以下に、実施の形態にかかる通信端末、通信システム、省電力制御方法および省電力制御プログラムを図面に基づいて詳細に説明する。
実施の形態.
図1は、実施の形態にかかる通信システムを含む全体システムの構成例を示す図である。図1に示すように、実施の形態の全体システムは、第1サービスを提供するための処理を行う第1サービスシステム10,20,30と、第1サービスシステム10,20,30のそれぞれに対応して構築される通信システム11,21,31と、を備える。また、全体システムは、さらに、第2サービスを提供するための処理を行う第2サービスシステム40,50を備える。なお、この全体システム自体も、1つの通信システムである。
第1サービスは、例えば、電力、ガス、上下水道などの使用量の自動検針サービス、各種センサーデータに基づく監視制御サービスなどである。例えば、第1サービスが、電力、ガス、上下水道などの使用量の自動検針サービスである場合には、第1サービスシステム10,20,30は、それぞれ通信システム11,21,31を介して収集したメーターデータを管理する自動検針システムである。また、例えば、第1サービスが監視制御サービスである場合には、第1サービスシステム10,20,30は、それぞれ通信システム11,21,31を介して収集したセンサーデータに基づいて監視制御を実施する監視制御システムである。
第1サービスは、当該サービスのために構築された通信システムを有するサービスのことを意味しており、第1サービスシステム10,20,30のそれぞれが提供する第1サービスは、同種のものであってもよいし、異なる種類のものであってもよい。例えば、第1サービスシステム10が提供する第1サービスは電力の使用量の自動検針サービスであり、第1サービスシステム20が提供する第1サービスは監視制御サービスであるといったように、第1サービスシステム10,20,30が提供する第1サービスは、異なる種類のものであってもよい。
通信システム11,21,31は、それぞれ、複数の通信装置を備える。通信システム11,21,31は、それぞれ、第1サービスのために構築された通信ネットワークである。通信システム11を構成する各通信装置は、無線接続されていてもよいし、専用線により接続されていてもよいし、電力線により接続されていてもよいし、携帯端末の通信のために設けられた携帯通信網を介して接続されていてもよい。通信システム21,31を構成する各通信装置も、同様に、無線接続されていてもよいし、専用線により接続されていてもよいし、電力線により接続されていてもよいし、携帯端末の通信のために設けられた携帯通信網を介して接続されていてもよい。
通信システム11,21,31のそれぞれは、WAN(Wide Area Network)60を介して第2サービスシステム40および第2サービスシステム50にそれぞれ接続可能である。なお、図1ではWAN60を介して通信システム11,21,31のそれぞれと第2サービスシステム40,50のそれぞれとが接続されているが、これらの接続形態はWAN60を介した例に限定されない。
第2サービスは、当該サービスのために構築された通信システムを有さないサービスのことを意味しており、第2サービスシステム40,50が提供する第2サービスは、同種のものであってもよいし、異なる種類のものであってもよい。第2サービスは、例えば、電力、ガス、上下水道などの使用量の自動検針サービス、各種センサーデータに基づく監視制御サービスなどである。また、第2サービスは、データを収集する、あるいは配信するサービスなどであってもよい。
通信端末1-1,1-2,1-10,1-21,1-22は、通信システム11,21,31のいずれにも属さない通信装置であり、通信システム11,21,31のいずれかを介して、第2サービスシステム40,50のいずれかと通信を行うことにより、第2サービスを実現する。すなわち、通信端末1-1,1-2,1-10,1-21,1-22は、第2サービスのための通信を行う。詳細には、図1に示した例では、通信端末1-1,1-2は、通信システム11を介して第2サービスシステム40,50のいずれかと通信を行い、通信端末1-10は、通信システム21を介して第2サービスシステム40,50のいずれかと通信を行い、通信端末1-21,1-22は、通信システム31を介して第2サービスシステム40,50のいずれかと通信を行う。このように、通信端末1-1,1-2,1-10,1-21,1-22が、通信システム11,21,31を介して第2サービスシステム40,50のいずれかと通信を行うことで、第2サービス用に新たな通信ネットワークを構築せずに、第2サービスを提供することが可能となる。すなわち、既存の通信システム11,21,31をインフラストラクチャとして用いることで、効率的に第2サービスを実現することが可能となる。
図1に示した例では、3つの第1サービスシステム10,20,30を図示しているが、第1サービスシステムの数はこれに限定されない。また、図1に示した例では、2つの第2サービスシステム40,50を図示しているが、第2サービスシステムの数はこれに限定されない。また、同一通信システム内に複数の第2のサービスが共存していてもよい。また、図1に示した例では、5つの通信端末1-1,1-2,1-10,1-21,1-22を図示しているが、通信端末の数はこれに限定されない。
なお、本実施の形態では、既存の通信システム11,21,31をインフラストラクチャとして用いることで、効率的に第2サービスを提供する例を説明するが、通信端末1-1,1-2,1-10,1-21,1-22が、対応する第2サービスシステム40,50と通信を行う方法はこれに限定されない。例えば、通信端末1-1,1-2,1-10,1-21,1-22は、それぞれに対応する第2サービスシステム40,50とともに、第2サービスのための専用の通信システムを構成してもよい。または、通信端末1-1,1-2,1-10,1-21,1-22は、通信システム11,21,31以外の公衆回線などを用いて、それぞれ対応する第2サービスシステム40,50と通信を行ってもよい。
図2は、図1を具体化した構成例を示す図である。図2では、図1のうち、第1サービスシステム10,20と、通信システム11,21と、第2サービスシステム40とが具体化されている。図2では、具体例として、第1サービスシステム10,20が提供する第1サービスが、電力の使用量の自動検針サービスであり、第2サービスシステム40が提供する第2サービスがガスの使用量の自動検針サービスである例を示している。図2に示した電力自動検針システム9は、図1に示した第1サービスシステム10の一例であり、電力の使用量の計量結果などを管理する。電力自動検針システム9は、電力の使用量の自動検針のために構築された通信システム11と接続される。同様に、通信システム21は、電力の使用量の自動検針のために構築されており、図示を省略した電力自動検針システムに接続され、この電力自動検針システムが図1に示した第1サービスシステム20の一例である。
ガス自動検針システム7は、図1に示した第2サービスシステム40の一例である。図2では、通信端末1-1~1-6が通信システム11を介してガス自動検針システム7と通信することが可能であり、通信端末1-10が通信システム21を介してガス自動検針システム7と通信することが可能である。通信端末1-1~1-6,1-10は、ガスメーターとともに、商用電源の確保が困難な場所に設置されることが多い。このため、通信端末1-1~1-6,1-10は、電池により駆動されることが多く、省電力化が望まれる。通信端末1-1~1-6,1-10は、第1状態である起動状態(Active状態)と、第1状態より消費電力の少ない第2状態である休止状態(Sleep状態)とを交互に繰り返す間欠動作を行うことにより省電力化を図る。本実施の形態では、後述するように、時間帯ごとの通信頻度に応じて間欠動作の1周期における起動状態の時間と休止状態の時間との割合を設定する。これにより、省電力化を図りつつ応答の速さが要求される時間帯における応答速度の確保が可能な適切な間欠周期を設定することができる。
以下では、図2に示したように、第1サービスシステム10,20が提供する第1サービスが電力の使用量の自動検針サービスであり、第2サービスがガスの使用量の自動検針サービスである例を説明するが、第1サービス、第2サービスのそれぞれの内容はこれに限定されない。
