JP7007458B2 - 高温および高湿度レベルでのエージングによるスタッコ特性の改善 - Google Patents

高温および高湿度レベルでのエージングによるスタッコ特性の改善 Download PDF

Info

Publication number
JP7007458B2
JP7007458B2 JP2020505796A JP2020505796A JP7007458B2 JP 7007458 B2 JP7007458 B2 JP 7007458B2 JP 2020505796 A JP2020505796 A JP 2020505796A JP 2020505796 A JP2020505796 A JP 2020505796A JP 7007458 B2 JP7007458 B2 JP 7007458B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
stucco
water
gypsum
fresh
stabilized
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2020505796A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020528868A (ja
Inventor
ディーツ シュテファン
ハルトマン アレクサンダー
フレーザー トーマス
ベイアー マンフレート
フェルトナー ゼバスティアン
カラクーシス スターギオス
パラスコフ ゲオルギー
シュナイダーバンガー ライナー
Original Assignee
クナウフ ギプス コマンディトゲゼルシャフト
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=59649649&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP7007458(B2) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by クナウフ ギプス コマンディトゲゼルシャフト filed Critical クナウフ ギプス コマンディトゲゼルシャフト
Publication of JP2020528868A publication Critical patent/JP2020528868A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7007458B2 publication Critical patent/JP7007458B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B11/00Calcium sulfate cements
    • C04B11/007After-treatment of the dehydration products, e.g. aging, stabilisation
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B28/00Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements
    • C04B28/14Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements containing calcium sulfate cements
    • C04B28/145Calcium sulfate hemi-hydrate with a specific crystal form
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B2103/00Function or property of ingredients for mortars, concrete or artificial stone
    • C04B2103/50Defoamers, air detrainers
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B2111/00Mortars, concrete or artificial stone or mixtures to prepare them, characterised by specific function, property or use
    • C04B2111/00474Uses not provided for elsewhere in C04B2111/00
    • C04B2111/00482Coating or impregnation materials
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B2111/00Mortars, concrete or artificial stone or mixtures to prepare them, characterised by specific function, property or use
    • C04B2111/00474Uses not provided for elsewhere in C04B2111/00
    • C04B2111/00612Uses not provided for elsewhere in C04B2111/00 as one or more layers of a layered structure
    • C04B2111/0062Gypsum-paper board like materials
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B2111/00Mortars, concrete or artificial stone or mixtures to prepare them, characterised by specific function, property or use
    • C04B2111/00474Uses not provided for elsewhere in C04B2111/00
    • C04B2111/00663Uses not provided for elsewhere in C04B2111/00 as filling material for cavities or the like
    • C04B2111/00672Pointing or jointing materials
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B2111/00Mortars, concrete or artificial stone or mixtures to prepare them, characterised by specific function, property or use
    • C04B2111/60Flooring materials

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Ceramic Engineering (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Structural Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Compounds Of Alkaline-Earth Elements, Aluminum Or Rare-Earth Metals (AREA)
  • Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)

