JP2015119119A - 基板処理方法および基板処理装置 - Google Patents

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博昭 老泉
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Abstract

【課題】マスク膜のラフネスをウエハの上面の全体に亘って均一に低減することのできる基板処理方法および基板処理装置を提供する。【解決の手段】マスクとしてのレジスト膜を上部に有する膜構造をその上面に備えた基板を処理容器内部の室内に配置し、所定圧力にされた前記室内に不活性ガスを供給しつつ当該室内を排気すると共に、前記レジスト膜に波長200nm以下の真空紫外線光を照射してこのレジスト膜の表面を処理する。【選択図】 図1

Description

本発明は、容器内部の処理室内に配置された基板を内部に供給した処理用ガスを用いて処理する基板処理装置および基板処理方法に係り、特に半導体素子を製造するための基板上に予め形成された処理対象の膜及びこの膜の上方に配置され処理用のパターンマスクとしての有機物の成分を有する所謂レジスト膜を有する膜構造に真空紫外線光を照射して処理する基板処理装置および基板処理方法に関する。
近年、半導体デバイスの微細化に伴い、半導体デバイスを製造するための半導体ウエハ等の基板上に予め形成された複数薄膜が積層された膜構造でのレジスト膜によるエッチング処理用のマスク(レジストマスク)のパターン、特に線状のパターン(ラインパターン)の形状が基準のものからのバラつく量やゆらぎが、基板から製造されるデバイスの性能へ与える影響が顕在化している。パターンの形状の基準のものからの変動の量としてのラフネスは、LER(Line Edge Roughness:ライン端の位置のばらつき)、あるいはLWR(Line Width Roughness:ライン幅のばらつき)を指標として表現される。
このLERまたはLWRの半導体デバイスの性能への影響については、パラメータとして短周期ラフネス(F1)と長周期ラフネス(F2)に大別されることが知られている。このような、短周期及び長周期のラフネスについて図5を用いて説明する。図5は、マスクパターンのばらつきの態様を模式的に示す図である。
この図に示す前者の短周期ラフネス(F1)は、個々のデバイス(本例ではトランジスタ)51の図上上下方向の幅に比べて周期の短いLWRである。このような短周期ラフネスは局所的にゲート52のゲート長を短くし、その結果ショートチャネル効果を引き起こし、リーク電流が増加し、しきい値電圧を下げることに繋がる。
後者の長周期ラフネス(F2)は、個々のデバイス51の幅よりも周期の長いLWRであり、これは複数のデバイス51にわたるゲート長のゆらぎを引き起こし、LSIの回路内での個々の素子の性能のばらつきの原因となる。特に、193nm(ArF)リソグラフィで形成されたArFレジストパターンよりも、極端紫外線(以下、EUVと略す)を使用したリソグラフィ、いわゆるEUVリソグラフィにおいて形成されたEUVレジストパターンでは、より微細なパターン用の加工に使用するため、LWR低減への要求が強くなっている。
このようなラフネスを低減する従来技術としては、例えば、特許文献1に記載されているものが知られている。この従来技術では、ガス供給装置と真空排気装置が接続され内部が減圧可能な容器と、該容器の内部にプラズマを発生させるプラズマ発生手段から成る200nm以下の波長を含む真空紫外線光(以下、「VUV光」と称す)を発するプラズマ光源と、容器の内部においてプラズマ光源と被処理材を載置するステージとの間にプラズマ中の電子、イオン、ラジカルを透過せず、200nm以下の波長を含むVUV光を透過する、被処理材よりも外径サイズの大きいVUV透過フィルタを設けた処理装置を用い、ウエハ上面の全体亘りVUV光を照射して再現生良くウエハを処理するものが開示されている。また、VUVを用いた処理では、VUV透過フィルタとステージとの間の処理用の空間に反応ガスを導入してウエハを処理しても良いことが開示されている。
また、特許文献2に開示されるように、処理用の空間内でNmHnガスを活性化して、例えばイオン注入されたレジストの灰化・除去等を行なう技術が知られている。また、ガスプラズマにレジストパターンを晒す処理、いわゆるプラズマキュア処理することにより、レジストパターンのLWRの低減を図る技術が非特許文献1に開示されている。
