JP6989937B2 - 植物温室用暖房装置 - Google Patents

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Description

本発明は、省エネルギー型の植物温室用暖房装置に関する。
詳しくは、加熱された空気を循環することで省エネルギーを達成した植物温室用暖房装置に関する。
さらには、蔓性植物に適する加熱された空気を循環することで省エネルギーを達成した植物温室用暖房装置に関する。
さらに詳しくは、本発明は加熱された空気を循環することで省エネルギーを達成すると共に作業性が良い植物温室用暖房装置に関する。
第1の従来技術として、植物を栽培するための温室囲繞体の内部の空気の状態を制御する方法であって、内部の下部から空気を捕集するステップと、前記捕集した空気を除湿するステップと、前記除湿した空気を加熱するステップと、前記除湿しかつ加熱した空気を内部の上部で放出するステップと、温室囲繞体内の前記除湿しかつ加熱した空気を植物の葉の近傍で循環し、それによって温室囲繞体内部の空気の状態を制御するステップとを含む方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
第2の従来技術として、天井面を有し該天井面及び側面が採光性を有する面構成部材で構成されたハウスみかん生産等に採用される大型の農業用ハウスにおいて、前記側面をさらに透光性シート又は透光性フィルムで内張りすると共に、前記天井面の近傍に該天井部の略全面を覆って透光性エアマットを配置し、夜間は、ハウス内に設置する暖房装置を稼動し、該暖房装置で発生する暖気をダクトで導いてハウス内に分散して吹き出させると共に、前記暖房装置で発生する一部暖気を前記透光性エアマットに送り込んで膨らませ、該透光性エアマットから流出する暖気をハウス内に吹き出させ、昼間は、前記暖房装置の稼動を停止する、ことを特徴とする農業用ハウスの暖房方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。
第3の従来技術として、施設園芸ハウス内の畝部上面に配置する、選択吸収性を備えたプラスチック樹脂製集蓄熱パイプと、集蓄熱パイプを収納する高透過性を備えるプラスチック樹脂製フィルムの透明バッグとから成るものであり、集蓄熱パイプはプラスチック樹脂製の継手具を介して連通接続し、連続する集蓄熱パイプ群の両外端は、端具を配置して熱媒体の注入排出口とし、円筒部のねじ部にキャップを締着し、熱媒体の戻りを阻止すると共に、流路を閉止する全プラスチック樹脂製の太陽集蓄熱パイプ体が知られている(例えば、特許文献3参照)。
特許第5583587号(図3、段落0004~0010) 特許第4886641号(図1~図2、段落0014~0016) 特開2015-19662(図1~図3、段落0011)
第1の従来技術においては、温室内の下部から吸入した空気を除湿した後、加熱し、当該除湿した後、加熱した空気を温室内の上部で放出し、当該除湿及び加熱した空気を葉に提供するものであり、高湿度による葉面への結露に基づく菌類繁殖による病害を防止できる利点がある半面、温室内の下部から空気を吸入するため、温室内とはいえ、最も温度が低い下部から吸い込んだ空気を加熱することから熱効率が低いと共に、除湿を行うことから適切な湿度を保つために加湿、したがって、水を蒸発させるエネルギーが必要である。換言すれば、エネルギー消費が多い問題がある。
第2の従来技術においては、夜間はハウス内に設置する暖房装置を稼動させて暖気をハウス内に分散して吹き出させると共に、一部暖気を透光性エアマットに送り込んで膨らませ、該透光性エアマットから流出する暖気をハウス内に吹き出させるので、対流による冷却を低減させられる利点はあるものの、暖房はハウス内全体を行わねばならず、エネルギー消費が多い問題がある。
第3の従来技術においては、ハウス内の畝部上面に太陽光集蓄熱パイプを配置し、当該蓄熱パイプの蓄熱によって暖房するので、省エネルギーになるが、加熱できる範囲が狭いため、苺栽培のように小型の植物用として用いることは出来るが、トマトやメロン等の大型植物には適していない問題を有する。
本発明の基本的目的たる第1の目的は、暖房効率が高い植物温室用暖房装置を提供することである。
本発明の従的目的たる第2の目的は、大型植物に適した暖房効率が高い植物温室用暖房装置を提供することである。
本発明の従的目的たる第3の目的は、栽培する植物に対する作業性が良い植物温室用暖房装置を提供することである。
本発明の従的目的たる第4の目的は、水耕栽培に適した暖房効率が高い植物温室用暖房装置を提供することである。
本発明の従的目的たる第5の目的は、栽培装置の移動が容易にできる植物温室用暖房装置を提供することである。
この目的を達成するため、請求項1に係る第1の発明は以下のように構成されている。
少なくとも、外側被覆体と、前記外側被覆体内に設置され、植物の大凡上方に向かって伸びる茎部分、及び、前記茎部分に対し横方向に伸びる蔓葉部分を囲う内側被覆体とを含む植物温室用暖房装置であって、
前記内側被覆体は、前記茎部分に対し、妻側から見た場合、少なくとも左右において、所定距離離れて設置される左被覆体及び右被覆体によって構成された縦向包囲空間と、
前記縦向包囲空間の上部において前記縦向包囲空間と連通し、前記蔓葉部分の上方において所定距離離れて設置された上被覆体と、
前記上被覆体の下側における前記蔓葉部分の先端部近傍に配置された吸入口と、
前記縦向包囲空間の下部に設置された噴出口と、
前記吸入口から吸入した空気を加熱する加熱装置と、
前記加熱装置で加熱された空気を前記噴出口から噴出させる送風手段と
を含み、
前記加熱装置によって加熱された空気を前記送風手段によって前記噴出口から噴出させた後、前記縦向包囲空間を上昇させ、次いで前記上被覆体に沿わせて横方向に案内された空気を前記吸入口から吸入することにより加熱空気の強制循環対流を生じさせることを特徴とする植物温室用暖房装置である。
本発明に係る第2の発明は、
さらに、前記蔓葉部分の下方において所定距離離れて設置された下被覆体によって囲われた横向蔓葉包囲空間を含み、前記吸入口は前記横向蔓葉包囲空間に配置されたことを特徴とする第1の発明の植物温室用暖房装置である。
本発明に係る第3の発明は、
妻側から見た場合、前記縦向包囲空間の左側に左横向蔓葉包囲空間が配置され、かつ、右側に右横向蔓葉包囲空間が配置されることにより、前記縦向包囲空間と前記左横向蔓葉包囲空間及び前記右横向蔓葉包囲空間とがT字型を呈し、
前記吸入口は、前記左横向蔓葉包囲空間及び前記右横向蔓葉包囲空間におけるそれぞれの前記蔓葉部分の先端部近傍に配置されことを特徴とする第1又は第2の発明の植物温室用暖房装置である。
本発明に係る第4の発明は、
前記縦向包囲空間に相対する範囲に水耕栽培槽が配置されたことを特徴とする第1~第3の発明の何れかの植物温室用暖房装置である。
本発明に係る第5の発明は、
前記水耕栽培槽に対し一体的に設けられると共に上方に延在する棚支持部の上部に対し、横方向に片持ち状態に伸びる蔓棚を含み、
前記内側被覆体は、前記水耕栽培槽に対し、妻側から見た場合、少なくとも左右において、所定距離離れて設置される左被覆体及び右被覆体によって構成された縦向包囲空間と、
前記縦向包囲空間の上部において前記縦向包囲空間と連通し、前記蔓棚の上方において所定距離離れて設置された上被覆体及び下方において所定距離離れて設置された下被覆体によって構成された左横向蔓葉包囲空間及び右横向蔓葉包囲空間とにより、前記縦向包囲空間と左横向蔓葉包囲空間と右横向蔓葉包囲空間とがT字型を呈することを特徴とする第4の発明の植物温室用暖房装置である。
本発明に係る第6の発明は、
前記下被覆体には所定の大きさの作業開口が形成されると共に、前記作業開口は作業開口蓋によって開閉口可能であることを特徴とする第2~第5の発明の何れかの植物温室用暖房装置である。
本発明に係る第7の発明は、
前記上被覆体には所定の大きさの換気開口が形成されると共に、前記換気開口は換気開口蓋によって開閉口可能であることを特徴とする第1~第6の発明の何れかの植物温室用暖房装置である。
本発明に係る第8の発明は、
前記縦向包囲空間の下部又は下方に、蓄熱装置が配置されていることを特徴とする第1~第7の発明の植物温室用暖房装置である。
本発明に係る第9の発明は、
少なくとも、外側被覆体と、前記外側被覆体内に設置され、植物の大凡上方に向かって伸びる茎部分、及び、前記茎部分に対し横方向に伸びる蔓葉部分を囲う内側被覆体とを含む植物温室用暖房装置であって、
前記内側被覆体は、前記茎部分に対し、妻側から見た場合、少なくとも左右において、所定距離離れて設置される左被覆体及び右被覆体によって構成された縦向包囲空間と、
前記縦向包囲空間の上部において前記縦向包囲空間と連通し、前記蔓葉部分の上方において所定距離離れて設置された上被覆体及び下方において所定距離離れて設置された下被覆体、並びに、前記上被覆体及び下被覆体の端部を接続する先端部被覆体によって端部が閉止された横向蔓葉包囲空間と、により、
前記縦向包囲空間と横向蔓葉包囲空間とがT字型を呈し、
前記上被覆体の下側における前記蔓葉部分の先端部近傍に配置された吸入口と、
前記縦向包囲空間の下部に設置された噴出口と、
前記吸入口から吸入した空気を加熱する加熱装置と、
前記加熱装置で加熱された空気を前記噴出口から噴出させる送風手段と、
前記植物の根部が配置される水耕栽培槽と、
前記水耕栽培槽を載置する載置台と、
前記載置台に一体化され、上方に延在する棚支持部と、
前記棚支持部の上端部に取り付けられ、前記棚支持部に対し横方向に片持ち状態に伸びる蔓棚を含み、
前記水耕栽培槽、前記載置台、前記棚支持部、及び、前記蔓棚は前記内側被覆体により所定の間隔をおいて被覆された一次温室ユニットを構成し、
前記一次温室ユニットの前記妻側が妻側被覆体によって閉止された
ことを特徴とする植物温室用暖房装置である。
本発明に係る第10の発明は、
前記一次温室ユニットを複数列設した場合、隣接する前記妻側どうしが実質的に密着するように構成されたことを特徴とする第9の発明の植物温室用暖房装置である。
本発明に係る第11の発明は、
前記載置台は、平行に配置された2本のレールに沿って移動可能であることを特徴とする第10の発明の植物温室用暖房装置である。
