JP6999479B2 - 完全オーステナイト系ステンレス鋼 - Google Patents

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Description

本発明は、完全オーステナイト系ステンレス鋼に関し、特に、耐溶接凝固割れ性に優れた完全オーステナイト系ステンレス鋼に関する。
完全オーステナイト系ステンレス鋼には、耐熱オーステナイト系ステンレス鋼SUS310Sや高耐食性を有するスーパーオーステナイト系ステンレス鋼SUS312L、その他にも非磁性材料や耐水素用材料などの様々な鋼種が存在し、その優れた組織安定性から、鋼板、鋼管などとして幅広い分野で用いられている。
しかしながら、完全オーステナイト系ステンレス鋼の溶接においては、溶接金属に割れ(溶接凝固割れ)が発生しやすい。溶接凝固割れは、凝固時、固液共存温度域の低温側において、膜状の液相(残留液相)が残存している固相(セルやデンドライト)間に凝固収縮や熱収縮に伴う引張ひずみが作用し、固相間が分離することで引き起こされると考えられている。また、凝固完了温度すなわち固相線温度が低いと、残留液相が存在する状態が長く続くため、溶接凝固割れがさらに発生しやすくなる。なお、固液共存温度域とは、固相と液相が共存している温度域であり、液相線温度と固相線温度との間隔に相当する。
耐溶接凝固割れ性は、P、Sなどの固液平衡分配係数が小さく、かつ凝固完了温度を大きく下げる元素の影響を強く受けることが知られている。
固液平衡分配係数の小さいPやSは、溶接凝固過程における固液界面で、固相側で低濃度、液相側で高濃度となり、セルやデンドライト樹間にミクロ偏析する。そしてこのミクロ偏析は、残留液相の凝固完了温度を下げて固液共存温度域を拡大させるため、耐溶接凝固割れ性を著しく低下させる。特にP、Sは、オーステナイト相に固溶しにくいことから、フェライト相を全く含まない完全オーステナイト系ステンレス鋼では、より一層、耐溶接凝固割れ性の低下が著しくなる。したがって、完全オーステナイト系ステンレス鋼の耐溶接凝固割れ性を向上するためには、P、S含有量を低減することが非常に有効である。
Sについては、ステンレス製鋼段階の精錬工程において、スラグ精錬によりその含有量を低レベル化できるため、上記のような溶接凝固割れが問題となることは比較的少ない。一方、Pについては、ステンレス鋼はCrを含有するために、スラグ精錬による酸化脱りんができない。そこで、原料選択によってP含有量の低減が実施されるが、経済性を大きく損ねるという課題がある。そのため、耐溶接凝固割れ性の向上手段として、P含有量の低減以外の手法が種々、検討されている。
P含有量の低減以外の耐溶接凝固割れ性向上方法としては、特許文献1や非特許文献1、2、3に記載されているように、希土類元素(REM)の添加が有効であることが開示されている。これは、溶接凝固過程中に希土類りん化物が晶出して有害なPを固定化し、Pのミクロ偏析を抑制するためであると理解されている。
特開2015-175017号公報 特開平8-319541号公報 特開2009-84668号公報 特開2017-89013号公報
片山聖二:「完全オーステナイト系ステンレス鋼SUS310Sの溶接凝固割れの改善に関する基礎的研究」,大阪大学学位請求論文,(1981). 中尾嘉邦、勝信一郎:「完全オーステナイト化したSUS316鋼電子ビーム溶接金属の凝固割れ感受性の改善」,溶接学会論文集,4(1986),393-399. 小薄孝裕、寺崎秀紀、小溝裕一、平田弘征、小川和博:「希土類燐化物を活用した高P含有オーステナイト系溶接金属における凝固割れ感受性の低減」,溶接学会論文集,30(2012),196-205.
Pの固定化を目的として鋼に添加するREMに関しては、特許文献2や非特許文献1、2に記載されているように、ミッシュメタルの主成分であるLa、Ceを単独、または複合で添加する場合が多い。
非特許文献1、2に記載されているように、La、Ceについてはミクロ偏析の抑制によって、残留液相の低融点化を防ぐ効果はあるものの、耐溶接凝固割れ性が低下する場合があった。
また非特許文献3では、NdPを晶出させることによって、完全オーステナイト凝固する18%Cr-15%Ni合金の耐溶接凝固割れ性が向上することが述べられている。しかし、Ndを添加しても溶接凝固割れが発生してしまう場合があり、その原因については不明であった。加えて、非特許文献3には、Ndとその他のREMとの差異については何も述べられていない。
さらに、特許文献3、4に、Ndを単独で添加した鋼および合金が開示されているが、耐溶接凝固割れ性に及ぼすNdの作用効果については議論されていない。
このように、従来から耐溶接凝固割れ性の向上にREMが積極的に利用されてきてはいるものの、そのメカニズムについては未だ不明な点も多く、溶接凝固割れを安定して防ぐという観点からは、従来の技術では不十分であった。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、経済性を大きく損ねるP含有量の低減を図らずとも、耐溶接凝固割れ性を安定して向上させることが可能な完全オーステナイト系ステンレス鋼を提供することを課題とする。
本発明者らは、REMの各元素を用いて耐溶接凝固割れ性に及ぼす影響を調べたところ、従来から広く用いられてきたLa、Ceはその特性にばらつきがあったものの、Ndは安定して溶接凝固割れを抑制できることが分かった。さらに、調査を進めたところ、Ndの単独添加によって溶接凝固過程におけるPのミクロ偏析を分散する作用を有することが判明した。そしてこの分散作用によって、耐溶接凝固割れ性を安定して向上させうることを明らかにした。
本発明者の検討結果、および得られた新たな知見の詳細は以下の通りである。
本発明者らは、REMの種類、含有量を種々変化させた完全オーステナイト系ステンレス鋼を作製し、溶接凝固過程におけるPのミクロ偏析および耐溶接凝固割れ性について詳細な調査を実施した。
その結果、ミッシュメタルの主成分であるLa、Ceは、Pの固定化によってPの無害化を図れるものの、溶接凝固割れが発生する場合があり、耐溶接凝固割れ性が著しく低下することが分かった。これは、P固定化に寄与しなかったLa、CeとNiとの金属間化合物が形成され、さらにこれら金属間化合物は融点が低いことから割れの起点となるためと推測される。
一方、Ndの場合には、耐溶接凝固割れ性の低下が生じず、溶接凝固時の割れを安定して抑制できることを新たに知見し、完全オーステナイト系ステンレス鋼の耐溶接凝固割れ性を高めるために最適なREMであると判断した。
さらに、鋼中に下記の(1)式を満足する量のNdを含有することで、汎用オーステナイト系ステンレス鋼SUS310Sと同等以上の優れた耐溶接凝固割れ性が得られることを見出した。
Nd≧4.5×(P+S)+6×O-0.02・・・(1)
ただし、(1)式中の元素記号は、その元素の質量%での含有量を示す。
Ndが耐溶接凝固割れ性に有効に作用する要因は以下のような現象が推測される。
鋼中に(1)式を満足するようにNdを単独添加すると、溶接凝固過程におけるセル、デンドライト樹間でのPのミクロ偏析が微細なスポット状に分散化される。従来では、ミクロ偏析はセルやデンドライト樹間にライン状に形成されていたため、膜状の残留液相が残存していたと考えられる。この場合、セルやデンドライト同士は十分に結合できていないため、引張ひずみが作用した場合に溶接凝固割れが生じやすく、耐溶接凝固割れ性が著しく低下していた。しかし、Ndによってミクロ偏析の偏析形態をスポット状かつ分散化することにより、ミクロ偏析していない領域は凝固が進行し、残留液相の形態が液膜状から液滴状へと遷移する。残留液相の形態が液滴状となると、セルもしくはデンドライト同士の結合箇所が増大して十分に架橋されるため、引張ひずみが作用した場合でも溶接凝固割れが発生しがたくなると推測される。
なお、NdもLa、Ce同様にNi-REM系の低融点金属化合物を形成する元素ではあるが、NdはLa、Ceに比べて分配係数が大きいため、セルやデンドライト樹間におけるNdの凝固偏析が他のREMに比べて少ない。そのため、NdはLa、Ceに比べて当該低融点金属化合物を形成しにくいと考えられる。
本発明は、上記の知見に基づいてなされたものであり、その要旨とするとことは以下の通りである。
[1]質量%で、
C:0.005~0.060%、
Si:1.00%以下、
Mn:9.00%以下、
P:0.020~0.050%、
S:0.0010%以下、
Ni:6.00~25.00%、
Cr:18.00~26.00%、
Al:0.001~0.200%、
Ca:0.0100%以下、
Mg:0.0100%以下、
O:0.0100%以下、
N:0.3000%以下、
Nd:0.300%以下、
B:0~0.0100%、
Nb:0~0.10%、
Ti:0~0.200%、
V:0~1.00%、
Ta:0~0.20%、
W:0~0.50%、
Mo:0~6.50%、
Co:0~1.00%、
Zr:0~0.10%、
Cu:0~1.50%、
Sn:0~0.300%、
Sb:0~0.300%
を含有し、残部がFeおよび不純物からなり、かつ下記(1)式を満足することを特徴とする完全オーステナイト系ステンレス鋼。
Nd≧4.5×(P+S)+6×O-0.02 ・・・(1)
なお、(1)式中の元素記号は、その元素の鋼中での含有量(質量%)を示す。
[2]質量%で、
B:0.0001~0.0100%、
Nb:0.005~0.10%、
Ti:0.001~0.200%、
V:0.01~0.50%、
Ta:0.001~0.20%、
W:0.01~0.50%、
Mo:0.01~6.50%、
Co:0.01~1.00%、
Zr:0.001~0.10%、
Cu:0.01~1.50%、
Sn:0.001~0.300%、
Sb:0.001~0.300%
の1種または2種以上を含むことを特徴とする上記[1]に記載の完全オーステナイト系ステンレス鋼。
本発明によれば、P含有量の低減を図らずとも耐溶接凝固割れ性を有する完全オーステナイト系ステンレス鋼を提供することができる。
実施例における鋼No.3(発明鋼)の液体Sn急冷試験材の溶融池から約0.3mm低温側に離れた溶接金属についてのFE-EPMAによるP濃度マッピング結果を示す模式図である。 実施例における鋼No.11(比較鋼)の液体Sn急冷試験材の溶融池から約0.3mm低温側に離れた溶接金属についてのFE-EPMAによるP濃度マッピング結果を示す模式図である。
本発明の一実施形態における完全オーステナイト系ステンレス鋼の化学成分の限定理由は次の通りである。なお、以下の説明における「%」は「質量%」を意味する。
(C:0.005~0.060%)
Cはステンレス鋼中に不可避的に含まれる元素であり、オーステナイト相の安定化や高温強度の向上に寄与する元素である。したがって、C含有量の下限は0.005%以上とする。一方、Cを多量に含有させると耐溶接凝固割れ性が低下や、Cr系炭化物の析出に伴う耐食性の低下を引き起こすため、C含有量の上限を0.060%以下とする。好ましくは、0.050%以下とする。
(Si:1.00%以下)
Siは脱酸元素として作用する元素である。そのため、0.01%以上含有させてもよい。しかしながら、Siを多量に含有させると耐溶接凝固割れ性を損ねるため、Si含有量は1.00%以下である。
(Mn:9.00%以下)
Mnは安価なオーステナイト安定化元素であり、Niの代替元素としても用いられる。そのため、0.01%以上含有させてもよい。ただし、多量に含有させると耐食性の低下を引き起こし、溶接性も損ねるため、Mn含有量は9.00%以下である。好ましくは7.0%以下、さらに好ましくは5.0%以下である。
(P:0.020~0.050%)
Pは溶接凝固過程においてセル・デンドライト樹間にミクロ偏析して固液共存温度域を拡大させるため、耐溶接凝固割れ性を著しく損ねる。そのため、P含有量は0.050%以下とする。しかしながら、上記のようにP含有量の低減は経済性を損ねる原因となるため、P含有量は0.020%以上とする。
(S:0.0010%以下)
Sは、Pと同様の理由で、耐溶接凝固割れ性を著しく損ねる。また、Ndとの結合力が極めて強いためにNd硫化物を形成し、Pのミクロ偏析の分散化に作用するNd量を減少させる。したがって、S含有量は0.0010%以下と制限する。好ましくは、0.0005%以下とする。但し、S量の過度の低減は精錬コストの上昇を招くため下限は0.0003%以上としてもよい。
(Ni:6.00~25.00%)
Niはオーステナイト相の安定化のために重要な元素である。そのため、Ni含有量は6.00%以上とし、好ましくは10.00%以上とする。しかし、Niを多量に含有させると材料コストの上昇を招き経済性を損ねる。またNiはREMとの低融点金属化合物を形成し、耐溶接凝固割れ性を低下させるおそれもあることから、Ni含有量は25.00%以下とする。好ましくは、22.00%以下である。
(Cr:18.00~26.00%)
Crは、18%Cr-8%Niオーステナイト系ステンレス鋼に代表されるようにステンレス鋼の耐食性を確保するために必須の元素であり、十分な耐食性を確保するためには18.00%以上のCr含有量が必要である。Cr含有量は、好ましくは20.00%以上である。一方、Cr含有量が過剰に高くなるとオーステナイト相を安定化させるために必要なNiなどのオーステナイト安定化元素の含有量が高くなり、経済性を低下させる原因となる。したがって、Cr含有量は26.00%以下とする。
(Al:0.001%~0.200%)
Alは、製鋼時に脱酸元素として作用して、鋼を清浄化する元素である。Al含有量が0.001%未満では、鋼の清浄化を十分に達成できないため、Al含有量は0.001%以上とする。一方、Al含有量が過度に高いと非金属介在物が多量に生成して加工性や靭性が低下する。加えて溶接溶け込み性を損ねるため、Al含有量は0.200%以下とする。Al含有量は、好ましくは0.100%以下である。
(Ca:0.0100%以下)
Caは、脱酸元素として作用するため、0.0001%以上含有してもよい。しかし、0.0100%を超えて含有させると熱間加工性が低下するとともに、溶接時にスラグスポット等が多発してビード外観を損ねる原因となる。このため、Ca含有量は0.0100%以下とする。なお、Ca含有量は、0.0050%以下が好ましい。
(Mg:0.0100%以下)
MgはCaと同様に脱酸元素として作用するため、0.0001%以上含有してもよい。しかし、0.0100%以上含有させるとCaと同様に溶接時にスラグスポット等が多発してビード外観が損なわれる。したがって、Mg含有量は0.0100%以下とする。なお、Mg含有量は、0.0050%以下が好ましい。
(O:0.0100%以下)
OはNdとの結合力が極めて強く、Nd酸化物を形成してPのミクロ偏析の分散に作用するNd量を減少させる。したがって、O含有量の上限は0.0100%と制限する。好ましくは0.0050%以下とする。
(N:0.3000%以下)
Nは強力なオーステナイト安定化元素であるとともに、固溶強化により強度を高め、耐食性も向上させる。そのため、N含有量は0.0100%以上とすることが好ましい。ただし、Nを過剰に含有させると熱間加工性の低下をきたすことから、N含有量は0.3000%以下とする。好ましくは0.2400%以下とする。
(Nd:0.300%以下)
Ndは本実施形態において重要な元素である。REMの中でもミッシュメタルの主成分であるLa、Ceの場合には、Niとの間で低融点金属間化合物を形成し、耐溶接凝固割れ性が著しく損なわれる場合がある。しかし、Ndは、Pのミクロ偏析を微細なスポット状に分散させて、残留液相の形態を液滴状へと遷移させることで、耐溶接凝固割れ性を向上させることができる。しかしながら、0.300%を超えて含有させると連続鋳造において溶鋼を注入するノズルが閉塞して製造性が著しく低下するため、Ndの含有量を0.300%以下とする。なお、本実施形態においては、汎用オーステナイト系ステンレス鋼SUS310Sと同等以上に耐溶接凝固割れ性を高めるために、下記(1)式を満足するようにNdを含有させることが必要である。
本発明者らが、Pのミクロ偏析形態を微細なスポット状に分散させるためのNdの適正量について調査したところ、P、SおよびOの含有量と関係していることが分かり、下記(1)式で表される関係式を得た。このことから、本実施形態においては、Nd量は上記範囲内とし、かつ下記(1)式を満足するよう含有させることが重要であり、それにより、Pのミクロ偏析形態を前述のように制御でき、耐溶接凝固割れ性を向上させることができる。
Nd≧4.5×(P+S)+6×O-0.02 ・・・(1)
ただし、(1)式中の元素記号は、その元素の鋼中での含有量(質量%)を示す。
以上が、本実施形態の完全オーステナイト系ステンレス鋼の基本となる化学組成であり、上述してきた元素以外(残部)は、Fe及び不純物からなるが、本実施形態では、更に、次のような元素を必要に応じて含有させることができる。よって、B、Nb、Ti、V、Ta、W、Mo、Co、Zr、Cu、Sn及びSbの含有量の下限は0%以上である。
なお、本実施形態における「不純物」とは、鋼を工業的に製造する際に鉱石やスクラップ等のような原料をはじめとして製造工程の種々の要因によって混入する成分であり、不可避的に混入する成分も含む。
本実施形態の完全オーステナイト系ステンレス鋼は、上記の基本の化学組成に加え、さらに、B:0.0001~0.0100%、Nb:0.005~0.10%、Ti:0.001~0.200%、V:0.01~1.00%、Ta:0.001~0.20%、W:0.01%~0.50%、Mo:0.01~6.50%、Co:0.01~1.00%、Zr:0.001~0.10%、Cu:0.01~1.50%、Sn:0.001~0.300%、Sb:0.001~0.300%のうち何れか1種または2種以上を含有してもよい。但し、本発明の技術特徴が奏する効果を阻害しない含有量の範囲で、選択的に含有させることができる。以下に限定理由を記載する。
(B:0.0001~0.0100%)
Bは、熱間加工性を改善するために使用する元素であり、安定した効果を得るために、含有させてもよい。しかしながら、過剰に含有させると、Bの化合物が析出し、熱間加工性を劣化させるので、B含有量は0.0100%以下とし、B含有量は、0.0050%以下であるのが好ましい。一方で、上記効果を得るためには、B含有量は0.0001%以上であるのが好ましく、B含有量は0.0002%以上であるのがより好ましい。
(Nb:0.005~0.10%)
(Ti:0.001~0.200%)
(V:0.01~1.00%)
(Ta:0.001~0.20%)
(W:0.01~0.50%)
Nb、Ti、V、Ta、Wは炭窒化物を形成し、耐食性を改善する効果があるため、含有させてもよい。しかしながら、多量の含有は、耐食性の効果が飽和することから、Nb含有量は、0.10%以下とし、Ti含有量は、0.200%以下とする。また、V含有量は、1.00%以下とし、Ta含有量は、0.20%以下とし、W含有量は、0.50%以下とする。一方で、上記効果を得るためには、Nb含有量は、0.005%以上であるのが好ましく、Ti含有量は、0.001%以上であるのが好ましく、V含有量は、0.01%以上であるのが好ましい。また、Ta含有量は、0.001%以上であるのが好ましく、W含有量は、0.01%以上であるのが好ましい。上記効果をより発揮させるためには、Nb含有量は、0.05%以上であるのがより好ましく、Ti含有量は、0.05%以上であるのがより好ましく、V含有量は、0.05%以上であるのがより好ましい。また、Ta含有量は、0.05%以上であるのがより好ましく、W含有量は、0.05%以上であるのがより好ましい。
(Mo:0.01~6.50%)
Moは、Crと同様に耐食性を向上させるために有効な元素であり、含有させてもよい。その場合には、0.01%以上含有することが好ましく、2.00%以上含有することがより好ましい。ただし、Moを多量に含有させるとオーステナイト相を不安定化してσ相の生成を引き起こすとともに、熱間加工性や経済性を損ねるため、Mo含有量は6.50%以下とする。好ましくは6.00%以下である。
(Co:0.01~1.00%)
Coは、金属組織を安定化させ、高温強度を向上させる効果があるため含有させてもよい。しかしながら、過剰に含有させるとその効果が飽和するため、Co含有量は1.00%以下とし、Co含有量は、0.60%以下であるのが好ましい。一方で、上記効果を得るためには、Co含有量は、0.01%以上であるのが好ましく、0.05%以上であるのがより好ましい。
(Zr:0.001~0.10%)
Zrは、強度を向上させる効果があるので、含有させてもよい。しかしながら、多量の含有は靭性を低下させるため、Zr含有量は、0.10%以下とする。一方で、強度効果を十分に得るためには、Zr含有量は、0.001%以上であるのが好ましい。
(Cu:0.01~1.50%)
Cuは、耐食性を向上させるため、含有させてもよい。しかしながら、1.50%を超えて含有させても、その効果は飽和するため、Cu含有量は、1.50%以下とする。一方で、上記効果を得るためには、Cu含有量は、0.01%以上であるのが好ましく、0.1%以上であるのがより好ましい。
(Sn:0.001~0.300%)
(Sb:0.001~0.300%)
Sn、Sbは、耐食性および溶接溶け込み性を向上するため、含有させてもよい。しかしながら、0.300%を超えて含有させると、製造性を劣化させるため、Sn、Sbともに含有量は0.300%以下とし、0.100%以下であるのが好ましい。一方で、上記効果を得るためには、Sn、Sb含有量は、0.001%以上であるのが好ましく、Sn含有量は、0.005%以上であるのがより好ましい。
本実施形態に係る完全オーステナイト系ステンレス鋼は、上述してきた元素以外は、Fe及び不純物(不可避的不純物を含む)からなるが、以上説明した各元素の他にも、本発明の効果を損なわない範囲で含有させることが出来る。一般的な不純物元素である前述のP、Sを始め、Bi、Se等は可能な限り低減することが好ましい。一方、これらの元素は、本発明の課題を解決する限度において、その含有割合が制御され、必要に応じて、Bi≦100ppm、Se≦100ppmの1種以上を含有してもよい。また、La、Ceは上述してきたように低融点金属間化合物を形成し溶接凝固割れを誘発する元素であるため、その含有量は可能な限り低減することとし、0%でもよい。ただし、本発明の効果を損なわない範囲内であれば含有していてもよく、その許容限界はLa<0.02%、Ce<0.02%である。すなわち、La、Ceは不純物として混入されていてもよいが、その際の上限値はそれぞれLa:0.02%未満、Ce:0.02%未満である。
本実施形態の完全オーステナイト系ステンレス鋼によれば、Ndを含み、かつ所定の関係式を満足する成分系とすることによって、固相線温度の低下を招くPのミクロ偏析の偏析形態をスポット状かつ分散化させることができる。その結果、残留液相の形態が液膜状から液滴状へと遷移し、セルもしくはデンドライト同士の結合箇所が増大して十分に架橋されるため、引張ひずみが作用した場合でも溶接凝固割れを安定して抑制することができる。
なお、本実施形態の完全オーステナイト系ステンレス鋼の製造方法は特に限定することなく、本発明の効果を損なわない範囲で適宜決定してよい。例えば、前述の化学組成を有する鋼塊を溶製した後、鋳造ままあるいは鍛造や分解圧延により、例えばビレットとし、その後、熱間押出しや熱間鍛造、熱間圧延等の熱間加工を行ってよい。また熱間加工後、適宜、熱処理を行ってもよく、必要に応じて冷間加工を加えてもよい。
実施例に基づいて、本発明をより詳細に説明する。
なお本実施例での条件は、本発明の実施可能性及び効果を確認するために採用した一条件例であり、本発明は、以下の実施例で用いた条件に限定されるものではない。本発明は、本発明の要旨を逸脱せず、本発明の目的を達成する限りにおいて、種々の条件を採用し得るものである。
また、下記にて示す表中の下線が、本発明の範囲から外れているものを示す。
真空溶解炉にて合金原料を溶解し、表1に示す化学組成を有する50kgのステンレス鋼塊を作製した。その後、熱間鍛造、熱間圧延を施し、さらに1100℃×30minの固溶化熱処理を実施し、縦100mm、横100mm、厚さ4mmの試験片を作製して、以下の各試験に供した。
なお、La、Ceにおける「-」との表記は、上述した許容限界未満(La:0.02%未満、Ce:0.02%未満)であったことを示す。
Figure 0006999479000001
耐溶接凝固割れ性は、TIG溶接法を用いたトランスバレストレイン試験により評価した。
ここで、トランスバレストレイン試験とは、溶接割れ性評価試験の1つであり、溶接を行いながら歪みをかけることによって溶接割れを再現し、発生した割れ等を観察、測定して耐溶接凝固割れ性を評価する試験である。
本実施例では、このトランスバレストレイン試験を、溶接電流100A、溶接電圧12V、溶接速度10cm/min、付加ひずみ4%として3回実施した。なお溶接を開始し、溶融池が試験片の中心に達した際にひずみを付与した。試験後、溶接金属中における最大割れ長さをそれぞれ測定し、平均値を各鋼No.の「最大割れ長さ」とした。なお、耐溶接凝固割れ性については、同試験における汎用オーステナイト系ステンレス鋼SUS310Sにおける最大割れ長さ0.45mm以下を合格と判定した。
次に、溶接凝固過程におけるPのミクロ偏析を調査するため、鋼No.3(発明鋼)および鋼No.11(比較例)の試験片を用いて液体Sn急冷試験を実施した。この液体Sn急冷試験は、TIG溶接中の試験片を、約300℃の液体Snに向かって落下させて急冷し、凝固組織およびミクロ偏析を凍結させる試験法である。液体Sn急冷試験では、高温における溶接部領域の組織状態を凍結できるため、冷却過程における凝固形態やミクロ偏析の形態を推察することができる。
本実施例では、この液体Sn急冷試験を実施するにあたり、まずTIG溶接を、トランスバレストレイン試験と同様に、溶接電流100A、溶接電圧12V、溶接速度10cm/minで行い、試験片の中央に溶融池が達した時点で、液体Snに向かって試験片を落下させた。その後、溶融池境界から約0.3mm低温側に離れた領域(急冷時に固液共存温度域であったと考えられる領域)において、FE-EPMAによりPのミクロ偏析を測定した。なお、FE-EPMAの測定は加速電圧15kVで行い、測定領域200μm×200μm、測定間隔0.4μmとした。
表1に、発明鋼および比較鋼における化学組成とあわせて、(1)式の右辺の計算値、トランスバレストレイン試験における最大割れ長さを示す。
鋼No.1~10(発明鋼)はいずれも(1)式を満たすNd含有量となっており、最大割れ長さは合格基準である0.45mm以下となっている。すなわち、汎用オーステナイト系ステンレス鋼SUS310Sと同等以上の耐溶接凝固割れ性を有していることが示された。また、鋼No.3、5(発明鋼)のように比較的多量にNdを含有させた場合にも、優れた耐溶接凝固割れ性を示しており、Ndが耐溶接凝固割れ性を向上するために最適なREMであることが実証された。
一方、鋼No.11(比較鋼)ではNdを含有していない。また、鋼No.12~14(比較鋼)ではNd単独添加を行っているものの(1)式を満たすNd含有量となっていない。そのため、鋼No.12~14(比較鋼)いずれの鋼種においても合格基準である最大割れ長さ0.45mm以下を達成できていない。また、鋼No.15、16(比較鋼)の結果から、La、Ceを含有する場合には耐溶接凝固割れ性が損なわれることが実証された。さらに、鋼No.17(比較鋼)の結果から、Nd、La、Ceの複合添加においても耐溶接凝固割れ性が損なわれ、Ndの単独添加が必須であることが実証された。
