JP7016788B2 - 気体処理用部材 - Google Patents

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Description

本発明は、吸湿性、吸放湿性等を有する気体処理剤を備える気体処理用部材に関する。
気体処理剤を備える気体処理用部材が知られている。気体処理用部材の一例に、気体に含まれる水分(水蒸気)を吸収する気体処理剤(吸湿剤又は吸放湿剤)を備える吸湿部材及び吸放湿部材がある。なお、吸放湿剤は、湿潤雰囲気下で吸収した水分を特定の条件下、例えば乾燥雰囲気下、において再放出可能な処理剤である。上記特定の条件が満たされることで、吸放湿剤の吸湿性が回復する。吸湿部材及び吸放湿部材は、例えば、カメラ等の電子機器、精密機器、電子部品等の内部に取り付けられて使用される。当該部材の取り付けにより、例えば、これらの製品の内部に結露が生じることを抑制できる。
特許文献1には、所定の気体成分及び微粒子から選ばれる少なくとも一方を除去する処理剤と、処理剤と外部雰囲気とを隔てる壁材とを含み、壁材がフッ素樹脂フィルム又はフッ素樹脂フィルムを含む積層体からなる気体透過領域を有する気体処理用部材が開示されている。また、図5に示すように、特許文献1には、重ね合わせた状態で周端部が互いに接合されたフッ素樹脂フィルム102及び支持材101の壁材を有し、当該壁材により形成された袋状の容器内に処理剤103が内包された形態が記載されている。特許文献1には、支持材101の材料として、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等が開示されている。
特開2001-198429号公報
近年、気体処理用部材を取り付ける製品の小型化が進んでいる。小型化された製品に対応するために、気体処理用部材にも小型化が求められる状況にある。しかし、特許文献1の気体処理用部材は、必ずしも小型化に適していない。気体処理用部材の小型化のためには、当該部材の厚さ及び/又は大きさ(サイズ)を小さくする必要がある。しかし、気体処理用部材を取り付けるために必要な粘着剤を、面積が小さい支持材101の露出面に対して薄く均一に塗布することは容易ではない。また、サイズを小さくするには、フッ素樹脂フィルム102と支持材101との接合部の幅を小さくすることが望まれる。しかし、接合部の幅を小さくすると、支持材101上の処理剤103の分布の偏りによっては、接合部の一部に応力が集中するため、接合部の接合の信頼性が低下する場合がある。
以上の事項に鑑み、本発明は、小型化に適した気体処理用部材を提供することを目的とする。
本発明は、
両面粘着テープから構成される基材と、前記基材上に配置された気体処理剤と、前記気体処理剤を覆うように前記基材上に配置された、通気性を有する保護層と、を備え、
前記保護層は、前記両面粘着テープの粘着剤層に接合された接合部を有し、
前記気体処理剤は、前記接合部に囲まれた領域における前記両面粘着テープの前記粘着剤層と前記保護層との間の空間に配置されている、気体処理用部材、
を提供する。
別の側面によれば、本発明は、
筐体を備え、
上記本発明の気体処理用部材が前記筐体の内部に収容された機器、
を提供する。
本発明の気体処理用部材では、両面粘着テープの粘着剤層上に気体処理剤が配置されている。これにより、保護層と基材とを接合する際の気体処理剤の位置ずれや、使用中における気体処理剤の位置ずれが抑制される。基材に対する気体処理剤の位置ずれを抑制できるため、保護層と基材との接合部の幅を小さくした場合においても、接合部の信頼性を確保することが容易となる。
また、本発明の気体処理用部材では、基材である両面粘着テープの粘着剤層に保護層が接合されている。当該接合では、熱溶着及び接着剤による接合において生じることがある、接合時における保護層の収縮を回避できる。これにより、保護層のサイズを小さくした場合においても、接合部の信頼性を確保することが容易となる。
したがって、本発明の気体処理用部材は小型化に適している。
図1Aは、本発明の気体処理用部材の一例を模式的に示す断面図である。 図1Bは、図1Aに示す気体処理用部材を保護層の側から見た平面図である。 図2は、本発明の気体処理用部材の別の一例を模式的に示す断面図である。 図3は、実施例において作製した吸放湿部材を説明するための図である。 図4は、本発明の機器の一例を模式的に示す断面図である。 従来の気体処理用部材の一例を模式的に示す断面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。本発明は、以下の実施形態に限定されない。
[気体処理用部材]
図1A及び図1Bに、本発明の気体処理用部材の一例を示す。図1Bには、保護層4の側から見た気体処理用部材1が示されている。図1Aには、図1Bに示す断面I-Iが示されている。