第1の発明によれば、縦向包囲空間の下部に設置された噴出口から加熱装置によって加熱された空気が送風手段によって送出される。この加熱空気は、上昇気流となり縦向包囲空間内を上昇して上被覆体によって上昇を阻止され、当該上被覆体に沿って茎部分に対し横方向に伸びる蔓葉部分の先端部へ向かって進行した後、蔓葉部分の先端部において吸入口から吸入され、再び加熱装置によって加熱された後、噴出口から送出される加熱空気の強制循環対流が生成され、蔓葉部は上被覆体に沿って強制対流している加熱空気中に位置される。換言すれば、温室内の他の部位よりも高い温度の空気中に蔓葉部分が配置される。また、吸入口から吸入される空気は、上被覆体に沿って流れてきた加熱空気であり、強制対流によって温度が低下しても、上被覆体近傍に位置する空気は、他の部位の空気よりも温度が高い。さらに、当該加熱空気は強制対流させられるので、自然対流よりも流れが速く、流動過程における温度低下が少ない。したがって、加熱装置によって所定の温度になるまで加熱する熱量は、温室の下部に位置する空気を加熱するよりも少なくすることが出来る。よって、暖房用の消費エネルギーが少ない植物温室用暖房装置を提供することができ、もって、第1の目的を達成できる利点がある。なお、少なくとも、第1の目的を達成できる場合には、本願発明の技術的範囲に属するものである。
第2の発明によれば、基本的構成は第1の発明と同一であることから、本発明における第1の目的を達成することができる。さらに、第2の発明においては、蔓葉部分の下方において所定距離離れて設置された下被覆体が配置され、上被覆体との共同によって、上下が囲われた横向蔓葉包囲空間が形成され、当該横向き蔓葉包囲空間には蔓葉部分が位置し、吸入口は横向蔓葉包囲空間に配置される。したがって、縦向包囲空間を上昇した加熱空気は、横向蔓葉包囲空間に案内されつつ先端に向かって流動した後、吸入口に吸入される。したがって、加熱空気は上被覆体及び下被覆体によって案内されつつ流動する。これにより、縦向包囲空間と横向蔓葉包囲空間の容積に相当する空気を加熱装置によって所定の温度に加熱すれば良いので、加熱する空気量を大幅に減少させることができ、もって、より一層暖房用の消費エネルギーが少ない植物温室用暖房装置を提供することができ、第1の目的をさらに達成できる利点がある。また、横向蔓葉包囲空間の上下が囲われているので、対流範囲が限られることから、保温効果も高く、また、植物の成長及び結実に適した温度が必要な、茎及び蔓葉部分の近傍が適温に保たれることから、暖房に用いるエネルギーを低減することができ、第1の目的をさらに達成できる利点がある。
第3の発明によれば、基本的構成は第1又は第2の発明と同一であることから、本発明における第1の目的を達成することができる。さらに、妻側から見た場合、縦向包囲空間の左側に横向蔓葉包囲空間が配置され、かつ、右側に右横向蔓葉包囲空間が配置されることにより、縦向包囲空間と左横向蔓葉包囲空間及び右横向蔓葉包囲空間とがT字型を呈し、吸入口は、左横向蔓葉包囲空間及び右横向蔓葉包囲空間におけるそれぞれの蔓葉部分の先端部近傍に配置されている。したがって、メロン等の蔓性植物の場合、蔓、したがって、結実範囲を左右に設定できるので、温室内を有効に使用でき、本発明の従的目的たる第2の目的を達成できる利点がある。
第4の発明によれば、基本的構成は第1~第3の発明と同一であることから、本発明における第1の目的を達成することができる。さらに、縦向包囲空間に相対する範囲に水耕栽培槽が配置されていることから、水耕栽培槽内に根ざす茎及び蔓葉部が暖房された温室内に配置され、植物に適した温度の温室内に配置される。よって、水耕栽培に適した植物温室用暖房装置を提供でき、本発明の従的目的たる第4の目的を達成できる利点がある。
第5の発明によれば、基本的構成は第4の発明と同一であることから、本発明における第1の目的を達成することができる。さらに、前記水耕栽培槽に対し一体的に設けられると共に上方に延在する棚支持部の上部に対し、横方向に片持ち状態に伸びる蔓棚を含み、前記内側被覆体は、前記水耕栽培槽に対し、妻側から見た場合、少なくとも左右において、所定距離離れて設置される左被覆体及び右被覆体によって構成された縦向包囲空間と、前記縦向包囲空間の上部において前記縦向包囲空間と連通し、前記蔓棚の上方において所定距離離れて設置された上被覆体及び下方において所定距離離れて設置された下被覆体によって構成された左横向蔓葉包囲空間及び右横向蔓葉包囲空間とにより、前記縦向包囲空間と左横向蔓葉包囲空間と右横向蔓葉包囲空間とがT字型を呈することから、メロン等の蔓性植物の水耕栽培に適した植物温室用暖房装置を提供でき、本発明の従的目的たる第2及び第4の目的を達成できる利点がある。
第6の発明によれば、基本的構成は第2~5の発明と同一であることから、本発明における第1の目的を達成することができる。さらに、下被覆体には所定の大きさの作業開口が形成されているので、果実収穫や蔓部分、葉部分の手入れ時はこの作業開口から蔓葉包囲空間に上半身又は手を差し込むことができるので、作業性に優れており、第3の目的を達成できる利点がある。さらにまた、この作業開口は作業開口蓋によって閉口することができるので、保温効果を維持できる利点がある。
第7の発明によれば、基本的構成は第1の発明と同一であることから、本発明の第1の目的を達成することができる。さらに、上被覆体には所定の大きさの換気開口が形成されると共に、換気開口蓋によって開閉口可能である。したがって、夏期等において、内側被覆体内の気温が所定温度よりも上昇した場合、換気開口蓋を開いて換気開口を開口させ、暖空気の上昇性質を利用して内側被覆体内から暖空気を逃がし、外側被覆体内の空気を取り込むことにより、内側被覆体内の気温を所定の温度範囲内に調整することができるので、内側被覆体内の温度調整が容易にできる利点がある。
第8の発明によれば、基本的構成は第1の発明と同一であることから、本発明の第1の目的を達成することができる。さらに、縦向包囲空間の下部又は下方の土壌中には、蓄熱装置が配置されていることから、当該蓄熱装置によって暖められた空気が縦向包囲空間において、上昇気流となり、蔓葉包囲空間の上側空間に達した後、この上側空間において先端側へ向かい、当該蔓棚先端部における吸入口に吸入される循環対流が生じる。したがって、加熱装置に加え、蓄熱装置によって加熱された空気が縦向包囲空間及び横向き包囲空間に供給されるので、更に省エネルギー化できる利点がある。
第9の発明によれば、基本的構成は第1の発明と同一であることから、本発明の第1の目的を達成することができる。さらに、横向蔓葉包囲空間における蔦棚の先端部近傍に吸入口が開口され、縦向包囲空間の下部に噴出口が開口され、前記吸入口と前記噴出口との間に加熱手段及び送風手段が設けられていることから、縦向包囲空間から横向蔓葉包囲空間を経て縦向包囲空間へ循環する循環流が強制的に生成される。換言すれば、強制対流が生成される。したがって、この強制的な循環対流によって、蔓部分及び葉部分へも相対的に暖かい空気が流動し、内側被覆体内の気温を所定の温度範囲内に省エネルギー化しつつ維持し得る利点がある。さらに、植物の根部が配置される水耕栽培槽は載置台に載せられて作業に適した高さに配置される。載置台には上方に向かって延在する棚支持部が一体化され、当該棚支持部の上端部には蔓棚が横向きの片持状態に取り付けられる。したがって、載置台、水耕栽培槽、及び、蔓棚は、一体化されていることから、例えば、載置台をレールに案内されて移動可能とすることで容易に一次温室ユニットを外側被覆体内において移動できることから、本発明の従的目的たる第5の目的を達成できる利点がある。なお、蔓棚の一部分、具体的には水耕栽培槽に近い部分を水耕栽培槽に一体化し、その他の部分を当該一体化された蔓棚部分に後付けするようにした場合であっても、本発明における一体化の技術的範囲に属するものである。
第10の発明によれば、基本的構成は第1の発明と同一であることから、本発明の第1の目的を達成することができる。さらに、一次温室ユニットを複数列設した際、隣接する妻側どうしが実質的に密着されるように構成されていることから、安価に構成できる利点がある。
第11の発明によれば、基本的構成は第1の発明と同一であることから、本発明の第1の目的を達成することができる。さらに、載置台は、2本の平行するレールに沿って移動可能であることから、水耕栽培装置の移動が容易であることから、本発明の従的目的たる第5の目的を達成できる利点がある。
図1は、本発明にかかる実施例1の植物温室用暖房装置の概略斜視図である。 図2は、本発明にかかる実施例1の植物温室用暖房装置の横断面図である。 図3は、本発明にかかる実施例1の植物温室用暖房装置の平面図である。 図4は、本発明にかかる実施例1の植物温室用暖房装置の説明図であり、(A)は平面図、(B)は(A)におけるX―X線断面図、(C)は(A)におけるY方向から見た正面図、(D)は吸入パイプの断面図、(E)は吹出パイプの断面図である。 図5は、本発明にかかる実施例1の植物温室用暖房装置に設置する水耕栽培装置であり、(A)は平面図、(B)は一部断面側面図である。 図6は、本発明にかかる実施例2の植物温室用暖房装置であり、(A)は図4(B)と同様の説明図、(B)は作業開口装置及び換気装置部分の部分拡大図、(C)は左被覆体の下端部を巻き上げて開口を形成した状態図である。 図7は、本発明にかかる実施例2の植物温室用暖房装置の平面図である。 図8は、本発明にかかる実施例3の植物温室用暖房装置の概要説明図である。 図9は、本発明にかかる実施例3の植物温室用暖房装置の概要平面図である。 図10は、本発明にかかる実施例4の植物温室用暖房装置の一次温室ユニットの概要説明図であり、(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は概要断面図である。 図11は、本発明にかかる実施例5の植物温室用暖房装置の一次温室ユニットの概要説明図であり、(A)は平面図、(B)は(A)におけるX―X線断面図である。
