JP7002006B2 - 音響装置 - Google Patents

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Description

本発明は、一般に、音響装置に関し、より詳細には、火災等の外的事象が発生したことを報知する音響装置に関する。
従来例として、特許文献1に記載の住警器を例示する。この住警器は、そのカバーの中央に、煙流入口を開口した検煙部を配置し、火災による煙が所定濃度に達したときに火災を検出する。また住警器は、カバーにおける検煙部の左下側に音響孔を有し、その背後にスピーカを内蔵し、警報音や音声メッセージを出力する。住警器は、住宅の居間や寝室等の例えば壁面に設置され、万一、火災が発生した場合には、火災を検出して警報を開始する。
特開2010-49604号公報
ところで、住人の避難時間をより短縮できる住警器(音響装置)が望まれる。例えば警報音に加えて別の報知機能を付加し、特定事象の発生時に警報音の出力とその報知機能の実行の両方を行うことが考えられる。しかし、別の報知機能を新たに住警器に設けようとすると、住警器の外観上の見栄え(美観)を損ねる可能性がある。
本発明は上記事由に鑑みてなされ、外観上の見栄えが損なわれることを抑制しつつ、避難時間の短縮を図ることができる音響装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る音響装置は、構造体に設置される。前記音響装置は、制御部と、第1出力部と、第2出力部と、筐体と、を備える。前記制御部は、特定事象に関する情報を受けて前記特定事象が発生したか否かを判定する。前記第1出力部は、前記制御部にて前記特定事象が発生したと判定したときに、前記特定事象の発生を報知するように音を出力する。前記第2出力部は、前記情報に応じて周囲の領域を照らす照明光を出力する。前記筐体は、前記制御部、前記第1出力部及び前記第2出力部を収容する。前記筐体は、前記構造体に固定される基部と、前記基部の前側に位置する前壁部と、有する。前記前壁部は、その前面において、前記基部に近づく方向に凹んだスリットを有する。前記スリットは、その内面の第1領域に、前記音を前記筐体の外部に導出する音響孔と、前記内面の第2領域に、前記照明光を前記筐体の外部に導出する窓孔と、を有する。
本発明は、外観上の見栄えが損なわれることを抑制しつつ、避難時間の短縮を図ることができる、という利点がある。
図1は、一実施形態に係る音響装置の外観図である。 図2Aは、同上の音響装置の正面図であり、図2Bは、同上の音響装置における要部の正面図である。 図3は、同上の音響装置の側面図である。 図4は、同上の音響装置における第2出力部と導光部材の斜視図である。 図5は、同上の音響装置のブロック構成図である。 図6は、同上の音響装置が設置されている寝室の様子を示す図である。 図7は、同上の音響装置の変形例の正面図である。
(1)概要
以下の実施形態は、本発明の様々な実施形態の一つに過ぎない。以下の実施形態は、本発明の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、以下の実施形態において説明する各図は、模式的な図であり、各図中の各構成要素の大きさや厚さそれぞれの比が、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
本実施形態の音響装置1は、図6に示すように、構造体C1(天井や壁等の造営材)に設置される。音響装置1は、図5に示すように、制御部10と、第1出力部11と、第2出力部12と、筐体4とを備える。制御部10は、特定事象に関する情報を受けて特定事象が発生したか否かを判定する。
ここでは「特定事象」とは、一例として火災であることを想定する。したがって、音響装置1は、一例として、火災の発生時に警報音等の音を出力する火災警報器である。しかし、特定事象は、警報音の発報対象であれば、火災に限定されず、ガス漏れ、津波、地震、不審者の侵入等であってもよい。
本実施形態の音響装置1は、図5に示すように、その内部に煙を検知する光電式のセンサ(検知部2)を、更に備えているが、検知部2は、熱を検知する定温式のセンサでもよい。また、検知部2は、音響装置1と別体であってもよい。音響装置1の制御部10は、検知部を備えた別の音響装置(火災警報器)との通信により、火災に関する情報を受けてもよい。
音響装置1は、住宅内の居室、寝室、階段、廊下等の構造体C1の一面(天井面又は壁面)に設置される。住宅は、戸建住宅、又は集合住宅(マンション)でもよい。更に、音響装置1は、住宅だけでなく非住宅の構造体C1(天井面又は壁面等)に設置されてもよい。非住宅の例としては、オフィスビル、劇場、映画館、公会堂、遊技場、複合施設、飲食店、百貨店、学校、ホテル、旅館、病院、老人ホーム、幼稚園、図書館、博物館、美術館、地下街、駅、空港等を含む。
第1出力部11は、制御部10にて特定事象である火災が発生したと判定したときに、火災の発生を報知するように警報音を出力する。第2出力部12は、火災に関する情報に応じて、周囲の領域R1(図6参照)を照らす光を出力する。なお、第2出力部12の光を「照明光」と呼ぶこともあるが、第2出力部12の光は、一般的な照明器具が出力する照明光に比べて明るさの弱い、避難経路を照らす程度の光である。ここで言う「周囲の領域R1」は、音響装置1が天井面に設置される場合、天井面と対向する領域(例えば床面)であるが、音響装置1が壁面に設置される場合、当該壁面と対向する領域(例えば壁面)である。
