以下、インバータ100に接続する電気接続箱1と、電気接続箱1に内蔵されたバスバ付ホルダ2及びバスバ付ホルダ2を構成するバスバホルダ20の構成について、図1~図7に基づき説明する。
図1は電気自動車Cにおける電気接続箱1とインバータ100の構成図を示し、図2はインバータ100に接続する電気接続箱1の概略分解斜視図を示し、図3はバスバ30とバスバホルダ20と底面部13の概略分解斜視図を示し、図4はバスバホルダ20にバスバ30を組み付けたバスバ付ホルダ2の説明図を示す。
図4について詳述すると、図4(a)はバスバ付ホルダ2の正面図を示し、図4(b)はバスバ付ホルダ2の側面図を示し、図4(c)は図4(a)におけるA-A矢視断面図を示す。
図5は、箱本体10を構成する底面部13の説明図を示し、詳しくは、図5(a)は底面部13の平面図を示し、図5(b)は図5(a)におけるB-B矢視断面図を示す。なお、図5(a)は、内部側接続部90により平面視で見えない退避姿勢仮固定部53及び、底面部13の底面側に設けられることにより平面視で見えないカバー部80を破線で表示し、その位置関係を明確にしている。
図6は、バスバ付ホルダ2が退避姿勢Eである場合の概略斜視図を示す。なお、図6では、退避姿勢Eであるバスバ付ホルダ2の構成を明確にするため、内部側接続部90の図示は省略している。
図7は、図6におけるC-C断面図により、退避姿勢Eから起立姿勢Sへ枢動するバスバ付ホルダ2を説明する説明図であり、詳しくは、図7(a)はバスバ付ホルダ2が退避姿勢Eである場合のバスバ付ホルダ2及び底面部13のC-C矢視断面図を示し、図7(b)はバスバ付ホルダ2が退避姿勢Eから起立姿勢Sに向けて枢動した状態におけるC-C矢視断面図を示し、図7(c)はバスバ付ホルダ2が起立姿勢Sである場合のバスバ付ホルダ2及び底面部13のC-C矢視断面図を示す。
なお、図2において、箱本体10の長手方向を長手方向Lとし、箱本体10の短手方向を幅方向Wとし、上下方向を高さ方向Hとする。また、図2において長手方向Lの左側(図2において左手前側)を先端側、右側(図2において右奥側)を後端側とし、それぞれ+L側及び-L側とする。同様に図2において幅方向Wの右側を+W側、左側を-W側とし、図2における高さ方向Hの上側を上方、下側を下方とし、それぞれ+H側及び-H側とする。この方向は図3乃至図15において同様とする。
電気自動車Cは、図1に示すように、例えば家庭用電源から直流電流が充電されたバッテリー200と、直流電流を交流電流に変換するインバータ100とが電気接続箱1を介して電気的に接続されている。このインバータ100で変換された交流電流によりモータ300を駆動させている。
電気接続箱1は、図2に示しように、箱本体10と箱本体10の内部に備えられたバスバ付ホルダ2とで構成されている。
箱本体10は、図2及び図3に示すように、ロアカバー11と、ロアカバー11の上方を覆うアッパカバー12とで構成されており、箱本体10の内部にはバスバ30を保持したバスバ付ホルダ2が固定されている。このように構成された電気接続箱1は、バスバ30の端子部31aを底面部13から下方に向けて突出させることができ、インバータ100に設けられたバスバ接続部101に端子部31aを挿入することができる。これより、箱本体10とインバータ100を電気的に接続させることができる。
ロアカバー11は、図2に示すように、電気回路が配索された底面部13と、底面部13の外周縁から上方(+H側)に突出する側壁部14とで構成されており、底面部13にはバスバ付ホルダ2が枢動可能に固定されている。
バスバ付ホルダ2は、図3に示すように、底面部13に枢動可能に固定されているバスバホルダ20と、バスバホルダ20に保持されたバスバ30とで構成されている。
箱本体10に固定されるバスバホルダ20は、図3及び図4に示すように、中空状に形成された樹脂製のホルダ本体21で構成されている。
このホルダ本体21は、背面を形成するホルダ背面部22と、底面を形成するホルダ底面部23と、ホルダ背面部22の-H側の端部とホルダ底面部23の-L側の端部とを連結して形成される規制面24と、ホルダ本体21の上面側において段差状に形成されたホルダ上面部25と、ホルダ上面部25の先端側端部と連結する正面部26と、ホルダ本体21の側面を形成する一対のホルダ側面部27とで一体に構成された内部が中空状の筐体である。
ホルダ背面部22とホルダ底面部23を連結して形成される規制面24は、側面視において、互いに直交するように配置されたホルダ背面部22とホルダ底面部23とが形成する角部分を切り欠いた面である。なお規制面24は、側面視においてホルダ背面部22及びホルダ底面部23に対してそれぞれ45度となるように形成されている(図4(b)参照)。
なお、本実施形態においてホルダ背面部22及びホルダ底面部23に対して規制面24が形成する角度は45度としているが、例えばホルダ底面部23に対する規制面24の角度を60度とするなど、適宜調整できる。このホルダ底面部23に対する規制面24の角度は、バスバホルダ20が保持するバスバ30の長さにより調整できる。
またホルダ底面部23と規制面24との連結部分は、側面視において、円弧状の円弧部231が形成されている。換言すると、ホルダ底面部23と規制面24とは円弧部231を介して連結している。ホルダ側面部27、27における円弧部231が形成する円弧の中心に対応する位置には、図4(a)及び図4(b)に示すように、円柱状に形成された枢動軸部28が幅方向Wの外側に向けて突出している。
また、ホルダ側面部27、27は、図4(b)に示すように、側面視において枢動軸部28に対して所定の間隔を隔てた位置に、幅方向Wの内側に向けて半球状に窪ませた固定凹部29が設けられている。
この固定凹部29は、図4(b)に示すように、枢動軸部28に対して長手方向Lの前方側(+L側)に配置された起立姿勢用凹部291と、枢動軸部28に対して長手方向Lの後方側(-L側)に配置された退避姿勢用凹部292とで構成されている。
この起立姿勢用凹部291及び退避姿勢用凹部292は、円弧部231が形成する円弧の中心を回転中心とした仮想円上に配置されているとともに、起立姿勢用凹部291とホルダ底面部23との垂直距離V1が、退避姿勢用凹部292と規制面24との垂直距離V2と等しくなるように配置されている。
ホルダ上面部25は、ホルダ背面部22が高さ方向Hに沿った状態において、正面部26の上端と連結するとともに長手方向Lに沿って展延する第一展延部251と、第一展延部251の後端(-L側端部)から立設する起立部252と、起立部252の上端から後端側(-L側)に延設する第二展延部253とで、側面視段々形状となるように構成されている。
