JP7005082B2 - 複合膜、部品及び製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、イットリウムアルミネートを有する複合膜、それを有する部品及び複合膜の製造方法に関する。
半導体製造プロセス、FPD(Flat Panel Display)製造プロセスなどのプロセスには、高温環境のチャンバー内に腐食性ガスを導入する工程が含まれる。そのため、一般的に、チャンバー内は、溶射により、耐腐食性かつ耐侵食性コーティングが施されている。その際、コーティング材には酸化イットリウム、酸化ジルコニウムが使用されている。また、チャンバー内に配置される部品には、ノズル、締結部品など、複雑な形状を有しているものもあるため、CVD(Chemical Vapor Deposition)法により部品用基材にコーティング材がコーティングされている。
半導体製造プロセス、FPD製造プロセスなどのプロセスにおいては、300℃~400℃以上の高温環境で、F(フッ素)系腐食性ガスのクリーニング工程が頻繁に行われることがある。酸化イットリウムは、F系腐食性ガスに曝露されると、容易にフッ化され、フッ化イットリウムになる。このとき、F系腐食性ガスの影響は、酸化イットリウムだけでなくその下地の基材にも及ぶ。
CVD法で作製されたアモルファス酸化アルミニウムは、F系腐食性ガスに曝露されると、フッ化され、フッ化アルミニウムになる。なお、酸化アルミニウムは、400℃以上で結晶化し、結晶粒子が成長し、緻密性が損なわれる。基材となるサファイヤガラスは、化学式Alで示され、F系腐食性ガスに曝露されると、容易にフッ化され、フッ化アルミニウムになり、サファイヤガラスの表面が削られることになる。
本発明は、このような課題を解決するために、高温環境下で腐食性ガスに曝露しても腐食の影響を受け難い複合膜、それを有する部品及び複合膜の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一つの観点は、アモルファスYAl(ただし、0.24≦x/(x+y)≦0.82,z/(x+y)=1.5)を有する複合膜である。
本発明の別の観点は、基材と、前記基材上に設けられた前記複合膜と、を有する部品である。
本発明の更なる別の観点は、250℃以上600℃以下の範囲の所定の温度に基材を加熱した状態で、酸化イットリウム、酸化アルミニウムの各原料をそれぞれ気化し、キャリアガスにより気化原料を前記基材へ噴射する、複合膜の製造方法である。
本発明によれば、高温環境下で腐食性ガスに曝露しても腐食の影響を受け難い複合膜、それを有する部品及び複合膜の製造方法が提供される。
図1は、本発明の実施形態に係る複合膜を製造するための製造装置の構成図である。 図2Aは、図1の気化器内の坩堝の一形態を示す図である。 図2Bは、図1の気化器内の坩堝の別の一形態を示す図である。 図3は、図1とは異なる製造装置の構成図である。 図4は、曝露テストで使用したシステムの構成図である。 図5Aは、実施例1で作製したサンプル及び熱処理をしたサンプルのXRD(X-ray Diffraction)測定結果を示す図である。 図5Bは、実施例1において作製した複合膜に対して曝露テストを行ったサンプルのXRD(X-ray Diffraction)測定結果である。 図6Aは、実施例1において作製した複合膜に対して曝露テストを行ったサンプルについて、サンプルを600秒エッチングしたときのXPS(X-ray Photoelectron Spectroscopy)の測定結果を示す図である。 図6Bは、実施例1において作製した複合膜に対して曝露テストを行ったサンプルについて、サンプルを1200秒エッチングしたときのXPS(X-ray Photoelectron Spectroscopy)の測定結果を示す図である。 図7は、実施例2において作製した複合膜に対して曝露テストを行ったサンプルのXRD(X-ray Diffraction)測定結果である。 図8は、ClFの曝露テストの評価をまとめたものである。 図9は、x/(x+y)=0.24のサンプルを700℃で熱処理して曝露テストした後の顕微鏡像である。 図10は、x/(x+y)=0.43のサンプルについて曝露テストした後の顕微鏡像である。 図11は、x/(x+y)=0.70のサンプルについて曝露テストした後の顕微鏡像である。 図12は、x/(x+y)=0.76のサンプルについて曝露テストした後の顕微鏡像である。 図13は、x/(x+y)=0.79のサンプルについて曝露テストした後の顕微鏡像である。 図14は、x/(x+y)=0.82のサンプルを700℃で熱処理して曝露テストした後の顕微鏡像である。 図15は、Alのサンプルについて曝露テストした後の顕微鏡像である。 図16は、Yのサンプルについて曝露テストした後の顕微鏡像である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
