JP7017082B2 - 車両用電源システム - Google Patents

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Description

本明細書が開示する技術は、車両用電源システムに関する。特に、走行用モータのための高電圧電源と、補機のための低電圧電源を備えた車両用電源システムに関する。
電気自動車(燃料電池車とハイブリッド車を含む)は、走行用モータのための高電圧電源(主電源)と、補機のための低電圧電源(補機電源)を備えている。「補機」とは、走行用モータの電圧よりも低い電圧で動作する車載機器であって、動作電圧が概ね50ボルト以下の車載機器の総称である。走行用モータの駆動電圧は100ボルトよりも大きく、主電源の出力電圧は100ボルトを超える。即ち、補機電源の出力電圧は主電源の出力電圧よりも低い。主電源の典型は、リチウムイオンバッテリや燃料電池である。補機電源には、再充電可能な二次電池が採用される。補機電源の典型は鉛バッテリである。特許文献1に、そのような電源システムが例示されている。
主電源は、システムメインリレ-を介して電力変換器に接続されている。電力変換器は、主電源の電力を走行用モータの駆動電力に変換するデバイスである。電力変換器は、主電源の正極と負極の間に接続されるコンデンサを備えている。コンデンサは、主電源から供給される電流を平滑化するために備えられている。あるいは、コンデンサは、チョッパタイプの電圧コンバータなどにおいて電力エネルギを一時的に蓄えるために備えられている。主電源から供給される大電力用のコンデンサは容量が大きい。車両のメインスイッチがオンされたとき、システムメインリレ-を閉じて電力変換器を高電圧電源に接続すると、システムメインリレ-を通じてコンデンサへ大きな電流が流れる。いきなり大電流が流れるとシステムメインリレ-が溶着するおそれがある。そこで、特許文献1の電源システムでは、システムメインリレ-を閉じて電力変換器に主電源を接続するのに先立って、補機バッテリを使ってコンデンサを充電する。システムメインリレ-を開放状態から接続状態に切り換える前のコンデンサの充電は、プリチャージと称される。
特許文献1の電源システムは、低電圧端が補機電源に接続されており、高電圧端がシステムメインリレ-を介さずに電力変換器に接続されている昇圧コンバータを備えている。電源システムのコントローラは、システムメインリレ-を閉じて電力変換器に主電源を接続するのに先立って、昇圧コンバータを作動させ、補機電源の電力でコンデンサをプリチャージする。
特開2017-085869号公報
補機電源は、様々な補機に電力を供給する。エアコン、ルームランプ、カーナビゲーションなどのほか、電源システムのコントローラを含む種々のコントローラも補機に属し、補機電源から電力供給を受ける。一方、コンデンサのプリチャージには相応の電力が必要とされる。プリチャージの際に補機電源から十分な電力の供給を受けられないと、プリチャージ中に電源システムのコントローラが停止してしまうおそれがある。その場合、ユーザがメインスイッチを入れ直しても、同じ事象が生じてプリチャージが完遂できない。本明細書が開示する電源システムは、何らかの要因でプリチャージが完遂できなかった場合、次回のプリチャージが完遂できる可能性を高める。
本明細書が開示する電源システムは、主電源と補機電源と電力変換器とリレーと昇圧コンバータとコントローラを備えている。電力変換器は、主電源の出力電力を変換するデバイスであり、主電源の正極と負極の間に接続されるコンデンサを有している。リレーは、電力変換器と主電源の間の接続と遮断を切り換える。補機電源は、出力電圧が主電源の出力電圧よりも低い。昇圧コンバータは、低電圧端が補機電源に接続されており、高電圧端がリレーを介さずに電力変換器に接続されている。コントローラは、リレーを閉じて電力変換器を主電源に接続するのに先立って昇圧コンバータを作動させてコンデンサをプリチャージする。コントローラは、コンデンサのプリチャージを開始するときにプリチャージ開始を示すデータを記憶する。コントローラは、コンデンサのプリチャージが正常に終了したとき、プリチャージ完了を示すデータで上記「プリチャージ開始を示すデータ」を消去する。そして、コントローラは、コンデンサのプリチャージを開始するときに上記「プリチャージ開始を示すデータ」が記憶されていた場合、前回のプリチャージのときよりも補機電源の出力電流が低くなるようにコンデンサのプリチャージを行う。以下では、プリチャージ開始を示すデータを「プリチャージ確認データ」と称する。
