JP7000051B2 - 受信機、送信機、および無線通信機 - Google Patents

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Description

本発明は、受信機、送信機、および無線通信機に関する。
無線ネットワークに使用される無線機(無線通信機)では、送受信機で生成される搬送波の周波数が僅かに異なることが原因で受信波の復調が困難となる。この課題の解決には一般に同期検波回路が用いられる。例えば、特許文献1がある。
また、無線ネットワークは安定した通信を実現するために複数の周波数帯を用いて通信を行うことがある。例えばスマートフォンでは、セルラー通信のLTE(Long Term Evolution)/3Gの周波数と無線LAN(Local Area Network)の周波数を切り替えながら通信を行う。
また、工場やプラントにおける制御・監視用ネットワークにおいても、定常的な機器の稼動状態の監視や機器間の自律制御のために、複数の周波数帯を用いることがある。複数の周波数帯の信号を復調するためには、受信機の復調部に周波数帯ごとに同期検波回路が必要となる。
特許文献1の要約には、「[課題]機器間や機器内で無線信号伝送を行なう場合に、搬送周波数の安定度を緩和しても、受信側で適切に伝送対象信号を復調できるようにする。[解決手段]周波数混合部8302は、送信側局部発振部8304で生成された周波数f1の変調搬送信号で伝送対象信号を周波数変換する。受信側局部発振部8404は、受信した信号を注入信号として変調搬送信号と同期した周波数f1の復調搬送信号を生成する。周波数混合部8402は、受信した変調信号を復調搬送信号で周波数変換する。変調搬送信号と復調搬送信号が確実に同期した状態となるため、変調搬送信号の周波数の安定度を緩和して無線による信号伝送を行なっても伝送対象信号を適切に復調できる。搬送周波数の安定度を緩和してもよいので、回路構成の簡易な発振回路を使用でき、タンク回路を含む発振回路の全体を同一の半導体基板上に形成できる。」と記載され、無線伝送システムの技術が開示されている。
特開2014-116982号公報
しかしながら、特許文献1に開示された技術や同期検波回路を必要とする前記の従来の技術では、同期検波回路として周波数が変更可能なVCO(Voltage Control Oscillator:電圧制御発振器)が用いられる。同期検波回路では、PLL(Phase Lock Loop:位相同期)回路内に存在するVCOを制御することで受信波と同じ周波数を持つ搬送波を生成し、生成した搬送波を受信波に乗算することで受信波を復調する。しかし、VCOは広い範囲で周波数を変更すると周波数の誤差が大きくなる。同期検波回路は周波数の誤差が大きいと受信波と同じ周波数を持つ搬送波を生成できず、正確な復調が困難となる。このため同期検波回路は、広範囲な周波数の信号を一つの回路で復調できないという問題を有する。
また、スマートフォンの内部回路、および制御・監視用ネットワークに用いられるセンサ端末は小型化が進んでおり、無線端末もまた小型化が望まれているが、複数の同期検波回路を実装すると、復調部分の実装面積が増大するという問題を有する。
本発明は、前記した課題(問題)に鑑みて創案されたものであって、受信機の復調部の実装面積を小型化した受信機(無線通信機)を提供することを課題とする。
前記の課題を解決するために、本発明を以下のように構成した。
すなわち、本発明の受信機は、受信アンテナから受信信号を入力し、デジタル変調された前記受信信号の信号処理を行う複数の受信信号処理部と、前記複数の受信信号処理部のそれぞれの出力信号の振幅値逐次、比較して、比較結果の信号を出力する信号比較部と、該信号比較部の出力する信号を基に前記複数の受信信号処理部の出力信号から振幅値が最も大きな一つの信号を選択するセレクタと、該セレクタにより選択された出力信号の正負を判定して、正ならば0、負ならば1のデジタル信号の符号に変換して受信データを生成する符号化部と、を備え、前記複数の受信信号処理部のそれぞれの受信信号処理部は、発振信号を生成する局部発振器と、該局部発振器から出力される信号の周波数を変更するPLLと、該PLLから出力される信号の移相角度を変化させる受信側移相器と、該受信側移相器から出力される信号と前記受信アンテナから入力される信号とを乗算する受信側ミキサと、を具備し、前記複数の受信信号処理部は、複数ある局部発振器および複数あるPLLのうち所定の受信信号処理部の有する局部発振器およびPLLを用い、前記複数の受信信号処理部のそれぞれの受信側移相器は、変化させる移相角度が互いに異なる、ことを特徴とする。
また、その他の手段は、発明を実施するための形態のなかで説明する。
本発明によれば、受信機の復調部の実装面積を小型化した受信機(無線通信機)を提供できる。
本発明の第1実施形態に係る送信機の変調部の構成例を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る送信機の変調部における送信信号処理部の構成例を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る受信機の復調部の構成例を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る受信機の復調部における受信信号処理部の構成例を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る受信機の二つの受信信号処理部におけるそれぞれ二つの出力信号の波形を重ね合わせた一例を示す図である 本発明の第2実施形態に係る送信機の変調部の構成例を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る受信機の復調部の構成例を示す図である。 本発明の第3実施形態に係る受信機の復調部の構成例を示す図である。 本発明の第4実施形態に係る受信機の復調部の構成例を示す図である。 本発明の第5実施形態に係る送信機の構成例を示す図である。 本発明の第5実施形態に係る受信機の構成例を示す図である。 本発明の第6実施形態に係る送信機の構成例を示す図である。 本発明の第6実施形態に係る受信機(受信機の復調部)の構成例を示す図である。 本発明の第7実施形態に係る受信機の復調部の構成例を示す図である。 本発明の第8実施形態に係る無線通信機の構成例を示す図である。 本発明の第9実施形態に係る無線通信機の構成例を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下においては「実施形態」と表記する)を、適宜、図面を参照して説明する。
≪第1実施形態≫
本発明の第1実施形態は、BPSK(Binary Phase Shift Keying: 2値位相変復調)を用いて、データの送受信を行う無線通信機である。第1実施形態では複数の周波数帯の信号を一つの回路で復調可能とする構成と処理について説明する。複数の周波数を用いて通信を行う場合に復調部分の実装面積を削減できる。
以下に、図1から図5を適宜、参照して、第1実施形態の詳細を説明する。
《送信機の変調部10》
図1は、本発明の第1実施形態に係る送信機の変調部10の構成例を示す図である。
図1において、送信機の変調部10は、送信信号処理部11Sと送信信号処理部11Cと加算器12とを備えて構成されている。
デジタル信号で構成された送信データ101は、送信信号処理部11Sおよび送信信号処理部11Cに入力される。
送信信号処理部11Sおよび送信信号処理部11Cにおいては、それぞれ異なる移相角度の搬送波が重畳されるように、信号処理される。なお、送信信号処理部11Sおよび送信信号処理部11Cの詳細な構成は後記する。
送信信号処理部11Sにおいて信号処理された第1の出力信号102Sと、送信信号処理部11Cにおいて信号処理された第2の出力信号102Cは、共に加算器12に入力される。
加算器12は、入力された第1の出力信号102Sと第2の出力信号102Cを加算し、合成(加算)された信号を送信信号104として出力する。
送信信号104は、送信アンテナ(アンテナ)15から電磁波(電波)として出力される。
《送信信号処理部》
次に、図1で示した送信信号処理部11S,11Cの詳細な構成を、図2を参照して説明する。
