以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。以下に説明する実施形態は、ユーザにより用いられる端末装置がコンテンツを表示する際において、取引対象の広告を配信するための広告システムに本発明を適用した場合の実施形態である。
取引対象は、商品及びサービスの少なくとも何れか一方である。広告の対象とされる取引対象は、取引システムを通じて取引可能である。各取引システムは、それぞれ取引によって取引対象を提供するためのシステムである。各取引システムは、通常複数の取引対象を取り扱っている。取引システムの例として、オンラインショッピング、オンラインショッピングモール、フリーマーケットシステム、電子書籍の販売システム、ホテル予約システム、美容サロン予約システム、ゴルフ場予約システム、出前予約システム等が挙げられる。取引対象の取引の例として、商品の注文若しくは購入、サービスの購入若しくは予約等が挙げられる。取引システムを通じて取引対象を取引するとは、取引システムでユーザが直接取引対象を取引することであってもよいし、ユーザは取引システムでは取引対象の資料請求やアポイントメントの予約等が可能であって、後日電子メール、電話、郵便、話し合い又はその他の方法によって取引対象を取引することであってもよい。
コンテンツを配信する主体を、パブリッシャーという。パブリッシャーは、例えば企業又はその他の団体であってもよし、個人であってもよい。パブリッシャーは、コンテンツの配信を通じて広告収入を得る。一のパブリッシャーにより配信されるコンテンツの集合を、メディアという。メディアは、ウェブページの集合であるウェブサイトに相当する。メディアの種類の例として、ニュース、ブログ、情報検索、ソーシャルネットワーキングサービス、口コミ、インターネット百科事典、動画配信プラットフォーム、その他ある種のトピックに関するサイト等が挙げられる。
ユーザは、端末装置が実行可能なアプリケーションを利用することにより、コンテンツを表示したり、取引システムを利用したりすることができる。コンテンツを表示するためにユーザが利用するアプリケーションは、メディアごとに異なってもよい。また、取引対象を利用するためにユーザが利用するアプリケーションも、取引システムごとに異なってもよい。これらのアプリケーションは、様々なウェブサイトの表示が可能なウェブブラウザとは異なる専用のアプリケーションである。
[1.広告システムの構成]
先ず、本実施形態に係る広告システムSの構成及び機能概要について、図1を用いて説明する。図1は、本実施形態に係る広告システムSの概要構成の一例を示す図である。
図1に示すように、広告システムSは、広告配信サーバ1と、1又は複数のコンテンツ配信サーバ2と、複数の取引システム3と、複数のユーザ端末4と、を備える。広告配信サーバ1と各コンテンツ配信サーバ2と各取引システム3と各ユーザ端末4とは、ネットワークNWを介して互いに接続される。ネットワークNWは、例えばインターネット、専用通信回線(例えば、CATV(Community Antenna Television)回線)、移動体通信網(基地局等を含む)、及びゲートウェイ等により構築されている。
広告配信サーバ1は、ネットワークNWを介して各ユーザ端末4に広告を配信するサーバ装置である。特に、広告配信サーバ1は、ユーザ端末4がメディア専用のアプリケーションでコンテンツを表示しているとき、そのアプリケーションに広告を表示させる。ユーザにより広告が選択されることに基づいて、その広告の対象である取引対象についてコンバージョン又はエンゲージメントが成立すると、広告配信サーバ1は、広告が表示されたメディアのパブリッシャーに対して、その報酬として広告料を付与するための処理を実行する。
コンテンツ配信サーバ2は、ネットワークNWを介してコンテンツを配信するサーバ装置である。コンテンツ配信サーバ2は、メディアごとに設置されてもよい。コンテンツ配信サーバ2には、配信可能な各コンテンツが記憶される。コンテンツは、テキスト、静止画又は動画であってもよいし、これらの情報のうち少なくとも2種類の情報を含んでもよい。コンテンツは、メディア専用アプリケーションで表示可能なウェブページであってもよい。コンテンツの内容、構造若しくはレイアウトは、例えばHTML(HyperText Markup Language)等の言語で定義されてもよい。コンテンツ配信サーバ2に記憶されるコンテンツのうち少なくとも一のコンテンツには、広告枠が関連付けられている。広告枠は、広告が表示されるスペース又は広告が表示される機会を示してもよい。例えば、コンテンツ自体に広告枠が設定され、その広告枠に広告が表示されてもよい。或いは、表示されたコンテンツに対してユーが何らかの操作を行ったときに、関連付けられた広告枠に対して広告がポップアップ表示されてもよい。各広告枠には、広告枠IDが付与されてもよい。広告枠IDは、対応する広告枠を識別する識別情報である。
各取引システム3は、取引対象を取引するためのサービスを提供するための処理を行う一又は複数のサーバ装置である。各取引システム3は、取引対象DB(データベース)31を備える。取引対象DB31には、対応する取引システム3で取り扱われる各取引対象に関する取引対象情報が記憶される。例えば、取引対象DB31には、取引対象情報として、取引対象ID、取引対象の名称、取引対象に関する画像や説明、価格若しくは料金、その他取引対象の属性が記憶されてもよい。取引対象IDは、取引対象を識別するための識別情報である。取引システム3は、取引対象の取引のためのコンテンツを、ユーザ端末4へ送信する。コンテンツは、取引システム3専用のアプリケーションで表示可能なウェブページであってもよい。コンテンツの例として、トップページ、検索結果ページ、取引対象ページ等が挙げられる。トップページにおいて、ユーザは、検索条件を入力して、取引対象の検索を要求することができる。検索条件の例として、キーワード、取引対象のカテゴリ、価格若しくは料金、その他取引対象の属性が挙げられる。検索結果ページは、取引対象の検索結果が表示される。検索結果ページで何れかの取引対象が選択されると、その取引対象について、取引対象ページが表示される。取引対象ページは、対応する取引対象の詳細な情報を含む。取引対象ページにおいて、ユーザは、取引対象の取引に繋がる操作を行うことができる。取引に繋がる操作の例として、取引対象の購入若しくは注文、取引対象を買い物かごに入れる、取引対象の予約、資料の請求、アポイントメントの予約等が挙げられる。これらの操作を通じて、最終的にコンバージョンやエンゲージメントが成立する。
