JP7016291B2 - 電流遮蔽装置 - Google Patents

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本発明は、自動車等の車両に設けられた電気回路への電流の供給を遮蔽する電流遮蔽装置に関する。
近年、車両の一例である電気自動車には、高電圧のリチウムイオン電池などの蓄電池が搭載されており、当該電気自動車に設けられた電気回路には大電流が流れている現状がある。今後、電気自動車の大電流化は、ますます加速する見込みである。
このような電気自動車に事故が万一発生した場合に、当該事故に起因した漏電および感電などを防止するために、電気回路への電流の供給を遮蔽する電流遮蔽装置を設けることが提案されている(たとえば、下記特許文献1参照)。
下記特許文献1には、コンバータと蓄電池とを有する電気回路が設けられた車両に適用され、当該車両の衝突が検知された場合に蓄電池からコンバータへの電流供給を遮蔽する電気回路遮蔽装置が開示されている。この電気回路遮蔽装置においては、車両の衝突が検知された場合に作動する火薬式のアクチュエータにより駆動される給電回路遮蔽器が設けられている。この給電回路遮蔽器の作動によって、蓄電池とコンバータとを電気的に接続している電流供給路が切断される、とのことである。
特開2011-25912号公報
しかしながら、上記従来技術によれば、上記給電回路遮蔽器の作動によって電流供給路が切断されるものの、上記従来の電気回路遮蔽装置は高電圧環境に対応するものではない。すなわち、電流供給源が高電圧となる環境下においては、ケーブルなどの電流供給路の径が大きくなるため、当該電流供給路がたとえ遮蔽されたとしても、遮蔽後のアーク放電により電流が流れてしまう恐れがあった。また、車両事故時に電流供給源が破損することで予期しない大電流が流れてしまい、同じく遮蔽後のアーク放電により電流が流れてしまう恐れがあった。そのため、上記従来技術においては、電流遮蔽装置における電流遮蔽の信頼性を向上する余地があった。
そこで、本発明は、電流遮蔽の信頼性を向上することができる電流遮蔽装置を提供することを目的とする。
(1) 本発明は、電気機器および当該電気機器に電流を供給する電流供給源を有する電気回路が設けられた車両に用いられ、前記車両の衝突または前記回路の異常が検知された場合に前記電流供給源から前記電気機器への電流供給を遮蔽する電流遮蔽装置であって、前記電気機器と前記電気回路とを電気的に接続している電流供給路を切断可能な切断刃と、絶縁性物質を収容する収容部と、前記切断刃および前記絶縁性物質に対して前記電流供給路に向かう方向に圧力を直接又は間接的に付与することにより、前記切断刃を前記電流供給路に向けて移動させると共に、前記絶縁性物質を前記電流供給路に供給する圧力源と、前記衝突または前記回路の異常が検知された場合に、前記圧力源を駆動する制御部と、を備え、前記収容部は、前記圧力源の前記電流供給路側に配置され、所定以上の圧力が付加されることによって破壊される脆弱部または所定以上の熱が付加されることにより変形する変形可能部を有し、前記衝突または前記回路の異常が検知された場合に、前記圧力源の作動により前記脆弱部が破壊または前記変形可能部が変形されることにより前記絶縁性物質が前記電流供給路に向けて放出されるように構成されているものである。
上記(1)の構成によれば、衝突または回路の異常が検知された場合に、制御部によって、圧力源が駆動される。この圧力源は、切断刃を電流供給路に向けて移動させると共に、絶縁性物質を電流供給路に供給する。上記圧力源としては、後述する様々なものがあるが、たとえば点火器を採用することができる。この場合、衝突または回路の異常が検知された場合に点火器を作動させることによって、火薬の燃焼による高温ガスが生じ、当該高温ガスにより切断刃を電流供給路に向けて移動させ、当該電流供給路を切断させることができる。これにより、電気回路への電流の供給を遮蔽することができる。また、上記点火器の作動による高温ガスによって、収容部の絶縁性物質が、既に切断された電流供給路上に供給される。それにより、電流供給路の絶縁性を担保することができる。これによって、本発明によれば、電流遮蔽装置における電流遮蔽の信頼性を向上することができる。
上記()の構成によれば、収容部の一部(たとえば、底部または側部)を、圧力源の一例である油圧シリンダーによって移動される移動体により破壊される脆弱部として構成してもよいし、圧力源の一例である点火器の作動によって発生する高温ガスにより変形する変形可能部(たとえば熱可塑性樹脂)として構成してもよい。このような収容部の一部を破壊または変形させることで、当該収容部に収容されている絶縁性物質を電流供給路に向けて放出させることができる。
本発明に係る電流遮蔽装置は、別の観点として、電気機器および当該電気機器に電流を供給する電流供給源を有する電気回路が設けられた車両に用いられ、前記車両の衝突または前記回路の異常が検知された場合に前記電流供給源から前記電気機器への電流供給を遮蔽する電流遮蔽装置であって、前記電気機器と前記電気回路とを電気的に接続している電流供給路を切断可能な切断刃と、絶縁性物質を収容する収容部と、前記切断刃および前記絶縁性物質に対して前記電流供給路に向かう方向に圧力を直接又は間接的に付与することにより、前記切断刃を前記電流供給路に向けて移動させると共に、前記絶縁性物質を前記電流供給路に供給する圧力源と、前記衝突または前記回路の異常が検知された場合に、前記圧力源を駆動する制御部と、を備え、前記収容部は、前記圧力源の少なくとも圧力発生側を取り囲みつつ前記圧力源の圧力発生側から前記電流供給路側に向けて流路を形成するドーナツ型状部材と、初期状態で、前記圧力源の前記電流供給路側において前記ドーナツ型状部材の前記流路を閉塞し、所定以上の圧力が付加された場合に破壊される脆弱部または所定以上の熱が付加された場合に変形する変形可能部と、を有し、前記切断刃は、前記脆弱部または前記変形可能部の前記電流供給路側に配置され、前記衝突または前記回路の異常が検知された場合に、前記圧力源の作動によって前記脆弱部が破壊または前記変形可能部が変形されることにより前記絶縁性物質が前記電流供給路に向けて放出されるように構成されていてもよい。
