JP7007778B1 - 補聴器調整システム、及び、補聴器調整方法 - Google Patents

補聴器調整システム、及び、補聴器調整方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7007778B1
JP7007778B1 JP2021542196A JP2021542196A JP7007778B1 JP 7007778 B1 JP7007778 B1 JP 7007778B1 JP 2021542196 A JP2021542196 A JP 2021542196A JP 2021542196 A JP2021542196 A JP 2021542196A JP 7007778 B1 JP7007778 B1 JP 7007778B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hearing aid
time
set value
adjustment
value
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2021542196A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2022030002A1 (ja
Inventor
清一 新田
大介 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
OTOCURE INC.
Original Assignee
OTOCURE INC.
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by OTOCURE INC. filed Critical OTOCURE INC.
Application granted granted Critical
Publication of JP7007778B1 publication Critical patent/JP7007778B1/ja
Publication of JPWO2022030002A1 publication Critical patent/JPWO2022030002A1/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04RLOUDSPEAKERS, MICROPHONES, GRAMOPHONE PICK-UPS OR LIKE ACOUSTIC ELECTROMECHANICAL TRANSDUCERS; DEAF-AID SETS; PUBLIC ADDRESS SYSTEMS
    • H04R25/00Deaf-aid sets, i.e. electro-acoustic or electro-mechanical hearing aids; Electric tinnitus maskers providing an auditory perception
    • H04R25/30Monitoring or testing of hearing aids, e.g. functioning, settings, battery power
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04RLOUDSPEAKERS, MICROPHONES, GRAMOPHONE PICK-UPS OR LIKE ACOUSTIC ELECTROMECHANICAL TRANSDUCERS; DEAF-AID SETS; PUBLIC ADDRESS SYSTEMS
    • H04R25/00Deaf-aid sets, i.e. electro-acoustic or electro-mechanical hearing aids; Electric tinnitus maskers providing an auditory perception
    • H04R25/70Adaptation of deaf aid to hearing loss, e.g. initial electronic fitting
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04RLOUDSPEAKERS, MICROPHONES, GRAMOPHONE PICK-UPS OR LIKE ACOUSTIC ELECTROMECHANICAL TRANSDUCERS; DEAF-AID SETS; PUBLIC ADDRESS SYSTEMS
    • H04R2225/00Details of deaf aids covered by H04R25/00, not provided for in any of its subgroups
    • H04R2225/39Aspects relating to automatic logging of sound environment parameters and the performance of the hearing aid during use, e.g. histogram logging, or of user selected programs or settings in the hearing aid, e.g. usage logging

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Otolaryngology (AREA)
  • Neurosurgery (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Acoustics & Sound (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • Measurement Of The Respiration, Hearing Ability, Form, And Blood Characteristics Of Living Organisms (AREA)

Abstract

補聴器の各段階における設定値の調整を行った後に、ユーザに感じさせる過度のストレスを軽減しつつ効率的に聴取を改善することができる補聴器調整システムを提供する。調整システムSは、目標設定値を決定する目標設定値決定部3bと、目標設定値に基づいて、各段階における設定値を決定する第1設定内容決定部3cと、前回の調整後におけるユーザの補聴器2の装用時間を測定する装用時間測定部3eと、各段階における設定値に基づいて、補聴器2の調整を行う調整処理部3dとを備える。調整処理部3dは、各段階における調整の際に、測定された装用時間に基づいて、今回の設定値を補正する。