国際公開WO2011/062162号公報 特開2005-158796号公報
L. Azarnoucheら:Proc. of SPIE Vol. 8328 (2012) 83280H.
上記の従来技術は、次の点について十分に考慮されていなかったため、問題が生じていた。
すなわち、特許文献1や特許文献2は、マスクとして所定の形状にそのパターンが予め形成されたレジスト膜を有する膜構造を備えた基板上にVUV光を照射しその膜パターンの形状を所望のものに近づけるよう修正する(キュア)することにより,レジスト膜のラフネス、特にLWRを低減するものが開示されている。このようなレジスト膜の有するパターンのLWRが低減される理由は以下のようなものであると推定される。
レジスト膜にVUV光が照射されると、有機物からなるレジストはVUV光を吸収して化学反応を起こして材料が分解されて、そのパターンを構成する表面の一部が流動(フロー)する。マスクパターンのLWRの原因であるパターン表面あるいは側面の凹凸が、このようなレジスト膜の部分的なフローにより埋まるので、レジストパターンのLWRが低減される(キュアされる)ことに繋がる。
特許文献1に開示の従来技術では、処理容器内の処理用の空間にはウエハ載置用の試料台が配置され、レジストパターンがその上面に形成されたウエハが載置される。ここで、VUV光源から発せられたVUV光は処理透過窓を介してウエハに照射されると、レジストパターンよりアウトガスが発生する。また、VUV光は試料台のウエハ外周側の部分にも照射されるため、試料台からもアウトガスが発生する。
これら発生したアウトガスはレジスト膜をキュアする処理において不純物となってマスクパターンの調節や修正の量を損なうものとなってしまう虞が有る。例えば、処理容器内部は排気されているが、非特許文献にも記載されているように、レジストから発生したアウトガスがレジスト膜の溝パターンの側壁の表面に再付着する可能性もある。
アウトガスがこのようにレジスト膜に再付着するとLWRが悪化するため、キュアの処理によるLWRの量の低減を阻害してしまう。その直径が300mm以上を有する大口径のウエハに対してキュアの処理を施す場合に、上記アウトガスがLWRの低減、あるいはウエハ上面の面内方向についての低減の量の均一性に悪影響を及ぼしてしまうという問題について、上記従来技術では考慮されていなかった。
発明者らは、VUV光を照射することによりウエハ全面に亘ってレジスト膜のパターンにおけるLWRを低減する技術を検討し、大口径のウエハ上面の全体にレジスト膜のパターンが形成された膜構造に対して、VUV光を照射して処理を実施した後のレジスト膜のパターンのLWRの低減効果を調べた。
さらに、レジスト膜のパターンが形成されたウエハの一部を切り出したクーポンを同様に処理し、LWRの低減効果を調べたところ、ウエハ上面全体の場合とウエハの一部を切り出したクーポンではLWRの低減効果が著しく異なるものとなるという知見を得た。すなわち、ウエハの一部を切り出したクーポンの場合に比較してウエハ上面の全面を処理したものは、そのLWRの低減効果が著しく低いものとなることが判明した。
発明者らがこのような現象を検討した結果、ウエハ全面を処理した場合では大面積のレジストから多量のアウトガスが発生し、LWRの低減効果を抑制すること、さらにVUV処理容器内にVUV光を試料に照射しながら不活性ガスを含んで構成されたキャリアガスを導入し、発生したアウトガスをウエハの近傍および処理容器の内部から除外することにより、大口径のウエハを全面した処理の場合でも、ウエハの一部を切り出したクーポンを処理した場合と同等レベルのLWRの低減効果が得られることを知見として得て本発明を完成させたものである。
本発明の目的は、真空容器内部において基板上面に予め形成されて配置された複数の膜構造を処理するものにおいて、パターニングされたレジストから構成されたマスク膜のラフネスをウエハの上面の全体に亘って均一に低減することのできる基板処理方法および基板処理装置を提供することにある。
上記目的は、マスクとしてのレジスト膜を上部に有する膜構造をその上面に備えた基板を処理容器内部の室内に配置し、所定圧力にされた前記室内に不活性ガスを供給しつつ当該室内を排気すると共に、前記レジスト膜に波長200nm以下の真空紫外線光を照射してこのレジスト膜の表面を処理することにより達成される。
本発明によれば、基板を均一に処理することに好適なVUV光を用いた処理装置を提供でき、また、露光装置によりパターニングされた微細ラインのラフネスを低減して、基板上に形成されたレジスト膜のパターンをマスクとする高精度なエッチング処理を実現することができる。
図1は、本発明の実施例に係る基板処理装置の構成の概略を示す縦断面図である。 図1に示す実施例の変形例に係る基板処理装置の構成の概略を示す縦断面図である。 図1に示す実施例の別の変形例に係る基板処理装置の構成の概略を示す縦断面図である。 図2に示すガス供給プレートの構成の概略を示す平面図および側面図である。 マスクパターンのばらつきの態様を模式的に示す図である。
本発明の実施の形態を図1乃至4を参照して説明する。
