JP6989011B2 - 質量分析データ処理プログラム - Google Patents

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Description

本発明は、質量分析データ処理プログラムに関する。
質量分析においては、各種の質量分析装置(飛行時間型質量分析装置、四重極型質量分析装置、セクター型質量分析装置、フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴質量分析装置等)により得られたマススペクトルデータに基づいて、分析対象の分子量等を分析する。
マススペクトルデータの一形式として、プロファイルデータがある。プロファイルデータでは、データのアドレスは質量電荷比(m/z)であり、データの値は各アドレスでのイオン強度である。プロファイルデータにおいては、特定の一種類のイオンに対するイオン強度は、そのイオンに固有の質量電荷比m/zに対応するアドレスを中心として、その質量分析装置の分解能程度の広がりを持った範囲のアドレスにデータが分布する。
マススペクトルデータの他の形式として、検出された各イオンについて、その検出強度の中心となるm/zの値と、そのm/zにおける検出強度、またはそのm/zを中心とする所定の範囲内のm/zにおける検出強度の積算値を1セットのデータとする、代表値データもある。代表値データは、セントロイドデータとも呼ばれる(特許文献1参照)。
日本国特開2017−32465号公報
マススペクトルデータを解析処理する装置およびプログラムは、プロファイルデータおよび代表値データの両方の形式に対応する必要がある。
しかし、プロファイルデータと代表値データでは、そのデータ構造が根本的に異なるため、両方の形式に対応するには、各形式に合わせた処理プログラムを別々に開発して提供する必要があり、開発およびメンテナンスのコストが増大するという問題があった。
本発明の第1の態様によると、質量分析データを処理する質量分析データ処理プログラムは、コンピュータを含むデータ処理装置に、質量電荷比情報の代表値と前記代表値に対するイオン強度を表すデータセットを含む代表値データである代表値データを、質量電荷比情報に対するイオン強度のデータであるプロファイルデータに変換させるデータ変換処理を実行させる。
本発明の第2の態様によると、第1の態様による質量分析データ処理プログラムにおいて、前記データ処理装置に前記代表値データを前記プロファイルデータに変換させる際に、前記代表値データの種類、前記イオン強度を表すデータの種類、前記質量分析データを取得した質量分析装置の検出原理、および前記質量分析データを取得した質量分析装置の分解能に対応する情報のうちの少なくとも1つの情報を、変換処理を決定する処理情報として読み込み、読み込んだ前記処理情報に基づいて変換条件を決定させることが好ましい。
本発明の第3の態様によると、第2の態様による質量分析データ処理プログラムにおいて、前記データ処理装置に、ユーザに対して前記少なくとも1つの情報の入力を促すメッセージを表示装置に表示させ、ユーザにより入力部に入力された前記少なくとも1つの情報を読み込ませ、前記少なくとも1つの情報に基づいて変換条件を決定させることが好ましい。
本発明の第4の態様によると、第2の態様による質量分析データ処理プログラムにおいて、前記データ処理装置に、前記少なくとも1つの情報を、前記質量分析データから読み込ませ、前記少なくとも1つの情報に基づいて変換条件を決定させることが好ましい。
本発明の第5の態様によると、第1から第4までのいずれか1つの態様による質量分析データ処理プログラムにおいて、前記データ処理装置に、前記質量分析データが前記代表値データであるか否かを判断させ、前記質量分析データが前記代表値データであれば、その代表値の表記形式を読み込ませ、読み込んだ表記形式に基づく変換条件を決定させ、決定された前記変換条件に基づいて前記代表値データを前記プロファイルデータに変換させることが好ましい。
本発明の第6の態様によると、第1の態様による質量分析データ処理プログラムにおいて、前記データ処理装置に、前記質量分析データが前記代表値データであるか否かを判断させ、前記質量分析データが前記代表値データであれば、前記データ変換処理における変換処理を決定するための処理情報が含まれているかを判断させ、前記処理情報が含まれていると判断されたときは、前記処理情報に基づいて前記変換処理の変換条件を決定させることが好ましい。
本発明の質量分析データ処理プログラムによれば、代表値データをプロファイルデータに変換することができる。その結果、代表値データ用の処理プログラムのみで、代表値データとプロファイルデータの両データを処理することができる。
