以下、一実施形態について図1から図10を参照しながら説明する。
図1に示すように、本実施形態の室内撮像システム100は、家電製品としての冷蔵庫1、室内を撮像するためのカメラ装置2、冷蔵庫1側との間で通信を行うためのアクセスポイント3、操作端末4等により構成されている。このうち、アクセスポイント3は、通信手段である外部ネットワーク(広域通信網や携帯電話網)5に接続しており、外部ネットワーク5を介して遠隔地の操作端末4やサーバ6等と冷蔵庫1側との間を通信可能に接続している。本実施形態では、冷蔵庫1とアクセスポイント3との間、アクセスポイント3と操作端末4との間、およびカメラ装置2とアクセスポイント3との間は、通信手段である近距離無線通信例えばBluetooth(登録商標)による無線通信にて通信が行われる。
操作端末4は、カメラ装置2に室内を撮像させるための撮像指示を入力するものであり、タブレット型のパソコンや、いわゆるスマートフォン(高機能携帯電話)を想定している。この操作端末4は、住宅7内に位置している場合には、アクセスポイント3との間で近距離無線方式により通信可能に接続される。また、操作端末4は、住宅7外に位置している場合には、広域通信により外部ネットワーク5を介してアクセスポイント3との間で通信可能に接続される。また、操作端末4は、住宅7内からであっても広域通信により外部ネットワーク5を介してアクセスポイント3に接続することが可能であるとともに、住宅7内においては、アクセスポイント3を介さずに冷蔵庫1側と直接的に通信可能でもある。
サーバ6は、周知のコンピュータシステムにより構成されており、冷蔵庫1にアクセスするための情報(例えばIPアドレス等)等を記憶しているとともに、本実施形態では、カメラ装置2により撮像された撮像データを記憶する。なお、図1では冷蔵庫1のみを図示しているが、図示しないエアコン等、他の家電製品もネットワーク化されている。
このように家電製品をネットワーク化することにより、各家電製品の消費電力をユーザに目に見える形で提供する見える化、夏場の昼間等の電力需要が大きくなる時間帯における電力消費を低減するピークシフト、一般家庭の定格を超えるような電力の瞬間的な使用を回避するピークカット等の電力コントロールや、家電製品の故障診断等、使い勝手や快適性あるいは利便性を提供するためのシステムを提供することが可能となる。また、カメラ装置2を例えば冷蔵室内に設置することにより、冷蔵庫1の室内の様子(物品の貯蔵状態等)を確認すること等も可能となる。そして、これら各種の情報や撮像データ等をサーバ6に記憶することで、遠隔地であっても外部ネットワーク5等を介して操作端末4等によりそれらの情報を参照することが可能となる。
次に、カメラ装置2について説明する。
カメラ装置2は、図2および図3に示すように、概ね直方体の形状に形成された筐体10の表面に、撮像部(撮像手段)11(図4参照)のレンズ12、本実施形態では2個の撮像ライト13、および光センサ14(受信手段)が露出するように設けられている。ただし、レンズ12や撮像ライト13および光センサ14は、筐体10外に露出するのではなく、その表面がカバー等で覆われた態様であってもよい。以下、レンズ12等が露出している側を(図3の図示右方側)をカメラ装置2の正面とし、反対側(図3の図示左方側)を背面として説明する。
このカメラ装置2は、図3に示すように、筐体10内に、制御基板15、電池16、通信モジュール17、加速度センサ19、温度センサ20等が収容されている。制御基板15には、レンズ12や図示しない撮像素子を有する撮像部11、撮像ライト13、およびそれらを制御するためのカメラ側制御部18(図4参照)等が設けられている。撮像素子は、CCDやCMOS等の周知の撮像素子が用いられている。撮像ライト13は、LEDを採用している。又、カメラ装置2には電源スイッチ10a(図4参照)、設定情報受け取り開始兼終了用の設定情報受け取りスイッチ10b(図4参照)が設けられている。但し、このカメラ装置2には、表示部や、細かい設定のための操作スイッチ(入力部)などは備えていない。
電池16は、制御部や通信モジュール17、および光センサ14、加速度センサ19等に電力を供給する。つまり、カメラ装置2は、内蔵する電池16により駆動される。このため、カメラ装置2は、電源ケーブル等が不要となり、任意の場所に設置することが可能となる。本実施形態では、上記したようにカメラ装置2は冷蔵室内に設置されている。
