JP2018098830A - 配電系統の電圧調整装置、電圧調整システム、電圧調整方法および配電設備設計支援システム - Google Patents

配電系統の電圧調整装置、電圧調整システム、電圧調整方法および配電設備設計支援システム Download PDF

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Abstract

【課題】配電系統に設置された太陽光発電装置の出力が抑制される場合に、太陽光発電装置設置点の電圧を下げて出力抑制を解消するような制御を可能とする。
【解決手段】出力抑制機能を備えた複数の太陽光発電装置を備えた配電系統に設置され、配電系統の仮想点における電圧を設定電圧とすべくタップを調整するタップ付変圧器を備えた配電系統の電圧調整装置であって、太陽光発電装置の出力量を算出する太陽光発電装置出力量算出手段と、出力抑制機能による太陽光発電装置の出力抑制量を求め、出力抑制量ごとに太陽光発電装置をランク付けする太陽光発電装置の出力抑制量推定およびランキング手段と、タップ付変圧器の通過電流の重回帰分析により、ランク付けされた太陽光発電装置を含む配電系統の重心位置を仮想点として定め、タップ付変圧器から仮想点までの距離を表す整定値を決定する分析手段と、整定値を用いて、仮想点における電圧を推定する線路電圧降下補償回路と、仮想点における電圧を設定電圧に制御するタップ制御装置を備えていることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、配電系統の電圧調整装置、電圧調整システム、電圧調整方法および配電設備設計支援システムに係り、特に配電系統に設置された太陽光発電装置の出力が抑制される場合に、太陽光発電装置設置点の電圧を下げる制御を可能とする配電系統の電圧調整装置、電圧調整システム、電圧調整方法および配電設備設計支援システムに関する。
近年の配電系統では太陽光発電装置の系統連系が増大しているが、配電系統では、太陽光発電装置の発電量が増加すると、太陽光発電装置設置点の電圧が上昇するという現象がある。これを回避するために、太陽光発電装置には自端子電圧が規定電圧より上昇した場合に太陽光発電装置の発電量を抑制する機能が備えられている。この機能により、太陽光発電装置の発電量が制限されることになる。
他方、配電系統の電圧は、配電用変電所に設置された変圧器(負荷時タップ切替変圧器LRT:Load Ratio Control Transformer)のタップ切替や、配電線上に設置された自動電圧調整器(SVR:Step Voltage Regulator)などのタップ切替によって制御されている。
先に述べた太陽光発電装置における発電量の抑制を回避するためには、電圧調整装置(負荷時タップ切替変圧器LRTや自動電圧調整器SVR)で、配電系統の電圧を調整し、出力抑制を回避することが重要となる。そのためには、太陽光発電装置発電量に応じて、タップ制御を適切に行う必要がある。
電圧調整装置(負荷時タップ切替変圧器LRTや自動電圧調整器SVR)の制御方法として、次のような手法が知られている。
例えば、通常の自動電圧調整器SVRにおいては、自端の二次側電圧と通過電流と力率からタップ値を決定する方法が非特許文献1により知られている。
特許文献1には、電圧調整変圧器の送出電圧から最高電圧点の電圧までの電圧上昇幅と、変圧器の送出電圧から最低電圧点の電圧までの電圧下降幅とを加算した電圧変動範囲の中心値が、規定値となるように、電圧調整装置の送出電圧を選定する制御手法が示されている。
また、自動電圧調整器SVRの二次側電圧(タップ値)を、系統内の太陽光発電装置発電量に応じて調整し、またその時の太陽光発電装置発電量は、太陽光発電装置と自動電圧調整器SVR間の通信または日射計情報から推測することが知られている。
なお、自動電圧調整器SVRの詳細な構成は、非特許文献1にも詳しく記載されている。また重回帰分析の具体的な計算方法についても知られている。
特開2009−240038公報
「線路電圧調整器の進歩と適用」現代の配電技術、電気書院 128−134頁(1972年)
前述の非特許文献1による自端の二次側電圧と通過電流と力率からタップ値を決定する方法では、太陽光発電装置による電圧上昇、出力抑制を考慮した制御が想定されていない。そのため、自動電圧調整器SVRは太陽光発電装置の出力抑制により電圧上昇が回避されている状況では、電圧調整を行うことができず、太陽光発電装置の出力抑制を回避できない問題がある。
また、特許文献1に記載の方法では、太陽光発電装置の出力抑制により電圧上昇が回避されている状況では、電圧調整装置の線路電圧降下補償器の適切な整定を行うことができず、太陽光発電の出力抑制を回避できない問題がある。
さらには、メガソーラの配電系統末端への連系と低圧側への一般需要家の太陽光発電装置連系の拡大に伴い、太陽光発電装置の端子電圧が上昇し、特定の需要家の太陽光発電装置が出力抑制されてしまうことになり、売電機会の損失が不平等に発生してしまう問題があげられる。
以上のことから本発明は、配電系統に設置された太陽光発電装置の出力が抑制される場合に、太陽光発電装置設置点の電圧を下げて出力抑制を解消するような制御を可能とする、配電系統の電圧調整装置、電圧調整システム、電圧調整方法および配電設備設計支援システムを提供するものである。
