JP6996152B2 - エネルギーマネジメントシステム - Google Patents

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Description

本発明は、エネルギーマネジメントシステムに関し、特に、発電設備を監視及び制御するエネルギーマネジメントシステムに関する。
分散型電源の普及、電力自由化等のエネルギー政策に伴い、自らエネルギーを選択し効率良く使う時代になりつつある。分散型電源は、電力供給の一形態であり、比較的小規模な発電設備を消費地近くに分散配置して電力の供給を行なうものである。分散型電源には、太陽光発電等の自然エネルギーを利用した発電設備、コジェネレーションシステム(Cogeneration System:以下「CGS」と記載する場合がある。)、及び蓄電設備等の多様な電源が含まれる。
分散型電源の普及に伴い、多様な分散型電源をネットワーク化し、エネルギー需要の変化に合わせて最適制御するエネルギー管理システムが提案されている。後掲の特許文献1には、こうしたエネルギー管理システムが提案されている。
特許文献1に開示のエネルギー管理システムは、多様な分散型電源を組合せて、これらを最適に制御するシステムである。このエネルギー管理システムは、エネルギーの発生量及び需要量の予測値を取得し、取得した予測値に基づいて所定の計画期間における、分散型電源の運用計画を演算により求める。エネルギー管理システムはさらに、得られた運用計画に基づいて、多様な分散型電源を最適に制御する。
特開2015-35941号公報
しかし、計画による制御のみでは、太陽光発電量又は負荷需要の急激な変動、若しくは計画周期以下の状況変化等に対応できないことがある。こうした場合、エネルギーコストが上昇する。例えば、分散型電源と電力負荷とを組合せた系に電力系統が接続されている場合を考える。突発的な電力需要の増加に対応できない場合、需要家の最大使用電力である最大デマンドが電力会社との契約により設定された契約値を超過することがある。この場合、超過した最大値に契約電力が更新される。契約電力が更新されると、一年間は契約電力を下げることができないため、電気料金の大幅なコストアップを招く。このように、特許文献1に開示のエネルギー管理システムは、より適切にエネルギー管理を行なうという点において改善の余地がある。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、本発明の1つの目的は、分散型電源に対する制御をより適切に行なうエネルギーマネジメントシステムを提供することである。
本発明の第1の局面に係るエネルギーマネジメントシステムは、分散型電源及び電力負荷を含み、電力系統に接続される系の電力需給を管理するシステムである。このエネルギーマネジメントシステムは、運用計画に基づいて分散型電源を制御する計画制御モードによる運用を実行するための計画制御モード実行手段と、電力系統からの受電電力に関して、電力負荷の電力消費に関するデマンドを監視するためのデマンド監視手段と、デマンドを計測するための一定時間毎の区切りであるデマンド時限において、現時点のデマンドを含む所定時間のデマンド実測値に基づいて、現在のデマンド時限における当該デマンド時限終了時の予測デマンドを算出し、算出した予測デマンドと予め設定された目標値との差が所定値以上となったことに応答して、計画制御モードから、デマンドを低減するよう分散型電源を制御するデマンド制御モードに切替えるためのデマンド制御モード切替手段と、デマンド制御モードに切替えられたことに応答して、当該デマンド制御モードによる運用を実行するためのデマンド制御モード実行手段と、デマンド制御モードによる運用実行時に現在のデマンド時限が終了したことに応答して、計画制御モードによる運用に復帰させるための復帰手段とを含む。
デマンド監視手段は、電力負荷の電力消費に関するデマンドを監視する。デマンド制御モード切替手段は、現在のデマンド時限における予測デマンドと目標値との差が所定値以上となったことに応答して、計画制御モードからデマンド制御モードに切替える。デマンド制御モードによる運用実行時に現在のデマンド時限が終了すると、復帰手段は、計画制御モードによる運用に復帰させる。こうした構成により、突発的に電力需要が増加した場合でも、このような状況変化にリアルタイムに対応できるので、電力デマンドが契約電力を超過するのを容易に抑制できる。
好ましくは、エネルギーマネジメントシステムはさらに、電力系統からの受電電力を監視し、受電電力が予め設定された下限電力を下回った状態で一定時間が経過したことに応答して、計画制御モードから、受電電力が下限電力以上となるよう分散型電源を制御して電力を有効に活用する電力有効活用制御モードに切替えるための制御モード切替手段と、電力有効活用制御モードに切替えられたことに応答して、当該電力有効活用制御モードによる運用を実行するための電力有効活用制御モード実行手段と、電力有効活用制御モードによる運用実行時において、下限電力以上に予め設定された復帰電力を受電電力が上回った状態で一定時間が経過したことに応答して、計画制御モードによる運用に復帰させるための手段とを含む。
電力負荷に対して供給電力が過剰になると、余剰電力が電力系統側に流れる。電力系統からの受電電力が下限電力を下回った状態か否かを監視することにより、電力に余裕がある状態か否かがわかる。制御モード切替手段は、受電電力が下限電力を下回った状態で一定時間が経過すると、計画制御モードから、電力有効活用制御モードに制御モードを切替える。電力有効活用制御モードによる運用実行時において、受電電力が復帰電力を上回った状態で一定時間が経過すると、エネルギーマネジメントシステムは計画制御モードによる運用に復帰する。こうした制御を実行することによって、余剰電力を有効に活用できる。したがって、分散型電源に対する制御をさらに適切に行なうことができる。
より好ましくは、分散型電源は、熱源より電力と熱を生産し供給する熱電併給装置、及び電力を充放電可能な蓄電装置を含み、電力有効活用制御モード実行手段は、制御モードによる制御として、予め設定された優先度に応じて、蓄電装置の充電制御、及び熱電併給装置の発電抑制制御の少なくとも一方を実行する。
