JP6997534B2 - オーガ装置および杭圧入機 - Google Patents

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Description

本発明は、地盤を掘削するオーガ装置、およびそのオーガ装置を備える杭圧入機に関する。
従来、地盤に対して杭を貫入させる場合には三点式杭打機や杭を圧入する杭圧入機が用いられるが、硬質地盤の掘削はオーガ装置のオーガスクリューに高トルクをかける必要があるが、三点式杭打機は杭打機本体の姿勢を支えるための力が自重しかないため、オーガスクリューに高トルクをかけると転倒するおそれがある。したがって、三点式杭打機では低トルク掘削しかできず、施工時間とコストが増加する。一方、オーガ装置を備えた杭圧入機(いわゆるオーガ併用圧入機)は、地盤に圧入した杭を掴んで施工を行うため、杭圧入機本体を支える反力が大きく、高トルク掘削が可能となる。
そのような杭圧入機として特許文献1~3に記載されたものがある。特許文献1~3の杭圧入機は、オーガスクリューと、そのオーガスクリューを囲う筒状のケーシングとを有するオーガ装置を備えている。この杭圧入機においては、クランプで既設杭を掴みながらケーシングとオーガスクリューを下降させ、オーガスクリューの下端部のオーガヘッドで地盤を掘削することで、次の圧入杭を圧入するための掘削孔を形成する。
特開2011-140876号公報 特開2015-132132号公報 特開2016-204825号公報
特許文献1~3の杭圧入機は高トルク掘削が可能であるものの、掘削時において、オーガヘッドが地盤から受ける抵抗力により、オーガスクリューの駆動源部との間のオーガスクリュー軸にねじれが生じる。このねじれは、掘削中の負荷に応じて変動し、硬質地盤の掘削中に地中障害物である石や礫、コンクリート片にオーガヘッド(カッター)が当たると、それらの地中障害物が割れるまでの間、オーガスクリュー軸に歪(ねじれ)が弾性範囲でたまり、地中障害物が割れた瞬間に反動でオーガヘッドが一気に先に進み、大きな変動負荷が加わることになる。
従来の杭圧入機では、そのようなオーガ軸のねじれが戻る際の反動により装置寿命を縮めていた。これにより例えばオーガヘッドやオーガヘッドに取り付けられる掘削ビットの摩耗や、掘削ビットの欠損が起こりやすくなっていた。さらに、駆動部の油圧ラインの圧力変化が大きくなり、駆動モータやその他の油圧ホースの暴れや脈動が発生した場合には、油圧ホースが暴れ、ホース自身やその巻取りのリール部品が損傷するとともに、振動や騒音の発生源にもなっていた。
また、オーガ軸に生じたねじれが戻る前であっても、金属製のオーガスクリューの羽根とケーシングの内面とが互いに接触することで大きな騒音が発生してしまい、都市部での施工や住宅地での施工が困難となる。
このように、従来の杭圧入機のオーガ装置においてはオーガ軸のねじれに伴う懸念事項が多く存在する。このため、掘削時に生じるオーガ軸のねじれを抑えることが望まれる。一方、ケーシング内にオーガスクリューが配置される構造のオーガ装置は、地盤に圧入する杭のサイズに応じてケーシングサイズも限られてくるため、オーガ軸のねじれを抑えるためにケーシングサイズを大きくすることは困難である。また、ねじれを抑えるためにオーガ装置としての掘削能力を犠牲にすることも好ましくない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、ケーシング内にオーガスクリューが配置されたオーガ装置において、ケーシングを太くすることなく、地盤の掘削時に生じるオーガ軸のねじれの抑制と掘削能力を両立させることを目的とする。
本発明者らは上記課題に対し、従来考慮されていなかったオーガ軸とケーシング内面との距離、およびケーシングの内径の半径との関係に着目し、上記課題を解決する手段を見出した。
