JP6991553B2 - 水栓器具 - Google Patents
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Description
本発明に係る水栓器具の特徴構成は、
内部に複数の流水路を有する水栓本体と、
前記水栓本体の外部を覆い、水を吐出する吐水口を備えたケースと、
前記ケースに設けた開口に対して押込位置と突出位置との間で変位する操作体と、
前記水栓本体に設けられ、前記操作体によって前記複数の流水路の使用状態を切り替える切替機構と、を備え、
前記操作体の出退方向をX方向とし、前記X方向に垂直で前記吐水口の軸芯の延出方向に最も近い方向をZ方向とし、前記X方向および前記Z方向に垂直な方向をY方向とするとき、
前記押込位置にある前記操作体をZ方向から見たとき、前記操作体のうち、
前記Y方向における中央位置での前記X方向に沿った前記操作体の輪郭と前記開口の縁部との距離(中央距離)が、
前記Y方向における両端位置での前記X方向に沿った前記操作体の輪郭と前記開口の縁部との距離(端部距離)よりも長く構成されており、
前記ケースが、第1ケースと前記吐水口を有する第2ケースとを備えており、前記第1ケースと前記第2ケースとの境界線が前記開口の縁部と交差するように構成された点にある。
このように操作体の輪郭と開口の縁部との距離が広く構成されていると、操作体を押込位置に押し込む際に操作する指がケースに接触する機会が少なくなる。例えば、切替機構が押し込み操作を繰り返して押込位置と突出位置とを切り替えるスラストロック機構である場合には、操作体を押込位置に固定する場合でも操作体を一旦さらに奥まで押し込む必要がある。その際に、本構成の水栓器具であれば指がケースに触れ難いから、押し込み操作を違和感なく確実に行うことができる。
また、ケースが、第1ケースと吐水口を有する第2ケースとを備えており、第1ケースと第2ケースとの境界線が開口の縁部と交差するように構成してある。この境界線は操作体の近傍にあるため、操作体の切替状態が視覚的に捉え易くなる。
本発明に係る水栓器具において、前記ケースを前記吐水口とは反対の位置からZ方向に沿って見たとき、前記開口の縁部のうちY方向に沿った両端に、前記開口の縁部のうちY方向に沿った中央部に対して前記操作体の突出側に位置する張出部が設けられていると好都合である。
水栓器具のヘッドの位置は一般に操作者の腰から胸の辺りに位置することが多い。よって、操作体を押し込むとき操作者の親指はY方向に寝た姿勢になる。その場合、操作体を最も奥に押し込んだとき操作体の操作面から外れた指の腹が開口の縁部の両端にある張出部に触れ易くなる。この場合でも、親指を少し曲げることで操作体をさらに奥に押し込むことは容易である。
本発明に係る水栓器具にあっては、前記ケースを前記吐水口とは反対の位置からZ方向に沿って見たとき、前記開口の縁部のうち前記操作体の手前に見える上縁部が直線状となるよう構成されていると好都合である。
操作体は操作者から見て下方位置にあるから、操作体を押し込む際には操作者の指は操作体のうち上部を押すことが多くなる。その場合、操作体には操作面が上向きに姿勢変化するような回転モーメントが与えられ、操作体は開口の上縁部に押し付けられることとなる。
本発明に係る水栓器具にあっては、前記X方向視において、前記第1ケースに形成される前記開口の縁部と前記操作体との隙間の形状が、前記操作体の中央を通るZ方向の軸を挟んで対称であり、前記隙間が、Z方向に沿って高さの異なる部位を備えていると好都合である。
第1ケースの開口の縁部と操作体との隙間がZ方向に沿って高さの異なる部位を備える構成としては、例えば、隙間がY方向に沿った中央部でZ方向の上方にカーブしているものや、逆に下方にカーブしているもの、あるいは、隙間がZ方向に波打っているものなどが含まれる。
本発明に係る水栓器具にあっては、前記隙間が、X方向視において、Z方向に沿う領域を少なくとも一対備えていると好都合である。
本構成のように、開口の縁部と操作体との隙間の一部領域がZ方向に向くことで、操作体の押し操作時に操作体がY方向に移動しようとしても、この移動方向に対して直角な当該縁部が操作体に当接する。よって、操作体のY方向への動きが確実に規制されて操作体の操作感覚が向上する。