図1A及び図1Bに示すように、気体処理用部材1は、基材2と、基材2上に配置された、気体処理剤により形成された気体処理層3と、気体処理層3を覆うように基材2上に配置された、通気性を有する保護層4とを備える。基材2は、両面粘着テープにより構成されている。保護層4は、基材2の粘着剤層に接合された接合部11を有する。気体処理層3は、接合部11に囲まれた領域における両面粘着テープの粘着剤層と保護層4との間の空間に配置されている。図1A及び図1Bに示す例において、接合部11は保護層4の外周縁部に対応する。
両面粘着テープにより基材2が構成されるため、例えば、水平方向に対して傾いた面(垂直面等)に部材1を取り付けたときにも、基材2上での気体処理剤の分布の偏りを抑制できる。小型化された部材1において気体処理剤の分布が偏って気体処理層3の厚さが不均一になると、その程度によっては、基材2と保護層4との接合が破れたり、気体処理剤が脱落することも考えられる。部材1は、気体処理剤の位置ずれを抑制し、上記接合の信頼性を維持することに適している。
気体処理用部材1は、例えば、電子機器等の内部に取り付けることができる。より具体的には、電子機器の筐体の内部に位置する表面に対して、例えば、電子機器の筐体の内面及び/又は筐体の内部に収容された各種の構成部材の表面に対して、部材1を取り付けることができる。部材1の取り付けには、基材2の粘着剤層(気体処理剤が配置されている側の面とは反対側の面の粘着剤層)を利用できる。取り付ける前の部材1は、当該粘着剤層をカバーするセパレータを有していてもよい。セパレータには、公知のセパレータを使用できる。セパレータは、部材1を取り付ける際に剥離される。
気体処理用部材1、並びに当該部材1が備える基材2、気体処理剤(例えば気体処理層3)及び保護層4の形状は限定されない。部材1では、上述のように、保護層4と基材2とを接合する際の気体処理剤の位置ずれや、使用中における気体処理剤の位置ずれが抑制される。基材2に対する気体処理剤の位置ずれを抑制できるため、保護層4と基材2との接合部11の幅を小さくした場合においても、接合部11の信頼性を確保することが容易となる。このため、部材1は、保護層4と基材2との接合が比較的難しい形状をとりうる。したがって、小型化に適するとともに、部材1がとりうる形状の自由度は高い。
本発明の気体処理用部材が小型化に適していることを確認するために、通気性を有するとともに粘着剤層を有さない袋状体の内部に吸放湿層が収容された気体処理用部材(吸放湿部材)を、以下のように作製した。
最初に、熱溶着による外周縁部の接合後に気体処理剤を収容する袋状体となる2枚の支持層(サイズ10mm×10mm)を準備した。準備した支持層は、PTFE多孔質膜(厚さ10μm)と、PET/PEの芯鞘構造を有する複合繊維の不織布(目付30g/m2)との熱ラミネート品(厚さ120μm、厚さ方向のガーレー通気度0.2秒/100mL、5N/10mmの引張応力に対する引張伸びがMD方向について2.0%、TD方向について4.8%)であった。また、袋状体に収容する気体処理剤として、5mm×5mmのサイズを有する正方形の吸放湿層であって、ポリアクリレート系繊維の不織布(目付378g/m2、40~60%RH(相対湿度)下での厚さ0.8mm)からなる吸放湿層を準備した。なお、この吸放湿層は、吸放湿部材を作製する一般的な湿度雰囲気下での吸湿状態(吸湿率30~50%程度の吸湿状態)のときの厚さを基準として、吸湿率100%では30~40%程度の厚さの増加を示す。一方、長さ方向及び幅方向の大きさは、上記吸湿率の変動によってもほぼ変化しない。
次に、一方の支持層の上に吸放湿層を配置した。吸放湿層は、支持層の中心と吸放湿層の中心とを揃えるとともに、支持層の辺と吸放湿層の辺とが互いに平行になるように配置した。次に、吸放湿層を覆うように他方の支持層を配置し、双方の支持層を外周縁部において熱溶着により接合して、吸放湿層を内包した袋状体を得た。他方の支持層は、双方の支持層の外周が互いに一致するように配置した。支持層の接合部の幅は1.5mmとした。吸放湿層の端部と支持層の端部との距離は2.5mmとした。次に、10mm×10mmのサイズを有する正方形の両面粘着テープ(日東電工製、No.5000NS、厚さ160μm)の粘着剤層の上に上記作製した袋状体を配置して、吸放湿部材を作製した。なお、袋状体は、袋状体の外周と両面粘着テープの外周とが一致するように配置した。作製した吸放湿部材について、後述する吸湿率は95%であり、吸湿時における接合部(支持層の熱溶着部)の剥がれは見られなかった。
次に、2枚の支持層のサイズを7mm×7mmに変更するとともに、支持層の接合部の幅を0.8mmとした以外は上記と同様にして吸放湿部材の作製を試みた。しかし、支持層の外周縁部を熱溶着する際に支持層が熱収縮することで支持層と吸放湿層との位置ずれが発生し、吸放湿部材の作製が困難であった。通気性を有するとともに粘着剤層を有さない袋状体の内部に吸放湿層が収容された上記吸放湿部材は小型化に必ずしも適していないことが、確認された。
