JP6991003B2 - 強化ポリカーボネート樹脂組成物 - Google Patents
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Description
しかしながら、ポリカーボネート樹脂は、ガラス繊維を添加することによって、耐衝撃性が大幅に低下する欠点を有する。従来、ガラス繊維をポリカーボネート樹脂に添加することによって低下する耐衝撃性を向上させる方法について、種々検討されている。
一般的に耐衝撃性を向上させるために、例えば特許文献1~2のようなエラストマーを配合する技術が知られている。しかしながら、耐衝撃性が向上する反面、耐熱性や難燃性が低下するといった問題がある。
特許文献3~5では、ポリカーボネート樹脂として、ポリカーボネート-ポリオルガノシロキサン共重合体を導入する方法が開示されている。しかしながら、この場合でも耐衝撃性が向上する反面、耐熱性や難燃性が低下するといった問題が残る。またポリカーボネート樹脂と、ポリエステル系樹脂やスチレン系樹脂などの他樹脂とのアロイによる耐衝撃性の向上においても、耐熱性や難燃性が低下してしまい、ガラス強化樹脂組成物の持つ強度および耐熱性を維持しつつ耐衝撃性を向上させる方法は未だ不充分である。
特許文献10では、融点150~230℃のフッ素樹脂をポリカーボネート樹脂に配合してなる樹脂組成物が報告されている。しかしながら、繊維状充填材に関する記載はなく、強化樹脂組成物の耐衝撃性向上については述べられていない。特許文献11では、塩基処理含フッ素エラストマーを熱可塑性樹脂に配合してなる熱可塑性樹脂組成物について報告されている。しかしながらポリカーボネートに関する記載はなく、また繊維状充填材に関する記載もない。特許文献12では、ポリカーボネート樹脂に、フィブリル形成能を有さないフルオロポリマーと炭素繊維を含有する摺動性ポリカーボネート樹脂組成物について報告されている。しかしながら耐衝撃性向上と耐熱性に関する記載はない。
本発明のより好適な態様の一つは(2)B成分がガラス繊維および/または炭素繊維であることを特徴とする上記構成(1)に記載の強化ポリカーボネート樹脂組成物である。
<A成分:ポリカーボネート樹脂>
本発明のA成分として使用されるポリカーボネート樹脂は、通常ジヒドロキシ化合物とカーボネート前駆体とを界面重縮合法、溶融エステル交換法で反応させて得られたものの他、カーボネートプレポリマーを固相エステル交換法により重合させたもの、または環状カーボネート化合物の開環重合法により重合させて得られるものである。
カーボネート前駆物質として、例えばホスゲンを使用する反応では、通常酸結合剤および溶媒の存在下に反応を行う。酸結合剤としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物またはピリジンなどのアミン化合物が用いられる。溶媒としては、例えば塩化メチレン、クロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素が用いられる。また反応促進のために例えば第三級アミンまたは第四級アンモニウム塩などの触媒を用いることもできる。その際、反応温度は通常0~40℃であり、反応時間は数分~5時間である。カーボネート前駆物質として炭酸ジエステルを用いるエステル交換反応は、不活性ガス雰囲気下所定割合の芳香族ジヒドロキシ成分を炭酸ジエステルと加熱しながら撹拌して、生成するアルコールまたはフェノール類を留出させる方法により行われる。反応温度は生成するアルコールまたはフェノール類の沸点などにより異なるが、通常120~300℃の範囲である。反応はその初期から減圧にして生成するアルコールまたはフェノール類を留出させながら反応を完結させる。また、反応を促進するために通常エステル交換反応に使用される触媒を使用することもできる。前記エステル交換反応に使用される炭酸ジエステルとしては、例えばジフェニルカーボネート、ジナフチルカーボネート、ビス(ジフェニル)カーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネートなどが挙げられる。これらのうち特にジフェニルカーボネートが好ましい。
本発明のA成分として使用されるポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量は、12,500~50,000の範囲が好ましく、16,000~30,000がより好ましく、18,000~28,000の範囲がさらにより好ましく、19,000~26,000の範囲が最も好ましい。分子量が50,000を越えると溶融粘度が高くなりすぎて成形性に劣る場合があり、分子量が12,500未満であると機械的強度に問題が生じる場合がある。なお、本発明でいう粘度平均分子量は、まず次式にて算出される比粘度を塩化メチレン100mlにポリカーボネート樹脂0.7gを20℃で溶解した溶液からオストワルド粘度計を用いて求め、求められた比粘度を次式にて挿入して粘度平均分子量Mを求める。
比粘度(ηSP)=(t-t0)/t0
[t0は塩化メチレンの落下秒数、tは試料溶液の落下秒数]
ηSP/c=[η]+0.45×[η]2c(但し[η]は極限粘度)
[η]=1.23×10-4M0.83
c=0.7
本発明のB成分として用いられる繊維状充填材は、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、カーボンミルドファイバー、メタルファイバー、アスベスト、ロックウール、セラミックファイバー、スラグファイバー、チタン酸カリウムウィスカー、ボロンウィスカー、ホウ酸アルミニウムウィスカー、炭酸カルシウムウィスカー、酸化チタンウィスカー、ワラストナイト、ゾノトライト、パリゴルスカイト(アタパルジャイト)、およびセピオライトなどの繊維状無機充填材、アラミド繊維、ポリイミド繊維およびポリベンズチアゾール繊維などの耐熱有機繊維に代表される繊維状耐熱有機充填材、並びにこれらの充填剤に対して例えば金属や金属酸化物などの異種材料を表面被覆した繊維状充填材などが例示される。