図1は、本発明の一実施形態のデータ処理プログラムが動作するデータ処理装置および試料分析システムの概略構成を示すブロック図である。 図2は、一実施形態のデータ処理プログラムにおける処理の流れを示すフローチャートである。 図3は、プロファイルデータおよび代表値データの一例を示す図であり、図3(a)はプロファイルデータの例を、図3(b)は代表値データの例を示す。 図4は、プロファイルデータにおいて、1つのイオンに対応する部分をグラフ化したものを示す。 図5は、代表値データからプロファイルデータへの変換方法の一例を示す。 図6は、代表値データからプロファイルデータへの変換方法の他の例を示す。
以下、図を参照して本発明を実施するための形態について説明する。
本発明による質量分析データ処理プログラムは、図1に示す質量分析システム50で用いられる。質量分析システム50は、本発明の一実施形態のデータ処理プログラム32で動作するデータ処理装置20と、質量分析装置10と、これらとネットワークで接続されるサーバ40とで構成される。
データ処理装置20は、ネットワークケーブルNWを介して質量分析装置10を制御すると共に、質量分析装置10から測定データを取得し、取得したデータを解析及び処理する。
データ処理装置20は、中央演算処理装置であるCPU(Central Processing Unit)22にメモリ23、LCD(Liquid Crystal Display)等から成る表示装置(表示部)24、キーボードやマウス等から成る入力部25、ハードディスクやSSD(Solid State Drive)等の大容量記憶装置から成る記憶部30を備えている。
記憶部30には、OS(Operating System)37、質量分析装置10を制御するMS制御プログラム31、質量分析装置10で測定されたデータを処理するデータ処理プログラム32、及び化合物ライブラリ33が記憶されると共に、化合物テーブル記憶部34、設定記憶部35、及び測定データ記憶部36が設けられている。
化合物ライブラリ33には、様々な化合物について定性分析に必要な情報として、構造式、マススペクトルなどが収録されている。データ処理装置20は、更に、外部装置との直接的な接続や、外部装置等とのLAN(Local Area Network)などのネットワークを介した接続を司るためのインターフェース(I/F)21を備えており、I/F21よりネットワークケーブルNWを介して質量分析装置10に接続されている。
CPU22、メモリ23、記憶部30、およびインターフェース21は、コンピュータを構成している。
データ処理プログラム32は、CPU22を含むデータ処理装置20を制御して、ネットワークケーブルNWを介して外部のサーバ40に質量分析データ(以下、測定データとも呼ぶ)を送信して保存させることができる。また、サーバ40に保存された測定データを読み込み、そのデータを解析及び処理することもできる。
質量分析装置10による測定に先立って、ユーザが入力部25を適宜操作することにより、CPU22がMS制御プログラム31を実行して各種設定画面を表示装置24に表示させる。ユーザは表示装置24の表示内容に従って質量分析装置10の各種測定条件を設定(入力)する。設定された測定条件は、分析メソッドとして設定記憶部35に記憶される。このような測定条件などの設定の後、MS制御プログラム31の処理手順に従い、ユーザが質量分析装置10に測定開始を指示して測定が開始される。質量分析装置10で測定した測定データはネットワークNWを介してデータ処理装置20に送信されてメモリ23に格納される。メモリ23から読み込んだ測定データの解析及び処理は、データ処理プログラム32によるデータ処理手順に従いCPU22により実行される。
なお、ここではMS制御プログラム31とデータ処理プログラム32を同一のデータ処理装置に搭載し、該データ処理装置を制御・データ処理装置20として機能させるものとしたが、これらのプログラムを別のデータ処理装置に搭載し、質量分析装置10を制御する制御装置をデータ処理装置20とは別体としてもよい。
データ処理プログラム32は、質量分析装置10で測定されてメモリ23に格納された測定データ、あるいは外部のサーバ40から読み込まれた測定データに対して各種の処理を実行する。例えば、スペクトル作成部41は、所定の時刻に検出されたイオンの質量及び強度を表したマススペクトルを作成する。また、クロマトグラム作成部42は、所定の質量のイオン強度の時間変化を表したマスクロマトグラムや、各時刻に検出されたイオン強度の総和の時間変化を表したトータルイオンクロマトグラムなどを作成する。以上で作成されたマススペクトル及びクロマトグラムも測定データ記憶部36に記憶される。