上記()の構成によれば、上記()と同様の脆弱部または変形可能部を採用することができる。そして、収容部を上記ドーナツ型状に構成し、流路を形成することによって、圧力源の作動により生じる圧力を、上記流路を介することで効率よく切断刃に伝達させることが可能となる。これによって、電流供給路の切断の信頼性がより向上するため、電流遮蔽の信頼性が従来よりも向上した電流遮蔽装置を提供できる。
) 上記(又は電流遮蔽装置は、前記切断刃の根元側に固定され、前記電流供給路の長さ方向における前記切断刃の幅よりも大きい幅を有する板状の移動部材をさらに備えてもよい。
上記()の構成によれば、圧力源の作動によって、移動部材が切断刃と共に電流供給路に向かって移動する。そして、切断刃による電流供給路に対する一次的な切断における切断幅よりも大きい切断幅で、移動部材による電流供給路に対する二次的な切断を実現することができる。このことによって、切断後のアーク放電に起因して電流が流れてしまう可能性をより低くすることができるため、電流遮蔽の信頼性をより向上することができる。
) 上記(1)乃至()のいずれかの電流遮蔽装置においては、前記圧力源は点火器を有していることが好ましい。
上記()の構成によれば、圧力源を瞬時に起動させることができると共に、当該圧力源の軽量化を図ることができる。
) 本発明に係る電流遮蔽装置は、別の観点として、電気機器および当該電気機器に電流を供給する電流供給源を有する電気回路が設けられた車両に用いられ、前記車両の衝突または前記回路の異常が検知された場合に前記電流供給源から前記電気機器への電流供給を遮蔽するものであって、前記電気機器と前記電気回路とを電気的に接続している電流供給路を切断可能な切断刃と、絶縁性物質を収容する収容部と、前記切断刃に対して前記電流供給路に向かう方向に圧力を直接又は間接的に付与することにより、前記切断刃を前記電流供給路に向けて移動させる少なくとも1つの第1圧力源と、前記絶縁性物質に対して前記電流供給路に向かう方向に圧力を直接又は間接的に付与することにより、前記絶縁性物質を前記電流供給路に供給する少なくとも1つの第2圧力源と、前記衝突または前記回路の異常が検知された場合に、前記第1圧力源および前記第2圧力源を駆動する制御部と、を備えるものであってもよい。
上記()の構成によれば、衝突または回路の異常が検知された場合に、制御部によって、第1圧力源および第2圧力源が駆動される。第1圧力源は切断刃を電流供給路に向けて移動させ、第2圧力源は絶縁性物質を電流供給路に供給する。第2圧力源は1つでもよいし、複数であってもよい。たとえば、2つの第2圧力源を採用する場合、これらを互いに異なる位置に配置することで、絶縁性物質をより広い範囲で電流供給路に供給することができる。上記第1および第2圧力源としては、たとえば点火器を採用することができる。衝突または回路の異常が検知された場合に、第1圧力源としての点火器を作動させることによって、火薬の燃焼による高温ガスが生じ、当該高温ガスにより切断刃を電流供給路に向けて移動させ、当該電流供給路を切断させることができる。これにより、電気回路への電流の供給を遮蔽することができる。また、第2圧力源としての点火器の作動による高温ガスによって、収容部の絶縁性物質が、既に切断された電流供給路に供給される。それにより、電流供給路の絶縁性を担保することができる。これによって、本発明によれば、電流遮蔽の信頼性を向上することができる。
) 上記()の電流遮蔽装置においては、前記収容部は、前記第2圧力源の前記電流供給路側に配置され、所定以上の圧力が付加されることによって破壊される脆弱部または所定以上の熱が付加されることにより変形する変形可能部を有し、前記衝突または前記回路の異常が検知された場合に、前記第2圧力源の作動によって前記脆弱部が破壊または前記変形可能部が変形されることにより前記絶縁性物質が前記電流供給路に向けて放出されるように構成されていてもよい。
上記()の構成によれば、収容部の一部(たとえば、底部または側部)を、第2圧力源の一例である油圧シリンダーによって移動される移動体により破壊される脆弱部として構成してもよいし、第2圧力源の一例である点火器の作動によって発生する高温ガスにより変形する変形可能部(たとえば熱可塑性樹脂)として構成してもよい。このような収容部の一部を破壊または変形させることで、絶縁性物質を電流供給路に向けて放出させることができる。
上記)の電流遮蔽装置においては、前記収容部は、シリンダー状に形成され、前記第2圧力源は、作動時に圧力を発生する駆動部を前記電流供給路側に有し、
前記収容部内において、前記駆動部の先端部側から前記電流供給路側に向けて移動可能なピストンが設けられており、前記衝突または前記回路の異常が検知された場合に、前記第2圧力源の作動によって前記ピストンが前記駆動部の先端部側から前記電流供給路側に向けて押し込まれることにより、前記脆弱部が破壊または前記変形可能部が変形されて前記絶縁性物質が前記電流供給路に向けて放出されるように構成されていてもよい。
上記()の構成によれば、シリンダー状に形成された収容部内でピストンが押し込まれることによって、その圧力により収容部の一部(たとえば、底部または側部)が破壊または変形し、絶縁性物質が電流供給路上に放出される。このように、第2圧力源の作動により発生する圧力をピストンで全面的に受けて当該圧力を収容部の一部に伝達できるため、絶縁性物質の放出性を高めることができる。
) 上記()乃至()のいずれかの電流遮蔽装置は、前記切断刃の根元側に固定され、前記電流供給路の長さ方向における前記切断刃の幅よりも大きい幅を有する板状の移動部材をさらに備えてもよい。