以下、本発明の実施例を図1を用いて説明する。図1は、本発明の実施例に係る基板処理装置であってVUV光を用いて装置の内部の空間に配置された半導体ウエハ等の基板上に配置された膜構造のレジスト膜を処理してそのマスクパターンの形状を調節(キュア)する装置の構成の概略を示す縦断面図である。この図において、本実施例の装置は、プラズマからVUV光が供給される装置である。
本実施例の基板処理装置は、大きく分けて、各々がその内部を所定の真空度まで減圧される真空容器であるプラズマ生成容器1とその下方で後述するVUV光が透過する板状の部材により仕切られて配置された処理容器2とを備えて構成される。上部に位置するプラズマ生成容器1は、その内部にプラズマが形成される円筒または円板形の空間(プラズマ生成室)を有した真空容器であって、その側壁にプラズマ生成用のガスのガス源であるガス供給装置3と連結され当該ガスが内部を通流するガス管路が接続され、管路の開口がプラズマ生成室に面してガス管路と連結されている。
プラズマの生成に用いるガスは、波長172nm以下のVUV光を生じる種類のガス、例えば、水素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガス、キセノンガス、臭化水素ガス、窒素ガスなどの単ガスおよびこれらを含む混合ガスが用いられる。光源部10としてのプラズマ生成容器1内のプラズマ生成室でプラズマを生成する手段として、本実施例ではガスを励起させる高周波の電力が印加される対向した平板状の電極を用いる平行平板型放電を用いている。
本実施例では、均一なプラズマが生成可能であれば、プラズマの形成に用いる手段は上記平行平板型のものに限られるものでは無く、他の手段、例えば、誘電体バリア放電、マイクロ波放電、ECR放電、ICP放電、マグネトロン放電、ホローカソード放電、DC放電などを用いても良い。さらに、プラズマ生成容器1はプラズマ生成室に面して開口された排気口を介して真空排気装置(図示省略)が接続され、プラズマ生成室内に供給されたガスやプラズマ中の粒子とともにプラズマ生成室内を排気して内部の圧力を所定の真空度の低い圧力に維持している。
プラズマ生成容器1とその下方に配置され内部に処理対象のウエハが配置され内部の処理室が円筒形または円板形を有した真空容器である処理容器2は、その上面がプラズマ生成容器1内部のプラズマ生成室の下面を構成しその下面が処理容器2内部の処理室の天井面を構成するVUV透過窓4によって気密に区画されている。VUV透過窓4は、プラズマにより生成された波長172nmのVUV光が透過可能な合成石英、MgF2、CaF2、LIF、サファイア等の材料で構成された板状の部材であって、円板形状を有したウエハの形状に合わせ、ウエハより大きな径を有した円板形状を有している。VUV透過窓4は外周縁部がこれと接するOリング等のシール部材によりその内外が気密に区画されるとともに、内外の気圧の差による押し付け力に耐えられるだけの強度を有したものである。
真空容器である処理容器2内部の処理室内の下部には、VUV透過窓4にその上面が対向して配置されたウエハステ−ジ6が配置されている。ウエハステ−ジ6の上面には、その表面上に、露光装置により形成されたマスクパターンを有したレジスト膜を含む複数の膜が上下に積層された膜構造を有したウエハ5が図示しないロボットアーム等の搬送装置により搬送されて載置される。
VUV光によるレジスト膜の処理を実施する際には、まず、処理容器2の側壁の外側に連結され処理容器2内部の処理室と連通された真空ポンプ22を含む真空排気装置21を駆動させて、処理容器2内部の処理室内に残留したガスを真空排気する。その後、当該処理室内に実質的に純度が100%の不活性ガスからなるキャリアガスをガス源であるガス供給装置7から処理容器2の側壁に接続された管路を介して導入する。
処理容器2内部の処理室に面して開口された供給孔からガス供給装置7からのキャリアガスを処理室内に供給しつつ真空排気装置21の動作により真空ポンプ22に連通した排気口から処理室内部が排気され、ガスの供給の量と排気の量とのバランスにより処理室内を所望の圧力の値にされる。この圧力が維持された状態で処理室2内に配置されたウエハ5に上方のプラズマ生成室からのVUV光がVUV透過窓4を介して照射される。
本実施例では、基板処理装置は、ガス供給装置7に備えられたガス流量の調節器であるマスフローコントローラー(図示省略)、処理室と連通して内部の圧力を検知する圧力計8と、真空排気装置22を構成するとともに真空ポンプ22と排気口との間の排気流路上に配置され回転して排気流路の断面積を増減させる板状部材を有したフラップバルブである圧力制御バルブ23との動作を図示しない制御装置からの指令信号により制御することで、キャリアガスを所望の流量、圧力で流しながら行なうウエハ5のVUV処理を実施する。
処理室に導入されるキャリアガスとして本実施例は、波長172nmのVUV光を実質的に吸収しない不活性ガスである、アルゴンガス、ネオンガス、クリプトンガス、キセノンガス、窒素ガスの何れか一種類またはこれら複数を組合せて混合させたガスを使用する。これらの不活性ガスは、不活性ガス以外の不純物は実質的に含有しないことが望ましい。
