JP6996931B2 - 溝付き金属管の製造装置及び方法 - Google Patents
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電縫管に凹部を形成する方法として特許文献1の「エンボス模様を有する角形金属素管の成形方法」がある。この特許文献1には、角形金属管の両側面に管長手方向に間隔をあけて矩形の凹部(エンボス)を形成することが示されている。
特許文献1の角形金属管の前記矩形の凹部は、梱包した鋼材を床面に直接でなく隙間をあけて置くためのスキッド(枕木)としの用途を想定していることから、図21に示すように角形金属管31の径方向(辺長方向)に細長い矩形の凹部30を間隔をあけて形成して、床に枕木として置いた角形金属管の径方向に加わる圧潰荷重に対する強度を高めている。
なお、従来、管長手方向に伸びる凹溝を有する鋼管等の金属管を電縫管製造装置により製造することは行われていない。
管外の球体と管内の中子とで金属管外周に凹溝を形成するこの溝付き金属管製造方法は、極めてコンパクトかつシンプルであり、溝付き金属管製造装置としてスペースが狭く済み、設備費も安く済むものであるが、さらなる改良が望まれる。
この溝付き金属管の製造方法及び装置では、金属管内に配置される中子を保持する手段として、電縫管製造装置にて溝付き金属管を製造する場合には、フィンパスロール領域におけるほぼ円形湾曲状態の金属板の内側に配置した固定部(例えば溶接装置の一部を構成するインピーダ(図2に符号13で示したもの))に棒状体の後端を連結し、その先端に中子を取り付ける中子保持手段を採用している。
しかし、この中子保持手段では管内に配置させる棒状体がかなり長いものとなり、その取付け作業、その他の取り扱いが煩雑になるので、極力省略できることが望まれる。
回転自在に保持された球体が管外面を押す態様で周方向に間隔をあけて設けられる複数の管外機構と、
管内面に沿う断面形状の短尺の棒状をなし、前記管外機構に対応する管長手方向位置で、かつ、管内面に接触する以外の拘束力を受けない態様で管内に配置される中子とを備え、
前記中子は、前記各管外機構の球体にそれぞれ対向する位置から金属管駆動方向前方側に位置して、前記各球体に対応する形状の複数の溝状凹部を有する溝付き断面部と、前記溝付き断面部より金属管駆動方向後方側に位置して、管内面の輪郭に合わせた断面形状をなす溝なし断面部とを有し、
前記各溝状凹部における溝の始まる溝端近傍は半球凹面状をなしており、この溝端半球凹面部と前記溝なし断面部との境界近傍に設けた凹所に、前記溝端半球凹面部の表面からその一部が突出する態様で回転自在なローラを備えたことを特徴とする。
製造開始時に、前記中子を金属管の先端内部に配置した状態で、前記各管外機構の球体を前記金属管の先端部に押し下げ圧下して短い凹溝を形成し、引き続き金属管を管長手方向に駆動することで、金属管の外面の周方向に間隔をあけた複数箇所に管長手方向に延びる凹溝を形成することを特徴とする。
請求項5の溝付き金属管の製造方法により溝付き金属管を製造することを特徴とする。
電縫管製造装置により製造された金属管に、オフラインで、管外面の周方向に間隔をあけた複数箇所に管長手方向に延びる凹溝を形成する溝付き金属管の製造方法であって、
搬送テーブルを備えて金属管を管長手方向に駆動する駆動装置における前記搬送テーブルの中間位置に請求項1~4に記載の溝付き金属管の製造装置を設置し、その球体と中子とにより、搬送テーブル上を管長手方向に駆動される金属管の外面の周方向に間隔をあけた複数箇所に管長手方向に延びる凹溝を形成するに際して、
請求項5の溝付き金属管の製造方法により溝付き金属管を製造することを特徴とする。
また、従来の片側からのみの成形方法と比較して、両側(管内外面の両側)から成形できるので、ロール設計者の立場では、求められる断面形状するロール設計の自由度が広がる。
前記隙間cを均等かつ一定に保つ手段として、請求項3のように、中子の前記溝端半球凹面より金属管駆動方向と反対側の溝なし断面部の外周面、及び、溝端半球凹面より金属管駆動方向前方側の溝有り部における溝のない外周面に、管内面を外側に膨らますように押し上げる管内面押し上げ手段を設けることは有効である。