図2に示すように、通信システム11は、電力の使用量を計量し、計量結果を電力自動検針システム9へ向けて送信するスマートメーター(以下、SMと略す)2-1~2-13を備える。通信システム11は、さらに、SM2-1~2-6から受信した計量結果を集約する集約局であるコンセントレーター3-1と、SM2-7~2-11から受信した計量結果を集約する集約局であるコンセントレーター3-2と、を備える。コンセントレーター3-1とSM2-1~2-6とは、無線マルチホップネットワークを構成する。コンセントレーター3-2とSM2-7~2-11とは、電力線マルチホップネットワークを構成する。コンセントレーター3-1,3-2は、通信システム11内の通信を管理する通信管理装置であるHES(Head End System)6-1に、WAN5を介して接続される。
なお、コンセントレーター3-1,3-2とSM2-1~2-11とが構築するマルチホップネットワークは、一般的なスマートメーターシステムにおけるマルチホップネットワークと同様であり、マルチホップネットワークにおける経路構築などの説明は省略する。一般的なスマートメーターシステムにおけるマルチホップネットワークと同様に、無線マルチホップネットワーク内の経路は変更され得る。なお、図2では図示を省略しているが、無線マルチホップネットワークおよび電力線マルチホップネットワークのそれぞれに1つのコンセントレーターを図示しているが、一般には、無線マルチホップネットワークおよび電力線マルチホップネットワークのそれぞれにおけるコンセントレーターは複数である。
SM2-12,2-13は、携帯端末の通信のために設けられた携帯通信ネットワーク4およびWAN5を介してHES6-1と接続される。なお、図2では、図示の都合上、携帯通信ネットワーク4およびWAN5も通信システム11を示す破線内に記載されているが、携帯通信ネットワーク4およびWAN5は通信システム11に含まれない。また、コンセントレーター3-1,3-2は、通信システム11内の通信を管理する通信管理装置であるHES6-1に、携帯通信ネットワーク4を介して接続されてもよい。
このように、図2に示した例では、通信システム11内に3つの通信方式によって通信を行うSM2-1~2-13が含まれているが、通信システム11内のSM2-1~2-13の通信方式の数は3つに限定されない。例えば、通信システム11内のSM2-1~2-13が全て同一の通信方式によって通信を行ってもよい。例えば、通信システム11内のSM2-1~2-13が全て無線マルチホップネットワークにより通信を行ってもよい。
図2に示した通信システム21は、HES6-2と、SM2-21,2-22とを備える。図2では図示を省略しているが、通信システム21においても、通信システム11と同様に、例えば、無線マルチホップネットワーク、電力線マルチホップネットワークおよび携帯通信ネットワーク4の3種類の通信方式のうちいずれか1つ以上が用いられる。ここでは、SM2-21,2-22は図示を省略したコンセントレーターとともに無線マルチホップネットワークを構成しているとする。HES6-2は、通信システム21内の通信を管理する通信管理装置である。
以下、SM2-1~2-13,2-21,2-22のそれぞれを個別に区別せずに示すときはSM2と記載し、コンセントレーター3-1,3-2のそれぞれを個別に区別せずに示すときはコンセントレーター3と記載し、HES6-1,6-2のそれぞれを個別に区別せずに示すときはHES6と記載する。図2ではSM2を15台図示しているが、実際には、SM2は電力の各需要家に設置されるため、SM2の数は15台より多い。一般的には、通信システム11は、広域で多数のSM2を含む大規模なシステムである。SM2-1~2-13は、通信システム11を構成する複数の通信装置の一例であり、SM2-21,2-22は、通信システム21を構成する複数の通信装置の一例である。SM2の一部は、例えば、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.15.4g/4eに準拠した通信を行う。
通信端末1-1~1-6は、通信システム11を介してガス自動検針システム7と通信することが可能である。具体的には、通信端末1-1~1-6は、通信システム11に属する通信装置で構成されるネットワークであるSMネットワークAに参入することが可能である。通信システム11に属する通信装置は、SM2-1~2-13、コンセントレーター3-1,3-2およびHES6-1を含む。同様に、通信端末1-10は、通信システム21を介してガス自動検針システム7と通信することが可能である。具体的には、通信端末1-10は、通信システム21に属する通信装置で構成されるネットワークであるSMネットワークBに参入することが可能である。通信端末1-1~1-6は、対応するSMネットワークに対してネットワーク参入処理を行うことにより、当該SMネットワークに参入可能となる。ネットワーク参入処理としてはどのような処理が用いられてもよく、一般的な処理を用いることができる。
本実施の形態では、SM2-1~2-13が、通常のスマートメーターとしての機能を有するとともに通信端末1-1~1-6との間でネットワーク参入処理を行うことにより、通信システム11を介した通信端末1-1~1-6とガス自動検針システム7との間の通信が可能となる。同様に、SM2-21,2-22が、通常のスマートメーターとしての機能を有するとともに通信端末1-10との間でネットワーク参入処理を行うことによりことにより、通信システム21を介した通信端末1-10とガス自動検針システム7との間の通信が可能となる。
通信端末1-1~1-6,1-10は、機器の一例であるガスメーター70-1~70-6,70-10にそれぞれ接続される。ガスメーター70-1~70-6,70-10はそれぞれガスの使用量を計量し、計量結果を通信端末1-1~1-6,1-10へ出力する。通信端末1-1~1-6は、通信システム11を介してガス自動検針システム7へ計量結果を送信する。通信端末1-10は、通信システム21を介してガス自動検針システム7へ計量結果を送信する。これにより、ガス自動検針システム7は、通信端末1-1~1-6,1-10を介して、ガスメーター70-1~70-6,70-10により計量されたガスの使用量を収集することができる。ガスメーター70-1~70-6,70-10は、通信端末に接続される機器の一例である。通信端末1-1~1-6,1-10は、このように機器に接続されることにより機器がネットワークを利用することが可能になるため、IoT(Internet of Things)を実現するIoT端末とも言える。以下、通信端末1-1~1-6,1-10のそれぞれを個別に区別せずに示すときは、通信端末1と記載し、ガスメーター70-1~70-6,70-10のそれぞれを個別に区別せずに示すときは、ガスメーター70と記載する。
図2に示した構成例では、電力の使用量の自動検針のために構築されたSMネットワークAおよびSMネットワークBを用いたガスの使用量の自動検針を実現することができる。一般的には、SM2は広い範囲にわたって多数配置されており、SMネットワークAおよびSMネットワークBは大規模なネットワークである。図2に示した構成例では、このような広域で大規模なSMネットワークを利用することにより、ガスの使用量の自動検針のためのネットワークを新たに構築せずに、広い範囲で多数のガスの需要家からガスの使用量の計量結果を収集することができる。
ガス自動検針システム7は、例えば、周期的に各ガスメーター70の計量結果を検針データとして収集する。したがって、通信端末1は、周期的に検針データを、通信システム11を介してガス自動検針システム7へ送信する。この周期を以下、検針データ送信周期と呼ぶ。検針データ送信周期は、例えば1日であるが、検針データ送信周期はこれに限定されない。また、例えば、1時間ごとの計量結果を1日分まとめて収集するといったように、ガス自動検針システム7は、複数の時間でそれぞれ計量された複数の計量結果をまとめて収集することもある。このようなときには、検針データ送信周期と計量結果の時間的分解能である計量周期とがそれぞれ定められる。通信端末1には、検針データ送信周期、または検針データ送信周期および計量周期が設定される。例えば、ガス自動検針システム7から通信端末1に、検針データ送信周期、または検針データ送信周期および計量周期が通知されることにより、検針データ送信周期、または検針データ送信周期および計量周期が通信端末1に設定される。