通信モジュール17は、撮像部11で撮像した庫内の撮像データを、アクセスポイント3を介して操作端末4やサーバ6等に送信する。なお、サーバ6に送信するのは、撮像データをサーバ6に記憶させるためである。ここで、撮像データとは、室内の画像を含むデータであり、例えばビットマップ形式やJPEG形式或いはMPEG形式などの周知のフォーマットのデータ(静止画、動画)、そのデータを圧縮や暗号化あるいは画像処理することにより変換したデータ等、室内の様子を操作端末4等で確認できるデータであれば、どのような形式のものであってもよい。
図4に示すように、カメラ側制御部18は、CPU18a、ROM18b、RAM18cおよび時計部(時計手段)18d、情報記憶手段としての不揮発性メモリ18e等を有するマイクロコンピュータで構成されており、カメラ装置2全体を制御する。具体的には、カメラ側制御部18は、撮像部11による撮像タイミングの制御、撮像する際の撮像環境を整える制御(撮像ライト13の点灯制御)、通信モジュール17による撮像データの送信、光センサ14による後述する撮像指示の受信(受け付け)等のための制御等を行っている。また、カメラ側制御部18は、本実施形態では、撮像した画像の補正等を行う画像処理も行っている。カメラ側制御部18は、スリープ制御、記憶制御手段、撮像制御手段を構成している。
前記時計部18dは、リアルタイムクロックモジュールから構成されており、時刻・カレンダー機能を有し、リアルタイムの時間(時刻、月日、曜日)を計測できる。
カメラ側制御部18に接続されている光センサ14は、いわゆる照度センサであり、カメラ装置2の周辺の照度を検出する。より詳細には、光センサ14は、所定の波長帯域の光エネルギー(本実施形態では、後述する室内照明灯30、32から発せられる光エネルギー)を検出する。光センサ14で検出された光エネルギーは、電気信号に変換されてカメラ側制御部18に出力される。
前記光センサ14は、詳細は後述するが、物理的なエネルギー(光エネルギー)を検出するセンサであり、撮像指示を受信する受信手段を構成している。なお、撮像指示を例えば光エネルギーで受信するのでなく、音エネルギーや振動エネルギーで受信する場合には、音センサや振動センサを受信手段として設ける構成としてもよい。
本実施形態の場合、ユーザからの撮像指示の最終的な信号形態は、所定のパターンで発せられた光エネルギー(後述の室内照明灯30、32の所定パターンの点滅)により示される構成となっており、カメラ側制御部18は、光センサ14により上記所定パターンの点滅を検出したときに、撮像指示であると判断する。
加速度センサ19は、カメラ装置2の設置姿勢(縦置き、横置き、レンズ12が下向き、レンズ12が上向き)を検出する。
温度センサ20は、カメラ装置2が設置された場所の温度を検知する。カメラ装置2では、この温度センサ20による検知温度が冷蔵室温度帯の場合には冷蔵室にカメラ装置2が設置されたと判断し、前記検知温度が冷凍室温度帯の場合には冷凍室にカメラ装置2が設置されたと判断する。この場合、冷凍室に設置されていると判断した場合、故障等の虞が懸念されるため、冷蔵庫1側に「冷凍室に置かないでください」などの確認や、アドバイス、警告などの旨を送信して冷蔵庫1の操作パネル22等にてユーザーに報知する。
このような構成のカメラ装置2は、常には通常動作モードよりも相対的に消費電力が少ない低電力モード(スリープ制御モード)にて待機しており、撮像指示を受信すると、通常動作モードに復帰して室内を撮像する。本実施形態の場合、カメラ装置2は冷蔵室内に設けられていることから、冷蔵室の室内が撮像される。
カメラ装置2が設置される冷蔵庫1は、庫側制御部21を有している。この庫側制御部21は、CPU21a、ROM21b、RAM21c、タイマ21d等を有するマイクロコンピュータで構成されており、冷蔵庫1全体を制御する。具体的には、庫側制御部21は、例えば操作パネル22から設定された運転状態となるように、温度センサ23で検出した庫内の温度や扉センサ24で検出した扉の開閉状態等に基づいて、周知の冷凍サイクルを構成する冷蔵用冷却機構25や冷凍用冷却機構26の運転状態を制御する。
