JP7002262B2 - 露光装置、基板処理装置、露光方法および基板処理方法 - Google Patents

露光装置、基板処理装置、露光方法および基板処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、基板に露光処理を行う露光装置、基板処理装置、露光方法および基板処理方法に関する。
近年、基板に形成されるパターンを微細化するために、ブロック共重合体の誘導自己組織化(DSA:Directed Self Assembly)を利用したフォトリソグラフィ技術の開発が進められている。このようなフォトリソグラフィ技術においては、ブロック重合体が塗布された基板に加熱処理が施された後、基板の一面が露光されることによりブロック重合体が改質される。この処理においては、基板の露光量を正確に調整することが求められる。
特許文献1には、基板上の誘導自己組織化材料を含む膜(DSA膜)に露光処理を行う露光装置が記載されている。露光装置は、断面帯状の真空紫外線を出射可能な光出射部を有し、基板が光出射部からの真空紫外線の経路を横切るように光出射部の前方位置から後方位置に移動可能に構成される。露光処理前に、真空紫外線の照度が照度センサにより予め検出され、所望の露光量の真空紫外線が照射されるように、検出された照度に基づいて基板の移動速度が算出される。露光処理時に、基板が算出された移動速度で移動することにより、所望の露光量の真空紫外線が基板上のDSA膜に照射される。
特開2016-183990号公報
露光処理時に、基板に照射される真空紫外線の経路に酸素が存在すると、真空紫外線を受ける酸素分子が酸素原子に分離するとともに分離した酸素原子が他の酸素分子と再結合することによりオゾンが発生する。この場合、基板に到達する真空紫外線が減衰する。そこで、特許文献1においては、露光処理中の酸素濃度が1%以下まで低くなるように露光装置のケーシング内の気体が排出される。
ここで、光出射部とケーシングとの間には、真空紫外線を透過する窓部材が配置される。ケーシング内の気体の排出の手順によっては、窓部材に大きい応力が発生することがあるため、窓部材の厚みは大きくされることが好ましい。しかしながら、窓部材の厚みが大きいと、透過率が低下し、基板の露光処理の効率が低下する。
本発明の目的は、基板の露光処理の効率を向上させることが可能な露光装置、基板処理装置、露光方法および基板処理方法を提供することである。
(1)第1の発明に係る露光装置は、基板を収容する処理室と、透光性の窓部材を有し、窓部材を通して処理室内の基板に真空紫外線を出射するための投光部と、処理室内の気体を排出するための第1の排気部と、処理室内に不活性ガスを供給するための第1の給気部と、投光部内の圧力が処理室内の圧力に一致するかまたは近づくように投光部内の圧力を制御する圧力制御部と、処理室内の気体中の酸素濃度が予め定められた濃度まで低下した状態で、処理室内の基板に真空紫外線を照射することにより基板を露光するように投光部を制御する投光制御部とを備え、圧力制御部は、処理室の内部空間と投光部の内部空間とを連結する連結部と、投光部内に不活性ガスを供給する第2の給気部とを含む
この露光装置においては、第1の排気部により基板が収容された処理室内の気体が排出される。また、第1の給気部により処理室内に不活性ガスが供給される。この場合、処理室内の気体が不活性ガスに置換され、酸素濃度が低下する。ここで、透光性の窓部材を有する投光部内の圧力が、処理室内の圧力に一致されるかまたは近づけられる。処理室内の気体中の酸素濃度が予め定められた濃度まで低下した場合、投光部により窓部材を通して処理室内の基板に真空紫外線が照射される。これにより、オゾンがほとんど発生することなく基板が露光される。
この構成によれば、処理室内の気体の排出および処理室内への不活性ガスへの供給により処理室内の圧力が変化する場合でも、投光部内の圧力が処理室内の圧力に一致されるかまたは近づけられるので、処理室内と投光部内との圧力差がほとんど発生しない。そのため、窓部材に応力が発生することが防止される。この場合、窓部材の厚みを大きくする必要がないので、窓部材の透過率が向上する。これにより、基板の露光処理の効率を向上させることができる。
また、圧力制御部は、処理室の内部空間と投光部の内部空間とを連結する連結部と、投光部内に不活性ガスを供給する第2の給気部とを含む。この場合、より簡単な制御で投光部内の圧力を処理室内の圧力に一致させるかまたは近づけることができる。
(2)露光装置は、第1の排気部により処理室内の気体の排出が開始されてから予め定められた第1の時間が経過した後に、処理室内への不活性ガスの供給が開始されるように第1の給気部を制御する第1の給気制御部をさらに備えてもよい。
この場合、不活性ガスの供給前に、処理室内の酸素が他の気体とともに処理室外に排出される。これにより、処理室内の圧力が低下するとともに酸素の量が低下する。この場合でも、投光部内の圧力が処理室内の圧力に一致されるかまたは近づけられる。これにより、窓部材に応力が発生することが防止される。
また、その後、処理室内に不活性ガスが供給され、処理室内に残留するわずかな量の酸素が不活性ガスとともに処理室外に排出される。そのため、処理室内への基板の搬入後に、短時間で処理室内の気体中の酸素濃度が低下する。したがって、基板の搬入から短時間で基板の露光を開始することができる。その結果、基板の露光処理の効率を向上させることができる。
)露光装置は、第1の給気部により処理室内への不活性ガスの供給が開始されてから予め定められた第2の時間が経過した後に、処理室内の気体の排出が停止されるように第1の排気部を制御する第1の排気制御部をさらに備えてもよい。この場合、処理室内の気体の排出が停止された状態で処理室内に不活性ガスがさらに供給される。これにより、処理室内の気体中の酸素濃度をより低下させ、オゾンの発生をより効率よく防止することができる。
)処理室は開口を有し、露光装置は、処理室内への基板の搬入および処理室外への基板の搬出の際に開口を開放し、処理室内への基板の搬入後に開口を閉塞する閉塞部をさらに備え、圧力制御部は、連結部に介挿されるバルブと、開口の開放時にバルブが閉止し、開口の閉塞時にバルブが開放するようにバルブを制御する連結制御部とを含んでもよい。この構成によれば、処理室の開口が開放された場合に、処理室外の酸素が処理室を通して投光部内に流入することを容易に防止することができる。
第2の発明に係る露光装置は、基板を収容する処理室と、処理室内において、基板が載置される載置部と、透光性の窓部材を有し、窓部材を通して処理室内の基板に真空紫外線を出射するための投光部と、処理室内の気体を排出するための第1の排気部と、処理室内に不活性ガスを供給するための第1の給気部と、投光部内の圧力が処理室内の圧力に一致するかまたは近づくように投光部内の圧力を制御する圧力制御部と、処理室内の気体中の酸素濃度が予め定められた濃度まで低下した状態で、処理室内の基板に真空紫外線を照射することにより基板を露光するように投光部を制御する投光制御部と、処理室内への基板の搬入および処理室外への基板の搬出の際に載置部が処理室内の第1の位置にあり、投光部による基板への真空紫外線の照射の際に載置部が第1の位置よりも投光部に近い第2の位置にあり、第1の排気部により処理室内の気体が排出される際に載置部が第3の位置にあるように、載置部を第1の位置と第2の位置と第3の位置と昇降させる駆動部とをさらに備え、投光部は、載置部の上方に配置され、真空紫外線を下方に出射し、第2の位置は投光部の下方にあり、第1の位置は第2の位置の下方にあり、第3の位置は第1の位置よりも上方でかつ第2の位置よりも下方にある
この露光方法によれば、第1の排気部により基板が収容された処理室内の気体が排出される。また、第1の給気部により処理室内に不活性ガスが供給される。この場合、処理室内の気体が不活性ガスに置換され、酸素濃度が低下する。ここで、透光性の窓部材を有する投光部内の圧力が、処理室内の圧力に一致されるかまたは近づけられる。処理室内の気体中の酸素濃度が予め定められた濃度まで低下した場合、投光部により窓部材を通して処理室内の基板に真空紫外線が照射される。これにより、オゾンがほとんど発生することなく基板が露光される。
この方法によれば、処理室内の気体の排出および処理室内への不活性ガスへの供給により処理室内の圧力が変化する場合でも、投光部内の圧力が処理室内の圧力に一致されるかまたは近づけられるので、処理室内と投光部内との圧力差がほとんど発生しない。そのため、窓部材に応力が発生することが防止される。この場合、窓部材の厚みを大きくする必要がないので、窓部材の透過率が向上する。これにより、基板の露光処理の効率を向上させることができる。
また、載置部が第1の位置に移動することにより、基板を投光部に干渉させることなく処理室内と外部との間で容易に受け渡すことができる。また、投光部から基板への真空紫外線の照射の際には、載置部が第2の位置に移動することにより、投光部と基板とが近接した状態で基板を効率よく露光することができる。
また、投光部は、載置部の上方に配置され、真空紫外線を下方に出射し、第2の位置は投光部の下方にあり、第1の位置は第2の位置の下方にあり、駆動部は、載置部を第1の位置と第2の位置との間で昇降させ。この場合、処理室内と外部との間で効率よく基板を受け渡すことができる。
さらに、駆動部は、第1の排気部により処理室内の気体が排出される際に、載置部が第1の位置よりも上方でかつ第2の位置よりも下方の第3の位置にあるように載置部を移動させる。この場合、第3の位置における載置部の上方および下方の空間は比較的大きいため、酸素が停滞しにくい。そのため、酸素を効率よく排出することができる。
(6)露光装置は、第1の排気部により処理室内の気体の排出が開始されてから予め定められた第1の時間が経過した後に、処理室内への不活性ガスの供給が開始されるように第1の給気部を制御する第1の給気制御部をさらに備えてもよい。
この場合、不活性ガスの供給前に、処理室内の酸素が他の気体とともに処理室外に排出される。これにより、処理室内の圧力が低下するとともに酸素の量が低下する。この場合でも、投光部内の圧力が処理室内の圧力に一致されるかまたは近づけられる。これにより、窓部材に応力が発生することが防止される。
また、その後、処理室内に不活性ガスが供給され、処理室内に残留するわずかな量の酸素が不活性ガスとともに処理室外に排出される。そのため、処理室内への基板の搬入後に、短時間で処理室内の気体中の酸素濃度が低下する。したがって、基板の搬入から短時間で基板の露光を開始することができる。その結果、基板の露光処理の効率を向上させることができる。
(7)圧力制御部は、投光部内の気体を排出するための第2の排気部と、投光部内に不活性ガスを供給するための第2の給気部と、第2の排気部により投光部内の気体の排出が開始されてから第1の時間が経過した後に、投光部内への不活性ガスの供給が開始されるように第2の給気部を制御する第2の給気制御部とを含んでもよい。この場合、簡単な制御で投光部内の圧力を処理室内の圧力に一致させるかまたは近づけることができる。