異種材料を表面被覆した充填材としては、例えば金属コートガラス繊維および金属コート炭素繊維などが例示される。異種材料の表面被覆の方法としては特に限定されるものではなく、例えば公知の各種メッキ法(例えば、電解メッキ、無電解メッキ、溶融メッキなど)、真空蒸着法、イオンプレーティング法、CVD法(例えば熱CVD、MOCVD、プラズマCVDなど)、PVD法、およびスパッタリング法などを挙げることができる。
これら繊維状充填材の中でも、ガラス繊維、炭素繊維、カーボンミルドファイバー、アラミド繊維が好ましく、ガラス繊維、炭素繊維がより好ましい。本発明のB成分として用いられる繊維状充填材は、その繊維径が0.1~20μmの範囲が好ましい。繊維径の上限は18μmがより好ましく、15μmが更に好ましい。一方繊維径の下限は1μmがより好ましく、6μmが更に好ましい。ここでいう繊維径とは数平均繊維径を指す。尚、かかる数平均繊維径は、成形品を溶剤に溶解するかもくしは樹脂を塩基性化合物で分解した後に採取される残渣、およびるつぼで灰化を行った後に採取される灰化残渣を走査電子顕微鏡観察した画像から算出される値である。
かかるガラス繊維は、周知の表面処理剤、例えばシランカップリング剤、チタネートカップリング剤、またはアルミネートカップリング剤等で表面処理が施されたものが機械的強度の向上の点から好ましい。また、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、およびウレタン系樹脂等で集束処理されたものが好ましく、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂が機械的強度の点から特に好ましい。集束処理されたガラス繊維の集束剤付着量は、ガラス繊維100重量% 中好ましくは0.1~3重量%、より好ましくは0.2~1重量%である。
なかでも機械的強度、低異方性の改良の点から扁平形状が好ましい。また、扁平断面ガラス繊維の平均繊維長と平均繊維径の比(アスペクト比)は2~120が好ましく、より好ましくは2.5~70、さらに好ましくは3~50であり、繊維長と平均繊維径の比が2未満であると機械的強度の向上効果が小さくなる場合があり、繊維長と平均繊維径の比が120を超えると異方性が大きくなる他、成形品外観も悪化する場合がある。かかる扁平断面ガラス繊維の平均繊維径とは、扁平断面形状を同一面積の真円形に換算したときの数平均繊維径をいう。また平均繊維長とは、本発明の強化ポリカーボネート樹脂組成物中における数平均繊維長をいう。尚、かかる数平均繊維長は、成形品の高温灰化、溶剤による溶解、並びに薬品による分解等の処理で採取される充填材の残さを光学顕微鏡観察した画像から画像解析装置により算出される値である。また、かかる値の算出に際しては繊維径を目安にそれ以下の長さのものはカウントしない方法による値である。
本発明のC成分として用いられるフッ素樹脂は、融点が240℃~300℃であり、250℃~300℃であることが好ましく、250℃~290℃であることがより好ましい。フッ素樹脂の融点が240℃より低いと、耐熱性が低下する。一方、融点が300℃より高くなると、ポリカーボネート樹脂との相溶性が低下し、耐衝撃性が低下する。
本発明のC成分として用いられるフッ素樹脂は、TGA(熱重量解析)における5%重量減少温度が470℃以上であり、480℃以上であることが好ましく、490℃以上であることがより好ましい。フッ素樹脂の5%重量減少温度が470℃より低いと、熱安定性が低下する。
本発明のC成分として用いられるフッ素樹脂は、下記一般式〔1〕および〔2〕で表される重合単位を含む共重合体である。この構造を含まないフッ素樹脂を使用した場合、耐熱性または耐衝撃性が低下する。
本発明のC成分として用いられるフッ素樹脂を構成する上記一般式〔1〕および〔2〕の質量比〔1〕/〔2〕は、98/2~50/50が好ましく、98/2~60/40がより好ましく、98/2~70/30がさらに好ましく、95/5~70/30が最も好ましい。
本発明のC成分として用いられるフッ素樹脂の含有量は、A成分およびB成分からなる成分100重量部に対して、2~45重量部であり、2~30重量部が好ましく、2~15重量部がより好ましい。C成分の含有量が2重量部より少ない場合、耐衝撃性が低下し、45重量部より多い場合、耐衝撃性が低下するばかりではなく、強度も低下する。
本発明の強化ポリカーボネート樹脂組成物、その熱安定性、意匠性の改良のために、これらの改良に使用されている添加剤が有利に使用される。以下これら添加剤について具体的に説明する。
(I)熱安定剤
本発明の強化ポリカーボネート樹脂組成物は公知の各種安定剤を配合することができる。安定剤としては、リン系安定剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤などが挙げられる。
(i)リン系安定剤
本発明の強化ポリカーボネート樹脂組成物は、加水分解性を促進させない程度において、リン系安定剤が配合されることが好ましい。かかるリン系安定剤は製造時または成形加工時の熱安定性を向上させ、機械的特性、色相、および成形安定性を向上させる。リン系安定剤としては、亜リン酸、リン酸、亜ホスホン酸、ホスホン酸およびこれらのエステル、並びに第3級ホスフィンなどが例示される。
本発明の強化ポリカーボネート樹脂組成物には、ヒンダードフェノール系安定剤を配合することができる。かかる配合は例えば成形加工時の色相悪化や長期間の使用における色相の悪化などを抑制する効果が発揮される。