以上のことから本発明においては、出力抑制機能を備えた複数の太陽光発電装置を備えた配電系統に設置され、配電系統の仮想点における電圧を設定電圧とすべくタップを調整するタップ付変圧器を備えた配電系統の電圧調整装置であって、太陽光発電装置の出力量を算出する太陽光発電装置出力量算出手段と、出力抑制機能による太陽光発電装置の出力抑制量を求め、出力抑制量ごとに太陽光発電装置をランク付けする太陽光発電装置の出力抑制量推定およびランキング手段と、タップ付変圧器の通過電流の重回帰分析により、ランク付けされた太陽光発電装置を含む配電系統の重心位置を仮想点として定め、タップ付変圧器から仮想点までの距離を表す整定値を決定する分析手段と、整定値を用いて、仮想点における電圧を推定する線路電圧降下補償回路と、仮想点における電圧を設定電圧に制御するタップ制御装置を備えていることを特徴とする配電系統の電圧調整装置としたものである。
また本発明においては、配電系統の仮想点における電圧を設定電圧とすべくタップを調整するタップ付変圧器と、出力抑制機能を備えた複数の太陽光発電装置を備えた配電系統の電圧調整システムであって、複数の太陽光発電装置について、その出力量を算出する太陽光発電装置出力量算出手段と、太陽光発電装置毎に求めた出力量に基づき出力抑制量を推定し、出力抑制量に応じて並べ替えを行うランキング手段と、タップ付変圧器の通過電流の重回帰分析により、抽出された太陽光発電装置を含む配電系統の重心位置を仮想点として定め、タップ付変圧器から仮想点までの距離を表す整定値を決定する分析手段とを備えた配電設備設計支援装置と、配電設備設計支援装置が定めた前記整定値を用いて、仮想点における電圧を推定する線路電圧降下補償回路と、仮想点における電圧を設定電圧に制御するタップ制御装置を備えた電圧調整装置と、を含む配電系統の電圧調整システムとしたものである。
また本発明においては、出力抑制機能を備えた複数の太陽光発電装置を備えた配電系統に設置され、配電系統の仮想点における電圧を設定電圧とすべくタップを調整するタップ付変圧器を備えた配電系統の電圧調整方法であって、複数の太陽光発電装置について、その出力量を推定し、太陽光発電装置毎に求めた出力抑制量の大きい順に太陽光発電装置を抽出し、抽出された太陽光発電装置を含む配電系統について、その太陽光発電装置の出力重心位置を仮想点として定め、仮想点における電圧を設定電圧に制御することを特徴とする配電系統の電圧調整方法としたものである。
また本発明は、出力抑制機能を備えた複数の太陽光発電装置を備えた配電系統に設置され、配電系統の仮想点における電圧を設定電圧とすべくタップを調整するタップ付変圧器を備えた配電系統の電圧調整方法であって、複数の太陽光発電装置について出力抑制機能による出力量抑制量を推定し、出力抑制を行う太陽光発電装置について、その太陽光発電装置の出力重心位置を仮想点として定め、仮想点における電圧を設定電圧に制御することを特徴とする配電系統の電圧調整方法としたものである。
また本発明は、出力抑制機能を備えた複数の太陽光発電装置を備えた配電系統に設置され、配電系統の仮想点における電圧を設定電圧とすべくタップを調整するタップ付変圧器を備えた配電系統に適用され、仮想点における電圧を推定するための整定値を与える配電系統の配電設備設計支援装置であって、太陽光発電装置の出力量を算出する太陽光発電装置出力量算出手段と、出力抑制機能による太陽光発電装置の出力抑制量を求め、出力抑制量ごとに太陽光発電装置をランク付けする太陽光発電装置の出力抑制量推定およびランキング手段と、タップ付変圧器の通過電流の重回帰分析により、ランク付けされた太陽光発電装置を含む配電系統の重心位置を仮想点として定め、タップ付変圧器から仮想点までの距離を表す整定値を決定する分析手段、分析手段により求めた整定値をタップ付変圧器に与える出力手段を備えることを特徴とする配電系統の配電設備設計支援装置としたものである。
本発明の配電系統の電圧調整装置および制御方法により、太陽光発電などが大量に導入された系統でも、配電系統の電圧逸脱を低減できる。特定の太陽光発電の出力抑制量を低減することにより売電機会の損失を低減できる効果がある。
また、本発明のそれ以外の効果については、明細書中で説明する
本発明に係る配電設備設計支援システムの全体構成を示す図 一般的な配電系統と電圧調整システムの構成例を示す説明図。 自動電圧調整器SVRのタップ制御装置の構成を示す図。 タップ制御動作で太陽光発電出力抑制を回避する処理フロー図。 計測手段と配電設備設計支援システムのデータの流れを示す図。 設備設計支援システム400を計算機にて構成する場合の構成を示す図。 太陽光発電装置PV出力量算出手段の処理フローを示す図。 太陽光発電装置PV出力抑制推定およびランキング手段の処理フローを示す図。 SVR通過電流との重回帰分析手段の処理フローを示す図。 図9で得られたαおよびβの幾何学的イメージを示す図。 自動電圧調整器SVR内にSVR整定値決定手段400Aを備えた実施例を示す図。 自動電圧調整器SVRを介して樹枝状に延伸配置された配電系統の面的なエリア構成例を示す図。 太陽光発電装置PVにおける出力抑制に相関関係を有する太陽光発電装置PVのみを示す図。
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。
図2は、一般的な配電系統と電圧調整システムの構成例を示す図である。図2で示される典型的な配電系統100は、ノード(母線)120およびそれらを接続する配電線路140、ノード120に接続される負荷150や太陽光発電装置PV、配電線路140に設置されるセンサ170、配電用変電所110などで構成されている。ここでは、配電用変電所110のある図示左側をフィーダの送出し側、右側をフィーダの末端側としている。
自動電圧調整装置300は、線路140に直列に設置され、線路電圧を調整する電圧調整装置である。自動電圧調整装置300としては、負荷時タップ切替変圧器LRTや自動電圧調整器SVRが例示されるが、ここでは電圧調整装置300として自動電圧調整器SVRを配置した例を示している。自動電圧調整器SVRは、配電用変電所における負荷時タップ切替変圧器(LRT:Load Ratio Control Transformer)であってもよいが、図2では例えば自動電圧調整装置300に例示されるように、単巻変圧器とタップチェンジャで構成される変圧器305と、制御部分310を備えた自動電圧調整器SVRを構成し、配電線路に設置されるセンサ170からの信号、配電設備設計支援システム400からの動作整定値350を用いて、タップを操作している。