本実施例の基板処理装置におけるVUV処理において、処理容器2内に配置されレジスト膜のマスクパターンがその上面に形成されたウエハ5に対しVUV光を照射するキュア処理を行うと、レジスト膜やステージ等の処理室内に配置された部材の表面からアウトガスが発生する。この為、キュア処理中には処理室内に不活性ガスと共にアウトガスに起因する不純物が存在することになる。このような不純物は、キュア効果すなわちLWR低減に悪影響を及ぼす可能性があることから、処理室に供給する不活性ガスは不純物を含有しない又はこれを出来るだけ低減させたものにすることが望ましい。
次に、上記基板処理装置において、事前にマスクがパターニングされた膜構造を上面に有するウエハ5をキュア処理する場合の動作について説明する。なお、本実施例において、ウエハ5は全面にEUVレジストパターンが形成された半導体ウエハであり、処理容器2内部の処理室には、キャリアガスとしてアルゴンガスを導入するものである。
さらに、本実施例では、処理室内を排気してその内部の圧力を所定の真空度まで一旦減圧させた後、圧力(この場合、2.9kPa)まで再度増加させアルゴンガスを特定の流量(本例では1320SCCM)で供給する。この状態で、プラズマ生成室内に形成したプラズマより発光されるVUV光をVUV透過窓4を通してウエハ5に上方から照射する。照射されたVUV光によりレジスト膜のパターン表面の材料が分解されてパターンの表面上にレジストのフローが生起される。
この際、VUV光を吸収したレジスト膜やステージ等の処理室内部から発生するアウトガスは、キャリアガスであるアルゴンがウエハ5の上面近傍に存在するため、レジスト膜の溝や孔パターンの側壁等の表面には再度付着せず、キャリアガスの流れと共に真空ポンプ22の動作によって処理室外に排気される。このため、レジスト膜のパターンにおける、パターンの表面あるいは側面に生じるフローまたはこれによるパターンの表面の凹凸が埋まる作用が損なわれることが抑制され、VUV光のキュアによるLWRの低減が効果的に実施される。
次に、上記のウエハ5に対するキュア処理の前後で、レジスト膜のマスクパターンのLWRをウエハ5の上面全体に亘って、SEM(Scanning Electron Microscope,走査型電子顕微鏡)を用いた測定した。この結果、ウエハ5の上面全体におけるLWRの平均値は、キュア前:4.0nm、キュア後:3.4nmであり、ウエハ5の上面全体に亘るVUV処理によりLWRを低減できる効果が認められた。
次に、レジスト膜のマスクパターンを上面に備える膜構造が上面に形成されたウエハ5の一部を切り出したクーポンをベアシリコンウエハの中心位置に貼り付けたサンプルをついて、同じ基板処理装置を使用して、同じキュア条件で処理した後、クーポン上のレジスト膜のパターンのLWRを測定した。この結果、LWRは3.2nmであった。このことから、ウエハ5の上面全体でLWRを低減する効果は、ウエハの一部を切り出したクーポンのそれとほぼ同等であるという知見を得た。
また、比較例として従来技術による基板処理装置を用いてEUVレジスト膜のマスクパターンが形成された膜構造をウエハ上面の全体に亘り有するものを試料としてVUV光によるキュア処理を行った。本例において、VUV光を照射する間の処理容器内部の処理室内は真空排気されている。
また、レジスト膜のマスクパターンの表面に吸収されるVUV光の積算フルエンスは実施例と同じものとした。このようなキュア処理を実施する前後でSEMによりLWRをウエハ上面の全体に亘りで測定した結果、ウエハ上面の全体でのLWRの平均値は、キュア前:4.0nm、キュア:3.8nmであり、顕著なLWRの低減効果は得られないことが判った。
次に、図2および図4を用いて上記実施例の変形例を示す。図2は、図1に示す実施例の変形例に係る基板処理装置の構成の概略を示す縦断面図である。
本例の基板処理装置においては、その上部に実施例と同様の構成を有したVUV光源10が配置されたプラズマ生成容器1が、その下部に配置された処理容器2を備え、これらの間が誘電体製のVUV透過窓4により気密に仕切られている。また、処理容器2内部の処理室内の下部には、VUV透過窓4にその上面を対向して配置されたウエハステ−ジ6が備えられている。また、ウエハステ−ジ6上面のウエハ載置面には、被処理材である基板であってその上面に別の箇所に配置された露光装置によりレジスト膜のマスクパターンが上部に形成された膜構造を有したウエハ5が載置される。
本例においては、VUV透過窓4の下側であってウエハステージ6の載置面との間には、処理室の天井面を構成するガス供給プレート9が配置されている。ガス供給プレート9は、VUV透過窓4と同様に波長172nmのVUV光を透過可能な材質、例えば合成石英等の誘電体製の材料で構成されている。
図4を用いてガス供給プレート9の詳細を示す。図4は、図2に示すガス供給プレートの構成の概略を示す平面図および側面図である。本図において、ガス供給プレート9は、円形の平面形を有した板状の部材であって、図4(a)に示すようにその中央部に複数の貫通孔が配置され処理室への処理ガス用の供給孔9’として用いられる。
