図1は、実施形態にかかるチェックアウトシステム101の全体を示す模式図である。図1に示すように、チェックアウトシステム101は、チェッカ(店員)であるオペレータOが操作する商品データ登録装置102と、買物客Cが操作する会計装置103と、を備えている。商品データ登録装置102は、横長テーブル状の作業台104の上に設置されている。
会計装置103は、1台の商品データ登録装置102に対して2台設けられている。会計装置103は、作業台104に隣接して直線的に設置される。したがって、本実施形態においては、複数の作業台104の間に買物客Cの通路が形成される。
まず、商品データ登録装置102について説明する。図2は、商品データ登録装置102の外観を示す斜視図である。図2に示すように、作業台104の上面に設置された商品データ登録装置102は、読取窓112を有する縦型のスキャナ111をベースに構成されている。スキャナ111は、読取窓112の奥側に撮像部(不図示)を配置している。
また、商品データ登録装置102は、スキャナ111の上部にタッチパネル113付き表示器114およびキーボード115を備えている。表示器114にはスキャナ111の撮像部で撮像された商品の商品名および価格等が表示される。タッチパネル113およびキーボード115は、商品データの入力を補助するためのものである。
オペレータO側から見て商品データ登録装置102の左側には、プリンタ116が設けられている。プリンタ116は、後述する識別データや一取引分の合計金額等の取引データが印字されたレシートを発行する。
加えて、オペレータO側から見て商品データ登録装置102の左側には、買物客C向けの客側表示器117が設けられている。
商品データ登録装置102では、PLUファイルF1(図4参照)を参照し、撮像部により撮像された画像に含まれる商品を、商品に添付されたバーコードやQRコード(登録商標)等のコード情報の読み取り、又は一般物体認識により特定する。
なお、画像中に含まれる物体を認識する一般物体認識(generic object recognition)については、下記の文献において認識技術が解説されている。
柳井 啓司,“一般物体認識の現状と今後”,情報処理学会論文誌,Vol.48,No.SIG16 [平成26年1月6日検索],インターネット<URL:http://mm.cs.uec.ac.jp/IPSJ-TCVIM-Yanai.pdf>
次いで、商品データ登録装置102は、特定した商品の確認や、個数などの入力を受け付ける画面を表示器114に表示する。そして、商品データ登録装置102は、確認の入力が受け付けられた商品の商品コード、入力された個数などの情報に基づき、商品コードに対応する商品の商品分類、商品名、単価等の売上登録に係る情報を販売データとして売上マスタファイル(不図示)等に記憶して売上登録を行う。
次に、会計装置103について説明する。図3は、会計装置103の外観を示す斜視図である。本実施形態の会計装置103は、アイドル時には、買物客Cによって商品登録および会計が可能なセルフPOS(Point Of Sales)端末としても機能することができる構成となっている。
会計装置103は、情報処理装置2(図4参照)と、入出金部4と、定置スキャナ5と、表示操作パネル6と、ハンドスキャナ7と、カードリーダライタ8と、レシートプリンタ9と、第一の筐体10と、第二の筐体11とを備えている。第一の筐体10は、情報処理装置2および入出金部4を内蔵する箱で、床に置かれている。第二の筐体11は、定置スキャナ5およびレシートプリンタ9の外殻であり、第一の筐体10の上面10aに載せられている。
定置スキャナ5は、第一の筐体10の上部に設けられた撮像窓5aと、第一の筐体10に内蔵された撮像部(不図示)とを有している。撮像部は、撮像窓5aの前にかざされた例えばバーコードなどのコードシンボル像を撮像し、撮像したコードシンボル像をデコードする。そして、撮像部は、デコードしたコード情報を情報処理装置2に出力する。また、一般物体認識を行なう場合には、撮像部は、撮像窓5aの前にかざされた商品を撮像した商品画像を情報処理装置2に出力する。
ハンドスキャナ7は、第一の筐体10の前面10bの上部に配されている。第一の筐体10の前面10bの右上部には、ハンドスキャナ7の先端部71を引っ掛け状態で保持する保持部10cが設けられている。
表示操作パネル6は、表示器61と、タッチパネル62とを備え、第二の筐体11に載せられている。表示器61は、情報処理装置2の制御に従って画像を表示する。タッチパネル62は、表示器61の表面に設けられており、オペレータが触れた位置に基づく情報を情報処理装置2に出力する。
カードリーダライタ8は、第二の筐体11の横に配されて、第一の筐体10の上面10aに配されている。カードリーダライタ8は、ポイントカードやクレジットカード等の磁気カード(情報記録媒体)に対して情報を読み書きする。
入出金部4は、貨幣投入口41と、紙幣出金口42と、硬貨出金部43とを備えている。硬貨出金部43は、払出口431および受皿432を備えている。入出金部4は、貨幣投入口41に投入された紙幣および硬貨を受け入れて分別して収納する。そして、入出金部4は、情報処理装置2の要求に応じて、釣銭を払出口431から払い出す。払い出された釣銭は、受皿432が受け止める。