また、作成されたマススペクトル、マスクロマトグラム等は、必要に応じてネットワークケーブルNWを介して外部のサーバ40に送信される。
図2は、データ処理プログラム32がデータ処理装置20を制御して行うデータ処理の工程を表すフローチャートである。
ステップS101において、データ処理プログラム32は、データ処理装置20を制御して、質量分析装置10から送信されメモリ23に保存された質量分析データ、またはネットワークケーブルNWを介して外部のサーバ40に保存された質量分析データを読み込ませる。
ステップS102において、データ処理プログラム32は、データ処理装置20に、読み込んだ質量分析データが代表値データであるか否かを判断させる。代表値データかプロファイルデータかはデータ構造の相違により識別できる。
読み込んだ質量分析データが代表値データでない場合には、ステップS110に進む。
読み込んだ質量分析データが代表値データである場合には、ステップS103に進み、データ処理プログラム32は、データ処理装置20に、代表値データをプロファイルデータに変換する際の処理情報が質量分析データに含まれているか否かを判断させる。
上述の代表値データおよび処理情報の詳細については、後述する。
読み込んだ質量分析データが上記の処理情報を含む場合には、ステップS107に進み、データ処理プログラム32は、データ処理装置20に、質量分析データから上記の処理情報を読み込ませる。その後、ステップS108に進む。
読み込んだ質量分析データが上記の処理情報を含まない場合には、ステップS104に進み、データ処理プログラム32は、データ処理装置20に対して、表示装置24に処理情報の入力を促すメッセージを表示させる。ステップS105において処理情報の入力の有無を判断する。ユーザが入力部25に処理情報を入力すると、ステップS105は肯定されてステップS106に進み、データ処理プログラム32は、データ処理装置20に、入力部25に入力された処理情報を読み込ませる。その後、ステップS108に進む。
ステップS108では、読み込んだ処理情報に基づいてデータ変換処理形式を決定する。変換処理形式は後述する。
ステップS109では、データ処理プログラム32はデータ処理装置20に、上記の処理情報に基づきステップS108で決定された変換処理形式を使用して代表値データからプロファイルデータへの変換を行わせる。この変換方法の詳細については後述する。
ステップS110では、データ処理プログラム32は、データ処理装置20にプロファイルデータを解析させ、ユーザが望む所望の解析結果を算出させる。したがって、データ処理装置20にはプロファイルデータ解析・分析用のデータ処理プログラムだけを実装すればよく、代表値データ解析・分析用のデータ処理プログラムは実装する必要がない。
算出された解析結果は、ステップS111において測定データ記憶部36に記憶される。作成された解析結果は、必要に応じてネットワークケーブルNWを介して外部のサーバ40に送信される。
図3は、質量分析データの一例を示す図であり、図3(a)はプロファイルデータの例を、図3(b)は代表値データの例を示す図である。
(プロファイルデータ)
図3(a)に示すプロファイルデータは、一般的な質量分析装置10から出力される質量分析結果の生データに近いものであり、アドレスとしての質量電荷比(m/z)のそれぞれに対し、対応するデータとしてのイオン強度Ipが格納されたデータとなっている。
なお、以下では、プロファイルデータのアドレスを横軸とも呼び、イオン強度データを縦軸とも呼ぶ。これは、図3(a)のプロファイルデータをグラフ化した場合に対応する呼称である。
図3(a)に示すプロファイルデータには、質量電荷比(m/z)が1007と、1017との2箇所に、イオン強度Ipがピークとなる点が存在している。そして、それらの2点の近傍ではイオン強度Ipは比較的大きいが、それらの2点から離れるにつれ、イオン強度Ipは小さくなる。ただし、ノイズにより、イオン強度Ipは0になることはない。
実際の質量分析では分析対象となるイオンは多岐にわたるので、プロファイルデータでは、分析対象となる各種のイオンの質量電荷比(m/z)を全て包含する広範なアドレスを確保しておく必要がある。従って、プロファイルデータは、図3(a)中の縦方向のデータ並びが多くなり、データサイズが大きくなる。
なお、図3(a)では、アドレスとしての質量電荷比(m/z)は整数値として示されているが、これは整数に限るものではない。多くの質量分析装置10では、検出データのアドレス値として、検出時刻等の質量電荷比(m/z)に対応する任意の実数を出力する。