また図2において、400は配電設備設計支援システムであり、センサ170を含む各種の計測手段200から適宜入力を得、自動電圧調整装置300に対して、その動作整定値350を与えている。なお図2は簡便な構成の配電系統100を示しているが、実際には複数のフィーダの各所に適宜自動電圧調整装置300を備えており、配電設備設計支援システム400は各自動電圧調整装置300に対して、夫々の設置場所における最適な動作整定値350を決定して与えている。
図2に例示するように本発明における電圧調整システムは、自動電圧調整装置300と配電設備設計支援システム400を含む全体構成のものであるが、本発明の実施例においては、自動電圧調整装置300自体に図1に例示する配電設備設計支援システム400の機能を内包し、電圧調整装置として一体化したものとされてもよい。
図1は、本発明に係る配電設備設計支援システムの全体構成を示している。配電設備設計支援システム400は、その内部処理のために、センサ170を含む各種の計測手段200から、自動電圧調整器SVRの通過電流の有効成分Irと無効成分Ii(または有効電力PSVRと無効電力QSVR)、自動電圧調整器SVR設置点と太陽光発電装置PV設置点間の電位差ΔV、日射量などを取得している。
配電設備設計支援システム400は、一般には計算機システムとして構成されることになるが、その機能を手段として表すと、太陽光発電装置出力量算出手段440、太陽光発電装置出力抑制推定及びランキング手段460、自動電圧調整器SVR通過電流と重回帰分析手段480、データベースDB3などで構成される。データベースDB3には、入力した時刻ごとの前記計測値以外に、対象とする配電系統における太陽光発電装置PVの配置や発電容量の情報、負荷パタン、自動電圧調整器SVRの配置位置の情報などが記憶されている。
配電設備設計支援システム400の主要な機能である太陽光発電装置出力量算出手段440、太陽光発電装置出力抑制推定及びランキング手段460、自動電圧調整器SVR通過電流と重回帰分析手段480の具体的な処理内容については、別途図7、図8、図9の処理フローを参照して詳細に説明するが、ごく簡単に述べると以下のようである。
まず、図1の太陽光発電装置出力量算出手段440では、データベースDB3の情報を取り込んで太陽光発電装置PVの出力量を適宜の地点ごとに算出する。太陽光発電装置出力抑制推定及びランキング手段460では、太陽光発電装置PVにおける出力抑制量を推定し、出力抑制量に応じて並べ替えを行い、SVR通過電流との重回帰分析手段480により、SVR整定値350を算出して外部出力し、自動電圧調整装置300に対して、SVR整定値350を設定する。
これに対し、SVR整定値350を受信する側の自動電圧調整装置300の制御部分は、図2のように配電線路の電気量を測定するセンサ170、変圧器のタップを制御するタップ制御装置310で構成されている。本発明に係る変圧器305と、制御部分の具体的な回路構成例を図3に示している。
図3を用いてまずタップ制御の考え方を説明し、その後に配電設備設計支援システム400が与えるSVR整定値350と線路電圧降下補償回路LDCとの関わりについて説明する。図3には、自動電圧調整装置300の主回路である単巻変圧器303、タップチェンジャ302と、制御装置であるタップ制御装置310が記載されている。
タップ制御装置310は、計測部320、線路電圧降下補償回路LDC1、LDC2、タップ制御装置340、データベースDB1、DB2を備え、単巻変圧器303の二次側電圧を所定値に制御すべくタップチェンジャ302を操作している。ここで、データベースDB2には、配電設備設計支援システム400が与えるSVR整定値350が保持されている。
データベースDB1、DB2には、タップ制御を実行するうえでの各種の動作整定値が記憶されている。これらは、線路電圧降下補償演算(LDC演算)を行う上でのパラメータ(電圧Vref、インピーダンスR、X)、不感帯VE、タイマ時定数τ、動作時定数Tなどを含んでいる。配電設備設計支援システム400がデータベースDB2に与えるSVR整定値350は、これらの全てを含んでいてもよいが、少なくともインピーダンスR、Xは、配電設備設計支援システム400での処理により定められたものである。
タップ制御装置310の計測部320には、配電線路の二次側電流Isvrを測定するセンサCT、および二次側電圧Vsvrを測定するセンサPTが接続される。
線路電圧降下補償回路LDC(LDC1、LDC2)では、計測部320で測定された二次側電圧Vsvrが、所定の制限値を逸脱していることを検出し、この状態が所定の計測時間以上継続していることをもって、タップ制御装置340を介してタップの切替制御を実行する。
なお図3の実施例において、線路電圧降下補償回路LDCとしてLDC1、LDC2を備えているが、このうち線路電圧降下補償回路LDC1は既存の装置であり、線路電圧降下補償回路LDC2は新たに追加された装置である。いずれの線路電圧降下補償回路LDCも、自動電圧調整装置300の二次側情報から配電系統の仮想点における電圧を所定範囲に制御するものであるが、線路電圧降下補償回路LDC1は太陽光発電装置PVにおける問題点について何らの対策手法を有していないのに対し、線路電圧降下補償回路LDC2は太陽光発電装置PVにおける問題点を対策したものである。