また、ガス自動検針システム7は、周期的な検針データの収集とは別に、メンテナンス、監視などのために非定期的にガスメーター70から検針データまたはその他のデータを収集することもある。非定期的なデータの収集を行う場合には、ガス自動検針システム7が通信システム11,21および通信端末1を介して、ガスメーター70へデータの送信を指示する。非定期的なデータの収集が行われる時間帯は、事業者によって異なる場合がある。例えば、ある事業者は営業時間開始直後の午前中にメンテナンスのためのデータの収集が行われ、別の事業者ではバッチ処理などにより深夜にメンテナンスのためのデータの収集が行わるといったことが考えられる。また、周期的な検針データの収集の時間帯も事業者によって異なる可能性がある。さらに、通信端末1に接続される機器によって、データの収集の頻度が異なることもある。本実施の形態では、これらの情報があらかじめわかっていなくても、後述するように、時間帯ごとの通信回数を計数し、計数結果に基づいて通信端末1の間欠動作における休止時間が決定されることで、通信頻度が高い時間帯では休止時間を短くすることにより応答性を高め、通信頻度が低い時間帯では休止時間を長くすることで省電力効果を高めることができる。
通信端末1は、検針データ送信周期だけが定められており計量周期が定められていないときには、検針データ送信周期ごとに、ガスメーター70へ検針データの送信を指示し、これによりガスメーター70から検針データを取得する。なお、通信端末1がガスメーター70から検針データを取得する時刻と、通信端末1がガス自動検針システム7へ検針データを送信する時刻とは異なっていてもよい。例えば、検針データ送信周期が一日である場合、通信端末1は、8:00にガスメーター70から検針データを取得し、10:00に当該検針データをガス自動検針システム7に送信するといったように、通信端末1における検針データの取得と送信とが別の時刻に設定されていてもよい。
また、通信端末1は、検針データ送信周期および計量周期が定められているときには、計量周期ごとに、ガスメーター70へ検針データの送信を指示し、これによりガスメーター70から検針データを取得し、検針データを記憶する。そして、通信端末1は、検針データ送信周期ごとに、記憶されている検針データをガス自動検針システム7へ送信する。なお、上記の通信端末1の検針データに関する処理は、標準的な処理であるが、本実施の形態では、後述するようにガスメーター70の設定によってはこれらの処理のうちの一部が省略されることがある。
次に、通信端末1およびガスメーター70の構成例について説明する。図3は、通信端末1およびガスメーター70の構成例を示す図である。図3に示すように、通信端末1は、アンテナ100、無線通信処理部101、制御部102、接続機器通信処理部103、間欠動作処理部104、および記憶部105を備える。また、図示を省略するが、通信端末1は、通信端末1を駆動する電池を備えてもよい。
無線通信処理部101は、第1サービスのために構築された通信ネットワークを介して、第2サービスを提供するための第2サービスシステムであるガス自動検針システム7と通信を行うことが可能な第1通信処理部である。詳細には、無線通信処理部101は、アンテナ100を介して、SM2との間で無線通信を行う。無線通信処理部101は、SM2との間の無線通信方式に応じた通信を行うための通信回路を含む。なお、ここでは、通信端末1がSM2との間で無線通信を行う例を説明するが、通信端末1とSM2との間の通信は有線通信であってもよい。通信端末1とSM2との間の通信は有線通信が行われる場合、通信端末1は、アンテナ100および無線通信処理部101の代わりに、有線通信の通信方式に応じた通信処理を行う通信処理部を備える。
接続機器通信処理部103は、接続される機器との間で通信を行うことが可能な第2通信処理部である。機器との間で通信を行う。接続機器通信処理部103は、機器との間の通信方式に応じた通信を行うための通信回路を含む。図3では、通信端末1が、機器の一例であるガスメーター70と接続された状態を示している。以下では、通信端末1がガスメーター70に接続される例について説明するが、通信端末1に接続される機器は、ガスメーター70に限定されず、上下水道などの各種メーター、監視、制御、データ収集などのための各種センサーであってもよい。また、ここでは、通信端末1と機器との間の通信は、有線通信であるとするが、無線通信であってもよい。
接続機器通信処理部103は、複数の通信方式に対応可能である。接続機器通信処理部103が対応可能な通信方式としては、例えば、U-Bus、Nライン、Aライン、Hライン、COSEM(Companion Specification for Energy Metering)が挙げられるが、通信方式はこれらに限定されない。接続機器通信処理部103は、ガスメーター70と接続されると、ガスメーター70の通信方式を判別し、判別した通信方式にしたがってガスメーター70との間の通信を行う。なお、ここでは、接続機器通信処理部103が複数の通信方式に対応可能な例を説明するが、通信端末1と機器との間の通信方式が1つに定められている場合には、接続機器通信処理部103は1つの通信方式に対応したものであってもよい。
制御部102は、通信端末1の動作を制御する。制御部102は、例えば、無線通信処理部101を介してガス自動検針システム7から機器に対する制御指示を受信すると、接続機器通信処理部103に機器との間の通信処理を実行させる。間欠動作処理部104は、通信端末1の間欠動作を制御する。制御部102および間欠動作処理部104の動作については後述する。制御部102および間欠動作処理部104は、例えば、処理回路により実現され、処理回路は例えばCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)などのプロセッサを備える。記憶部105は、メモリであり、制御部102および間欠動作処理部104が処理に使用するデータなどを記憶するために用いられる。また、制御部102および間欠動作処理部104が実施する各機能がソフトウェアとして提供される場合には、記憶部105は制御部102および間欠動作処理部104が各機能を実行するためのプログラムを記憶し、このプログラムがプロセッサにより実行されることにより制御部102および間欠動作処理部104が実現される。このプログラムは、記録媒体により提供されてもよいし通信媒体により提供されてもよい。このプログラムは、本実施の形態の通信端末1における省電力制御を行うための省電力制御プログラムを含む。
上述したように、通信端末1は、省電力化のために、Active状態とSleep状態とを繰り返す間欠動作を行う。本実施の形態では、間欠動作の周期である間欠周期を可変とすることで、省電力化を図りつつ応答性の劣化を抑制する。間欠動作処理部104は、通信端末の省電力に関する状態を管理する状態判定部111と、Sleep状態の継続時間である休止時間(Sleep時間)を計測するタイマ112と、休止時間を決定する休止時間決定部113とを備える。通信端末1の省電力に関する状態は、Active状態とSleep状態との2種類の状態を含む。Sleep状態はActive状態より消費電力の少ない状態である。Sleep状態とActive状態のそれぞれの定義は、Sleep状態がActive状態より消費電力が少なくなっていればどのような定義であってもよい。一般には、無線通信における送信処理で電力が多く消費されるため、Sleep状態では少なくとも無線通信処理部101の送信機能を停止させる。これに限らず、Sleep状態では、制御部102および間欠動作処理部104の動作周波数、すなわち具体的には制御部102および間欠動作処理部104を実現する処理回路のプロセッサの動作周波数を、Active状態より低下させてもよい。