図1A及び図1Bに示す例では、基材2の主面に垂直な方向からみて、気体処理用部材1、基材2、気体処理層3及び保護層4の形状(以下、部材1及び部材1を構成する各層の形状は、基材2の主面に垂直な方向から見た形状とする)は、正方形である。ただし、部材1、基材2、気体処理層3及び保護層4の形状は上記例に限定されず、互いに独立して、円(略円を含む)、楕円(略楕円を含む)、並びに長方形及び正方形を含む多角形であってもよい。基材2の主面に垂直な方向から見た気体処理層3の面積(以下、部材1及び部材1を構成する各層の面積は、基材2の主面に垂直な方向から見た面積とする)は、通常、基材2の面積よりも小さい。保護層4の形状及び/又は面積は、基材2の形状及び/又は面積と同一であってもよい。部材1の形状及び面積は、基材2の形状及び面積と同一であってもよい。
気体処理用部材1及び/又は基材2の面積は、例えば2500mm2以下である。部材1の構成によっては、当該面積は、100mm2以下、50mm2以下、25mm2以下、更には1mm2以下であってもよい。当該面積の下限は限定されず、例えば0.01mm2以上である。
気体処理用部材1の厚さは、例えば5mm以下である。部材1の厚さは、1mm以下、0.5mm以下、更には0.1mm以下であってもよい。部材1の厚さの下限は限定されず、例えば0.01mm以上である。部材1の厚さがこれらの範囲にある場合、例えば、内部の容積が限定された、小型化された電子機器等への取り付けが容易となる。
基材2は両面粘着テープにより構成される。基材2には、公知の両面粘着テープを使用できる。両面粘着テープは、基材層を有する基材付テープであっても、基材層を持たない基材レスのテープであってもよい。基材付テープの基材層は、例えば、PET、PE及びPP等のポリオレフィン、あるいはセルロースエステル等の樹脂により構成されるフィルム、不織布、フォーム(発泡体)等である。当該テープの粘着剤層を構成する粘着剤には、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ゴム系粘着剤等の各種の粘着剤を使用できる。なお、両面粘着テープの基材層が不織布、フォーム等の比較的柔らかい層であるか、両面粘着テープが基材レスのテープである場合、部材1の使用時に気体処理剤が膨張する場合においても、保護層4との接合をより確実に維持できる。
基材2の厚さは、例えば0.005~5mmである。基材2の厚さは、0.01~1mm、更には0.05~0.5mmであってもよい。基材2の厚さがこれらの範囲にある場合、気体処理用部材1として望まれる強度、剛性等を保ちながら、部材1の厚さを低減できる。部材1の厚さの低減により、例えば、内部の容積が限定された、小型化された電子機器等への取り付けが容易となる。また、基材2の厚さがこれらの範囲にある場合、部材1の取り付け性を確保できる。
気体処理剤は、例えば、保護層4を透過した気体(典型的には空気)に含まれる物質を吸収する吸収剤、及び/又は当該気体中に物質を放出する放出剤である。物質の吸収は、化学的吸収であっても物理的吸収であってもよい。気体処理剤は、気体に含まれる物質を吸収する機能と、吸収した物質を特定の条件下で気体中に再放出する機能とを有していてもよい。気体処理剤は、例えば、気体に含まれる水分(水蒸気)を吸収する吸湿剤;気体に含まれる水分を吸収し、吸収した水分を特定の条件下で再放出する吸放湿剤;気体に含まれる臭気物質を吸収する脱臭剤;気体に含まれる酸、アルカリ、腐食性ガス等を吸収する吸着剤である。気体処理層3は、吸湿剤又は吸放湿剤を含んでいてもよい。ただし、気体処理剤は上記例に限定されない。
気体処理剤は、気体の処理に関する単一の機能を有していても、気体の処理に関する複数の機能を有していてもよい。例えば、気体処理剤は、吸放湿機能及び脱臭機能を有していてもよい。
気体処理層3は、単一の気体処理剤から構成されていても、2以上の気体処理剤から構成されていてもよい。また、気体処理層3は、単層構造を有していても、2以上の層の積層構造を有していてもよい。2以上の気体処理剤から構成される気体処理層3において、気体の処理に関する異なる機能を各材料は有することができる。2以上の層の積層構造を有する気体処理層3において、気体の処理に関する異なる機能を各層は有することができる。本発明の効果が得られる限り、気体処理層3は任意の層及び/又は材料を含んでいてもよい。
吸湿剤又は吸放湿剤である気体処理剤は、例えば、シリカゲル、ゼオライト、クレイ、生石灰、及び塩化カルシウム、炭酸カルシウム、塩化マグネシウム等の金属化合物といった無機吸湿(吸放湿)剤;並びに、吸放湿性を有するアクリル繊維、グラフト重合により親水性基(カルボキシル基、スルホン酸基、4級アンモニウム基、又はこれらの塩等)を導入したポリオレフィン又はポリエステル等の有機高分子の繊維といった有機吸湿(吸放湿)剤である。吸湿層又は吸放湿層である気体処理層3を構成する材料として、上記例に限られず、公知の吸湿剤及び/又は吸放湿剤を採用できる。脱臭剤は、例えば、シリカゲル、活性炭、ゼオライト等である。脱臭層である気体処理層3を構成する材料として、上記例に限られず、公知の脱臭剤を採用できる。これらの材料は、不織布に含浸させたり、バインダーに練り込んで使用してもよい。