各取引システム3は、取引対象を検索するためのAPIを提供する。このAPIは、前述したように、専用のアプリケーションを用いた取引対象の検索機能と同等の機能を提供してもよいし、異なる検索機能を提供してもよい。広告配信サーバ1は、各取引システム3のAPIを利用して、広告を表示する対象となる取引対象として、コンテンツを閲覧するユーザ向けの取引対象に関する情報を取得する。API呼び出しにより、広告配信サーバ1は、そのAPIを提供する取引システム3へ、広告対象情報要求を送信する。広告対象情報要求を受信した取引システム3は、条件に合致する1又は複数の取引対象を検索して、それら取引対象に関する情報である広告対象情報を広告配信サーバ1へ送信する。広告配信サーバ1は、各取引システム3から受信した広告対象情報に基づいて、ユーザ端末4へ広告を送信する。
ここで、全取引システム3を呼び出すと、処理効率が低下する。例えば、全取引システム3が検索処理を実行する。これらの取引システム3の中には、ユーザが望む取引対象を取り扱っていない取引システム3が存在する可能性がある。また、ユーザが望まない取引システム3で取り扱われる取引対象の広告が表示される可能性もある。そこで、広告配信サーバ1は、複数の取引システム3の中から、コンテンツを閲覧するユーザ向けの取引システム3を決定する。そして、広告配信サーバ1は、決定された取引システム3のみを呼び出す。
各ユーザ端末4は、コンテンツ配信サーバ2から配信されるコンテンツを閲覧するユーザにより利用される端末装置である。ユーザ端末4の例として、スマートフォン、タブレット式コンピュータ等の携帯情報端末、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)等が挙げられる。各ユーザ端末4は、少なくとも一のメディアについて、そのメディア専用のアプリケーションを記憶可能である。メディア専用アプリケーションには、広告配信サーバ1を管理する広告配信事業者から提供されるSDK(software development kit)(またはAPI、ライブラリ等)が組み込まれている。これにより、後述するように、ユーザ端末4は、表示されているコンテンツやユーザに関する情報を取得して広告配信サーバ1へ送信したり、広告を表示したりする。ユーザ端末4は、メディア専用アプリケーションに従って、そのメディアのコンテンツを表示する。また、各ユーザ端末4は、少なくとも一の取引システム3について、その取引システム3専用のアプリケーションを記憶可能である。各アプリケーションは、例えば所定のアプリケーション配信プラットフォームからダウンロードされてもよいし、各コンテンツ配信サーバ2及び各取引システム3からそれぞれダウンロードされてもよい。メディア専用アプリケーションにおいて表示された広告をユーザが選択すると、ユーザ端末4は、その広告の対象である取引対象に対応する取引システム3専用のアプリケーションをアクティブにする。アプリケーションをアクティブにするとは、アプリケーションを起動することであったり、隠されていたアプリケーションの画面を最前面に表示させることであったりする。そして、ユーザ端末4は、アクティブにしたアプリケーションに、広告の対象である取引対象についての取引対象ページを表示する。その後、ユーザ端末4は、前述したように、その取引対象の取引に繋がる操作を行うことができる。
[2.広告配信サーバの構成]
次に、広告配信サーバ1の構成について、図2及び図3を用いて説明する。図2は、本実施形態に係る広告配信サーバ1の概要構成の一例を示すブロック図である。図2に示すように、広告配信サーバ1は、システム制御部11と、システムバス12と、入出力インタフェース13と、記憶部14と、通信部15と、を備えている。システム制御部11と入出力インタフェース13とは、システムバス12を介して接続されている。
システム制御部11は、CPU(Central Processing Unit)11a、ROM(Read Only Memory)11b、RAM(Random Access Memory)11c等により構成されている。
入出力インタフェース13は、記憶部14及び通信部15とシステム制御部11との間のインタフェース処理を行う。
記憶部14は、例えば、ハードディスクドライブ等により構成されている。この記憶部14には、広告枠DB14a、取引システムDB14b、広告選択履歴DB14c、報酬DB14d等のデータベースが記憶されている。
図3は、データベースに記憶される内容の例を示す図である。広告枠DB14aには、メディアと広告枠との関連付けを示す情報が記憶されている。例えば、広告枠DB14aには、設定された広告枠ごとに、メディアID及び広告枠IDが互いに関連付けて記憶されてもよい。メディアIDは、広告枠IDにより示される広告枠が設定されたコンテンツのメディアを識別する識別情報である。広告枠IDは、広告枠を識別するための識別情報である。或いは、広告枠DB14aには、メディアごとに、メディアIDと、広告枠IDの範囲を示す範囲情報と、が関連付けて記憶されてもよい。
取引システムDB14bには、各取引システム3に関する取引システム情報が記憶される。例えば、取引システムDB14bには、取引システム情報として、システムID、API-URL等が、互いに関連付けて記憶されてもよい。システムIDは、取引システム3を識別する識別情報である。API-URLは、システムIDにより示される取引システム3が備える検索機能のAPIの呼び出し先を示すURL(Uniform Resource Locator)である。
広告選択履歴DB14cには、ユーザによる広告の選択のログが、広告が選択されるごとに記憶される。例えば、広告選択履歴DB14cには、広告選択ログとして、トラッキングID、選択日時、メディアID、広告枠ID、システムID、取引対象ID等が、互いに関連付けて記憶される。トラッキングIDは、広告の選択に対して付与される識別情報である。選択日時は、広告が選択された日時である。メディアIDは、選択された広告を表示したアプリケーションが、如何なるメディアのアプリケーションであるかを示す。広告枠IDは、選択された広告が表示された広告枠を示す。システムIDは、如何なる取引システム3の取引対象の広告が選択されたかを示す。取引対象IDは、如何なる取引対象の広告が選択されたかを示す。