ヒンダードフェノール系安定剤としては、例えば、α-トコフェロール、ブチルヒドロキシトルエン、シナピルアルコール、ビタミンE、n-オクタデシル-β-(4’-ヒドロキシ-3’,5’-ジ-tert-ブチルフェル)プロピオネート、2-tert-ブチル-6-(3’-tert-ブチル-5’-メチル-2’-ヒドロキシベンジル)-4-メチルフェニルアクリレート、2,6-ジ-tert-ブチル-4-(N,N-ジメチルアミノメチル)フェノール、3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホネートジエチルエステル、2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-tert-ブチルフェノール)、2,2’-メチレンビス(4-エチル-6-tert-ブチルフェノール)、4,4’-メチレンビス(2,6-ジ-tert-ブチルフェノール)、2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-シクロヘキシルフェノール)、2,2’-ジメチレン-ビス(6-α-メチル-ベンジル-p-クレゾール)2,2’-エチリデン-ビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェノール)、2,2’-ブチリデン-ビス(4-メチル-6-tert-ブチルフェノール)、4,4’-ブチリデンビス(3-メチル-6-tert-ブチルフェノール)、トリエチレングリコール-N-ビス-3-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオネート、1,6-へキサンジオールビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ビス[2-tert-ブチル-4-メチル6-(3-tert-ブチル-5-メチル-2-ヒドロキシベンジル)フェニル]テレフタレート、3,9-ビス{2-[3-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ]-1,1,-ジメチルエチル}-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、4,4’-チオビス(6-tert-ブチル-m-クレゾール)、4,4’-チオビス(3-メチル-6-tert-ブチルフェノール)、2,2’-チオビス(4-メチル-6-tert-ブチルフェノール)、ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)スルフィド、4,4’-ジ-チオビス(2,6-ジ-tert-ブチルフェノール)、4,4’-トリ-チオビス(2,6-ジ-tert-ブチルフェノール)、2,2-チオジエチレンビス-[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,4-ビス(n-オクチルチオ)-6-(4-ヒドロキシ-3’,5’-ジ-tert-ブチルアニリノ)-1,3,5-トリアジン、N,N’-ヘキサメチレンビス-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシヒドロシンナミド)、N,N’-ビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジン、1,1,3-トリス(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-tert-ブチルフェニル)ブタン、1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)イソシアヌレート、トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5-トリス(4-tert-ブチル-3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルベンジル)イソシアヌレート、1,3,5-トリス2[3(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]エチルイソシアヌレート、およびテトラキス[メチレン-3-(3’,5’-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンなどが例示される。これらはいずれも入手容易である。上記ヒンダードフェノール系安定剤は、単独でまたは2種以上を組合せて使用することができる。リン系安定剤およびヒンダードフェノール系安定剤の配合量は、それぞれA成分およびB成分からなる成分100重量部に対して、好ましくは0.0001~1重量部、より好ましくは0.001~0.5重量部、さらに好ましくは0.005~0.3重量部である。
本発明の強化ポリカーボネート樹脂組成物には、前記リン系安定剤およびヒンダードフェノール系安定剤以外の他の熱安定剤を配合することもできる。かかる他の熱安定剤としては、例えば3-ヒドロキシ-5,7-ジ-tert-ブチル-フラン-2-オンとo-キシレンとの反応生成物に代表されるラクトン系安定剤が好適に例示される。かかる安定剤の詳細は特開平7-233160号公報に記載されている。かかる化合物はIrganox HP-136(商標、CIBA SPECIALTY CHEMICALS社製)として市販され、該化合物を利用できる。更に該化合物と各種のホスファイト化合物およびヒンダードフェノール化合物を混合した安定剤が市販されている。例えば前記社製のIrganoxHP-2921が好適に例示される。ラクトン系安定剤の配合量は、A成分およびB成分からなる成分100重量部に対して、好ましくは0.0005~0.05重量部、より好ましくは0.001~0.03重量部である。
またその他の安定剤としては、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-ラウリルチオプロピオネート)、およびグリセロール-3-ステアリルチオプロピオネートなどのイオウ含有安定剤が例示される。かかるイオウ含有安定剤の配合量は、A成分およびB成分からなる成分100重量部に対して、好ましくは0.001~0.1重量部、より好ましくは0.01~0.08重量部である。