上記()の構成によれば、第1圧力源の作動によって、移動部材が切断刃と共に電流供給路に向かって移動する。そして、切断刃による電流供給路に対する一次的な切断における切断幅よりも大きい切断幅で、移動部材による電流供給路に対する二次的な切断を実現することができる。このことによって、切断後のアーク放電に起因して電流が流れてしまう可能性をより低くすることができるため、電流遮蔽の信頼性をより向上することができる。
) 上記()乃至()のいずれかの電流遮蔽装置においては、前記第2圧力源で発生した圧力による前記絶縁性物質の供給方向が前記第1圧力源による前記切断刃の移動方向と平行となるように、前記第2圧力源と前記収容部とが配置されていてもよい。
上記()の構成によれば、切断刃により切断された電流供給路の部分を含む領域に対して、第2圧力源の作動による絶縁性物質の供給を行うことができる。
10) 上記()乃至()のいずれかの電流遮蔽装置においては、前記第2圧力源で発生した圧力による前記絶縁性物質の供給方向が前記第1圧力源による前記切断刃の移動方向と交差するように、前記第2圧力源と前記収容部とが配置されていてもよい。
上記(10)の構成によれば、切断刃により切断された電流供給路の部分に対して、第2圧力源の作動による絶縁性物質の供給をピンポイントで行うことができる。
11) 上記()乃至(10)のいずれかの電流遮蔽装置においては、前記第1圧力源および前記第2圧力源のうち少なくともいずれかは点火器を有していることが好ましい。
上記(11)の構成によれば、圧力源を瞬時に起動させることができると共に、当該圧力源の軽量化を図ることができる。
12) 上記()乃至(11)のいずれかの電流遮蔽装置において、前記衝突または前記回路の異常が検知された場合、前記制御部は、前記第1圧力源を駆動する制御を行った後に所定の時間差を設けて前記第2圧力源を駆動する制御を行うことが好ましい。
上記(12)の構成によれば、第1圧力源で回路を切断した後に、第2圧力源の噴射で絶縁物質を供給するため、切断面に絶縁物質が付着し、電流遮断を確実に行うことができる。また、第2圧力源の設置位置の選択肢を増やすことが可能である。

本発明によれば、電流遮蔽の信頼性を向上することが可能な電流遮蔽装置を提供することができる。
本発明の第1実施形態に係る電流遮蔽装置を示す断面図である。 図1の電流遮蔽装置において切断刃により電流供給路が切断された状態を示す断面図である。 図1の電流遮蔽装置において切断された電流供給路上に絶縁性物質が放出された状態を示す断面図である。 (a)は切断刃を移動させる一の点火器と絶縁性物質を放出する他の点火器との位置関係を示す説明図であり、(b)は(a)の変形例を示す説明図である。 第2の点火器とその周辺構成部とを示す図である。 第2の点火器とその周辺構成部の変形例とを示す図である。 本発明の第2実施形態に係る電流遮蔽装置を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る電流遮蔽装置の変形例を示す図である。
以下、本発明の実施形態に係る電流遮蔽装置について、図面を参照しながら説明する。本実施形態の電流遮蔽装置は、電気機器および当該電気機器に電流を供給する電流供給源(蓄電池)を有する電気回路が設けられた車両(たとえば、大電流を使用する電気自動車)に用いられ、車両の衝突または回路の異常が検知された場合に電流供給源から電気機器への電流供給を遮蔽するものである。以下の第1実施形態では複数(たとえば2個)の圧力源を用いる態様について説明し、第2実施形態では1個の圧力源を用いる態様について説明する。
なお、本発明において回路の異常とは、例えば、回路において、短絡、過電流、過電圧、異常発熱等が生じた場合を指す。回路の異常の検知に用いられるシステムに特段の限定はないが、例えば、回路に異常が生じた場合、回路に設置した端子から点火部が有する抵抗体に通電がなされるシステムが挙げられる。抵抗体への通電により発生するジュール熱が点火部の点火薬を燃焼させ、電流が遮断される。
(第1実施形態)
図1に示すように、本実施形態に係る電流遮蔽装置100は、圧力源(動力源)の一例である点火器10と、内部空間を有する切断室20と、点火器10の作動により生じる圧力によって、切断室20内を一方向(図1では下方)に向かって移動する板状の移動部材23と、移動部材23に保持された切断刃24と、衝突が検知された場合に、点火器10および後記の点火器60を駆動する制御部25とを備えている。
点火器10は、発生させた火炎を下方に位置する移動部材23に向けて放出できるように切断室20の上壁に保持されている。点火器10としては公知の点火器を用いることができる。点火器10は、火炎を発生するものであり、その内部に作動時において着火して燃焼することで火炎を発生する点火薬(図示略)と当該点火薬を着火させるための抵抗体(図示略)とを含んだ点火部11(駆動部)と、当該点火部11に接続された一対の端子ピン12、12とを備えている。また、移動部材23は、切断刃24の上端に固定され、後述の電流供給路30の長さ方向における切断刃24の幅よりも大きい幅を有している。
車両に設けられた加速度センサ等により当該車両の衝突または回路の異常が検知された際には、制御部25の制御によって、一対の端子ピン12、12を介して上記抵抗体に所定量の電流が流れる。抵抗体に電流が流れることによって、当該抵抗体においてジュール熱が発生し、点火薬が燃焼を開始する。燃焼により生じた高温の火炎は、点火薬を収納しているスクイブカップ(図示略)を破裂させる。点火器10において、上記抵抗体に電流が流れてから作動するまでの時間は、抵抗体にニクロム線を利用した場合には一般に2ミリ秒以下である。
切断室20の一方の側壁には貫通孔21が設けられ、他方の側壁には貫通孔22が設けられている。この貫通孔21、22を通して電流供給路30が架橋されている。電流供給路30はたとえば金属板または金属線からなり、その一方端が電気回路の蓄電池(図示略)に接続され、その他方端が車両の電気機器(図示略)に接続されている。