Description

本発明は、補聴器の音に対する増幅の度合いについての設定値を、所定の期間ごとに変更することによって、段階的に目標設定値に近づけるように調整するための補聴器調整システム、及び、補聴器調整方法に関する。
従来、補聴器の音に対する増幅の度合いの設定値は、その補聴器を使用するユーザの特性に合わせて設定される。この設定値の調整を行うためのシステムとしては、例えば、ユーザの聴覚の特性、設定の際におけるユーザの音に対する反応等を参照して、その設定値を定めるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載のシステムによる補聴器の音の調整は、補聴器の購入の際、購入後の補聴器の定期メンテナンスの際、ユーザが要望した際等に行われる。そして、その調整の際の設定値は、その時々のユーザの状態に基づいて定められる。
しかし、それまで補聴器を使用していなかったり、異なる設定値に基づいて調整されている補聴器を使用していたりしたユーザは、そのようにして定められた設定値に基づく音に慣れていない。そのため、そのようなユーザは、聴取を改善するための補聴器を使用することによって、逆に、必要な音(例えば、人間の声)が聞き取りにくくなってしまったりして、過度のストレスを感じてしまうおそれがあった。
そこで、本件出願人は、ユーザが補聴器によって増幅された音に対して慣れるようにリハビリテーションを行う「宇都宮方式聴覚リハビリテーション」(商願2020-042149)という手法を提案している(例えば、非特許文献1参照)。
この手法によれば、設定値を、所定の期間ごとに変更することによって、段階的に最終的な目標設定値に近づけるように調整する。これにより、ユーザは、補聴器により増幅された音に徐々に慣れていくことができるので、過度のストレスを感じずに補聴器を使用することで効率的に聴取を改善することができるようになる。
特開2017-069762号公報
新田清一著 「聞こえと脳のトレーニング」 リオン株式会社 2017年
ところで、設定値に基づく音に対して、同じ期間でどの程度慣れることができるかは、ユーザごとに異なる。そのため、各段階における設定値の調整の際に、設定値を一律に調整した場合、ユーザによっては、聴取を改善するまでに、調整後の設定値に基づく音によって過度のストレスを感じてしまうおそれがあった。
本発明は以上の点に鑑みてなされたものであり、補聴器の各段階における設定値の調整を行った後に、ユーザに感じさせる過度のストレスを軽減しつつ効率的に聴取を改善することができる補聴器調整システム、及び、補聴器調整方法を提供することを目的とする。
本発明の補聴器調整システムは、
補聴器の音に対する増幅の度合いの設定値を、所定の期間ごとに変更することによって、前記所定の期間ごとに段階的に目標設定値に近づけるように、該所定の期間の開始時に調整するための補聴器調整システムであって、
前記目標設定値を決定する目標設定値決定部と、
前記目標設定値に基づいて、前記所定の期間の各々における前記設定値を決定する設定内容決定部と、
前記所定の期間における前記補聴器のユーザの該補聴器の装用時間を測定する装用時間測定部と、
前記所定の期間の各々における前記設定値に基づいて、前記補聴器の調整を行う調整処理部とを備え、
前記調整処理部は、前記所定の期間の開始時における調整の際に、前回の前記所定の期間に測定された前記装用時間に基づいて、今回の前記所定の期間に対応する前記設定値を補正することを特徴とする。
ユーザが補聴器によって増幅された音に対してどの程度慣れているかは、補聴器の装用時間と大きな相関関係がある。すなわち、装用時間は、その装用時間における設定値に基づく音に対する慣れの度合いということができる。
そこで、このように、本発明の補聴器調整システムでは、各段階における調整の際に、測定された装用時間に基づいて、今回の設定値を補正している。これにより、新たな設定値に基づく音を、ユーザがそれまでに慣れた音に近いものにすることができる。
したがって、本発明の補聴器調整システムによれば、設定値が変更されても、その設定値に基づく音をユーザが慣れた音に近いものにすることができるので、ユーザに感じさせる過度のストレスを軽減しつつ効率的に聴取を改善することができる。
また、本発明の補聴器調整システムにおいては、
前記調整処理部は、測定された前記装用時間が第1の所定時間に満たなかった場合、前記装用時間が測定された後の調整の際に、前記装用時間と前記第1の所定時間との差が大きいほど前記設定値の変更量が小さくなるように、今回の前記設定値を補正することが好ましい。
ある期間における装用時間が閾値(研究・解析によって定められる第1の所定時間)よりも短い場合、その期間における装用時間とその期間において慣れるために必要と想定していた第1の所定時間との差が大きいほど、その期間に対応する設定値に基づく音に、ユーザは慣れていない可能性が高い。なお、第1の所定時間としては、例えば、補聴器の使用に関するリハビリテーションを行う上で、推奨される装用時間の下限値に相当する時間等が採用され得る。
そこで、このように、その差が大きいほど設定値の変更量が小さくなるように今回の設定値を補正するように構成すると、今回の設定値に基づく音が前回の設定値に基づく音に近いものになる。これにより、そのような場合であっても、今回の設定値に基づく音に慣れやすくなる。ひいては、設定値の変更直後において、ユーザに感じさせる過度のストレスを軽減しつつ効率的に聴取を改善することができる。
また、本発明の補聴器調整システムは、
補聴器の音に対する増幅の度合いの設定値を、所定の期間ごとに変更することによって、段階的に目標設定値に近づけるように調整するための補聴器調整システムであって、
前記目標設定値を決定する目標設定値決定部と、
前記目標設定値に基づいて、各段階における前記設定値を決定する設定内容決定部と、
前回の調整後における前記補聴器のユーザの該補聴器の装用時間を測定する装用時間測定部と、
各段階における前記設定値に基づいて、前記補聴器の調整を行う調整処理部とを備え、
前記調整処理部は、測定された前記装用時間が前記第1の所定時間よりも短い第2の所定時間に満たなかった場合、前記装用時間が測定された後の調整の際に、前記装用時間と前記第1の所定時間との差に関わらず前記設定値が前回の前記設定値と一致するように、今回の前記設定値を補正することが好ましい。
ある期間における装用時間が閾値(研究・解析によって定められる第2の所定時間)に満たなかった場合には、ユーザが、前回の設定値に基づく音に全く慣れていないおそれがある。なお、第2の所定時間としては、例えば、補聴器の使用に関するリハビリテーションを行う上で、その時点における設定値に対してユーザが慣れるために必要な装用時間の下限値等が採用され得る。
そこで、そのような場合には、このように、設定値が前回の設定値と一致するように構成すると、今回以降の設定値に基づく音を、ユーザに極端に大きく感じさせてしまうことを抑制することができる。これにより、ユーザに感じさせる過度のストレスを軽減しつつ効率的に聴取を改善することができる。
また、本発明の補聴器調整システムは、