従って、プロファイルデータのアドレスは、質量電荷比(m/z)自体を表すものではない場合もあり、その間隔も質量電荷比(m/z)への換算値としては等間隔ではない場合がある。
質量分析装置10が飛行時間型質量分析装置である場合、装置内を飛行したイオンをマイクロチャンネルプレート(MCP)などの検出器で検出しその信号をトランジェントレコーダーにより等間隔の時間でサンプリングしてデジタル化する。そのため、質量分析装置10で計測される検出時刻に対応する物理量は飛行時間(検出時刻)となる。飛行時間をT、飛行距離をL、イオンの電荷をe、質量をm、イオンを飛行させる際の引き出し電圧をVとすると、飛行時間Tは、T=L√(m/2eV)で表される。このため、検出時刻として等間隔にサンプリングされているプロファイルデータでは、そのアドレスの間隔は、質量電荷比に換算すると等間隔ではなく、平方根質量電荷比(√m)/√zに比例して広がっている。
セクター型質量分析計や、フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴質量分析計(FT−ICR MS)で取得した質量分析データでは、プロファイルデータのアドレスは、それぞれの質量分析器やイオン検出器の原理に応じた位置情報や周波数などの物理量に対応した値となっている。そして、その間隔は、質量電荷比に換算した場合に一般的には等間隔ではない。
この明細書では、質量電荷比(m/z)自体に限らず、各種の質量分析器やイオン検出器の原理に応じた飛行時間(検出時刻)、位置情報、周波数等の、質量電荷比(m/z)に対応する量を、質量電荷比情報と呼ぶ。
(代表値データ)
一方、図3(b)に示す代表値データの例では、データは、図3(a)に示したプロファイルデータにおいてイオン強度Ipが概ねピークとなる部分の中心位置としての質量電荷比(m/z)を表す代表値と、そのピークの近傍でのイオン強度Ipに相当する強度値Isとのセットにより、構成される。イオン強度Ipが概ねピークとなる部分が複数あれば、代表値データは、上記の代表値と強度値Isのセットをピークとなる部分の数だけ複数個有するものとなる。
後述するように、強度値Isには、種々の算出方法がある。図3(b)の例の場合には、強度値Isは、ピークとなる部分の近傍であって、イオン強度Ipが40を越える各点(質量電荷比(m/z)が1005から1009までの各点、または、質量電荷比(m/z)が1015から1019までの各点)でのイオン強度Ipを合計した値としている。
質量分析装置10が飛行時間型質量分析装置である場合、プロファイルデータは小さな質量電荷比情報の単位(間隔)でサンプリングされており、それぞれにイオン強度Ipが関連付けられているためデータ量が多い。
代表値データでは、質量電荷比情報を表す代表値と強度値Isのセットを、検出されたイオンの数だけ持てばよいので、データサイズをコンパクトにできる。
上述のとおり、プロファイルデータと代表値データでは、そのデータ構造が大きく異なるため、データ処理プログラム32はステップS102において、データ処理装置20に、読み込んだ質量分析データが代表値データであるか否かを判断させることができる。具体的には、質量分析データのデータサイズや、データ値の中に含まれる微小データの割合、データ中のアドレス値の規則性等により、判断をさせることができる。微小データの割合で判断できる理由は、上述のとおり、プロファイルデータにはノイズによる微小データが多く含まれるためである。
図4を参照して、代表値データ、およびその算出方法について説明する。
図4は、図3(a)に示したようなプロファイルデータにおいて、イオン強度Ipがピークになる質量電荷比(m/z)のアドレスの近傍でのイオン強度Ipをグラフに表したものである。グラフの横軸は質量電荷比(m/z)である。
図4の場合、イオン強度Ipは、質量電荷比m4のときにピーク値Imとなっている。
代表値データにはさまざまな形式があり、よってその算出方法もさまざまである。
代表値データの一例として、イオン強度Ipがピークとなる質量電荷比の値(アドレス)m4をピークの中心位置を表す代表値とし、ピーク強度(最大強度)であるアドレスm4におけるイオン強度(ピーク強度)Imを強度値Isとする方式があり、以降、この形式を最大強度形式と呼ぶ。
代表値データの他の例として、イオン強度Ipのピーク位置の近傍であって、イオン強度Ipが所定のスレッショルド値Thより大きな範囲において、イオン強度Ipの重心位置mgを求め、この重心位置mgをピークの中心位置を表す代表値とする形式もある。重心位置mgの算出は次のように行うことができる。質量電荷比(m/z)の各アドレス位置でのイオン強度のデータを直線補間した図4中のイオン強度Ipのグラフのうち、それがスレッショルド値Th以上となる質量電荷比(m/z)の範囲、すなわち図4中の質量電荷比がLmからLpまでの範囲である斜線を付した領域Iaの重心位置mgとして算出する。