また線路電圧降下補償回路LDCとしてLDC1、LDC2を備えている点に関して、その双方の設定が太陽光発電装置PVにおける問題点を対策したものとされるように構成されていてもよい。電圧を所定範囲内に制限する場合に、線路電圧降下補償回路LDC1、LDC2を上限、下限を定めるために使用することなどが可能である。
なお本発明は必ずしも2系統の線路電圧降下補償回路LDCを必要としないが、2系統の線路電圧降下補償回路LDCを備えた場合には、線路電圧降下補償回路LDC1は太陽光発電装置PVが出力していない夜間や曇天時におけるタップ制御に有効であり、線路電圧降下補償回路LDC2は晴天時におけるタップ制御に有効であるといえる。
図4に、タップ制御装置340によるタップ切換指令303の算出の流れを示す。図4のフローチャートによれば、最初の処理ステップS1において、計測部320で測定された二次側電流Isvr、二次側電圧Vsvrから、有効電力Psvr、無効電力Qsvrを計算する。この処理は、2つの線路電圧降下補償回路LDCのうち、例えば線路電圧降下補償回路LDC1で算出されればよい。なお有効電力Psvr、無効電力Qsvrを直接計測する方式であってもよい。また有効電力Psvr、無効電力Qsvrの代わりに、自動電圧調整器SVRの通過電流の有効成分Irと無効成分Iiを求めるものであってもよい。以下の例では有効成分Irと無効成分Iiを用いた例を説明する。
次の処理ステップS2では、線路電圧降下補償回路LDC1は、データベースDB1に示すパラメータ(インピーダンスとしてR1とX1、電圧Vref1)を読み込み、(1)式を実行する。タップ制御装置310における(1)式の実行により、タップ動作判定基準値Vs1が計算される。
[数1]
Vs1=Vref1+R1・Ir+X1・Ii (1)
ここで、インピーダンス(R1、X1)、電圧Vref1は、予め設定されデータベースDB1に格納されたパラメータであり、IrとIiは、計測した通過電流Isvrと力率cosθから求めた通過電流の実部と、通過電流の虚部である。そして、R1は自動電圧調整器SVRの通過電流の実部Irに対する係数、X1は自動電圧調整器SVRの通過電流の虚部Iiに対する係数、Vref1は基準電圧である。
なお図4の処理ステップS2の記述は、R1・Irの項を有効電力Psvrと係数AP1の積として求め、またX1・Ii項を無効電力Qsvrと係数Aq1の積として求める計算式の例を記述しているが、これはいずれの手法を採用するものであっても同じ結果が導かれる。
同様にして処理ステップS3では、線路電圧降下補償回路LDC2は、データベースDB2に示すパラメータ(インピーダンスとしてR2とX2、電圧Vref2)を読み込み、(2)式を実行する。タップ制御装置310における(2)式の実行により、タップ動作判定基準値Vs2が計算される。
[数2]
Vs2=Vref2+R2・Ir+X2・Ii (2)
ここで、R2、X2、Vref2は、予め設定されたパラメータであり、IrとIiは、計測した通過電流Isvrと力率cosθから求めた通過電流の実部と、通過電流の虚部である。そして、R2は自動電圧調整器SVRの通過電流の実部Irに対する係数、X2は自動電圧調整器SVRの通過電流の虚部Iiに対する係数、Vref2は基準電圧である。
なお図4の処理ステップS3の記述は、R2・Irの項を有効電力Psvrと係数AP2の積として求め、またX2・Ii項を無効電力Qsvrと係数Aq2の積として求める計算式の例を記述しているが、これはいずれの手法を採用するものであっても同じ結果が導かれる。
処理ステップS4では、(1)式で求めた基準値Vs1に対して自動電圧調整器SVRの二次側電圧Vsvrが、正負の所定の制限値ε1を超えることの確認を行い、所定範囲内にあるとき(処理ステップS4のYES)には処理ステップS1に戻り上記処理を繰り返す。
自動電圧調整器SVRの二次側電圧Vsvrが、基準値Vs1に対して正負の所定の制限値ε1を超えるとき(処理ステップS4のNo)、処理ステップS5では処理ステップS4の条件を満たす時間をタップ制御装置内に設けられたタイマで積算し、処理ステップS6ではその値がTsvr1を超えた場合にタップ切換指令を発行し、タップ切換後に処理ステップS7でTsvr1をリセットする。
(1)式の結果に対する上記の処理は、(2)式の結果に対しても同様に実行される。この処理部分が、図4の処理ステップS8からS11に対応している。
具体的には、処理ステップS8では、(2)式で求めた基準値Vs2に対して自動電圧調整器SVRの二次側電圧Vsvrが、正負の所定の制限値ε2を超えることの確認を行い、所定範囲内にあるとき(処理ステップS8のYES)には処理ステップS1に戻り上記処理を繰り返す。
自動電圧調整器SVRの二次側電圧Vsvrが、基準値Vs2に対して正負の所定の制限値ε2を超えるとき(処理ステップS8のNo)、処理ステップS9では処理ステップS8の条件を満たす時間をタップ制御装置内に設けられたタイマで積算し、処理ステップS10ではその値がTsvr2を超えた場合にタップ切換指令を発行し、タップ切換後に処理ステップS11でTsvr2をリセットする。
上記の処理判断によれば、自動電圧調整器SVRの二次側電圧Vsvrが、この基準値Vs1より一定値ε1以上小さい状態で一定時間(例えば、Tsvr1秒)経過すると、自動電圧調整器SVRのタップ302を上げ方向に変更し、二次側電圧を上昇させる。逆に、自動電圧調整器SVRの二次側電圧Vsvrがこの基準値Vs1より一定値ε1以上大きい状態で一定時間経過すると、自動電圧調整器SVRのタップ302を下げ方向に変更し、二次側電圧を下降させるといった動作をする。
また同様に、自動電圧調整器SVRの二次側電圧Vsvrが、この基準値Vs2より一定値ε2以上小さい状態で一定時間(例えば、Tsvr2秒)経過すると、自動電圧調整器SVRのタップ302を上げ方向に変更し、二次側電圧を上昇させる。逆に、自動電圧調整器SVRの二次側電圧Vsvrがこの基準値Vs2より一定値ε2以上大きい状態で一定時間経過すると、自動電圧調整器SVRのタップ302を下げ方向に変更し、二次側電圧を下降させるといった動作をする。