すなわち、上記課題を解決する本発明は、杭圧入機に取り付けられるオーガ装置であって、地盤を掘削するオーガスクリューと、前記オーガスクリューを囲う筒状のケーシングとを備え、前記オーガスクリューの軸であるオーガ軸は、板厚25mm超の中空軸であり、該オーガ軸の外径がφ150以上、φ155未満であり、前記オーガ軸と前記ケーシングの内面との距離W1、および前記ケーシングの内径φD1が下記(1)式および(2)式を満たすように構成されていることを特徴としている。
0.26≦W1/(φD1/2)≦0.465・・・(1)
40≦W1・・・(2)
また、別の観点による本発明は、杭圧入機に取り付けられるオーガ装置であって、地盤を掘削するオーガスクリューと、前記オーガスクリューを囲う筒状のケーシングとを備え、前記オーガスクリューの軸であるオーガ軸は、板厚20mm超の中空軸であり、該オーガ軸の外径がφ155以上、φ170未満であり、前記オーガ軸と前記ケーシングの内面との距離W1、および前記ケーシングの内径φD1が下記(1)式および(2)式を満たすように構成されていることを特徴としている。
0.26≦W1/(φD1/2)≦0.465・・・(1)
40≦W1・・・(2)
また、別の観点による本発明は、杭圧入機に取り付けられるオーガ装置であって、地盤を掘削するオーガスクリューと、前記オーガスクリューを囲う筒状のケーシングとを備え、前記オーガスクリューの軸であるオーガ軸は、板厚18mm超の中空軸であり、該オーガ軸の外径がφ170以上、φ235以下であり、前記オーガ軸と前記ケーシングの内面との距離W1、および前記ケーシングの内径φD1が下記(1)式および(2)式を満たすように構成されていることを特徴としている。
0.26≦W1/(φD1/2)≦0.465・・・(1)
40≦W1・・・(2)
また、別の観点による本発明は、地盤に杭を圧入する杭圧入機であって、上記のオーガ装置を備えていることを特徴としている。
本発明によれば、ケーシング内にオーガスクリューが配置されたオーガ装置において、ケーシングを太くすることなく、地盤の掘削時に生じるオーガ軸のねじれの抑制と掘削能力を両立させることができる。
本発明の実施形態に係るオーガ装置を備えた杭圧入機の概略構成を示す図である。 オーガスクリューの拡大図である。 従来のオーガスクリューの断面形状の一例を示す図である。 本発明の実施形態に係るオーガスクリューの断面形状の一例を示す図である。 本発明の実施形態に係るオーガスクリューの断面形状の一例を示す図である。 本発明の実施形態に係るオーガスクリューの断面形状の一例を示す図である。 従来のオーガスクリューの断面形状の一例を示す図である。 本発明の実施形態に係るオーガスクリューの断面形状の一例を示す図である。 実施例1および比較例1における掘削時間に対する掘削深さを示す図である。 実施例2および比較例2における掘削時間に対する掘削深さを示す図である。 比較例1における掘削時間に対する油圧モータの出力トルクを示す図である。 比較例1における掘削時間に対する油圧モータの入口圧力と出口圧力を示す図である。 実施例1における掘削時間に対する油圧モータの出力トルクを示す図である。 実施例1における掘削時間に対する油圧モータの入口圧力と出口圧力を示す図である。 実施例1および比較例1における騒音測定方法を示す図である。 実施例1および比較例1における騒音測定結果を示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する要素においては、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
図1に示すように本実施形態におけるオーガ装置1は、鋼矢板や鋼管杭等の杭を圧入する杭圧入機20に取り付けられている。オーガ装置1は、地盤を掘削するオーガスクリュー2と、オーガスクリュー2の側方を囲うように設けられた筒状のケーシング3と、オーガスクリュー2を回転させるオーガ駆動部4を備えている。オーガ装置1は、ケーシング3の長手方向が鉛直方向に向くような状態で、杭圧入機本体21のチャック装置27に設けられたケーシング掴み部27aで挟持されている。