1 複合膜と部品
本発明の実施形態に係る複合膜は、アモルファスYAl(ただし、0.24≦x/(x+y)≦0.82,z/(x+y)=1.5)で構成される。複合膜は、上記化学式で示される化合物である。ここで、複合膜は、10nm以上10μm以下の厚みを有することが好ましい。より好ましくは、複合膜は100nm以上1μm以下の厚みを有するとよい。複合膜が比較的平坦な形状を有する場合には、複合膜が少なくとも10nmの厚みを有すると、複合膜が耐腐食性コーティング膜として十分機能するからである。複合膜が比較的平坦な形状ではなく凹凸を有する場合には、少なくとも100nmの平均厚みを有すると、極端に薄い部分が生じても複合膜が耐腐食性コーティング膜として十分機能するからである。膜が厚いと成膜に時間を要するだけでなく、成膜条件により1μmを超えると複合膜にクラックが発生することがあり、生産性が悪くなるからである。複合膜は、不可避的に上記化学式以外の他の元素、例えば、製造の際のキャリアガスの元素、カーボンなどを含むことがある。
複合膜は、900℃以上に加熱すると結晶化し得る性質を有する。複合膜の組成式にも依存するが、YAG(YAl12),YAP(YAlO),YAM(YAl)の何れかの化学式で表される結晶性を有する。
複合膜は、ハロゲンを含有する腐食性ガスに対して耐腐食性を有する。複合膜は、耐腐食性を有することから、耐侵食性を有する。腐食性ガスは、ハロゲンを含有していればよく、例えば、F、NF、ClFなどが挙げられる。腐食性ガスは、プラズマ化されていてもよい。
基材、即ち、ボルト、ナット、ワッシャの締結部品の基材、ノズルなどの各種形状を有する基材と、基材上にコーティングされた上記組成式を有する複合膜により、加工部品が提供される。ここで、基材は、各種の表面処理を施して構成されていてもよく、又は、厚み方向に異なる複数の材質で構成されていてもよい。
2 製造方法
本発明の実施形態に係る複合膜の製造方法は次の通りである。
先ず、基材をチャンバー内に配置する。基材は、平板状のものに限ることなく、ボルト、ナット、ワッシャの締結部品、ノズルなどの各種形状を有する部品の基材であってもよい。また、基材は、製造時の加熱温度に耐えるものであれば材質に依存しない。
次に、酸化イットリウム、酸化アルミニウムの各原料を気化器内に配置する。イットリウム、アルミニウムをそれぞれ含むものを気化することができれば、原料には特に限定されない。また、原料の数も二種類である必要はなく、三種類以上でもよい。酸化イットリウムの原料としては、例えばトリスアセチルアセトナートイットリウムのようなアセチルアセトナート金属錯体、トリス(ジ―ピパロイルメタナート)イットリウムのようなジ―ピパロイルメタン金属錯体の金属錯体等が好適に用いられる。酸化アルミニウムの原料としては、例えばトリスアセチルアセトナートアルミニウムのようなアセチルアセトナート金属錯体、トリス(ジ―ピパロイルメタナート)アルミニウムのようなジ―ピパロイルメタン金属錯体の金属錯体等が挙げられる。気化は、電流加熱、ヒーター加熱、電子線、レーザー加熱の何れか又は複数から選択される。ここで、気化は昇華という意味を含む。
次に、基材を250℃以上600℃以下の範囲の所定の温度に加熱する。少なくとも250℃に加熱しておけば、基材上に成膜することができる。この温度よりも低温の加熱では堆積速度が極端に遅くなり、生産性の観点から好ましくない。また、低温の加熱では、複合膜中に、前述の組成式を構成する酸素、イットリウム、アルミニウム以外の他の元素が不可避的に含まれ易くそれにより耐腐食性を損なうため、機能性の観点から好ましくない。逆に、600℃を超えると、気相中で粒子が成長し易くなり、複合膜の緻密性が悪くなるので好ましくない。600℃を超えると原料によっては、微粒子が発生することがある。基材の加熱方法は、ヒーター加熱、ランプ加熱、レーザー加熱などの各種の方法から選択される。