ホルダ本体21の正面を構成する正面部26は、ホルダ背面部22が高さ方向Hに沿った状態において、第一展延部251の前端部分(+L側端部)から下方(-H側)に向けて延設している。なお、正面部26の下端は、ホルダ底面部23よりも下方側(-H側)に突出しており、正面部26の背面はホルダ底面部23と連結している。
このように構成されたホルダ上面部25及び正面部26には、後述するバスバ30の板幅よりも一回り幅が大きな幅の溝で形成されたバスバ配置溝40が設けられている(図3及び図4(c)参照)。
このバスバ配置溝40は、図3及び図4に示すように、バスバ30を配置するための溝であり、正面部26において後端側(-L側)に窪ませた第一溝部41と、第一展延部251において下方側(-H側)窪ませた第二溝部42と、起立部252において後端側(-L側)に窪ませた第三溝部43と、第一展延部251において下方側(-H側)窪ませた第四溝部44とが一体に構成され、幅方向Wに沿って3本並んで設けられている。
バスバ配置溝40に配置されるバスバ30は所定の幅で構成された導電性を有する金属製の板状体であり、バスバ配置溝40に設置された状態において、下方に向けて延設している外部接続用バスバ31と、+L側端部が外部接続用バスバ31の上端と直交するように連結した長手方向Lに沿って延設される平坦バスバ32と、平坦バスバ32の-L側端部から上方(+H側)に立設された起立バスバ33と、起立バスバ33の上端と連結するとともに長手方向Lに沿って延設される内部接続用バスバ34とで一体に構成されている。
高さ方向Hに沿って延びる外部接続用バスバ31は、図3及び図4(c)に示すように、正面部26における高さ方向Hに対する長さよりも長く構成され、-H側端部にはバスバ接続部101に挿入可能な端子部31aを有する。
平坦バスバ32は、外部接続用バスバ31の上端から-L側に沿って延びた、第二溝部42の長手方向Lに沿った長さと略同一の長さで構成されている。起立バスバ33は平坦バスバ32の-L側端部から上方(+H側)に向けて立設しており、第三溝部43の高さ方向Hに沿った長さと略同一の長さに構成されている
内部接続用バスバ34は、長手方向Lに沿った長さが対応する第四溝部44の長さと略等しくなるように、起立バスバ33の+L側端部から-L側に向けて展延している。また、内部接続用バスバ34における-L側端部の上面には、下方側(-H側)に向けて円形状に窪ませたバスバ側接続部34aが形成されている。このバスバ側接続部34aは後述する内部側接続部90と当接することで、底面部13に配策された電子回路(図示省略)と電気的に接続する。
このように構成されたバスバ30は、図4(c)に示すように、平坦バスバ32及び内部接続用バスバ34がそれぞれ第二溝部42及び第四溝部44に配置される。このとき、外部接続用バスバ31が正面部26に当接されるとともに、起立バスバ33が起立部252に当接されている。
このようにバスバ30をバスバ配置溝40に配置した状態において外部接続用バスバ31の先端側に設けた端子部31aは正面部26よりも下方側に突出している。
ロアカバー11の底面を構成する底面部13には、バスバホルダ20を固定するホルダ固定部50と、高さ方向Hに沿って貫通した対となる貫通孔である操作用貫通孔60と、バスバ30の一端側を挿通可能に、底面部13を貫通させた開口部70と、底面部13に配策した電子回路とバスバ30とを電気的に接続する内部側接続部90とが備えられている。
ホルダ固定部50は、図3及び図5に示すように、バスバホルダ20を底面部13に対して枢動自在に枢支する枢支部51と、ホルダ背面部22が底面部13に対して直交する姿勢(以後、『起立姿勢S』とする。)となるようにバスバホルダ20を固定する起立姿勢固定部52と、規制面24が底面部13と平行である姿勢(以後『退避姿勢E』とする。)となるようにバスバホルダ20を仮固定する退避姿勢仮固定部53とで構成されている。
枢支部51は、図5に示すように、幅方向Wに沿って所定の間隔を隔てて立設された一対の枢支基部511と、枢支基部511に形成された円形状の貫通孔である保持貫通孔512とで構成されている。
この枢支基部511は上端側が半円状に形成された板状体であり、主面が対となる枢支基部511と対向するとともに、正面部26の幅方向Wの長さだけ離れて立設している。この枢支基部511の上端側に形成された半円の中心部位には、枢動軸部28の底面の外径よりもわずかに大きな径を有する保持貫通孔512が形成されている(図5(b)参照)。
なお、この保持貫通孔512の中心の高さは、ホルダ底面部23に対する円弧部231の中心の高さと等しくなるように構成されている。すなわち、起立姿勢Sにおいては、ホルダ底面部23と底面部13とが当接するとともに、退避姿勢Eにおいては、規制面24と底面部13とが当接するように構成されている。
このように構成された枢支部51は、枢支部51に枢支される枢動軸部28とで枢動部として機能し、バスバ付ホルダ2を枢動させることができる。
起立姿勢固定部52は、枢支部51よりも前方側(+L側)において、幅方向Wに沿って所定の間隔を隔てて立設された一対の起立用係止基部521と、起立用係止基部521の上方から対向する起立用係止基部521に向けて突出する半球状の起立用係止凸部522とで構成されている。
退避姿勢仮固定部53は、起立姿勢固定部52と同様の構成である。すなわち、枢支部51よりも後方側(-L側)において、所定の間隔を隔てて底面部13から立設された一対の退避用係止基部531と、退避用係止基部531の上方から対向する退避用係止基部531に向けて突出する半球状の退避用係止凸部532とで構成されている。
この起立用係止凸部522及び退避用係止凸部532は、起立姿勢S及び退避姿勢Eにおいて、ホルダ側面部27に設けられた起立姿勢用凹部291及び退避姿勢用凹部292に嵌まり込んで係止するように、所定の高さ及び大きさで構成されている。
底面部13における起立姿勢固定部52の前方側(+L側)及び退避姿勢仮固定部53の後方側(-L側)には、それぞれ高さ方向Hに貫通する操作用貫通孔60が備えられているとともに、+L側に設けられた操作用貫通孔60の先端側(+L側)には、高さ方向Hに貫通する開口部70が備えられている。