本発明の強化ポリカーボネート樹脂組成物には、難燃剤を配合することができる。かかる化合物の配合は難燃性の向上をもたらすが、それ以外にも各化合物の性質に基づき、例えば帯電防止性、流動性、剛性、および熱安定性の向上などがもたらされる。かかる難燃剤としては、(i)有機金属塩系難燃剤(例えば有機スルホン酸アルカリ(土類)金属塩、有機ホウ酸金属塩系難燃剤、および有機錫酸金属塩系難燃剤など)、(ii)有機リン系難燃剤(例えば、有機基含有のモノホスフェート化合物、ホスフェートオリゴマー化合物、ホスホネートオリゴマー化合物、ホスホニトリルオリゴマー化合物、およびホスホン酸アミド化合物など)、(iii)シリコーン化合物からなるシリコーン系難燃剤、(iv)フィブリル化PTFEが挙げられ、その中でも有機金属塩系難燃剤、有機リン系難燃剤が好ましい。これらは一種または二種複合して使用しても良い。
有機金属塩化合物は炭素原子数1~50、好ましくは1~40の有機酸のアルカリ(土類)金属塩、好ましくは有機スルホン酸アルカリ(土類)金属塩であることが好ましい。この有機スルホン酸アルカリ(土類)金属塩には、炭素原子数1~10、好ましくは2~8のパーフルオロアルキルスルホン酸とアルカリ金属またはアルカリ土類金属との金属塩の如きフッ素置換アルキルスルホン酸の金属塩、並びに炭素原子数7~50、好ましくは7~40の芳香族スルホン酸とアルカリ金属またはアルカリ土類金属との金属塩が含まれる。金属塩を構成するアルカリ金属としてはリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウムおよびセシウムが挙げられ、アルカリ土類金属としては、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウムおよびバリウムが挙げられる。より好適にはアルカリ金属である。かかるアルカリ金属の中でも、透明性の要求がより高い場合にはイオン半径のより大きいルビジウムおよびセシウムが好適である一方、これらは汎用的でなくまた精製もし難いことから、結果的にコストの点で不利となる場合がある。一方、リチウムおよびナトリウムなどのより小さいイオン半径の金属は逆に難燃性の点で不利な場合がある。これらを勘案してスルホン酸アルカリ金属塩中のアルカリ金属を使い分けることができるが、いずれの点においても特性のバランスに優れたスルホン酸カリウム塩が最も好適である。かかるカリウム塩と他のアルカリ金属からなるスルホン酸アルカリ金属塩とを併用することもできる。
有機リン系難燃剤としては、アリールホスフェート化合物、ホスファゼン化合物が好適に用いられる。これらの有機リン系難燃剤は可塑化効果があるため、成形加工性を高められる点で有利である。アリールホスフェート化合物は、従来難燃剤として公知の各種ホスフェート化合物が使用できるが、より好適には特に下記一般式〔7〕で表される1種または2種以上のホスフェート化合物を挙げることができる。
上記Mを誘導する二価フェノールの好適な具体例としては、ハイドロキノン、レゾルシノール、ビス(4-ヒドロキシジフェニル)メタン、ビスフェノールA、ジヒドロキシジフェニル、ジヒドロキシナフタレン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)ケトン、およびビス(4-ヒドロキシフェニル)サルファイドが例示され、中でも好ましくはレゾルシノール、ビスフェノールA、およびジヒドロキシジフェニルである。
尚、かかる一価フェノールはハロゲン原子で置換されてもよく、該一価フェノールから誘導される基を有するホスフェート化合物の具体例としては、トリス(2,4,6-トリブロモフェニル)ホスフェートおよびトリス(2,4-ジブロモフェニル)ホスフェート、トリス(4-ブロモフェニル)ホスフェートなどが例示される。
上記式〔8〕、〔9〕中、X1、X2、X3、X4で表されるハロゲン原子を含まない有機基としては、例えば、アルコキシ基、フェニル基、アミノ基、アリル基などが挙げられる。中でも上記式〔8〕で表される環状ホスファゼン化合物が好ましく、更に、上記式〔8〕中のX1、X2がフェノキシ基である環状フェノキシホスファゼンが特に好ましい。
シリコーン系難燃剤として使用されるシリコーン化合物は、燃焼時の化学反応によって難燃性を向上させるものである。該化合物としては従来芳香族ポリカーボート樹脂の難燃剤として提案された各種の化合物を使用することができる。シリコーン化合物はその燃焼時にそれ自体が結合してまたは樹脂に由来する成分と結合してストラクチャーを形成することにより、または該ストラクチャー形成時の還元反応により、特にポリカーボネート樹脂を用いた場合に高い難燃効果を付与するものと考えられている。
シリコーン系難燃剤に使用されるシリコーン化合物の構造は、具体的には、示性式としてDn、Tp、MmDn、MmTp、MmQq、MmDnTp、MmDnQq、MmTpQq、MmDnTpQq、DnTp、DnQq、DnTpQqが挙げられる。この中で好ましいシリコーン化合物の構造は、MmDn、MmTp、MmDnTp、MmDnQqであり、さらに好ましい構造は、MmDnまたはMmDnTpである。
ここで、前記示性式中の係数m、n、p、qは各シロキサン単位の重合度を表す1以上の整数であり、各示性式における係数の合計がシリコーン化合物の平均重合度となる。この平均重合度は好ましくは3~150の範囲、より好ましくは3~80の範囲、更に好ましくは3~60の範囲、特に好ましくは4~40の範囲である。かかる好適な範囲であるほど難燃性において優れるようになる。更に後述するように芳香族基を所定量含むシリコーン化合物においては透明性や色相にも優れる。その結果良好な反射光が得られる。またm、n、p、qのいずれかが2以上の数値である場合、その係数の付いたシロキサン単位は、結合する水素原子や有機残基が異なる2種以上のシロキサン単位とすることができる。
シリコーン系難燃剤の含有量は、A成分およびB成分からなる成分100重量部に対して、好ましくは0.01~20重量部、より好ましくは0.5~10重量部、さらに好ましくは1~5重量部である。