本明細書が開示する電源システムは、プリチャージ確認データの記憶と消去によって、コントローラは前回のプリチャージが完遂できたか否かを判断することができる。前回にプリチャージが完遂できなかった場合、コントローラは、補機電源の出力電流を抑えてプリチャージを試行し、完遂できる可能性を高める。
前回のプリチャージのときよりも補機電源の出力電流を抑える手段としては、次の手段がある。コントローラは、コンデンサのプリチャージを開始するときにプリチャージ確認データが記憶されていた場合、前回のプリチャージのときよりも昇圧コンバータの出力電流を低くする。昇圧コンバータの出力を抑えることで、前回のプリチャージのときよりも補機電源の出力電流を抑えることができ、プリチャージ完遂の可能性が高まる。
補機電源の出力電流を抑える手段は、次の手段であってもよい。コントローラは、コンデンサのプリチャージを開始するときにプリチャージ確認データが記憶されていた場合、補機電源に接続されている特定の補機の動作が停止した後にコンデンサのプリチャージを開始する。補機のなかには、車両のメインスイッチがオンされた後に初期化処理を行うデバイスがある。例えば、電動シフト装置などは、初期化処理のときにアクチュエータを駆動し、シフトレバーのゼロ点を調整する。アクチュエータの動作を伴うような初期化動作は消費電力が大きい。そこで、コントローラは、消費電力の大きい初期化処理が終了してから(初期化動作を終了して補機が停止してから)、プリチャージを行うとよい。初期化動作とプリチャージが同時に行われないようにすることで、補機電源の出力電流を抑えることができ、プリチャージ完遂の可能性が高まる。
あるいは、補機電源の出力電流を抑える手段は、次の手段であってもよい。コントローラは、コンデンサのプリチャージを開始するときにデータが記憶されていた場合、補機電源に接続されている特定の補機の動作を禁止してからコンデンサのプリチャージを開始する。先に述べたように、補機電源は、様々な補機に電力を供給する。例えばエアコンは消費電力が大きい。プリチャージの際にエアコンが動作していたら、プリチャージとエアコンの両方への電力供給によって電力不足が生じ、コントローラがダウン(異常停止)する可能性がある。エアコンの動作を禁止してエアコンの動作とプリチャージが同時に行われないようにすることで、補機電源の出力電流を抑えることができ、プリチャージ完遂の可能性が高まる。
なお、コントローラは、プリチャージ確認データが消去されていなかった場合、特定の補機が動作していたら動作を強制的に停止させた後にプリチャージを開始してもよい。
本明細書が開示する技術の詳細とさらなる改良は以下の「発明を実施するための形態」にて説明する。
実施例の電源システムを含むハイブリッド車の電力系のブロック図である。 コントローラが実行するプリチャージ処理のフローチャートである。
図面を参照して実施例の電源システム10を説明する。実施例の電源システム10はハイブリッド車100に搭載されている。図1に、電源システム10を含むハイブリッド車100の電力系のブロック図を示す。ハイブリッド車100は、走行用モータ50とエンジン51を備えている。走行用モータ50の出力トルクとエンジン51の出力トルクはギアセット52で合成されて車軸53へ伝達される。
ハイブリッド車100は、電源システム10と走行用モータ50とエンジン51のほか、メインスイッチ41、電動シフト装置32、エアコン33、カーナビゲーション34を備えている。電動シフト装置32、エアコン33、カーナビゲーション34は、補機電力線31を通じて補機バッテリ15から電力の供給を受ける。電源システム10が備えているコントローラ13も補機バッテリ15から電力の供給を受ける。補機バッテリ15から電力の供給を受けるデバイスの総称が「補機」である。以下では、電動シフト装置32、エアコン33、カーナビゲーション34、コントローラ13などの補機を総称する場合には補機30と表記する。
電源システム10は、走行用モータ50と補機30に電力を供給するシステムである。電源システム10は、メインバッテリ11、補機バッテリ15、システムメインリレ-12、電力変換器20、昇圧コンバータ14、コントローラ13を備えている。
メインバッテリ11は、主に、走行用モータ50のための電源である。メインバッテリ11は、例えば、再充電が可能なリチウムイオンバッテリである。メインバッテリ11の出力電圧は例えば200ボルトである。
