本発明の一実施形態に係る浴室ユニットについて説明する。図1は本実施形態の浴室ユニット100の外方の一部を示す斜視図である。図2は、本実施形態の浴室ユニット100の支柱の支持構造301,302を示す分解斜視である。図3は本実施形態のコーナー支柱(支柱)111が取付けられたコーナー支柱固定部材1を内方から見た斜視図である。図4は、本実施形態のコーナー支柱111が取付けられたコーナー支柱固定部材1を外方から見た斜視図である。図5は、本実施形態の浴室ユニット100のコーナー支柱の支持構造301を示す断面図である。図6は、本実施形態の平面支柱の支持構造302を内方から見た斜視図である。図7は、本実施形態の平面支柱の支持構造302を外方から見た斜視図である。図8は、本実施形態の平面支柱の支持構造302を内方から見た斜視図である。図9は、本実施形態の平面支柱の支持構造302の横断面図である。図10は、本発明の一実施形態の平面支柱の支持構造301の縦断面図である。
なお、図面において、同一又は類似の部分には同一の符号を付して、重複する説明を省く場合がある。また、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために誇張されることがある。また、以下の説明では、特に断らない限り、浴室ユニット100が組み立てられた状態における各部材の姿勢について説明する。
浴室ユニット100は、建物の躯体内にフレームとパネルとを用いて、床、壁、天井及び浴槽等を組み立てて設置される。図1に示すように、浴室ユニット100の下部には、縁部に設けられる水返し材101が設けられている。浴室ユニット100の隅部には、コーナー支柱(支柱)111が立設され、コーナー支柱111,111間に平面支柱(支柱)110が立設され、コーナー支柱111と平面支柱110との間に壁パネル102が取付けられて浴室ユニット100の壁部が形成される。コーナー支柱111の上部間には、長尺な横フレーム103が水平方向に架設される。横フレーム103で囲まれたスペースに天井パネル104が取付けられる。
水返し材101は、浴室ユニット100の下部の外周縁部に設けられる場合と、洗い場の床面の縁部および浴槽のフランジの縁部に設けられる場合とがある。壁パネル102は、水返し材101の上方に設けられる。そのため、壁パネル102は、浴室ユニット100の下部の外周縁部に立設される場合と、洗い場の床面の縁部および浴槽のフランジの縁部に立設される場合とがある。以下、水返し材101が設けられる浴室ユニット100の縁部とは、浴室ユニット100の下部の外周縁部、洗い場の床面の縁部、および浴槽のフランジの縁部を含む。
図1に示すように、浴室ユニット100の下部において、水返し材101にコーナー支柱固定部材1及び平面支柱固定部材2が取付けられ、コーナー支柱固定部材1にコーナー支柱111が固定され、平面支柱固定部材2に平面支柱110が固定される。
水返し材101は、アルミニウム製の押出形材であり、浴室ユニット100の下縁枠(不図示)に固定されている。図5、図6及び図10に示すように、水返し材101は、下縁枠への固定部1101と、固定部1101の外周端部から上側に立ち上がる起立壁1102とで略L字状の縦断面形状を有する。
コーナー支柱111は、水平断面形状が略矩形のアルミニウム製の長尺な押出形材である。図2及び図5に示すように、コーナー支柱111は、外側に配置される2つの外平面部111aが互いに直交する位置に配置され、外平面部111a同士は、接続平面111bで接続されて角部が面取りされた形状を有する。2つの内平面部111cは、2つの外平面部111aの接続平面111bとの接続部とは反対側の端部から内側に略直交方向に曲折して延びており、各内側端部111d同士が離間して開口が形成されている。図5に示すように、コーナー支柱111の各内側端部111dは、水返し材101の起立壁1102に平行な方向に曲折している。