補聴器の音に対する増幅の度合いの設定値を、所定の期間ごとに変更することによって、段階的に目標設定値に近づけるように調整するための補聴器調整システムであって、
前記目標設定値を決定する目標設定値決定部と、
前記目標設定値に基づいて、各段階における前記設定値を決定する設定内容決定部と、
前回の調整後における前記補聴器のユーザの該補聴器の装用時間を測定する装用時間測定部と、
各段階における前記設定値に基づいて、前記補聴器の調整を行う調整処理部とを備え、
前記調整処理部は、測定された前記装用時間が第3の所定時間を超えた場合、前記装用時間が測定された後の調整の際に、前記装用時間と前記第3の所定時間との差が大きいほど前記設定値の変更量が大きくなるように、今回の前記設定値を補正することが好ましい。
ある期間における装用時間が閾値(研究・解析によって定められる第3の所定時間)を超えるほど十分に長い場合、その期間における装用時間とその期間において慣れるために必要と想定していた第3の所定時間との差が大きいほど、その期間に対応する設定値に基づく音に、想定以上にユーザが慣れている可能性が高い。なお、第3の所定時間としては、例えば、補聴器の使用に関するリハビリテーションを行う上で、推奨される装用時間の上限値等が採用され得る。
そこで、このように、その差が大きいほど設定値の変更量が大きくなるように今回の設定値を補正するように構成しても、ユーザは、過度のストレスなく今回の設定値に基づく音に慣れることができる。また、このように構成すると、残りの変化量を低減させることができるので、最終的な目標設定値までに必要な調整回数を低減させることができる。
また、本発明の補聴器調整システムにおいては、装用時間が長いほど変更量を大きくする構成の場合、
前記調整処理部は、測定された前記装用時間が第3の所定時間よりも長い第4の所定時間を超えた場合、前記装用時間が測定された後の調整の際に、前記装用時間と前記第3の所定時間との差に関わらず前記設定値の変更量が一定となるように、今回の前記設定値を補正することが好ましい。
このように、ある期間における装用時間が閾値(研究・解析によって定められる第4の所定時間)を超えた場合には、設定値の変更量が一定となるように構成すると、今回の設定値に基づく音が、前回の設定値に基づく音に比べ、極端に大きくなってしまうことがない。これにより、設定値の変更直後において、ユーザに感じさせる過度のストレスを軽減しつつ効率的に聴取を改善することができる。
なお、第4の所定時間としては、例えば、補聴器の使用に関するリハビリテーションを行う上で、その時点における設定値に対して、装用時間に対するユーザの音に対する慣れの度合いが向上しにくくなる装用時間の上限値等が採用され得る。
また、本発明の補聴器調整システムは、
補聴器の音に対する増幅の度合いの設定値を、所定の期間ごとに変更することによって、前記所定の期間ごとに目標設定値に近づけるように、該所定の期間の開始時に調整するための補聴器調整システムであって、
前記目標設定値を決定する目標設定値決定部と、
前記目標設定値に基づいて、前記所定の期間の各々における前記設定値を決定する設定内容決定部と、
前記所定の期間における前記補聴器のユーザの該補聴器の装用時間を測定する装用時間測定部と、
前記所定の期間の各々における前記設定値に基づいて、前記補聴器の調整を行う調整処理部とを有している設定用端末を備え、
前記設定用端末と前記補聴器とは、相互に情報通信可能であり、
前記調整処理部は、前記所定の期間の開始時における調整の際に、前回の前記所定の期間に測定された前記装用時間に基づいて、今回の前記所定の期間に対応する前記設定値を補正することを特徴とする。
また、本発明の補聴器の調整方法は、
補聴器の音に対する増幅の度合いの設定値を、所定の期間ごとに変更することによって、前記所定の期間ごとに目標設定値に近づけるように、該所定の期間の開始時に調整するための補聴器調整方法であって、
前記目標設定値を決定する工程と、
前記目標設定値に基づいて、前記所定の期間の各々における前記設定値を決定する工程と、
前記所定の期間における前記補聴器のユーザの該補聴器の装用時間を測定する工程と、
前記所定の期間の各々における前記設定値に基づいて、前記補聴器の調整を行う工程とを備え、
前記補聴器の調整を行う工程で、前記所定の期間の開始時における調整の際に、前回の前記所定の期間に測定された前記装用時間に基づいて、今回の前記所定の期間に対応する前記設定値を補正することを特徴とする。
実施形態に係る調整システムの概略構成を示す説明図。 図1の調整システム処理部の構成を示すブロック図。 図1の調整システム及び補聴器で、補聴器の使用開始の際に実行される処理を示すフローチャート。 図1の調整システム及び補聴器で、各段階における補聴器の調整の際に実行される処理のうち、補正のためのデータを取得又は測定する処理を示すフローチャート。 図1の調整システム及び補聴器で、各段階における補聴器の調整の際に実行される処理のうち、補正量を決定する処理を示すフローチャート。 図1の調整システム及び補聴器で、各段階における補聴器の調整の際に実行される処理のうち、設定値を補正する処理を示すフローチャート。 図1の調整システムで、各段階における補聴器の調整の後に実行される処理を示すフローチャート。
以下、図面を参照して、実施形態に係る調整システムS(補聴器調整システム)の構成について説明する。
[システムの概略構成]
図1に示すように、調整システムSは、聴力検査装置1による純音聴力検査の結果に基づいて、補聴器2の音に対する増幅の度合いの設定値を、所定の期間ごとに変更することによって、段階的に目標設定値に近づけるように調整するためのシステムである。
聴力検査装置1としては、本実施形態ではオージオメータを採用している。聴力検査装置1は、補聴器2を使用するユーザの聴力検査の結果を認識して紙媒体等に出力する。出力された聴力検査の結果は、言語聴覚士等の補聴器の調整者によって、調整システムSに送信される。具体的には、聴力検査装置1は、純音聴力検査で使用される周波数ごとの聴力レベルを認識して、聴力検査の結果として出力する。
なお、調整システムSでは、補聴器2の設定値を定める際における基準として、純音聴力検査の結果を採用しているが、本発明の補聴器調整システムは、そのような構成に限定されるものではなく、他の検査の結果、ユーザの難聴の内容、若しくは、ユーザの要望等、又は、それらを組み合わせたものを基準としてもよい。例えば、語音聴力検査、音場聴力検査、耳鳴検査、若しくは方向感機能検査の結果等、又は、ユーザの補聴器の使用目的等を基準としてもよい。
また、聴力検査装置からの出力形式は紙媒体等によるものに限定されるものではなく、電子データによるものであってもよい。そのように電子データによって出力される場合には、聴力検査装置から補聴器調整システムにそのデータを直接送信するように構成してもよい。
調整システムSは、病院、店舗等に設置され、調整者が使用するパソコン等である設定用端末3によって構成されている。
補聴器2と設定用端末3とは、近距離無線通信、有線による通信等を通じて、相互に情報通信可能に構成されている。また、設定用端末3は、補聴器2のユーザ自身又はユーザの家族が使用するスマートフォン、タブレット等である調整用端末4と、インターネット網、公衆回線等を通じて、相互に情報通信可能に構成されている。また、補聴器2と調整用端末4とは、近距離無線通信、有線による通信等を通じて、相互に情報通信可能に構成されている。