筐体4は、制御部10、第1出力部11及び第2出力部12を収容する。筐体4は、構造体C1に固定される基部4A(図3参照)と、基部4Aの前側に位置する前壁部4Bと、有している。前壁部4Bは、図1及び図2Aに示すように、その前面40において、基部4Aに近づく方向に凹んだスリット9を有している。スリット9は、その内面90の第1領域91に、警報音を筐体4の外部に導出する音響孔H1と、内面90の第2領域92に、照明光を筐体4の外部に導出する窓孔H2と、を有している。
この構成によれば、警報音の出力だけでなく照明光の出力も行う。そのため、避難時間の短縮を図ることができる。また、音響孔H1と窓孔H2とがスリット9の内面90に設けられているため、これらの孔が目立ち難い構造となっている。したがって、外観上の見栄えが損なわれることを抑制しつつ、避難時間の短縮を図ることができる。
(2)詳細
(2.1)全体構成
以下、本実施形態の音響装置1の全体構成について詳しく説明する。ここでは、音響装置1は、一例として電池式の火災警報器である。ただし、音響装置1は、外部電源(例えば商用の電力系統)に電気的に接続され、外部電源から供給される交流電力(例えば実効値100V)を直流電流に変換して駆動する火災警報器であってもよい。
以下では、図6に示すように、音響装置1が、一例として、住人100の住宅における寝室の天井面(構造体C1の一面)に設置されることを想定する。これにより、音響装置1の上下、左右の方向を、図1に図示されている上下、左右の矢印を用いて規定して説明する。これらの矢印は、単に説明を補助する目的で記載しているに過ぎず、実体を伴わない。またこれらの方向は、音響装置1の使用方向を限定する趣旨ではない。
音響装置1は、図5に示すように、制御部10、第1出力部(音出力部)11、第2出力部(光出力部)12、検知部2、及び筐体4の他に、例えば、バッテリー13と、操作部3と、作動灯15と、を更に備えている。ここでは、音響装置1は、一例として、単独型の火災警報器であり、他の火災警報器と通信する通信機能を有していないものと想定する。
(2.2)筐体
筐体4は、制御部10、第1出力部11、第2出力部12、バッテリー13、検知部2、及び、制御部10や各種の回路を構成する回路部品が実装される回路基板B1(図4参照)等を内部に収容する。図示は省略するが、ここで言う各種の回路とは、例えば後述する音響回路、第1点灯回路、第2点灯回路、及び電源回路等である。
筐体4は、合成樹脂製であり、例えば難燃性ABS樹脂製である。筐体4は、全体としてへん平な円筒状に形成されている。筐体4は、図3に示すように、上端部が開放されたケース4Hと、基部4Aとから構成されている。基部4Aがケース4Hの開放された上端部を塞ぐように組み付けられる。ケース4Hは、前壁部4B(図1では下側の壁部)及び側壁部4Cからなる。
基部4Aは、円板形状となっている。基部4Aは、固定部を有しており、当該固定部によって構造体C1の一面(設置面)に固定される。具体的には、基部4Aは、例えば、厚み方向に貫通して、取付ねじを挿入可能な複数の貫通孔(固定部)を有しており、取付ねじで天井面に基部4Aをねじ止め固定可能となっている。基部4Aが天井面に固定された状態で、基部4Aをケース4Hの上端部に嵌め込むことで、基部4Aとケース4Hとが組み付けられる。
前壁部4Bは、円板形状となっていて、基部4Aの前側(図1では下側)に位置する。前壁部4Bは、図1及び図2Aに示すように、その前面40(図1では下面)において、基部4Aに近づく方向(上方向)に凹んだスリット9を有している。スリット9は、図2Aに示すように、前壁部4Bの前方から見たときに、筐体4の外周に沿った形状となっている。スリット9は、一例として、前壁部4Bの前方から見たときに、筐体4の外周の周方向におけるスリット9の一端と他端とが互いに繋がった環状の形状(閉じた形状)となっている。前壁部4Bの前面40には、スリット9によって囲まれた領域R10(図2A参照)が存在する。領域R10の中心P1は、前壁部4Bの前方から見たときに、筐体4の外周の中心と一致している。なお、ここで言う「一致」とは、厳密な一致でなくてもよく、人の視認で一致と言えるものも含む。
特に本実施形態では、スリット9は、前壁部4Bの前方(図1では下方)から見たときに、所定の溝幅を有した円環状に形成されている。すなわち、正面から見たときの筐体4の円形状の外周に合わせて、スリット9の外観も円環状となっている。
そして、スリット9は、その内面90の第1領域91と、第2領域92とに、それぞれ、音響孔H1と、窓孔H2とを有している。音響孔H1は、第1出力部11の警報音を筐体4の外部に導出するための孔であり、筐体4内の第1出力部11と対向している。また、窓孔H2は、第2出力部12の照明光を筐体4の外部に導出するための孔であり、筐体4内の第2出力部12と対向している。なお、スリット9内の音響孔H1及び窓孔H2については、後の「(2.8)音響孔及び窓孔」の欄で詳しく説明する。
側壁部4Cは、図3に示すように、前壁部4Bの周縁E1から基部4Aに向かって突出する。なお、側壁部4Cの表面は、上下方向に沿って真っ直ぐではなく、基部4Aに近づくほど(上方に行くほど)、ケース4Hの径が小さくなるようにやや傾斜している(図3参照)。要するに、ケース4Hの下端側の径の方が、ケース4Hの上端側の径よりも僅かに大きい。
側壁部4Cは、筐体4内に設けられているラビリンス(検知部2の検知空間)に火災煙を流入させる開口部41を有している。開口部41は、筐体4の周方向に沿って並ぶ複数の貫通孔から構成されている。筐体4は、その内部空間を上下2つに仕切る仕切壁を有している。ラビリンス及び検知部2は、上側の第1空間にあり、制御部10、第1出力部11、第2出力部12、及び回路基板B1等は、下側の第2空間にある。