本発明に係る水栓器具は、前記操作体において、Z方向に沿って前記第1ケースの側に向く上面とX方向に向く操作面との境界に稜線が設けられ、X方向視において、前記稜線が、Y方向に沿った中央位置で前記第1ケースの側に最も突出した円弧状に形成されるとともに、前記境界線を前記操作体に重ねて延長することで仮想される前記第1ケースと前記第2ケースとの仮想境界線に対して前記第1ケースの側に形成されると好都合である。
一般に水栓器具は操作者の目線の位置よりも下方にある。よって、操作者は多くの場合、操作体を斜め上方から見下ろすこととなる。その場合に、操作体の上面と操作面との稜線がX方向視において第1ケースと第2ケースとの仮想境界線よりも上方にあることで、押し込まれた操作体を斜め上方から見たとき操作体の稜線が仮想境界線に対してさらに奥に押し込まれた位置に見える。よって、操作体の押込み状態が視覚的に捉え易くなる。
本発明に係る水栓器具にあっては、前記水栓本体が水道栓に固定され、前記吐水口の軸線が鉛直方向に対して予め設定された角度となった状態において、前記操作体の前記押込位置が前記突出位置に対して鉛直方向に沿って低くなるよう前記操作体のX方向が水平方向に対して傾斜する状態に設定されていると好都合である。
操作者は操作体を見降ろしながら操作するから、通常は操作体の上部位置に指を触れつつ水平方向に押し力を付与することが多いと推測される。本構成では、操作体のX方向すなわち押し込み方向を奥側ほど下がるように設定してあるから、操作体の比較的上方の位置に水平方向の操作力が加われば操作体は上向きに姿勢変化しようとする。この結果、操作体の上面が第1ケースの開口の縁部に当接して操作体の姿勢が安定化する。
本発明に係る水栓器具にあっては、前記操作体が、前記切替機構に押し込み力を伝える入力部と、前記ケースの内部に延出する突出部とを備え、前記操作体が押し込み操作された際に前記突出部に当接して前記突出部の移動方向を規定する案内部が、前記水栓本体あるいは前記ケースに設けられていると好都合である。
操作体と切替機構とは操作体の入力部で当接する。操作体が押し込まれるとき、操作者の指が触れる操作体の位置に応じて操作体は様々な方向に姿勢変化しようとする。その結果、操作体の組み付け精度が劣っているような操作感を得たり、姿勢変化した操作体が開口の縁部に接触して操作体の表面装飾を損ねたりする可能性がある。
本発明の水栓器具Sでは、内部に複数の流水路を有する水栓本体Jの先端に設けられ、吐水の吐出状態を切替える操作体1に特徴がある。この操作体1は、原水や浄水を切り替えて吐出する際に水栓器具Sを構成するケースCの外壁に設けられた開口2に対して出退する。以下、本発明に係る水栓器具Sの実施形態につき図面を参照しながら説明する。
本実施形態に係る水栓器具Sの外観および構成を図1,図2に示す。水栓本体Jの先端部にはケースCが設けられ、水栓器具Sの外壁が構成される。ケースCは水栓本体Jの殆どの部位を覆い、水栓器具Sの全体外観がシンプルに仕上げられている。これにより、ケースCの境界線PLなどに汚れが溜まるのが防止される。具体的には、上方部を第1ケースC1が覆い、下方部は吐水口3を備えた第2ケースC2が覆っている。第1ケースC1と第2ケースC2との繋ぎ目は先端部においてはかなり高い位置にあり、水が掛かるのを極力防止している。
操作体1は有底筒状であり、図1および図2に示すように、第1ケースC1と第2ケースC2との境界位置にあって、水栓本体Jに設けられた切替機構Kに接続される。操作体1は、切替機構Kに連結するための穴部11を備えている。この穴部11を切替機構Kの突起K1に係合させて操作体1が切替機構Kに連結保持される。図3に示すように、この状態で、切替機構Kに設けた操作軸K2の先端が操作体1の裏面に極めて近い位置にあり、操作体1を押し込むことで、操作体1の裏面が操作軸K2を押し込む。これにより、操作体1が突出位置から押込位置に移行する。逆に、操作体1を突出位置に戻す際には、操作体1を一旦押し込み、スラストロック機構のリターンばねを効かせて操作軸K2を突出させ、操作体1を突出位置まで押し出す。
以下には操作体1の構成につきさらに具体的に示す。
図5に示すように、操作体1の出退方向をX方向とし、X方向に垂直で吐水口3の軸芯の延出方向に最も近い方向をZ方向とし、X方向およびZ方向に垂直な方向をY方向とする。図5は、操作体1が突出位置にある状態でこれをZ方向から見たときの操作体1の露出部分に着目する。操作体1のうちY方向における中央位置において、X方向に沿った操作体1の輪郭と開口2の縁部21との距離を中央距離L1とする。一方、Y方向における両端位置でのX方向に沿った操作体1の輪郭と開口2の縁部21との距離を端部距離L2とする。本構成では、中央距離L1が端部距離L2よりも長くなるように構成してある。