レシートプリンタ9は、第二の筐体11に内蔵された印刷部(不図示)と、第二の筐体11の前面11aに設けられたレシート発行口91とを有している。レシートプリンタ9は、情報処理装置2の制御に従い、印刷部によって印刷したレシートをレシート発行口91から発行する。
情報処理装置2は、第一の筐体10に内蔵されており、会計装置103が備える各部(入出金部4、定置スキャナ5、表示操作パネル6、ハンドスキャナ7、カードリーダライタ8、およびレシートプリンタ9)を統括的に制御する。情報処理装置2は、定置スキャナ5ないしハンドスキャナ7からコード情報や商品画像を取得する。また、情報処理装置2は、表示操作パネル6の表示器61に表示させる情報を出力し、タッチパネル62からオペレータが行った操作の情報を取得する。さらに、情報処理装置2は、入出金部4への入金を把握し、入出金部4に出金の指示を行う。
また、会計装置103は、第一の筐体10の一側方に籠置き台21を備えている。籠置き台21は、買物客が会計処理を行う際に、籠の置き場とする物置台である。
さらに、会計装置103は、第一の筐体10の上面に会計装置103の現在の状態を表示する報知部としての表示ポール22を立設している。表示ポール22は、先端部に青色と赤色に選択的に発光する発光部22aを有する。
次に、商品データ登録装置102および会計装置103のハードウェア構成について説明する。図4は、商品データ登録装置102および会計装置103のハードウェア構成を示すブロック図である。
図4に示すように、商品データ登録装置102は、CPU(Central Processing Unit)と、記憶媒体であるROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)(いずれも不図示)等から構成されるコンピュータ構成の制御部150を備えている。ROMは、CPUが実行する各種プログラムや各種データを記憶する。RAMは、CPUが各種プログラムを実行する際に一時的にデータやプログラムを記憶するものであり、商品の販売記録を示す販売データや、表示器114に表示する各種の画面表示データを記憶するものである。
制御部150は、I/O(Input/Output)機器制御部139およびバス138を介して、スキャナ111、タッチパネル113、表示器114、キーボード115、プリンタ116、客側表示器117、HDD(Hard Disk Drive)136等のI/O機器を制御し、商品データ登録装置102のシステム全体を制御するものである。
記憶手段であるHDD136には、制御部150のCPUが実行可能なプログラム137やPLUファイルF1が格納される。PLUファイルF1は、各商品にユニークに割り当てられた商品コードと、その商品の名称、価格、商品分類等の商品に関する情報とを対応付けて格納するファイルである。また、PLUファイルF1は、商品を一般物体認識により特定する場合には、商品画像から読み取られる色合いや表面の凹凸状況等の特徴量も格納する。
なお、商品データ登録装置102の制御部150のCPUを動作させるプログラム137は、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
また、商品データ登録装置102の制御部150のCPUを動作させるプログラム137を、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、商品データ登録装置102の制御部150のCPUを動作させるプログラム137をインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
制御部150は、通信I/F140を介してLAN(Local Area Network)等のネットワークNTで接続されたストアサーバ(不図示)や会計装置103と相互に通信を行うことができる。
ストアサーバは、店舗内に設置された1台または複数台の商品データ登録装置102で行われる商品販売登録処理、会計装置103で行われる会計処理等の管理を全般的に行う。
一方、図4に示すように、会計装置103は、CPUと、記憶媒体であるROMおよびRAM(いずれも不図示)等から構成されるコンピュータ構成の制御部50を情報処理装置2に備えている。ROMは、CPUが実行する各種プログラムや各種データを記憶する。RAMは、CPUが各種プログラムを実行する際に一時的にデータやプログラムを記憶するものであり、商品の販売記録を示す販売データや、表示器61に表示する各種の画面表示データを記憶するものである。
制御部50は、I/O機器制御部39およびバス38を介して、タッチパネル62、表示器61、定置スキャナ5、ハンドスキャナ7、カードリーダライタ8、レシートプリンタ9、入出金部4、表示ポール22、HDD36等のI/O機器を制御し、会計装置103のシステム全体を制御するものである。