報酬DB14dには、広告料としてパブリッシャーに付与される報酬を示す報酬情報が、コンバージョン又はエンゲージメントの成立ごとに記憶される。例えば、報酬DB14dには、報酬情報として、報酬ID、報酬確定日時、メディアID、広告枠ID、システムID、取引対象ID、報酬額等が、互いに関連付けて記憶される。報酬IDは、コンバージョン又はエンゲージメントを識別するための識別情報である。報酬確定日時は、コンバージョン又はエンゲージメントが成立した日時である。メディアIDは、選択された広告を表示したアプリケーションが、如何なるメディアのアプリケーションであるかを示す。広告枠IDは、選択された広告が表示された広告枠を示す。システムIDは、コンバージョン又はエンゲージメントを成立させた取引システム3を示す。取引対象IDは、コンバージョン又はエンゲージメントが成立した取引対象を示す。
記憶部14には、更に、オペレーティングシステム、DBMS(Database Management System)、広告配信サーバプログラム等の各種プログラムが記憶されている。広告配信サーバプログラムは、コンテンツの配信に関する各種処理をシステム制御部11に実行させるプログラムである。広告配信サーバプログラムは、例えば、他の装置からインターネットNWを介して取得されるようにしてもよいし、磁気テープ、光ディスク、メモリカード等の記録媒体に記録されてドライブ装置を介して読み込まれるようにしてもよい。
通信部15は、例えばネットワークインタフェースカード等により構成されている。通信部15は、ネットワークNWを介して、コンテンツ配信サーバ2、取引システム3、ユーザ端末4等と接続し、これらの装置との通信状態を制御する。
[3.システム制御部の機能概要]
次に、図4乃至図6を用いて、各装置におけるシステム制御部の機能概要について説明する。図4は、広告配信サーバ1のシステム制御部11の機能ブロックの一例を示す図である。広告配信サーバ1のシステム制御部11は、CPU11aが、広告配信サーバプログラムに含まれる各種プログラムコードを読み出し実行することにより、図4に示すように、取引システム決定部111、選択要素表示制御部112、広告対象情報要求部113、広告対象情報受信部114、広告送信部115及び報酬付与部116等として機能する。
取引システム決定部111は、広告枠に関連付けられたコンテンツがユーザ端末4により表示されるとき、複数のシステム3の中から、そのユーザ端末4のユーザ向けの取引システム3を決定する。後述するように、ユーザ向けの取引システム3のAPIが呼び出されることになる(その取引システム3へ広告対象情報要求が送信される)。ユーザ向けの取引システム3とは、例えばユーザに適した取引システム3であてもよいし、ユーザが利用したい蓋然性がある取引システム3であってもよいし、ユーザが興味を有する蓋然性がある取引対象を取り扱う取引システム3であってもよい。取引システム決定部111は、ユーザ向けの取引システム3として、一の取引システム3を決定してもよいし、二以上の取引システム3を決定してもよい。場合によっては、結果的に全取引システム3が、ユーザ向けの取引システム3として決定されてもよい。総合的に見て、呼び出し先の取引システム3の数が削減されればよい。
例えば、取引システム決定部111は、複数のシステム3のうち、ユーザにより選択された取引システム3を、ユーザ向けの取引システム3に決定してもよい。そのため、選択要素表示制御部112は、複数の取引システム3又は複数の取引システム3のうち二以上の取引システム3それぞれに対応する複数の選択要素を、コンテンツに関連付けてユーザ端末4に表示させる。選択要素は、画面に表示されるオブジェクトであって、ユーザにより選択可能なオブジェクトである。選択要素の例として、バナー、ボタン、リンク、プルダウンリスト等が挙げられる。本実施形態においては、バナーが表示される。広告枠に関連付けられたコンテンツには、広告枠を示す広告枠情報(例えば、タグ等)が記述されている。この情報は、広告枠IDを含む。ユーザ端末4が、メディア専用アプリケーションにてそのコンテンツを表示させるとき、そのアプリケーションに組み込まれたSDKに従って、要求を広告配信サーバ1へ送信する。これに応じて、選択要素表示制御部112は、各取引システム3に対応するバナーの画像データをユーザ端末4へ送信する。ユーザ端末4は、広告配信サーバ1から受信した画像データに基づいて、例えばコンテンツ中に各取引システム3のバナーを追加して表示する。ユーザが何れかのバナーを選択すると、ユーザ端末4は、選択されたバナーに対応する取引システム3のシステムIDを広告配信サーバ1へ送信する。取引システム決定部111は、ユーザ端末4から受信されたシステムIDにより示される取引システム3を、ユーザ向けの取引システム3に決定してもよい。
また例えば、取引システム決定部111は、表示されるコンテンツに関するコンテンツ情報及びそのコンテンツを表示するユーザ端末4のユーザに関するオーディエンス情報の少なくとも何れか一方に基づいて、そのユーザ向けの取引システム3を決定してもよい。ユーザは、そのユーザが興味を有するコンテンツを閲覧する蓋然性がある。また、ユーザに関する情報から、ユーザの興味、欲求などを特定することができる場合がある。そのため、コンテンツ情報やオーディエンス情報から、ユーザ向けの取引システム3を特定することが可能である。取引システム決定部111は、コンテンツ情報及びオーディエンス情報の少なくとも何れか一方を、ユーザ端末4から取得してもよい。例えば、前述したように、広告枠情報を含むコンテンツを表示するとき、ユーザ端末4は広告配信サーバ1へ要求を送信する。ユーザ端末4は、この要求に、コンテンツ情報又はオーディエンス情報を含めてもよい。
コンテンツ情報は、表示されるコンテンツ又はそのコンテンツに関連するメディアに関連付けられた取引システム3のリストを示す関連システム情報を含んでもよい。この関連システム情報は、例えばパブリッシャー又は広告配信事業者により予め設定されてもよい。コンテンツ又はメディアの内容に応じて、或いはパブリッシャーと広告配信事業者との契約に応じて、関連する取引システム3が決定される。例えば、コンテンツのカテゴリ又はジャンルが商品関連である場合、オンラインショッピングやオンラインショッピングモールが、そのコンテンツに関連する。また例えば、コンテンツのカテゴリ又はジャンルが旅行である場合、ホテル予約システムが、そのコンテンツに関連する。関連システム情報は、例えばコンテンツのヘッダに含まれてもよい。或いは、ユーザ端末4が、コンテンツ配信サーバ2から関連システム情報を取得して、広告配信サーバ1へ送信してもよい。或いは、ユーザ端末4が、表示するコンテンツの識別情報、そのコンテンツに関連付けられた広告枠の広告枠ID又はそのコンテンツのメディアのメディアIDを、広告配信サーバ1へ送信してもよい。取引システム決定部111は、ユーザ端末4から受信した識別情報又はメディアIDに対応する関連システム情報を取得してもよい。或いは、広告枠DB14aから、広告枠IDに関連付けられるメディアIDを取得することにより、対応する関連システム情報を取得することも可能である。取引システム決定部111は、関連システム情報により示される取引システム3を、ユーザ向けの取引システム3に決定してもよい。
