JP7005437B2 - 内燃機関の制御システム - Google Patents

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Description

本発明は、排気ガス再循環(Exhaust Gas Recirculation:EGR)システムを有する内燃機関において、吸気マニホルド内に凝縮水が発生することを防止する、内燃機関の制御システムに関する。
例えば、内燃機関を搭載した車両には、燃焼温度を低下させて、排気ガス中の窒素酸化物の発生量を抑制する等の目的にて、排気ガス再循環システム(以下、EGRシステムと記載する)が搭載されている。EGRシステムは、内燃機関の排気経路内の排気ガスの一部を、内燃機関の吸気経路内に戻して吸気と混合させるものであり、排気ガス中の二酸化炭素と水蒸気を吸気に混合することで、燃焼温度を低下させるシステムである。なお、排気経路から吸気経路に排気ガスの一部を戻すEGR経路には、燃焼温度を低下させる効果をより大きくするためにEGR経路内の排気ガス(以下、EGRガスと記載する)の温度を低下させるEGRクーラが設けられる場合がある。またEGR経路には、酸素不足による不完全燃焼や黒煙の発生を防止するためにEGRガス量を調整するEGR弁が設けられている。
ところが、EGRガスは排気経路中の排気ガスの一部であるので、非常に高温であるとともに燃焼によって生成された多量の水蒸気を含んでいる。このEGRガスを吸気経路に戻した場合、吸気経路内に戻されたEGRガスは、自身よりも低温の吸気と混合されて温度が下げられて吸気マニホルド内に達する。つまり、非常に高温かつ多量の水蒸気を含んでいるEGRガスの温度が下げられることで、吸気マニホルド内で凝縮水が発生する可能性がある。吸気マニホルド内で発生した凝縮水が内燃機関のシリンダ内に吸引されると、シリンダ内に露出しているインジェクタ等の腐食につながる可能性があるので、吸気マニホルド内の凝縮水の発生の防止が望まれている。
例えば、特許文献1には、EGRシステムを有する内燃機関の制御装置において、吸気流路(吸気経路に相当)及び再循環流路(EGR経路に相当)の少なくとも一部において凝縮水の発生の可能性を判定している。そして制御装置は、凝縮水の発生の可能性を認知した場合、再循環流路を流れる排気ガス(EGRガスに相当)の少なくとも一部を、再循環流路に設けられるEGRクーラを通さずに(EGRクーラをバイパスさせて)吸気流路に流している。EGRクーラをバイパスしたEGRガスは、EGRクーラを通ったEGRガスよりも温度が高いので、吸気流路内のガス温度が上昇する。すなわち吸気流路内のガスの飽和水蒸気量が増加するので、凝縮水の発生を抑制することができる。
特開2017-223123号公報
特許文献1に記載の制御装置は、吸気流路及び再循環流路の少なくとも一部において凝縮水の発生の可能性を判定して、EGRガスを、EGRクーラを経由させるかEGRクーラをバイパスさせるか選定しているが、EGR量を調整するEGR弁の制御量を変更していない。従って、すべてのEGRガスを、EGRクーラをバイパスさせて吸気流路に流したとしても凝縮水が発生してしまうようなEGR弁の制御量であった場合には、凝縮水の発生を回避することができない。
本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、EGRシステムを有する内燃機関において、内燃機関のいかなる運転状態であっても、吸気マニホルド内に凝縮水が発生することを防止できる、内燃機関の制御システムを提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明の第1の発明は、EGRシステムを有する内燃機関において吸気マニホルド内に凝縮水が発生することを防止する、内燃機関の制御システムであって、排気経路から吸気経路に排気ガスの一部を戻すEGR経路を流れるEGRガスの流量であるEGRガス流量を調整するEGR弁と、内燃機関の運転状態に応じて求めた最終EGR率に基づいて前記EGR弁を制御する制御手段と、を有している。そして前記制御手段は、内燃機関の運転状態に応じて仮EGR率を求め、吸気管を介して吸気マニホルドに流入する空気である吸気の温度である吸気温度と、前記吸気の流量である吸気流量と、前記EGRガスの温度であるEGRガス温度と、前記仮EGR率と、内燃機関の運転状態とに基づいて、前記仮EGR率にて前記EGR弁を制御したと仮定した状態である仮EGR率仮定状態における前記吸気マニホルド内のガス温度である吸気マニホルド内ガス温度を推定し、推定した前記吸気マニホルド内ガス温度に基づいて、前記仮EGR率仮定状態における前記吸気マニホルド内の飽和水蒸気量である吸気マニホルド内飽和水蒸気量を推定し、前記吸気に含まれている水蒸気量と、前記EGRガスに含まれている水蒸気量と、前記吸気マニホルドからシリンダに吸引されるガスである吸引ガスに含まれている水蒸気量とに基づいて、前記仮EGR率仮定状態における前記吸気マニホルド内の水蒸気量である吸気マニホルド内水蒸気量を推定し、推定した前記吸気マニホルド内水蒸気量が、推定した前記吸気マニホルド内飽和水蒸気量以上である場合、前記仮EGR率にて前記EGR弁を制御した場合は凝縮水が発生すると予測する。そして、前記凝縮水が発生すると予測した場合、前記仮EGR率を変更したと仮定して、変更したと仮定した前記仮EGR率による前記仮EGR率仮定状態における前記吸気マニホルド内ガス温度と前記吸気マニホルド内飽和水蒸気量と前記吸気マニホルド内水蒸気量とを推定する凝縮水発生防止シミュレーションを、前記吸気マニホルド内水蒸気量が前記吸気マニホルド内飽和水蒸気量未満となるまで実行し、求めた前記仮EGR率を前記最終EGR率として前記EGR弁を制御する、内燃機関の制御システムである。
次に、本発明の第2の発明は、上記第1の発明に係る内燃機関の制御システムであって、前記制御手段は、前記吸気に含まれている水蒸気量は、前記吸気温度に対する飽和水蒸気量の水蒸気が含まれているものと仮定して、前記吸気マニホルド内水蒸気量を推定する、内燃機関の制御システムである。
次に、本発明の第3の発明は、上記第1の発明または第2の発明に係る内燃機関の制御システムであって、前記制御手段は、前記凝縮水発生防止シミュレーションでは、前記仮EGR率を所定減少量だけ減少させたと仮定して、減少させた前記仮EGR率に基づいて、前記吸気マニホルド内ガス温度と、前記吸気マニホルド内飽和水蒸気量と、前記吸気マニホルド内水蒸気量と、を新たに推定する減少シミュレーションを行い、新たに推定した前記吸気マニホルド内水蒸気量が、新たに推定した吸気マニホルド内飽和水蒸気量未満となるまで、前記減少シミュレーションを繰り返して前記仮EGR率を徐々に減少させていく、内燃機関の制御システムである。
次に、本発明の第4の発明は、上記第3の発明に係る内燃機関の制御システムであって、前記制御手段は、前記吸気マニホルド内飽和水蒸気量を求めた際、求めた吸気マニホルド内飽和水蒸気量よりも所定水蒸気量だけ低い下限水蒸気量を求め、前記凝縮水発生防止シミュレーションを実行して求めた前記吸気マニホルド内水蒸気量が、前記吸気マニホルド内飽和水蒸気量未満、かつ、前記下限水蒸気量以上、となるように、前記凝縮水発生防止シミュレーションを実行する、内燃機関の制御システムである。