操作パネル22には、パネル表示器27、パネルLED28、パネルブザー29が設けられている。パネル表示器27は、設定値等を表示する。パネルLED28は、操作スイッチや運転状態等を点灯させるために設けられている。パネルブザー29は、圧電ブザー等で構成され、操作に応じて音声(音エネルギー)を発することで、操作内容を報知する。
室内照明灯30は、例えば冷蔵室1a(図1参照)に当該冷蔵室のほぼ全体を照明するために設けられており、又、室内照明灯32は例えば冷蔵室1a内に設けられた冷蔵容器1b(図1参照)の内部を点灯するために設けられている。この冷蔵容器1bは透明な材料から構成されており、カメラ装置2によりこの冷蔵容器1b内を撮像する場合には、カメラ装置2は冷蔵容器1b内でも外でも良い。これら室内照明灯30、32は、扉が開放された際に点灯する。つまり、室内照明灯30、32は、光エネルギーを発生させる。この室内照明灯30、32は、信号出力部も兼用しており、庫側制御部21からの制御により所定パターンで点滅可能となっている。この所定パターンの点滅は対カメラ装置2用の撮像指令を示す信号である。送風機31は、通常の動作においては冷蔵庫1内の冷気を循環させるために設けられている。
通信アダプタ34は、アクセスポイント3や室内の操作端末4等との間で通信を行うものであり、本実施形態では、冷蔵庫1に着脱可能に設けられている。なお、図1には冷蔵庫1だけを図示しているが、通信アダプタ34は、エアコン等の他の家電製品にも設けられ、家電製品をネットワーク化している。通信アダプタ34は、通信手段を構成している。また、通信アダプタ34は、アクセスポイント3を介すること無く、カメラ装置2との間で直接的に通信を行うことも可能な構成となっている。この通信アダプタ34は、上記したように見える化等にも用いられていることから、冷蔵庫1が動作している状態では基本的に常時作動している。
一方、操作端末4は、端末側制御部42、表示部43、入力部44、広域無線通信部45、通信モジュール46などを備えている。
前記端末側制御部42は、CPU42a、ROM42b、RAM42c、情報記憶手段として不揮発性メモリ42dを備えている。端末側制御部42はカメラ装置2と連携するプログラム(室内撮像アプリケーションソフトなど)をROM42b又は不揮発性メモリ42dに備えている。この端末側制御部42は制御手段、判定手段、設置箇所名設定手段、異常報知手段に相当する。前記不揮発性メモリ42dは設定情報をバックアップ保存するバックアップ用記憶部としても機能する。
前記表示部43は、例えば液晶表示器や有機EL表示器等から構成され、端末側制御部42から入力する表示指令信号に基づいて各種情報を表示する。入力部44は、表示部43の表示画面上に形成されるタッチスイッチである所謂タッチパネル入力部44Aや、表示部43の周囲や近傍に機械的に設けられているスイッチ(図示せず)等を含む各種の操作キーから構成される。前記タッチパネル入力部44Aにより後述する撮像指令入力部44a(図6参照)と撮像タイミング入力部44g(図7参照)とが構成される。
前記広域無線通信部45は、前記外部ネットワーク5を介してアクセスポイント3やサーバ6と通信する。
又、前記通信モジュール46は、前記アクセスポイント3と、前述したように通信手段であるBluetooth(登録商標)による無線通信にて通信をするためのものである。なお、操作端末4の構成として、携帯電話機能を備えている場合には、音声入力部や音声出力部などが備えられている。
この実施形態では、3個のカメラ装置2が、前記冷蔵室1a、冷蔵容器1b、野菜室1c(図1参照)に設けられているものとする。なお、カメラ装置2を個別にいうときには、カメラ装置2A、2B、2Cという。
カメラ装置2の動作について説明する。
カメラ装置2の電源スイッチ10aをオンすると、カメラ側制御部18は図9の制御を行う。まず、設定情報受け取りスイッチ10bが操作されて設定情報受け取りモードとなったか否かを判断し(ステップS1)、設定情報受け取りモードであれば、このカメラ装置2と通信が確立している操作端末4からの撮像タイミングの設定情報を受け取ったか否かを判断する(ステップS2)。受け取ったことが判断されれば、設定情報を不揮発性メモリ18eに記憶(設定)する(ステップS3、記憶制御手段)。