(8)露光装置は、第1の給気部により処理室内への不活性ガスの供給が開始されてから予め定められた第2の時間が経過した後に、処理室内の気体の排出が停止されるように第1の排気部を制御する第1の排気制御部をさらに備え、圧力制御部は、第2の給気部により投光部内への不活性ガスの供給が開始されてから第2の時間が経過した後に、投光部内の気体の排出が停止されるように第2の排気部を制御する第2の排気制御部をさらに含んでもよい。
この場合、処理室内の気体の排出が停止された状態で処理室内に不活性ガスがさらに供給される。これにより、処理室内の気体中の酸素濃度をより低下させ、オゾンの発生をより効率よく防止することができる。また、簡単な制御で投光部内の圧力を処理室内の圧力に一致させるかまたは近づけることができる。
)露光装置は、処理室内において、上下方向に延びる複数の支持部材をさらに備え、複数の支持部材の上端は第1の位置よりも高くかつ第2の位置よりも低く、載置部は、複数の支持部材が通過可能な複数の貫通孔を有し、複数の支持部材は、載置部が第1の位置にあるときに載置部の複数の貫通孔を貫通してもよい。
この場合、複数の支持部材は、処理室内に搬入された基板を第1の位置よりも高くかつ第2の位置よりも低い上端において支持可能である。そのため、載置部が第1の位置から上昇することにより、基板を載置部に容易に載置することができる。また、載置部が第2の位置から下降することにより、基板を複数の支持部材の上端に支持させることができる。これにより、基板を複数の支持部材の上端から処理室外に容易に搬出することができる。
10)第の発明に係る基板処理装置は、基板に処理液を塗布することにより基板に膜を形成する塗布処理部と、塗布処理部により膜が形成された基板を熱処理する熱処理部と、熱処理部により熱処理された基板を露光する第1または第2の発明に係る露光装置と、露光装置により露光された基板に溶剤を供給することにより基板の膜を現像する現像処理部とを備える。
この基板処理装置においては、塗布処理部により基板に処理液が塗布されることにより基板に膜が形成される。塗布処理部により膜が形成された基板が熱処理部により熱処理される。熱処理部により熱処理された基板が上記の露光装置により露光される。露光装置により露光された基板に現像処理部により溶剤が供給されることにより基板の膜が現像される。
露光装置においては、投光部内の圧力が処理室内の圧力に一致されるかまたは近づけられるので、処理室内と投光部内との圧力差がほとんど発生しない。そのため、窓部材に応力が発生することが防止される。この場合、窓部材の厚みを大きくする必要がないので、窓部材の透過率が向上する。これにより、基板の露光処理の効率を向上させることができる。
11)処理液は、誘導自己組織化材料を含んでもよい。この場合、誘導自己組織化材料を含む処理液が塗布された基板が熱処理されることにより、基板の一面上でミクロ相分離が生じる。また、ミクロ相分離により2種類の重合体のパターンが形成された基板が露光および現像される。これにより、2種類の重合体のうちの一方が除去され、微細化されたパターンを形成することができる。
12)第の発明に係る露光方法は、第1の排気部により基板が収容された処理室内の気体を排出するステップと、第1の給気部により処理室内に不活性ガスを供給するステップと、透光性の窓部材を有する投光部内の圧力を処理室内の圧力に一致させるかまたは近づけるステップと、処理室内の気体中の酸素濃度が予め定められた濃度まで低下した状態で、投光部により窓部材を通して処理室内の基板に真空紫外線を照射することにより基板を露光するステップとを含み、処理室の内部空間と投光部の内部空間とは、連結部により連結され、投光部内の圧力を処理室内の圧力に一致させるかまたは近づけるステップは、第2の給気部により投光部内に不活性ガスを供給することを含む。
この露光方法によれば、投光部内の圧力が処理室内の圧力に一致されるかまたは近づけられるので、処理室内と投光部内との圧力差がほとんど発生しない。そのため、窓部材に応力が発生することが防止される。この場合、窓部材の厚みを大きくする必要がないので、窓部材の透過率が向上する。これにより、基板の露光処理の効率を向上させることができる。
また、処理室の内部空間と投光部の内部空間とは、連結部により連結され、第2の給気部により投光部内に不活性ガスが供給される。この場合、より簡単な制御で投光部内の圧力を処理室内の圧力に一致させるかまたは近づけることができる。
(13)第5の発明に係る露光装置は、第1の排気部により基板が収容された処理室内の気体を排出するステップと、第1の給気部により処理室内に不活性ガスを供給するステップと、透光性の窓部材を有する投光部内の圧力を処理室内の圧力に一致させるかまたは近づけるステップと、処理室内の気体中の酸素濃度が予め定められた濃度まで低下した状態で、投光部により窓部材を通して処理室内の基板に真空紫外線を照射することにより基板を露光するステップと、処理室内への基板の搬入および処理室外への基板の搬出の際に、基板が載置される載置部が処理室内の第1の位置にあり、投光部による基板への真空紫外線の照射の際に、載置部が第1の位置よりも投光部に近い第2の位置にあり、第1の排気部により処理室内の気体が排出される際に、載置部が第3の位置にあるように載置部を昇降させるステップとを含み、投光部は、載置部の上方に配置され、真空紫外線を下方に出射し、第2の位置は投光部の下方にあり、第1の位置は第2の位置の下方にあり、第3の位置は第1の位置よりも上方でかつ第2の位置よりも下方にある。
この露光方法によれば、第1の排気部により基板が収容された処理室内の気体が排出される。また、第1の給気部により処理室内に不活性ガスが供給される。この場合、処理室内の気体が不活性ガスに置換され、酸素濃度が低下する。ここで、透光性の窓部材を有する投光部内の圧力が、処理室内の圧力に一致されるかまたは近づけられる。処理室内の気体中の酸素濃度が予め定められた濃度まで低下した場合、投光部により窓部材を通して処理室内の基板に真空紫外線が照射される。これにより、オゾンがほとんど発生することなく基板が露光される。
この方法によれば、処理室内の気体の排出および処理室内への不活性ガスへの供給により処理室内の圧力が変化する場合でも、投光部内の圧力が処理室内の圧力に一致されるかまたは近づけられるので、処理室内と投光部内との圧力差がほとんど発生しない。そのため、窓部材に応力が発生することが防止される。この場合、窓部材の厚みを大きくする必要がないので、窓部材の透過率が向上する。これにより、基板の露光処理の効率を向上させることができる。
また、載置部が第1の位置に移動することにより、基板を投光部に干渉させることなく処理室内と外部との間で容易に受け渡すことができる。また、投光部から基板への真空紫外線の照射の際には、載置部が第2の位置に移動することにより、投光部と基板とが近接した状態で基板を効率よく露光することができる。
また、投光部は、載置部の上方に配置され、真空紫外線を下方に出射し、第2の位置は投光部の下方にあり、第1の位置は第2の位置の下方にあり、駆動部は、載置部を第1の位置と第2の位置との間で昇降させる。この場合、処理室内と外部との間で効率よく基板を受け渡すことができる。
さらに、駆動部は、第1の排気部により処理室内の気体が排出される際に、載置部が第1の位置よりも上方でかつ第2の位置よりも下方の第3の位置にあるように載置部を移動させる。この場合、第3の位置における載置部の上方および下方の空間は比較的大きいため、酸素が停滞しにくい。そのため、酸素を効率よく排出することができる。
14)第の発明に係る基板処理方法は、塗布処理部により基板の被処理面に処理液を塗布することにより基板に膜を形成するステップと、塗布処理部により膜が形成された基板を熱処理部により熱処理するステップと、熱処理部により熱処理された基板を露光装置により露光する第4または第5の発明に係る露光方法と、露光装置により露光された基板の被処理面に現像処理部により溶剤を供給することにより基板の膜を現像するステップとを含む。
この基板処理方法によれば、膜の形成後でかつ現像前の基板が真空紫外線により露光される。露光方法においては、投光部内の圧力が処理室内の圧力に一致されるかまたは近づけられるので、処理室内と投光部内との圧力差がほとんど発生しない。そのため、窓部材に応力が発生することが防止される。この場合、窓部材の厚みを大きくする必要がないので、窓部材の透過率が向上する。これにより、基板の露光処理の効率を向上させることができる。
本発明によれば、基板の露光処理の効率を向上させることができる。
本発明の第1の実施の形態に係る露光装置の構成を示す模式的断面図である。 処理室内の圧力および酸素濃度の変化を示す概略図である。 図1の制御部の構成を示す機能ブロック図である。 図3の制御部による露光装置の各部の制御を説明するための図である。 図3の制御部による露光装置の各部の制御を説明するための図である。 図3の制御部による露光装置の各部の制御を説明するための図である。 図3の制御部による露光装置の各部の制御を説明するための図である。 図3の制御部による露光装置の各部の制御を説明するための図である。 図3の制御部による露光装置の各部の制御を説明するための図である。 図3の制御部による制御のタイミングを示す図である。 図3の制御部により行われる露光処理を示すフローチャートである。 図1の露光装置を備えた基板処理装置の全体構成を示す模式的ブロック図である。 図12の基板処理装置による基板の処理の一例を示す模式図である。 本発明の第2の実施の形態に係る露光装置の構成を示す模式的断面図である。 図14の制御部の構成を示す機能ブロック図である。 図15の制御部による露光装置の各部の制御を説明するための図である。 図15の制御部による露光装置の各部の制御を説明するための図である。 図15の制御部による露光装置の各部の制御を説明するための図である。 図15の制御部による露光装置の各部の制御を説明するための図である。 図15の制御部による露光装置の各部の制御を説明するための図である。 図15の制御部による露光装置の各部の制御を説明するための図である。 図15の制御部による制御のタイミングを示す図である。 図15の制御部により行われる露光処理を示すフローチャートである。
[1]第1の実施の形態
(1)露光装置の構成
以下、本発明の実施の形態に係る露光装置、基板処理装置、露光方法および基板処理方法について図面を用いて説明する。以下の説明において、基板とは、半導体基板、液晶表示装置もしくは有機EL(Electro Luminescence)表示装置等のFPD(Flat Panel Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板または太陽電池用基板等をいう。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る露光装置の構成を示す模式的断面図である。図1に示すように、露光装置100は、制御部110、処理室120、閉塞部130、昇降部140、投光部150、排気部160,170および給気部180,190を含む。制御部110は、後述する圧力計s1、酸素濃度計s2、オゾン濃度計s3および照度計s4から計測値を取得するとともに、閉塞部130、昇降部140、投光部150、排気部160,170および給気部180,190の動作を制御する。制御部110の機能については後述する。