更に筐体4は、前壁部4Bにおいて、操作部3の下面が筐体4の外部に露出するように、操作部3を支持している。操作部3は、外部からの操作入力を受け付ける。操作部3は、ユーザの指等による押し操作により上方へ押し込み可能となっている。操作部3は、透光性を有した円板状の部材である。操作部3は、筐体4内に収容されている作動灯15と対向して配置されている。また、操作部3は、押し操作により、筐体4内に収容されている押し釦スイッチ(不図示)を押すように構成されている。
本実施形態では、操作部3は、前壁部4Bの前方から見たときに、前壁部4Bの前面40において、スリット9に囲まれた領域R10内に配置されている。ここでは、一例として、操作部3は、領域R10の中心P1の右横に配置されている。
(2.3)第1出力部
第1出力部11は、音(音波)を出力する。第1出力部11は、制御部10にて火災が発生したと判定したときに、火災の発生を報知するように警報音を出力する。
第1出力部11は、電気信号を音に変換するスピーカにより構成される。スピーカは、振動板を有し、電気信号に従って振動板を機械的に振動させることにより警報音を発する。スピーカは、正面視円形状に形成されており、円板状である。第1出力部11は、制御部10による制御下で、警報音(例えば「ピー」音)を出力する。第1出力部11は、警報音の大きさ(音圧レベル)を変化させて警報音を出力することが好ましい。警報音は、例えば、低音から高音にスイープさせたスイープ音を含んでもよい。警報音は、例えば「火事です。火事です。」といった音声メッセージを含んでもよい。ここでは、警報音は、スイープ音と、スイープ音に連続する音声メッセージとから構成されることを想定する。
回路基板B1には、例えば音響回路を構成する回路部品が実装されている。音響回路は、ローパスフィルタ、及び増幅器等を有する。音響回路は、火災発生時に制御部10にて生成された警報音に対応するPWM(Pulse Width Modulation)信号を受け取ると、ローパスフィルタで正弦波形の音声信号に変換し増幅器で増幅して、警報音として第1出力部11から出力させる。
第1出力部11は、動作点検時においても、試験的に警報音を出力する。第1出力部11は、音響装置1の状態に応じて「正常です。」又は「異常です。」等といった音声メッセージを出力する。動作点検は、操作部3が操作されるか、又は筐体4から導出されている引き紐(不図示)が引っ張られることで実行可能となっている。第1出力部11は、バッテリー13の交換時期が近づいてきたときに、その旨を報知する音声メッセージを出力してもよい。バッテリー13は、例えばリチウム電池である。
(2.4)第2出力部
第2出力部12は、照明光を出力する。第2出力部12は、制御部10の制御の下、火災に関する情報に応じて、周囲の領域R1を照らす照明光を出力する。
第2出力部12は、光源として回路基板B1に実装された1又は複数の照明用白色LED(Light Emitting Diode)12Aを有している(図4参照:ここでは2つのLED12A)。第2出力部12は、通常時(火災の監視時)には消灯しており、制御部10にて火災が発生したと判定したときに点灯(照明光の出力)を開始する。
各LED12Aは、平板状の実装基板の実装面の中央に少なくとも1個のLEDチップが実装された、パッケージ型のLEDとして構成される。LEDチップは、例えば、発光面から青色光を放射する青色発光ダイオードであることが好ましい。また、LEDチップを含む基板の実装面は、LEDチップから放射される青色光を波長変換する蛍光物質が混入された封止樹脂で被われている。LED12Aは、そのアノード電極とカソード電極との間に直流電圧が印加されることにより、白色の照明光を発光面から放射するように構成されている。照明光の色は、白色に限定されず、他の光色でもよい。ただし、作動灯15の光色と被らないことが望ましい。
回路基板B1には、第2出力部12のLED12Aを点灯させるための第1点灯回路を構成する回路部品が実装されている。第1点灯回路は、制御部10による制御下で、バッテリー13から放電される直流電力を用いて、LED12Aを点灯させる。音響装置1が、商用の電力系統に電気的に接続されている場合には、第1点灯回路は、電力系統から供給される交流電力を直流電流に変換して、LED12Aを点灯させる。
第2出力部12から出射された光(照明光)は、導光部材8(図4参照)を介して筐体4の外部に導出される。導光部材8は、例えば透明なアクリル樹脂等により形成されている。導光部材8は、ブリッジ形状となっていて、回路基板B1に実装されている。導光部材8の下端にある露出部80は、2つのLED12Aと対向している。露出部80は、回路基板B1の側から窓孔H2に差し込まれて、窓孔H2から露出する(図2B参照)。LED12Aから放射された光は、導光部材8の露出部80を介して、窓孔H2の外に導出されて、周囲の領域R1(ここでは、寝室の床面及びベッド等)が照らされる。
第2出力部12は、動作点検時においても試験的に点灯する。第2出力部12の動作点検は、第1出力部11と同様に、操作部3が押し操作されるか、又は引き紐が引き操作されることで実行可能となっている。
(2.5)作動灯
作動灯15は、光源として回路基板B1に実装された赤色LED15A(図5参照)を有している。作動灯15は、通常時(火災の監視時)には消灯しており、制御部10にて火災が発生したと判定したときに点滅(又は点灯)を開始する。作動灯15は、警報音の発報が停止すると、制御部10の制御の下、点滅を停止する。