本発明の植物温室用暖房装置の最良の形態は、少なくとも、外側被覆体と、前記外側被覆体内に設置され、植物の大凡上方に向かって伸びる茎部分、及び、前記茎部分に対し横方向に伸びる蔓葉部分を囲う内側被覆体とを含む植物温室用暖房装置であって、前記内側被覆体は、前記茎部分に対し、妻側から見た場合、少なくとも左右において、所定距離離れて設置される左被覆体及び右被覆体によって構成された縦向包囲空間と、前記縦向包囲空間の上部において前記縦向包囲空間と連通し、前記蔓葉部分の上方において所定距離離れて設置された上被覆体及び下方において所定距離離れて設置された下被覆体、並びに、前記上被覆体及び下被覆体の端部を接続する先端部被覆体によって端部が閉止された横向蔓葉包囲空間と、により、前記縦向包囲空間と横向蔓葉包囲空間とがT字型を呈し、前記上被覆体の下側における前記蔓葉部分の先端部近傍に配置された吸入口と、前記縦向包囲空間の下部に設置された噴出口と、前記吸入口から吸入した空気を加熱する加熱装置と、前記加熱装置で加熱された空気を前記噴出口から噴出させる送風手段と、前記植物の根部が配置される水耕栽培槽と、前記水耕栽培槽を載置する載置台と、前記載置台に一体化され、上方に延在する棚支持部と、前記棚支持部の上端部に取り付けられ、前記棚支持部に対し横方向に片持ち状態に伸びる蔓棚を含み、前記水耕栽培槽、前記載置台、前記棚支持部、及び、前記蔓棚は前記内側被覆体により所定の間隔をおいて被覆された一次温室ユニットが構成され、前記一次温室ユニットの前記妻側が妻側被覆体によって閉止され、前記一次温室ユニットを複数列設した場合、隣接する前記妻側どうしが実質的に密着するように構成され、前記載置台は、平行に配置された2本のレールに沿って移動可能であり、前記加熱装置によって加熱された空気を前記送風手段によって前記噴出口から噴出させた後、前記縦向包囲空間を上昇させ、次いで前記上被覆体に沿わせて横方向に案内された空気を前記吸入口から吸入することにより加熱空気の強制循環対流を生じさせることを特徴とする植物温室用暖房装置である。
実施例1は、図1及び図2に示すように、少なくとも、外側被覆体100と、外側被覆体100内に設置され、植物102の大凡上方に向かって伸びる茎部分102S、及び、茎部分102Sに対し横方向に伸びる蔓葉部分102VL(蔓部分102V及び葉部分102L)を囲う内側被覆体104とを含む植物温室用暖房装置であって、
妻側112からみた場合、内側被覆体104は、茎部分102Sに対し、少なくとも左右において、所定距離離れて設置される左被覆体104L及び右被覆体104Rによって構成された縦向包囲空間108と、
前記縦向包囲空間108の上部において前記縦向包囲空間108と連通し、前記蔓葉部分102VLの上方において所定距離離れて設置された上被覆体104A及び下方において所定距離離れて設置された下被覆体104Uによって囲われた横向蔓葉包囲空間110を含み
前記上被覆体104Aの下側における前記蔓葉部分102VLの先端部近傍に配置された吸入口222Sと、
前記縦向包囲空間108の下部に設置された噴出口218Jと、
前記吸入口222Sから吸入した空気を加熱する加熱装置214と、
前記加熱装置214で加熱された空気を前記噴出口218Jから噴出させる送風手段216を含み、
前記加熱装置214によって加熱された空気を前記送風手段216によって前記噴出口218Jから噴出させた後、前記縦向包囲空間108を上昇させ、次いで前記上被覆体104Aに沿わせて横方向に案内された空気を前記吸入口222から吸入することにより加熱空気の強制循環対流を生じさせる
ことを特徴とする植物温室用暖房装置である。なお、本発明において、下被覆体104Uは、必須の構成要件ではなく、設けなくとも良い。しかし、下被覆体104Uがあった方が、省エネルギー効果は高い。
まず外側被覆体100を説明する。
外側被覆体100は、外気から外側被覆体100内の空気を遮断する機能及び植物102の光合成に必要な太陽からの光エネルギーを透過すると共に、内部温度を高めるための電磁波(紫外線、可視光線、赤外線)が透過可能な機能を有し、本実施例1において外側被覆体100は大凡家型であって、屋根部100S、左側壁部100L、右側壁部100R、妻部100G、したがって正面から見た場合、左妻部100GL、及び、右妻部100GRによって構成され、材質は太陽からの少なくとも可視光、及び、電磁波を透過するガラス板、ポリ塩化ビニール等の樹脂製フィルム又は樹脂板により構成される。なお、外側被覆体100は、丸パイプ等の躯体によって支えられているが、躯体は図示を省略してある。また、外側被覆体100は、二重三重に構築することもできるが、設置費用と省エネルギー効果の観点で決定される。
次に屋根部100Sを説明する。
屋根部100Sは、雨雪が直接、外側被覆体100内の土壌114に落下しないように覆う機能を有し、雨雪が落下しやすいように、切妻型又はかまぼこ(ドーム)型に形成され、本実施例1においては、切妻型に形成されている。
次に左側壁部100Lを説明する。
左側壁部100Lは、右側壁部100R、左妻部100GL、及び、右妻部100GRと共に屋根部100Sを支えると共に、外側被覆体100内を外気から遮断する機能を有し、本実施例1においては、屋根部100Sと同じ材料で作成された平板状体によって構成され、下端部は土壌114に埋め込まれて大凡垂立状態に立設され、その上端は屋根部100Sに接続されている。
次に右側壁部100Rを説明する。
右側壁部100Rは、左側壁部100Lと同様の機能を有し、本実施例1においては、同様に、下端部は土壌114に埋め込まれて大凡垂立状態に立設され、その上端は屋根部100Sに接続されている。
次に左妻部100GLを説明する。
左妻部100GLは、左側壁部100Lと同様の機能を有し、本実施例1において、下端部は土壌114に埋め込まれて大凡垂立状態に立設され、その上端は屋根部100Sに接続されている。左妻部100GLの一部には、扉122によって開閉自在な出入口124が設けられている。また上部には外側被覆体100と内側被覆体104との間に形成される二次温室空間116内が所定温度以上になった場合、外気を取り入れて二次温室空間116内を所定の温度に調整するための二次温室換気装置126が取り付けられている。本実施例1において、左妻部100GLに取り付けられた二次温室換気装置126は、大型の換気扇であり、外気を二次温室空間116内に取り込むための吸入装置126Iとして機能し、右妻部100GRに取り付けられた二次温室換気装置126は二次温室空間116内の空気を外部へ排気するための排気装置126Oとして機能する。しかし、二次温室換気装置126を1つ設け、正転と逆転を使い分けることにより、吸入装置126I又は排気装置126Oとして使用することができる。
次に右妻部100GRを説明する。
右妻部100GRは、左側壁部100Lと同様の機能を有し、本実施例1においては、下端部は土壌114に埋め込まれて大凡垂立状態に立設され、その上端は屋根部100Sに接続されている。
したがって、外側被覆体100は公知の温室と同様の機能及び構成であり、既に設置された温室、又は、新たに設置される温室を利用することができる。
次ぎに本発明に係る植物温室用暖房装置106の利用に適している植物102を主に図2を参照しつつ説明する。
本発明の利用が好ましい植物102は、成長及び結実に適当な気温が自然に得られない温度環境を必要とする野菜・果物類である。我が国においては、例えば、原産地がアフリカであるメロン102Mは、生育適温が25~30度であり、夜間の気温が18度以下にならないようにする必要がある。したがって、我が国では所謂ハウス栽培が主であり、前記温度条件を満たすように適宜暖房を行うのが一般的である。メロン102Mの他、トマト、キュウリ、ピーマン、パプリカ、ゴーヤ、及び、ナス等の野菜類、並びに、ミカン等の柑橘類や葡萄、梨、桜桃等が対象となる。以下、植物102が水耕栽培装置132によって栽培されるメロン102Mの例を説明する。しかし、メロン102Mは外側被覆体100内の土壌114による露地栽培であっても良い。また、我が国以外、例えばシベリア等の寒冷地において、野菜や果物を栽培する場合にも、本発明は有効である。
次に水耕栽培装置132を主に図5を参照して説明する。
水耕栽培装置132は、メロン102Mの成長に必要な養分(肥料)を水に混入させて栽培可能とする機能を有し、本実施例1においては、メロン102Mの根部102Rが配置される水耕栽培槽134、載置台136、棚支持部138、及び、蔓棚142を含んでいる。
まず水耕栽培槽134を説明する。
水耕栽培槽134は、水に液体肥料を混合した液肥144を所定の水位を保ちつつ貯留する機能を有し、本実施例1においては、上面が全面的に開口された開口134Oを有する平面視矩形の水槽が使用される。水耕栽培槽134の中央部の底板134Bには、後述する貯留槽140内の液肥144の液肥圧送ポンプ141の送り出し口に接続され、液肥144が所定の圧力で送出される液肥供給口134Eが開口されている。また平面視における水耕栽培槽134の四隅には液肥144の水位が上限を超えないようにするため、上面に排水開口146を有する水平断面が角筒状の排水管148A~148Dが配置されている。排水管148A~148Dの下端開口は、図示しないパイプを介して貯留槽140に回収される。水耕栽培槽134の四隅に配置されている排水管148A~148Dの排水開口146は実質的に同一水平線上に配置されることから、水耕栽培槽134内の液肥144の水位は実質一定に保たれる。
水耕栽培槽134の開口134Oには矩形板状の蓋体152が載置され、当該開口134Oは実質的に塞がれる。蓋体152の中央には培地154のための培地開口156が開口され、培地154としての多孔質体、例えばスポンジが下方へ突出するように一体化されている。これにより、蓋体152を水耕栽培槽134の開口134Oを覆うように被せた場合、培地154の下端部は液肥144内に浸漬される。培地154にはメロン102Mが播種され、その根部102Rは培地154から水耕栽培槽134内の液肥144内に伸びている。メロン102Mの茎部分102Sは大凡垂直上方に伸びるように添え木(図示せず)等によって支えられる。なお、水耕栽培槽134の好ましい例としては、本出願人の出願に係る特許第5357954号を参照されたい。水耕栽培槽134は、縦向包囲空間108内、若しくは、縦向包囲空間108の上方の横向蔓葉包囲空間110内に配置される。換言すれば、水耕栽培槽134は縦向包囲空間108に相対する範囲に配置されている。
次に載置台136を説明する。
載置台136は水耕栽培槽134を水平に支える機能を有し、本実施例1においてはテーブル型に構成されている。この載置台136は、土壌114上に直接設置しても、キャスター等の移動手段を介して設置しても良いが、水耕栽培槽134の水平出しを行う機能及びその水平状態を維持するための機構を付設することが好ましい。