図2に示すように、VUV透過窓4とガス供給プレート9とは、これらの間に上下方向に所定の隙間が開けられて上下に対向して配置されている。さらに、これらの間の隙間には、処理用のガスを供給するガス源であるガス供給装置7が処理用のガスが内部を通流する管路により連結されて、管路を通して供給された処理用のガスは、VUV透過窓4とガス供給プレート9との間の隙間内部で分散して、下方のウエハ5の中心と合致させて配置されたガス供給プレート9の中心周りに複数の半径位置での周方向に等しい間隔の角度毎に配置された複数の供給孔9’を通って処理室内のウエハ5に対して上方から処理用のガスが分散して供給され処理の不均一を抑制できるように構成されている。
また、処理容器2内部の処理室には、ウエハステージ6の外周側にこれを囲んで排気口24が配置されている。排気口24は、リング状に配置された少なくとも一つ以上の開口で、複数の開口から構成される場合には、ウエハステージ6の実質的に円形を有した載置面の中心の周りにおいて、これに同軸で等しい角度の範囲となる位置に配置されている。
さらに、排気口24は、その下方であってウエハステージ6の直下方で上記載置面の中心とその中心軸が合致させて配置された処理室の排気開口と連通され、排気開口は、下方に配置された真空ポンプ等から構成された真空排気装置21と連結され、これらの間の排気用の通路にはその断面積を回転して増減させる圧力制御バルブ(図示省略)が配置されている。また、処理容器2は、ガス供給プレート9より下方に配置された開口と連結され処理容器2内の処理圧力をモニタする圧力計8を有している。
このような基板処理装置を用いたウエハ5のVUV処理の動作を説明する。まず、処理容器2の内部を排気口24を通して排気開口から排気し、処理室内に残留したガスを排出して内部を所定の圧力にまで低下させた後に、キャリアガスまたは反応ガスを処理室内に導入し、プラズマ生成室で形成されたプラズマの発光に含まれるVUV光を処理に適した所望の圧力下でウエハ5の上面の膜に照射する。
VUV光を用いたレジスト膜の処理に用いられるキャリアガスまたは反応ガスを含む処理用のガスは、ガス供給装置7から導入されるものであり、ガス供給プレート9の複数の供給孔9’を介してウエハ5の上方から処理室内に供給される。VUV光を透過可能なガス供給プレート9を備えた本例の基板処理装置では、ガス供給装置7から供給されるガスのうちで反応ガスがまずVUV透過窓4とガス供給プレート9との間の隙間の内部で励起される。
隙間内で励起された反応ガスは、ガス供給プレート9に設けられた複数の供給孔9’から下方のウエハ5に向かって処理室内に流入し、ガス供給プレート9を介して照射されたVUV光を吸収したレジスト膜のマスクパターンの表面の材料と反応する。一方、キャリアガスはVUV光を実質的に吸収しないため励起されない状態で、ガス供給プレート9に設けられた複数の供給孔9’からウエハ5の上面に導入される。
ウエハステージ6の外周側に排気口24があるので、処理室内に流入した反応ガスおよびキャリアガスはウエハ5の外周側に向って流れウエハ5の中心周り方向について単位面積当たりの排気量の不均一が低減された状態で排出される。VUV光の照射によりレジスト膜からアウトガスが発生するが、アルゴン等の不活性ガスで構成されたキャリアガスがウエハ5の近傍に導入されているため、レジスト膜から発生したアウトガスはキャリアガスのウエハ5の外周に向う流れと共に移動してレジスト膜のマスクパターン表面には再度の付着をせずに、キャリアガスとともに排気口24から下方の排気開口を介して処理容器2外に排気される。
なお、本例の基板処理装置では、ガス供給装置7に備えられた流量調節装置であるマスフローコントローラー(図示省略)、圧力計8、及び真空排気装置21と排気開口との間に配置された圧力制御バルブを制御することにより、キャリアガスまたは反応ガスを所望の流量で流しつつウエハ5の処理に適した圧力下で処理を実施することができる。キャリアガスとしては波長172nmのVUV光を実質的に吸収しない不活性ガスとして、アルゴンガス、ネオンガス、クリプトンガス、キセノンガス、窒素ガスを使用することが出来る。また、反応ガスとしては、波長172nmのVUV光を実質的に吸収するガスならば適用可能であるが、特に波長172nmのVUV光をよく吸収する臭化水素(HBr)、四塩化珪素(SiCl4)、塩素(Cl2)が望ましい。
次に、本例の基板処理装置により、キャリアガスとしてアルゴンガス、反応ガスとして臭化水素(以下、HBrと記す)ガスを用いて、パターニングされたマスクとしてのレジスト膜をキュア処理する動作について説明する。なお、本例において、ウエハ5はEUVレジスト膜のマスクパターンが形成された基板であり、処理容器2内部の処理室には、キャリアガスとしてアルゴンガスを、および反応ガスとしてHBrガスを導入し、処理室内の圧力を処理に適した圧力(本例では、1.0kPa)まで増加させ、アルゴンガスおよびHBrガスを所定の流量(本例では、アルゴンガス流量1000SCCM、HBrガス流量320SCCM)で供給した状態で、プラズマ生成室で生成されたプラズマから発光されるVUV光をVUV透過窓4及びガス供給プレート9を介して処理室内に導入しウエハ5上面に照射した。ここで、レジスト膜のパターンへ吸収されるVUV光の積算フルエンスは実施例と同じとした。
