JP6994244B2 - バイオメタン発酵設備 - Google Patents
バイオメタン発酵設備 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6994244B2 JP6994244B2 JP2018032745A JP2018032745A JP6994244B2 JP 6994244 B2 JP6994244 B2 JP 6994244B2 JP 2018032745 A JP2018032745 A JP 2018032745A JP 2018032745 A JP2018032745 A JP 2018032745A JP 6994244 B2 JP6994244 B2 JP 6994244B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- embankment
- biomethane
- water
- fermentation
- fermentation facility
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Processing Of Solid Wastes (AREA)
Description
所定の割合でバイオマスが混合され、土壌の上に所定の高さに盛られた盛土と、
前記盛土を覆い、外周縁部が前記盛土の周囲に固定され、前記盛土を覆った状態で上部に位置する箇所に貫通孔が形成された遮水シートと、
前記遮水シートに覆われた状態の前記盛土の周囲に湛えられた水と、
を備え、
前記水の水位は、前記盛土の高さの1/3以上であり、
前記遮水シートの外縁より外側に位置する前記土壌は、前記水に接していることを特徴とする。
図1、2に示す実施例1のバイオメタン発酵設備10は、例えば、収穫後であり使用されていない田んぼ等に複数が設置される。バイオメタン発酵設備10はバイオメタンを発生することができる。バイオメタン発酵設備10から発生したバイオメタンはガスタンク(図示せず)に貯蔵され、ガスタンクに貯蔵されたバイオメタンは発電用エンジンや暖房用ガスバーナー等の各種機器(図示せず)に供給することができる。
ここで、バイオメタンとは、バイオマスである稲わらや雑草等の草本系バイオマスB(以降、草本系バイオマスBともいう)を混合した土を盛って畝状の盛土10Aにし、盛土10A中の微生物によって草本系バイオマスBの還元的分解(メタン発酵)により生成される。つまり、稲わらや雑草等の草本系バイオマスBを混合し畝状にした盛土10Aがバイオメタンの発生源である。生成されるバイオメタンは、メタン10~80%を含み、残りのほとんどは窒素や二酸化炭素の無毒かつ不燃性の気体成分である。バイオメタンは1気圧よりも僅かに高い圧力の低圧ガスである。また、盛土10A中の微生物は嫌気性であるため、メタン発酵を行うには盛土10Aの大部分が嫌気状態である必要がある。
盛土10Aには草本系バイオマスBが所定の割合(およそ14kg/m2)で混合されている。草本系バイオマスBを盛土10Aに混合する場合、鍬や耕耘機等を用いて混合する。また、ミキサ等を用いて草本系バイオマスBと盛土10Aとを混合してもよい。盛土10Aの高さHは所定の高さ(およそ20cm~50cmであり、好ましくは20cm~30cm)に盛られている(図1参照。)。
盛土10Aにおける草本系バイオマスBの単位体積あたりの割合は、盛土10Aの高さHが20cmの場合にはおよそ70kg/m3であり、盛土10Aの高さHが30cmの場合にはおよそ47kg/m3であり、盛土10Aの高さHが50cmの場合にはおよそ28kg/m3である。
また、上方から見た平面視において、盛土10Aは一方向に延びた畝状に形成されている。盛土10Aの一方向に延びる寸法(畝長L)は少なくとも400cmである(図2参照。)。また、盛土10Aが延びる一方向に直交する方向の盛土10Aの寸法(畝幅W)はおよそ50cm~200cmであり、好ましくは、80cm~100cmである(図2参照。)。
また、遮水シート10Bには貫通孔10Eが形成されている。貫通孔10Eは、遮水シート10Bが盛土10Aを覆った状態で、盛土10Aの上部に位置する箇所であり、通気部材10Dの上側に位置するように配置されている。
また、貫通孔10Eには筒状をなした通気管10Fの一端が連通し、貫通孔10Eと通気管10Fとが気密に連結されている。通気管10Fの他端は、例えば、バイオメタン発酵設備10が設置された現場の近傍に設置されたガスタンク等に気密に連結される。また、通気管10Fには通気管10Fの一端と他端とを連通する連通状態、及び連通しない非連通状態とに切り替え自在な開閉弁が設けられている(図示せず。)。
また、押さえ部材10Gが配置された遮水シート10Bの外周縁部には、U字状をなした固定部材10Hが取り付けられている。固定部材10Hは、例えば棒状の金属の中央部を湾曲させてU字状に形成したものである。固定部材10Hは、湾曲した部分の内側が押さえ部材10Gの外周面に沿って、湾曲した部分の両側に位置する直線状に形成された部分が遮水シート10Bを貫通して盛土10Aの周囲近傍の土壌Sに差し込まれている。こうして、遮水シート10Bは盛土10Aを覆った状態で、外周縁部が盛土10Aの周囲近傍の土壌Sに固定される。
また、バイオメタン発酵設備10は、盛土10Aの温度がおよそ15℃以上の場合、盛土10A内でメタン発酵が活発に行われる。バイオメタン発酵設備10で生成されたバイオメタンは遮水シート10Bに捕捉される。そして、バイオメタンは、遮水シート10Bに形成された貫通孔10E、及び貫通孔10Eに連結された通気管10Fを介してガスタンク等に流入し、ガスタンク等で貯蔵することができる。
次に、実施例1のバイオメタン発酵設備10を用いて行った実施例2、3及び比較例1の実験結果について図面を参照しつつ説明する。
実施例2、3、及び比較例1の実験は、平成28年6月15日~平成28年12月13日の期間で実施されたものである。
比較例1は、実験を実施した期間にわたって草本系バイオマスBを盛土10Aに混合していない。
