JP7005258B2 - シートコイル、変圧器 - Google Patents

シートコイル、変圧器 Download PDF

Info

Publication number
JP7005258B2
JP7005258B2 JP2017193527A JP2017193527A JP7005258B2 JP 7005258 B2 JP7005258 B2 JP 7005258B2 JP 2017193527 A JP2017193527 A JP 2017193527A JP 2017193527 A JP2017193527 A JP 2017193527A JP 7005258 B2 JP7005258 B2 JP 7005258B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
conductor
peripheral side
sheet
outer peripheral
coil
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017193527A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019067977A (ja
Inventor
英二 霜村
広 塩田
博 後藤
圭史 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Industrial Products and Systems Corp
Original Assignee
Toshiba Industrial Products and Systems Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Industrial Products and Systems Corp filed Critical Toshiba Industrial Products and Systems Corp
Priority to JP2017193527A priority Critical patent/JP7005258B2/ja
Publication of JP2019067977A publication Critical patent/JP2019067977A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7005258B2 publication Critical patent/JP7005258B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Coils Of Transformers For General Uses (AREA)

Description

本発明の実施形態は、シート状導体を巻回して形成されるシートコイル、変圧器に関する。
従来、変圧器用のコイルを形成する導体中に発生する渦電流損を低減するために、内周側と外周側とを入れ替え、導体の漏洩磁束との鎖交量を均一化することで循環電流を抑制するいわゆる転位を採用することがある。
しかし、例えば特許文献1に記載されているようなシート状導体でコイルを形成するものにおいては、導体の断面積自体が比較的小さいことから、単位導体当たりの漏洩磁束の鎖交量も少なくなるため転位が採用されることはなかった。
実開平2-4224号公報
ところで、高周波通電を行う場合、例えば1mm厚のシート状導体の場合、厚みの半分程度の領域にしか実際に電流が流れないため、シート状導体をより薄くすることが必要になる。そして、比較的薄いシート状導体を用いる場合、温度上昇を抑制するためには電流密度を例えば1mm厚のシート状導体と同程度にする必要があり、複数枚を並列に配置することが必要になる。
しかしながら、比較的薄いシート状導体を並列に接続して厚みを確保した場合には、転位をしなければ電流分布にそれほどの改善が見られず、むしろ抵抗損失が増加する傾向にあることが新たに判明した。その一方で、シート状導体の場合、比較的幅があることから転位させることが難しく、容易に製造できるようにすることも求められている。
そこで、シート状導体を用いる場合において、抵抗損失の増加を抑制することができ、且つ、容易に製造することができるシートコイル、変圧器を提供する。
実施形態のシートコイルは、並列に配置した2枚のシート状導体を巻回して形成されるシートコイルであって、それぞれのシート状導体を、1ターン中における内周側に配置される部位の長さと外周側に配置される部位の長さとが等しくなるように内周側と外周側とで入れ替えるとともに、内周側と外周側とを入れ替える転位位置をメインギャップから1ターン目に設けた。
第1実施形態の変圧器を模式的に示す図 シート状導体の転位位置と抵抗損失との関係を示す図 第1の態様のシート状導体を模式的に示す図 シート状導体をはめ合わせた状態を模式的に示す図 シートコイル内の導体の配置を模式的に示す図 第2の態様のシート状導体の転位の態様を模式的に示す図 第3の態様のシート状導体の転位の態様を模式的に示す図 第4の態様のシート状導体の転位の態様を模式的に示す図その1 シート状導体の転位の態様を模式的に示す図その2 第5の態様のシート状導体の転位の態様を模式的に示す図その1 シート状導体の転位の態様を模式的に示す図その2 第2実施形態による転位の態様を模式的に示す図 第3実施形態のシート状導体を模式的に示す図 シート状導体の転位の態様を模式的に示す図その1 シート状導体の転位の態様を模式的に示す図その2 シート状導体の転位の態様を模式的に示す図その3 第4実施形態のシート状導体を模式的に示す図 シート状導体の転位の態様を模式的に示す図その1 シート状導体の転位の態様を模式的に示す図その2 シート状導体の転位の態様を模式的に示す図その3 シート状導体の転位の態様を模式的に示す図その4 シート状導体の転位の態様を模式的に示す図その5 シート状導体の転位の態様を模式的に示す図その6 シート状導体の転位の態様を模式的に示す図その7
以下、複数の実施形態について図面を参照しながら説明する。
(第1実施形態)
以下、第1実施形態について説明する。第1実施形態では、2枚のシート状導体を用いる際の複数の転位のさせ方について説明する。
まず、図1および図2を参照しながら、各態様における共通事項について説明する。図1に示すように、例えば変圧器1は、環状に形成された鉄心2にコイルを設けることで形成されている。図1の場合、鉄心2には、それぞれの脚部に、シートコイルとしての内周側コイル3と外周側コイル4とが設けられている。
各コイルは、巻き始め位置や巻き終わり位置あるいは中間位置に引き出し線3a、引き出し線4aが設けられており、例えば内周側コイル3が一次側、外周側コイル4が二次側となることで変圧機能を実現している。また、各コイルは、厚みが1mm未満のもの、例えば厚みが0.25mm~0.5mm程度のシート状に形成されたシート状導体を所定ターン数巻回することにより形成されている。
このようなシートコイルは、シート状導体の断面積が比較的小さいことから、単位導体当たりの漏洩磁束の鎖交量も少なくなるため、従来では転位が採用されることはなかった。その一方で、高周波通電を行う場合には、例えば1mm厚のシート状導体であっても厚みの半分程度しか電流が流れないことから、シート状導体をより薄くすることが必要になる。そして、シート状導体を薄くした場合には、温度上昇を抑制するために、電流密度を例えば1mm厚のものと同程度にする必要があり、複数枚を並列に配置する必要がある。