Description

本発明は、新鮮なスタッコを安定化するプロセスに関する。さらに、本発明は、石膏プラスターボードを生産する方法に関する。
天然源に存在する最も安定した形態の石膏は、硫酸カルシウム二水和物(CaSO・2HO)である。工業生産の場合、石膏は採石場から獲得され、その後、処理されて建物の建設等における貴重な材料としてスタッコを得る。天然源から採掘された石膏は、通常、少なくとも80重量%の純度の硫酸カルシウム二水和物(DH;CaSO・2HO)を有し、通常、不純物として石灰岩、粘土、または他の鉱物を含有する。石膏鉱床は世界中に広く分散しており、今日ではおよそ6,600のスポットが知られている。
さらに重要な石膏源は、煙道ガス脱硫(FGD)である。煙道ガスをCaCOで処理することにより、煙道ガス中に存在する硫黄化合物が硫酸カルシウム二水和物として沈殿する。かかるFGD石膏は、石膏プラスターボードの生産時に石膏源として広く使用されている。
硫酸カルシウムは、結晶格子に結合している水の量が異なる様々な変更が可能である。
熱処理時、水が硫酸カルシウム二水和物から解離して、準安定硫酸カルシウム半水化物(HH;CaSO・0.5HO)を生成する。熱処理を続けると、可逆的に水を吸収して半水化物に変換され得る硬石膏III(A-III;CaSO)が得られる。水の可逆的な取り込みにより、かなりの量の反応熱が放出される。硬石膏IIIまたは硫酸カルシウム半水化物が焼成中に形成されるかは、焼成温度、蒸気圧、および焼成雰囲気下での滞留時間に依存している。スタッコは、β-半水化物から主になるが、少量の他の硫酸カルシウム鉱物も含有する様々な硫酸カルシウムである。この用語は、蒸気圧を制御しないケトル内での焼成製品に一般的に使用される。
硬石膏II(A-II s)は、硫酸カルシウムの完全に脱水された形態である。これは、より高い温度で形成され、水難溶性である。その低い水溶性および反応性のため、スタッコが、例えば、石膏プラスターボード生産のために生産される場合、硬石膏IIは望ましくない。
スタッコを生産するための石膏の焼成は、高温ガスでの直接処理または加熱処理容器内での間接的処理により、乾燥条件下で行われる。最新技術から、様々な焼成方法およびプロセスが知られている。近年、それらの低投資費用および小型構造のため、フラッシュ焼成炉がますます一般的になっている。この名称が示すように、これらの凝集体中の石膏の曝露時間は非常に短く、通常、数秒の範囲内である。この方法によって生産されたスタッコは、非常に反応性が高く、短い硬化時間を有し、水と混合された場合、水需要量が高くなる。ケトルプロセス等における間接加熱を使用した焼成方法は、曝露時間がはるかに長いため、より穏やかである。生産されたスタッコは、反応性がより低い。
したがって、焼成によって適用される条件は、スタッコの本質に強い影響を及ぼす。具体的には、石膏のさらなる処理に必要な水の量、石膏スラリーの追従性、および硬化挙動が、焼成中に適用される条件に影響される。
焼成中、硫酸カルシウム二水和物粒子の粒径および形状が本質的に保存される。しかしながら、水分子が結晶格子から拡散し、物理的に結合した水が硫酸カルシウム粒子の表面から脱着し、粒子中に亀裂が生じ、粒子が多孔性および脆性になる。さらに、特にフラッシュ焼成中、カルシウム二水和物粒子は、フラッシュ焼成炉内での処理時間が短いため、体積全体で不均一な状態になる。硫酸カルシウム鉱物粒子の外面の一部では、水が急速に拡散して粒子から離れることがあるが、体積の内部では、結合した水分子を動員するのにより長い時間がかかる。したがって、焼成後にスタッコ粒子は不均一な組成を有する場合があり、そのコア部分の硫酸カルシウム半水化物に加えて、例えば、粒子のシェル部分に硬石膏IIIを含み得る。焼成プロセスは、通常、新鮮な生成物がもはや二水和物を含まないように制御される。二水和物は、結晶核としての役割を果たし、それ故に、水の添加後の半水化物の処理時に非常に短い硬化時間をもたらし得る。
石膏は、多種多様な用途に、例えば、それらのほんの数例を挙げると、石膏プラスターボード、石膏ファイバーボード、壁プラスターの生産に、床スクリードとして、モデリングのために使用される。これらの全ての用途のために、スタッコの特定の性能が所望される。例えば、石膏プラスターボードの生産において、特にボードリボンを個々のボードに切り分けるために、プラスタースラリーをライナー上に塗布した後にボードリボンを迅速に処理することができるようにするためには、短い硬化時間が重要である。床スクリードに使用される場合、滑らかな表面および高い強度を有する床を得るために、石膏スラリーの良好な流動性を有すると同時に、水需要量が低いことが所望される。プラスターに使用される場合、規定された作業時間が調整され得るように、スタッコの凝結が容易に遅延させられる必要がある。
硬化のために、スタッコが水と混合されて、スラリーが得られる。スタッコが水相中に溶解して、二水和物に関して過飽和硫酸カルシウム溶液を形成する。二水和物の溶解性が半水化物の溶解性よりも低いため(2.7g/L対8g/L)、種晶が急速に形成され、硫酸カルシウム二水和物が飽和溶液から沈殿する。しがたって、硬化中に硫酸カルシウムが再結晶化し、このプロセスで固化する。二水和物は、多孔質であるが安定した構造を形成するニードルの形態で結晶化する。硬化後、スラリー中に含まれる過剰水が硬化石膏の細孔中に残存し、除去されなければならない。例えば、石膏プラスターボードの乾燥には、過剰水を蒸発させるために熱が必要であり、必要な熱を発生させるために対応する量の燃料が必要である。したがって、費用を節約し、処理時間を短縮するために、このプロセスに必要な水をできるだけ少ししか使用しないことが所望される。
硬化プロセスに必要な水の量を減らすために、スタッコは、少量の水の添加によって焼成後に安定化される。このプロセスは、石膏の「強制エージング」としても知られており、一般的に使用されている。焼成後のスタッコ中に含まれる硬石膏IIIは、硫酸カルシウム半水化物に変換される。エージング中に結晶欠陥が修復され、微粒子が凝集する。スタッコの比表面積が低下し、それにより、スラリーを形成する際の水の必要性が低減する。この「強制エージング」は、ブレンダー内で実行され、ここで液体または蒸気形態の水がスタッコに適用される。エージング後、安定化されたスタッコは、スラリーの調製のために水の添加によってさらに処理され得る。
特にフラッシュ焼成中に石膏粒子は応力を受け、石膏粒子中に亀裂が生じるため、かなり不安定になる。水を適用すると、スタッコ粒子が崩壊して大量の微粒子を形成し、それにより、スタッコの水需要量、すなわち、石膏スラリーを調製するのに必要な水の量が増加する。これは、硫酸カルシウムスラリーのレオロジーにも影響を及ぼす。スラリー中に含まれる所定の水量で、スラリーの流動性が低下する。したがって、大量の超化学量論的水がスラリーの処理に必要であり、これは、硬化後にこの場合もやはり乾燥によって除去されなければならない。
エージング中、硫酸カルシウム半水化物粒子の粒径が凝集によって増加する一方で、表面積は減少し、結晶欠陥が修復される。結果として、スラリー中の硫酸カルシウム半水化物粒子の溶解が減速し、それにより、硬化時間が増加する。石膏プラスターボードの生産において、この影響は望ましくない。高生産性を達成するために、石膏の硬化が迅速かつ制御された再現可能な様式で行われなければならない。これにより、トップライナーの良好な接着が確実になり、一定品質の石膏プラスターボードが得られる。スタッコの特性の変動は、それらが硬化時間の変動をもたらすため、石膏プラスターボード生産の安定性に悪影響を及ぼす。
安全なプロセス制御のために、または硬化石膏(CaSO・2HO)の性能を調整するために、化学添加剤が使用され得る。硬化プロセスを促進するために、種晶としての役割を果たす粉砕された石膏粒子(CaSO・2HO)が添加され得る。硫酸カリウムおよび硫酸アルミニウムが化学促進剤として添加され得る。キレート剤が水和プロセスを遅延させるために添加され得る。かかるキレート剤は、カルシウムイオンの化学的活性を妨害する。典型的な凝結遅延剤は、クエン酸、酒石酸、または多環縮合アミノ酸である。かかる凝結遅延剤は市販されており、例えば、PPE(登録商標)またはRetardan(登録商標)(Sika AG、Baar,CH)という商標で提供されている。しかしながら、これらの化学物質は、追加費用を発生させ、機器への腐食等を生じさせ得る。
以前から焼成後のスタッコのエージングが使用されている。水需要量をさらに低減し、スタッコの処理可能性を改善するために、継続的な改善がなされている。
US2,177,668では、スタッコを迅速かつ人工的にエージングするプロセスが記載されている。水は、スタッコが曝露される好適なガスによって運ばれる蒸気の形態で適用される。このプロセス中、スタッコは、スタッコが利用可能な水分を運ぶガスに曝露されるような様式で撹拌され、水分が石膏によって取り込まれ、スタッコの各粒子と化学的に結合される。処理のために、ガスが約40℃で維持される。スタッコが、かなり急速な撹拌で、ブレンダー内で曝露される。処理中、温度が10分以内に約12℃から約70℃に上昇する。合計処理時間は、約1時間15分である。
US4,153,373では、水需要量の低いスタッコを調製するためのプロセスが記載されている。スタッコは、スタッコがブレンダー容器の上部近くに入った状態でブレンダーに供給される。スタッコがブレンダー容器に入った直後に水がスタッコに添加され、その水は、容器の側壁またはその容器の底部に位置する回転プロペラに直接接触しない自由に沈降する連続水流の形態でスタッコに組み込まれる。湿らせたスタッコは、ブレンダー容器の側壁の周りを下向きに掃引され、その後、回転プロペラの周りを通過して、容器の側壁に位置する出口ポートを通ってブレンダーを出る。
WO2008/074137では、ベータ硫酸カルシウム半水化物が大気圧を超える圧力でスチームに曝露されるベータ硫酸カルシウム半水化物を処理するためのプロセスが記載されている。ベータ硫酸カルシウム半水化物の水需要量が最大40%まで低減される。スチーム温度およびスチーム圧を上昇させることにより、水需要量の低減が強化され得る。初期スタッコ温度は、60℃~200℃であり、スチーム雰囲気下でのスタッコの滞留時間は、5~900秒である。
スタッコ生産に使用される石膏原料には、例えば、石灰岩、粘土、および他の鉱物等の、約最大20重量%の範囲の混入物質が含まれている。これにより、スタッコの品質およびそれから生産されたスラリーの変動が引き起こされる。さらに、スタッコは、以下の2つの重要な要件を満たすべきである。
1.スタッコは、硬化後の石膏プラスターボード等の乾燥に必要なエネルギーを最小限に抑えるために、スラリーの調製に必要な水需要量が低くなければならない。
2.スタッコは、石膏プラスターボード等の生産における短い硬化時間を可能にするために、反応性が十分に高くなければならない。
これらの両要件は基本的に互いに相反しており、これは、水需要量が低いことにより、比表面積が小さく、かつ粒子を崩壊させる傾向が低い安定した石膏粒子が要求されるためである。しかしながら、かかるスタッコはより低い活性度を有し、それ故に、スラリーの硬化が遅い。水需要量の低いスタッコの場合、高速の修復速度が強制エージング中に所望される一方で、反応性の高いスタッコの場合、比表面積の大きいより小さい粒径が有利であり、修復速度が遅い状態で保たれ得る。
特許請求される発明によって解決されるべき問題は、硬化時間が所望に応じて調整され得るように、さらなる処理のために安定化されたスタッコの活性度の調整を可能にするスタッコを安定化するためのプロセスを提供することである。具体的には、硬化時間がプラスターボード生産等において必要に応じて短い硬化時間に調整可能であるべきであり、同時に、得られた安定化されたスタッコの水需要量は低い。このプロセスは、安定化されたスタッコの品質の信頼できる再現可能な様式での調整を可能にすべきであり、焼成のための原料として使用される石膏の品質等の変動が補償され得る。
この問題は、請求項1に定義されるプロセスによって解決される。好ましい実施形態は、従属請求項に定義されている。
本発明人は、少量の水の添加後に高温で長時間にわたって新鮮なスタッコを維持することにより、安定化されたスタッコが得られ得ることを見出した。安定化されたスタッコの反応性は、例えば、石膏プラスターボードの生産における使用に十分である。同時に、安定化されたスタッコの水需要量は、非常に低い。
本発明によれば、新鮮なスタッコを安定化するための方法であって、
- 新鮮なスタッコが提供され、
- 水が新鮮なスタッコに添加されて、湿らせたスタッコを得て、
- 湿らせたスタッコが、少なくとも30℃の温度で少なくとも30分の時間間隔にわたって維持されて、安定化されたスタッコを得る、方法が提供される。
新鮮なスタッコは、最新技術で既知のプロセスに従って石膏の焼成によって得られるβ-半水化物から主になる、すなわち、60重量%を超える硫酸カルシウム材料であると理解される。焼成に使用される石膏は、一実施形態によれば、採石場から採掘された石膏またはFGD-石膏であり得る。
新鮮なスタッコは、主成分として硫酸カルシウム半水化物に加えて、硬石膏III等の少量の他の石膏相、および不純物、例えば、鉱物を含み、石膏の焼成によって得られる。この材料は、スタッコ粒子の表面積が大きいため、高い水需要量および高い活性度を有する。スタッコは、焼成処理からの材料中に依然として含まれる熱によって引き起こされる高温を有するプロセスに提供され得る。
しかしながら、新鮮なスタッコは、例えば、新鮮なスタッコがさらなる処理前に保管される場合、さらなる処理前に冷却される場合もある。新鮮なスタッコが焼成直後に、すなわち、熱いうちに処理されることが好ましい。