さらに、前記管内面押し上げ手段として、請求項4のように、円筒状ケース内にスプリングで付勢されたボールを有するボールプランジャを中子外周面に埋め込むことで隙間cを均等かつ一定に保つことを効果的に実現できる。
しかし、必要に応じて、請求項7のようにしてオフラインでの溝付き金属管製造が可能である。
図示略のアンコイラーから繰り出される金属板1は、レベラー、ルーパー、ピンチロール等(いずれも図示を省略)を経て、複数段(図示例では4段)のブレークダウンロール(BDR)で円弧状に湾曲成形し、次いで複数段(図示例では3段(#1、#2、#3))のフィンパスロール(FPR)で両エッジが接近したほぼ円形状(開放円形)に成形し、続くスクイズロール(SQR)と高周波溶接機とによる溶接工程にて両エッジを突き合わせ溶接して円形管にし、次いで複数段のサイジングロール(SZR)による整形工程により角形金属管に整形される。なお、この実施例は四角形金属管に凹溝を形成する場合である。
次いで、本発明の実施例の中子溝付け装置10により溝付け加工されて図示例では溝付き四角形金属管が得られる。
この溝付け加工後、タークスヘッドロール(THR)で矯正される。なお、サイジングロール(SZR)による整形工程により角形金属管に整形し、タークスヘッドロール(THR)で矯正した後に、中子溝付け装置10により、溝付け加工を行ってもよい。
同図において、13はインピーダである。このインピーダ13は、高周波誘導加熱装置のコイルが発生する磁束を集めて金属板の両エッジの突合せ部を効率的に加熱するための磁性体のコアであり、その後端部がフィンパスロール(FPR)でほぼ円形湾曲状態となった金属板1の湾曲内側に配置された固定部15に連結されている。
この中子溝付け装置10は、本発明の溝付き金属管の製造装置において溝付け加工を直接行う部分であり、回転自在に保持された球体55を管外面を押す態様で周方向に間隔をあけて設けた4つの管外機構19と、管内面に沿う断面形状の短尺の棒状をなし、前記管外機構19に対応する管長手方向位置で、かつ、管内面に接触する以外の拘束力を受けない態様で管内に配置される中子20とを、ハウジング16内に備える。ハウジング16の金属管駆動方向と反対側に、溝加工される前の金属管8”を案内する金属管ガイド17を備える。
この実施例は四角形金属管8”の4つの各面に凹溝8aを形成するものなので、前記中子20の断面形状は四角形断面であり、この中子20の外周面には、前記4つの管外機構19の各球体55にそれぞれ対向する位置から金属管駆動方向前方側にのみ、各球体55に対応する形状の4つの溝状凹部20aを有している。この溝状凹部20aにおける溝の始まる端部近傍は半球凹面状をなしており、この半球凹面状の部分を溝端半球凹面部20a’と呼ぶ。
中子20における溝状凹部20aのない角形断面部(溝なし断面部と呼ぶ)を20bで示し、溝状凹部20aのある断面部(溝付き断面部と呼ぶ)を20cで示す。
前記管外機構19の球体55は、ハウジング16内に後述するように圧下調整可能に設けられている。2点鎖線で示した球体55は圧下される前の状態を示す。
前記ローラ80はその両側に一体の軸部81を有し、中子の前記凹所20eは、図6(イ)のように平面図でローラ80の本体部が収容される凹所20e1と軸部81が収容される凹所20e2とを有する輪郭形状の凹所であり、ローラ80は、前記軸部用の凹所20e2に収容された前記軸部81にて回転自在に支持されている。
なお、図示例の軸部用の凹所20e2の深さは、前記溝端半球凹面部20a’の表面(半球凹表面)からローラ80の一部が突出するように軸部81を受ける深さである。なお、ローラ80は溝なし断面部20bの表面からは突出しない。中子20を金属管内から取り出した状態ではローラ80をフリーに取り出すことができる。中子20を金属管内から取り出した状態ではローラ80をフリーに取り出すことができる。
本発明の中子溝付け装置10における中子20は、管内面に接触する以外の拘束力を受けない態様で管内に配置されるので、金属管先端部の凹溝加工開始時には、例えば図7(イ)、(ハ)に示すような対応が必要である。
図示例では、送られてくる溝加工前の金属管8”の先端部を同図(イ)のように球体55の直下位置に停止させる。