本例においても、VUV光をレジスト膜のパターン表面に照射すると、ウエハ5上面の膜構造のレジスト膜やウエハステージ6等の処理容器内部からアウトガスが発生する。しかし、ウエハ5の中心部から外周側に配置された排気口24へ向かう方向のアルゴンガスの流れがウエハ5上面上方に近傍に存在するため、また、排気口24はウエハステージ6外周側においてウエハ5またはその載置面の中心周りの方向に角度位置が均等となるように配置されている為、アウトガスはアルゴンガスの流れと共に移動してレジスト膜のパターン表面に再付着せず、排気口24を通り処理室外に排気される。
さらに、反応ガスであるHBrガスはVUV透過窓4とガス供給プレート9との間の隙間内部で励起され、ガス供給プレート9に設けられた複数の供給孔を通り不均一さが低減された状態で処理室内に導入される。処理室内に流入した反応ガスはVUV光を吸収したレジスト膜のマスクパターン表面と反応する。HBrと反応したレジスト膜はBrを含有しており、このレジスト膜の材料と反応ガスとが反応することによりパターン表面においてレジスト膜の材料がフローを起こしパターンの表面あるいは側面の凹凸が埋まりLWRが低減される。
次に、本変形例におけるキュア処理の前後におけるレジストパターンのLWRをウエハ上面の全体に亘りSEMを用いて測定した結果を示す。ウエハ上面の全体におけるLWRの平均値は、キュア前:4.0nm、キュア後:3.3nmであり、ウエハ上面の全体でのLWRを低減する効果が認められた。
次に、レジスト膜のパターンが形成されたウエハの一部を切り出したクーポンをベアシリコンウエハの中心位置に貼り付けたサンプルを準備し、本変形例の基板処理装置を使用して、同じ条件でVUV光を用いたキュア処理を実施した後、クーポン上のレジスト膜のパターンのLWRを測定した。この結果、LWRは3.2nmであった。このことから、ウエハ5上面の全体における上記キュア処理によるLWRを低減する効果は、ウエハの一部を切り出したクーポンのそれとほぼ同等の値を得たと判断した。
また、反応ガスとしてHBrガスを供給しVUVキュアを実施したレジストについてXPS分析を実施した結果では、Br(臭素)に対応したピークが検出され、膜中に10atomic%以上のBr原子が含まれていることが確認できた。
また、キュア処理の前後で、各々のウエハ5をベーク処理したパターンをFE−SEMで観察したところ、キュア前では170℃以上のベークでパターンの著しいフローが観察され、一方、キュア後では110℃以上のベークでパターンの著しいフローが観察された。この結果から,反応ガスとしてHBrガスを供給してキュア処理をおこなったことにより、レジストパターンのガラス転移温度が低下したのを確認できた。
以上から、発明者らは、本例においてHBrガスを供給してVUVキュア行った結果、HBrがVUV光による励起によりHとBrに解離され、Brがレジスト膜に供給され作用し、レジスト膜のパターンの表面のガラス転移点が低下し、パターンがよりフローしやすくなった為、パターンの表面あるいは側面の凹凸が埋まりその結果、LWRが低減したと判断した。
図3を用いて、本発明の基板処理装置の別の変形例を説明する。図3は、図1に示す実施例の別の変形例に係る基板処理装置の構成の概略を示す縦断面図である。
本例において、図1または図2の例との相違の一つは、VUV光の光源をプラズマにかわりエキシマランプとした点である。この例の場合、処理容器2の上部に配置されたランプハウス11の内部に波長200nm以下の誘電体バリア放電を用いた複数の円筒状エキシマランプ12がこれらの軸を水平方向に平行配置されている。
円筒上エキシマランプ12としては、波長172nmのエキシマ光を放出するキセノンエキシマランプ、波長126nmのアルゴンエキシマランプ、波長146nmのクリプトンエキシマランプ、波長193nmのArFエキシマランプ等を用いることができる。また、ランプハウス11と処理容器2とは、実施例と同様に、これらの内部の間がVUV透過窓4で気密に区画されている。ランプハウス11には、ガス導入口(図示省略)とガス排出口(図示省略)が配置されており、ランプハウス内に窒素ガスを導入して内部を窒素雰囲気に置換することにより、内部にO2が存在した場合にこれによるVUV光の減衰を抑制している。
処理容器2内部においてVUV透過窓4の下側には変形例と同様に、複数の供給孔9’を有したガス供給プレート9が配置されており、VUV透過窓4とガス供給プレート9との間の隙間には処理用のガスを供給するためのガス源であるガス供給装置71がその内部を処理用ガスが通流する管路を介して連結されている。また、ガス供給装置には図示しないマスフローコントローラーが配置されている点も同様である。