操作用貫通孔60は、矩形状に形成された貫通孔であり、起立姿勢固定部52の前方側(+L側)に設けられた起立姿勢解除部61と、退避姿勢仮固定部53の後方側(-L側)に設けられた退避姿勢解除部62とで構成されている。この起立姿勢解除部61及び退避姿勢解除部62は、固定解除器具Tを挿通可能な大きさで形成されている。
なお、本実施形態において、長手方向Lに沿って形成された起立姿勢解除部61及び退避姿勢解除部62は、対となって形成している枢支部51の幅方向Wにおける中央部分に一つずつ形成されているが、この個数や大きさ、位置は適宜調整できる。
開口部70は、図3及び図5に示すように、幅方向Wに沿って形成された矩形状の貫通孔であるメイン開口部71と、メイン開口部71の+L側端部からバスバ30の本数と同数だけ突出するように形成されたバスバ案内部72とが一体に構成されている。
メイン開口部71は、幅方向Wの長さがバスバホルダ20における幅方向Wの長さよりも一回り長く形成された貫通孔であり、バスバホルダ20が起立姿勢Sの状態において、正面部26の背面がメイン開口部71の後端側(-L側)縁部と当接する位置に設けられている。
バスバ案内部72は、図3及び図5に示すように、メイン開口部71の先端側(+L側)において+L側に向けて矩形状に形成された貫通孔である。このバスバ案内部72は、バスバ30の幅よりもわずかに大きな幅を有しており、幅方向Wに沿って3つ形成されている(バスバホルダ20に保持されたバスバ30と同数となるように形成されている)。
また、底面部13の底面側には、開口部70を覆う樹脂製で弾性変形可能なカバー部80が備えられている(図6(b)参照)。このカバー部80の先端側(+L側)には、メイン開口部71よりも一回り拡幅の長方形状の貫通孔である切込部81が、メイン開口部71の先端側端部と略面一となるように幅方向Wに沿って形成されている。
底面部13に備えられた内部側接続部90は、図3及び図5に示すように、幅方向Wに沿って所定の間隔を隔てて立設された一対の支持部91,91と、支持部91,91の上端を連結する連結部92とで正面視門型に構成され、連結部92の底面側から露出する金属板93が備えられている。
この金属板93は、導電性を有する金属製の伝導体であり、図5(b)に示すように、連結部92の底面側から下方側(-H側)に向けて一部が露出しているとともに、連結部92及び支持部91の内周面に沿って配策され、底面部13に配策した図示しない電気回路と連結している(図示省略)。すなわち、底面部13に配策した電気回路と電気的に接続可能に構成されている。
また金属板93は、バスバ30を保持するバスバホルダ20が起立姿勢Sである場合において、バスバ側接続部34aと対向する位置に、-H側に向けて突出する略半球状の接続用突起93aが3つ形成されている。この接続用突起93aは、バスバ側接続部34aと嵌合するとともに、上方から押さえつける程度に下方に突出して構成されている。
このように構成されたバスバホルダ20に対してバスバ30を保持させたバスバ付ホルダ2は、底面部13に設けられた枢支部51に枢支されている。
具体的には、図6に示すように、ホルダ側面部27,27において、円弧部231が形成する円弧の中心から幅方向Wの外側に向けて突出した枢動軸部28,28が、枢支部51に設けた保持貫通孔512に挿通されている。すなわち、バスバ付ホルダ2は底面部13に対して枢動軸部28を枢動軸として枢動可能に枢支されている。
またバスバ付ホルダ2は、図6に示すように、ホルダ側面部27,27に設けた一対の退避姿勢用凹部292,292が底面部13から立設された退避姿勢仮固定部53に備えた退避用係止凸部532に係止できる。
また、この退避姿勢Eにおいてバスバホルダ20に保持されたバスバ30の端子部31aは、図6に示すように、箱本体10の内部に収容された状態となる。
換言すると、退避姿勢仮固定部53を備えることで、外部接続用バスバ31が箱本体10に収容された状態である退避姿勢Eでバスバ付ホルダ2を仮固定でき、例えば電気接続箱1を運搬する場合などに端子部31aが外部の他の物品と干渉することを防止できる。またこの場合に、規制面24が底面部13と当接しており、バスバ付ホルダ2が退避枢動方向Pe(側面視において枢動軸部28を枢動軸として-L側方向をさす。)に枢動しないように規制することができる。
次に、上述のように退避姿勢Eで仮固定されたバスバホルダ20に保持されたバスバ30を外部に突出させる方法について、図7に基づいて簡単に説明する。
上述のように、退避姿勢Eにおけるバスバ付ホルダ2は、端子部31aが箱本体10の内部に収容された状態で、退避姿勢用凹部292が退避用係止凸部532に係止されている。(図6及び図7(a)参照)
このように退避姿勢Eで固定されたバスバ付ホルダ2に対して底面部13に設けられた退避姿勢解除部62に固定解除器具Tを挿通させることで、箱本体10の外部から規制面24を押し上げることにより(図7(a))、退避姿勢用凹部292と退避用係止凸部532との係止を解除できる。
また、固定解除器具Tをさらに押し上げることにより、起立枢動方向Psに向けたバスバホルダ20の枢動を操作できる(図7(b)参照)。
このように、枢動軸部28を枢動軸としてバスバ付ホルダ2を起立枢動方向Psに向けて枢動させることで、バスバ付ホルダ2を起立姿勢Sとすることができる。このとき、枢動軸部281が起立用係止凸部522と係止して、バスバ付ホルダ2を起立姿勢Sで固定できる。
また、このように枢動軸部28を枢動軸としてバスバ付ホルダ2が枢動することに伴い枢動したバスバ30は、図7(b)に示すように、端子部31aが底面部13と干渉しないように形成されたバスバ案内部72を挿通して箱本体10の外部に突出することとなる。そして、バスバ付ホルダ2が起立姿勢Sとなることで、側面視において外部接続用バスバ31が底面部13に対して直交するように下方側(-H側)に向けて突出する(図6(c)参照)。
さらにまた、バスバ付ホルダ2が起立姿勢Sの状態において、図7(c)に示すように、ホルダ底面部23が底面部13と当接してバスバ付ホルダ2が起立枢動方向Psに向けての枢動することを規制できるとともに、正面部26の下方側背面が、バスバ案内部72の+L側の縁部と当接してバスバ付ホルダ2の枢動を規制しつつ、底面部13に対して直交するように突出した外部接続用バスバ31を支持できる。
これにより、バスバ付ホルダ2を内蔵した電気接続箱1を下方(-H側)に下して端子部31aをバスバ接続部101に差し込む場合に、外部接続用バスバ31に作用する反発力を高さ方向Hに沿って受けることができ、外部接続用バスバ31が例えば+L側に曲がるなどを防止でき、確実に接続できる。