また、図5に示すように、電流遮蔽装置100は、管状の収容部63に収容された絶縁性物質64を電流供給路30(図1参照)に供給する少なくとも1つの、圧力源(動力源)としての一例である点火器60を備えている。この点火器60は、上述の点火器10と同様なものであるため詳細は省略するが、点火部61と一対の端子ピン62、62とを備えている。
収容部63は、点火器60の下方に配置され、脆弱部または熱により変形する変形可能部63a(たとえば熱可塑性樹脂製のもの)からなる底部を有している。点火器60の作動により生じる高温の火炎及び高圧の燃焼ガスによって変形可能部63aが破壊または穴が形成される程度に変形されることにより、絶縁性物質64が外部に放出されるように構成されている。なお、一変形例として、収容部63全体が熱により破壊または穴が形成される程度に変形される変形可能部(たとえば熱可塑性樹脂製のもの)であってもよいし、収容部63のどこか一部が破壊または穴が形成される程度に変形される変形可能部であってもよい。
絶縁性物質64としては、一般的に、誘電率が低い化合物が好ましいとされている。たとえば、絶縁性物質64としては、高分子材料、樹脂材料、または炭化水素等が好ましい。液体の場合、粘性が高い化合物程、電流遮断部に停留でき、絶縁を保持できるため好ましい。
上記高分子材料としては、たとえば、ポリアミド、ポリエチレン、ポリイソブチレン、ポリビニルクロライド、ポリクロロトリフロロエチレン、ポリビニルアセテート、ポリアクリレート、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンオキサイド樹脂、変性ポリフェニレンエーテル(m-PPE)、エチレンテトラフルオロエチレンコポリマー、ポリフッ化ビニリデン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリフェニレンサルファイド、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレン、ポリカプロラクタム、ポリモノクロロ、ポリスチロール、ポリスルホン酸、ポリビニルアルコール、セルロースアセテート、セルロースナイトレート、エチルセルロース、デキストリン、ポリスチレンペレット、ポリプロピレンペレット、およびポリエチレンペレットが挙げられる。
上記樹脂材料としては、たとえば、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、四フッ化エチレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、キシレン樹脂、アミノ樹脂、アニリン樹脂、グアナミン樹脂、アクリル樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)樹脂、ETFE樹脂、フッ素樹脂、PET樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、PEK樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、イソブチル樹脂、およびPEEK樹脂が挙げられる。
上記炭化水素としては、たとえば、シクロヘダン、シクロヘプタシロキサン、シクロヘキサン、シクロペンタン、デカン、デシレン、ジメチルペンタン、ジメチル-2-ヘキサン、ジメチルヘプタン、ジメチルペンタン、2-メチル2-ブテン、ブタン、灯油、イソオクタン、ガソリン、ジペンテン、スチレン、キシレン、メンソノール、ヘキサン、ナフタレン、ペンタジエン、ペンタン、液化石油ガス、ドデカン、 ドデシン、エチレンペンタン、ワセリン、キシレン、テレビン油、ウンデカン、ドコサン、cis-3-ヘキサン、アセチレン、ジクロロスチレン、エチルシクロブタン、ヘプタン、ヘキシレン、メチルシクロペンタン、トリメチル-3-ヘプテン、オクタン、トランス-3-ヘキシン、メチルブタン、およびミクロヘキサンが挙げられる。
また、絶縁性物質64の他の例として、芳香族化合物、ハロゲン化合物、または気体を用いることができる。
上記芳香族化合物としては、たとえば、ベンゼン、エチルトルエン、イソブチルベンゼン、ジフェニルメタン、ジフェニルエタン、ジフェニル、イソプロピルベンゼン、クメン、チオフェン、トリメチルベンゼン、トリニトロベンゼン、デカハイドロナフタレン、トリフェニルメタン、シメン、ジクロロベンゼン、リモネン、カンフェン、スクシニロこはく酸ジエチル、ジメチルキノキサリン、ジオキサン、オイゲノール、メシチレン、ニトロトルエン、ノナン、シメン、フェナントレン、フェニルウレタン、フェニルエチレン、プロピルベンゼン、1,2,4-トリメチルベンゼン、キノリン、およびテルピネオールが挙げられる。
上記ハロゲン化合物としては、たとえば、ヒ化水素、臭素、塩素、フッ素、ボロンブロマイド、フレオン、トリクロロプロパン、およびナフサが挙げられる。
上記気体としては、たとえば、アルゴン、二酸化炭素、二硫化炭素、一酸化二窒素、四酸化二窒素、窒素、液体空気、水素、メタン、重水素、酸素、亜酸化窒素、六フッ化硫黄、フロン、および炭酸ガスが挙げられる。