そして、キャリアガスを気化器に導入しながら、原料を加熱し、気化器から噴出する原料の蒸気をキャリアガスのフローに沿って、基材上に導入する。ここで、各原料が気化する温度であれば、原料の加熱温度はいかなる温度でもよい。加熱は、原料毎に行われても、複数の原料を纏めて行われてもよい。原料毎に行うことにより、原料の蒸気量を調整し、所定の組成の複合膜を得ることができる。複数の原料を纏めて加熱する場合には、原料毎に噴出する量がコントロールできるように、原料毎に異なる大きさの開口を設けることが好ましい。
以上の手順により、250℃以上600℃以下の範囲の所定の温度に基材を加熱した状態で、酸化イットリウム、酸化アルミニウムの各原料をそれぞれ気化し、キャリアガスにより気化原料の基材への噴射を行う。これにより、前述の組成式で表される組成を有する複合膜を得ることができる。
このようにして得られる複合膜に対して成膜時の温度よりも高い温度で加熱して、膜の状態をさらに適切な状態とすることができる。このときの処理温度は、複合膜が結晶化する温度よりも低い温度である必要がある。
3 製造装置
本発明の実施形態に係る製造装置について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る複合膜を製造するための製造装置の構成図である。本発明の実施形態に係る製造装置10において、図1に示すように、基材11を載置するサンプル台12がチャンバー13内に配置されている。サンプル台12には例えばヒーターが内蔵されている。気化器14がチャンバー13内に配置され、キャリアガス供給源15がチャンバー13外に配置されている。キャリアガスは、原料と反応しないガスであればよく、例えばアルゴンガスなどの希ガス、窒素ガスから選択される。キャリアガス供給源15と気化器14との間は、配管17a、流量計16及び配管17bを経由して接続されており、キャリアガスが所定の流量で気化器14に供給される。
気化器14は、原料を収容するためのボード又は坩堝が配置され、原料を加熱して昇華させて蒸気を発生することができるように構成されている。加熱の方法は、抵抗加熱、ヒーター加熱、レーザー加熱など各種の方法が採用される。気化器14からの配管18がその先端をサンプル台12に向けて設けられており、配管18の出口にはノズル19が装着されている。ノズル19にはスリット19aが設けられ、配管18により供給された媒体、ここではキャリアガスと原料蒸気との混合媒体が、スリット19aから基材11に噴射される。
チャンバー13は、キャリアガス及び原料蒸気を、製造装置10の設置領域と区別するための防護カバーが用いられる。防護カバーの場合には、開放口13aが設けられる。このような装置は、大気圧CVD装置と呼ばれる。
図2Aは、図1の気化器14内の坩堝の一形態を示す図である。坩堝21の上方には、複数の開口21a,21bを有する板22が配置される。第一の開口21aの下方には第一の原料1が収容され、第二の開口21bの下方には第二の原料2が収容され、第一の原料1、第二の原料2とも同時にほぼ同一の温度に加熱される。第一の開口21aの形状、大きさの少なくとも何れか又は双方が第二の開口21bの形状、大きさの何れか又は双方と異なるため、第一の原料の供給量が第二の原料の供給量と異なる。なお、三種類以上の原料を用いる場合には、第三の開口などそれ以上のスリットを設ければよい。
図2Bは、図1の気化器14内の坩堝の別の一形態を示す図である。複数の坩堝26,27が備えられ、それぞれの坩堝26,27には必要に応じて開口26a,27aの一部を遮蔽する板26b,27bが設けられる。第一の坩堝26は、第一の原料1を収容するものである。第二の坩堝27は、第二の原料2を収容するものである。第一の原料1の加熱温度が第二の原料2の加熱温度と異なるように制御し易く、第一の原料1の供給量が第二の原料2の供給量と異なる。なお、三種類以上の原料を用いる場合には、第三の坩堝などを設ければよい。
図3は、図1とは異なる製造装置の構成図である。本発明の実施形態に係る製造装置30において、図3に示すように、基材31を載置するサンプル台32がチャンバー33内に配置されている。サンプル台32には例えばヒーターが内蔵されている。図3に示す製造装置30は、図1に示す形態と異なり、複数の気化器が設けられている。第一の気化器34aと第二の気化器34bがチャンバー33内に配置され、キャリアガス供給源35がチャンバー33外に配置されている。キャリアガスは、原料と反応しないガスであればよく、例えばアルゴンガスなどの希ガス、窒素ガスから選択される。キャリアガス供給源35と第一の気化器34aとの間は、配管37、流量制御器36a(流量計を含んでもよい。)及び配管37aを経由して接続されており、キャリアガスが所定の流量で第一の気化器34aに供給される。キャリアガス供給源35と第二の気化器34bとの間は、配管37、流量制御器36b(流量計を含んでもよい。)及び配管37bを経由して接続されており、キャリアガスが第一の気化器34aへの供給量と同一又は異なる所定の流量で第二の気化器34bに供給される。