また外部接続用バスバ31は、図7に示すように、正面部26に設けた第一溝部41に嵌り込んでいるため、第一溝部41によって保護されている。これにより、外部接続用バスバ31に対して-L側に向けた意図しない力が作用した場合などにおいても、外部接続用バスバ31が-L側に曲がることを防止できる。
さらにまた、図7(a)~(c)に示すように、バスバホルダ20を起立枢動方向Psに枢動させて、バスバホルダ20が起立姿勢Sとすることで、バスバ側接続部34aと接続用突起93aとを容易に接続でき、バスバ30と底面部13に配索した電気回路とを電気的接続することができる。
ここで、接続用突起93aは半球状で-H側に突出しているため、内部接続用バスバ34を上方から下方に向けて押し付けるようにバスバ側接続部34aと係止することとなる。これにより、確実にバスバ30と底面部13に配索した電気回路とを電気的接続することができるとともに、バスバ側接続部34aと接続用突起93aとの係止によりバスバホルダ20を起立姿勢Sで固定することができる。
上述の説明では、バスバホルダ20に枢動軸部28を備えるとともに、底面部13に枢支部51を備えることにより、バスバ付ホルダ2を退避姿勢Eから起立姿勢Sとなるように、バスバ付ホルダ2を枢動させているが、逆向きの同様の操作により、バスバ付ホルダ2を起立姿勢Sから退避姿勢Eへと枢動させることもできる。
このように構成された電気接続箱1は、インバータ100と電気的に接続する端子部31aを有するバスバ30と、端子部31aが突出するようにバスバ30を保持するバスバホルダ20と、バスバホルダ20を内部に収容するとともに、端子部31aが挿通可能な開口部70を有する箱本体10とで構成され、端子部31aが開口部70を貫通して、箱本体10における開口部70を有する底面部13に対して起立する起立姿勢Sと、端子部31aが底面部13に対して起立した起立姿勢Sから退避した退避姿勢Eとの間でバスバホルダ20を枢動可能に枢支する枢動軸部28及び枢支部51が備えられたことにより、インバータ100と電気的に接続させるバスバ30の端子部31aが運搬中に他の部材と干渉することを防止できる。
詳述すると、バスバホルダ20に枢動軸部28を備えるとともに、底面部13に枢支部51を備えることにより、バスバ付ホルダ2を起立姿勢Sと退避姿勢Eとの間で枢動させることができ、起立姿勢Sにおいて開口部70から外部に突出した端子部31aが底面部13に対して起立した状態から、端子部31aを退避させることができる。これにより、例えば電気接続箱1の運搬中において、バスバ30の端子部31aが他の部材と干渉してバスバ30が損傷することを防止できる。
また、枢動するバスバホルダ20を、起立姿勢S及び退避姿勢Eに規制するホルダ底面部23及び規制面24が備えられることにより、バスバホルダ20が起立姿勢Sまたは退避姿勢Eの少なくとも一方を超えて枢動することを防止できる。
これにより、例えばバスバ付ホルダ2が起立姿勢Sである場合において、退避姿勢Eから起立姿勢Sに向かう起立枢動方向Psにバスバ付ホルダ2が起立姿勢S又は退避姿勢Eを超えてさらに枢動することを防止できる。このため、バスバホルダ20に保持されたバスバ30が開口部70や底面部13などと干渉することを防ぐことができる。
さらにまた、バスバホルダ20を退避姿勢Eで仮固定する退避姿勢用凹部292及び退避姿勢仮固定部53と、バスバホルダ20の退避姿勢Eでの仮固定を解除する退避姿勢解除部62が備えられることにより、バスバホルダ20を退避姿勢Eで仮固定できるとともに、必要な場合において仮固定を解除できる。
具体的には、退避姿勢用凹部292及び退避姿勢仮固定部53により、運搬中においてバスバ付ホルダ2を退避姿勢Eで仮固定することができるため、バスバホルダ20が枢動することで端子部31aが開口部70を貫通して他部材と干渉することを防止できる。また、端子部31aをインバータ100に接続する場合などには、仮固定を解除してバスバホルダ20を起立姿勢Sとすることができる。
加えて、バスバホルダ20を起立姿勢Sで固定する起立姿勢用凹部291及び起立姿勢固定部52が備えられることにより、バスバ付ホルダ2を起立姿勢Sで固定できる。これにより、端子部31aをインバータ100に対して容易かつ確実に接続できるとともに、例えば、バスバ付ホルダ2に退避枢動方向Peへ意図しない外力が作用した場合に、バスバ付ホルダ2の枢動を防止でき、インバータ100と端子部31aとの接続が解除されることを防ぐことができる。
また、起立姿勢Sから退避姿勢Eに向かってバスバホルダ20が枢動する退避枢動方向Peが、起立姿勢Sにおいて外部に突出している端子部31aを箱本体10の内部に収容する方向とすることにより、バスバ付ホルダ2を枢動させることで端子部31aを箱本体10の内部に収容できる。これにより、端子部31aが運搬中に箱本体10の外部の他の部材と干渉することを、より確実に防止できる。
また、箱本体10の内部に、バスバ30と接続する内部側接続部90が配置されるとともに、バスバ30には内部側接続部90に対して電気的に接続されるバスバ側接続部34aが備えられ、内部側接続部90は、バスバホルダ20が起立姿勢Sである状態においてバスバ側接続部34aと接続されるように配置されることにより、バスバホルダ20を退避姿勢Eから起立姿勢Sへと枢動するだけで、バスバ側接続部34aと内部側接続部90とを電気的に接続することができ、バスバ側接続部34aと内部側接続部90との接続作業効率を向上できる。
すなわち、内部側接続部90は、起立姿勢Sにおいて、バスバ側接続部34aと当節する位置に設けられている。
また、バスバホルダ20の枢動を間接的に操作する操作用貫通孔60が備えられていることにより、バスバホルダ20を枢動させるためにバスバホルダ20を直接触る必要がなくなるため、意図せずにバスバ30に触れることがなく、バスバ30が汚染や損傷を防止できる。
また、開口部70に少なくとも一部を覆うカバー部80が備えられることにより、開口部70の少なくとも一部をカバー部80で覆うことができるため、箱本体10内部に水や埃等といった異物が入り込むことを抑制できる。
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
この発明の外部機器は、インバータ100に対応し、
以下同様に、
筐体は、箱本体10に対応し、
開口面は、底面部13に対応し、
枢動部は、枢動軸部28及び枢支部51に対応し
枢動規制部は、ホルダ底面部23及び規制面24に対応し、
退避姿勢仮固定部は、退避姿勢用凹部292及び退避姿勢仮固定部53に対応し、