カードリーダライタ8は、カード挿入口から挿入された客のポイントカードやクレジットカードの情報を読み込むものである。レシートプリンタ9は、会計処理後にレシートを印刷して、これをレシート発行口91から発行するものである。入出金部4は、貨幣投入口41に投入された紙幣および硬貨を処理するものである。また、入出金部4は、要求に応じて、釣銭を払出口431から払い出すものである。
記憶手段であるHDD36には、制御部50が実行可能なプログラム37やPLUファイルF1が格納される。
なお、会計装置103の制御部50のCPUを動作させるプログラム37は、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
また、会計装置103の制御部50のCPUを動作させるプログラム37を、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、会計装置103の制御部50のCPUを動作させるプログラム37をインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
制御部50は、通信I/F40を介してLAN等のネットワークNTで接続されたストアサーバ(不図示)や商品データ登録装置102と相互に通信を行うことができる。
次に、商品データ登録装置102の制御部150のCPUがプログラム137を実行することで実現される機能構成、および会計装置103の制御部50のCPUがプログラム37を実行することで実現される機能構成について、図5を参照して説明する。
図5は、商品データ登録装置102及び会計装置103の機能構成を示すブロック図である。図5に示すように、商品データ登録装置102の制御部150は、HDD136が格納するプログラム137を実行することにより、通信制御手段151と、情報入力手段152と、特定手段153と、登録手段154と、算出手段155と、送信手段156と、選択手段157と、表示制御手段158としての機能を備える。
また、同様に、会計装置103の制御部50は、HDD36が格納するプログラム37を実行することにより、通信制御手段51と、会計手段52としての機能を備える。
通信制御手段151は、通信I/F140を介してLAN等のネットワークNTで接続された会計装置103に対する通信を制御する。
情報入力手段152は、各種商品を識別するための識別情報を入力する。より詳細には、情報入力手段152は、スキャナ111から出力されたコード情報や商品画像を識別情報として入力する。
特定手段153は、識別情報が入力されると、当該識別情報に基づいて商品を特定する。より詳細には、特定手段153は、スキャナ111からコード情報が入力された場合には、PLUファイルF1を参照して商品コードに対応する商品を特定する。特定手段153は、スキャナ111から商品画像が入力された場合には、画像中に含まれる物体を認識する一般物体認識により商品を特定する。
登録手段154は、特定された商品についての商取引に係る内容を示した販売データを登録する。より詳細には、登録手段154は、特定された商品の商品コードや入力された個数などの情報に基づき、商品コードに対応する商品の商品分類、商品名、単価等の売上登録に係る情報をPLUファイルF1から取得し、販売データとする。
算出手段155は、タッチパネル113またはキーボード115からの締め操作(例えば、小計キー(不図示)の押下など)の入力があり商取引の締めが宣言された場合、登録された販売データに基づき、一の取引に係る合計金額を算出する。
送信手段156は、登録された販売データおよび算出された合計金額を、通信制御手段151を介して会計装置103に送信する。
選択手段157は、ネットワーク接続された会計装置103が複数ある場合、一の会計装置103を選択する。したがって、送信手段156は、選択手段157により選択された一の会計装置103に対し、登録された販売データおよび算出された合計金額を送信することになる。このような選択手段157は、転送先となる会計装置103の選択を受け付ける転送先選択画面P2(図8参照)を表示器114に表示し、当該選択画面に対する操作に応じて一の会計装置103の選択を受け付ける。
表示制御手段158は、送信手段156による送信に際して、送信先となる会計装置103を表す情報と合計金額とを表示器114や客側表示器117に表示する。
また、通信制御手段51は、通信I/F40を介してLAN等のネットワークNTで接続された商品データ登録装置102に対する通信を制御する。
会計手段52は、商品データ登録装置102から送信されたものであって、特定された商品についての商取引に係る内容を示した販売データと当該販売データに基づいて算出された一の取引に係る合計金額とに基づいて、会計処理を実行する。
次に、チェックアウトシステム101の動作について詳細に説明する。先ず、商品データ登録装置102の動作について説明する。図6は、商品データ登録装置102で行われる商品販売登録処理の流れを示すフローチャートである。
図6に示すように、商品データ登録装置102の制御部150(情報入力手段152、特定手段153)は、スキャナ111の撮像部により撮像された画像から得られる商品コードや商品画像の入力を判定した場合(ステップS1のYes)、商品コードや商品画像の特徴量に基づいてPLUファイルF1を検索して商品を特定する商品特定処理を実行する(ステップS2)。
