナノファイバ化する前に導入されていても良いが、繊維を集束する際に、イオン交換能を有する高分子や樹脂を溶解あるいは微粉砕したものを、塗布したり、混練したり、化学反応によって結合させたりすることによって、荷電性官能基を導入しても良い。
[溶媒]
本発明における微粒子除去対象となる溶媒としては特に制限はないが、例えば、電子部品製造工程で使用される有機溶媒が挙げられる。具体的には、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール(IPA)などのアルコール類;メチレンクロライド、クロロホルム、四塩化炭素、トリクロルエチレン、パクロルエチレン、1,1,1-トリクロルエタン、フロン113、クロルベンゼン、o-、m-、p-ジクロルベンゼン、o-、m-、p-ジクロルベンゼン、o-、m-、p-クロルトルエンなどのハロゲン化炭化水素;エチルエーテルなどのエーテル類;ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類;酢酸エチル、n-プロピル、iso-プロピル、n-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチルなどの酢酸エステル類;N-メチル-2-ピロリドン(NMP);などが挙げられる。
なお、被処理溶媒は、これらの有機溶媒の2種以上の混合溶媒であっても良い。
本発明は、特に、イソプロピルアルコール(IPA)、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)など、半導体製造プロセスで使用される有機溶媒の処理に好適である。
本発明の効果を有効に得る上で、これらの溶媒は、通常含水率30質量%以下、好ましくは0~10質量%で、本発明を適用しないと、荷電性官能基を有する微粒子吸着材による微粒子除去能を十分に得ることができないものである。
[微粒子]
本発明で除去対象とする溶媒中の微粒子としては特に制限はなく、各種の無機又は有機物微粒子、特に負又は正の荷電を有する微粒子が挙げられる。
これらの微粒子の粒径についても特に制限はないが、本発明で用いる荷電性官能基を有する微粒子吸着材による微粒子除去効果を有効に発揮する観点から、粒径5~30nm程度、好ましくは5~20nm程度の極微小粒子が好ましい。ここで、粒径とは動的散乱光計により測定される平均粒径をさす。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
以下の実施例及び比較例では、図1又は図2に示す溶媒中の微粒子除去装置に、以下の微粒子除去フィルターI,IIをそれぞれ設置したものを用いた。以下の微粒子除去フィルターI,IIは、いずれも使用前に110℃で24時間乾燥させて水分を除去した。この乾燥処理後の吸着材の含水率は、製品仕様より0%であることを確認した。
微粒子除去フィルターI:環境浄化研究所製イオン交換繊維DMAEMAフィルター
微粒子除去フィルターII:株式会社アストム製アニオン交換膜AHA(強塩基性Cl型)充填フィルター
また、試験液(被処理液)としては、イソプロピルアルコール(関東化学社製電子工業用IPA)にシリカ微粒子(コアフロント社製sicastar:粒径30nm)を50mg/L添加したものを用いた。
また、純水としては、栗田工業(株)製 超純水(比抵抗18.2MΩ・cm以上)を用いた。
IPA中のシリカ微粒子の含有量(シリカ濃度)は、モリブデン吸光光度法によって測定し、下記式によりシリカ除去率を算出した。
シリカ除去率(%)={(試験液のシリカ濃度-フィルター流出液のシリカ濃度)/試験液のシリカ濃度}×100
[比較例1]
図1の微粒子除去装置を用い、乾燥処理した微粒子除去フィルターI又は微粒子除去フィルターIIに、溶媒ライン2からそれぞれ試験液を1L/minの流量で通液させ、各フィルター1の流出液をサンプリングしてシリカ濃度を測定し、シリカ除去率を求めた。結果を表1に示す。
[実施例1]
図1の微粒子除去装置を用い、乾燥処理した微粒子除去フィルターI又は微粒子除去フィルターIIにそれぞれ純水ライン4から超純水を5L/minの流量で30分間通水を続け、フィルター1内の吸着材を湿潤させた後、超純水の供給を止めた。その後、フィルター1内の純水を廃棄ライン5より排出した後、溶媒ライン2から試験液を1L/minの流量で通液させ、各フィルター1の流出液をサンプリングしてシリカ濃度を測定し、シリカ除去率を求めた。
別に、上記と同様に乾燥処理した微粒子除去フィルターI,IIにそれぞれ超純水を5L/minの流量で30分間通水した後、フィルター1から湿潤させた吸着材を取り出し、この超純水通水前後の吸着材重量から吸着材の含水率を下記式により算出した。
吸着材含水率(%)={(通水後の吸着材重量-通水前の吸着材重量)/(通水前の吸着材重量)}×100
これらの結果を表1に示す。
Figure 0007017169000001
表1より、処理に先立ち、超純水を通水させて吸着材を湿潤させることにより、IPA中のシリカ微粒子の除去率を格段に高めることができることが分かる。
[実施例2]
図2の装置により、微粒子除去フィルターIを用い、試験液を溶媒ライン2から1L/minの流量で通液させながら、純水ライン4より超純水を1L/minの流量で供給し、混合器6でIPAと超純水を混合し、混合液を微粒子除去フィルター1に通液した。このフィルター1の流出液をサンプリングしてシリカ濃度を測定し、シリカ除去率を算出したところ、シリカ除去率は86%であった。
以上より、荷電性官能基を有する微粒子吸着材を純水でコンディショニングする、もしくは溶媒中に純水を添加することにより、溶媒中の微粒子の除去能を向上させることができることわかる。
なお、ここでの流量や微粒子濃度などの設定値は、本発明の効果を示すために実施した例であり、本発明の実施は、この方法に限定されない。
1 微粒子除去フィルター
2 溶媒ライン
3 供給ライン
4 純水ライン
6 混合器

Claims (3)

  1. 微粒子を含む溶媒から微粒子を除去する装置であって、
    荷電性官能基を有する微粒子吸着材が充填された微粒子除去フィルターと、
    該微粒子除去フィルターに溶媒を供給する溶媒ラインと、
    該微粒子除去フィルターに純水を供給する純水ラインと、
    該微粒子除去フィルター内の該荷電性官能基を有する微粒子吸着材の含水率が3%以上となるように、該微粒子除去フィルターへの溶媒の供給と純水の供給とを切り替える切替手段とを有する溶媒中の微粒子除去装置。
  2. 微粒子を含む溶媒から微粒子を除去する装置であって、
    荷電性官能基を有する微粒子吸着材が充填された微粒子除去フィルターと、
    該微粒子除去フィルターに溶媒を供給する溶媒ラインと、
    該溶媒ラインに連続的又は間欠的に純水を供給する純水ラインとを有する溶媒中の微粒子除去装置。
  3. 請求項1又は2において、前記溶媒が、電子部品製造工程で使用される有機溶媒であり、前記微粒子がシリカ微粒子であることを特徴とする溶媒中の微粒子除去装置。
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