先に述べたように、補機バッテリ15は、補機30に電力を供給するための電源である。補機バッテリ15の出力電圧は、メインバッテリ11の出力電圧よりも低く、例えば、12ボルト、24ボルト、あるいは、48ボルトである。補機バッテリ15も再充電が可能な二次バッテリであり、例えば鉛バッテリである。補機バッテリ15は、車両に張り巡らされている補機電力線31を介して、補機30のほか、図示されていない多数の他の補機に電力を供給する。なお、補機バッテリ15の負極と補機30の負極は、グランドを介して接続される。補機電力系は、車両のボディがグランド端子に相当する。
電力変換器20は、システムメインリレ-12を介してメインバッテリ11と接続される。電力変換器20は、メインバッテリ11の出力電力を走行用モータ50の駆動電力に変換する。電力変換器20は、双方向DC-DCコンバータ回路21、インバータ回路22、コンデンサ23を備えている。走行用モータ50の駆動電圧は200ボルトから600ボルトの間である。走行用モータ50の駆動電圧目標がメインバッテリ11の出力電圧よりも高い場合、双方向DC-DCコンバータ回路21が、メインバッテリ11の出力電圧を走行用モータ50の駆動電圧まで昇圧する。インバータ回路22が、昇圧された直流電力を、走行用モータ50を駆動するための交流電力に変換する。以下では、説明の便宜のため、双方向DC-DCコンバータ回路21を単純に双方向コンバータ回路21と称する。
走行用モータ50は、運転者がブレーキペダルを踏んだとき、車両の慣性力を利用して発電する。走行用モータ50が発電した電力は回生電力と称される。インバータ回路22は、交流の回生電力を直流電力に変換して双方向コンバータ回路21に送ることもできる。双方向コンバータ回路21は、直流電力に変換された回生電力をメインバッテリ11の電圧まで降圧する。降圧された回生電力でメインバッテリ11が充電される。
双方向コンバータ回路21の回路構成を説明する。双方向コンバータ回路21は、2個のトランジスタ211、212、2個のダイオード215、216、リアクトル213、コンデンサ214で構成されている。2個のトランジスタ211、212は、双方向コンバータ回路21のインバータ側の端子(正極端子203と負極端子204)の間で直列に接続されている。ダイオード215はトランジスタ211に逆並列に接続されており、ダイオード216はトランジスタ212に逆並列に接続されている。ダイオード215、216は、オフ時のトランジスタ211、212を迂回して電流を流すために備えられている。そのようなダイオードは還流ダイオードと呼ばれることがある。
リアクトル213の一端は、トランジスタ211、212の直列接続の中点に接続されており、他端は、双方向コンバータ回路21のバッテリ側の正極端子201に接続されている。コンデンサ214は、双方向コンバータ回路21のバッテリ側の正極端子201と負極端子202の間に接続されている。双方向コンバータ回路21のバッテリ側の負極端子202とインバータ側の負極端子204は直接に接続されている。
双方向コンバータ回路21のバッテリ側の正極端子201と負極端子202の間には電圧センサ16が接続されており、コントローラ13は、電圧センサ16によって、コンデンサ214の両端電圧をモニタすることができる。
直列接続の正極側のトランジスタ211が主に降圧動作に関与し、負極側のトランジスタ212が主に昇圧動作に関与する。図1の双方向コンバータ回路21の回路構成と動作は良く知られているので詳しい説明は省略する。
コンデンサ214は、双方向コンバータ回路21において、電気エネルギを一時的に蓄える役割を果たす。双方向コンバータ回路21とインバータ回路22の間には、メインバッテリ11から送られる電流を平滑化するコンデンサ23が並列に接続されている。図1に示されているように、コンデンサ214、23は、システムメインリレ-12を介してメインバッテリ11の正極と負極の間に接続される。
システムメインリレ-12は、電力変換器20とメインバッテリ11の間を接続したり切断したりするスイッチである。システムメインリレ-12は、電源システム10のコントローラ13によって制御される。コントローラ13は、車両のメインスイッチ41がオンされると、コンデンサ214、23のプリチャージ(後述)の後、システムメインリレ-12を閉じ、電力変換器20をメインバッテリ11に接続する。なお、図1における点線矢印線は、信号線を表している。電源システム10のコントローラ13、電動シフト装置32、エアコン33、カーナビゲーション34などの補機30は、車内ネットワーク35によって、相互に通信が可能になっている。