[各処理部の構成]
図2に示すように、補聴器2は、実装されたハードウェア構成又はプログラムにより実現される機能(処理部)として、設定値記憶部2a、増幅処理部2b、及び、センサ2cを備えている。
設定値記憶部2aは、各段階における調整の際に、後述する第1設定内容決定部3cによって決定された周波数ごとの初期設定値、及び、後述する調整内容決定部3d1で決定された各段階における周波数ごとの設定値のうちから、その段階における設定値を取得して記憶する。
増幅処理部2bは、設定値記憶部2aが記憶している設定値に基づいて、補聴器2に入力された外部からの音を、その音の周波数に応じて増幅する処理を行う。補聴器2では、そのようにして増幅された音がユーザの耳に向かって出力される。
センサ2cは、補聴器2が装用されているか否かを検出するためのセンサである。センサ2cとしては、例えば、公知の明暗センサ等が採用され得る。このセンサ2cによる検知結果は、後述する装用時間測定部3eに送信される。
また、設定用端末3は、実装されたハードウェア構成又はプログラムにより実現される機能(処理部)として、聴力認識部3aと、目標設定値決定部3bと、第1設定内容決定部3cと、調整処理部3dと、装用時間測定部3eと、設定内容格納部3fと、第2設定内容決定部3gと、補正用データ格納部3hとを備えている。
聴力認識部3aは、聴力検査装置1を用いた検査の結果に基づいて、純音聴力検査に用いられる周波数ごとのユーザの聴力レベルを、ユーザの聴力として認識する。
なお、聴力認識部3aは、本実施形態のように調整者が聴力検査装置1による検査の結果等を参照して入力したデータに基づいて、ユーザの聴力を認識してもよいし、聴力検査装置1から直接送信されたデータに基づいて、ユーザの聴力を認識してもよい。
目標設定値決定部3bは、聴力認識部3aで認識されたユーザの聴力に基づいて、目標設定値を決定する。ここで、目標設定値とは、リハビリ期間が終了した段階における設定値である。
なお、目標設定値は、ユーザの聴力に基づいて認識されればよい。例えば、目標設定値は、ユーザの聴力に基づいて都度算出して求めてもよい。また、例えば、目標設定値は、補聴器の使用目的とその使用目的に応じた理想の聴力との相関関係を示すデータテーブルがある場合には、ユーザの希望に対応する理想の聴力とユーザの現在の聴力とを対比して、そのデータテーブルから取得してもよい。
第1設定内容決定部3cは、決定された目標設定値に基づいて、初期設定値(使用開始の際の設定値)、及び、その後の各段階における設定値を決定する。また、第1設定内容決定部3cは、決定した初期設定値を、補聴器2の設定値記憶部2aに送信する。一方で、第1設定内容決定部3cは、各段階における設定値を、設定内容格納部3fに格納する。
調整処理部3dは、補聴器2の使用開始、又は、各段階における調整の実行後から所定の期間(例えば、1週間)ごとに、補聴器2の調整を実行する。調整処理部3dは、調整内容決定部3d1及び補正値決定部3d2を有している。
調整内容決定部3d1は、各段階における設定値を設定内容格納部3fから取得するとともに、補正値決定部3d2が決定した補正量を決定する。その後、調整内容決定部3d1は、その各段階における設定値をその補正量によって補正して、今回の設定値を決定する。また、調整内容決定部3d1は、決定した今回の設定値を、補聴器2の設定値記憶部2aに送信するとともに、設定内容格納部3fに格納する。
補正値決定部3d2は、装用時間測定部3eで測定された装用時間、及び、補正用データ格納部3hから取得した補正用データに基づいて、今回の設定値に対する補正量を決定する。
装用時間測定部3eは、補聴器2のセンサ2cの検出の結果に基づいて、前回の設定時(具体的には、使用開始時又は前回の調整時)を起点とした、ユーザの補聴器2の装用時間を測定する。
なお、装用時間は、ユーザが補聴器を装用している時間に基づいて、システム設計者が適宜定める時間である。例えば、ユーザが補聴器を装用している時間の累計であってもよいし、1日当たりの平均装用時間であってもよいし、連続して装用している時間が所定の時間を超えた回数であってもよい。
設定内容格納部3fは、設定用端末3の第1設定内容決定部が決定した初期設定値及び各段階における設定値、並びに、第2設定内容決定部3gが決定した次回以降の設定値を格納する。
第2設定内容決定部3gは、設定内容格納部3fに格納されている次回以降の設定値を取得した後、その次回以降の設定値を、調整内容決定部3d1が決定した今回の設定値に基づいて修正し、その修正された設定値を、設定内容格納部3fに格納する。
補正用データ格納部3hは、周波数ごとに定められている設定値ごとに、その優先順位、各段階において許容される変更量といった、設定値を補正するうえで参照となる各種データを格納している。
なお、本実施形態の調整システムSは、前述のように、設定用端末3で構成され、聴力検査装置1及び補聴器2と直接又は調整用端末4を介して通信可能に構成されている。しかし、本発明の補聴器調整システムは、そのような構成に限定されるものではなく、補聴器調整システムを構成する各処理部を備える機器は、適宜変更してもよい。
例えば、補聴器2又は調整用端末4、別途外部に設置したサーバ等に設定用端末3の備えている処理部の一部を設け、設定用端末3からその処理部を省略してもよい。
[各処理部で実行される処理]
次に、図2~図5を参照して、調整システムSが行う処理について説明する。
[使用開始の際に実行される処理]
まず、図2及び図3を参照して、補聴器2の使用開始の際に実行される処理について説明する。
この処理においては、まず、設定用端末3の聴力認識部3aが、聴力検査装置1を用いて得られたユーザの純音聴力検査における周波数ごと聴力レベルを、ユーザの聴力として認識する(図3/STEP100)。
次に、設定用端末3の目標設定値決定部3bが、認識されたユーザの聴力に基づいて、目標設定値を決定する(図3/STEP101)。
次に、設定用端末3の第1設定内容決定部3cが、決定された目標設定値に基づいて、初期設定値、及び、各段階における設定値を決定する(図3/STEP102)。
なお、調整システムSでは、初期設定値は、目標設定値の70%としている。その後の各段階における設定値は、目標設定値と初期設定値との差を12等分した値を初期設定値に順次加えていった値としている。これは、1ヵ月を4週間として、1週間ごとに設定値を調整しつつ3か月間トレーニング(すなわち、12回の調整を行うこと)を想定しているためである。
次に、第1設定内容決定部3cが、設定用端末3の設定内容格納部3fに、各段階における設定値を格納する(図3/STEP103)。
次に、第1設定内容決定部3cが、補聴器2の設定値記憶部2aに、初期設定値を送信する(図3/STEP104)。
なお、このSTEP103及びSTEP104は、同時に実行してもよいし、STEP103の前にSTEP104を実行してもよい。