図2は、本発明の第1実施形態に係る送信機の変調部10における送信信号処理部11S,11Cの構成例を示す図である。なお、送信信号処理部11Sと送信信号処理部11Cとは、ハードウェアとしては同じ構成となるので、図2においては、送信信号処理部11S,11Cを送信信号処理部11と表記して、重複する説明を避けている。
図2において、送信信号処理部11は、局部発振器21とPLL(Phase Locked Loop : 位相同期回路)22と送信側移相器23と送信側ミキサ24とを備えて構成されている。
また、局部発振器21で生成した発振信号をPLL22に入力する。
PLL22は、内部にVCO(Voltage Controlled Oscillator:電圧制御型発振器)を有している。このVCO(不図示)に入力する制御信号を変化されることで任意の搬送波周波数を持つ信号を生成する。
PLL22によって生成された搬送波となる信号は、送信側移相器23に入力されることで位相(移相角度)が変化する。
図1における送信信号処理部11Sの図2における送信側移相器23(23S)は、例えば正弦波(sin)に相当する位相の変化を付与する。
図1における送信信号処理部11Cの図2における送信側移相器23(23C)は、例えば余弦波(cos)に相当する位相の変化を付与する。
そして、図1における送信信号処理部11Sの図2における送信側ミキサ24(24S)は、送信データ(入力信号)101と正弦波(sin)に相当する位相の搬送波を合成(乗算)して、出力信号102(102S)を出力する。
また、図1における送信信号処理部11Cの図2における送信側ミキサ24(24C)は、送信データ(入力信号)101と余弦波(cos)に相当する位相の搬送波を合成(乗算)して、出力信号102(102C)を出力する。
なお、出力信号102Sの搬送波の位相と、出力信号102Cの搬送波の位相とは、90度(π/2)の位相差があることを、前記のように正弦波(sin)と余弦波(cos)の例で示したものであって、正弦波(sin)と余弦波(cos)自体には格別の意味はない。
また、送信信号処理部11Sと送信信号処理部11Cとにおいて、局部発振器21(図2)とPLL22(図2)とを共通に用いている。すなわち、複数の送信信号処理部は、複数ある局部発振器および複数あるPLLのうち、所定の送信信号処理部の有する局部発振器およびPLLを用いる。また、複数ある局部発振器および複数あるPLLのうち、どの局部発振器およびPLLを使用するかは、例えばプログラミングにより任意に設定可能である。なお、局部発振器21(図2)とPLL22(図2)とを共通で用いることにより、送信信号処理部11Sの出力信号102Sと送信信号処理部11Cの出力信号102Cとの位相差が90度(π/2)に保てる。
また、この共通に用いることによるPLL22の出力信号については、図1において記載を省略している。
《送信信号104》
以上のように、送信信号処理部11Sの出力信号102Sにおける搬送波の成分と、送信信号処理部11Cの出力信号102Cにおける搬送波の成分とは、互いに90度(π/2)の位相差がある。
図1において、この搬送波に互いに90度(π/2)の位相差がある出力信号102Sと出力信号102Cとが加算器12で合成(加算)されるので、送信信号104には、送信データが互いに90度(π/2)の位相差がある二つの搬送波に重畳された信号が出力される。
すなわち、BPSK変調された信号が送信信号104として出力される。
《送信信号処理部における処理の数式表現》
送信信号処理部11S(図1)の出力信号をSot1として、数式を用いて表すと以下の式1で表される。
Figure 0007000051000001
式1において、Dはデータによって切り替わる1、もしくは-1の係数であり、fctはPLL22(図2)より出力された搬送波の持つ搬送波周波数であり、tは時間である。
前記したように、送信信号処理部11Sと送信信号処理部11Cとにおいて、局部発振器21(図2)とPLL22(図2)とを共通に用いている。また、送信信号処理部11Cでは、送信信号処理部11Sと比較して、90度(π/2)位相が異なる搬送波を乗算している。
そのため、送信信号処理部11Cの出力信号をSot2として、数式を用いて表すと以下の式2で表される。
Figure 0007000051000002
送信信号処理部11Sの出力信号をSot1と送信信号処理部11Cの出力信号をSot2の二つの信号は加算器12によって加算される。
加算器12から出力された送信信号104をSとして、数式を用いて表すと以下の式3で表される。
Figure 0007000051000003
式3で表される送信信号104は、送信アンテナ15から電波(電磁波)として空間に出力される。
《受信機の復調部30》
次に、第1実施形態に用いる受信機の復調部30について説明する。
図3は、本発明の第1実施形態に係る受信機の復調部30の構成例を示す図である。
図3において、復調部30は、受信信号処理部31S、受信信号処理部31C、信号比較部32、セレクタ33、符号化部34を備えて構成されている。
受信アンテナ(アンテナ)35で受信された受信信号301は、受信信号処理部31Sと受信信号処理部31Cに入力される。
受信信号処理部31Sおよび受信信号処理部31Cにおいては、それぞれ異なる位相の復調用の信号が重畳されて信号処理される。なお、受信信号処理部31Sおよび受信信号処理部31Cの詳細な構成は後記する。
受信信号処理部31Sにおいて受信信号301が信号処理されて出力された第1の出力信号302Sと、受信信号処理部31Cにおいて受信信号301が信号処理されて出力された第2の出力信号302Cは、共に信号比較部32とセレクタ33とに入力される。
信号比較部32は、第1の出力信号302Sと第2の出力信号302Cの振幅値を逐次、比較する。そして、信号比較部32は、その比較した結果をセレクタ33に通知する信号323を出力する。
セレクタ33は、信号比較部32の比較結果の信号323に基づき、第1の出力信号302Sと第2の出力信号302Cとから振幅値が大きな一方の信号を、逐次、選択して出力する。
符号化部34は、セレクタ33の出力する出力信号303の正負を判定し、正ならば0、負ならば1を受信データ304として出力する。
《受信信号処理部》
次に、図3で示した受信信号処理部31S,31Cの構成について、図4を参照して説明する。
なお、受信信号処理部31Sと受信信号処理部31Cのハードウェアとしての構成は共通であるので、図4においては、受信信号処理部31として受信信号処理部31S,31Cの構成を一緒に説明する。
図4は、本発明の第1実施形態に係る受信機の復調部30における受信信号処理部31S,31Cの構成例を示す図である。なお、受信信号処理部31Sと受信信号処理部31Cとは、ハードウェアとしては同じ構成となるので、図4においては、受信信号処理部31S,31Cを受信信号処理部31と表記して、重複する記載を省略している。
図4において、受信信号処理部31は、局部発振器41、PLL(Phase Locked Loop :位相同期ループ)42、受信側移相器43、受信側ミキサ44、LPF(Low Pass Filter:低域通過フィルタ)45を備えて構成されている。
局部発振器41で生成した発振信号をPLL42に入力する。
PLL42は、内部のVCO(不図示)に入力する制御信号を変化されることで搬送波周波数を有する信号を生成する。
PLL42によって生成された信号は、受信側移相器43に入力されることで位相が変化する。
図3における受信信号処理部31Sの図4における受信側移相器43(43S)は、例えば正弦波(sin)に相当する位相の変化を付与する。
図3における受信信号処理部31Cの図4における受信側移相器43(43C)は、例えば余弦波(cos)に相当する位相の変化を付与する。
そして、図3における受信信号処理部31Sの図4における受信側ミキサ44(44S)は、受信信号(入力信号)301と正弦波(sin)に相当する位相の搬送波を合成(乗算)する。受信側ミキサ44(44S)において、受信信号(入力信号)301の搬送波と、受信側移相器43(43S)の出力する搬送波周波数を有する信号とが作用する。そして、受信側ミキサ44(44S)の出力をLPF45(45S)に通すことによって、搬送波周波数の高周波成分が除去され、送信データが復調される。この復調された送信データが、出力信号302(302S)として出力される。