次に、本発明の第5の発明は、上記第4の発明に係る内燃機関の制御システムであって、前記制御手段は、前記減少シミュレーションを実行した結果、前記吸気マニホルド内水蒸気量が、前記吸気マニホルド内飽和水蒸気量未満となったが前記下限水蒸気量未満となった場合、前記仮EGR率を前記所定減少量よりも小さい所定増加量だけ増加させたと仮定して、増加させた前記仮EGR率に基づいて、前記吸気マニホルド内ガス温度と、前記吸気マニホルド内飽和水蒸気量と、前記吸気マニホルド内水蒸気量と、を新たに推定する増加シミュレーションを行い、新たに推定した前記吸気マニホルド内水蒸気量が、新たに推定した吸気マニホルド内飽和水蒸気量未満、かつ、前記下限水蒸気量以上、となるまで、前記増加シミュレーションを繰り返して前記仮EGR率を徐々に増加させていく、内燃機関の制御システムである。
次に、本発明の第6の発明は、上記第1の発明~第5の発明のいずれか1つに係る内燃機関の制御システムであって、前記EGR経路は、当該EGR経路を流れる前記EGRガスを冷却するEGRクーラを経由させて前記EGRガスを前記吸気経路に戻すEGRクーラ経路と、前記EGRクーラをバイパスさせて前記EGRガスを前記吸気経路に戻すバイパス経路と、を有しており、前記EGRガスを前記EGRクーラ経路にて前記吸気経路に戻す設定と、前記EGRガスを前記バイパス経路にて前記吸気経路に戻す設定と、を切り替え可能な経路切替手段を有する。そして前記制御手段は、前記経路切替手段を前記EGRクーラ経路の側に設定したと仮定して、前記凝縮水発生防止シミュレーションを実行して求めた前記仮EGR率であるEGRクーラ経路仮EGR率と、前記経路切替手段を前記バイパス経路の側に設定して前記EGRガス温度が高くなったと仮定して、前記凝縮水発生防止シミュレーションを実行して求めた前記仮EGR率であるバイパス経路仮EGR率と、のいずれかを選定し、選定した側の設定に基づいて前記経路切替手段を制御し、選定した側の前記仮EGR率を前記最終EGR率として前記EGR弁を制御する、内燃機関の制御システムである。
次に、本発明の第7の発明は、上記第1の発明~第6の発明のいずれか1つに係る内燃機関の制御システムであって、前記制御手段は、前記凝縮水発生防止シミュレーションを実行した場合、前記凝縮水発生防止シミュレーションを実行する前に求めた前記仮EGR率と、前記凝縮水発生防止シミュレーションを実行して求めた前記仮EGR率と、の小さいほうの前記仮EGR率を前記最終EGR率として前記EGR弁を制御する、内燃機関の制御システムである。
吸気マニホルド内に凝縮水を発生させないためには、吸気マニホルド内の水蒸気量を、吸気マニホルド内の飽和水蒸気量未満とする必要がある。また、吸気マニホルド内の飽和水蒸気量は、吸気マニホルド内のガス温度で決まる。ところが、EGR率を変更してEGR弁の制御量を変更した場合、多量の水蒸気を含んだ高温のEGRガスの流量が変化するので、吸気マニホルド内の水蒸気量が変化するとともに、吸気マニホルド内のガス温度及び吸気マニホルド内の飽和水蒸気量も変化する。従って、吸気マニホルド内の水蒸気量を吸気マニホルド内の飽和水蒸気量未満とするEGR率は、単純な計算で求めることができない。
第1の発明によれば、まず最初に仮EGR率を求め(2回目以降は仮EGR率を変更し)、この仮EGR率にてEGR弁を制御したと仮定した仮EGR率仮定状態における、吸気マニホルド内ガス温度と、吸気マニホルド内飽和水蒸気量と、吸気マニホルド内水蒸気量とを推定する凝縮水発生防止シミュレーションを、吸気マニホルド内水蒸気量が吸気マニホルド内飽和水蒸気量未満となるまで実行し、求めた仮EGR率を最終EGR率としてEGR弁を制御する。つまり、吸気マニホルド内水蒸気量が吸気マニホルド内飽和水蒸気量未満となるような仮EGR率を直接的に算出することは非常に困難であるので、仮EGR率の値を仮にAと設定した場合、その場合に吸気マニホルド内水蒸気量が吸気マニホルド内飽和水蒸気量未満となるか否かシミュレーションする。これにより、EGRシステムを有する内燃機関において、内燃機関のいかなる運転状態であっても、吸気マニホルド内に凝縮水が発生することを防止できる。
第2の発明では、吸気に含まれている水蒸気量は、吸気温度に対する飽和水蒸気量が含まれていると仮定するので、吸気の湿度が100[%]であると仮定する。内燃機関の吸気の湿度は、内燃機関の周辺環境によって絶えず変化するが、湿度が100[%]を超えることはない。従って、湿度=100[%]と仮定することで、いかなる環境下であっても、吸気マニホルド内に凝縮水が発生することを防止できる。
EGR率を小さくすると、多量の水蒸気を含む高温のEGRガスの量が減少するので、吸気マニホルド内ガス温度が低下して吸気マニホルド内飽和水蒸気量が低下してしまうが、吸気マニホルド内飽和水蒸気量の低下量に対して、吸気マニホルド内水蒸気量が大きく減少する。そこで、第3の発明では、凝縮水発生防止シミュレーションの結果、吸気マニホルド内水蒸気量が吸気マニホルド内飽和水蒸気量以上の場合、仮EGR率を所定減少量だけ減少させたと仮定して、再度、凝縮水発生防止シミュレーションを行う。つまり、吸気マニホルド内水蒸気量が吸気マニホルド内飽和水蒸気量未満となるまで、仮EGR率を減少させた場合の凝縮水発生防止シミュレーションを繰り返す。これにより、吸気マニホルド内に凝縮水が発生することを防止できる仮EGR率を、適切に見つけることができる。
吸気マニホルド内での凝縮水の発生を防止するためには、吸気マニホルド内水蒸気量を吸気マニホルド内飽和水蒸気量未満とすることは必須である。さらに、吸気マニホルド内水蒸気量をできるだけ吸気マニホルド内飽和水蒸気量に近づけて吸気マニホルド内水蒸気量をできるだけ多くすると、燃焼温度を低下させる効果がより大きくなり、排気ガス中の窒素酸化物等の抑制に対して、より好ましい。第4の発明によれば、吸気マニホルド内での凝縮水の発生を防止と、排気ガス中の窒素酸化物等の抑制と、を両立させることができる。
第5の発明によれば、第3の発明にて仮EGR率を所定減少量だけ減少させた結果、吸気マニホルド内水蒸気量が目標下限水蒸気量未満となってしまう場合(仮EGR率を過剰に減少させてしまった場合)、吸気マニホルド内水蒸気量を、目標下限水蒸気量以上かつ吸気マニホルド内飽和水蒸気量未満、の量へと戻すことができる。従って、吸気マニホルド内での凝縮水の発生を防止と、排気ガス中の窒素酸化物等の抑制と、を適切に両立させることができる。
第6の発明によれば、EGRクーラ経路を設定した場合の凝縮水発生防止シミュレーションの結果の仮EGR率と、バイパス経路を設定した場合の凝縮水発生防止シミュレーションの結果の仮EGR率と、を求め、適切な側を選定する。例えば、大きな側の仮EGR率と経路を選定できるので、制御の自由度が増えて便利である。
第7の発明によれば、適切な仮EGR率を最終EGR率とするとともに、内燃機関のいかなる運転状態であっても、吸気マニホルド内に凝縮水が発生することを、適切に防止できる。
本発明の内燃機関の制御システムを有するシステム全体の概略構成の例を説明する図である。 図1に示す制御装置の入出力を説明する図である。 第1の実施の形態の制御システム例1において、吸気マニホルド内での凝縮水の発生を防止する考え方を説明する模式図である。 第1の実施の形態の制御システム例2において、吸気マニホルド内での凝縮水の発生を防止する考え方を説明する模式図である。 飽和水蒸気量特性の例を説明する図である。 第1の実施の形態における制御装置(制御手段)の処理手順を説明するフローチャートである。 図6のフローチャートにおける「SB100(凝縮水発生防止シミュレーション)」の処理の詳細を説明するフローチャートである。 図5に示す飽和水蒸気量特性に対して、図7のフローチャートの処理の結果、仮EGR率の値に応じて求められた吸気マニホルド内水蒸気量の変化の例を説明する図である。 第2の実施の形態の制御システム例において、吸気マニホルド内での凝縮水の発生を防止する考え方を説明する模式図である。 第2の実施の形態における制御装置(制御手段)の処理手順を説明するフローチャートである。 図10のフローチャートにおける「SB200(凝縮水発生防止シミュレーション)」の処理の詳細を説明するフローチャートである。