本実施例1においては、図5に図示するように、載置台136の下端部に車輪168、具体的には左車輪168L、及び、右車輪168Rの組を二組取付け、土壌114上に設置したレール170、具体的には左レール170L及び右レール170R上にそれぞれ載置し、後述する一次温室ユニット130が左レール170L及び右レール170R上を移動するように構成することができる。換言すれば、載置台136上に支持される水耕栽培槽134、棚支持部138、蔓棚142、及び、内側被覆体104は、左レール170L及び右レール170R上を左車輪168L及び右車輪168Rの転動によって移動することができるので、比較的小さな押力で移動させることができる。これによって、成長期に入ったメロン102Mの水耕栽培装置132を成長及び結実用の外側被覆体100内に移動させる際の労力を低減させることが出来る。
次に棚支持部138を説明する。
棚支持部138はメロン102Mの蔓部分102V及び葉部分102Lを支持させるための蔓棚142を支える機能を有し、本実施例1においては、載置台136の上部に下端部が固定されて一体的に設けられた複数の棚支持部138A~138Dの上端部にほぼ水平の横向きに格子状の蔓棚142が固定されている。
次に蔓棚142を主に図3及び図4を参照して説明する。
蔓棚142は、メロン102Mの茎部分102Sに続く蔓部分102V及び葉部分102Lを這わせる機能を有し、本実施例1においては平面視、所定の幅(図3においてW1)及び所定の長さ(図3においてL1)を有する矩形であって、かつ、格子状に形成され、その中央部が棚支持部138の上端部に略水平状態に取り付けられている。換言すれば、蔓棚142は棚支持部138に対し左右の横方向に片持ち状態に伸び、片持ちの蔓棚先端部142T(左蔓棚先端部142TL、右蔓棚先端部142TR)を有する。蔓棚142は中間部及び先端部を、下端部を土壌114に突き立てられた複数の支柱162によって支えられることにより、略水平状態に保たれる。蔓棚142は1本のメロン102Mが成長して蔓部分102V、及び、葉部分102Lが成長した場合であっても、蔓巻出来る十分な面積を有している。なお、支柱162は、水耕栽培装置132がレール170上を移動されて、所定の成長・結実位置に設置された後、設置することが好ましい。また、蔓棚142全体を一体に製造することも可能であるが、蔓棚支持部138に一体化される蔓棚142部分を大凡縦向包囲空間108に相対する範囲とし、その他は蔓葉が伸びて必要になった際に後発的に組み付けるようにしてもよい。
メロン102Mは、茎部分102Sに連なる蔓部分102Vが蔓棚142に沿って成長するようにし、蔓棚142においてメロン果実Mが結実されるように栽培する。したがって、蔓棚142には蔓葉部分102VLが存在することになる。
次に内側被覆体104を主に図4を参照して説明する。
内側被覆体104は、外側被覆体100内に配置されると共に、植物102たるメロン102Mの茎部分102S、蔓部分102V、及び、葉部分102Lの近傍において囲う一次温室空間128を構成する。内側被覆体104は、左被覆体104L、右被覆体104R、上被覆体104A、下被覆体104U、先端部被覆体104T、及び、妻側被覆体104Gによって実質的に1枚の透光性のシートによって形成された立体形状を構成し、正面、背面、平面から観た形状は矩形であり、妻側112からみた側面はT字型に形成されている。内側被覆体104に囲われた空間が一次温室空間128である。なお、外側被覆体100及び/又は内側被覆体104を二重又は三重にすることも可能である。これらを二重・三重にした場合、後述の土壌間空間166と接する被覆体が外側被覆体100又は内側被覆体104を構成する。外側被覆体100及び/又は内側被覆体104は熱反射シート又は透光性を有する断熱構造により構成することが好ましい。温室内の熱を外部に漏れないようにするためである。内側被覆体104を二重にした場合、重なり合う被覆体104間の空間が断熱構造になる。
次に左被覆体104Lを説明する。
左被覆体104Lは、縦向包囲空間108の左側を画定する機能を有し、本実施例1においては、図2において水耕栽培装置132の左側に配置されたシート状の被覆体であって、T字型における脚部の左側に配置され、大凡垂立されたシート状体であり、本実施例1においては、平面状の透明なビニールシートによって構成されている。左被覆体104Lの下端は、土壌114に埋設又は土壌114との隙間を可及的に微少化し、実質的に隙間を形成しないようにしている。メロン102Mが外側被覆体100内における土壌114を利用した栽培である場合、左被覆体104Lは茎部分102Sの左側に位置し、図2又は図4の例においては茎部分102Sの真横ではないが茎部分102Sの左側において左被覆体104Lが配置されるので、左被覆体104Lは茎部分102Sに対し所定距離離れて左側に設置されていると言える。なお、左被覆体104Lは、夏期における一次温室空間128内の温度調整のため、図6(C)に示すように、土壌114との間に開口118を形成できるよう、巻き上げ、たくし上げ、又は、取り外し出来るようにすることが好ましい。
次に右被覆体104Rを説明する。
右被覆体104Rは、縦向包囲空間108の右側を画定する機能を有し、本実施例1においては、水耕栽培装置132の右側に配置されたシート状の被覆体であって、T字型における脚部の右側に配置され、大凡垂立されたシート状体であり、本実施例1においては、左被覆体104Lと同様に透明なビニールシートによって構成されている。右被覆体104Rの下端は、土壌114に埋設又は土壌114との隙間を可及的に微少化し、実質的に隙間を形成しないようにしている。本右被覆体104Rについても、茎部分102Sとの関係においては、前述の左被覆体104Lと同様である。また、右被覆体104Rは、左被覆体104Lと同様に、土壌114との間に開口118を形成できるよう、巻き上げ、たくし上げ、又は、取り外し出来るようにすることが好ましい。
次に上被覆体104Aを説明する。
上被覆体104Aは、縦向包囲空間108を上昇してきた加熱空気を横方向、換言すれば、水平方向へ案内する機能を有し、本実施例1においては、蔓棚142に対し所定の距離離れた上方に平行状態、換言すれば、水平状態に配置された平面シート状体であり、蔓棚142との距離は、内部における空気の流動が円滑に行われるように一定値以上の量、例えば50センチメートル程度で良いが、これに限定されず必要に応じて、30センチメートルから100センチメートルぐらいで有っても良い。
次に下被覆体104Uを説明する。
下被覆体104Uは、縦向包囲空間108を上昇してきた加熱空気を上被覆体104Aと共同して横方向、換言すれば、水平方向へ案内する機能を有し、本実施例1においては、蔓棚142に対し所定の距離離れた下方に配置された平面シート状体であり、蔓棚142との距離は、内部対流が円滑に行われるように一定値以上の量、例えば50センチメートル程度で良いが、これに限定されず、必要に応じて30センチメートルから100センチメートルぐらいで有っても良い。下被覆体104Uは、茎部分102S及び水耕栽培装置132によって分断されるため、左下被覆体104ULと右下被覆体104URとによって構成されている。左下被覆体104ULの右側端部は前述の左被覆体104Lの上端部と接続されている。この接続には両者の端部を重ね合わせる等実質的に接続する構造を含んでいる。右下被覆体104URの左側端部は前述の右被覆体104Rの上端部と接続されている。この接続も前述同様に実質的に接続する構造を含んでいる。なお、下被覆体104Uは本発明においては、必須の構成要件ではない。さらに、夏期において、一次温室空間128内の気温を低下させる場合には、下被覆体104Uは取り除き、又は、先端部被覆体104Tから垂下するように垂れ下げることもできる。
次に先端部被覆体104Tを説明する。
先端部被覆体104Tは、上被覆体104Aの端部と下被覆体104Uの端部とを接続する機能、換言すれば、上被覆体104Aの端部と下被覆体104Uによって挟まれた空間の端部を通路状にする機能を有し、本実施例1においては、上被覆体104Aの左端部と左下被覆体104ULの左端部とを接続するシート状の左先端部被覆体104TLであり、蔓棚142の片持ちの蔓棚先端部142Tとの間に所定の距離をもって配置され、空気が流動可能に構成されている。また、先端部被覆体104Tは上被覆体104Aの右端部と右下被覆体104URの右端部とを接続するシート状の右先端部被覆体104TRであり、蔓棚142の片持ちの蔓棚先端部142Tとの間に所定の距離をもって配置され、空気が流動可能になっている。これらの接続には前述の実質接続を含むものである。左先端部被覆体104TLと左側壁部100L、及び、右側壁部100Rと右先端部被覆体104TRとの間隔は、実質的にゼロになるように、密着させることが好ましい。一次温室空間128内の気温が生育適正温度よりも上昇する場合、二次温室空間116外の外気を縦向包囲空間108に速やかに導くことによって、気温を迅速に低下出来るからである。なお、先端部被覆体104Tを用いること無く、図2に図示するように、上被覆体104A及び下被覆体104Uを左側壁部100L及び右側壁部100Rまでそれぞれ延長して横向蔓葉包囲空間110、したがって、左横向蔓葉包囲空間110L及び右横向蔓葉包囲空間110Rを構成しても良い。この場合、厳密には内側被覆体104が外側被覆体100内に設置されたとは言えないが、本発明においては図2に示す程度の重複である場合には、内側被覆体104が外側被覆体100内に設置される範疇に含まれるものである。また、二次温室空間116は、横向蔓葉包囲空間110によって上下方向に分断されている。
次に妻側被覆体104Gを主に図3を参照して説明する。
妻側被覆体104Gは、内側被覆体104の妻側112を被覆する機能を有し、後述の一次温室ユニット130毎の左右の妻側112を被覆する機能を有し、本実施例1においては、左妻側被覆体104GLと右妻側被覆体104GRによって構成されている。しかし、一次温室ユニット130が複数並列される場合、最左端の一次温室ユニット130の左妻側被覆体104GL、及び、最右端の一次温室ユニット130の右妻側被覆体104GRを設置するだけでも良い。図3において、一次温室ユニット130は2つ並列されているので、左側の第1一次温室ユニット130Aの左妻側112Lに左妻側被覆体104GL、第2一次温室ユニット130Bの右妻側112Rに右妻側被覆体104GRを設けている。換言すれば、第1一次温室ユニット130Aと第2一次温室ユニット130Bの一次温室空間128とは妻側において連通されている。