重心位置mgをイオン強度の中心を表す代表値として採用する場合に、強度値Isとしては、直線補間した図4中のイオン強度Ipのグラフの重心位置mgにおける重心強度Igを採用する方式があり、以降、この形式を重心強度形式と呼ぶ。なお、重心強度形式で、グラフの重心位置mgにおける重心強度Igを求める際には直線補間でなく、多項式補間やスプライン補間を行ってもよい。
一方、強度値Isとしては、図4中の斜線を付した領域Iaの面積をデータ点(アドレス)の間隔をすべて1に置き換えたうえで計算しその値を採用する方式があり、以降、この形式を重心積算形式と呼ぶ。
領域Iaの面積をデータ点のm/zで表されたアドレスの間隔(サンプリング間隔)の値を考慮して計算しその値を採用する方式もあり、以降、この形式を面積形式と呼ぶ。
本実施の形態では、代表値データが、最大強度形式、重心強度形式、重心積算形式、面積形式のいずれかの形式で表記されているものとする。
代表値データの以上の4つの形式のうち、重心積算形式、面積形式においては、イオン強度の1つのピークの全体の強度の積算値に関する情報(以下、全体情報とも呼ぶ)を有している。しかし、最大強度形式および重心強度形式においては、イオン強度の1つのピークの全体の強度の積算値に関する情報を有していない。よって、代表値データからプロファイルデータへの変換を行う場合には、代表値データがどの形式であるかの情報が重要である。
なお、重心積算形式の全体情報とは、イオン強度のピークを示す質量電荷比(m/z)について、その値を中央値とした所定範囲において測定されたイオン強度の積算値と定義することもできる。
本実施の形態のプログラムにおいては、代表値データの種類、イオン強度を表す強度値Isの種類、および質量分析データを取得した質量分析装置の検出原理や分解能に対応する情報(以上をまとめて、処理情報と呼ぶ)に基づいて変換条件を決定させる必要がある。
ここで、代表値データの種類とは、最大強度形式、重心強度形式、重心積算値形式、面積形式のいずれかである。イオン強度を表すデータの種類とは、ピーク強度Imまたは重心強度Igか、あるいは1つのピークの全体の強度の積算値または面積値であるか、である。質量分析データを取得した質量分析装置の検出原理とは、質量分析と検出器の組み合わせにより決まる、質量電荷比で見たときのサンプリング間隔、質量分析データを取得した質量分析装置の分解能は、測定可能な質量電荷比(m/z)の分解能であり、プロファイルデータの1つのピークの半値全幅である。
(重心積算形式の代表値データからのデータ変換)
図5は、ステップS109で実行する代表値データからプロファイルデータへの変換のうち、重心積算形式の代表値データを変換する方法を説明する図である。上述のとおり、重心積算形式においては、上述した全体情報、すなわち、イオン強度の1つのピークの全体の強度の積算値に関する情報を有している。従って、質量電荷比(m/z)のアドレスを持つデータ配列に対して、その重心位置mgの近傍のアドレスの何点かに、合計がこの積算値と等しくなるように、かつプロファイルのピークの半値全幅が質量分解能に対応するようにイオン強度を配分することで、重心積算形式の代表値データをプロファイルデータに変換できる。
図5に示す例では、重心位置mgの近傍の2点のアドレスm4、アドレスm5に、代表値データの中の強度値Isを配分する。アドレスm4に配分するイオン強度Im4aおよび、アドレスm5に配分するイオン強度Im5aは、それぞれ、
Im4a=Is×|mg−m5|/(m5−m4) ・・・(1)
Im5a=Is×|mg−m4|/(m5−m4) ・・・(2)
とする。
図5(a)は、重心位置mgが、アドレスm5よりもアドレスm4に近い場合の例であり、従って、アドレスm4のイオン強度Im4aは、アドレスm5のイオン強度Im5aよりも大きくなっている。
図5(b)は、重心位置mgが、アドレスm4とアドレスm5のちょうど中間である場合の例であり、アドレスm4のイオン強度Im4bとアドレスm5のイオン強度Im5bは等しくなっている。
図5(c)は、重心位置mgが、アドレスm4と一致している場合の例であり、強度値Isは、すべてアドレスm4のイオン強度Im4cとなっている。