また、Active状態とSleep状態との少なくとも一方が、消費電力に応じて、さらに複数の状態に細分化されていてもよい。以下では、Sleep状態は、無線通信処理部101の送受信機能を停止させ、かつ制御部102および間欠動作処理部104の動作周波数をActive状態より低下させて制御部102の一部の機能だけを有効とする状態であるとする。詳細には、例えば、Sleep状態では、制御部102は、割り込み信号を受信する処理と、割り込み信号を受信した場合に、制御部102および間欠動作処理部104の機能を有効にする処理とを実行できる。割り込み信号は、接続機器通信処理部103を介してガスメーター70から受信したものであってもよいし通信端末1の内部で発生したものであってもよい。また、Active状態は、無線通信処理部101の送受信が可能であり、かつ制御部102および間欠動作処理部104の動作周波数がSleep状態より高い状態を含むとする。Active状態は、この状態以外に、無線通信処理部101の送信機能を停止させて無線通信処理部101による受信が可能な状態、無線通信処理部101の送受信機能は停止させ制御部102の動作周波数をSleep状態より高くする状態、など消費電力に応じて段階的に定義された状態を含んでいてもよい。なお、上述したように、Active状態とSleep状態との定義は、これに限定されず、Sleep状態がActive状態より消費電力が少ないものであればよい。
次に、ガスメーター70の構成例について説明する。ガスメーター70は、図3に示すように、通信処理部71、制御部72、記憶部73および計量部74を備える。通信端末1に接続される機器が上下水道などの各種メーターである場合には、計量部74の計量対象は異なるものの、機器の構成はガスメーター70と同様である。通信端末1に接続される機器が監視、制御、データ収集などのための各種センサーである場合には、機器は計量部74の代わりに検出部を備え、ガスメーターと同様に通信処理部71、制御部72および記憶部73を備える。検出部は、温度、湿度などを検出する検出器であってもよいし、画像を取得するカメラなどであってもよい。
通信処理部71は、通信端末1との間で通信を行う。通信処理部71は、複数の通信方式に対応可能である。ここでは、通信処理部71が複数の通信方式に対応可能な例を説明するが、通信端末1と機器との間の通信方式が1つに定められている場合には、通信処理部71は1つの通信方式に対応したものであってもよい。
制御部72は、ガスメーター70の動作を制御する。具体的には、例えば、制御部72は、通信処理部71を介して、計量部74の計量結果である検針データの送信指示を受領した場合には、計量部74の計量結果を検針データとして、通信処理部71を介して、通信端末1へ送信する。また、制御部72は、自律的に検針データを通知する自律データ通知の機能を有しておりかつ当該機能が有効に設定されている場合、定められた周期で、自律的に計量結果を検針データとして通信端末1へ送信する。また、制御部72は、周期的に計量結果を取得して記憶部73に蓄積しておく蓄積記録の機能を有しておりかつ当該機能が有効に設定されている場合、記憶部73に蓄積された計量結果を読み出し複数の時間のそれぞれで計量された計量結果をまとめて検針データとして通信端末1へ送信する。自律データ通知、蓄積記録などの検針に関する各機能の設定内容は、すなわち、ガスメーター70のデータ収集に関する設定の内容は、記憶部73に設定情報として記録されている。蓄積記録は、ロードサーベイと呼ばれることもある。
計量部74は、ガスの使用量を計量し、計量結果を制御部72へ渡す。計量部74は、一定周期で計量を行ってもよいし、制御部72から指示のあったときに計量を行ってもよい。制御部72は、計量結果を記憶部73に格納し、検針データの送信指示を受領した場合、記憶部73から計量結果を読み出して通信処理部71を介して、通信端末1へ送信する。なお、計量部74が計量結果を直接記憶部73に格納してもよい。また、自律データ通知が有効な場合には定められた周期ごとに、記憶部73から計量結果を読み出して通信処理部71を介して、通信端末1へ送信する。なお、制御部72は、計量部74から受け取った計量結果を、通信処理部71を介して、通信端末1へ送信してもよい。
通信端末1に接続される機器が、計量部74の代わりに検出部を備える場合には、上述した計量結果の代わりに検出部の検出結果が同様に、機器から通信端末1へ送信される。
次に、本実施の形態の動作について説明する。通信端末1は、ガスメーター70に接続されると、ガスメーター70の通信方式を判別する。具体的には、例えば、接続機器通信処理部103が、ある通信方式でガスメーター70へデータを送信し、正常に応答が返ってきた場合に、ガスメーター70の通信方式が、当該データを送信した通信方式であると判別する。正常に応答が返ってこない場合には、接続機器通信処理部103が、別の通信方式で同じ動作を行うことを繰り返すことにより、ガスメーター70の通信方式を判別することができる。ガスメーター70の通信方式の判別方法は、この例に限定されない。
通信端末1は、通信方式の判別が終了すると、判別した通信方式にしたがって、ガスメーター70との通信を開始し、ガスメーター70から設定情報を取得する。詳細には、制御部102が、接続機器通信処理部103を介して、ガスメーター70に検針に関する設定情報の送信を指示する。ガスメーター70の制御部72は、通信処理部71を介して、当該指示を受領すると、記憶部73から設定情報を読み出し、読み出した設定情報を、通信処理部71を介して通信端末1へ送信する。
図4および図5は、本実施の形態の設定情報の例を示す図である。図4および図5に示すように、設定情報は、上述した自律データ通知、蓄積記録といった各機能に関する設定内容を示す。図4および図5では、各機能が有効となるように設定されていることを「有」と示し、各機能を有していないまたは各機能を有しているが無効となるように設定されている場合に「無」と示している。
図4には、自律データ通知機能を有し当該機能が有効となるように設定されており、蓄積記録の機能を有していないガスメーター70から取得した設定情報の例を示している。自律データ通知機能が有効に設定されている場合、ガスメーター70が自律的にデータを通知する通知周期の設定値も設定情報に格納されている。図4に示した例では、通知周期は1日に設定されている。図5には、自律データ通知機能および蓄積記録機能を有しこれらの機能が有効となるように設定されているガスメーター70から取得した設定情報の例を示している。蓄積記録機能が有効に設定されている場合、ガスメーター70がデータを計量して記憶する周期である取得周期も設定情報に格納されている。図5に示した例では、取得周期は1時間である。図5に示した設定がなされているガスメーター70は、1時間ごとに計量して計量結果を記憶し、24時間分の計量結果を、24時間ごとに通信端末1へ送信する。なお、図4および図5は例であり、取得周期および通知周期はこれらに限定されない。
制御部102は、記憶部105に格納された設定情報を参照し、ガスメーター70の自律データ通知機能が有効である場合には、周期的なデータの収集のためのガスメーター70への送信指示を行わない。これにより、周期的なデータの収集のための指示の送信のために通信端末1が起動状態となる必要がなくなり、通信端末1の消費電力を抑制することができる。なお、通信端末1の制御部102は、ガスメーター70に設定されている通知周期が、設定されている検針データ送信周期と異なる場合には、接続機器通信処理部103を介してガスメーター70に通知周期の変更を指示する。
また、制御部102は、記憶部105に格納された設定情報を参照し、ガスメーター70の蓄積記録機能が有効である場合には、検針データ送信周期とともに計量周期が設定されている場合でも、計量周期ごとのデータの収集のためのガスメーター70への送信指示を行わない。これにより、周期的なデータの収集のための指示の送信のために通信端末1が起動状態となる必要がなくなり、通信端末1の消費電力を抑制することができる。なお、通信端末1の制御部102は、ガスメーター70に設定されている取得周期が、設定されている計量周期と異なる場合には、接続機器通信処理部103を介してガスメーター70に取得周期の変更を指示する。
通信端末1の制御部102は、記憶部105に格納された設定情報を参照し、ガスメーター70の自律データ通知機能が有効でありかつ蓄積記録機能が有効でなく、かつ検針データ送信周期とともに計量周期が設定されている場合には、自律データ通知の通知周期を計量周期とするように、ガスメーター70へ指示してもよい。この場合も、制御部102は、ガスメーター70から計量周期ごとのデータの収集のための指示を行わない。