最後に、補聴器2の設定値記憶部2aが、初期設定値を記憶して(図3/STEP105)、今回の処理を終了する。
以上の処理が実行された後には、補聴器2の増幅処理部2bは、設定値記憶部2aが記憶している初期設定値に基づいて、補聴器2に入力された音を、その音の周波数に応じて増幅する処理を行う。
なお、調整システムSでは、STEP100~STEP104の処理を、調整システムSを構成している設定用端末3によって実行している。しかし、本発明の補聴器調整システムは、そのような構成に限定されるものではない。
例えば、STEP100~STEP104に相当する処理を、補聴器調整システムとは独立したシステムで実行し、その独立したシステムによる処理の結果のみを、補聴器調整システムが利用するようにしてもよい。その場合、本実施形態の調整システムSにおける聴力認識部3a、目標設定値決定部3b、及び、第1設定内容決定部3cに対応する処理部は、補聴器調整システムから省略してよい。
[各段階における調整の際に実行される処理]
次に、図2及び図4A~図4Cを参照して、各段階における補聴器2の調整の際に実行される処理(補聴器調整方法)について説明する。この処理は、補聴器2の使用開始、又は、各段階における調整時から所定の期間(本実施形態では7日)ごとに実行される処理である。
この処理においては、まず、設定用端末3の調整処理部3dの調整内容決定部3d1が、設定用端末3の設定内容格納部3fから、設定用端末3の第1設定内容決定部3cが決定した今回の調整時における設定値を取得する(図4A/STEP200)。
次に、設定用端末3の調整処理部3dの補正値決定部3d2が、設定用端末3の補正用データ格納部3hから、補正用データを取得する(図4A/STEP201)。
次に、設定用端末3の装用時間測定部3eが、補聴器2のセンサ2cの検出値に基づいて、補聴器2の使用開始時、又は、前回の調整時から今回の調整時までの装用時間を測定する(図4A/STEP202)。
次に、補正値決定部3d2が、装用時間が第1の所定時間未満であるか否かを判定する(図4B/STEP203)。
ここで、第1の所定時間は、研究・解析によって定められる時間である。第1の所定時間としては、例えば、補聴器の使用に関するリハビリテーションを行う上で、推奨される装用時間の下限値等が採用され得る。
装用時間が第1の所定時間未満の場合(STEP203でYESの場合)、補正値決定部3d2が、装用時間が第1の所定時間よりも短い第2の所定時間未満であるか否かを判定する(図4B/STEP204)。
ここで、第2の所定時間は、研究・解析によって定められる時間である。第2の所定時間としては、例えば、補聴器の使用に関するリハビリテーションを行う上で、その時点における設定値に対してユーザが慣れるために必要な装用時間の下限値等が採用され得る。
装用時間が第2の所定時間未満の場合(STEP204でYESの場合)、補正値決定部3d2が、今回の設定値と前回の設定値とが一致するように、補正値を決定する(図4B/STEP205)。
一方、装用時間が第2の所定時間を超えている場合(STEP204でNOの場合)、補正値決定部3d2が、補正用データ格納部3hから取得した補正用データを参照して、今回の設定値を装用時間に応じて低減させるように、補正値を決定する(図4B/STEP206)。
具体的には、補正値決定部3d2は、装用時間と第1の所定時間との差が大きいほど、前回の設定値から今回の設定値へ変更する際の変更量が小さくなるように、補正値を決定する。
このSTEP203~206における処理のうち、STEP203,204,206における処理は、装用時間が第1の所定時間よりも短い場合に実行される処理である。これは、その装用時間に対応する期間における装用時間とその期間において慣れるために必要と想定していた第1の所定時間との差が大きいほど、その期間に対応する設定値に基づく音にユーザは慣れていない可能性が高いためである。
この処理のように、その差が大きいほど設定値の変更量が小さくなるように今回の設定値を補正するようにすると、今回の設定値に基づく音が前回の設定値に基づく音に近いものになる。これにより、装用時間が第1の所定時間よりも短い場合であっても、今回の設定値に基づく音に慣れやすくなる。
なお、補正値を決定するに際しては、周波数に関わらず、一律に、装用時間と第1の所定時間との差の大きさに基づいて変更量の小ささ(すなわち、負の方向における補正値の大きさ)を設定してもよいが、調整システムSでは、補正用データを参照して、周波数ごとに補正値を決定している。これは、ユーザの補聴器の使用目的等に応じて、優先すべき音の周波数が異なるためである。
また、この場合における補正値は、装用時間と第1の所定時間との差の大きさに基づいたものであればよいので、その差の大きさに比例して、変更量を直線的に小さくしてもよいし、その差の大きさを所定の範囲で区切って、変更量を段階的に小さくしてもよい。
また、このSTEP203~206における処理のうち、STEP203~205における処理は、装用時間が第1の所定時間よりも短い第2の所定時間よりも短い場合に実行される処理である。これは、そのような場合には、ユーザが、前回の設定値に基づく音に全く慣れていないおそれがあるためである。
この処理のように、今回の設定値が前回の設定値と一致するようにすると、装用時間が第2の所定時間よりも短い場合であっても、今回以降の設定値に基づく音を、ユーザに極端に大きく感じさせてしまうことを抑制できる。
なお、リハビリテーションの観点からは、そのような場合にも、今回の設定値と前回の設定値とを一致させるのではなく、わずかな値でも(例えば、システム設定者が設定した最低増加量だけでも)上昇させるようにすることが好ましい。そのため、本実施形態のように今回の設定値と前回の設定値とを一致させる代わりに、変更量がその最低増加量となるように、補正値を決定してもよい。
一方、装用時間が第1の所定時間を超えている場合(STEP203でNOの場合)、補正値決定部3d2が、装用時間が第3の所定時間を超えているか否かを判定する(図4B/STEP207)。
ここで、第3の所定時間は、研究・解析によって定められる時間である。第3の所定時間としては、例えば、補聴器の使用に関するリハビリテーションを行う上で、推奨される装用時間の上限値等が採用され得る。
装用時間が第3の所定時間を超えている場合(STEP207でYESの場合)、補正値決定部3d2が、装用時間が第3の所定時間よりも長い第4の所定時間を超えているか否かを判定する(図4B/STEP208)。
ここで、第4の所定時間は、研究・解析によって定められる時間である。第4の所定時間としては、例えば、補聴器の使用に関するリハビリテーションを行う上で、その時点における設定値に対して、装用時間に対するユーザの音に対する慣れの度合いが向上しにくくなる装用時間の上限値等が採用され得る。
装用時間が第4の所定時間を超えている場合(STEP208でYESの場合)、補正値決定部3d2が、補正用データ格納部3hから取得した補正用データを参照して、今回の設定値が所定の値になるように、補正値を決定する(図4B/STEP209)。