次に左妻側被覆体104GLを説明する。
左妻側被覆体104GLは、内側被覆体104の左妻側112Lを覆う機能を有し、本実施例1においては、T型の透明シートである。
次に右妻側被覆体104GRを説明する。
右妻側被覆体104GRは、内側被覆体104の右妻側112Rを覆う機能を有し、本実施例1においては、T型の透明シートである。左被覆体104L、右被覆体104R、上被覆体104A、下被覆体104U、先端部被覆体104T、左妻側被覆体104GL、及び、右妻側被覆体104GRは、ガラス板、又は、アクリル樹脂板等を用いることができ、図示は省略したが、蔓棚142、支柱162、及び/又は、その他の部材によって支えられ、前述の位置関係を保っている。
次に縦向包囲空間108を主に図2及び図4を参照して説明する。
縦向包囲空間108は、噴出口218Jから噴出した加熱空気を上方に配置された横向蔓葉包囲空間110へ、換言すれば、垂立方向へ案内する機能を有し、本実施例1においては、左被覆体104L、右被覆体104R、左妻側被覆体104GL、及び、右妻側被覆体104GRによって挟まれた空間であり、メロン102Mの茎部分102S、水耕栽培の場合、水耕栽培装置132が位置する空間である。したがって、左被覆体104Lと右被覆体104Rは大凡垂立しているので、それらに挟まれた縦向包囲空間108も大凡垂立する。
次に横向蔓葉包囲空間110を説明する。
横向蔓葉包囲空間110は、メロン102Mの茎部分102Sから横方向に延在する蔓葉部分102VLを所在させる機能、及び、縦向包囲空間108を上昇してきた空気を横方向へ案内する機能を有し、本実施例1においては、上被覆体104A、下被覆体104U(左下被覆体104UL、右下被覆体104UR)、左妻側被覆体104GL、及び、右妻側被覆体104GRによって囲まれた、空間であり、蔓棚142によって支えられるメロン102Mの蔓葉部分102VL(蔓部分102V及び葉部分102L)が位置する空間であり、その中央部において、その下部が縦向包囲空間108の上端部と連通している。換言すれば、メロン102Mは、その茎部分102Sが縦向包囲空間108に位置し、蔓葉部分102VL(蔓部分102V、及び、葉部分102L)は横向蔓葉包囲空間110に位置する。
次に一次温室空間128を説明する。
一次温室空間128は、縦向包囲空間108と横向蔓葉包囲空間110によって囲まれた空間である。したがって、妻側112からみた場合、一次温室空間128はT型、平面、正面、及び、背面からみた場合、矩形を呈する。一次温室空間128は二次温室空間116内に位置することから、一次温室空間128を画定する内側被覆体104と外側被覆体100との間には、二次温室空間116が位置し、以て、一次温室空間128の外部からの冷却は、主に二次温室空間116内の自然対流によって生じることから、熱伝導よりも熱伝達率が低く、一次温室空間128内の空気の保温効果を高めることができる。具体的には、前述したように、二次温室空間116は横向蔓葉包囲空間110によって上下方向に分断されていることから、二次温室空間116内の自然対流は、横向蔓葉包囲空間110の上方において発生する。
また、図4(B)に示すように、蔓棚142に支持されたメロン102Mの蔓部分102V及び葉部分102Lはシート状態となることから、一次温室空間128の横向蔓葉包囲空間110は、蔓棚142、蔓部分102V、及び、葉部分102Lによって上側空間110Aと下側空間110U(左下側空間110UL、右下側空間110UR)とに分割され、上側空間110Aの左上側空間110ALの左端と左下側空間110ULの左端とは左側の蔓棚先端部142Tの外側に位置する左連結空間110CLによって接続され、上側空間110Aの右上側空間110ARの右端と右下側空間110URの右端とは右側の蔓棚先端部142Tの外側に位置する右連結空間110CRによって接続されている。なお、図4(B)において、左先端部被覆体104TLは外側被覆体100の左側壁部100Lであり、右先端部被覆体104TRは右側壁部100Rの場合を表している。
次に土壌間空間166を主に図2及び図4を参照して説明する。
土壌間空間166は、二次温室空間116における土壌114と蔓棚142の下方を覆う下被覆体104U(左下被覆体104UL、右下被覆体104UR)とに挟まれた空間、正確には、左下被覆体104ULと外側被覆体100内の土壌114との間の左土壌間空間166L及び右下被覆体104URと外側被覆体100内の土壌114との間の右土壌間空間166Rである。これにより、左下被覆体104UL及び右下被覆体104URに相対する一次温室空間128は、土壌114との間に土壌間空間166が介在されることになる。これにより、本植物用多層温室106における保温効果は更に高められる。
以上の説明から明らかなように、本実施例1においては、1の水耕栽培装置132を単位に内側被覆体104を構成した一次温室ユニット130を構成することができる。しかし、図3に示すように、一次温室ユニット130を多数列設する場合、中間の内側被覆体104の左妻側被覆体104GL、及び、右妻側被覆体104GRを設けず、最も左端における内側被覆体104の左妻側被覆体104GL、及び、最も右端における内側被覆体104の右妻側被覆体104GRを設けることにより、コストを下げることが出来る。
次に積極循環式暖房装置212を主に図3を参照しつつ説明する。
積極循環式暖房装置212は、加熱した空気を一次温室空間128内、具体的には縦向包囲空間108の下部に設置された噴出口218Jから積極的に噴出して上昇気流を生じさせ、かつ、横向蔓葉包囲空間110の端部において吸入口222Sから積極的に吸入することにより加熱空気の強制循環対流を生じさせ、メロン102M(主に蔓葉部102VL)に所定の流速を有する加熱空気の循環対流を強制的に生じさせることにより、生育適温を積極的に維持する機能を有し、本実施例1においては、左下被覆体104UL及び右下被覆体104URの下方の土壌間空間166に配置された、加熱装置214、送風手段216、縦向包囲空間108の下部に配置された噴出口218J、及び、横向蔓葉包囲空間110の端部に配置された吸入口222Sを含んでいる。具体的には、左横向蔓葉包囲空間110Lに対して左積極循環式暖房装置212L、右横向蔓葉包囲空間110Rに対して右積極循環式暖房装置212Rがそれぞれ個別に設けられている。
左積極循環式暖房装置212Lと右積極循環式暖房装置212Rとは、同一構成であって、縦向包囲空間108を挟んで対称に配置されているので、左積極循環式暖房装置212Lを代表して説明し、右積極循環式暖房装置212Rに対しては同一符号の末尾のLをRに変更して付記することにより、説明を省略する。左積極循環式暖房装置212Lは、少なくとも、加熱装置214、したがって左加熱装置214L、送風手段216、したがって左送風手段216L、吹出装置218、したがって左吹出装置218L、吸引装置220、したがって左吸引装置220L、吸引配管224、したがって左吸引配管224L、送給配管226、したがって左送給配管226Lを含んでいる。
まず加熱装置214を説明する。
加熱装置214は、送風手段216によって発生された空気流を加熱する機能、具体的には、吸入口222Sから吸入した空気を加熱する機能を有し、化石燃料を燃焼させて生じた高温排気を用いるファンヒータ方式、当該高温排気、又は、他の熱源により発生させた高温空気や高温液体を熱交換機に供給し、間接的に加熱空気を得る密閉式暖房装置等を用いることができる。本実施例4においては、加熱装置214として灯油を燃焼させた排気熱を送り出すファンヒータ方式が採用されている。ファンヒータ方式は、加熱装置214と送風手段216とを一体化できる利点がある。
次に左送風手段216Lを説明する。
左送風手段216Lは、左加熱装置214Lにおいて生成された加熱空気を左吹出装置218Lへ送り出す機能、換言すれば、加熱装置214Lで加熱された空気を後述の噴出口218Jから噴出させる機能を有し、本実施例1においては、電気モータによって駆動される送風手段が用いられているが、同様の機能を有する他の装置に変更することができる。左送風手段216Lの電源は、実施例3において説明する自然エネルギーを利用して発電した電力を蓄電池206(図8参照)に蓄電して利用し、又は、商用電源を用いることができる。なお、左送風手段216Lと左加熱装置214Lとの位置を入れ替えてもよい。すなわち、左加熱装置214Lによって加熱された空気を左送風手段216Lによって吸い込んだ後、左吹出装置218Lへ送出すことができる。
次に左吹出装置218Lを主に図4(E)を参照して説明する。
左吹出装置218Lは左送風手段216Lによって送り込まれた加熱空気を縦向包囲空間108の下部における空間へ吹き出す機能、換言すれば、縦向包囲空間108の下部に設置された噴出口218JJから加熱空気を噴出させる機能を有し、本実施例1においては、一次温室ユニット130を横断し、周壁に多数の噴出口218JJ、したがって 左噴出口218JLが形成された吹出パイプ218P、したがって左吹出パイプ218PLが用いられている。したがって、加熱された空気は、左吹出パイプ218PLの複数の左噴出口218JLから縦向包囲空間108の下部空間へ噴出される。なお、噴出とは、空気が勢いよく噴出する場合~そよ風程度を含む概念である。
次に左吸引装置220Lを図4(D)を参照しつつ説明する。
左吸引装置220Lは左横向蔓葉包囲空間110Lにおける蔓棚先端部142T近傍の空気を吸入する機能、換言すれば、吸入口222S、したがって、左吸入口222SLから蔓棚先端部142T近傍の空気を吸入する機能を有し、本実施例1においては、両端部を閉止され、一次温室ユニット130を横断し、蔓棚先端部142Tに相対しない周壁半周面に多数の吸入口222S、したがって左吸入口222SLが形成された吸入パイプ222P、したがって左吸入パイプ222PLが用いられている。これにより、左横向蔓葉包囲空間110Lの左端部の空気、換言すれば、上被覆体104Aの下側近傍の空気は、左吸入パイプ222PLを反蔓棚先端部142T側に回り込んだ後、左吸入口222SLから左吸入パイプ222PL内に吸入される。
次に左吸引配管224Lを説明する。
左吸引配管224Lは、左吸引装置220Lと左送風手段216Lの吸入口とを接続する機能を有し、本実施例1においては、丸パイプが用いられているが、これに限られない。
