JP7010602B2 - ブラインドナットの施工方法 - Google Patents

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Description

本発明は、各種金属や樹脂材さらにはコンクリート等の建築物にアンカー用のナットを容易に取付けることができるブラインドナットの施工方法に関する。
ここに、ブラインドナットとは、各種工作物等に設けられた孔内にナットを固定し、それにボルトを容易に取付けることができるものである。これらの孔は、射出成形、鋳物、コンクリート打設等による工作物製作と同時に設けられる孔及び工作物製作後にドリル等により穿孔されるあと加工された孔を含む。
孔内にブラインドナットを固定しようとする場合、そのブラインドナットの強度(引張力、トルク等)をある程度確保するためには、これを固定する孔の内径許容差は比較的小さい公差に限られている。通常は基準孔径に対して+0.5mm程度が限界である。特に金属製の工作物ではブラインドナットとの間の摩擦力が得られにくく、必要とする強度も比較的大きいため、孔径の管理は重要な要素となる。
また、ブラインドナットの固定状態(拡開状態)を確認できることが望ましい。拡開状態を目視やノギス、ゲージなどで簡単に確認できれば、ブラインドナットの固着強度に対する安心・安全の推定を得ることが容易となる。
基準孔径の許容差を大きくできる方法として、下記特許文献1に記載のアンカーは、開口側にスリットを有するスリーブと、そのスリーブの端部に配置される円錐台形状のコーンナットとを有し、スリーブを穿設孔の底に着座させて、穿設孔の底部に拡開されたアンダーカット内で、アンカーボルトの先端部に螺着されたコーンナットの円錐台形部を穿孔内の底方向に移動して、それをスリーブの後端部開口に衝打したとき、スリット間がアンダーカット内で逆向き傘状に拡開されるものである。
特開2005-090558号公報 特開2015-087003号公報
このアンカーナットの固定方法は、孔の最奥部にアンダーカット孔を穿設する必要があり、その作業が極めて面倒であった。
さらに、アンカーボルトにコーンナットを螺着させ、穿設孔の底方向に移動し、それをスリーブの後端部開口に衝打させて、スリット間をアンダーカット部内に逆向き傘状に拡開させる拡開作業が極めて面倒である欠点があった。
また、部品点数が多くコスト高にならざるを得なかった。
さらには、穿設孔の深さを一定以上深くしなければならず、浅い穿設孔やプレートにそれを適用することができなかった。
これらに加え、拡開の状態が確認できず、固着状態の確認手段としては許容値までの引張やトルクを掛けて確認するなど、作業や機器類が必要であった。
次に、特許文献2に記載のアンカーボルトは、底面を有する筒状の拡開部材と、それに内装されるテーパ部材とを有する。その拡開部材は、開口側が次第に厚肉となるテーパ面を有する。またテーパ部材はその外周に、拡開部材のテーパ面とは逆向きの、テーパ面が形成されている。そして、両テーパ面間に隙間を形成する。そこで、テーパ部材にボルト等のロッドを螺着した状態で、アンカーボルトを天井等の孔内に挿入し、ロッドを孔の開口側に引き戻すことにより、テーパ部材を拡開部材に係止すると共に、拡開部材を孔内に咬着させるものである。このアンカーボルトは、テーパ部材の製作および拡開部材の製作が極めて面倒であり、量産性に欠ける欠点がある。それと共に、取り扱いが面倒で、孔内にアンカーボルトを咬着するとき、拡開部材の拡開の信頼性が疑われる欠点がある。
そこで本発明は、ブラインドナットの製作が容易で量産性を有し、孔内に確実に咬着できる取り扱い性がよいブラインドナットを用いて、工作物に設けられる孔形状が複雑でなく、基準孔径に対する公差が+2mm程度であってもブラインドナットの強度が低下することがなく、浅い孔部にも容易に取付けることができるブラインドナットおよびその施工方法を提供することを課題とする。
また、拡開状態を目視、ノギス、ゲージで簡単に行うことができ、固着状態を容易に確認できるブラインドナットを提供することを課題とする。
請求項1に記載の本発明は、基準孔径に対する公差が+2mm程度であっても適用可能であり、