処理室120は、上部開口121および内部空間V1を有する。後述する投光部150のハウジング151が処理室120の上部に配置されることにより、処理室120の上部開口121が閉塞される。処理室120の側面には、処理室120の内部と外部との間で処理対象の基板Wを搬送するための搬送開口122が形成される。なお、本実施の形態においては、処理対象の基板Wには、誘導自己組織化材料を含む膜(以下、DSA(Directed Self Assembly)膜と呼ぶ。)が形成されている。
また、処理室120の底面には、後述する昇降部140の連結部材142が通過する開口部123が形成される。複数(本例では3個)の支持ピン124が、開口部123を取り囲むように処理室120の底面から上方に延びるように設けられる。複数の支持ピン124の上端部に、処理対象の基板Wを載置することができる。
閉塞部130は、シャッタ131、棒形状の連結部材132および駆動装置133を含む。連結部材132は、シャッタ131と駆動装置133とを連結する。駆動装置133は、例えばステッピングモータである。駆動装置133は、シャッタ131が搬送開口122を開放する開放位置と、シャッタ131が搬送開口122を閉塞する閉塞位置との間でシャッタ131を移動させる。
なお、シャッタ131には、シール部材が取り付けられる。シャッタ131が閉塞位置にある状態においては、シール部材が処理室120における搬送開口122を取り囲む部分に密着することにより処理室120の内部が密閉される。ここで、シャッタ131のシール部材と処理室120との摩擦を防止するため、駆動装置133は、シャッタ131を開放位置と閉塞位置との間で移動させる際には、シャッタ131を処理室120から離間させた状態で上下方向に移動させる。
昇降部140は、平板形状の載置板141、棒形状の連結部材142および駆動装置143を含む。載置板141は、処理室120内において水平姿勢で配置される。載置板141には、複数の支持ピン124にそれぞれ対応する複数の貫通孔h1が形成される。
連結部材142は処理室120の開口部123を通して上下に延びるように配置され、駆動装置143は処理室120の下方に配置される。連結部材142は、載置板141と駆動装置143とを連結する。なお、連結部材142の外周面と開口部123の内周面との間には、連結部材142が上下方向に摺動可能にシール部材が配置される。
駆動装置143は、例えばステッピングモータであり、載置板141を処理位置、待機位置および排気位置の間で移動させる。ここで、処理位置は、複数の支持ピン124の上端部よりも上方の位置である。待機位置は、複数の支持ピン124の上端部よりも下方の位置である。排気位置は、処理位置よりも下方でかつ待機位置よりも上方の位置である。載置板141が待機位置にある状態においては、複数の支持ピン124が複数の貫通孔h1にそれぞれ挿通される。載置板141が待機位置にあるときには、載置板141の下面は処理室120の底面と接触してもよい。
載置板141が待機位置に移動することにより、基板Wを投光部150に干渉させることなく処理室120内と外部との間で容易に受け渡すことができる。また、載置板141が処理位置に移動することにより、投光部150から基板Wへの真空紫外線の照射の際に、投光部150と基板Wとが近接した状態で基板Wを効率よく露光することができる。排気位置の詳細については後述する。
投光部150は、下部開口h2および内部空間V2を有するハウジング151、透光板152、面状の光源部153および電源装置154を含む。本実施の形態では、透光板152は石英ガラス板である。透光板152の材料として、後述する真空紫外線を透過する他の材料が用いられてもよい。上記のように、ハウジング151は、処理室120の上部開口121を閉塞するように処理室120の上部に配置される。透光板152は、ハウジング151の下部開口h2を閉塞するようにハウジング151に取り付けられる。処理室120の内部空間V1とハウジング151の内部空間V2とは、透光板152により光学的にアクセス可能に隔てられる。
光源部153および電源装置154は、ハウジング151内に収容される。本実施の形態においては、波長約120nm以上約230nm以下の真空紫外線を出射する複数の棒形状の光源素子が所定の間隔で水平に配列されることにより光源部153が構成される。各光源素子は、例えばキセノンエキシマランプであってもよいし、他のエキシマランプまたは重水素ランプ等であってもよい。光源部153は、透光板152を通して処理室120内に略均一な光量分布を有する真空紫外線を出射する。光源部153における真空紫外線の出射面の面積は、基板Wの被処理面の面積よりも大きい。電源装置154は、光源部153に電力を供給する。
排気部160は、配管p1、バルブv1,v2および吸引装置c1を含む。配管p1は、主管a1,a2および枝管b1,b2を含む。枝管b1,b2は、主管a1,a2間を2つの流路に分岐するように並列に配置される。枝管b1の流路は、枝管b2の流路よりも大きい。枝管b1,b2には、それぞれバルブv1,v2が介挿される。
主管a1は、処理室120の排気口125に接続される。ここで、処理室120の排気口125は、排気位置よりも下方に形成される。主管a2は、排気設備に接続される。主管a2には、吸引装置c1が介挿される。吸引装置c1は、例えばエジェクタである。吸引装置c1は、配管p1を通して処理室120内の気体を排出する。バルブv1,v2が開放または閉止されることにより、排出される気体の流量が調整される。吸引装置c1により排出された気体は、排気設備により無害化される。
排気部170は、配管p2、バルブv3,v4および吸引装置c2を含む。配管p2は、主管a3,a4および枝管b3,b4を含む。枝管b3,b4は、主管a3,a4間を2つの流路に分岐するように並列に配置される。枝管b3の流路は、枝管b4の流路よりも大きい。枝管b3,b4には、それぞれバルブv3,v4が介挿される。
主管a3は、ハウジング151の排気口155に接続される。主管a4は、上記の排気設備に接続される。主管a4には、吸引装置c2が介挿される。吸引装置c2は、配管p2を通してハウジング151内の気体を排出する。バルブv3,v4が開放または閉止されることにより、排出される気体の流量が調整される。吸引装置c2により排出された気体は、排気設備により無害化される。
給気部180は、配管p3および2つのバルブv5,v6を含む。配管p3は、主管a5,a6および枝管b5,b6を含む。枝管b5,b6は、主管a5と主管a6との間を2つの流路に分岐するように並列に配置される。枝管b5の流路は、枝管b6の流路よりも大きい。枝管b5,b6には、それぞれバルブv5,v6が介挿される。
主管a5は、処理室120の給気口126に接続される。ここで、処理室120の給気口126は、排気位置よりも上方に形成される。主管a6は、不活性ガス供給源に接続される。配管p3を通して不活性ガス供給源から処理室120内に不活性ガスが供給される。バルブv5,v6が開放または閉止されることにより、処理室120内に供給される不活性ガスの流量が調整される。本実施の形態では、不活性ガスとして窒素ガスが用いられる。
給気部190は、配管p4および2つのバルブv7,v8を含む。配管p4は、主管a7,a8および枝管b7,b8を含む。枝管b7,b8は、主管a7と主管a8との間を2つの流路に分岐するように並列に配置される。枝管b7の流路は、枝管b8の流路よりも大きい。枝管b7,b8には、それぞれバルブv7,v8が介挿される。
主管a7は、ハウジング151の給気口156に接続される。主管a8は、上記の不活性ガス供給源に接続される。配管p4を通して不活性ガス供給源からハウジング151内に不活性ガスが供給される。バルブv7,v8が開放または閉止されることにより、ハウジング151内に供給される不活性ガスの流量が調整される。
処理室120内には、圧力計s1、酸素濃度計s2、オゾン濃度計s3および照度計s4が設けられる。圧力計s1、酸素濃度計s2、オゾン濃度計s3および照度計s4は、処理室120に設けられた接続ポートP1,P2,P3,P4をそれぞれ通して制御部110に接続される。圧力計s1は、処理室120内の圧力を計測する。酸素濃度計s2は、例えばガルバニ電池式酸素センサまたはジルコニア式酸素センサであり、処理室120内の気体中の酸素濃度を計測する。
オゾン濃度計s3は、処理室120内の気体中のオゾン濃度を計測する。照度計s4は、フォトダイオード等の受光素子を含み、受光素子の受光面に照射される光源部153からの真空紫外線の照度を計測する。ここで、照度とは、受光面の単位面積当たりに照射される真空紫外線の仕事率である。照度の単位は、例えば「W/m」で表される。
(2)露光装置の概略動作
露光装置100においては、処理室120内に基板Wが順次搬入され、透光板152を通して光源部153から基板Wに真空紫外線が照射されることにより露光処理が行われる。しかしながら、処理室120内およびハウジング151内の気体中の酸素濃度が高い場合、酸素分子が真空紫外線を吸収して酸素原子に分離するとともに、分離した酸素原子が他の酸素分子と再結合することによりオゾンが発生する。この場合、基板Wに到達する真空紫外線が減衰する。真空紫外線の減衰は、約230nmよりも長い波長の紫外線の減衰に比べて大きい。
そこで、露光処理においては、処理室120内の気体が排気部160および給気部180により不活性ガスに置換される。また、ハウジング151内の気体が排気部170および給気部190により不活性ガスに置換される。これにより、処理室120内およびハウジング151内の気体中の酸素濃度が低減する。酸素濃度計s2により計測される酸素濃度が予め定められた濃度(例えば100ppm)まで低減した場合に、光源部153から基板Wに真空紫外線が照射される。
基板Wに照射される真空紫外線の露光量が予め定められた設定露光量に到達した場合、真空紫外線の照射が停止され、露光が終了する。ここで、露光量とは、露光処理時に基板Wの被処理面の単位面積当たりに照射される真空紫外線のエネルギーである。露光量の単位は、例えば「J/m」で表される。したがって、真空紫外線の露光量は、照度計s4により計測される真空紫外線の照度の積算により取得される。
露光装置100においては、ハウジング151はメンテナンス時を除いて密閉されるので、ハウジング151内を常に不活性ガスの雰囲気に維持することができる。これに対し、処理室120については、基板Wの搬入および搬出ごとに搬送開口122が開放され、密閉が解除される。そのため、処理室120内を常に不活性ガスの雰囲気に維持することができず、各基板Wの露光処理ごとに処理室120内の気体を不活性ガスに置換する必要がある。この置換に長時間を要すると、基板Wの露光処理の効率が低下する。
本実施の形態においては、処理室120内の気体を不活性ガスに置換する際に、排気部160により処理室120内の気体を排出する。気体の排出を一定時間行うことにより酸素濃度を一定値以下に低下させた後、気体の排出を継続しつつ給気部180により不活性ガスを処理室120内に供給する。