図5に、配電設備設計支援システム400と各種計測手段200との関係を示す。自動電圧調整器SVRの通過電流の有効成分Irと、無効成分Iiは、自動電圧調整器SVR中の計測部320(図3参照)にて計測され、子局190から、専用線191を介して配電設備設計支援システム400に取得される。また、太陽光発電装置PVの端子電圧については、電圧計180からの電圧を子局190から専用線191を介して、配電設備設計支援システム400に取得される。日射量についても、配電系統近傍に設置された日射計185において、子局190から専用線191を介して配電設備設計支援システム400に取得される。日射計185が設置されていない場合であれば、気象庁からの日射量計測データから当該地域の日射量を得る。
図6に、設備設計支援システム400を計算機にて構成する場合の構成例を示す。設備設計支援システム400は、各種手段の結果得られる計算結果を表示する表示装置11、当システム利用者からの入力を受け付けるための入力手段12、各種手段を実行するためのCPU13、通信手段14、計算過程を保持するためのRAM15、配電系統を構成するデータ群(対象配電系統、日射計測値、太陽光発電装置PV配置・容量、負荷パタン、SVR配置)を格納するデータベースでDB3、LDCパラメータを格納するデータベースDB1、DB2から構成されている。
次に設備設計支援システム400における具体的な処理内容について、順番に説明する。
まず図7に、太陽光発電装置出力量算出手段440の処理フローを示す。太陽光発電装置出力量算出手段440は、440Aと440Bにより構成されている。
通常、太陽光発電装置PVのパワーコンディショナの機能として、太陽光発電装置PVの端子電圧が例えば低圧配電系統において109V以上となると、出力を落とすような動作をすることで太陽光発電装置PV端子電圧を109V以下に抑制する。
このため、太陽光発電装置出力量算出手段440Aの最初の処理では、処理ステップS701において、対象配電系統中の太陽光発電装置PVが出力抑制をしない条件下で潮流計算を行う必要があるために、太陽光発電装置出力抑制解除モードを設定する。太陽光発電装置出力抑制解除モードでは、太陽光発電装置PVは自己の定格容量に応じて日射量で定まる出力を、制限することなく出力する。このことにより、太陽光発電装置PVの端子電圧と相関のあるデータを見つけることを可能とする。
なお詳細を後述するが、もう一つの太陽光発電装置出力量算出手段440Bでは、太陽光発電装置出力抑制モードを設定する。このため、太陽光発電装置出力量算出手段440Bは、処理ステップS701を実行せず、その他の処理は全て太陽光発電装置出力量算出手段440Aと同じである。太陽光発電装置出力抑制モードでは、太陽光発電装置PVは太陽光発電装置PVのパワーコンディショナの機能に従い出力抑制する。例えば太陽光発電装置PVの端子電圧が低圧109V以上となると、出力を落とすような動作をすることで太陽光発電装置PV端子電圧を109V以下に制御する。
結論を先行する形にはなるが、2つの太陽光発電装置出力量算出手段440Aと440Bの差を求めることで、太陽光発電装置PVごとに出力抑制の時期と出力抑制量が求められることになる。
処理ステップS702では、データベースDB3から、対象配電系統、日射量、太陽光発電装置PVの配置・容量、負荷パタン、SVR配置データを読み込む。
処理ステップS703では、入手した対象系統中の太陽光発電装置PVの配置と容量と日射量から、太陽光発電装置PVの発電電力の時系列データである太陽光発電装置出力パタンを算出する。
以後の処理では、時間断面毎の潮流計算の処理に入るので、処理ステップS704において、まず時刻t=0で初期化する。
処理ステップS705では、初期化後の任意の時刻tと、予め設定した最大時刻Tmaxを比較し、もしも時刻t<最大時刻TmaxがYesである場合には、処理ステップS706の処理に移る。Noである場合には、太陽光発電装置出力量算出手段440としての処理を終了し、図8に示す太陽光発電装置出力抑制推定およびランキング手段460の処理を開始する。
処理ステップS706では、対象配電系統中のノード120に対応する負荷パタンと太陽光発電装置の出力パタンから、放射状系統であればBackwardForwardSweep法といった方式による潮流計算を実行し、ノード電圧を算出する。
処理ステップS707では、時刻tにおける対象配電系統中のすべてのノード番号とノード電圧を、(時刻t、ノード番号、ノード電圧)のフォーマットにして、潮流計算結果422へ出力する。
処理ステップS708ではその後、時刻tをt+Δt(ただしΔt:時刻刻み幅(秒))で更新し、処理ステップS705へ遷移する。
図7においてもう一つの太陽光発電装置出力量算出手段440Bにおいても、太陽光発電装置出力量算出手段440Aと同じ処理を実行し、最終的に太陽光発電装置出力量算出手段440Bと太陽光発電装置出力量算出手段440Aの出力差が求められる。
図7の下部に示すように、太陽光発電装置出力量算出手段440Aの処理結果は、横軸に朝6時から夕方6時までの時間をとり縦軸に各太陽光発電装置の出力量PV1、PV2、PV3・・・を示すように、時間経過とともに日射量に応じて、定格出力に従う最大出力を示す特性として表すことができる。
太陽光発電装置出力量算出手段440Bの処理結果も同様に、横軸に朝6時から夕方6時までの時間をとり縦軸に太陽光発電装置の出力量PV1´、PV2´、PV3´・・・をとって示すことができるが、出力抑制が機能しているために、時間経過とともに日射量に応じて適宜抑制された可変の出力として示される特性として表すことができる。