フィブリル化PTFEは、フィブリル化PTFE単独であっても、混合形態のフィブリル化PTFEすなわちフィブリル化PTFE粒子と有機系重合体からなるポリテトラフルオロエチレン系混合体であってもよい。フィブリル化PTFEは極めて高い分子量を有し、せん断力などの外的作用によりPTFE同士を結合して繊維状になる傾向を示すものである。その数平均分子量は、150万~数千万の範囲である。かかる下限はより好ましくは300万である。かかる数平均分子量は、例えば特開平6-145520号公報に開示されているとおり、380℃でのポリテトラフルオロエチレンの溶融粘度に基づき算出される。即ち、フィブリル化PTFEは、かかる公報に記載された方法で測定される380℃における溶融粘度が107~1013poiseの範囲であり、好ましくは108~1012poiseの範囲である。かかるPTFEは、固体形状の他、水性分散液形態のものも使用可能である。またかかるフィブリル化PTFEは樹脂中での分散性を向上させ、さらに良好な難燃性および機械的特性を得るために他の樹脂との混合形態のPTFE混合物を使用することも可能である。
また、特開平6-145520号公報に開示されているとおり、かかるフィブリル化PTFEを芯とし、低分子量のポリテトラフルオロエチレンを殻とした構造を有するものも好ましく利用される。
かかるフィブリル化PTFEの市販品としては例えば三井・デュポンフロロケミカル(株)のテフロン(登録商標)6J、ダイキン化学工業(株)のポリフロンMPA FA500、F-201Lなどを挙げることができる。
これらの混合形態のフィブリル化PTFEの市販品としては、三菱レイヨン(株)の「メタブレン A3000」(商品名)「メタブレン A3700」(商品名)、「メタブレン A3800」(商品名)で代表されるメタブレンAシリーズ、Shine Polymer社のSN3300B7(商品名)、およびGEスペシャリティーケミカルズ社製 「BLENDEX B449」(商品名)などが例示される。
混合形態におけるフィブリル化PTFEの割合としては、かかる混合物100重量%中、フィブリル化PTFEが1重量%~95重量%であることが好ましく、10重量%~90重量%であるのがより好ましく、20重量%~80重量%が最も好ましい。
混合形態におけるフィブリル化PTFEの割合がかかる範囲にある場合は、フィブリル化PTFEの良好な分散性を達成することができる。フィブリル化PTFEの含有量は、A成分およびB成分からなる成分100重量部に対して、好ましくは0.001~0.5重量部であり、0.01~0.5重量部がより好ましく、0.1~0.5重量部がさらに好ましい。
本発明の強化ポリカーボネート樹脂組成物は更に各種の染顔料を含有し多様な意匠性を発現する成形品を提供できる。本発明で使用する染顔料としては、ペリレン系染料、クマリン系染料、チオインジゴ系染料、アンスラキノン系染料、チオキサントン系染料、紺青等のフェロシアン化物、ペリノン系染料、キノリン系染料、キナクリドン系染料、ジオキサジン系染料、イソインドリノン系染料、およびフタロシアニン系染料などを挙げることができる。更に本発明のポリカーボネート樹脂組成物はメタリック顔料を配合してより良好なメタリック色彩を得ることもできる。メタリック顔料としては、アルミ粉が好適である。また、蛍光増白剤やそれ以外の発光をする蛍光染料を配合することにより、発光色を生かした更に良好な意匠効果を付与することができる。
本発明の強化ポリカーボネート樹脂組成物において蛍光増白剤は、樹脂等の色調を白色あるいは青白色に改善するために用いられるものであれば特に制限はなく、例えばスチルベン系、ベンズイミダゾール系、ベンズオキサゾール系、ナフタルイミド系、ローダミン系、クマリン系、オキサジン系化合物等が挙げられる。具体的には例えばCI Fluorescent Brightener 219:1や、イーストマンケミカル社製EASTOBRITE OB-1や昭和化学(株)製「ハッコールPSR」、などを挙げることができる。ここで蛍光増白剤は、光線の紫外部のエネルギーを吸収し、このエネルギーを可視部に放射する作用を有するものである。蛍光増白剤の含有量はA成分およびB成分からなる成分100重量部に対して、0.001~0.1重量部が好ましく、より好ましくは0.001~0.05重量部である。0.1重量部を超えても該組成物の色調の改良効果は小さい。
本発明の強化ポリカーボネート樹脂組成物は熱線吸収能を有する化合物を含有することができる。かかる化合物としてはフタロシアニン系近赤外線吸収剤、ATO、ITO、酸化イリジウムおよび酸化ルテニウム、酸化イモニウム、酸化チタンなどの金属酸化物系近赤外線吸収剤、ホウ化ランタン、ホウ化セリウムおよびホウ化タングステンなどの金属ホウ化物系や酸化タングステン系近赤外線吸収剤などの近赤外吸収能に優れた各種の金属化合物、ならびに炭素フィラーが好適に例示される。かかるフタロシアニン系近赤外線吸収剤としてはたとえば三井化学(株)製MIR-362が市販され容易に入手可能である。炭素フィラーとしてはカーボンブラック、グラファイト(天然、および人工のいずれも含む)およびフラーレンなどが例示され、好ましくはカーボンブラックおよびグラファイトである。これらは単体または2種以上を併用して使用することができる。フタロシアニン系近赤外線吸収剤の含有量は、A成分およびB成分からなる成分100重量部に対して、0.0005~0.2重量部が好ましく、0.0008~0.1重量部がより好ましく、0.001~0.07重量部がさらに好ましい。金属酸化物系近赤外線吸収剤、金属ホウ化物系近赤外線吸収剤および炭素フィラーの含有量は、本発明のポリカーボネート樹脂組成物中、0.1~200ppm(重量割合)の範囲が好ましく、0.5~100ppmの範囲がより好ましい。
本発明の強化ポリカーボネート樹脂組成物には、光拡散剤を配合して光拡散効果を付与することができる。かかる光拡散剤としては高分子微粒子、炭酸カルシウムの如き低屈折率の無機微粒子、およびこれらの複合物等が例示される。かかる高分子微粒子は、既にポリカーボネート樹脂の光拡散剤として公知の微粒子である。より好適には粒径数μmのアクリル架橋粒子およびポリオルガノシルセスキオキサンに代表されるシリコーン架橋粒子などが例示される。光拡散剤の形状は球形、円盤形、柱形、および不定形などが例示される。かかる球形は、完全球である必要はなく変形しているものを含み、かかる柱形は立方体を含む。好ましい光拡散剤は球形であり、その粒径は均一であるほど好ましい。光拡散剤の含有量は、A成分およびB成分からなる成分100重量部に対して、好ましくは0.005~20重量部、より好ましくは0.01~10重量部、更に好ましくは0.01~3重量部である。尚、光拡散剤は2種以上を併用することができる。