オーガスクリュー2の軸であるオーガ軸2aの下端部には交換可能なオーガヘッド5が取り付けられており、オーガヘッド5には玉石等の岩石を破砕する掘削ビット(不図示)が設けられている。また、ケーシング3には掘削した土砂や石等を排出する排出孔6が形成されており、排出孔6はケーシング3の長手方向に沿って間隔をおいて複数設けられている。
本実施形態のオーガ駆動部4はケーシング3の上端部に固定されており、オーガ駆動部4の筐体4a内においてはオーガスクリュー2の駆動源となる油圧モータ7と、油圧モータ7の下方に配置された減速機8が設けられている。
油圧モータ7および減速機8はオーガ駆動部4の筐体4a内において筐体4aに対し昇降自在となるように支持され、減速機8の出力軸にはオーガスクリュー2の軸であるオーガ軸2aが接続されている。このため、油圧モータ7および減速機8が筐体4a内で昇降移動する際にはオーガスクリュー2も昇降移動することになる。すなわち、オーガ装置1は、オーガスクリュー2がケーシング3に対し独立して移動するように構成されている。なお、油圧モータ7にはオーガモータ用油圧ホース12が接続されている。
杭圧入機本体21は、既設杭22を掴む複数のクランプ23が装着されたサドル24と、スライド機構25によりサドル24に対し前後動可能に構成されたリーダーマスト26と、リーダーマスト26に対し昇降可能に構成されたチャック装置27とを備えている。チャック装置27には前述のケーシング掴み部27aが設けられている。リーダーマスト26には、各部の油圧動作を行うための全体油圧ホース28が接続されている。また、リーダーマスト26には、オーガモータ用油圧ホース12の巻き取りと払い出しを行うホースリール29が設けられており、ホースリール29にはオーガモータ用油圧ホース12が接するホース案内ローラ30が取り付けられている。このホースリール29は掘削作業に伴うオーガ装置1の昇降移動に併せて適宜回転し、掘削作業中のオーガモータ用油圧ホース12に張力を付与する。
本実施形態のオーガ装置1を備えた杭圧入機20は以上のように構成されている。なお、図1では、地盤の先行掘削を想定してチャック装置27でケーシング3のみを挟持している状態を示しているが、チャック装置27に鋼矢板等の杭を挟持する機構を設け、掘削と同時に杭を圧入する工法、いわゆるオーガ併用圧入工法を実施できるように杭圧入機20を構成しても良い。また、本実施形態におけるオーガ装置1を用いた杭圧入機20の掘削動作は従来と同様であるため、掘削を行うための杭圧入機20のより詳細な構造の説明は省略する。
このような構成の杭圧入機20においては、既設杭22をクランプ23で掴み、杭圧入機本体21の姿勢を安定させるための反力を取った状態で地盤の掘削を行う。地盤の掘削を行う際には、オーガスクリュー2を回転させ、ケーシング3を挟持した状態でチャック装置27を所定量下降させる。その後、一度ケーシング3を離し、チャック装置27を上昇させる。そして、再度ケーシング3を挟持し、チャック装置27を所定量下降させる。この動作を繰り返すことにより、地盤の掘削を進めていく。
図2は本実施形態のオーガスクリュー2の拡大図である。本実施形態のオーガ軸2aは中空軸であり、図2に示す寸法φD1はケーシング3の内径、寸法φd1は羽根2bを含むオーガスクリュー2の径、寸法φD2はオーガ軸2aの外径、寸法φd3はオーガ軸2aの内径、寸法tはオーガ軸2aの板厚、寸法W1はオーガ軸2aとケーシング3内面との距離、寸法W2はオーガスクリュー2の羽根2bの高さ、寸法W3は羽根2bとケーシング3内面との隙間である。なお、オーガ軸2aとケーシング3内面との距離W1は、掘削した土砂や石等の掘削土の片側取り込み幅とも称され、掘削土を羽根2bの上に載せて持ち上げるリフティング能力に寄与するものである。
そして、本実施形態のオーガ装置1は、オーガ軸2aとケーシング3内面との距離W1、およびケーシング3の内径φD1とが下記(1)式および(2)式を満たすように構成されている。
0.26≦W1/(φD1/2)≦0.465・・・(1)
40≦W1・・・(2)