●[システム全体の概略構成の例(図1)と、制御装置50の入出力(図2)]
以下に本発明を実施するための形態を図面を用いて説明する。まず図1及び図2を用いて、内燃機関の制御システムを有するシステム全体の概略構成の例と、制御装置50の入出力について説明する。本実施の形態の説明では、内燃機関の例として、車両に搭載された内燃機関10(例えばディーゼルエンジン)を用いて説明する。
以下、システム全体について、吸気側から排気側に向かって順に説明する。吸気管11Aの流入側には、吸気流量検出手段21(例えば、吸気流量センサ)が設けられている。吸気流量検出手段21は、内燃機関10が吸入した空気の流量に応じた検出信号を制御装置50に出力する。また吸気流量検出手段21には、吸気温度検出手段28A(例えば、吸気温度センサ)が設けられている。吸気温度検出手段28Aは、吸気流量検出手段21を通過する吸気の温度に応じた検出信号を制御装置50に出力する。
吸気管11Aの流出側はコンプレッサ35の流入側に接続され、コンプレッサ35の流出側は吸気管11Bの流入側に接続されている。ターボ過給機30は、コンプレッサインペラ35Aを有するコンプレッサ35と、タービンインペラ36Aを有するタービン36とを備えている。コンプレッサインペラ35Aは、排気ガスによって回転駆動されるタービンインペラ36Aにて回転駆動され、吸気管11Aから流入された吸気を吸気管11Bに圧送することで過給する。
コンプレッサ35の上流側となる吸気管11Aには、コンプレッサ上流圧力検出手段24Aが設けられている。コンプレッサ上流圧力検出手段24Aは、例えば圧力センサであり、コンプレッサ35の上流側となる吸気管11A内の圧力に応じた検出信号を制御装置50に出力する。コンプレッサ35の下流側となる吸気管11B(吸気管11Bにおけるコンプレッサ35とインタークーラ16との間の位置)には、コンプレッサ下流圧力検出手段24Bが設けられている。コンプレッサ下流圧力検出手段24Bは、例えば圧力センサであり、コンプレッサ35の下流側となる吸気管11B内の圧力に応じた検出信号を制御装置50に出力する。
吸気管11Bには、上流側にインタークーラ16が配置され、インタークーラ16よりも下流側にスロットル装置47が配置されている。インタークーラ16は、コンプレッサ下流圧力検出手段24Bよりも下流側に配置されており、コンプレッサ35にて過給された吸気の温度を下げる。インタークーラ16とスロットル装置47との間には、吸気温度検出手段28B(例えば、吸気温度センサ)が設けられている。吸気温度検出手段28Bは、インタークーラ16にて温度が低下された吸気の温度に応じた検出信号を制御装置50に出力する。
スロットル装置47は、制御装置50からの制御信号に基づいて吸気管11Bの開度を調整するスロットルバルブを駆動し、吸気流量を調整可能である。制御装置50は、スロットル開度検出手段47S(例えば、スロットル開度センサ)からの検出信号と目標スロットル開度に基づいて、スロットル装置47に制御信号を出力して吸気管11Bに設けられたスロットルバルブの開度を調整可能である。制御装置50は、アクセルペダル踏込量検出手段25からの検出信号に基づいて検出したアクセルペダルの踏込量と内燃機関10の運転状態とに基づいて目標スロットル開度を求める。
アクセルペダル踏込量検出手段25は、例えばアクセルペダル踏込角度センサであり、アクセルペダルに設けられている。制御装置50は、アクセルペダル踏込量検出手段25からの検出信号に基づいて、運転者によるアクセルペダルの踏込量を検出することが可能である。
吸気管11Bにおけるスロットル装置47よりも下流側には、圧力検出手段24Cが設けられており、EGR配管13の流出側が接続されている。そして吸気管11Bの流出側は吸気マニホルド11Cの流入側に接続されており、吸気マニホルド11Cの流出側は内燃機関10の流入側に接続されている。圧力検出手段24Cは、例えば圧力センサであり、吸気マニホルド11Cに流入する直前の吸気の圧力に応じた検出信号を制御装置50に出力する。またEGR配管13の流出側(吸気管11Bとの接続部)からは、EGR配管13の流入側(排気管12Bとの接続部)から流入してきたEGRガスが、吸気管11B内に吐出される。なおEGR配管13にて形成されるEGRガスが流れる経路は、EGR経路に相当している。
内燃機関10は複数のシリンダ45A~45Dを有しており、インジェクタ43A~43Dが、それぞれのシリンダに設けられている。インジェクタ43A~43Dには、コモンレール41と燃料配管42A~42Dを介して燃料が供給されており、インジェクタ43A~43Dは、制御装置50からの制御信号によって駆動され、それぞれのシリンダ45A~45D内に燃料を噴射する。
内燃機関10には、回転検出手段22、クーラント温度検出手段28C等が設けられている。回転検出手段22は、例えば回転センサであり、内燃機関10のクランクシャフトの回転数(すなわち、エンジン回転数)に応じた検出信号を制御装置50に出力する。クーラント温度検出手段28Cは、例えば温度センサであり、内燃機関10内に循環されている冷却用クーラントの温度を検出し、検出した温度に応じた検出信号を制御装置50に出力する。
内燃機関10の排気側には排気マニホルド12Aの流入側が接続され、排気マニホルド12Aの流出側には排気管12Bの流入側が接続されている。排気管12Bの流出側はタービン36の流入側に接続され、タービン36の流出側は排気管12Cの流入側に接続されている。
排気管12Bには、EGR配管13の流入側が接続されている。EGR配管13は、排気管12Bと吸気管11Bとを連通し、排気管12B(排気経路に相当)の排気ガスの一部を吸気管11B(吸気経路に相当)に還流させることが可能である。またEGR配管13には、経路切替手段14A、バイパス配管13B、EGRクーラ15、EGR弁14Bが設けられている。なお、バイパス配管13Bにて形成される経路は、バイパス経路に相当している。
経路切替手段14Aは、排気管12BからEGR配管13へと流れてきたEGRガスを、EGRクーラ15を経由させて吸気経路に戻すEGRクーラ経路と、バイパス配管13BにてEGRクーラ15をバイパスさせて吸気経路に戻すバイパス経路とを、制御装置50からの制御信号に基づいて切り替える経路切替弁である。バイパス配管13Bは、EGRクーラ15をバイパスするように設けられており、流入側は経路切替手段14Aに接続され、流出側はEGR弁14BとEGRクーラ15の間となるEGR配管13に接続されている。
EGR弁14B(EGRバルブ)は、EGR配管13におけるEGRクーラ15の下流側、かつ、EGR配管13とバイパス配管13Bとの合流部の下流側、に設けられている。そしてEGR弁14Bは、制御装置50からの制御信号に基づいて、EGR配管13の開度を調整することで、EGR配管13内を流れるEGRガスの流量を調整する。
EGRクーラ15は、EGR配管13とバイパス配管13Bとの合流部と、経路切替手段14Aとの間となるEGR配管13に設けられている。EGRクーラ15は、いわゆる熱交換器であり、冷却用のクーラントが供給され、流入されたEGRガスを冷却して吐出する。