平面支柱110は、アルミニウム製の長尺な押出形材であり、図2及び図9に示すように、外平面部110aと、外平面部110aの水平方向両端部から内側に略直交する方向に延びる内平面部110cと、各内平面部110cの内側端部から互いに近付く方向に傾斜する傾斜平面110bと、傾斜平面110bの内側端部間の開口から外平面部110aと略平行に離間する方向に延びる当接部110dとを有する。当接部110dは壁パネル102(図1参照)に当接する。
図2及び図11に示すように、コーナー支柱111の上端の開口は、後述するフレーム係止部材8の挿入部82が挿入される受け部111gである。コーナー支柱111の受け部111gのうち、外平面部111aには、厚さ方向に貫通する係合孔111f,111fが形成されている。
図2から図6に示すように、コーナー支柱固定部材1は、外部材5と内部材4とで構成されている。外部材5は、水返し材101の隅部101aの外側に配置される部材であり、内部材4は水返し材101の内側に配置される部材である。
外部材5は、アルミニウム製の一枚の平板部材を曲げ加工等により形成された部材であり、外挟持部51と、コーナー支柱固定部52,52と、離脱規制部53と、当接部54,54と、コーナー部55とを有する。
外挟持部51は、水返し材101の外面に当接する部分である。外挟持部51は、水返し材101の外面の高さと略等しい2つの平板が鉛直方向に配置され、2つの外挟持部51同士が水返し材101の隅部の外面形状に沿って互いに直交する向きに設けられている。2つの外挟持部51,51間の湾曲するコーナー部55は円弧状に湾曲している。
各外挟持部51の下端に、離脱規制部53,53が形成されている。離脱規制部53,53は、外挟持部51,51の下端部から曲折して内側に突出した突出片である。
当接部54,54は、各外挟持部51の上端から鉛直上方に延出して形成されている。したがって、当接部54,54同士も水返し材101の隅部の形状に沿って互いに直交する向きに設けられている。当接部54,54には、厚さ方向に貫通する固定具取付孔541,541が形成されている。当接部54,54は後述する内部材4と当接する平板部である。
外部材5のコーナー部55側における当接部54,54の端部には、コーナー支柱固定部(支柱固定部)52,52が設けられている。コーナー支柱固定部52,52は、当接部54,54のコーナー部55側の端部から内側に略直交する方向に延設されている。コーナー支柱固定部52,52には、厚さ方向に貫通する固定具取付孔521,521がそれぞれ形成されている。
内部材4は、アルミニウム製の一枚の平板部材を曲げ加工等により形成された部材であり、内挟持部41,41と、当接部44,44と、コーナー部45と、コーナー支柱当接片42,42と、位置決めガイド43と、補助ガイド48,48とを有する。
内挟持部41は、水返し材101の内面に当接する部分である。内挟持部41は、外挟持部51の上下方向の寸法より短い寸法の2つの平板が鉛直方向に配置され、水返し材101の隅部の内面形状に沿って互いに直交する向きに設けられている。2つの内挟持部41間のコーナー部45は、内挟持部41,41間を繋ぐ平面状に形成されている。内挟持部41,41には上下方向に延びるリブ46が複数形成され、強度が補強されている。
当接部44,44は、各内挟持部41の上端から上方に延出して形成されている。当接部44,44同士も水返し材101の隅部の内形状に沿って互いに直交する向きに設けられている。内部材4は、内挟持部41の外面が水返し材101の内面に当接し当接部44,44が外部材5の当接部54,54と面接触する。そのため、内部材4では、内挟持部41と当接部44との間に、水返し材101の厚さに対応する段部47が形成されている。当接部44は、内挟持部41よりも外側で鉛直方向に延びる平面が形成されている。この構成により、図4及び図5に示すように、外部材5の外面は略面一な平面部が形成され、外部材5の外方への突出量が抑えられる。
当接部44,44には、厚さ方向に貫通する固定具取付孔441,441が形成されている。
図2から図5に示すように、コーナー部45側の当接部44の上端部には、外側に曲折する補助ガイド48,48が設けられている。補助ガイド48の下端部と、内挟持部41の上端との間の距離は、外部材5のコーナー支柱固定部52の上下方向の寸法よりわずかに長い。
