JP6990691B2 - イオン注入のためのドーパント組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、ターゲットイオン種のビーム電流を生成するためにドーパント源と組み合わせた好適なアシスト種(assistant species)を含む組成物に関する。
イオン注入は、発光ダイオード(LED)、太陽電池、及び金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)などの、半導体ベースのデバイスの製作に利用される。イオン注入は、ドーパントを導入して、半導体の電子的又は物理的特性を改変するために使用される。
従来のイオン注入システムにおいて、しばしばドーパント源と称されるガス種が、イオン源のアークチャンバ内に導入される。イオン源チャンバは、その熱イオン発生温度まで加熱されて
電子を発生する陰極を備える。電子は、アークチャンバ壁に向かって加速し、アークチャンバ内に存在するドーパント源ガス分子と衝突してプラズマを発生する。プラズマは、ドーパントガス種の解離イオン、ラジカル、並びに中性原子及び分子を含む。イオンは、アークチャンバから抽出され、次いで、分離されてターゲットイオン種を選択し、これを標的基板に向かって方向付ける。生成されるイオンの量は、単位時間あたりアークチャンバに供給されるエネルギー量(すなわち電力レベル)並びにイオン源へのドーパント源及び/又はアシスト種の流量が挙げられるがこれらに限定されないアークチャンバの様々なパラメータに依存する。
ドーパント原子又は分子を含むフッ化物、水素化物、及び酸化物などの数種のドーパント源が、現在使用されている。これらのドーパント源は、ターゲットイオン種のビーム電流を生成する能力に限界がある場合があり、ビーム電流を改善する、特にソースドレイン/ソースドレイン拡張注入、ポリシリコンドーピング及び閾値電圧調整などの高用量イオン注入の適用に関する継続的な需要がある。
今日、増加したビーム電流は、ターゲットドーパント種を含むイオンを生成するガスをプラズマに導入することによって得られる。ドーパントガス源のイオン化によって発生したビーム電流を増加させるために利用される1つの既知の方法は、より多くのドーパントイオンを生成するためのドーパント源に対する共同種(co-species)の追加である。例えば、米国特許第7,655,931号は、ドーパントガスと同じドーパントイオンを有する希釈ガスの追加を開示している。しかしながら、ビーム電流の増加は、特定のイオン注入レシピにとって十分に高くない場合がある。それどころか、共同種の追加がビーム電流を実際に下げる例がある。この点に関して、図3並びに比較例3及び4で米国特許第8,803,112号は、SiH又はSiの希釈剤をそれぞれSiFのドーパント源に追加することが、SiFのみから発生したビーム電流と比較するとビーム電流を実際に下げることを実証する。
別の方法は、同位体濃縮ドーパント源を使用することを含む。例えば、米国特許第8,883,620号は、単位体積あたりのドーパントイオンのより多くのモル数を導入しようとする試みで自然発生のドーパントガスの同位体濃縮バージョンを追加することを開示している。しかしながら、同位体濃縮ガスを利用することは、時間のかかるプロセスである再認定を必要とする場合があるイオン注入プロセスに対する実質的変化を必要とすることがある。加えて、同位体濃縮バージョンは、必ずしも同位体濃縮レベルに比例した量で増加するビーム電流を発生しない。更に、同位体濃縮ドーパント源は、容易に市販されているものではない。たとえ市販されていても、そのような源は、天然存在レベルを超えるドーパント源の所望の同位体を単離するために必要なプロセスの結果として、自然発生バージョンより著しく高価になり得る。同位体濃縮ドーパント源のこのコストの増加は、時として観測されたビーム電流の増加を考慮して正当化されない場合があり、特定のドーパント源の場合に自然発生バージョンに対してビーム電流のわずかな改善を生じるのが観測されるだけである。
これらの欠点を考慮すると、イオン注入ビーム電流の改善のための未だ満たされていないニーズが残っている。
これらの欠点のために、本発明は、イオンビーム電流を生じさせるためのターゲットイオン種の生成用のイオン注入機で用いるのに好適な組成物であって、アシスト種と組み合わせたドーパント源を含み、ドーパント源及びアシスト種が、イオン注入機を占有し、その中でターゲットイオン種を生成するために相互作用する、組成物に関する。アシスト種を選択する基準は、以下の特性、イオン化エネルギー、総イオン化断面積、結合解離エネルギー対イオン化エネルギーの比、及び特定の組成物の組み合わせに基づく。本発明の他の使用及び効果が適用可能であろうことを理解されたい。
一態様では、非炭素ターゲットイオン種のイオン注入のための組成物であって、非炭素ターゲットイオン種を含むドーパント源と、アシスト種であって、(i)ドーパント源のイオン化エネルギーと比較してより低いイオン化エネルギーと、(ii)2Åを超える総イオン化断面積(TICS)と、(iii)0.2以上になるアシスト種の最も弱い結合の結合解離エネルギー(BDE)対アシスト種のより低いイオン化エネルギー比と、(iv)非炭素ターゲットイオン種の非存在を特徴とする組成物と、を含むアシスト種と、を含み、ドーパント源及びアシスト種がイオン注入機を占有し、その中で任意の希釈剤を用いて又は用いないで非炭素ターゲットイオン種を生成するために相互作用する、組成物。
第2の態様では、Ge含有イオンビーム電流を生じさせるためのGe含有ターゲットイオン種の生成用のイオン注入機で用いるのに好適な組成物であって、Ge含有ターゲットイオン種が由来するGeFを含むドーパント源と、CHFを含むアシスト種と、を含み、ドーパント源及びアシスト種がイオン注入機を占有し、その中でGe含有ターゲットイオン種を生成するために相互作用する、組成物。
第3の態様では、B含有イオンビーム電流を生じさせるためのB含有ターゲットイオン種の生成用のイオン注入機で用いるのに好適な組成物であって、B含有ターゲットイオン種が由来するBFを含むドーパント源と、Siを含むアシスト種と、を含み、ドーパント源及びアシスト種がイオン注入機を占有し、その中でB含有ターゲットイオン種を生成するために相互作用する、組成物。
72GeFガス混合物に対する相対的な72Geイオンビーム電流データの棒グラフである。 自然発生GeF及び同位体濃縮72GeFガス混合物から生成した相対的なGeイオンビーム電流を比較する棒グラフである。 同位体濃縮11BFのガス混合物から発生した11Bイオンの相対的なビーム電流の棒グラフである。 アシスト種と特性値の代表的なリストである。 アシスト種及びドーパント種の代表的なリストである。
本発明の様々な要素の関連性及び機能は、以下の「発明を実施するための形態」によってより良好に理解される。「発明を実施するための形態」は、本開示の範囲内のものとして様々な置換及び組み合わせの特徴、態様、及び実施形態を想到している。したがって、本開示は、これらの特定の特徴、態様、及び実施形態のそのような組み合わせ及び置換のうちのいずれか、又はそれらのうちの選択された1つ以上を備えるように、それらからなるように、又はそれらから本質的になるように指定され得る。