本発明の強化ポリカーボネート樹脂組成物には、光高反射用白色顔料を配合して光反射効果を付与することができる。かかる白色顔料としては二酸化チタン(特にシリコーンなど有機表面処理剤により処理された二酸化チタン)顔料が特に好ましい。かかる光高反射用白色顔料の含有量は、A成分およびB成分からなる成分100重量部に対して、3~30重量部が好ましく、8~25重量部がより好ましい。尚、光高反射用白色顔料は2種以上を併用することができる。
本発明の強化ポリカーボネート樹脂組成物には紫外線吸収剤を配合して耐候性を付与することができる。
かかる紫外線吸収剤としては、具体的にはベンゾフェノン系では、例えば、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-オクトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-ベンジロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-5-スルホキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’-テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4,4’-ジメトキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4,4’-ジメトキシ-5-ソジウムスルホキシベンゾフェノン、ビス(5-ベンゾイル-4-ヒドロキシ-2-メトキシフェニル)メタン、2-ヒドロキシ-4-n-ドデシルオキシベンソフェノン、および2-ヒドロキシ-4-メトキシ-2’-カルボキシベンゾフェノンなどが例示される。
紫外線吸収剤の含有量は、A成分およびB成分からなる成分100重量部に対して、好ましくは0.01~3重量部、より好ましくは0.01~1重量部、さらに好ましくは0.05~1重量部、特に好ましくは0.05~0.5重量部である。
本発明の強化ポリカーボネート樹脂組成物には、帯電防止性能が求められる場合があり、かかる場合帯電防止剤を含むことが好ましい。かかる帯電防止剤としては、例えば(1)ドデシルベンゼンスルホン酸ホスホニウム塩に代表されるアリールスルホン酸ホスホニウム塩、およびアルキルスルホン酸ホスホニウム塩などの有機スルホン酸ホスホニウム塩、並びにテトラフルオロホウ酸ホスホニウム塩の如きホウ酸ホスホニウム塩が挙げられる。該ホスホニウム塩の含有量は、A成分およびB成分からなる成分100重量部に対し、5重量部以下が適切であり、好ましくは0.05~5重量部、より好ましくは1~3.5重量部、更に好ましくは1.5~3重量部の範囲である。
帯電防止剤としては、例えば(3)アルキルスルホン酸アンモニウム塩、およびアリールスルホン酸アンモニウム塩などの有機スルホン酸アンモニウム塩が挙げられる。該アンモニウム塩はA成分およびB成分からなる成分100重量部に対して、0.05重量部以下が適切である。帯電防止剤としては、例えば(4)ポリエーテルエステルアミドの如きポリ(オキシアルキレン)グリコール成分をその構成成分として含有するポリマーが挙げられる。該ポリマーはA成分およびB成分からなる成分100重量部に対して、5重量部以下が適切である。
本発明の強化ポリカーボネート樹脂組成物には、繊維状充填剤以外の強化フィラーとして公知の各種充填材を配合することができる。かかる充填材としては、各種の板状充填材および粒状充填材が利用できる。ここで、板状充填材はその形状が板状(表面に凹凸を有するものや、板が湾曲を有するものを含む)である充填材である。粒状充填材は、不定形状を含むこれら以外の形状の充填材である。
板状充填材としては、ガラスフレーク、タルク、マイカ、カオリン、メタルフレーク、カーボンフレーク、およびグラファイト、並びにこれらの充填剤に対して例えば金属や金属酸化物などの異種材料を表面被覆した板状充填材などが好ましく例示される。その粒径は0.1~300μmの範囲が好ましい。かかる粒径は、10μm程度までの領域は液相沈降法の1つであるX線透過法で測定された粒子径分布のメジアン径(D50)による値をいい、10~50μmの領域ではレーザー回折・散乱法で測定された粒子径分布のメジアン径(D50)による値をいい、50~300μmの領域では振動式篩分け法による値である。かかる粒径は樹脂組成物中での粒径である。板状充填材は、各種のシラン系、チタネート系、アルミネート系、およびジルコネート系などのカップリング剤で表面処理されてもよく、またオレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、およびウレタン系樹脂などの各種樹脂や高級脂肪酸エステルなどにより集束処理されるか、または圧縮処理された造粒物であってもよい。
本発明の強化ポリカーボネート樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、樹脂成分の一部に代えて、他の樹脂やエラストマーを本発明の効果を発揮する範囲において、少割合使用することもできる。他の樹脂やエラストマーの配合量はA成分およびB成分からなる成分100重量部に対して、好ましくは20重量部以下、より好ましくは10重量部以下、更に好ましくは5重量部以下、最も好ましくは3重量部以下である。