回路基板B1には、作動灯15のLED15Aを点滅させるための第2点灯回路を構成する回路部品が実装されている。第2点灯回路は、制御部10による制御下で、バッテリー13から放電される直流電力を用いて、LED15Aを点滅させる。音響装置1が、商用の電力系統に電気的に接続されている場合には、第2点灯回路は、電力系統から供給される交流電力を直流電流に変換して、LED15Aを点滅させる。
作動灯15から出射された光は、透光性を有した操作部3を介して、筐体4の外部に導出される。住人100は、赤色に点滅する操作部3を視認することで、音響装置1が作動中(火災を検知中)であることを知ることができる。作動灯15は、動作点検時においても点滅する。作動灯15の動作点検は、第1出力部11と同様に、操作部3が押し操作されるか、又は引き紐が引き操作されることで実行可能となっている。また、作動灯15は、バッテリー13の交換時期が近づいてきたり、故障が発生したりしたときにも点滅する。点滅中に操作部3が操作されると、第1出力部11は、交換時期が近づいてきた旨又は故障が発生した旨を伝える音声メッセージを出力する。
(2.6)検知部
検知部2は、特定事象である火災を検知する。ここでは、検知部2は、一例として、煙を検知する光電式のセンサ(煙検知部)である。検知部2は、図5に示すように、例えば、LED等の発光部21と、フォトダイオード等の受光部22とを備えている。発光部21及び受光部22は、筐体4のラビリンス内において、受光部22の受光面が、発光部21の照射光の光軸上から外れるように配置されている。火災の発生時には、煙が筐体4の側壁部4Cにある開口部41を通じて、ラビリンス内に導入され得る。
筐体4のラビリンス内に煙が存在しない場合、発光部21の照射光は、受光部22の受光面にほとんど到達しない。一方、筐体4のラビリンス内に煙が存在する場合、発光部21の照射光が煙によって散乱し、散乱した光の一部が受光部22の受光面に到達する。つまり、検知部2は、煙によって散乱された発光部21の照射光を受光部22で受光する。
検知部2は、制御部10と電気的に接続されている。検知部2は、受光部22で受光された光量に応じた電圧レベルを示す電気信号(検知信号)を制御部10に送信する。制御部10は、検知部2から受け取った検知信号の光量を煙濃度(事象レベル)に換算して火災の判定を行う。なお、検知部2は、受光部22で受光された光量を煙濃度に換算してから煙濃度に応じた電圧レベルを示す検知信号を制御部10に送信してもよい。あるいは、検知部2は、受光部22で受光された光量から火災(煙)の発生を判定し、火災が発生したという情報を含む検知信号を制御部10に送信してもよい。
(2.7)制御部
制御部10は、例えば、CPU(Central Processing Unit)及びメモリを主構成とするマイクロコンピュータにて構成されている。言い換えれば、制御部10は、CPU及びメモリを有するコンピュータにて実現されており、CPUがメモリに格納されているプログラムを実行することにより、コンピュータが制御部10として機能する。プログラムは、ここではメモリに予め記録されているが、インターネット等の電気通信回線を通じて、又はメモリカード等の記録媒体に記録されて提供されてもよい。
制御部10は、第1出力部11、音響回路、第2出力部12、作動灯15、第1点灯回路、第2点灯回路、及び検知部2等を制御する。また、制御部10は、バッテリー13の直流電力から各種の回路の動作電力を生成する電源回路を制御する。
制御部10は、特定事象である火災に関する情報を受けて、火災が発生したか否かを判定するように構成されている。具体的には、制御部10は、検知部2から受信する検知信号(情報)を監視し、検知信号に含まれている事象レベルが閾値を超えたか否かを判定する。事象レベルは、上述の通り、一例として変換後の煙濃度である。ただし、事象レベルは、光量でもよい。
制御部10は、自身のメモリ内に閾値を記憶している。制御部10は、例えば、所定の時間間隔で、周期的に煙濃度が閾値を超えたか否かを判定し、一度でも煙濃度が閾値を超えれば、火災が発生したと決定してもよい。所定の時間間隔は、例えば5秒間隔である。あるいは、制御部10は、煙濃度が連続して閾値を超えた回数をカウントし、その回数が規定回数に到達したときに、火災が発生したと決定してもよい。もちろん、制御部10は、検知部2から火災が発生したという情報を含む検知信号を受信すれば、直接的に火災が発生したと決定してもよい。
制御部10は、煙濃度に基づいて火災が発生したと判定すると、第1出力部11から警報音の出力を開始させる。具体的には、制御部10は、時間の経過に伴って周波数が直線的に変化するスイープ音に対応したPWM信号を生成し、音響回路に出力する。上記PWM信号は、音響回路にて音声信号に変換されて、スイープ音(警報音)が第1出力部11から出力される。また、制御部10は、自身のメモリ内に記憶されているメッセージデータに基づいて、音声メッセージに対応したPWM信号を生成し、音響回路に出力する。上記PWM信号は、音響回路にて音声信号に変換されて、音声メッセージ(警報音)が第1出力部11から出力される。
また制御部10は、火災が発生したと判定すると、第2出力部12を点灯させるための制御信号を第1点灯回路へ、作動灯15を点滅させるための制御信号を第2点灯回路へ、それぞれ送信する。第1点灯回路は、制御部10から制御信号を受信すると、第2出力部12を一定の明るさで点灯させる。第2点灯回路は、制御部10から制御信号を受信すると、作動灯15に作動点滅を開始させる。
