JP7002991B2 - 配電系統の電圧調整装置、電圧調整システム、電圧調整方法及び配電設備設計支援システム - Google Patents

配電系統の電圧調整装置、電圧調整システム、電圧調整方法及び配電設備設計支援システム Download PDF

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本発明は、配電系統の電圧調整装置、電圧調整システム、電圧調整方法及び配電設備設計支援システムに関し、特に、配電系統に設置された太陽光発電装置の出力が抑制される場合に、太陽光発電装置設置点の電圧を下げる制御を可能とする配電系統の電圧調整装置、電圧調整システム、電圧調整方法及び配電設備設計支援システムに適用して好適なものである。
近年の配電系統では太陽光発電装置の系統連系が増大しているが、配電系統では、太陽光発電装置の発電量が増加すると、太陽光発電装置設置点の電圧が上昇するという現象がある。これを回避するために、太陽光発電装置には自端子電圧が規定電圧より上昇した場合に太陽光発電装置の発電量を抑制する機能が備えられている。この機能により、太陽光発電装置の発電量が制限されることになる。
他方、配電系統の電圧は、配電用変電所に設置された変圧器(負荷時タップ切替変圧器LRT:Load Ratio Control Transformer)のタップ切替や、配電線上に設置された自動電圧調整器(SVR:Step Voltage Regulator)などのタップ切替によって制御されている。
先に述べた太陽光発電装置における発電量の抑制を回避するためには、電圧調整装置(負荷時タップ切替変圧器LRTやSVR)で、配電系統の電圧を調整し、出力抑制を回避することが重要となる。そのためには、太陽光発電装置の発電量に応じて、タップ制御を適切に行う必要がある。
電圧調整装置の制御方法として、次のような手法が知られている。例えば、通常の自動電圧調整器(以下「SVR」という)においては、自端の二次側電圧と通過電流と力率からタップ値を決定する方法が知られている(非特許文献1参照)。
一方、特許文献1には、電圧調整変圧器の送出電圧から最高電圧点の電圧までの電圧上昇幅と、変圧器の送出電圧から最低電圧点の電圧までの電圧下降幅とを加算した電圧変動範囲の中心値が、規定値となるように、電圧調整装置の送出電圧を選定する制御手法が示されている。
また、SVRの二次側電圧(タップ値)を、系統内の太陽光発電装置発電量に応じて調整し、またその時の太陽光発電装置発電量は、太陽光発電装置とSVR間の通信または日射計情報から推測することが知られている。なお、SVRの詳細な構成は、非特許文献1にも詳しく記載されている。また重回帰分析の具体的な計算方法についても知られている。
特開2009-240038公報
「線路電圧調整器の進歩と適用」現代の配電技術、電気書院 128-134頁(1972年)
前述した非特許文献1による自端の二次側電圧と通過電流と力率からタップ値を決定する方法では、太陽光発電装置による電圧上昇、出力抑制を考慮した制御が想定されていない。そのため、SVRは、太陽光発電装置の出力抑制により電圧上昇が回避されている状況では、電圧調整を実施することができず、太陽光発電装置の出力抑制を回避できない問題がある。
また、特許文献1に記載の方法では、太陽光発電装置の出力抑制により電圧上昇が回避されている状況では、電圧調整装置の線路電圧降下補償器の適切な整定を行うことができず、太陽光発電の出力抑制を回避できない問題がある。特に、いわゆるメガソーラの配電系統末端への連系と低圧側への一般需要家の太陽光発電装置への連系の拡大に伴い、太陽光発電装置の端子電圧が上昇し、特定の需要家の太陽光発電装置の出力抑制が実施されてしまうことになり、当該特定の需要家による売電機会の損失が発生し、公平性に欠けてしまう問題が存在する。
さらには、配電系統の計測値全てを用いてPV端の電圧上昇を予測しようとすると、配電系統の負荷の力率や太陽光発電装置の力率の組み合わせや、負荷や太陽光発電装置の配電系統上における分布によっては、太陽光発電装置端における電圧高めの推定精度が低下し、SVRが無動作となる。
さらには、日射の変化及び太陽光発電装置毎の設定パラメータ(力率等)の違いに応じて、太陽光発電装置の発電量がばらつくため、太陽光発電装置端の電圧の予測精度が低下し、SVRが無駄に動作(ハンチング動作)する懸念が存在する。
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、太陽光発電装置の設置点の電圧が上昇する現象を回避するための太陽光発電装置の出力抑制を低減し、需要家による売電機会が失われないようにすることができる配電系統の電圧調整装置、電圧調整システム、電圧調整方法及び配電設備設計支援システムを提案しようとするものである。
かかる課題を解決するため、本発明においては、複数の太陽光発電装置を備えた配電系統に設置され、前記配電系統の仮想点における電圧を設定電圧とすべくタップ値を調整するタップ付変圧器を備えた配電系統の電圧調整装置であって、所定時間帯内に前記配電系統から得た情報に基づいて、前記所定時間帯における前記配電系統に固有に定まる、前記電圧調整装置の整定値であるインピーダンスを求める時間帯別インピーダンス導出部と、前記所定時間帯における日射量を求める日射量入手部と、同一の前記所定時間帯における前記インピーダンスと前記日射量を関連付けて記憶するデータベースと、基準日射量に基づいて前記データベースを参照して前記基準日射量のときの前記インピーダンスを求めるインピーダンス抽出部と、前記抽出したインピーダンスを整定値として用いて前記配電系統の仮想点における電圧を設定電圧とすべくタップ値を調整するタップ調整部と、所定のハンチング動作条件判定式によりハンチング判定が真の場合にハンチング動作を回避する整定値へ補正するハンチング動作判定部と、を備えることを特徴とする。
また本発明においては、複数の太陽光発電装置を備えた配電系統に設置され、前記配電系統の仮想点における電圧を設定電圧とすべくタップ値を調整するタップ付変圧器を備えた配電系統の電圧調整装置と、配電設備設計支援システムと、を含む配電系統の電圧調整システムであって、前記配電設備設計支援システムは、所定時間帯内に前記配電系統から得た情報に基づいて、前記所定時間帯における前記配電系統に固有に定まる、前記電圧調整装置の整定値であるインピーダンスを求める時間帯別インピーダンス導出部と、前記所定時間帯における日射量を求める日射量入手部と、同一の前記所定時間帯における前記インピーダンスと日射量を関連付けて記憶するデータベースと、を備え、前記タップ付変圧器は、基準日射量に基づいて前記データベースを参照して前記基準日射量のときの前記インピーダンスを抽出するインピーダンス抽出部と、前記抽出したインピーダンスを整定値として用いて前記配電系統の仮想点における電圧を設定電圧とすべくタップ値を調整するタップ調整部と、所定のハンチング動作条件判定式によりハンチング判定が真の場合にハンチング動作を回避する整定値へ補正するハンチング動作判定部と、を備えることを特徴とする。