一実施形態によれば、新鮮なスタッコは、100℃未満の温度で、さらなる実施形態によれば、99℃未満の温度で、なおさらなる実施形態によれば、90℃未満の温度で、なおさらなる実施形態によれば、80℃未満の温度で提供される。温度を調整するために、新鮮なスタッコが冷却され得る。冷却は、好適な冷却機器内で行われ得、一実施形態によれば、新鮮なスタッコが撹拌されて、熱の除去を促進する。しかしながら、新鮮なスタッコの所望の温度への冷却は、単純な静止期間によっても達成することができ、新鮮なスタッコに含まれる熱が周囲に放出される。
一実施形態によれば、新鮮なスタッコは、少なくとも40℃の温度で提供され、一実施形態によれば、新鮮なスタッコは、少なくとも50℃の温度で提供され、一実施形態によれば、新鮮なスタッコは、少なくとも60℃の温度で提供され、一実施形態によれば、新鮮なスタッコは、少なくとも65℃の温度で提供される。
湿らせたスタッコは、スタッコの安定化が開始されるように水が添加された新鮮なスタッコであると理解される。したがって、湿らせたスタッコは、新鮮なスタッコよりも高い水含有量を有する。水は、協調結合によって結晶構造中で結合した形態(結晶水)で存在するのみならず、吸着形態でも存在する。吸着水は、適度の加熱(例えば、約100~110℃)によって湿らせたスタッコから除去され得る。湿らせたスタッコは、安定化プロセス、例えば、再結晶化プロセスまたはより大きい粒子を得ることによりスタッコの比表面積を低下させるためのより小さい粒子の凝集をすでに経ている場合がある。湿らせたスタッコの水需要量は、結晶格子における修復プロセスの開始が水の添加直後にすでに起こっているため、焼成後に直接得られる新鮮なスタッコの水需要量よりも低い。
水の取り込みにより、新鮮なスタッコ中に含まれる硬石膏IIIは、硫酸カルシウム半水化物に迅速に変換される。したがって、湿らせたスタッコは、焼成直後の新鮮なスタッコよりも少量の硬石膏IIIを含み、一実施形態によれば、硬石膏IIIを全く含まない。
水需要量は、その定義された流動挙動を得るために新鮮なスタッコに添加されなければならない最低限の水量と理解される。
水需要量は、水中でスタッコのスラリーを調製し、スラリーが平面上に注がれたときのスラリーのフロー値を決定することによって決定され得る。フロー値を決定するための方法は、以下の実施例で説明される。
安定化されたスタッコは、特許請求される方法によって処理されており、かつ新鮮なスタッコおよび湿らせたスタッコよりも低い活性度を有する、湿らせたスタッコから得られたスタッコであると理解される。安定化されたスタッコは、新鮮なスタッコおよび湿らせたスタッコよりも小さい比表面積(BET法によって決定される)、大きい粒径(凝集による)、低い水需要量、および/または長い硬化時間のうちの少なくとも1つを有する。
スタッコの活性度は、スタッコのスラリーの硬化時間の決定によって決定され得る。一実施形態によれば、安定化されたスタッコは、BET法によって決定される、2.5~5.0m/gの比表面積を有する。BET比表面積を決定するための方法は、実施例に記載されている。
一実施形態によれば、本発明による方法によって新鮮なスタッコを処理した後、安定化されたスタッコのBET比表面積は、新鮮なスタッコのBET比表面積よりも少なくとも5%小さい。さらなる実施形態によれば、安定化されたスタッコのBET比表面積は、新鮮なスタッコのBET比表面積よりも少なくとも8%、なおさらなる実施形態によれば、少なくとも10%小さい。一実施形態によれば、安定化されたスタッコのBET比表面積は、新鮮なスタッコのBET比表面積よりも最大50%、一実施形態によれば、最大40%小さい。
一実施形態によれば、安定化されたスタッコは、実施例に記載の方法によって決定される、300~400mm、さらなる実施形態によれば、320~390mmのフロー値を有する。
本発明のプロセスでは、新鮮なスタッコは、一実施形態によれば、低温、例えば、室温で提供され得る。本発明の方法を実行するために、その後、新鮮なスタッコは、少なくとも30℃の選択された温度に加熱される。
焼成後に直接得られ、かつ本発明のプロセスで出発材料として使用される新鮮なスタッコは、主成分として硫酸カルシウム半水化物(CaSO・0.5HO)を含む。一実施形態によれば、新鮮なスタッコは、少なくとも60重量%、さらなる実施形態によれば、少なくとも80重量%、なおさらなる実施形態によれば、少なくとも85重量%の硫酸カルシウム半水化物を含有する。一実施形態によれば、新鮮なスタッコは、100重量%未満の硫酸カルシウム半水化物を含む。さらなる実施形態によれば、新鮮なスタッコは、98重量%未満、なおさらなる実施形態によれば、95重量%未満の硫酸カルシウム半水化物を含有する。
硫酸カルシウム半水化物のみならず、新鮮なスタッコは、少量の硫酸カルシウム硬石膏III(CaSO)も含有し得る。硬石膏IIIの量は、石膏の焼成中に適用される条件に依存する。経済的理由により、新鮮なスタッコ中に含まれる硬石膏IIIの量は、焼成中のエネルギー消費を最小限に抑えるために低く保たれるよう試みられる。しかしながら、焼成に使用される石膏の組成の不均一性、ならびに特定の石膏粒子が焼成中に経る反応条件の不均一性のため、新鮮なスタッコは、硬石膏IIIも含み得る。
一実施形態によれば、新鮮なスタッコは、0.0重量%超の硬石膏III、さらなる実施形態によれば、0.5重量%超の硬石膏III、さらなる実施形態によれば、3重量%超の硬石膏IIIを含み、さらなる実施形態によれば、5重量%超の硬石膏IIIを含み、なおさらなる実施形態によれば、8重量%超の硬石膏IIIを含む。基本的には、硬石膏IIIが特許請求される方法の過程で硫酸カルシウム半水化物に変換されるため、主成分として硬石膏IIIを含む新鮮なスタッコを用いて本発明の方法を実行することが可能である。しかしながら、経済的理由により、硬石膏IIIの量は、好ましくは、できる限り低く保たれる。一実施形態によれば、新鮮なスタッコは、100重量%未満の硬石膏IIIを含み、さらなる実施形態によれば、50重量%未満の硬石膏IIIを含み、さらなる実施形態によれば、40重量%未満の硬石膏IIIを含み、さらなる実施形態によれば、30重量%未満の硬石膏IIIを含み、さらなる実施形態によれば、20重量%未満の硬石膏IIIを含む。
新鮮なスタッコは、一実施形態によれば、少量の硫酸カルシウム二水和物(CaSO・2HO)を含み得る。しかしながら、硫酸カルシウム二水和物がスタッコの硬化時間に強い影響を及ぼすため、新鮮なスタッコ中に含まれる硫酸カルシウム二水和物の量は、通常、低く保たれる。さらに、本発明による方法が行われるときに新鮮なスタッコの硬化を避けるために、新鮮なスタッコ中に含まれる硫酸カルシウム二水和物の量は、好ましくは、低く保たれる。一実施形態によれば、新鮮なスタッコは、5重量%未満の硫酸カルシウム二水和物を含有し、さらなる実施形態によれば、2重量%未満の硫酸カルシウム二水和物を含有し、さらなる実施形態によれば、1重量%未満の硫酸カルシウム二水和物を含有し、なおさらなる実施形態によれば、0.5重量%未満の硫酸カルシウム二水和物を含有する。さらなる実施形態によれば、新鮮なスタッコは、硫酸カルシウム二水和物を全く含まない。
硫酸カルシウム半水化物、硬石膏III、および硫酸カルシウム二水和物のパーセンテージは、スタッコ中に含まれる硫酸カルシウム半水化物、硬石膏III、および硫酸カルシウム二水和物の総量を指す。
硫酸カルシウム半水化物、硫酸カルシウム硬石膏III、硫酸カルシウム二水和物、および硫酸カルシウム硬石膏IIの量は、最新技術で既知の好適な方法によって決定され得る。好適な方法は、実施例に記載されている。代案として、X線回折が分析のために使用され得る。好ましくは、実施例に記載の方法は、決定のために使用される。
硫酸カルシウム二水和物および硬石膏IIIに加えて、新鮮なスタッコは、不純物、ならびに充填剤を含み得る。不純物は、焼成に使用される石膏に由来する。不純物は、焼成中に硫酸カルシウム半水化物または硬石膏IIIに変換され得ない石膏中のあらゆる化合物であると理解される。例示的な不純物は、砂、粘土、石灰岩、硫酸マグネシウム、白雲石等である。硬石膏II、すなわち、天然に存在する硬石膏も、不純物として新鮮なスタッコ中に含まれ得る。充填剤は、新鮮なスタッコまたは安定化されたスタッコの特性を調整するために焼成前または焼成後に石膏に添加される材料である。例示的な充填剤は、石灰岩、粘土、および天然硬石膏である。
不純物、ならびに充填剤は、一実施形態によれば、合計50重量%未満の量で、さらなる実施形態によれば、40重量%未満の量で、さらなる実施形態によれば、30重量%未満の量で、なおさらなる実施形態によれば、20重量%未満の量で新鮮なスタッコ中に含まれる。一実施形態によれば、新鮮なスタッコは、不純物または充填剤を全く含まない。さらなる実施形態によれば、新鮮なスタッコは、1重量%超の不純物/充填剤を含み、さらなる実施形態によれば、5重量%超の不純物/充填剤を含む。
上述のパーセンテージは、一定重量になるまで高温で乾燥させられた新鮮なスタッコ試料を指す。一実施形態によれば、高温は、少なくとも40℃、さらなる実施形態によれば、少なくとも60℃に選択され、一実施形態によれば、100℃未満に選択される。一実施形態によれば、試料は、一定重量になるまで100℃で乾燥させられる。一実施形態によれば、試料は、乾燥オーブン内で乾燥させられる。乾燥後、試料は、デシケータ内で冷却される。秤量中、湿気アクセスは回避される。
一実施形態によれば、新鮮なスタッコは、9重量%未満の量の水を含み、一実施形態によれば、一実施形態では、6重量%未満の水を含む。これらのパーセンテージは、パラメータ「強熱減量」(LOI)に相当する。新鮮なスタッコ中に含まれる水の量は、主に、硫酸カルシウム半水化物として結合した水に相当する。
新鮮なスタッコは、一実施形態によれば、5mm未満、さらなる実施形態によれば、3mm未満、なおさらなる実施形態によれば、1mm未満の粒径(D98)を有する。
さらなる実施形態によれば、新鮮なスタッコは、1mm未満、さらなる実施形態によれば、500μm未満、なおさらなる実施形態によれば、200μm未満の粒径(D80)を有する。一実施形態によれば、粒径(D80)は、少なくとも50μmである。
さらなる実施形態によれば、新鮮なスタッコは、200μm未満、なおさらなる実施形態によれば、100μm未満の粒径(D50)を有する。一実施形態によれば、粒径(D50)は、少なくとも5μmである。
粒径「D80」とは、材料の少なくとも80重量%が特定の粒径「D」未満の粒径を有することを意味する。したがって、粒径「D50」とは、材料の少なくとも50重量%が特定の粒径「D」未満の粒径を有することを意味し、粒径「D98」とは、材料の98重量%が特定の粒径「D」未満の粒径を有することを意味する。粒径「D」は、最新技術で既知の方法によって決定される。32μm超の粒径の場合、粒径分布は、特定のメッシュサイズの篩を通して試料を篩過し、その後、篩を通過した材料の量および篩上に残っている材料の量を秤量することによって決定され得る。好ましくは、粒径分布は、より小さい粒径にも有効なレーザー回折によって決定される。
焼成は、既知の機器を使用して最新技術で既知の直接または間接方法によって行われ得る。焼成は、バッチ焼成または連続焼成プロセスによって行われ得る。具体的には、焼成は、フラッシュ焼成によって行われ得る。
焼成中に適用される温度は、焼成に使用される方法および機器に依存する。ケトル内で行われる焼成が、低温、例えば、120℃~160℃の範囲内の温度で行われ得る一方で、フラッシュ焼成は、焼成に使用される石膏粒子と高温ガスとの間の接触時間がより短いため、より高い温度を必要とする。フラッシュ焼成の温度は、通常、最大200℃に選択される。この温度は、焼成凝集体が入る際の高温ガスの温度を指す。焼成条件は、上述の新鮮なスタッコが得られるように選択される。
その後、新鮮なスタッコは、少量の水と接触して、湿らせたスタッコが得られる。
一実施形態によれば、新鮮なスタッコは、ブレンダー内に導入され、水が添加されている間に撹拌されて、湿らせたスタッコが得られる。
水は、液体形態で添加され得、水は、一実施形態によれば、新鮮なスタッコ上に噴霧される。
別の実施形態によれば、水は、蒸気相で新鮮なスタッコに添加される。一実施形態によれば、蒸気は、少なくとも100℃の温度を有し、一実施形態によれば、少なくとも110℃の温度を有し、なおさらなる実施形態によれば、150℃未満の温度を有する。さらなる実施形態によれば、蒸気は、200℃未満の温度を有する。一実施形態によれば、蒸気および新鮮なスタッコは、周囲圧力で接触する。蒸気または液体水をブレンダー内に導入するのに好適なノズルがブレンダー内に提供され得る。
一実施形態によれば、水は、液体および蒸気形態で添加される。水を液体形態、ならびに蒸気形態で添加することにより、湿らせたスタッコの温度が調整され得、湿らせたスタッコの過度の湿潤が回避され得る。
ブレンド中、新鮮なスタッコの/湿らせたスタッコの温度は、一実施形態によれば、少なくとも30℃、一実施形態によれば、少なくとも40℃に調整され、さらなる実施形態によれば、少なくとも50℃に調整され、さらなる実施形態によれば、少なくとも60℃に調整され、なおさらなる実施形態によれば、少なくとも65℃の温度に調整される。さらなる実施形態によれば、新鮮なスタッコの温度は、ブレンド中、100℃未満、さらなる実施形態によれば、99℃未満、さらなる実施形態によれば、90℃未満、なおさらなる実施形態によれば、80℃未満に調整される。
一実施形態によれば、能動的冷却/加熱は、ブレンド中に対応する加熱/冷却デバイスによって行われない。ブレンド中の温度は、ブレンダーに添加される新鮮なスタッコの温度および添加される水の量を調整することによって調整され得る。水の一部が蒸発し、それにより、新鮮なスタッコを冷却し得る。
新鮮なスタッコと水とのブレンドがバッチ式でまたは連続して実行され得る。連続して動作するブレンダーでは、新鮮なスタッコおよび水がブレンダー内に連続して導入され、湿らせたスタッコがブレンダーから連続して排出される。