次に、本実施の形態の検針データの収集に関する一般的な動作を説明する。図6は、本実施の形態の検針データの収集手順の一例を示すチャート図である。図6では、通信端末1に検針データ送信周期および計量周期が設定されており、かつガスメーター70の蓄積記録機能が有効でない例を示している。図6は、通信端末1の間欠動作の有無に関わらず、自動検針において一般的に行われる処理の一例を示している。本実施の形態においても、図6に示す処理が実施される。
図6に示すように、通信端末1は、検針データ送信周期ごとに、検針データをガス自動検針システム7へ送信する(ステップS1)。検針データは、通信システム11を介して、ガス自動検針システム7に到着する。図6では、図示を省略しているが、図6の最上部のステップS1の前にも、後述するステップS2の通信端末1による検針データの受信が行われている。また、図6では図示を省略しているが、検針データは、通信システム11において、SM2、コンセントレーター3およびWAN5、またはSM2、携帯通信ネットワーク4およびWAN5を介してHES6-1に到着し、HES6-1からWAN60を介してガス自動検針システム7へ送信される。以降、個別の説明は省略するが、通信端末1とガス自動検針システム7との間の通信は、このように通信システム11を介して行われる。
通信端末1は、計量周期ごとに、機器であるガスメーター70から検針データを受信する(ステップS2)。なお、ガスメーター70の自律データ通知機能が有効でない場合、通信端末1は、各ステップS2の受信の前に、ガスメーター70へ、検針データの送信指示を送信する。自律データ通知機能が有効である場合には、この送信指示は不要である。
また、通信端末1は、ガス自動検針システム7からガスメーター70のメンテナンス、監視などのための制御指示があるかどうかを確認するために、ガス自動検針システム7へ問合わせを行う(ステップS3)。ガス自動検針システム7は、制御指示がある場合、当該問合わせを受信すると、制御指示を通信端末1へ送信する(ステップS4)。なお、ステップS3,S4ではガス自動検針システム7へ問合わせが行われる例を示しているが、この代わりに、ガス自動検針システム7からの制御指示が通信システム11内で保持され、通信システム11が、通信端末1からの問合わせを受け取ることにより通信システム11が当該問合わせに対応する制御指示を送信してもよい。例えば、通信端末1に接続するSM2が制御指示を保持しておき、SM2が、通信端末1から問合わせを受け取ると制御指示を通信端末1へ送信してもよい。制御指示は、例えば、ガスメーター70から検針データまたは他のデータを取得する指示であるが、制御指示の内容はこれに限定されない。ここでは、ガスメーター70のメンテナンス、監視などを行う必要が生じた場合、ガス自動検針システム7は、当該ガスメーター70に対応する制御指示を保持しておき、当該ガスメーター70に接続される通信端末1から問合わせがあると、保持している制御指示を通信端末1へ送信する。このため、通信端末1は、問合わせを送信した後の一定時間だけガス自動検針システム7からの制御指示を受信するために無線通信処理部101をActive状態とすればよい。なお、図6では、ガス自動検針システム7は、通信端末1から問合わせを受信しても、制御指示が無い場合には、制御指示を送信しない。通信端末1は、問合わせから一定時間が経過してもガス自動検針システム7から制御指示を受信しない場合には、制御指示が無いと判断する。ガス自動検針システム7からの制御指示を、以下、システムからの制御指示とも呼ぶ。
通信端末1は、ガス自動検針システム7から制御指示を受信すると、制御指示に従った制御要求をガスメーター70へ送信する(ステップS5)。ガスメーター70は、制御要求を受信すると制御応答を通信端末1へ送信する(ステップS6)。通信端末1は、ガスメーター70から制御応答を受信すると、制御応答に基づいて制御結果をガス自動検針システム7へ送信する(ステップS7)。
具体的には、例えば、通信端末1がガス自動検針システム7から受信した制御指示が、ガスメーター70から検針データを取得する指示であった場合、通信端末1は、検針データの取得を要求する制御要求をガスメーター70へ送信する。ガスメーター70は、制御要求を受信すると、制御応答として検針データを通信端末1へ送信する。通信端末1は、検針データを制御結果としてガス自動検針システム7へ送信する。また、通信端末1がガス自動検針システム7から受信した制御指示がガスメーター70の設定の変更を要求する指示であった場合には、通信端末1は、設定の変更を要求する制御要求をガスメーター70へ送信する。ガスメーター70は、制御要求を受信すると、設定を変更し、設定の変更が完了すると、設定を変更したことを示す制御応答を通信端末1へ送信する。通信端末1は、設定を変更したことを示す情報を制御結果としてガス自動検針システム7へ送信する。
以上のように、一般に、検針データの定期的な収集と、ガス自動検針システム7からの非定期的な制御指示とが実施される。一方、通信端末1は、上述したように、間欠動作を行う。図6に示した処理が大きな遅延がなく行われるように間欠動作を行うには、間欠周期を適切に設定することが望まれる。
図7は、本実施の形態の通信端末1における間欠動作の一例を示す図である。図7に示すように、通信端末1は、Active状態とSleep状態とを交互に繰り返す。本実施の形態では、1回のActive状態の継続時間である起動時間は固定せずに、1回のActive状態で実行すべきタスクを実行し、当該タスクを終了するとActive状態からSleep状態へ遷移する。1回のActive状態で実行されるタスクは、例えば、あらかじめ定められた処理である。このため、タスクの処理時間に応じて起動時間が変わることになる。なお、Active状態の継続時間は、この例に限定されず、固定で定められてもよくどのように定められてもよい。一方、休止時間については、後述するように時間帯ごとに決定される。また、図7に示したように、通信端末1は、Sleep状態であっても、割り込み信号を受信するとActive状態に遷移する。ガスメーター70は、自律データ通知の機能が有効なときには、通知周期ごとに、検針データを割り込み信号として送信する。これによって、通信端末1は、自律データ通知の機能が有効なときには、ガスメーター70からの定期的な検針データの取得のためにガスメーター70へデータの送信指示を送信する必要がなくなりActive状態の時間を短くすることができる。
図6に示したように、通信端末1が行うActive状態で行う処理は、ガス自動検針システム7から受信した制御指示に基づく処理、ガスメーター70から検針データを取得する処理、およびガス自動検針システム7へ検針データを送信する処理を含む。通信端末1は、これらの種別の処理のうちの1つの種別の処理に対応するタスクを、1回の起動時間で実施する。なお、通信端末1は、上述した種別の処理以外の種別の処理を行ってもよく、この場合も同様に、複数の種別の処理のうちの1つの種別の処理に対応するタスクを、1回の起動時間で実施する。なお、1回の起動時間で実行するタスクの数は1つ以上であればよい。タスクは制御部102により生成され、生成されたタスクはタスク情報として記憶部105に格納される。制御部102は、Sleep状態からActive状態になると、記憶部105に格納されているタスク情報が示すタスクのうち最も古いものを実行する。実行されたタスクは消去される。
例えば、制御部102は、検針データ送信周期ごとにガス自動検針システム7へ検針データを送信するタスクを記憶部105に格納する。また、制御部102は、計量周期が設定されている場合には計量周期ごとに、計量周期が設定されていない場合には、検針データ送信周期ごとに、ガスメーター70から検針データを取得するタスクを記憶部105に格納する。また、ガスメーター70の自律データ通知の機能が有効な場合には、ガスメーター70から検針データを取得するタスクは生成されず、上述したように割り込み信号によって検針データの受信が行われる。また、制御部102は、制御指示の問合わせを行うタイミングになると、ガス自動検針システム7へ検針データを送信するタスクを記憶部105に格納する。