そして設定情報受け取りスイッチ10bが再度操作されて設定情報受け取りモードが終了されると(ステップS4)、スリープ制御へ移行する(ステップS5、スリープ制御手段)。このスリープ制御状態では、室内照明灯30或いは32から撮像指令を受信する機能と、時計部18dが計測する時間が設定撮像タイミングとなったか否かの判断機能とを作動させている以外は、機能停止状態にある。従って、電源である電池16の電池消費量を抑える。この場合、通信モジュール17の動作も停止している。この理由は、通信モジュール17の動作継続は、電池16の消費速度が速くなるためであり、これに対して、前述した室内照明灯30或いは32から撮像指令を受信する機能は、電池16の消費速度が遅く、より電池消費量を抑えることができる。
このスリープ制御状態において、室内照明灯30或いは32から撮像指令を受信するか(ステップS6)、計測している時間が設定された撮像タイミングとなるか(ステップS7)すれば、通常動作モードに復帰する(ステップS8)。そして室内を撮像し(ステップS9)、撮像データを送信する(ステップS10)。
次に操作端末4の動作について説明する。操作端末4の室内撮像アプリケーションを起動すると、前記カメラ装置2が設定情報受け取りスイッチ10bが操作されて設定情報受け取りモードである場合には、この操作端末4と前記カメラ装置2との各種設定のための通信が、前記アクセスポイント3を介して又は直接確立する。
操作端末4の端末側制御部42は、図10の制御を行う。まず、初期画面表示(ステップT1)を行う。この初期画面表示は、図6に示す初期画面を表示部43に現出させる。このとき、表示部43上のタッチパネル入力部44Aにより撮像指令入力部44aと、設定モード開始入力部44bと、第1ないし第4の個別指定入力部44c~44fが形成される。又、表示部43には、室内の撮像画像を表示する画像表示部43a、撮像日時履歴や撮像日時予定を表示する撮像日時表示部43bを形成する。前記個別指定入力部44c~44fの表示名は、冷蔵庫1の冷蔵室名や野菜室名を表しており、例えば「冷蔵室1」は冷蔵室1aを意味し、「冷蔵室2」は冷蔵容器1bを意味し、「野菜室1」は野菜室1cを意味する。この表示名は後述するが変更可能である。
ユーザーが設定モード開始スイッチ44bをタッチ操作すると(ステップT2で判断)、表示部43の画面表示を図7の設定用画面を現出させる(ステップT3)。この図7では、タッチパネル入力部44Aにより、撮像タイミング入力部44g、「見たいとき」設定入力部44h、設置箇所名設定入力部44i、「取り消し」入力部44j、「戻る」入力部44k、設定終了入力部44lが形成される。
前記撮像タイミング入力部44gは、撮像タイミング設定確定用の確定入力部44gs、時刻ダウン設定入力部44g1、時刻アップ設定入力部44g2、分ダウン設定入力部44g3、分アップ設定入力部44g4、「毎日」設定入力部44g5、「平日のみ」設定入力部44g6、曜日指定入力部44g7、曜日個別入力部群44g8、月日設定入力部44g9、特売日自動設定入力部44g10などを有する。
前記ステップT3の後、入力操作に応じた処理を行う(ステップT4)。
まず、3つのカメラ装置2A、2B、2Cと、これらが設置されている室との関係を前記個別指定入力部44c~44fを操作して設定する。つまり、操作端末4と3つのカメラ装置2A、2B、2Cとの通信が確立している場合、各カメラを選択指定するカメラ指定入力部(図示せず)を表示し、カメラ指定入力部により任意のカメラ装置2を指定し各個別指定入力部44c~44fのいずれかを操作することでカメラ装置2の一つと個別指定入力部44c~44fの一つを関連付けする。この場合の関連付けのやり方についてはこれに限るものではない。
ここで、撮像タイミングを設定する場合の一例について説明する。例えば、「表示名「冷蔵室1」の室を、毎日、○時○分に撮影」する場合、次のように設定する。
まず、ユーザーは、表示名「冷蔵室1」の個別指定入力部44cを操作して表示名「冷蔵室1」の室(カメラ装置2Aが設置された室)を指定する。そして、「毎日」設定入力部44g5を操作し、各設定入力部44g1~44g4により適宜「時・分」を設定し、確定入力部44gsを操作して設定を確定する。