一実施形態によれば、ブレンドは、水と新鮮なスタッコとの均一混合物が得られるまで行われ、基本的には、湿らせたスタッコの体積全体で湿度の変動は観察されない。しかしながら、さらなる実施形態によれば、さらなる処理の前に非常に短い時間の間水と新鮮なスタッコとを混合すれば十分である。
非常に短い、例えば、数秒の範囲内のブレンド時間が選択され得る。しかしながら、より長いブレンド時間も好適である。一実施形態によれば、ブレンドは、少なくとも1秒間、一実施形態によれば、少なくとも2秒間行われる。ブレンド手順の期間は、処理される新鮮なスタッコの量および使用されるブレンダーの種類に依存する。
一実施形態によれば、連続ミキサーが使用される。したがって、ブレンド時間は、ブレンダーを通過する間のスタッコ粒子の滞留時間に相当する。好適なブレンダーは、最新技術から既知である。連続ブレンダーのかかる種類では、ブレンド時間は、一実施形態によれば、1分未満、さらなる実施形態によれば、30秒未満である。
別の実施形態によれば、バッチ式ブレンダーが使用され、一実施形態によれば、新鮮なスタッコと水とのブレンド時間は、5分未満、一実施形態によれば、2分未満に選択される。
しかしながら、処理されるスタッコの量に応じて、より長いブレンド時間も可能である。
水を添加した後、任意選択的に、ブレンドした後、湿らせたスタッコが得られる。
湿らせたスタッコは、少なくとも30℃の選択された温度で少なくとも30分の時間間隔にわたって維持されて、安定化されたスタッコが得られる。
一実施形態によれば、湿らせたスタッコは、保管容器内に移される。
一実施形態によれば、湿らせたスタッコは、水と新鮮なスタッコとをブレンダー内でブレンドすることによって得られ、その後、湿らせたスタッコは、保管容器内に移される。
別の実施形態によれば、新鮮なスタッコおよび水は、ブレンダーを通過することなく保管容器内に直接導入される。その後、水と新鮮なスタッコとのブレンドが保管容器内で起こる。
一実施形態によれば、保管容器には、湿らせたスタッコが選択された温度で保たれながら湿らせたスタッコを撹拌するための撹拌デバイスが装備されている。
しかしながら、好ましくは、湿らせたスタッコは、選択された温度で維持されながら撹拌されない。
湿らせたスタッコが選択された温度で維持されている間、修復プロセスが起こり、スタッコの粒子中の結晶欠陥、例えば、亀裂が除去される。湿らせたスタッコの比表面積が減少し、湿らせたスタッコの粒子が物理的かつ化学的により安定するようになる。比表面積は、BET法に従って測定され得る。
理論によって束縛されることを望むことなく、新たな小さい硫酸カルシウム半水化物結晶が亀裂中に形成され、それらの亀裂を部分的または全体的に充填し、それにより、粒子の表面積を減少させると推定される。
温度は、少なくとも30℃に調整され、さらなる実施形態によれば、少なくとも40℃に調整され、さらなる実施形態によれば、少なくとも50℃に調整され、さらなる実施形態によれば、少なくとも60℃に調整され、なおさらなる実施形態によれば、少なくとも65℃に調整される。さらなる実施形態によれば、温度は、100℃未満、さらなる実施形態によれば、99℃未満の温度、さらなる実施形態によれば、90℃未満の温度、なおさらなる実施形態によれば、80℃未満の温度に調整される。
一実施形態によれば、温度は、湿らせたスタッコが保管容器内に導入される前に新鮮なスタッコおよび/または湿らせたスタッコの温度を調整することによって調整される。
温度を調整するために、一実施形態によれば、新鮮なスタッコが冷却され得る。冷却は、好適な冷却機器内で行われ得、一実施形態によれば、新鮮なスタッコが撹拌されて、熱の除去を促進する。しかしながら、新鮮なスタッコの所望の温度への冷却は、単純な静止期間によっても達成することができ、新鮮なスタッコに含まれる熱が周囲に放出される。上述のように、湿らせたスタッコの温度は、新鮮なスタッコに添加される水の比率を調整することによって調整され得、その逆も同様である。
温度を選択されたレベルで保つために、保管容器には、一実施形態によれば、熱損失を回避するための断熱材が装備されている。かかる断熱材は、保管容器を断熱材料で包囲することによって提供され得る。
一実施形態によれば、保管容器には、湿らせたスタッコを加熱するための加熱デバイスが装備されており、湿らせたスタッコを選択された温度で保つことができる。
湿らせたスタッコが選択された温度で保たれる一方で、温度は、熱損失により、わずかに低下し得る。熱損失は、一実施形態によれば、加熱によって補償され得、または別の実施形態によれば、温度損失は、安定化プロセスの開始直後に湿らせたスタッコの温度をそれ相応により高く選択することによって補償され得る。
湿らせたスタッコは、選択された温度で少なくとも30分間保持される。さらなる実施形態によれば、湿らせたスタッコは、選択された温度で少なくとも45分間保持される。一実施形態によれば、湿らせたスタッコは、選択された温度で少なくとも1時間保持され、なおさらなる実施形態によれば、湿らせたスタッコは、選択された温度で少なくとも2時間保持される。
驚くべきことに、選択された温度でより長時間保管することにより、低い水需要量を有すると同時に、石膏プラスターボード生産等において必要とされる短い硬化時間を提供するのに十分な活性度を有する安定化されたスタッコが得られることが見出された。
さらなる実施形態によれば、湿らせたスタッコは、選択された温度で48時間未満、別の実施形態によれば、24時間未満、さらなる実施形態によれば、20時間未満、さらなる実施形態によれば、15時間未満、なおさらなる実施形態によれば、10時間未満保持される。湿らせたスタッコは、選択された温度で24時間超保持され得る。しかしながら、通常、さらなる安定化効果は観察されない。
湿らせたスタッコの修復は、熱処理の持続時間とともに進行し、安定化されたスタッコの活性度が減少する、すなわち、水の添加後の安定化されたスタッコの硬化時間が増加する。安定化効果の相対的増加は、時間とともに減少し、湿らせたスタッコの最大安定化に相当する限界値に収束する。
したがって、湿らせたスタッコを選択された温度で維持するプロセスは、スタッコが、特定の用途、例えば、石膏プラスターボードの生産、またはモルタルとしての用途に所望の活性度を有したときに終了される。
湿らせたスタッコが安定化のために選択された温度で維持されている間、周囲への水分損失は、修復プロセスの進行を可能にするために低く保たれるべきである。一実施形態によれば、保管容器は、湿らせたスタッコ中に含まれる水分が保管容器内に保持されるように、気密容器である。
湿らせたスタッコが安定化のために選択された温度で維持されている間、硫酸カルシウム半水化物の硫酸カルシウム二水和物への変換が回避されるべきである。液体水が凝縮し、保管された半水化物の一部の硬化を促進するため、容器内の雰囲気の水での過飽和が回避されるべきである。液体水は、容器および他の機器の腐食も誘発し得る。したがって、湿らせたスタッコが安定化のために選択された温度で保持されている間の相対湿度は、一実施形態によれば、100%未満、さらなる実施形態によれば、90%未満に選択される。さらなる実施形態によれば、保管容器内の相対湿度は、50%超に選択される。
安定化されたスタッコの安定性および反応性は、一実施形態によれば、熱処理の温度および/または持続時間の調整によって調整され得る。
湿らせたスタッコが選択された温度で保持されている間の処理時間が短い、例えば、30分近くである場合、より多くの量の小さい硫酸カルシウム半水化物粒子を含む、より高い活性度およびより短い硬化時間の安定化されたスタッコが得られる。かかる安定化されたスタッコは、例えば、プラスターボードの生産に有用である。したがって、より長い処理時間で、より長い硬化時間を有する安定化されたスタッコが得られる。
安定化されたスタッコの活性度は、湿らせたスタッコが維持される選択された温度を調整することによってさらに調整され得る。原則として、より高い温度により、安定化されたスタッコのより低い活性度がもたらされ、その逆も同様である。
有利には、特許請求される方法を用いて、湿らせたスタッコの温度の調整およびその処理の持続時間の調整によって安定化されたスタッコの活性度を特定のレベルに調整することが可能である。したがって、焼成に使用される生石膏の品質の変動が容易に補償され得、これは、例えば、プラスターボード連続生産において重要な利点である。
一実施形態によれば、安定化されたスタッコの活性度が決定される。好適な決定方法は、実施例に記載されている。硬化時間および再水和を使用して、安定化されたスタッコの活性度を評価することができる。
新鮮なスタッコに添加される水の量は、スタッコ粒子の修復を開始するのに十分な水が利用可能であるように選択される。しかしながら、水の量は、硫酸カルシウム二水和物を得るための硫酸カルシウム半水化物と水との反応が回避されるようにも選択される。
一実施形態によれば、新鮮なスタッコに添加される水の量は、安定化されたスタッコ中に含まれる自由水分の量が、0.2重量%超、さらなる実施形態によれば、0.5重量%超であるように選択される。さらなる実施形態によれば、新鮮なスタッコに添加される水の量は、湿らせたスタッコ中に含まれる水の量が、3重量%未満、さらなる実施形態によれば、2重量%未満、好ましくは1重量%未満になるように選択される。パーセンテージは、新鮮なスタッコの重量を指す。
一実施形態によれば、水は、蒸気形態(スチーム)で新鮮なスタッコに添加される。スチームは、少なくとも100℃の温度で導入され、新鮮なスタッコを選択された温度まで温めるためにも使用され得る。
さらなる実施形態によれば、新鮮なスタッコは、室温で提供される。焼成後、例えば、焼成炉または保管容器の生産能力により、新鮮なスタッコが保管され得る。その後、新鮮なスタッコは冷却され、さらなる処理前に室温で保管される。
さらなる処理前に、新鮮なスタッコは、一実施形態によれば、スタッコの安定化のために選択された温度に加熱される。加熱は、水の添加前または添加後に達成され得る。
一実施形態によれば、特許請求される方法に従って水を導入して湿らせたスタッコを選択された温度で維持する前に、新鮮なスタッコは、特許請求される方法で使用される選択された温度、例えば、少なくとも30℃の温度に加熱される。一実施形態によれば、新鮮なスタッコは、湿らせたスタッコを得るために水の添加中に起こる冷却を補償するために30℃超の温度に加熱される。
加熱は、好適な加熱機器、例えば、加熱機器が装備されたミキサーによって達成され得る。一実施形態によれば、加熱は、スチームを新鮮なスタッコに中に導入することによって達成され、スチームは、少なくとも100℃、さらなる実施形態によれば、少なくとも140℃の温度に加熱される。スチームによって導入される湿気の量が高くなりすぎないように注意しなければならず、具体的には、スチームが凝縮して局所的に大量の液体水が生じるのを回避しなければならない。
特許請求される方法の一実施形態によれば、湿らせたスタッコは、選択された温度で特定の時間維持されている間、湿った雰囲気下で保持される。
すでに上で論じられているように、一実施形態によれば、湿らせたスタッコは、少なくとも50%の相対湿度の雰囲気下で、さらなる実施形態によれば、少なくとも70%の相対湿度の雰囲気下で維持される。
湿らせたスタッコが少なくとも30℃の温度で少なくとも30分間維持されている間、一実施形態によれば、湿らせたスタッコが撹拌されて、湿らせたスタッコを均一にする。湿らせたスタッコを撹拌することにより、容器内の温度勾配が可能な限り回避され、容器内に含まれる全ての湿らせたスタッコが均一反応条件、ひいては均一な修復率を経るようになり、均一な安定化されたスタッコが達成されるようになる。
一実施形態によれば、新鮮なスタッコに添加される水の量は、安定化されたスタッコが、少なくとも0.2重量%の量、さらなる実施形態によれば、少なくとも0.5重量%の量の自由水分を含有するような量である。一実施形態によれば、安定化されたスタッコは、安定化されたスタッコの質量に対して5重量%未満、さらなる実施形態によれば、3重量%未満、なお別の実施形態によれば、1.5重量%未満の量の自由水分を含有する。この自由水分は、安定化されたスタッコの表面上に吸収された水分子によって形成され、例えば、スタッコ粒子中に存在する非常に小さい亀裂または硫酸カルシウム半水化物結晶の結晶構造中に提供される空隙内に含まれる。この水は、物理的に結合しており、硫酸カルシウム半水化物中で結合している水に加えて、安定化されたスタッコ中に含まれる。
安定化されたスタッコは粉砕されて、新鮮な結晶表面を作り出し、それにより、スタッコの活性度を増加させることができる。
安定化されたスタッコを乾燥させて、安定化されたスタッコの湿度を調整することができる。
安定化されたスタッコの活性度および他のパラメータを調整するために、安定化されたスタッコは、一実施形態によれば、充填剤、例えば、石灰岩、硬石膏II、もしくは粘土と混合され得るか、または、一実施形態によれば、新鮮なスタッコ、すなわち、安定化されていないスタッコと混合されて、例えば、所望の場合、硬化時間を短縮することができる。
本発明の方法によって得られた安定化されたスタッコは、最新技術から既知の硫酸カルシウムの全ての用途において使用され得る。安定化されたスタッコが水に添加されて、プラスターボード生産等においてさらに処理され得るスラリーが得られる。
一実施形態によれば、安定化されたスタッコから調製されたスラリーは、10分未満、さらなる実施形態によれば、8分未満、なおさらなる実施形態によれば、5分未満の硬化時間を有する。一実施形態によれば、スラリーは、少なくとも1分間、さらなる実施形態によれば、少なくとも2分間、さらなる実施形態によれば、少なくとも4分間の硬化時間を有する。
さらなる態様によれば、本発明は、石膏プラスターボードを生産するための方法であって、
- 上述の方法によって得られた安定化されたスタッコを提供するステップと、
- 水を安定化されたスタッコに添加することによってスタッコスラリーを調製するステップと、