一端部に設けた環状部(1)と、その環状部(1)から他端に向けて、次第に外周半径が拡大するテーパ面(2)と、その環状部(1)の一端が貫通し、その内面から前記他端に形成された内周面(4a)と、その周方向に互いに離間し、前記テーパ面(2)と内周面(4a)との間を横断して、前記環状部(1)から前記他端まで設けられた複数のスリット(3)とを有し、各スリット(3)の内側には対向する側面(4b)が形成され、前記内周面(4a)の前記他端側が開口されたスリーブ(4)と、
前記スリット(3)に整合する複数の突起部(5)が外周に設けられ、内周に雌ねじ(6)が刻設され、前記各突起部(5)が前記開口からスリット(3)の前記側面(4b)に案内されてスリーブ(4)に内装され、その突起部(5)がスリット(3)に係止され、それに螺着されるボルト(7)を回り止めするナット部材(8)と、を具備するブラインドナットをワークまたは建築物或いは被工作物の孔部(10)に設置する施工方法において、
前記スリーブ(4)の前記一端側の環状部(1)から前記ブラインドナットを前記孔部(10)に挿入し、更に前記スリーブ(4)の前記他端を下方に押し込み、この他端を縮径圧入して埋設する工程、
続いて軸部材(9)又は前記ボルト(7)の外周を前記スリーブ(4)内の前記ナット部材(8)に螺着し、前記ナット部材(8)を前記スリーブ(4)に対して相対的に引き上げ、前記ナット部材(8)のテーパ面(14)が前記スリーブ(4)の内周面を半径方向外側に押圧し、前記スリーブ(4)を前記孔部(10)の内面に咬着させる工程からなるブラインドナットの施工方法である。
請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載のブラインドナットの施工方法において、
ブラインドナットの前記テーパ面(2)のテーパ径が環状部(1)付近では前記孔部(10)の径よりも小さく、前記他端付近では少なくとも前記孔部(10)の径よりも大きい径となっているブラインドナットを用いた施工方法である。
請求項3に記載の本発明は、請求項1または請求項2に記載のブラインドナットの施工方法において、
ブラインドナットの前記各突起部(5)の周方向の幅L2が、前記スリット(3)の幅L1以下のブラインドナットを用いた施工方法である。
請求項4に記載の本発明は、請求項1または請求項3に記載のブラインドナットの施工方法において、
ブラインドナットの前記内周面(4a)がブラインドナットの軸心に平行な孔とされ、前記スリーブ(4)の肉厚が、前記環状部(1)から前記他端にかけて次第に厚肉に形成されたブラインドナットであるブラインドナットを用いた施工方法である。
請求項5に記載の本発明は、請求項1~請求項4のいずれかに記載のブラインドナットの施工方法おいて、
ブラインドナットの前記スリーブ(4)の外周に、前記孔部(10)の内面に咬着される凹凸面(12)が形成されたブラインドナットを用いた施工方法である。
請求項6に記載の本発明は、請求項1~請求項5のいずれかに記載のブラインドナットの施工方法において、
ブラインドナットの前記拡大するテーパ面(2)の前記端部外周に、軸線平行部(19)が形成されたブラインドナットを用いた施工方法である。
請求項7に記載の本発明は、請求項1~請求項6のいずれかに記載のブラインドナットの施工方法において、
ブラインドナットの前記ナット部材(8)は、その突起部(5)から前記他端までの外周直径が次第に縮小するテーパ面(14)に形成されたブラインドナットを用いた施工方法である。
請求項8に記載の本発明は、請求項1~請求項7のいずれかに記載のブラインドナットの施工方法において、
ブラインドナットの前記ナット部材(8)が前記スリーブ(4)の前記環状部(1)まで挿入された状態で、前記スリーブ(4)の前記テーパ面(2)が半径方向中心側に縮小されてなるブラインドナットを用いた施工方法である。
請求項9に記載の本発明は、請求項1~請求項8のいずれかに記載のブラインドナットの施工方法において、
ブラインドナットの前記ナット部材(8)が前記スリーブ(4)の前記環状部(1)まで挿入された状態で、前記スリーブ(4)の前記テーパ面(2)が半径方向中心側に変形されてなるブラインドナットを用いた施工方法である。
請求項1に記載の本発明は、基準孔径に対する公差が+2mm程度であっても適用可能であり、