そして設定終了入力部44lが操作されると(ステップT5で判断)、操作端末4の端末側制御部42は、「冷蔵室1a(カメラ装置2A)について毎日○時○分」の撮像タイミングの設定情報を、一時的に不揮発性メモリ42dに記憶すると共に(ステップT6)、カメラ装置2に送信する(ステップT6)。この設定情報は、カメラ装置2(2A)が、前述のステップS3において不揮発性メモリ18eに記憶する。上記「時・分」(時刻)は、一つの時刻について確定入力部44gsの操作で確定すれば、これを複数回行うことで、複数の時刻が設定可能である。
上記撮像タイミングの「日」の設定については、上記「毎日」以外、各入力部44g6~44g10の操作に基づいて、平日のみ、月曜日~日曜日の1つ以上6つ以下の曜日、月日(日のみの場合もある)、特売日配信情報に応じた日、の少なくとも一つが設定される。そして、上記「日」についても複数の「日」の設定が可能である。
例えば、前記月日設定入力部44g9が操作されると、図示はしないが月日を入力するための表示画面(例えばカレンダー表示画面)に切り替わり、月日(日のみの場合もある)を設定入力することが可能となっている。この場合、例えば毎月の給料日直前の日などを入力するのも良い。つまり、毎月の給料日に食品をまとめ買いするような場合には、その前日の日を予め設定しておけば、給料日当日に、遠隔地(食料品販売店など)で冷蔵庫内の撮像画像(食品在庫状況)を知ることができ、ユーザーにとって便利となる。又、食品販売店(スーパーなど)の特売日やサービスポイントデーが決まっている場合(例えば「1」のつく日)にはその直前に日に設定しておくと良い。
又、特売日自動設定入力部44g10が操作されると、食料販売店(スーパーなど)がインターネットなどで提供する特売案内サイトから特売日やサービスポイントデーなどの特売日配信情報を自動的に取得して、その直前の日を自動設定することが可能となる。
又、この図7において、個別指定入力部44c~44fの表示名は、各個別指定入力部44c~44fを選択操作した上で、設置箇所名設定入力部44iを操作することに基づいて、いくつかの予め定められた表示名の中から選択して設定されるようになっている。このような設定は、ユーザーがカメラ装置2A~2Cを設置する室の表示名の設定である。この場合、表示名「冷蔵室1」で指定された冷蔵室1aと、「冷蔵室2」で指定された冷蔵容器1bと、表示名「野菜室1」で指定された野菜室1cとに、夫々カメラ装置2A、2B、2Cを設置したことを示している。なお、カメラ装置2が一つのみ設置される場合には、上記表示名は一つ表示すれば良い。又、上記表示名は、例えば文字入力によりユーザーが任意に設定しても良い。
表示名「冷蔵室1」、「冷蔵室2」で夫々指定された冷蔵室には、室内照明灯30、32(信号出力手段)が存在する。また、表示名「野菜室1」で指定された野菜室には室内照明灯(信号出力手段)がないものとする。なお、冷凍室にも室内照明灯(信号出力手段)がないものとする。
又、前記「見たいとき」設定入力部44hは、ユーザーが庫内を撮像したいときにカメラ装置2に対して撮像動作をさせるための撮像指令入力部44aを通常使う(有効化する)か、或いは通常使わない(無効化するつまり自動撮像のみとする)かを設定するためのものである。
ここで、操作端末4は、前述したように判定手段を備えており、この判定手段は、この設定モード時において、信号出力手段である室内照明灯30、32からの撮像指令をカメラ装置2が受信可能か否かを判定する。この場合、判定手段は、設定された設置箇所の名称に基づいてカメラ装置2が室内照明灯30、32からの撮像指令を受信可能であるか否かを判定する。つまり、設定された設置箇所の名称(個別指定入力部44c~44fの表示名称)に「冷蔵」が入っていれば、カメラ装置2が冷蔵室に設けられた室内照明灯30、32からの撮像指令(所定パターンの点滅による撮像指令)を受け得ると判定でき、「冷蔵」が入っていなければ(「野菜」や「冷凍」が入っていれば)、カメラ装置2が室内照明灯30、32からの撮像指令を受けることができないと判定できる。操作端末4の端末側制御部42は、図6の状態で、「冷蔵室1」の表示名である個別指定入力部44c、又は「冷蔵室2」の表示名である個別指定入力部44dが操作されたときには、撮像指令入力部44aは表示されたままとし、「野菜室1」の表示名である個別指定入力部44eが操作されたときには、撮像指令入力部44aは表示しない。これにより、表示名「野菜室1」の野菜室1cについては、ユーザーによる任意の撮像はできない趣旨を、撮像指令入力部44aの非表示をもって、ユーザーに知らせることが可能となり、且つ、撮像指令入力部44aを操作できなくすることができる。この場合、この野菜室1cについては、自動的に撮像タイミングでのみ撮像を行う。