排気管12Bには、排気温度検出手段29が設けられている。排気温度検出手段29は、例えば排気温度センサであり、排気温度に応じた検出信号を制御装置50に出力する。制御装置50は、排気温度検出手段29を用いて検出した排気温度とEGR弁14Bの制御状態と内燃機関10の運転状態等に基づいて、EGR配管13及びEGRクーラ15(またはバイパス配管13B)及びEGR弁14Bを経由して吸気管11Bに流入されるEGRガスの温度を推定可能である。
排気管12Bの流出側はタービン36の流入側に接続され、タービン36の流出側は排気管12Cの流入側に接続されている。タービン36には、タービンインペラ36Aへ導く排気ガスの流速を制御可能な可変ノズル33が設けられており、可変ノズル33は、ノズル駆動手段31によって開度が調整される。制御装置50は、ノズル開度検出手段32(例えば、ノズル開度センサ)からの検出信号と目標ノズル開度に基づいて、ノズル駆動手段31に制御信号を出力して可変ノズル33の開度を調整可能である。
タービン36の上流側となる排気管12Bには、タービン上流圧力検出手段26Aが設けられている。タービン上流圧力検出手段26Aは、例えば圧力センサであり、タービン36の上流側となる排気管12B内の圧力に応じた検出信号を制御装置50に出力する。タービン36の下流側となる排気管12Cには、タービン下流圧力検出手段26Bが設けられている。タービン下流圧力検出手段26Bは、例えば圧力センサであり、タービン36の下流側となる排気管12C内の圧力に応じた検出信号を制御装置50に出力する。
排気管12Cの流出側には排気浄化装置61が接続されている。例えば内燃機関10がディーゼルエンジンの場合、排気浄化装置61には、酸化触媒、微粒子捕集フィルタ、選択式還元触媒等が含まれている。
制御装置50は、少なくとも、制御手段51(CPU)、記憶手段53を有している。制御装置50(制御手段51)は、図1及び図2に示す検出手段やアクチュエータに限定されず、上記の検出手段を含めた各種の検出手段からの検出信号に基づいて内燃機関10の運転状態を検出し、上記のインジェクタ43A~43DやEGR弁14B、経路切替手段14A、ノズル駆動手段31、スロットル装置47を含めた各種のアクチュエータを制御する。記憶手段53は、例えばFlash-ROM等の記憶装置であり、後述する処理を実行するためのプログラムやデータ等が記憶されている。
大気圧検出手段23は、例えば大気圧センサであり、制御装置50に設けられている。大気圧検出手段23は、制御装置50の周囲の大気圧に応じた検出信号を制御装置50に出力する。
車速検出手段27は、例えば車両速度検出センサであり、車両の車輪等に設けられている。車速検出手段27は、車両の車輪の回転速度に応じた検出信号を制御装置50に出力する。
●[第1の実施の形態(図3~図8)]
第1の実施の形態にて想定している制御システムは、図1に示す全体構成に対して図3に示すように経路切替手段14Aとバイパス配管13BとEGRクーラ15が省略されている制御システム、または、図1に示す全体構成に対して図4に示すように経路切替手段14Aとバイパス配管13Bが省略されている制御システム、である。
図3及び図4に示すように、吸気マニホルド11Cには、吸気管11A、11Bから吸気A1が流入し、EGR配管13からEGRガスA2が流入する。また吸気マニホルド11Cからはシリンダ45Aに吸引ガスA3が流出する。また、吸気マニホルド11C内における凝縮水の発生は、吸気マニホルド11C内の水蒸気量が、吸気マニホルド11C内の飽和水蒸気量を超えた際に発生する。
図3、図4において、吸気マニホルド11C内の水蒸気量は、吸気A1に含まれている水蒸気量+EGRガスA2に含まれている水蒸気量-吸引ガスA3に含まれている水蒸気量である。また、吸気マニホルド11C内の飽和水蒸気量は、図5に示す飽和水蒸気量特性f(t)と、吸気マニホルド11C内のガスの温度から求めることができる。なお、吸気マニホルド内のガスの温度及び水蒸気量が、図5に示す飽和水蒸気量特性f(t)の下側となる領域Raに有る場合では吸気マニホルド内に凝縮水は発生せず、飽和水蒸気量特性f(t)の上側となる領域Rbに有る場合では吸気マニホルド内に凝縮水が発生する。
吸気マニホルド内の飽和水蒸気量は吸気マニホルド内のガス温度で変化する。そして吸気マニホルド内のガス温度は種々の要因で変化するが、EGR弁14Bにて調整されるEGRガスの流量で大きく変化する。また吸気マニホルド内の水蒸気量は種々の要因で変化するが、EGR弁14Bにて調整されるEGRガスの流量で大きく変化する。またEGR弁14Bは、制御装置50にて算出したEGR率に基づいて制御される。従って、EGR率を変化させる(EGR弁の制御量を変化させる)と、吸気マニホルド内飽和水蒸気量が変化するとともに吸気マニホルド内水蒸気量も変化する。本実施の形態では、以下に説明するように、(仮)EGR率に基づいて制御されるEGR弁14Bにおいて、吸気マニホルド内の水蒸気量が、吸気マニホルド内の飽和水蒸気量を超えないようなEGR率を、凝縮水発生防止シミュレーションにて適切に求める。
●[制御手段51(制御装置50)の処理手順(図6、図7)]
以下、第1の実施の形態の処理手順である図6に示すフローチャートの各ステップの処理を、順に説明する。図6に示すフローチャートの処理は、所定タイミング(例えば数[ms]~数[10ms]等の所定時間間隔)で起動される。制御手段51(制御装置50)は、図6に示す処理が起動されると、ステップS010へと処理を進める。
ステップS010にて制御手段51は、各種の入力状態の取り込みを実施してステップS015に処理を進める。例えば制御手段51は、吸気流量検出手段21(図1参照)からの検出信号に基づいて求めた吸気流量を記憶し、吸気温度検出手段28A(図1参照)からの検出信号に基づいて求めた(吸気流量検出時)吸気温度を記憶し、吸気温度検出手段28B(図1参照)からの検出信号に基づいて求めた(インタークーラ後)吸気温度を記憶する。また制御手段51は、圧力検出手段24C(図1参照)からの検出信号に基づいて求めた吸気圧力を記憶し、排気温度検出手段29(図1参照)からの検出信号に基づいて求めた排気温度を記憶し、回転検出手段22(図1参照)からの検出信号に基づいて求めた回転数を記憶し、クーラント温度検出手段28C(図1参照)からの検出信号に基づいて求めたクーラント温度を記憶する。
ステップS015にて制御手段51は、内燃機関10の運転状態に応じた仮EGR率を算出し、仮EGR率を初回仮EGR率に記憶してステップS020に処理を進める。なお仮EGR率の算出では、既存の手順にて算出したEGR率を仮EGR率とすればよい。
ステップS020にて制御手段51は、図7に示すSB100の処理を実行し、その後、ステップS025に処理を進める。なおSB100の処理(凝縮水発生防止シミュレーション)の詳細については後述する。
ステップS025にて制御手段51は、初回仮EGR率が仮EGR率以上であるか否かを判定し、初回仮EGR率が仮EGR率以上である場合(Yes)はステップS030Aへ処理を進め、初回仮EGR率が仮EGR率未満である場合(No)はステップS030Bへ処理を進める。
ステップS030Aに処理を進めた場合、制御手段51は、仮EGR率を最終EGRに代入してステップS035に処理を進める。
ステップS030Bに処理を進めた場合、制御手段51は、初回仮EGR率を最終EGR率に代入してステップS035に処理を進める。
ステップS035に処理を進めた場合、制御手段51は、最終EGR率に基づいてEGR弁14Bを制御し、処理を終了する。