また、図3における受信信号処理部31Cの図4における受信側ミキサ44(44C)は、受信信号(入力信号)301と余弦波(cos)に相当する位相の搬送波を合成(乗算)する。受信側ミキサ44(44C)において、受信信号(入力信号)301の搬送波と、受信側移相器43(43C)の出力する搬送波周波数を有する信号とが作用する。そして、受信側ミキサ44(44C)の出力をLPF45(45C)に通すことによって、搬送波周波数の高周波成分が除去され、送信データが復調される。この復調された送信データが、出力信号302(302C)として出力される。
なお、受信側ミキサ44(44S)における受信側移相器43(43S)の出力する搬送波周波数の位相と、受信側ミキサ44(44C)における受信側移相器43(43C)の出力する搬送波周波数の位相とは、90度(π/2)の位相差がある。この90度(π/2)の位相差があることを、前記のように正弦波(sin)と余弦波(cos)の例で示したものであって、正弦波(sin)と余弦波(cos)自体には格別の意味はない。
また、受信信号処理部31Sと受信信号処理部31Cとにおいて、局部発振器41(図4)とPLL42(図4)とを共通に用いている。すなわち、複数の受信信号処理部は、複数ある局部発振器および複数あるPLLのうち、所定の受信信号処理部の有する局部発振器およびPLLを用いる。また、複数ある局部発振器および複数あるPLLのうち、どの局部発振器およびPLLを使用するかは、例えばプログラミングにより任意に設定可能である。なお、局部発振器41(図4)とPLL42(図4)とを共通で用いることにより、受信信号処理部31Sの出力信号302Sと受信信号処理部31Cの出力信号302Cとの位相差が90度(π/2)に保てる。
また、この共通に用いることによるPLL42の出力信号については、図3において記載を省略している。
《受信データ304》
受信信号処理部31Sの出力信号302Sと、受信信号処理部31Cの出力信号302Cとでは、送信機から受信機までに信号が到達する過程において、電波の伝送路や環境からの影響が異なっていたりすることがある。
そのため、出力信号302Sと出力信号302Cとでは、信号強度(振幅)が異なり、それぞれ時々刻々と変動する。
そのため、前記したように、図3において、信号比較部32によって受信した信号の信号強度(振幅)を比較し、高い方がどちらかであるかの信号を出力する。
また、セレクタ33では、信号比較部32の出力信号に基づき、出力信号302Sと出力信号302Cの信号強度(振幅)が高い方を選択する。そして信号強度(振幅)が高い方の出力信号(302Sもしくは302C)を出力信号303として符号化部34に出力する。
また、符号化部34は、セレクタ33の出力信号303(出力信号302Sもしくは出力信号302C)を符号化し、受信データ304として出力する。
以上より、符号化部34においては、出力信号302Sと出力信号302Cのいずれかの信号強度(振幅)が高い方を符号化することになるので、受信データ304は、より確実に復調される。
<受信信号処理部31における処理の数式表現>
受信信号処理部31(31S,31C)における信号処理について数式を用いて説明する。なお、前記したように、受信信号処理部31Sと受信信号処理部31Cとでは受信側移相器43(43S,43C)における移相の度合いが位相差として90度(π/2)異なっている。
以下では、便宜的に受信側移相器(43S)の出力する信号(搬送波)を正弦波(sin)とし、受信側移相器(43C)の出力する信号(搬送波)を余弦波(cos)として表記する。
《受信信号処理部31Sにおける処理の数式表現》
受信信号処理部31S(31)における信号処理を、数式を用いて表すと以下の4式のようになる。
Figure 0007000051000004
なお、式4において、左辺におけるfctは、送信側の搬送波周波数(図2のPLL22の出力周波数)であり、fcrは、受信側の搬送波周波数(図4のPLL42の出力周波数)である。
また、{sin(2πfctt)+cos(2πfctt)}は、送信信号104(図1)に送信信号処理部11Sと送信信号処理部11Cの出力信号が加算されていることに起因する。
また、sin(2πfcrt)は、受信側の搬送波周波数を出力する受信側移相器43(43S)に関連するものである。
また、Dはデータによって切り替わる1、もしくは-1の係数である。
また、式4において、右辺は、左辺の式でsinとcosとによる積として表されている信号を、周波数成分とsin,cosの位相に関わる成分とに分解したものである。
すなわち、送信側の搬送波周波数fctと受信側の搬送波周波数fcrとの差(fct-fcr)の成分と、和(fct+fcr)の成分を基に分解されている。差の成分と和の成分のなかにsin,cosの成分が含まれている。
式4の右辺で表された信号をLPF(Low Pass Filter:低域通過フィルタ)45を通すと、(fct-fcr)の低周波成分は、フィルタ(LPF45:図4)を通過するが、(fct+fcr)の高周波成分はフィルタ(LPF45)で遮断されて除去される。
受信信号処理部31S(図3)の出力信号302S(302:図4)においては、式4の右辺の(fct-fcr)の低周波成分のみの信号となり、次の5式における左辺のように表記される。
また、次の5式における左辺の二つの信号は、合算して変形すれば、右辺における一つの数式の信号として表記される。
5式は次のように表される。
Figure 0007000051000005
《受信信号処理部31Cにおける処理の数式表現》
受信信号処理部31C(31)における信号処理を、数式を用いて表すと以下の6式のようになる。
Figure 0007000051000006
式6の左辺において、式4の左辺と異なるのは、cos(2πfcrt)である。なお、式4の左辺では、sin(2πfcrt)として記載されていた要素に対応する。
このcosとsinと違いは、受信信号処理部31Cの受信側移相器43Cと、受信信号処理部31Sの受信側移相器43Sとでは、移相の度合いが位相差として90度(π/2)異なっているためである。
なお、式6の左辺における{sin(2πfctt)+cos(2πfctt)}については、式4の左辺で説明したことと同様であるので、重複する説明は省略する。
また、式6の右辺において、式4の右辺と同様に、送信側の搬送波周波数fctと受信側の搬送波周波数fcrとの差(fct-fcr)の成分と、和(fct+fcr)の成分を基に分解されている。差の成分と和の成分のなかにsin,cosの成分が含まれている。
ただし、前記したように、式6の左辺と式4の左辺とでは、cosとsinの違いがあるので、式6の右辺において、sin,cosの成分が式4の右辺と異なっている。
式6の右辺で表された信号をLPF(Low Pass Filter:低域通過フィルタ)45を通すと、(fct-fcr)の低周波成分は、フィルタ(LPF45:図4)を通過するが、(fct+fcr)の高周波成分はフィルタ(LPF45)で遮断されて除去される。
受信信号処理部31C(図3)の出力信号302C(302:図4)においては、式6の右辺の(fct-fcr)の低周波成分のみの信号となり、次の7式における左辺のように表記される。
また、次の7式における左辺の二つの信号は、合算して変形すれば、右辺における一つの数式の信号として表記される。
7式は次のように表される。
Figure 0007000051000007
《本発明の第1実施形態と従来例との比較》
図5は、本発明の第1実施形態に係る受信機の二つの受信信号処理部31S,31Cにおけるそれぞれの二つの出力信号302S,302Cの波形を重ね合わせた一例を示す図である。
図5において、縦軸は、出力信号302S,302Cの波形の振幅であり、横軸は時間(時間の推移)である。また、Dは、数式(1)~(7)で用いた、データによって切り替わる1、もしくは-1の係数である。
従来の回路方式においては、一般にBPSK(PSKを含む)を用いた場合、復調対象の信号の振幅が小さなときに復調結果を誤ることがある。