また本発明においては、複数の太陽光発電装置を備えた配電系統に設置され、前記配電系統の仮想点における電圧を設定電圧とすべくタップ値を調整するタップ付変圧器を備えた配電系統の電圧調整方法であって、電圧調整装置が、所定時間帯内に前記配電系統から得た情報に基づいて、前記所定時間帯における前記配電系統に固有に定まる、前記電圧調整装置の整定値であるインピーダンスを求めるとともに前記所定時間帯における日射量を求め、同一の前記所定時間帯における前記インピーダンスと前記日射量を関連付けて記憶する記憶ステップと、前記電圧調整装置が、関連付けて記憶された前記インピーダンスと前記日射量を参照し、基準日射量のときの前記インピーダンスを抽出し、抽出したインピーダンスを整定値として用いて配電系統の仮想点における電圧を設定電圧とすべくタップ値を調整する調整ステップと、を有することを特徴とする。
また本発明においては、複数の太陽光発電装置と、与えられた整定値に応じて配電系統の仮想点における電圧を設定電圧とすべくタップ値を調整するタップ付変圧器を備えた電圧調整装置と、を備えた配電系統に適用され、前記仮想点における電圧を推定するための整定値を与える、配電系統の配電設備設計支援システムであって、所定時間帯内に前記配電系統から得た情報として、前記タップ付変圧器の通過電流の有効成分及び無効成分、並びに前記タップ付変圧器と前記複数の太陽光発電装置の間の電位差に基づいて、前記所定時間帯における前記配電系統に固有に定まる、前記電圧調整装置の整定値であるインピーダンスを求める時間帯別インピーダンス導出部と、前記所定時間帯における太陽光発電出力を求める太陽光発電出力入手部と、同一の前記所定時間帯における前記インピーダンスと前記太陽光発電出力を関連付けて記憶するデータベースと、前記データベースから抽出した前記インピーダンスを前記タップ付変圧器に与える出力部と、所定のハンチング動作条件判定式によりハンチング判定が真の場合にハンチング動作を回避する整定値へ補正するハンチング動作判定部と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、太陽光発電装置の設置点の電圧が上昇する現象を回避するための太陽光発電装置の出力抑制を低減し、需要家による売電機会が失われないようにすることができる。
一般的な配電系統と電圧調整システムの構成例を示す説明図である。 本実施の形態に係る配電設備設計支援システムの全体構成を示す図である。 自動電圧調整器のタップ制御装置の構成を示す図である。 タップ制御動作で太陽光発電出力抑制を回避する処理フロー図である。 計測部と配電設備設計支援システムのデータの流れを示す図である。 設備設計支援システムを計算機にて構成する場合の構成を示す図である。 設備設計支援システム内の平面上分割区間決定部の処理内容を示すフローチャートである。 設備設計支援システム内の上位ランクΔV抽出部の処理内容を示すフローチャートである。 設備設計支援システム内の重回帰分析部の処理内容を示すフローチャートである。 図9において得られたα及びβの幾何学的イメージを示す図である。 自動電圧調整器内に整定値決定部を備えた実施例を示す図である。 自動電圧調整器を介して樹枝状に延伸配置された配電系統の面的なエリア構成例、及び、太陽光発電装置PVにおける出力抑制に相関関係を有する太陽光発電装置PVのみを示す図である。 Irsvr、Iisvrと、ΔVによる3次元空間の概念を示す図である。 抽出したデータによる重回帰分析部によりえられる平面の位置関係を示す図である。 従来と本実施の形態における提案方式の効果の関係を示す図である。 日射量と整定値の対応付処理の一例を示すフローチャートである。 整定値選択処理の一例を示すフローチャートである。 ハンチング動作を回避するための整定値補正処理の一例を示すフローチャートである。 LRTに対する整定値を決めるための配電設備設計支援システムの全体構成例を示すブロック図である。 LRTと配電設備設計支援システムとの関係の一例を示す構成図である。 本実施の形態を遠隔整定方式とした場合の構成例を示すブロック図である。 整定値空間及び整定値関数のイメージの一例を示す図である。
以下、図面について、本発明の一実施の形態について詳述する。
(1)本実施の形態によるシステムの構成
図1は、本実施の形態に係る電圧調整システムが配電系統100に適用された構成例を示す図である。
図示の配電系統100は、ノード(母線)120及びそれらを接続する配電線路140、ノード120に接続される負荷150や太陽光発電装置PV、配電線路140に設置されるセンサ170、配電用変電所110などで構成されている。ここでは、配電用変電所110のある図示左側をフィーダの送出し側とする一方、右側をフィーダの末端側としている。
自動電圧調整装置300は、線路140に直列に設置され、線路電圧を調整する電圧調整装置である。自動電圧調整装置300としては、負荷時タップ切替変圧器LRTや自動電圧調整器SVRが例示されるが、ここでは、電圧調整装置300としてSVRを配置した一例を示している。
自動電圧調整装置300は、配電用変電所における負荷時タップ切替変圧器(LRT:Load Ratio Control Transformer)を備えていてもよい。図示のように自動電圧調整装置300は、単巻変圧器及びタップチェンジャで構成される変圧器305と、配電線路に設置されるセンサ170及びタップ制御装置310を備え、センサ170からの信号、配電設備設計支援システム400からの動作整定値350を用いて、SVRの二次側電圧(以下「タップ値」という)を操作している。
配電設備設計支援システム400は、センサ170を含む各種の計測部200から適宜入力を得て、自動電圧調整装置300に対して、その動作整定値350を与えている。なお、図1では、簡素化した構成の配電系統を示しているが、実際には複数のフィーダの各所に適宜自動電圧調整装置300が存在しており、配電設備設計支援システム400は、各自動電圧調整装置300に対して、夫々の設置場所における最適な動作整定値350を決定して与えている。
本実施の形態に係る電圧調整システムは、全体構成として、自動電圧調整装置300及び配電設備設計支援システム400を含むが、本実施の形態では、その代わりに、自動電圧調整装置300自体に、図2に例示する配電設備設計支援システム400の機能を内包し、電圧調整装置として一体化した構成であってもよい。
図2は、本実施の形態に係る配電設備設計支援システムの全体構成を示している。配電設備設計支援システム400は、その内部処理のために、センサ170を含む各種の計測部200から、SVRの通過電流の有効成分Irsvrと無効成分Iisvr(または有効電力Psvr及び無効電力Qsvr)、SVRの設置点と太陽光発電装置PVの設置点間の電位差ΔV、日射量などを取得している。
配電設備設計支援システム400は、一般には計算機システムとして構成されており、平面上分割区間決定部440、上位ランクΔV抽出部460、重回帰分析部480、日射量と整定値の対応付部500、データベースDB3、データベースDB4、及びデータベースDB5などを備えている。
データベースDB3には、対象とする配電系統における計測したSVR通過電流Irsvr、Iisvr及び電圧差ΔVから太陽光発電出力抑制に寄与する電圧ΔVlimを潮流計算で算出した各種のデータなどが記憶されている。このデータベースDB3には、入力した時刻ごとの計測値以外にも、データベースDB4から対象配電系統、SVR配置、太陽光発電設備の配置・容量、負荷パタン等が適宜与えられ、記憶されている。
データベースDB5には、過去実績に基づき算出された多くの整定値R2,X2が、時間帯と、その時間帯での日射量の情報と共に関連づけられて記憶されている。
なお、データベースDB3,DB4,DB5は、通信などを介して配電設備設計支援システム400内に適宜取り込むことができるものであれば、配電設備設計支援システム400の外部に設置されたものであってもよい。