さらに好ましくは、分散型電源は、熱源より電力と熱を生産し供給する熱電併給装置、及び電力を充放電可能な蓄電装置を含み、デマンド制御モード実行手段は、デマンド制御モードによる制御として、予め設定された優先度に応じて、蓄電装置の放電制御、及び熱電併給装置の発電制御の少なくとも一方を実行する。
さらに好ましくは、エネルギーマネジメントシステムはさらに、所定値を分散型電源の発電能力以下の値に設定するための設定手段を含む。
本発明の第2の局面に係るコンピュータプログラムは、分散型電源及び電力負荷を含み、電力系統に接続される系の電力需給を管理するエネルギーマネジメントシステムとしてコンピュータを動作させるためのコンピュータプログラムである。このコンピュータプログラムは、コンピュータを、上記したいずれかのエネルギーマネジメントシステムの全ての手段として機能させる。
本発明によれば、分散型電源に対する制御をより適切に行なうエネルギーマネジメントシステムを得ることができる。
本実施の形態に係るエネルギーマネジメントシステムの全体構成を示す概略図である。 図1に示す設備監視制御装置の構成を示すブロック図である。 本実施の形態に係るエネルギーマネジメントシステムの機能的構成を示すブロック図である。 図3に示す最適運用演算部の構成を示すブロック図である。 制御モードの切替えを説明するための図である。 デマンド制御モードの移行条件を説明するための図である。 余剰電力有効活用モードの移行条件を説明するための図である。 図1に示す設備監視制御装置で実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。 図1に示す設備監視制御装置で実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。 図1に示す設備監視制御装置で実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。 図1に示す設備監視制御装置で実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。 本実施の形態に係るエネルギーマネジメントシステムの運用事例を説明するための図である。
以下、本発明を具体化した実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の説明及び図面においては、同一の部品又は構成要素には同一の参照符号及び名称を付してある。それらの機能も同様である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
(実施の形態)
[全体構成]
図1を参照して、本実施の形態に係るエネルギーマネジメントシステム100は、受変電システム20、分散型電源30、及び電力負荷40を含むエネルギー系10(以下「系10」と呼ぶ。)における各設備を統合的に管理するシステムである。このエネルギーマネジメントシステム100は、省エネルギー及び電力の安定供給等を実現するために、系10に含まれる多様な分散型電源30を最適に制御する。
分散型電源30は、太陽光発電システム32、及びコジェネレーションシステム(CGS)34を含む発電設備36、並びに、電力を充放電可能な蓄電装置38を含む。CGS34は、熱源より電力と熱を生産し供給するいわゆる熱電併給装置である。電力負荷40は、例えば照明装置、空調装置(エアコン)等の消費電力の調整が可能な負荷装置、及び、工場の生産機械等の消費電力の調整が困難な負荷装置を含む。この系10はまた、受変電システム20を介して電力系統12に接続されている。受変電システム20は電力系統12から供給される電力を変圧して電力負荷40に供給する。
エネルギーマネジメントシステム100は、分散型電源30を最適に運用するための運用計画を立案する最適運用演算装置200と、系10に含まれる各設備の監視及び制御を行なう設備監視制御装置300とを含む。最適運用演算装置200及び設備監視制御装置300は、いずれもパーソナルコンピュータ等のコンピュータ端末であり、ネットワーク回線50を介して、互いに通信可能に接続されている。エネルギーマネジメントシステム100はさらに、ネットワーク回線50を介して、系10の各設備(受変電システム20、分散型電源30、及び電力負荷40)と通信可能に接続されている。
設備監視制御装置300は、系10に含まれるCGS34、蓄電装置38、及び電力負荷40に対して制御指令を出力する。CGS34、蓄電装置38、及び電力負荷40は、それぞれ、設備監視制御装置300からの制御指令に応じて自機を制御する制御部を含む。CGS34を制御する制御部は、設備監視制御装置300からの制御指令に応じて、CGS34の稼働及び停止、並びにCGS34による発電量の調整等を行なう。蓄電装置38を制御する制御部は、設備監視制御装置300からの制御指令に応じて、蓄電装置38の充電又は放電を制御する。電力負荷40のうちの消費電力の調整が可能な負荷装置を制御する制御部は、設備監視制御装置300からの制御指令に応じて、当該負荷装置を調整する。具体的には、消費電力を抑制する必要がある場合に、当該制御部は、設備監視制御装置300からの制御指令に応じて、例えばエアコンの温度設定を調整したり、照明装置の明るさを調整したりする。これらの制御部は、例えば、DC/DCコンバータ及びスマートタップ等を含む。
設備監視制御装置300及び最適運用演算装置200はまた、ネットワーク回線50等を介して、系10に含まれる設備の電力値等の現在情報を取得する。
[ハードウェア構成]
図2を参照して、設備監視制御装置300は、設備監視制御装置300全体を制御するCPU302、コンピュータプログラム等を記憶するためのROM(Read Only Memory)304、揮発性の記憶装置であるRAM(Random Access Memory)306、通電が遮断された場合にもデータを保持する不揮発性の記憶装置308を含む。設備監視制御装置300はさらに、マウス及びキーボード等の入力装置320との間の接続に関するインターフェイスを提供するための入力I/F310、表示装置322との間の接続に関するインターフェイスを提供するためのディスプレイI/F312、有線又は無線(本実施の形態においては有線)によりネットワーク回線50への接続を提供する通信装置314、及び光ディスク324が装着可能で、光ディスク324に対する情報の書込及び光ディスク324からの情報の読出が可能な光ディスクドライブ316を含む。記憶装置308は、例えばハードディスクドライブ(HDD)又はフラッシュメモリ等である。