次に左送給配管226Lを説明する。
左送給配管226Lは、左吹出装置218Lと左加熱装置214Lの吹出口とを接続ずる機能を有し、本実施例4においては、丸パイプが用いられているが、これに限られない。
次に実施例1に係る植物温室用暖房装置106の作用を説明する。
本実施例1において、太陽からの電磁波により、一次温室空間128、及び、二次温室空間116(含む土壌間空間166)における空気が加熱され、気温が上昇する。しかし、夜間又は外気温が低下する冬期等においては、外側被覆体100に対する外気温が低下することから、二次温室空間116内の空気が対流によって冷却され、二次温室空間116内の気温の低下に伴って、一次温室空間128内の気温も対流によって低下し、適正生育温度の下限値、例えば18度を保つことが出来ない。そこで、左積極循環式暖房装置212L及び右積極循環式暖房装置212Rを起動する。これにより、左加熱装置214L、及び、右加熱装置214Rが作動して加熱空気を発生させ、左送風手段216L及び右送風手段216Rの作動によって発生される空気流によって、左加熱装置214L、及び、右加熱装置214Rにおいて発生された加熱空気を、それぞれ左送給配管226L又は右送給配管226Rを介して左吹出パイプ218PL又は右吹出パイプ218PRに送給し、当該左吹出パイプ218PL又は右吹出パイプ218PRにおいてその全長に亘って大凡均等に分配した後、複数の左噴出口218JL又は右噴出口218JRから縦向包囲空間108の下部空間へ噴出させる。これにより、加熱空気は縦向包囲空間108における相対的に低温の空気よりも軽いので、縦向包囲空間108において上昇気流が発生する。この上昇気流は載置台136及び水耕栽培槽134の周囲を上昇して蔓棚142における蔓部分102V、及び、葉部分102Lの隙間を通過して上側空間110Aに達し、ついには上被覆体104Aに上昇を阻止される。上昇を阻止された加熱空気は、左右に別れて左横向蔓葉包囲空間110L、または、右横向蔓葉包囲空間110Rへ進行し、その蔓棚142の左蔓棚先端部142TL及び右蔓棚先端部142TR側において左吸入パイプ222PLの左吸入口222SL、又は、右吸入パイプ222PRの右吸入口222SRから吸入され、再び、左送風手段216L又は右送風手段216Rに戻る、所定の流速を有する強制循環対流が生成される。この加熱空気の強制対流過程において、暖かった空気も相対的に低温の二次温室空間116内の空気、及び、一次温室空間128内の空気によって徐々に冷却されるが、温度が高い空気はその性質上、上被覆体104Aに沿って所定の厚みをもって流れることから、左蔓棚先端部142TL及び右蔓棚先端部142TRにおいては、その他の部位よりも相対的に高い温度を維持しており、当該相対的に高い温度の空気を再び加熱するので、再利用のための加熱に要するエネルギーも僅かである。換言すれば、縦向包囲空間108を上昇し、横向蔓葉包囲空間110において左横向蔓葉包囲空間110L又は右横向蔓葉包囲空間110Rの先端側へ流れる加熱空気の強制循環対流が生成されることから、メロン102Mの茎部分102S、蔓部分102V、及び、葉部分102Lをその生育に適した温度の空気中に置くことが出来る。さらに換言すれば、左加熱装置214L、又は、右加熱装置214Rによって加熱された空気は、二次温室空間116内の空気によって冷却されると言っても、二次温室空間116内の空気よりは暖かいので、左吸入パイプ222PLの左吸入口222SL、及び、右吸入パイプ222PRの右吸入口222SRから吸入した空気を再度、左加熱装置214L、又は、右加熱装置214Rにおいて加熱する際の使用熱量が少なくても良く、省エネルギー化できる利点がある。
また、加熱装置214(左加熱装置214L、右加熱装置214R)は、二次温室空間116内における、縦向包囲空間108及び横向蔓葉包囲空間110によって区画された一次温室空間128に供給されるので、一次温室空間128の容積の空気量を所定の温度に加熱すれば良いので、加熱すべき空気容積が限定され、これによっても省エネルギーを図ることができる。さらに、葉部分102Lから蒸散した水分は、前記強制循環対流に乗って、再度、葉部分102Lに供給されるので、湿度を所定範囲に保つために再利用されることから、湿度を維持するためのエネルギー使用量も減らすことができる利点がある。さらにまた、植物の生育促進のためには二酸化炭素の濃度が空気中のそれよりも高い濃度が適当な場合があるが、二酸化炭素濃度を高める場合にも、一次温室空間128の容積が小さいのでその供給量は少なくて良く、安価に二酸化炭素濃度を高めることができる利点がある。
次に実施例2を図6を参照して説明する。
実施例2は、内側被覆体104内における蔓棚142及びそれに支えられている蔓部分102V又は葉部分102Lに関する手入れの利便性を向上するための改良を実施例1に追加した例であり、内側被覆体104に作業開口装置172、及び、一次温室換気装置174を設けた例である。しかし、作業開口装置172のみを追加することであっても良い。なお、図6においては、積極循環式暖房装置212(左積極循環式暖房装置212L及び右積極循環式暖房装置212R)の例示を省略してあるが、後述する作業開口装置172との関係において、作業者が作業出来ない、又は、作業し難い姿勢にならないように配慮された位置関係になっている。また、本実施例2において、左先端部被覆体104TLは左被覆体104Lを利用し、右先端部被覆体104TRは右被覆体104Rを利用した構成になっている。
まず作業開口装置172を説明する。
作業開口装置172は、作業者が蔓棚142に支持された蔓部分102V、葉部分102L、及び、メロン果実Mの手入れをするため、横向蔓葉包囲空間110内に上半身又は手を挿入可能とする機能を有し、本実施例2においては左下被覆体104ULに対応して左作業開口装置172L、右下被覆体104URに対応して右作業開口装置172Rが設けられている。左作業開口装置172Lと右作業開口装置172Rとは同一構成であるが左右対称に配置されているため、左作業開口装置172Lを代表して説明し、右作業開口装置172Rは同一符号の最後のLをRに変更して表示することにより説明を省略する。図6(B)に示すように、左下被覆体104ULに形成された作業開口172H、したがって、左作業開口172HL、作業開口蓋172C、したがって、左作業開口蓋172CL、及び、作業開口蓋蝶番172J、したがって、左作業開口蓋蝶番172JL、及び、作業開口蓋フック172F、したがって、左作業開口蓋フック172FLを含んでいる。左作業開口172HLは矩形又は円形の開口であり、作業者の上半身又は手を挿入できる大きさに開口され、当該左作業開口172HLの左端部に設けられた左作業開口蓋蝶番172JLに左作業開口蓋172CLの一端が回動自在に取付けられることにより、左作業開口蓋172CLによって、当該左作業開口172HLを開閉口可能にし、また、閉口状態において左作業開口蓋フック172FLによって閉口状態を継続するように保持することができる。また、作業開口蓋172CLは必要に応じ設けなくとも良い。
次に一次温室換気装置174を説明する。
一次温室換気装置174は、一次温室空間128内の空気を換気する機能を有し、本実施例2においては、上被覆体104Aに対応して第1一次温室換気装置1741、第2一次温室換気装置1742、第3一次温室換気装置1743、及び、第4一次温室換気装置1744が設けられ、第1一次温室換気装置1741と第2一次温室換気装置1742、及び、第3一次温室換気装置1743と第4一次温室換気装置1744はそれぞれ同じ向きに開口され、第1一次温室換気装置1741及び第2一次温室換気装置1742と、第3一次温室換気装置1743及び第4一次温室換気装置1744とは、向かい合わせに開口するように配置されている。第1一次温室換気装置1741、第2一次温室換気装置1742、第3一次温室換気装置1743、及び、第4一次温室換気装置1744は同一構成であるので第1一次温室換気装置1741を代表して説明し、第2一次温室換気装置1742、第3一次温室換気装置1743、及び、第4一次温室換気装置1744については同一符号の最後の数字をそれぞれの番号に変更して表示することにより説明を省略する。
上被覆体104Aに形成された換気開口174H、したがって、第1換気開口174H1、換気開口蓋174C、したがって、第1換気開口蓋174C1、及び、換気開口蓋蝶番174J、したがって、第1換気開口蓋蝶番174J1を含んでいる。第1換気開口174H1は矩形又は円形の開口であり、換気に十分な大きさに開口され、当該第1換気開口174H1の左端部に設けられた第1換気開口蓋蝶番174J1に第1換気開口蓋174C1の一端が回動自在に取付けられることにより、第1換気開口蓋174C1によって、当該第1換気開口174H1を開閉口可能に構成されると共に、閉口状態において自重によって閉口状態を維持するようになっている。したがって、第1一次温室換気装置1741、第2一次温室換気装置1742、第3一次温室換気装置1743、及び、第4一次温室換気装置1744を開口した場合、一次温室空間128内には上昇気流が発生するため、一次温室空間128内の暖空気は二次温室空間116へ流出する。一次温室空間128内の上昇気流を効率的に行うには、左被覆体104L及び/又は右被覆体104Rに設けた開閉自在な下部換気開口(図示せず)、又は、左被覆体104L及び/又は右被覆体104Rを巻き上げ(図6(C)参照)、若しくは、たくし上げて土壌114の表面との間に開口118を形成することにより、一層効率よく一次温室空間128内の暖空気を排出することができる。さらに、一次温室空間128内の温度を下げたい場合、二次温室換気装置126を作動させて強制的に二次温室空間116の空気を外部へ排出することができる。この場合、一次温室空間128から二次温室空間116へ流出する空気流によって、第1換気開口蓋174C1は押し上げられて第1換気開口174H1が開口され、一次温室空間128内の空気の流出も促進される。また、本実施例2に後述の実施例3における蓄熱装置178を組み合わせることにより、より一層、一次温室空間128内の温度を省エネルギー化しつつ適切に維持することができる。