●[SB100(凝縮水発生防止シミュレーション)の処理手順(図7)]
次に図7に示すSB100の処理(凝縮水発生防止シミュレーション)の処理手順について説明する。吸気マニホルド内水蒸気量が吸気マニホルド内飽和水蒸気量未満となるような仮EGR率を直接的に算出することは非常に困難であるので、仮EGR率の値を仮にAと設定し、この仮EGR率にてEGR弁を制御したと仮定した仮EGR率仮定状態において、吸気マニホルド内水蒸気量が吸気マニホルド内飽和水蒸気量未満となるか否かシミュレーションする。SB100の処理にて制御手段51は、ステップSB110に処理を進める。なお、実際にEGR弁を制御するのは図6におけるステップS035であるので、このSB100の処理で仮EGR率をどのような値に変更しても、実際の吸気マニホルド内で凝縮水が発生するわけではない。
SB110にて制御手段51は、仮EGR率に基づいて、吸気マニホルド内ガス温度を推定してステップSB115に処理を進める。例えば制御手段51は、回転数と仮EGR率と吸気流量等に基づいてEGRガス流量を推定し、EGRガス流量と排気温度とEGRクーラの有無等に基づいて吸気管に流入するEGRガス温度を推定する。そして制御手段51は、EGRガス流量とEGRガス温度、吸気流量と(インタークーラ後)吸気温度、回転数とクーラント温度等の内燃機関の運転状態を用いて以下の(式1)~(式4)の考え方に基づいて吸気マニホルド内ガス温度を推定する。なお、図3に示すシステムの場合では、EGRクーラが無いことを想定したEGRガス温度を推定して、吸気マニホルド内ガス温度を推定する。また、図4に示すシステムの場合では、EGRクーラが有ることを想定したEGRガス温度を推定して、吸気マニホルド内ガス温度を推定する。
吸気マニホルド内ガス温度=[(入口エネルギ-)-(放熱エネルギー)]/ガス流量 (式1)
入口エネルギー=(インタークーラ後)吸気温度*吸気流量+EGRガス温度*EGRガス流量 (式2)
放熱エネルギー=(入口ガス温度-吸気管壁温)*ガス流量 (式3)
吸気管壁温=入口ガス温度、クーラント温度、(インタークーラ後)吸気温度、(吸気流量検出時)吸気温度等を用いた補正式等より算出 (式4)
ステップSB115にて制御手段51は、ステップSB110にて求めた吸気マニホルド内ガス温度と、図5に示す飽和水蒸気量特性f(t)とに基づいて、吸気マニホルド内飽和水蒸気量を推定し、ステップSB120へ処理を進める。仮EGR率に応じて吸気マニホルド内ガス温度が変化するので、仮EGR率に応じて吸気マニホルド内飽和水蒸気量も変化する。
ステップSB120にて制御手段51は、仮EGR率に基づいて、吸気マニホルド内水蒸気量を推定してステップSB125に処理を進める。吸気マニホルド内水蒸気量は、図3及び図4において、[吸気A1に含まれている水蒸気量]+[EGRガスA2に含まれている水蒸気量]-[吸引ガスA3に含まれている水蒸気量]である。制御手段51は、吸気A1に含まれている水蒸気量を求める際、例えば、吸気A1の吸気流量と、吸気A1の(吸気流量検出時)吸気温度と、吸気A1の湿度と、から求める。なお、吸気A1の湿度=100[%]と仮定して吸気A1には飽和水蒸気量の水蒸気が含まれている、と仮定することで、湿度が刻々と変化するような環境下でも(いかなる環境下でも)、吸気A1に含まれている水蒸気量を、考え得る最大の水蒸気量とすることができるので、より好ましい。また制御手段51は、EGRガスA2に含まれている水蒸気量を求める際、例えば、シリンダ内での燃焼によって生成される水蒸気量と、吸気A1に含まれていた水蒸気量と、仮EGR率から求めたEGRガス流量等から求める。また制御手段51は、吸引ガスA3に含まれている水蒸気量を求める際、例えば、吸気A1に含まれている水蒸気量と、EGRガスA2に含まれている水蒸気量と、回転数等から求める。
[減少シミュレーション]
ステップSB125にて制御手段51は、ステップSB120にて求めた吸気マニホルド内水蒸気量が、ステップSB115にて求めた吸気マニホルド内飽和水蒸気量未満であるか否かを判定し、吸気マニホルド内水蒸気量が吸気マニホルド内飽和水蒸気量未満である場合(Yes)はステップSB130に処理を進め、吸気マニホルド内水蒸気量が吸気マニホルド内飽和水蒸気量以上である場合(No)はステップSB125Aへ処理を進める。
ステップSB125Aに処理を進めた場合、制御手段51は、この仮EGR率の場合では吸気マニホルド内に凝縮水が発生すると予測し、仮EGR率を所定減少量だけ減少させてステップSB110に処理を戻し、再度、凝縮水発生防止シミュレーション(この場合、減少シミュレーション)を行う。この減少シミュレーションが繰り返された場合、仮EGR率は徐々に減少されていく。例えば図8の例にて、1回目の凝縮水発生シミュレーションの結果の吸気マニホルド内ガス温度と吸気マニホルド内水蒸気量がP1の位置であった場合、仮EGR率を所定減少量だけ減少させて、2回目の凝縮水発生防止シミュレーションを行う。2回目の凝縮水発生シミュレーションの結果の吸気マニホルド内ガス温度と吸気マニホルド内水蒸気量がP2の位置であった場合、再度、仮EGR率を所定減少量だけ減少させて、3回目の凝縮水発生防止シミュレーションを行う。3回目の凝縮水発生シミュレーションの結果の吸気マニホルド内ガス温度と吸気マニホルド内水蒸気量がP3の位置であった場合、ステップSB130に処理を進める。なお所定減少量は、種々の実験やシミュレーション等にて適切な値が選定されている。また所定減少量を、吸気マニホルド内水蒸気量と吸気マニホルド内飽和水蒸気量との偏差に応じて変更するようにしてもよい。
[増加シミュレーション]
ステップSB130に処理を進めた場合、制御手段51は、吸気マニホルド内飽和水蒸気量から所定水蒸気量を減少させた下限水蒸気量を求め、ステップSB135に処理を進める。なお図8に、飽和水蒸気量特性を実線のf(t)にて示し、下限水蒸気量特性を一点鎖線のg(t)にて示す。
ステップSB135にて制御手段51は、吸気マニホルド内水蒸気量が下限水蒸気量以上であるか否かを判定し、吸気マニホルド水蒸気量が下限水蒸気量以上である場合(Yes)は処理を終了してリターンする(図6のステップS025に進む)。また制御手段51は、吸気マニホルド内水蒸気量が下限水蒸気量未満である場合(No)はステップSB135Aに処理を進める。
ステップSB135Aに処理を進めた場合、制御手段51は、この仮EGR率の場合では吸気マニホルド内に凝縮水が発生は防止できるが、仮EGR率を過剰に減少させていると予測し、仮EGR率を所定増加量だけ増加させてステップSB110に処理を戻し、再度、凝縮水発生防止シミュレーション(この場合、増加シミュレーション)を行う。この増加シミュレーションが繰り返された場合、仮EGR率は徐々に増加されていく。なお、ステップSB135Aにおける所定増加量は、ステップSB125Aにおける所定減少量よりも小さい値に設定されている。つまり、仮EGR率を減少させる際は比較的大きく減少させて、凝縮水が発生しない仮EGR率を早期に見つけ、見つけた仮EGR率が過剰に減少させた状態の場合、仮EGR率を少しだけ戻してみる。例えば図8の例にて、3回目の凝縮水発生シミュレーションの結果の吸気マニホルド内ガス温度と吸気マニホルド内水蒸気量がP3の位置であった場合、ステップSB135Aの処理にて仮EGR率を所定増加量だけ増加させて、4回目の凝縮水発生防止シミュレーションを行う。4回目の凝縮水発生シミュレーションの結果の吸気マニホルド内ガス温度と吸気マニホルド内水蒸気量がP4の位置であった場合、処理を終了してリターンする。なお所定増加量は、種々の実験やシミュレーション等にて適切な値が選定されている。また所定増加量を、吸気マニホルド内水蒸気量と吸気マニホルド内飽和水蒸気量との偏差に応じて変更するようにしてもよい。