CPU302にはBUSライン318が接続されており、このBUSライン318には、ROM304、RAM306、及び記憶装置308が電気的に接続される。BUSライン318にはさらに、入力I/F310、ディスプレイI/F312、通信装置314及び光ディスクドライブ316が電気的に接続される。ROM304又は記憶装置308には、設備監視制御装置300の動作を実現するためのコンピュータプログラムが記憶される。このコンピュータプログラムは、通信装置314等を介して、外部機器等から提供されてもよい。さらにこのコンピュータプログラムは、そのコンピュータプログラムが記録された、例えばDVD等の記憶媒体(光ディスク324)によって提供されてもよい。すなわち、例えばコンピュータプログラムの記録媒体としてのDVDが、光ディスクドライブ316に装着され、そのDVDからコンピュータプログラムが読出されて記憶装置308にインストールされてもよい。
設備監視制御装置300は、ROM304又は記憶装置308に記憶されるコンピュータプログラムを読出して実行することにより、エネルギー管理に関する処理等の各種処理を実行する。
最適運用演算装置200は、図2に示される設備監視制御装置300の構成と同様の構成を有する。ただし、記憶装置に記憶されるコンピュータプログラムが、設備監視制御装置300とは異なる。
[機能的構成]
図3を参照して、最適運用演算装置200は、過去の設備稼働情報及び気象情報等から分散型電源30の最適運用計画を演算する機能部である最適運用演算部210を含む。最適運用演算部210は演算によって得られた最適運用計画を設備監視制御装置300に出力する。
図4を参照して、最適運用演算部210は、発電予測部212、需要予測部214、及び計画演算部216を含む。発電予測部212は、例えば、気象予測情報、現在の気象情報、過去の発電電力量実績、太陽光発電パネルの設置条件等から10分周期で48時間先までの太陽光発電量を予測するよう構成されている。需要予測部214は、例えば、気象予測情報、現在の気象情報、過去の負荷需要実績、操業計画等に基づいて10分周期で48時間先までの負荷需要を予測するよう構成されている。予測の周期及び時間範囲はこれらに限定されず、適宜、変更することができる。
計画演算部216は、太陽光発電量予測、及び負荷需要予測から系10に含まれる設備(例えばCGS34及び蓄電装置38等の分散型電源30)の運用計画を立案する。運用計画の立案には例えば数理計画法が用いられる。この計画演算部216は、例えば、電力量料金単価、燃料単価、電力会社との契約形態、目標電力、分散型電源30の設備特性等の運用条件をも考慮して、目標電力を守りながらエネルギーコストが最小となる分散型電源30の制御指令値の計画を導く。これらの運用条件は、図示しない表示画面(UI)を介して、容易に変更可能とされている。計画演算部216はさらに、例えば48時間先まで運用計画を導くための最適化演算を10分毎の短周期で繰返すよう構成されている。なお、演算の周期及び計画期間はこれに限定されず、適宜、変更可能である。
運用計画における受電目標電力には、上限目標電力及び下限目標電力のパラメータを設定することが可能である。上限目標電力は、契約電力を守りながらエネルギーコストが最小となる最適運用計画を導くためのパラメータである。下限目標電力は、太陽光発電等の余剰電力を発生させないようにしながらエネルギーコストが最小となる最適運用計画を導くためのパラメータである。
再び図3を参照して、設備監視制御装置300は、負荷電力情報取得部330、スケジュール入力部340、及び制御演算部350を含む。負荷電力情報取得部330は、負荷電力、及び設備稼働情報等を系10から取得し、取得した情報を制御演算部350に出力する。スケジュール入力部340は、分散型電源30を自動制御するためのスケジュール入力をユーザから受付け、受付けた自動制御スケジュールを制御演算部350に出力する。スケジュール入力部340は、設備のメンテナンス日、特殊な操業がある日、又は操業に人の判断が必要な日等を予めカレンダーに登録しておく操業カレンダー設定機能を持つ。操業カレンダー設定機能では、平常時よりも増加する電力需要を例えば10分単位で数値設定することが可能とされている。さらに、ここで設定された数値をオフセット値として負荷需要予測の予測値に反映させることも可能である。制御演算部350は、最適運用演算部210からの最適運用計画、スケジュール入力部340を介して入力された自動制御スケジュール、並びに、負荷電力情報取得部330によって取得された負荷電力情報、及び設備稼働情報等に基づいて、系10に含まれる各設備の制御方法を決定する。
本エネルギーマネジメントシステム100は、運用計画に基づいて分散型電源30を最適に制御する「最適運用制御モード」、入力された自動制御スケジュールにしたがって分散型電源30の制御を行なう「タイムスケジュール(Auto Time Schedule:ATS)制御モード(以下「ATS制御モード」と呼ぶ。)」、電力デマンドを守ることを最優先とする「デマンド制御モード」、及び、逆潮流が発生しそうな場合に蓄電装置38の充電又はCGS34の出力抑制を行なうことで余剰電力を有効に活用する「余剰電力有効活用制御モード」の4つの制御モードを持つ。「最適運用制御モード」及び「ATS制御モード」は計画制御モードに分類され、「デマンド制御モード」及び「余剰電力有効活用制御モード」はリアルタイム制御モードに分類される。