本実施例2においては、作業開口装置172、したがって、左作業開口装置172Lの左作業開口蓋172CL又は右作業開口装置172Rの右作業開口蓋172CRを開くことにより、左作業開口172HL又は右作業開口172HRを介して上半身又は手を横向蔓葉包囲空間110に挿入することが出来るので、蔓部分102V、葉部分102L、又は、メロン果実M等に対する手入れ作業を容易に行うことが出来る。また、一次温室換気装置174、したがって、第1一次温室換気装置1741、第2一次温室換気装置1742、第3一次温室換気装置1743、及び、第4一次温室換気装置1744のうちの必要な数の一次温室換気装置174を開口することにより、一次温室空間128の換気を行うことができるので、一次温室空間128内の気温を低下させることができる。換言すれば、メロン102Mの適正気温に対し一次温室空間128内の気温が高くなった場合、換気により気温を低下させることができる利点がある。
次に図8及び図9を参照して実施例3を説明する。
実施例3は、実施例1に対し、さらに、省エネルギー化するため、縦向包囲空間108の下方の土壌114中に蓄熱装置178が配置され、強制循環対流の加熱に利用するようにしたものである。蓄熱装置178は、内側被覆体104によって囲われた一次温室空間128内の空気を加熱する機能を有し、本実施例1においては、載置台136下方の土壌114中に埋設されている。しかし、蓄熱装置178は縦向包囲空間108の下部又はその他の位置に配置することもできる。しかし、蓄熱装置178は縦向包囲空間108の下部又は下方に配置することが好ましい。また、蓄熱装置178に蓄熱した熱を利用して加熱装置214において空気を加熱することができる。
次に蓄熱装置178を説明する。
蓄熱装置178は、加熱された蓄熱媒体188を貯留することにより蓄熱する機能を有し、本実施例3において蓄熱装置178は、蓄熱媒体管186及び媒体加熱装置194を含んでいる。
次に蓄熱媒体管186を説明する。
蓄熱媒体管186は、蓄熱媒体188を貯留する機能を有し、本実施例1においては中空管によって構成され、土壌114に形成された断面チャンネル状の蓄熱溝182内に配置されている。蓄熱溝182は、外側被覆体100の棟木方向に延在し、土壌114を開削して形成されている。蓄熱溝182には断熱材によって形成された断面チャンネル型の断熱溝体184が設置され、断熱溝体184に形成された溝184G内に蓄熱媒体管186が配置されている。蓄熱媒体管186内には蓄熱媒体188が充填される。蓄熱媒体188としては、水、代替フロン、アンモニア等が想定されるが、価格及び環境汚染を考慮すると、水を用いることが好ましい。水耕栽培槽134に相対する蓄熱媒体管186の上方には溝蓋192が設置され、その他の部位の蓄熱媒体管186は土壌114内に埋設されている。溝蓋192は、蓄熱媒体管186から放射される熱を縦向包囲空間108へ効率的に伝達するため、多孔質材料によって平板状、又は、平板格子状に形成されている。なお、蓄熱媒体管186内に貯留する蓄熱媒体188は、一次温室空間128内の空気を冷却用として用いることもできる。例えば、夏期において、気温よりも低い冷水を貯留することにより、土壌114を冷却し、当該土壌114を介して間接的に一次温室空間128内の空気を冷却し、又は、蓄熱媒体管186の周囲に一次温室空間128内の空気を積極的に送り込んで冷却した後、一次温室空間128内に送り返してもよい。したがって、蓄熱とは加熱及び冷熱の両者を含んでいる概念である。また、貯留とは、蓄熱媒体188が蓄熱媒体管186内において静止している場合の他、流動する場合も含む概念である。例えば、蓄熱媒体管186内に蓄熱媒体188としての水(冷水又は温水)を強制的に流動させる場合をも含むものである。
次に媒体加熱装置194を説明する。
媒体加熱装置194は、蓄熱媒体管186に貯留する蓄熱媒体188を加熱する機能を有し、本実施例3においては、冬期等に一次温室空間128を積極的に加熱するため、自然エネルギーを利用した媒体加熱装置194が蓄熱媒体管186に接続されている。媒体加熱装置194は、例えば太陽熱変換装置196や太陽光発電装置198、風力発電装置202等を利用することができる。太陽熱変換装置196は、太陽からの電磁波によってガラス管内の蓄熱媒体188たる水が加熱される太陽熱温水器204を用いることが好ましい。すなわち、太陽熱温水器204の入水口204I及び出水口204Oを配管で蓄熱媒体管186に接続することにより、日中に蓄熱媒体管186内の水を加熱し、気温が下がる夜間に蓄熱媒体管186から熱を放射させて積極的に縦向包囲空間108内の空気を加熱する。太陽光発電装置198を用いる場合、太陽光パネル205で発電した電力を蓄電池206に蓄電し、夜間等において外気温が低下し、一次温室空間128内の気温を高める必要がある場合、蓄熱媒体管186内に配置した媒体加熱装置194たる電熱器208を発熱させて加熱する。電熱器208は、別に設けた熱交換器(図示せず)に設置し、当該熱交換器によって加熱した水を蓄熱媒体管186に供給するようにしても良い。風力発電装置202を用いる場合、発電した電力を蓄電池206に蓄電し、前述同様に電熱器208を発熱させて蓄熱媒体188を加熱する。この他、媒体加熱装置194としては、発酵熱や工場廃熱、化石燃料を用いる暖房機等を利用することができる。なお、実施例3における蓄熱装置178は、実施例2における作業開口装置172及び/又は一次温室換気装置174と組み合わせることができる。
次に実施例3の作用を説明する。
縦向包囲空間108の下方には、蓄熱装置178が配置され、その温度は、周囲の土壌114よりも高温である。したがって、蓄熱装置178の上方に位置する土壌114及び溝蓋192は加熱されることから、当該土壌114及び溝蓋192に接した空気は周囲の空気よりも温度が高められて密度が低くなり、上昇気流を生じる。この上昇気流は噴出口218Jから噴出される加熱空気と混合されて実施例1において説明した強制循環対流となる。この強制循環対流によって、一次温室空間128をメロン102Mの生育に適した温度に保つことが出来、本発明における植物温室用暖房装置106との組み合わせにより、より一層、省エネルギー化を図ることができる利点がある。
次に実施例4を図10を参照して説明する。
実施例4は、実施例1における積極循環式暖房装置212を一次温室空間128における気温に基づいて自動的に作動させることにより、自動化を図ったものである。すなわち、温度センサ228、及び、制御装置232を追加し、当該制御装置232によって自動的に積極循環式暖房装置212を起動又は停止させて、一次温室空間128内の空気温度を所定の植物生育適正温度に維持する機能を有する。
なお、実施例4においては、第1一次温室ユニット130A~第7一次温室ユニット130Gが7つ列設され、第1一次温室ユニット130Aの左妻側被覆体104GL、及び、第7一次温室ユニット130Gの右妻側被覆体104GRのみが設けられ、第1一次温室ユニット130A~第7一次温室ユニット130Gの一次温室空間128は一体化されている。
まず温度センサ228を説明する。
温度センサ228は、横向蔓葉包囲空間110における気温を計測し、電気信号として出力する機能を有し、公知の電気式温度センサが用いられ、本実施例4においては、横向蔓葉包囲空間110Lの入り口近傍に左温度センサ228L、右横向蔓葉包囲空間110Rの入り口近傍に右温度センサ228Rが配置されている。
まず左温度センサ228Lを説明する。
左温度センサ228Lは、左横向蔓葉包囲空間110Lにおける気温を計測し、電気信号として出力する機能を有し、公知の電気式温度センサが用いられ、本実施例4においては、一次温室空間128における左横向蔓葉包囲空間110Lの入口部に配置してある。本実施例4においては、左横向蔓葉包囲空間110L、すなわち、第1一次温室ユニット130A~第7一次温室ユニット130Gの内の最左端に位置する第1一次温室ユニット130Aの端部に第1左温度センサ228L1、並びに、最右端に位置する第7一次温室ユニット130Gの左横向蔓葉包囲空間110Lの入口部に第2左温度センサ228L2、及び、第1一次温室ユニット130Aの右横向蔓葉包囲空間110Rの入口部に第1右温度センサ228R1、第7一次温室ユニット130Gの右横向蔓葉包囲空間110Rの入口部に第2右温度センサ228R2が配置されている。しかし、温度センサ228はさらに増減し、最適な位置に配置することができる。
次に制御装置232を説明する。
制御装置232は、温度センサ228からの測定温度が下限設定温度を下回った場合、送風手段216、及び、加熱装置214を起動し、温度センサ228からの測定温度が上限設定温度を上回った場合、送風手段216、及び、加熱装置214の作動を停止する機能を有し、本実施例4においては、マイクロコンピュータ及びコンタクタ等によって構成されているが、同様の機能を有する他の装置に変更することが出来る。本実施例4においては、第1左温度センサ228L1、第2左温度センサ228L2、第1右温度センサ228R1、又は、第2右温度センサ228R2の何れかが所定の下限設定温度以下の温度を検知した場合、左積極循環式暖房装置212L及び右積極循環式暖房装置212Rを作動させ、全ての温度センサ228が所定の上限設定温度を上回った場合、それらの作動を停止するように構成されている。しかし、第1左温度センサ228L1又は第2左温度センサ228L2の何れかから所定の下限設定温度以下の気温信号が出力された場合、左積極循環式暖房装置212Lを作動させ、所定の上限設定温度以上の信号が出力された場合、左積極循環式暖房装置212Lの作動を停止させるようにしてもよい。右積極循環式暖房装置212Rの作動についても同様である。
次に実施例4の作用を説明する。
第1左温度センサ228L1、第2左温度センサ228L2、第1右温度センサ228R1、又は、第2右温度センサ228R2の何れか1つが下限設定温度を下回ったことを検出しない限り、左積極循環式暖房装置212L及び右積極循環式暖房装置212Rとも作動されない。すなわち、前記温度センサ228L1~228R2の内の何れか1つから下限設定温度を下回る気温が検出された場合、左積極循環式暖房装置212L及び右積極循環式暖房装置212Rが起動される。これにより、実施例1において詳述したように、加熱空気が強制的に循環されて強制循環対流が生成され、一次温室空間128が所定の温度に保たれる。第1左温度センサ228L1~第2右温度センサ228R2の全てが上限設定温度を上回った場合、左積極循環式暖房装置212L及び右積極循環式暖房装置212Rは作動を停止される。なお、第1一次温室ユニット130A~第7一次温室ユニット130G毎に独立した左積極循環式暖房装置212L及び右積極循環式暖房装置212Rを設け、各一次温室ユニット130毎に設けた左温度センサ228L又は右温度センサ228Rから下限設定温度を下回る気温が検出された場合、当該左温度センサ228L又は右温度センサ228Rに対応する左積極循環式暖房装置212L又は右積極循環式暖房装置212Rを作動させ、上限設定温度を上回る気温が検出された場合、対応する左積極循環式暖房装置212L又は右積極循環式暖房装置212Rを停止するようにしても良い。