このように、制御部102は、ガスメーター70から取得した設定情報に、ガスメーター70が自律的に定期的なデータ送信を行うことを示す設定が有効であることを示す情報が含まれていない場合、タスク情報に、ガスメーター70へ定期的にデータの送信を要求する処理を含める。一方、制御部102は、ガスメーター70から取得した設定情報に、ガスメーター70が自律的に定期的なデータ送信を行うことを示す設定が有効であることを示す情報が含まれている場合、タスク情報に、ガスメーター70へ定期的にデータの送信を要求する処理を含めない。
また、通信端末1は、ガスメーター70からデータを取得する第1の周期(計量周期)と、データを第2サービスシステムへ送信する第2の周期(検針データ送信周期)が定められている場合、制御部102は、ガスメーター70から取得した設定情報に、ガスメーター70が周期的にデータを取得して保持する機能が有効であることを示す情報が含まれていない場合、タスク情報に、ガスメーター70へ第1の周期(計量周期)でデータの送信を要求する処理を含める。制御部102は、ガスメーター70から取得した設定情報に、ガスメーター70が周期的にデータを取得して保持する機能が有効であることを示す情報が含まれている場合、タスク情報に、ガスメーター70へ第1の周期(計量周期)でデータの送信を要求する処理を含めない。
次に、本実施の形態の通信端末1におけるActive状態とSleep状態との間の状態遷移について例を挙げて説明する。また、本実施の形態では、Active状態において通信端末1が、時間帯ごとの通信回数、機器との間のラウンドトリップタイム(往復遅延時間)など、後述する休止時間の決定処理のために使用する情報を記録する。時間帯ごとの通信回数は、通信回数情報として記憶部105に記録され、ラウンドトリップタイムは応答時間情報として記憶部105に記録される。ここで、時間帯とは、1日を複数に分割したときの各時間帯であり、例えば、0:00-02:59,3:00-5:59,・・・,21:00-23:59といったように3時間ごとの時間帯である。なお、時間帯は3時間ごとに限定されず、時間帯の長さは、3時間より短くてもよいし3時間より長くてもよい。
図8は、本実施の形態の通信端末1における状態遷移に関する処理手順の一例を示すフローチャートである。図8では、通信端末1がSleep状態であるときに処理が開始されるとしている。図8に示すように、通信端末1は、休止時間が経過したか否を判断する(ステップS11)。詳細には、間欠動作処理部104のタイマ112が、Active状態からSleep状態に遷移した時点からの経過時間を計測しており、経過時間が、設定された休止時間になると休止時間が経過したことを、状態判定部111へ通知する。これにより、状態判定部111は、休止時間が経過したと判断する。本実施の形態では、休止時間は、後述するように、休止時間の決定処理によって決定される。休止時間の決定処理が行われる前には休止時間には初期値が設定される。
通信端末1は、休止時間が経過したと判断すると(ステップS11 Yes)、Active状態に遷移する(ステップS12)。詳細には、状態判定部111は、休止時間が経過したと判断するとActive状態となるように制御部102の動作周波数を変更したり、無線通信処理部101を送受信可能な状態としたりする。なお、Active状態が複数の状態に細分化されている場合、この段階では、例えば、制御部102の動作の制約だけを解除し無線通信処理部101を送受信可能としなくてもよい。
次に、Active状態に遷移すると、通信端末1は、データ収集タイミングであるか否かを判断する(ステップS13)。詳細には、制御部102が、記憶部105に格納されているタスクを確認し、格納されているタスクのうち最も古いものがガスメーター70からのデータ収集のタスクであるか否かを判断する。データ収集タイミングであると判断した場合(ステップS13 Yes)、通信端末1は、対応する時間帯の通信回数を1加算する(ステップS14)。詳細には、制御部102は、データ収集タイミングであることを状態判定部111へ通知し、状態判定部111が、記憶部105に格納されている通信回数情報のうち対応する時間帯の通信回数を1増加させる。
図9は、本実施の形態の通信回数情報の一例を示す図である。図9に示すように、通信回数情報は、複数日分の時間帯ごとの通信回数を含む。図9では、10日分の通信回数が通信回数情報に含まれる例を示している。例えば、通信回数情報には、直近の10日分の、時間帯ごとの通信回数の実績値が含まれる。図8に示したステップS14では、処理が行われている当日の対応する時間帯の通信回数が更新される。例えば、2月10日の10:00に上記のステップS14が行われる場合には、図9に示す通信回数情報の2月10日の9:00-11:59の時間帯の通信回数が1加算される。なお、ここでは、後述する休止時間の決定処理において、時間帯ごとに、10日分の通信回数の平均値が用いられる前提としているため、通信回数情報も10日分記録されることとしているが、10日は一例であり、休止時間の決定処理における統計処理の内容に応じて通信回数情報として記録する日数は決定されればよい。また、ここでは、後述する休止時間の決定処理において、時間帯ごとに、複数日の通信回数の平均値が算出される前提としているが、これに限らず、初回は10日分の通信回数の平均値を算出し、その後は、時間帯ごとの平均値と当日の時間帯ごとの通信回数すなわち最新の値とを通信回数情報に格納しておき、平均値と最新の値とを重み付け加算するといった処理により平均値が求められてもよい。このように、通信回数情報の内容は、後述する休止時間の決定処理で行われる処理に応じて適宜設定されればよい。また、図9では、通信方式ごとに、各時間帯の通信回数を記録している。
図8の説明に戻り、通信端末1は、ステップS14の後、接続機器であるガスメーター70との通信処理を実施する(ステップS15)。詳細には、制御部102が、接続機器通信処理部103を介して、ガスメーター70へ制御要求を送信し、接続機器通信処理部103を介して、ガスメーター70から当該制御要求に対する応答を受信する。制御要求が検針データの取得要求である場合には、この応答には検針データが含まれる。制御要求が、システムからの制御指示に基づくものである場合には、この応答は制御指示に応じたな制御結果である。
通信端末1は、ステップS15の通信処理における制御要求の送信から応答の受信までの時間であるラウンドトリップタイムを計測しており、このラウンドトリップタイムを記憶部105に格納する(ステップS16)。詳細には、制御部102または状態判定部111がラウンドトリップタイムを計測し、ラウンドトリップタイムを応答時間情報として記憶部105に格納する。図10は、本実施の形態の応答時間情報の一例を示す図である。図10に示すように、記憶部105には、応答時間情報としてラウンドトリップタイムが定められた個数分記録されている。応答時間情報には、ラウンドトリップタイムは、計測のたびに新しいデータが追加され、その分古いデータが応答時間情報から削除される。ラウンドトリップタイムは、通信方式によって異なる場合があるので、図10に示すように、ラウンドトリップタイムは通信方式ごとに記録される。応答時間情報に記録されるラウンドトリップタイムは、後述する休止時間の決定処理における統計処理で平均値を算出するために用いられるため、当該統計処理に応じて応答時間情報に記録されるラウンドトリップタイムの個数が定められる。上述した通信回数と同様に、平均値を保持し、休止時間の決定処理において最新の値と平均値とを重み付け加算してもよい。
図8の説明に戻り、ステップS16の後、通信端末1は、通信結果を記録または通知する(ステップS17)。通信結果は、ガスメーター70から取得した検針データ、または設定を指示された場合の設定が完了した応答などのような他の制御結果である。例えば、実行中のタスクが、計量周期ごとの検針データの取得であった場合、制御部102は、検針データを記憶部105に格納することにより通信結果を記録し、タスクの終了を状態判定部111へ通知する。例えば、実行中のタスクが、システムからの制御指示に基づくものであった場合、制御部102は、ガスメーター70から取得した通信結果を制御結果として検針データをガス自動検針システム7へ通知し、タスクの終了を状態判定部111へ通知する。