別途記載のない限り、全ての組成物は、組成物の全容量に基づいて容量パーセント(vol%)と表現されることを理解されたい。
本明細書で使用するとき、かつ本明細書の全体を通して、「同位体濃縮」及び「濃縮」ドーパントガスという用語は、互換的に使用されて、ドーパントガスが自然発生同位体分布と異なる質量同位体の分布を含むことを意味し、それにより質量同位体の1つは、自然発生レベルで存在するよりも高い濃縮レベルを有する。例として、58%72GeFは、58%濃縮で質量同位体72Geを含む同位体濃縮又は濃縮ドーパントガスを指すのに対して、自然発生GeFは、27%の天然存在レベルで質量同位体72Geを含む。同位体濃縮11BFは、本明細書で全体を通して使用するとき、好ましくは99.8%濃縮で質量同位体11Bを含む同位体濃縮ドーパントガスを指すのに対して、自然発生BFは、80.1%の天然存在レベルで質量同位体11Bを含む。濃縮レベルは、本明細書で全体を通して使用するとき、材料に含まれる質量同位体の総分布容積に基づいて容量パーセントと表現される。
本明細書に全体を通して記載されるようにドーパント源及びアシスト種は、他の成分(例えば、不可避の微量汚染物)を含んでもよいが、その際そのような成分は、アシスト種とドーパント源との相互作用に悪影響を及ぼさない量で含まれていることを理解されたい。
本開示は、ドーパント源及びアシスト種を含むイオン注入のための組成物に関し、ドーパントガスと組み合わせたアシスト種は、任意の希釈剤種を用いて又は用いないで所望のドーパントイオンのイオンビーム電流を生成する。「ターゲットイオン種」は、ウェハが挙げられるがこれに限定されない標的基板の表面に注入されるドーパント源由来の任意の正又は負に帯電した原子若しくは分子フラグメント(複数可)として定義される。説明されるように、本発明は、現在のドーパント源、特にイオン注入の高用量適用時(すなわち、1013atoms/cm超)の改善の必要が存在することを認識し、これを達成するための新しい解決策を提供する。
ドーパント源及びアシスト種への言及はまた、ドーパント源又はアシスト種の任意の原子が天然存在レベルを超えて同位体濃縮されている、ドーパント源又はアシスト種のどちらかの任意の同位体濃縮バージョンを含んでもよいことを理解されたい。
一態様では、本発明は、ターゲットイオン種を含むドーパント源と、次の属性を含むアシスト種とを伴う:(i)ドーパント源より低いイオン化エネルギー、(ii)2Åより大きな総イオン化断面積、(iii)0.2以上の結合解離エネルギー対イオン化エネルギー比、及び(iv)ターゲットイオン種の非存在を特徴とする組成物。特定の理論に束縛されるものではないが、出願人らは、アシスト種が上記基準で選択され、ドーパント源と並行して流れる(co-flowed)、連続して流れる、又は混合されるとき、結果として得られる組成物は、任意の希釈剤種を用いて又は用いないでターゲットイオン種を生成するために互いに相互作用し得ることを発見した。
別の態様では、本発明は、ターゲットイオン種を含む非炭素ドーパント源と、次の属性を含むアシスト種とを伴う:(i)非炭素ドーパント源より低いイオン化エネルギー、(ii)2Åより大きな総イオン化断面積、(iii)0.2以上の結合解離エネルギー対イオン化エネルギー比、及び(iv)ターゲットイオン種の非存在を特徴とする組成物。非炭素ドーパント源及びアシスト種は、イオン注入機を占有し、その中でターゲットイオン種を生成するために相互作用する。
特定の理論に束縛されるものではないが、出願人らは、アシスト種が上記基準で選択され、ドーパント源と並行して流れる、連続して流れる、又は混合されるとき、結果として得られる組成物は、任意の希釈剤種を用いて又は用いないでターゲットイオン種を生成するために互いに相互作用し得ることを発見した。
更に別の態様では、本発明は、非炭素ターゲットイオン種を含むドーパント源と、次の属性を含むアシスト種とを伴う:(i)非炭素ドーパント源より低いイオン化エネルギー、(ii)2Åより大きな総イオン化断面積、(iii)0.2以上の結合解離エネルギー対イオン化エネルギー比、及び(iv)非炭素ターゲットイオン種の非存在を特徴とする組成物。ドーパント源及びアシスト種は、イオン注入機を占有し、その中で非炭素ターゲットイオン種を生成するために相互作用する。
別の態様では、ドーパント源及びアシスト種(本明細書に記載された基準を有する)は、ドーパント源のみから発生するより高い非炭素ターゲットイオン種のイオンビーム電流を生成するために互いに相互作用し得る。アシスト種がターゲットイオン種を含まず、結果として、ドーパント源を希釈し、プラズマの中に導入されたドーパント源分子の数を減少させることを考えると、より高い非炭素ターゲットイオン種のビーム電流を生成する能力は、意外である。アシスト種は、アシスト種が非炭素ターゲットイオン種を含まないとしても、所望のすなわち非炭素ターゲットイオン種を形成するようドーパント源のイオン化を増進して、ドーパント源からの非炭素ターゲットイオン種のビーム電流の増加を可能にする。
別の態様では、ドーパント源は、非炭素ドーパント源であり、アシスト種(本明細書に記載された基準を有する)は、非炭素ドーパント源のみから発生するより高いターゲットイオン種のイオンビーム電流を生成するために互いに相互作用し得る。アシスト種がターゲットイオン種を含まず、結果として、非炭素ドーパント源を希釈し、プラズマの中に導入された非炭素ドーパント源分子の数を減少させることを考えると、より高いターゲットイオン種のビーム電流を生成する能力は、意外である。アシスト種は、アシスト種がターゲットイオン種を含まないとしても、所望のすなわちターゲットイオン種を形成するよう非炭素ドーパント源のイオン化を増進して、非炭素ドーパント源からのターゲットイオン種のビーム電流の増加を可能にする。
更に別の態様では、本発明は、ターゲットイオン種を含むドーパント源と、次の属性を含むアシスト種とを伴う:(i)ドーパント源より低いイオン化エネルギー、(ii)2Åより大きな総イオン化断面積、(iii)0.2以上の結合解離エネルギー対イオン化エネルギー比、及び(iv)ターゲットイオン種の非存在を特徴とする組成物。特定の理論に束縛されるものではないが、出願人らは、アシスト種が上記基準で選択され、ドーパント源と並行して流れる、連続して流れる、又は混合されるとき、結果として得られる組成物は、任意の希釈剤種を用いて又は用いないでドーパント源のみから発生するよりレベルが高いイオンビーム電流を生じるターゲットイオン種を生成するために互いに相互作用し得ることを発見した。
アシスト種は、単一の貯蔵容器でドーパント源と混合することができる。あるいは、アシスト種及びドーパント源は、別個の貯蔵容器から並行して流れる(co flown)ことができる。更に、アシスト種及びドーパント源は、別個の貯蔵容器から連続して流れることができる。並行して流れる又は連続して流れるとき、結果として得られる組成混合物は、イオンチャンバの上流又はイオン源チャンバ内で生成され得る。別の例において、組成混合物は、蒸気相又はガス相において回収され、次いでガス混合物がイオン化されてプラズマを生じるイオン源チャンバの中へ流れる。ターゲットイオン種は、次にプラズマから抽出され、基板の表面へと注入され得る。