一方、装用時間が所定時間以下である場合(STEP208でNOの場合)、補正値決定部3d2が、補正用データ格納部3hから取得した補正用データを参照して、今回の設定値を装用時間に応じて増加させるように、補正値を決定する(図4B/STEP210)。
具体的には、補正値決定部3d2は、装用時間と第3の所定時間との差が大きいほど、前回の設定値から今回の設定値へ変更する際の変更量が大きくなるように、補正値を決定する。
このSTEP207~210における処理のうち、STEP207,208,210における処理は、装用時間が第3の所定時間を超えるほど十分に長い場合に実行される処理である。これは、その期間における装用時間とその期間において慣れるために必要と想定していた第3の所定時間との差が大きいほど、その期間に対応する設定値に基づく音に、想定以上にユーザが慣れている可能性が高いためである。
装用時間が第3の所定時間を超えるほど十分に長い場合には、この処理のように、その差が大きいほど設定値の変更量が大きくなるように今回の設定値を補正しても、ユーザは、過度のストレスなく今回の設定値に基づく音に慣れることができる。
また、このSTEP207~210における処理のうち、STEP207~209における処理は、装用時間が第3の所定時間よりも長い第4の所定時間を超えている場合(すなわち、装用時間が第3の所定時間よりも必要以上に長い場合)に実行される処理である。これは、そのような場合に、STEP207,208,210の処理を実行してしまうと、設定値(ひいては、それに基づいて増幅される音)が極端に大きくなってしまうおそれがあるためである。
装用時間が第3の所定時間よりも必要以上に長い場合には、この処理のように、設定値の変更量が一定となるようすると、今回の設定値に基づく音が、前回の設定値に基づく音に比べ、極端に大きくなってしまうことがない。
一方、装用時間が第3の所定時間以下の場合(STEP207でNOの場合)、補正値決定部3d2が、0を補正値として決定する(図4B/STEP211)。
STEP203~STEP2011までの処理によって補正量が決定した後には、調整内容決定部3d1が、決定された補正値に基づいて、今回の調整時における設定値を補正する(図4C/STEP212)。
次に、調整内容決定部3d1が、補聴器2の設定値記憶部2aに、補正された設定値を送信する(図4C/STEP213)。
次に、補聴器2の設定値記憶部2aが、補正された設定値を記憶して(図4C/STEP214)、今回の処理を終了する。
以上の処理が実行された後には、補聴器2の増幅処理部2bは、設定値記憶部2aが記憶している補正された設定値に基づいて、補聴器2に入力された音を、その音の周波数に応じて増幅する処理を行う。
以上説明したように、調整システムSでは、各段階における調整の際に、測定された装用時間に基づいて、今回の設定値を補正している。これは、ユーザが補聴器によって増幅された音に対してどの程度慣れているかは、補聴器の装用時間と大きな相関関係があるので、装用時間は、その装用時間における設定値に基づく音に対する慣れの度合いということができるためである。これにより、調整システムSでは、新たな設定値に基づく音を、ユーザがそれまでに慣れた音に近いものにすることができる。
したがって、調整システムS及びそれによって実行される調整方法によれば、設定値が変更されても、その設定値に基づく音をユーザが慣れた音に近いものにすることができるので、ユーザに感じさせる過度のストレスを軽減しつつ効率的に聴取を改善することができる。
なお、本発明の補聴器調整システム及び補聴器調整方法は、各段階における調整の際に、測定された装用時間に基づいて、今回の前記設定値を補正するものであればよい。
そのため、例えば、本実施形態におけるSTEP207~210の処理を省略して、装用時間が所定時間未満の場合に設定値を低減する処理のみを行うようにしてもよい。逆に、STEP203~206の処理を省略して、装用時間が所定時間を超える場合に設定値を増加させる処理のみを行うようにしてもよい。
また、設定値を低減又は増加する処理において、下限又は上限となる閾値(本実施形態における第2の所定時間、第4の所定時間)を設けずに、単純に、装用時間に応じて設定時間を低減又は増加するようにしてもよい。
[各段階における調整の後に実行される処理]
次に、図2及び図5を参照して、各段階における補聴器2の調整の後に実行される処理について説明する。
この処理においては、まず、設定用端末3の調整内容決定部3d1が、補正値が0以外であるか否かを判定する(図5/STEP300)。
補正値が0以外であった場合(STEP300でYESの場合)、調整内容決定部3d1が、今回の設定値(すなわち、補正された設定値)を、設定用端末3の第2設定内容決定部3gに送信する(図5/STEP301)。
次に、第2設定内容決定部3gが、次回以降の設定値を、設定用端末3の設定内容格納部3fから取得する(図5/STEP302)。
次に、第2設定内容決定部3gが、今回の設定値に基づいて、次回以降の設定値を変更する(図5/STEP303)。
具体的には、例えば、第2設定内容決定部3gは、目標設定値と今回の設定値との差を算出した後、その差を予定されている残りの調整回数で除して、各段階における変更量(ひいては、各段階における設定値)を算出する。
次に、次回以降の設定値の変更後(STEP303の実行後)、又は、補正値が0であった場合(STEP300でNOの場合)、第2設定内容決定部3gが、設定内容格納部3fに、変更された次回以降の設定値を記憶して(図5/STEP304)、今回の処理を終了する。
このような設定値の更新を行う理由は、調整処理部3dによって今回の設定値の変更量を変更した結果、今回の設定値と次回の設定値との差が大きくなりすぎてしまう場合、又は、小さくなりすぎる場合が生じるおそれがあるためである。ひいては、次回以降の調整の後で、ユーザに過度な不快感を与えたり、増幅された音に慣れるまでの時間が長引いてしまったりすることを抑制するためである。
ただし、第2設定内容決定部3gによる処理は必須のものではない。例えば、目標設定値とユーザの初期状態における聴力レベルがそれほど乖離していない場合(すなわち、軽程度の難聴の場合)などには、補正を行っても今回の設定値と次回の設定値との差がそれほど変化しないので、第2設定内容決定部3gによる処理を省略してもよい。
なお、本実施形態の調整システムSでは、目標設定値に到達するまでの設定値の調整回数は固定しているが、本発明の調整システムは、各段階における設定値の変更量に応じて、調整回数を変更させてもよい。
そのように調整回数を変更する構成の場合には、前述のように、装用時間が第3の所定時間を超えている場合に変更量を増加させる構成(図4B/STEP207~210参照)とした場合には、最終的な目標設定値までに必要な調整回数を低減させることができる。
1…聴力検査装置、2…補聴器、2a…設定値記憶部、2b…増幅処理部、2c…センサ、3…設定用端末、3a…聴力認識部、3b…目標設定値決定部、3c…第1設定内容決定部、3d…調整処理部、3d1…調整内容決定部、3d2…補正値決定部、3e…装用時間測定部、3f…設定内容格納部、3g…第2設定内容決定部、3h…補正用データ格納部、4…調整用端末、S…調整システム(補聴器調整システム)。

