JP6996426B2 - 異常検出システム - Google Patents
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Description
本開示は、二次電池の異常を検出する異常検出システムに関する。
特開2002-8631号公報(特許文献1)には、二次電池の内部短絡を検出する短絡検出装置が開示されている。この短絡検出装置は、温度センサによって二次電池の内部温度を検出し、検出した当該内部温度と予め定められた基準値とを比較する。そして、短絡検出装置は、検出した内部温度が基準値よりも大きい場合には、二次電池に内部短絡が発生していることを検出する。
特許文献1に開示された短絡検出装置を用いれば、二次電池に内部短絡が発生していることを検出することができる。しかしながら、二次電池には、その製造過程において微小な異物が混入することに起因して、将来的に内部短絡が継続される状態に至る可能性のある小規模な短絡(微短絡)が発生する場合がある。
微短絡は、二次電池が内部短絡に至った後に、短絡状態が解消されることをいう。たとえば、負極に析出した異物が正極と接触して内部短絡に至るが、当該異物に短絡電流が集中して流れることで当該異物が焼き切れて短絡状態が解消する。微短絡が発生したときの二次電池の内部温度の変化量は、内部短絡が継続して発生しているときの内部温度の変化量よりも小さい。そのため、温度センサにより取得した二次電池の内部温度を、内部短絡の発生を検出するための基準値と比較しても、微短絡を検出することができない可能性がある。また、温度センサでは、外部環境(外部温度など)の影響を受けやすく、微短絡が発生したときの比較的小さい内部温度の変化を検出できない可能性がある。
本開示は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、二次電池に発生した異常を精度よく検出することである。
この開示に係る異常検出システムは、二次電池の熱流束を取得する熱流センサと、二次電池を定電流充電または定電流放電させる充放電装置と、二次電池の異常を検出する検査装置とを備える。検査装置は、所定期間において、二次電池を定電流充電または定電流放電させた状態で、熱流センサから二次電池の熱流束を複数回取得する。検査装置は、所定期間において、所定期間における開始時刻に取得された初期熱流束から第1所定量以上増加し、かつ、初期熱流束と所定期間における終了時刻に取得された熱流束との差分の大きさが第1所定量より小さい第2所定量以下である場合に異常と判定する。
熱流センサは、温度センサよりも外部環境の影響を受けにくく、二次電池の熱流束の変化を感度よく計測することができる。熱流センサを用いて二次電池の熱流束の変化を計測することによって、微短絡が発生したときの熱流束の変化を精度よく計測することができる。微短絡が発生したときの熱流束は、短絡状態において増加し、その後に短絡状態が解消されると減少する。つまり、熱流束のプロファイルは、略山形の形状になり得る。
上記構成によれば、二次電池が定電流放電または定電流充電されている状態において、熱流センサを用いて、所定期間における二次電池の熱流束の変化が観測される。所定期間において、熱流束が、初期熱流束から第1所定量以上増加しており、初期熱流束と終了時刻に取得された熱流束との差分の大きさが第2所定量(<第1所定量)以下である場合、すなわち、熱流センサにより検出された熱流束のプロファイルが略山形の形状に変化した場合に異常と判定される。これによって、二次電池に微短絡が発生した場合には、微短絡を異常として検出することができる。
本開示によれば、二次電池に発生した異常を精度よく検出することができる。
以下、本実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
本実施の形態に係る異常検出システムは、二次電池が製造された後の検査工程における二次電池の異常判定などに用いられるものである。図1は、本実施の形態に係る二次電池の測定システム9の全体構成を示す図である。測定システム9は、電池2と、電圧センサ3と、電流センサ4と、熱流センサ5と、検査装置7と、充放電装置8とを備える。異常検出システム10は、熱流センサ5と、検査装置7と、充放電装置8とを含んで構成される。