この場合、不活性ガスの供給前に、処理室120内の酸素が他の気体とともに排出される。これにより、処理室120内の圧力が低下するとともに短時間で処理室120内の酸素の量が低下する。その後、処理室120内に不活性ガスが供給され、処理室120内に残留するわずかな量の酸素が不活性ガスとともに排出される。そのため、短時間で処理室120内の気体中の酸素濃度を低下させることができる。
図2は、処理室120内の圧力および酸素濃度の変化を示す概略図である。図2においては、横軸は時間を示し、縦軸は処理室120内の圧力および酸素濃度を示す。また、圧力の変化(大気圧からの変化量)が実線で示され、酸素濃度の変化が一点鎖線で示される。図2に示すように、初期時点では、処理室120内は大気圧に維持される。また、処理室120内の気体中の酸素濃度は約2×10ppmである。
まず、載置板141が排気位置に移動されるとともに、排気部160のバルブv1が開放される。これにより、処理室120内の気体が排出され、図2に示すように、処理室120内の圧力が大気圧よりも約30kPa低い値まで低下する(時点T1)。次に、時点T1において、給気部180のバルブv5が開放される。これにより、処理室120内に不活性ガスが供給され、処理室120内の気体中の酸素濃度が低下しつつ処理室120内の圧力が大気圧よりも約10kPa低い値まで上昇する。
続いて、時点T2において、排気部160のバルブv1が閉止される。これにより、処理室120内の気体の排出が停止され、処理室120内の気体中の酸素濃度がさらに低下しつつ処理室120内の圧力が大気圧よりも数kPa高い値まで上昇する。その後、時点T3において、処理室120内の気体中の酸素濃度が100ppmまで低下する。この場合、載置板141が処理位置に移動される。このとき、後述するように、基板Wが載置板141に載置された状態で透光板152に近接する。ここで、光源部153から透光板152を通して基板Wに真空紫外線が照射される。
時点T4において、基板Wに照射される真空紫外線の露光量が設定露光量に到達する。これにより、光源部153からの真空紫外線の出射が停止され、載置板141が待機位置に移動される。また、搬送開口122が開放されることにより、処理室120内の圧力が大気圧に戻される。
上記の置換の手順によれば、処理室120内の気体を高い効率で不活性ガスに置換することができる。しかしながら、一定時間の間、処理室120内の圧力がハウジング151内の圧力よりも低くなるため、処理室120とハウジング151との間に設けられる透光板152に圧力差による応力が発生する。この場合、透光板152の寿命が短くなる。
本実施の形態においては、処理室120内の気体を不活性ガスに置換する際に、処理室120内の圧力とハウジング151内の圧力とが一致するか、または圧力の差が一定値よりも小さくなるようにハウジング151内の圧力が制御される。この場合、透光板152に応力が発生することを防止される。これにより、透光板152を長寿命化することができる。また、透光板152の厚みを大きくする必要がないので、透光板152の透過率が向上する。その結果、基板Wの露光処理の効率を向上させることができる。
(3)制御部
図3は、図1の制御部110の構成を示す機能ブロック図である。図3に示すように、制御部110は、酸素濃度取得部A排気制御部B,C、給気制御部D,E、開閉制御部F、昇降制御部G、照度取得部H、露光量算出部Iおよび投光制御部Jを含む。制御部110は、例えばCPU(中央演算処理装置)およびメモリにより構成される。制御部110のメモリには、制御プログラムが予め記憶されている。制御部110のCPUがメモリに記憶された制御プログラムを実行することにより、制御部110の各部の機能が実現される。
酸素濃度取得部Aは、図1の酸素濃度計s2の計測値に基づいて処理室120内の気体中の酸素濃度を取得する。なお、上述のように、本実施の形態においては、不活性ガスが供給される前に処理室120内の気体が一定時間排出されるので、処理室120内の圧力が大気圧よりも低くなる。この状態において、酸素濃度計s2により酸素濃度を計測できない場合には、酸素濃度取得部Aは、酸素濃度計s2ではなく図1の圧力計s1の計測値に基づいて処理室120内の気体中の酸素濃度を取得してもよい。
排気制御部Bは、図1の排気部160のバルブv1,v2の動作を制御する。排気制御部Cは、図1の排気部170のバルブv3,v4の動作を制御する。給気制御部Dは、図1の給気部180のバルブv5,v6の動作を制御する。給気制御部Eは、図1の給気部190のバルブv7,v8の動作を制御する。開閉制御部Fは、図1のシャッタ131が閉塞位置と開放位置との間で移動するように駆動装置133の動作を制御する。昇降制御部Gは、図1の載置板141が待機位置と排気位置と処理位置との間で移動するように駆動装置143の動作を制御する。
照度取得部Hは、図1の照度計s4により計測された真空紫外線の照度の値を取得する。露光量算出部Iは、照度取得部Hにより取得された真空紫外線の照度と、図1の光源部153による真空紫外線の出射時間とに基づいて基板Wに照射される真空紫外線の露光量を算出する。
投光制御部Jは、酸素濃度取得部Aにより取得された酸素濃度および露光量算出部Iにより算出された露光量に基づいて光源部153からの真空紫外線の出射および出射の停止を切り替えるように図1の電源装置154の動作を制御する。以下の説明では、光源部153が真空紫外線を出射する状態を出射状態と呼び、光源部153が真空紫外線の出射を停止する状態を停止状態と呼ぶ。
図4~図9は、図3の制御部110による露光装置100の各部の制御を説明するための図である。図4~図9においては、処理室120内およびハウジング151内の構成の理解を容易にするために、一部の構成要素の図示が省略されるとともに、処理室120およびハウジング151の輪郭が一点鎖線で示される。また、供給または排出される少量の不活性ガスまたは気体の流れが細い矢印で示され、供給または排出される大量の不活性ガスまたは気体の流れが太い矢印で示される。
図10は、図3の制御部110による制御のタイミングを示す図である。図10(a)~(d)は、排気部160、排気部170、給気部180および給気部190におけるバルブv1~v8の動作の切り替えのタイミングを示す。ここで、図10(a)~(d)の「v1開」~「v8開」は、それぞれバルブv1~v8が開放されることを意味する。図10(a)~(d)の「閉」は、バルブv1,v2の組、バルブv3,v4の組、バルブv5,v6の組およびバルブv7,v8の組がそれぞれ閉止されることを意味する。
図10(e)は、シャッタ131の開放位置と閉塞位置との間での移動のタイミングを示す。図10(f)は、載置板141の待機位置と排気位置と処理位置との間での移動のタイミングを示す。図10(g)は、光源部153の出射状態と停止状態との切り替えのタイミングを示す。図10(h)は、処理室120内およびハウジング151内の圧力の概略的な変化を示す。処理室120内の圧力の変化とハウジング151内の圧力の変化とは略同一である。
以下、図4~図10を参照しながら制御部110による露光処理を説明する。なお、処理室120内の圧力および酸素濃度は、図1の圧力計s1および酸素濃度計s2により常時または定期的にそれぞれ計測される。これにより、処理室120内の気体中の酸素濃度は、図3の酸素濃度取得部Aにより常時または定期的に取得される。
初期状態として、時点t1においては、図4に示すように、シャッタ131が開放位置にあり、載置板141が待機位置にあり、光源部153が停止状態にある。これにより、搬送開口122を通して処理対象の基板Wを複数の支持ピン124の上端部に載置することができる。この状態で、排気部160のバルブv1,v2が閉止され、給気部180のバルブv6が開放され、排気部170のバルブv4が開放され、給気部190のバルブv8が開放される。
この場合、給気部180により処理室120内に少量の不活性ガスが供給されるが、搬送開口122が開放されているので、処理室120内が大気圧P0に維持され、処理室120内の気体中の酸素濃度は大気中の酸素濃度に等しい。また、給気部190によりハウジング151内に少量の不活性ガスが供給され、排気部170によりハウジング151内の少量の気体が排出されることにより、ハウジング151内が大気圧P0に維持され、ハウジング151内の気体が不活性ガスに維持される。
次に、図5に示すように、後述する図12の搬送装置220により基板Wが複数の支持ピン124の上端部に載置される。その後、時点t2において、図6に示すように、シャッタ131が閉塞位置に移動され、載置板141が排気位置に移動される。また、排気部160のバルブv1が開放され、給気部180のバルブv5,v6が閉止され、排気部170のバルブv3が開放され、給気部190のバルブv7,v8が閉止される。
この場合、搬送開口122が閉塞されかつ給気部180から処理室120内への不活性ガスの供給が停止された状態で、排気部160により処理室120内の大量の気体が排出される。そのため、処理室120内の酸素が他の気体とともに処理室120外に排出されることにより、短時間で酸素の量が低下する。また、排気部170によりハウジング151内の大量の気体が排出される。これにより、処理室120内およびハウジング151内の圧力が大気圧P0よりも低い値Paまで低下する。
載置板141が排気位置に移動した状態においては、載置板141と処理室120の底面との間、および載置板141と透光板152との間に狭い隙間が形成されることが防止される。このように、排気位置における載置板141の上方および下方の空間は比較的大きいため、酸素が停滞しにくい。そのため、酸素を効率よく排出することができる。なお、図6の例においては、排気位置では載置板141に基板Wが載置されていないが、本発明はこれに限定されない。排気位置で、載置板141に基板Wが載置されていてもよい。
また、本実施の形態においては、排気部160の主管a1の排気口(図1の処理室120の排気口125に接続される部分)は、排気位置よりも下方に配置される。また、給気部180における主管a5の給気口(図1の処理室120の給気口126に接続される部分)は、排気位置よりも上方に配置される。ここで、本実施の形態のように、主管a1の排気口と主管a5の給気口とが排気位置を挟むように配置されることがより好ましい。
この配置によれば、排気位置における載置板141よりも上方の空間に直接的に不活性ガスが供給される。また、排気位置における載置板141の周囲の空間に沿った不活性ガスの流れが形成される。これにより、酸素を効率よく排出するとともに、載置板141と投光部150との間の酸素をより効率よく排出することができる。その結果、短時間で基板Wの露光を開始することができる。
一定時間後、時点t3において、図7に示すように、給気部180のバルブv5が開放され、給気部190のバルブv7が開放される。この場合、給気部180により処理室120内に大量の不活性ガスが供給される。したがって、処理室120内に残留するわずかな量の酸素が不活性ガスとともに処理室120外に排出される。そのため、短時間で処理室120内の気体中の酸素濃度が低下する。また、給気部190によりハウジング151内に大量の不活性ガスが供給される。これにより、処理室120内およびハウジング151内の圧力が、値Paよりも高く大気圧P0よりも低い値Pbまで上昇する。
続いて、時点t4において、図8に示すように、排気部160のバルブv1,v2が閉止され、排気部170のバルブv3,v4が閉止される。この場合、給気部180により処理室120内にさらに大量の不活性ガスが供給され、給気部190によりハウジング151内にさらに大量の不活性ガスが供給される。これにより、処理室120内およびハウジング151内の圧力が大気圧P0よりも高い値Pcまで上昇し、処理室120内の気体中の酸素濃度が低下し続ける。
時点t5において、処理室120内の気体中の酸素濃度が一定値(例えば100ppm)以下まで低下する。これにより、図9に示すように、載置板141が処理位置に移動し、光源部153が出射状態になる。この場合、基板Wが複数の支持ピン124から載置板141に受け渡され、透光板152に近接される。この状態で、光源部153から透光板152を通して真空紫外線が基板Wに照射され、被処理面に形成されたDSA膜が露光される。
時点t6において、基板Wに照射される真空紫外線の露光量が設定露光量に到達する。これにより、図5の初期状態と同様に、光源部153が停止状態になり、載置板141が待機位置に移動され、シャッタ131が開放位置に移動される。また、給気部180のバルブv6が開放され、排気部170のバルブv4が開放され、給気部190のバルブv8が開放される。
この場合、処理室120内およびハウジング151内が大気圧P0に維持され、処理室120内の気体中の酸素濃度は大気中の酸素濃度に等しくなる。また、露光後の基板Wが載置板141から複数の支持ピン124に受け渡される。本例では、後述する図12の搬送装置220により基板Wが複数の支持ピン124上から処理室120の外部へ搬出される。
(4)露光処理
図11は、図3の制御部110により行われる露光処理を示すフローチャートである。以下、図1および図3を用いて露光処理を説明する。まず、開閉制御部Fは、シャッタ131を開放位置に移動させる(ステップS1)。これにより、搬送開口122を通して処理対象の基板Wを複数の支持ピン124の上端部に載置することができる。また、昇降制御部Gは、載置板141を待機位置に移動させる(ステップS2)。投光制御部Jは、光源部153を停止状態に切り替える(ステップS3)。
次に、排気制御部Bは、排気部160のバルブv1,v2を閉止する(ステップS4)。排気制御部Cは、排気部170のバルブv4を開放する(ステップS5)。給気制御部Dは、給気部180のバルブv6を開放する(ステップS6)。給気制御部Eは、給気部190のバルブv8を開放する(ステップS7)。ステップS1~S7は、露光装置100を初期状態にするための処理であり、いずれが先に実行されてもよいし、同時に実行されてもよい。特に、ステップS4~S7は、同時に実行されることが好ましい。
なお、本実施の形態における「同時に実行」とは、複数の処理が完全に同一の時点に実行されることだけでなく、数秒程度の期間内に順次実行されること、または数秒程度の遅延時間を伴って実行されることを含む。以下の説明においても同様である。
続いて、開閉制御部Fは、基板Wが処理室120内に搬入されたか否かを判定する(ステップS8)。基板Wが処理室120内に搬入されたか否かは、例えば後述する図12の搬送装置220における基板Wの保持部が搬送開口122を通過したか否かを光電センサ等で検出することにより判定される。基板Wが搬入されていない場合、開閉制御部Fは、基板Wが処理室120内に搬入されるまで待機する。
基板Wが処理室120内に搬入された場合、開閉制御部Fはシャッタ131を閉塞位置に移動させる(ステップS9)。また、昇降制御部Gは、載置板141を排気位置に移動させる(ステップS10)。排気制御部Bは、排気部160のバルブv1を開放する(ステップS11)。排気制御部Cは、排気部170のバルブv3を開放する(ステップS12)。給気制御部Dは、給気部180のバルブv5,v6を閉止する(ステップS13)。給気制御部Eは、給気部190のバルブv7,v8を閉止する(ステップS14)。ステップS9~S14は、いずれが先に実行されてもよいし、同時に実行されてもよい。特に、ステップS11~S14は、同時に実行されることが好ましい。
その後、給気制御部Dは、一定時間が経過したか否かを判定する(ステップS15)。一定時間が経過していない場合、給気制御部Dは一定時間が経過するまで待機する。一定時間が経過した場合、給気制御部Dは、給気部180のバルブv5を開放する(ステップS16)。また、給気制御部Eは、給気部190のバルブv7を開放する(ステップS17)。ステップS16,S17は、いずれが先に実行されてもよいが、同時に実行されることが好ましい。
次に、排気制御部Bは、一定時間が経過したか否かを判定する(ステップS18)。一定時間が経過していない場合、排気制御部Bは一定時間が経過するまで待機する。一定時間が経過した場合、排気制御部Bは、排気部160のバルブv1,v2を閉止する(ステップS19)。また、排気制御部Cは、排気部170のバルブv3,v4を閉止する(ステップS20)。ステップS19,S20は、いずれが先に実行されてもよいが、同時に実行されることが好ましい。
続いて、昇降制御部Gは、処理室120内の気体中の酸素濃度が一定値以下まで低下したか否かを判定する(ステップS21)。酸素濃度が一定値以下まで低下していない場合、昇降制御部Gは、酸素濃度が一定値以下まで低下するまで待機する。酸素濃度が一定値以下まで低下した場合、昇降制御部Gは、載置板141を処理位置に移動させる(ステップS22)。また、投光制御部Jは、光源部153を出射状態に切り替える(ステップS23)。ステップS22,S23は、いずれが先に実行されてもよいし、同時に実行されてもよい。
その後、露光量算出部Iは、基板Wの露光量が設定露光量に到達したか否かを判定する(ステップS24)。露光量が設定露光量に到達していない場合、露光量算出部Iは、露光量が設定露光量に到達するまで待機する。露光量が設定露光量に到達した場合、露光量算出部Iは、ステップS1に戻る。これにより、ステップS1~S24が繰り返される。その結果、複数の基板Wに露光処理が順次行われる。
(5)基板処理装置
図12は、図1の露光装置100を備えた基板処理装置の全体構成を示す模式的ブロック図である。以下に説明する基板処理装置200においては、ブロック共重合体の誘導自己組織化(DSA)を利用した処理が行われる。具体的には、基板Wの被処理面上に誘導自己組織化材料を含む処理液が塗布される。その後、誘導自己組織化材料に生じるミクロ相分離により基板Wの被処理面上に2種類の重合体のパターンが形成される。2種類の重合体のうち一方のパターンが溶剤により除去される。
誘導自己組織化材料を含む処理液をDSA液と呼ぶ。また、ミクロ相分離により基板Wの被処理面上に形成される2種類の重合体のパターンのうち一方を除去する処理を現像処理と呼び、現像処理に用いられる溶剤を現像液と呼ぶ。
図12に示すように、基板処理装置200は、露光装置100に加えて、制御装置210、搬送装置220、熱処理装置230、塗布装置240および現像装置250を備える。制御装置210は、例えばCPUおよびメモリ、またはマイクロコンピュータを含み、搬送装置220、熱処理装置230、塗布装置240および現像装置250の動作を制御する。また、制御装置210は、図1の露光装置100の閉塞部130、昇降部140、投光部150、排気部160,170および給気部180,190の動作を制御するための指令を制御部110に与える。
搬送装置220は、処理対象の基板Wを保持しつつその基板Wを露光装置100、熱処理装置230、塗布装置240および現像装置250の間で搬送する。熱処理装置230は、塗布装置240による塗布処理および現像装置250による現像処理の前後に基板Wの熱処理を行う。
塗布装置240は、基板Wの被処理面にDSA液を供給することにより、膜の塗布処理を行う。本実施の形態では、DSA液として、2種類の重合体から構成されるブロック共重合体が用いられる。2種類の重合体の組み合わせとして、例えば、ポリスチレン-ポリメチルメタクリレート(PS-PMMA)、ポリスチレン-ポリジメチルシロキサン(PS-PDMS)、ポリスチレン-ポリフェロセニルジメチルシラン(PS-PFS)、ポリスチレン-ポリエチレンオキシド(PS-PEO)、ポリスチレン-ポリビニルピリジン(PS-PVP)、ポリスチレン-ポリヒドロキシスチレン(PS-PHOST)、およびポリメチルメタクリレート-ポリメタクリレートポリヘドラルオリゴメリックシルセスキオキサン(PMMA-PMAPOSS)等が挙げられる。
現像装置250は、基板Wの被処理面に現像液を供給することにより、膜の現像処理を行う。現像液の溶媒として、例えば、トルエン、ヘプタン、アセトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、シクロヘキサノン、酢酸、テトラヒドロフラン、イソプロピルアルコール(IPA)または水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)等が挙げられる。
図13は、図12の基板処理装置200による基板Wの処理の一例を示す模式図である。図13では、処理が行われるごとに変化する基板Wの状態が断面図で示される。本例では、基板Wが基板処理装置200に搬入される前の初期状態として、図13(a)に示すように、基板Wの被処理面を覆うように下地層L1が形成され、下地層L1上に例えばフォトレジストからなるガイドパターンL2が形成されている。以下、図12および図13を用いて基板処理装置200の動作を説明する。
搬送装置220は、処理対象の基板Wを、熱処理装置230および塗布装置240に順に搬送する。この場合、熱処理装置230において、基板Wの温度がDSA膜L3の形成に適した温度に調整される。また、塗布装置240において、基板Wの被処理面にDSA液が供給され、塗布処理が行われる。それにより、図13(b)に示すように、ガイドパターンL2が形成されていない下地層L1上の領域に、2種類の重合体から構成されるDSA膜L3が形成される。
次に、搬送装置220は、DSA膜L3が形成された基板Wを、熱処理装置230および露光装置100に順に搬送する。この場合、熱処理装置230において、基板Wの加熱処理が行われることにより、DSA膜L3にミクロ相分離が生じる。これにより、図13(c)に示すように、一方の重合体からなるパターンQ1および他方の重合体からなるパターンQ2が形成される。本例では、ガイドパターンL2に沿うように、線状のパターンQ1および線状のパターンQ2が指向的に形成される。
その後、熱処理装置230において、基板Wが冷却される。また、露光装置100において、ミクロ相分離後のDSA膜L3の全体にDSA膜L3を改質させるための真空紫外線が照射され、露光処理が行われる。これにより、一方の重合体と他方の重合体との間の結合が切断され、パターンQ1とパターンQ2とが分離される。