両者の差分としては、時間経過の関数として図7下左に例示するようなものが求められる。太陽光発電装置出力量の差分ΔPV1、ΔPV2、ΔPV3・・・は、別途データベースなどに、個別の太陽光発電装置毎に、算出条件(時刻t、ノード番号、ノード電圧などを含む)を明示し、時系列的な変化量として記録される。
図8に、太陽光発電装置出力抑制推定およびランキング手段460の処理を示す。最初の処理ステップS801では、対象配電系統の自動電圧調整器SVRを整定対象として選択する。
処理ステップS802では、選択した自動電圧調整器SVRが設置されているフィーダに連系している太陽光発電装置PVの中で、太陽光発電装置出力抑制上限を超えた太陽光発電装置PVのうち、太陽光発電装置PV出力抑制量(kWh)が大きい順に、太陽光発電装置PVを並べ替える。この処理の際に前記した太陽光発電装置出力量の差分ΔPV1、ΔPV2、ΔPV3・・・のデータが参照される。
次に処理ステップS803では、太陽光発電装置出力抑制量が大きい順に太陽光発電装置PViを選択する。この理由は、太陽光発電装置出力抑制量が大きい太陽光発電装置PVは売電機会を最も逸していると考えられるからである。更に処理ステップS804では、SVR2次側電圧の時系列データVsvrtを読込み、さらに処理ステップS805で太陽光発電装置端子電圧Vpvitの時系列データを読み込む。
処理ステップS806では、読み込んだVsvrt、Vpvitの時系列データから、同時刻におけるSVR2次側電圧と太陽光発電装置端子電圧の電位差ΔVi=Vpvi―Vsvriを算出する。
また処理ステップS807ではその後、電位差ΔVと太陽光発電装置端子電圧の相関係数rを算出する。相関係数は、(3)式をもちいて計算可能である。ここでXは、xi(i=1、2、…n)の平均、Yはyi(i=1、2、…n)の平均、sqrt()は、カッコ内の数値の平方根を意味する。
[式3]
n n n
r=Σ(xi−X)(yi−Y)/[sqrt(Σ(xi−X)^2))×sqrt((Σ
i=1 i=1 i=1

(yi−Y)^2))] (3)
処理ステップS808では、相関係数rとその制限値rLimitを比較し、もしも、相関係数r>相関係数制限値rLimitである場合には、電位差ΔVと太陽光発電装置端子電圧の間に相関が存在するとみなし、処理ステップS809において選択したデータ組合せパタンに相関有フラグを立てる。そして処理ステップS810において、次に太陽光発電装置出力抑制量が大きい太陽光発電装置PViを選択し、処理ステップS811へと遷移する。
処理ステップS811では、全ての太陽光発電装置PViでの相関関係の判断処理を終えたことを判断し、もしもすべての太陽光発電装置PViに対して相関係数を算出済みでなければ、処理ステップS804へ移動して、繰り返し処理を実行する。もしもすべての太陽光発電装置PViに対して相関係数を算出済みであれば、処理ステップS811の本処理は終了し、図9に示すSVR通過電流との重回帰分析手段480の処理を開始する。
この図8の一連の処理により、複数の太陽光発電装置PViは出力抑制量が大きい順に並び替えられ、かつ電位差ΔVと太陽光発電装置端子電圧の間に相関が存在することのフラグ付け(相関有りフラグ==1)がされている。従って、後段での利用に際し、出力抑制の原因である電圧上昇が太陽光発電装置PVにより引き起こされているという因果関係にある太陽光発電装置PVが、容易に抽出可能な状態とされている。
図9に、SVR通過電流との重回帰分析手段480の処理を示す。まず処理ステップS901において太陽光発電装置PViの組合せを検索し、処理ステップS902で相関有りフラグ==1である太陽光発電装置PViの組合せを抽出する。相関有りフラグ==1である太陽光発電装置PViの組合せを見つけたら、処理ステップS903で、そのときの電位差ΔVとSVR通過電流Ir、Iiとの間で重回帰分析計算を行い、ΔV=α×Ir+β×Ii+ΔV0となるαをSVRのLDC2の整定値R(Ω)とする。
さらに処理ステップS904では、このときの電位差ΔVとSVR通過電流Iiとの間で重回帰分析を行い、ΔV=α×Ir+β×Ii+ΔV0となるβを自動電圧調整器SVRのLDC2の整定値X(Ω)とする。処理ステップS905では、もしもすべてのデータ組合せパタンを検索済みでなければ、処理ステップS901へ戻る。もしもすべてのデータ組合せパタンを検索済みであれば、本処理を終了とし、季節・時間帯に紐づけられたSVR整定値R2、X2を決定する。
図9の処理は、要するに自動電圧調整器SVRのLDC2の整定値R、Xで定める仮想点を定めるに当たり、出力抑制を生じる太陽光発電装置PVを考慮してその位置を定めたものである。自動電圧調整器SVRの傘下に例えば100台の太陽光発電装置PVが存在し、このうち50台が頻繁にあるいは大規模な出力抑制を生じる太陽光発電装置PVであるといった場合に、100台すべてを考慮した仮想点設定を行っていたものが従来であるに対し、本発明では出力抑制を生じる50台の太陽光発電装置PVを主体として仮想点設定を行うものである。
このため、出力抑制を生じる太陽光発電装置PVを主体とする仮想点設定の実現手法にはいくつかのものが想定し得、本発明はそのいずれであってもよい。これらの変形手法は、例えば出力抑制程度の高い太陽光発電装置PVに限定して定めるとか、出力抑制から救うことのできる太陽光発電装置PVの台数を極力大きくするように繰り返し計算により定めるとか、出力抑制を生じる太陽光発電装置PVの重み係数を上げて仮想点を定めるとか言ったことが考えられる。
図10に、図9で得られたαおよびβの幾何学的イメージを示す。図10はSVR通過電流の有効成分Ir、無効成分Ii、並びにSVR2次側電圧と太陽光発電装置端子電圧の電位差ΔVで定まる3次元平面を表記したものである。ここでは、電位差ΔVがΔV0である時に、有効成分Irが増加したときの電圧変動分ΔΔVと、無効成分Iiが増加したときの電圧変動分ΔΔV‘が表す領域を表示している。