昇圧コンバータ14は、低電圧端142が補機バッテリ15に接続されており、高電圧端141がシステムメインリレ-12よりも電力変換器20の側で電力変換器20に接続されている。別言すれば、昇圧コンバータ14の高電圧端141は、システムメインリレ-12を介さずに常に電力変換器20のコンデンサ214、23に接続されている。昇圧コンバータ14は、補機バッテリ15の出力電圧を昇圧して電力変換器20(コンデンサ214、23)に供給することができる。
コントローラ13は、システムメインリレ-12と昇圧コンバータ14を制御する。コントローラ13は、CPU131とメモリ132を備えており、メモリ132に格納されたプログラムをCPU131が実行することで、様々な処理を実行することができる。メモリ132は不揮発性メモリであり、電力供給がなくとも記憶データを保持できる。コントローラ13は、後述するプリチャージ処理において、プリチャージの開始を示すデータ(プリチャージ確認データ)をメモリ132に記憶したり、消去したりする。コントローラ13は、プリチャージ開始に先立って、プリチャージ確認データを参照し、前回のプリチャージが正常に終了したか否かを判断する。コントローラ13が実行するプリチャージ処理については後に詳しく説明する。
図1のブロック図から理解されるように、システムメインリレ-12を開放状態(開)から接続状態(閉)に切り換えると、電力変換器20がメインバッテリ11に接続され、メインバッテリ11の電流が電力変換器20のコンデンサ214、23に流れ込む。トランジスタ211がオフしていても、メインバッテリ11の電流はダイオード215を通じてコンデンサ23へ流れ込む。コンデンサ214、23が完全に放電された状態でシステムメインリレ-12を接続状態に切り換えると、システムメインリレ-12を通じてメインバッテリ11の電流が急激にコンデンサ214、23に流れ込む。大電流がシステムメインリレ-12を流れるとシステムメインリレ-12が溶着するおそれがある。そこで、コントローラ13は、メインスイッチ41がオンされると、システムメインリレ-12を閉じて電力変換器20(コンデンサ214、23)をメインバッテリ11に接続するのに先立って、補機バッテリ15と昇圧コンバータ14を使って予めコンデンサ214、23を充電する。システムメインリレ-12を閉じる前のコンデンサ214、23の充電をプリチャージと称する。コントローラ13は、電圧センサ16の計測値をモニタしながら、コンデンサ214、23の両端電圧が所定の電圧に達するまでプリチャージを行う。
コンデンサ214、23のプリチャージには相応の電力が必要である。また、車両のメインスイッチ41がオンされた後、プリチャージが完了しないとシステムメインリレ-12を閉じることができない。従ってプリチャージは、速やかに達成されることが望ましい。
一方、車両のメインスイッチ41がオンされると、車内のいくつかの補機が起動時の初期化処理を実行する。補機は、補機バッテリ15から電力の供給を受けて動作する。例えば、アクチュエータでシフトレバーを動かす電動シフト装置32は、シフトポジションのゼロ点リセットのため、アクチュエータを動作させてシフトレバーを動かす。また、補機に属する電子制御ブレーキ装置は、アキュムレータに予備圧力を蓄積する。アクチュエータやアキュムレータなどは消費電力が相応に大きい。
あるいは、気温が低いときにはユーザはメインスイッチ41をオンにするとともにエアコン33を起動する場合がある。エアコン33も消費電力が大きい。
消費電力が大きい補機30の動作中にプリチャージが開始されると、補機バッテリ15の電力が不足し、プリチャージを行う昇圧コンバータ14、あるいは、コントローラ13の動作が不安定になりかねない。場合によっては、プリチャージが完遂する前にコントローラ13が電力不足で停止することも起こり得る。
ユーザがメインスイッチ41をオンした後、補機バッテリ15の電力不足によりプリチャージの完遂前にコントローラ13が停止すると、車両システムが起動されないことになる。そのような場合、ユーザは、再度、メインスイッチ41をオンして車両システムの再起動を試みる。しかしながら、同じ手順でプリチャージを繰り返すと、同じようにコントローラ13が停止してしまい、プリチャージが完遂できない。その場合、車両を動かすことができなくなってしまう。コントローラ13は、前回のプリチャージが完遂できなかった場合は、その次にプリチャージを行うときには前回と異なる手順でプリチャージを実行し、プリチャージの完遂を試みる。コントローラ13は、前回のプリチャージのときよりも補機バッテリ15の出力電流を抑えてプリチャージを実行し、プリチャージの完遂を試みる。