一方、整定値R1,X1は,正の値とする。一方、整定値R2,X2は,正の値ばかりではなく負の値であっても良い。これは、配電系統における負荷装置と太陽光発電設備の配置の関係によっては、SVR通過潮流が逆潮流となる場合であっても、仮想点における電圧が下がる場合があるためである。このように、整定値R2,X2の値として、負の値を許容することで、より確実に電圧調整が可能となる。
配電設備設計支援システム400の主要な機能である平面上分割区間決定部440、上位ランクΔV抽出部460、重回帰分析部480、日射量と整定値の対応付部500の具体的な処理内容については、別途図7、図8、図9、図16の処理フローを参照して詳細に説明するが、ごく簡単に述べると以下のようである。
まず、平面上分割区間決定部440では、データベースDB3の情報を取り込んで、SVRの通過電流の有効成分IrSVRと無効成分IiSVRで定まる平面上において、分割区間(ΔIrsvr、ΔIisvr)を決定する。上位ランクΔV抽出部460では、任意の分割区間(ΔIrsvr、ΔIisvr)の中からから上位ランクのΔVとなる(Irsvr、Iisvr、ΔV上位ランク)を抽出する。
重回帰分析部480は、抽出した(Irsvr、Iisvr、ΔV上位ランク)のデータ集合による重回帰分析をデータ取得の時間帯ごとに実施して、時間帯ごとに整定値を求める。日射量と整定値の対応付部500は、重回帰分析部480で求めた時間帯ごとの整定値と、日射計185で計測した時間帯ごとの日射量を紐づけしてデータベースDB5に記憶する。その後日射量に対応した整定値は、外部に出力され、自動電圧調整装置300に対して、整定値350を設定する。
これに対し、整定値350を受信する側の自動電圧調整装置300のタップ制御装置310は、図1のように配電線路の電気量を測定するセンサ170、変圧器のタップを制御するタップ制御装置310で構成されている。
図3は、本実施の形態に係る自動電圧調整器(SVR)の変圧器305及び制御部310に関する具体的な回路構成例を示す。まずタップ制御の考え方を説明し、その後に配電設備設計支援システム400が与える整定値350と線路電圧降下補償回路LDCとの関わりについて説明する。
図3に示す自動電圧調整装置300は、単巻変圧器、タップチェンジャ302及びタップ制御装置310を備える。
タップ制御装置310は、計測部320、複数の線路電圧降下補償回路LDC1,LDC2、タップ制御部340、データベースDB1,DB2、及び、整定値選択部345を備え、単巻変圧器302の二次側電圧を所定値に制御すべくタップチェンジャ302を操作している。なお、整定値選択部345については、後述の図17にて説明する。ここで、データベースDB2には、配電設備設計支援システム400が与える整定値350が保持されている。
データベースDB1,DB2には、タップ制御を実行するうえでの各種の動作整定値が記憶されている。これらは、線路電圧降下補償演算(LDC演算)を行う上でのパラメータ(電圧Vref、インピーダンスR,X)、不感帯VE、タイマ時定数τ、動作時定数Tなどを含んでいる。配電設備設計支援システム400がデータベースDB2に与える整定値350は、これらの全てを含んでいてもよいが、少なくともインピーダンスR,Xは、配電設備設計支援システム400での処理により定められたものである。
タップ制御装置310の計測部320には、配電線路の二次側電流Isvrを測定するセンサCT、及び二次側電圧Vsvrを測定するセンサPTが接続される。
線路電圧降下補償回路LDC(LDC1,LDC2)では、計測部320で測定された二次側電圧Vsvrが、所定の制限値を逸脱していることを検出し、この状態が所定の計測時間以上継続していることをもって、タップ制御部340を介してタップの切替制御を実行する。
なお、図3に示す一例において、線路電圧降下補償回路LDCとしてLDC1,LDC2を備えているが、このうち線路電圧降下補償回路LDC1は既存の装置であり、線路電圧降下補償回路LDC2は新たに追加された装置である。いずれの線路電圧降下補償回路LDCも、自動電圧調整装置300の二次側情報から配電系統の仮想点における電圧を所定範囲に制御するものであるが、線路電圧降下補償回路LDC1は、太陽光発電装置PVにおける問題点について何らの対策手法を有していないのに対し、線路電圧降下補償回路LDC2は、太陽光発電装置PVにおける問題点を対策している。
また、線路電圧降下補償回路LDCとしてLDC1,LDC2を備えている点に関して、その双方の設定が太陽光発電装置PVにおける問題点を対策したものとされるように構成されていてもよい。電圧を所定範囲内に制限する場合に、線路電圧降下補償回路LDC1,LDC2を上限、下限を定めるために使用することなどが可能である。
なお、本実施の形態は、必ずしも2系統の線路電圧降下補償回路LDCを必要としないが、2系統の線路電圧降下補償回路LDCを備えた場合には、線路電圧降下補償回路LDC1は太陽光発電装置PVが出力していない夜間や曇天時におけるタップ制御に有効であり、線路電圧降下補償回路LDC2は晴天時におけるタップ制御に有効であるといえる。
図4は、タップ制御部340によるタップ切換指令303を算出する一例を示す。ステップS1では、タップ制御部340が、計測部320で測定された二次側電流Isvr及び二次側電圧Vsvrから、有効電力Psvr及び無効電力Qsvrを計算する。この処理は、2つの線路電圧降下補償回路LDCのうち、例えば線路電圧降下補償回路LDC1で算出されればよい。このように計算する代わりに、有効電力Psvr及び無効電力Qsvrを直接計測する方式であってもよい。このような有効電力Psvr及び無効電力Qsvrの代わりに、タップ制御部340が、自動電圧調整器(以下「SVR」とも省略する)の通過電流の有効成分Irsvr及び無効成分Iisvrを求めてもよい。以下の例では、有効成分Irsvr及び無効成分Iisvrを用いるものとして説明する。
次のステップS2では、線路電圧降下補償回路LDC1が、データベースDB1のパラメータ(インピーダンスとしてのR1,X1、及び電圧Vref1)を読み込み、(1)式を実行する。タップ制御装置310は、次のような(1)式を実行することにより、タップ動作判定基準値Vs1を計算する。
Figure 0007002991000001
ここで、インピーダンスR1,X1、電圧Vref1は、予め設定されデータベースDB1に格納されたパラメータであり、IrsvrとIisvrは、それぞれ、計測した通過電流Isvr及び力率cosθから求めた通過電流の実部と、通過電流の虚部である。なお、R1は、SVRの通過電流の実部Irsvrに対する係数を示し、X1は、SVRの通過電流の虚部Iisvrに対する係数を示し、Vref1は、基準電圧を示す。
なお、図4のステップS2では、R1・Irsvrの項を有効電力Psvrと係数Ap1との積として求め、またX1・Iisvr項を無効電力Qsvrと係数Aq1との積として求めるという計算式の一例を表しているが、これはいずれの手法を採用するものであっても同じ結果が得られる。
同様にしてステップS3では、線路電圧降下補償回路LDC2は、データベースDB2に示すパラメータ(インピーダンスとしてR2,X2、及び、電圧Vref2)を読み込み、(2)式を実行する。タップ制御装置310における(2)式の実行により、タップ動作判定基準値Vs2が計算される。