しかし、比較的薄いシート状導体を用いる場合には、並列に接続して厚みを確保したとしても、転位をしなければ電流分布にそれほどの改善が見られず、むしろ転位無しの場合には抵抗損失が増加する傾向にあることが判明した。このとき、転位をした場合には、シート状導体の厚みが薄くなるほど抵抗損失が期待通りに低下する傾向にあることも判明した。
さらに、シート状導体を複数回巻回する場合には、内周側と外周側とを入れ替える転位位置9(図5参照)を何ターン目にするかによって、抵抗損失が変化することも判明した。具体的には、図2に示すように、シート状導体を転位させた場合と転位させない場合とにおける抵抗損失の増加割合は、例えば巻回数が4ターンの場合、メインギャップ11(図5参照)から1ターン目において転移させた場合の増加比率が最も小さく、メインギャップ11(図5参照)からのターン数が増加するごとに、抵抗損失の増加割合が増加することが判明した。
メインギャップ11は内周側コイル3と外周側コイル4との間に形成される隙間であることから、この図2から明らかなように、内周側コイル3であれば、最も外周側コイル4側となるターンにおいて転位すれば最も高い効果を得ることができ、外周側コイル4であれば、最も内周側コイル3側となるターンにおいて転位すれば最も高い効果を得ることができることを意味している。
このように、シート状導体を複数回巻回する場合には、必ずしも全てのターンにおいて転位させなくても、最もメインギャップ11側となるターンにおいて転位させることにより、抵抗損失の増加を十分に抑制することができることが判明した。
そこで、本実施形態では、以下に示すように、例えば内周側コイル3および外周側コイル4のように少なくとも2つのコイルを同心状に配置したシートコイルにおいて、シート状導体を各種の態様で転位させることにより、容易に製造可能としつつ、抵抗損失の増加を抑制している。
<第1の態様>
以下、第1の態様について図3から図5を参照しながら説明する。
本態様では、2枚のシート状導体によりシートコイルを形成する。以下、図3に示すように、2枚のシート状導体のうち一方を第一導体5と称し、他方を第二導体6と称する。
これら第一導体5および第二導体6は、長さ(W1)、幅(W2)で概ね同一形状となるように形成されている。以下、各導体の長さ方向を長手方向、幅方向を短手方向と称し、短手方向における図示上方側の端部を便宜的に短手側の上端と称し、短手方向の図示下方側の端部を便宜的に短手側の下端と称し、図示手前側を便宜的に表面側と称し、図示奥側を便宜的に裏面側と称する。
第一導体5および第二導体6は、絶縁処理が施されている。絶縁処理は、並列に隣り合う導体間に絶縁部材を配置したり、少なくとも一方の導体に絶縁被覆を設けたり、少なくとも一方の導体の表面を加工して接触抵抗を増加させたり、それらを組み合わせたりすること等により施すことができる。
第一導体5および第二導体6には、それぞれスリット7が設けられている。このスリット7は、長手方向に所定の幅(W3)を有し、各導体の上端側または下端側に開口する形状に形成されている。具体的には、第一導体5は、図示左端側のスリット7は端手側の下端に開口しており、それに隣接するスリット7は端手側の上端に開口している。
また、第二導体6は、図示左端側のスリット7は端手側の上端に開口しており、それに隣接するスリット7は端手側の下端に開口している。なお、第一導体5を短手方向に裏返せば第二導体6となるため、実質的には、1種類の同一形状のシート状導体を2枚用いることで第一導体5と第二導体6とを用意することができる。
各スリット7は、切り込みの幅(W4)が、導体の幅(W1)の半分を超える長さであって、且つ、導体の幅(W1)を超えない長さに形成されている。本態様では、スリット7の切り込み幅(W4)は、導体の幅(W1)の半分を若干超える長さに形成されている。
また、各導体には、スリット7の位置に対応して、スリット7の開口側とは逆側の部位、すなわち、スリット7が形成されていない側であってシート状導体が連続している連続部に、概ね各導体と同じ厚みを有する補助導体8が設けられている。補助導体8は、長手方向において、スリット7の幅(W3)よりも長い幅(W5)となるように形成されている。この補助導体8は、第一導体5や第二導体6と同一の材料で形成されており、それぞれの部位において冷間圧接やロウ付け等により第一導体5または第二導体6導体と電気的に接続されている。
つまり、補助導体8は、スリット7を形成したことによって各導体の幅(W2)の半分程度となった連続部の断面積を、スリット7が形成されていない部位と同程度まで増加させている。これにより、補助導体8側にも十分に電流が流れるようになり、電流経路を確保することができる。
これら第一導体5および第二導体6は、厚み方向に並列に配置した状態で共に巻回されることにより、シートコイルを形成する。このとき、第一導体5および第二導体6は、互いのスリット7がはめ合わされ、スリット7の位置で内周側と外周側とが入れ替わるように巻回される。以下、内周側と外周側とが入れ替わる位置を転位位置9と称する。
具体的には、図4に示すように、並列に配置された第一導体5および第二導体6は、転位位置9よりも図示左方側において例えば第二導体6が図示手前側に位置しているとすると、転位位置9よりも図示右方側では第二導体6が図示奥方側に位置するように、互いのスリット7がはめ合わされる。
そして、環状コイル10は、例えば巻き始めとなる0Tから1巻き目である1Tまでの1ターン分の範囲において、0Tから1.5Tまでは第二導体6が内周側、第一導体5が外周側に位置して巻回されており、1.5Tの位置において転位されて、第一導体5が内周側、第二導体6が外周側に位置するようになる。
すなわち、第一導体5および第二導体6は、1Tから2Tまでの1ターン中における内周側に配置される部位の長さと外周側に配置される部位の長さとが等しくなるように内周側と外周側とで入れ替えられるとともに、内周側と外周側とを入れ替える転位位置9が、メインギャップ11側から1ターン目に設けられている。
これにより、環状コイル10内の1巻きごとに転位されることで、抵抗損失を抑制することができるとともに、転位位置9を最も高い効果を得ることができる1箇所に設けているので、製造を容易に行うことができる。すなわち、製造の簡略化と抵抗損失の増加の抑制とを両立させることができる。また、比較的薄い第一導体5および第二導体6を用いているものの、それらを並列に配置することで電流密度を増加させることができ高周波通電を行う変圧器1にも適用することができる。
また、全長(W1)が等しく形成されている第一導体5と第二導体6とをスリット7をはめ合わせることで転位させているため、内周側との外周側との直列抵抗が等しくなり、電流の流れのバランスが取れたシートコイルを簡便且つ効率的に製造することができる。
また、第一導体5および第二導体6は、内周側と外周側とで入れ替える転位位置9に対応して短手方向に互いに逆向きのスリット7が形成されており、当該スリット7同士をはめ合うことで内周側と外周側とで入れ替えられている。これにより、第一導体5と第二導体6とをはめ合わせた際、短手方向にずれてしまうこと、つまりは、環状コイル10を形成した際に各導体が外れてしまうことを防止できる。
また、第一導体5および第二導体6は、一方を裏返せば他方となることから、同一形状つまりは1種類のシート状導体でシートコイルを形成することができ、製造効率の改善や部材管理の簡素化を図ることができる。