コンテンツ情報は、表示されるコンテンツのキーワード及びタイトルの少なくとも何れか一方を含んでもよい。例えば、コンテンツのヘッダに、キーワードやタイトルが記述されてもよい。或いは、コンテンツ情報は、コンテンツ内のテキストであってもよい。取引システム決定部111は、ユーザ端末4から受信するキーワード、タイトル及びテキストの少なくとも何れか一つを用いて、コンテキストマッチにより、ユーザ向けの取引システム3を決定してもよい。例えば、キーワード、タイトル又はテキストに含まれる単語ごとに、その単語に相対的に関連性が高い取引システム3を定義するデータベースが、広告配信サーバ1の記憶部14に予め記憶されてもよい。取引システム決定部111は、このデータベースに基づいて、関連性が高い取引システム3を、ユーザ向けの取引システム3に決定してもよい。或いは、機械学習が用いられてもよい。例えば、ユーザが閲覧したコンテンツのキーワード、タイトル又はテキストと、そのコンテンツの閲覧後にユーザが利用した取引システム3と、を示す情報が、トレーニングデータとして取得される。トレーニングデータを用いて、キーワード、タイトル又はテキストを入力として、関連性がある取引システム3を示す情報を出力するモデルによる学習が実行される。取引システム決定部111は、学習済みのモデルを用いて、ユーザ向けの取引システム3を決定してもよい。
オーディエンス情報は、ユーザの属性を示す情報を含んでもでもよい。ユーザの属性の例として、性別、年齢、住所、職業等が挙げられる。例えば、ユーザはメディア専用アプリケーションの利用を開始するために、そのメディアのユーザ登録を行う。このとき、ユーザは、そのユーザの属性を登録する。コンテンツ配信サーバ2には、そのユーザを識別する情報であるユーザIDに関連付けて、そのユーザの属性が記憶されてもよい。この場合、ユーザ端末4が、コンテンツ配信サーバ2から、対応するユーザの属性を取得して、広告配信サーバ1へ送信してもよい。少なくとも一のメディアと、少なくとも一の取引システム3とを、同一のユーザIDでユーザが利用可能である場合、そのユーザの属性が取引システム3に記憶されていてもよい。その場合、コンテンツ配信サーバ2は、ユーザ端末4からの要求に応じて、取引システム3からユーザの属性を取得して、ユーザ端末4へ送信してもよい。ユーザの属性を用いる場合、取引システム決定部111は、例えば、機械学習を用いて、ユーザ向けの取引システム3を決定してもよい。例えば、ユーザの属性と、そのユーザによる各取引システムの利用頻度(または利用回数)とがトレーニングデータとして取得される。このトレーニングデータを用いて、ユーザの属性を入力とし、各取引システム3の利用頻度を出力するモデルの学習が実行される。取引システム決定部111は、学習済みのモデルを用いて、ユーザ向けの取引システム3を決定してもよい。この場合、利用頻度が相対的に高い取引システム3が、ユーザ向けの取引システム3に決定されてもよい。
オーディエンス情報は、ユーザの行動の履歴を含んでもよい。この行動の履歴は、ユーザによるコンテンツの閲覧の履歴であってもよい。この閲覧履歴は、コンテンツ配信サーバ2に記憶される。ユーザ端末4は、コンテンツ配信サーバ2から閲覧履歴を取得して、広告配信サーバ1へ送信してもよい。この場合、取引システム決定部111は、機械学習を用いて、ユーザ向けの取引システム3を決定してもよい。例えば、ユーザがこれまでに閲覧したコンテンツの組み合わせと、ユーザによる各取引システムの利用頻度(または利用回数)とがトレーニングデータとして取得される。このトレーニングデータを用いて、これまでに閲覧したコンテンツの組み合わせを入力とし、各取引システム3の利用頻度を出力するモデルの学習が実行される。取引システム決定部111は、学習済みのモデルを用いて、ユーザ向けの取引システム3を決定してもよい。
オーディエンス情報は、全取引システム3のうち二以上の取引システム3それぞれに対するユーザの利用頻度であってもよい。前述したことと同様に、少なくとも一のメディアと、少なくとも二以上の取引システム3とを、同一のユーザIDでユーザが利用可能である場合、そのメディアのコンテンツ配信サーバ2は、それらの取引システム3から、利用頻度を示す情報を取得可能である。ユーザ端末4は、コンテンツ配信サーバ2から利用頻度を取得して、広告配信サーバ1へ送信してもよい。取引システム決定部111は、二以上の取引システム3のうち、利用頻度が相対的に高い取引システム3を、ユーザ向けの取引システム3に決定してもよい。
取引システム決定部111は、ユーザ向けの取引システム3の決定に、複数種類のコンテンツ情報を用いてもよいし、複数種類のオーディエンス情報を用いてもよいし、コンテンツ情報とオーディエンス情報との両方を用いてもよい。