本明細書で使用するとき、イオン化エネルギーは、単離されたガス種から電子を取り除きカチオンを形成するのに必要なエネルギーを指す。イオン化エネルギーの値は、文献から得ることができる。より具体的には、文献源は、National Institute of Standards and Technology(NIST)chemistry webbook(P.J.Linstrom and W.G.Mallard,Eds.,NIST Chemistry WebBook,NIST Standard Reference Database Number 69,National Institute of Standards and Technology,Gaithersburg MD,20899.http://webbook.nist.gov/chemistry/)に見出すことができる。イオン化エネルギーの値は、電子衝突イオン化、光電子分光法、又は光イオン化質量分析を使用して実験的に決定することができる。イオン化エネルギーの理論上の値は、密度汎関数理論(DFT)並びに市販されているDacapo、VASP、及びGaussianなどのモデル化ソフトウェアを使用して得ることができる。プラズマに供給されるエネルギーは、離散値であるが、プラズマ中の種は、異なるエネルギーの広範な分布にわたって存在する。ドーパント源より低いイオン化エネルギーを有するアシスト種が、追加される又はドーパント源を導入すると、アシスト種は、プラズマ中のエネルギーのより大きな分布にわたってイオン化することができる。結果として、プラズマ中のイオンの集団全体は、増加し得る。そのようなイオンの増加した集団によって、アシスト種のイオンの結果としてドーパント種の「アシスト種イオンアシストイオン化(assistant species ion-assisted ionization)」は、電界の存在下で加速しドーパント源と衝突して、より多くのフラグメントに更に分解するようになる。最終結果は、ターゲットイオン種のビーム電流における増加である。それどころか、ドーパント源より高いイオン化エネルギーを有する種が、ドーパント源の中に導入された場合、追加された種は、プラズマ中のイオンの全体的割合を低減し得る、かつターゲットイオン種のビーム電流を低減し得るドーパント源から発生したイオンと比べて低い割合のイオンを形成する場合がある。一実施形態では、アシスト種のイオン化エネルギーは、ドーパント源のイオン化エネルギーより少なくとも5%低い。
ドーパント源より低いイオン化エネルギーを有するアシスト種を有することが望ましいが、それ自体で低いイオン化エネルギーは、ビーム電流を増加しない場合がある。本発明の原理に従って、他の適用基準を満たす必要がある。具体的には、アシスト種は、最小総イオン化断面積を有する必要がある。本明細書で使用するとき、分子又は原子の総イオン化断面積(TICS)は、分子又は原子が電子下でイオンを形成する確率及び/又は電子エネルギー(eV単位)の関数として面積の単位で表されるイオン衝撃イオン化(例えば、cm、A、m)として定義される。本明細書で使用するとき、かつ全体を通して、TICSは、特定の電子エネルギーで最大値を指すことを理解されたい。実験データ及びBEB推定値は、文献上及びNational Institute of Standards and Technology(NIST)database(Kim,Y.,K.et al.,Electron-Impact Cross Sections for Ionization and Excitation Database 107,National Institute of Standards and Technology,Gaithersburg MD,20899,http://physics.nist.gov/PhysRefData/Ionization/molTable.html)を通して入手可能である。TICS値は、電子衝突イオン化又は電子イオン化解離を使用して実験的に決定することができる。TICSは、binary encounter Bethe(BEB)モデルを使用して理論的に推定することができる。プラズマ中の衝突事象の数が増加するにつれて、破壊された結合の数が増加し、イオンフラグメントの数が増加する。このように、低いイオン化エネルギーに加えて、本発明は、アシスト種の十分な総イオン化断面積がまた、ドーパント種のイオン化をアシストするために所望される特性であることを発見した。好ましい実施形態では、アシスト種は、2Åを超えるTICSを有する。出願人らは、2Åを超えるイオン化断面積は必要な衝突が発生し得る十分な可能性を提供することを発見した。それどころか、イオン化断面積が2Å未満である場合は、出願人らは、プラズマ中の衝突事象の数が、減少することを期待されること、及び結果として、ビーム電流もまた減少し得ることを発見した。例として、Hは、2Å未満の総イオン化断面積を有し、またGeFなどのドーパント源に追加されると、Geのビーム電流は、GeFのみから発生したものと比較すると減少することが観測される。他の実施形態では、所望のアシスト種の総イオン化断面積は、3Åより大きく、4Åより大きく、又は5Åより大きい。
必要なイオン化エネルギー及びTICSに加えて、選択されるアシスト種はまた、アシスト種の最も弱い結合のBDE対アシスト種のイオン化エネルギーの比が0.2以上であるような特定の結合解離エネルギー(BDE)も有する必要がある。BDEの値は、文献上及びより具体的にはNational Bureau of Standards(Darwent,B.deB.,「Bond Dissociation Energies in Simple Molecules」,National Bureau of Standards,(1970))又はテキスト(Speight,J.G.,Lange,N.A.,Lange’s Handbook of Chemistry,16th ed.,McGraw-Hill,2005)から容易に入手できる。BDE値はまた、熱分解、熱量測定、又は質量分析法などの技術によって実験的に決定することもでき、また密度汎関数理論並びに市販されているDacapo、VASP、及びGaussianなどのモデル化ソフトウェアによって理論的に決定することもできる。この比は、非荷電種に対するプラズマ中に生成したイオンの比率の指標である。BDEは、化学結合を破壊するのに必要なエネルギーとして定義することができる。最も弱いBDEを有する結合は、プラズマ中で最初に破壊する可能性が最も高いだろう。したがって、各分子が異なったエネルギーを有する複数の結合を有し得るので、このメトリックは、分子中の最も弱い結合解離エネルギーを使用して計算される。