続いて、搬送装置220は、露光装置100による露光処理後の基板Wを、熱処理装置230および現像装置250に順に搬送する。この場合、熱処理装置230において、基板Wが冷却される。また、現像装置250において、基板W上のDSA膜L3に現像液が供給され、現像処理が行われる。これにより、図13(d)に示すように、パターンQ1が除去され、最終的に、基板W上にパターンQ2が残存する。最後に、搬送装置220は、現像処理後の基板Wを現像装置250から回収する。
(6)効果
本実施の形態に係る露光装置100においては、処理室120内の気体の排出および処理室120内への不活性ガスへの供給により処理室120内の圧力が変化する。特に、不活性ガスの供給前に、処理室120内の酸素が他の気体とともに処理室120外に排出される。そのため、処理室120内の圧力が低下するとともに酸素の量が低下する。
このような場合でも、ハウジング151内の圧力が処理室120内の圧力に一致されるかまたは近づけられる。したがって、処理室120内とハウジング151内との圧力差がほとんど発生しない。そのため、透光板152に応力が発生することが防止される。この場合、透光板152の厚みを大きくする必要がないので、透光板152の透過率が向上する。これにより、基板Wの露光処理の効率を向上させることができる。
[2]第2の実施の形態
第2の実施の形態に係る露光装置および基板処理装置について、第1の実施の形態に係る露光装置および基板処理装置と異なる点を説明する。図14は、本発明の第2の実施の形態に係る露光装置の構成を示す模式的断面図である。図14に示すように、露光装置100は、処理室120とハウジング151との間を連結する連結管101をさらに含む。連結管101には、バルブv9が介挿される。
図15は、図14の制御部110の構成を示す機能ブロック図である。図15に示すように、制御部110は、図14のバルブv9の動作を制御する連結制御部Kをさらに含む。バルブv9が開放されることにより、処理室120の内部空間V1とハウジング151の内部空間V2とが連結管101を通して連通し、処理室120内とハウジング151内との間で気体が移動可能となる。
図16~図21は、図15の制御部110による露光装置100の各部の制御を説明するための図である。図22は、図15の制御部110による制御のタイミングを示す図である。図22(i)は、連結管101におけるバルブv9の動作の切り替えのタイミングを示す。以下、図16~図22を参照しながら本実施の形態における制御部110による露光処理を説明する。
なお、図22における排気部160、給気部180、シャッタ131、載置板141および光源部153の制御のタイミングは、図10における排気部160、給気部180、シャッタ131、載置板141および光源部153の制御のタイミングとそれぞれ同様である。また、図22における処理室120内の圧力の変化は、図10における処理室120内の圧力の変化と同様である。一方、図22における排気部170および給気部190の制御のタイミングは、図10における排気部170および給気部190の制御のタイミングとは異なる。
初期状態として、時点t1においては、図16に示すように、シャッタ131が開放位置にあり、載置板141が待機位置にあり、光源部153が停止状態にある。また、排気部160のバルブv1,v2が閉止され、給気部180のバルブv6が開放され、排気部170のバルブv4が開放され、給気部190のバルブv8が開放され、連結管101のバルブv9が閉止される。
この場合、給気部180により処理室120内に少量の不活性ガスが供給されるが、搬送開口122が開放されているので、処理室120内が大気圧P0に維持され、処理室120内の気体中の酸素濃度は大気中の酸素濃度に等しい。また、給気部190によりハウジング151内に少量の不活性ガスが供給され、排気部170によりハウジング151内の少量の気体が排出されることにより、ハウジング151内が大気圧P0に維持され、ハウジング151内の気体が不活性ガスに維持される。この状態においては、バルブv9が閉止されるので、酸素が処理室120を通してハウジング151内に流入することが容易に防止される。
次に、図17に示すように、図12の搬送装置220により基板Wが複数の支持ピン124の上端部に載置される。その後、時点t2において、図18に示すように、シャッタ131が閉塞位置に移動され、載置板141が排気位置に移動される。また、排気部160のバルブv1が開放され、給気部180のバルブv5,v6が閉止され、排気部170のバルブv3,v4が閉止され、給気部190のバルブv7が開放され、連結管101のバルブv9が開放される。
この場合、搬送開口122が閉塞されかつ給気部180から処理室120内への不活性ガスの供給が停止された状態で、排気部160により処理室120内の大量の気体が排出される。そのため、処理室120内の酸素が他の気体とともに処理室120外に排出されることにより、短時間で酸素の量が低下する。また、処理室120内およびハウジング151内の圧力が大気圧P0よりも低い値Paまで低下する。
ここで、ハウジング151の内部空間と処理室120の内部空間とが連結管101を通して連通し、処理室120内の圧力とハウジング151内の圧力とが等しく維持される。また、排気部170によるハウジング151内の気体の排出が停止された状態で、ハウジング151内に大量の不活性ガスが供給されるので、ハウジング151内の気体が処理室120内に移動する。処理室120内からハウジング151内へは気体が移動(逆流)しない。これにより、ハウジング151内に酸素を含む気体が流入することが防止される。
一定時間後、時点t3において、図19に示すように、給気部180のバルブv5が開放される。この場合、給気部180により処理室120内に大量の不活性ガスが供給される。したがって、処理室120内に残留するわずかな量の酸素が不活性ガスとともに処理室120外に排出される。そのため、短時間で処理室120内の気体中の酸素濃度が低下する。また、処理室120内およびハウジング151内の圧力が、値Paよりも高く大気圧P0よりも低い値Pbまで上昇する。
続いて、時点t4において、図20に示すように、排気部160のバルブv1,v2が閉止される。この場合、給気部180により処理室120内にさらに大量の不活性ガスが供給される。これにより、処理室120内およびハウジング151内の圧力が大気圧P0よりも高い値Pcまで上昇し、処理室120内の気体中の酸素濃度が低下し続ける。
時点t5において、処理室120内の気体中の酸素濃度が一定値(例えば100ppm)以下まで低下する。これにより、図21に示すように、載置板141が処理位置に移動し、光源部153が出射状態になる。この場合、基板Wが複数の支持ピン124から載置板141に受け渡され、透光板152に近接される。この状態で、光源部153から透光板152を通して真空紫外線が基板Wに照射され、被処理面に形成されたDSA膜が露光される。
時点t6において、基板Wに照射される真空紫外線の露光量が設定露光量に到達する。これにより、図17の初期状態と同様に、光源部153が停止状態になり、載置板141が待機位置に移動され、シャッタ131が開放位置に移動される。また、給気部180のバルブv6が開放され、排気部170のバルブv4が開放され、給気部190のバルブv8が開放され、連結管101のバルブv9が閉止される。
この場合、ハウジング151の内部空間と処理室120の内部空間との連通が遮断されつつ、処理室120内およびハウジング151内が大気圧P0に維持される。処理室120内の気体中の酸素濃度は、大気中の酸素濃度に等しくなる。また、露光後の基板Wが載置板141から複数の支持ピン124に受け渡される。本例では、図12の搬送装置220により基板Wが複数の支持ピン124上から処理室120の外部へ搬出される。この構成によれば、より簡単な制御により処理室120内の圧力とハウジング151内の圧力とを一致させるか、または圧力の差を一定値よりも小さくすることができる。
図23は、図15の制御部110により行われる露光処理を示すフローチャートである。図23の露光処理が図11の露光処理と異なるのは以下の点である。ステップS7,S8間にステップS7aが実行される。ステップS12の代わりにステップS12aが実行される。ステップS14の代わりにステップS14aが実行される。ステップS14a,S15間にステップS14bが実行される。ステップS17,S20が実行されない。
ステップS7aでは、連結制御部Kは、連結管101のバルブv9を閉止する。ステップS12aでは、排気制御部Cは、バルブv3,v4を閉止する。ステップS14aでは、給気制御部Eは、給気部190のバルブv7を開放する。ステップS14bでは、連結制御部Kは、連結管101のバルブv9を開放する。
ステップS1~S7,S7aは、露光装置100を初期状態にするための処理であり、いずれが先に実行されてもよいし、同時に実行されてもよい。特に、ステップS4~S7,S7aは、同時に実行されることが好ましい。ステップS9~S11,S12a,S13,S14a,S14bは、いずれが先に実行されてもよいし、同時に実行されてもよい。特に、ステップS11,S12a,S13,S14a,S14bは、同時に実行されることが好ましい。
[3]他の実施の形態
(1)上記の実施の形態において、処理液としてDSA液が用いられるが、本発明はこれに限定されない。DSA液とは異なる他の処理液が用いられてもよい。
(2)上記の実施の形態において、真空紫外線の出射面は基板Wの被処理面よりも大きく、基板Wの全面露光が行われるが、本発明はこれに限定されない。真空紫外線の出射面は基板Wの被処理面よりも小さくてもよいし、面状の真空紫外線が出射されなくてもよい。この場合、真空紫外線の出射面と基板Wの被処理面とが相対的に移動されることにより基板Wの被処理面の全体に真空紫外線が照射される。
(3)上記実施の形態において、処理室120内の気体中の酸素濃度が100ppmまで低下した場合に基板Wの露光が開始されるが、本発明はこれに限定されない。処理室120内の気体中の酸素濃度が100ppmよりも高い濃度(例えば1%)まで低下した場合に基板Wの露光が開始されてもよい。
(4)上記実施の形態において、排気口125が排気位置よりも下方に形成され、給気口126が排気位置よりも上方に形成されるが、本発明はこれに限定されない。排気口125が排気位置よりも上方に形成され、給気口126が排気位置よりも下方に形成されてもよい。あるいは、排気口125および給気口126の両方が排気位置よりも上方に形成されてもよいし、排気口125および給気口126の両方が排気位置よりも下方に形成されてもよい。したがって、排気口125と給気口126とが排気位置を挟むように形成されなくてもよい。
(5)上記実施の形態において、処理室120内の気体が排出される際に載置板141が排気位置に移動されるが、本発明はこれに限定されない。待機位置における載置板141の周囲に狭い隙間が形成されず、酸素が停滞しにくい場合には、処理室120内の気体が排出される際に載置板141が排気位置に移動されなくてもよい。