Figure 0007002991000002
ここで、R2,X2、Vref2は、予め設定されたパラメータであり、Irsvr及びIisvrは、それぞれ、計測した通過電流Isvrと力率cosθから求めた通過電流の実部及び虚部である。R2は、SVRの通過電流の実部Irsvrに対する係数を示し、X2は、SVRの通過電流の虚部Iisvrに対する係数を示し、Vref2は、基準電圧を示す。
なお、図4のステップS3は、R2・Irsvrの項を有効電力Psvrと係数Ap2の積として求め、またX2・Iisvr項を無効電力Qsvrと係数Aq2の積として求めるという計算式の一例を表しているが、これはいずれの手法を採用するものであっても同じ結果が得られる。
ステップS4では、前述した(1)式で求めた基準値Vs1に対してSVRの二次側電圧Vsvrが、正負の所定の制限値ε1を超えることを確認し、所定範囲内にあるとき(ステップS4:YES)にはステップS1に戻り、上記処理を繰り返す。
SVRの二次側電圧Vsvrが、基準値Vs1に対して正負の所定の制限値ε1を超えるとき(ステップS4:No)、ステップS5では、ステップS4の条件を満たす時間をタップ制御装置内に設けられたタイマで積算し、ステップS6では、その値がTsvr1を超えた場合にタップ切換指令を発行し、タップ切換後にステップS7でTsvr1をリセットする。
前述した(1)式の結果に対する上記の処理は、(2)式の結果に対しても同様に実行される。この処理部分が、図4のステップS8からS11に対応している。
具体的には、ステップS8では、(2)式で求めた基準値Vs2に対してSVRの二次側電圧Vsvrが、正負の所定の制限値ε2を超えることを確認し、所定範囲内にあるとき(ステップS8:YES)にはステップS1に戻り、上記処理を繰り返す。
SVRの二次側電圧Vsvrが、基準値Vs2に対して正負の所定の制限値ε2を超えるとき(ステップS8:No)、ステップS9ではステップS8の条件を満たす時間をタップ制御装置内に設けられたタイマで積算し、ステップS10ではその値がTsvr2を超えた場合にタップ切換指令を発行し、タップ切換後にステップS11でTsvr2をリセットする。
上記の処理判断によれば、SVRの二次側電圧Vsvrが、この基準値Vs1より一定値ε1以上小さい状態で一定時間(例えば、Tsvr1秒)経過すると、SVRのタップチェンジャ302を上げ方向に変更し、二次側電圧を上昇させる。逆に、SVRの二次側電圧Vsvrがこの基準値Vs1より一定値ε1以上大きい状態で一定時間経過すると、SVRのタップチェンジャ302を下げ方向に変更し、二次側電圧を下降させるといった動作をする。
また同様に、SVRの二次側電圧Vsvrが、この基準値Vs2より一定値ε2以上小さい状態で一定時間(例えば、Tsvr2秒)経過すると、SVRのタップチェンジャ302を上げ方向に変更し、二次側電圧を上昇させる。逆に、SVRの二次側電圧Vsvrがこの基準値Vs2より一定値ε2以上大きい状態で一定時間経過すると、SVRのタップチェンジャ302を下げ方向に変更し、二次側電圧を下降させるといった動作をする。
図5は、配電設備設計支援システム400と各種計測部200との関係を示す。SVRの通過電流の有効成分Irsvr及び無効成分Iisvrは、SVR中の計測部320(図3参照)にて計測され、子局190から、専用線191及び配電自動化システム800を介して配電設備設計支援システム400において取得される。
太陽光発電装置PVの端子電圧については、電圧計180からの電圧を子局190から専用線191及び配電自動化システム800を介して、配電設備設計支援システム400に取得される。
日射量についても、配電系統近傍に設置された日射計185において、子局190から専用線191、配電自動化システム800を介して配電設備設計支援システム400に取得される。
日射計185が設置されていない場合であれば、気象庁からの日射量計測データから当該地域の日射量を得る。なお、配電設備設計支援システム400から配電自動化システム800、専用線191及び子局190を介してSVRに整定値350が伝送される。
図6は、設備設計支援システム400の構成例を示す。設備設計支援システム400は、各種部の結果得られる計算結果を表示する表示装置11、当システムの利用者からの入力を受け付けるための入力部12、各処理を実行するCPU13、通信部14、及び、計算過程を保持するためのRAM15を備える。
さらに設備設計支援システム400は、配電系統を構成するデータ群(対象配電系統、日射計測値、太陽光発電装置PV配置・容量、負荷パタン、SVR配置)や、計測したSVR通過電流Irsvr,Iisvr及び差電圧ΔVから太陽光発電装置の出力抑制に寄与する電圧ΔVlimを潮流計算で算出したデータなどを格納するデータベースDB3、LDCパラメータを格納するデータベースDB1,DB2、対象配電系統、SVR配置、太陽光発電設備の配置・容量、及び負荷パタン等が格納されたデータベースDB4、及び、過去実績に基づき算出された多くの整定値R2,X2が時間帯とその時間帯での日射量の情報と共に記憶されているデータベースDB5を備える。
次に設備設計支援システム400における具体的な処理内容について、順番に説明する。まず、平面上分割区間決定部440の処理内容を説明する。
図7は、(Irsvr、Iisvr)平面上の分割区間(ΔIrsvr、ΔIisvr)を決定する手順の一例を示す。ステップS441では、平面上分割区間決定部440が、計測値P,Qから力率cosθ,sinθを取得し、またはSVR通過有効電流Irsvr及び無効電流Iisvrを直接計測する。
次にステップS442では、平面上分割区間決定部440が、計測電流の平均値からSVR通過電流Irsvr,Iisvrを算出する。なお、この段階までにSVRと複数の太陽光発電装置の出力地点と間の電位差ΔVi(i=1、2、…n)も得られており、SVR通過電流Irsvr、IisvrとSVRと複数の太陽光発電出力地点間の電位差ΔViは、計測時刻の情報と共に相互に関連付けされて得られているものとする。
さらに、ステップS443では、平面上分割区間決定部440が、Irsvr,Iisvrのデータの分布に基づき、Irsvr.Iisvrで構成する座標平面を想定し、この平面を区分化する。平面区分化は、Irsvr,Iisvrの最大値と最小値が±100A程度であれば、区分化の単位としては、ΔIrsvr=ΔIisvr=10Aとすることで、Irsvr,Iisvrの平面を20×20に分割できることになり、後段の処理である重回帰分析を安定的に行うことが可能となる。この区分化の単位は、本システムの利用者が適宜設定することができる。
上述のようにして平面上分割区間決定部440は、Irsvr,Iisvrで構成する二次元の座標平面を想定し、かつ、二次元の座標平面を複数区間に分割して平面の区分化を実施する。
次に、上位ランクΔV抽出部460の処理内容を説明する。図8は、設備設計支援システム内の上位ランクΔV抽出部の処理内容を示す。ステップS461では、上位ランクΔV抽出部460が、SVR通過電流Irsvr,IisvrとSVRと複数の太陽光発電装置の出力地点との間の電位差ΔVによる3次元の空間を想定する。
具体的には、上位ランクΔV抽出部460は、SVR通過電流Irsvr、Iisvrで区分化した各々の区分区間(ΔIrsvr,ΔIisvr)に属する三次元座標(Irsvr,Iisvr,ΔV)において、ΔVの値が大きい順にソーティングを実施する。