概して言えば、プラズマにおいて、化学結合は、衝突によって破壊されて分子フラグメントを生成する。例えば、GeFは、Ge、GeF、GeF、及びGeF及びFフラグメントに分裂し得る。Geがターゲットイオン種である場合、次に4個のGe-F結合を破壊して、Geターゲットイオン種を生成する必要がある。従来の常識では、化学結合がより破壊しやすくなるので、ターゲットイオン種を形成しやすくするようにより低い結合解離エネルギーを有する分子が好ましい。しかしながら、出願人らは、それ以外の場合を発見した。より高いBDEを有する分子は、遊離基及び/又は中性物質と比較すると、より大きな比率のイオンを生成する傾向があることを発見した。化学結合が特にプラズマ中で破壊されるとき、得られる種は、イオン、遊離基、又は中性種のいずれかを形成することになる。最も弱い結合のBDE対イオン化エネルギーの比は、遊離基及び中性種の両方が電荷を有さず、かつしたがって、電界又は磁界による影響を受けないとき、遊離基及び中性種の比率を低減しつつプラズマ中のイオンの比率を増加させるように、本発明の原理に従って選択される。更に、これらの種は、プラズマ中で不活性であり、抽出してイオンビームを形成することができない。したがって、アシスト種の最も弱い結合のBDE対イオン化エネルギーの比は、遊離基及び中性種に対するプラズマ中に形成されたイオンの割合の指標である。具体的には、最も弱い結合の結合解離対イオン化エネルギー比が0.2以上であるガス分子が、ドーパント源に追加されると、プラズマは、プラズマ中の遊離基及び中性種と比較して大きな比率のイオンを生成しやすい。大きな比率のイオンは、ターゲットイオン種のビーム電流を増加させ得る。別の実施形態では、アシスト種は、最も弱い結合解離エネルギー対イオン化エネルギー比が少なくとも0.25以上、また好ましくは0.3以上であるように選択される。それどころか最も弱い結合の結合解離エネルギー対イオン化エネルギーの比が0.2を下回る場合は、プラズマに供給されるエネルギーは、プラズマをあふれさせ、生成されるターゲットイオン種の数を低減し得る高い比率の中性種及び/又は遊離基を形成するように結合される。このように、本発明のこの無次元メトリックは、プラズマ中の遊離基及び/又は中性物質に対してより高い比率のイオンを生成するための種の能力間の良好な比較を可能にする。
アシスト種は、ターゲットイオン種の非存在を特徴とする組成物を有する。この点に関して、図5は、ドーパント源とターゲットイオン種のいくつかの例を、イオン化エネルギー、TICS、及び最も弱いBDE対イオン化エネルギー比、並びにアシスト種がターゲットイオン種を含まない場合という4つの基準に基づいて各ドーパント源の好適なアシスト種の例と共に示している。図5は、(「X」で示されるように)各ドーパント源の好適なアシスト種の例を含むが、本発明は、前述の基準を満たす任意の種を想到していることを理解されたい。図5に見ることができるように、アシスト種は、ターゲットイオン種を含まない。そのようなアシスト種を利用する能力は、単位体積あたり少ないモルのドーパント源がプラズマの中へ導入されて、したがってプラズマ中のドーパント源を希釈する効果を有するので、想定外である。しかしながら、アシスト種が前述の基準を満たすとき、アシスト種は、ドーパント源に追加されると(又は逆もまた同様)ドーパント源のみから発生したビーム電流と比較してターゲットイオン種のビーム電流を増加させ得る。アシスト種は、ドーパント源からのターゲットイオン種の形成を増進して、ターゲットイオン種のイオンビーム電流を増加させる。ビーム電流の増加は、5%以上、10%以上、20%以上、25%以上、又は30%以上であってもよい。イオンビーム電流が増加する正確な割合は、例として、イオン注入機の電力レベル及び/又はドーパント源の流量及び/又はイオン注入機の中に導入されたアシスト種ガスなどの選択された作業条件の結果である場合がある。
ドーパント源からターゲットイオン種のビーム電流を高めるための好ましいアシスト種は、ドーパント源より低いイオン化エネルギー、ドーパント源と同じ作業条件で2Åを超える総イオン化断面積、及び0.2以上の最も弱い結合解離エネルギー対イオン化エネルギー比を有する。図4は、抜粋したアシスト種並びにそれらのTICS、イオン化エネルギー及びBDE/IE比に対応する数値の表形式のリストを示す。図4に示されるTICS値は、Electron-Impact Cross Sections for Ionization and Excitation Database 107 from NIST;又はBull,S.et al.,J.Phys.Chem.A(2012)116,pp.767~777よりのいずれかから得られる発表された値である。図4中の各分子のイオン化エネルギー値は、NIST Chemistry WebBook又はNIST Standard Reference Database Number 69から得られる(すなわち、具体的には、本発明の出願日現在の最新の発表バージョン)。イオン化値は、このような値を得るために用いられる実験的技術であった電子衝突イオン化に基づいた。BDE/IE比の計算で使用されたBDE値は、National Bureau of Standards又は上に引用された「Lange’s Handbook of Chemistry」から得られた。図4は、好適なアシスト種の例を含むが、本発明の原理に従って本明細書に記載される基準に従う任意の種を利用することができる。アシスト種の目的は、ドーパント源からのターゲットイオン種の形成を増進させることであるので、アシスト種は、ターゲットイオン種を含まない。好適なアシスト種及びドーパント源の組み合わせは、好ましくはドーパント源から少なくとも1011atoms/cmのターゲットイオン種をドーピング可能なイオンビームを発生させることができる。
好適なドーパント源及びアシスト種を、ここで図5を参照して説明する。ドーパント源化合物の例は、Geイオン注入のためのGeFである。GeFは、15.7eVのイオン化エネルギー及び0.32の最も弱い結合解離エネルギー対イオン化エネルギー比を有する。本発明の原理に従って、アシスト種の例は、CHFである。CHFは、GeFより低い13.1eVのイオン化エネルギー、4.4ÅのTICS、及び0.35のC-H結合に関して最も弱い結合解離エネルギー対イオン化エネルギー比を有する。GeFに関して、アシスト種は、好ましくは、少なくとも3ÅのTICS、及び0.22以上の最も弱い結合のBDE対イオン化エネルギーの比を有するであろう。
ドーパント源化合物の別の例は、Siイオン注入のためのSiFである。この分子は、16.2eVのイオン化エネルギー及び0.35の最も弱い結合解離エネルギー対イオン化エネルギー比を有する。例示のアシスト種は、CHClである。この分子は、SiFより低い11.3eVのイオン化エネルギー、7.5ÅのTICS、及び0.31のC-Cl結合に関して最も弱い結合解離エネルギー対イオン化エネルギー比を有する。SiFに関して、アシスト種は、好ましくは、少なくとも4ÅのTICS、及び0.25以上の最も弱い結合のBDE対イオン化エネルギーの比を有するであろう。
ドーパント源化合物の別の例は、BF及びBイオン注入のためのBFである。この分子は、15.8eVのイオン化エネルギー及び0.37の最も弱い結合解離エネルギー対イオン化エネルギー比を有する。例示のアシスト種は、Siである。この分子は、BFより低い9.9eVのイオン化エネルギー、8.1ÅのTICS、及び0.31のSi-H結合に関して最も弱い結合解離エネルギー対イオン化エネルギー比を有する。BFに関して、アシスト種は、好ましくは、少なくとも3ÅのTICS、及び0.23以上の最も弱い結合のBDE対イオン化エネルギーの比を有するであろう。