一端部に設けた環状部1と、その環状部1から他端に向けて、次第に外周半径が拡大するテーパ面2と、その環状部1の一端が貫通し、その内面から前記他端に形成された内周面4aと、その周方向に互いに離間し、前記テーパ面2と内周面4aとの間を横断して、前記環状部1から前記他端まで設けられた複数のスリット3とを有し、各スリット3の内側には対向する側面4bが形成され、前記内周面4aの前記他端側が開口されたスリーブ4と、
前記スリット3に整合する複数の突起部5が外周に設けられ、内周に雌ねじ6が刻設され、前記各突起部5が前記開口からスリット3の前記側面4bに案内されてスリーブ4に内装され、その突起部5がスリット3に係止され、それに螺着されるボルト7を回り止めするナット部材8と、を具備するブラインドナットをワークまたは建築物或いは被工作物の孔部10に設置する施工方法において、
前記スリーブ4の前記一端側の環状部1から前記ブラインドナットを前記孔部10に挿入し、更に前記スリーブ4の前記他端を下方に押し込み、この他端を縮径圧入して埋設する工程、
続いて軸部材9又は前記ボルト7の外周を前記スリーブ4内の前記ナット部材8に螺着し、前記ナット部材8を前記スリーブ4に対して相対的に引き上げ、前記ナット部材8のテーパ面14が前記スリーブ4の内周面を半径方向外側に押圧し、前記スリーブ4を前記孔部10の内面に咬着させる工程からなるブラインドナットの施工方法である。
そのため、ボルト7とナット部材8との供回りを容易に防止できる。
そして、ナット部材8をスリーブ4に対して軸方向に容易に相対移動して、スリーブ4の外周を孔部10内に咬着することができる。それと共に、ボルト7を孔部10内のナット部材8に締結することができる。
また、比較的浅い穿孔内または薄いプレートに、ナットを容易に固定できる。
さらに、スリーブ4のスリット3開口側端部からナット部材8の表面側端部までの引上げ状態を目視で確認したり、その距離をノギスやゲージで確認することにより、拡開がどのような状態にあるか知ることができる。
請求項2に記載の本発明によれば、
前記テーパ面2のテーパ径が環状部1付近では前記孔部10の径よりも小さく、前記他端付近では大きい径となっているので、スリーブ4を孔部10に圧入することにより、スリーブ4の外周を孔部10に容易に係止できる。
請求項3に記載の発明は、ナット部材8の突起部5の周方向の幅L2が、スリーブ4のスリット3の幅L1以下に形成され、ナット部材8の軸方向移動を円滑にしている。それにより、スリーブ4の外周を穿孔部10に容易に咬着できる。
請求項4に記載の発明は、スリーブ4の肉厚が、環状部1から他端にかけて次第に厚肉に形成されたため、スリーブ4の外周と孔部10との咬着力を強くすることができる。
請求項5に記載の発明は、スリーブ4の外周に、孔部10の内面に咬着される凹凸面12が形成れたものである。そのため、スリーブ4の外周と孔部10との咬着力をさらに強くすることができる。
請求項6に記載の発明は、拡大するテーパ面2の端から開口の先端までが、軸線平行部19が形成されたものである。それにより、スリーブ4を孔部10に挿入するのが容易になると共に、孔部10の深い位置で拡開位置を設定する場合でも容易に対応できるブラインドナット15を提供できる。特に、コンクリートでは、コンクリートのコーン状破壊によって引張強度が決まるような場合では、孔部10での拡開位置の深さによって引張強度が左右されることになる。このように拡開位置を調整しようとする場合には、前記軸線平行部19の長さを変えるのみで設計変更ができる。
請求項7に記載の発明は、ナット部材8の外周が次第に縮小するテーパ面14に形成されたので、ナット部材8の軸方向移動を円滑に行うことができる。
請求項8に記載の発明は、ナット部材8がスリーブ4の前記環状部1まで挿入された状態で、スリーブ4の前記テーパ面2を半径方向中心側に変形させたものである。そのため、ナット部材8がスリーブ4から不用意に抜け出て、紛失することを防止できると共に、ブラインドナット15の孔部10への挿入が容易となる。
請求項9に記載の発明は、ナット部材8がスリーブ4の前記環状部1まで挿入された状態で、スリーブ4の前記テーパ面2が半径方向中心側に変形されたものである。そのため、請求項7と同様に、ナット部材8がスリーブ4から不用意に抜け出て、紛失することを防止できる。