- スタッコスラリーを形成して、石膏プラスターボードを得るステップと、を少なくとも含む、方法に関する。
本方法は、基本的には、最新技術から既知の方法に従うが、上述の方法によって得られた安定化されたスタッコが使用される。安定化されたスタッコは、基本的には、石膏プラスターボードの生産のための既知の方法と同じ方法で処理される。しかしながら、安定化されたスタッコの水需要量がより少ないため、安定化されたスタッコに添加される水の量は、それに応じて適合される。安定化されたスタッコに添加される水の量は、既知の方法を用いて当業者によって決定され得る。例えば、既知の方法での特性および処理可能性とほぼ同じ特性および処理可能性のスタッコスラリーを得るために、水-石膏値、スラリー稠度、および/またはフロー値は、それに応じてスタッコスラリーの調製に使用される水の量を選択することによって調整され得る。
スタッコスラリーの特性を調整するために、一実施形態によれば、最新技術から既知の添加剤が添加され得る。一実施形態によれば、最新技術から既知であり、かつ市販されている液化剤が、スタッコスラリーに添加され得る。好適な液化剤は、例えば、メラミン樹脂、ポリカルボキシレート、またはセルロース部分加水分解物である。スタッコスラリーに添加される液化剤の量は、既知の方法、例えば、水-石膏値、スラリー稠度、フロー値によって決定される。液化剤の量は、スタッコの特性に依存し、個別に決定されなければならない。
一実施形態によれば、気泡がスタッコスラリーに添加される。市販されており、石膏プラスターボード生産の技術分野で使用されている既知の起泡剤が使用され得る。石膏プラスター生産のための起泡剤の例示的な供給業者は、Sika Deutschland GmbH、Leimen、Berolan GmbH、Arbing,DE、Kao Corp.、JPである。起泡剤は、石膏プラスターボードの比重量または単位面積当たりの重量の変更を可能にする。スタッコスラリーに添加される起泡剤の量は、使用される起泡剤の種類、すなわち、使用される界面活性剤、石膏プラスターボードの単位面積当たりの所望の重量、および石膏プラスターボードに必要な衝撃抵抗度(例えば、曲げ破壊荷重および弾性率によって決定される)に依存する。
気泡をスタッコスラリーに添加することにより、硬化後の石膏プラスターボードの石膏層内に細孔が生じる。細孔のサイズは、気泡中に含まれる泡のサイズによって決定される。安定した気泡の使用により、石膏層内での微細孔の形成が誘発される。安定した気泡は、泡がスタッコスラリーと接触したときに基本的には崩壊しない気泡であると理解される。
さらなる実施形態によれば、起泡剤がスタッコスラリーに添加され、起泡剤が不安定な気泡をもたらす。不安定な気泡の泡は、スタッコスラリーと接触したときに崩壊して、より大きい泡が形成される。これにより、より広い隔壁が隣接する細孔間に配置されたより大きい細孔を有するプラスターボードが得られる。石膏層中に見られる気泡が生成した細孔の平均細孔径は、一実施形態によれば、50μm~2mmの範囲内、さらなる実施形態によれば、100μm~1.5mmの範囲内である。
安定した気泡と消泡剤とを同時に添加することによっても、より大きい細孔が誘発され得る。気泡および消泡剤の添加が順々に行われ得るか、またはこれらの両方の成分が同時に添加される。一実施形態によれば、最初に、安定した気泡がスタッコスラリーに添加され、スタッコスラリー中で気泡が分布した後に、消泡剤が添加される。市販の消泡剤が使用され得る。
驚くべきことに、本発明による安定化されたスタッコがプラスターボードを生産するために使用された場合、完成したプラスターボードの定義された多孔度に必要な起泡剤の量が大幅に減少し得ることが見出された。
本明細書で使用されるとき、平均細孔サイズという用語(平均細孔径も使用される)は、コア内の個々の細孔の最大直径から計算される。最大直径は、フェレット直径と同じである。各細孔の最大直径は、試料の画像から得られ得る。画像は、二次元画像を提供する走査電子顕微鏡法(SEM)等の任意の好適な技法を使用して取得され得る。細孔の断面(細孔)のランダム性が平均直径を提供することができるように、多数の細孔サイズがSEM画像で測定され得る。試料のコア全体にランダムに位置する複数の画像中の細孔を測定することによって、この計算が改善され得る。加えて、いくつかの二次元SEM画像に基づいてコアの三次元立体的モデルを構築することによっても、平均細孔サイズの計算が改善され得る。別の技法は、三次元画像を提供するX線CTスキャン分析(ΧΜΤ)である。別の技法は、光コントラストを使用して細孔の深さ等の決定を助けることができる光学顕微鏡法である。細孔は、手作業で、または画像分析ソフトウェア、例えば、Ν1Ηによって開発されたImage!を使用してのいずれかによって測定され得る。当業者であれば、画像からの細孔サイズおよび分布の手作業での決定が、各細孔の寸法の目視観察によって決定され得ることを理解するであろう。試料は、石膏ボードを区分することによって得られ得る。
本発明に従って生産された安定化されたスタッコは、スタッコから従来の様式で生産された全ての石膏製品に使用され得る。これは、石膏建築ボード、例えば、プラスターボードまたはファイバーボードの生産、ならびに石膏ブロック、スクリード、特に自己水平化床スクリード、接合コンパウンド、仕上げコンパウンド、壁プラスター、成形プラスター、または任意の他の石膏ベースの製品に特に有用である。
本発明は、以下の実施例を参照してさらに詳細に記載される。
試験方法の説明:
石膏相の分析:
試料中の個々の硫酸カルシウム変種、すなわち、二水和物、半水化物、硬石膏(III)、自由水、および他の材料を、以下のように重量測定石膏相分析手順によって特定した。
硬石膏III(A III;水溶性硬石膏)および自由水分
Figure 0007007458000001
約7gの試料を磁器坩堝内で秤量する(W)。秤量した坩堝を、40℃の乾燥キャビネット内に一晩放置する。その後、坩堝内の試料を80℃に加熱し、この温度でさらに2時間乾燥させた。次いで、坩堝をデシケータ内に移して、室温に冷却する。その後、坩堝を秤量する(W)。
重量の増加は硬石膏IIIに対応し、重量の減少は自由水分と見なされる。
Figure 0007007458000002
硫酸カルシウム半水化物(HH)
Figure 0007007458000003
約7gの試料を磁器坩堝内で秤量する(W)。試料が完全に湿らされ、かつ水で覆われる程度の量の純水を添加する。60分間の待機時間後、坩堝を乾燥キャビネット内に移し、一定重量になるまで40℃で乾燥させる。次いで、坩堝をデシケータ内に移して、室温に冷却する。坩堝を秤量し(W)、硫酸カルシウム半水化物の量を重量の増加から計算する。
Figure 0007007458000004
硬石膏II(やや難溶性の硬石膏)(A II-s)
Figure 0007007458000005
硬石膏IIの決定は、硫酸カルシウム半水化物を決定するための方法に従う。約7gの試料を磁器坩堝内で秤量する(W)。試料を純水で完全に湿らせ、その後、デシケータ内で72時間保持する。次いで、坩堝を乾燥キャビネット内に移し、一定重量になるまで40℃に加熱する。その後、坩堝をデシケータ内で室温に冷却し、秤量する(W)。
Figure 0007007458000006
結晶水(W
秤量した坩堝(W)の体積の約3/4まで試料を充填し、充填した坩堝を再度秤量する(W)。次いで、坩堝をマッフル炉内に移し、330~360℃になるまで60分間加熱する。坩堝を室温に冷却するためにデシケータ内に移し、その後、再度秤量する(W)。
自由水分の決定のために、試料を80℃の乾燥キャビネット内で乾燥させ、自由水分を計算する(F[%])。
重量差から結晶水の量を計算する。
a.自由水分は検出されず
Figure 0007007458000007
b.自由水分が検出された
Figure 0007007458000008
より詳細な決定のために、試料をX線回折によって分析する。
粒径分析
粒径分布を、Malvern Mastersizer 2000(Herrenberg,Germany)を使用して決定した。この試験を、2350RPMで動作する湿式分散装置内でイソプロピルアルコール溶液中に試料を分散させることによって行った。「石膏(平均)」の材料密度設定を想定し、バックグラウンド除去後に10~20のオブスキュレーションで測定を行った。
フロー値
スタッコ試料(400g)を、ブレンダー(Kitchen Aid)内の1.0gのクエン酸ナトリウムを含有する室温の平衡水に30秒間にわたって添加し、その後、最高速度で7秒間ブレンドした。水の量を、水石膏値に従って決定する。その後、ブレンドしたスラリーを、きれいなガラス板上に置いた黄銅シリンダー(直径5cm、高さ10cm)中に注いだ。添加の50秒後、黄銅シリンダーを素早く垂直に持ち上げ、スラリーがパテに広がるようにした。フロー値を、パテの直径を決定することによって決定した。
硬化時間
試料をフロー値の決定について記載されるように調製したが、クエン酸ナトリウムを添加せず、硬質ゴム輪(高さ40mm)中に注いだ。初期硬化および最終硬化を、改良したVicat機器(DIN EN 13279-2に従う)で決定した。40mm未満の貫通深さで、初期硬化に達した。最終硬化の場合、落下重量を1kg増加させた。8mmの貫通深さで、最終硬化に達した。
ブレーンの比表面積
ブレーンによる比表面積をDIN EN 196-6に従って決定した。
崩壊
崩壊度の決定
約150~200mLのミキサースラリー(すなわち、スラリーが生産プロセス中にライナー上に塗布される前に直接試料採取したもの)を、300mLの酒精(94~96%)を充填した火薬フラスコ中に注ぐ。火薬フラスコをしっかりと閉じ、その後、激しく振盪する。
フラスコの全内容物を、Sartorius濾紙392を装備した大きいブフナー漏斗(φ180mm)中に注ぎ、真空を適用して液相を吸い込む。吸引は、平らで急速でなければならない。
濾過パテを、200mLのアセトンを充填した火薬フラスコ内に置く。火薬フラスコをしっかりと閉じ、その内容物を激しく振盪する。懸濁液をSartorius濾紙392に通して濾過し、濾過ケーキをアセトンですすぐ。
濾過ケーキを時計皿上に移し、その後、一定重量になるまで40℃の乾燥キャビネット内で乾燥させる。
乾燥材料を0.2mmの篩で篩過する。ブラシを用いて凝集体に穏やかに圧力をかけて篩に通す。次いで、篩残留物および篩通過物を均一にする。その後、ブレーン値を決定し、粒径分析を行う。
崩壊係数(De)の計算
De=崩壊した試料のブレーン値/新鮮な試料のブレーン値
圧縮強度:
圧縮強度をDIN EN 13279-2に従って決定した。
水-石膏値
水-石膏値をDIN EN 13279-2に従って決定した。
BET表面積
比表面積を、DIN 61131に従う一点法で窒素を用いたBET法によってFlow Sorb 2300 II(Micromeritics)を用いて決定した。
再水和
既知の量の硫酸カルシウム半水化物および二水和物を含む秤量した試料(約7g)を水(20mL)中に懸濁し、室温で放置した。試料を水に添加したときにストップウォッチをスタートさせた。試料を定義された時間間隔で採取した。
試料を所定の時間間隔が経過するおよそ1分前に採取し、モルタル中に移し、乳棒で破砕した。時間間隔が経過した後、約100mLの酒精(94~96%)をモルタル中に注ぎ、破砕し続けた。
濾紙をブフナー漏斗内に置き、水で湿らせ、その後、酒精ですすぐ。細かく破砕したモルタルを濾紙上に移し、ブフナー漏斗に減圧を加えることによって液相を吸い込む。濾過ケーキを酒精で再度すすぎ、その後、アセトンですすいで、残留水を除去する。濾過パテを時計皿上に置き、一定重量になるまで40℃の乾燥キャビネット内で乾燥させる。結晶水の量を上述のように決定する。
計算
再水和度[%]=結晶水[%]×4.7785
スラリー稠度/スプラット試験
スプラットテスター(落下コンシストメーター)は、高さ60mm、下部内径70mm、および上部内径100mmを有する中空漏斗を備える。下部開口部をプレートで係止することができ、このプレートを旋回させて漏斗の下部開口部を開くことができる。コーンをベースプレート上に固定された垂直ロッドに摺動可能に固定して、落下高さを125mmに調整する。落下高さは、漏斗の下部開口部とベースプレートとの間の距離である。
ストップウォッチをスラリー調製の開始時にスタートさせる。スラリーを、漏斗の底部側でプレートが係止された漏斗中に充填する。過剰材料をナイフ(ハンマーヘッドを有するへら)で削り取る。
10秒後、スラリーケーキがベースプレート上に落ちるように、プレートを旋回させて漏斗から離す。
パテの直径を2つの垂直反対方向で決定し、平均を計算する。
実施例1
新鮮なスタッコを、焼成凝集体からスチームを導入するためのノズルおよびスタッコを撹拌するための撹拌棒を装備したブレンダーに連続して送達した。適用量を30kg/分に調整した。スチームを新鮮なスタッコの重量に基づいて2重量%の比率のスチームで導入して、湿らせたスタッコを得た。その後、湿らせたスタッコを容器内に移し、撹拌なしで80℃の温度に加熱した。試料を、試料が水和後にブレンダーを出た直後(0時間)、80℃で4時間の処理後、および80℃で24時間の処理後に採取した。フロー値を上述のように決定した。
結果を表1に要約する。
Figure 0007007458000009
ブレンダー内に導入された新鮮なスタッコの温度は、スタッコの修復に影響を及ぼさない。それぞれ、66℃および33℃の温度を有する新鮮なスタッコを使用したが、スチーム処理なしのこれらの両方の実験では、ほぼ同じフロー値がブレンダー後に試料採取したスタッコから得られた。これらの試料では、269mmおよび262mmのフロー値が得られた。