この(1)式および(2)式を満たすオーガ装置1によれば、十分なリフティング能力を有すると共にオーガ軸2aのねじれ剛性が従前よりも向上したものとなっている。これにより掘削時の騒音や振動の発生を抑えた状態で高い掘削能力を発揮することができる。上記(1)式のW1/(φD1/2)の値が0.26未満であると、掘削土の取り込みが制限され、掘削土の排出能力が低下する。一方、上記(1)式のW1/(φD1/2)の値が0.465を超えると、オーガ軸2aのねじれ剛性を十分に向上させることができない。また、W1が40未満である場合には、地中障害物である石や礫、コンクリート片を予め細かく砕いておかないと排土効率が悪くなり、掘削作業時間が長くなってしまう。W1の上限は特に限定されず、ケーシングサイズに応じて適宜変更される。
ここで、図3に示すような従来普及していたオーガ装置において、オーガ軸2aとケーシング3内面との距離W1(66.3mm)と、ケーシング3の内径φD1(278.5mm)に着目すると、上記(2)式を満たしているが、W1/(φD1/2)の値は0.476であり、上記(1)式を満たしていない。また、図3に示す構造のオーガ装置においてはオーガ軸2aの径φD2が146mm、オーガ軸2aの板厚tが20mmであり、ねじれ剛性に寄与するオーガ軸2aの断面二次極モーメントIpが3221cmである。なお、断面二次極モーメントIpは、π/32×((φD2)-(φD2-2×t))で算出される。
一方、図3に示す構造のオーガ装置と同等のケーシングサイズを有する本実施形態に係るオーガ装置1は例えば図4に示すものである。図4に示す構造のオーガ装置1は、オーガ軸2aとケーシング3内面との距離W1が66.3mm、ケーシング3の内径φD1が273.9mmであって、W1/(φD1/2)の値が0.45であり、上記(1)式および(2)式を満たしている。また、オーガ軸2aの径φD2は150mm、オーガ軸2aの板厚tは45mmであり、オーガ軸2aの断面二次極モーメントIpは4840cmである。このため、図4に示す構造のオーガ装置1は図3に示す構造のオーガ装置に対して断面二次極モーメントIpが150%向上している。すなわち、本実施形態のオーガ装置1によれば、上記(1)式および(2)式を満たしていることにより、従来のオーガ装置に対し、ねじれ剛性を向上させることができ、オーガ軸2aのねじれの抑制と十分な掘削能力を両立させることができる。
また、図5~図6に示す構造のオーガ装置1は図4に示す構造のオーガ装置1の変形例であるが、これらのオーガ装置1も上記(1)式および(2)式を満たすものであり、図3に示す従来のオーガ装置に対し、ねじれ剛性が向上し、かつ、十分な掘削能力を有するものである。
図7は図3に示すオーガ装置よりもケーシングサイズが大きい従来のオーガ装置である。図7に示す構造のオーガ装置1は、オーガ軸2aとケーシング3内面との距離W1が73.7mm、ケーシング3の内径φD1が315.6mmであって、上記(2)式を満たしているが、W1/(φD1/2)の値が0.467であり、上記(1)式を満たしていない。オーガ軸2aの径φD2は168.3mm、オーガ軸2aの板厚tは20mmであり、オーガ軸2aの断面二次極モーメントIpは5214cmである。一方、図7に示す構造のオーガ装置と同等のケーシングサイズを有する図8に示す本実施形態に係るオーガ装置1では、オーガ軸2aとケーシング3内面との距離W1が41.8mm、ケーシング3の内径φD1が315.6mmであって、W1/(φD1/2)の値が0.265であり、上記(1)式および(2)式を満たしている。また、オーガ軸2aの径φD2は232mm、オーガ軸2aの板厚tは18mmであり、オーガ軸2aの断面二次極モーメントIpは13946cmである。このため、図8に示す構造のオーガ装置1は図7に示す従来構造のオーガ装置に対して断面二次極モーメントIpが267%向上している。
したがって、上記(1)式および(2)式を満たすようにオーガ装置1を構成することで、ケーシングサイズによらず、ねじれの抑制と掘削能力を両立させることが可能となる。これにより、オーガ軸2aのねじれの戻りに伴うオーガヘッド5の摩耗や損傷を抑えることができ、掘削時の振動や騒音の発生も抑えることができる。なお、オーガ軸2aの断面二次極モーメントIpは5220cm以上、34000cm以下であることが好ましい。
なお、オーガ軸2aは、瞬時に高トルクを伝達できるようなねじれ剛性の高いものでなければ、ねじれ遅れが発生し、掘削効率が低下する。また、ねじれ量はオーガ長に比例するため、オーガ軸2aが長い場合にはさらに高いねじれ剛性を有することが望ましい。したがって、掘削能力を高めるためには、油圧モータ7の負荷トルクが3t・m時におけるオーガ長1mあたりのねじれ角が3/8°以下となるようなオーガ軸2aであることが好ましい。より好ましいねじれ角の上限値は1/8°である。なお、“オーガ長”とはオーガ軸2aの下端から上端までの長さである。また、ねじれ角θは、57.3×(トルクT×オーガ長L)/(横弾性係数G×断面二次極モーメントIp)で算出される。
本実施形態ではオーガ軸2aを中空軸としているが、実軸であっても良い。また、オーガ軸2aは、中空軸の内方に高圧の空気や水等を吐出するノズルを設けた二重管構造であっても良い。いずれの場合であっても、オーガ装置1が上記(1)式および(2)式を満たすように構成されていれば、同じケーシングサイズを有する従来のオーガ装置に対してねじれ剛性を向上させることができ、オーガ軸2aのねじれの抑制と掘削能力を両立させることができる。
また、オーガ軸2aは、径がφ150以上、φ155未満である場合には実軸、板厚25mm超の中空軸および二重管のいずれか1つであることが好ましい。また、オーガ軸2aは、径がφ155以上、φ170未満である場合には、実軸、板厚20mm超の中空軸および二重管のいずれか1つであることが好ましい。また、オーガ軸2aは、径がφ170以上、φ235以下である場合には、板厚18mm超の中空軸および二重管のいずれか1つであることが好ましい。なお、本明細書において、オーガ軸2aが中空軸または二重管である場合の“径”とは、オーガ軸2aの最外径のことを指す。
また、本実施形態では、オーガスクリュー2の駆動源として油圧方式のモータを用いたが、オーガスクリュー2を回転させて地盤の掘削を行うトルクが得ることができれば、油圧方式以外のモータであっても良い。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到しうることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
本発明に係るオーガ装置と従来のオーガ装置を用いて砂岩の軟~中硬岩盤の掘削を実施し、掘削能力について評価した。
本発明に係るオーガ装置として、互いに仕様が異なる実施例1と実施例2のオーガ装置を使用した。実施例1のオーガ装置は図5に示す構造のオーガ装置であり、オーガ軸2aとケーシング3内面との距離W1が48.1mm、ケーシングの内径φD1が273.9mm、W1/(φD1/2)の値が0.35であって上記(1)式および(2)式を満たすものである。実施例1のオーガ軸の径φD2は177.8mmであり、断面二次極モーメントIpは8481cmである。実施例2のオーガ装置は、オーガ軸2aとケーシング3内面との距離W1が55.7mm、ケーシングの内径φD1が278.5mm、W1/(φD1/2)の値が0.4であり、上記(1)式および(2)式を満たすものである。実施例2のオーガ軸の断面二次極モーメントIpは4285cmである。共にオーガヘッドの径は540mmであり、オーガ装置が取り付けられる杭圧入機は図1に示す杭圧入機と同様の構成を有している。
また、従来のオーガ装置として、互いに仕様が異なる比較例1と比較例2のオーガ装置を使用した。比較例1のオーガ装置は図3に示す構造のオーガ装置であり、オーガ軸2aとケーシング3内面との距離W1が66.3mm、ケーシングの内径φD1が278.5mm、W1/(φD1/2)の値が0.476であって上記(2)式を満たすが上記(1)式を満たさないものである。比較例1のオーガ軸の径φD2は146mmであり、断面二次極モーメントIpは3221cmである。比較例2のオーガ装置は、オーガ軸2aとケーシング3内面との距離W1が66.3mm、ケーシングの内径φD1が278.5mm、W1/(φD1/2)の値が0.476であり、上記(2)式を満たすが上記(1)式を満たさないものである。比較例2のオーガ軸の断面二次極モーメントIpは2683cmである。共にオーガヘッドの径は540mmであり、オーガ装置が取り付けられる杭圧入機は図1に示す杭圧入機と同様の構成を有している。