次に実施例5を図11を参照して説明する。
実施例5は、内側被覆体104が平面視円形に形成された例である。したがって、一次温室ユニット130の全体的な形状はキノコ型になり、妻側から見た場合とは、中心線を通る断面を見た場合になる。既に説明した実施例1~4と同一部には同一符号を付して説明を省略し、異なる構成を説明する。縦向包囲空間108は、円形の被覆体104によって構成され、実施例1~4のように左被覆体104L及び右被覆体104Rは明確に区別されないが、図11(B)に示すように、断面図において、左側に現れる部位が左被覆体104L、及び、右側に現れる部位が右被覆体104Rである。したがって、上被覆体104Aは円板型となり、下被覆体104Uは円形ドーナツ型になる。同様に、蔓棚142も円板型である。吸入パイプ222P及び吹出パイプ218Pは円形リング型に形成される。積極循環式暖房装置212は、水耕栽培装置132を中心に対象に左積極循環式暖房装置212Lと右積極循環式暖房装置212Rの一対を設けたが、3つ以上設けても良いし、1つであってもよい。実施例5における左加熱装置214L、及び、右加熱装置214Rによる加熱空気の作用、効果については、実施例1と同様である。本実施例5においては、平面視円形であるので、蔓葉部分102VLを全周囲に成長させることができるトマト、メロン、梨、又は、ブドウ等に適している。
100 外側被覆体
102 植物
102R 根部
102S 茎部分
102VL 蔓葉部分
102V 蔓部分
102L 葉部分
104 内側被覆体
104A 上被覆体
104G 妻側被覆体
104L 左被覆体
104R 右被覆体
104T 先端部被覆体
104U 下被覆体
106 植物温室用暖房装置
108 縦向包囲空間
110 横向蔓葉包囲空間
112 妻側
114 土壌
130 一次温室ユニット
134 水耕栽培槽
136 載置台
138 棚支持部
142 蔓棚
142T 蔓棚先端部
166 土壌間空間
170 レール
172C 作業開口蓋
172H 作業開口
174C 換気開口蓋
174H 換気開口
178 蓄熱装置
216 送風手段
218J 噴出口
222S 吸入口

Claims (11)

  1. 少なくとも、外側被覆体(100)と、前記外側被覆体(100)内に設置され、植物(102)の大凡上方に向かって伸びる茎部分(102S)、及び、前記茎部分(102S)に対し横方向に伸びる蔓葉部分(102VL)を囲う内側被覆体(104)とを含む植物温室用暖房装置(106)であって、
    前記茎部分(102S)に対し、妻側(112)から見た場合、少なくとも左右において、所定距離離れて設置される左被覆体(104L)及び右被覆体(104R)によって構成された縦向包囲空間(108)と、前記蔓葉部分(102VL)の上方に水平状態に配置された上被覆体(104A)、及び前記蔓葉部分(102VL)の下方に所定距離離れ、かつ土壌(114)との間に土壌間空間(166)を形成する下被覆体(104U)によって構成され、前記縦向包囲空間(108)の上部に連通する横向蔓葉包囲空間(110)によって、前記縦向包囲空間(108)を上昇してきた空気が前記横向蔓葉包囲空間(110)へ案内される一次温室空間(128)を構成する前記内側被覆体(104)と、
    前記上被覆体(104A)の下側における前記蔓葉部分(102VL)の先端部近傍に配置された吸入口(222S)と、
    前記縦向包囲空間(108)の下部に設置された噴出口(218J)と、
    前記吸入口(222S)から吸入した空気を加熱する加熱装置(214)と、
    前記加熱装置(214)で加熱された空気を前記噴出口(218J)から噴出させる送風手段(216)を含み、
    前記加熱装置(214)によって加熱された空気を前記送風手段(216)によって前記噴出口(218J)から噴出させた後、前記縦向包囲空間(108)を上昇させ、次いで前記上被覆体(104A)に沿わせて前記横向蔓葉包囲空間(110)を横方向に案内された空気を前記吸入口(222S)から吸入することにより加熱空気の強制循環対流を生じさせる
    ことを特徴とする植物温室用暖房装置。
  2. 前記下被覆体(104U)は、蔓棚(142)の下方において30~100センチメートル離れて設置される
    ことを特徴とする請求項1に記載した植物温室用暖房装置。
  3. 前記妻側(112)から見た場合、前記縦向包囲空間(108)の左側に左横向蔓葉包囲空間(110L)が配置され、かつ、右側に右横向蔓葉包囲空間(110R)が配置されることにより、前記縦向包囲空間(108)と前記左横向蔓葉包囲空間(110L)及び前記右横向蔓葉包囲空間(110R)とがT字型を呈し、
    前記吸入口(222S)は、前記左横向蔓葉包囲空間(110L)及び前記右横向蔓葉包囲空間(110R)におけるそれぞれの前記蔓葉部分(102VL)の先端部近傍に配置されることを特徴とする請求項1または2に記載した植物温室用暖房装置。
  4. 前記縦向包囲空間(108)に水耕栽培槽(134)が配置されたこと
    を特徴とする請求項1~3の何れかに記載した植物温室用暖房装置。
  5. 前記水耕栽培槽(134)に対し一体的に設けられると共に上方に延在する棚支持部(138)の上部に対し、横方向に片持ち状態に伸びる蔓棚(142)を含み、
    前記内側被覆体(104)は、前記水耕栽培槽(134)に対し、前記妻側(112)から見た場合、少なくとも左右において、所定距離離れて設置される左被覆体(104L)及び右被覆体(104R)によって構成された縦向包囲空間(108)と、
    前記縦向包囲空間(108)の上部において前記縦向包囲空間(108)と連通し、前記蔓棚(142)の上方において所定距離離れて設置された上被覆体(104A)及び下方において所定距離離れて設置された下被覆体(104U)によって構成された左横向蔓葉包囲空間(110L)及び右横向蔓葉包囲空間(110R)とにより、前記縦向包囲空間(108)と左横向蔓葉包囲空間(110L)と右横向蔓葉包囲空間(110R)とがT字型を呈する
    ことを特徴とする請求項4に記載した植物温室用暖房装置。
  6. 前記下被覆体(104U)には所定の大きさの作業開口(172H)が形成されると共に、前記作業開口(172H)は作業開口蓋(172C)によって開閉口可能であることを特徴とする請求項2~5の何れかに記載の植物温室用暖房装置。
  7. 前記上被覆体(104A)には所定の大きさの換気開口(174H)が形成されると共に、前記換気開口(174H)は換気開口蓋(174C)によって開閉口可能であることを特徴とする請求項1~6の何れかに記載の植物温室用暖房装置。
  8. 前記縦向包囲空間(108)の下部又は下方に、蓄熱装置(178)が配置されていることを特徴とする請求項1~7の何れかに記載した植物温室用暖房装置。
  9. 少なくとも、外側被覆体(100)と、前記外側被覆体(100)内に設置され、植物(102)の大凡上方に向かって伸びる茎部分(102S)、及び、前記茎部分(102S)に対し横方向に伸びる蔓葉部分(102VL)を囲う内側被覆体(104)とを含む植物温室用暖房装置(106)であって、
    前記内側被覆体(104)は、前記茎部分(102S)に対し、妻側(112)から見た場合、少なくとも左右において、所定距離離れて設置される左被覆体(104L)及び右被覆体(104R)によって構成された縦向包囲空間(108)と、
    前記縦向包囲空間(108)の上部において前記縦向包囲空間(108)と連通し、前記蔓葉部分(102VL)の上方において所定距離離れて設置された上被覆体(104A)及び下方において所定距離離れて設置された下被覆体(104U)、並びに、前記上被覆体(104A)及び下被覆体(104U)の端部を接続する先端部被覆体(104T)によって端部が閉止された横向蔓葉包囲空間(110)と、により、前記縦向包囲空間(108)と前記横向蔓葉包囲空間(110)とがT字型を呈し、
    前記上被覆体(104A)の下側における前記蔓葉部分(102VL)の先端部近傍に配置された吸入口(222S)と、
    前記縦向包囲空間(108)の下部に設置された噴出口(218J)と、
    前記吸入口(222S)から吸入した空気を加熱する加熱装置(214)と、
    前記加熱装置(214)で加熱された空気を前記噴出口(218J)から噴出させる送風手段(216)と、
    前記植物(102)の根部(102R)が配置される水耕栽培槽(134)と、
    前記水耕栽培槽(134)を載置する載置台(136)と、
    前記載置台(136)に一体化され、上方に延在する棚支持部(138)と、
    前記棚支持部(138)の上端部に取り付けられ、前記棚支持部(138)に対し横方向に片持ち状態に伸びる蔓棚(142)を含み、
    前記水耕栽培槽(134)、前記載置台(136)、前記棚支持部(138)、及び、前記蔓棚(142)は前記内側被覆体(104)により所定の間隔をおいて被覆された一次温室ユニット(130)を構成し、
    前記一次温室ユニット(130)の前記妻側(112)が妻側被覆体(104G)によって閉止された
    ことを特徴とする植物温室用暖房装置。
  10. 前記一次温室ユニット(130)を複数列設した場合、隣接する前記妻側(112)どうしが実質的に密着するように構成されたことを特徴とする請求項9に記載した植物温室用暖房装置。
  11. 前記載置台(136)は、平行に配置された2本のレール(170)に沿って移動可能であることを特徴とする請求項10に記載した植物温室用暖房装置。
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