商品データ登録装置102の制御部150(登録手段154、算出手段155)は、特定した商品の商品コード、商品名や単価等の商品情報をPLUファイルF1から読み出し、読み出した商品情報およびタッチパネル113またはキーボード115を介して入力された商品点数をRAMのワークエリアに記憶して登録するとともに、読み出した単価および入力された商品点数に基づく金額を加算して合計金額を算出してRAMのワークエリアに記憶する(ステップS3)。
その後、商品データ登録装置102の制御部150(登録手段154)は、RAMのワークエリアに記憶した読み出した商品情報や算出した合計金額などを、登録画面P1(図7参照)として表示器114に表示する(ステップS4)。
ここで、図7は登録画面P1の一例を示す正面図である。図7に示すように、商品データ登録装置102の制御部150は、商品販売登録処理を行っている間に表示器114を制御し、表示器114の表示領域114a内に、登録画面P1を表示する。登録画面P1は、登録用ウィンドウW5と、登録済ウィンドウW4を有している。
登録用ウィンドウW5には、商品特定処理によって特定された商品の商品情報に含まれる商品名、商品単価及び個別商品点数などが表示される。これらの商品名、商品単価及び個別商品点数は、ステップS1~ステップS3の処理によって表示が更新される。加えて、登録用ウィンドウW5には、合計金額および合計商品点数も表示される。合計金額及び合計商品点数も、ステップS1~ステップS3の処理によって表示が更新される。
登録済ウィンドウW4には、登録用ウィンドウW5に表示された履歴が表示される。すなわち、ステップS1~ステップS3の処理が新たに実行された場合には、登録用ウィンドウW5に表示されていた商品名、商品単価及び個別商品点数などは、登録済ウィンドウW4に表示される。
以上説明したステップS1~ステップS4の処理は、タッチパネル113またはキーボード115からの締め操作(例えば、小計キー(不図示)の押下など)の入力があるまで(ステップS5のNo)、繰り返される。
商品データ登録装置102の制御部150(選択手段157)は、タッチパネル113またはキーボード115からの締め操作の入力を判定した場合(ステップS5のYes)、一取引分の取引データの転送先となる会計装置103を選択させる転送先選択画面P2(図8参照)を表示器114に表示する(ステップS6)。
ここで、図8は転送先選択画面P2の一例を示す正面図である。図8に示すように、商品データ登録装置102の制御部150は、表示器114を制御し、表示器114の表示領域114a内に、予め、支払い額表示ウィンドウW3と、この支払い額表示領域114dよりも小さい第1転送先ウィンドウW1および第2転送先ウィンドウW2とを定義した転送先選択画面P2を表示する。支払い額表示ウィンドウW3は、表示領域114a内で左端に寄せて設けられ、表示領域114aの幅の半分以上を占め、表示領域114a内の上方及び下方のそれぞれに隣接させる高さを有している。二つの第1転送先ウィンドウW1および第2転送先ウィンドウW2は、表示領域114aの右端辺と支払い額表示ウィンドウW3の右端辺との間に、上下に隣接させて設けられている。
支払い額表示ウィンドウW3には、締め操作の入力があった時点における合計金額及び合計商品点数が表示される。また、支払い額表示ウィンドウW3には、支払方法を選択するためのボタンB1、小計値引を行なうためのボタンB2、小計割引を行なうためのボタンB3が設けられている。
一方、第1転送先ウィンドウW1および第2転送先ウィンドウW2には、転送先の候補となる各会計装置103について、現時点において転送可能な状態であるか転送不可能な状態であるかを示す転送可否情報が各会計装置103の識別番号が付加されて表示されるとともに、転送を宣言するためのボタンB4,B5が設けられている。ここで、会計処理を実行している最中である場合には転送不可能な状態であるとの表示になるが、転送を宣言するためのボタンB4,B5の操作は可能となっている。これは、会計処理は短時間で終了するので、直ぐに転送可能な状態になるためである。
なお、転送先となる会計装置103の選択方法としては、ボタンB4,B5の操作に限るものではない。例えば、キーボード115上に設けられた置数キーおよび送信キーの組合せ操作によって、転送先となる会計装置103を選択するようにしても良い。具体的には、第1転送先ウィンドウW1に対応付けられる会計装置103については、置数キーの「1」と送信キーとの組合せ操作によっても選択できるようにする。
このようにキーボード115上に設けられた置数キーおよび送信キーの組合せ操作によって、転送先となる会計装置103の識別番号を任意に指定することができるようにすることで、予め指定された会計装置103以外へも取引データを転送することを可能としている。
商品データ登録装置102の制御部150(選択手段157、送信手段156、通信制御手段151)は、タッチパネル113を介して第1転送先ウィンドウW1のボタンB4または第2転送先ウィンドウW2のボタンB5の操作の入力を判定した場合(ステップS7のYes)、これまでにRAMのワークエリアに記憶した商品情報、商品点数、合計金額及び合計商品点数を一取引分の取引データとして選択された会計装置103に対して送信する(ステップS8)。