コーナー支柱当接片(支柱固定部)42,42は、コーナー部45側の内挟持部41の上端から上方に爪状に突出している。
位置決めガイド43は、コーナー部45の上端から上方に突出して設けられている。位置決めガイド43は、図4及び図5に示すように、コーナー部45の外面よりも外側に曲折した段部431と、段部431が鉛直上方に延出した平板部432とで構成されている。
平面支柱固定部材2は、外部材7と内部材6とで構成されている。
外部材7は、水返し材101の隅部101a間の平面部101bの外側に配置される部材であり、内部材4は水返し材101の平面部101bの内側に配置される部材である。
外部材7は、アルミニウム製の一枚の平板部材を曲げ加工等により形成された部材であり、外挟持部71と、平面支柱固定部72,72と、離脱規制部73,73と、当接部74,74とを有する。
外挟持部71は、水返し材101の平面部101bの外面に当接する部分である。外挟持部71は、水返し材101の外面の高さと略等しい平板が鉛直方向に配置されている。外挟持部71には上下方向に延びるリブ76が複数形成され、強度が補強されている。
外挟持部51の下端に、2つの離脱規制部73,73が形成されている。離脱規制部73,73は、外挟持部71の下端部から曲折して内側に突出した突出片である。
当接部74,74は、外挟持部71の上端から鉛直上方に延出して形成されている。当接部74,74には、厚さ方向に貫通する固定具取付孔741,741が形成されている。当接部74,74は内部材6と当接する平板部である。
当接部74,74の幅方向(水返し材101の長尺方向)の内側の端部には、それぞれ平面支柱固定部(支柱固定部)72,72が設けられている。平面支柱固定部72,72は、当接部74,74の幅方向内側の端部から、内方に略直交する方向に延設されている。平面支柱固定部72,72には、厚さ方向に貫通する固定具取付孔721,721がそれぞれ形成されている。
内部材6は、アルミニウム製の一枚の平板部材を曲げ加工等により形成された部材であり、内挟持部61と、当接部64,64と、位置決めガイド63と、補助ガイド68,68とを有する。
内挟持部61は、水返し材101の平面部101bの内面に当接する部分である。内挟持部61は、外挟持部71の上下方向の寸法より短い寸法の平板が鉛直方向に配置されている。内挟持部61,61には上下方向に延びるリブ66が複数形成され、強度が補強されている。
当接部64,64は、内挟持部61の上端のうち、幅方向の両端部からそれぞれ上方に延出して形成されている。2つの当接部64,64間は、平面支柱110が配置可能な程度に幅方向に離間している。内部材4は、内挟持部41の外面が水返し材101の平面部101bの内面に当接し、当接部64,64が外部材7の当接部74,74と面接触する。そのため、内部材6では、内挟持部61と当接部64との間に、水返し材101の厚さに対応する段部67が形成されている。当接部64,64は、内挟持部41よりも外側で鉛直方向に延びる平面が形成されている。この構成により、図7に示すように、外部材5の外面は外方への突出量が抑えられる。
当接部64,64には、厚さ方向に貫通する固定具取付孔641,641が形成されている。
図2及び図6から図8に示すように、当接部64,64の幅方向内側の上端部には、外側に曲折する補助ガイド68,68が設けられている。補助ガイド68の下端部と、内挟持部61の上端との間の距離は、外部材7の平面支柱固定部72の上下方向の寸法よりわずかに長い。
位置決めガイド63は、内挟持部61の幅方向の略中央部の上端から上方に突出して設けられている。位置決めガイド63は、図2に示すように、段部67から鉛直上方に延出した平板部632を有する。
次に、浴室ユニット100の上部の構成について説明する。図11は、コーナー支柱111と横フレーム103との連結構造(浴室フレームの連結構造)300の分解斜視図である。図12は、本実施形態の係止部材本体81を示す斜視図である。図13は、本実施形態の係止部材8の挟持片9を示す斜視図である。図14は、本実施形態の係止部材8に横フレーム103を取り付ける態様を示す斜視図である。図15は、本実施形態の浴室ユニットのコーナー支柱111の上部のフレーム連結構造300を示す横断面図である。