第一の気化器34a,第二の気化器34bは、それぞれ、原料を収容するためのボード又は坩堝が配置され、各原料を加熱して昇華させて蒸気を発生することができるように構成されている。加熱の方法は、抵抗加熱、ヒーター加熱、レーザー加熱など各種の方法が採用される。図1に示す製造装置10と異なり、図3に示す製造装置30では、第一の気化器34aは、第二の気化器34bと加熱温度が同一又は異なるように容易に制御される。
第一の気化器34aからの配管38a、第二の気化器34bからの配管38bが混合器40に接続されている。混合器40は、その内部のガス経路がジグザグとなるように構成されていることにより、第一の気化器34aからの媒体と第二の気化器34bからの媒体とが十分に混合することができる。混合器40からの配管41は、その先端をサンプル台32に向けて設けられており、配管41の出口にはノズル39が装着されている。ノズル39にはスリット39aが設けられ、配管41によりノズル39に供給された媒体、ここではキャリアガスと原料蒸気との混合媒体が、スリット39aから基材31に噴射される。
チャンバー33は、キャリアガス及び原料蒸気を、製造装置30の設置領域と区別するための防護カバーが用いられる。防護カバーの場合には、開放口33aが設けられる。
ここで、第一の気化器34aには第一の坩堝が配置され、第二の気化器34bには第二の坩堝が収容される。第一の坩堝、第二の坩堝には、それぞれ、開口の大きさを制御するための板が設けられてもよい。図3に示す製造装置30では、第一の原料蒸気と第二の原料蒸気の各供給量を精密に調整することができる。第一の坩堝、第二の坩堝の加熱温度、第一の坩堝での開口、第二の坩堝での開口の形状、大きさ、第一の気化器34aに供給されるキャリアガスの流量・ガス圧、第二の気化器34bに供給されるキャリアガスの流量・ガス圧の何れか又はこれらの組み合わせにより、第一の原料蒸気、第二の原料蒸気の各供給量が調整される。
以下、実施例を詳細に説明する。なお、実施例は、本発明の範囲を限定するものではない。
実施例及び比較例での各膜の耐腐食性を確認するために、ClFガスによる曝露テストを行った。図4は、曝露テストで使用したシステム50の概略構成図である。ClFガス供給源51から流量計52を経由して石英反応管53にClFガスが供給される。サンプル台54が石英反応管53内に配置されている。サンプル55がサンプル台54に配置される。サンプル台54には温度センサ56が取り付けられており、サンプル55の温度がモニタリングされ得る。ランプヒーター57が石英反応管53外に設置されており、サンプル台54及びサンプル55を間接的に加熱している。石英反応管53には除外装置58を経由して排気装置59が取り付けられている。除外装置58によりClFガスを取り除き、外部に排気している。
実施例1
酸化アルミニウムと酸化イットリウムの各原料を、坩堝に所定量ずつ入れて加熱して気化し、キャリアガスNとともにサファイヤ基板に供給した。サファイヤ基板は500℃に加熱し、複合膜をサファイヤ基板上に作製した。ここで、坩堝に入れる各原料は、複合膜においてイットリウム(Y)よりもアルミニウム(Al)が多くなるように調整した。
サンプルをエネルギー分散型X線分析(Energy Dispersive X-ray Spectrometry、EDX、EDS)した。その結果、作製した複合膜の組成式は、Y0.43Al0.571.5であった。
作製した複合膜を大気雰囲気中で700℃、800℃、900℃に加熱して熱処理をした。図5Aは、実施例1で作製したサンプル及び熱処理をしたサンプルのXRD(X-ray Diffraction)測定結果を示す図である。図5Aの最上段から第四段目までのそれぞれは、900℃の熱処理をしたサンプル、800℃の熱処理をしたサンプル、700℃の熱処理をしたサンプル、熱処理をしないサンプルを示しており、最下段には結晶YAG(YAl12)のスペクトルを示している。横軸は回折角度2θ(deg.)であり、縦軸は回折強度(cps)である。なお、θはX線の原子面への入射角度である。図5Aから、熱処理をしないサンプル、700℃熱処理をしたサンプル、800℃の熱処理をしたサンプルの何れもアモルファスの状態であるが、900℃に加熱して焼成すると、YAG(YAlO12)となることが分かった。