図9は実施例1および比較例1における掘削時間に対する掘削深度を示す図である。図9に示すように実施例1のオーガ装置の場合、94分間の掘削で掘削深度が14.5mに達した。10mまでの平均掘削速度は0.21m/分である。一方、比較例1のオーガ装置の場合、オーガ軸のねじれの発生に伴うオーガヘッドの掘削ビットの刃先摩耗の進行が早く、掘削時間が85分、掘削深度が10.1mに達した段階で掘削不能状態となった。10mまでの平均掘削速度は0.12m/分である。仮に比較例1のオーガ装置で実施例1のオーガ装置と同じように14.5mまで掘削しようとすると、オーガスクリューを引き抜き、オーガヘッドを交換し、再度オースクリューを掘削孔に入れて掘削を再開することになる。この場合、オーガヘッドの交換等により掘削再開までの時間が余計にかかると共に、掘削を再開しても平均掘削速度が遅いことから、14.5mの掘削深度に達するまでの時間は実施例1に比べて大幅に増加してしまう。この結果が示すように、上記(1)式および(2)式を満たす実施例1のオーガ装置は、ねじれ剛性が比較例1のオーガ装置よりも高くなり、オーガヘッドの摩耗を抑制することができる。また、ねじれ剛性が高いためにトルク伝達効率も向上し、掘削速度が向上する。これにより、従来よりも短い時間で地盤の掘削を行うことができる。
図10は実施例2および比較例2における掘削時間に対する掘削深度を示す図である。実施例2および比較例2で掘削する地盤状態は、実施例1および比較例1で掘削した地盤状態とは異なる。実施例2のオーガ装置の場合、84分間の掘削で掘削深度が14.1mに達した。10mまでの平均掘削速度は0.27m/分である。一方、比較例2のオーガ装置の場合、図9に示す地盤に対して軟岩範囲が広いにも関わらず、オーガ軸のねじれの発生に伴うオーガヘッドの掘削ビットの刃先摩耗の進行が早く、掘削時間が70分、掘削深度が10.8mに達した段階で掘削不能状態となった。この結果が示すように、上記(1)式および(2)式を満たす実施例2のオーガ装置は、ねじれ剛性が比較例2のオーガ装置よりも高くなり、オーガヘッドの摩耗の抑制することができる。また、ねじれ剛性が高いためにトルク伝達効率も向上し、掘削速度が向上する。これにより、従来よりも短い時間で地盤の掘削を行うことができる。
ここで、比較例1における掘削時間に対するモータの出力トルクを図11に示す。また、比較例1における掘削時間に対するモータの入口圧力と出口圧力を図12に示す。図11に示すように比較例1においては、最大油圧トルクが43kN・mと高く、常用トルクも最大油圧トルクと略同一となっている。トルク幅が広いのはオーガ軸のねじれ剛性が不足し、トルク伝達効率が低いためであり、これが掘削能力を低下させた原因である。また、図12に示すように比較例1においては、モータ入口圧力の変動幅が約200kgf/cm、モータ出口圧力の変動幅が約110kgf/cmであり、変動幅が大きい。油圧モータの仕事量に影響する油圧モータの有効圧力差(モータ入口圧力-モータ出口圧力)が零になることもあり、油圧モータが仕事をしていない時間もある。比較例1のオーガ装置では、全体として油圧モータの有効圧力差が小さく、掘削効率が良くない。
一方、図13に示すように実施例1においては最大油圧トルクが45kN・mと高いが、平均掘削速度が比較例1の約1.8倍であるため、効率良く掘削ができている。常用トルクは約30kN・mであり、比較例1に対して低く、また、図14に示すように実施例1においては、モータ入口圧力の変動幅が約100kgf/cm、モータ出口圧力の変動幅が約70kgf/cmであり、比較例1に対して小さくなった。油圧モータの有効圧力差は約100kgf/cmであり、油圧モータが安定して有効に仕事をしていることがわかる。