取引システム決定部111は、コンテンツ情報及びオーディエンス情報の少なくとも何れか一方を用いて、選択要素を表示させる取引システム3を決定し、ユーザによる選択要素の選択結果を用いて、ユーザ向けのコンテンツを決定してもよい。図5は、ユーザ向けの取引システム3の決定例を示す図である。図5に示すように、取引システム3として、オンラインショッピングモール3-1、出前予約システム3-2、ホテル予約システム3-3及び美容サロン予約システム3-4が存在するものとする。ページ100は、或る記事のコンテンツである。取引システム決定部111は、コンテキストマッチを用いて、ユーザ向けの取引対象3を決定するものと仮定する。ページ100のテキストは、「スノボー」、「スキー」などの単語を含む。これらの単語は、商品を示す。従って、取引システム決定部111は、バナーの表示対象として、オンラインショッピングモール3-1を決定する。ページ100のテキストは、更に「関東地方」、「スキー場」などの単語も含む。これらの単語は、旅行に関連する。従って、取引システム決定部111は、バナーの表示対象として、ホテル予約システム3-3を決定する。これらの決定に従って、選択要素表示制御部112は、バナー110-1及び110-2を、ユーザ端末4に表示させる。バナー110-1は、オンラインショッピングモール3-1に対応する。「バナー110-1」には、「ABC市場をチェック」などのメッセージが表示されている。バナー110-2は、ホテル予約システム3-3に対応する。バナー110-2には、「XYZトラベルをチェック」などのメッセージが表示されている。ユーザは、そのユーザの指120で、これらのバナーの中から、バナー110-1を選択した。従って、取引システム決定部111は、ユーザ向けの取引システム3を、オンラインショッピングモール3-1に決定する。そして、オンラインショッピングモール3-1のAPIのみが呼び出される。
広告対象情報要求部113は、取引システム決定部111により決定された取引システム3へ、ユーザ向けの取引対象を示す広告対象情報の要求を、ネットワークNWを介して送信する。このとき、広告対象情報要求部113は、取引システム決定部111により決定された取引システム3により提供されたAPIを用いて広告対象情報要求を送信してもよい。ユーザ向けの取引システム3とは、例えばユーザが興味を有する蓋然性がある取引対象又はユーザが取引したい蓋然性がある取引対象であってもよい。
ユーザ向けの取引対象を特定するため、広告対象情報要求部113は、ユーザ向けの取引対象の条件であって、表示されるコンテンツに関するコンテンツ情報及びそのユーザに関するオーディ情報の少なくとも何れか一方を含む検索条件を有する広告対象情報要求を送信してもよい。取引対象の検索条件としてのコンテンツ情報及びオーディ情報と、取引システム3を決定するためのコンテンツ情報及びオーディ情報は、同一であってもよいし、全部又は一部が異なってもよい。取引対象の検索条件としてのコンテンツ情報は、コンテンツのキーワード、タイトル又はテキストに含まれる単語であってもよい。検索条件としてのオーディエンス情報は、ユーザの属性であってもよいし、ユーザ端末4の現在位置を示す位置情報であってもよい。例えば、ユーザ端末4は、そのユーザ端末4の位置情報を取得する機能を有してもよい。例えば、GPS(Global Positioning System)等の衛星測位システムを利用して、位置情報として経緯度が計算されてもよい。この位置情報を用いることで、取引システム3によっては、ユーザの現在位置から比較的に近い場所にある店や施設などを検索可能である。広告対象情報要求部113は、広告対象情報要求部113により決定された取引システム3に応じて、パラメータ及び各パラメータのフォーマットを決定する。また、広告対象情報要求部113は、表示されるコンテンツのメディアに応じて、パラメータをカスタマイズしてもよい。
広告対象情報受信部114は、広告対象情報要求部113による広告対象情報要求の送信に応じて取引システム3により送信された広告対象情報を受信する。広告対象情報は、例えば取引対象ID、取引対象の名称、取引対象のカテゴリ、取引対象の画像、価格若しくは料金、取引対象ページのURL等を含んでもよい。取引対象ページのURLは、取引システム3におけるウェブサイトにおけるURLである。広告対象情報要求を受信すると、その取引システム3が備える取引対象DB31から、広告対象情報要求に含まれる条件に合致する取引対象の取引対象情報を検索する。取引システム3は、検索された取引対象情報から広告対象情報を取得して、広告配信サーバ1へ送信する。
広告送信部115は、広告対象情報受信部114により受信された広告対象情報に基づいて、表示されるコンテンツに関連付けられた広告枠用に、ユーザ端末4へ広告を送信する。例えば、広告送信部115は、取引対象の名称、画像、価格若しくは料金等を含む広告情報を、ユーザ端末4へ送信する。ユーザ端末4は、メディア専用アプリケーションに組み込まれたSDKに従って、広告情報に基づいて広告を表示する。広告送信部115は、一の広告のみをユーザ端末4に表示させてもよいし、複数の広告を表示させてもよい。
図6(a)乃至(d)は、ユーザ端末4の画面の遷移例を示す図である。図6(a)に示すように、画面には、ページ100の先頭部分が表示されている。ユーザがページ100をスクロールすると、図6(b)に示すように、画面内にバナー110-1及び110-2が現れる。ここで、ユーザが、オンラインショッピングモール3-1に対応するバナー110-1を選択すると、図6(c)に示すように、広告ウインドウ200がポップアップで表示されてもよい。広告ウインドウは、広告枠に相当する。広告ウインドウ200は、例えば1又は複数の広告210を含む。広告210は、取引対象の名称、画像、価格若しくは料金等を含む。例えば、広告210として、広告210-1及び210-2が表示される。広告210-1は、スキーセットの広告である。広告210-2は、スノーボードセットの広告である。広告ウインドウ200は、更にボタン220-1を含んでもよい。ボタン220-1は、オンラインショッピングモール3-1のトップページに遷移するためのボタンである。一方、図6(b)において、ユーザが、ホテル予約システム3-3に対応するバナー110-2を選択すると、図6(d)に示すように、広告ウインドウ200がポップアップで表示されてもよい。この場合の広告ウインドウ200は、広告210として、広告210-3及び210-4を含む。広告210-3は、群馬にあるホテルの広告である。広告210-4は、栃木にあるホテルの広告である。この場合の広告ウインドウ200は、更にボタン220-2を含んでもよい。ボタン220-2は、ホテル予約システム3-3のトップページに遷移するためのボタンである。
広告送信部115は、広告をユーザ端末4へ送信するとともに、ディープリンクをユーザ端末4へ送信してもよい。このディープリンクは、取引システム決定部111により決定された取引システム3を利用するためのアプリケーションにおける、ユーザ向けの取引対象に関する取引対象ページへのリンクである。このディープリンクは、送信される広告に関連付けられる。ユーザ端末4により表示された広告がユーザにより選択された場合、ユーザ端末4は、このディープリンクに従って、その取引システム3専用アプリケーションをアクティブにして、その取引対象のページを表示する。これにより、ユーザは、メディア専用アプリケーションから取引システム3専用アプリケーションへ移動するとともに、その取引システム3専用アプリケーションにおいて、広告の対象である取引対象のページに直接移動することができる。