図4に示すシステム50によりClFの曝露テストを10分間行った。温度センサ56による測定温度は600℃であった。複合膜は、曝露テストの前後において、見た目の変化はなかった。また、曝露テストの後、サファイヤ基板にも変化はなかった。
図5Bは、実施例1において作製した複合膜に対して曝露テストを行ったサンプルのXRD(X-ray Diffraction)測定結果を示す図である。図5Bの最上段から第三段目までのそれぞれは、900℃の熱処理をしたサンプル、700℃の熱処理をしたサンプル、熱処理をしないサンプルに対して曝露テストをした測定結果を示しており、最下段には結晶AlFのスペクトルを示している。横軸は、回折角度2θ(deg.)であり、縦軸は回折強度(cps)である。なお、θはX線の原子面への入射角度である。図5Bから、曝露テスト後では、何れのサンプルにおいてもAlFの結晶ピークを強く検出した。
図6A及び図6Bは、実施例1において作製した複合膜に対して曝露テストを行ったサンプルのXPS(X-ray Photoelectron Spectroscopy)の測定結果であり、図6Aはサンプルを600秒エッチングしたとき、図6Bは1200秒エッチングしたときの各スペクトルを示す図である。1200秒のArイオンのエッチング深さは約160nmに相当する。横軸は結合エネルギー(eV)、縦軸は強度(cps)である。F1sのスペクトル強度とO1sのスペクトル強度についてバックグランドを差し引いた比率について、図6Aと図6Bと比較すると、サンプルの深さ方向に、F1sのスペクトル強度/O1sのスペクトル強度が低く、複合膜の深さ方向に対してフッ素が進入しにくくなっていることが分かった。さらに、Y3dのスペクトルから、イットリウムの酸化物であると推察される。
図5A及び図5BのXRD、図6A及び図6BのXPSの各測定結果から、実施例1で作製した複合膜ではアルミニウム(Al)はフッ化され易くなっているが、イットリウム(Y)はフッ化され難くイットリウムの酸化物が残存しており、実施例1で作製した複合膜は、熱処理の有無を問わず、ClFガスに対する耐腐食性があることが分かった。
実施例2
酸化アルミニウムと酸化イットリウムの各原料を、坩堝に所定量ずつ入れて加熱して気化し、キャリアガスNとともにサファイヤ基板に供給した。サファイヤ基板は500℃に加熱し、複合膜をサファイヤ基板上に作製した。ここで、坩堝に入れる各原料は、複合膜においてアルミニウム(Al)よりもイットリウム(Y)が多くなるように調整した。
サンプルをエネルギー分散型X線分析(Energy Dispersive X-ray Spectrometry、EDX、EDS)した。その結果、作製した複合膜の組成式は、Y0.7Al0.31.5であった。
作製した複合膜は、加熱処理なしのサンプル、700℃、800℃にそれぞれ加熱したサンプルの何れもアモルファスであったが、900℃に加熱して焼成すると結晶YAM(YAl)となることを、XRDの測定により確認した。
図4に示すシステム50によりClFの曝露テストを10分間行った。温度センサ56による測定温度は600℃であった。複合膜は、曝露テストの前後において、見た目の変化はなかった。また、曝露テストを行っても、サファイヤ基板にも変化はなかった。
図7は、実施例2において作製した複合膜に対して曝露テストを行ったサンプルのXRD(X-ray Diffraction)測定結果である。横軸は、回折角度2θ(deg.)であり、縦軸は回折強度(cps)である。なお、θはX線の原子面への入射角度である。図7の最上段から第三段目までのそれぞれは、900℃の熱処理をしたサンプル、700℃の熱処理をしたサンプル、熱処理をしないサンプルに対して曝露テストをした測定結果を示しており、最下段には結晶YFのスペクトルを示している。図7から、暴露テスト後では、何れのサンプルにおいてもYFの結晶ピークを強く検出した。
実施例2において作製したサンプル、700℃及び900℃の熱処理を行ったサンプルの何れに対しても曝露テストを行った。700℃の熱処理を行ったサンプルに対して暴露試験後のFE-SEM、EDS分析をした結果、酸化物が残っていることを確認した。
比較例1
酸化イットリウムの原料を坩堝に入れて加熱して気化し、キャリアガスNとともにサファイヤ基板に供給した。基板は500℃に加熱し、酸化イットリウム膜をサファイヤ基板上に作製した。