ステップS462では、上位ランクΔV抽出部460が、ΔVの値が大きい順にソート済の(Irsvr,Iisvr.ΔV)データセットのうち、ΔVの値が上位1位、2位、3位となるデータを選択する。上位何位まで選ぶべきかは、本システムの利用者が適宜設定可能である。
図13に概念的に示したIrsvr,IisvrとΔVとによる3次元空間では、SVR通過電流Irsvr及びIisvrによる平面座標に対してΔIrsvr及びΔIisvrを単位とする平面領域99の区分化を実施し、かつ高さ方向にSVRと複数の太陽光発電出力地点間の電位差ΔVを採用した3次元空間を想定している。なお、区分化された平面領域99における電位差ΔVを○または●で表示しているが、ここでは、電位差ΔVが大きい上位ランクのものを●で表示している。
さらにステップS462では、上位ランクΔV抽出部460が、電位差ΔVの値が上位1位、2位、3位となる(Irsvr,Iisvr,ΔV)範囲98内のデータセットに対して、選択フラグを付与する(設定無から設定有とする)。この選択フラグの設定有無により、重回帰分析をする際のデータの判別が可能となり、図9に示す重回帰分析処理が開始される。
図9は、重回帰分析処理の一例を示す。ステップS900では、重回帰分析部480が、重回帰分析をするための単位時間として、例えば1時間(または3時間)を設定する。
ステップS901では、重回帰分析部480が、太陽光発電装置PViの組合せを検索する。ステップS902では、重回帰分析部480が、選択フラグ==1である太陽光発電装置PViの組合せを抽出し、選択フラグ==1である太陽光発電装置PViの組み合わせを発見しない場合には上述したステップS901から実行する。
一方、選択フラグ==1である太陽光発電装置PViの組合せを発見した場合、ステップS903では、重回帰分析部480が、SVR2次側電圧と選択フラグ==1となる太陽光発電装置PVi端電圧との電位差ΔVとSVR通過電流Irsvr、Iisvrとの間で重回帰分析計算を実行し、ΔV=α×Irsvr+β×Iisvr+ΔV0となるαをSVRのLDC2の整定値R(Ω)とする。
さらにステップS904では、重回帰分析部480が、このようにSVR2次側電圧と選択フラグ==1となる太陽光発電装置PVi端電圧との電位差ΔVとSVR通過電流Iisvrとの間で重回帰分析を実行し、Z軸の切片から整定値ΔV0を算出する。
さらにステップS905では、重回帰分析部480が、このようにSVR2次側電圧と選択フラグ==1となる太陽光発電装置PVi端電圧との電位差ΔVとSVR通過電流Iisvrとの間で重回帰分析を実行し、ΔV=α×Irsvr+β×Iisvr+ΔV0となるβをSVRのLDC2の整定値X(Ω)とする。
次に重回帰分析部480は、もしもすべてのデータ組合せパタンを検索済みでなければ、ステップS901へ戻って実行する一方(ステップS906)、すべてのデータ組合せパタンを検索済みであれば、本処理を終了し、季節・時間帯に紐づけられた整定値R2、X2を決定する。
ステップS907では、重回帰分析部480が、例えば1日の日中についての1時間(または3時間)刻みでの全ての時間帯分の計算を完了すれば、当該処理を終了する。以上の処理は単位時間に含まれるデータセットに対して処理を行う。
例えば、設定した時間帯毎に行われる上記重回帰分析処理により、例えば日照のある朝6時から夜6時までの1時間ごとの時間帯で求められた整定値R2,X2が得られたことになる。これらの時間帯ごとの整定値R2,X2は、時間の情報とともに、図2に示したデータベースDB5に保持されていくが、このとき日射量と整定値の対応付部500での処理により、重回帰分析部480で求めた時間帯ごとの整定値と、日射計185で計測した時間帯ごとの日射量を関連づけしてデータベースDB5に記憶される。
図9に示す重回帰分析処理は、要するにSVRのLDC2の整定値R、Xで定める仮想点を定めるに当たり、出力抑制を生じる太陽光発電装置PVを考慮してその位置を定めたものである。SVRの傘下に例えば100台の太陽光発電装置PVが存在し、このうち50台が頻繁にあるいは大規模な出力抑制を生じる太陽光発電装置PVであるといった場合に、100台すべてを考慮した仮想点設定を行っていたものが従来であるに対し、本実施の形態では、発電量の出力抑制を生じる50台の太陽光発電装置PVを主体として仮想点の設定が実施されるのである。
このため、出力抑制を生じる太陽光発電装置PVを主体とする仮想点設定の実現手法にはいくつかのものが想定し得、本実施の形態は、そのいずれであってもよい。これらの変形手法としては、例えば出力抑制程度の高い太陽光発電装置PVに限定して定めたり、出力抑制から救うことのできる太陽光発電装置PVの台数を極力大きくするように繰り返し計算により定めたり、出力抑制を生じる太陽光発電装置PVの重み係数を上げて仮想点を定めるという手法が考えられる。
図10は、図9に示す重回帰分析処理を経て得られたα及びβの幾何学的イメージを示す。図示の例は、SVR通過電流の有効成分Irsvr、無効成分Iisvr、並びにSVRの2次側電圧と太陽光発電装置端子電圧の電位差ΔVで定まる3次元平面95を表記したものである。ここでは、電位差ΔVがΔV0である時に、有効成分Irsvrが増加したときの電圧変動分ΔΔVと、無効成分Iiが増加したときの電圧変動分ΔΔV‘が表す領域を表示している。
図10における当該関係から、α及びβは(3)式及び(4)式で表現することができる。この係数α及びβは、季節・時間帯に紐づけられた整定値R2,X2を決定したことに他ならない。
Figure 0007002991000003
Figure 0007002991000004
(2)本実施の形態の第1の変形例
図11は、本実施の形態の第1の変形例を示す。なお、以下の説明では、主として前述した実施の形態とは異なる点のみを説明する。
前述した図2に示す例では、SVRと配電設備設計支援システム400を別個に配置して信号伝送を行う事例を示したが、この変形例では、SVR内に整定値決定部400Aを備えている。
整定値決定部400Aは、データベースDB3A、平面上分割区間決定部440A、上位ランクΔV抽出部460A、重回帰分析部480A、日射量と整定値の対応付部500A、データベースDB4A及びデータベースDB5Aを備える。
これらデータベースDB3A、平面上分割区間決定部440A、上位ランクΔV抽出部460A、重回帰分析部480A、日射量と整定値の対応付部500A、データベースDB4A及びデータベースDB5Aは、それぞれ、前述の実施の形態におけるデータベースDB3、平面上分割区間決定部440、上位ランクΔV抽出部460、重回帰分析部480、日射量と整定値の対応付部500、データベースDB4及びデータベースDB5に相当し、以下の点を除き、ほぼ同様の機能を有する。
この配電設備設計支援システム400Aでは、計測部200によりSVR通過電流IrsvrとIisvr、SVRと太陽光発電装置PVi出力地点間の電位差ΔVi、日射量を取得し、平面上分割区間決定部440A及び上位ランクΔV抽出部460Aにより、太陽光発電装置の出力抑制に相関関係を持つデータを選び出したうえで、重回帰分析を行う重回帰分析部480Aにより時間帯ごとの整定値を求める。
さらにこの配電設備設計支援システム400Aでは、日射量と整定値の対応付部500Aにより、日射量の情報と共に関連づけられて時間帯ごとの整定値がデータベースDB5Aに蓄積記憶される。その後、整定値350はタップ制御310へ設定されることを示している。