次いで、中子20を金属管の先端部に挿入するが、図示の通り溝状凹部20aの溝端半球凹面20a’が球体55に対向する位置になるように挿入する。
次いで、球体55を圧下して、図7(ハ)、(ニ)のように金属管の先端部に短い凹溝8aを形成する。凹溝8aが形成された部分(溝付き金属管)を符号8で示す。
その後は、金属管を送り駆動(管長手方向に駆動)すると、管壁が球体55と中子20の溝状凹部20aを含む外面との間を通過することで、金属管の4つの面に凹溝8aが連続的に形成される。すなわち、図19(イ)の溝付き四角形金属管のような断面形状で、図18(イ)のような連続する凹溝8aが形成される。
なお、管内で浮かんだ状態でいわばフローティング中子とも称せられる中子20は、送り駆動される金属管の内面との間の摩擦力による金属管送り方向の力を受けるが、溝状凹部の溝端半球凹面20a’が球体55を通り抜けることはないので、どこかに固定されていなくても(例えば先の出願の発明のようにインピーダに棒状体で連結される等していなくても)、依然として図7(ハ)の状態に留まって、金属管に凹溝を形成する作用をする。
ローラ80を設けていない場合、凹溝加工の連続運転時に何らかの事情で停止すると、運転停止した時の中子20における溝端半球凹面部20a’と溝なし断面部20bとの境界近傍の金属管8に突起が生じる場合がある。そして、停止後に再起動(運転再開)した場合に、その突起の影響が残る。
そのような現象として以下のような原因が考えられる。
図8を参照して説明すると、図8(イ)は連続運転時の状態であり、通常通りで凹溝8aが形成されていく。
ここで運転停止して金属管8が停止すると、それまでに金属管8により金属管送り方向(矢印方向)に力を加えられていた中子20は、その力で送り方向に前進しようとして材料(金属管の板材)に力を作用させる。このため、中子20と材料との間の面圧(接触面圧)が高くなる。
一般にロール成形において連続運転時に停止した場合、材料が一瞬後退する現象が生じる。したがって、運転停止時(停止の瞬間)には、前述のように中子20が材料に対して金属管送り方向に力を作用させる一方で、材料は一瞬後退しようとするので、中子20と材料との間の面圧(中子20における溝端半球凹面部20a’と溝なし断面部20bとの境界近傍部分の面圧)が顕著に高くなり、両者間の摩擦抵抗が顕著に大となる。このため、材料が中子20の表面をスムーズに滑らず、図8(ロ)に示すように、材料の前記境界近傍部分位置より送り方向上流側(矢印方向と反対側)の部分(球体55位置より上流側部分)に突起8hが発生すると思われる。
また、前記のような突起8hが発生した後、そのまま金属管8を送り駆動する運転を続行すると、その突起8hの金属管幅方向中央部分は一応は凹溝となるが、図9に模式的に示すように、その両側部分に隆起が生じる等してその近傍が整然とした凹溝でない不規則変形凹溝8h’の外観となる。また、突起の変形がさらに大きい場合は、その突起で送り駆動自体ができなくなりライン停止となってしまう場合もある。
図10(イ)、(ロ)は、いずれも金属管に凹溝加工をする際の連続運転の途中で運転停止した時に金属管に形成された凹溝の端部の写真であり、(イ)はローラを用いて凹溝加工した本発明の場合、(ロ)はローラを用いないで凹溝加工した場合である。それぞれの写真の下の図は両者の凹溝加工方法を示したものである。ローラを用いないで凹溝加工した場合は、図10(ロ)の写真の通り、溝端半球凹面部20a’と溝なし断面部20bとの境界近傍(球体55位置より上流側部分)に明らかな突起が見られる。これに対してローラを用いて凹溝加工した場合は、図10(イ)の写真の通りであり、球体55位置より上流側部分に突起は発生していない。
このように、ローラ80を設けることで突起8hの発生が防止される理由としては、ローラ80が存在することで、中子20の溝端半球凹面部20a’と溝なし断面部20bとの境界近傍部分と材料との間の摩擦抵抗が顕著に小さくなるので、上述のような突起8hが発生しないと考えられる。
同図(イ)は溝加工前の金属管8”の先端部が中子に届く直前の状態を示す。中子20はストッパ14により前進できない状態で保持されている。球体55は中子20の溝状凹部20aに金属管の板厚tより若干広い隙間にて、金属管に凹溝を形成可能な状態で配置されている。