また、スリット7が形成されていない側の連続部に、長手方向において少なくともスリット7の幅(W3)よりも長く形成され、シート状導体に電気的に接続される補助導体8を設けている。これにより、スリット7に対応する位置における断面積が増加し、電流の経路を妨げないことから、特性の悪化を抑制することができる。
本態様ではスリット7を互い違いとなる短手側に形成したが、スリット7は、同一の短手側に開口するように形成することもできる。また、その場合も、同一形状のシート状導体を用いてシートコイルを形成することができる。
<第2の態様>
以下、第2の態様について図6を参照しながら説明する。本態様は、2枚のシート状導体を一括で折り曲げて転位させるものである。
図6に示すように、2枚のシート状導体のうち一方を第一導体5と称し、他方を第二導体6と称する。なお、説明の簡略化のために、第二導体6には便宜的にハッチングを付している。また、各導体の長さ方向を長手方向、幅方向を短手方向と称し、短手方向における図示上方側の端部を便宜的に短手側の上端と称し、短手方向の図示下方側の端部を便宜的に短手側の下端と称し、図示手前側を便宜的に表面側と称し、図示奥側を便宜的に裏面側と称する。
第一導体5および第二導体6は、全長および幅がほぼ概ね同じとなる形状に形成されている。これら第一導体5および第二導体6は、少なくとも一方の表面に絶縁処理が施されている。絶縁処理は、並列に隣り合う導体間に絶縁部材を配置したり、絶縁被覆を設けたり、表面を加工して接触抵抗を増加させたり、それらを組み合わせたりすること等により施すことができる。
さて、第一導体5および第二導体6は、互いに対向した状態のまま一括で折り曲げることにより、内周側と外周側とを入れ替えて転位している。このとき、第一導体5および第二導体6は、最もメインギャップ側となるターンにおいて一括で折り曲げられている。より具体的には、第一導体5および第二導体6は、基本的には長手方向に並列に配置されており、例えば図示左端側において第一導体5が奥側、第二導体6が手前側となるように並列で配置されているとする。
このとき、各導体は、転位位置9において、第一導体5が図示手前側となるように短手方向に向けて一括で折り曲げられた後、短手側の上端の位置において図示手前側に向けて一括で折り曲げられ、その後、第一導体5が図示手前側となった状態で第一導体5および第二導体6が並列に配置された状態となるように、長手方向に向けて一括で折り曲げられている。
これにより、転位位置9において、第一導体5と第二導体6とが入れ替えられている。このとき、転位位置9の前後において互いの導体は並列に配置されている。そして、この第一導体5および第二導体6を巻回することにより、シートコイル内は、図5に示したようにメインギャップ11側のターン中で転位された状態となる。これにより、抵抗損失を抑制することができる。
また、実施形態では最もメインギャップ11側のターンのみで第一導体5と第二導体6とを入れ替えて転位させているので、全てのターンで転位させるものと比べて、転位に要する作業工数を削減することができる。したがって、製造の簡略化と抵抗損失の増加の抑制とを両立させることができる。
このとき、作業工数を削減する効果は、ターン数が多くなるほど顕著になる。そのため、大型のものや高出力型のコイルに適用することができる。勿論、シート状導体を転位させることで1ターン中における内周側に配置される部位の長さと外周側に配置される部位の長さとが等しくなり、特性が悪化するおそれを低減することができる。
<第3の態様>
以下、第3の態様について図7を参照しながら説明する。本態様は、2枚のシート状導体のうち一方のシート状導体を折り曲げて転位させるものである。
図7に示すように、2枚のシート状導体のうち一方を第一導体5と称し、他方を第二導体6と称する。なお、図7では、説明の簡略化のため、第二導体6に便宜的なハッチングを付している。また、各導体の長さ方向を長手方向、幅方向を短手方向と称し、短手方向における図示上方側の端部を便宜的に短手側の上端と称し、短手方向の図示下方側の端部を便宜的に短手側の下端と称し、図示手前側を便宜的に表面側と称し、図示奥側を便宜的に裏面側と称する。
これら第一導体5および第二導体6は、概ね同じ幅の形状に形成されている。また、第一導体5および第二導体6は、絶縁処理が施されている。絶縁処理は、並列に隣り合う導体間に絶縁部材を配置したり、少なくとも一方の導体に絶縁被覆を設けたり、少なくとも一方の導体の表面を加工して接触抵抗を増加させたり、それらを組み合わせたりすること等により施すことができる。
本態様では、ある転位位置9において、2枚のシート状導体のうち一方ここでは第一導体5を折り曲げることなく、他方ここでは第二導体6を第一導体5の短手側の端部を経由して折り曲げることで、内周側と外周側とを入れ替えて転位している。このとき、転位位置9の前後において互いの導体は並列に配置されている。なお、図7では第一導体5の上端を経由して折り曲げているが、第一導体5の下端を経由して折り曲げることもできる。
これにより、シート状導体自体には加工を施す必要なく、2枚のシート状導体を転位させることができ、抵抗損失を抑制することができる。1ターン中における内周側に配置される部位の長さと外周側に配置される部位の長さとが等しくなり、特性が悪化するおそれを低減することができる。
また、比較的厚めのシート状導体を用いる場合、2枚を重ねて折り曲げると導体が破断するおそれがあるものの、本態様のように一方のシート状導体を折り曲げて転位させることにより、破断するおそれを低減することができる。
<第4の態様>
以下、第4の態様について図8および図9を参照しながら説明する。本態様では、2枚のシート状導体のうち一方のシート状導体を2分割することで転位させる2種類の態様について説明する。
[態様その1]
図8に示すように、2枚のシート状導体のうち一方を第一導体5と称し、他方を第二導体6と称する。なお、図8では、説明の簡略化のため、第二導体6に便宜的なハッチングを付している。また、各導体の長さ方向を長手方向、幅方向を短手方向と称し、短手方向における図示上方側の端部を便宜的に短手側の上端と称し、短手方向の図示下方側の端部を便宜的に短手側の下端と称して説明する。
第一導体5および第二導体6は、絶縁処理が施されている。絶縁処理は、並列に隣り合う導体間に絶縁部材を配置したり、少なくとも一方の導体に絶縁被覆を設けたり、少なくとも一方の導体の表面を加工して接触抵抗を増加させたり、それらを組み合わせたりすること等により施すことができる。
これら第一導体5および第二導体6は、比較的幅広に形成されているとともに、第二導体6は、短手方向において2分割されている。以下、第二導体6を構成する分割されている部位を、便宜的に第二導体6A、第二導体6Bと称する。なお、第二導体6Aおよび第二導体6Bは、第二導体6を切断して形成する必要は必ずしもなく、第二導体6のほぼ半分の幅の個別のシート状導体を2枚用いることもできる。
第二導体6Aおよび第二導体6Bは、例えば第一導体5の裏面側において、第一導体5の短手方向に並んだ状態で、長手方向に沿って第一導体5と並列で配置されている。そして、第一導体5の裏面側に配置されている第二導体6Aおよび第二導体6Bは、ある転位位置9において、第一導体5のそれぞれ別の短手側の端部、つまりは、第一導体5の上端と下端とをそれぞれ経由して折り曲げられた後、第一導体5の表面において長手方向に沿って第一導体5と並列となるように配置されることで転位されている。