図10のこの関係から、αおよびβは(4)(5)式で表現することができる。この係数αおよびβは季節・時間帯に紐づけられたSVR整定値R2、X2を決定したことに他ならない。
[式4]
α=ΔΔV/ΔIr (4)
[式5]
β=ΔΔV‘/ΔIi (5)
図1の実施例では、自動電圧調整器SVRと配電設備設計支援システム400を別個に配置して信号伝送を行う事例を示したが、図11は自動電圧調整器SVR内にSVR整定値決定手段400Aを備えた実施例を示している。SVR整定値決定手段400Aは、データベースDB3A、太陽光発電装置PVi出力算出手段440A、太陽光発電装置出力抑制推定およびランキング手段460A、SVR通過電流と重回帰分析手段480Aを有する。計測手段200によりSVR通過電流IrとIi、自動電圧調整器SVRと太陽光発電装置PVi出力地点間の電位差ΔVi、日射量を取得し、太陽光発電装置PVi出力量算出手段440A、太陽光発電装置出力抑制推定およびランキング手段460Aにより、太陽光発電装置出力抑制に相関関係を持つデータを選び出したうえで、SVR通過電流との重回帰分析を行う480Aの手段によりSVR整定値350を、タップ制御310へ設定することを示している。
図1、図11で説明した処理の概念を図12a、図12bにより説明する。まず図12aは、変電所110から自動電圧調整器SVRを介して例えば樹枝状に延伸配置された配電系統の面的なエリア構成例を示している。係る配電系統において、「○」の位置に太陽光発電装置PVが配置されている。ここでは既存の装置である線路電圧降下補償回路LDC1の動作整定値R1、X1が定める自動電圧調整器SVR二次側の仮想点の位置がG1であるとする。なお仮想点とは、配電系統の面的なエリア構成におけるインピーダンス分布の重心位置に対応している。従って、この点を電圧制御すれば配電系統全体を適正に電圧制御することが可能である。
これに対し図12bは、図1、図11の太陽光発電装置出力抑制推定及びランキング手段460において求めた、太陽光発電装置PVにおける出力抑制に相関関係を有する太陽光発電装置PVのみを「●」で示したものである。SVR通過電流との重回帰分析手段480では、抽出した出力抑制に相関関係を有する太陽光発電装置PVの配置情報を考慮して、特に出力抑制が大きく、SVR2次側電圧と太陽光発電装置PVi端子電圧との電位差ΔViとの相関が大きい太陽光発電装置PViについて、当該配電系統の面的なエリア構成におけるインピーダンス分布の重心位置G2を求めたものである。本発明の線路電圧降下補償回路LDC2の動作整定値R2、X2は、重心位置G2を示している。本発明によれば、出力抑制の対象となる太陽光発電装置により近い位置が仮想点として設定されることにより、近傍の電圧が制限値を逸脱しないように自動電圧調整器SVRにおけるタップ制御が配電系統の電圧を調整するので、出力抑制の機会が多かった太陽光発電装置は抑制せずとも好い環境下におかれることになる。
従来の場合には、一度定めた重心位置G1を制御するのみで太陽光発電装置PVの出力状況が考慮されていないが、本発明では、出力抑制が大きい順に相関関係を有する太陽光発電装置PVのみを抽出し、その都度重心位置G2として反映させているので、出力抑制による売電機会の損失を受けている特定の太陽光発電装置PVの不公平を回避することが可能である。
この結果、太陽光発電装置PVの出力が過度に上昇する場合であっても、事前に上流側の自動電圧調整器SVRにおけるタップ制御が配電系統の電圧を調整するので、太陽光発電装置PVの出力抑制に至る機会を削減することが可能である。
本発明による以上のような制御により、太陽光発電などが分岐系統等に大量に導入された系統でも、太陽光発電の出力抑制量を低減できる効果がある。また、電圧調整装置が太陽光発電の出力抑制発生時にのみ系統の電圧を調整することで、常時の電圧調整装置の電圧調整能力を向上させることが可能となり、配電系統に連系可能な負荷や太陽光発電量の増加に対する対策設備コストを削減することができる効果がある。
配電系統の電圧を調整する電圧調整装置として活用することができる。また、電圧調整装置である自動電圧調整器SVRや配電用変電所LRTの制御システムとして活用することがきる。また、配電系統において、太陽光発電などの分散電源の増設に対応した、電圧維持対策、配電設備利用率向上対策として活用することが可能となる。
100:配電系統
110:配電用変電所
120:ノード
PV:太陽光発電装置
140:配電線路
150:負荷
170:センサ
300:自動電圧調整装置
302:タップチェンジャ
303:単巻変圧器
305:変圧器
310:タップ制御装置
CT:電流センサ
PT:電圧センサ
320:制御装置の計測部
LDC1、LDC2:線路電圧降下補償回路
340:タップ制御装置
DB1、DB2、DB3:データベース

Claims (10)

  1. 出力抑制機能を備えた複数の太陽光発電装置を備えた配電系統に設置され、配電系統の仮想点における電圧を設定電圧とすべくタップを調整するタップ付変圧器を備えた配電系統の電圧調整装置であって、
    太陽光発電装置の出力量を算出する太陽光発電装置出力量算出手段と、前記出力抑制機能による太陽光発電装置の出力抑制量を求め、出力抑制量ごとに太陽光発電装置をランク付けする太陽光発電装置の出力抑制量推定およびランキング手段と、前記タップ付変圧器の通過電流の重回帰分析により、前記ランク付けされた太陽光発電装置を含む配電系統の重心位置を仮想点として定め、前記タップ付変圧器から前記仮想点までの距離を表す整定値を決定する分析手段と、前記整定値を用いて、前記仮想点における電圧を推定する線路電圧降下補償回路と、前記仮想点における電圧を設定電圧に制御するタップ制御装置を備えていることを特徴とする配電系統の電圧調整装置。