さらに、絶縁性物質64の他の例として、アルミニウム粉、アンモニア、四塩化炭素、コレステロール、イソプレン、酢酸鉛、四塩化鉛、水銀、ジエチル水銀、リン、五塩化リン、ジエチル亜鉛、オレイン酸銅、菫青石、コットン、水酸化アルミニウム、オレイン酸アルミニウム、アスファルト、ジイミルアミン、ジイソアミル、ジイソアミレン、フッ化アルミニウム、カプロン酸、カプロラクタム、シクロヘキサンカルボン酸、デカメチルシクロペンタシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ジイソプロピルアミン、ドデカメチルシクロヘキシシロキサン、ドデカメチルペンタシロキサン、エボナイト、エチレンテトラフロライド、第二鉄オレイン酸、フェロクロム、フライアッシュ、酸性白土、四塩化グルマニウム、エナント酸、ヘキサメチルジシロキサン、シアン化水素酸、イソ吉草酸、イソ酪酸、イソフタル酸、イソプロピルアミン、リノール酸、メチラール、マイカナイト、ギ酸ブチル、酢酸ブチル、オクタメチルシクロテトラシロキサン、オレイン酸、パルミチン酸、シクロパラフィン、パラフィン、塩素化パラフィン、パーライト、フェニル-1-プロパン、ケイ酸アルミニウム、四塩化珪素、シリコンオイル、オレイン酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、ステアリン酸、ステアリン、テトラクロロエチレン、テトラフルオロエチレン、テトラニトロメタン、塩化チタン、トリエチルアミニウム、酸化亜鉛(II)、吉草酸、シェル砂、フェロシリコン、窒素(液体)、フェラスト(粉末)、酸化鉄(II)、トクシール、テレクル酸、テレフタル酸、グラニュー糖(粉末)、塩ビ流体、PEキューブ、炭酸カルシウム、ポリカ粉、プロパン(液体)、セビン、タルク、次亜塩素酸カルシウム、およびリン酸カルシウムが挙げられる。
以上のような絶縁性物質64の中でも、火薬の熱により硬化し、電流供給路30の切断部分を塞ぐことが可能な熱硬化性樹脂がより好ましい。したがって、絶縁性物質64としては、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、フラン樹脂、ケトン樹脂、キシレン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリビスマレイミド・トリアジン、(ベンゾ)グアナミン樹脂、およびビニルエステル樹脂が好ましく、金属との接着性が良いエポキシ樹脂がより好ましいと考えられる。また、上記エポキシ樹脂においては、本剤に含まれる硬化剤が加熱により反応して硬化する一液性と、本剤と硬化剤とが混合により硬化する二液性とがある。どちらも適宜選択することが出来るが、車両搭載時の熱により反応を起こす可能性が考えられるため、耐環境性から二液性で火薬の熱エネルギーにより混合され、固化する物質が好ましい。
また、絶縁性物質64には、難燃剤が含まれていることが好ましい。この難燃剤としては、たとえば、金属フィラー、ハロゲン化合物(臭素化合物など)が挙げられる。
ここで、切断刃24を移動させる点火器10と絶縁性物質64を放出する点火器60との位置関係について説明する。図4(a)に示すように、点火器10の位置(たとえば下端の位置)をL1とし、点火器60の位置(たとえば下端の位置)をL2とした場合、位置L1と位置L2とがほぼ同じ高さ位置に設定されると共に、点火器60による絶縁性物質64の供給方向が点火器10による切断刃24の移動方向と平行となるように、点火器10、60が配置されてもよい。なお、図4(a)において電流供給路を符号30で示しているが、説明の便宜上、実線で示している。
また、上述の切断室20の代わりに、図4(b)に示すように、上面部51と当該上面部51と交差するように上面部51に連結された傾斜部52とを含んだ切断室50を採用してもよい。この場合、点火器60の位置(たとえば下端の位置)L4は傾斜部52に設定され、点火器10の位置(たとえば下端の位置)L3は上面部51に設定される。これにより、点火器60による絶縁性物質64の供給方向が点火器10による切断刃24の移動方向と交差するようになる。なお、図4(b)において電流供給路を符号130で示しているが、説明の便宜上、実線で示している。
以上のような構成において、車両の衝突または回路の異常が検知された際に、制御部25の制御によって、点火器10の一対の端子ピン12、12に所定量の電流が供給されると、図1に示すように、点火部11の作動により生じる先端部11aから発せられた火炎の圧力によって、移動部材23および切断刃24が下方に移動する。
そうすると、切断刃24により電流供給路30が一次的に切断され、その後図2に示すように、切断刃24による電流供給路30に対する一次的な切断における切断幅よりも大きい切断幅で、移動部材23による電流供給路30に対する二次的な切断が実現されるようになっている。
この後、制御部25の制御によって、点火器60(図5参照)の一対の端子ピン62、62(図5参照)に所定量の電流が供給される。それにより、点火部61が作動し、これによって生じる高温の火炎により変形可能部63aが破壊または変形されることで、絶縁性物質64が収容部63の外部に放出された後、図3(点火器60は図3に図示せず)に示すように、切断済みの電流供給路30上に供給されることとなる。これによって、電流供給路30が絶縁される。
このように、本実施形態の電流遮蔽装置100によれば、車両の衝突または回路の異常が検知された場合に、制御部25によって、点火器10および点火器60が駆動される。点火器10は切断刃24を電流供給路30に向けて移動させ、点火器60は絶縁性物質64を電流供給路30の少なくとも切断部分上に供給する。具体的には、衝突または回路の異常が検知された場合に、点火器10を作動させることによって、火薬の燃焼による高温ガスが生じ、当該高温ガスにより切断刃24を電流供給路30に向けて移動させ、当該電流供給路30を切断させることができる。これにより、電気回路への電流の供給を遮蔽することができる。また、点火器60の作動により生じる高温ガスによって、収容部63内の絶縁性物質64が、既に切断された電流供給路30上に供給される。その結果として、電流遮蔽装置100の作動後における電流供給路30の絶縁性を担保することができる。これによって、電流遮蔽装置100は、従来よりも電流遮蔽の信頼性を向上することができる。なお、点火器60は1つでもよいし、複数であってもよい。たとえば、2つの点火器60を採用する場合、これらを互いに異なる位置に配置することで、絶縁性物質64をより広い範囲で電流供給路30上に供給することができる。