電池2は、充放電可能な二次電池である。電池2は、たとえば、ニッケル水素二次電池、リチウムイオン二次電池などである。また、電池2は、正極と負極との間に液体電解質を有する電池であってもよいし、固体電解質を有する電池(全固体電池)であってもよい。本実施の形態においては、電池2は、リチウムイオン二次電池である例について説明する。
電圧センサ3は、電池2の電圧VBを検出し、その検出結果を示す信号を検査装置7に出力する。電流センサ4は、電池2に入出力される電流IBを検出し、その検出結果を示す信号を検査装置7に出力する。なお、電流IBが正の値である場合は電池2の放電を示し、負の値である場合は電池2の充電を示す。熱流センサ5は、設置箇所における熱流束QBを検出し、その検出結果を示す信号を検査装置7に出力する。
図2は、電池2の構成および熱流センサ5をより詳細に説明するための図である。図2において、電池2は、その内部を透視して示されている。電池2は、筐体21と、蓋体22と、正極端子23と、負極端子24と、電極体25(破線で示す)とを含む。
筐体21は、角型形状(略直方体形状)を有する。以下では、筐体21の長辺方向(長さ方向)をx軸方向とし、短辺方向(厚み方向)をy軸方向とし、高さ方向をz軸方向とする。図2において、鉛直方向は負のz軸方向であり、水平方向はxy平面方向である。
蓋体22は、筐体21の上面(鉛直方向上面)を封止する。正極端子23および負極端子24の各々の一方端は、蓋体22から外部に突出している。正極端子23および負極端子24の各々の他方端は、筐体21の内部において、内部正極端子および内部負極端子(いずれも図示せず)にそれぞれ電気的に接続されている。
電極体25は、正極26と負極27とがセパレータ28を介して積層され、その積層体が捲回されることにより形成されている。電極体25は、その捲回軸が筐体21の長辺方向(x軸方向)に延在するように筐体21に収容されている。電解液は、主に電極体25の内部に保持されている。なお、図2では電極体25が捲回型である例を示すが、電極体25は積層型であってもよい。
正極26、負極27、セパレータ28および電解液には、リチウムイオン二次電池の正極、負極、セパレータおよび電解液として従来公知の構成および材料をそれぞれ用いることができる。
熱流センサ5は、筐体21の長辺方向に延在する側面の中央領域に設けられている。熱流センサ5は、設置箇所における熱流束QBを検出する。熱流センサ5は、図示しないが、2つの感熱素子(薄膜サーミスタ)を含んで構成される。熱流センサ5の熱伝導率をCと表し、熱流センサ5の厚み(y軸方向)をdと表し、2つの感熱素子間の温度差をΔT0と表す場合、これらのパラメータと熱流束QBとの間には、QB=C/d×ΔT0との関係が成立する。熱伝導率Cおよび厚みdは熱流センサ5の仕様値から既知であるため、温度差ΔT0の検出値から熱流束QBを算出することができる。
図1に戻り、検査装置7は、CPU(Central Processing Unit)7aと、メモリ(より具体的にはROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory))7bと、各種信号を入出力するための入出力ポート(図示せず)とを含んで構成される。検査装置7は、各センサおよび機器からの信号、並びにメモリ7bに格納されたプログラムなどに基づいて、各機器の制御を行なう。なお、各種制御については、ソフトウェアによる処理に限られず、専用のハードウェア(電子回路)により処理することも可能である。
検査装置7は、電池2の検査工程における各種の検査を行なう。検査装置7は、電圧センサ3、電流センサ4および熱流センサ5から出力された検出値を受けて、充放電装置8を制御することによって電池2の充放電を制御する。
充放電装置8は、電池2の充放電を行なうための装置であり、検査装置7によって制御される。充放電装置8は、検査装置7からの制御信号に従って、電池2から電流を出力させて放電したり、電池2に電流を入力して充電したりする。
検査工程の1つに、短絡検査工程がある。短絡検査工程では、電池2をある一定のSOC(State Of Charge)まで充電した後に、電池2の自己放電量が測定される。そして、測定された自己放電量が基準値を超える場合には、電池2に内部短絡が発生していると判定される。