実施例2は、平成28年6月15日に、14kg/m2の割合で草本系バイオマスBを盛土10Aに混合している。
実施例3は、平成28年6月15日に、14kg/m2の割合で草本系バイオマスBを盛土10Aに混合し、平成28年9月13日(実験当初からの経過日数90日)に、14kg/m2の割合で草本系バイオマスBを盛土10Aに追加して混合している。
実施例2のメタン濃度は経過日数26日から134日の期間おいて、概ね60%以上であった。これは、盛土10Aの周囲に湛えられた水10Cから盛土10Aに水分を補うことができるため、盛土10A内が長期にわたり嫌気状態を維持することができるためであると考えられる。また、実施例2のメタン濃度は経過日数145日で急激に減少し、その後、再び増加している。
実施例3のメタン濃度は経過日数26日から93日の期間において60%以上であった。これは、実施例2と同様に、盛土10Aの周囲に湛えられた水10Cから盛土10Aに水分を補うことができるため、盛土10A内が長期にわたり嫌気状態を維持することができるためであると考えられる。また、実施例3のメタン濃度は経過日数97日で急激に減少し、その後、再び増加している。
(1)実施例1では、草本系バイオマスを盛土に混合しているが、草本系バイオマスの種類や大きさに制限はない。また、長径が1cm以下に粉砕、裁断された木質系バイオマスや、この木質系バイオマスを原料とした農林畜産業由来廃棄物(例えば、キノコ栽培後の廃菌床等)であってもよい。この場合でもメタン発酵を行うことができる。
(2)実施例1では、遮水シートの外周縁部を押さえ部材で押さえ、固定部材で固定しているが、遮水シートの外周縁部を盛土の周囲の土壌に埋設してもよい。
(3)実施例1では、盛土の高さが20~50cmであるが、20cmより低くてもよく、50cmより高くてもよい。また、盛土の畝幅が50~200cmであるが、50cmより狭くてもよく、200cmより広くてもよい。また、畝長が少なくとも400cmであるが、400cm未満でもよい。
(4)実施例1では、盛土が一方向に延びた畝状に形成されているが、正方形や円形等、他の形状であってもよい。
(5)実施例1では、土壌の上側に盛土を形成しているが、土壌に設けた溝に、草本系バイオマスと土を混合したものを配置して盛土を形成してもよい。
(6)実施例1では、収穫後の使用されていない田んぼに設置されるが、空き地などで漏水しない環境を整備することができれば、実施場所は制限されない。また、盛土が配置される場所は土壌の上でなくてもよく、地面を掘り下げて、漏水防止措置を施した上に盛土を配置してもよい。
(7)実施例1では、盛土に草本系バイオマスがおよそ14kg/m2で混合されているが、14kg/m2より多くてもよく、14kg/m2より少なくてもよい。
(8)実施例1では、遮水シートの幅が200cmであったが、200cmより大きくてもよく、200cmより小さくてもよい。
10A…盛土
10B…遮水シート
10C…水
B…草本系バイオマス(バイオマス)
Claims (3)
- 所定の割合でバイオマスが混合され、土壌の上に所定の高さに盛られた盛土と、
前記盛土を覆い、外周縁部が前記盛土の周囲に固定され、前記盛土を覆った状態で上部に位置する箇所に貫通孔が形成された遮水シートと、
前記遮水シートに覆われた状態の前記盛土の周囲に湛えられた水と、
を備え、
前記水の水位は、前記盛土の高さの1/3以上であり、
前記遮水シートの外縁より外側に位置する前記土壌は、前記水に接していることを特徴とするバイオメタン発酵設備。 - 少なくとも前記盛土の一部は、前記水の水位以上に位置することを特徴とする請求項1に記載のバイオメタン発酵設備。
- 上方からの平面視において、前記盛土は一方向に延びた畝状であることを特徴とする請求項1又は2に記載のバイオメタン発酵設備。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018032745A JP6994244B2 (ja) | 2018-02-27 | 2018-02-27 | バイオメタン発酵設備 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018032745A JP6994244B2 (ja) | 2018-02-27 | 2018-02-27 | バイオメタン発酵設備 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019147089A JP2019147089A (ja) | 2019-09-05 |
JP6994244B2 true JP6994244B2 (ja) | 2022-01-14 |
Family
ID=67849594
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018032745A Active JP6994244B2 (ja) | 2018-02-27 | 2018-02-27 | バイオメタン発酵設備 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6994244B2 (ja) |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015223537A (ja) | 2014-05-26 | 2015-12-14 | 大日本プラスチックス株式会社 | 廃棄物保管場用ガス排出部材及びこれを用いた廃棄物保管場構造 |
JP2017141911A (ja) | 2016-02-11 | 2017-08-17 | 学校法人 名城大学 | ガスタンク及びこのガスタンクを複数備えたガスの貯蔵供給設備 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0466180A (ja) * | 1990-07-06 | 1992-03-02 | Hitachi Cable Ltd | 廃棄物投棄場 |
-
2018