制御演算部350は、電力負荷状況等に応じてこれら4つの制御モードを自動的に切替え、切替えた制御モードにて分散型電源30等を制御するための制御指令を設備制御部400に対して出力する。設備制御部400は、CGS34、蓄電装置38、及び電力負荷40(図1参照)等をそれぞれ制御する上記した各制御部を含む。設備制御部400は、制御演算部350からの制御指令に応じて、CGS34、蓄電装置38、及び電力負荷40を制御する。
図5を参照して、最適運用制御モードは基本となる制御モードであり、通常、この制御モードでの運用が行なわれる。ただし、操業カレンダー設定機能によって設備のメンテナンス日等が予めカレンダーに登録されている場合、その日はATS制御モードに切替えられる。ATS制御モードでは、ユーザによって入力された自動制御スケジュールにしたがった運用が行なわれる。最適運用制御モードからATS制御モードへの切替え、又はその逆の切替えは、人手による切替えとすることができる。
デマンド制御モードは、受電電力のデマンドが契約値を超過しないように制御する制御モードである。デマンドとは一定時間の平均使用電力であり、デマンドを計測するための一定時間毎の区切りをデマンド時限と呼ぶ。ここでの一定時間は、電力会社によって30分間に設定されている。デマンドが契約値を超過すると、超過した最大値(最大デマンド)に契約電力が更新され、電気料金の大幅なコストアップを招く。こうした不都合を回避するために、本エネルギーマネジメントシステム100では、電力負荷40の需要が急増し、受電電力のデマンドが契約値を超過しそうになると、制御モードがデマンド制御モードに切替わる。現在のデマンド時限が終了し次のデマンド時限に切替わるタイミングでデマンド制御モードからデマンド制御モードに切替わる前の制御モード(最適運用制御モード又はATS制御モード)に復帰する。
余剰電力有効活用制御モードは、余剰電力による蓄電装置38の充電、又はCGS34の出力抑制を行なうことで、余剰電力を有効に活用する制御モードである。電力負荷40に対して分散型電源30による供給電力が過剰になると、逆潮流が生じ、その余剰電力が電力系統12側に流れる。本エネルギーマネジメントシステム100は、受電電力を監視することによって、逆潮流が生じているか否か、又は逆潮流が生じそうな状態か否かを検出する。本エネルギーマネジメントシステム100では、こうした状態が検出されると、この余剰電力有効活用制御モードに切替わる。供給電力の過剰状態が解消されると、余剰電力有効活用制御モードから余剰電力有効活用制御モードに切替わる前の制御モード(最適運用制御モード又はATS制御モード)に復帰する。
上記した4つの制御モードによる制御についてより詳細に説明する。
最適運用制御モードは、太陽光発電量予測及び負荷需要予測に基づいて、CGS34、及び蓄電装置38等の分散型電源30を運用するための運用計画を立案し、立案した運用計画に基づいた制御を実行する制御モードである。最適運用制御モードでは、例えば、電力量料金単価、燃料単価、電力会社との契約形態、目標電力、分散型電源30の設備特性等の運用条件を考慮して、目標電力を守りながらエネルギーコストが最小となる分散型電源30の制御指令値(起動停止指令、出力電力値)の計画を導く。
ATS制御モードは、予め設定したタイムスケジュールにしたがって分散型電源30を自動制御する制御モードである。ATS制御モードでは、分散型電源30だけでなく、照明装置、空調装置(エアコン)等のタイムスケジュール機能も持ち、電力負荷40(負荷装置)も含めた総合的な運用を行なうことが可能である。
デマンド制御モードは、目標デマンドを超過しそうな場合に蓄電装置38の放電又はCGS34の稼働によりピークを抑制する制御モードである。デマンド制御モードは、デマンド負荷遮断の機能をも持ち、分散型電源30の活用と負荷遮断の両方を組合せることで、より確実な制御を実現する。デマンド制御モードでは、蓄電装置38の放電制御、CGS34の発電制御、及び電力負荷40に対する消費電力の抑制制御の優先度を予め設定することが可能であり、優先度に応じて、これらの制御の少なくとも1つが実行される。優先度の設定として、例えば、CGS34は起動に時間を要することを考慮して、CGS34の起動制御を行なった後に蓄電装置38を放電させ、CGS34が起動するとCGS34の発電電力によってピークカットを行なうように設定してもよい。さらに、蓄電装置38の放電及びCGS34の稼働によってもピークカットが十分でない場合は、電力負荷40に対する消費電力の抑制制御を行なうように優先度を設定してもよい。
余剰電力有効活用制御モードは、発電電力が負荷需要を超えそうな場合に、蓄電装置38の充電制御、又はCGS34の出力抑制制御等を行なう制御モードである。余剰電力有効活用制御モードでは、デマンド制御モードと同様、蓄電装置38の充電制御、及びCGS34の出力抑制制御等の優先度を予め設定することが可能であり、優先度に応じて、これらの制御の少なくとも1つが実行される。優先度の設定として、例えば、蓄電装置38が満充電状態でない場合は、蓄電装置38への充電制御を行ない、その後、CGS34の出力抑制制御を行なうようにしてもよい。さらに、CGS34の出力抑制を行なった状態でも供給電力に余裕がある場合は、CGS34の出力を停止するようにしてもよい。
[デマンド制御のモード移行条件]
図6を参照して、設備監視制御装置300は、電力負荷40の電力消費に関するデマンドをリアルタイムに監視している。現在のデマンドは、30分間のデマンド時限において、スタートから現在までの電力積算値で示される。設備監視制御装置300は、現在のデマンドを含む所定時間aのデマンド実測値の傾きから予測デマンドを算出する。予測デマンドとは、現在のデマンド時限の終了時におけるデマンド予測値である。設備監視制御装置300には、契約範囲内での運用か否かを判定するための基準となる目標デマンド(目標値)が予め設定されている。この目標デマンドは例えば電力会社との「契約値」とすることができる。なお、上記所定時間aは設定によって任意に変更可能である。
ここで、予測デマンドから目標デマンドを引いた電力を「調整電力」と呼ぶこととする。図6(A)を参照して、予測デマンドが目標デマンドを下回っている場合、調整電力b1は-(マイナス)の値となる。図6(B)を参照して、予測デマンドが目標デマンド以上の場合、調整電力b2は0又は+(プラス)の値となる。予測デマンドは、現在のデマンドに応じてリアルタイムに算出され、算出された予測デマンドに基づく調整電力が予め設定された所定値(0以上の実数)と比較される。