ドーパント源化合物の別の例は、Cイオン注入のためのCOである。この分子は、14.02eVのイオン化エネルギー及び0.8の結合解離エネルギー対イオン化エネルギー比を有する。例示のアシスト種は、GeHであり、10.5eVのイオン化エネルギー、5.3ÅのTICS、及び0.32の最も弱い結合解離エネルギー対イオン化エネルギー比を有する。COに関して、アシスト種は、好ましくは、少なくとも2.7Åの最大TICS、及び0.25以上の最も弱い結合のBDE対イオン化エネルギーの比を有するであろう。
本開示の別の態様は、例えば、限定するものではないが、ターゲットイオン種内に含まれるゲルマニウム、ホウ素、ケイ素、窒素、ヒ素、セレン、アンチモン、インジウム、イオウ、スズ、ガリウム、アルミニウム、又はリン原子を含むドーパント源の選択、次いで上述した属性(i)~(iv)を有するアシスト種の選択に関し、更にその際、アシスト種は、以下から選択された1つ以上の官能基を含む:アルカン、アルケン、アルキン、ハロアルカン、ハロアルケン、ハロアルキン、チオール、ニトリル、アミン、又はアミド。
本発明の別の態様では、ドーパント源及びアシスト種の組成物が、任意の希釈剤を用いて又は用いないで、ドーパント源のみから発生したイオンビーム電流と同じ又はそれより少ないイオンビーム電流を発生するよう構成されるように、イオン源の作業条件を調節することができる。そのようなビーム電流レベルでの作業は、他の運用上の利点をもたらし得る。例として、運用上の利点のいくつかには、ビームグリッチングの低減、増加したビーム均一性、限定された空間電荷効果及びビーム拡大、限定された粒子形成、並びにイオン源の増加したソース寿命が挙げられるが、これらに限定されず、その際、このような運用上の利点全ては、ドーパント源の単独使用と比較されている。操作され得る作業条件には、アーク電圧、アーク電流、流量、引出電圧及び取出電流又はそれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。更に、イオン源は、H、N、He、Ne、Ar、Kr、及び/又はXeを含み得る1つ以上の任意の希釈剤の使用を含んでもよい。
アシスト種のイオン化から生成されたイオンは、標的基板に注入されるように選択され得ることを理解されたい。
様々な作業条件は、本発明を実行するために使用され得る。例えば、アーク電圧は、50~150Vの範囲内であり得、イオン注入機へのドーパントガス及びアシスト種のそれぞれの流量は、0.1~100sccmの範囲内であり得、引出電圧は、500V~50kVの範囲内であり得る。好ましくは、これらの作業条件のそれぞれは、10マイクロアンペア~100mAのイオンビーム電流で少なくとも50時間のソース寿命を達成するように選択されている。
アシスト種の様々な組成物が想到される。例えば、本発明の別の態様では、上述の属性(i)~(iv)を有し、代表的な式CH4-y(式中Xは任意のハロゲン、かつy=0~4である)を有するアシスト種に関する。これらの種の例としては、CH、CF、CCl、CHCl、CHF、CHCl、CHCl、CH、CHF、CHBr、CHBr、又はCHBrが挙げられるがこれらに限定されない。本発明の別の態様は、上述の属性(i)~(iv)を有し、式CHClBr(式中i、j、y、z、及びqは、0~4の範囲にわたり、かつi+j+y+z+q=4)を有するアシスト種に関する。これらの種の例としては、CClF、CHClF、CHFCl、CHClF、CCl、及びCClFが挙げられるがこれらに限定されない。本発明の別の態様は、上述の属性(i)~(iv)を有し、式C(式中Xは任意のハロゲン種であり、iは1~4の範囲にわたり、y及びzは0~4の範囲にわたり、かつjの値は、各原子が価電子の閉殻を有するように変化する)を有するアシスト種に関する。これらの種の例としては、CHCN、CFCN、HCN、CHCF、CHCF、C、及びCHNHが挙げられるがこれらに限定されない。本発明の別の態様は、上述の属性(i)~(iv)を有し、式Si(式中Xは任意のハロゲン種であり、qは1~4の範囲にわたり、y及びzは0~4の範囲にわたり、かつy及びzの値は、各原子が価電子の閉殻を有するように変化する)を有するアシスト種に関する。これらの種の例としては、SiH、Si、SiHCl、及びSiHClが挙げられるがこれらに限定されない。
更に、他のアシスト種としては、CS、GeH、Ge、又はBを挙げることができ、そのそれぞれは、図5に示されるように本発明の原理に従って、特定のドーパント源と対をなす。
本発明の別の実施形態では、本開示は、ドーパント源、GeF、及びアシスト種、CHFを含むイオン注入のための組成物に関し、ドーパントガスと組み合わせたアシスト種は、任意の希釈剤種を用いて又は用いないでGe含有イオンビーム電流を生成する。本明細書で使用するとき、かつ全体を通して、「Ge含有ターゲットイオン種」又は「所望のドーパントイオン」という用語は、ウェハが挙げられるがこれに限定されない標的基板の表面に注入されるGeFドーパント源由来の任意のGe含有の正又は負に帯電した原子又は分子フラグメント(複数可)として定義される。本明細書で使用するとき、かつ全体を通して、「GeF」という用語は、自然発生する形状のドーパント源を指す。本明細書で使用するとき、かつ全体を通して、「Ge含有」という用語は、Geの任意の質量同位体を含む。説明されるように、本発明は、現在のドーパント源、特にイオン注入の高用量適用時(すなわち、1013atoms/cm超)の改善の必要が存在することを認識し、これを達成するための新しい解決策を提供する。
一態様では、本発明は、Ge含有ターゲットイオン種を含むドーパント源GeF及びCHFを含む次の属性を有するアシスト種を伴う:(i)ドーパント源より低いイオン化エネルギー、(ii)2Åより大きな総イオン化断面積、(iii)0.2以上の結合解離エネルギー対イオン化エネルギー比、及び(iv)ターゲットイオン種の非存在を特徴とする組成物。特定の理論に束縛されるものではないが、出願人らは、そのような属性を有するアシスト種CHFがドーパント源GeFと並行して流れる、連続して流れる、又は混合されるとき、GeF4ドーパント源及びCH3Fアシスト種は、Ge含有ターゲットイオン種を生成するために互いに相互作用し得ることを発見した。
別の態様では、GeFドーパント源及びCHFアシスト種は、GeF4ドーパント源のみから発生するより高いGe含有イオンのGe含有イオンビーム電流を生成するために互いに相互作用し得る。アシスト種CHFがGe含有ターゲットイオン種を含まず、結果として、GeFドーパント源を希釈し、プラズマの中に導入されたGeFドーパント源分子の数を減少させることを考えると、より高いGe含有ターゲットイオン種のGe含有イオンビーム電流を生成する能力は、意外である。アシスト種CHFは、CHFアシスト種がGe含有ターゲットイオン種を含まないとしても、ドーパント源GeFと相乗的に相互作用することによってそのドーパント源のイオン化を増進して、Ge含有ターゲットイオン種を形成して、GeFドーパント源からのGe含有ターゲットイオン種のGe含有イオンビーム電流の増加を可能にすることができる。