次に、実施例1と比較例1のオーガ装置における騒音測定を実施した。
騒音測定方法は、図15に示す通りであり、オーガ軸から前方7.5m、地表面から高さ0.5mの位置に騒音計を置いて掘削時に生じる騒音を測定した。その結果を図16に示す。
比較例1のオーガ装置は、掘削中に油圧ホースの暴れが生じ、掘削中の騒音レベルは平均で92dBであった。一方、実施例1のオーガ装置は、オーガ軸のねじれ戻りの反動に伴うホース暴れが抑制され、掘削中の騒音レベルは平均で86dBとなり、比較例1に対して大幅に軽減した。このように本発明に係るオーガ装置によれば、騒音を抑えることができる。また、ホース暴れの抑制により装置全体の振動も軽減することができる。
本発明は、地盤を掘削するオーガ装置として有用である。
1 オーガ装置
2 オーガスクリュー
2a オーガ軸
2b 羽根
3 ケーシング
4 オーガ駆動部
4a オーガ駆動部の筐体
5 オーガヘッド
6 排出孔
7 油圧モータ
8 減速機
12 オーガモータ用油圧ホース
20 杭圧入機
21 杭圧入機本体
22 既設杭
23 クランプ
24 サドル
25 スライド機構
26 リーダーマスト
27 チャック装置
27a ケーシング掴み部
28 全体油圧ホース
29 ホースリール
30 ホース案内ローラ
φD1 ケーシングの内径
φD2 オーガ軸の外径
φd1 オーガスクリューの径
φd3 オーガ軸の内径
t オーガ軸の板厚
W1 オーガ軸とケーシング内面との距離
W2 オーガスクリューの羽根高さ
W3 羽根とケーシング内面との隙間

Claims (5)

  1. 杭圧入機に取り付けられるオーガ装置であって、
    地盤を掘削するオーガスクリューと、
    前記オーガスクリューを囲う筒状のケーシングとを備え、
    前記オーガスクリューの軸であるオーガ軸は、板厚25mm超の中空軸であり、該オーガ軸の外径がφ150以上、φ155未満であり、
    前記オーガ軸と前記ケーシングの内面との距離W1、および前記ケーシングの内径φD1が下記(1)式および(2)式を満たすように構成されている、オーガ装置。
    0.26≦W1/(φD1/2)≦0.465・・・(1)
    40≦W1・・・(2)
  2. 杭圧入機に取り付けられるオーガ装置であって、
    地盤を掘削するオーガスクリューと、
    前記オーガスクリューを囲う筒状のケーシングとを備え、
    前記オーガスクリューの軸であるオーガ軸は、板厚20mm超の中空軸であり、該オーガ軸の外径がφ155以上、φ170未満であり、
    前記オーガ軸と前記ケーシングの内面との距離W1、および前記ケーシングの内径φD1が下記(1)式および(2)式を満たすように構成されている、オーガ装置。
    0.26≦W1/(φD1/2)≦0.465・・・(1)
    40≦W1・・・(2)
  3. 杭圧入機に取り付けられるオーガ装置であって、
    地盤を掘削するオーガスクリューと、
    前記オーガスクリューを囲う筒状のケーシングとを備え、
    前記オーガスクリューの軸であるオーガ軸は、板厚18mm超の中空軸であり、該オーガ軸の外径がφ170以上、φ235以下であり、
    前記オーガ軸と前記ケーシングの内面との距離W1、および前記ケーシングの内径φD1が下記(1)式および(2)式を満たすように構成されている、オーガ装置。
    0.26≦W1/(φD1/2)≦0.465・・・(1)
    40≦W1・・・(2)
  4. 前記オーガスクリューの負荷トルクが3t・m時において、オーガ長1mあたりの前記オーガ軸のねじれ角が3/8°以下である、請求項1~3のいずれか一項に記載のオーガ装置。
  5. 請求項1~のいずれか一項に記載のオーガ装置を備えた、地盤に杭を圧入する杭圧入機。
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