本実施の形態では、現在のデマンド時限において、予測デマンドと目標デマンドとの差が所定値以上となったことが、デマンド制御モードへの移行条件とされる。すなわち、予測デマンドが目標デマンドを超え、かつ、調整電力が所定値以上となった場合に、デマンド制御モードへの移行条件が満たされる。この所定値は、任意に設定可能であり、例えば、目標デマンド(契約値)以上、CGS34の発電能力以下の値に設定されていると好ましい。
デマンド制御モードへの移行条件が満たされると、デマンド警報が出力され、デマンド制御モードに移行される。デマンド警報の出力により例えば表示装置322(図2参照)に警報画面が表示される。デマンド制御モードは、現在のデマンド時限が終了するまで継続する。現在のデマンド時限が終了(次のデマンド時限が開始)すると復帰条件を満たし、制御モードは移行前に復帰する。すなわち、現在のデマンド時限の終了(次のデマンド時限の開始)が移行前の制御モードへの復帰条件とされる。
[余剰電力有効活用制御のモード移行条件]
図7を参照して、設備監視制御装置300は、デマンドとともに電力負荷40の状態(受電電力)をリアルタイムに監視している。上述のように、分散型電源30を含む系10では、電力負荷40に対して供給電力が過剰になると余剰電力が電力系統12側に流れる。こうした状況は、受電電力の監視によって認識される。本実施の形態では、受電電力が予め設定された受電下限電力を下回った状態で一定時間A1が経過することが、余剰電力有効活用制御モードへの移行条件とされる。余剰電力有効活用制御モードによる運用実行時において、受電下限電力以上の値に予め設定された復帰電力を受電電力が上回った状態で一定時間A2が経過すると、制御モードは移行前に復帰する。すなわち、受電電力が復帰電力を上回り、かつその状態で一定時間A2が経過することが移行前の制御モードへの復帰条件とされる。
受電下限電力、復帰電力、一定時間A1及びA2は、それぞれ、任意の値に設定可能である。一定時間A1と一定時間A2とは同じ時間に設定されてもよいし、異なる時間に設定されてもよい。受電下限電力は例えば0kWとすることができる。復帰電力は、受電下限電力に対して、CGS34の発電能力以下の値に設定されていると好ましい。一定時間A1は受電下限電力の関数として変更するようにしてもよい。例えば、受電下限電力が低い(例えば0kW)場合は一定時間A1を相対的に短く設定し、受電下限電力が高い(例えば0kWより大きい)場合は一定時間A1を相対的に長く設定してもよい。同様に、一定時間A2は復帰電力の関数として変更するようにしてもよい。例えば、復帰電力が高い場合は一定時間A2を相対的に短く設定し、復帰電力が低い場合は一定時間A2を相対的に長く設定するようにしてもよい。
[ソフトウェア構成]
図8を参照して、負荷電力及び設備の稼働情報を監視(デマンドを監視)し、デマンド制御モードへの移行指示又は移行前の制御モードへの復帰指示を行なうために、設備監視制御装置300で実行されるコンピュータプログラムの制御構造について説明する。このプログラムは、ユーザの操作に応じて開始する。
このプログラムは、予測デマンドを算出するとともに、算出した予測デマンドに基づく調整電力が所定値以上であるか否かを判定し、調整電力が所定値以上となるまで当該処理を繰返すステップS1000と、ステップS1000において、調整電力が所定値以上であると判定された場合に実行され、デマンド警報の出力及びデマンド制御モードへの移行指示を行なうステップS1010と、ステップS1010の後に実行され、次のデマンド時限が開始されるまで待機するステップS1020と、次のデマンド時限が開始された場合に実行され、移行前の制御モードに復帰させるための復帰指示を行ない、制御をステップS1000に戻すステップS1030とを含む。
図9を参照して、負荷電力及び設備の稼働情報を監視(受電電力を監視)し、デマンド制御モードへの移行指示又は移行前の制御モードへの復帰指示を行なうために、設備監視制御装置300で実行されるコンピュータプログラムの制御構造について説明する。このプログラムは、ユーザの操作に応じて開始し、図8に示されるデマンド監視処理と並行して実行される。
このプログラムは、受電電力が受電下限電力を下回るまで待機するステップS1100と、受電電力が受電下限電力を下回った場合に実行され、その状態で一定時間が経過したか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップS1110と、ステップS1110において、受電電力が受電下限電力を下回った状態で一定時間が経過していないと判定された場合に実行され、受電電力が受電下限電力を下回るまで待機するステップS1112と、ステップS1110において、受電電力が受電下限電力を下回った状態で一定時間が経過したと判定された場合に実行され、余剰電力有効活用モードへの移行指示を行なうステップS1120とを含む。
このプログラムはさらに、ステップS1120の後に実行され、受電電力が復帰電力を上回るまで待機するステップS1130と、受電電力が復帰電力を上回った場合に実行され、その状態で一定時間が経過したか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップS1140と、ステップS1140において、受電電力が復帰電力を上回った状態で一定時間が経過していないと判定された場合に実行され、受電電力が復帰電力を上回るまで待機するステップS1142と、ステップS1140において、受電電力が復帰電力を上回った状態で一定時間が経過したと判定された場合に実行され、移行前の制御モードに復帰させるための復帰指示を行ない、制御をステップS1100に戻すステップS1150とを含む。
図10を参照して、4つの制御モードを切替えるために、設備監視制御装置300で実行されるコンピュータプログラムの制御構造について説明する。このプログラムは、ユーザの操作に応じて開始し、図8に示されるデマンド監視処理及び図9に示される受電電力監視処理と並行して実行される。