CHFアシスト種は、単一の貯蔵容器でGeFドーパント源と混合することができる。あるいは、CHFアシスト種及びGeFドーパント源は、別個の貯蔵容器から並行して流れることができる。更に、CHFアシスト種及びGeFドーパント源は、別個の貯蔵容器からイオン注入機の中へ連続して流れて、結果として得られる混合物を生成することができる。並行して流れる又は連続して流れるとき、結果として得られる組成混合物は、イオンチャンバの上流又はイオン源チャンバ内で生成され得る。一例では、組成混合物は、蒸気相又はガス相において回収され、次いでガス混合物がイオン化されてプラズマを生じるイオン源チャンバの中へ流れる。Ge含有ターゲットイオン種は、次にプラズマから抽出され、基板の表面へと注入され得る。
更に別の実施形態では、本開示は、ドーパント源、BF、及びアシスト種、Siを含むイオン注入のための組成物に関し、ドーパントガスと組み合わせたアシスト種は、B含有イオンビーム電流を生成する。本明細書で使用するとき、かつ全体を通して、「B含有ターゲットイオン種」又は「所望のドーパントイオン」という用語は、ウェハが挙げられるがこれに限定されない標的基板の表面に注入されるBFドーパント源由来の任意のB含有の正又は負に帯電した原子又は分子フラグメント(複数可)として定義される。本明細書で使用するとき、かつ全体を通して、「BF」という用語は、自然発生する形状のドーパント源を指す。本明細書で使用するとき、かつ全体を通して、「B含有」という用語は、Bの任意の質量同位体を含む。説明されるように、本発明は、現在のドーパント源、特にイオン注入の高用量適用時(すなわち、1013atoms/cm超)の改善の必要が存在することを認識し、これを達成するための新しい解決策を提供する。
一態様では、本発明は、B含有ターゲットイオン種を含むドーパント源BF及びSiを含む次の属性を有するアシスト種を伴う:(i)ドーパント源より低いイオン化エネルギー、(ii)2Åより大きな総イオン化断面積、(iii)0.2以上の結合解離エネルギー対イオン化エネルギー比、及び(iv)ターゲットイオン種の非存在を特徴とする組成物。特定の理論に束縛されるものではないが、出願人らは、上記基準を有するアシスト種Siがドーパント源BFと並行して流れる、連続して流れる、又は混合されるとき、BFドーパント源及びSiアシスト種は、B含有ターゲットイオン種を生成するために互いに相互作用し得ることを発見した。本明細書に全体を通して記載されるようにBFドーパント源及びSiアシスト種は、他の成分(例えば、不可避の微量汚染物)を含んでもよいが、その際そのような成分は、SiとBFとの相互作用に悪影響を及ぼさない量で含まれていることを理解されたい。
本発明の別の態様では、BFドーパント源及びSiアシスト種は、ドーパント源、BFのみから発生するより高いB含有イオンのB含有イオンビーム電流を生成するために互いに相互作用し得る。アシスト種SiがB含有ターゲットイオン種を含まず、結果として、BFドーパント源を希釈し、プラズマの中に導入されたBFドーパント源分子の数を減少させることを考えると、より高いB含有ターゲットイオン種のB含有イオンビーム電流を生成する能力は、意外である。アシスト種Siは、Siアシスト種がB含有ターゲットイオン種を含まないとしても、ドーパント源BFと相乗的に相互作用することによってそのドーパント源のイオン化を増進して、B含有ターゲットイオン種を形成して、BFドーパント源からのB含有ターゲットイオン種のB含有イオンビーム電流の増加を可能にすることができる。
Siアシスト種は、単一の貯蔵容器でBFドーパント源と混合することができる。あるいは、Siアシスト種及びBFドーパント源は、別個の貯蔵容器から並行して流れることができる。更に、Siアシスト種及びBFドーパント源は、別個の貯蔵容器からイオン注入機の中へ連続して流れて、結果として得られる混合物を生成することができる。並行して流れる又は連続して流れるとき、結果として得られる組成混合物は、イオンチャンバの上流又はイオン源チャンバ内で生成され得る。一例では、組成混合物は、蒸気相又はガス相において回収され、次いでガス混合物がイオン化されてプラズマを生じるイオン源チャンバの中へ流れる。B含有ターゲットイオン種は、次にプラズマから抽出され、基板の表面へと注入され得る。
本発明は、本明細書に記載の組成物に関して様々な使用領域を想到する。例えば、いくつかの方法としては、その全体が参照として本明細書に組み込まれる米国特許第9,165,773号で言及されているビームラインイオン注入及びプラズマ浸漬イオン注入が挙げられるがこれらに限定されない。更に、本明細書に開示された組成物は、主要ソースがターゲット種を含み、アシスト種がターゲット種を含まず、上述の基準(i)、(ii)、及び(iii)を満たすことを更に特徴とするイオン注入に加えて他のアプリケーションのための有用性を有し得ることを理解されたい。例えば、組成物は、化学蒸着又は原子層堆積が挙げられるがこれらに限定されない様々な蒸着プロセスのための適用性を有し得る。
本発明の組成物はまた、その全体が参照として本明細書に組み込まれる事件番号14057-US-P1を有する米国特許出願に記載されるように、低大気圧の供給に使用され得る真空作動逆止弁を有する容器から貯蔵及び供給され得る。それぞれ、参照することによりそれら全体を本明細書に援用する米国特許第5,937,895号、同第6,045,115号、同第6,007,609号、同第7,708,028号、同第7,905,247号、及び米国特許出願第14/638,397号(米国特許出願公開第2016/0258537号)に記載されたものを含む、任意の好適な供給パッケージを使用してもよい。本発明の組成物が混合物として貯蔵されるとき、貯蔵及び供給容器内の混合物はまた、ガス相、蒸気圧が排出ポートからの流れを可能にするのに十分高い、ガス相と平衡状態の液相、又は、固体培地上での吸着状態で存在してもよく、それぞれ、事件番号14057-US-P1を有する米国特許出願に記載されている。好ましくは、アシスト種及びドーパント源の組成物は、1011atoms/cm以上の注入に対してターゲットイオン種のビームを発生させることができるであろう。
出願人らは、ドーパント源としてGeF及びアシスト種としてCHFを使用した実証実験としていくつかの実験を実施した。各実験では、イオンビーム性能を、生成されたGeイオンビーム電流を使用して測定し、成分の重量変化を、イオン源チャンバ内部で測定してイオン源の性能を測定した。円筒形イオン源チャンバを使用してプラズマを発生させた。イオン源チャンバは、螺旋形のタングステンフィラメント、タングステン璧部、及び螺旋形フィラメントの軸線に垂直なタングステンアノードからなっていた。基板をアノードの前側に位置付けて、イオン化プロセスの間、アノードを静止した状態に保持した。アノードの中央の小さな開口及びアノードの前側に置かれた一連のレンズを使用して、プラズマからイオンビームを発生させ、速度フィルタを使用して特定のイオン種をイオンビームから単離した。ファラデーカップを使用してイオンビームからの電流を測定し、全ての試験を100Vのアーク電圧で行った。引出電圧は、各実験で同じ値であった。システム全体を、1e-7トル未満の圧力に達することができる真空チャンバ内に包含した。図1は、試験されたそれぞれのガス混合物について、72GeF4のみによって生成された72Geイオンビーム電流に対する、72Geイオンビーム電流の棒グラフを示す。
比較実施例1(72GeF4)