図2及び図11において説明した処理の概念を、図12(A)及び図12(B)を用いて説明する。まず、図12(A)は、変電所110からSVRを介して例えば樹枝状に延伸配置された配電系統の面的なエリア構成例を示している。
このような配電系統において、一例として「○」の位置に太陽光発電装置PVが配置されている。ここでは、既存の装置である線路電圧降下補償回路LDC1の動作整定値R1,X1が定めるSVR二次側の仮想点の位置がG1であるものとする。なお、仮想点は、配電系統の面的なエリア構成におけるインピーダンス分布の重心位置に対応している。従って、この仮想点について電圧制御を実施すれば、配電系統全体について適正に電圧制御を実施することが可能である。
これに対し、図12(B)は、図2及び図11の平面上分割区間決定部440A、上位ランクΔV抽出部460A及び重回帰分析部480Aにおいて求めた、太陽光発電装置PVにおける出力抑制に相関関係を有する太陽光発電装置PVのみを、一例として「●」で示している。
重回帰分析部480では、抽出した出力抑制に相関関係を有する太陽光発電装置PVの配置情報を考慮して、特に出力抑制が大きく、SVRの2次側電圧と太陽光発電装置PViの端子電圧との電位差ΔViとの相関が大きい太陽光発電装置PViについて、当該配電系統の面的なエリア構成におけるインピーダンス分布の重心位置G2を求めたものである。
図14は、平面上分割区間決定部440A及び上位ランクΔV抽出部460Aにより抽出した●のデータ群を用いて、重回帰分析部480Aにおいて求めた平面を示す図である。この平面は●の集合から求めた平面であり、この平面から図10に示す係数α及びβを定める結果として、特に出力抑制が大きく、SVRの2次側電圧と太陽光発電装置PViの端子電圧との電位差ΔViとの相関が大きい太陽光発電装置PViについて配慮したSVRを構成することができる。
また、図15(A)及び図15(B)は、それぞれ、図12(A)及び図12(B)に示す場合における電位差ΔVの推定精度の関係を示している。より具体的には、図15(A)及び図15(B)は、それぞれ、図12(A)に示す従来方式(全データにより重回帰分析)による電位差の時間変化(細い実線)と、従来方式によって推定される電位差の時間変化(太い実線)と、を比較しつつ、電位差ΔVの推定精度の関係を表している。
図示の例では、太い実線が細い実線と重なれば、電位差ΔVの推定が正確に行われたことを意味しており、SVRによる制御が良好に行われることを示している。図示の例では、特に電位差ΔVの最大値についての推定がよくないことが明白である。
ここで、最大値は、太陽光発電出力抑制が実施される可能性が高い領域であることから、太い実線は、細い実線の最大値近傍を正確に推定すべきところ、図15(A)に示す例では、電位差ΔVの最大値を正確に推定できていないことが従来における問題である。
これに対し、本実施の形態では、図15(B)に示すように、太い実線が、細い実線の最大値近傍を重複していることから正確に電位差ΔVの最大値を推定できており、太陽光発電装置の出力抑制が実施される可能性が低くなっていることを理解することができる。
図16は、日射量と整定値の対応付処理の一例を示す。この日射量と整定値の対応付処理では、まず、ステップS1701において、日射量と整定値の対応付部500が、該当地域における単位時間毎の日射量を取得する。この日射量は、気象庁やNEDO等の気象関係に公開されているデータでもよい。
次にステップS1702では、日射量と整定値の対応付部500が、前述したように重回帰分析部480によって計算された単位時間毎の整定値を取得する。その後、ステップS1703では、日射量と整定値の対応付部500が単位時間毎に日射量と整定値の相関関係を生成する。
このステップS1703では、単位時間毎の日射量と整定値を紐付けてテーブル化する方法や、単位時間の日射量と整定値のデータとの組に基づく重回帰分析により線形式を生成する方法を採用してもよい。これらの単位時間ごとに相関づけられた日射量と整定値は、日射量と整定値の対応付部500によってデータベースDB5に蓄積される。
図17は、整定値選択処理の一例を示す。SVRでは、整定値選択部345が、日射計185から日射量を受信すると、データベースDB5を参照して日射量に対応する整定値を選択する(ステップS1601)。ステップS1602では、整定値選択部345が、そのように選択された整定値をLDC2へ送信する。
なお、図17に示す整定値選択処理において、整定値選択部345が、データベースDB5を参照し、LDC2の設定に反映させる日射量(以下「基準日射量」という)について、以下のように取り扱うことが考えられる。
すなわち、本実施の形態では、基準日射量は、例えば1時間(または3時間のように、1日単位のように長い期間でなく、時間ごとの天候が反映されうる長さの時間)の時間帯での平均的な日射量として把握されるのがよい。これにより、日射量の瞬間的な変動により、その都度整定値が可変に変更され、制御が安定化しない事態を避けることができる。
この基準日射量は、天気予報を参考にしたものであってもよい。例えば、明日の天気が曇り(あるいは快晴)であり、現在の季節の天気が曇り(あるいは快晴)である時の過去実績が多数得られており、明日の天気予測の推定信頼度が高いことが判明している場合には、明日の日射量の参照情報として過去実績における日射量を、データベースDB5を参照するときの基準日射量として使用することができる。
また、基準日射量は、将来時刻の気象を予測して求めた予測日射量であってもよい。このようにすると、近隣地域における雲の動き、天気予報などから現在時刻が10時である時に、1時間後の11時の気象を予測し、そのときの日射量を、データベースDB5を参照するときの基準日射量として使用することができる。なお、予測時点は、1時間後に限らず、任意に設定してもよい。
基準日射量は、計測した実際の日射量ばかりでなく、上記観点から決定された上位概念の値を利用することができる。本実施の形態では、これらを総称して「基準日射量」を用いている。
なお、図17において、基準日射量を用いてデータベースDB5を参照し、整定値を取り出す場合に、必ずしも条件に完全に合致するものが存在しない場合が考えられるが、このような場合には類似する条件で選択する。このため、適宜の学習処理などが採用されるものであってもよい。
本実施の形態における線路電圧降下補償回路LDC2の動作整定値R2,X2は、重心位置G2を示している。本実施の形態によれば、発電量の出力抑制の対象となる太陽光発電装置に対してより近傍の位置が仮想点として設定されることにより、当該近傍の電圧が制限値を逸脱しないように、SVRにおけるタップ制御によって配電系統の電圧を調整するため、出力抑制の機会が多かった一部の太陽光発電装置は、出力抑制を実施しなくても良いという好ましい環境下に置かれることになる。
従来は、一度定めた重心位置G1を制御するのみで太陽光発電装置の出力状況が考慮されていないが、本実施の形態では、出力抑制が大きい順に相関関係を有する一部の太陽光発電装置のみを抽出し、その都度重心位置G2を反映させているので、出力抑制による売電機会の損失を受けている当該一部の太陽光発電装置PVの不公平を回避することが可能である。
この結果、太陽光発電装置PVの出力が過度に上昇する場合であっても、事前に上流側のSVRにおけるタップ制御が配電系統の電圧を調整するので、当該一部の太陽光発電装置の出力抑制に至る機会を削減することができる。