吸放湿剤である気体処理剤は、吸放湿性を有するアクリル繊維を含んでいてもよい。吸放湿性を有するアクリル繊維は、重量あたりの飽和吸湿量が高く、吸湿性能に優れる。また、乾燥雰囲気に置くだけで、容易かつ効率的に放湿が進行する。このため、吸放湿性を有するアクリル繊維を気体処理剤が含む場合、小型化されながら高い吸放湿性能を示す気体処理用部材1が得られる。アクリル繊維は、(メタ)アクリル酸エステル単位を構成単位として有するアクリル樹脂から構成される繊維である。吸放湿性を有するアクリル繊維として、架橋ポリアクリル酸ナトリウム塩系繊維等のポリアクリレート系繊維、表面を加水分解処理したアクリル繊維等、各種の繊維が知られている。吸放湿性を有するアクリル繊維を含む気体処理剤(例えば気体処理層3)は、織布、不織布等の当該繊維の加工層を含んでいてもよいし、織布、不織布等の当該繊維の加工層から構成されてもよい。
気体処理剤は、気体処理剤が配置された空間に保護層4を経て外部から透過した物質の吸収により膨張する処理剤であってもよい。気体処理用部材1では、上述のように、保護層4と基材2とを接合する際の気体処理剤の位置ずれや、使用中における気体処理剤の位置ずれが抑制される。基材2に対する気体処理剤の位置ずれを抑制できるため、保護層4と基材2との接合部の幅を小さくした場合においても、接合部11の信頼性を確保することが容易となる。このため、気体処理剤が上記膨張する処理剤であり、物質の吸収により膨張した場合にも、保護層4と基材2との接合の維持がより確実となる。したがって、部材1では、小型化されながらも上記膨張する気体処理剤の採用が可能となる。上記膨張する気体処理剤は、例えば、吸放湿性を有するアクリル繊維を含む。
保護層4は、通気性を有する層である。保護層4の通気性は、気体処理剤の処理する物質が、気体処理剤が配置された上記空間へ外部から透過可能な程度以上であればよい。なお、保護層4の通気性によって、例えば、気体処理用部材1における物質の処理速度を制御できる。
保護層4を構成する材料は、例えば、PE及びPP等のポリオレフィン;PET等のポリエステル;ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリアミドである。
保護層4の形態は限定されず、例えば、通気性フィルム、織布、不織布、メッシュ、多孔質膜である。保護層4の平均孔径又は目開きは、気体処理剤の平均粒径、平均繊維径等よりも小さいことが好ましい。この場合、気体処理用部材1を取り付けた空間に対する、気体処理剤に由来する粉末、粒子、粉塵、微細繊維等の飛散を抑制できる。
保護層4の平均孔径又は目開きは、例えば1mm以下であり、0.01mm以下、更には0.001mm以下であってもよい。保護層4の平均孔径又は目開きの下限は、例えば0.001μm以上である。
保護層4は、PTFE粒子を含むペースト押出物又はキャスト膜を延伸及び焼成して形成した多孔質膜(PTFE多孔質膜)を含んでいてもよい。保護層4は、PTFE多孔質膜からなる層であっても、PTFE多孔質膜と他の通気性層との積層構造を有していてもよい。他の通気性層は、通気性フィルム、織布、不織布、メッシュ、多孔質膜等であってもよい。
PTFE多孔質膜を含む保護層4は、高い通気性を有しながら、気体以外の物質の透過を防ぐ性能が高い。このため、例えば、気体処理用部材1を取り付けた空間に対する、気体処理剤に由来する粉末、粒子、粉塵、微細繊維等の飛散を抑制できる。また、例えば、吸湿によって気体処理剤の表面に水層が生じる場合にも、部材1を取り付けた空間への水滴の飛散を抑制できる。さらに、PTFE多孔質膜は、自身を構成する材料の飛散性(発塵性)が不織布等に比べて非常に低い。このため、部材1を取り付けた空間にPTFE多孔質膜が面するように保護層4を基材2に接合することにより、当該空間への保護層4を構成する材料の飛散を抑制できる。なお、吸放湿性を有するアクリル繊維では、吸湿によって表面に水層が生じる。したがって、吸放湿性を有するアクリル繊維を気体処理剤が含む場合、保護層4はPTFE多孔質膜を含むことが好ましい。
保護層4は、伸び特性に優れることが好ましい。具体的には、保護層4は、少なくとも1つの面内方向に加えられた5N/10mmの引張応力に対して、当該方向に5%以上の引張伸びを示す層であってもよい。上記引張伸びは6%以上、20%以上、更には100%以上であってもよい。上記範囲の引張伸びを示す保護層4は、伸び特性に優れ、柔軟である。このため、気体処理剤が上記膨張する処理剤である場合にも、気体処理剤の膨張に合わせて自身が伸張できることにより、保護層4と基材2との接合部11の信頼性をより確実に確保できる。また、気体処理剤の膨張が制限されることで生じうる処理層3の性能低下を抑制できる。PTFE多孔質膜を含む保護層4、特に、PTFE多孔質膜からなる保護層4、は、上記範囲の引張伸びを示しうる。
保護層4は撥液処理されていてもよい。この場合、例えば、吸湿によって気体処理剤の表面に水層が生じる場合にも、部材1を取り付けた空間への水滴の飛散をより確実に抑制できる。撥液処理は、公知の方法に基づいて実施できる。
保護層4の通気性(厚さ方向の通気性)は、日本工業規格(JIS)L1096に定められた通気性測定B法(ガーレー形法)に準拠して測定した空気透過度(ガーレー通気度)にして、例えば500秒/100mL以下であり、50秒/100mL以下、更には1秒/100mL以下であってもよい。なお、保護層4のサイズが、上記ガーレー形法における試験片のサイズ(約50mm×50mm)に満たない場合にも、測定冶具の使用により、上記ガーレー通気度の評価が可能である。測定冶具の一例は、貫通孔(直径1mm又は2mmの円形の断面を有する)が中央に設けられた、厚さ2mm、直径47mmのポリカーボネート製円板である。この測定冶具を用いたガーレー通気度の測定は、以下のように実施できる。
貫通孔の開口を覆うように、測定冶具の一方の面に評価対象である保護層を固定する。固定は、ガーレー通気度の測定中、開口及び評価対象である保護層の有効試験部(固定した保護層の主面に垂直な方向から見て開口と重複する部分)のみを空気が通過し、かつ保護層の有効試験部における空気の通過を固定部分が阻害しないように行う。保護層の固定には、開口の形状と一致した形状を有する通気口が中心部に打ち抜かれた両面粘着テープを利用できる。両面粘着テープは、通気口の周と開口の周とが一致するように測定冶具と保護層との間に配置すればよい。次に、保護層を固定した測定冶具を、保護層の固定面が測定時の空気流の下流側となるようにガーレー形通気性試験機にセットして、ガーレー通気度を測定する。次に、測定したガーレー通気度を、JIS L1096の通気性測定B法(ガーレー形法)に定められた有効面積642[mm2]あたりの値tに、式t={(測定値)×(保護層の有効試験部の面積[mm2])/642[mm2]}により換算し、得られた換算値tを、保護層のガーレー通気度とすることができる。
保護層4の構成は、通気性を有する限り、上記例に限定されない。
気体処理用部材1は、本発明の効果が得られる限り、上述した以外の任意の層、及び/又は部材を備えることができる。
気体処理用部材1は、例えば、両面粘着テープである基材2の上に気体処理剤(例えば気体処理層3)を配置し、気体処理剤を覆うように保護層4を配置し、接合部11が気体処理剤を囲むように基材2の粘着剤層に保護層4を接合して形成できる。
気体処理剤の一種である吸湿剤及び吸放湿剤について、その吸湿性能を吸湿率により評価できる。吸湿率は、乾燥させた吸湿剤又は吸放湿剤を湿潤雰囲気に所定の時間置いたときに吸湿剤又は吸放湿剤が吸収する気体中の水分の量により評価できる。具体的に、吸湿率は、設定温度80℃以上の乾燥機内に1時間以上放置して乾燥させた吸湿剤又は吸放湿剤の重量(乾燥時重量)W1(g)と、乾燥後の吸湿剤又は吸放湿剤を35℃、90%RHの湿潤雰囲気に6時間放置した後の重量(吸湿時重量)W2(g)とから、以下の式により求めることができる。
式:吸湿率(%)=(W2-W1)/W1×100
吸湿剤及び吸放湿剤の吸湿率は、例えば80%以上であり、85%以上、90%以上、更には95%以上であってもよい。
気体処理用部材1は、例えば、枚葉状のベースフィルム上に配置した形態、帯状のベースフィルム上に配置し、ロール又はリールに巻回した形態で供給できる。ベースフィルムへの気体処理用部材1の配置には、基材2の粘着剤層を利用できる。ベースフィルムにおける気体処理用部材1が配置される面には、ベースフィルムからの当該部材1の剥離を容易とする剥離層が形成されていてもよい。ベースフィルムには、例えば、高分子フィルム、紙、金属フィルム、及びこれらの複合フィルム等を使用できる。部材1をベースフィルム上に配置した状態の一例を図2に示す。図2に示す例では、基材2の粘着剤層を介してベースフィルム21上に部材1が配置されている。
気体処理用部材1は、任意の空間に取り付けることができる。気体処理用部材1は、例えば、電子機器、光学機器等の各種の機器の内部に取り付けられて使用できる。光学機器は、電子回路を有さないもの、即ち、電子機器ではないものであってもよい。電子機器には、精密機器、電子部品等が含まれる。部材1は、例えば、これらの機器の筐体の内部に位置する表面、より具体的な例として、筐体の内面及び/又は筐体の内部に収容された各種の構成部材の表面に対して取り付けることができる。部材1の取り付けには、基材2の粘着剤層(気体処理剤が配置されている側の面とは反対側の面の粘着剤層)を利用できる。これらの機器の具体的な例は、カメラ、カメラレンズ等の撮像機器、車載用レーダー等のセンシング機器、カメラ、カメラレンズ、レンズカバー等の光学機器、光センサー等の光学電子部品である。ただし、気体処理用部材1を取り付け可能な機器は、上記例に限定されない。吸湿部材又は吸放湿部材である気体処理用部材1を取り付けた場合、例えば、取り付けた空間、及び/又は当該空間に面する表面における結露の発生を抑制できる。