制御部10は、警報中(警報音を発報中)も煙濃度の判定を行なっている。制御部10は、もし警報中に煙濃度が、基準値以下になれば、PWM信号の生成を止めて第1出力部11による警報音の出力を停止し、また停止信号を第1点灯回路及び第2点灯回路にそれぞれ送信して、第2出力部12及び作動灯15からの光出力も停止する。つまり、制御部10は、火災(煙)が無くなったと判断すると、自動的に警報音の出力、照明光の出力、及び作動灯15の点滅を停止する。
また制御部10は、警報中に、操作部3への押し操作により筐体4内の押し釦スイッチがオンされると、警報音の出力を停止する。もし住人100が、音響装置1の警報が誤報であると判断すれば、操作部3を押すことで、警報音の発報を停止することができる。警報音の発報の停止は、引き紐の引っ張りでも可能である。
一方、制御部10は、非警報中に、操作部3への押し操作により筐体4内の押し釦スイッチがオンされると、動作点検用の所定の動作試験を実行する。動作試験は、第1出力部11の音出力試験、第2出力部12の光出力試験、作動灯15の点滅試験等を含む。動作試験は、引き紐の引き操作でも可能である。
ここで、例えば、深夜の時間帯に住宅で火災が発生した場合、住宅の寝室で就寝中の住人100は、警報音を聞いた後、暗闇に近い状態でベッドから起きて、ベッドから廊下に繋がるドアまでの経路や方向を、瞬間的に把握しにくい可能性がある。また住人100は、例えば、暗闇の中手探りで壁スイッチまで行き、寝室の照明を点けようとする可能性があり、壁スイッチをオンするまでの行動が、避難の遅れに繋がり得る。また、住人100が、例えば聴覚障害者であれば、警報音(音)だけでは、火災の発生に気づかない可能性もある。これに対して、警報装置1は、警報音だけでなく、第2出力部12の照明光を出力するため、住人100は、ベッドから廊下に繋がるドアまでの経路(避難経路)を、瞬間的に把握することができ、寝室の照明を点けようとする時間が省かれる可能性が高くなる。また、住人100が聴覚障害者であっても、第2出力部12の照明光により、火災の発生に気づく可能性が高くなる。要するに、警報装置1は、警報音の出力だけでなく照明光の出力も行うため、避難時間の短縮を図ることができる。
(2.8)音響孔及び窓孔
以下、音響孔H1及び窓孔H2について、図2A及び図2Bを参照しながら詳しく説明する。
音響孔H1及び窓孔H2は、上述の通り、所定の溝幅を有した円環状のスリット9における、内面90の第1領域91及び第2領域92に、それぞれ配置されている。本実施形態のスリット9は、一例として、前壁部4Bの径方向に沿って切った断面が矩形状に凹んでいて、第1領域91及び第2領域92は、内面90のうち底面900(図2B参照)の一部の領域である。したがって、前壁部4Bの前方から見たときに、音響孔H1及び窓孔H2が見える位置にある。
ただし、第1領域91及び第2領域92の少なくともいずれか一方は、内面90のうち領域R10の中心P1の側の第1内側面901(図2B参照)の一部の領域でもよいし、周縁E1の側の第2内側面902(図2B参照)の一部の領域でもよい。また、第1領域91及び第2領域92の少なくともいずれか一方は、底面900と第1内側面901(又は第2内側面902)との両方にわたる領域、又は底面900と第1内側面901と第2内側面902との全てにわたる領域でもよい。またスリット9の断面は、矩形状に凹んでいることに限定されず、例えばV字形状に凹んでいてもよい。
音響孔H1及び窓孔H2の各々は、上述の通り、スリット9の底面900に設けられており、これらの孔の幅寸法は、スリット9の幅寸法と同じである。特に、音響孔H1及び窓孔H2の各々も、スリット9の底面900の形状に合わせて、領域R10の中心P1を円の中心とする円弧状に湾曲している。音響孔H1及び窓孔H2は、互いに同じ形状及び寸法の開口領域を有している。ここでは、一例として、音響孔H1及び窓孔H2の各々の周方向における長さは、前壁部4Bの前方から見たときに、操作部3の径寸法に略等しい。ただし、音響孔H1及び窓孔H2の各々の周方向における長さは、例えば、スリット9の周方向における長さの約三分の一、又は四分の一等でもよい。
音響孔H1は、図2Aに示すように、前壁部4Bの前方から見たときに、音響孔H1と中心P1と操作部3とが概ね一列に並ぶように設けられている(図2Aの仮想線A1参照)。一方、窓孔H2は、前壁部4Bの前方から見たときに、仮想線A1に対して垂直で、かつ中心P1を通る仮想線A2上に設けられている。なお、図示例では、窓孔H2は、中心P1より後ろ側にあるが、中心P1より手前側にあってもよい。また、図示例の音響孔H1、窓孔H2、中心P1、及び操作部3の相対的な位置関係も、一例である。例えば、音響孔H1の位置と窓孔H2の位置とが互いに入れ替わってもよい。また、窓孔H2も、 仮想線A1上で操作部3の右横に設けられていてもよい。
このように本実施形態では、警報音の出力だけでなく照明光の出力も行い、また音響孔H1と窓孔H2とがスリット9の内面90に設けられているため、これらの孔が目立ち難い構造となっている。つまり、音響装置1が例えば住宅の天井等の構造体C1に設置されたときに、構造体C1に対して音響孔H1と窓孔H2とが強調された印象を与え難くすることができる。したがって、音響装置1の外観上の見栄えが損なわれることを抑制しつつ、避難時間の短縮を図ることができる。