作製した酸化イットリウム膜は、XRD測定をしたところ、Yの結晶からなることが分った。この膜を、700℃、800℃、900℃でそれぞれ60分加熱して熱処理をしても、Yの結晶であることを確認した。
作製した酸化イットリウム膜について図4に示すシステム50によりClFの曝露テストを10分間行った。温度センサ56による測定温度は600℃であった。
曝露テストの前後において、目視による確認では基材外周付近が白濁していた。
曝露テストを施したサンプルでは、XRDによる測定によれば、酸化イットリウムの酸素がフッ素により置換され、フッ化イットリウム(YF)に変化していることを確認した。光学顕微鏡像からサファイヤ基板が損傷していたことから、フッ化が酸化イットリウム膜を通過してサファイヤ基板に達していることが確認された。以上のことから、酸化イットリウム膜は耐腐食性を有さないことが分かった。
比較例2
酸化アルミニウムの原料を坩堝に入れて加熱して気化し、キャリアガスNとともにサファイヤ基板に供給した。基板は500℃に加熱し、酸化アルミニウム膜をサファイヤ基板上に作製した。
作製した酸化アルミニウム膜は、XRD測定をしたところ、Alのアモルファスからなることが分った。この膜を、700℃、800℃でそれぞれ60分加熱して熱処理しても、Alのアモルファスであることを確認した。900℃に60分加熱すると、Alの結晶と断定できるまでは至らなかった。
アモルファス酸化アルミニウム膜について図4に示すシステム50によりClFの曝露テストを10分間行った。温度センサ56による測定温度は、600℃であった。
曝露テスト後、サファイヤ基板から膜が剥離していることを確認した。また、多数の腐食箇所があった。
曝露テストを施したサンプルでは、XRDによる測定によれば、アモルファス酸化アルミニウムの酸素がフッ素により置換され、フッ化アルミニウム(AlF)に変化していることを確認した。また、サファイヤ基板が損傷していることを顕微鏡像により確認した。これらのことから、アモルファス酸化アルミニウムは耐腐食性を有さないことが分かった。
実施例1及び2は、比較例1及び2と比較することにより、アモルファスYAl(0<x,y,z<1)の複合膜が、600℃という高温環境下でも、フッ素を含む腐食性ガスの影響を受け難く下地となる基板を保護することが分った。
さらに、次のように詳細に調べた。
実施例3
酸化アルミニウムと酸化イットリウムの各原料を、坩堝に所定量ずつ入れて加熱して気化し、キャリアガスNとともにサファイヤ基板に供給した。サファイヤ基板は500℃に加熱し、複合膜をサファイヤ基板上に作製した。ここで、坩堝に入れる各原料は、複合膜において、イットリウム(Y)よりもアルミニウム(Al)が多くなるように調整した。
サンプルをエネルギー分散型X線分析(Energy Dispersive X-ray Spectrometry、EDX、EDS)した。その結果、作製した複合膜の組成式は、Y0.24Al0.761.5であった。
作製した複合膜はアモルファスであり、さらに700℃に加熱してもアモルファスの状態を維持していた。
図4に示すシステム50によりClFの曝露テストを10分間行った。温度センサ56による測定温度は600℃であった。複合膜は、曝露テストの前後において、見た目の変化はなかった。また、曝露テストの後、サファイヤ基板にも変化はなかった。
実施例3において作製した複合膜に対して曝露テストを行ったサンプルのXRD(X-ray Diffraction)測定結果から、YFの弱いピークを検出した。光学顕微鏡像の結果から、熱処理をしていないサンプル、700℃の熱処理をしたサンプルの何れも、サファイヤ基板の損傷は確認されなかった。
実施例4
酸化アルミニウムと酸化イットリウムの各原料を、坩堝に所定量ずつ入れて加熱して気化し、キャリアガスNとともにサファイヤ基板に供給した。サファイヤ基板は500℃に加熱し、複合膜をサファイヤ基板上に作製した。ここで、坩堝に入れる各原料は、複合膜において、イットリウム(Y)よりもアルミニウム(Al)が多くなるように調整した。
サンプルをエネルギー分散型X線分析(Energy Dispersive X-ray Spectrometry、EDX、EDS)した。その結果、作製した複合膜の組成式は、Y0.47Al0.531.5であった。
作製した複合膜は、XRD分析からアモルファスであることが分かった。作製した複合膜を700℃に加熱してもアモルファスの状態を維持していた。
図4に示すシステム50によりClFの曝露テストを10分間行った。温度センサ56による測定温度は600℃であった。複合膜は、曝露テストの前後において、見た目の変化はなかった。また、曝露テストの後、サファイヤ基板にも変化はなかった。