このプログラムは、最適運用制御モードに制御モードを設定するステップS1200と、ステップS1200の後に実行され、ユーザによって制御モードの切替操作がされたか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップS1210と、ステップS1210において、ATS制御への切替操作がされたと判定された場合に実行され、制御モードをATS制御モードに切替え、制御をステップS1210に戻すステップS1220とを含む。ステップS1210において、最適運用制御への切替操作がされたと判定された場合は、制御はステップS1200に戻る。
このプログラムはさらに、ステップS1210において、制御モードの切替操作がされていないと判定された場合に実行され、ステップS1010(図8参照)におけるデマンド制御モードへの移行指示、又はステップS1120(図9参照)における余剰電力有効活用モードへの移行指示がされたか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップS1230とを含む。ステップS1230において、いずれの移行指示もされていないと判定された場合は、制御はステップS1210に戻る。
このプログラムはさらに、ステップS1230において、デマンド制御モードへの移行指示(ステップS1010)がされたと判定された場合に実行され、制御モードをデマンド制御モードに切替えるステップS1240と、ステップS1240の後に実行され、ステップS1030(図8参照)の復帰指示がされるまで待機するステップS1250と、ステップS1230において、余剰電力有効活用制御モードへの移行指示(ステップS1120)がされたと判定された場合に実行され、制御モードを余剰電力有効活用制御モードに切替えるステップS1260と、ステップS1260の後に実行され、ステップS1150(図9参照)の復帰指示がされるまで待機するステップS1270と、ステップS1250又はステップS1270において、復帰指示がされたと判定された場合に実行され、直前の制御モードが最適運用制御モードかATS制御モードかを判定するステップS1280とを含む。
ステップS1280において、直前の制御モードが最適運用制御モードであると判定された場合は、制御はステップS1200に戻り、直前の制御モードがATS制御モードであると判定された場合は、制御はステップS1220に戻る。ステップS1200、ステップS1220、ステップS1240、及びステップS1260では、それぞれ、制御モードを切替えるための処理とともに、後述する、各制御モードによる制御を行なうプロセスに対して割込が発行される。
図11を参照して、設定された制御モードによる制御を行なうために、設備監視制御装置300で実行されるコンピュータプログラムの制御構造について説明する。このプログラムは、ユーザの操作に応じて開始し、図8に示されるデマンド監視処理、図9に示される受電電力監視処理、及び図10に示される制御モード切替処理と並行して実行される。
このプログラムは、設定されている制御モードに応じて制御の流れを分岐させるステップS1300と、ステップS1300において、最適運用制御が設定されていると判定された場合に実行され、割込があるまで最適運用制御モードによる制御指令を行ない、割込があると割込処理を行なった後に制御をステップS1300に戻すステップS1310と、ステップS1300において、ATS制御が設定されていると判定された場合に実行され、割込があるまでATS制御モードによる制御指令を行ない、割込があると割込処理を行なった後に制御をステップS1300に戻すステップS1320と、ステップS1300において、デマンド制御が設定されていると判定された場合に実行され、割込があるまでデマンド制御モードによる制御指令を行ない、割込があると割込処理を行なった後に制御をステップS1300に戻すステップS1330と、ステップS1300において、余剰電力有効活用制御が設定されていると判定された場合に実行され、割込があるまで余剰電力有効活用制御モードによる制御指令を行ない、割込があると割込処理を行なった後に制御をステップS1300に戻すステップS1340とを含む。
[動作]
本実施の形態に係るエネルギーマネジメントシステム100は以下のように動作する。
図3を参照して、最適運用演算部210は、気象予測情報、過去の負荷需要実績等の予測情報をもとに太陽光発電量及び負荷需要を予測し、分散型電源30を最適に運用するための最適運用計画を立案する。
制御演算部350は、制御モードを最適運用制御モードに設定する(図10のステップS1200)。制御演算部350は、負荷電力情報取得部330が取得した負荷電力情報、及び設備稼働情報に基づいて、電力デマンド及び受電電力をリアルタイムに監視している。受電電力が不足することなく(図8のステップS1000においてNO)、過剰でもない(図9のステップS1100においてNO)と制御演算部350が判定し、かつ、設備のメンテナンス日等がカレンダーに登録されていない場合は、制御演算部350は、最適運用制御モードによる運用を実行する(図11のステップS1310)。具体的には、制御演算部350は、最適運用演算部210から送信された最適運用計画に基づいて、エネルギーコストが最小となるように分散型電源30を制御する。
設備のメンテナンス日等が予めカレンダーに登録されている場合、その日はATS制御モードに切替えられる(図10のステップS1210においてYES、かつステップS1220)。ATS制御モードに切替られると、制御演算部350は、ATS制御モードによる運用を実行する(図11のステップS1320)。具体的には、制御演算部350は、予め設定された自動制御スケジュールに基づいて分散型電源30又は電力負荷40を制御する。ATS制御モードから最適運用制御モードへの切替指示があると(図10のステップS1210においてYES)、制御演算部350は、制御モードを最適演算制御モードに切替える(かつステップS1200)。