ガス供給プレート9とその下方のウエハステージ6の上面との間には、キャリアガスを均一に導入するためのガス供給リング14が配置され、処理容器2及びランプハウス11の外部に配置されたキャリアガス供給装置72と連結されている。ガス供給リング14は、ウエハ5の上方からウエハ5に対して放射状で周方向により均等にキャリアガスを供給できるよう、ウエハ5の周方向についてその中心の周りに均等な角度位置に配置され、ウエハ5の外周から中央部に向けた方向に開口を有したガス導入孔を複数有している。
光源部10と処理容器2との間にガス供給リング14を設けた場合、ガス供給リング14によるVUV光の遮蔽効果により、VUV光の照射光強度の均一性低下が生じる可能性がある。このため、本例では、ガス供給リング14を処理容器2内部の処理室内であってVUV透過プレート4またはガス供給プレート9の下方に配置した。
また、ガス供給リング14の内径dが処理ウエハ5の外径より大きい場合は、ガス供給リング14を構成する材料として、例えば、ステンレス、アルミなど使用することが可能であるが、内径dが処理ウエハ5の外径よりも小さい場合には、リングを構成する材料として、たとえば光源部10がキセノンエキシマランプの場合では波長172nmのVUV光が透過可能な合成石英、MgF2、CaF2、LIF、サファイア等とする必要がある。
処理容器2には図2に示す変形例と同様に、ウエハステージ6の外周側にこれを囲んで中心軸の周りに均等に排気口24が配置され、当該排気口24は圧力制御バルブを介して真空排気装置21が連結されている。また、処理容器2にはガス供給リング14より下方に圧力計8と連結された開口が配置されており、圧力計8により処理室内の圧力をモニタした結果を用いて、図示しない制御装置からの信号に応じて圧力制御バルブの動作または処理用のガスの供給量を調節するマスフローコントローラーの動作を制御することにより、キャリアガスまたは反応ガスを独立に所望の流量で制御しながら供給して所望の処理を実施できる。
次に、本変形例により、キャリアガスとしてアルゴンガス、反応ガスとしてHBrガスを用いて、パターニングされたレジスト膜をキュア処理する動作について説明する。なお、本例において、ウエハ5はEUVレジスト膜のマスクパターンが形成された試料である。
まず、第一のプロセスとして、処理容器2内部の処理室には、キャリアガスとしてのアルゴンガスをガス供給装置72およびガス供給リング14を介して不均一さを低減して導入し、処理室内の圧力を所望の圧力(本例では、0.75kPa)まで増加させ、アルゴンガスを所定の流量(本例では、アルゴンガス流量1000SCCM)で供給した状態で、VUV透過窓4及びガス供給プレート9を介してエキシマランプ12より発光されるVUV光を処理室内に導入しウエハ5上面に照射した。
この際、VUV光を吸収したレジスト膜のパターン表面やウエハステージ6等の処理室内部の部材の表面からアウトガスが発生する。しかし、ウエハ5の外周側に向うアルゴンガスの流れがウエハ5上面の上方の空間に存在するため、また、排気口24がウエハステージ6外周側であってこれを囲んで配置されているため、発生したアウトガスはレジスト膜のパターン表面に再付着せず、排気口24を通りウエハステージ6の下方の排気開口から処理容器2外に排気される。
本例では、ここで、レジスト膜パターンへ吸収されるVUV光の積算フルエンスが実施例および変形例の半分の値でVUV光の照射をやめ、キャリアガスの供給を停止した。次に、第二のプロセスとして、処理容器2には、反応ガスとしてHBrガスをガス供給装置71およびガス供給プレート9から処理室内に導入し、処理室内の圧力を処理に適した所望の圧力(本例では、0.34kPa)まで増加させ、HBrガスを所定の流量(本例では、HBrガス流量320SCCM)で供給した状態で、ウエハ5にエキシマランプより発光されるVUV光を照射した。
この際、第一プロセスを経ているため、レジスト膜から発生するアウトガスは相対的に少なくなっているか消失しており、第二のプロセスではアウトガス量は相対的に少なくなっているため、レジスト膜のパターン表面へのアウトガスの再付着の影響は実施例または変形例よりも軽減される。なお、本変形例では、レジスト膜のパターンへ吸収されるVUV光の積算フルエンスが第一と第二プロセスの合計で実施例および変形例と同じ値になるように、照射時間を調整している。
本例では、第一プロセスとして、キャリアガスを供給しながらのVUV光によるレジスト膜のキュア処理、第二プロセスとして反応ガスを供給しながらのVUV光によるキュア処理を開示したが、このプロセスのみでなく、例えば第一プロセスとして、キャリアガスを供給しながらのVUV光の照射によるキュア処理を行い、次に連続して、反応ガスを供給しつつキャリアガスと反応ガスを同時に供給しながらVUV光を照射してキュア処理を実施しても良い。
以上の記載した例では試料としてのウエハ5は、上部にEUVレジスト膜のマスクパターンが形成された膜構造をその上面に備えたものを用いたが、(ドライまたは液浸による)ArFレジスト膜のマスクパターンを有した膜構造を備えたものでも良い。露光機(ArF露光機、EUV露光機等を用いることができる)で露光した後、現像して、レジストパタ−ニングしたウエハ5を、VUV光を用いた上記実施例または変形例に係る基板処理装置に反応ガスを供給することでキュア処理を実施し、マスクパターンのラフネスを低減した後、このレジストをマスクとして、レジストの下地膜をプラズマ等でエッチングすることにより、短周期、長周期ラフネスの小さい微細加工を実現することができる。