かかる他の樹脂としては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリメタクリレート樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂が挙げられる。また、エラストマーとしては、例えばイソブチレン/イソプレンゴム、スチレン/ブタジエンゴム、エチレン/プロピレンゴム、アクリル系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、コアシェル型のエラストマーであるMBS(メタクリル酸メチル/ステレン/ブタジエン)ゴム、MB(メタクリル酸メチル/ブタジエン)ゴム、MAS(メタクリル酸メチル/アクリロニトリル/スチレン)ゴム等が挙げられる。
本発明の強化ポリカーボネート樹脂組成物には、その他の流動改質剤、抗菌剤、流動パラフィンの如き分散剤、光触媒系防汚剤およびフォトクロミック剤などを配合することができる。
本発明の強化ポリカーボネート樹脂組成物は、単軸押出機、二軸押出機の如き押出機を用いて、溶融混練することによりペレット化することができる。かかるペレットを作製するにあたり、上記各種強化充填剤、添加剤を配合することもできる。本発明の強化ポリカーボネート樹脂組成物は、通常前記の如く製造されたペレットを射出成形して各種製品を製造することができる。更にペレットを経由することなく、押出機で溶融混練された樹脂を直接シート、フィルム、異型押出成形品、ダイレクトブロー成形品、および射出成形品にすることも可能である。かかる射出成形においては、通常の成形方法だけでなく、適宜目的に応じて、射出圧縮成形、射出プレス成形、ガスアシスト射出成形、発泡成形(超臨界流体の注入によるものを含む)、インサート成形、インモールドコーティング成形、断熱金型成形、急速加熱冷却金型成形、二色成形、サンドイッチ成形、および超高速射出成形などの射出成形法を用いて成形品を得ることができる。これら各種成形法の利点は既に広く知られるところである。また成形はコールドランナー方式およびホットランナー方式のいずれも選択することができる。また本発明の樹脂組成物は、押出成形により各種異形押出成形品、シート、およびフィルムなどの形で利用することもできる。またシート、フィルムの成形にはインフレーション法や、カレンダー法、キャスティング法なども使用可能である。さらに特定の延伸操作をかけることにより熱収縮チューブとして成形することも可能である。また本発明の樹脂組成物を回転成形やブロー成形などにより成形品とすることも可能である。
本発明の強化ポリカーボネート樹脂組成物からなる樹脂成形体は、通常かかるペレットを射出成形して成形品を得ることができる。かかる射出成形においては、通常のコールドランナー方式の成形法だけでなく、ランナーレスを可能とするホットランナーによって製造することも可能である。また射出成形においても、通常の成形方法だけでなくガスアシスト射出成形、射出圧縮成形、超高速射出成形、射出プレス成形、二色成形、サンドイッチ成形、インモールドコーティング成形、インサート成形、発泡成形(超臨界流体を利用するものを含む)、急速加熱冷却金型成形、断熱金型成形および金型内再溶融成形、並びにこれらの組合せからなる成形法等を使用することができる。
1.フッ素樹脂の評価
1-1.融点
示差走査熱量測定(DSC)装置を用いて、10℃/分の速度で昇温したときの融解熱曲線における極大値に対応する温度として求めた。
1-2.5%重量減少温度
JIS K7120に準拠し、TGA測定装置を用いて、窒素ガス雰囲気中、23℃から900℃までの温度範囲および20℃/分の昇温速度からなる測定条件の下で測定した。かかる重量減少挙動において、5%の重量減少が認められる温度を5%重量減少温度とした。
2-1.耐衝撃性(シャルピー衝撃強度)
実施例の各組成から得られたペレットを120℃の条件下5時間乾燥させた後、射出成形機(住友重機械工業(株)製 SG-150U)によりシリンダー温度300℃、金型温度80℃で試験片(寸法:長さ80mm×幅10mm×厚み4mm)を成形した。ノッチ付シャルピー衝撃強度はISO179(測定条件23℃)に準拠して測定した。ノッチ付シャルピー衝撃強度は10kJ/m2より大きいことが好ましい。
2-2.耐熱性(荷重たわみ温度)
前記2-1と同条件で成形した試験片(寸法:長さ80mm×幅10mm×厚み4mm)を、ISO75-1、2に準拠し、荷重たわみ温度(荷重1.80MPa)を測定した。荷重たわみ温度は、140℃より高いことが好ましい。
2-3.強度(曲げ弾性率)
前記2-1と同条件で成形した試験片(寸法:長さ80mm×幅10mm×厚み4mm)を、ISO178に準拠し、曲げ弾性率を測定した。曲げ弾性率は、3,500MPaより高いことが好ましい。
実施例の各組成から得られたペレットを120℃の条件下5時間乾燥させた後、射出成形機(住友重機械工業(株)製 SG-150U)によりシリンダー温度300℃、金型温度80℃で角板(寸法:長さ150mm×幅150mm×厚み2mm)を成形した。その後、計量が完了した状態で射出シリンダーを後退させてシリンダー内で溶融樹脂を10分間滞留させた後、同様の条件で成形を行った。熱安定性は、滞留後3ショットの成形品の外観を目視にて観察し、下記基準で評価を行った。
〇:シルバーが見られないもの
×:シルバーが見られるもの
2-5.難燃性
米国アンダーライターラボラトリー社の定める方法(UL94)に準拠し、厚み3.0mmにてUL94ランクを評価した。なお試験片は、射出成形機(住友重機械工業(株)製 SG-150U)によりシリンダー温度280℃、金型温度80℃で成形した。なお、判定がV-0、V-1、V-2のいずれの基準も満たすことが出来なかった場合「notV」と示すこととした。燃焼試験時にドリップしないことが重要であり、UL94ランクではV-1もしくはV-0であることが好ましい。
A~C成分および各種添加剤を表1および表2記載の各配合量で、ブレンダーにて混合した後、ベント式二軸押出機を用いて溶融混練してペレットを得た。使用する各種添加剤は、それぞれ配合量の10~100倍の濃度を目安に予めポリカーボネート樹脂との予備混合物を作成した後、ブレンダーによる全体の混合を行った。ベント式二軸押出機は(株)日本製鋼所製:TEX30α(完全かみ合い、同方向回転、2条ネジスクリュー)を使用した。押出条件は吐出量20kg/h、スクリュー回転数150rpm、ベントの真空度3kPaであり、また押出温度は第一供給口から第二供給口まで270℃、第二供給口からダイス部分まで280℃とした。得られたペレットの評価結果を表1および表2に示す。