気体処理用部材1は、筐体の内部における結露を防ぐべき部位に取り付けられることが好ましい。結露を防ぐべき部位は、例えば、光を屈折、反射、あるいは透過等させる光学機能を有する光学部材、特に、その表面である。光学部材及びその表面への結露は、光学部材を備える機器の機能及び/又は性能を損なうことがある。光学部材の例は、レンズ、プリズム等の屈折部材、ミラー、ハーフミラー等の反射部材、光学フィルタ、光透過窓、光透過性保護フィルム等の透過部材、導光シート等の導光部材、位相差フィルム、光干渉シート等の干渉部材、発光ダイオード(LED)、液晶素子及びディスプレイ(LCD)、有機エレクトロルミネッセンス(OEL)素子及びディスプレイ(OLED)等の発光部材である。ただし、光学部材は上記例に限定されない。また、光学部材及びその表面への部材1の取り付けは、光学部材の機能及び/又は性能を損なうことがある。このような場合には、筐体の内部における結露を防ぐべき部位の近傍に部材1を取り付けてもよい。言い換えると、部材1は、筐体の内部における結露を防ぐべき部位又は当該部位の近傍に取り付けられてもよい。なお、本明細書において「近傍」とは、対象となる部位に対して、例えば10mm以下、好ましくは5mm以下、より好ましくは1mm以下の間隔にある位置を意味している。間隔は、0(ゼロ)mmであってもよい。
結露を防ぐべき部位は、回路基板等の電子部品であってもよく、筐体の内部における結露が生じうる部分(被結露部)であってもよい。被結露部は、典型的には、筐体において外気温の変動による温度変化が大きく、面する空間の相対湿度が上昇しやすい部分である。被結露部の具体例は、カメラレンズの鏡胴の内面、筐体の薄肉部、及び筐体において金属により構成される部位である。被結露部であることは、例えば、所定の温度及び相対湿度(例えば、25℃及び60%RH)に保たれた第1の雰囲気に所定の時間(例えば6時間)以上放置した機器を、より温度の低い第2の雰囲気(例えば、-15℃)に移動させる試験を実施したときに結露が生じる部分として確認できる。この試験では、第2の雰囲気への移動時に筐体の内部の水蒸気が外部に拡散することを防ぎ、これにより、結露をより確実に発生させることで上記部分の確認を容易とするために、第2の雰囲気に移動させる際に筐体を密閉状態としてもよい。
[機器]
本発明の機器の一例を図4に示す。図4には、電子機器及び光学機器の一種であるカメラ31が示されている。カメラ31は、ボディ32とカメラレンズ33とを備える。ボディ32の筐体43の内部には、撮像素子35、回路基板36、外部モニタ37、及び電子ファインダー38が収容されている。また、筐体43には、カメラレンズ33を透過した光45を撮像素子35に導く開口34、及び電子ファインダー38からの光46を外部に導くファインダー窓39が設けられている。筐体43において、チルト可能な外部モニタ37が収容される部分は、他の部分に比べて厚さが削減された薄肉部となっている。カメラレンズ33の筐体44には、レンズ40,41,42が固定されている。カメラ31の内部、より具体的には、カメラ31(ボディ32及び/又はカメラレンズ33)の筐体の内部には、気体処理用部材1A~1Iから選ばれる少なくとも1つが収容されている。当該少なくとも1つの気体処理用部材は、本発明の気体処理用部材1であり、典型的には、当該部材が備える基材2の粘着剤層(両面粘着テープにおける気体処理剤が配置されている側の面とは反対側の面の粘着剤層)によって筐体43及び/又は筐体44の内部に位置する表面に対して取り付けられている。カメラ31における気体処理用部材1が取り付けられている位置は、筐体43及び/又は筐体44の内部における結露を防ぐべき部位又はその近傍である。具体的には、上記位置は、レンズ40における筐体44側の面の近傍、レンズ42における筐体44側の面の近傍、撮像素子35の近傍、回路基板36の近傍、筐体43の薄肉部の表面、ファインダー窓39における筐体43側の面の近傍である。
本発明の機器は、図4に示す例に限定されない。本発明の機器及び当該機器における結露を防ぐべき部位の例は、上述のとおりである。
以下、実施例により、本発明をさらに具体的に説明する。本発明は、以下に示す実施例に限定されない。
最初に、本実施例において作製した気体処理用部材(吸放湿部材)の評価方法を示す。
[吸湿率]
作製した吸放湿部材の吸湿性能を、当該部材が内部に備える吸放湿層の吸湿率により評価した。評価方法は次のとおりである。