Claims (7)

  1. 補聴器の音に対する増幅の度合いの設定値を、所定の期間ごとに変更することによって、前記所定の期間ごとに段階的に目標設定値に近づけるように、該所定の期間の開始時に調整するための補聴器調整システムであって、
    前記目標設定値を決定する目標設定値決定部と、
    前記目標設定値に基づいて、前記所定の期間の各々における前記設定値を決定する設定内容決定部と、
    前記所定の期間における前記補聴器のユーザの該補聴器の装用時間を測定する装用時間測定部と、
    前記所定の期間の各々における前記設定値に基づいて、前記補聴器の調整を行う調整処理部とを備え、
    前記調整処理部は、前記所定の期間の開始時における調整の際に、前回の前記所定の期間に測定された前記装用時間に基づいて、今回の前記所定の期間に対応する前記設定値を補正することを特徴とする補聴器調整システム。
  2. 補聴器の音に対する増幅の度合いの設定値を、所定の期間ごとに変更することによって、段階的に目標設定値に近づけるように調整するための補聴器調整システムであって、
    前記目標設定値を決定する目標設定値決定部と、
    前記目標設定値に基づいて、各段階における前記設定値を決定する設定内容決定部と、
    前回の調整後における前記補聴器のユーザの該補聴器の装用時間を測定する装用時間測定部と、
    各段階における前記設定値に基づいて、前記補聴器の調整を行う調整処理部とを備え、
    前記調整処理部は、測定された前記装用時間が第1の所定時間に満たなかった場合、前記装用時間が測定された後の調整の際に、前記装用時間と前記第1の所定時間との差が大きいほど前記設定値の変更量が小さくなるように、今回の前記設定値を補正することを特徴とする補聴器調整システム。
  3. 請求項2に記載の補聴器調整システムにおいて、
    前記調整処理部は、測定された前記装用時間が前記第1の所定時間よりも短い第2の所定時間に満たなかった場合、前記装用時間が測定された後の調整の際に、前記装用時間と前記第1の所定時間との差に関わらず前記設定値が前回の前記設定値と一致するように、今回の前記設定値を補正することを特徴とする補聴器調整システム。
  4. 補聴器の音に対する増幅の度合いの設定値を、所定の期間ごとに変更することによって、段階的に目標設定値に近づけるように調整するための補聴器調整システムであって、
    前記目標設定値を決定する目標設定値決定部と、
    前記目標設定値に基づいて、各段階における前記設定値を決定する設定内容決定部と、
    前回の調整後における前記補聴器のユーザの該補聴器の装用時間を測定する装用時間測定部と、
    各段階における前記設定値に基づいて、前記補聴器の調整を行う調整処理部とを備え、
    前記調整処理部は、測定された前記装用時間が第3の所定時間を超えた場合、前記装用時間が測定された後の調整の際に、前記装用時間と前記第3の所定時間との差が大きいほど前記設定値の変更量が大きくなるように、今回の前記設定値を補正することを特徴とする補聴器調整システム。
  5. 請求項4に記載の補聴器調整システムにおいて、
    前記調整処理部は、測定された前記装用時間が第3の所定時間よりも長い第4の所定時間を超えた場合、前記装用時間が測定された後の調整の際に、前記装用時間と前記第3の所定時間との差に関わらず前記設定値の変更量が一定となるように、今回の前記設定値を補正することを特徴とする補聴器調整システム。
  6. 補聴器の音に対する増幅の度合いの設定値を、所定の期間ごとに変更することによって、前記所定の期間ごとに目標設定値に近づけるように、該所定の期間の開始時に調整するための補聴器調整システムであって、
    前記目標設定値を決定する目標設定値決定部と、前記目標設定値に基づいて、前記所定の期間の各々における前記設定値を決定する設定内容決定部と、前記所定の期間における前記補聴器のユーザの該補聴器の装用時間を測定する装用時間測定部と、前記所定の期間の各々における前記設定値に基づいて、前記補聴器の調整を行う調整処理部とを有している設定用端末を備え、
    前記設定用端末と前記補聴器とは、相互に情報通信可能であり、
    前記調整処理部は、前記所定の期間の開始時における調整の際に、前回の前記所定の期間に測定された前記装用時間に基づいて、今回の前記所定の期間に対応する前記設定値を補正することを特徴とする補聴器調整システム。
  7. 補聴器の音に対する増幅の度合いの設定値を、所定の期間ごとに変更することによって、前記所定の期間ごとに目標設定値に近づけるように、該所定の期間の開始時に調整するための補聴器調整方法であって、
    前記目標設定値を決定する工程と、
    前記目標設定値に基づいて、前記所定の期間の各々における前記設定値を決定する工程と、
    前記所定の期間における前記補聴器のユーザの該補聴器の装用時間を測定する工程と、
    前記所定の期間の各々における前記設定値に基づいて、前記補聴器の調整を行う工程とを備え、
    前記補聴器の調整を行う工程で、前記所定の期間の開始時における調整の際に、前回の前記所定の期間に測定された前記装用時間に基づいて、今回の前記所定の期間に対応する前記設定値を補正することを特徴とする補聴器調整方法。
JP2021542196A 2020-08-07 2020-08-07 補聴器調整システム、及び、補聴器調整方法 Active JP7007778B1 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2020/030396 WO2022030002A1 (ja) 2020-08-07 2020-08-07 補聴器調整システム、及び、補聴器調整方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP7007778B1 true JP7007778B1 (ja) 2022-01-28
JPWO2022030002A1 JPWO2022030002A1 (ja) 2022-02-10