本実施の形態による以上のような制御により、太陽光発電装置などのような出力が変動する発電装置が分岐系統等に多数導入されている電力系統でも、太陽光発電装置の設置点の電圧が上昇することを回避するために実施される太陽光発電装置の出力抑制を回避し、需要家による売電機会が失われることを低減することができる。さらに、日射量と関連付けて電圧調整装置の整定値を選択して用いることで、より高精度に電圧調整が可能となり、太陽光発電装置の出力抑制量を低減することが可能となる。さらに、ハンチング動作によるタップの磨耗を抑えることができるため、電圧調整装置の寿命をより延ばすことができる。
また、本実施の形態によれば、同じ1日の日照時間帯の中であっても日照条件が相違することに伴って太陽光発電では電力系統の状態が変化しているが、設定すべき整定値を日射量に応じて可変とすることで、よりきめ細かな電力系統の制御に貢献することができる。
以上説明した本実施の形態は多様であるが、いずれの場合であっても、所定時間帯内に前記配電系統から得た情報に基づいて、所定時間帯における配電系統のインピーダンスを求める時間帯別インピーダンス導出部と、所定時間帯における日射量を求める日射量入手部と、同一の前記所定時間帯におけるインピーダンスと日射量を関連付けて記憶するデータベースと、基準日射量によりデータベースを参照して基準日射量のときのインピーダンスを求めるインピーダンス抽出部と、を備え、抽出したインピーダンスを整定値として用いて配電系統の仮想点における電圧を設定電圧とすべくタップ値を調整する構成に特徴付けられている。
ここで、上述した時間帯別インピーダンス導出部は、図2の平面上分割区間決定部440、上位ランクΔV抽出部460及び重回帰分析部480を主たる構成とした部分に相当し、上記日射量入手部は、日射計185からデータを入手する処理或いは計測部200からデータを入手する処理に相当し、上記データベースは、データベースDB5などに相当し、上記インピーダンス抽出部は、整定値選択部345或いは整定値選択処理(図17参照)に相当している。
図18は、ハンチング動作を回避するための整定値補正処理の一例を示す。図示の例では、第1の線路電圧降下補償回路LDC1の整定値及び第2の線路電圧降下補償回路LDC2の整定値を補正する処理を表している。まず、ハンチング動作判定部600は、日射量に応じて選択した、第1の線路電圧降下補償回路LDC1の整定値及び第2の線路電圧降下補償回路LDC2の整定値350をそれぞれ取得する(ステップS1801,S1802)。
その後、SVRの1タップ動作(±100V)の動作をした時に、第1の線路電圧降下補償回路LDC1の推定電圧が第2の線路電圧降下補償回路LDC2の上限電圧を逸脱し、かつ、第1の線路電圧降下補償回路LDC1の下限電圧を逸脱する場合(ハンチング動作条件判定式によりハンチング判定が真の場合に相当)、ハンチング動作判定部600は、第1の線路電圧降下補償回路LDC1の整定値と第2の線路電圧降下補償回路LDC2の整定値とが近い位置に存在することから、離れる方向に、第2の線路電圧降下補償回路LDC2の整定値をごく僅かに変化させ、ハンチング動作を回避する整定値へ補正する(ステップS1803)。
図19は、上述したSVRの代わりにLRTに対する整定値を決めるための配電設備設計支援システムの全体構成例を示す。図20は、LRTと配電設備設計支援システムとの関係の一例を示す。LRTについてもLDC型であれば、SVRと同様に、第1の線路電圧降下補償回路LDC1及び第2の線路電圧降下補償回路LDC2を整定することが可能となる。
なお、LRTが仮にプロコン型であれば、予め時間帯毎に用いる整定値を決めておく必要があるが、その場合には、日射量の時間帯毎のパタンを1年間データによって分析しておき、その日射量時間帯別のパタンに応じた整定値を選定することで、整定値を決定することが可能となる。
(3)本実施の形態の第2の変型例
以上のような実施の形態は、次のようなSVRの遠隔整定値調整に対応した最適整定方式とすることもできる。配電自動化システムに関わる通信インフラの再構築が進むと、SVR等の整定値は遠隔で設定される。このような場合、整定値は、固定値とする代わりに、例えば、季節や時間などを条件に動的に変更することで、より効果的な運用が可能となる。
(3-1)遠隔整定方式の基本コンセプト
図21は、本実施の形態を遠隔整定方式とした場合の構成例を示す。上述した実施の形態では、過去計測データを用いて事前に整定値を算出し、SVR等へ整定値を事前に設定している。これに対して、この遠隔整定方式では、日射量やPV出力量等のリアルタイム計測データを用いて、最適な整定値を選択し、その都度設定する。または、SVR単体で動的に整定値を決定するようにしても良い。
(3-2)整定値の動的変更に関する検討
遠隔整定方式の実現へ向けて、天候や計測間隔の違いが整定値に与える影響を分析した。影響分析には配電線の計測値(1秒間隔)を用いた。
天候による整定値への影響を把握するために、曇天日と晴天日における計測値を用いて、重回帰分析により整定値を算出すると、青天日に太陽光発電出力が増加して電圧が上昇するため、日射量などを用いて最適な整定値を動的に選択することができる。
図22は、整定値空間及び整定値関数のイメージの一例を示す。さらに、動的に整定値を選択することをシステム上で可能とするために、計測条件及び整定条件の違いが整定値へ与える影響を分析すると、直線状の強い相関性が存在するため、整定値に関する線形的な関数(以下「整定値関数」という)SFを決めることが可能である。
従って、例えば、ΔVref=ΔV’refである平面Nを考慮して、日射量または太陽光発電の出力量等の情報を用いてΔVrefを決定することで、整定値の持つ強い相関性を利用してR,Xを決めることが可能となり、計測値から最適な整定値を選択したり、SVR単体で動的な整定を実現することもできる。
(4)その他の実施形態
上記実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をこれらの実施形態にのみ限定する趣旨ではない。本発明は、その趣旨を逸脱しない限り、様々な形態で実施することができる。
本発明は、配電系統の電圧を調整する配電系統の電圧調整装置、電圧調整システム、電圧調整方法及び配電設備設計支援システムに広く適用することができる。
100……配電系統、110……配電用変電所、120……ノード、PV……太陽光発電装置、140……配電線路、150……負荷、170……センサ、180……電圧計、185……日射計、200……計測部、300……自動電圧調整装置、305……変圧器、310……タップ制御装置、320……計測部、340……タップ制御部、345……整定値選択部、350……整定値、CT……電流センサ、PT……電圧センサ、DB1,DB2,DB3,DB4,DB5……データベース、LDC1,LDC2……第1及び第2の線路電圧降下補償回路。

Claims (11)

  1. 複数の太陽光発電装置を備えた配電系統に設置され、前記配電系統の仮想点における電圧を設定電圧とすべくタップ値を調整するタップ付変圧器を備えた配電系統の電圧調整装置であって、
    所定時間帯内に前記配電系統から得た情報に基づいて、前記所定時間帯における前記配電系統に固有に定まる、前記電圧調整装置の整定値であるインピーダンスを求める時間帯別インピーダンス導出部と、
    前記所定時間帯における日射量を求める日射量入手部と、同一の前記所定時間帯における前記インピーダンスと前記日射量を関連付けて記憶するデータベースと、