また、照明光が放射される窓孔H2がスリット9内にあることで、住人100に与える眩しさ(グレア)を抑制できる。なお、音響装置1は、天井面以外にも例えば壁面に設置される場合もある。この場合、音響孔H1と窓孔H2とがスリット9の内面90に設けられていることで、埃等の異物がこれらの孔から筐体4内に入り込む可能性を抑制できる。
また、スリット9が、筐体4の外周に沿った形状となっているため、筐体4と一体感のあるスリット9を提供でき、音響孔H1及び窓孔H2が、より目立ち難い構造となる。更にスリット9に囲まれた領域R10の中心P1が、前壁部4Bの前方から見たときに、筐体4の外周の中心と一致しているため、筐体4と更に一体感のあるスリット9を提供できる。
また操作部3が、前壁部4Bの前方から見たときに、スリット9に囲まれた領域R10内に配置されているため、筐体4及び操作部3と一体感のあるスリット9を提供でき、音響孔H1及び窓孔H2がより更に目立ち難い構造となる。
また、スリット9が環状であることから、筐体4と更に一体感のあるスリット9を提供できる。特に、筐体4の外周が円形状で、スリット9が筐体4の外周と同心円となる円環状であることから、更に一体感のあるスリット9を提供できる。
仮にスリット9が前壁部4Bに設けられていなければ、前壁部4Bの前面40に対して、音響用の孔と光窓用の孔とが可能な限り目立たない位置関係及び寸法関係を考慮する必要があり、設計自由度が制限される可能性がある。しかし、本実施形態のようにスリット9が設けられていることで、スリット9の内面90であれば、第1領域91及び第2領域92に対する位置的な制限、及び周方向の長さの制限を受け難く、音響孔H1及び窓孔H2の設計自由度を高めることができる。
ところで、導光部材8の露出部80は、上述の通り、回路基板B1の側から窓孔H2に挿入されている。また、露出部80は、図2Bに示すように、前壁部4Bの前方から見たときに窓孔H2の開口領域と略同形で円弧状に湾曲していて、かつ、窓孔H2の開口領域より僅かに小さい寸法を有している。露出部80の表面(下面)は、スリット9の底面900と略面一である。したがって、第2出力部12から出射された光は、窓孔H2に挿入された導光部材8の露出部80を介して効率良く導出され得る。
(2.9)筐体の外側の構造
以下、筐体4の外側の構造について、図3を参照しながら詳しく説明する。
本実施形態の前壁部4Bの前面40は、その中心P2から周縁E1に向かうほど、基部4Aに近づくように傾斜している。具体的には、前面40は、筐体4を側方から見て、中心P2を頂点とした緩やかな曲面形状となっている。なお、ここで言う前面40の「中心P2」は、スリット9に囲まれた領域R10の中心P1と一致する。
前壁部4Bが、このような前面40を有していることで、筐体4全体を見たときに、周縁E1近傍における、筐体4の上下方向の寸法が薄く見え、全体として薄型の筐体4を提供できる。このような薄型の筐体4を有していることで、構造体C1に対して音響装置1が目立ち難くなる。
また、本実施形態の側壁部4Cの開口部41は、その開口縁に、火災煙の流入をガイドするテーパ状の面T1を有している。上記開口縁は、基部4Aの側の第1縁411と、前壁部4Bの側の第2縁412と、を含む。テーパ状の面T1は、第1縁411及び第2縁412のうち、少なくとも第2縁412にある。図示例では、一例として、テーパ状の面T1は、第1縁411及び第2縁412の両方にある。下側のテーパ状の面T1は、基部4Aに近づくほど筐体4内の検知空間(ラビリンス)に近づくように傾斜している傾斜面である。上側のテーパ状の面T1は、基部4Aから離れるほど筐体4の検知空間(ラビリンス)に近づくように傾斜している傾斜面である。なお、下側のテーパ状の面T1の方が、上側のテーパ状の面T1より、面積が大きく、上下方向の長さも大きい。
側壁部4Cが、このようなテーパ状の面T1を有していることで、火災煙がより筐体4内の検知空間に流入され易くなり、火災の検知性能を向上することができる。また、第1縁411及び第2縁412の両方にあるテーパ状の面T1により、側壁部4Cがくびれた形状に見え、音響装置1の外観上の見栄えもよくなる。
特に、側壁部4Cにおける下側のテーパ状の面T1の下端から周縁E1までの部位D1が、当該テーパ状の面T1の存在により、薄く見えるようになる。したがって、火災煙の検知性能を向上しつつ、前壁部4Bの周縁E1から第2縁412にわたって薄型の外観となり、外観上の見栄えもよくなる。
(3)変形例
以下に、いくつかの変形例について列記する。以下では上述した実施形態を「基本例」と呼ぶ。以下に説明する変形例の各々は、上述した基本例や他の変形例と適宜組み合わせて適用可能である。
基本例のスリット9は、前壁部4Bの前方から見たときに、円環状である。しかし、スリット9は、円環状以外に、多角形の環状でもよい。例えば、正面から見たときの筐体4の外周形状が正六角形状や正八角形状であれば、その外周形状に合わせてスリット9の外観も、正六角形の環状、又は正八角形の環状であってもよい。
基本例のスリット9は、筐体4の外周形状に合わせた形状である。しかし、スリット9の形状を、筐体4の外周形状に合わせることは必須ではない。例えば、外周形状が円形の筐体4に対して、スリット9は、正八角形の環状であってもよい。
基本例では、音響孔H1及び窓孔H2の各々の数は、1つであるが、2つ以上であってもよい。例えば、2つの音響孔H1が、スリット9の周方向に沿って並んでいてもよい。例えば、2つの窓孔H2が、中心P1を間に挟むように、スリット9の左右両端に、それぞれ設けられてもよい。また、音響孔H1の数と窓孔H2の数は互いに異なってもよい。