なお図8に示すように、初回仮EGR率による吸気マニホルド内ガス温度と吸気マニホルド内水蒸気量がPa1の位置であった場合、凝縮水発生防止シミュレーションを実行した結果、仮EGR率が増加されて吸気マニホルド内ガス温度と吸気マニホルド内水蒸気量がPa2の位置となる場合がある。このような場合、図6に示すステップS025~S035にて、Pa1の位置となる初回仮EGR率を最終EGR率に設定してEGR弁を制御する。つまり、凝縮水発生防止シミュレーションを実行する前に求めた仮EGR率(初回仮EGR率)と、凝縮水発生防止シミュレーションを実行後の仮EGR率と、の小さなほうを最終EGR率に設定して、当該最終EGR率にてEGR弁を制御する。
以上に説明したとおり、第1の実施の形態では、内燃機関のいかなる運転状態であっても、吸気マニホルド内水蒸気量を吸気マニホルド内飽和水蒸気量未満とすることができるので、吸気マニホルド内に凝縮水が発生することを適切に防止できる。
●[第2の実施の形態(図9~図11)]
第2の実施の形態は、図3及び図4に示す第1の実施の形態に対して、図9に示すように、EGR配管13に、経路切替手段14Aとバイパス配管13BとEGRクーラ15が配置されている点が異なる。つまり第2の実施の形態では、EGRガスを、EGRクーラの側に流すか、バイパス配管の側に流すか、選択可能である。吸気マニホルド内の凝縮水の発生を防止するには吸気マニホルド内ガス温度をできるだけ上昇させて吸気マニホルド内飽和水蒸気量をできるだけ大きくすることが好ましい。つまり、凝縮水の発生の防止という観点のみで考えれば、できるだけ高温のEGRガスを吸気経路に戻すことが好ましいので、EGRクーラ15は無いほうが好ましい。しかし、EGRガスは排気ガスの一部であるので非常に高温であり、EGR弁14Bには許容最大温度が有る。EGRガス温度がEGR弁14Bの許容最大温度を超える状況下では、EGRクーラ15を通過させてEGRガスの温度を低下させなければならない。
●[制御手段51(制御装置50)の処理手順(図10、図11)]
以下、第2の実施の形態の処理手順である図10に示すフローチャートの各ステップの処理を、順に説明する。図10に示すフローチャートの処理は、所定タイミング(例えば数[ms]~数[10ms]等の所定時間間隔)で起動される。制御手段51(制御装置50)は、図10に示す処理が起動されると、ステップS210へと処理を進める。
ステップS210にて制御手段51は、第1の実施の形態の場合と同様に、各種の入力状態の取り込みを実施してステップS215に処理を進める。各種の入力状態の取り込み処理の内容は、第1の実施の形態(図6のステップS010)と同様であるので説明を省略する。
ステップS215にて制御手段51は、経路切替手段14AをEGRクーラ経路の側に設定したと仮定して、仮経路にEGRクーラ経路を仮設定し、内燃機関10の運転状態に応じた仮EGR率を算出して仮EGR率を初回仮EGR率に記憶してステップS220に処理を進める。なお仮EGR率の算出では、既存の手順にて算出したEGR率を仮EGR率とすればよい。
ステップS220にて制御手段51は、図11に示すSB200の処理を実行し、その後、ステップS225に処理を進める。なおSB200の処理(凝縮水発生防止シミュレーション)の詳細については後述する。
ステップS225にて制御手段51は、初回仮EGR率が仮EGR率以上であるか否かを判定し、初回仮EGR率が仮EGR率以上である場合(Yes)はステップS230Aへ処理を進め、初回仮EGR率が仮EGR率未満である場合(No)はステップS230Bへ処理を進める。
ステップS230Aに処理を進めた場合、制御手段51は、仮EGR率をEGRクーラ経路仮EGR率に代入してステップS315に処理を進める。
ステップS230Bに処理を進めた場合、制御手段51は、初回仮EGR率をEGRクーラ経路仮EGR率に代入してステップS315に処理を進める。
ステップS315に処理を進めた場合、制御手段51は、経路切替手段14Aをバイパス経路の側に設定したと仮定して、仮経路にバイパス経路を仮設定し、内燃機関10の運転状態に応じた仮EGR率を算出して仮EGR率を初回仮EGR率に記憶してステップS320に処理を進める。なお仮EGR率の算出では、既存の手順にて算出したEGR率を仮EGR率とすればよい。
ステップS320にて制御手段51は、図11に示すSB200の処理を実行し、その後、ステップS325に処理を進める。なおSB200の処理(凝縮水発生防止シミュレーション)の詳細については後述する。
ステップS325にて制御手段51は、初回仮EGR率が仮EGR率以上であるか否かを判定し、初回仮EGR率が仮EGR率以上である場合(Yes)はステップS330Aへ処理を進め、初回仮EGR率が仮EGR率未満である場合(No)はステップS330Bへ処理を進める。
ステップS330Aに処理を進めた場合、制御手段51は、仮EGR率をバイパス経路仮EGR率に代入してステップS415に処理を進める。
ステップS330Bに処理を進めた場合、制御手段51は、初回仮EGR率をバイパス経路仮EGR率に代入してステップS415に処理を進める。
ステップS415に処理を進めた場合、制御手段51は、経路切替手段14Aをバイパス経路の側に設定したと仮定して、仮経路にバイパス経路を仮設定し、バイパス経路仮EGR率等に基づいて、EGRガス温度であるバイパス経路EGRガス温度を推定する。また制御手段51は、バイパス経路仮EGR率等に基づいて、EGR弁許容最大温度を推定し、ステップS420に処理を進める。例えばEGR弁許容最大温度は、EGRガス温度とEGRガス流量によって変化するので、バイパス経路仮EGR率の値に応じて変化する。
ステップS420にて制御手段51は、バイパス経路EGRガス温度がEGR弁許容最大温度未満であるか否かを判定し、バイパス経路EGRガス温度がEGR弁許容最大温度未満である場合(Yes)はステップS425に処理を進め、バイパス経路EGRガス温度がEGR弁許容最大温度以上である場合(No)はステップS430Bへ処理を進める。
ステップS425に処理を進めた場合、制御手段51は、バイパス経路仮EGR率がEGRクーラ経路仮EGR率以上であるか否かを判定し、バイパス経路仮EGR率がEGRクーラ経路仮EGR率以上である場合(Yes)はステップS430Aへ処理を進め、バイパス経路仮EGR率がEGRクーラ経路仮EGR率未満である場合(No)はステップS430Bへ処理を進める。
ステップS430Aへ処理を進めた場合、制御手段51は、バイパス経路を切替弁設定に代入し、バイパス経路仮EGR率を最終EGR率に代入し、ステップS445へ処理を進める。
ステップS430Bへ処理を進めた場合、制御手段51は、EGRクーラ経路を切替弁設定に代入し、EGRクーラ経路仮EGR率を最終EGR率に代入し、ステップS445へ処理を進める。
ステップS445に処理を進めた場合、制御手段51は、切替弁設定に基づいて経路切替手段14Aを制御し、最終EGR率に基づいてEGR弁14Bを制御して処理を終了する。
●[SB200(凝縮水発生防止シミュレーション)の処理手順(図11)]