また、本実施形態では、収容部63の変形可能部63aを、点火器60の作動によって発生する高温ガスにより変形する変形可能部(熱可塑性樹脂)として構成することができる。これにより、収容部63の変形可能部63aを変形させることで、絶縁性物質64を容易に電流供給路30に向けて放出させることができる。
また、本実施形態では、切断刃24による電流供給路30に対する一次的な切断における切断幅よりも大きい切断幅で、移動部材23による電流供給路30に対する二次的な切断を実現することができる。このことによって、切断後のアーク放電に起因して電流が流れてしまう可能性をより低くすることができるため、電流遮蔽の信頼性をより向上することができる。
また、本実施形態では、点火器10の位置L1と点火器60の位置L2とがほぼ同じ高さ位置に設定されると共に、点火器60による絶縁性物質64の供給方向が点火器10による切断刃24の移動方向と平行となるように、点火器10、60を配置することができる。これにより、切断刃24によって切断された電流供給路30の部分を含む領域に対して、点火器60の作動による絶縁性物質64の供給を行うことができる。
また、本実施形態では、点火器60の位置L4を傾斜部52に設定し、点火器10の位置L3を上面部51に設定することによって、点火器60による絶縁性物質64の供給方向を点火器10による切断刃24の移動方向に交差させることができる。これにより、切断刃24により切断された電流供給路30の部分に対して、点火器60の作動による絶縁性物質64の供給をピンポイントで行うことができる。
さらに、本実施形態では、第1の圧力源としての点火器10を採用し、第2の圧力源としての点火器60を採用した。これにより、これらの圧力源を瞬時に起動させることができると共に、当該圧力源の軽量化を図ることができる。
さらに、本実施形態では、制御部によって、第1の圧力源が駆動した後に時間差を設けて第2の圧力源が駆動するように制御することも好ましい。本実施形態では、第1の圧力源による回路の切断を確実にするために、第1の圧力源から回路までの距離は、可能な限り長いことが好ましい。これは、切断刃の移動距離を長くすることで切断刃の加速がより期待でき、確実に回路が切断できるためである。このことから、第1の圧力源から回路までの距離が第2の圧力源から回路までの距離より長い実施形態で第1の圧力源と第2の圧力源が同時に作動する場合、絶縁物質が先に回路に付着してしまい、回路の切断面に絶縁物質が付着しない可能性がある。しかしながら前記時間差を設けることで、第1圧力源により切断された回路の切断面に絶縁物質を付着することになり、絶縁物質による電流の遮断効果が確実に表れる。また、絶縁物質を内包するため第1圧力源より大きい第2圧力源は、その大きさのため、また、切断された回路の切断面に絶縁物質が付着する必要があることから、第2圧力源からの絶縁物質の噴射角度が重要であることから、第2圧力源の設置位置に制限がある。前記時間差を設けることで、第1の圧力源から回路までの距離より近い場所にも第2の圧力源を設置することが可能となり、第2の圧力源の設置位置の選択域が増える。
なお、絶縁性物質の放出方法を次のように変形してもよい。図6は第2の圧力源としての点火器160とその周辺構成部とを示す図である。図6において、上述の図5と下2桁が同じ符号の部位は、特に示す場合を除き、図5で説明したものと同様であるので説明を省略する。
図6に示すように、収容部163内において第2の圧力源としての点火器160の下方にピストン165が設けられる。衝突または回路の異常が検知された場合に、点火器160の作動により生じる圧力によってピストン165が下方に押し込まれることにより、収容部163の変形可能部163aが破壊または変形されて穴が開き、絶縁性物質164が電流供給路30(図1参照)に向けて放出されるように構成されている。このように、点火器160の作動により発生する圧力をピストン165で全面的に受けて当該圧力を変形可能部163aに伝達できるため、絶縁性物質164の放出性を高めることができる。
(第2実施形態)
続いて、第2実施形態に係る電流遮蔽装置200について、図面を参照しながら説明する。
図7は第2実施形態に係る電流遮蔽装置を示す断面図である。なお、図7において、上述の図3と下2桁が同じ符号の部位は、特に示す場合を除き、図3で説明したものと同様であるので説明を省略する。
図7に示すように、第2実施形態に係る電流遮蔽装置200においては、点火器110の一部(下部)と絶縁性物質264とが切断室120内に、つまり同じ室内に配設されている。切断室120内の上部に、絶縁性物質264を収容する収容部141が設けられている。この収容部141は、点火器110の下方に配置され、熱可塑性樹脂で構成された変形可能部142を有している。また、切断刃124は上記変形可能部142の下面に設けられている。
このような構成において、車両の衝突または回路の異常が検知された場合に、制御部125によって、点火器110が駆動され、それにより発生する高温ガスにより切断刃124が電流供給路230に向けて移動し、当該電流供給路230を切断することができる。これにより、電気回路への電流の供給を遮蔽することができる。また、上記高温ガスによって、熱可塑性樹脂よりなる変形可能部142が変形されまたは破壊されることによって穴が開き、絶縁性物質264が、既に切断された電流供給路230上に供給される。その結果として、電流遮蔽装置200の作動後における電流供給路230の絶縁性を担保することができる。これによって、電流遮蔽装置200は、従来よりも電流遮蔽の信頼性を向上することができる。さらに、電流遮蔽装置200では、電流供給路230の切断と絶縁性物質264の放出との作用を充足するための圧力源として、1つの点火器110を用いることで済む。
なお、図7の電流遮蔽装置200を次のように変形することもできる。