図1は、鋼No.3(発明鋼)の液体Sn急冷試験後の試験片において、溶融池から約0.3mm低温側に離れた溶接金属についてのFE-EPMAによるP濃度マッピング結果を示す図である。図1に示すように、Pのミクロ偏析はスポット状に分散しており、高固相率の領域における残留液相の形態が液滴状であったことを示していると推定される。これによって、セルやデンドライト同士が十分に架橋され、耐溶接凝固割れ性が向上したと考えられる。
図2は、鋼No.11(比較鋼)の液体Sn急冷試験後の試験片において、溶融池から約0.3mm低温側に離れた溶接金属についてのFE-EPMAによるP濃度マッピング結果を示す図である。図2に示すように、セルやデンドライト樹間にはPがライン状に濃化しており、高固相率の領域における残留液相の形態が膜状であったことを示していると推測される。このような場合、セルやデンドライト同士は離間しておりほとんど架橋しておらず、凝固収縮や熱収縮に伴う引張ひずみが作用した場合には溶接凝固割れが発生すると考えられる。
以上より、発明鋼ではNdを単独添加することにより、耐溶接凝固割れ性が損なわれることなく、汎用オーステナイト系ステンレス鋼SUS310Sと同等以上の耐溶接凝固割れ性を有することが確認された。
本発明に係る完全オーステナイト系ステンレス鋼は耐溶接凝固割れ性に優れる上に、原料選択によりP含有量を低減する必要がないため経済性にも優れる。したがって、耐熱鋼、高耐食合金、耐水素材料、非磁性鋼などの様々な完全オーステナイト系ステンレス鋼において広範囲に利用できる。

Claims (2)

  1. 質量%で、
    C:0.005~0.060%、
    Si:1.00%以下、
    Mn:9.00%以下、
    P:0.020~0.050%、
    S:0.0010%以下、
    Ni:6.00~25.00%、
    Cr:18.00~26.00%、
    Al:0.001~0.200%、
    Ca:0.0100%以下、
    Mg:0.0100%以下、
    O:0.0100%以下、
    N:0.3000%以下、
    Nd:0.300%以下、
    B:0~0.0100%、
    Nb:0~0.10%、
    Ti:0~0.200%、
    V:0~1.00%、
    Ta:0~0.20%、
    W:0~0.50%、
    Mo:0~6.50%、
    Co:0~1.00%、
    Zr:0~0.10%、
    Cu:0~1.50%、
    Sn:0~0.300%、
    Sb:0~0.300%
    を含有し、残部がFeおよび不純物からなり、かつ下記(1)式を満足することを特徴とする完全オーステナイト系ステンレス鋼。
    Nd≧4.5×(P+S)+6×O-0.02 ・・・(1)
    なお、(1)式中の元素記号は、その元素の鋼中での含有量(質量%)を示す。
  2. 質量%で、
    B:0.0001~0.0100%、
    Nb:0.005~0.10%、
    Ti:0.001~0.200%、
    V:0.01~1.00%、
    Ta:0.001~0.20%、
    W:0.01~0.50%、
    Mo:0.01~6.50%、
    Co:0.01~1.00%、
    Zr:0.001~0.100%、
    Cu:0.01~1.50%、
    Sn:0.001~0.300%、
    Sb:0.001~0.300%
    の1種または2種以上を含むことを特徴とする請求項1に記載の完全オーステナイト系ステンレス鋼。
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