Family

ID=80117220

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021542196A Active JP7007778B1 (ja) 2020-08-07 2020-08-07 補聴器調整システム、及び、補聴器調整方法

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JP7007778B1 (ja)
KR (1) KR20220156038A (ja)
WO (1) WO2022030002A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023166887A1 (ja) * 2022-03-04 2023-09-07 ソニーグループ株式会社 制御装置、補聴器、充電装置、補聴器システム、プログラムおよび制御方法

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04242400A (ja) * 1991-01-17 1992-08-31 Sony Corp 補聴器の音量コントロール装置
JPH08163700A (ja) * 1994-12-08 1996-06-21 Yamaha Corp 補聴器
JP4242400B2 (ja) 2005-06-14 2009-03-25 三星電子株式会社 触覚情報を効率的に提供するための方法及び装置

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102667142B (zh) * 2009-12-09 2015-09-16 唯听助听器公司 在助听器中处理信号的方法、适配助听器的方法和助听器
JP2017069762A (ja) * 2015-09-30 2017-04-06 大日本印刷株式会社 補聴器システム、補聴器及びプログラム

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04242400A (ja) * 1991-01-17 1992-08-31 Sony Corp 補聴器の音量コントロール装置
JPH08163700A (ja) * 1994-12-08 1996-06-21 Yamaha Corp 補聴器
JP4242400B2 (ja) 2005-06-14 2009-03-25 三星電子株式会社 触覚情報を効率的に提供するための方法及び装置

Non-Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
鈴木大介 ほか,当科補聴器外来における比較試聴システムの試み,Audiology Japan 57,2014年,pp.181-188
鈴木大介 ほか: "当科補聴器外来における比較試聴システムの試み", AUDIOLOGY JAPAN 57, JPN6021049549, 2014, pages 181 - 188, ISSN: 0004662828 *

Also Published As

Publication number Publication date
JPWO2022030002A1 (ja) 2022-02-10
WO2022030002A1 (ja) 2022-02-10
US20230156417A1 (en) 2023-05-18
KR20220156038A (ko) 2022-11-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP3120578B2 (en) Crowd sourced recommendations for hearing assistance devices
US20170223471A1 (en) Remotely updating a hearing aid profile
US11871187B2 (en) Method for configuring a hearing-assistance device with a hearing profile
US10341790B2 (en) Self-fitting of a hearing device
US10455337B2 (en) Hearing aid allowing self-hearing test and fitting, and self-hearing test and fitting system using same
US8320573B2 (en) Adaptive hearing device and method for providing a hearing aid
JP2010114897A (ja) 非対称的調整
US11882413B2 (en) System and method for personalized fitting of hearing aids
KR20150020810A (ko) 청각 기기 및 양이 청각 모델을 이용한 청각 기기의 피팅 방법
JP7007778B1 (ja) 補聴器調整システム、及び、補聴器調整方法
WO2022206049A1 (zh) 音频信号处理方法、装置、设备及存储介质
KR101845342B1 (ko) 지능형 오디오 밴드 조절 보청기 피팅 방법
JP2017069762A (ja) 補聴器システム、補聴器及びプログラム
JP3946131B2 (ja) 補聴器の自動増幅特性調整装置
KR101175724B1 (ko) 사용환경 보정 기능을 갖는 보청기
AU2017202620A1 (en) Method for operating a hearing device
CN111417062A (zh) 一种助听器验配处方
Wolfe et al. Evaluation of extended-wear hearing technology for children with hearing loss
US12126968B2 (en) Hearing aid adjustment system and hearing aid adjustment method
EP4090241B1 (en) A method of estimating a hearing loss, a hearing loss estimation system and a computer readable medium
US20240203574A1 (en) Fitting system, and method of fitting a hearing device
WO2024080069A1 (ja) 情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
WO2023209164A1 (en) Device and method for adaptive hearing assessment
KR20150131664A (ko) 업그레이드 기능을 갖는 보청기
JP2007295323A (ja) 補聴器調整装置

Legal Events

Date Code Title Description
A529 Written submission of copy of amendment under article 34 pct

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A5211

Effective date: 20210720

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210720

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20210720

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20211214

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20211227

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7007778

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150