次に図11に示すSB200の処理(凝縮水発生防止シミュレーション)の処理手順について説明する。経路切替手段をEGRクーラ経路の側とするか、バイパス経路の側とするか、によってEGRガス温度が異なるので、それぞれの経路にて、仮EGR率にてEGR弁を制御したと仮定した仮EGR率仮定状態における、吸気マニホルド内ガス温度、吸気マニホルド内飽和水蒸気量、吸気マニホルド内水蒸気量を求める点が、第1の実施の形態とは異なる。SB200の処理にて制御手段51は、ステップSB205に処理を進める。なお、実際にEGR弁を制御するのは図10におけるステップS445であるので、このSB200の処理で仮EGR率をどのような値に変更しても、実際の吸気マニホルド内で凝縮水が発生するわけではない。
ステップSB205にて制御手段51は、仮経路にEGRクーラ経路が設定されているか否かを判定し、EGRクーラ経路が設定されている場合(Yes)はステップSB210に処理を進め、EGRクーラ経路が設定されていない場合(No)はステップSB310に処理を進める。
[仮経路=EGRクーラ経路の場合]
ステップSB210に処理を進めた場合、制御手段51は、経路切替手段14AがEGRクーラ経路の側に設定されていると仮定して、仮EGR率に基づいて、第1の実施の形態の場合と同様に、吸気マニホルド内ガス温度を推定してステップSB215に処理を進める。
ステップSB215にて制御手段51は、経路切替手段14AがEGRクーラ経路の側に設定されていると仮定して、ステップSB210にて求めた吸気マニホルド内ガス温度と、図5に示す飽和水蒸気量特性f(t)とに基づいて、第1の実施の形態の場合と同様に、吸気マニホルド内飽和水蒸気量を推定し、ステップSB220へ処理を進める。仮EGR率に応じて吸気マニホルド内ガス温度が変化するので、仮EGR率に応じて吸気マニホルド内飽和水蒸気量も変化する。
ステップSB220にて制御手段51は、経路切替手段14AがEGRクーラ経路の側に設定されていると仮定して、仮EGR率に基づいて、第1の実施の形態の場合と同様に、吸気マニホルド内水蒸気量を推定してステップSB225に処理を進める。吸気マニホルド内水蒸気量は、図9において、[吸気A1に含まれている水蒸気量]+[EGRガスA2に含まれている水蒸気量]-[吸引ガスA3に含まれている水蒸気量]である、という点は第1の実施の形態と同じである。また、図9における吸気A1の湿度=100[%]と仮定して吸気A1には飽和水蒸気量の水蒸気が含まれている、と仮定することで、湿度が刻々と変化するような環境下でも(いかなる環境下でも)、吸気A1に含まれている水蒸気量を、考え得る最大の水蒸気量とすることができるので、より好ましい点も、第1の実施の形態と同じである。
[仮経路=バイパス経路の場合]
ステップSB310に処理を進めた場合、制御手段51は、経路切替手段14Aがバイパス経路の側に設定されていると仮定して、仮EGR率に基づいて、第1の実施の形態の場合と同様に、吸気マニホルド内ガス温度を推定してステップSB315に処理を進める。ステップSB310にて推定された吸気マニホルド内ガス温度は、ステップSB210にて推定された吸気マニホルド内ガス温度よりも高い温度となる。
ステップSB315にて制御手段51は、経路切替手段14Aがバイパス経路の側に設定されていると仮定して、ステップSB310にて求めた吸気マニホルド内ガス温度と、図5に示す飽和水蒸気量特性f(t)とに基づいて、第1の実施の形態の場合と同様に、吸気マニホルド内飽和水蒸気量を推定し、ステップSB320へ処理を進める。仮EGR率に応じて吸気マニホルド内ガス温度が変化するので、仮EGR率に応じて吸気マニホルド内飽和水蒸気量も変化する。ステップSB315にて推定された吸気マニホルド内飽和水蒸気量は、ステップSB215にて推定された吸気マニホルド内飽和水蒸気量よりも大きい値となる。
ステップSB320にて制御手段51は、経路切替手段14Aがバイパス経路の側に設定されていると仮定して、仮EGR率に基づいて、第1の実施の形態の場合と同様に、吸気マニホルド内水蒸気量を推定してステップSB225に処理を進める。吸気マニホルド内水蒸気量は、図9において、[吸気A1に含まれている水蒸気量]+[EGRガスA2に含まれている水蒸気量]-[吸引ガスA3に含まれている水蒸気量]である、という点は第1の実施の形態と同じである。また、図9における吸気A1の湿度=100[%]と仮定して吸気A1には飽和水蒸気量の水蒸気が含まれている、と仮定することで、湿度が刻々と変化するような環境下でも(いかなる環境下でも)、吸気A1に含まれている水蒸気量を、考え得る最大の水蒸気量とすることができるので、より好ましい点も、第1の実施の形態と同じである。
[減少シミュレーション]
ステップSB225にて制御手段51は、吸気マニホルド内水蒸気量が吸気マニホルド内飽和水蒸気量未満であるか否かを判定し、吸気マニホルド内水蒸気量が吸気マニホルド内飽和水蒸気量未満である場合(Yes)はステップSB230に処理を進め、吸気マニホルド内水蒸気量が吸気マニホルド内飽和水蒸気量以上である場合(No)はステップSB225Aへ処理を進める。
ステップSB225Aに処理を進めた場合、制御手段51は、この仮EGR率の場合では吸気マニホルド内に凝縮水が発生すると予測し、仮EGR率を所定減少量だけ減少させてステップSB205に処理を戻し、再度、凝縮水発生防止シミュレーション(この場合、減少シミュレーション)を行う。
[増加シミュレーション]
ステップSB230に処理を進めた場合、制御手段51は、吸気マニホルド内飽和水蒸気量から所定水蒸気量を減少させた下限水蒸気量を求め、ステップSB235に処理を進める。
ステップSB235にて制御手段51は、吸気マニホルド内水蒸気量が下限水蒸気量以上であるか否かを判定し、吸気マニホルド水蒸気量が下限水蒸気量以上である場合(Yes)は処理を終了してリターンする。また制御手段51は、吸気マニホルド内水蒸気量が下限水蒸気量未満である場合(No)はステップS235Aに処理を進める。
ステップSB235Aに処理を進めた場合、制御手段51は、この仮EGR率の場合では吸気マニホルド内に凝縮水が発生は防止できるが、仮EGR率を過剰に減少させていると予測し、仮EGR率を所定増加量だけ増加させてステップSB205に処理を戻し、再度、凝縮水発生防止シミュレーション(この場合、増加シミュレーション)を行う。なお、ステップSB235Aにおける所定増加量は、ステップSB225Aにおける所定減少量よりも小さい値に設定されている。
以上に説明したとおり、第2の実施の形態では、EGRクーラを経由させてEGRガス温度を低下させた場合と、EGRクーラをバイパスさせてEGRガス温度を低下させなかった場合と、のそれぞれにて凝縮水発生防止シミュレーションを行い、適切なほうを選定して実際の経路切替手段14Aと実際のEGR弁14Bを制御する。従って、EGRガスを用いた排気浄化の効果をより大きくしつつ、内燃機関のいかなる運転状態であっても、吸気マニホルド内に凝縮水が発生することを防止できる。
本発明の内燃機関の制御システムは、本実施の形態で説明した構成、構造、処理手順、動作等に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更、追加、削除が可能である。例えばターボ過給機30が省略されていてもよい。
また、本発明の内燃機関の制御システムは、図1の例に示すものに限定されず、種々の内燃機関に適用することが可能である。
また、本実施の形態の説明に用いた数値は一例であり、この数値に限定されるものではない。また、以上(≧)、以下(≦)、より大きい(>)、未満(<)等は、等号を含んでも含まなくてもよい。
10 内燃機関
11A、11B 吸気管
11C 吸気マニホルド
12A 排気マニホルド