図8を参照して、例えば負荷需要の急激な変動等によって予測デマンドが目標デマンドを上回り、調整電力が所定値以上になると(ステップS1000においてYES)、制御演算部350は、制御モードをデマンド制御モードに切替える(ステップS1010、図10のステップS1230においてYES、かつステップS1240)。デマンド制御モードに切替られると、制御演算部350は、デマンド制御モードによる運用を実行する(図11のステップS1330)。具体的には、制御演算部350は、デマンドを低減するよう分散型電源30等を制御する。図6(B)を参照して、デマンド制御モードでは、デマンド(二点鎖線c参照)が目標デマンドを下回るように、蓄電装置38の放電又はCGS34の稼働等が行なわれる。
再び図8を参照して、現在のデマンド時限が終了し、次のデマンド時限になると(ステップS1020においてYES)、制御演算部350は、デマンド制御モードを終了して、直前の制御モードによる運用に復帰させる(ステップS1030、図10のステップS1250においてYES)。例えば、デマンド制御モードに移行する前の制御モードが最適運用制御モードであった場合、次のデマンド時限が開始すると、最適運用制御モードに復帰する。
図9を参照して、電力負荷40に対して供給電力が過剰になり、受電電力が受電下限電力を下回り(ステップS1100においてYES)、その状態で一定時間が経過すると(ステップS1110においてYES)、制御演算部350は、制御モードを余剰電力有効活用制御モードに切替える(ステップS1120、図10のステップS1230においてYES、かつステップS1260)。余剰電力有効活用制御モードに切替られると、制御演算部350は、余剰電力有効活用制御モードによる運用を実行する(図11のステップS1340)。具体的には、制御演算部350は、デマンドを低減するよう分散型電源30等を制御する。この制御によって、受電電力が復帰電力を上回り(ステップS1130においてYES)、その状態で一定時間が経過すると(ステップS1140においてYES)、制御演算部350は、余剰電力有効活用制御モードを終了して、直前の制御モードによる運用に復帰させる(ステップS1150、図10のステップS1270においてYES)。
図12を参照して、本エネルギーマネジメントシステム100による平日出勤日の運用事例について説明する。この事例では、電力系統12からの受電電力をベースとして最適運用制御モードによる最適運用計画が立案されている。ただし、分散型電源30でベース運転を行なった場合も同様の動作となる。
エネルギーマネジメントシステム100は、基本的には最適運用制御モードによる運用を行なっている。8時30分頃から負荷電力が最適運用計画に比べて急増し、時刻T1のタイミングで、最適運用制御モードからデマンド制御モードに切替わっている。ここでは、蓄電装置38の放電、及びCGS34の稼働によってピークカットが行なわれている。
12時になって昼休みに入ると、負荷電力の低減と、太陽光発電システム32による発電電力の急増とにより、受電電力が最適運用計画よりも早く下限電力を下回ったため、時刻T2のタイミングで、最適運用制御モードから余剰電力有効活用制御モードに切替わっている。余剰電力有効活用制御モードに切替わることによって、蓄電装置38の充電と、CGS34の出力抑制が行なわれている。さらに19時30分頃から、負荷電力の急増によって受電電力が最適運用計画よりも早く下限電力を下回ったため、時刻T3のタイミングで、再び、最適運用制御モードから余剰電力有効活用制御モードに切替わっている。ここでも、蓄電装置38の充電と、CGS34の出力抑制が行なわれている。
このように、本エネルギーマネジメントシステム100は、基本的には、最適運用計画に基づく運用を行ない、太陽光発電量、負荷需要の急激な変動等によって計画を逸脱する場合には、このような状況変化にリアルタイムに追従しながら制御指令値を補正する。
[本実施の形態の効果]
以上の説明から明らかなように、本実施の形態に係るエネルギーマネジメントシステム100を利用することにより、以下に述べる効果を奏する。
エネルギーマネジメントシステム100は、負荷電力及び設備の稼働情報を監視し、状況に応じて、4つの制御モードを切替える。エネルギーマネジメントシステム100は、通常は、エネルギーコストが最小となる最適運用制御モードで運用し、受電電力がデマンドを超えそうな場合、自動でデマンド制御モードに切替えて受電電力が目標デマンドを超えないように制御する。一方、受電電力が受電下限電力を下回った場合は、エネルギーマネジメントシステム100は、自動で余剰電力有効活用制御モードに切替えて蓄電装置38への充電指令等を行なう。さらに、設備のメンテナンス日等をカレンダーに登録しておけば、その日は、ATS制御モードによって、予め設定された自動制御スケジュールで分散型電源30等を制御することができる。このように、エネルギーマネジメントシステム100は、現在の電力状態に応じた制御モードに適切に切替えることができるので、突発的な状況変化に対しても、適切な制御を自動で行なうことができる。
さらに、制御演算部350は、現在のデマンド時限における予測デマンドと目標デマンド(例えば、契約値)との差が所定値以上となったことに応答して、最適運用制御モード又はATS制御モードからデマンド制御モードに切替える。デマンド制御モードによる運用実行時に現在のデマンド時限が終了すると、制御演算部350は、直前の制御モードによる運用に復帰させる。こうした構成により、デマンド制御モードへの切替えを効率よく行なうことができるので、突発的に電力需要が増加した場合でも、このような状況変化にリアルタイムに対応できる。したがって、電力デマンドが契約電力を超過するのを容易に抑制できる。
制御演算部350は、電力系統12からの受電電力が受電下限電力を下回った状態で一定時間が経過したことに応答して、最適運用制御モード又はATS制御モードから余剰電力有効活用制御モードに切替える。余剰電力有効活用制御モードによる運用実行時において、受電電力が復帰電力を上回った状態で一定時間が経過すると、制御演算部350は、直前の制御モードによる運用に復帰させる。これにより、余剰電力有効活用制御モードへの切替えを効率よく行なうことができるので、電力負荷40に対して供給電力が過剰となった場合に、余剰電力を有効に活用できる。したがって、分散型電源30に対する制御をさらに適切に行なうことができる。