つまり、本態様では、一方のシート状導体である第一導体5を折り曲げることなく、他方のシート状導体である第二導体6を短手方向に2分割したものであり、分割された部位である第二導体6Aおよび第二導体6Bは、第一導体5の長手方向に沿ってそれぞれ配置されているとともに、第一導体5のそれぞれ別の短手側の端部を経由して折り曲げることで、内周側と外周側とが入れ替えて転位している。
また、1ターン中における内周側に配置される部位の長さと外周側に配置される部位の長さとが概ね等しくなる。
これにより、シート状導体を用いる場合であっても抵抗損失を抑制することができるとともに、特性が悪化するおそれを低減することができる。また、シート状導体自体には加工を施す必要なく、2枚のシート状導体を転位させることができるため、製造の簡略化および効率化を図ることができる。
[態様その2]
第一導体5および第二導体6は、他の配置とすることができる。具体的には、図9に示すように、第二導体6Aおよび第二導体6Bを、第一導体5の表面側と裏面側とにおいて、第一導体5の短手方向に互い違いとなる位置に、長手方向に沿って第一導体5と並列で配置することができる。
この場合、第二導体6Aおよび第二導体6Bは、ある転位位置9において、自身に近い側の短手側の端部、つまりは、第二導体6Aであれば第一導体5の上端、第二導体6Bであれば第一導体5の下端を経由して折り曲げられた後、第一導体5の表面において長手方向に沿って第一導体5と並列となるように配置されている。つまり、転位位置9の前後において互いの導体は並列に配置されている。
このような構成によっても、抵抗損失を抑制することができるとともに、特性が悪化するおそれを低減することができ、さらには、シート状導体自体には加工を施す必要なく、2枚のシート状導体を転位させることができるため製造の簡略化および効率化を図ることができる等の効果を得ることができる。
<第5の態様>
以下、第5の態様について図10を参照しながら説明する。本態様では、2枚のシート状導体をそれぞれ2分割することで転位させる2種類の態様について説明する。
[態様その1]
図10に示すように、2枚のシート状導体のうち一方を第一導体5と称し、他方を第二導体6と称する。なお、図8では、説明の簡略化のため、第二導体6に便宜的なハッチングを付している。また、各導体の長さ方向を長手方向、幅方向を短手方向と称し、短手方向における図示上方側の端部を便宜的に短手側の上端と称し、短手方向の図示下方側の端部を便宜的に短手側の下端と称して説明する。
第一導体5および第二導体6は、絶縁処理が施されている。絶縁処理は、並列に隣り合う導体間に絶縁部材を配置したり、少なくとも一方の導体に絶縁被覆を設けたり、少なくとも一方の導体の表面を加工して接触抵抗を増加させたり、それらを組み合わせたりすること等により施すことができる。
これら第一導体5および第二導体6は、比較的幅広に形成されているとともに、短手方向において2分割されている。以下、第一導体5を構成する分割されている部位を、便宜的に第一導体5A、第一導体5Bと称し、第二導体6を構成する分割されている部位を、便宜的に第二導体6A、第二導体6Bと称する。
なお、第一導体5A、第一導体5B、第二導体6Aおよび第二導体6Bは、第一導体5あるいは第二導体6を切断して形成する必要は必ずしもなく、ほぼ半分の幅の個別のシート状導体を用いることもできる。本実施形態では、必要とされる幅の半分の幅に形成された同一種類の4枚のシート状導体を用いて、第一導体5A、第一導体5B、第二導体6Aおよび第二導体6Bをそれぞれ構成している。
第一導体5Aおよび第二導体6Aは、長手方向に沿って並列で配置されている。また、第一導体5Bおよび第二導体6Bも、長手方向に沿って並列で配置されている。そして、第一導体5の裏面側に配置されている第二導体6Aおよび第二導体6Bは、ある転位位置9において、第一導体5A、第一導体5Bの短手側の端部、例えば、第一導体5Aの上端と第一導体5Bの下端とをそれぞれ経由して折り曲げられた後、第一導体5Aおよび第一導体5Bの表面側において長手方向に沿って第一導体5と並列となるように配置されることで転位されている。
このように、本態様では、2枚のシート状導体はそれぞれ短手方向において2分割されており、分割されたそれぞれの部位は、それぞれ並列で配置されているとともに、いずれか一方の部位を折り曲げることなく、他方の部位を一方の部位の端手側の端部を経由して折り曲げることで、内周側と外周側とが入れ替えられている。
このとき、1ターン中における内周側に配置される部位の長さと外周側に配置される部位の長さとが概ね等しくなる。
これにより、シート状導体を用いる場合であっても抵抗損失を抑制することができるとともに、特性が悪化するおそれを低減することができる。また、シート状導体自体には加工を施す必要なく、2枚のシート状導体を転位させることができるため、製造の簡略化および効率化を図ることができる。
また、転位位置9をシート状導体の長手方向において互いに重ならない位置に配置することにより、環状コイル10の全周に亘って連続して転位させることができ、抵抗損失を低減する効果を向上させることができる。
この場合、転位位置9において、分割された部位の一方においては第二導体6を折り曲げ、分割された部位の他方においては第一導体5を折り曲げる構成とすることもできる。
[態様その2]
態様その1ではそれぞれ第一導体5の外側の端部を経由して第二導体6を折り曲げることで転位させる例を示したが、図11に示すように、第一導体5の分割位置側の端部、つまりは、第一導体5Aと第一導体5Bとの間の端部を経由して第二導体6Aおよび第二導体6Bを折り曲げて、転位位置9の前後において互いの導体は並列に配置されるように転位させることができる。
また、それぞれの転位位置9を、長手方向において互いに重ならない位置とすることもできる。この場合、第一導体5を跨ぐことで第一導体5の端部よりもはみ出している跨ぎシロは、分割位置側に設定されるとともに、長手方向にずれることになる。そのため、分割された導体間の幅は、跨ぎシロ1つ分を確保できれば良く、各導体の幅方向の寸法、つまりは、シートコイルの高さ寸法を短くすることができ、変圧器1の窓寸法の増加を防ぐことができる。
(第2実施形態)
以下、第2実施形態について図12を参照しながら説明する。第2実施形態では、1枚のシート状導体を用いてシートコイルを形成する際の転位のさせ方について説明する。
本態様では、図12に示すように、1枚のシート状導体である単一導体20を用いてシートコイルを形成する。以下、単一導体20の長さ方向を長手方向、幅方向を短手方向と称し、短手方向における図示上方側の端部を便宜的に短手側の上端と称し、短手方向の図示下方側の端部を便宜的に短手側の下端と称し、図示手前側を単一導体20の表面20aとし、図示奥側を裏面20bとする。また、図12では、説明の簡略化のため、単一導体20の裏面20bに便宜的なハッチングを付している。
この単一導体20は、少なくとも一方の面に絶縁処理が施されている。絶縁処理は、単一導体20に絶縁被覆を設けたり、単一導体20を表面加工して接触抵抗を増加させたり、それらを組み合わせること等により施すことができる。
そして、単一導体20は、転位位置9において、その表面20aと裏面20bとを、1ターン中において内周側に配置される長さと外周側に配置される長さとが等しくなるように、内周側と外周側とで入れ替えられている。具体的には、転位位置9において裏面20bが図示手前側となるように短手方向に向かって折り曲げられ、上端の位置において図示手前側に折り曲げられた後、裏面20bが図示手前側となるように、且つ、転位位置9よりも図示左方側の表面20aと平行になるように折り曲げられる。