同図(ロ)は金属管先端部に球体55による凹溝形成が開始した時点の状態を示す。金属管の先端部は、球体55と移動を拘束された中子20との隙間に入り込み短い凹溝8aが形成される。金属管の先端が一旦、球体55と中子20との隙間に入り込み短い凹溝8aが形成されると、その後は、金属管を送り駆動すれば図4(ロ)で説明したように、球体55と中子20の溝状凹部20aとで金属管の4つの面に凹溝8aが連続的に形成されるので、ストッパ14を図5(ロ)の状態から図5(ハ)に示すように退避させる。ストッパ14は、実線矢印のように前方に移動させた後に下降させることで退避させることができる。なお、保持部14bの構造によっては、2点鎖線で示したように回転させて退避させることも可能である。
この中子挿入退避装置60の場合、金属管先端部の凹溝加工開始時には、図6(イ)に示すように、予め旋回アーム62を水平にして受け部ホルダ64を垂直な状態にし、中子受け部63の中子支持部63aを中子20の中心孔20dに挿入して中子20を支持しておく。なお、この中子20には中子受け部63が挿入される中心孔20dが設けられている。
そして、図12(イ)のように金属管をその先端が中子溝付け装置の球体55に達する手前で一旦止め、図示略の前記前進後退駆動装置により受け部ホルダ64を旋回アーム62に沿って前進させて、中子20を金属管の先端部に図12(ロ)のように挿入する。
この状態で球体55を所定位置まで圧下した後、金属管を若干前進させると、金属管の先端近傍に凹溝が形成される。この場合、中子受け部63の中子ストッパ部63bが中子20を受け止めるので、中子20は安定した金属管に凹溝を形成する作用をする。
次いで、受け部ホルダ64を図12(イ)の位置まで後退させた後旋回アーム62を2点鎖線で示す垂直な退避位置まで旋回させて退避させるとともに金属管を送り駆動すると、その後は金属管に凹溝8aが連続的に形成される。
前記隙間gは例えば、□2.3×80×80mm、あるいは□3.2×80×80mmの角形鋼管に直径40mmφの球体55を用いて深さ6mmの凹溝8aを形成する場合であれば、球体55と中子20の溝端半球凹面20a’との間の隙間gは、例えば、板厚t+1.3±0.2mm程度が好ましい。
前記隙間cを各面について均等かつ一定にするための対策として、図13に示した実施例では、中子20の前記溝端半球凹面20a’より金属管駆動方向と反対側の溝なし断面部(角形断面部)20bの外周面、及び、溝端半球凹面20a’より金属管駆動方向前方側の溝付き断面部20cにおける溝のない外周面に、管内面を外側に付勢する管内面付勢手段としてのボールプランジャ31を中子外周に埋め込んでいる。
図示例では中子20の角形断面部20bの四つの面においてそれぞれ両側の角部近傍と中央部との3カ所、合計12カ所にボールプランジャ31設けている。このボールプランジャ31は、円筒状ケース内にスプリングで付勢されたボールを有する構造である。
これらのボールプランジャ31によって、4つの管内面をバネ力で外側に付勢することで、中子20の外面と金属管内面との間の隙間cを各面について均等にすることができるとともに、その隙間cの大きさが変動しないように安定させることができる。
なお、中子20の外面と金属管内面との間の隙間cは、□2.3×80×80mm、あるいは□3.2×80×80mmの場合、0.5mm程度が適切である。
図14は主として傾きをなくすために中子の長さを長くしたもので、図示例の長い中子20’の長さL2は、図3で示した中子20の長さ(図14中のL1)と比較して、約2倍としている。
なお、中子を長くすることで、長くした中子と金属管内面との接触面積が大となり、中子がみだりに前後動せずに安定する効果も得られる。
図示のように、この中子溝付け装置10は、ハウジング16の中に管外の4つの管外機構19と管内の1つの中子20とを備えている。この中子20は、図3~図6について説明した通であり、前記溝端半球凹面部の表面からその一部が突出する態様で回転自在なローラ80を備えている。