(6)上記実施の形態において、処理室120内への不活性ガスの供給よりも先に処理室120内の気体の排出が開始されるが、本発明はこれに限定されない。処理室120内の酸素を十分に短時間で排出可能である場合には、処理室120内への不活性ガスの供給よりも先に処理室120内の気体の排出が開始されなくてもよい。したがって、処理室120内への不活性ガスの供給と処理室120内の気体の排出とが同時に開始されてもよい。
[4]請求項の各構成要素と実施の形態の各要素との対応関係
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各要素との対応の例について説明するが、本発明は下記の例に限定されない。請求項の各構成要素として、請求項に記載されている構成または機能を有する他の種々の要素を用いることもできる。
上記の実施の形態では、投光部150が投光部の例であり、透光板152が窓部材の例であり、排気部160,170がそれぞれ第1および第2の排気部の例であり、給気部180,190がそれぞれ第1および第2の給気部の例である。給気制御部D,Eがそれぞれ第1および第2の給気制御部の例であり、排気制御部B,Cがそれぞれ第1および第2の排気制御部の例であり、連結管101が連結部の例である。
搬送開口122が開口の例であり、バルブv9がバルブの例であり、載置板141が載置部の例であり、駆動装置143が駆動部の例であり、支持ピン124が支持部材の例である。塗布装置240が塗布処理部の例であり、熱処理装置230が熱処理部の例であり、現像装置250が現像処理部の例であり、基板処理装置200が基板処理装置の例である。
第1の実施の形態においては、排気部170、給気部190、排気制御部Cおよび給気制御部Eが圧力制御部の例である。第2の実施の形態においては、連結管101、給気部190、バルブv9および連結制御部Kが圧力制御部の例である。
[5]参考形態
(1)第1の参考形態に係る露光装置は、基板を収容する処理室と、透光性の窓部材を有し、窓部材を通して処理室内の基板に真空紫外線を出射するための投光部と、処理室内の気体を排出するための第1の排気部と、処理室内に不活性ガスを供給するための第1の給気部と、投光部内の圧力が処理室内の圧力に一致するかまたは近づくように投光部内の圧力を制御する圧力制御部と、処理室内の気体中の酸素濃度が予め定められた濃度まで低下した状態で、処理室内の基板に真空紫外線を照射することにより基板を露光するように投光部を制御する投光制御部とを備える。
この露光装置においては、第1の排気部により基板が収容された処理室内の気体が排出される。また、第1の給気部により処理室内に不活性ガスが供給される。この場合、処理室内の気体が不活性ガスに置換され、酸素濃度が低下する。ここで、透光性の窓部材を有する投光部内の圧力が、処理室内の圧力に一致されるかまたは近づけられる。処理室内の気体中の酸素濃度が予め定められた濃度まで低下した場合、投光部により窓部材を通して処理室内の基板に真空紫外線が照射される。これにより、オゾンがほとんど発生することなく基板が露光される。
この構成によれば、処理室内の気体の排出および処理室内への不活性ガスへの供給により処理室内の圧力が変化する場合でも、投光部内の圧力が処理室内の圧力に一致されるかまたは近づけられるので、処理室内と投光部内との圧力差がほとんど発生しない。そのため、窓部材に応力が発生することが防止される。この場合、窓部材の厚みを大きくする必要がないので、窓部材の透過率が向上する。これにより、基板の露光処理の効率を向上させることができる。
(2)露光装置は、第1の排気部により処理室内の気体の排出が開始されてから予め定められた第1の時間が経過した後に、処理室内への不活性ガスの供給が開始されるように第1の給気部を制御する第1の給気制御部をさらに備えてもよい。
この場合、不活性ガスの供給前に、処理室内の酸素が他の気体とともに処理室外に排出される。これにより、処理室内の圧力が低下するとともに酸素の量が低下する。この場合でも、投光部内の圧力が処理室内の圧力に一致されるかまたは近づけられる。これにより、窓部材に応力が発生することが防止される。
また、その後、処理室内に不活性ガスが供給され、処理室内に残留するわずかな量の酸素が不活性ガスとともに処理室外に排出される。そのため、処理室内への基板の搬入後に、短時間で処理室内の気体中の酸素濃度が低下する。したがって、基板の搬入から短時間で基板の露光を開始することができる。その結果、基板の露光処理の効率を向上させることができる。
(3)圧力制御部は、投光部内の気体を排出するための第2の排気部と、投光部内に不活性ガスを供給するための第2の給気部と、第2の排気部により投光部内の気体の排出が開始されてから第1の時間が経過した後に、投光部内への不活性ガスの供給が開始されるように第2の給気部を制御する第2の給気制御部とを含んでもよい。この場合、簡単な制御で投光部内の圧力を処理室内の圧力に一致させるかまたは近づけることができる。
(4)露光装置は、第1の給気部により処理室内への不活性ガスの供給が開始されてから予め定められた第2の時間が経過した後に、処理室内の気体の排出が停止されるように第1の排気部を制御する第1の排気制御部をさらに備え、圧力制御部は、第2の給気部により投光部内への不活性ガスの供給が開始されてから第2の時間が経過した後に、投光部内の気体の排出が停止されるように第2の排気部を制御する第2の排気制御部をさらに含んでもよい。
この場合、処理室内の気体の排出が停止された状態で処理室内に不活性ガスがさらに供給される。これにより、処理室内の気体中の酸素濃度をより低下させ、オゾンの発生をより効率よく防止することができる。また、簡単な制御で投光部内の圧力を処理室内の圧力に一致させるかまたは近づけることができる。
(5)圧力制御部は、処理室の内部空間と投光部の内部空間とを連結する連結部と、投光部内に不活性ガスを供給する第2の給気部とを含んでもよい。この場合、より簡単な制御で投光部内の圧力を処理室内の圧力に一致させるかまたは近づけることができる。
(6)露光装置は、第1の給気部により処理室内への不活性ガスの供給が開始されてから予め定められた第2の時間が経過した後に、処理室内の気体の排出が停止されるように第1の排気部を制御する第1の排気制御部をさらに備えてもよい。この場合、処理室内の気体の排出が停止された状態で処理室内に不活性ガスがさらに供給される。これにより、処理室内の気体中の酸素濃度をより低下させ、オゾンの発生をより効率よく防止することができる。
(7)処理室は開口を有し、露光装置は、処理室内への基板の搬入および処理室外への基板の搬出の際に開口を開放し、処理室内への基板の搬入後に開口を閉塞する閉塞部をさらに備え、圧力制御部は、連結部に介挿されるバルブと、開口の開放時にバルブが閉止し、開口の閉塞時にバルブが開放するようにバルブを制御する連結制御部とを含んでもよい。この構成によれば、処理室の開口が開放された場合に、処理室外の酸素が処理室を通して投光部内に流入することを容易に防止することができる。
(8)露光装置は、処理室内において、基板が載置される載置部と、処理室内への基板の搬入および処理室外への基板の搬出の際に載置部が処理室内の第1の位置にあり、投光部による基板への真空紫外線の照射の際に載置部が第1の位置よりも投光部に近い第2の位置にあるように、載置部を第1の位置と第2の位置とに移動させる駆動部とをさらに備えてもよい。
この場合、載置部が第1の位置に移動することにより、基板を投光部に干渉させることなく処理室内と外部との間で容易に受け渡すことができる。また、投光部から基板への真空紫外線の照射の際には、載置部が第2の位置に移動することにより、投光部と基板とが近接した状態で基板を効率よく露光することができる。
(9)投光部は、載置部の上方に配置され、真空紫外線を下方に出射し、第2の位置は投光部の下方にあり、第1の位置は第2の位置の下方にあり、駆動部は、載置部を第1の位置と第2の位置との間で昇降させてもよい。この場合、処理室内と外部との間で効率よく基板を受け渡すことができる。
(10)露光装置は、処理室内において、上下方向に延びる複数の支持部材をさらに備え、複数の支持部材の上端は第1の位置よりも高くかつ第2の位置よりも低く、載置部は、複数の支持部材が通過可能な複数の貫通孔を有し、複数の支持部材は、載置部が第1の位置にあるときに載置部の複数の貫通孔を貫通してもよい。
この場合、複数の支持部材は、処理室内に搬入された基板を第1の位置よりも高くかつ第2の位置よりも低い上端において支持可能である。そのため、載置部が第1の位置から上昇することにより、基板を載置部に容易に載置することができる。また、載置部が第2の位置から下降することにより、基板を複数の支持部材の上端に支持させることができる。これにより、基板を複数の支持部材の上端から処理室外に容易に搬出することができる。
(11)駆動部は、第1の排気部により処理室内の気体が排出される際に、載置部が第1の位置よりも上方でかつ第2の位置よりも下方の第3の位置にあるように載置部を移動させてもよい。この場合、第3の位置における載置部の上方および下方の空間は比較的大きいため、酸素が停滞しにくい。そのため、酸素を効率よく排出することができる。
(12)第2の参考形態に係る基板処理装置は、基板に処理液を塗布することにより基板に膜を形成する塗布処理部と、塗布処理部により膜が形成された基板を熱処理する熱処理部と、熱処理部により熱処理された基板を露光する第1の参考形態に係る露光装置と、露光装置により露光された基板に溶剤を供給することにより基板の膜を現像する現像処理部とを備える。
この基板処理装置においては、塗布処理部により基板に処理液が塗布されることにより基板に膜が形成される。塗布処理部により膜が形成された基板が熱処理部により熱処理される。熱処理部により熱処理された基板が上記の露光装置により露光される。露光装置により露光された基板に現像処理部により溶剤が供給されることにより基板の膜が現像される。
露光装置においては、投光部内の圧力が処理室内の圧力に一致されるかまたは近づけられるので、処理室内と投光部内との圧力差がほとんど発生しない。そのため、窓部材に応力が発生することが防止される。この場合、窓部材の厚みを大きくする必要がないので、窓部材の透過率が向上する。これにより、基板の露光処理の効率を向上させることができる。
(13)処理液は、誘導自己組織化材料を含んでもよい。この場合、誘導自己組織化材料を含む処理液が塗布された基板が熱処理されることにより、基板の一面上でミクロ相分離が生じる。また、ミクロ相分離により2種類の重合体のパターンが形成された基板が露光および現像される。これにより、2種類の重合体のうちの一方が除去され、微細化されたパターンを形成することができる。
(14)第3の参考形態に係る露光方法は、第1の排気部により基板が収容された処理室内の気体を排出するステップと、第1の給気部により処理室内に不活性ガスを供給するステップと、透光性の窓部材を有する投光部内の圧力を処理室内の圧力に一致させるかまたは近づけるステップと、処理室内の気体中の酸素濃度が予め定められた濃度まで低下した状態で、投光部により窓部材を通して処理室内の基板に真空紫外線を照射することにより基板を露光するステップとを含む。