(変形例)
上記実施の形態では、エネルギーマネジメントシステムと系に含まれる各設備とをネットワーク回線を介して通信可能に接続する例について示したが、本発明はそのような実施の形態には限定されない。エネルギーマネジメントシステムと各設備との接続は、ネットワーク回線以外の通信回線で接続するようにしてもよい。同様に、エネルギーマネジメントシステムを構成する最適運用演算装置及び設備監視制御装置についても、ネットワーク回線以外の通信回線で接続するようにしてもよい。
上記実施の形態では、最適運用演算装置及び設備監視制御装置の2台のコンピュータ端末でエネルギーマネジメントシステムを構成する例について示したが、本発明はそのような実施の形態には限定されない。エネルギーマネジメントシステムを構成するコンピュータ端末は1台であってもよいし、3台以上であってもよい。
上記実施の形態では、分散型電源に太陽光発電システムを含む例について示したが、分散型電源は、太陽光発電システムに代えて、又は太陽光発電システムとともに、太陽光以外の自然エネルギーを電気エネルギーに変換する発電設備を含むように構成してもよい。例えば、分散型電源は風力発電システムを含む構成であってもよい。
上記実施の形態では、予測デマンドと目標デマンドとの差(調整電力)が所定値以上となったことに応答して、デマンド制御モードに移行する例について示したが、本発明はそのような実施の形態には限定されない。例えば、予測デマンドと目標デマンドとの差(調整電力)が所定値以上となり、かつ、その状態で一定時間が経過したことに応答して、デマンド制御モードに移行するように構成してもよい。
今回開示された実施の形態は単に例示であって、本発明が上記した実施の形態のみに限定されるわけではない。本発明の範囲は、発明の詳細な説明の記載を参酌した上で、特許請求の範囲の各請求項によって示され、そこに記載された文言と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含む。
10 エネルギー系、系
12 電力系統
20 受変電システム
30 分散型電源
32 太陽光発電システム
34 CGS
36 発電設備
38 蓄電装置
40 電力負荷
50 ネットワーク回線
100 エネルギーマネジメントシステム
200 最適運用演算装置
210 最適運用演算部
212 発電予測部
214 需要予測部
216 計画演算部
300 設備監視制御装置
330 負荷電力情報取得部
340 スケジュール入力部
350 制御演算部
400 設備制御部

Claims (5)

  1. 分散型電源及び電力負荷を含み、電力系統に接続される系の電力需給を管理するエネルギーマネジメントシステムであって、
    運用計画に基づいて前記分散型電源を制御する計画制御モードによる運用を実行するための計画制御モード実行手段と、
    前記電力系統からの受電電力に関して、前記電力負荷の電力消費に関するデマンドを監視するためのデマンド監視手段と、
    デマンドを計測するための一定時間毎の区切りであるデマンド時限において、現時点のデマンドを含む所定時間のデマンド実測値に基づいて、現在のデマンド時限における当該デマンド時限終了時の予測デマンドをリアルタイムに算出し、算出した予測デマンド予め設定された目標値を超え、かつ、前記予測デマンドと前記目標値との差がプラスの所定値以上となったことに応答して、前記計画制御モードから、デマンドを低減するよう前記分散型電源を制御するデマンド制御モードに切替えるためのデマンド制御モード切替手段と、
    前記デマンド制御モードに切替えられたことに応答して、当該デマンド制御モードによる運用を実行するためのデマンド制御モード実行手段と、
    前記デマンド制御モードによる運用実行時に現在のデマンド時限が終了したことに応答して、前記計画制御モードによる運用に復帰させるための復帰手段とを含む、エネルギーマネジメントシステム。
  2. 前記エネルギーマネジメントシステムはさらに、
    前記電力系統からの受電電力を監視し、受電電力が予め設定された下限電力を下回った状態で一定時間が経過したことに応答して、前記計画制御モードから、受電電力が前記下限電力以上となるよう前記分散型電源を制御して電力を有効に活用する電力有効活用制御モードに切替えるための電力有効活用制御モード切替手段と、
    前記電力有効活用制御モードに切替えられたことに応答して、当該電力有効活用制御モードによる運用を実行するための電力有効活用制御モード実行手段と、
    前記電力有効活用制御モードによる運用実行時において、前記下限電力以上に予め設定された復帰電力を受電電力が上回った状態で一定時間が経過したことに応答して、前記計画制御モードによる運用に復帰させるための手段とを含む、請求項1に記載のエネルギーマネジメントシステム。
  3. 前記分散型電源は、熱源より電力と熱を生産し供給する熱電併給装置、及び電力を充放電可能な蓄電装置を含み、
    前記電力有効活用制御モード実行手段は、前記電力有効活用制御モードによる制御として、予め設定された優先度に応じて、前記蓄電装置の充電制御、及び前記熱電併給装置の発電抑制制御の少なくとも一方を実行する、請求項2に記載のエネルギーマネジメントシステム。
  4. 前記分散型電源は、熱源より電力と熱を生産し供給する熱電併給装置、及び電力を充放電可能な蓄電装置を含み、
    前記デマンド制御モード実行手段は、前記デマンド制御モードによる制御として、予め設定された優先度に応じて、前記蓄電装置の放電制御、及び前記熱電併給装置の発電制御の少なくとも一方を実行する、請求項1~請求項3のいずれかに記載のエネルギーマネジメントシステム。
  5. 前記エネルギーマネジメントシステムはさらに、前記所定値を前記分散型電源の発電能力以下の値に設定するための設定手段を含む、請求項1~請求項4のいずれかに記載のエネルギーマネジメントシステム。
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