本発明のブラインドナットの取付け方法を順に示す説明図。 同ブラインドナットの正面図(A)、平面図(B)、(B)のC-C断面図(C)。 同ブラインドナットを構成するナット部材8とテーパ面2とであって、その装着前の状態を示す斜視図(A)、同ナット部材8をスリーブ4に装着した状態を示す斜視図(B)。 本発明の第2実施例のスリーブ4の正面図(A)、平面図(B)、底面図(C)、(A)のD部拡大図(D)。 本発明のスリーブ4の第3実施例の半断面図(A)、同第4実施例の半断面図(B)、同第5実施例の半断面図(C)。 本発明のスリーブ4の高さH1と、それが装着可能な孔部10の深さH2との関係を示す説明図。 本発明の第6実施例のブラインドナット15の製造方法の一例を示す説明図。 本発明の第7実施例のブラインドナット15の製造方法を示す半断面正面図。 同ブラインドナット15の加工前の状態を示す説明図(A)、加工後の状態を示す説明図(B)。 本発明の第8実施例のブラインドナット15の半断面図。
次に、図面に基づいて本発明の実施の形態につき説明する。
図1~図3は本発明の第1実施例を示し、図1はその取付け方法を順に(A)~(D)によって示す説明図、図2は同ブラインドナット15の正面図(A),平面図(B),(B)のC-C断面図(C)、図3は同ブラインドナット15の分解斜視図(A),その組付け状態を示す斜視図(B)である。
このブラインドナット15は、図3に示す如く、スリーブ4とその内部に収納されるナット部材8とからなる。
スリーブ4は端部に環状部1が設けられ、その環状部1の外周から上方に向かってテーパ面2が立ち上げられ、その立ち上げ部には、周方向に離間して等間隔にスリット3が欠切されている。各スリット3は環状部1から一端まで形成されている。各スリット3の内面側には周方向に対向して一対の側壁4bが形成されている。外周のテーパ面2は、上方ほど直径が大に形成され、その厚みも上方ほど厚く形成されている。スリーブ4の内周面4aは、軸線に平行に形成され、その上端は開口されている。
次に、ナット部材8は内部に雌ねじ6が螺刻され、その外周はスリーブ4の環状部1の内周と略整合する。ナット部材8の外周には、スリット3に整合する位置に突起部5が突設されている。そして、各突起部5がスリット3の環状部1に隣接した位置に着座する。
ナット部材8の突起部5の幅L2は、スリーブ4のスリット3の幅L1に略等しいか、それより僅かに小に形成されている。
また、ナット部材8は突起部5の位置から図において、上方に直径が次第に縮小するテーパ面14に形成されている。また、突起部5より図において下方は同一直径に形成されている。
このようなナット部材8とスリーブ4とからなるブラインドナット15は、各種建築物や金型、工作物等に図1の如く、取付けられる。
以下、順にその施工方法につき説明する。
先ず、スリーブ4の最大直径よりも小に設けられた孔部10にスリーブ4の下部を挿入する。この孔部10は、アンダーカットなどの拡大部がない直線状の孔でよい。次いで、同図(B)の如くスリーブ4をハンマー等で下方に押し込み、その上端が孔部10に埋設されるようにする。次いで、スリーブ4に内装されたナット部材8に軸部材9を螺着し、その軸部材9を回転することにより、ナット部材8を軸方向上方に移動させる。それに伴って、ナット部材8のテーパ面14がスリーブ4の内周面を半径方向外側に押圧し、スリーブ4を孔部10の内面に咬着させる。この時、ナット部材8の軸方向移動位置を目視、ノギス、ゲージなどで確認することができ、有効な拡開状態を得られているか否かの確認・判断ができる。
なお、このときナット部材8の各突起部5がスリーブ4のスリット3の側面4bに案内されて上昇する。そして、軸部材9が回転してもナット部材8及びスリーブ4は互いに突起部5,スリット3で回り止めされているため回転することがない。
次いで、この例では軸部材9をナット部材8から取り外す。次いで、図1(D)に示す如く、ボルト7をナット部材8の内ネジに螺着し、そのボルト7を工作物16に締結固定する。この例では、ボルト7を工作物16に締結した例を示す。その工作物16は、コンクリートの建築物や設備,金属材,樹脂材等の各種のものに適用できる。この例では、軸部材9を用いてナット部材8を上昇させたが、ボルト7を用いて直接ナット部材8を上昇させてもよい。このときは、拡開状態の確認としてトルクレンチで締付け力を管理すればよい。