図8は図7の電流遮蔽装置200の変形例を示す図である。図8において、図7と下2桁が同じ符号の部位は、特に示す場合を除き、図7における内容と同様であるので説明を省略する。
図8に示す電流遮蔽装置300においても、点火器210の一部(下部)と絶縁性物質364とが切断室220内に、つまり同じ室内に配設されている。切断室220内の上部に、絶縁性物質364を収容する収容部241が設けられている。この収容部241は、点火器210の下方に配置され、点火器210の少なくとも下部を取り囲むドーナツ型状の部材として形成されている。詳しくは、収容部241は、熱可塑性樹脂で構成され、点火器210の下方(点火部211の先端部211aの下方)に流路221を形成するための筒部243と、熱可塑性樹脂で構成された変形可能部242とを有している。また、変形可能部242は、底部に、流路221を閉塞するように形成され、火炎による熱によって変形可能な変形可能部242aを有している。切断刃224は上記変形可能部242aの下面に設けられている。
このような構成において、衝突または回路の異常が検知された場合に、制御部225によって、点火器210が駆動され、それにより発生する高温ガスにより切断刃224が電流供給路330に向けて移動し、当該電流供給路330を切断することができる。これにより、電気回路への電流の供給を遮蔽することができる。また、上記高温ガスによって、熱可塑性樹脂よりなる変形可能部242および筒部243が変形または破壊されることによって穴が開き、絶縁性物質364が、既に切断された電流供給路330上に供給される。その結果として、電流遮蔽装置200の作動後における電流供給路330の絶縁性を担保することができる。これによって、電流遮蔽装置200は、従来よりも電流遮蔽の信頼性を向上することができる。さらに、収容部241を上記ドーナツ型状の部材として構成して流路221を形成することによって、点火器210の作動により生じる圧力を、流路221を介することであまりロスすることなく切断刃224に伝達させることが可能となる。これによって、電流遮蔽装置200は、電流供給路330の切断の信頼性がより向上するので、電流遮蔽の信頼性も全体的に向上することができる。また、電流遮蔽装置300においても、電流供給路330の切断と絶縁性物質364の放出との作用を充足するための圧力源として、1つの点火器210を用いることで済み、第1実施形態の装置に比べて軽量にすることができる。
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限定されるものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
上記第1実施形態および第2実施形態では、第1の圧力源として点火器10を用い、第2の圧力源として点火器60を用いたが、これに限定されるものではなく、第1の圧力源および第2の圧力源として、たとえば油圧シリンダー等の圧力源を採用してもよい。その他の圧力源としては、所定の圧力を発生させるものであれば、どのようなものでもよく、たとえば、(1)可燃性の液体、固体、ガスを着火させて、燃焼による圧力を発生させるもの(ガス発生器、マイクロガスジェネレータ等)、(2)電磁力を発生させて磁力による引力または反発力で磁石部材を飛ばすことによって衝突による圧力を発生させるもの、(3)付勢力を有するようにバネまたはゴム等の弾性体を係留した後、モータ等で上記係留を解除して飛ばすことによって衝突による圧力を発生させるもの、などが挙げられる。なお、圧力源としては、スペースの有効活用、軽量化、およびコストの面から、点火器を用いることが好ましい。
また、上記第1実施形態および第2実施形態では、変形可能部63a、変形可能部242aを、点火器60の作動により生じる高温ガスによって変形するもの(たとえば熱可塑性樹脂)として構成することができた。しかし、これに限らず、上記のように、第1の圧力源および第2の圧力源として油圧シリンダー等の他の圧力源を採用する場合には、変形可能部63a、変形可能部242aを、当該油圧シリンダーによって移動される移動体により破壊される脆弱部として構成してもよい。
10、60、110、160、210 点火器
11、61、111、161、211 点火部(駆動部)
11a、61a、111a、161a、211a (点火部の)先端部
12、62、112、162、212 端子ピン
20、50、120、220 切断室
21、22 貫通孔
23 移動部材
24、124 切断刃
25、125、225 制御部
30、130、230、330 電流供給路
51 上面部
52 傾斜部
63、163 収容部
63a、163a、142、242、242a 変形可能部
64、164、264、364 絶縁性物質
100、200、300 電流遮蔽装置
141、241 収容部
165 ピストン
221 流路
243 筒部
L1、L2、L3、L4 点火器の位置

Claims (12)

  1. 電気機器および当該電気機器に電流を供給する電流供給源を有する電気回路が設けられた車両に用いられ、前記車両の衝突または前記回路の異常が検知された場合に前記電流供給源から前記電気機器への電流供給を遮蔽する電流遮蔽装置であって、
    前記電気機器と前記電気回路とを電気的に接続している電流供給路を切断可能な切断刃と、
    絶縁性物質を収容する収容部と、
    前記切断刃および前記絶縁性物質に対して前記電流供給路に向かう方向に圧力を直接又は間接的に付与することにより、前記切断刃を前記電流供給路に向けて移動させると共に、前記絶縁性物質を前記電流供給路に供給する圧力源と、
    前記衝突または前記回路の異常が検知された場合に、前記圧力源を駆動する制御部と、を備え
    前記収容部は、前記圧力源の前記電流供給路側に配置され、所定以上の圧力が付加されることによって破壊される脆弱部または所定以上の熱が付加されることにより変形する変形可能部を有し、