これにより、単一導体20の長手方向における電流の流れ易さを、単一導体20の表面側と裏面側とで均等にすることができ、実質的に電流の流れを表面側と裏面側、つまりは、環状に形成された状態における内周側と外周側とで均等にすることができる。
したがって、シート状導体を用いる場合であっても抵抗損失を抑制することができる。
また、単一導体20には加工が必要なく、折り曲げるだけで転位させることができるため、製造の簡略化および効率化を図ることができる。
(第3実施形態)
以下、第3実施形態について図13から図16を参照しながら説明する。また、以下では、シート状導体を転位させる際の複数の態様について説明する。
<第1の態様>
図13に示すように、本実施形態のシート状導体である第一導体5および第二導体6は、その内部に、転位位置9に対応して、長手方向に沿って複数、本実施形態では2本の溝部30が形成されており、溝部30によって短手方向に等分に区分けされた複数、本態様では3つの帯状部31を有している。なお、第一導体5および第二導体6は、本態様では別符号を付して区別しているが、配置状態が異なっているだけであり、同一形状の部材を用いることができる。
溝部30は、長手方向における長さ(W6)が、概ね長手方向における転位位置9の長さ必要となる長さで、第一導体5および第二導体6に1箇所形成されている。本実施形態の場合、溝部30の長さ(W6)は、シート状導体の幅(W2)とほぼ同程度あるは若干長めに形成されている。また、溝部30は、長手方向に帯状部31の幅(W61)だけずれて形成されている。なお、図13では説明の簡略化のために溝部30を矩形状に示しているが、溝部30は、シート状導体を矩形状に切り取ることによって形成することもできるが、単なる切り込みを入れることによっても形成することができる。
さて、第一導体5は、図14に示すように、それぞれの帯状部31の両端のうち例えば図示左端側となる一端を短手方向に向けて90度折り曲げるとともに、他端においてシート状導体が長手方向に沿うように90度折り曲げられている。これにより、第一導体5は、転位位置9において、幅(W2)分だけ短手方向外側にずれた状態になる。
同様に、第二導体6も、それぞれの帯状部31の両端のうち例えば図示左端側となる一端を短手方向に向けて90度折り曲げるとともに、他端においてシート状導体が長手方向に沿うように90度折り曲げられることで、転位位置9において幅(W2)分だけ短手方向外側にずれた状態になっている。
この第一導体5および第二導体6を転位位置9が一致するように並列に重ね合わせると、転位位置9の前後において、長手方向における位置が互い違いになった状態になる。そのため、第一導体5および第二導体6を短手側の端部において折り曲げることにより、第一導体5と第二導体6とが並列になった状態、且つ、転位位置9において表面側と裏面側とが入れ替えられた状態になる。
その状態で第一導体5および第二導体6を巻回することにより、前述した図5に示したような1箇所で転位された環状コイル10が形成される。なお、内周側コイル3であれば転位位置9は最も外側のターンに位置し、外周側コイル4であれば転位位置9は最も内周側のターンに位置することになる。
<第2の態様>
第1の態様では第一導体5および第二導体6の双方に溝部30を形成したが、一方にのみ溝部30を形成することもできる。
例えば、図15に転移後の状態として示すように、溝部30を形成した第一導体5を溝部30の両端で折り曲げることにより、転位位置9において表面側と裏面側とが入れ替えることができる。すなわち、並列に配置した第一導体5と第二導体6を転位させることができる。この場合、第一導体5は、第1の態様と同様の折り曲げ方をすることもできるが、前述した図7と同様に短手方向に折り曲げ、第二導体6の端部を跨いだ後に、長手方向に沿うように内向きつまりは第二導体6側で折り曲げることによっても転位させることができる。
また、図16に転移後の状態として示すように、第一導体5を短手方向に折り曲げ、第二導体6の端部を跨いだ後に長手方向に沿うように外向きつまりは第二導体6とは反対側で折り曲げることによっても転位させることができる。
以上説明した実施形態によれば、次のような効果を得ることができる。
実施形態のシート状導体は、少なくとも1枚が当該シート状導体の内側に長手方向に沿って設けられた溝部30によって短手方向に区分けされた複数の帯状部31を有し、帯状部31の両端においてそれぞれ個別に折り曲げることにより、内周側と外周側とが入れ替えられている。
これにより、第一導体5および第二導体6は、1ターン中における内周側に配置される部位の長さと外周側に配置される部位の長さとが等しくなり、且つ、転位位置9がメインギャップ11側から1ターン目に設定されていることから、抵抗損失を抑制することができる。
また、転位位置9を最も高い効果を得ることができる1箇所に設定しているので、製造を容易に行うことができる。したがって、製造の簡略化と抵抗損失の増加の抑制とを両立させることができる。
(第4実施形態)
以下、第4実施形態について図17から図24を参照しながら説明する。
転位位置9では第一導体と第二導体とで電流の流れが必ずしも対称的とはならないため、特性に影響を与えるおそれがある。そのため、転位位置9の幅を短くすることが好ましいと考えられる。そこで、本実施形態では、以下のようにして、転位位置9の幅(W7。図19参照)ができるだけ短くなる態様で転位させている。
図17に示すように、本実施形態のシート状導体である第一導体5は、その内部に、長手方向に沿って複数、本実施形態では2本の溝部30が形成されており、溝部30によって短手方向に等分に区分けされた複数、本態様では3つの帯状部31を有している。また、第一導体5は、長手方向の長さが、転位に必要となる長さ分だけ第二導体6よりも長く形成されている。なお、転位に必要となる長さは、概ねシート状導体の幅の倍程度である。
この溝部30は、長手方向における位置が同じとなる状態で、第二導体6を跨いで並列に折り返すことができるように、シート状導体の長手方向において概ねシート状導体の幅(W2)の倍以下程度の長さ(W6)に形成されているとともに、短手方向において帯状部31の幅(W61)だけ互いに離間して形成されている。本実施形態では、各溝部30は、転位位置9の微調整を可能とするために、必要最小限の長さよりも長くなるように形成している。なお、溝部30は、単なる切り込みを入れることによっても形成することができるし、製造を簡略化するために全てを同じ長さで、長手方向において同じ長さに形成することもできる。
一方、第二導体6は、溝部30が形成されていない。つまり、本実施形態では、2枚のシート状導体のうち少なくとも一方に溝部30を形成し、本実施形態で言えば第一導体5を折り曲げることにより転位させる構成となっている。このため、第二導体6は、必要な長さに切断するだけで用意することができる。
第一導体5は、図18に示すように、それぞれの帯状部31の両端のうち例えば図示左端側となる一端を短手方向に向けて90度折り曲げられる。このとき、それぞれの帯状部31は、一端側で折り曲げた場合には、転位位置9に対応して互いに重なり合うことになる。
また、第一導体5は、帯状部31の他端側も長手方向における位置が同じとなるように形成されていることから、他端側においても帯状部31が重なるように長手方向に沿って折り曲げることにより、転位位置9において短手方向外側にオフセットした状態になる。そして、第二導体6を跨ぐように、且つ、第二導体側に向けた内向きに第一導体5を折り返すことにより、それぞれの帯状部31が互いに重なった状態で、転位位置9において第一導体5と第二導体6とが入れ替わった状態になる。
このように折り曲げることにより、第一導体5は、図19に示すように、帯状部31の幅(W61)分の長さがあれば、第二導体6を跨ぐことが可能になる。換言すると、並列に配置した状態の第一導体5および第二導体6を、転位位置9において、当該シート状導体の幅(W2)未満となる帯状部31の幅(W61)分で転位させることができる。
また、図20に転移後の状態として示すように、帯状部31の他端側において第二導体6を跨いで他端側を長手方向に沿うように外向きに90度折り曲げた場合においても、それぞれの帯状部31が互いに重なった状態で転位させることができる。
また、図21に転移後の状態として示すように、第一導体5と第二導体6にそれぞれ1つの溝部30を半ターン分だけ離間した位置に形成することもできる。図21では、長さ(W8)が半ターン分に相当する。この場合、各シート状導体の溝部30が半ターン分の長さだけ離間した位置に形成されているため、各シート状導体をそれぞれの溝部30にて折り曲げることにより、転位位置9の間隔が半ターン分となった状態で転位することになる。
これにより、位置決めを容易に行いつつ転位させることができる。
このとき、図21では、第一導体5と第二導体6とに1箇所ずつの溝部30を形成しているが、2つの転位位置9において例えば第一導体5にのみ溝部30を形成し、各転位位置9において第一導体5だけを折り曲げることによっても転位させることができる。
また、この図21に示すように、転位位置9を複数設ける構成とすることができる。換言すると、最もメインギャップ11側のターンに加えて、他のターンにおいても転位させる構成とすることができる。また、本実施形態に限らず、上記した第1実施形態から第3実施形態の各態様についても同様であり、最もメインギャップ11側のターンに加えて他のターンにおいても転位させる構成とすることができる。例えば第1実施形態であれば、半ターン分の距離だけ離間してスリット7を形成することにより、複数の転位位置9を設けることができる。
また、図22に転移後の状態として示すように、例えば第一導体5の溝部30を、少なくとも半ターン分の長さ(W8)、より厳密には、半ターン分の長さ(W8)と転位に必要となるシート状導体の幅(W2)の倍程度の長さとを確保できる長さに形成し、溝部30の両端において第二導体6を跨ぐように折り曲げることにより転位させることもできる。この場合も、帯状部31は、その両端で折り曲げられることになる。
これにより、第一導体5については溝部30を形成するだけでよく、第二導体6については加工を施す必要がなく、さらには、半ターン分の位置決めを容易に行いつつ転位させることができる。
また、図23に示すように、複数の帯状部31のうち少なくとも2つの帯状部31を、シート状導体の長手方向において同じ位置で重なるように曲げる構成とすることもできる。すなわち、1つの折り曲げ位置において帯状部31を重ねる枚数を調整して折り曲げる構成とすることができる。
この図23では、複数の帯状部31のうち2つの帯状部31がシート状導体の長手方向において同じ位置で折り曲げられているとともに、残りの帯状部31が長手方向にずれた位置で折り曲げられている。また、第二導体6を跨いだ帯状部31を内向きに折り曲げることにより、第一導体5と第二導体6とを入れ替えている。
これにより、1つの折り曲げ位置におけるシート状導体の厚みや短手方向外側への跨ぎシロを小さくすることができ、厚み寸法や高さ寸法が規制されているコイルに対しても適用することができる。この場合、帯状部31が例えば4つ形成されていれば、2つの帯状部31を重ねて折り曲げる位置を長手方向にずらして2箇所設ける構成とすることもできるし、1箇所において2つの帯状部31を重ねて折り曲げ、他の帯状部31は長手方向にずらした位置にてそれぞれ単体で折り曲げる構成とすることもできる。
また、帯状部31を折り曲げる態様は他にもあり、例えば図24に示すように、第二導体6を跨いだ帯状部31を外向きに折り曲げる態様とすることもできる。これにより、転移後に第二導体6と並列になる第一導体5によって転位位置9で折り曲げられた帯状部31が覆われることになり、巻回する際に帯状部31が開いたりすることを防止でき、製造作業を効率的に行うことができる。
このように、実施形態のシート状導体は、少なくとも1枚が当該シート状導体の内側に長手方向に沿って設けられた溝部30によって短手方向に区分けされた複数の帯状部31を有し、帯状部31の両端においてそれぞれ個別に折り曲げることにより、内周側と外周側とが入れ替えられている。
これにより、第一導体5および第二導体6は、1ターン中における内周側に配置される部位の長さと外周側に配置される部位の長さとが等しくなり、且つ、転位位置9がメインギャップ11側から1ターン目に設けられていることから、抵抗損失を抑制することができる。
また、転位位置9を最も高い効果を得ることができる1箇所に設けているので、製造を容易に行うことができる。したがって、製造の簡略化と抵抗損失の増加の抑制とを両立させることができる。
また、2枚のシート状導体は、転位位置9の幅(W7)が、当該シート状導体の幅(W2)未満となった状態で、実施形態で言えば帯状部31の幅と一致する幅で、内周側と外周側とが入れ替えられている。これにより、長手方向において転位位置9が占有する長さを短くすることができ、第一導体5と第二導体6とで電流が対称的に流れる範囲が相対的に長くなり、特性への影響を抑えることができる。
また、溝部30は、シート状導体の長手方向において半ターン分の距離(W8)だけ離間した位置に形成されており、2枚のシート状導体は、それぞれの転位位置9に対応する溝部30において、内周側と外周側とが入れ替えられている。これにより、2枚のシート状導体を容易に半ターン分の位置で入れ替えることができる。
また、溝部30は、少なくとも半ターン分の長さに形成されており、2枚のシート状導体は、溝部30の両端で折り曲げることにより、本実施形態で言えば一方のシート状導体を他方のシード状導体を跨ぐように折り曲げることにより、2枚のシート状導体を容易に半ターン分の位置で入れ替えることができる。
複数の帯状部31のうち少なくとも2つの帯状部31は、シート状導体の長手方向において同じ位置で重なるように曲げられている。これにより、転位位置9におけるシート状導体の厚みや跨ぎシロを調整することができ、寸法規制がある場合等にも対応することができる。
(その他の実施形態)
各実施形態では半ターンごとに転位させる例を示したが、1ターン中における内周側に配置される部位の長さと外周側に配置される部位の長さとが等しくなっていれば、例えば1/4ターンごとに転位させる構成とすることもできる。この場合も、抵抗損失を抑制することができる等、実施形態と同様の効果を得ることができる。
各実施形態で示した折り曲げ方以外にも、内周側と外周側とを入れ替え可能であって、転位位置9の前後において導体がほぼ同一平面で並列にすることができる折り曲げ方であれば、他の折り曲げ方を採用することもできる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
図面中、3は内周側コイル(シートコイル)、4は外周側コイル(シートコイル)、5、5A、5Bは第一導体(シート状導体)、6、6A、6Bは第二導体(シート状導体)、7はスリット、8は補助導体、9は転位位置、10は環状コイル(シートコイル)、11はメインギャップ、20は単一導体(シート状導体)、30は溝部、31は帯状部を示す。