実施例4において作製した複合膜に対して曝露テストを行ったサンプルのXRD(X-ray Diffraction)測定結果から、AlF結晶の強いピークとYF結晶の比較的弱いピークを検出した。光学顕微鏡像の結果から、熱処理をしていないサンプル、700℃の熱処理をしたサンプルの何れも、サファイヤ基板の損傷は確認されなかった。
実施例5
酸化アルミニウムと酸化イットリウムの各原料を、坩堝に所定量ずつ入れて加熱して気化し、キャリアガスNとともに石英基板に供給した。石英基板は500℃に加熱し、複合膜を石英基板上に作製した。ここで、坩堝に入れる各原料は、複合膜において、アルミニウム(Al)よりもイットリウム(Y)が多くなるように調整した。
サンプルをエネルギー分散型X線分析(Energy Dispersive X-ray Spectrometry、EDX、EDS)した。その結果、作製した複合膜の組成式は、Y0.82Al0.181.5であった。
作製した複合膜は、XRD分析からアモルファスであることが分かった。
作製した複合膜を700℃に加熱してもアモルファスの状態を維持していた。
図4に示すシステム50によりClFの曝露テストを10分間行った。温度センサ56による測定温度は600℃であった。複合膜は、曝露テストの後、極一部の腐食が確認された。また、700℃に加熱した複合膜においては、曝露テストの後、多数の腐食箇所を確認した。
実施例5において作製した複合膜に対して曝露テストを行ったサンプルのXRD(X-ray Diffraction)測定結果から、YFの結晶ピークを検出した。
実施例6
酸化アルミニウムと酸化イットリウムの各原料を、坩堝に所定量ずつ入れて加熱して気化し、キャリアガスNとともにサファイヤ基板に供給した。サファイヤ基板は500℃に加熱し、複合膜をサファイヤ基板上に作製した。ここで、坩堝に入れる各原料は、複合膜においてアルミニウム(Al)よりもイットリウム(Y)が多くなるように調整した。
サンプルをエネルギー分散型X線分析(Energy Dispersive X-ray Spectrometry、EDX、EDS)した。その結果、作製した複合膜の組成式は、Y0.76Al0.241.5であった。
作製した複合膜は、アモルファスであった。
図4に示すシステム50によりClFの曝露テストを10分間行った。温度センサ56による測定温度は600℃であった。複合膜は、曝露テストの前後において、見た目の変化はなかった。また、曝露テストを行っても、サファイヤ基板にも変化はなかった。
実施例6において作製した複合膜に対して曝露テストを行ったサンプルのXRD(X-ray Diffraction)測定をした結果、YFの結晶ピークとAlFの結晶ピークを弱く検出した。
実施例7
酸化アルミニウムと酸化イットリウムの各原料を、坩堝に所定量ずつ入れて加熱して気化し、キャリアガスNとともにサファイヤ基板に供給した。サファイヤ基板は500℃に加熱し、複合膜をサファイヤ基板上に作製した。ここで、坩堝に入れる各原料は、複合膜においてアルミニウム(Al)よりもイットリウム(Y)が多くなるように調整した。
サンプルをエネルギー分散型X線分析(Energy Dispersive X-ray Spectrometry、EDX、EDS)した。その結果、作製した複合膜の組成式は、Y0.79Al0.211.5であった。
作製した複合膜は、アモルファスであった。
図4に示すシステム50によりClFの曝露テストを10分間行った。温度センサ56による測定温度は600℃であった。複合膜は、曝露テストの前後において、見た目の変化はなかった。また、曝露テストを行っても、サファイヤ基板にも変化はなかった。
実施例7において作製した複合膜に対して曝露テストを行ったサンプルのXRD(X-ray Diffraction)測定をした結果、YFの結晶ピークを弱く検出した。
実施例1乃至7及び比較例1、2をまとめると表1のようになる。また、図8は、ClFの曝露テストの評価をまとめたものである。図8の横軸はx/(x+y)であり、縦軸は成膜温度又は熱処理温度である。二重丸のプロット(◎)は良好であり膜の表面に大きな変化がないことを示し、丸プロット(〇)は良好であり膜表面に僅かな変化があることを示し、三角プロット(△)は概ね良好であるが、基材に損傷があることを示し、バツプロット(×)は基材が損傷しており膜の大部分が剥離していることを示している。
Figure 0007005082000001