スチームをブレンダー内に導入することにより、フロー値の増加がスチーム処理の直後にすでに観察される。フロー値の増加は、硫酸カルシウム半水化物の修復プロセスによって引き起こされる。湿らせたスタッコ試料を80℃で保管した後、フロー値の著しい増加が観察される。4時間の処理後、それぞれ、338mmおよび380mmへの増加が観察される。24時間の処理後、これらの両方の試料のフロー値のさらなる増加が観察される。
保管時間および保管中に適用される温度のフロー値への影響を表2に要約する。
Figure 0007007458000010
スチーム処理後に試料を室温で保管した場合、フロー値はほぼ同じままであった。スチーム処理の直後に得られた282mmから、室温で24時間の保管後の290mmへのわずかな増加が観察された。
スタッコ試料の修復に相当するフロー値の著しい増加が、80℃での保管後に観察される。24時間後、282mmから380mmへの増加が観察される。24時間の保管後、修復プロセスは、基本的には完了する。80℃で合計96時間の保管時間後、フロー値のさらなる増加はほぼ観察されなかった。
実施例2:スタッコの大規模安定化
大規模実験のために、生産ラインのスタッコ保管容器に、サイロの外壁に置かれた電気加熱装置および外側のサイロを包囲する断熱材層を装備させた。スタッコを保管容器内に搬送するための予混合装置に、水およびスチーム用の入口を装備させた。スタッコ生産における焼成に使用される石膏は、採掘した石膏と煙道ガス脱硫から得た石膏との50:50(w/w)混合物であった。
82℃の温度を有する53トンの新鮮なスタッコを、1.4重量%水および0.25重量%スチームの添加により連続ミキサー内で処理して、湿らせたスタッコを得た。湿らせたスタッコを、容器の全ての外面を包囲する隔離層を備えた保管容器に運んだ。保管容器内に充填する前の湿らせたスタッコの温度は、75±5℃であった。保管容器を気密密閉し、湿らせたスタッコを安定化のために3時間保管した。安定化後、安定化されたスタッコを保管容器から取り出し、標準の搬送ライン上で石膏プラスターボードに処理した。保管容器から取り出したときの安定化されたスタッコの温度は、65℃超であった。
対照として、湿らせたスタッコの試料を、水およびスチームを新鮮なスタッコに添加した直後に採取した。試料を乾燥キャビネット内に移し、80℃で保管した。
試料のフロー値を上述の方法によって決定した。フロー値の決定のために、スタッコ試料を0.64の水-石膏値(WGW)で純水と混合した。
試料の特性を表3に要約する。
Figure 0007007458000011
スタッコの著しい安定化を達成することができた。約75℃の保管容器内で3時間保管した後、140mm(新鮮なスタッコ)から360mm(安定化されたスタッコ)までのフロー値の増加を観察することができた。
保管容器内での大規模条件下における湿らせたスタッコの安定化は著しかった。乾燥キャビネット内で研究室条件下において安定化された小規模試料は、1時間の安定化後に360mmのフロー値を有した。24時間の保管後、研究室規模試料は、395mmのフロー値を有した。
安定化効果も著しく低下した試料の崩壊で観察することができた。新鮮なスタッコは2.24の崩壊を有したが、安定化処理後、崩壊度1.76に低下した。
実施例3:スタッコスラリーの調製
75℃の保管容器内で保管した後に実施例4で得た安定化されたスタッコを、工業生産ラインでのスタッコスラリーの調製に使用した。
安定化されたスタッコを水と混合し、液化剤を添加して、スタッコスラリーの粘度を調整した。スタッコスラリーの粘度が標準の大規模石膏プラスター生産ラインで使用したスタッコスラリーの粘度に相当するように、水および液化剤の量を調整した。
保管後、安定化されたスタッコを水と混合し、液化剤を添加した。生産した石膏プラスターボードは、12.4の厚さを有し、標準の生産条件で得た。
安定化されたスタッコスラリーについて得たデータを表4に要約する。比較のために、標準の石膏プラスター生産ラインについてのデータも表4に含める。
Figure 0007007458000012
標準の石膏プラスター生産ラインに使用した硬化時間およびスラリー稠度とほぼ同じ硬化時間およびスラリー稠度を達成するために、安定化されたスタッコを使用したスラリー中に含まれる水および液化剤の量を著しく減少させることができた。水-石膏値は、0.69(標準生産)から0.65(より高い温度でより長い時間にわたって修復されたスタッコを使用した場合)に低下し得る。
低い崩壊度は、修復によって達成されたより低い粒子崩壊度を反映する。より低い崩壊により、石膏プラスターボード生産等に使用した場合、スタッコの水需要量が低くなる。
実施例4:石膏プラスターボードの生産
実施例3で得たスタッコスラリーを、標準の生産ラインで12.5mmの厚さの石膏プラスターボードを生産するために使用した。石膏プラスターボードの特性を表5に要約する。比較のために、標準の生産ラインのパラメータも含める。石膏プラスターボードの重量、曲げ破壊荷重、および弾性率を、DIN 18180に従って決定した。SSL(表面縦(face side long))、RSQ(裏面横(rear side cross))という用語は、DIN 18180で詳細に説明されている。
Figure 0007007458000013
カードボード層の接着を、グレード1~5を割り当てる内部評価方法によって評価した。細長い切口を鋭いナイフでカードボードライナーに横方向に切り込みを入れ、その後、細長い切口の交差点で形成された1つの角部で引き裂くことによって、カードボードライナーを下位にある石膏層から引き剥がした。カードボードの石膏層への接着が非常に強いため、石膏層に接着している側面がしっかりと結合したままであり、かつカードボードライナーの上部が剥ぎ取られた状態で、カードボードライナーが細長く切られた場合に、グレード1を割り当てる。カードボード残留物が石膏層表面上に残らない状態で、カードボードライナーを石膏層から完全に剥ぎ取ることができた場合に、グレード5を割り当てる。顧客に販売するために、石膏プラスターボードには、この試験においてグレード1または2が割り当てられなければならない。
Figure 0007007458000014
安定化されたスタッコスラリーから作製された石膏コアのライナーへの接着は、標準の生産ラインで得られた石膏プラスターボードと同等であり、いずれもスタッコスラリーをライナー上に塗布した直後であるが、切断ステーション後および乾燥後であった。
乾燥機内で石膏ボードから蒸発させなければならない水の量を平均8%減少させることができた。ライナー上でのスラリーの均一分布に必要な液化剤の量も、従来の様式で使用したスタッコでのプラスターボード生産と比較して、73%減少させることができた。
再水和の評価のために、乾燥機後に採取した試料を室温の水中で24時間保管した。その後、吸収した水を蒸発させた。結晶水を上述のように決定した。決定した結晶水の量を100%再水和と見なし、再水和効率をそれから計算した。
修復度
本発明の方法によって達成された修復度をフロー値から決定した。以下のフロー値を決定した:
SS:安定化されたスタッコを24時間未満保管した後に決定されたフロー値、
ST:標準プロセスで処理したスタッコについて決定されたフロー値(試料を予混合装置後であり、強制エージングのための水の添加直後に採取した)、
80℃,24h:80℃の乾燥キャビネット内のスチーム密封容器内で24時間エージングしたスタッコ試料について決定されたフロー値(受け取った最大可能修復度と見なした)。
その後、修復度を以下の等式によって計算した:
Figure 0007007458000015
実測されたフロー値を表6に要約する。
Figure 0007007458000016
63%の修復度を決定した。
実施例5:スタッコの大規模安定化
さらなる大規模実験のために、実施例2での機器と同じ機器を使用した。スタッコ生産に使用した石膏は、採掘した石膏と煙道ガス脱硫から得た石膏との50:50(w/w)混合物であった。
スタッコの量は60トンであり、これを150分以内に処理した。新鮮なスタッコの温度は、85℃であった。水を1.5重量%の量で添加した。サイロ内での保管中のスタッコの温度は、75±5℃であった。保管後と水および液化剤の添加前のスタッコの温度は、65℃超であった。生産した石膏プラスターボードは、12.5mmの厚さを有した。
得たスタッコの特徴を表7に要約する。比較のために、高温でのエージングによるスタッコの安定化なしの標準の工業生産ラインで得たスタッコの特徴も含める。
Figure 0007007458000017
実施例6:スタッコスラリーの調製
実施例5でエージング後に得たスタッコをスタッコスラリーの調製に使用した。
細孔を発生させるために、市販の起泡剤を使用した。微細孔を発生させるために、安定した気泡用の起泡剤を使用した(実施例6.1および6.2)。石膏中により大きい細孔および細孔間のより広い隔壁を発生させるために、安定した気泡用の起泡剤を消泡剤と組み合わせて使用した。代替実施形態として、より大きい細孔を発生させるために、不安定な気泡用の市販の起泡剤を使用した(実施例6.4)。スタッコスラリーと接触すると、生じた小さい泡が崩壊し、それにより、より大きい泡を形成し、より大きい細孔を生じさせた。
スタッコスラリーのデータを表8に要約する。比較のために、標準の石膏プラスター生産のデータも含める。
Figure 0007007458000018
実施例7:水および起泡剤消費の低減
定義された密度のプラスターボードを生産するのに必要な起泡剤の量は、概して、使用するスタッコの品質(天然、合成、不純物の量および種類、焼成の種類、粒径等)によって異なる。これらのパラメータは日毎に変化し得るため、各実験において、試料を採取する直前に生産された「標準プラスターボード」を基準として試料採取した。同一の起泡剤を標準ボードおよび実験ボードの生産に使用した。標準ボードに使用した起泡剤の量と本実施例によるボードに使用した起泡剤の量との間の差をΔと指定し、タブを参照されたい。9.生産した全てのボード、標準ボード、ならびに実験ボードは、8.5kg/mの単位面積当たりの質量および1.25m×2m×12.5mmのサイズを有する。
スラリーを発生させるための水の量、ならびに液化剤の量は、標準生産と比較して、本発明によるスタッコで生産された全ての試料において同一の量だけ減少した。これらの減少は、それぞれの生産ラインでの生産に最適なフロー値を達成するのに必要であった。減少量が全ての試料で同一であったため、これについてはさらに詳述しない。
Figure 0007007458000019
表9中の値から、安定化のためのより長い保管時間により、標準ボードと同じ密度を有するが、著しく少ない量の起泡剤しか使用しなくてもよいボードの生産が可能になり、それにより、全体的な費用を著しく削減することが明らかになる。
実施例8:石膏プラスターボードの調製
実施例6.1~6.4で得たスタッコスラリーを、石膏プラスターボードの生産のための標準の工業生産ラインで使用した。得られた石膏プラスターボード特性を表10に要約する。石膏プラスターボードの重量、曲げ破壊荷重、および弾性率を、DIN 18180に従って決定した。ライナーの石膏層への接着を実施例4に記載されるように決定した。再水和を上述のように決定した。
Figure 0007007458000020
修復度
決定されたフロー値を表11に要約する。
Figure 0007007458000021
59%の修復度が決定された。
本発明に関連する発明の実施態様の一部を以下に示す。
[態様1]
スタッコを安定化するための方法であって、
- 新鮮なスタッコが提供され、
- 水が前記新鮮なスタッコに添加されて、湿らせたスタッコを得て、
- 前記湿らせたスタッコが、少なくとも30℃の温度で少なくとも30分の時間間隔にわたって維持されて、安定化されたスタッコを得る、方法。
[態様2]
前記安定化されたスタッコが、前記安定化されたスタッコの重量に基づいて0.2~5重量%、好ましくは0.5~1.5重量%の量の自由水分を含有するような量で、水が前記新鮮なスタッコに添加される、態様1に記載の方法。
[態様3]
前記水が蒸気形態で提供される、態様1または2に記載の方法。
[態様4]
前記新鮮なスタッコが室温で提供される、態様1~3のうちの一項に記載の方法。
[態様5]
前記新鮮なスタッコが、水の添加前に少なくとも30℃の温度に加熱される、態様1~4のうちの一項に記載の方法。
[態様6]
前記湿らせたスタッコが、少なくとも50%の相対湿度の雰囲気下で維持される、態様1~5のうちの一項に記載の方法。
[態様7]
前記湿らせたスタッコが、少なくとも40℃の温度で48時間未満の時間にわたって維持される、態様1~6のうちの一項に記載の方法。
[態様8]
前記安定化されたスタッコの粒径D 98 が、1mm未満に調整される、態様1~7のうちの一項に記載の方法。
[態様9]
前記安定化されたスタッコが粉砕される、態様1~8のうちの一項に記載の方法。
[態様10]
前記安定化されたスタッコが新鮮なスタッコと混合される、態様1~9のうちの一項に記載の方法。
[態様11]
石膏プラスターボードを生産するための方法であって、
- 態様1~10のいずれか一項に記載の方法によって得られた安定化されたスタッコを提供するステップと、
- 水を前記安定化されたスタッコに添加することによってスタッコスラリーを調製するステップと、
- 前記スタッコスラリーを形成して、石膏プラスターボードを得るステップと、を少なくとも含む、方法。
[態様12]
気泡が前記スタッコスラリーに添加される、態様11に記載の方法。
[態様13]
前記気泡が、不安定な気泡である、態様12に記載の方法。
[態様14]
前記気泡が、安定した気泡であり、消泡剤が前記スタッコスラリーに添加される、態様12に記載の方法。
[態様15]
建築ボード、ならびに石膏ブロック、スクリード、接合コンパウンド、仕上げコンパウンド、壁プラスター、成形プラスター、または任意の他の石膏ベースの製品の生産のための、態様1~14のうちの一項に従って生産された、安定化されたスタッコの使用。