前記管外機構19は、図15(ハ)にも示すように凹球面座54aを有する受座部54の前記凹球面座54aに球体55を任意方向に回転可能に面接触させて収容支持してなる球体保持部56を備え、かつ圧下調整機構57を備えている。受座部54は前記凹球面座54aを有する受座部本体54bと球体20の上部を押さえる蓋体54cとからなる。
各球体保持部56は、ハウジング16内で中子20の中心に向かう方向に摺動可能である。
前記圧下調整機構57は、前記球体保持部56の上面に回転可能に連結された圧下ネジ57a、この圧下ネジ57aに螺合する調整ナット57b、この調整ナット57bを回転のみ可能にハウジング本体16aに固定するナット保持部57cとからなる。前記調整ナット57bを回して球体保持部56の位置(球体55の位置)を調整して圧下を調整することができる。
ハウジング16の前記ハウジング本体16aは、内側のベース部16a’と一体であり、前記の通り4つの球体保持部56を摺動可能に収容している。このハウジング本体16aに外側の蓋体16cがボルトで固定されている。
前記ハウジング本体16aの前記ベース部16a’には、溝加工される前の金属管”を案内する図3では2点鎖線で示した金属管ガイド17が固定されている。また、詳細は省略するが図2で2点鎖線で示した溝付けスタンド11に取り付けられる枠板26と前記ベース部16a’との間が4本のロッド25で連結されている。
なお、中子溝付け装置10を回転させる必要がある場合には、前記枠板26を円板状にし溝付けスタンド11に回転調整可能に取付けるとよい。
金属管8”がこの中子溝付け装置10を通過する際に、管外の球体55と管内の中子20とで凹溝8aが形成されて溝付き金属管8が得られることは、図3で説明した通りである。
これにより、図18(ロ)のような管長手方向に間隔をあけた凹溝8bを持つ溝付き金属管8’が得られる。
なお、中子溝付け装置10における球体保持部56の位置(球体55の位置)を中子20から引き離す(圧下を逃がす)ことにより、凹溝のない四角形金属管を製造することができる。
この場合、中子溝付け装置10を搬送ローラ74の中間位置に設置する。凹溝のない四角形金属管8”の管内に通した例えばワイヤ71の端部にストッパ72を取り付け、ウインチ73でワイヤ71を牽引して、搬送ローラー74上の四角形金属管8”を中子溝付き装置10を通過させる。中子溝付き装置10の前後には四角形金属管を上から押さえてガイドするローラ74aを設けている。なお、この場合の中子20にはワイヤ71を通す穴をあける。
前述と同様に、凹溝のない四角形金属管8”が中子溝付け装置10を通過する際、 管外の球体55と管内の中子20とで凹溝8aが形成されて溝付き金属管8が得られることは、図3で説明した通りである。
図12で説明した中子挿入退避装置60は、詳細説明は省略するが、図17と同様に中子溝付け装置10をオフラインで設置した場合にも用いることができる。この場合は、図17のような、端部にストッパ72を取り付けたワイヤ71をウインチ73で牽引して金属管を管長手方向に駆動する代わりに、金属管の後端部に例えば油圧シリンダを設けて、この油圧シリンダで金属管を押し出すようにすることができる。
なお、図示例では金属管を押し出す方式による凹溝加工であるが、引抜き方式で凹溝加工を行うことも考えられる。
また、図19(ヘ)に示すように、コーナー部に溝を持つコーナー部溝付きの四角形金属管(多角形金属管)を製造することができ、また、例えば図19(ト)のように1つの辺に例えば2つなど、複数の溝を持つ四角形金属管(多角形金属管)を製造することもできる。
8、8’ 溝付き金属管
8” 溝付け前の角形金属管
8a 凹溝
8b (管長手方向に間隔をあけて形成された)凹溝
10 中子溝付け装置
14 ストッパ
14a ストッパ本体部
14b 保持部
16 ハウジング
16a ハウジング本体
16a’(ハウジング本体の)ベース部
16c 蓋体
17 金属管ガイド
19 管外機構
20 中子
20a 溝状凹部
20a’ 溝端半球凹面
20b 角形断面部(溝なし断面部)
20c 溝付き断面部
20e (ローラが収容される)凹所
20e1 (ローラの本体部が収容される)凹所
20e2 (ローラの軸部が収容される)凹所
25 ロッド
26 枠板
31 ボールプランジャ(管内面押し上げ手段)
54 受座部
54a 凹球面座
54b 受座部本体