ステップS17の後、通信端末1は、Sleep状態へ遷移する(ステップS18)。詳細には、状態判定部111は、制御部102からタスクの終了を通知されると、無線通信処理部101を省電力状態に移行させるとともに、制御部102および間欠動作処理部104を省電力状態に移行させる。例えば、状態判定部111は、無線通信処理部101の送受信機能を停止させたり、無線通信処理部101の通信回路への電源供給を停止させたり、制御部102および間欠動作処理部104の動作周波数を低下させたり、制御部102および間欠動作処理部104の機能を制限したりといった制御を行う。
通信端末1は、Sleep状態へ遷移するとタイマ112による休止時間の計測を開始し、ステップS11からの処理を繰り返す。ステップS11で、休止時間が経過していない場合(ステップS11 No)は、休止時間が経過するまでSleep状態となる。なお、図8に示したフローチャートでは、割り込み信号を受信した場合の処理が記載されていないが、図7に示したように、通信端末1は、Sleep状態であっても割り込み信号を受信した場合には、Active状態に遷移する。
通信端末1は、ステップS13で、データ収集タイミングでないと判断した場合(ステップS13 No)、システムすなわちガス自動検針システム7へのデータ送信タイミングであるか否かを判断する(ステップS19)。詳細には、制御部102が、記憶部105に格納されているタスクを確認し、格納されているタスクのうち最も古いものがガス自動検針システム7への検針データの送信のタスクであるか否かを判断する。システムへのデータ送信タイミングである場合(ステップS19 Yes)、通信端末1は、システムへのデータ送信を行い、すなわち検針データをガス自動検針システム7へ送信し(ステップS20)、処理をステップS18へ進める。なお、Active状態が複数の状態に細分化されていてステップS19を実施した時点で無線通信処理部101の送信機能が停止されている場合には、ステップS20では、通信端末1は、無線通信処理部101の送信機能を有効にしたのちにデータの送信を行う。
システムへのデータ送信タイミングでない場合(ステップS19 No)、通信端末1は、システムへの問合わせタイミングであるか否かを判断する(ステップS21)。詳細には、制御部102が、記憶部105に格納されているタスクを確認し、格納されているタスクのうち最も古いものがシステムへの問合わせのタスクであるか否かを判断する。システムへの問合わせタイミングである場合(ステップS21 Yes)、通信端末1は、システムへの問合わせを行う(ステップS22)。なお、Active状態が複数の状態に細分化されていてステップS19を実施した時点で無線通信処理部101の送信機能が停止されている場合には、ステップS22では、通信端末1は、無線通信処理部101の送受信機能を有効にした後に問合わせを行う。
システムへの問合わせの後、通信端末1は、システムからの制御指示が有ったか否かを判断する(ステップS23)。具体的には、制御部102は、無線通信処理部101を介してガス自動検針システム7から制御指示を受信したか否かを判断する。問合わせを送信してから一定時間以内にガス自動検針システム7から制御指示を受信しない場合には、制御部102は制御指示がないと判断する。制御指示が有った場合(ステップS23 Yes)、制御指示に基づいた処理を行うために、ステップS14からの処理を実行する。ステップS23を経由してステップS14以降の処理を実施する場合、通信端末1は、制御指示に基づいて、ガスメーター70から検針データまたはその他のデータを収集したり、ガスメーター70への設定を行ったりといった処理を実施する。
システムからの制御指示がない場合(ステップS23 No)、通信端末1は、処理をステップS18へ進める。また、システムへの問合わせタイミングでない場合(ステップS21 No)も、通信端末1は、処理をステップS18へ進める。
以上のように、状態判定部111は、1回の起動時間で行うタスクが終了すると、通信端末1をActive状態からSleep状態へ遷移させる。また、実行すべきタスクがない場合には、通信端末1は、タスクの確認だけを行ってSleep状態へ遷移する。この確認の処理も、1回のActive状態において実行すべきあらかじめ定められた処理の一例である。これにより、起動時間を処理に必要な時間だけに抑えることができる。ガスメーター70ごとによって、応答時間が異なるので、仮に起動時間をあらかじめ定めておくことにすると、ガスメーター70ごとにラウンドトリップタイムが異なるため、最大のラウンドトリップタイムより長く起動時間を設定しておく必要がある。これに対して、本実施の形態では、ガスメーター70からデータを収集する場合に、データの収集が終了すると速やかにSleep状態へ遷移するので、ラウンドトリップタイムが短い場合、起動時間をあらかじめ定めておく場合に比べて起動時間を短くすることができる。このように、本実施の形態では、起動時間はラウンドトリップタイムすなわち応答性能に応じて定められているといえる。
次に、本実施の形態の休止時間の決定処理について説明する。上記のとおり、起動時間は処理時間に応じて定められるが、休止時間は、時間帯ごとの通信回数の計数結果などに応じて定められる。休止時間の決定処理は、例えば、1日に一度行われるが、休止時間の決定処理を行うタイミングは、これに限定されず、例えば数日に一度行われてもよい。
図11は、本実施の形態の休止時間の決定処理手順の一例を示すフローチャートである。通信端末1は、まず、テーブルを更新する(ステップS31)。詳細には、休止時間決定部113が、記憶部105に格納されている通信回数情報および応答時間情報に基づいて、記憶部105に記憶されている通信頻度テーブルおよび応答性能管理テーブルを更新する。
図12は、本実施の形態の通信頻度テーブルの一例を示す図である。通信頻度テーブルは、通信方式ごとの、各時間帯の通信回数の実績値と各時間帯の間欠周期区分とを含む。通信回数の実績値は、時間帯ごとの通信回数の計数結果に基づくものであり、詳細には、通信回数情報に格納されている時間帯ごとの通信回数を統計処理した値である。例えば、通信回数の実績値は、時間帯ごとの10日間の通信回数の平均値である。休止時間決定部113は、通信回数情報を用いて統計処理を行うことにより、各時間帯の通信回数の実績値を算出して通信頻度テーブルへ格納する。間欠周期区分は、通信回数によって定められる休止時間を示す区分である。例えば、通信回数が1回の場合には間欠周期区分D、通信回数が1回以上5回未満の場合には間欠周期区分C、通信回数が5回以上10回未満の場合には間欠周期区分B、通信回数が10回以上の場合には間欠周期区分Aといったように、通信回数と間欠周期区分との対応はあらかじめ定められている。休止時間決定部113は、この対応に基づいて、各時間帯の通信回数の実績値に対応する間欠周期区分を決定して通信頻度テーブルに格納する。ここでは、間欠周期区分はAからDまでの4つの区分を定義し、区分Dを休止時間が最も長い区分であるとし、A,B,C,Dとアルファベットが進む順に、対応する休止時間が長くなる。
また、ステップS31では、休止時間決定部113が、通信方式ごとのラウンドトリップタイムの実績値を算出して記憶部105に格納する。ラウンドトリップタイムの実績値は、例えば平均応答性能を含む。休止時間決定部113は、応答時間情報を用いて統計処理を行うことにより、平均応答性能を算出し、記憶部105に格納する。
図11の説明に戻る。ステップS31の後、通信端末1は、通信頻度管理テーブルから該当する間欠周期区分を取得する(ステップS32)。詳細には、休止時間決定部113が、処理対象の時間帯を選択し、通信頻度管理テーブルから選択した時間帯の間欠周期区分を取得する。
次に、通信端末1は、応答性能管理テーブルから該当する間欠周期傾斜区分を取得し、間欠周期傾斜区分を用いて間欠周期区分を確定する(ステップS33)。詳細には、休止時間決定部113が、ラウンドトリップタイムの実績値に基づいて、応答性能管理テーブルから該当する間欠周期傾斜区分を取得し、間欠周期傾斜区分とステップS32で取得した間欠周期区分とに基づいて間欠周期区分を確定する。