図2を参照してコントローラ13が実行するプリチャージ処理を実行する。図2は、プリチャージ処理のフローチャートである。図2の処理は、車両のメインスイッチ41がオンされると開始される。
コントローラ13は、まず、メモリ132からプリチャージ完了フラグを読み込む(ステップS2)。プリチャージ完了フラグは、プログラム上のフラグであり、実体は、メモリ132の所定の記憶領域である。メモリ132は不揮発性メモリであり、書き込まれたデータ(設定されたフラグの値)は電源が停止しても保持される。プリチャージ完了フラグの役割については後に説明する。
コントローラ13は、プリチャージ完了フラグが「1」の場合(ステップS3:YES)、プリチャージモードを通常モードに設定し(ステップS4)、プリチャージ完了フラグに「0」をセットする(ステップS5)。プリチャージ完了フラグに数値をセットすることは、その数値を、プリチャージ完了フラグに対応するメモリ132の領域に記憶することに等しい。
ステップS3の判断においてプリチャージ完了フラグが「0」の場合(ステップS3:NO)、コントローラ13は、プリチャージモードを緊急モードに設定する(ステップS6)。「通常モード」と「緊急モード」については後に説明する。
次にコントローラ13は、昇圧コンバータ14を起動し、設定されたモードでプリチャージを開始する(ステップS7)。コントローラ13は、コンデンサ214、23の両端電圧が所定の閾値電圧Vthに達するまで昇圧コンバータ14を駆動する(ステップS8:NO)。コンデンサ214、23の両端電圧が閾値電圧Vthに達したら(ステップS8:YES)、コントローラ13は、昇圧コンバータ14を停止し、プリチャージを終了する(ステップS9)。最後にコントローラ13は、プリチャージ完了フラグに「1」をセットし(ステップS10)、処理を終了する。
「通常モード」(ステップS4)では、コントローラ13は、コンデンサ214、23の電圧ができるだけ早く閾値電圧Vthに達するように、出力電流が最大となるように昇圧コンバータ14を駆動する。「緊急モード」(ステップS6)では、コントローラ13は、昇圧コンバータの出力電流が最大出力電流の50%となるように昇圧コンバータ14を駆動する。緊急モードでは、通常モードと比較してプリチャージに要する時間が長くなる。一方、緊急モードでは、通常モードと比較して、昇圧コンバータ14の消費電力が抑えられる。
プリチャージ完了フラグと、プリチャージモード(通常モードと緊急モード)について説明する。コントローラ13は、プリチャージの開始前にプリチャージ完了フラグに「0」をセットし(ステップS6)、プリチャージが正常に終了したらプリチャージ完了フラグに「1」をセットする(ステップS10)。プリチャージの実行中にコントローラ13が停止してしまうと、ステップS10の処理が実行されず、プリチャージ完了フラグは「0」に保持されたままとなる。先に述べたように、プリチャージは相応の電力を消費する処理であり、プリチャージ中に補機バッテリ15の電力が不足すると、コントローラ13が停止する可能性がある。
プリチャージの途中でコントローラ13が停止すると、車両のシステムが起動されない。このとき、ユーザはメインスイッチ41をオフに切り換え、再度オンにする。そのような場合、コントローラ13は再び図2の処理を開始する。このとき、ステップS3において、プリチャージ完了フラグにゼロが設定されているという状況が生じる。ステップS3の判断がNOの場合、前回のプリチャージが完遂しなかったことを意味する。その場合、コントローラ13は、緊急モードでプリチャージを行う。即ち、コントローラ13は、出力電流が最大出力電流の50%となるように昇圧コンバータ14を駆動し、プリチャージを行う。このとき、昇圧コンバータ14の単位時間当たりの消費電力は前回のプリチャージの場合(通常プリチャージモードの場合)の半分となる。その結果、補機バッテリ15の電力不足が生じる可能性を低減することができ、プリチャージを完遂できる可能性が高くなる。
上記の通り、電源システム10のコントローラは、前回にプリチャージが完遂できなかった場合、昇圧コンバータ14の出力電流を、前回のプリチャージのときの出力電流よりも下げてプリチャージする。昇圧コンバータ14の出力電流を抑えることで、プリチャージ中の補機バッテリ15の出力電流を抑える。実施例の電源システム10は、コントローラ13が途中で停止したときよりも補機バッテリ15の出力電流を抑えることで、プリチャージが完遂できる可能性を高める。