(A成分)
A-1:下記製法により得られた粘度平均分子量22,400のポリカーボネート樹脂パウダー
[製造方法]
温度計、攪拌機、還流冷却器付き反応器にイオン交換水2340部、25%水酸化ナトリウム水溶液947部、ハイドロサルファイト0.7部を仕込み、攪拌下に2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン(以下「ビスフェノールA」と称する事がある)710部を溶解した(ビスフェノールA溶液)後、塩化メチレン2299部と48.5%水酸化ナトリウム水溶液112部を加えて、15~25℃でホスゲン354部を約90分かけて吹き込みホスゲン化反応を行った。ホスゲン化終了後、11%濃度のp-tert-ブチルフェノールの塩化メチレン溶液125部と48.5%水酸化ナトリウム水溶液88部を加えて、攪拌を停止し、10分間静置分離後、攪拌を行い乳化させ5分後、ホモミキサー(特殊機化工業(株))で回転数1200rpm、パス回数35回で処理し高乳化ドープを得た。該高乳化ドープを重合槽(攪拌機付き)で、無攪拌条件下、温度35℃で3時間反応し重合を終了した。反応終了後、有機相を分離し、塩化メチレンで希釈して水洗した後塩酸酸性にして水洗し、水相の導電率がイオン交換水と殆ど同じになったところで温水を張ったニーダーに投入して、攪拌しながら塩化メチレンを蒸発させ、ポリカーボネートのパウダーを得た。脱水後、熱風循環式乾燥機により120℃で12時間乾燥し、ポリカーボネート樹脂パウダーを得た。
A-2:下記製法により得られた粘度平均分子量19,800のポリカーボネート樹脂パウダー
[製造方法]
11%濃度のp-tert-ブチルフェノールの塩化メチレン溶液を128部に変更した以外は、A-1の製造方法と同様に行い、ポリカーボネート樹脂パウダーを得た。
B-1:円形断面チョップドガラス繊維(日東紡績(株)製;CSG 3PE-455(商品名)、繊維径13μm、カット長3mm、ウレタン系集束剤)
B-2:炭素繊維(東邦テナックス(株)製;HT C422、繊維径7μm)
B-3:ガラスミルドファイバー(日東紡績(株)製PFE-301、平均繊維径9μm、平均繊維長30μm、シランカップリング剤処理)
B-4:扁平断面チョップドガラス繊維(日東紡績(株)製:CSG 3PA-830、長径27μm、短径4μm、カット長3mm、エポキシ系集束剤)
(C成分)
C-1:テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体(融点:253℃、5%重量減少温度:477℃)
C-2:テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体(融点:292℃、5%重量減少温度:495℃)
C-3:エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体(融点:191℃、5%重量減少温度:461℃)
C-4:ポリテトラフルオロエチレン(ダイキン工業株式会社製:ルブロンL7(商品名))(融点:327℃、5%重量減少温度:499℃)
C-5:テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体(融点:306℃、5%重量減少温度:496℃)
C-6:テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体(融点:236℃、5%重量減少温度:466℃)
(その他の成分)
TMP:ホスフェート系安定剤(大八化学工業株式会社製:TMP(商品名))
TN:テトラブロモビスフェノールAのカーボネートオリゴマー(帝人(株)製:ファイヤガード FG8500(商品名))
F114:パーフルオロブタンスルホン酸カリウム塩(大日本インキ(株)製メガファックF-114P(商品名))
UV:ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(ケミプロ化成工業(株)製:ケミソーブ79(商品名))
DC:無水マレイン酸とα-オレフィンとの共重合体(三菱化学(株)製ダイヤカルナDC30M(商品名))
Claims (4)
- (A)ポリカーボネート樹脂(A成分)50~95重量部および(B)繊維状充填材(B成分)5~50重量部からなる成分100重量部に対して、(C)フッ素樹脂(C成分)2~45重量部を含有する強化ポリカーボネート樹脂組成物であって、
C成分が下記一般式〔1〕および〔2〕で表される重合単位を含む共重合体であり、
C成分の融点が240℃~300℃であり、
C成分のTGA(熱重量解析)における5%重量減少温度が470℃以上であり、
A成分は、芳香族ビスフェノール類を用いて調製したポリカーボネート樹脂であり、
下記一般式〔2〕で表される重合単位は、ヘキサフルオロプロピレン、オクタフルオロ-1-ブテン、デカフルオロ-1-ペンテン、オクタフルオロイソブチレン、又はパーフルオロブチルエチレンから誘導される重合単位であり、かつ
下記一般式〔1〕および〔2〕の質量比〔1〕/〔2〕が98/2~50/50である
ことを特徴とする強化ポリカーボネート樹脂組成物。
- A成分は、ビスフェノールAを用いて調製したポリカーボネート樹脂であり、
C成分は、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体である
ことを特徴とする、請求項1に記載の強化ポリカーボネート樹脂組成物。 - B成分がガラス繊維および/または炭素繊維であることを特徴とする請求項1又は2に記載の強化ポリカーボネート樹脂組成物。
- 請求項1~3のいずれか一項に記載の強化ポリカーボネート樹脂組成物からなる成形体。
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