また、この例では孔部10を工作物16の下方に設けたが、それを天井面に設けてもよい。天井面に取付ける場合でも前述のようにハンマー等でスリーブを押し込むため、ナット部材8を軸方向へ移動させて拡開させる前であってもブラインドナット15が孔内に保持され落下のおそれがない。
また、孔部10は図6に示す如く、プレートを貫通するものでもよい。このとき、スリーブ4の高さH1よりも工作物16の厚みH2が小であってもよい。
次に、図4は本ブラインドナットの施工方法におけるブラインドナットの第2実施例である。この例と第1実施例のブラインドナットとの違いは、スリーブ4のテーパ面2の外周に形成された凹凸面12である。この凹凸面12は、孔部10との咬着力を増大させるものである。
次に、図5の(A)~(C)はその凹凸面12の他の例を夫々示す。
同図(A)では外周に綾模様の凹凸面12が形成されている。また、(B)ではスリーブ4の軸線Oに対して斜めに形成された多数の溝によって凹凸面12を形成する。さらには、(C)の例では凹凸面12はスリーブ4の軸線Oに直交する方向に形成されている。
次に、図7はブラインドナット15の他の例を示す。
この例は、スリット3内にナット部材8を収納した後に、スリット3の上端部に圧力を加えて僅かに塑性変形する。それにより、ナット部材8の移動を制限する。その状態で、ブラインドナット15を孔部10の内部に挿入および圧入し、図1の工程順と同様にしてナット部材8にボルト7を螺着締結すればよい。
次に、図8,図9はブラインドナット15の他の例であり、この例は、スリーブ4にナット部材8を収納した後に、スリーブ4の外周をプレス体18等により変形させ衝打部17を形成する。その状態を図9(A)(B)に示す。
このようにスリーブ4の外周を変形させることにより、ナット部材8の移動を制限すると共に、ナット部材8がブラインドナット15から不用意に抜け出ることを防止できる。
それにより、ナット部材8とスリーブ4とを分離させることなく、ブラインドナット15の搬送を円滑に行うことができ、また孔部10への挿入が容易となる。
次に、図10はブラインドナットのさらに他の例であり、この例では、スリーブ4のテーパ面2の上端部がスリーブ4の軸線Oに対して平行に形成されることにより、軸線平行部19を形成したものである。
このような軸線平行部19を形成することにより、ブラインドナット15の取付けをより容易にすることができる。
図7~図9に示す如く、ブラインドナット15のスリーブ4の外周を変形させることにより、ナット部材8の軸方向移動を制限すると、ブラインドナット15を天井面の孔部10に容易に取付けることが可能となる。その際、ナット部材8が不用意にスリーブ4から下方に落下することを防止できる。
以下にブラインドナット15を鋼板へ固着したときの実験例を示す。
フラインドナットは、図3及び図4に示す形状のスリーブ4とナット部材8とからなるブラインドナット15を使用し、その環状部1の径は15.98mm、他端側最大径が20.0mm、全長23mmを使用した。
鋼板はSS400相当材で厚さ30mmにφ16mm、φ18mmの2つの孔のそれぞれに孔深さ25mmの孔を設けた。
これらの孔に図1に示す手順でブラインドナット15を固定し、同図(D)に示す取付物(厚さ1.6mm、孔径8.5mm)を強度区分10.9のM8ボルトでワッシャーを介して締付け、その時の最大トルクを測定した。各孔径について各々3本の試験を行なった。
〔試験結果〕
Figure 0007010602000001
最大トルク値にばらつきはあるが、16mmの基準孔径に対して+2mmの公差に対して全て強度区分10.9のボルトが破断した。
1 環状部
2 テーパ面
2a テーパ面の端
3 スリット
4 スリーブ
4a 内周面
4b 側壁
5 突起部
6 雌ねじ
7 ボルト
8 ナット部材
9 軸部材
10 穿孔部
12 凹凸面
14 テーパ面
15 ブラインドナット
16 工作物
17 衝打部
18 プレス体
19 軸線平行部

Claims (9)