Claims (13)

  1. 導体を巻回して形成される内周側コイルまたは前記内周側コイルの外周側に所定のメインギャップ介して配置され、導体を巻回して形成される外周側コイルの少なくとも一方に用いられるシートコイルであって、
    前記導体は、並列に配置した2枚のシート状導体により構成されており、
    それぞれの前記シート状導体を、1ターン中における内周側に配置される部位の長さと外周側に配置される部位の長さとが等しくなるように内周側と外周側とで入れ替えるとともに、内周側と外周側とを入れ替える転位位置を前記メインギャップから1ターン目に設け、
    2枚の前記シート状導体は、転位位置において、短手方向に向けて一括で折り曲げられた後、短手側の端において厚み方向の外側に向けて一括で折り返され、折り返された部位の短手方向の途中において長手方向に向けて内側に向けて一括で折り曲げられることで、内周側と外周側とが入れ替えられているシートコイル。
  2. 導体を巻回して形成される内周側コイル、または、前記内周側コイルの外周側に所定のメインギャップ介して配置され、導体を巻回して形成される外周側コイルのうち少なくとも一方に用いられるシートコイルであって、
    前記導体は、並列に配置した2枚のシート状導体により構成されており、
    それぞれの前記シート状導体を、1ターン中における内周側に配置される部位の長さと外周側に配置される部位の長さとが等しくなるように内周側と外周側とで入れ替えるとともに、内周側と外周側とを入れ替える転位位置を前記メインギャップから1ターン目に設け、
    2枚の前記シート状導体は、一方のシート状導体を折り曲げることなく、他方のシート状導体を一方のシート状導体の短手側を経由して折り曲げることで、内周側と外周側とが入れ替えられているシートコイル。
  3. 導体を巻回して形成される内周側コイル、または、前記内周側コイルの外周側に所定のメインギャップ介して配置され、導体を巻回して形成される外周側コイルのうち少なくとも一方に用いられるシートコイルであって、
    前記導体は、並列に配置した2枚のシート状導体により構成されており、
    それぞれの前記シート状導体を、1ターン中における内周側に配置される部位の長さと外周側に配置される部位の長さとが等しくなるように内周側と外周側とで入れ替えるとともに、内周側と外周側とを入れ替える転位位置を前記メインギャップから1ターン目に設け、
    2枚の前記シート状導体は、一方の前記シート状導体が短手方向に2分割されており、
    分割されたそれぞれの部位は、他方の前記シート状導体の長手方向に沿ってそれぞれ配置されているとともに、他方のシート状導体の短手側の端部を経由して折り曲げることで、内周側と外周側とが入れ替えられているシートコイル。
  4. 分割されたそれぞれの部位は、他方のシート状導体の内周側と外周側とにそれぞれ互い違いに長手方向に沿って並列で配置されている請求項3記載のシートコイル。
  5. 導体を巻回して形成される内周側コイル、または、前記内周側コイルの外周側に所定のメインギャップ介して配置され、導体を巻回して形成される外周側コイルのうち少なくとも一方に用いられるシートコイルであって、
    前記導体は、並列に配置した2枚のシート状導体により構成されており、
    それぞれの前記シート状導体を、1ターン中における内周側に配置される部位の長さと外周側に配置される部位の長さとが等しくなるように内周側と外周側とで入れ替えるとともに、内周側と外周側とを入れ替える転位位置を前記メインギャップから1ターン目に設け、
    2枚の前記シート状導体は、それぞれ短手方向において2分割されており、
    分割されたそれぞれの部位は、それぞれが並列で配置されているとともに、いずれか一方の部位を折り曲げることなく、他方の部位を一方の部位の端手側の端部を経由して折り曲げることで、内周側と外周側とが入れ替えられているシートコイル。
  6. 分割されたそれぞれの部位は、他方の前記シート状導体の分割位置側の端部を経由しているとともに、前記シート状導体の長手方向において互いに重ならない位置で折り曲げられている請求項5記載のシートコイル。
  7. 導体を巻回して形成される内周側コイル、または、前記内周側コイルの外周側に所定のメインギャップ介して配置され、導体を巻回して形成される外周側コイルのうち少なくとも一方に用いられるシートコイルであって、
    前記導体は、並列に配置した2枚のシート状導体により構成されており、
    それぞれの前記シート状導体を、1ターン中における内周側に配置される部位の長さと外周側に配置される部位の長さとが等しくなるように内周側と外周側とで入れ替えるとともに、内周側と外周側とを入れ替える転位位置を前記メインギャップから1ターン目に設け、
    少なくとも1枚の前記シート状導体は、当該シート状導体の内側に長手方向に沿って設けられた溝部によって短手方向に区分けされた複数の帯状部を有し、
    2枚の前記シート状導体は、前記帯状部の両端において個別に当該帯状部を折り曲げることにより、内周側と外周側とが入れ替えられているシートコイル。
  8. 2枚の前記シート状導体は、前記転位位置の幅が当該シート状導体の幅未満となった状態で、内周側と外周側とが入れ替えられている請求項7記載のシートコイル。
  9. 前記溝部は、前記シート状導体の長手方向において半ターン分離間した位置に形成されており、
    2枚の前記シート状導体は、それぞれの転位位置に対応する前記溝部において、内周側と外周側とが入れ替えられている請求項7または8記載のシートコイル。
  10. 前記溝部は、少なくとも半ターン分の長さに形成されている請求項7または8記載のシートコイル。
  11. 複数の前記帯状部のうち少なくとも2つの前記帯状部は、前記シート状導体の長手方向において同じ位置で重なるように曲げられている請求項7から9のいずれか一項記載のシートコイル。
  12. 導体を巻回して形成される内周側コイル、または、前記内周側コイルの外周側に所定のメインギャップ介して配置され、導体を巻回して形成される外周側コイルのうち少なくとも一方に用いられるシートコイルであって、
    前記導体は、1枚のシート状導体を複数回巻回して形成されており、
    前記シート状導体の表面と裏面とを、1ターン中において内周側に配置される長さと外周側に配置される長さとが等しくなるように、内周側と外周側とを入れ替えるとともに、内周側と外周側とを入れ替える転位位置をメインギャップから1ターン目に設けたシートコイル。
  13. 請求項1から12のいずれか一項記載のシートコイルを用いて、内周側コイルまたは内周側コイルの外周側に所定のメインギャップ介して配置される外周側コイルの少なくとも一方が形成されている変圧器。
JP2017193527A 2017-10-03 2017-10-03 シートコイル、変圧器 Active JP7005258B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017193527A JP7005258B2 (ja) 2017-10-03 2017-10-03 シートコイル、変圧器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017193527A JP7005258B2 (ja) 2017-10-03 2017-10-03 シートコイル、変圧器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019067977A JP2019067977A (ja) 2019-04-25
JP7005258B2 true JP7005258B2 (ja) 2022-01-21