試験を実施して、50.1vol%まで同位体濃縮された72GeFのドーパントガス組成物のイオンビーム性能を判定した。72GeFを、イオン源チャンバの中に導入した。電流を、フィラメントに印加して電子を発生させ、電圧を、アノードに印加して72GeFをイオン化し、72Geイオンを生成した。72Geイオンビーム電流を、正規化して他のガス混合物の72Geイオンビーム電流を比較するための基準にした。結果を図1に示す。52分の作業後に160ミリグラムの著しいフィラメント重量増加が発生すると、フィラメントは52分後にプラズマをもはや維持できなかったので実験を終了した。これは、185mg/hrのフィラメント重量増加速度と等価であった。
比較実施例2(75vol%72GeF+25vol%Xe/H
別の試験を実施して、25vol%Xe/Hと混合した75vol%72GeF(質量同位体72Geにおいて50.1vol%まで同位体濃縮された)のドーパントガス組成物のイオンビーム性能を判定した。比較実施例1のものと同じイオン源チャンバを利用した。72GeF及びXe/Hを別個の貯蔵容器から導入し、イオン源チャンバに入れる前に混合した。電流を、フィラメントに印加して電子を発生させ、電圧を、アノードに印加してガス混合物をイオン化し、72Geイオンを生成した。72Geイオンビーム電流を測定し、72GeFのみを使用して生成される72Geイオンビーム電流より約16%少ないと判定した。結果を図1に示す。15時間の作業の間にフィラメントに30ミリグラムの重量喪失が観測された。経時的なフィラメントの重量変化は、ほぼ-2mg/時間で72GeFに比べて著しい改善を示した。
実施例1(75vol%72GeF+25vol%CHF)
別の試験を実施して、25vol%CHFと混合した75vol%72GeF(質量同位体72Geにおいて50.1vol%まで同位体濃縮された)のドーパントガス組成物のイオンビーム性能を判定した。比較実施例1のものと同じイオン源チャンバを利用した。72GeF及びCHFを別個の貯蔵容器から導入し、イオン源チャンバに入れる前に混合した。電流を、フィラメントに印加して電子を発生させ、電圧を、アノードに印加してガス混合物をイオン化し、72Geイオンを生成した。72Geイオンビーム電流を測定し、72GeFのみを使用して生成された72Geイオンビーム電流より約14%大きく、25vol%Xe/Hと混合した75vol%72GeFにより発生させた72Geイオンビーム電流より30%大きいと判定した。結果を図1に示す。12時間の作業の間に16ミリグラムの重量喪失(すなわち-1.33mg/hr)が観測され、72GeFに比べて著しい改善、及び25vol%Xe/Hと混合した75vol%72GeFと同じような反応を示した。
図1において実験の結果は、CHFは、GeFの容量を希釈したが、GeFのみの使用と比較してイオン源の性能も改善しながら、Geイオンビーム電流を著しく改善したことを示す。比較実施例1の混合物と比較すると、Xe/Hの追加はイオン源の性能を改善したが、GeFのみから生成したGeイオンビーム電流と比較してGeイオンビーム電流を減少させた。
比較実施例3(50vol%72GeF+50vol%Xe/H
別の試験を実施して、50vol%Xe/Hと混合した50vol%72GeF(質量同位体72Geにおいて50.1vol%まで同位体濃縮された)のドーパントガス組成物のイオンビーム性能を判定した。全ての前の実施例と同じイオン源チャンバを利用した。72GeF及びXe/Hを別個の貯蔵容器から導入し、イオン源チャンバに入れる前に混合した。電流を、フィラメントに印加して電子を発生させ、電圧を、アノードに印加してガス混合物をイオン化し、72Geイオンを生成した。この実験において72GeF流量は、前の実施例より著しく高く、それによって関連するGe含有イオンビーム電流の比較を不可能にした。この混合物からの72Geイオンビーム電流を正規化して、図2に示される自然発生するGeF混合物からの72Ge及び74Geのイオンビーム電流を比較した。これらの実験の作業条件下で、50vol%72GeF+50vol%Xe/H及び75vol%72GeF+25vol%Xe/Hからの72Geイオンビーム電流は等価であった。結果を図2に示す。0.78mg/hrの重量増加速度が観測されたが、これは72GeFの185mg/hrの重量増加より著しく低く、25vol%Xe/Hと混合した75vol%72GeF(同位体濃縮)の2mg/hrの重量喪失に相当した。
実施例2及び3(70vol%GeF+30vol%CHF)
別の試験を実施して、30vol%CHFと混合した70vol%天然GeFのドーパントガス組成物のイオンビーム性能を判定した。前の実施例と同じイオン源チャンバを利用した。天然GeF及びCHFを別個の貯蔵容器から導入し、イオン源チャンバに入れる前に混合した。電流を、フィラメントに印加して電子を発生させ、電圧を、アノードに印加してガス混合物をイオン化し、72Geイオン及び74Geイオンを両方生成した。天然GeFは、72Geの濃度が27.7%、かつ74Geの濃度が35.9%であったのに対して、同位体濃縮72GeFは、72Geにおいて50.1%まで濃縮された一方、74Geの濃度は23.9%であった。72Ge及び74Geの両方のGeイオンビーム電流を測定した。比較実施例3の50vol%Xe/Hと混合した50vol%72GeFからの72Geイオンビーム電流に対する両方の結果を図2に示す。70vol%天然GeFと30vol%CHFからの74Geのイオンビーム電流は、50vol%同位体濃縮72GeFと50vol%Xe/Hから発生した72Geイオンビーム電流より10%高かった。
作業の間に2mg/hrの重量増加速度が観測され、これは50vol%同位体濃縮72GeFと50vol%Xe/Hの0.78mg/hrの重量増加と同様の反応であった。
同位体濃縮72GeFにおける72Ge濃縮の濃度が、自然発生GeFにおける74Geより14.2vol%高かったことを考えると、図2の結果は意外であった。72GeFにおける濃縮レベルが天然GeFにおけるより22.4vol%高かったこと、及び従来の常識は、50vol%Xe/Hと50vol%濃縮72GeFの混合物がより高いビーム電流を生成することを予想するであろうことを考えると、両方の混合(比較実施例3並びに実施例2及び3)からの72Geイオンビーム電流が、互いの1%以内にあると観測されたこともまた意外であった。
ドーパント源として11BF及びアシスト種としてSiを使用した実証実験としていくつかの追加実験を実施した。各実験では、生成された11Bイオンビーム電流を使用してイオンビーム性能を測定した。円筒形イオン源チャンバを使用してプラズマを発生させた。イオン源チャンバは、螺旋形のタングステンフィラメント、タングステン璧部、及び螺旋形フィラメントの軸線に垂直なタングステンアノードからなっていた。基板をアノードの前側に位置付けて、イオン化プロセスの間、アノードを静止した状態に保持した。アノードの中央の小さな開口及びアノードの前側に置かれた一連のレンズを使用して、プラズマからイオンビームを発生させ、速度フィルタを使用して特定のイオン種をイオンビームから単離した。ファラデーカップを使用してイオンビームからの電流を測定し、全ての試験を120Vのアーク電圧で行った。引出電圧は、各実験で同じ値であった。システム全体を、1e-7トル未満の圧力に達することができる真空チャンバ内に包含した。図3は、試験されたそれぞれのガス混合物について、11BFのみによって生成された11Bイオンのビーム電流に対する11B-イオンのビーム電流の棒グラフを示す。