報酬付与部116は、広告がユーザにより選択されることにより取引対象ページが表示された後、ユーザにより、広告の対象であるユーザ向けの取引対象に関して所定の操作が、取引システム3専用アプリケーションに対して入力されたことに基づいて、広告が表示されたメディア専用アプリケーションのパブリッシャーに報酬を付与する処理を実行する。所定の操作とは、例えば、ユーザにより選択された広告による広告の対象である取引対象についてのコンバージョン又はエンゲージメントを成立させるための操作である。例えば所定の操作は、購入、請求、予約又は何らかの登録を確定させる操作であってもよい。
例えば、前述したように、広告枠を示す情報を含むコンテンツを表示するとき、ユーザ端末4は広告配信サーバ1へ要求を送信する。ユーザ端末4は、この要求に、広告枠ID又はメディアIDを含めてもよい。報酬付与部116は、要求に含まれる広告枠IDに関連付けられたメディアIDを、広告枠DB14bから取得してもよい。報酬付与部116は、メディアIDから、報酬の付与先となる可能性があるパブリッシャーを特定することができる。広告送信部115は、例えばユーザにより広告が選択された場合、広告送信部115は、メディアIDを含むディープリンクを生成して、このディープリンクをユーザ端末4へ送信してもよい。ユーザ端末4は、ディープリンクに従って、取引システム3専用アプリケーションをアクティブにして、取引対象ページを表示する。このとき、取引システム3は、ディープリンクに含まれるメディアIDを記録してもよい。コンバージョン又はエンゲージメントが成立した後、取引システム3は、コンバージョン又はエンゲージメントの内容を示す成立情報を、広告配信サーバ1へ送信する。例えば、バッチで又はリアルタイムで成立情報が送信されてもよい。成立情報は、例えば、システムID、コンバージョン又はエンゲージメントが成立した取引対象の取引対象ID、記録されていたメディアID等を含んでもよい。報酬付与部116は、成立情報に基づいて、報酬額を決定する。そして、報酬付与部116は、成立情報及び報酬額等を含む報酬情報を、報酬DB14dに記憶させる。
報酬付与部116は、例えば所定長の期間(例えば1ヶ月等)が経過するごとに、その期間に報酬が確定した報酬情報を、パブリッシャーごとに抽出する。具体的に、報酬付与部116は、報酬情報に含まれるメディアIDで、パブリッシャーを特定する。報酬付与部116は、パブリッシャーごとに報酬額の合計を算出する。報酬付与部116は、金融機関の図示せぬサーバ装置にアクセスして、広告配信事業者の口座からパブリッシャーの口座への報酬の送金を要求する。この要求に応じて、そのサーバ装置を含む銀行システムが送金を実行する。
[4.広告システムの動作]
次に、広告システムSの動作について、図7及び図8を用いて説明する。図7及び図8は、本実施形態に係る広告システムSの動作の一例を示すシーケンス図である。
図7に示すように、ユーザによる操作に基づいて、ユーザ端末4は、何れかのメディア専用のアプリケーションを起動する(ステップS1)。その後、ユーザ端末4は、そのアプリケーションにおいて、広告枠に関連付けられたコンテンツを表示する(ステップS2)。ユーザ端末4は、表示されたコンテンツに含まれる広告枠情報を読み出すことに応じて、広告配信サーバ1へバナー要求を送信する(ステップS3)。バナー要求は、コンテンツ情報、オーディエンス情報及び広告枠情報の広告IDを含んでもよい。
バナー要求を受信すると、取引システム決定部111は、そのバナー要求に含まれる広告IDに関連付けられるメディアIDを、広告枠DB14aから取得する(ステップS4)。次いで、取引システム決定部111は、バナー要求に含まれるコンテンツ情報、オーディエンス情報、及び取得されたメディアIDの少なくとも何れか一つに基づいて、ユーザ向けの取引システム3を決定する(ステップS5)。次いで、選択要素表示制御部112は、決定された各取引システム3についてのバナーの画像データを、ユーザ端末4へ送信する(ステップS6)。
画像データを受信したユーザ端末4は、この画像データに基づいて、取引システム決定部111により決定された各取引システム3のバナーを、表示中のコンテンツに追加する(ステップS7)。これにより、バナーが画面に表示される。ユーザは、表示されたバナーのうち何れかのバナーを選択する(ステップS8)。これに応じて、ユーザ端末4は、選択されたバナーに対応する取引システム3のシステムIDを、広告配信サーバ1へ送信する(ステップS9)。
システムIDを受信すると、広告対象情報要求部113は、ステップS3で受信されたコンテンツ情報及びオーディエンス情報の少なくとも何れか一方に基づいて、検索条件のパラメータを決定する(ステップS10)。ここで、広告対象情報要求部113は、ステップS4で取得されたメディアIDにより示されるメディア及び受信されたシステムIDにより示される取引システム3に応じて、パラメータを決定する。次いで、広告対象情報要求部113は、ユーザにより選択されたバナーに対応する取引システム3のAPIを呼び出す(ステップS11)。具体的に、広告対象情報要求部113は、受信されたシステムIDに対応するAPI-URLを、取引システムDB14bから取得する。広告対象情報要求部113は、取得されたAPI-URLに対して、検索条件を含む広告対象情報要求を送信する(ステップS12)。
広告対象情報要求を受信した取引システム3は、この広告対象情報要求に含まれる検索条件のパラメータ合致する検索条件に合致する取引対象を、取引対象DB31から検索する(ステップS13)。次いで、取引システム3は、検索された各取引対象について、広告対象情報を広告配信サーバ1へ送信する(ステップS14)。