アモルファスの複合膜の化学式をYAlと示す場合、0.24≦x/(x+y)<0.82,z/(x+y)=1.5であれば、アモルファス複合膜は耐腐食性を有していることが分かった。基材に複合膜を形成し、その後、700℃、800℃で熱処理しても耐腐食性を維持することができる。このような化学式で表されるアモルファスの複合膜は、900℃以上で1時間以上熱処理することにより、結晶化する。
図9は、x/(x+y)=0.24のサンプルを700℃で熱処理して曝露テストした後の顕微鏡像である。この像から、曝露テストによる影響がないことが分かる。
図10は、x/(x+y)=0.43のサンプルについて曝露テストした後の顕微鏡像である。この像から、曝露テストによる影響がないことが分かる。
図11は、x/(x+y)=0.70のサンプルについて曝露テストした後の顕微鏡像である。この像から、曝露テストによる影響がないことが分かる。
図12は、x/(x+y)=0.76のサンプルについて曝露テストした後の顕微鏡像である。この像から、曝露テストによる影響がないことが分かる。
図13は、x/(x+y)=0.79のサンプルについて曝露テストした後の顕微鏡像である。この像から、曝露テストによる影響がないことが分かる。
図14は、x/(x+y)=0.82のサンプルを700℃で熱処理して曝露テストした後の顕微鏡像である。この像から、耐腐食性がないことが分かる。
図15は、Alのサンプルについて曝露テストした後の顕微鏡像である。この像から、耐腐食性がないことが分かる。
図16は、Yのサンプルについて曝露テストした後の顕微鏡像である。この像から、耐腐食性がないことが分かる。
なお、実施例及び比較例で使用した元素比率は、日本電子製 走査型電子顕微鏡(SEM)(型番:JSM-IT500)に付属するエネルギー分散型X線分光器(EDS)を用いてZAF補正法により求めた。ZAF補正法とは、サンプルから放出された特性X線強度と標準試料から測定された特性X線の相対強度Kに、ZAF効果(Z(原子番号効果)、A(吸収効果)、F(蛍光励起効果))を考慮して理論補正して濃度を求める方法である。
1:第一の原料
2:第二の原料
10,30:製造装置
11,31:基材
12,32:サンプル台
13,33:チャンバー
14,34a,34b:気化器
15,35:キャリアガス供給源
19,39:ノズル
50:曝露テスト用のシステム

Claims (8)

  1. アモルファスYAl(ただし、0.24≦x/(x+y)≦0.82,z/(x+y)=1.5)を有しかつ0.1μm以上1μm以下の厚みを有する、CVD膜のみからなり、900℃以上に加熱して焼成すると結晶性を有する、複合膜。
  2. ハロゲンを含有するガスに対する耐腐食性を有する、請求項1に記載の複合膜。
  3. 基材と、
    前記基材上に設けられた請求項1又は2に記載の複合膜と、
    を有する部品。
  4. 前記基材が、ボルト、ナット及びワッシャーの何れかを含む締結部品の基材である、請求項3に記載の部品。
  5. ボルト、ナット及びワッシャーの何れかを含む締結部品の基材である基材と、
    前記基材上に設けられ、アモルファスY Al (ただし、0.24≦x/(x+y)≦0.82,z/(x+y)=1.5)を有しかつ0.1μm以上1μm以下の厚みを有する、CVD膜のみからなる、複合膜と、
    を有する部品。
  6. 請求項1又は2に記載の複合膜を製造するにあたり、
    250℃以上600℃以下の範囲の所定の温度に基材を加熱した状態で、酸化イットリウム、酸化アルミニウムの各原料をそれぞれ気化し、キャリアガスにより気化原料を前記基材へ噴射する、複合膜の製造方法。
  7. さらに、前記気化原料の前記基材への噴射の際の前記基材の加熱温度よりも昇温して熱処理する、請求項に記載の複合膜の製造方法。
  8. アモルファスY Al (ただし、0.24≦x/(x+y)≦0.82,z/(x+y)=1.5)を有しかつ0.1μm以上1μm以下の厚みを有する、CVD膜のみからなる、複合膜を製造するにあたり、
    250℃以上600℃以下の範囲の所定の温度に基材を加熱した状態で、酸化イットリウム、酸化アルミニウムの各原料をそれぞれ気化し、キャリアガスにより気化原料を前記基材へ噴射し、
    さらに、前記気化原料の前記基材への噴射の際の前記基材の加熱温度よりも昇温して熱処理する、複合膜の製造方法。
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