12B、12C 排気管
13 EGR配管
13B バイパス配管
14A 経路切替手段
14B EGR弁
15 EGRクーラ
21 吸気流量検出手段
22 回転検出手段
23 大気圧検出手段
24A コンプレッサ上流圧力検出手段
24B コンプレッサ下流圧力検出手段
24C 圧力検出手段
25 アクセルペダル踏込量検出手段
26A タービン上流圧力検出手段
26B タービン下流圧力検出手段
27 車速検出手段
28A、28B 吸気温度検出手段
28C クーラント温度検出手段
29 排気温度検出手段
30 ターボ過給機
31 ノズル駆動手段
32 ノズル開度検出手段
33 可変ノズル
35 コンプレッサ
35A コンプレッサインペラ
36 タービン
36A タービンインペラ
41 コモンレール
43A~43D インジェクタ
45A~45D シリンダ
47 スロットル装置
47S スロットル開度検出手段
50 制御装置
51 制御手段
53 記憶手段
61 排気浄化装置

Claims (7)

  1. EGRシステムを有する内燃機関において吸気マニホルド内に凝縮水が発生することを防止する、内燃機関の制御システムであって、
    排気経路から吸気経路に排気ガスの一部を戻すEGR経路を流れるEGRガスの流量であるEGRガス流量を調整するEGR弁と、
    内燃機関の運転状態に応じて求めた最終EGR率に基づいて前記EGR弁を制御する制御手段と、
    を有し、
    前記制御手段は、
    内燃機関の運転状態に応じて仮EGR率を求め、
    吸気管を介して吸気マニホルドに流入する空気である吸気の温度である吸気温度と、前記吸気の流量である吸気流量と、前記EGRガスの温度であるEGRガス温度と、前記仮EGR率と、内燃機関の運転状態とに基づいて、前記仮EGR率にて前記EGR弁を制御したと仮定した状態である仮EGR率仮定状態における前記吸気マニホルド内のガス温度である吸気マニホルド内ガス温度を推定し、
    推定した前記吸気マニホルド内ガス温度に基づいて、前記仮EGR率仮定状態における前記吸気マニホルド内の飽和水蒸気量である吸気マニホルド内飽和水蒸気量を推定し、
    前記吸気に含まれている水蒸気量と、前記EGRガスに含まれている水蒸気量と、前記吸気マニホルドからシリンダに吸引されるガスである吸引ガスに含まれている水蒸気量とに基づいて、前記仮EGR率仮定状態における前記吸気マニホルド内の水蒸気量である吸気マニホルド内水蒸気量を推定し、
    推定した前記吸気マニホルド内水蒸気量が、推定した前記吸気マニホルド内飽和水蒸気量以上である場合、前記仮EGR率にて前記EGR弁を制御した場合は凝縮水が発生すると予測し、
    前記凝縮水が発生すると予測した場合、
    前記仮EGR率を変更したと仮定して、変更したと仮定した前記仮EGR率による前記仮EGR率仮定状態における前記吸気マニホルド内ガス温度と前記吸気マニホルド内飽和水蒸気量と前記吸気マニホルド内水蒸気量とを推定する凝縮水発生防止シミュレーションを、前記吸気マニホルド内水蒸気量が前記吸気マニホルド内飽和水蒸気量未満となるまで実行し、
    求めた前記仮EGR率を前記最終EGR率として前記EGR弁を制御する、
    内燃機関の制御システム。
  2. 請求項1に記載の内燃機関の制御システムであって、
    前記制御手段は、
    前記吸気に含まれている水蒸気量は、前記吸気温度に対する飽和水蒸気量の水蒸気が含まれているものと仮定して、前記吸気マニホルド内水蒸気量を推定する、
    内燃機関の制御システム。
  3. 請求項1または2に記載の内燃機関の制御システムであって、
    前記制御手段は、
    前記凝縮水発生防止シミュレーションでは、
    前記仮EGR率を所定減少量だけ減少させたと仮定して、減少させた前記仮EGR率に基づいて、前記吸気マニホルド内ガス温度と、前記吸気マニホルド内飽和水蒸気量と、前記吸気マニホルド内水蒸気量と、を新たに推定する減少シミュレーションを行い、
    新たに推定した前記吸気マニホルド内水蒸気量が、新たに推定した吸気マニホルド内飽和水蒸気量未満となるまで、前記減少シミュレーションを繰り返して前記仮EGR率を徐々に減少させていく、
    内燃機関の制御システム。
  4. 請求項3に記載の内燃機関の制御システムであって、
    前記制御手段は、
    前記吸気マニホルド内飽和水蒸気量を求めた際、求めた吸気マニホルド内飽和水蒸気量よりも所定水蒸気量だけ低い下限水蒸気量を求め、
    前記凝縮水発生防止シミュレーションを実行して求めた前記吸気マニホルド内水蒸気量が、前記吸気マニホルド内飽和水蒸気量未満、かつ、前記下限水蒸気量以上、となるように、前記凝縮水発生防止シミュレーションを実行する、
    内燃機関の制御システム。
  5. 請求項4に記載の内燃機関の制御システムであって、
    前記制御手段は、
    前記減少シミュレーションを実行した結果、前記吸気マニホルド内水蒸気量が、前記吸気マニホルド内飽和水蒸気量未満となったが前記下限水蒸気量未満となった場合、
    前記仮EGR率を前記所定減少量よりも小さい所定増加量だけ増加させたと仮定して、増加させた前記仮EGR率に基づいて、前記吸気マニホルド内ガス温度と、前記吸気マニホルド内飽和水蒸気量と、前記吸気マニホルド内水蒸気量と、を新たに推定する増加シミュレーションを行い、
    新たに推定した前記吸気マニホルド内水蒸気量が、新たに推定した吸気マニホルド内飽和水蒸気量未満、かつ、前記下限水蒸気量以上、となるまで、前記増加シミュレーションを繰り返して前記仮EGR率を徐々に増加させていく、
    内燃機関の制御システム。
  6. 請求項1~5のいずれか一項に記載の内燃機関の制御システムであって、
    前記EGR経路は、当該EGR経路を流れる前記EGRガスを冷却するEGRクーラを経由させて前記EGRガスを前記吸気経路に戻すEGRクーラ経路と、前記EGRクーラをバイパスさせて前記EGRガスを前記吸気経路に戻すバイパス経路と、を有しており、
    前記EGRガスを前記EGRクーラ経路にて前記吸気経路に戻す設定と、前記EGRガスを前記バイパス経路にて前記吸気経路に戻す設定と、を切り替え可能な経路切替手段を有し、
    前記制御手段は、
    前記経路切替手段を前記EGRクーラ経路の側に設定したと仮定して、前記凝縮水発生防止シミュレーションを実行して求めた前記仮EGR率であるEGRクーラ経路仮EGR率と、
    前記経路切替手段を前記バイパス経路の側に設定して前記EGRガス温度が高くなったと仮定して、前記凝縮水発生防止シミュレーションを実行して求めた前記仮EGR率であるバイパス経路仮EGR率と、
    のいずれかを選定し、
    選定した側の設定に基づいて前記経路切替手段を制御し、選定した側の前記仮EGR率を前記最終EGR率として前記EGR弁を制御する、
    内燃機関の制御システム。
  7. 請求項1~6のいずれか一項に記載の内燃機関の制御システムであって、
    前記制御手段は、
    前記凝縮水発生防止シミュレーションを実行した場合、
    前記凝縮水発生防止シミュレーションを実行する前に求めた前記仮EGR率と、
    前記凝縮水発生防止シミュレーションを実行して求めた前記仮EGR率と、
    の小さいほうの前記仮EGR率を前記最終EGR率として前記EGR弁を制御する、
    内燃機関の制御システム。
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