広告対象情報を受信すると、広告送信部115は、ステップS3で受信されたコンテンツ情報及びオーディエンス情報の少なくとも何れか一方に基づいて、広告の対象となる取引対象のフィルタリングを実行する(ステップS15)。例えば、広告対象情報が取引対象のカテゴリを含む場合、広告送信部115は、ステップS2で表示されたコンテンツのカテゴリと一致せず且つそのカテゴリとの関連性がないカテゴリの取引対象を、広告の対象から除外してもよい。また、広告送信部115は、例えば、広告対象情報を送信してきた取引システム3におけるユーザによる行動に履歴を用いてもよい。行動に履歴は、ステップS3において、ユーザ端末4からオーディエンス情報として取得可能な場合がある。行動に履歴の例として、購入履歴、予約履歴、取引対象ページの閲覧履歴等が挙げられる。広告送信部115は、例えば購入頻度、予約頻度、閲覧頻度が相対的に低いカテゴリの取引対象を、広告の対象から除外してもよい。また例えば、広告送信部115は、こうした履歴を用いた協調フィルタリングにより、広告の対象となる取引対象を選定してもよい。また、取引システム3側において、広告の対象から除外される取引対象が設定されてもよい。そして、除外される取引対象のリストが、取引システム3から広告配信サーバ1へ随時送信されてもよい。広告送信部115は、このリストに掲載されている取引対象を、広告の対象から除外してもよい。次いで、広告送信部115は、取引システムから取得された広告対象情報に含まれる取引対象ページのURLに基づいて、取引システム3専用アプリケーションにおけるその取引対象ページのディープリンクを生成する(ステップS16)。広告送信部115は、ステップS4で取得されたメディアIDを、ディープリンクに含める。次いで、広告送信部115は、フィルタリングにより除外された取引対象を除き、広告の対象となる各取引対象について、広告対象情報に基づいて広告情報を生成し、この広告情報をユーザ端末4へ送信する(ステップS17)。
広告配信サーバ1から広告情報を受信したユーザ端末4は、各広告情報に基づいて、広告を表示する(ステップS18)。例えば、ユーザ端末4は、メディア専用アプリケーションの画面において、広告ウインドウを表示する。そして、ユーザ端末4は、広告ウインドウ内に、取引対象の名称や価格等を含む広告を表示する。
次いで、図8に示すように、ユーザが、表示された広告の中から何れかの広告を選択する(ステップS21)。これに応じて、ユーザ端末4は、広告選択通知を広告配信サーバ1へ送信する(ステップS22)。広告選択通知は、例えば選択された広告により広告の対象とされた取引対象の取引対象ID及びその取引対象を取り扱う取引システムのシステムIDを含んでもよい。
広告選択通知を受信すると、報酬付与部116は、広告選択ログを記憶させる(ステップS23)。例えば、報酬付与部116は、広告選択通知に含まれるシステムID及び取引対象IDと、ステップS3でユーザ端末4から受信した広告枠IDと、ステップS4で取得されたメディアIDと、に基づいて広告選択ログを生成する。報酬付与部116は、生成された広告ログを広告選択履歴DB14cに記憶させる。次いで、広告送信部115は、ステップS16で生成されたディープリンクのうち、広告選択通知に含まれるシステムID及び取引対象IDの組み合わせに対応する取引対象の取引対象ページへのディープリンクを、ユーザ端末4へ送信する(ステップS24)。
ディープリンクを受信したユーザ端末4は、このディープリンクに従って、対応する取引システム3専用アプリケーションをアクティブにする(ステップS25)。次いで、ユーザ端末4は、ディープリンクの情報を含む取引対象ページ要求を、対応する取引システム3へ送信する(ステップS26)。取引システム3は、取引対象ページ要求に含まれるメディアIDを、取引対象ページ要求を送信してきたユーザ端末4のユーザのセッション情報に関連付けて記憶する。次いで、取引システム3は、取引対象ページ要求に対応する取引対象ページを、ユーザ端末4へ送信する(ステップS27)。ユーザ端末4は、この取引対象ページを、取引システム3専用アプリケーションの画面に表示する(ステップS28)。ユーザは、ユーザが広告を選択した取引対象の取引対象ページにおいて、コンバージョン(またはエンゲージメント)を成立させる操作を行う。或いは、一又は複数の画面の遷移後、ユーザは、ユーザが広告を選択した取引対象についてコンバージョンを成立させる操作を行う(ステップS29)。これに応じて、ユーザ端末4は、コンバージョンの成立要求を、対応する取引システム3へ送信する(ステップS30)。
成立要求を受信した取引システム3は、コンバージョン処理を実行する(ステップS31)。コンバージョン処理は、コンバージョンを成立させるための処理である。次いで、取引システム3は、成立情報を広告配信サーバ1へ送信する(ステップS32)。成立情報は、コンバージョンを成立させた取引システム3のシステムID、コンバージョンが成立した取引対象の取引対象ID、セッション情報と関連付けて記憶されたメディアID等を含んでもよい。
成立情報を受信すると、報酬付与部116は、報酬処理を実行する(ステップS33)。例えば、報酬付与部116は、成立情報を、広告選択履歴DB14cと照合して、広告の選択とコンバージョンとの間に齟齬がないかをチェックする。報酬付与部116は、齟齬がないと判定すると、報酬額を決定して、成立情報及び報酬額等を含む報酬情報を生成する。報酬付与部116は、生成された報酬情報を報酬DB14dに記憶させる。その後所定のタイミングで、報酬付与部116は、報酬DB14dに記憶された報酬情報に基づいて、銀行システムを介してパブリッシャーへ報酬を送金するための処理を実行する。このとき、報酬付与部116は、報酬情報に含まれるメディアIDに対応するパブリッシャーを、送金先に指定する。
[5.変形例]
上述の実施形態において、取引対象決定部111は、コンテンツ情報及びオーディエンス情報の少なくとも何れか一方に基づいて、バナーを表示させる取引システム3を決定し、ユーザ端末4により表示されたバナーのうち、ユーザにより選択されたバナーに対応する取引システム3を、ユーザ向けの取引システム3に決定した。しかしながら、取引対象決定部111は、コンテンツ情報及びオーディエンス情報の何れも用いずに、全取引システムについてのバナーをユーザ端末4により表示させてもよい。そして、取引対象決定部111は、表示されたバナーのうち、ユーザにより選択されたバナーに対応する取引システム3を、ユーザ向けの取引システム3に決定してもよい。この場合、図7において、ステップS5は不要であり、ステップS6において、全取引システム3のバナー情報が送信される。