基本例のスリット9は、1つの閉じた環状である。しかし、スリット9は、閉じた環状でなくてもよい。例えば、スリット9は、部分的に開放された形状であってもよく、前壁部4Bの前方から見たときに、例えばC字形状でもよい。
また、図7に示す変形例の音響装置1Aのように、スリット9は、複数の小スリット9X(図7の例では2つ)から構成されてもよい。この場合、2つの小スリット9Xは、前壁部4Bの前方から見たときに、筐体4の外周に沿って並んでいる。この図7の変形例においても、音響孔H1及び窓孔H2が目立ち難い構造となる。なお、ここでは、音響孔H1及び窓孔H2の両方が、一方のC字状の小スリット9Xに設けられているが、これらの孔の一方が、他方の小スリット9Xに設けられてもよい。
あるいは、スリット9とは別に、1又は複数のダミースリットが設けられてもよい。ダミースリットは、例えば、スリット9と同心円の円環状であり、かつスリット9より小径(又は大径)でもよい。この場合、ダミースリットは、スリット9の内側に配置される。このようにダミースリットを設けることで、(メインの)スリット9に、音響孔H1及び窓孔H2が設けられているという印象を与え難くなる。
基本例の音響装置1は、単独型の火災警報器であった。すなわち、基本例の音響装置1は、他の火災警報器と通信する通信機能を有していない。しかし、音響装置1は、他の火災警報器と通信する通信機能を有した、連動型の火災警報器であってもよい。通信は、無線で行われてもよいし、有線で行われてもよい。
また音響装置1は、火災警報器以外の機器と通信可能に構成されてもよい。火災警報器以外の機器とは、例えば、住人100が携帯する携帯端末(例えばスマートフォン)、及び住宅内に設置されているセキュリティ監視機器等である。
(4)利点
以上説明したように、第1の態様に係る音響装置(1、1A)は、構造体(C1)に設置される。音響装置(1、1A)は、制御部(10)と、第1出力部(11)と、第2出力部(12)と、筐体(4)と、を備える。制御部(10)は、特定事象に関する情報を受けて特定事象が発生したか否かを判定する。第1出力部(11)は、制御部(10)にて特定事象が発生したと判定したときに、特定事象の発生を報知するように音を出力する。第2出力部(12)は、上記情報に応じて周囲の領域(R1)を照らす照明光を出力する。筐体(4)は、制御部(10)、第1出力部(11)及び第2出力部(12)を収容する。筐体(4)は、構造体(C1)に固定される基部(4A)と、基部(4A)の前側に位置する前壁部(4B)と、有する。前壁部(4B)は、その前面(40)において、基部(4A)に近づく方向に凹んだスリット(9)を有する。スリット(9)は、その内面(90)の第1領域(91)に、上記音を筐体(4)の外部に導出する音響孔(H1)と、内面(90)の第2領域(92)に、上記照明光を筐体(4)の外部に導出する窓孔(H2)と、を有する。第1の態様によれば、音(警報音)の出力だけでなく照明光の出力も行い、また音響孔(H1)と窓孔(H2)とがスリット(9)の内面(90)に設けられているため、これらの孔が目立ち難い構造となっている。したがって、外観上の見栄えが損なわれることを抑制しつつ、避難時間の短縮を図ることができる。
第2の態様に係る音響装置(1、1A)に関して、第1の態様において、スリット(9)は、前壁部(4B)の前方から見たときに、筐体(4)の外周に沿った形状となっていることが好ましい。第2の態様によれば、筐体(4)と一体感のあるスリット(9)を提供でき、音響孔(H1)及び窓孔(H2)が、より目立ち難い構造となる。
第3の態様に係る音響装置(1)に関して、第2の態様において、スリット(9)は、前壁部(4B)の前方から見たときに、上記外周の周方向におけるスリット(9)の一端と他端とが互いに繋がった環状の形状となっていることが好ましい。第3の態様によれば、筐体(4)と更に一体感のあるスリット(9)を提供できる。また、スリット(9)内における音響孔(H1)及び窓孔(H2)の設計自由度を高めることができる。
第4の態様に係る音響装置(1A)は、第2の態様において、スリット(9)は、複数の小スリット(9X)から構成されることが好ましい。複数の小スリット(9X)は、前壁部(4B)の前方から見たときに、上記外周に沿って並んでいることが好ましい。第4の態様によれば、音響孔(H1)及び窓孔(H2)が、より目立ち難い構造となる。
第5の態様に係る音響装置(1、1A)は、第2~第4の態様のいずれか1つにおいて、スリット(9)に囲まれた領域(R10)の中心(P1)は、前壁部(4B)の前方から見たときに、上記外周の中心と一致していることが好ましい。第5の態様によれば、筐体(4)と更に一体感のあるスリット(9)を提供できる。
第6の態様に係る音響装置(1、1A)は、第2~第5の態様のいずれか1つにおいて、外部からの操作入力を受け付ける操作部(3)を、更に備えることが好ましい。操作部(3)は、前壁部(4B)の前方から見たときに、前壁部(4B)の前面(40)において、スリット(9)に囲まれた領域(R10)内に配置されていることが好ましい。第6の態様によれば、筐体(4)及び操作部(3)と一体感のあるスリット(9)を提供でき、音響孔(H1)及び窓孔(H2)が、より目立ち難い構造となる。
第7の態様に係る音響装置(1、1A)に関して、第1~第6の態様のいずれか1つにおいて、前壁部(4B)の前面(40)は、その中心(P2)から周縁(E1)に向かうほど、基部(4A)に近づくように傾斜していることが好ましい。第7の態様によれば、全体として薄型の筐体(4)を提供でき、構造体(C1)に対して音響装置(1、1A)が目立ち難くなる。