なお、図10のステップT2で「NO」であるとステップT7に移行し、その他の入力が有ったか否かを判断し、何らかの入力があれば、その入力操作に応じた処理を実行する(ステップT8)。例えば、図6において、ユーザーが冷蔵室1aの撮像画像を現時点で見たいという意図で、表示名「冷蔵室1」に対応する個別指定入力部44cを操作した上で、撮像指令入力部44aを操作すると(ステップT7の「YES」)、端末側制御部42は、ステップT8で表示名「冷蔵室1」情報を関連付けた撮像指令を出力する。
この撮像指令を受けた冷蔵庫1では、図8に示すステップR1で撮像指令の受信有りと判断し、撮像対象の室を、関連情報から割出す(ステップR2)。そして、割出された撮像対象の室(この場合冷蔵室1aの室内照明灯30(信号出力部)を所定のパターンで点滅させることで、撮像指令を光信号の形態でカメラ装置2(2A)に送信する(ステップR3)。
すると、カメラ装置2Aでは、図9のステップS6で「YES」と判断し、通常動作モードに復帰し(ステップS8)、室内を撮像し(ステップS9)、撮像データを送信する(ステップS10)。この場合、この撮像データはサーバ6に送信されて保存され、サーバ6から操作端末4に送信される。そしてユーザーが操作端末4の個別指定入力部44cを選択操作すれば(あるいは既に選択操作されていれば)撮像画像が画像表示部43aに表示される。なお、この場合、サーバ6は撮像画像を操作端末4に送信する前に、メールなどで撮像画像取得を操作端末4に通知し、操作端末4から送信要求があったときに撮像画像を操作端末4に送信するようにしても良い。
又、操作端末4は、前記判定手段の判定結果が受信可能であるときにおいて、前記撮像指令入力部44aが操作されてもカメラ装置2から撮像画像(又は撮像したことを知らせるメール)が当該操作端末4に送信されない場合には、例えば、画像表示部43aに異常を表示を行う(異常報知手段)。なお、このような事態は、庫内の食品によって光センサ14が塞がれている場合や、当該光センサ14や室内照明灯30、32の故障などが考えられる。上記異常報知としてはブザーや音声などによる報知でも良い。
上記実施形態の室内撮像システム100において、前述したように、カメラ装置2は設置箇所を自由に選択できるように、電源としては電源線が不要な電池16を採用している。このような事情から、カメラ装置2では、ユーザーからの撮像指令を待機する機能、及び、設定された撮像タイミングを判断する機能以外の機能を停止するスリープ制御を行う。これにより電池16の消費量を低減する。
ところが、この室内撮像システム100では、既述したようにユーザーが希望する撮像タイミングで撮像画像を取得することも行っており、そのためにはユーザーの希望に応じた撮像タイミングをカメラ装置2に設定(記憶)しておく必要がある。しかし、カメラ装置2で、撮像タイミングの設定操作(表示操作や入力操作)を行おうとすると、各種設定スイッチ(入力部)や、表示器、設定操作プログラムが必要で、さらに大きな容量の記憶手段も必要となる。つまりMMI(Man Machine Interface / マンマシンインターフェース)が必要となる。しかも、ユーザーが行う設定操作は、不慣れなユーザーも多く、設定にかなりの時間がかかってしまうこともある。そうすると、設定時において前記電池16の電池消費量が多くなって、前記スリープ制御を行うとはいうものの、カメラ装置2の使用時間(稼働時間)が短くなってしまう。
この点、本実施形態によれば、各種表示及び設定入力などのための表示部43及び入力部44を有した操作端末4に、撮像タイミング入力部44gと、この撮像タイミング入力部44gが操作されたことに基づいて撮像タイミングを設定して当該撮像タイミングの設定情報をカメラ装置2に送信する端末側制御部42を設けた。又、電源である電池16の消費量を低減するためのスリープ制御を行うカメラ装置2に、操作端末4で設定された撮像タイミングの設定情報を記憶する情報記憶手段としての不揮発性メモリ18eと、操作端末4からの撮像タイミングの設定情報を受信したことに基づいて当該撮像タイミングを不揮発性メモリ18eに記憶させる記憶制御手段として機能するカメラ側制御部18とを設けた。