ここで、電池2には、内部短絡が継続される状態には至っていないが、将来的に内部短絡が継続される状態に至る可能性のある小規模な短絡(微短絡)が発生する場合がある。微短絡が発生する要因の一例としては、たとえば、製造過程で混入した微小な異物が、負極の表面に析出することがあげられる。詳細には、たとえば、正極とセパレータとの間に異物が混入した例について説明する。正極とセパレータとの間に混入した異物は、正極と接することになる。正極の電位は、異物を電解液に電気化学的に溶解させる駆動力となる。これによって、電解液に溶解した異物は、電気泳動により負極へ移動し、負極に到達した異物が負極の表面に析出する。この析出した異物が微短絡の原因となり得る。
図3は、微短絡を説明するための概略図である。図3には、微短絡のメカニズムが概略的に示されている。図3(a)には、負極の表面に異物が析出している状態が概略的に示されている。時間経過とともに負極の表面に析出した異物が肥大し、セパレータ(図3においては図示せず)を貫通して正極に達すると、異物に短絡電流が流れる(図3(b))。異物が小さい場合には、短絡電流によって当該異物が焼き切れて短絡状態が解消する(図3(c))。このように、微短絡が発生した場合には、内部短絡が生じた後短絡状態が解消するので、自己放電量を判定する方法では精度よく微短絡を検出することができない可能性がある。
また、温度センサを用いて電池2の温度を計測して、電池2の異常発熱を検出することにより内部短絡を検出する方法も考えられる。しかしながら、微短絡が発生したときの電池2の内部温度の変化量は、内部短絡が継続して発生しているときの内部温度の変化量よりも小さい。温度センサは、外部環境(外部温度など)の影響を受けやすいため、微短絡の発生による電池2の微小な温度変化を精度よく計測できない可能性がある。
そこで、本実施の形態においては、熱流センサ5が用いられる。熱流センサ5は、温度センサよりも外部環境の影響を受けにくいため、電池2の熱流束の変化を感度よく計測することができる。温度センサを用いた電池2の温度の検出に代えて、熱流束を検出することによって、微短絡の発生による熱流束の変化を計測することができる。本実施の形態に係る検査装置7は、電池2を定電流充電または定電流放電した状態において、電池2の熱流束を検出して、所定期間における熱流束の変化状態から微短絡を検出する。具体的には、検査装置7は、所定期間において、電池2の筐体21に設けられた熱流センサ5から熱流束QBを取得して、熱流束の変化を計測する。そして、検査装置7は、所定期間において計測した熱流束の変化が、開始時刻に取得した熱流束から増加した後に減少に転じる変化であった場合、すなわち、略山形の形状を描くように変化した場合には微短絡が発生したことを検出する。
図4は、電池2の定電流充電が行なわれた場合における熱流束のプロファイルの一例を示した図である。図4においては、短絡が発生していない(正常)場合(実線L1)、短絡が継続して発生している場合(実線L2)、および、微短絡が発生している場合(実線L3)の3つの例が示されている。なお、電池2の定電流放電が行なわれた場合における熱流束のプロファイルも、図4と略同様のプロファイルを描く。
短絡が発生していない(正常)場合は、定電流充電の開始時刻tfから熱流束が増加するが、その後は、定電流充電のため、熱流束q1で一定となっている。
短絡が発生している場合は、定電流充電の開始とともに短絡電流が流れるため、熱流束が増加し続けている。
微短絡が発生している場合は、定電流充電の開始とともに短絡電流が流れるため、一旦熱流束が増加するが、時刻t1において減少に転じている。これは、時刻t1において、異物が短絡電流によって焼き切れて短絡状態が解消したことを示している。そして、熱流束は、時刻t1における熱流束q2から減少し、短絡が発生していない場合と同様の熱流束q1に落ち着く。つまり、図4に示されるように、微短絡が発生すると、所定期間の熱流束を計測したプロファイルは略山形を描くことになる。
本実施の形態に係る検査装置7は、2つの条件(第1条件および第2条件)を満たすか否かを判定することによって、微短絡の発生の有無(所定期間におけるプロファイルが略山形を描くか否か)を判定する。検査装置7は、2つの条件が共に満たされた場合には、微短絡の発生があったと判定する。
第1条件は、所定期間において、開始時刻tfからの熱流束の最大増加量が第1所定量TH1以上であることである。第1所定量TH1は、電池2に一定以上の電流、つまり短絡電流が流れたか否かを判定するための値である。第1所定量TH1は、電池2の特性および仕様などによって適切に設定され、定電流放電または定電流充電に起因する熱流束(たとえば、熱流束q1)より大きい値に設定される。
第2条件は、開始時刻tfにおける熱流束(以下「初期熱流束」ともいう)と終了時刻teにおける熱流束(以下「終了熱流束」ともいう)との差分の大きさが第2所定量TH2以下であることである。第2所定量は、終了時刻teにおいて、短絡状態が解消している、あるいは、内部短絡が発生していないことを判定するための値である。第2所定量TH2は、第1所定量よりも小さい値に設定され、たとえば、定電流放電または定電流充電に起因する熱流束(たとえば、熱流束q1)程度に設定される。
第1条件および第2条件が共に満たされた場合には、所定期間において、熱流束が、一定以上増加した後に、内部短絡が発生していない場合と同程度まで減少したと判定することができる。つまり、微短絡が発生したことを示すプロファイルと略同様のプロファイル(略山形)を描いたと想定することができる。
以上のように、本実施の形態に係る異常検出システム10は、電池2を定電流放電または定電流充電した状態において、熱流センサ5を用いて、所定期間における電池2の熱流束の変化を観測する。そして、所定期間において、熱流束が、初期熱流束から第1所定量以上増加しており、初期熱流束と終了熱流束との差分の大きさが第2所定量(<第1所定量)以下である場合、すなわち、所定期間における熱流束が略山形の形状に変化した場合に異常と判定する。これによって、電池2に微短絡が発生した場合には、電池2の異常として微短絡を検出することができる。
たとえば、上述した短絡検査工程に加えて、本実施の形態に係る異常検出システム10を用いた微短絡検査工程を行なう。これによって、微短絡が発生し得る電池2を検査工程において検出することが可能となる。
(微短絡の検出処理の手順)
図5は、異常検出システム10における電池2の微短絡の検出処理の手順を示すフローチャートである。このフローチャートに示される各ステップは、微短絡検査工程が行われる毎に異常検出システム10の検査装置7により繰り返し実行される。図5に示すフローチャートの各ステップは、検査装置7によるソフトウェア処理によって実現される場合について説明するが、その一部あるいは全部が検査装置7内に作製されたハードウェア(電気回路)によって実現されてもよい。なお、このフローチャートは、電池2が定電流充電または定電流放電された状態において実行される。
図5は、異常検出システム10における電池2の微短絡の検出処理の手順を示すフローチャートである。このフローチャートに示される各ステップは、微短絡検査工程が行われる毎に異常検出システム10の検査装置7により繰り返し実行される。図5に示すフローチャートの各ステップは、検査装置7によるソフトウェア処理によって実現される場合について説明するが、その一部あるいは全部が検査装置7内に作製されたハードウェア(電気回路)によって実現されてもよい。なお、このフローチャートは、電池2が定電流充電または定電流放電された状態において実行される。
検査装置7は、インデックスである変数nに1を代入して初期化する(ステップ10、以下ステップを「S」と略す)。nは自然数であり、たとえば、所定期間(時刻tfから時刻te)において、10回の電池2の熱流束QBnの取得が行なわれる場合には、1~10の値をとる。
検査装置7は、変数nが1である場合(S20においてn=1)、開始時刻tfにおける熱流束を熱流センサ5から熱流束QB1(初期熱流束)として取得し、メモリ7bに記憶する(S20)。
検査装置7は、変数nがNであるか否かを判定する(S30)。なお、上述した所定期間において、10回の電池2の熱流束QBnの取得が行なわれる場合には、Nの値は10である。検査装置7は、変数nの値が1であるため(n≠N)、S30においてNOを選択し、処理をS35に進める。S35において、検査装置7は、変数nを2として、処理をS20に戻す。
検査装置7は、nが2である場合(S20においてn=2)、時刻t2における熱流束を熱流センサ5から熱流束QB2として取得し、メモリ7bに記憶する(S20)。検査装置7は、この処理を変数nがNとなるまで繰り返し実行する。なお、nがNである場合に取得されたQBNが、終了時刻teに取得された熱流束(終了熱流束)である。
検査装置7は、S30において変数nがNに達すると(S30においてYES)、熱流束QB2~QBN-1の中の最大値を最大熱流束QBmaxとしてメモリ7bに記憶する(S40)。
検査装置7は、第1条件を満たすか否かを判定する(S50)。具体的には、検査装置7は、最大熱流束QBmaxと初期熱流束QB1との差分が第1所定量TH1以上であるか否かを判定する。検査装置7は、最大熱流束QBmaxと初期熱流束QB1との差分が第1所定量TH1未満(QBmax-QB1<TH1)である場合(S50においてNO)、所定期間において短絡電流が流れていない、つまり、内部短絡および微短絡が発生していない正常状態であると想定できる。そのため、検査装置7は、電池2に異常が発生していない(正常)と判定する(S70)。
検査装置7は、最大熱流束QBmaxと初期熱流束QB1との差分が第1所定量TH1以上(QBmax-QB1≧TH1)である場合(S50においてYES)、第2条件を満たすか否かを判定する(S55)。具体的には、検査装置7は、初期熱流束QB1と終了熱流束QBNとの差分の大きさが第2所定量TH2以下であるか否かを判定する。
検査装置7は、初期熱流束QB1と終了熱流束QBNとの差分の大きさが第2所定量TH2より大きい(|QB1-QBN|>TH2)場合(S55においてNO)、内部短絡が発生していると判定し、内部短絡の発生を示す異常フラグを設定する(S65)。
検査装置7は、初期熱流束QB1と終了熱流束QBNとの差分の大きさが第2所定量TH2以下(|QB1-QBN|≦TH2)である場合(S55においてYES)、微短絡が発生していると判定し、微短絡の発生を示す異常フラグを設定する(S65)。
以上のように、本実施の形態に係る異常検出システム10は、電池2を定電流放電または定電流充電した状態において、熱流センサ5を用いて、所定期間における電池2の熱流束の変化を観測する。そして、所定期間において、熱流束が、初期熱流束から第1所定量以上増加しており、初期熱流束と終了時刻に取得された熱流束との差分の大きさが第2所定量(<第1所定量)以下である場合、すなわち、略山形の形状に変化した場合に異常と判定する。これによって、電池2に微短絡が発生した場合には、微短絡を異常として検出することができる。
<変形例>
実施の形態においては、異常検出システム10が電池2の検査工程に適用される例について説明した。しかしながら、異常検出システム10が適用されるのは、電池2の検査工程に限られるものではない。たとえば、電池2が搭載される電動車両に異常検出システム10を適用してもよい。変形例においては、異常検出システム10Aが電動車両に搭載される例について説明する。
実施の形態においては、異常検出システム10が電池2の検査工程に適用される例について説明した。しかしながら、異常検出システム10が適用されるのは、電池2の検査工程に限られるものではない。たとえば、電池2が搭載される電動車両に異常検出システム10を適用してもよい。変形例においては、異常検出システム10Aが電動車両に搭載される例について説明する。
電動車両は、たとえば、電気自動車、ハイブリッド自動車、プラグインハイブリッド自動車および燃料電池自動車などである。変形例においては、電動車両が、電気自動車である例について説明する。
図6は、異常検出システム10Aが搭載された電動車両1の全体構成を概略的に示す図である。電動車両1は、組電池15と、システムメインリレー(System Main Relay)30と、パワーコントロールユニット(以下「PCU(Power Control Unit)」ともいう)40と、モータジェネレータ(Motor Generator:MG)50と、駆動輪60と、ECU(Electronic Control Unit)100と、監視ユニット200とを備える。
組電池15は、複数の電池2が直列および/または並列に積層された構成を有する。監視ユニット200は、たとえば、電圧センサ3、電流センサ4および熱流センサ5を含む。電圧センサ3は、組電池15に含まれる各電池2の電圧を検出し、その検出結果を示す信号をECU100に出力する。電流センサ4は、組電池15に入出力される電流を検出し、その検出結果を示す信号をECU100に出力する。なお、電池電流が正の値である場合は電池の放電を示し、負の値である場合は電池の充電を示す。熱流センサ5は、組電池15に含まれる各電池の熱流束を検出し、その検出結果を示す信号をECU100に出力する。
システムメインリレー30は、一端が組電池15と電気的に接続され、他端がPCU40と電気的に接続される。システムメインリレー30は、ECU100からの制御信号に従って開閉状態が切り替えられる。
PCU40は、組電池15から電力を受けてモータジェネレータ50を駆動するための電力変換装置を総括して示したものである。たとえば、PCU40は、モータジェネレータ50を駆動するためのインバータ、および、組電池15から出力される電力を昇圧してインバータへ供給するコンバータなどを含む。
モータジェネレータ50は、交流回転電機であり、たとえば、永久磁石が埋設されたロータを備える永久磁石型同期電動機である。モータジェネレータ50のロータは、動力伝達ギア(図示せず)を介して駆動輪60に機械的に接続される。モータジェネレータ50は、電動車両1の回生制動動作時には、駆動輪60の回転力によって発電することができ、その発電された電力をPCU40へ出力する。なお、以下においては、PCU40およびモータジェネレータ50を総称して「電気負荷」ともいう。
また、その構成を図示しないが、電動車両1は、車外の電源から供給される電力によって車載の組電池15を充電する処理(以下「外部充電」ともいう)を実行可能に構成される。
ECU100は、CPU100aと、メモリ(より具体的にはROMおよびRAM)100bと、各種信号を入出力するための入出力ポート(図示せず)とを含んで構成される。ECU100は、各センサおよび機器からの信号、並びにメモリ100bに格納されたプログラムなどに基づいて、各機器の制御を行なう。なお、各種制御については、ソフトウェアによる処理に限られず、専用のハードウェア(電子回路)により処理することも可能である。
異常検出システム10Aは、ECU100と、電気負荷(PCU40およびモータジェネレータ50)と、熱流センサ5とを含んで構成される。ECU100は、実施の形態に係る異常検出システム10の検査装置7に相当する。電気負荷は、実施の形態に係る異常検出システム10の充放電装置8に相当する。なお、異常検出システム10Aには、組電池15の外部充電を可能にする構成が含まれてもよい。この場合、電気負荷および外部充電を可能にする構成が実施の形態に係る異常検出システム10の充放電装置8に相当する。
ECU100からの制御信号に従って、電気負荷が回生制動動作されることによって、組電池15を定充電状態にすることができる。ECU100からの制御信号に従って、電気負荷が力行制動動作されることによって、組電池15を定放電状態にすることができる。また、ECU100からの制御信号に従って、組電池15が外部充電されることによって、組電池15を定充電状態にすることができる。
そして、ECU100が、実施の形態で説明した検査装置7と同様の制御を行なうことによって、異常検出システム10Aが、組電池15に含まれる電池2の微短絡状態を検出することが可能となる。
異常検出システム10Aが電動車両1に搭載されることによって、電動車両1に搭載された電池2についても、微短絡を検出することが可能となる。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 電動車両、2 電池、3 電圧センサ、4 電流センサ、5 熱流センサ、7 検査装置、7a CPU、7b メモリ、8 充放電装置、9 測定システム、10,10A 異常検出システム、15 組電池、21 筐体、22 蓋体、23 正極端子、24 負極端子、25 電極体、26 正極、27 負極、28 セパレータ、30 システムメインリレー、50 モータジェネレータ、60 駆動輪、100 ECU、100a CPU、100b メモリ、200 監視ユニット。
Claims (1)
- 二次電池の熱流束を取得する熱流センサと、
前記二次電池を定電流充電または定電流放電させる充放電装置と、
前記二次電池の異常を検出する検査装置とを備え、
前記検査装置は、
所定期間において、前記二次電池を定電流充電または定電流放電させた状態で、前記熱流センサから前記二次電池の熱流束を複数回取得し、
前記所定期間において、前記所定期間における開始時刻に取得された初期熱流束から第1所定量以上増加し、かつ、前記初期熱流束と前記所定期間における終了時刻に取得された熱流束との差分の大きさが前記第1所定量より小さい第2所定量以下である場合に異常と判定する、異常検出システム。
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