最初に、吸放湿部材に組み込む吸放湿層を乾燥機(設定温度80℃以上)内に1時間以上放置して乾燥させ、乾燥時重量W1(g)を測定した。次に、当該吸放湿層を用いて吸放湿部材を作製し、作製した吸放湿部材を上記乾燥機内に1時間以上放置して乾燥させ、当該部材の乾燥時重量W3(g)を測定した。次に、乾燥後の吸放湿部材を35℃、90%RHの湿潤雰囲気に6時間放置して空気中の水分を吸収させ、当該部材の吸湿時重量W4(g)を測定した。測定したW1、W3及びW4から、以下の式により、吸放湿層の吸湿率を求めた。
式:吸湿率(%)=(W4-W3)/W1×100
[吸湿時における接合部の剥がれの有無]
作製した吸放湿部材を、35℃、90%RHの湿潤雰囲気に6時間放置して空気中の水分を吸収させた後、接合部における基材からの保護層の剥がれがないかを、目視により確認した。
[引張応力に対する引張伸び]
吸放湿部材の作製に使用した保護層について、5N/10mmの引張応力に対する引張伸びを引張試験により測定した。引張試験は、島津製作所製オートグラフAG-1を用い、チャック間距離20mm、引張速度200mm/分、及び試験温度25℃の条件にて実施した。サンプル形状は、幅10mm、長さ100mmの短冊状とした。試験は、保護層が含むPTFE多孔質膜のMD方向又はTD方向を引張方向(上記サンプルの長さ方向)として、いずれの方向に対しても実施した。
参考例1)
10mm×10mmのサイズを有する正方形の両面粘着テープ(日東電工製、No.5000NS、厚さ160μm)を基材として準備した。また、10mm×10mmのサイズを有する正方形の保護層(厚さ120μm)を準備した。準備した保護層は、PTFE多孔質膜(厚さ10μm)と、PET/PEの芯鞘構造を有する複合繊維の不織布(目付30g/m2)との熱ラミネートによる積層構造を有していた。保護層の通気性は、ガーレー通気度により表して0.2秒/100mLであった。5N/10mmの引張応力に対する保護層の引張伸びは、MD方向について2.0%、TD方向について4.8%であった。
5mm×5mmのサイズを有する正方形の吸放湿層であって、ポリアクリレート系繊維の不織布(目付378g/m2、40~60%RH下での厚さ0.8mm)からなる吸放湿層を準備した。なお、この吸放湿層は、吸放湿部材を作製する一般的な湿度雰囲気である40~60%RH下での吸湿状態(吸湿率30~50%程度の吸湿状態)のときの厚さを基準として、吸湿率100%では30~40%程度の厚さの増加を示す。一方、長さ方向及び幅方向の大きさは、上記吸湿率の変動によってもほぼ変化しない。
次に、基材の粘着剤層上に吸放湿層を配置した。吸放湿層は、基材の中心と吸放湿層の中心とを揃えるとともに、基材の辺と吸放湿層の辺とが互いに平行になるように配置した(図3参照)。次に、吸放湿層を覆うように保護層を配置し、保護層の外周縁部において基材の粘着剤層と保護層とを接合して吸放湿部材を作製できた。保護層は、基材の外周と保護層の外周とが一致するように配置した。基材と保護層との接合部22の幅L1は1.5mmとした。吸放湿層の端部24と基材及び保護層の端部23との距離L2は2.5mmであった。作製した吸放湿部材について、吸湿率は98%であり、吸湿時における接合部の剥がれは見られなかった。
(実施例2)
基材及び保護層のサイズを7mm×7mmに変更するとともに、単層のPTFE多孔質膜(厚さ80μm、ガーレー通気度1.0秒/100mL)に保護層を変更した以外は参考例1と同様にして、吸放湿部材を作製できた。5N/10mmの引張応力に対する保護層の引張伸びは、PTFE多孔質膜のMD方向について17.3%、TD方向について25.0%以上であった。基材と保護層との接合部22の幅L1は0.8mmとした。吸放湿層の端部24と基材及び保護層の端部23との距離L2は1.0mmであった。作製した吸放湿部材について、吸湿率は95%であり、吸湿時における接合部の剥がれは見られなかった。
(実施例3)
保護層を別の単層のPTFE多孔質膜(厚さ80μm、ガーレー通気度3.0秒/100mL)に変更した以外は実施例2と同様にして、吸放湿部材を作製できた。5N/10mmの引張応力に対する保護層の引張伸びは、PTFE多孔質膜のMD方向について7.5%、TD方向について25.0%以上であった。作製した吸放湿部材について、吸湿率は96%であり、吸湿時における接合部の剥がれは見られなかった。
(実施例4)
基材及び保護層のサイズ及び形状を6mm×22mmの長方形に変更し、吸放湿層のサイズ及び形状を4mm×20mmの長方形に変更するとともに、単層のPTFE多孔質膜(厚さ80μm、ガーレー通気度1.0秒/100mL)に保護層を変更した以外は参考例1と同様にして、吸放湿部材を作製できた。5N/10mmの引張応力に対する保護層の引張伸びは、PTFE多孔質膜のMD方向について17.3%、TD方向について25.0%以上であった。基材と保護層との接合部22の幅L1は0.8mmとした。吸放湿層の端部24と基材及び保護層の端部23との距離L2は1.0mmであった。作製した吸放湿部材について、吸湿率は95%であり、吸湿時における接合部の剥がれは見られなかった。吸放湿部材は、2つ作製した。