Claims (12)

  1. スタッコを安定化するための方法であって、
    - 新鮮なスタッコが少なくとも50℃の温度で提供され、
    - 水が前記新鮮なスタッコに添加されて、湿らせたスタッコを得て、
    - 前記湿らせたスタッコが、少なくとも50℃かつ100℃未満の温度で少なくとも30分かつ24時間未満の時間間隔にわたって維持されて、安定化されたスタッコを得る、方法。
  2. 前記安定化されたスタッコが、前記安定化されたスタッコの重量に基づいて0.2~5重量%、好ましくは0.5~1.5重量%の量の自由水分を含有するような量で、水が前記新鮮なスタッコに添加される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記水が蒸気形態で提供される、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記湿らせたスタッコが、少なくとも50%の相対湿度の雰囲気下で維持される、請求項1~のうちの一項に記載の方法。
  5. 前記安定化されたスタッコの粒径D98が、1mm未満に調整される、請求項1~のうちの一項に記載の方法。
  6. 前記安定化されたスタッコが粉砕される、請求項1~のうちの一項に記載の方法。
  7. 前記安定化されたスタッコが新鮮なスタッコと混合される、請求項1~のうちの一項に記載の方法。
  8. 石膏プラスターボードを生産するための方法であって、
    - 請求項1~のいずれか一項に記載の方法によって得られた安定化されたスタッコを提供するステップと、
    - 水を前記安定化されたスタッコに添加することによってスタッコスラリーを調製するステップと、
    - 前記スタッコスラリーを形成して、石膏プラスターボードを得るステップと、を少なくとも含む、方法。
  9. 気泡が前記スタッコスラリーに添加される、請求項に記載の方法。
  10. 前記気泡が、不安定な気泡である、請求項に記載の方法。
  11. 前記気泡が、安定した気泡であり、消泡剤が前記スタッコスラリーに添加される、請求項に記載の方法。
  12. 建築ボード、ならびに石膏ブロック、スクリード、接合コンパウンド、仕上げコンパウンド、壁プラスター、成形プラスター、または任意の他の石膏ベースの製品の生産のための、請求項1~11のうちの一項に従って生産された、安定化されたスタッコの使用。
JP2020505796A 2017-08-04 2017-08-04 高温および高湿度レベルでのエージングによるスタッコ特性の改善 Active JP7007458B2 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/EP2017/000946 WO2019024971A1 (en) 2017-08-04 2017-08-04 ENHANCED STUC PROPERTIES BY AGING AT HIGH TEMPERATURES AND HIGH MOISTURE LEVEL