また、自己組織化材料(DSA:Directed Self Assembly)によるマスクパターンを形成した後に上記実施例または変形例に係る基板処理装置を用いてキュア処理を実施しても良い。ブロック共重合体コーティング、アニール処理による配列、ドライエッチングやウェットエッチングによる選択的エッチングによるパターニング後に、上記実施例または変形例に係るVUV光による基板処理装置を用いてレジスト膜のマスクパターンの短周期、長周期ラフネスを低減した後、レジスト膜の下地膜をプラズマ等でエッチング処理することで、加工結果としての形状のバラつきが小さい処理を実現することができる。
また、上記の例ではアプリケーションとして、レジスト膜のマスクパターンのLWRの低減を目的としたキュア処理への適用例を示したが、VUV光を用いた基板処理装置を適用できる他の処理としては、Low−k膜キュア、反射防止膜キュア、レジスト下地膜キュア、多層マスク材料のキュア等、有機材料(特に塗布系材料)のベタ膜のキュア、改質が挙げられる。また、無機材料(特に蒸着、スパッタ、CVD等での成膜材料)のキュア、改質に適用しても良い。
1…プラズマ生成容器、2…処理容器、3ガス供給装置、4…VUV透過窓、5…ウエハ、6…ウエハステ−ジ、7…ガス供給装置、8…圧力計、9…ガス供給プレート、10…光源部、11…ランプハウス、12…円筒上エキシマランプ、14…ガス供給リング 、21…真空排気装置、22…真空ポンプ、23…圧力制御バルブ、24…排気口、51…トランジスタ、…52…ゲート、71…反応ガス供給装置、72…キャリアガス供給装置。

Claims (8)

  1. マスクとしてのレジスト膜を上部に有する膜構造をその上面に備えた基板を処理容器内部の室内に配置し、所定圧力にされた前記室内に不活性ガスを供給しつつ当該室内を排気すると共に、前記レジスト膜に波長200nm以下の真空紫外線光を照射してこのレジスト膜の表面を処理する基板処理方法。
  2. 請求項1に記載の基板処理方法であって、
    前記室内に配置され前記基板が載せられる試料台の周囲に配置されこの基板または基板が載置される前記試料台の上面の中心の周囲に均等に配置された排気口から前記不活性ガスを排気する処理方法。
  3. 請求項1また2に記載の基板処理方法であって、
    前記処理室内に前記不活性ガスとともに前記真空紫外光が照射され励起した状態で前記レジスト膜と反応性を有する反応ガスを供給しつつ、前記レジスト膜に真空紫外線光を照射してこのレジスト膜の表面を処理する基板処理方法。
  4. 請求項1または2に記載の基板処理方法であって、
    前記処理室内に前記不活性ガスを供給しつつ前記真空紫外光を前記基板に照射する第一の工程と、この第一の工程の後に前記処理室内に前記不活性ガスとともに前記真空紫外光が照射され励起した状態で前記レジスト膜と反応性を有する反応ガスを供給しつつ、前記レジスト膜に真空紫外線光を照射する第二の工程とを有した基板処理方法。
  5. 真空紫外線光を形成する光源と、マスクとしてのレジスト膜を上部に有する膜構造をその上面に備えた処理対象の基板が減圧された内部の処理室内に配置される処理容器と、前記処理室内に配置され前記基板がその上面に載せられる試料台と、前記処理室内に不活性ガスを導入するキャリアガス供給手段と、前記処理室内を排気する排気手段と、前記処理室内に前記光源からの波長200nm以下の前記真空紫外光を導入する手段とを備え、前記不活性ガスを導入しつつ前記処理室内を排気すると共に前記処理室内に配置された基板に前記真空紫外光を照射する基板処理装置。
  6. 請求項5に記載の基板処理装置であって、
    前記処理室内の前記試料台の周囲であってこの試料台に載せられた前記基板または当該基板が載置される前記試料台の上面の中心の周囲に均等に配置され前記処理室内に導入された前記不活性ガスがこれを通ってこの処理室から排気される排気口を備えた基板処理装置。
  7. 請求項5または6に記載の基板処理装置であって、
    前記処理室内に前記真空紫外光が照射され励起した状態で前記レジスト膜と反応性を有する反応ガスを供給する反応ガス供給手段を備え、前記処理室内に前記反応ガス及び前記不活性ガスを供給しつつこの処理室内に配位された前記基板に前記真空紫外線光を照射する基板処理装置。
  8. 請求項5または6に記載の基板処理装置であって、
    前記処理室内に前記真空紫外光が照射され励起した状態で前記レジスト膜と反応性を有する反応ガスを供給する反応ガス供給手段を備え、前記処理室内に前記不活性ガスを供給しつつ前記真空紫外光を前記基板に照射した後に、前記処理室内に前記不活性ガスとともに前記反応ガス供給手段からの反応ガスを供給しつつ、前記レジスト膜に真空紫外線光を照射する基板処理装置。
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