仮固定解除部は、退避姿勢解除部62に対応し、
起立姿勢固定部は、起立姿勢用凹部291及び起立姿勢固定部52に対応し、
被接続体は、内部側接続部90に対応し、
接続部は内部接続用バスバ34に対応し、
操作部は、操作用貫通孔60に対応し、
バスバホルダ本体は、ホルダ本体21に対応し、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
例えば、電気接続箱1において、バスバ30は導電性を有する金属製の平板状であるが、棒状体であってもよく、また、本実施形態のように側面視において、段々形状でなく、直線状に形成されている構成であってもよいし、複数の段形状で構成されていてもよい。
なお、バスバ30は、銅やアルミのような導電性を有する金属であればその金属種は限定しない。
また、本実施形態では、ホルダ底面部23及び規制面24が規制部として機能し、バスバ付ホルダ2が起立姿勢Sから退避姿勢Eの間でのみ枢動する構成としているが、バスバ付ホルダ2が起立姿勢S又は退避姿勢Eまで枢動する場合のみならず、起立姿勢S又は退避姿勢Eを超えて枢動方向に枢動する構成としてもよい。
さらにまた、本実施形態では、バスバ付ホルダ2の枢動の規制をホルダ底面部23及び規制面24で行っているが、バスバホルダ20及び箱本体10に別部材を設けることにより規制する構成としてもよい。例えば、側壁部14に一端が固定されるとともに、他端がバスバホルダ20に固定された紐状体により、バスバホルダ20の枢動を規制してもよいし、例えば起立姿勢Sからさらに起立枢動方向Psに向かってバスバ付ホルダ2を枢動させる場合に、起立姿勢Sにおけるバスバ付ホルダ2の起立枢動方向Ps側に、枢動を規制する弾性部材を設けた構成などであってもよい。
また、電気接続箱1では、例えばホルダ側面部27に設けた退避姿勢用凹部292と底面部13に設けた退避姿勢仮固定部53とで、バスバ付ホルダ2を係止させてバスバ付ホルダ2を退避姿勢Eで固定しているが、別部材を設けてバスバ付ホルダ2を退避姿勢Eや起立姿勢Sで固定する構成としてもよい。
また、上述の電気接続箱1では、正面部26から幅方向Wに沿って突出する枢動軸部28を枢動軸としてバスバ付ホルダ2が起立枢動方向Ps及び退避枢動方向Peに枢動できる構成としているが、必ず幅方向Wに沿って枢動軸部28が形成される必要はなく、例えば図8及び図9に示す電気接続箱1xのように、長手方向Lに沿って枢動軸28xを設けてもよい。
以下、図8及び図9に基づいて、底面部13に対応する底面部13xにバスバ付ホルダ2xを固定した別の実施形態の電気接続箱1xについて簡単に説明する。なお、以下で説明する電気接続箱1xの構成のうち、上述の電気接続箱1と同様の構成については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
ここで、図8は底面部13xに枢動軸部28xを枢動軸として固定されたバスバ付ホルダ2xの概略斜視図を示し、図9はバスバ付ホルダ2xの枢動を説明する図8におけるD-D矢視断面斜視図を示す。
詳しくは、図9(a)はバスバ付ホルダ2xが退避姿勢Eである場合のD-D矢視断面斜視図を示し、図9(b)は退避姿勢Eから起立姿勢Sへバスバ付ホルダ2xが枢動した途中の状態におけるD-D矢視断面図を示し、図9(D)はバスバ付ホルダ2xが起立姿勢Sである場合のD-D矢視断面斜視図を示す。
電気接続箱1に対応する電気接続箱1xは、箱本体10に対応する箱本体10xと、バスバ付ホルダ2に対応するバスバ付ホルダ2xとで構成されている。
この箱本体10xを構成する底面部13xは底面部13に対応しており、バスバ30を保持するバスバホルダ20xが枢動可能に固定されている。
バスバホルダ20に対応するバスバホルダ20xは、電気接続箱1におけるホルダ本体21と略同じ構成である、中空状のホルダ本体21xで構成されている。
ホルダ本体21との相違点について詳述すると、ホルダ本体21xは、ホルダ背面部22に対応するホルダ背面部22xとホルダ底面部23に対応するホルダ底面部23xとが、側面視において互いに直交するように直接連結されている(図示省略)。そして、ホルダ側面部27の+W側には規制筐体24xが備え付けられている。
この規制筐体24xは、第一展延部251と同じ高さを有する四角柱体であり、長手方向L側の両側面(枢動軸形成面241x)には、下方側から長手方向Lの外側に向けて枢動軸部28が突出しているとともに、円形状の窪みである起立姿勢用凹部291x及び退避姿勢用凹部292xがそれぞれ設けられている。
なお、起立姿勢用凹部291x及び退避姿勢用凹部292xはそれぞれ起立姿勢用凹部291及び退避姿勢用凹部292に対応し、起立用係止凸部522x及び退避用係止凸部532xにそれぞれ係止可能に形成されている。
バスバ30に対応するバスバ30xは、外部接続用バスバ31と、平坦バスバ32と、起立バスバ33と、内部接続用バスバ34に対応する内部接続用バスバ34xとで構成されている。
この内部接続用バスバ34xは、内部接続用バスバ34と略同一の構成であるが、内部接続用バスバ34よりも-L側に延出しているとともに、バスバ側接続部34aが上面側に形成されていない点で異なる。
このように構成されたバスバ30xは、バスバホルダ20に保持された状態で、外部接続用バスバ31が正面部26の下端よりも-H側に突出しているとともに、内部接続用バスバ34xがホルダ背面部22xよりも-L側に突出するように構成されている。
ロアカバー11を構成する底面部13xには、底面部13と同様に、ホルダ固定部50に対応するホルダ固定部50xと、操作用貫通孔60と、開口部70に対応する開口部70xと、内部側接続部90に対応する内部側接続部90xが備えられている。
ホルダ固定部50xは、長手方向Lに対して正面部26xの長手方向Lの長さに等しい距離だけ隔てて対向配置された一対の枢支部51xと、起立姿勢固定部52に対応する起立姿勢固定部52xと、退避姿勢仮固定部53に対応する退避姿勢仮固定部53xとで構成されている。この起立姿勢固定部52x、枢支部51x、退避姿勢仮固定部53xは幅方向Wに沿って-W側から+W側に向けてこの順で配置されている。
なお、枢支部51xと起立姿勢固定部52xと退避姿勢仮固定部53xは、配置箇所が異なるものの、対応する枢支部51と起立姿勢固定部52と退避姿勢仮固定部53とそれぞれ構成は同じであるため、詳細については割愛する。
開口部70xは、電気接続箱1における開口部70に対応するが、幅方向Wに沿って長い長方形状の貫通孔である。すなわち、メイン開口部71xのみで構成されており、バスバ案内部72を有さない。
メイン開口部71xは、対応するメイン開口部71よりも幅方向Wに沿った長さが長く構成されている。
内部側接続部90xは、ホルダ背面部22xの-L側において立設する支持部91xと、支持部91xの上方において、バスバ付ホルダ2が起立姿勢Sである場合において、内部接続用バスバ34xと同じ高さとなる位置に設けられた3つの内側導電部93xとで構成されている。
内側導電部93xは、導電性を有する金属で構成されており、図8に示すように、内部接続用バスバ34xの幅方向Wの長さと略等しい平板状の金属板で構成された受け部931xと、受け部931xの幅方向Wの両端から立設した一対のバスバ係止部932xと、支持部91の+L側面において高さ方向H方向に沿って配索され底面部13に配策された電子回路と接続している回路導通部933xとで一体に構成されている。
バスバ係止部932xは、受け部931xの幅方向Wの端部から上方に向けて立設している一対の係止部であり、+L側端部には互いに対向するバスバ係止部932xに向けてわずかに突出する係止片934xが形成されている。この係止片934xは底面側が、受け部931xより内部接続用バスバ34xの板厚分だけ上方に配置されており、上方に向かうに伴い幅方向Wの外側に向けて広がるようなテーパ状に形成されている。
このように構成されたバスバホルダ20xにバスバ30を保持させたバスバ付ホルダ2xは、枢動軸部28xを保持貫通孔512xに挿通させることで枢支部51xに枢支させることができる。これにより、正面視において、バスバ付ホルダ2xは枢動軸部28xを枢動軸として-W方向及び+W方向に枢動させることができる。
以下、電気接続箱1xにおけるバスバホルダ20xの枢動を、図9に基づいて簡単に説明する。
図9(a)に示すように、枢支部51xに枢支された枢動軸部28を枢動軸として、規制筐体24xの+W側側面(規制面242x)が底面部13と当接させるように、バスバホルダ20xを+W側であり退避枢動方向Peに枢動させることにより、バスバホルダ20xに保持されたバスバ30が箱本体10の内部に収容された退避姿勢Eとすることができる。このとき規制面242xは、バスバホルダ20xが過度に+W側に枢動することを規制する規制部として機能する。
また、退避姿勢用凹部292xが起立姿勢固定部52xを構成する起立用係止凸部522xに係止され、バスバホルダ20xを退避姿勢Eで仮固定することができる。したがって、バスバ30が箱本体10xの外部へと突出することがなく、例えば運搬中に端子部31aが他の部材に干渉することを防止できる。
次に、電気接続箱1xをインバータ100に接続させる場合、電気接続箱1と同様に、底面部13xに設けた退避姿勢解除部62に固定解除器具Tを挿入させて規制筐体24xを上方(+H側)に押し上げ、退避姿勢用凹部292xと退避用係止凸部532xとの係止を解除させる。これにより、枢動軸部28xを枢動軸としてバスバ付ホルダ2xを起立枢動方向Psに向けて枢動させることができる(図9(b)参照)。
さらに、ホルダ底面部23xが底面部13xに当接するまで、枢動軸部28xを枢動軸としてバスバホルダ20xを枢動させることで、バスバ付ホルダ2xを起立姿勢Sとすることができる(図9(c)参照)。このとき、ホルダ底面部23xが底面部13xに当接することで、バスバ付ホルダ2xの姿勢を起立姿勢Sに維持することができるとともに、枢動軸部28xを枢動軸としてバスバ付ホルダ2xが-W側へさらに枢動することを規制することができる。
また、起立姿勢用凹部291xが起立用係止基部521xと係止されるため、バスバ付ホルダ2xを起立姿勢Sで固定することができる。すなわち、外部接続用バスバ31が底面部13に対して側面視直交するように突出させた状態で固定できる。
さらにまた、バスバ付ホルダ2xを退避姿勢Eから起立姿勢Sとなるように枢動させることにより、内部接続用バスバ34xの-L側端部が枢動して係止片934xに沿って内側導電部93xに案内され、起立姿勢Sの状態において連結部924に係止され、確実に底面部13に配索した電気回路とバスバ30xとを電気的接続することができるとともに、内部接続用バスバ34xを係止片934xに係止させることによりバスバホルダ20xを起立姿勢Sで固定することができる。
このように構成された電気接続箱1x及びバスバ付ホルダ2xは、電気接続箱1及びバスバ付ホルダ2と同様の効果を奏することができる。
また上述の電気接続箱1及び電気接続箱1xでは、退避姿勢Eにおいて外部接続用バスバ31を箱本体10の内部に収納する構成であるが、例えば電気接続箱1yのように、外部接続用バスバ31を箱本体10の外部に退避させることもできる。
以下、図10及び図11に基づいて、さらに別の実施形態の電気接続箱1yの構成について簡単に説明する。
なお、以下で説明する電気接続箱1yの構成のうち、上述の電気接続箱1、電気接続箱1xと同様の構成については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
ここで、図10は底面部13yに枢支されたバスバ付ホルダ2yの概略斜視図を示し、図11はバスバ付ホルダ2yの枢動を説明する説明図であり、図10におけるE-E矢視断面図を示す。
図11について詳述すると、図11(a)は寝位姿勢Aで固定されたバスバ付ホルダ2yのE-E矢視断面図を示し、図11(b)は起立姿勢Sで固定されたバスバ付ホルダ2yのE-E矢視断面図を示す。
電気接続箱1に対応する電気接続箱1yは、ロアカバー11yとアッパカバー12とで構成されている。このロアカバー11yは底面部13に対応する底面部13yと、底面部13の外周縁部から立設する側壁部14(図10、図11において図示省略)とで構成されている。
底面部13yは、正面視において上方(+H側)に突出した固定用平面15yが形成されている。
この固定用平面15yは、底面部13yよりも上方に配置された、底面部13yと平行な平面部151yと、平面部151yの幅方向Wの両端において下方側に延出する一対の収容壁部152yとで構成されている。
平面部151yは、幅方向Wの長さが後述するバスバホルダ20yにおける幅方向Wの長さよりも一回り長く形成された、平面視において長方形状となる平板で構成されており、バスバホルダ20yを枢支する枢支部51と、操作用貫通孔60に対応する操作用貫通孔60yと、開口部70xに対応する開口部70y、内部側接続部90xが設けられている。
平面部151yの幅方向Wの両端から下方に延出している収容壁部152yは、下方に向かうに伴い幅方向Wの外側に向けて広がるように構成されている(図12及び図13参照)。
このように構成された固定用平面15yは、箱本体10の下方側において、上方に窪ませた端子収容部Zを形成している。
平面部151yに枢支可能に固定されているバスバ付ホルダ2yは、バスバホルダ20に対応するバスバホルダ20yと、バスバ30に対応するバスバ30yとで構成されている。
バスバホルダ20及びバスバホルダ20xに対応するバスバホルダ20yは、中空状のホルダ本体21yで構成されている。
このホルダ本体21yは、ホルダ背面部22xとホルダ底面部23xと、ホルダ上面部25に対応するホルダ上面部25yと正面部26に対応する正面部26yと、ホルダ側面部27に対応するホルダ側面部27yとで構成されている。
ホルダ上面部25yは、ホルダ背面部22xが固定用平面15yに対して直交した状態において、長手方向Lに沿って延設する第一展延部251yと、第一展延部251yの-L側端部から上方に立設する起立部252yと、起立部252yの上端部から-L側に延出する第二展延部253yと、第一展延部251yの+L側端部から+L側かつ-H側に向けて突出する円弧状の円弧形成部254yとで構成される。
円弧形成部254yは、図11(b)に示すように、側面視において四半円状に形成されており、ホルダ背面部22xが固定用平面15yに対して直交した状態において、下端側(-H側端部)には、接線方向にわずかに突出する保持先端部255yが設けられている。
このように構成されたホルダ上面部25yは、後述するバスバ30yを配置する溝形状に形成されたバスバ配置溝40yが設けられている。このバスバ配置溝40yは、バスバ付ホルダ2におけるバスバ配置溝40に対応し、ホルダ本体21yとホルダ本体21との形状が異なる点を除き、すなわち、第一溝部41yが円弧状に形成されている点を除き、バスバ配置溝40yはバスバ配置溝40と同じ構成であり、その詳細は割愛する。
バスバ30yは、外部接続用バスバ31に対応する外部接続用バスバ31yと、平坦バスバ32と、起立バスバ33と、内部接続用バスバ34xとで構成されている。
外部接続用バスバ31yは、円弧形成部254yの形状に合わせて、側面視において四半円状に形成されたバスバ円弧部311yと、バスバ円弧部311yの先端から法線方向に突出するバスバ先端部312yとで構成されており、バスバ先端部312yの先端部分には、バスバ接続部101と接続する端子部31aが設けられている。
正面部26yは、ホルダ背面部22が固定用平面15yに対して直交した状態において、第一展延部251yの先端、すなわち第一展延部251yと円弧形成部254yとの連結部位から下方に向けて延出している。
また、ホルダ本体21yの側面を形成するホルダ側面部27y,27yには、図10に示すように、ホルダ底面部23と正面部26yとの交差部分に幅方向Wに沿って突出する枢動軸部28が設けられているとともに、退避姿勢用凹部292及び固定凹部293の代わりに、それぞれホルダ側面部27y,27yから-H側及び+L側に突出している起立姿勢固定部52y及び退避姿勢仮固定部53yが設けられている。なお、起立姿勢固定部52yと退避姿勢仮固定部53yは同じ構成をしている。
退避姿勢仮固定部53yを例に、その構成について詳述する。
退避姿勢仮固定部53yは、図10のβ部に示すように、ホルダ底面部23xが固定用平面15yに対して直交した状態において、ホルダ側面部27の+L側端部から+L側に向けて突出するように設けられた平板状の退避係止用基部531yと、退避係止用基部531yの先端部分において幅方向Wの外側に向けて突出するホルダ側係止部532yとで構成されている。
退避係止用基部531yは、平面視において長手方向Lに沿って延びる平板であり、可撓性を有している。この退避係止用基部531yは、ホルダ背面部22xが固定用平面15yに対して直交した状態において(図11(a)参照)、ホルダ側面部27における+L側端部から固定用平面15yの板厚の2倍に相当する長さだけ突出している。
退避係止用基部531yの先端(+L側)に設けられたホルダ側係止部532yは、退避係止用基部531yの+L側端部から-L側へ固定用平面15yの板厚と同じ長さとなる位置から、幅方向Wの外側にわずかに突出する係止片であり、平面視において基端側(-L側)が幅方向Wの外側に延出するとともに、+L側に向かうに伴って先細りするように形成されている。
固定用平面15yに設けられた操作用貫通孔60yは、固定用平面15yを高さ方向Hに貫通する貫通孔であり、ホルダ背面部22xが固定用平面15yに対して直交した状態における起立姿勢固定部52yに対応する位置に設けられた一対の起立姿勢固定孔61yと、ホルダ底面部23xが固定用平面15yに対して直交した状態における起立姿勢固定部52yに対応する位置に設けられた一対の退避姿勢固定孔62yとで構成されている。
起立姿勢固定孔61yは、ホルダ背面部22xが固定用平面15yに対して直交した状態における起立姿勢固定部52yの長手方向Lに沿った長さの約2倍の長さの長辺を有するとともに、起立姿勢固定部52yの板厚(幅方向Wに沿った長さ)の約2倍の短辺を有する矩形状の貫通孔であり、ホルダ背面部22xが固定用平面15yに対して直交した状態において、幅方向Wの外側の縁部及び+L側の縁部が、起立姿勢固定部52yにおける幅方向Wの外側及び+L側の側面と当接している。
退避姿勢固定孔62yは起立姿勢固定孔61yと同じ構成をしており、ホルダ底面部23xが固定用平面15yに対して直交した状態において、幅方向Wの外側の縁部及び-L側の縁部が、退避姿勢仮固定部53yにおける幅方向Wの外側及び-L側の側面と当接している。
このように構成されたバスバ付ホルダ2yは、バスバ付ホルダ2やバスバ付ホルダ2xと同様に、枢動軸部28が枢支部51により枢支されることにより、枢動軸部28を枢動軸として枢動可能に固定用平面15yに固定されている。
以下、図11~図13に基づき、退避姿勢Eから起立姿勢Sへと移行するバスバ付ホルダ2yの枢動について簡単に説明する。
図12は図11(a)におけるF-F断面図を示し、図13は図11(a)におけるG-G断面図を示す。
詳しくは、図12(a)は退避姿勢Eにおける退避姿勢仮固定部53yと退避姿勢固定孔62yの係止状態のF-F断面図を示し、図12(b)は退避姿勢Eにおいて退避姿勢仮固定部53yと退避姿勢固定孔62yの係止を解除する状態におけるF-F断面図を示す。図13(a)は起立姿勢固定部52yと起立姿勢固定孔61yを係止前の状態におけるG-G断面図を示し、図13(b)は起立姿勢Sにおいて起立姿勢固定部52yと起立姿勢固定孔61yの係止状態のG-G断面図を示す。
ホルダ底面部23xが固定用平面15yと直交する状態にある場合、図11(a)に示すように、正面部26yが固定用平面15yと当接している。これにより、バスバ付ホルダ2yは退避枢動方向Peに向けて枢動することを規制されている。換言すると、正面部26yがバスバ付ホルダ2yの枢動を規制する規制部として機能している。
また、側面視で四半円状に形成された254y及び保持先端部255yに保持された外部接続用バスバ31yが固定用平面15yと平行となるように、バスバ付ホルダ2yは寝位姿勢Aとなり、端子部31aが端子収容部Zに収容される。これにより外部接続用バスバ31yの先端に設けられた端子部31aが外部と干渉することを防止できる。すなわち、寝位姿勢Aは、電気接続箱1における退避姿勢Eに対応する姿勢である。
このようにバスバ付ホルダ2yが寝位姿勢Aである場合に、退避姿勢仮固定部53yが退避姿勢固定孔62yに係合している(図12(a)参照)。この状態において、退避姿勢固定孔62yに係止しているホルダ側係止部532yに幅方向W内側に向けて力を作用させることにより(図12(b)参照)、退避係止用基部531yが撓んで退避姿勢仮固定部53yと退避姿勢固定孔62yとの係止を解除することができる。
このよう固定用平面15yに対するバスバ付ホルダ2yの仮固定を解除することにより、バスバ付ホルダ2yは枢動軸部28を枢動軸として起立枢動方向Psに枢動させることができる。バスバ付ホルダ2yを起立枢動方向Psに枢動させることにより、起立姿勢固定部52yの先端部分であるホルダ側係止部522yが起立姿勢固定孔61yに干渉して起立係止用基部521yが幅方向Wの内側に撓むこととなる(図13(a)参照)。この状態でさらにバスバ付ホルダ2yを起立枢動方向Psに枢動させることにより、起立姿勢固定部52yが起立姿勢固定孔61yに挿通されて、起立姿勢固定部52yを起立姿勢固定孔61yに係止させることができる(図13(b)参照)
これにより、バスバホルダ20yに保持された外部接続用バスバ31yが高さ方向Hに沿って下方に突出した起立姿勢Sでバスバ付ホルダ2を固定することができ、退避枢動方向Peへ枢動することを防止できる。なお、バスバ付ホルダ2が起立姿勢Sにおいて、ホルダ底面部23xは固定用平面15yと当接して、バスバ付ホルダ2yが起立枢動方向Psへ枢動することを規制することができる。
なお、起立姿勢固定部52yと起立姿勢固定孔61yとの係止を解除することにより、バスバ付ホルダ2yを退避枢動方向Peに枢動させることは当然にできる。
このように電気接続箱1yにおける退避姿勢Eは、端子部31aが底面部13y(固定用平面15y)の外面側に沿う寝位状態となる寝位姿勢Aであり、起立姿勢Sから寝位姿勢Aにバスバ付ホルダ2を枢動する退避枢動方向Peが、固定用平面15yに対して起立した端子部31aを固定用平面15yに沿った寝位状態となる方向であることにより、寝位姿勢Aにおいて外部接続用バスバ31y及びバスバホルダ20を箱本体10の内部に収容するためのスペースを確保する必要がなく、箱本体10yの内部の省スペース化を図ることができ、箱本体10yを縮小化することができる。
また、底面部13y(固定用平面15y)の外側に、寝位姿勢Aにおいて、端子部31aを収容する端子収容部Zが形成されていることにより、端子部31aを確実に保護することができる。
このように構成された電気接続箱1y及びバスバ付ホルダ2yは、ロアカバー11x及びホルダ背面部22xと同様の効果を奏することができる。
なお、電気接続箱1yにおいて端子収容部Zは、底面部13yの一部分である固定用平面15yを箱本体10の内部側に窪んで設けられた構成であるが、この構成に限らず、例えば平面で形成された底面部13の外面に外側に向けて立設する壁部を設けて端子収容部Zを形成してもよい。
また、電気接続箱1yにおける寝位姿勢Aは、端子部31aが底面部13に対して平行となるように配置された姿勢であるが、端子部31aが底面部13に対して30度以下の角度で交差するように配置されたバスバホルダ20の姿勢であってもよい。すなわち、寝位姿勢Aは、端子部31aが底面部13に対して平行となるように配置されたバスバホルダ20の姿勢に限定するものではなく、所定の角度幅で端子部31aと底面部13とが交差している状態を含む。
同様に、電気接続箱1及び電気接続箱1xにおける退避姿勢Eは、端子部31aが箱本体10の内部に完全に収容されているが、この構成に限定されず、端子部31aが箱本体10の外部に備えられた他の部材と干渉しない位置まで退避させてあればよく、例えば外部接続用バスバ31が底面部13と面一となるように箱本体10の内部に収容されたバスバホルダ20の姿勢や、バスバ30の先端が外部に僅かに出ている姿勢でもよい。
また、電気接続箱1,1x,1yにおいて、バスバ30は正面視で高さ方向Hに沿った直線状のバスバとしているが、例えば図14に示すように3本あるバスバ30のうちの幅方向Wの両端における外部接続用バスバ31を幅方向Wの外側に屈曲させた屈曲部35を有する構成としてもよい。このように屈曲部35を備えることで、バスバ接続部101の形状に合わせたバスバ30とすることができる。
また、電気接続箱1,1x,1yにおいて操作用貫通孔60に対して固定解除器具Tなどにより押し組むことで、間接的にバスバ付ホルダ2の枢動を操作する操作部として機能させているが、例えば、枢動軸部28の先端に固定された操作レバー601を底面部13に設けた貫通孔を介して外部に突出させ、外部から枢動させて操作することでバスバ付ホルダ2の枢動動作を直接的に操作することでバスバ付ホルダ2の枢動を操作してもよい(図15(a)~15(c)参照)。また箱本体10の内部において押下することによりバスバ付ホルダ2を直接的に枢動させる操作部で構成されてもよい。
例えば操作部が箱本体10の外部に備えられることにより、操作部の操作を容易に行うことができるため、電気接続箱1の設置の作業効率を向上させることができる。
また、本実施形態において、枢動部に対応する枢動軸部28と枢支部51とをそれぞれバスバホルダ20と底面部13と備えているが、枢動軸部28を底面部13(正確には枢支基部511)に備え、枢支部51をバスバホルダ20に備え、バスバ付ホルダ2を枢動可能としてもよい。
さらには、電気接続箱1、1x,1yの構成は矛盾が無い限り、これらの組み合わせを適宜変更してもよい。