54c 蓋体
55 球体
56 球体保持部
57 圧下調整機構
57a 圧下ネジ
57b 調整ナット
57c ナット保持部
60 中子挿入退避装置
61 本体機枠
62 旋回アーム
63 中子受け部
63a 中子支持部
63b 中子ストッパ部
64 受け部ホルダ
80 ローラ
81 軸部
Claims (7)
- 管長手方向に駆動される金属管の外面の周方向に間隔をあけた複数箇所に管長手方向に延びる凹溝を有する溝付き金属管の製造装置であって、
回転自在に保持された球体が管外面を押す態様で周方向に間隔をあけて設けられる複数の管外機構と、
管内面に沿う断面形状の短尺の棒状をなし、前記管外機構に対応する管長手方向位置で、かつ、管内面に接触する以外の拘束力を受けない態様で管内に配置される中子とを備え、
前記中子は、前記各管外機構の球体にそれぞれ対向する位置から金属管駆動方向前方側に位置して、前記各球体に対応する形状の複数の溝状凹部を有する溝付き断面部と、前記溝付き断面部より金属管駆動方向後方側に位置して、管内面の輪郭に合わせた断面形状をなす溝なし断面部とを有し、
前記各溝状凹部における溝の始まる溝端近傍は半球凹面状をなしており、この溝端半球凹面部と前記溝なし断面部との境界近傍に設けた凹所に、前記溝端半球凹面部の表面からその一部が突出する態様で回転自在なローラを備えたことを特徴とする溝付き金属管の製造装置。 - 前記ローラはその両側に一体の軸部を有し、前記中子の前記凹所は、平面視でローラの本体部と軸部とが収容される輪郭形状の凹所であり、前記ローラは、前記凹所に収容された前記軸部にて回転自在に支持されていることを特徴とする請求項1記載の溝付き金属管の製造装置。
- 前記中子の前記溝なし断面部における前記溝端近傍に近い外周面、及び、前記溝付き断面部における溝のない外周面に、管内面を外側に膨らますように押し上げる管内面押し上げ手段を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の溝付き金属管の製造装置。
- 前記管内面押し上げ手段として、円筒状ケース内にスプリングで付勢されたボールを有するボールプランジャを中子外周面に埋め込んだことを特徴とする請求項3記載の溝付き金属管の製造装置。
- 請求項1~4のいずれか1項の溝付き金属管の製造装置により金属管の外面の周方向に間隔をあけた複数箇所に管長手方向に延びる凹溝を有する溝付き金属管の製造方法であって、
製造開始時に、前記中子を金属管の先端内部に配置した状態で、前記各管外機構の球体を前記金属管の先端部に押し下げ圧下して短い凹溝を形成し、引き続き金属管を管長手方向に駆動することで、金属管の外面の周方向に間隔をあけた複数箇所に管長手方向に延びる凹溝を形成することを特徴とする溝付き金属管の製造方法。 - 金属板をブレークダウンロール及びフィンパスロールでほぼ円形に湾曲成形し、続くスクイズロール及び溶接装置で、前記ほぼ円形湾曲状態の金属板の両エッジを突き合せ溶接して円管にし、次いでサイジングロールにより整形する電縫管製造装置における前記サイジングロールの下流側に、請求項1~4のいずれか1項の溝付き金属管の製造装置を設置し、その球体と中子とにより、管長手方向に駆動される金属管の外面の周方向に間隔をあけた複数箇所に管長手方向に延びる凹溝を形成する溝付き金属管の製造方法であって、
請求項5の溝付き金属管の製造方法により溝付き金属管を製造することを特徴とする溝付き金属管の製造方法。 - 電縫管製造装置により製造された金属管に、オフラインで、管外面の周方向に間隔をあけた複数箇所に管長手方向に延びる凹溝を形成する溝付き金属管の製造方法であって、
搬送テーブルを備えて金属管を管長手方向に駆動する駆動装置における前記搬送テーブルの中間位置に請求項1~4のいずれか1項の溝付き金属管の製造装置を設置し、その球体と中子とにより、搬送テーブル上を管長手方向に駆動される金属管の外面の周方向に間隔をあけた複数箇所に管長手方向に延びる凹溝を形成するに際して、
請求項5の溝付き金属管の製造方法により溝付き金属管を製造することを特徴とする溝付き金属管の製造方法。
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