比較実施例4-11BF
テストを実施して、ドーパントガスとして同位体濃縮11BFのイオンビーム性能を判定した。11BFを、単一のボトルからイオン源チャンバの中に導入した。電流を、フィラメントに印加して電子を発生させ、電圧を、アノードに印加してガス混合物をイオン化し、イオンを生成した。イオン源の設定を、11Bイオンのビーム電流を最大にするように調節した。11Bイオンのビーム電流を正規化して(図3に示されるように)、他のガス混合物からの11Bイオンのビーム電流と比較するための基準にした。
比較実施例5-11BFとXe/H
別の試験を実施して、同位体濃縮11BFと混合したXe/Hのドーパントガス組成物のイオンビーム性能を判定した。比較実施例4における11BF用と同じイオン源チャンバを利用した。Xe/H及び11BFの混合物を純粋な11BFのボトル及び別個の貯蔵容器から導入されたXe/Hのボトルから生成し、イオン源チャンバに入れる前に混合した。電流を、フィラメントに印加して電子を発生させ、電圧を、アノードに印加してガス混合物をイオン化し、11Bイオンを生成した。イオン源の設定を、11Bイオンのビーム電流を最大にするように調節した。11BFとXe/Hの混合物は、11Bイオンの最大ビーム電流を生成し、それは比較実施例4で11BFのみによって生成された11Bイオンのビーム電流より20%低かった。
実施例4-11BFとSi
別の試験を実施して、同位体濃縮11BFと混合したSiのドーパントガス組成物のイオンビーム性能を判定した。比較実施例4における11BF用と同じイオン源チャンバを利用した。Si11BFの混合物を、11BFのボトル、及び別個の貯蔵容器から導入された11BF中のSiの混合物から生成し、イオン源チャンバに入れる前に混合した。電流を、フィラメントに印加して電子を発生させ、電圧を、アノードに印加してガス混合物をイオン化し、11Bイオンを生成した。イオン源の設定を、11Bイオンのビーム電流を最大にするように調節し、11Bイオンのビーム電流を両方の混合物について測定した。11BFとバランスされたSiの混合物は、比較実施例4で11BFのみから生成される11Bイオンビーム電流より4%大きい11Bイオンビーム電流を発生させた。11BFに追加されたSiが、ガス混合物中のホウ素の濃度を希釈していること、及びSiが、ホウ素原子を含まないで混合物によって呈されるビーム電流の増加に寄与することを考えると、11BF中のSiからの結果は想定外である。
これらの試験の結果は、Siの追加は、11BFの容積を希釈しているが、純粋な11BFの使用と比較して11Bイオンのビーム電流を改善することを示す。Xe/Hの追加は、Siと同じ効果を有さず、代わりに11BFを、11Bイオンのビーム電流が11BFのみから生成される11Bイオンビーム電流と比較して減少する範囲まで希釈する。
本発明の特定の実施形態とみなされるものを示し、説明してきたが、当然ながら、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態又は詳細の様々な修正及び変更を容易に行うことができることが理解されるであろう。したがって、本発明は、本明細書において示され、説明される正確な形態及び詳細に限定されず、本明細書において開示され、以下に特許請求される本発明の全範囲に満たないいかなるものにも限定されないことを意図する。

Claims (19)

  1. Ge含有イオンビーム電流を生じさせるためのGe含有ターゲットイオン種の生成用のイオン注入機で用いるのに好適な組成物であって、前記組成物が、
    前記Ge含有ターゲットイオン種が由来するGeFを含むドーパント源と、
    CHFを含むアシスト種と、
    前記組成物の全容量に基づき、前記アシスト種より多くの前記ドーパント源と、
    を含み、
    前記ドーパント源及び前記アシスト種が前記イオン注入機を占有し、その中で前記Ge含有ターゲットイオン種を生成するために相互作用する、組成物。
  2. 前記Ge含有ターゲットイオン種が、前記ドーパント源のみから発生するより高いレベルで前記Ge含有イオンビーム電流を生じる、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記Ge含有ターゲットイオン種が、前記ドーパント源のみから発生したものと等しいレベルで前記Ge含有イオンビーム電流を生じる、請求項1に記載の組成物。
  4. CHFの濃度が、前記組成物の全容量に基づき、GeFでバランスを保って10vol%~40vol%の範囲にわたる、請求項1に記載の組成物。
  5. 前記ドーパント源GeF又は前記アシスト種CHFの任意の原子が、天然存在レベルを超えて同位体濃縮されている、請求項1に記載の組成物。
  6. 前記ドーパント源及び/又は前記アシスト種が、吸着状態、遊離源状態、又は液化源状態で貯蔵及び分注組立体内に保持される、請求項1に記載の組成物。
  7. 前記Ge含有ターゲットイオン種が、標的基板の表面に注入される前記GeFドーパント源由来のGe含有の正又は負に帯電した原子若しくは分子フラグメント(複数可)を含む、請求項1に記載の組成物。
  8. 記ドーパント源のみから発生したGe含有イオンビーム電流と比較して、前記Ge含有イオンビーム電流の増加が、5%以上である、請求項1に記載の組成物。
  9. 記ドーパント源のみから発生したGe含有イオンビーム電流と比較して、前記Ge含有イオンビーム電流の増加が10%以上である、請求項1に記載の組成物。
  10. 記ドーパント源のみから発生したGe含有イオンビーム電流と比較して、前記Ge含有イオンビーム電流の増加が20%以上である、請求項1に記載の組成物。
  11. 記ドーパント源のみから発生したGe含有イオンビーム電流と比較して、前記Ge含有イオンビーム電流の増加が25%以上である、請求項1に記載の組成物。
  12. 記ドーパント源のみから発生したGe含有イオンビーム電流と比較して、前記Ge含有イオンビーム電流の増加が30%以上である、請求項1に記載の組成物。
  13. 前記Ge含有ターゲットイオン種が、前記ドーパント源のみから発生するより低いレベルで前記Ge含有イオンビーム電流を生じる、請求項1に記載の組成物。
  14. CHFの前記濃度が、前記組成物の全容量に基づき、GeFでバランスを保って15vol%~40vol%の範囲にわたる、請求項4に記載の組成物。
  15. CHFの前記濃度が、前記組成物の全容量に基づき、GeFでバランスを保って20vol%~40vol%の範囲にわたる、請求項4に記載の組成物。
  16. 前記ドーパント源及び前記アシスト種が、前記イオン注入機の中へ並行して流れる、請求項1に記載の組成物
  17. 前記ドーパント源及び前記アシスト種が、イオンチャンバに連続して流れる、請求項1に記載の組成物
  18. 前記組成物が、任意の希釈剤種を更に含む、請求項1に記載の組成物
  19. 前記任意の希釈剤種が、H 、N 、He、Ne、Ar、Kr、及びXeからなる群から選択される、請求項18に記載の組成物
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