- 2018-02-27 JP JP2018032745A patent/JP6994244B2/ja active Active
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015223537A (ja) | 2014-05-26 | 2015-12-14 | 大日本プラスチックス株式会社 | 廃棄物保管場用ガス排出部材及びこれを用いた廃棄物保管場構造 |
JP2017141911A (ja) | 2016-02-11 | 2017-08-17 | 学校法人 名城大学 | ガスタンク及びこのガスタンクを複数備えたガスの貯蔵供給設備 |
Non-Patent Citations (4)
Title |
---|
濱田 千晶他,稲わらを資源とした水田での再生可能エネルギー(バイオメタン)の創製-GETシステムの構築-,名城大学農学部学術技報,49号,日本,2013年03月,p1-10,https://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/2010852559.pdf |
空き地で雑草からメタンガスを生産し、発電・熱利用する実証研究の現場を公開,名城大学 ニュース,日本,名城大学,2018年01月19日,https://www.meijo-u.ac.jp/news/detail_15119.html |
雑草からメタンガス生産、直接エンジンで燃焼・発電する新技術,環境ビジネスオンライン,日本,2018年01月31日,https://www.kankyo-business.jp/news/016632.php |
雑草から電気をつくる!メタンガスで発電システム、20年めど実用化狙う 名城大が開発,ニュースイッチ,日本,日刊工業新聞社,2018年01月31日,https://newswitch.jp/p/11867 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2019147089A (ja) | 2019-09-05 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
WO2004004036A3 (en) | Biofuel cell | |
EP2055669A3 (en) | Hydrogen producing fuel for power generator | |
JP6994244B2 (ja) | バイオメタン発酵設備 | |
JP2016156124A (ja) | 斜面保護用具及び斜面保護方法 | |
CN110892804A (zh) | 园林种植土壤改良方法 | |
JP4649657B2 (ja) | 廃棄物の埋立処分方法、及び廃棄物埋立構造 | |
JP2007009011A (ja) | 土壌改良剤及びこの土壌改良剤を用いた土壌改良器並びに土壌改良方法 | |
CN111940477A (zh) | 一种土壤原位修复方法 | |
CN104475436A (zh) | 一种矿山弃置污染土壤层的修复方法 | |
KR20200101134A (ko) | 유체 및 기체 통기 이중관 구조 | |
JP6183960B2 (ja) | 土壌浄化装置 | |
CN110665948B (zh) | 一种适用于多地区重金属污染土壤的生态修复方法 | |
JP2023142393A (ja) | バイオメタン発酵設備 | |
CN102357520A (zh) | 用于预防土壤污染的防渗装置 | |
CN202356397U (zh) | 用于预防土壤污染的防渗装置 | |
CN207185376U (zh) | 一种真空植被恢复袋 | |
CN212696620U (zh) | 一种用于施肥的柱形不锈钢网状槽 | |
KR20150017025A (ko) | 타이드 리지 농지 설치용 고흡수성 시트지 및 이의 제조방법, 타이드 리지 농지와 타이드 리지 농지의 물공급 방법 | |
JP3760349B2 (ja) | 油汚染土壌浄化処理方法及びその設備 | |
CN210435031U (zh) | 一种好氧稳定处理用处置井 | |
US1045130A (en) | Method of making fertilizer. | |
CN216584293U (zh) | 一种基于秸秆生物炭用于农田尾水n、p资源化利用的生态系统 | |
RU2010134446A (ru) | Способ переработки нефтешламов и очистки замазученных грунтов | |
CN208056132U (zh) | 一种布置在土工防渗膜上的通气孔结构 | |
KR200464560Y1 (ko) | 하수 및 폐수 처리장용 산기장치 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20201007 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20210803 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20210831 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20210927 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20211122 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20211202 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20211206 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6994244 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |