JP6996377B2 - 電源システム - Google Patents
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Description
該組電池の電圧を測定する電圧測定部(3)と、
上記組電池を充電する充電部(4)と、
上記組電池の充放電を制御する制御部(5)とを備え、
該制御部は、
上記組電池の電圧が予め定められた目標電圧に達するまで、上記充電部を用いて上記組電池を充電する充電制御部(51)と、
充電が完了した後、個々の上記電池セルの充電率を均等化する必要があるか否かを判断する均等化判断部(52)と、
該均等化判断部によって上記充電率の均等化を行う必要があると判断された場合に、上記充電部を用いて、上記組電池を所定の電荷量(ΔQ)だけ再び充電する再充電制御部(53)と、
上記組電池を再充電した後、個々の上記電池セルを自己放電させて、上記充電率を均等化する均等化指令部(54)と、
を備える、電源システム(1)にある。
このようにすると、個々の電池セルに放電回路等を設けなくても、充電率を均等化できる。そのため、電源システムの回路構成を簡素にできる。すなわち、充電が完了した後、再充電すると、SOCが高い電池セルも、SOCが低い電池セルも、同一の電流で一括して充電される。その結果、再充電前にSOCが高かった電池セルは、再充電によってSOCがさらに高くなり、電圧が特に高くなる。この電池セルは、自己放電しやすくなるため、待機させると、SOCが大きく低下する。また、再充電前にSOCが低かった電池セルは、再充電によりSOCが高くなるが、電圧は特段高くないため、自己放電量はあまり多くない。したがって、この電池セルは、待機させてもSOCが大きく低下しない。
このように、再充電前にSOCが高かった電池セルは、再充電して自己放電させるとSOCが速く低下し、再充電前にSOCが低かった電池セルは、再充電して自己放電させてもSOCはあまり低下しない。そのため、再充電前にSOCのばらつきが大きかった電池セルを、再充電して自己放電させることにより、SOCのばらつきを低減させることができる。そのため、個々の電池セルに放電回路等を設ける必要がなく、電源システムの回路構成を簡素にすることができる。
なお、特許請求の範囲及び課題を解決する手段に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
上記電源システムに係る実施形態について、図1~図11を参照して説明する。図1に示すごとく、本形態の電源システム1は、組電池20(本形態ではリチウム電池)と、電圧測定部3と、充電部4と、制御部5とを備える。組電池20は、複数の電池セル2を互いに直列に接続してなる。電圧測定部3は、組電池20の電圧を測定する。充電部4は、組電池20に電圧を加えることにより、組電池20を構成する複数の電池セル2を一括して充電する。また、制御部5は、組電池20の充放電を制御する。
|dV/dt|≒|(Vini-V’)/Δt|
ΔQ=Q×β ・・・(1)
上記式において、Qは、組電池20の電池容量であり、βは1より小さい定数である。電池容量Qは、組電池20の劣化に伴って低下する。そのため、制御部5は定期的に電池容量Qを測定し、最新の電池容量Qを用いて電荷量ΔQを算出する。
t=ΔQ/I×3600
上記式において、Iは予め定められた値であり、比較的低い値である。大きな電流で再充電すると、電流による発熱等によりSOCのばらつきがかえって大きくなる可能性がある。そのため、本形態では、一定の電流Iで徐々に組電池20を再充電している。
Vfin-Vini<γ
ここでYes(すなわち、SOCが均等化された:図7参照)と判断した場合は、終了する。また、Noと判断した場合は、ステップS4に戻り、再充電処理を再び行う。
このようにすると、個々の電池セル2に放電回路等を設けなくても、SOCを均等化できる。そのため、電源システム1の回路構成を簡素にできる。すなわち、図5、図6に示すごとく、充電が完了した後、再充電すると、SOCが高い電池セル2(2A~2C)も、SOCが低い電池セル(2D~2F)も、一括して充電される。その結果、再充電前にSOCが高かった電池セル(2A~2C)は、再充電によってSOCがさらに高くなり、電圧が特に高くなる。これらの電池セル2A~2Cは、自己放電しやすいため、待機させると、図7に示すごとく、SOCが大きく低下する。また、再充電前にSOCが低かった電池セル2D~2Fは、再充電によりSOCが高くなるが、電圧は特段高くないため、自己放電量はあまり多くない。したがって、この電池セル2D~2Fは、待機させてもSOCが大きく低下しない。
このように、再充電前にSOCが高かった電池セル2A~2Cは、再充電して自己放電させるとSOCが速く低下し、再充電前にSOCが低かった電池セル2D~2Fは、再充電して自己放電させてもSOCはあまり低下しない。そのため、再充電前にSOCのばらつきが大きかった電池セル2A~2Fを、再充電して自己放電させることにより、SOCのばらつきを低減させることができる。そのため、個々の電池セル2に放電回路等を設ける必要がなく、電源システム1の回路構成を簡素にすることができる。
これに対して、図1に示すごとく、本形態の構成を採用すれば、個々の電池セル2に放電回路7を設ける必要が無くなり、電源システム1の回路構成を簡素にできる。そのため、電源システム1の製造コストを低減できる。
そのため、均等化の要否を判断する際に、個々の電池セル2の電圧を測定する必要がない。したがって、個々の電池セル2に電圧測定部3を設ける必要がなくなり、電源システム1の回路構成をより簡素にすることができる。
全固体電池は、過充電しても故障しにくい。そのため、本形態のように再充電を行う電源システム1に好適に使用できる。
バイポーラ電池は、隣り合う2つの電池セル2が、集電極21によって電気接続されている。そのため、個々の電池セル2からケース25外に、電池セル2同士を電気接続するための端子(図12参照)が突出していない。したがって、この端子を用いて、各電池セル2の電圧を測定したり、各電池セル2に放電回路7(図14参照)を接続したりすることができない。しかしながら、本形態では、電池セル2の電圧を個別に測定する電圧測定部や、個別に放電する放電回路7が不要であるため、バイポーラ電池を用いる場合でも、SOCの均等化を行うことができる。
このようにすると、組電池20を定電流で再充電するため、再充電時に大きな電流が流れ、SOCのばらつきが増大する不具合を抑制できる。
そのため、再充電前のSOCが最も大きい電池セル2Aが充電されすぎて低寿命化することを抑制できる。
このようにすると、個々の電池セル2の電圧を測定しなくても、SOCの均等化が終了したか否かを判断することができる。
本形態は、組電池20の構成を変更した例である。図12に示すごとく、本形態の電池セル2は、一対の集電極21と、活物質22(22P,22N)と、これらの活物質22P,22Nの間に介在するセパレータ29と、電解液28とを備える。集電極21からケース25外に端子26が突出している。この端子26を互いに接続することにより、複数の電池セル2を直列に接続してある。
その他、実施形態1と同様の構成および作用効果を備える。
本形態は、電源システム1の回路構成等を変更した例である。図13に示すごとく、本形態では、組電池20にヒータ19を設けてある。本形態の均等化指令部54は、実施形態1と同様に、組電池20を再充電した後、個々の電池セル2を自己放電させて、SOCを均等化する。均等化指令部54は、この際、ヒータ19を発熱させて、電池セル2の温度を高める。より詳しくは、均等化指令部54は、電池セル2のSOCを均等化する際、ヒータ19を用いて電池セル2の温度を高めつつ、Vfin-Vini<γ(図3参照)を満たすか否かを判断する。そして、Vfin-Vini<γとなった場合には、均等化が終了したと判断する。
その他、実施形態1と同様の構成および作用効果を備える。
19 ヒータ
2 電池セル
20 組電池
3 電圧測定部
4 充電部
5 制御部
51 充電制御部
52 均等化判断部
53 再充電制御部
54 均等化指令部
Claims (6)
- 複数の電池セル(2)を互いに直列に接続した組電池(20)と、
該組電池の電圧を測定する電圧測定部(3)と、
上記組電池を充電する充電部(4)と、
上記組電池の充放電を制御する制御部(5)とを備え、
該制御部は、
上記組電池の電圧が予め定められた目標電圧に達するまで、上記充電部を用いて上記組電池を充電する充電制御部(51)と、
充電が完了した後、個々の上記電池セルの充電率を均等化する必要があるか否かを判断する均等化判断部(52)と、
該均等化判断部によって上記充電率の均等化を行う必要があると判断された場合に、上記充電部を用いて、上記組電池を所定の電荷量(ΔQ)だけ再び充電する再充電制御部(53)と、
上記組電池を再充電した後、個々の上記電池セルを自己放電させて、上記充電率を均等化する均等化指令部(54)と、
を備える、電源システム(1)。 - 上記均等化判断部は、上記組電池の充電が完了した後、該組電池の電圧の時間低下率(|dV/dt|)が予め定められた閾値(α)を超えた場合は、上記充電率の均等化を行う必要があると判断するよう構成されている、請求項1に記載の電源システム。
- 個々の上記電池セルは、金属イオンが脱挿入される正極活物質(22P)および負極活物質(22N)と、これらの間に介在し上記金属イオンが移動する固体電解質体(23)と、を備える全固体電池である、請求項1又は2に記載の電源システム。
- 上記組電池は、互いに隣り合う2つの上記電池セルを区画する集電極(21)を備え、該集電極の一方の面に、上記2つの電池セルのうち一方の該電池セルの上記正極活物質が設けられ、他方の面に、他方の上記電池セルの上記負極活物質が設けられたバイポーラ電池である、請求項3に記載の電源システム。
- 上記再充電制御部は、上記組電池に予め定められた一定の電流(I)を所定時間流すことにより、上記組電池を再充電するよう構成されている、請求項1~4のいずれか一項に記載の電源システム。
- 上記目標電圧をVini、自己放電させた上記組電池の電圧をVfinとした場合、上記均等化指令部は、Vfin-Viniが予め定められた値(γ)より小さくなった場合に、上記充電率の均等化が終了したと判断するよう構成されている、請求項1~5のいずれか一項に記載の電源システム。
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