Family

ID=66337945

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017193527A Active JP7005258B2 (ja) 2017-10-03 2017-10-03 シートコイル、変圧器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7005258B2 (ja)

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001257122A (ja) 2000-03-13 2001-09-21 Hitachi Ltd 変圧器の巻線構造
JP2014086584A (ja) 2012-10-24 2014-05-12 Sumitomo Heavy Ind Ltd 超電導コイルのクエンチ検出装置
JP2016139657A (ja) 2015-01-26 2016-08-04 株式会社イムラ材料開発研究所 超電導コイル及び超電導回転電機ステータ
JP2016524815A (ja) 2013-05-28 2016-08-18 シーメンス アクチエンゲゼルシヤフトSiemens Aktiengesellschaft コイル巻線を含む超電導コイル装置

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6022490B2 (ja) * 1980-08-05 1985-06-03 三菱電機株式会社 電磁誘導巻線
JPH01293508A (ja) * 1988-05-21 1989-11-27 Hitachi Ltd 静止誘導電器

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001257122A (ja) 2000-03-13 2001-09-21 Hitachi Ltd 変圧器の巻線構造
JP2014086584A (ja) 2012-10-24 2014-05-12 Sumitomo Heavy Ind Ltd 超電導コイルのクエンチ検出装置
JP2016524815A (ja) 2013-05-28 2016-08-18 シーメンス アクチエンゲゼルシヤフトSiemens Aktiengesellschaft コイル巻線を含む超電導コイル装置
JP2016139657A (ja) 2015-01-26 2016-08-04 株式会社イムラ材料開発研究所 超電導コイル及び超電導回転電機ステータ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019067977A (ja) 2019-04-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11545296B2 (en) Common mode filter
EP2590187B1 (en) Amorphous core transformer
US20220051840A1 (en) Iron core for stationary induction apparatus and stationary induction apparatus
US10102966B2 (en) Stationary induction apparatus
US20240170196A1 (en) Magnetic core
JP7005258B2 (ja) シートコイル、変圧器
US11605492B2 (en) Coil component
JP6450100B2 (ja) 巻鉄心
JP6917243B2 (ja) シートコイル
JP6184768B2 (ja) 静止電磁機器用巻鉄心及び三相変圧器及び三相リアクトル
US20160196916A1 (en) Wound transformer core
US2698924A (en) Three-phase split magnetic core
US9941043B2 (en) Core for an electrical induction device
US20190139697A1 (en) Magnetic element, metal annular winding and method for manufacturing the same
KR20130111922A (ko) 변압기 코일용 인서트, 이러한 인서트를 포함하는 코일, 활성 부분 및 이러한 활성 부분을 포함하는 변압기
WO2018062117A1 (ja) 非接触給電用コイルユニット
JP6466728B2 (ja) 変圧器およびその製造方法
JP2019091747A (ja) 変圧器、およびコイルボビン
JP7150418B2 (ja) 巻鉄心および巻鉄心の製造方法
JP5361815B2 (ja) 静止誘導器
JP7413299B2 (ja) 静止誘導電器および静止誘導電器の製造方法
WO2019068693A1 (en) TRANSFORMER CORE WITH REDUCED CONSTRUCTION FACTOR
JP7345249B2 (ja) リアクトル
JP7063748B2 (ja) シートコイル、変圧器
JP2011078233A (ja) 電機子鉄心

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200804

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210618

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210803

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210916

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20211109

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20211118

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20211207

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220105

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7005258

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150