この実施形態によれば、ユーザーによる任意の電源接続や充電が容易な操作端末4に、撮像タイミングの設定に必要な表示部43、入力部44(撮像タイミング入力部44g)、端末側制御部42を設けて、この操作端末4側で、ユーザーによる撮像タイミングの設定を行うことができる。そして設定情報をカメラ装置2に送信することで、カメラ装置2では、当該設定情報を不揮発性メモリ18eに記憶させるだけで済む。この結果、カメラ装置2の電力消費を抑制しつつ撮像タイミングを当該カメラ装置2に設定することができる。従って、カメラ装置2を所定の設置箇所に長時間設置しながら、ユーザーが任意に撮像対象の画像を取得し又設定した撮像タイミングで撮像対象の画像を取得する室内撮像システム100にとって、大いに有効となる。
又、本実施形態によれば、カメラ装置2には、表示部と、撮像タイミングを入力設定するため入力部とを備えていない。このため、電池16の消費量を少なくできる。
本実施形態によれば、操作端末4に入力される撮像タイミングとして、時刻を含んでいる。これによれば、ユーザーが習慣的に外出する直前の時刻(出勤時刻や買い物をする時刻)などを撮像タイミングとすれば、遠隔地(出勤先、買い物先)で食品の最新の在庫状況を知ることができる。
この場合、本実施形態によれば、撮像タイミングとして、複数の時刻を設定可能であるから、便利である。
又、本実施形態によれば、前記撮像タイミングとして、日を含むから、ユーザーが希望する日を設定できる。この場合、特売日やポイントサービスデーなどに合わせて設定でき、便利である。又、複数の日を設定できるから、さらに便利である。
又、本実施形態によれば、撮像タイミングとして、曜日を含むから、曜日によって食品の買い物の曜日が決まっている場合や、特売曜日などが決まっている場合に便利である。
又、本実施形態によれば、撮像タイミングとして、平日のみを含むから、平日のみに庫内の食品在庫状況を知りたい場合に便利である。
又、本実施形態によれば、カメラ装置2を複数設けたから、別々の設置箇所の撮像画像を取得できて、便利である。
なお、本実施形態では、カメラ装置2を冷蔵庫1内に設置したから冷蔵庫の内部情報を画像情報として取得できるが、カメラ装置2を建物の部屋内に設置すれば、その部屋の室内画像情報を取得できるものである。
又、本実施形態においては、操作端末4からカメラ装置2に与えられる撮像指令を、途中で家電製品である冷蔵庫1に与え、さらに、この冷蔵庫1が有する信号出力手段である室内照明灯30、32から前記カメラ装置2に与える構成としている。又、操作端末4における撮像指令入力部44aを、表示部43に表示させると共にタッチパネル入力部44Aにより形成している。さらに、操作端末4は、前記室内照明灯30、32からの撮像指令をカメラ装置2が受信可能か否かを判定する判定手段を備え、操作端末4の端末側制御部42は、前記判定手段によりカメラ装置2が室内照明灯30、32からの撮像指令を受信可能であることが判定されたときに撮像指令入力部44aを表示する。
この実施形態によれば、カメラ装置2が室内照明灯30、32からの撮像指令を受信できない場合には、ユーザーによる任意の撮像はできない趣旨を、撮像指令入力部44aの非表示をもって、ユーザーに知らせることが可能となり、且つ、撮像指令入力部44aを操作できなくすることができる。
この場合、本実施形態においては、操作端末4が、カメラ装置2を設置する設置箇所の名称を設定する設置箇所名設定入力部44iを備え、前記判定手段が、設定された設置箇所の名称に基づいてカメラ装置2が冷蔵庫1の室内照明灯30、32からの撮像指令を受信可能であるか否かを判定する。これによれば、カメラ装置2が設置される室が、対カメラ装置用の撮像指令の信号出力手段である室内照明灯30、32を備えているかどうかを設置箇所の名称をもって判断できる。そして、カメラ装置2が設置される室が、対カメラ装置用の撮像指令の信号出力手段である室内照明灯30、32を備えた室に対応する設置箇所名称であれば、撮像指令の受信が可能であると判定できる。