本(第1)実施形態では、図5から読み取れるように、振幅値が大きな信号を選択することで、常に最大振幅の1/2以上の振幅を持つ信号を復調することが可能となる。
この結果、復調結果の誤りを防ぐ、もしくは低減することができる。
<第1実施形態の効果>
本発明の第1実施形態では、受信機の復調部30の二つの受信信号処理部31S,31Cにおけるそれぞれの二つの出力信号302S,302Cの振幅値が大きな信号が選択される。そのため、常に最大振幅の1/2以上の振幅を持つ信号を復調することが可能となる。
前記したように、この振幅値が大きな信号が選択される結果、復調結果の誤りを防ぐ、もしくは低減することができる。この効果は、送信側と受信側の搬送波周波数のズレによらず、常に得られる。
すなわち、本(第1)実施形態の無線通信機は、受信機側の周波数の誤差が大きい場合にも復調が可能となり、複数の周波数帯の信号を一つの回路で復調可能とする。
前記したように従来技術では複数の周波数帯を用いることがあるが、複数の周波数帯の信号を復調するためには、受信機の復調部に周波数帯ごとに同期検波回路が必要となる。
これに対して、本(第1)実施形態では、複数の周波数帯の信号を一つの回路で復調可能とする。すなわち、複数の周波数を用いて通信を行う場合にも、図1に示した一つの送信機の変調部10と、図3に示した一つの受信機の復調部30で実施可能であって、受信側で複数の変調部を備えなくともよい。
したがって、受信機の復調部(30)が一つで済むので、受信機の復調部分の実装面積を削減できる。また、受信機あるいは無線通信機として小型化できる。
≪第2実施形態≫
本発明の第2実施形態として、B-DPSK(Binary-Differential Phase Shift Keying:2値位相偏移変復調)の例について説明する。なお、B-DPSKは、DBPSK(Differential Binary Phase Shift Keying)とも表記する。
《送信機の変調部10D》
図6は、本発明の第2実施形態に係る送信機の変調部10Dの構成例を示す図である。
図6において、送信機の変調部10Dは、送信信号処理部11S、送信信号処理部11C、加算器12、および差動符号部13を備えて構成されている。
図6に示した送信機の変調部10Dが図1に示した送信機の変調部10と異なるのは、図6の変調部10Dにおいて、差動符号部13を備えたことである。
送信データ101は、まず差動符号部13に入力される。差動符号部13において、送信データ101を差動符号化する。
すなわち、差動符号部13において、送信データの正負の信号を、1周期前(一つ前)の信号と比較して、正負が変化したならば「1」を出力し、変化していないならば「0」を出力することで、BPSKのデータをB-DPSKのデータに変換する。
B-DPSKのデータに変換された信号111は、送信信号処理部11Sと送信信号処理部11Cに入力される。送信信号処理部11Sと送信信号処理部11Cと加算器12と送信アンテナ15の構成、および動作は、第1実施形態の図1で示したものと同一であるので、重複する説明は省略する。
ただし、送信アンテナ15から送信される送信信号104Dは、B-DPSKのデータが変調されたものである。
《受信機の復調部30D》
図7は、本発明の第2実施形態に係る受信機の復調部30Dの構成例を示す図である。
図7において、受信機の復調部30Dは、受信信号処理部31S、受信信号処理部31C、信号比較部32、セレクタ33、および符号化部34Dを備えて構成されている。なお、符号化部34Dは、差動符号復元部36を具備している。
図7に示した受信機の復調部30Dが図3に示した受信機の復調部30と異なるのは、図7の受信機の復調部30Dにおいて、符号化部34Dが差動符号復元部36を具備していることである。
差動符号復元部36は、B-DPSKをBPSKのデータに変換する機能を有している。この機能を付加したことによって、図6の送信データ101を、図7の受信データ304として復元できる。
すなわち、図6の送信データ101は、送信機の変調部10Dにおいて、B-DPSKに変調された送信信号104Dとなり、送信アンテナ15から電磁波(電波)として送信される。そして、図7における受信アンテナ35から受信信号301Dとして受信され、受信機の復調部30Dにおいて受信信号が復調されて、B-DPSKからBPSKとしての符号となって、受信データ304として復元される。
なお、図7における受信信号処理部31Sと受信信号処理部31Cと信号比較部32とセレクタ33、および受信アンテナ35の構成、および動作は、第1実施形態の図3で示したものと同一であるので、重複する説明は省略する。
<第2実施形態の効果>
本(第2)実施形態では、第1実施形態と同様に、復調部分の実装面積を削減できる。そして、受信機あるいは無線通信機として小型化できる。
また、本(第2)実施形態では、B-DPSKによる差動符号を用いているため、受信機の復調部30Dにおける基準搬送波が不安定でも受信信号として復元(復調)しやすいという効果がある。
≪第3実施形態≫
本発明の第3実施形態は、第1実施形態における受信信号処理部から出力された二つの信号を加算・減算することで、雑音に対する耐性を向上した無線機である。
以下に、本(第3)実施形態を、適宜、図を参照して説明する。
《受信機の復調部40》
図8は、本発明の第3実施形態に係る受信機の復調部40の構成例を示す図である。
図8において、受信機の復調部40は、受信信号処理部31S、受信信号処理部31C、信号比較部32、セレクタ33、符号化部34、および加算器51と減算器52とを備えて構成されている。
図8に示した受信機の復調部40が図3に示した受信機の復調部30と異なるのは、図8の復調部40において、加算器51と減算器52とを備えたことである。
加算器51は、受信信号処理部31Sの出力信号302Sと受信信号処理部31Cの出力信号302Cとを加算する。
減算器52は、受信信号処理部31Sの出力信号302Sと受信信号処理部31Cの出力信号302Cとを減算する。
加算器51の出力信号501と減算器52の出力信号502は、共にセレクタ33と信号比較部32に入力する。
この加算器51と減算器52とを設けたことにより、受信環境の最もよい条件がセレクタ33で選択可能となる。
なお、この加算器51と減算器52とを設けたことによる作用と効果の詳細については、後記する。
図8における受信信号処理部31Sと受信信号処理部31Cと信号比較部32とセレクタ33、および受信アンテナ35の構成、および動作は、第1実施形態の図3で示したものと概ね同一であるので、重複する説明は省略する。
<受信機の加算器および減算器における処理の数式表現>
図8における加算器51および減算器52における信号処理については、数式を用いて順に説明する。
《受信機の加算器における処理の数式表現》
図8において、加算器51には、受信信号処理部31Sの出力信号302Sと受信信号処理部31Cの出力信号302Cが入力している。したがって、図8における加算器51における信号処理を、数式を用いて表すと以下の8式ようになる。
Figure 0007000051000008
式8の左辺の第1項は、式5の右辺であって、受信信号処理部31Sの出力信号302Sを表している。
式8の左辺の第2項は、式7の右辺であって、受信信号処理部31Cの出力信号302Cを表している。
式8の右辺は、左辺の二つの信号を加算して一つの信号(出力信号501)として表したものである。
《受信機の減算器における処理の数式表現》
図8において、減算器52には、受信信号処理部31Sの出力信号302Sと受信信号処理部31Cの出力信号302Cが入力している。したがって、図8における減算器52における信号処理を、数式を用いて表すと以下の9式ようになる。
Figure 0007000051000009
式9の左辺の第1項は、式5の右辺であって、受信信号処理部31Sの出力信号302Sを表している。
式9の左辺の第2項は、式7の右辺であって、受信信号処理部31Cの出力信号302Cを表している。
式9の右辺は、左辺の二つの信号を減算して一つの信号(出力信号502)として表したものである。
《信号比較部32とセレクタ33による効果》
第3実施形態における加算器51より出力された出力信号501は、式8で表され、信号の振幅はDで表記されている。
それに対して、第1実施形態の受信信号処理部31Sの出力信号302Sは、式5で表され、信号の振幅は(D/√2)で表されている。
すなわち、第3実施形態における加算器51より出力された出力信号501の振幅Dは、第1実施形態における受信信号処理部31Sの出力信号302Sの振幅(D/√2)よりも√2倍の大きさである。
また、第3実施形態における減算器52から出力された出力信号502は、式9で表され、信号の振幅はDで表記されている。
それに対して、第1実施形態の受信信号処理部31Cの出力信号302Cは、式7で表され、信号の振幅は(D/√2)で表されている。
すなわち、第3実施形態における減算器52から出力された出力信号502の振幅Dは、第1実施形態における受信信号処理部31Cの出力信号302Cの振幅(D/√2)よりも√2倍の大きさである。
なお、表記上の都合によって「√2」と表記したが、これは「ルート2」、あるいは、「(2)1/2」を意味している。以下においても同様の表記を、適宜、行う。
前記したように、第3実施形態において、加算器51より出力された出力信号501と減算器52より出力された出力信号502を信号比較部32に入力し、信号比較部32の出力信号323Bによって、セレクタ33で選択している。そのため、セレクタ33の出力信号303Bも、第1実施形態のセレクタの出力信号303に比較して√2倍の振幅を持つ。すなわち、第3実施形態においては、第1実施形態に比較して、√2倍の振幅の信号を復調できる。
前記したように、第1実施形態では、受信信号に対し最大振幅の1/2倍の振幅を持つ雑音が付加された場合に、復調結果を誤る可能性があった
これに対し、本(第3)実施形態は最大振幅の1/√2倍の振幅を持つ雑音まで許容できるようになる。
<第3実施形態の効果>
本(第3)実施形態は、第1実施形態に比較して、雑音の許容度が√2倍に向上する効果がある。
≪第4実施形態≫
本発明の第4実施形態は、第1、第3実施形態の無線通信機(送信機、受信機)において、受信系統を増加させることで通信品質を向上させる無線通信機(送信機、受信機)である。
以下に、本(第4)実施形態を、適宜、図を参照して説明する。
《受信機の復調部50》
図9は、本発明の第4実施形態に係る受信機の復調部50の構成例を示す図である。
図9に示す受信機の復調部50において、受信信号処理部31S1~31SN(N個)、受信信号処理部31C1~31CN(N個)、信号比較部32M、セレクタ33M、符号化部34が備えられている。
また、受信アンテナ(アンテナ)351~35N(N個)が備えられている。そして受信アンテナ(アンテナ)351~35N(N個)は、それぞれ互いに異なる場所に設置されている。
受信アンテナ351の受信信号3011は、受信信号処理部31S1と受信信号処理部31C1に入力されている。
受信アンテナ352の受信信号3012は、受信信号処理部31S2と受信信号処理部31C2に入力されている。
また、受信アンテナ35Nの受信信号301Nは、受信信号処理部31SNと受信信号処理部31CNに入力されている。
なお、Nは正の整数である。
図9における受信信号処理部31S1と受信信号処理部31C1との関係は、図3における受信信号処理部31Sと受信信号処理部31Cとの関係に対応する。
図9における受信信号処理部31S2と受信信号処理部31C2との関係は、図3における受信信号処理部31Sと受信信号処理部31Cとの関係に対応する。
また、図9における受信信号処理部31SNと受信信号処理部31CNとの関係は、図3における受信信号処理部31Sと受信信号処理部31Cとの関係に対応する。
なお、受信信号処理部31S1~31SNと受信信号処理部31C1~31CNでは、同一の局部発振器(41:図4)と、同一のPLL(41:図4)とを用いる。
受信信号処理部31S1~31SNのそれぞれの出力信号302S1~302SNと、受信信号処理部31C1~31CNのそれぞれの出力信号302C1~302CNは、共に、信号比較部32Mとセレクタ33Mに入力している。
信号比較部32Mは、出力信号302S1~302SN、および出力信号302C1~302CNの振幅値を逐次、比較して最大の振幅値を検出する。そして、信号比較部32Mは、その比較、検出した結果をセレクタ33Mに出力信号323Mで通知する。
セレクタ33Mは、信号比較部32Mの比較結果の信号に基づき、出力信号302S1~302SNと出力信号302C1~302CNとから振幅値が最も大きな信号を選択し、出力信号303Mとして符号化部34に出力する。
符号化部34は、セレクタ33Mの出力信号303Mの正負を判定し、正ならば0、負ならば1を受信データ304として出力する。
なお、受信信号処理部31S1~31SNと受信信号処理部31C1~31CNの個々の構成、機能、動作は、第1実施形態の図3で示したものと同一であるので、重複する説明は省略する。
<第4実施形態の効果>
一つのアンテナのみを用いて受信する第1~第3実施形態では、周囲の環境によって、電磁波の受信が困難となる場合がある。
これに対し、本(第4)実施形態では、設置箇所が異なる複数(N個)の受信アンテナ351~35Nを用いるために、一つのアンテナが受信困難となった場合に、他のアンテナを用いて受信できる。
このように、複数のアンテナを用いて受信することで通信品質が向上する。
≪第5実施形態≫
本発明の第5実施形態は、第1および第3実施形態の無線通信機(送信機、受信機)において、BPSKを用いて回転偏波の送受信を可能とする無線機である。
回転偏波は複数の偏波角度を用いて通信を行うため、一般に第三者の傍受が困難であり、高セキュアな通信を実現する。
以下に、第5実施形態の送信機および受信機を、適宜、図を参照して説明する。
《送信機60》
図10は、本発明の第5実施形態に係る送信機の構成例を示す図である。
図10において、送信機60は局部発振器64、π/2移相器66、第1の送信側ミキサ62、第2の送信側ミキサ63、第1の変調部(変調部)61S、第2の変調部(変調部)61Cを備えて構成されている。
また、垂直送信アンテナ(第1の送信アンテナ)65Sと水平送信アンテナ(第2の送信アンテナ)65Cが設けられている。垂直送信アンテナ65Sと水平送信アンテナ65Cとは互いに直交する方向に電磁波(電波)が発生するように構成されている。
局部発振器64で生成した信号は、π/2移相器66に入力している。そしてその信号はπ/2移相器66においてπ/2の位相が変化する。このようにして、回転偏波を形成する基になる局部発振器64で生成した信号と、この信号をπ/2の位相を変化させた信号とが形成される。
送信データ101は、第1の送信側ミキサ62と第2の送信側ミキサ63に入力する。
第1の送信側ミキサ62には、送信データ101の他に、局部発振器64で生成した信号が入力している。そのため送信データ101は、偏波の回転周波数を持つ信号が重畳(乗算)され、第1のデータ信号602Sが形成される。
また、第2の送信側ミキサ63には、送信データ101の他に、π/2移相器66の出力信号が入力している。そのため送信データ101は、π/2の位相がずれた偏波の回転周波数を持つ信号が重畳(乗算)され、第2のデータ信号602Cが形成される。
第1のデータ信号602Sは、変調部61Sに入力して搬送波が重畳するように変調される。
また、第2のデータ信号602Cは、変調部61Cに入力して搬送波が重畳するように変調される。
なお、変調部61Sおよび変調部61Cの構成は、例えば図1の変調部10の構成である。
変調部61Sで変調された送信信号604Sは、垂直送信アンテナ65Sから電磁波(電波)として出力される。
変調部61Cで変調された送信信号604Cは、水平送信アンテナ65Cから電磁波(電波)として出力される。
垂直送信アンテナ65Sから電磁波(電波)と水平送信アンテナ65Cから電磁波(電波)とによって、回転偏波の電磁波(電波)が形成される。
《回転偏波(円偏波)の原理》
この回転偏波(円偏波)の原理を簡単に説明する。
例えば、複素平面におけるオイラーの公式として、次の10式がよく知られている。
exp(iθ)=cosθ+i・sinθ ・・・ (10)
ここで、iは虚数単位であり、θは回転角である。
10式において、θが各値をとると10式のベクトルは、円を描いて、円周を移動する(回転する)。また、cosθは実数であり、i・sinθは虚数である。すなわち、実数軸と虚数(i)軸の複素平面において、cosθとi・sinθは、ベクトルとして、円周を移動、回転する。
この実数軸と虚数(i)軸が直交していることは、本発明の第5実施形態に係る送信アンテナである水平送信アンテナ65Cと垂直送信アンテナ65Sとが、空間的に直交する方向に設置されていることに対応する。
また、10式の右辺のcosθは、第5実施形態において、水平送信アンテナ65Cから余弦波(cos)の偏波が電磁波として放射されることに対応する。
また、10式の右辺のi・sinθは、第5実施形態において、垂直送信アンテナ65Sから正弦波(sin)の偏波が電磁波として放射されることに対応する。
すなわち、水平送信アンテナ65Cと垂直送信アンテナ65Sとが互いに空間的に直交して配置され、水平送信アンテナ65Cからは余弦波(cos)、垂直送信アンテナ65Sからは正弦波(sin)の電気信号を変換した電波が出力されると、合成された電波は、空間を円形に回転する回転偏波(円偏波)の電磁波(電波)となる。
《受信機70》
図11は、本発明の第5実施形態に係る受信機(受信機の復調部)70の構成例を示す図である。
図11において、受信機(受信機の復調部)70は、受信信号処理部71SS、受信信号処理部71SC、受信信号処理部71CS、受信信号処理部71CC、信号比較部72、セレクタ73、および符号化部74を備えて構成されている。
また、垂直受信アンテナ75Sと水平受信アンテナ75Cが設けられている。垂直受信アンテナ75Sと水平受信アンテナ75Cとは互いに直交する方向の電磁波(電波)が入力しやすいように構成されている。
垂直受信アンテナ75Sから入力した受信信号701Sは、受信信号処理部71SSと受信信号処理部71SCに入力する。
また、水平受信アンテナ75Cから入力した受信信号701Cは、受信信号処理部71CSと受信信号処理部71CCに入力する。
図11において、受信信号処理部71SSと受信信号処理部71SCに入力した信号の処理は、第1実施形態の図3で示した受信信号処理部31Sと受信信号処理部31Cでの信号処理と概ね同じである。
また、図11において、受信信号処理部71CSと受信信号処理部71CCに入力した信号の処理は、第1実施形態の図3で示した受信信号処理部31Sと受信信号処理部31Cでの信号処理と概ね同じである。
事実上、重複する説明は省略する。
受信信号処理部71SS、受信信号処理部71SC、受信信号処理部71CS、受信信号処理部71CCのそれぞれの出力信号702SS,702SC,702CS,702CCは、共に信号比較部72とセレクタ73に入力する。
信号比較部72では、入力する四つの出力信号702SS,702SC,702CS,702CCから最も振幅値が大きい信号を逐次、選択する。信号比較部72は、その比較した結果をセレクタ73に出力信号723で通知する。
セレクタ73は、信号比較部72の比較結果の出力信号723に基づき、出力信号702SS,702SC,702CS,702CCとから振幅値が最も大きな信号を選択して出力信号703を符号化部34に出力する。
符号化部34は、セレクタ73の出力信号703の正負を判定し、正ならば0、負ならば1を受信データ304として出力する。
なお、受信信号処理部31S1~31SNと受信信号処理部31C1~31CNの個々の構成、機能、動作は、第1実施形態の図3で示したものと同一であるので、重複する説明は省略する。
<第5実施形態の効果>
1本の受信アンテナを用いて直線偏波でから受信する受信機(例えば第1~第3実施形態)に対しては、秘匿性の高い高セキュアな通信を実現する効果がある。
≪第6実施形態≫
第6実施形態は、第5実施形態の無線通信機(送信機、受信機)において、B-DPSKを適用することによって、伝搬路選択による高信頼な通信を実現する。
送信機から出力された回転偏波は偏波角度ごとに異なる伝搬路を通過し、受信機へと到達する。偏波角度ごとに復調を行い、良好な伝搬路を通過した偏波角度から得た復調結果を受信データとすることで、伝搬路選択を実現する。
また、伝搬路選択を実現するために、送信機側で偏波角度が一回転する間、同じデータを乗算するものとする。
《送信機60D》
図12は、本発明の第6実施形態に係る送信機の構成例を示す図である。
図12において、送信機60Dは、局部発振器64、π/2移相器66、第1の送信側ミキサ62、第2の送信側ミキサ63、変調部61S、変調部61C、および差動符号部13を備えて構成されている。
また、垂直送信アンテナ(第1の送信アンテナ)65Sと水平送信アンテナ(第2の送信アンテナ)65Cが設けられている。垂直送信アンテナ65Sと水平送信アンテナ65Cとは互いに直交する方向に電磁波(電波)が発生するように構成されている。
以上の図12に示した送信機60Dが図10に示した送信機60と異なるのは、図12の送信機60Dにおいて、差動符号部13を備えたことである。
送信データ101は、まず差動符号部13に入力される。差動符号部13において、送信データ101を差動符号化する。
すなわち、差動符号部13において、送信データの正負の信号を、1周期前(一つ前)の信号と比較して、正負が変化したならば「1」を出力し、変化していないならば「0」を出力することで、BPSKのデータをB-DPSKのデータに変換する。
B-DPSKに変換したデータである信号111は、第1の送信側ミキサ62と第2の送信側ミキサ63に入力する。
以降、局部発振器64、π/2移相器66、第1の送信側ミキサ62、第2の送信側ミキサ63、変調部61S、変調部61C、および垂直送信アンテナ65Sと水平送信アンテナ65Cの構成、機能、動作は、第5実施形態の図10で示したものと同一であるので、重複する説明は省略する。
ただし、垂直送信アンテナ65Sから送信される送信信号604SD、および水平送信アンテナ65Cから送信される送信信号604CDは、B-DPSKのデータが変調されたものである。
《受信機70D》
図13は、本発明の第6実施形態に係る受信機(受信機の復調部)70Dの構成例を示す図である。
図13において、受信機(受信機の復調部)70Dは、受信信号処理部71SS、受信信号処理部71SC、受信信号処理部71CS、受信信号処理部71CC、信号比較部72、セレクタ73、および符号化部74Dを備えて構成されている。なお、符号化部74Dは、差動符号復元部76を具備している。
また、垂直受信アンテナ75Sと水平受信アンテナ75Cが設けられている。垂直受信アンテナ75Sと水平受信アンテナ75Cとは互いに直交する方向の電磁波(電波)が入力しやすいように構成されている。
以上の図13に示した受信機(受信機の復調部)70Dが図11に示した受信機(受信機の復調部)70と異なるのは、図13の受信機(受信機の復調部)70Dにおいて、符号化部74Dが差動符号復元部76を具備していることである。
また、垂直受信アンテナ75Sと水平受信アンテナ75Cにおいては、B-DPSKの信号を入力している。
図13において、符号化部74Dは、セレクタ73の出力する信号703Dを符号化するが、この符号はB-DPSKに基づくものであるので、符号化部74Dに具備された差動符号復元部76によって、BPSKの符号化と同等の符号に復元し、受信データ704として出力する。
図13における、受信信号処理部71SS、受信信号処理部71SC、受信信号処理部71CS、受信信号処理部71CC、信号比較部72、セレクタ73は、第5実施形態の図11で示したものと同一であるので、重複する説明は省略する。
<第6実施形態の効果>
BPSKを用いていた第5実施形態においては、偏波が一回転する間、常に同じ復調結果を取得することができないため、偏波角度ごとの復調が困難となる場合があった。
それに対して、第6実施形態では、信号の変化に着目するB-DPSKを適用することで偏波が一回転する間、常に同じ復調結果を受信データとして出力できる。この効果によって偏波角度ごとの復調が可能となり、伝搬路選択による高信頼な通信を実現できる。
≪第7実施形態≫
本発明の第7実施形態では、第1実施形態に係る受信機(受信機の復調部)において、信号比較部の出力から送受信機間に存在するPLLの搬送波周波数の誤差を算出する。そして算出した誤差から周波数の補正値を計算し、PLLに入力する電圧値を変更することで送受信機間に存在する搬送波周波数の誤差を小さくする。
以下に、本(第7)実施形態を、適宜、図14を参照して説明する。
《受信機の復調部80》
図14は、本発明の第7実施形態に係る受信機の復調部80の構成例を示す図である。
図14において、受信機の復調部80は、受信信号処理部81S,81C、信号比較部82、セレクタ83、符号化部84、および補正値算出部85とVCO制御部86とを備えて構成されている。
また、受信アンテナ(アンテナ)95によって受信された受信信号801が受信信号処理部81S,81Cに入力している。
以上の図14に示した受信機の復調部80が図3に示した受信機の復調部30と異なるのは、図14において、補正値算出部85とVCO制御部86とを備えたことである。
なお、第7実施形態の図14における受信信号処理部81S,81C、信号比較部82、セレクタ83、符号化部84は、第1実施形態の図3における受信信号処理部31S,31C、信号比較部32、セレクタ33、符号化部34にそれぞれ対応している。対応している同一の機能、構成、動作については、適宜、重複する説明を省略する。
図14において、信号比較部82は、受信信号処理部81Sの出力信号802Sと、受信信号処理部81Cの出力信号802Cとを入力し、それらに振幅値を比較して、信号823と信号825を出力する。
この比較した結果の信号823は、セレクタ83に入力し、また同じく比較結果の信号825は、補正値算出部85に入力している。
補正値算出部85は、前記した比較の結果の信号825から補正値を算出してVCO制御部86に信号856を入力する。
VCO制御部86は、その制御信号861Sと制御信号861Cとを、それぞれ受信信号処理部81Sと受信信号処理部81Cに入力し、受信信号処理部81S,81Cがそれぞれ有するPLL42(42S,42C:図4)を制御する。
《信号比較部82と補正値算出部85とVCO制御部86の動作の詳細》
信号比較部82から出力される信号は、出力信号802Sと出力信号802Cの振幅の比較結果によって変化する。この変化の周期は、送受信機間における搬送波周波数(fct,fcr)の誤差の大きさによって変化する。
この周波数の誤差をΔfとすると、Δfの周波数成分を持つ信号の1/4周期ごとに信号比較部82から出力される信号は変化することになる。
補正値算出部85は、信号比較部82から出力される信号が変化した時刻を記憶し、直前の変化からの経過時間からΔfを算出する。そして、この算出結果の信号をVCO制御部86に入力する。
VCO制御部86は、入力された誤差Δfの信号からVCOの制御信号(861S,861C)を生成し、受信信号処理部81Sと受信信号処理部81Cにそれぞれ入力する。
受信信号処理部81Sと受信信号処理部81CのPLL42(図4)は、前記したように、VCO(不図示)を備えている。
受信信号処理部81Sと受信信号処理部81CのPLL42(図4)は、VCOの制御信号に応じて周波数を変化させ、送受信機間の搬送波周波数の誤差Δfを低減するように動作する。
送受信機間の搬送波周波数の誤差Δfが低減されれば、受信信号処理部81Sと受信信号処理部81Cにおける復調は、より正確に、感度が高く実施される。したがって、セレクタ83の出力信号803の振幅も大きくなり、符号化部84における符号化もより高精度に実施される。
<第7実施形態の効果>
本実施例により広い範囲の周波数で同期検波を行うことができ、復調部の復調精度を向上できる。
≪第8実施形態≫
次に、本発明の実施形態に係る送信機と受信機を備えた無線通信機について説明する。
図15は、本発明の第8実施形態に係る無線通信機91の構成例を示す図である。
図15において、無線通信機91は、送信機(送信機の変調部)10と受信機(受信機の復調部)30とを備えて構成されている。
また、送信機(送信機の変調部)10は、送信信号を送信アンテナ(アンテナ)15から電磁波(電波)として出力する。
また、受信機(受信機の復調部)30は、受信アンテナ(アンテナ)35によって、電磁波(電波)として受信した受信信号から受信データを生成する。
無線通信機91は、第1実施形態で説明した送信機(送信機の変調部)10としても、また受信機(受信機の復調部)30としても用いることができる。
前記したように、受信機(受信機の復調部)30は、復調部分の実装面積を削減できる構成であるので、無線通信機91もコンパクトな構成となる。
<第8実施形態の効果>
コンパクトな構成で、かつ感度の高い無線通信機を提供できる。
≪第9実施形態≫
次に、本発明の実施形態に係る送信機と受信機を備えた無線通信機の他の例について説明する。
図16は、本発明の第9実施形態に係る無線通信機92の構成例を示す図である。
図16において、無線通信機92は、回転偏波を用いた送信機60と受信機70とを備えて構成されている。
送信機(送信機の変調部)60は、送信信号を垂直送信アンテナ65Sと水平送信アンテナ65Cから回転偏波の電磁波(電波)として出力する。なお、前記したように、垂直送信アンテナ65Sと水平送信アンテナ65Cとは互いに直交する方向に電磁波(電波)が発生するように構成されている。
受信機70は、垂直受信アンテナ75Sと水平受信アンテナ75Cによって、回転偏波の電磁波(電波)として受信した受信信号から受信データを生成する。なお、前記したように、垂直受信アンテナ75Sと水平受信アンテナ75Cとは互いに直交する方向の電磁波(電波)が入力しやすいように構成されている。
無線通信機92は、第5実施形態で説明した送信機60としても、また受信機70としても用いることができる。
前記したように、受信機70は、復調部分の実装面積を削減できる構成であるので、無線通信機92もコンパクトな構成となる。
また、無線通信機92は、回転偏波を用いた送信機60と受信機70とを備えて構成されているので、第5実施形態で説明したように、秘匿性の高い通信に適している。
<第9実施形態の効果>
コンパクトな構成で、感度の高い、かつ秘匿性の高い通信に適した無線通信機を提供できる。
≪その他の実施形態≫
なお、本発明は、以上に説明した実施形態に限定されるものでなく、さらに様々な変形例が含まれる。例えば、前記の実施形態は、本発明を分かりやすく説明するために、詳細に説明したものであり、必ずしも説明したすべての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成の一部で置き換えることが可能であり、さらに、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成の一部または全部を追加・削除・置換をすることも可能である。
以下に、その他の実施形態や変形例について、さらに説明する。
《B-DPSKの適用》
本発明の実施形態においては、第1実施形態と第5実施形態に対して、B-DPSKを適用したものを、それぞれ第2実施形態、第6実施形態として説明した。しかし、B-DPSKを適用できる実施形態は、それらに限定されない。
例えば、第3実施形態、第4実施形態、第7実施形態に対しても、それぞれB-DPSKを適用することができる。
これらの場合においても、受信機(受信機の復調部)における基準搬送波が不安定でも受信信号として復元(復調)しやすいという効果がある。
《アンテナ》
第1実施形態~第7実施形態においては、アンテナは受信機または送信機と別に備えられているものとして説明した。しかし、受信機または送信機にアンテナを備えていてもよい。
受信機または送信機にアンテナを備えた場合には、アンテナを常に確保できるので、携帯して用いることができて、利便性が高まる効果がある。
また、第8実施形態および第9実施形態における無線通信機(91,92)においても、無線通信機に付帯するアンテナとして、アンテナを備えていてもよい。さらに無線通信機における送信機と受信機がそれぞれ別のアンテナを備えていてもよいし、送信機と受信機でアンテナを切り替えて使用してもよい。すなわち送信機と受信機でアンテナを兼用してもよい。
送信機と受信機でアンテナを兼用するように構成された無線通信機は、アンテナが占有する領域を削減できて、コンパクトになるという効果がある。
《垂直送信アンテナと水平送信アンテナ》
第5実施形態においては、垂直送信アンテナ65Sと水平送信アンテナ65Cとは互いに直交する方向に電磁波(電波)が発生するものとして説明した。
ただし、垂直送信アンテナ65Sと水平送信アンテナ65Cとが、厳密に、互いに直交する方向に電磁波(電波)が発生することに限定されない。垂直送信アンテナ65Sと水平送信アンテナ65Cとが互いに直交する方向に、正確に設置されていなくても、互いに直交する成分の電磁波(電波)がある程度含まれるので、精度は低下するものの前記したような回転偏波による効果が期待できる。
また、垂直受信アンテナ75Sと水平受信アンテナ75Cとについても、同様である。
《PSK》
第1実施形態においては、BPSKとして、2値のPSKで説明した。しかし2値、すなわちBPSKに限定されない。図1、図2の送信信号処理部11(11S,11D)、および図3、図4の受信信号処理部31(31S,31D)の個数を3個以上として、図2における送信側移相器23、および図4における受信側移相器43における移相する角度の種類を3種以上にすれば、PSKにおける多値の値を3値以上に拡張することもできる。
《無線通信機》
第8実施形態においては、第1実施形態における送信機(送信機の変調部10(図1))と受信機(受信機の復調部30(図3)の組み合わせによる無線通信機91を例にとって説明した。
同様に、第9実施形態においては、第5実施形態における送信機60(図10)と受信機70の組み合わせによる無線通信機92を例にとって説明した。
しかし、これらの例に限定されない。
他の実施形態で説明した送信機と受信機を組み合わせた無線通信機を構成しても有効である。
10,10D 変調部(送信機の変調部)、送信機
11,11C,11S 送信信号処理部
12,51 加算器
13 差動符号部
15 送信アンテナ(アンテナ)
21,41,64 局部発振器
22,42 PLL
23 送信側移相器
24 送信側ミキサ
30,30D,40,50,80 復調部(受信機の復調部)、受信機
31,31C,31S,31C1~31CN,31S1~31SN,71CC,71CS,71SC,71SS,81C,81S 受信信号処理部
32,32M,72,82 信号比較部
33,33M,73,83 セレクタ
34,34D,74,74D,84 符号化部
35,351~35N,95 受信アンテナ(アンテナ)
36,76 差動符号復元部
43 受信側移相器
44 受信側ミキサ
45 LPF
52 減算器
60,60D 送信機
61C 変調部(第2の変調部)
61S 変調部(第1の変調部)
62 送信側ミキサ(第1の送信側ミキサ)
63 送信側ミキサ(第2の送信側ミキサ)
65C 水平送信アンテナ(第2の送信アンテナ)
65S 垂直送信アンテナ(第1の送信アンテナ)
66 π/2移相器
70,70D 受信機(受信機の復調部)
75C 水平受信アンテナ
75S 垂直受信アンテナ
85 補正値算出部
86 VCO制御部
91,92 無線通信機

Claims (15)

  1. 受信アンテナから受信信号を入力し、デジタル変調された前記受信信号の信号処理を行う複数の受信信号処理部と、
    前記複数の受信信号処理部のそれぞれの出力信号の振幅値逐次、比較して、比較結果の信号を出力する信号比較部と、
    該信号比較部の出力する信号を基に前記複数の受信信号処理部の出力信号から振幅値が最も大きな一つの信号を選択するセレクタと、
    該セレクタにより選択された出力信号の正負を判定して、正ならば0、負ならば1のデジタル信号の符号に変換して受信データを生成する符号化部と、を備え、
    前記複数の受信信号処理部のそれぞれの受信信号処理部は、
    発振信号を生成する局部発振器と、
    該局部発振器から出力される信号の周波数を変更するPLLと、
    該PLLから出力される信号の移相角度を変化させる受信側移相器と、
    該受信側移相器から出力される信号と前記受信アンテナから入力される信号とを乗算する受信側ミキサと、を具備し、
    前記複数の受信信号処理部は、複数ある局部発振器および複数あるPLLのうち所定の受信信号処理部の有する局部発振器およびPLLを用い、
    前記複数の受信信号処理部のそれぞれの受信側移相器は、変化させる移相角度が互いに異なる、
    ことを特徴とする受信機。
  2. 請求項1において、
    二つの前記受信信号処理部のそれぞれの受信側移相器は、変化させる移相角度が互いに90度異なる、
    ことを特徴とする受信機。
  3. 請求項1において、
    前記デジタル変調された受信信号はBPSK変調された信号である、
    ことを特徴とする受信機。
  4. 請求項1において、
    前記デジタル変調された受信信号はB-DPSK変調された信号であり、
    前記符号化部は、B-DPSK信号をBPSK信号に変換する差動符号復元機能を有する、
    ことを特徴とする受信機。
  5. 請求項1において、
    前記受信アンテナは、受信機に備えられている、
    ことを特徴とする受信機。
  6. 請求項1において、
    前記複数の受信信号処理部から出力される信号を加算し、該加算した信号を前記信号比較部と前記セレクタに送信する加算器と、
    前記複数の受信信号処理部から出力される信号を減算し、該減算した信号を前記信号比較部と前記セレクタに送信する減算器と、を備える、
    ことを特徴とする受信機。
  7. 請求項1において、
    前記受信アンテナは、設置箇所がそれぞれ異なる複数のアンテナからなり、
    前記複数の受信信号処理部は、前記複数のアンテナからそれぞれ信号を入力する、
    ことを特徴とする受信機。
  8. 請求項1において、
    前記受信アンテナは、電磁波の偏波面が互いに空間的に直交する二つの受信アンテナからなり、
    前記複数の受信信号処理部は、前記二つの受信アンテナからそれぞれ信号を入力する、
    ことを特徴とする受信機。
  9. 請求項1において、
    前記信号比較部の出力する信号を基に前記PLLの周波数補正値を算出して出力する補正値算出部と、
    該補正値算出部の出力する信号を基に前記PLLの出力の周波数を補正するVCO制御部と、を備える、
    ことを特徴とする受信機。
  10. ジタル変調される送信信号の信号処理を行う二つの送信信号処理部と加算器を有してなる第1の変調部と、
    デジタル変調される送信信号の信号処理を行う二つの送信信号処理部と加算器を有してなる第2の変調部と、
    発振信号を生成する局部発振器と、
    該局部発振器で生成した発振信号の移相角度を90度変化させるπ/2移相器と、
    送信データの信号と前記局部発振器の発振信号とを合成する第1の送信側ミキサと、
    送信データの信号と前記π/2移相器の発振信号とを合成する第2の送信側ミキサと、
    を具備し、
    前記第1の変調部は、前記第1の送信側ミキサの合成信号を変調して第1の送信アンテナへ出力し、
    前記第2の変調部は、前記第2の送信側ミキサの合成信号を変調して第2の送信アンテナへ出力し、
    前記第1の送信アンテナと前記第2の送信アンテナは、電磁波の偏波面が互いに空間的に直交している、
    ことを特徴とする送信機
  11. 請求項1に記載の受信機と、
    請求項10に記載の送信機と、
    を備える、
    ことを特徴とする無線通信機。
  12. 請求項11において、
    二つの前記受信信号処理部のそれぞれの受信側移相器は、変化させる移相角度が互いに90度異なり、
    二つの前記送信信号処理部のそれぞれの送信側移相器は、変化させる移相角度が互いに90度異なる、
    ことを特徴とする無線通信機。
  13. 請求項11において、
    前記送信機は、送信データを差動符号化する差動符号部を備え、
    前記受信機の符号化部は、B-DPSK信号をBPSK信号に変換する差動符号復元機能を有する、
    ことを特徴とする無線通信機。
  14. 請求項11において、
    送信アンテナと受信アンテナを無線通信機が備える、
    ことを特徴とする無線通信機。
  15. 請求項14において、
    送信アンテナと受信アンテナとが、アンテナとして兼用される、
    ことを特徴とする無線通信機。
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