    前記衝突または前記回路の異常が検知された場合に、前記圧力源の作動により前記脆弱部が破壊または前記変形可能部が変形されることにより前記絶縁性物質が前記電流供給路に向けて放出されるように構成されていることを特徴とする電流遮蔽装置。
  2. 電気機器および当該電気機器に電流を供給する電流供給源を有する電気回路が設けられた車両に用いられ、前記車両の衝突または前記回路の異常が検知された場合に前記電流供給源から前記電気機器への電流供給を遮蔽する電流遮蔽装置であって、
    前記電気機器と前記電気回路とを電気的に接続している電流供給路を切断可能な切断刃と、
    絶縁性物質を収容する収容部と、
    前記切断刃および前記絶縁性物質に対して前記電流供給路に向かう方向に圧力を直接又は間接的に付与することにより、前記切断刃を前記電流供給路に向けて移動させると共に、前記絶縁性物質を前記電流供給路に供給する圧力源と、
    前記衝突または前記回路の異常が検知された場合に、前記圧力源を駆動する制御部と、を備え、
    前記収容部は、
    前記圧力源の少なくとも圧力発生側を取り囲みつつ前記圧力源の圧力発生側から前記電流供給路側に向けて流路を形成するドーナツ型状部材と、
    初期状態で、前記圧力源の前記電流供給路側において前記ドーナツ型状部材の前記流路を閉塞し、所定以上の圧力が付加された場合に破壊される脆弱部または所定以上の熱が付加された場合に変形する変形可能部と、
    を有し、
    前記切断刃は、前記脆弱部または前記変形可能部の前記電流供給路側に配置され、
    前記衝突または前記回路の異常が検知された場合に、前記圧力源の作動によって前記脆弱部が破壊または前記変形可能部が変形されることにより前記絶縁性物質が前記電流供給路に向けて放出されるように構成されていることを特徴とする電流遮蔽装置。
  3. 前記切断刃の根元側に固定され、前記電流供給路の長さ方向における前記切断刃の幅よりも大きい幅を有する板状の移動部材をさらに備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の電流遮蔽装置。
  4. 前記圧力源が点火器を有していることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の電流遮蔽装置。
  5. 電気機器および当該電気機器に電流を供給する電流供給源を有する電気回路が設けられた車両に用いられ、前記車両の衝突または前記回路の異常が検知された場合に前記電流供給源から前記電気機器への電流供給を遮蔽する電流遮蔽装置であって、
    前記電気機器と前記電気回路とを電気的に接続している電流供給路を切断可能な切断刃と、
    絶縁性物質を収容する収容部と、
    前記切断刃に対して前記電流供給路に向かう方向に圧力を直接又は間接的に付与することにより、前記切断刃を前記電流供給路に向けて移動させる少なくとも1つの第1圧力源と、
    前記絶縁性物質に対して前記電流供給路に向かう方向に圧力を直接又は間接的に付与することにより、前記絶縁性物質を前記電流供給路に供給する少なくとも1つの第2圧力源と、
    前記衝突または前記回路の異常が検知された場合に、前記第1圧力源および前記第2圧力源を駆動する制御部と、を備えることを特徴とする電流遮蔽装置。
  6. 前記収容部は、前記第2圧力源の前記電流供給路側に配置され、所定以上の圧力が付加されることによって破壊される脆弱部または所定以上の熱が付加されることにより変形する変形可能部を有し、
    前記衝突または前記回路の異常が検知された場合に、前記第2圧力源の作動によって前記脆弱部が破壊または前記変形可能部が変形されることにより前記絶縁性物質が前記電流供給路に向けて放出されるように構成されていることを特徴とする請求項に記載の電流遮蔽装置。
  7. 前記収容部は、シリンダー状に形成され、
    前記第2圧力源は、作動時に圧力を発生する駆動部を前記電流供給路側に有し、
    前記収容部内において、前記駆動部の先端部側から前記電流供給路側に向けて移動可能なピストンが設けられており、
    前記衝突または前記回路の異常が検知された場合に、前記第2圧力源の作動によって前記ピストンが前記駆動部の先端部側から前記電流供給路側に向けて押し込まれることにより、前記脆弱部が破壊または前記変形可能部が変形されて前記絶縁性物質が前記電流供給路に向けて放出されるように構成されていることを特徴とする請求項に記載の電流遮蔽装置。
  8. 前記切断刃の根元側に固定され、前記電流供給路の長さ方向における前記切断刃の幅よりも大きい幅を有する板状の移動部材をさらに備えることを特徴とする請求項乃至のいずれか1項に記載の電流遮蔽装置。
  9. 前記第2圧力源で発生した圧力による前記絶縁性物質の供給方向が前記第1圧力源による前記切断刃の移動方向と平行となるように、前記第2圧力源と前記収容部とが配置されていることを特徴とする請求項乃至のいずれか1項に記載の電流遮蔽装置。
  10. 前記第2圧力源で発生した圧力による前記絶縁性物質の供給方向が前記第1圧力源による前記切断刃の移動方向と交差するように、前記第2圧力源と前記収容部とが配置されていることを特徴とする請求項乃至のいずれか1項に記載の電流遮蔽装置。
  11. 前記第1圧力源または前記第2圧力源のうち少なくともいずれかが点火器を有していることを特徴とする請求項乃至10のいずれか1項に記載の電流遮蔽装置。
  12. 前記衝突または前記回路の異常が検知された場合、前記制御部は、前記第1圧力源を駆動する制御を行った後に所定の時間差を設けて前記第2圧力源を駆動する制御を行うことを特徴とする請求項乃至11のいずれか1項に記載の電流遮蔽装置。
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