なお、前述した操作端末4の判定手段は、カメラ装置2自身が、室内照明灯30、32からの撮像指令を受けたことを検知して操作端末4に通知する検知手段を備えている場合には、この検知手段の検知結果に基づいてカメラ装置2が室内照明灯30、32からの撮像指令を受け得るか否かを判定するようにしても良い。
又、本実施形態においては、操作端末4が、前記判定手段の判定結果が通信可能であるときに撮像指令入力部44aが操作されてもカメラ装置2から撮像画像が操作端末4に送信されない場合には、異常報知手段としての画像表示部43aに異常報知をさせる。これによれば、庫内の食品によって光センサ14が塞がれている場合や、当該光センサ14や室内照明灯30、32の故障などの異常を報知できる。
一実施形態では家電製品として冷蔵庫1を例示したが、他の家電製品であってもよい。例えば、受信手段として音センサを用いれば、エアコンやテレビの音声を対カメラ装置用の撮像指令として利用でき、冷蔵庫1の室内だけでなく、カメラ装置2を住宅7の室内を同様の手法にて撮像することができる。又、前記アクセスポイント3に操作端末における設定機能を付加することも可能である。
実施形態には、以下の発明が記載されている。
前記カメラ装置には、表示部を備えていないと共に、撮像タイミングを入力設定するため入力部を備えていない室内撮像システム。
前記操作端末に入力される撮像タイミングには、時刻を含む室内撮像システム。
前記操作端末に入力される撮像タイミングには、複数の時刻を含む室内撮像システム。
前記操作端末に入力される撮像タイミングには、日を含む室内撮像システム。
前記操作端末に入力される撮像タイミングには、複数の日を含む室内撮像システム。
前記操作端末に入力される撮像タイミングには、曜日を含む室内撮像システム。
前記操作端末に入力される撮像タイミングには、平日のみを含む室内撮像システム。
前記カメラ装置は複数ある室内撮像システム。
前記操作端末から前記カメラ装置に与えられる前記撮像指令は、途中で家電製品に与えられ、この家電製品が有する信号出力手段から前記カメラ装置に与えられる構成であり、前記撮像指令入力部は、前記表示部に表示され、前記操作端末は、前記信号出力手段からの撮像指令を前記カメラ装置が受信可能か否かを判定する判定手段を備え、前記操作端末の前記制御手段は、前記判定手段により前記カメラ装置が前記信号出力部からの撮像指令を受信可能であることが判定されたときに前記撮像指令入力部を表示する室内撮像システム。
前記カメラ装置には、当該カメラ装置が前記信号出力手段からの撮像指令を受けたことを検知して前記操作端末に通知する検知手段を備え、前記判定手段は、この検知手段の検知結果に基づいて前記信号出力手段からの撮像指令を前記カメラ装置が受信可能であるか否かを判定する室内撮像システム。
前記操作端末は、前記カメラ装置を設置する設置箇所の名称を設定する設置箇所名設定手段を備え、前記判定手段は、前記設定された設置箇所の名称に基づいて前記カメラ装置が前記信号出力手段からの撮像指令を受信可能であるか否かを判定する室内撮像システム。
前記操作端末は、前記判定手段の判定結果が受信可能であるときに前記撮像指令入力手段が操作されても前記カメラ装置から撮像画像が操作端末に送信されない場合には、異常報知をする異常報知手段を備えている室内撮像システム。
本明細書によれば、以下の課題を抽出できる。
冷蔵庫にカメラを設けること等により、遠隔地からでも例えば冷蔵庫内の食材等の情報を取得可能なものが知られている。しかしながら、いつ遠隔地のユーザから室内の情報を取得するための指示が与えられるかを把握することができないことから、常にその指示を受信可能な状態で作動する必要があり、電力消費が増加する問題があった。特に冷蔵庫などに設置されるカメラは電源が電池であり、電力消費を抑える必要性が高い。このような観点からすると、カメラには電源を消費する部品や制御は少ないほうが好ましい。一方、カメラによる撮像画像は、ユーザーがすぐに欲しい場合や、自動的に定期的に欲しい場合がある。後者の場合には、ユーザーが希望する時間(撮像タイミング)を設定しておく必要がある。そこで、カメラ装置の電力消費を抑制しつつ撮像タイミングを当該カメラ装置に設定することが可能な室内撮像システムを提供する。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。