この露光方法によれば、投光部内の圧力が処理室内の圧力に一致されるかまたは近づけられるので、処理室内と投光部内との圧力差がほとんど発生しない。そのため、窓部材に応力が発生することが防止される。この場合、窓部材の厚みを大きくする必要がないので、窓部材の透過率が向上する。これにより、基板の露光処理の効率を向上させることができる。
(15)第4の参考形態に係る基板処理方法は、塗布処理部により基板の被処理面に処理液を塗布することにより基板に膜を形成するステップと、塗布処理部により膜が形成された基板を熱処理部により熱処理するステップと、熱処理部により熱処理された基板を露光装置により露光する第3の参考形態に係る露光方法と、露光装置により露光された基板の被処理面に現像処理部により溶剤を供給することにより基板の膜を現像するステップとを含む。
この基板処理方法によれば、膜の形成後でかつ現像前の基板が真空紫外線により露光される。露光方法においては、投光部内の圧力が処理室内の圧力に一致されるかまたは近づけられるので、処理室内と投光部内との圧力差がほとんど発生しない。そのため、窓部材に応力が発生することが防止される。この場合、窓部材の厚みを大きくする必要がないので、窓部材の透過率が向上する。これにより、基板の露光処理の効率を向上させることができる。
100…露光装置,101…連結管,110…制御部,120…処理室,121…上部開口,122…搬送開口,123…開口部,124…支持ピン,125,155…排気口,126,156…給気口,130…閉塞部,131…シャッタ,132,142…連結部材,133,143…駆動装置,140…昇降部,141…載置板,150…投光部,151…ハウジング,152…透光板,153…光源部,154…電源装置,160,170…排気部,180,190…給気部,200…基板処理装置,210…制御装置,220…搬送装置,230…熱処理装置,240…塗布装置,250…現像装置,A…酸素濃度取得部,a1~a8…主管,B,C…排気制御部,b1~b8…枝管,c1,c2…吸引装置,D,E…給気制御部,F…開閉制御部,G…昇降制御部,H…照度取得部,h1…貫通孔,h2…下部開口,I…露光量算出部,J…投光制御部,K…連結制御部,L1…下地層,L2…ガイドパターン,L3…DSA膜,p1~p4…配管,P1~P4…接続ポート,Q1,Q2…パターン,s1…圧力計,s2…酸素濃度計,s3…オゾン濃度計,s4…照度計,v1~v9…バルブ,V1,V2…内部空間,W…基板

Claims (14)

  1. 基板を収容する処理室と、
    光性の窓部材を有し、前記窓部材を通して前記処理室内の基板に真空紫外線を出射するための投光部と、
    前記処理室内の気体を排出するための第1の排気部と、
    前記処理室内に不活性ガスを供給するための第1の給気部と、
    前記投光部内の圧力が前記処理室内の圧力に一致するかまたは近づくように前記投光部内の圧力を制御する圧力制御部と、
    前記処理室内の気体中の酸素濃度が予め定められた濃度まで低下した状態で、前記処理室内の基板に真空紫外線を照射することにより基板を露光するように前記投光部を制御する投光制御部とを備え
    前記圧力制御部は、
    前記処理室の内部空間と前記投光部の内部空間とを連結する連結部と、
    前記投光部内に不活性ガスを供給する第2の給気部とを含む、露光装置。
  2. 前記第1の排気部により前記処理室内の気体の排出が開始されてから予め定められた第1の時間が経過した後に、前記処理室内への不活性ガスの供給が開始されるように前記第1の給気部を制御する第1の給気制御部をさらに備える、請求項1記載の露光装置
  3. 前記第1の給気部により前記処理室内への不活性ガスの供給が開始されてから予め定められた第2の時間が経過した後に、前記処理室内の気体の排出が停止されるように前記第1の排気部を制御する第1の排気制御部をさらに備える、請求項1または2記載の露光装置。
  4. 前記処理室は開口を有し、
    前記露光装置は、前記処理室内への基板の搬入および前記処理室外への基板の搬出の際に前記開口を開放し、前記処理室内への基板の搬入後に前記開口を閉塞する閉塞部をさらに備え、
    前記圧力制御部は、
    前記連結部に介挿されるバルブと、
    前記開口の開放時に前記バルブが閉止し、前記開口の閉塞時に前記バルブが開放するように前記バルブを制御する連結制御部とを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の露光装置。
  5. 基板を収容する処理室と、
    前記処理室内において、基板が載置される載置部と、
    透光性の窓部材を有し、前記窓部材を通して前記処理室内の基板に真空紫外線を出射するための投光部と、
    前記処理室内の気体を排出するための第1の排気部と、
    前記処理室内に不活性ガスを供給するための第1の給気部と、
    前記投光部内の圧力が前記処理室内の圧力に一致するかまたは近づくように前記投光部内の圧力を制御する圧力制御部と、
    前記処理室内の気体中の酸素濃度が予め定められた濃度まで低下した状態で、前記処理室内の基板に真空紫外線を照射することにより基板を露光するように前記投光部を制御する投光制御部と、
    前記処理室内への基板の搬入および前記処理室外への基板の搬出の際に前記載置部が前記処理室内の第1の位置にあり、前記投光部による基板への真空紫外線の照射の際に前記載置部が前記第1の位置よりも前記投光部に近い第2の位置にあり、前記第1の排気部により前記処理室内の気体が排出される際に前記載置部が第3の位置にあるように、前記載置部を前記第1の位置と前記第2の位置と前記第3の位置と昇降させる駆動部とを備え
    前記投光部は、前記載置部の上方に配置され、真空紫外線を下方に出射し、
    前記第2の位置は前記投光部の下方にあり、前記第1の位置は前記第2の位置の下方にあり、前記第3の位置は前記第1の位置よりも上方でかつ前記第2の位置よりも下方にある、露光装置。
  6. 前記第1の排気部により前記処理室内の気体の排出が開始されてから予め定められた第1の時間が経過した後に、前記処理室内への不活性ガスの供給が開始されるように前記第1の給気部を制御する第1の給気制御部をさらに備える、請求項5記載の露光装置。
  7. 前記圧力制御部は、
    前記投光部内の気体を排出するための第2の排気部と、
    前記投光部内に不活性ガスを供給するための第2の給気部と、
    前記第2の排気部により前記投光部内の気体の排出が開始されてから前記第1の時間が経過した後に、前記投光部内への不活性ガスの供給が開始されるように前記第2の給気部を制御する第2の給気制御部とを含む、請求項6記載の露光装置。
  8. 前記第1の給気部により前記処理室内への不活性ガスの供給が開始されてから予め定められた第2の時間が経過した後に、前記処理室内の気体の排出が停止されるように前記第1の排気部を制御する第1の排気制御部をさらに備え、
    前記圧力制御部は、前記第2の給気部により前記投光部内への不活性ガスの供給が開始されてから前記第2の時間が経過した後に、前記投光部内の気体の排出が停止されるように前記第2の排気部を制御する第2の排気制御部をさらに含む、請求項7記載の露光装置。
  9. 前記処理室内において、上下方向に延びる複数の支持部材をさらに備え、
    前記複数の支持部材の上端は前記第1の位置よりも高くかつ前記第2の位置よりも低く、
    前記載置部は、前記複数の支持部材が通過可能な複数の貫通孔を有し、
    前記複数の支持部材は、前記載置部が前記第1の位置にあるときに前記載置部の前記複数の貫通孔を貫通する、請求項5~8のいずれか一項に記載の露光装置。
  10. 基板に処理液を塗布することにより基板に膜を形成する塗布処理部と、
    前記塗布処理部により膜が形成された基板を熱処理する熱処理部と、
    前記熱処理部により熱処理された基板を露光する請求項1~のいずれか一項に記載の露光装置と、
    前記露光装置により露光された基板に溶剤を供給することにより基板の膜を現像する現像処理部とを備える、基板処理装置。
  11. 処理液は、誘導自己組織化材料を含む、請求項10記載の基板処理装置。
  12. 第1の排気部により基板が収容された処理室内の気体を排出するステップと、
    第1の給気部により前記処理室内に不活性ガスを供給するステップと、
    光性の窓部材を有する投光部内の圧力を前記処理室内の圧力に一致させるかまたは近づけるステップと、
    前記処理室内の気体中の酸素濃度が予め定められた濃度まで低下した状態で、前記投光部により前記窓部材を通して前記処理室内の基板に真空紫外線を照射することにより基板を露光するステップとを含み、
    前記処理室の内部空間と前記投光部の内部空間とは、連結部により連結され、
    前記投光部内の圧力を前記処理室内の圧力に一致させるかまたは近づけるステップは、第2の給気部により前記投光部内に不活性ガスを供給することを含む、露光方法。
  13. 第1の排気部により基板が収容された処理室内の気体を排出するステップと、
    第1の給気部により前記処理室内に不活性ガスを供給するステップと、
    透光性の窓部材を有する投光部内の圧力を前記処理室内の圧力に一致させるかまたは近づけるステップと、
    前記処理室内の気体中の酸素濃度が予め定められた濃度まで低下した状態で、前記投光部により前記窓部材を通して前記処理室内の基板に真空紫外線を照射することにより基板を露光するステップと、
    前記処理室内への基板の搬入および前記処理室外への基板の搬出の際に、基板が載置される載置部が前記処理室内の第1の位置にあり、前記投光部による基板への真空紫外線の照射の際に、前記載置部が前記第1の位置よりも前記投光部に近い第2の位置にあり、前記第1の排気部により前記処理室内の気体が排出される際に、前記載置部が第3の位置にあるように前記載置部を昇降させるステップとを含み、
    前記投光部は、前記載置部の上方に配置され、真空紫外線を下方に出射し、
    前記第2の位置は前記投光部の下方にあり、前記第1の位置は前記第2の位置の下方にあり、前記第3の位置は前記第1の位置よりも上方でかつ前記第2の位置よりも下方にある、露光装置。
  14. 塗布処理部により基板の被処理面に処理液を塗布することにより基板に膜を形成するステップと、
    前記塗布処理部により膜が形成された基板を熱処理部により熱処理するステップと、
    前記熱処理部により熱処理された基板を露光装置により露光する請求項12または13記載の露光方法と、
    前記露光装置により露光された基板の被処理面に現像処理部により溶剤を供給することにより基板の膜を現像するステップとを含む、基板処理方法。
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