コントローラ13は、緊急モードにおいて、昇圧コンバータ14の出力電流を抑える代わりに次の処理を行ってもよい。コントローラは、補機バッテリ15に接続されている特定の補機30の動作が停止した後にプリチャージを開始する。特定の補機30とは、例えば、前述の電動シフト装置32である。電動シフト装置32の初期化処理では、アクチュエータが動作し、このとき消費電力が大きくなる。他の補機の消費電力が大きいときにプリチャージが重なると、補機バッテリ15の電力不足が生じ易くなる。そこで、コントローラ13は、特定の補機(電動シフト装置32)の初期化処理が終わって停止してから、プリチャージを開始する。そうすることで、プリチャージのときの補機バッテリ15の出力電流を前回のプリチャージのときよりも抑えることができ、プリチャージが完遂できる可能性が高まる。
あるいは、コントローラ13は、補機バッテリ15に接続されている特定の補機30の動作を禁止してからプリチャージを開始してもよい。例えば、エアコン33は消費電力が大きい。そこで、コントローラ13は、エアコン33の動作とプリチャージの実行が重ならないように、エアコン33の動作を禁止する。この処理によっても、プリチャージのときの補機バッテリ15の出力電流を前回のプリチャージのときよりも抑えることができ、プリチャージが完遂できる可能性が高まる。コントローラ13は、動作している補機を強制的に停止させてからプリチャージを行ってもよい。
上記の通り、電源システム10は、プリチャージが完遂できなかった場合、次にプリチャージを実行する際には前回のプリチャージのときよりも補機の消費電力を抑え、補機バッテリ15の出力電流を抑えてプリチャージを実行する。そうすることで、プリチャージが完遂できる可能性を高めることができる。
実施例で説明した電源システム10の特徴は次の通りである。電源システム10は、メインバッテリ11と、電力変換器20と、システムメインリレ-12と、補機バッテリ15と、昇圧コンバータ14と、コントローラ13を備えている。電力変換器20は、システムメインリレ-12を介してメインバッテリ11に接続されるコンデンサ214、23を備えている。昇圧コンバータ14は、低電圧端142が補機バッテリ15に接続されており、高電圧端141がシステムメインリレ-12を介さずに電力変換器20に接続されている。別言すれば、昇圧コンバータ14の高電圧端141は、システムメインリレ-12を介さずに電力変換器20のコンデンサ214、23に接続されている。
コントローラ13は、車両のメインスイッチ41が入れられたとき、システムメインリレ-12を閉じて電力変換器20をメインバッテリ11に接続するのに先立って昇圧コンバータ14を作動させてコンデンサ214、23をプリチャージする。
コントローラ13は、コンデンサ214、23のプリチャージを開始するときにプリチャージ開始を示すデータ(プリチャージ確認データ)を記憶する。図2のステップS5において、プリチャージ完了フラグに「0」がセットされる。プリチャージ完了フラグにセットされた数値「0」は、プリチャージ完了フラグに対応する特定のメモリに記憶される。特定のメモリに記憶された「0」(即ち、プリチャージ完了フラグにセットされた「0」)が、プリチャージ確認データの一例に相当する。
コントローラ13は、コンデンサ214、23のプリチャージが終了したときにプリチャージ確認データを消去する。図2のステップS10において、プリチャージ完了フラグに「1」がセットされる。即ち、その直前のステップS5でセットされた数値「0」が消去される。ステップS10でプリチャージ完了フラグに「0」をセットする処理が、プリチャージ確認データの消去に相当する。
コントローラ13は、プリチャージを開始するときにプリチャージ確認データが記憶されていた場合は、前回のプリチャージのときよりも補機バッテリ15の出力電流が低くなるようにコンデンサ214、23のプリチャージを行う。図2のステップS3の判断がNOの場合が、「プリチャージ確認データが記憶されていた場合」に相当する。そして、先に述べたように、ステップS6で設定される緊急モードでは、昇圧コンバータ14の出力電流が前回のプリチャージのときの50%に低減される。この処理が、前回のプリチャージのときよりも補機バッテリ15の出力電流が低くなるようにコンデンサ214、23のプリチャージを行うことに対応する。前回のプリチャージのときよりも補機バッテリ15の出力電流が低くなるようにプリチャージを行うことは、前回のプリチャージのときよりも補機全体の単位時間当たりの消費電力を抑えてプリチャージを行うことと等価である。