操作体1の材質は例えばポリアセタール樹脂(POM材)等で構成することができる。操作体1は、第1ケースC1や第2ケースC2と摺接する。また、突出部12は所定の剛性を維持する必要がある。よってこれらに用いる材料は、強度と耐摩耗性を備えていることが望ましい。
図9に示すように、操作体1の上面13にはY方向に延出する凸状の土手部16が形成されていてもよい。
13 上面
14 操作面
15 稜線
2 開口
21 縁部
21a 上縁部
3 吐水口
A 隙間
C ケース
C1 第1ケース
C2 第2ケース
G 案内部
J 水栓本体
K 切替機構
L1 中央距離
L2 端部距離
S 水栓器具
PL 仮想境界線
Claims (8)
- 内部に複数の流水路を有する水栓本体と、
前記水栓本体の外部を覆い、水を吐出する吐水口を備えたケースと、
前記ケースに設けた開口に対して押込位置と突出位置との間で変位する操作体と、
前記水栓本体に設けられ、前記操作体によって前記複数の流水路の使用状態を切り替える切替機構と、を備え、
前記操作体の出退方向をX方向とし、前記X方向に垂直で前記吐水口の軸芯の延出方向に最も近い方向をZ方向とし、前記X方向および前記Z方向に垂直な方向をY方向とするとき、
前記押込位置にある前記操作体をZ方向から見たとき、前記操作体のうち、
前記Y方向における中央位置での前記X方向に沿った前記操作体の輪郭と前記開口の縁部との距離(中央距離)が、
前記Y方向における両端位置での前記X方向に沿った前記操作体の輪郭と前記開口の縁部との距離(端部距離)よりも長く構成されており、
前記ケースが、第1ケースと前記吐水口を有する第2ケースとを備えており、前記第1ケースと前記第2ケースとの境界線が前記開口の縁部と交差するように構成してある水栓器具。 - 前記ケースを前記吐水口とは反対の位置からZ方向に沿って見たとき、
前記開口の縁部のうちY方向に沿った両端に、
前記開口の縁部のうちY方向に沿った中央部に対して前記操作体の突出側に位置する張出部が設けられている請求項1に記載の水栓器具。 - 前記ケースを前記吐水口とは反対の位置からZ方向に沿って見たとき、前記開口の縁部のうち前記操作体の手前に見える上縁部が直線状となるよう構成されている請求項1または2に記載の水栓器具。
- 前記X方向視において、前記第1ケースに形成される前記開口の縁部と前記操作体との隙間の形状が、前記操作体の中央を通るZ方向の軸を挟んで対称であり、
前記隙間が、Z方向に沿って高さの異なる部位を備えている請求項1から3の何れか一項に記載の水栓器具。 - 前記隙間が、X方向視において、Z方向に沿う領域を少なくとも一対備えている請求項4に記載の水栓器具。
- 前記操作体において、Z方向に沿って前記第1ケースの側に向く上面と、X方向に向く操作面との境界に稜線が設けられ、
X方向視において、
前記稜線が、Y方向に沿った中央位置で前記第1ケースの側に最も突出した円弧状に形成されるとともに、前記境界線を前記操作体に重ねて延長することで仮想される前記第1ケースと前記第2ケースとの仮想境界線に対して前記第1ケースの側に形成されている請求項4または5に記載の水栓器具。 - 前記水栓本体が水道栓に固定され、前記吐水口の軸線が鉛直方向に対して予め設定された角度となった状態において、前記操作体の前記押込位置が前記突出位置に対して鉛直方向に沿って低くなるよう、前記操作体のX方向が水平方向に対して傾斜する状態に設定されている請求項1から6の何れか一項に記載の水栓器具。
- 前記操作体が、前記切替機構に押し込み力を伝える入力部と、前記ケースの内部に延出する突出部とを備え、
前記操作体が押し込み操作された際に前記突出部に当接して前記突出部の移動方向を規定する案内部が、前記水栓本体あるいは前記ケースに設けられている請求項1から7の何れか一項に記載の水栓器具。
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JP2002106006A (ja) | 2000-10-04 | 2002-04-10 | San-Ei Faucet Mfg Co Ltd | 浄水機能付湯水混合水栓 |
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