図1及び図11に示すように、コーナー支柱111の上部側には横フレーム103が架設されている。コーナー支柱111の上部には、フレーム係止部材(係止部材)8が取付けられ、フレーム係止部材8に横フレーム103が連結されている。
横フレーム103は、図1及び図11に示すように、アルミニウム製の形材からなる長尺部材である。横フレーム103は、長尺方向に延びる複数の平面を有する。具体的には、下面103bと、外側側面103aと、内側側面103cと、傾斜面103dと、を有する。下面103bは平面視略長方形の平面である。外側側面103a及び内側側面103cは、下面103bの長尺方向に平行に延びる2つの縁端部から鉛直上方に立設される平面である。傾斜面103dは、内側側面103cの上端から外方に曲折して斜め下方に延設される。横フレーム103の内側側面103cの長尺方向の両側の端部103fでは、内側の平面の高さが外側側面103aの高さと略等しい高さの挿入片103eが形成されている。挿入片103eにおける下面103bと内側側面103cとの境界部分の角部には、厚さ方向に貫通する矩形の貫通孔103gが形成されている。
フレーム係止部材8は、係止部本体81と、挟持片9と、係止部本体81の下方に形成される挿入部82と、を備える。フレーム係止部材8は、コーナー支柱111の上端に取り付けられ、横フレーム103をコーナー支柱111に連結する部材である。
図12及び図14に示すように、挿入部82は、コーナー支柱111の上端の受け部111gに挿入される部分である。挿入部82は、コーナー支柱111の受け部111gの開口形状に沿った水平断面形状で形成されており、コーナー支柱111の受け部111gに挿入されると、挿入部82の外側の面がコーナー支柱111の内面に当接して係合可能な形状を有する。
さらに、挿入部82の外面のうち、受け部111gの内面と対向する面に凸部821が形成されている。凸部821は、挿入部82の外側の面であって、コーナー支柱111の外平面部111aの内面と対向する面に、外方に向かって突出している。凸部821の周囲には、U字形状の切り欠きが形成された切り欠き部821aが形成されており、凸部821に外方から力が加わると、挿入部82の内方側へ弾性変形可能に構成されている。
係止部本体81は、挿入部82よりも水平断面寸法が大きく、挿入部82と係止部本体81との間に段差が形成され、係止部本体81の下端部がコーナー支柱111の上端と当接する当接部となるように構成されている。図1及び図11に示すように、係止部本体81の外方側の面は、コーナー支柱111の外平面部111aに沿って平面視略L字型に形成されている。図12に示すように、係止部本体81の説明において、平面視略L字型の内コーナーを形成する二面を内側面81a,81aと称し、係止部本体81に連結される横フレーム103の長尺方向に交差する面を横側面81b,81bと称する。また、内側面81a,81aが面する側を係止部本体81の内方側と称する。
図12に示すように、係止部本体81の内方側には、横フレーム挿入部83が形成されている。横フレーム挿入部83は、平面視略L字型に形成され、内方側に開口する縦断面が矩形の溝形状を有し、内側面81a,81aの全域に亘って開口している。横フレーム挿入部83は、横側面81b,81bに略U字型の横開口83aが形成されている。
下面832は水平面であり、複数の凸部834が形成されている。横フレーム挿入部83の下面832と対向する上面833との間を接続し、下面832から上方に延びる縦内面831には、横フレーム挿入部83のコーナー85の近傍に係止凸片(規制部)84,84が設けられている。係止凸片84,84は、縦内面831から内方に向かって水平方向に突出して形成されている。
横フレーム挿入部83の下面832のコーナー85部分には、下方に延びる挿入孔851が形成されている。挿入孔851は、縦内面831のコーナー85に近接しており、挿入孔851の上方は上面833が形成されずに開放されている。
横フレーム挿入部83の下面832のうち、挿入孔851よりも内方側には、下方に窪む係止溝86が形成されている。
横フレーム挿入部83の横開口83aの下方には、横側面81b,81bに沿って下方に突出する支柱係止部88,88が形成されている。
図12及び図14に示すように、横フレーム挿入部83の横開口83aの上方には、横側面81b,81bの上端部から突出する延出部81cが設けられている。なお、図14では、一方の横側面81bの一部を破断して示しており、一方の延出部81cは記載を省略している。延出部81cは、平面視において、係止部本体81の上面の内外方向の寸法が先細りとなるテーパー形状を有し、延出端が係止部本体81の外周面よりも内方且つ内側面81aよりも外方に位置する。延出部81cには、延出端から下方に突出する補助爪81dが設けられている。
係止部本体81の上面には、上方に突出する仮係止部87,87が形成されている。また、コーナー85の上部は、上方に突出するコーナー凸部89が形成されている。
挟持片9は、図13に示すように、縦長形状の樹脂成型部材である。挟持片9は、本体部90と、本体部90から下方に突出する第1係止部91及び第2係止部92とを有する。第1係止部91は、本体部90の外方端90aに沿って下方に突出する。第2係止部92は、本体部90の内方端90b側から下方に突出し、第1係止部91よりも内方に位置する。第2係止部92の下端部には外方側に係止爪92aを備える。本体部90と第2係止部92の外方側の上端部との接続部分には、係止凸部94が形成されている。
次に、コーナー支柱111ならびに平面支柱110の取付方法及び支持構造301,302について説明する。まず、コーナー支柱111の取付方法及び支持構造301について説明する。
水返し材101の隅部101aの内面側に内部材4を配置し、外面側に外部材5を配置する。内挟持部41と外挟持部51とで、コーナー支柱固定部材1の挟持部が構成されている。内部材4は、内挟持部41の外面を隅部101aの内面に当接させ、段部47を水返し材101の上端に当接させる。
外部材5は、離脱規制部53,53を水返し材101の隅部101aの外面側の下部に当接させ、外挟持部51を水返し材101の外面に当接させる。このとき、図3及び図5に示すように、コーナー支柱固定部52,52が内部材4の内挟持部41の上端と補助ガイド48の下端との間であって、当接部44とコーナー支柱当接片42との間に進入する。この結果、内部材4と外部材5とは、水返し材101を挟んで仮係止される。内部材4と外部材5とが仮係止された状態で、内部材4の当接部44,44の外面と外部材5の当接部54,54の内面とを当接させて、ねじ901等の固定部材を、内方から内部材4及び外部材5の固定具取付孔441,541に挿入して、内部材4と外部材5とを固定する。これにより、コーナー支柱固定部材1は水返し材101の隅部101aを厚さ方向に挟持して、水返し材101に固定される。このとき、外部材5の離脱規制部53が水返し材101の下端部に当接しているため、コーナー支柱固定部材1は水返し材101に対する上下方向の移動が規制され、コーナー支柱固定部材1が水返し材101から外れることが防止される。その結果、コーナー支柱固定部材1を水返し材101に安定して固定できる。
コーナー支柱111は、コーナー支柱固定部材1のコーナー支柱固定部52,52に固定される。具体的には、内部材4及び外部材5の挟持部41,51及びコーナー部45,55の上端に、コーナー支柱111の下端部を載置し、2つの内平面部111cをコーナー支柱固定部52,52に当接させる。
このとき、内部材4の位置決めガイド43の内面がコーナー支柱111の傾斜平面110bの外面に当接し、コーナー支柱111の位置をガイドする。また、内部材4のコーナー支柱当接片42がコーナー支柱111の内面に位置し、コーナー支柱固定部52,52とコーナー支柱当接片42でコーナー支柱111を挟む。さらに、図3及び図5に示すように、コーナー支柱111の内平面部111cと外平面部111aとの各外側角部111e,111eに内部材4の補助ガイド48,48がそれぞれ当接して、コーナー支柱111が水返し材101の隅部101aの外方に移動するのを規制する。
この状態で、ねじ910を用いて、コーナー支柱固定部52,52の固定具取付孔521,521に、隅部101aの内方からコーナー支柱111を固定し、コーナー支柱固定部材1を介して、コーナー支柱111を水返し材110に固定する。
次に、平面支柱110の取付方法及び支持構造302について説明する。
水返し材101の平面部101bの内面側に内部材6を配置し、外面側に外部材7を配置する。内挟持部61と外挟持部71とで、平面支柱固定部材2の挟持部が構成されている。内部材6は、内挟持部61の外面を平面部101bの内面に当接させ、段部67を水返し材101の上端に当接させる。
外部材7は、離脱規制部73,73を水返し材101の平面部101bの外面側の下部に当接させ、外挟持部71を水返し材101の外面に当接させて挟持する。このとき、図8に示すように、平面支柱固定部72,72が、内部材6の内挟持部61の上端と補助ガイド68の下端との間であって、当接部64と位置決めガイド63との間に進入する。この結果、内部材6と外部材7とは、水返し材101を挟んで仮係止される。内部材6と外部材7とが仮係止された状態で、内部材6の当接部64,64の外面と外部材7の当接部74,74の内面とを当接させて、ねじ901等の固定部材を、内方から内部材6及び外部材7の固定具取付孔641,741に挿入して、内部材6と外部材7とを固定する。これにより、平面支柱固定部材2は水返し材101の平面部101bを厚さ方向に挟持して、水返し材101に固定される。このとき、図10に示すように、外部材7の離脱規制部73が水返し材101の下端部に当接しているため、平面支柱固定部材2は水返し材101に対する上下方向移動が規制され、平面支柱固定部材2が水返し材101から外れることが防止される。
図6及び図7に示すように、平面支柱110は、平面支柱固定部材2の平面支柱固定部72,72に固定される。具体的には、内部材6及び外部材7の挟持部61,71の上端に、平面支柱110の下端部を載置し、2つの内平面部110cをコーナー支柱固定部52,52に当接させる。
このとき、内部材6の位置決めガイド63の外面が平面支柱110の外平面部110aの内面に当接し、平面支柱110の位置をガイドする。また、内部材6の位置決めガイド63が平面支柱110の内面に位置し、平面支柱固定部72,72と位置決めガイド63とで平面支柱110を挟む。さらに、図9に示すように、平面支柱110の内平面部110cと外平面部110aとの外側角部110eに内部材6の補助ガイド68,68が当接して、平面支柱110が水返し材101の平面部101bの外方に移動するのを規制する。
この状態で、ねじ910を用いて、平面支柱固定部72,72の固定具取付孔721,721に、水返し材101の内方から平面支柱110を固定する。
次に、支柱及び横フレームの取付方法及び連結構造300について説明する。
コーナー支柱111の上端の受け部111gにフレーム係止部材8の挿入部82が挿入されると、挿入部82の凸部821が受け部111gの内面に当接して押圧され、切り欠き部821aが弾性変形して撓み、凸部821が内方に移動する。係止部本体81の下端がコーナー支柱111の上端に当接する位置まで挿入部82が挿入されると、凸部821,821がコーナー支柱111の係合孔111f,111fに配設されてコーナー支柱111の内面からの押圧力が解除され、切り欠き部821aが元の位置に復元し、凸部821,821が係合孔111f,111fに係合される。これにより、フレーム係止部材8がコーナー支柱111の上方に抜けることが防止される。
また、係止部本体81の下端がコーナー支柱111の上端に当接する位置まで挿入部82が挿入されると、支柱係止部88がコーナー支柱111の外側角部111eの外側に配置され、挿入部82と支柱係止部88とにより、コーナー支柱111が挟持される。この結果、挿入部82を受け部111gに挿入する簡単な操作で、係止部本体81がコーナー支柱111に安定的に係合される。
次に、横フレーム103を連結する。横フレーム103を浴室内側からフレーム係止部材8に近付け、横フレーム103の挿入片103eを、横フレーム挿入部83の内側面81a側から挿入する。このとき、横フレーム103の外側側面103aの上端部が補助爪81dに当接する。横フレーム103をさらに押し込むと、横フレーム103の押圧力により延出部81cが弾性変形して補助爪81dが外側側面103aを乗り越え、外側側面103aは補助爪103と横フレーム挿入部83の縦内面831との間に配置される。また、図14に示すように、横フレーム103の内側側面103cの長尺方向の両側に位置する端部103fが係止部本体81の横側面81bに当接する位置まで近付けて、挿入片103eの端部が横フレーム挿入部83のコーナー85近傍に位置するように横フレーム103が挿入される。
この結果、挿入片103eの貫通孔103g(図11参照)に係止凸片84が挿入され、横フレーム103が横フレーム挿入部83に収容される。横フレーム挿入部83の縦内面831の高さは、横フレーム103の外側側面103aの高さと略等しい。したがって、この状態で、横フレーム103は、係止凸片84と貫通孔103gとの係合で横フレーム103の長尺方向の移動が規制される。また、横フレーム挿入部83の下面832、上面833及び縦内面831により、横フレーム103の上下方向の移動が規制される。また、補助爪103により、横フレーム103の長尺方向に直交する方向(横フレーム103の横フレーム挿入部82への挿入方向)への移動が規制される。この結果、後述する挟持片9装着前に横フレーム103が横フレーム挿入部83から脱落することを防ぐことができる。
なお、横フレーム103を浴室内側からフレーム係止部材8に近付ける際、横フレーム103の他方の端部は、隣のコーナー支柱111に設けられたフレーム係止部材8の仮係止部87に、横フレーム103の他端部の貫通孔103gを上方から挿入すると横フレーム103が容易に仮支持され、横フレーム103の連結作業が容易となる。
次に、挟持片9を内方の上方からフレーム係止部材8のコーナー85に近付け、挟持片9の第1係止部91を係止部本体81の挿入孔851に挿入する。挟持片9の上端がコーナー凸部89の上端と略等しい位置となるまで第1係止部91が挿入孔851に挿入されると、挟持片9の係止凸部94が、係止溝86に挿入され、第2係止部92の係止爪92aが、係止溝86の下側であって挿入部82の内方に形成された係止面82cに係止される(図14参照)。これにより、挟持片9がフレーム係止部材8に係合する。
挟持片9がフレーム係止部材8に係合すると、図15に示すように、横フレーム103の挿入片103eの外側側面103aが、挟持片9の本体部90と、横フレーム挿入部83との間に挟持される。この結果、このように連結された横フレーム103は、コーナー支柱111の上方であり、且つ、コーナー支柱111の外平面部111aよりも外方に突出することなく、コーナー支柱111に連結される。また、横フレーム103は、内外方向への移動が規制され、フレーム係止部材8に連結される。この構成により、ねじ等の固定部材を使用することなく、浴室ユニット100の内方から横フレーム103をコーナー支柱111に連結できる。
上記実施形態では、挟持片9は、フレーム係止部材8と別部材で構成される例を示したが、図16に示すように、連結部93を介して挟持片9をフレーム係止部材8に接続する構成であってもよい。連結部93は、挟持片9ならびにフレーム係止部材8と別部材であってもよい。また、フレーム係止部材8、挟持片9、連結部93を樹脂で一体成型してもよい。