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020528868A JP2020528868A (ja) 2020-10-01
JP7007458B2 true JP7007458B2 (ja) 2022-01-24

Family

ID=59649649

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020505796A Active JP7007458B2 (ja) 2017-08-04 2017-08-04 高温および高湿度レベルでのエージングによるスタッコ特性の改善

Country Status (13)

Country Link
US (1) US20200385309A1 (ja)
EP (1) EP3661892A1 (ja)
JP (1) JP7007458B2 (ja)
KR (1) KR102408499B1 (ja)
CN (1) CN110891916A (ja)
AU (1) AU2017426099B2 (ja)
CA (1) CA3068076C (ja)
EA (1) EA202090376A1 (ja)
MX (1) MX2020001205A (ja)
MY (1) MY194825A (ja)
PH (1) PH12020500216A1 (ja)
UA (1) UA125149C2 (ja)
WO (1) WO2019024971A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20230002287A1 (en) * 2019-11-27 2023-01-05 Knauf Gips Kg Foamed Liquefiers in Gypsum Boards

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001294466A (ja) 2000-04-13 2001-10-23 Taiheiyo Cement Corp 水硬性組成物用混和剤及び水硬性組成物
JP2002249317A (ja) 2001-02-20 2002-09-06 Noritake Co Ltd 半水石膏の製造方法
JP2008162860A (ja) 2006-12-28 2008-07-17 Yoshino Gypsum Co Ltd 焼石膏及び石膏ボードの製造方法
JP2010513192A (ja) 2006-12-20 2010-04-30 ザ ニュージップ コーポレイション 硫酸カルシウム半水和物の処理方法
JP2010536696A5 (ja) 2008-08-05 2011-09-22
JP2015512857A (ja) 2012-03-30 2015-04-30 ユナイテッド・ステイツ・ジプサム・カンパニー ジエチレントリアミン五酢酸を使用してβ型スタッコを修飾する方法
JP2017501962A (ja) 2014-01-10 2017-01-19 サン−ゴバン プラコ エスエイエス 石膏焼成生成物の処理方法

Family Cites Families (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE553519C (de) * 1928-02-24 1932-06-27 Lambert Freres & Cie Soc Verfahren zum Behandeln von gebranntem Gips
US2177668A (en) * 1937-03-18 1939-10-31 Nat Gypsum Co Process of aging calcined gypsum
US3527447A (en) * 1968-12-23 1970-09-08 United States Gypsum Co Process for the preparation of calcined gypsum
US4117070A (en) 1977-03-14 1978-09-26 United States Gypsum Company Process for preparing calcined gypsum
US4201595A (en) * 1977-03-14 1980-05-06 United States Gypsum Company Process for preparing calcined gypsum and gypsum board
JPS60171261A (ja) * 1984-02-14 1985-09-04 太平洋セメント株式会社 不燃性石膏板の製造方法
JPS6241748A (ja) * 1985-08-13 1987-02-23 太平洋セメント株式会社 不燃性無機建材の製造方法
JPS6241747A (ja) * 1985-08-13 1987-02-23 太平洋セメント株式会社 不燃性石膏板の製造方法
DE4127930A1 (de) * 1991-08-23 1993-02-25 Bold Joerg Verfahren zur herstellung von faserverstaerkten gipsplatten
DE60307659T2 (de) * 2003-12-19 2007-10-04 Lafarge Platres Verfahren zum Stabilisieren eines gebrannten Halbhydratgipses
US8088218B2 (en) * 2005-06-14 2012-01-03 United States Gypsum Company Foamed slurry and building panel made therefrom
EP2896792A1 (en) * 2014-01-21 2015-07-22 Alstom Technology Ltd Mechanical fastening system for rotating or stationary components

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001294466A (ja) 2000-04-13 2001-10-23 Taiheiyo Cement Corp 水硬性組成物用混和剤及び水硬性組成物
JP2002249317A (ja) 2001-02-20 2002-09-06 Noritake Co Ltd 半水石膏の製造方法
JP2010513192A (ja) 2006-12-20 2010-04-30 ザ ニュージップ コーポレイション 硫酸カルシウム半水和物の処理方法
JP2008162860A (ja) 2006-12-28 2008-07-17 Yoshino Gypsum Co Ltd 焼石膏及び石膏ボードの製造方法
JP2010536696A5 (ja) 2008-08-05 2011-09-22
JP2015512857A (ja) 2012-03-30 2015-04-30 ユナイテッド・ステイツ・ジプサム・カンパニー ジエチレントリアミン五酢酸を使用してβ型スタッコを修飾する方法
JP2017501962A (ja) 2014-01-10 2017-01-19 サン−ゴバン プラコ エスエイエス 石膏焼成生成物の処理方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2020528868A (ja) 2020-10-01
AU2017426099A1 (en) 2020-02-20
CN110891916A (zh) 2020-03-17
UA125149C2 (uk) 2022-01-19
PH12020500216A1 (en) 2020-10-12
MX2020001205A (es) 2020-09-25
MY194825A (en) 2022-12-19
KR20200042465A (ko) 2020-04-23
WO2019024971A1 (en) 2019-02-07
EA202090376A1 (ru) 2020-07-31
CA3068076A1 (en) 2019-02-07
AU2017426099B2 (en) 2020-12-03
CA3068076C (en) 2021-11-02
EP3661892A1 (en) 2020-06-10
US20200385309A1 (en) 2020-12-10
KR102408499B1 (ko) 2022-06-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU717741B2 (en) Gypsum wood fiber product having improved water resistance
AU2007297815B2 (en) Process for manufacturing ultra low consistency alpha- and beta- blend stucco
CA2670738C (en) Calcium sulfate hemihydrate treatment process
JP6041232B2 (ja) ジエチレントリアミン五酢酸を使用してβ型スタッコを修飾する方法
RU2556097C2 (ru) Ускоритель схватывания для гидратации гипса
JP2011516379A (ja) 気泡コンクリートおよび発泡コンクリートを製造するための方法、ならびに前記方法を実施するためのシステム
JP6876173B2 (ja) 石膏焼成生成物の処理方法
JP7007458B2 (ja) 高温および高湿度レベルでのエージングによるスタッコ特性の改善
EP2858964B2 (en) Method for stabilizing beta-hemihydrate plaster and stabilized beta-hemihydrate plaster
EA044949B1 (ru) Улучшение свойств гипсового материала посредством старения при повышенных температурах и высоком уровне влажности
Severenkova et al. Investigation of physical and mechanical properties of mixed gypsum material for slip casting molds
RU2132310C1 (ru) Способ изготовления гипсовых изделий
WO2019014331A1 (en) MANUFACTURE OF A ONE-STEP CLIMATIC STABILIZATION ACCELERATOR AND GYPSUM FIBER COMPOSITE PANEL MADE THEREBY FROM THE CLIMATE STABILIZER ACCELERATOR
MXPA98006687A (en) Gypsum wood fiber product having improved water resistance

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200203

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210129

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210209

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20210507

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210603

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210831

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20211125

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20211207

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220106

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7007458

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150