    基準日射量に基づいて前記データベースを参照して前記基準日射量のときの前記インピーダンスを求めるインピーダンス抽出部と、
    前記抽出したインピーダンスを整定値として用いて前記配電系統の仮想点における電圧を設定電圧とすべくタップ値を調整するタップ調整部と、
    所定のハンチング動作条件判定式によりハンチング判定が真の場合にハンチング動作を回避する整定値へ補正するハンチング動作判定部と、
    を備えることを特徴とする配電系統の電圧調整装置。
  2. 前記配電系統から得た情報は、前記タップ付変圧器の通過電流の有効成分及び無効成分、並びに前記タップ付変圧器と複数の前記太陽光発電装置の間の電位差であり、
    前記時間帯別インピーダンス導出部は、
    前記タップ付変圧器の通過電流の有効成分及び無効成分で定まる平面上において、分割区間を決定する平面上分割区間決定部と、
    前記分割区間における前記電位差について前記電位差が大きい順にランク付けして上位複数の電位差を抽出する上位ランク電位差抽出部と、
    前記抽出された前記上位複数の電位差を用いた重回帰分析を実施し、前記タップ付変圧器のインピーダンスを決定する重回帰分析部と、
    を備えていることを特徴とする請求項1に記載の配電系統の電圧調整装置。
  3. 前記タップ付変圧器の通過電流と、前記タップ付変圧器と前記太陽光発電装置の設置点間の電位差と、日射量についての計測部から情報を取得し、前記計測部からの情報と、対象とする配電系統の構成の情報と、太陽光発電装置の配置・容量の情報と、負荷パタンの情報と、前記タップ付変圧器の配置データの情報と、を含む蓄積部を備えることを特徴とする請求項2に記載の配電系統の電圧調整装置。
  4. 前記タップ付変圧器から前記仮想点までの距離を表す整定値は、前記タップ付変圧器から前記仮想点までの間のインピーダンスまたは前記インピーダンスに関連する係数であることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の配電系統の電圧調整装置。
  5. 前記配電系統における第1の仮想点における電圧を設定電圧とすべく前記タップ付変圧器のタップ値を調整する第1の線路電圧降下補償回路と、
    前記インピーダンス抽出部によって求められた前記整定値を用いて前記配電系統における第2の仮想点における電圧を設定電圧とすべく前記タップ付変圧器のタップ値を調整する第2の線路電圧降下補償回路と、
    を備えることを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれかに記載の配電系統の電圧調整装置。
  6. 前記基準日射量は、
    計測された日射量、過去実績に基づいて定めた日射量、及び、気象予測に基づいて定めた日射量のいずれかであることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の配電系統の電圧調整装置。
  7. 複数の太陽光発電装置を備えた配電系統に設置され、前記配電系統の仮想点における電圧を設定電圧とすべくタップ値を調整するタップ付変圧器を備えた配電系統の電圧調整装置と、配電設備設計支援システムと、を含む配電系統の電圧調整システムであって、
    前記配電設備設計支援システムは、
    所定時間帯内に前記配電系統から得た情報に基づいて、前記所定時間帯における前記配電系統に固有に定まる、前記電圧調整装置の整定値であるインピーダンスを求める時間帯別インピーダンス導出部と、
    前記所定時間帯における日射量を求める日射量入手部と、
    同一の前記所定時間帯における前記インピーダンスと日射量を関連付けて記憶するデータベースと、を備え、
    前記タップ付変圧器は、
    基準日射量に基づいて前記データベースを参照して前記基準日射量のときの前記インピーダンスを抽出するインピーダンス抽出部と、
    前記抽出したインピーダンスを整定値として用いて前記配電系統の仮想点における電圧を設定電圧とすべくタップ値を調整するタップ調整部と、
    所定のハンチング動作条件判定式によりハンチング判定が真の場合にハンチング動作を回避する整定値へ補正するハンチング動作判定部と、
    を備えることを特徴とする配電系統の電圧調整システム。
  8. 前記配電設備設計支援システムは、
    前記タップ付変圧器の通過電流と、前記タップ付変圧器と前記太陽光発電装置の設置点間の電位差と、日射量について計測部から取得する情報と、対象とする配電系統の構成に関する情報と、前記太陽光発電装置の配置・容量の情報と、負荷パタンの情報と、前記タップ付変圧器の配置データの情報と、を蓄積する蓄積部を備えていることを特徴とする請求項7に記載の配電系統の電圧調整システム。
  9. 複数の太陽光発電装置を備えた配電系統に設置され、前記配電系統の仮想点における電圧を設定電圧とすべくタップ値を調整するタップ付変圧器を備えた配電系統の電圧調整方法であって、
    電圧調整装置が、所定時間帯内に前記配電系統から得た情報に基づいて、前記所定時間帯における前記配電系統に固有に定まる、前記電圧調整装置の整定値であるインピーダンスを求めるとともに前記所定時間帯における日射量を求め、同一の前記所定時間帯における前記インピーダンスと前記日射量を関連付けて記憶する記憶ステップと、
    前記電圧調整装置が、関連付けて記憶された前記インピーダンスと前記日射量を参照し、基準日射量のときの前記インピーダンスを抽出し、抽出したインピーダンスを整定値として用いて配電系統の仮想点における電圧を設定電圧とすべくタップ値を調整する調整ステップと、
    を有することを特徴とする配電系統の電圧調整方法。
  10. 複数の太陽光発電装置と、与えられた整定値に応じて配電系統の仮想点における電圧を設定電圧とすべくタップ値を調整するタップ付変圧器を備えた電圧調整装置と、を備えた配電系統に適用され、前記仮想点における電圧を推定するための整定値を与える、配電系統の配電設備設計支援システムであって、
    所定時間帯内に前記配電系統から得た情報として、前記タップ付変圧器の通過電流の有効成分及び無効成分、並びに前記タップ付変圧器と前記複数の太陽光発電装置の間の電位差に基づいて、前記所定時間帯における前記配電系統に固有に定まる、前記電圧調整装置の整定値であるインピーダンスを求める時間帯別インピーダンス導出部と、
    前記所定時間帯における太陽光発電出力を求める太陽光発電出力入手部と、
    同一の前記所定時間帯における前記インピーダンスと前記太陽光発電出力を関連付けて記憶するデータベースと、
    前記データベースから抽出した前記インピーダンスを前記タップ付変圧器に与える出力部と、
    所定のハンチング動作条件判定式によりハンチング判定が真の場合にハンチング動作を回避する整定値へ補正するハンチング動作判定部と、
    を備えることを特徴とする配電系統の配電設備設計支援システム。
  11. 前記タップ付変圧器の通過電流と、前記タップ付変圧器と前記太陽光発電装置の設置点間の電位差と、日射量について計測部からの情報と、対象とする配電系統の構成の情報と、前記太陽光発電装置の配置・容量の情報と、負荷パタンの情報と、前記タップ付変圧器の配置データの情報と、を蓄積する蓄積部を備えていることを特徴とする請求項10に記載の配電系統の配電設備設計支援システム。
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