  1. 基準孔径に対する公差が+2mm程度であっても適用可能であり、
    一端部に設けた環状部(1)と、その環状部(1)から他端に向けて、次第に外周半径が拡大するテーパ面(2)と、その環状部(1)の一端が貫通し、その内面から前記他端に形成された内周面(4a)と、その周方向に互いに離間し、前記テーパ面(2)と内周面(4a)との間を横断して、前記環状部(1)から前記他端まで設けられた複数のスリット(3)とを有し、各スリット(3)の内側には対向する側面(4b)が形成され、前記内周面(4a)の前記他端側が開口されたスリーブ(4)と、
    前記スリット(3)に整合する複数の突起部(5)が外周に設けられ、内周に雌ねじ(6)が刻設され、前記各突起部(5)が前記開口からスリット(3)の前記側面(4b)に案内されてスリーブ(4)に内装され、その突起部(5)がスリット(3)に係止され、それに螺着されるボルト(7)を回り止めするナット部材(8)と、を具備するブラインドナットをワークまたは建築物或いは被工作物の孔部(10)に設置する施工方法において、
    前記スリーブ(4)の前記一端側の環状部(1)から前記ブラインドナットを前記孔部(10)に挿入し、更に前記スリーブ(4)の前記他端を下方に押し込み、この他端を縮径圧入して埋設する工程、
    続いて軸部材(9)又は前記ボルト(7)の外周を前記スリーブ(4)内の前記ナット部材(8)に螺着し、前記ナット部材(8)を前記スリーブ(4)に対して相対的に引き上げ、前記ナット部材(8)のテーパ面(14)が前記スリーブ(4)の内周面を半径方向外側に押圧し、前記スリーブ(4)を前記孔部(10)の内面に咬着させる工程からなるブラインドナットの施工方法
  2. 請求項1に記載のブラインドナットの施工方法において、
    ブラインドナットが前記テーパ面(2)のテーパ径が環状部(1)付近では前記孔部(10)の径よりも小さく、前記他端付近では少なくとも前記孔部(10)の径よりも大きい径となっているブラインドナットを用いた施工方法
  3. 請求項1または請求項2に記載のブラインドナットの施工方法において、
    ブラインドナットが前記各突起部(5)の周方向の幅L2が、前記スリット(3)の幅L1以下のブラインドナットを用いた施工方法
  4. 請求項1または請求項3に記載のブラインドナットの施工方法において、
    ブラインドナットが前記内周面(4a)がブラインドナットの軸心に平行な孔とされ、前記スリーブ(4)の肉厚が、前記環状部(1)から前記他端にかけて次第に厚肉に形成されたブラインドナットであるブラインドナットを用いた施工方法
  5. 請求項1~請求項4のいずれかに記載のブラインドナットの施工方法おいて、
    ブラインドナットが前記スリーブ(4)の外周に、前記孔部(10)の内面に咬着される凹凸面(12)が形成されたブラインドナットを用いた施工方法
  6. 請求項1~請求項5のいずれかに記載のブラインドナットの施工方法において、
    ブラインドナットが前記拡大するテーパ面(2)の前記端部外周に、軸線平行部(19)が形成されたブラインドナットを用いた施工方法
  7. 請求項1~請求項6のいずれかに記載のブラインドナットの施工方法において、
    ブラインドナットが前記ナット部材(8)は、その突起部(5)から前記他端までの外周直径が次第に縮小するテーパ面(14)に形成されたブラインドナットを用いた施工方法
  8. 請求項1~請求項7のいずれかに記載のブラインドナットの施工方法において、
    ブラインドナットが前記ナット部材(8)が前記スリーブ(4)の前記環状部(1)まで挿入された状態で、前記スリーブ(4)の前記テーパ面(2)が半径方向中心側に縮小されてなるブラインドナットを用いた施工方法
  9. 請求項1~請求項8のいずれかに記載のブラインドナットの施工方法において、
    ブラインドナットが前記ナット部材(8)が前記スリーブ(4)の前記環状部(1)まで挿入された状態で、前記スリーブ(4)の前記テーパ面(2)が半径方向中心側に変形されてなるブラインドナットを用いた施工方法
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