第8の態様に係る音響装置(1、1A)に関して、第1~第7の態様のいずれか1つにおいて、特定事象とは、火災であることが好ましい。音響装置(1、1A)は、筐体(4)内に収容され、かつ火災を検知する検知部(2)を、更に備えることが好ましい。制御部(10)は、検知部(2)からの検知結果を上記情報として受けて火災が発生したか否かを判定することが好ましい。第8の態様によれば、外観上の見栄えが損なわれることを抑制しつつ、避難時間の短縮を図ることができる、検知部(2)付きの音響装置(1、1A)を提供できる。
第9の態様に係る音響装置(1、1A)に関して、第8の態様において、検知部(2)は、煙検知部であることが好ましい。筐体(4)は、前壁部(4B)の周縁(E1)から基部(4A)に向かって突出する側壁部(4C)を更に有することが好ましい。側壁部(4C)は、火災煙を筐体(4)内における煙検知部(検知部2)の検知空間に流入させる開口部(41)を、有することが好ましい。開口部(41)は、その開口縁に、火災煙の流入をガイドするテーパ状の面(T1)を有することが好ましい。第9の態様によれば、テーパ状の面(T1)により、火災煙の検知性能を向上することができる。
第10の態様に係る音響装置(1、1A)に関して、第9の態様において、上記開口縁は、基部(4A)の側の第1縁(411)と、前壁部(4B)の側の第2縁(412)と、を含むことが好ましい。テーパ状の面(T1)は、第1縁(411)及び第2縁(412)のうち、少なくとも第2縁(412)にあることが好ましい。第10の態様によれば、テーパ状の面(T1)により、火災煙の検知性能を向上しつつ、前壁部(4B)の周縁(E1)から第2縁(412)にわたって薄型の外観となり、外観上の見栄えもよくすることができる。
1、1A 音響装置
10 制御部
11 第1出力部
12 第2出力部
2 検知部
3 操作部
4 筐体
4A 基部
4B 前壁部
4C 側壁部
40 前面
41 開口部
411 第1縁
412 第2縁
9 スリット
90 内面
91 第1領域
92 第2領域
9X 小スリット
C1 構造体
E1 前壁部の周縁
H1 音響孔
H2 窓孔
P1 中心
P2 中心
R1 周囲の領域
R10 領域
T1 テーパ状の面

Claims (10)

  1. 構造体に設置される音響装置であって、
    特定事象に関する情報を受けて前記特定事象が発生したか否かを判定する制御部と、
    前記制御部にて前記特定事象が発生したと判定したときに、前記特定事象の発生を報知するように音を出力する第1出力部と、
    前記情報に応じて周囲の領域を照らす照明光を出力する第2出力部と、
    前記制御部、前記第1出力部及び前記第2出力部を収容する筐体と、
    を備え、
    前記筐体は、前記構造体に固定される基部と、前記基部の前側に位置する前壁部とを有し、
    前記前壁部は、その前面において、前記基部に近づく方向に凹んだスリットを有し、
    前記スリットは、
    その内面の第1領域に、前記音を前記筐体の外部に導出する音響孔と、
    前記内面の第2領域に、前記照明光を前記筐体の外部に導出する窓孔と、
    を有する、
    音響装置。
  2. 前記スリットは、前記前壁部の前方から見たときに、前記筐体の外周に沿った形状となっている、
    請求項1に記載の音響装置。
  3. 前記スリットは、前記前壁部の前方から見たときに、前記外周の周方向における当該スリットの一端と他端とが互いに繋がった環状の形状となっている、
    請求項2に記載の音響装置。
  4. 前記スリットは、複数の小スリットから構成され、
    前記複数の小スリットは、前記前壁部の前方から見たときに、前記外周に沿って並んでいる、
    請求項2に記載の音響装置。
  5. 前記スリットに囲まれた領域の中心は、前記前壁部の前方から見たときに、前記外周の中心と一致している、
    請求項2~4のいずれか1項に記載の音響装置。
  6. 外部からの操作入力を受け付ける操作部を、更に備え、
    前記操作部は、前記前壁部の前方から見たときに、前記前壁部の前記前面において、前記スリットに囲まれた領域内に配置されている、
    請求項2~5のいずれか1項に記載の音響装置。
  7. 前記前壁部の前記前面は、その中心から周縁に向かうほど、前記基部に近づくように傾斜している、
    請求項1~6のいずれか1項に記載の音響装置。
  8. 前記特定事象とは、火災であり、
    前記筐体内に収容され、かつ前記火災を検知する検知部を、更に備え、
    前記制御部は、前記検知部からの検知結果を前記情報として受けて前記火災が発生したか否かを判定する、
    請求項1~7のいずれか1項に記載の音響装置。
  9. 前記検知部は、煙検知部であり、
    前記筐体は、前記前壁部の周縁から前記基部に向かって突出する側壁部を更に有し、
    前記側壁部は、火災煙を前記筐体内における前記煙検知部の検知空間に流入させる開口部を、有し、
    前記開口部は、その開口縁に、前記火災煙の流入をガイドするテーパ状の面を有する、
    請求項8に記載の音響装置。
  10. 前記開口縁は、前記基部の側の第1縁と、前記前壁部の側の第2縁と、を含み、
    前記テーパ状の面は、前記第1縁及び前記第2縁のうち、少なくとも前記第2縁にある
    請求項9に記載の音響装置。
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