  2. 請求項1記載の配電系統の電圧調整装置であって、
    電圧調整装置は、前記タップ付変圧器の通過電流と、前記タップ付変圧器と前記太陽光発電装置の設置点間の電位差と、日射量についての計測手段から情報を得、該計測手段からの情報と、対象とする配電系統の構成の情報と、太陽光発電装置の配置・容量の情報と、負荷パタンの情報と、前記タップ付変圧器の配置データの情報を含む蓄積手段を備えていることを特徴とする配電系統の電圧調整装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の配電系統の電圧調整装置であって、
    前記タップ付変圧器から前記仮想点までの距離を表す整定値は、この間のインピーダンスまたはインピーダンスに関連する係数であることを特徴とする配電系統の電圧調整装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の配電系統の電圧調整装置であって、
    前記線路電圧降下補償回路を少なくとも2組備え、第1の線路電圧降下補償回路は、前記配電系統における第1の仮想点における電圧を設定電圧とすべく前記タップ制御装置のタップを調整せしめ、第2の線路電圧降下補償回路は、前記分析手段が求めた前記整定値を用いて前記配電系統における第2の仮想点における電圧を設定電圧とすべく前記タップ制御装置のタップを調整せしめることを特徴とする配電系統の電圧調整装置。
  5. 配電系統の仮想点における電圧を設定電圧とすべくタップを調整するタップ付変圧器と、出力抑制機能を備えた複数の太陽光発電装置を備えた配電系統の電圧調整システムであって、
    複数の太陽光発電装置について、その出力量を算出する太陽光発電装置出力量算出手段と、太陽光発電装置毎に求めた出力量に基づき出力抑制量を推定し、出力抑制量に応じて並べ替えを行うランキング手段と、前記タップ付変圧器の通過電流の重回帰分析により、前記並べ替えされた太陽光発電装置を含む配電系統の重心位置を仮想点として定め、前記タップ付変圧器から前記仮想点までの距離を表す整定値を決定する分析手段とを備えた配電設備設計支援システムと、
    該配電設備設計支援装置が定めた前記整定値を用いて、前記仮想点における電圧を推定する線路電圧降下補償回路と、前記仮想点における電圧を設定電圧に制御するタップ制御装置を備えた自動電圧調整装置と、
    を含む配電系統の電圧調整システム。
  6. 請求項5記載の配電系統の電圧調整システムであって、
    前記配電設備設計支援システムは、前記タップ付変圧器の通過電流と、前記タップ付変圧器と前記太陽光発電装置の設置点間の電位差と、日射量についての計測手段から情報を得、該計測手段からの情報と、対象とする配電系統の構成の情報と、太陽光発電装置の配置・容量の情報と、負荷パタンの情報と、前記タップ付変圧器の配置データの情報を含む蓄積手段を備えていることを特徴とする配電系統の電圧調整システム。
  7. 出力抑制機能を備えた複数の太陽光発電装置を備えた配電系統に設置され、配電系統の仮想点における電圧を設定電圧とすべくタップを調整するタップ付変圧器を備えた配電系統の電圧調整方法であって、
    複数の太陽光発電装置について、その出力量を推定し、太陽光発電装置毎に求めた出力抑制量の大きい順に太陽光発電装置を抽出し、抽出された太陽光発電装置を含む配電系統について、その太陽光発電装置の出力重心位置を仮想点として定め、前記仮想点における電圧を設定電圧に制御することを特徴とする配電系統の電圧調整方法。
  8. 出力抑制機能を備えた複数の太陽光発電装置を備えた配電系統に設置され、配電系統の仮想点における電圧を設定電圧とすべくタップを調整するタップ付変圧器を備えた配電系統の電圧調整方法であって、
    複数の太陽光発電装置について前記出力抑制機能による出力量抑制量を推定し、出力抑制を行う太陽光発電装置について、その太陽光発電装置の出力重心位置を仮想点として定め、前記仮想点における電圧を設定電圧に制御することを特徴とする配電系統の電圧調整方法。
  9. 出力抑制機能を備えた複数の太陽光発電装置を備えた配電系統に設置され、配電系統の仮想点における電圧を設定電圧とすべくタップを調整するタップ付変圧器を備えた配電系統に適用され、前記仮想点における電圧を推定するための整定値を与える配電系統の配電設備設計支援システムであって、
    太陽光発電装置の出力量を算出する太陽光発電装置出力量算出手段と、前記出力抑制機能による太陽光発電装置の出力抑制量を求め、出力抑制量ごとに太陽光発電装置をランク付けする太陽光発電装置の出力抑制量推定およびランキング手段と、前記タップ付変圧器の通過電流の重回帰分析により、前記ランク付けされた太陽光発電装置を含む配電系統の重心位置を仮想点として定め、前記タップ付変圧器から前記仮想点までの距離を表す整定値を決定する分析手段、前記分析手段により求めた整定値を前記タップ付変圧器に与える出力手段を備えることを特徴とする配電系統の配電設備設計支援システム。
  10. 請求項9記載の配電系統の配電設備設計支援システムであって、
    前記タップ付変圧器の通過電流と、前記タップ付変圧器と前記太陽光発電装置の設置点間の電位差と、日射量についての計測手段から情報を得、該計測手段からの情報と、対象とする配電系統の構成の情報と、太陽光発電装置の配置・容量の情報と、負荷パタンの情報と、前記タップ付変圧器の配置データの情報を含む蓄積手段を備えていることを特徴とする配電系統の配電設備設計支援システム。
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