或いは、取引対象決定部111は、取引システム3を選択するためのバナーを表示させることなく、コンテンツ情報及びオーディエンス情報の少なくとも何れか一方に基づいて、ユーザ向けの取引システム3を決定してもよい。ここで、ユーザによる操作に応じて、広告が表示されてもよい。図9(a)及び図9(b)は、ユーザ端末4の画面の遷移例を示す図である。ユーザ端末4は、広告枠に関連付けられたページ100を表示するとき、図9(a)に示すように、ページ100内にバナー130を表示してもよい。バナー130は、広告を表示させるために選択可能な要素である。バナー130には、「お得なサービスをチェック」などのメッセージが表示されている。ユーザがバナー130を選択すると、図9(b)に示すように、広告ウインドウ300がポップで表示される。広告ウインドウ300は、広告210として、広告210-1~210-4を含んでもよい。広告ウインドウ300は、更にボタン220-1及び220-2を含んでもよい。この例の場合、図7において、ステップS2の後、ユーザがバナー130を選択すると、ユーザ端末4は、ステップS3において、バナー要求に含まれる情報と同じ情報を含む広告要求を広告配信サーバ1へ送信してもよい。ステップS4及びS5後、ステップS6~S9は省略される。ステップS5で決定された各取引システム3について、ステップS10~S14が実行される。その後ステップS15~17を経て、S18で、広告ウインドウに広告が表示される。
取引システム3を選択するためのバナーを表示させない別の例として、コンテンツ内に直接広告が表示されてもよい。図10は、ユーザ端末4の画面の表示例を示す図である。例えば、ユーザ端末4がページ100を表示するとき、図10に示すように、ページ100内に、広告210として、広告210-1~210-4が追加されてもよい。
また、上述の実施形態において、広告配信サーバ1は、取引システム3から提供されるAPIを介して、ユーザ向けの取引対象の情報を取得していた。しかしながら、広告配信サーバ1は、データフィードを利用して、ユーザ向けの取引対象の情報を取得してもよい。例えば、各取引システム3は、その取引システム3が取り扱う取引対象のリストを、必要なタイミングで広告配信サーバ1へ送信する。取引対象のリストは、各取引対象の取引対象ID、名称、価格若しくは料金、取引対象ページのURL等を含んでもよい。広告配信サーバ1は、各取引システム3から受信したリストを、システムIDに関連付けて記憶部14に記憶させる。広告配信サーバ1は、リストに含まれるURLに基づいて、スクレイピングにより取引対象ページのテキストを取得してもよいし、そして、広告配信サーバ1は、テキストを解析して、取引対象に関する情報を更に取得してもよい。広告配信サーバ1は、リストに含まれる情報及び取引対象ページから取得された情報に基づいて、ユーザ向けの取引対象を決定してもよい。
また、上述の実施形態において、コンテンツを表示するためのアプリケーション及び取引システムを利用するためのアプリケーションのそれぞれが、専用のアプリケーションであった。しかしながら、これらのアプリケーションのうち、何れか一方又は両方が、ウェブブラウザであってもよい。
また、上述の実施形態において、ユーザにより利用される端末装置は、携帯用の端末装置であった。しかしながら、パーソナルコンピュータやセットトップボックス等の据え置き型の端末装置が利用されてもよい。
以上説明したように、本実施形態によれば、広告配信サーバ1が、広告枠に関連付けられたコンテンツがユーザ端末4により表示されるとき、複数の取引システム3の中から、ユーザ端末4のユーザ向けの取引システム3を決定する。また、広告配信サーバ1が、決定された取引システム3へ、ユーザ向けの取引対象を示す広告対象情報の要求を、ネットワークを介して送信する。また、広告配信サーバ1が、送信された要求に応じて決定された取引システム3により送信された広告対象情報を受信する。また、広告配信サーバ1が、受信された広告対象情報に基づいて、関連付けられた広告枠用に、ユーザ端末4へ広告を送信する。従って、取引対象を取り扱う複数の取引システム3のうち、コンテンツを見るユーザに対して適切な取引システム3から、広告される取引対象の情報を取得することができる。
ここで、広告配信サーバ1が、決定された取引システム3により提供されたAPIを用いて、広告対象情報要求を送信してもよい。
また、広告配信サーバ1が、複数の取引システム3それぞれに対応する複数の選択要素を、表示されるコンテンツに関連付けてユーザ端末4に表示させてもよい。また、広告配信サーバ1が、表示された複数の選択要素の中から、ユーザにより選択された選択要素に対応する取引システム3を、ユーザ向けの取引システム3に決定してもよい。この場合、ユーザが望む取引システム3から、広告される取引対象の情報を取得することができる。
また、広告配信サーバ1が、表示されるコンテンツに関するコンテンツ情報及びユーザに関するオーディエンス情報の少なくとも何れか一方に基づいて、ユーザ向けの取引システム3を決定してもよい。この場合、ユーザの属性や興味を示し得る情報を用いることで、コンテンツを見るユーザに対して適切な取引システム3から、広告される取引対象の情報を取得することができる。
また、広告配信サーバ1が、ユーザ向けの取引対象の条件であって、コンテンツに関するコンテンツ情報及びユーザに関するオーディエンス情報の少なくとも何れか一方を含む条件を有する広告対象情報要求を送信してもよい。この場合、ユーザの属性や興味を示し得る情報を用いることで、取引システム3は、コンテンツを見るユーザに対して適切な取引対象を、広告される取引対象として特定することができる。
また、ユーザ端末4が、コンテンツを提供するパブリッシャーから提供されるメディア専用アプリケーションに従って、コンテンツを表示してもよい。また、広告配信サーバ1が、広告と、決定された取引システム3専用アプリケーションにおける、ユーザ向けの取引対象に関する取引対象コンテンツへのディープリンクと、を送信してもよい。また、ユーザ端末4が、広告がユーザにより選択された場合、送信されたリンクに従って、取引システム3専用アプリケーションをアクティブにして取引対象コンテンツを表示してもよい。また、広告配信サーバ1が、取引対象コンテンツが表示された後、ユーザにより、ユーザ向けの取引対象に関して所定の操作が、取引システム3専用アプリケーションに対して入力されたことに基づいて、メディア専用アプリケーションのパブリッシャーへ報酬を付与する処理を実行してもよい。この場合、コンテンツを見るためのアプリケーションから、取引対象を取引するためのアプリケーションへの移行がスムーズに行われ、ユーザにとって、取引対象を取引することが容易になる。そのため、アプリケーションを利用した広告として、コンテンツのパブリッシャーが報酬を獲得しやすい広告を配信することができる。