図13は、本実施の形態の応答性能管理テーブルの一例を示す図である。図13に示すように、応答性能管理テーブルは、平均応答性能および間欠周期傾斜区分を含む。図13に示した例では、ラウンドトリップタイムの実績値の平均応答性能が、5000ms以上である場合、間欠周期傾斜区分は+2であり、ラウンドトリップタイムの実績値の平均応答性能が、500ms以上5000ms未満である場合、間欠周期傾斜区分は+1であることを示している。また、応答性能管理テーブルに含まれていない範囲の場合、すなわちラウンドトリップタイムの実績値の平均応答性能が500ms未満の場合、間欠周期傾斜区分は0である。なお、ここでは、間欠周期傾斜区分が平均応答性能に基づいて決定される例を示したが、さらに最終通信時のラウンドトリップタイムに基づいて間欠周期傾斜区分が決定されてもよい。
休止時間決定部113は、ラウンドトリップタイムの実績値に基づいて、応答性能管理テーブルから該当する間欠周期傾斜区分を取得し、ステップS33で取得した間欠周期傾斜区分が例えば+1であった場合には、ステップS32で取得した間欠周期区分を、1区分休止時間の長い区分に変更する。例えば、ステップS32で取得した間欠周期区分がAであり間欠周期傾斜区分が+1であると、休止時間決定部113は、間欠周期区分をBに確定する。例えば、ステップS32で取得した間欠周期区分がAであり間欠周期傾斜区分が+3であると、休止時間決定部113は、間欠周期区分をCに確定する。
図11の説明に戻る。ステップS33の後、休止時間決定部113は、休止時間テーブルに基づいて、確定した間欠周期区分に対応する休止時間を設定する(ステップS34)。詳細には、例えば、記憶部105に時間帯ごとの休止時間を示す時間帯別休止時間情報を保持しておくこととし、時間帯別休止時間情報内の対応する時間帯の休止時間の値を更新する。ステップS34の後、休止時間決定部113は、全時間帯について処理が終了したか否かを判断し(ステップS35)、全時間帯について処理が終了した場合(ステップS35 Yes)、休止時間の決定処理を終了する。処理を行っていない時間帯がある場合(ステップS35 No)、休止時間決定部113は、処理対象の時間帯を変更して、ステップS32からの処理を繰り返す。
以上の処理により、各時間帯の休止時間が決定される。休止時間決定部113は、時間帯別休止時間情報に基づいて、時間帯ごとにタイマ112の満了時間を対応する休止時間に設定する。図14は、本実施の形態の休止時間テーブルの一例を示す図である。図14に示すように、休止時間テーブルは、間欠周期区分ごとの休止時間を含む。図14に示したように、間欠周期区分A~Dは、それぞれ休止時間T1~T4に対応する。T1<T2<T3<T4である。例えば、ガス、下水道の自動検針では、通信端末1が機器から検針データを取得する周期は短くても1時間程度であることが多い。休止時間は、一般には、通信端末1が検針データを取得する周期より短く、例えば数十秒から数分程度であるがこれに限定されない。また、起動時間は1つのタスクを実行する時間であるため、例えば、数msから数sである。
なお、上述した例では、通信端末1が問合わせを行うことにより、ガス自動検針システム7からの制御指示を受信する例を説明したが、問合わせ無しでガス自動検針システム7からの制御指示を受信するようにしてもよい。この場合、通信端末1は、ガス自動検針システム7からいつ制御指示を受信するかわからないため、無線通信処理部101の受信機能をSleep状態でも有効にしておいてもよい。または、無線通信処理部101の受信機能を固定の起動時間の間Active状態とし、固定の休止時間の間Sleep状態とするといったように、無線通信処理部101の受信機能に関しての間欠周期を上記の起動時間および休止時間とは別に定めておいてもよい。この場合、ガス自動検針システム7は、通信端末1に制御指示を送信した後に応答がなかった場合には、Sleep状態より長い期間の間、制御指示の再送を繰り返す。
なお、以上説明した例では、応答性能に基づいて間欠周期傾斜区分を決定し、間欠周期傾斜区分に基づいて間欠周期区分を確定させたが、応答性能に基づく間欠周期傾斜区分を反映しなくてもよい。すなわち、通信回数に基づいて決定された間欠周期区分を、確定した間欠周期区分として用いてもよい。また、以上説明した例では、通信端末1は、機器であるガスメーター70との間の通信回数に基づいて休止時間を決定したが、これに限らず、時間帯ごとの、ガス自動検針システム7との間の通信回数すなわちSM2との間の通信回数を計数し、ガス自動検針システム7との間の通信回数に基づいて各時間帯の休止時間を決定するようにしてもよい。通信端末1とガス自動検針システム7との間の検針データの定期的な収集のための通信回数は、収集の周期が決定すれば決定される。このため、上述した通信回数の計数を行わなくても、通信端末1は、定期的な収集のタイミングは把握できるので、この分の各時間帯の通信回数を算出することができる。上述したように、通信端末1は、機器であるガスメーター70から割り込み信号を受け付け可能なように、接続機器通信処理部103は常時受信可能な状態である。
また、通信端末1は、通信方式ごとに、休止時間を決定することで、通信端末1に接続される機器が通信方式を変更した場合、または通信端末1に接続される機器が変更された場合でも、通信方式に応じて適切に休止時間を設定することができる。例えば、ある需要家で使用されていた通信端末1が、他の需要家のもとで使用される場合などには、通信端末1に接続される機器が変更になる。また、通信端末1が、複数の通信方式の異なる複数の機器に接続可能な場合も考えられる。このような場合でも、通信方式ごとに、休止時間を決定することで、通信方式に応じて適切に休止時間を設定することができる。
また、通信端末1は、電池で駆動される場合には、特に省電力化が重要となる。通信端末1が電池で駆動される場合には、電池の残量がしきい値以下となった場合に、休止時間を長くした延長モードへ遷移するようにしてもよい。例えば、延長モードの休止時間は上述した間欠周期区分Dに対応する休止時間より長い時間に設定されてもよいし、延長モードでは、上述した休止時間の決定処理で決定された休止時間に定められた係数を乗じた値を休止時間として用いてもよい。この係数は、1より大きい数値である。また、電池の残量に応じて段階的に係数を定めておいてもよい。例えば、電池の残量が第1のしきい値以下となった場合の係数を1.5とし、電池の残量が、第1のしきい値より小さい第2のしきい値以下となった場合に係数を2.0とするといったように、係数を段階的に定めておいてもよい。このように、休止時間決定部113は、時間帯ごとの通信回数の計数結果に加え、または時間帯ごとの通信回数の計数結果および応答性能に加え、さらに、電池の残量に基づいて休止時間を決定してもよい。
以上のように、本実施の形態では、時間帯ごとの通信回数の計数結果に基づいて休止時間を決定するようにしたので、メンテナンスまたは監視などによって通信頻度が高い時間帯では休止時間を短くすることにより応答性を高め、通信頻度が低い時間帯では休止時間を長くすることで省電力効果を高めることができる。また、応答性能が悪くラウンドトリップタイムが長い機器と接続している場合、これによって応答性が悪くなっているため、休止時間を短くすることも効果が少ない。本実施の形態では、応答性能に基づいて間欠周期区分を変更することで、休止時間を短くすることの効果が少ない場合に休止時間を長くすることで、省電力効果を高めることができる。すなわち、時間帯ごとの通信回数の計数結果に加え、さらに、機器との間のラウンドトリップタイムに基づいて休止時間を決定することで、省電力効果を高めることができる。また、電池の残量がしきい値以下となった場合に休止時間を延長するようにしたので、電池の残量が低下した場合の消費電力を抑制することができ、通信端末1が電池の残量が無くなることによって機能停止するまでの時間を長くすることができる。
以上の実施の形態に示した構成は、一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、実施の形態同士を組み合わせることも可能であるし、要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。