次に、内容積50mLの有底円筒状のガラス容器(ガラス製サンプル瓶、直径約32mm、高さ約65mm)を準備し、断熱フィルムの貼付によって当該容器の側面を断熱した。断熱フィルムには、両面粘着テープ(日東電工製No.57115B、厚さ0.15mm、基材層がPEフォーム)と、PETフィルム(東レ製ルミラー、厚さ100μm)との積層品を使用し、両面粘着テープの粘着剤層を用いて容器の側面(外側面)の全体に上記断熱フィルムを貼付した。なお、当該容器の底面に対しては、断熱フィルムの貼付は実施しなかった。次に、上記作製した2つの吸放湿部材を、上記容器内の底面近傍の側面(内側面)に対して、各々の一方の長辺が上記底面から約0.2mm離間する位置となり、かつ各々の長辺方向が容器の周方向となるように、また、互いに重複しないように、取り付けた。取り付けには、基材の粘着剤層を使用した。次に、25℃及び60%RHの環境下に6時間以上、蓋(PE製)をしない状態で容器を放置した後、蓋を閉めてすぐに-15℃の環境に容器を移動させた。移動から5分が経過した時点において容器の底面に結露が生じたかを目視により確認したところ、結露は生じていなかった。
(参考例
上記作製した2つの吸放湿部材を、上記容器内の開口近傍の側面(内側面)に対して、各々の一方の長辺が上記開口から約0.2mm離間する位置となり、かつ各々の長辺方向が容器の周方向となるように、また、互いに重複しないように、取り付けた。取り付けには、基材の粘着剤層を使用した。次に、25℃及び60%RHの環境下に6時間以上、蓋(PE製)をしない状態で容器を放置した後、蓋を閉めてすぐに-15℃の環境に容器を移動させた。移動から5分が経過した時点において容器の底面に結露が生じたかを目視により確認したところ、底面には結露が発生していた。
本発明の気体処理用部材は、例えば、電子機器、精密機器、電子部品等の内部に取り付けて、当該内部の空間の気体処理に使用できる。
1,1A,1B,1C,1D,1E,1F,1G,1H,1I 気体処理用部材
2 基材
3 気体処理層
4 保護層
11 接合部
21 ベースフィルム
22 接合部
23 端部
24 端部
31 カメラ
32 ボディ
33 カメラレンズ
34 開口
35 撮像素子
36 回路基板
37 外部モニタ
38 電子ファインダー
39 ファインダー窓
40,41,42 レンズ
43 筐体
44 筐体
45,46 光
101 支持材
102 フッ素樹脂フィルム
103 処理剤

Claims (12)

  1. 両面粘着テープから構成される基材(貫通孔を有するものを除く)と、前記基材上に配置された気体処理剤と、前記気体処理剤を覆うように前記基材上に配置された、通気性を有する保護層と、を備え、
    前記保護層は、前記両面粘着テープの粘着剤層に接合された接合部を有し、
    前記気体処理剤は、前記接合部に囲まれた領域における前記両面粘着テープの前記粘着剤層と前記保護層との間の空間に配置されており、
    前記保護層が、少なくとも1つの面内方向に加えられた5N/10mmの引張応力に対して、前記少なくとも1つの面内方向に5%以上の引張伸びを示す、気体処理用部材。
  2. 前記気体処理剤が、吸湿剤及び/又は吸放湿剤を含む請求項1に記載の気体処理用部材。
  3. 前記吸放湿剤が、吸放湿性を有するアクリル繊維を含む請求項2に記載の気体処理用部材。
  4. 前記吸放湿剤は、前記アクリル繊維の織布又は不織布を含む請求項3に記載の気体処理用部材。
  5. 前記気体処理剤が、前記保護層を経て外部から前記空間に透過した物質の吸収により膨張する請求項1~4のいずれかに記載の気体処理用部材。
  6. 前記保護層が、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)多孔質膜を含む請求項1~5のいずれかに記載の気体処理用部材。
  7. 前記両面粘着テープは、不織布又はフォームの基材層を有する基材付テープである請求項1~6のいずれかに記載の気体処理用部材。
  8. 前記基材の主面に垂直な方向から見た前記気体処理用部材の面積が132mm2以下である請求項1~7のいずれかに記載の気体処理用部材。
  9. 筐体を備え、
    請求項1~8のいずれかに記載の気体処理用部材が前記筐体の内部に収容された機器。
  10. 前記気体処理用部材が、前記筐体の内部に位置する表面に対して、前記両面粘着テープにおける前記気体処理剤が配置されている側の面とは反対側の面の粘着剤層により取り付けられている請求項9に記載の機器。
  11. 前記気体処理用部材が、前記筐体の内部における結露を防ぐべき部位又は当該部位の近傍に取り付けられている請求項9又は10に記載の機器。
  12. 電子機器又は光学機器である請求項9~11のいずれかに記載の機器。
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