本実施形態に係る支柱の支持構造301,302によれば、浴室ユニット100の下部の縁部に設けられる水返し材101に支柱固定部材1,2が取付けられ、水返し材101の外周よりも内方で支柱固定部材2,3の支柱固定部42,52,72に支柱が固定される。つまり、水返し材101を挟持する支柱固定部材2,3に支柱110,111を支持する構造である。この結果、支柱固定部材2,3を水返し材101に直接ねじ等の固定部材で固定しないため、水返し材101の材質、例えば、水返し材の材質の硬さ、に拠らずに固定でき、水返し材101の外周方向に支柱110,111を固定する部材を締結するための構造の突出量を小さくすることができる。また、浴室ユニット100の内壁から外周縁までの寸法を削減可能であり、限られた設置スペースでも広い浴室空間を確保することができる。
ここでいう水返し材101の外周よりも内方とは、支柱(コーナー支柱111及び平面支柱110)が水返し材101の外側面から外方に突出しない範囲であり、水返し材101の外側面と同面上で支柱110,111が支柱固定部材1,2に取り付けられる構造を含む。
本実施形態に係る支柱の支持構造301,302によれば、固定具取付孔521,721が浴室の内側に位置するように支柱固定部材が配置されているため、支柱110,111を浴室の内側で固定できる。この結果、支柱110,111を支柱固定部材1,2に固定するための固定具910が浴室の外側に突出することがなく、浴室ユニット100の外周方向への突出量が削減できる。したがって、浴室ユニット100の内壁から外周縁までの必要寸法(必要スペース)を削減可能であり、限られた設置スペースでも広い浴室空間を確保することができる支柱110,111の支持構造を提供できる。また、施工時に、浴室の内側で支柱110,111を支柱固定部材に固定できるため、施工が容易である。
本実施形態に係る支柱の支持構造301,302によれば、浴室の内側の位置で、支柱固定部材1,2の支柱固定部52,72の平面に固定具取付孔521,721が形成されており、支柱110,111を支柱固定部52,72の平面に面接触させた状態で固定具により固定できる。この結果、支柱固定部材は、支柱110,111を少なくとも2平面で面接触させて固定具910で安定して固定させることができる。また、その固定位置が浴室の内側に位置するため、浴室ユニット100の外周方向への突出量を抑えることができ、且つ、水返し部101の上方に設けられる壁パネルの厚さの範囲内のスペースに支柱の固定位置を設けることができる。したがって、浴室ユニット100の内壁から外周縁までの寸法を削減可能である。
本実施形態に係る支柱の支持構造301,302によれば、施工時に支柱110,111を支柱固定部材1,2の支柱固定部2,72に配置する際、補助ガイド48,68により支柱110,111の取付位置がガイドされるため、支柱110,111の支柱固定部材1,2への取付作業が容易になる。
本実施形態に係る支柱の支持構造301,302によれば、コーナー支柱111を支柱固定部材1に固定する場合に、挟持部41,51の上部の曲折したコーナー部に位置決めガイド43が設けられているため、支柱固定部材1に対するコーナー支柱111の位置決めが容易である。したがって、コーナー支柱111の支柱固定部材1への取付作業が容易となる。
上記実施形態では、コーナー支柱111を支持固定部材1へ容易に取り付けるため、コーナー支柱固定部材1の内部材4に位置決めガイド43を設けた例を示したが、コーナー支柱111の支持部材を浴室ユニット100の外方に突出させないという目的においては、位置決めガイド43は必須の構成ではない。
上記実施形態では、支柱110,111を支持固定部材1,2に容易に取り付けられるようにするために支柱固定部材1,2の内部材4,6に補助ガイド48,68を設けた例を示したが、コーナー支柱111の支持部材を浴室ユニット100の外方に突出させないという目的においては、補助ガイド48,68は必須の構成ではない。
以上、本発明の実施形態において、内部材4と外部材5との組合せ、また、内部材6と外部材7との組合せにより支柱固定部材を別部材で構成しているが、両者の間を水返し部材を挟持できる程度に可撓な連結部材、例えばワイヤ等で接続されている構成等、支柱固定部材は一部材で構成されてもよい。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
また、上述の実施形態において示した構成要素は適宜に組み合わせて構成することが可能である。