なお、第1転送先ウィンドウW1のボタンB4または第2転送先ウィンドウW2のボタンB5の操作前に、支払い額表示ウィンドウW3の小計値引を行なうためのボタンB2や小計割引を行なうためのボタンB3が操作された場合には、RAMのワークエリアに記憶された合計金額に対して小計割引や小計値引の実行後の残額も選択された会計装置103に対して送信する。
なお、商品データ登録装置102の制御部150は、一取引分の取引データに当該取引を特定することができる識別データを含めるようにしても良い。識別データは、一取引の合計金額、取引商品の商品販売登録処理が行われた商品データ登録装置102の固有番号および商品販売登録処理が行われた日時などによって、一取引を識別できる取引ごとに固有のデータである。
最後に、商品データ登録装置102の制御部150(表示制御手段158)は、所望の会計装置103に対して取引データを送信したことを報知するための報知画面P3(図9参照)を表示器114に表示し(ステップS9)、一連の商品販売登録処理を終了する。
ここで、図9は報知画面P3の一例を示す正面図である。図9に示すように、商品データ登録装置102の制御部150は、取引データを所望の会計装置103に対して転送した旨を表示した報知画面P3を表示器114に表示する。なお、この報知画面P3には、合計金額及び合計商品点数が表示される。また、小計割引や小計値引が実行された場合には、小計割引や小計値引の実行後の残額も表示される。
なお、データ登録装置102の制御部150は、報知画面P3をオペレータ側に設けられた表示器114に表示するようにしたが、これに限るものではなく、客側に設けられた客側表示器117にも表示するようにしても良い。このように客側に設けられた客側表示器117に報知画面P3を表示することで、買物客にも取引データを会計装置103に対して転送した旨を知らせることができる。
続いて、会計装置103の動作について説明する。図10は、会計装置103で行われる会計処理の流れを示すフローチャートである。
図10に示すように、会計装置103の制御部50(通信制御手段51)は、商品データ登録装置102から取引データを受信すると(ステップS11のYes)、受信した取引データをRAMのワークエリアに記憶する(ステップS12)。
次いで、会計装置103の制御部50(会計手段52)は、受信した取引データに含まれる一取引分の合計金額(又は、小計割引や小計値引の実行後の残額)を表示操作パネル6の表示器61に表示する(ステップS13)。
その後、会計装置103の制御部50(会計手段52)は、入出金部4の貨幣投入口41からの貨幣の投入を受け付ける(ステップS14)。
会計装置103の制御部50(会計手段52)は、入出金部4の貨幣投入口41から表示器61に表示された合計金額(又は、小計割引や小計値引の実行後の残額)以上の金額の貨幣投入がなされたら(ステップS14のYes)、投入金額から合計金額(又は、小計割引や小計値引の実行後の残額)を減算した差額を釣銭金額として、紙幣出金口42および硬貨出金部43から払出す(ステップS15)。
そして、会計装置103の制御部50(会計手段52)は、レシートプリンタ9を制御して、受信した取引データと投入金額(預り金額)と釣銭金額とを印刷したレシートをレシート発行口91から発行し(ステップS16)、会計処理を終了する。
このように、実施形態のチェックアウトシステム101によれば、店舗にレシート用紙の費用負担を掛けることや買物客の手を煩わせることを無くし、チェッカの業務から会計作業を省くことができる。
なお、本実施形態の商品データ登録装置102においては、従来のように、ストアサーバなどに取引データを一時的に保留し、一時的に保留した取引データを識別する識別データ等が印字されたレシートを発行することも可能である。この場合、タッチパネル113付き表示器114またはキーボード115に保留キーを設けておき、商品データ登録装置102の制御部150は、当該保留キーが操作された場合に、取引データの保留を実行する。買物客は、商品データ登録装置102において一時的に保留した取引データを識別する識別データ等が印字されたレシートを受け取る。そして、買物客は、レシートに印字された識別データを会計装置103において入力させることでストアサーバなどから保留されている取引データを呼び出し、会計処理を行う。
このようにすることで、商品データ登録装置102と会計装置103との間においてネットワークに異常が生じているような場合でも、会計業務をチェッカ(店員)が行う業務から省くことができる。
また、本実施形態においては、1台の商品データ登録装置102において取引データの転送先として選択できる会計装置103の台数を2台としたが、これに限るものではなく、転送先として選択できる会計装置103及び台数を任意に設定可能である。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。