実施例で説明した技術に関する留意点を述べる。メインバッテリ11が主電源の一例に相当する。主電源は、燃料電池であってもよい。補機バッテリ15が補機電源の一例に相当する。「特定の補機」には、少なくとも1個の補機が含まれていればよい。特定の補機は、初期化処理のときにアクチュエータが動作するなど、起動時に実行される特定の処理に要する電流が所定の電流閾値よりも大きくなる可能性のある補機に限られていてよい。
補機電源は、主電源に接続された降圧コンバータであってもよい。システムメインリレ-を介さずにメインバッテリ11に接続されている降圧コンバータを搭載すれば、システムメインリレ-を閉じるのに先立って降圧コンバータと昇圧コンバータを介してコンデンサをプリチャージすることができる。
昇圧コンバータ14は、双方向DC-DCコンバータであってもよい。その場合、システムメインリレ-12を閉じて電力変換器20をメインバッテリ11に接続した後、メインバッテリ11の電力(あるいは回生電力)を降圧して補機バッテリ15を充電することが可能となる。
実施例で説明した技術は、車両のメインスイッチ41がオンされたときのみならず、他の要因でプリチャージを開始する場合にも適用できる。
実施例で説明したプリチャージ処理は、車内ネットワークで相互に通信可能な複数のコンピュータによって実行されてもよい。即ち、実施例で説明したコントローラ13の実態は、ネットワークで相互に通信可能に接続された複数のコンピュータであってもよい。
実施例の車両は走行用モータ50とエンジン51を備えるハイブリッド車であった。本明細書が開示する車両用電源システムは、燃料電池車、エンジンを備えない電気自動車にも適用できる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
10:電源システム
11:メインバッテリ
13:コントローラ
14:昇圧コンバータ
15:補機バッテリ
16:電圧センサ
20:電力変換器
21:双方向DC-DCコンバータ回路
22:インバータ回路
23、214:コンデンサ
30:補機
31:補機電力線
32:電動シフト装置
33:エアコン
34:カーナビゲーション
35:車内ネットワーク
41:メインスイッチ
50:走行用モータ
51:エンジン
52:ギアセット
53:車軸
100:ハイブリッド車

Claims (4)

  1. 主電源と、
    前記主電源の出力電力を変換する電力変換器であって、前記主電源の正極と負極の間に接続されるコンデンサを有している電力変換器と、
    前記電力変換器と前記主電源の間の接続と遮断を切り換えるリレーと、
    出力電圧が前記主電源の出力電圧よりも低い補機電源と、
    低電圧端が前記補機電源に接続されており、高電圧端が前記リレーを介さずに前記電力変換器に接続されている昇圧コンバータと、
    前記リレーを閉じて前記電力変換器を前記主電源に接続するのに先立って前記昇圧コンバータを作動させて前記コンデンサをプリチャージするコントローラと、
    を備えており、
    前記コントローラは、
    前記コンデンサのプリチャージを開始するときにプリチャージ開始を示すデータを記憶し、
    前記プリチャージが正常に終了したとき、プリチャージ完了を示すデータで前記「プリチャージ開始を示すデータ」を消去し、
    前記プリチャージを開始するときに前記「プリチャージ開始を示すデータ」が記憶されていた場合は、前回のプリチャージのときよりも前記補機電源の出力電流が低くなるように前記プリチャージを行う、車両用電源システム。
  2. 前記コントローラは、前記コンデンサのプリチャージを開始するときに前記データが記憶されていた場合、前回のプリチャージのときよりも前記昇圧コンバータの出力電流を低くして前記コンデンサをプリチャージする、請求項1に記載の車両用電源システム。
  3. 前記コントローラは、前記コンデンサのプリチャージを開始するときに前記データが記憶されていた場合、前記補機電源に接続されている特定の補機の動作が停止した後に前記コンデンサのプリチャージを開始する、請求項1に記載の車両用電源システム。
  4. 前記コントローラは、前記コンデンサのプリチャージを開始するときに前記データが記憶されていた場合、前記補機電源に接続されている特定の補機の動作を禁止してから前記コンデンサのプリチャージを開始する、請求項1に記載の車両用電源システム。
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