質量電荷比(m/z)のアドレス(サンプリング)の間隔が、質量分解能の半分程度に程度に設定されていれば、上記方法で作成されたプロファイルのピークの半値全幅が質量分解能に対応するようになるが、アドレス(サンプリング)の間隔がより狭い場合、重心近傍のより多数のアドレスに強度値を分配しピークの半値全幅が質量分解能に対応するようにすればよい。
(面積形式の代表値データからのデータ変換)
面積形式の代表値データからプロファイルデータへの変換を行う場合。図5において、
質量電荷比(m/z)のアドレスを持つデータ配列に対して、その重心位置mgの近傍のアドレスの何点かに、斜線部分の面積値が代表値と等しくなるようにかつプロファイルのピークの半値全幅が質量分解能に対応するようにイオン強度を配分することで、面積形式の代表値データをプロファイルデータに変換できる。
一方、代表値データの4つの形式のうち、最大強度形式および重心強度形式においては、イオン強度の1つの全体の強度の積算値に関する情報、すなわち上述の全体情報を有していないので、上記の重心積算形式からの変換とは異なる変換方法を必要とする。
図6は、ステップS109で実行する代表値データからプロファイルデータへの変換のうち、最大強度形式および重心強度形式の代表値データを変換する方法を説明する図である。
(重心強度形式の代表値データからのデータ変換)
図6(a)は、重心強度形式の代表値データを変換する方法の例を説明する図である。図6(a)においても、図5と同様に、重心位置mgは、プロファイルデータの質量電荷比(m/z)のアドレスm4とアドレスm5の中間点にあるとしている。この例の方法では、代表値データにおいて重心位置mg付近に分布するデータは、標準偏差σdを有するガウス分布で各アドレス上に分布するものとして、プロファイルデータへの変換を行う。
すなわち、各アドレスmj(m1、m2、m3・・・)でのイオン強度Iq1は、図4に示した重心強度Igを用いて、
Iq1=Ig×exp[−{(mj−mg)/σd}/2] ・・・(3)
に基づいて算出され、各アドレスmjに配分される。
なお、Iq1の値が、所定の値(例えば重心強度Igの5%)以下となる場合には、そのアドレスへの配分は行わなくて良い。図6(a)では、アドレスm3からアドレスm6までに、それぞれイオン強度Im3d,Im4d,Im5d,Im6dとして配分されている。
(最大強度形式の代表値データからのデータ変換)
図6(b)は、最大強度形式の代表値データを変換する方法の例を説明する図である。この場合の変換方法も、基本的には図6(a)に示した変換方法と同じである。ただし、最大強度形式の場合、イオン強度のピークの中心位置を示す代表値は、質量電荷比(m/z)のアドレスと一致している(アドレスの間の値にならない)点が異なっている。
図6(b)は、イオン強度のピークの中心位置を示す代表値mcがアドレスm4である場合を例として説明している。そして、代表値データにおいて中心位置(アドレス)m4付近に分布するデータは、標準偏差σeを有するガウス分布で各アドレス上に分布するものとして、プロファイルデータへの変換を行う。
すなわち、各アドレスmj(m1、m2、m3・・・)でのイオン強度Iq2は、代表値データの中の最大強度Imのデータを用いて、
Iq2=Im×exp[−{(mj−mc)/σd}/2] ・・・(4)
に基づいて算出され、各アドレスmjに配分される。
なお、Iq2の値が、所定の値(例えば最大強度Imの5%)以下となる場合には、そのアドレスへの配分は行わなくて良い。図6(b)では、アドレスm2からm6に、それぞれ、イオン強度Im2d,Im3d,Im4d,Im5d,Im6dとして配分されている。
最大強度形式および重心強度形式の代表値データを変換する際のイオン強度の配分のための分布は、上述のガウス分布に限られるものではない。
(最大強度形式の代表値データからのデータ変換の他の例)
図6(c)は、重心強度形式の代表値データを変換する方法の変形例を説明する図であり、図6(c)においては、配分のための分布として三角形型の分布Iq3を用いる。三角形型の分布Iq3は、半値半幅Wと代表値データの中の重心強度Igにより規定される。各アドレスmj(m3、m4、m5、m6)に配分するイオン強度は、
Iq3=Ig×|mj−mg|/2W (|mj−mg|<2W)・・(5)
Iq3=0 (|mj−mg|≧2W)・・(6)
に基づいて算出され、各アドレスmjに配分される。
なお、上記の標準偏差σd、σe、および半値半幅Wの値は、例えば、ステップS104において質量分析データから読み込まれた処理情報か、ステップS106において入力部から読み込まれた処理情報に含まれる、質量分析装置10の分解能に基づいて決定すると良い。標準偏差σd、σe、および半値半幅Wは、質量分析装置10の分解能に所定の定数を掛けた値とすることができる。あるいは、標準偏差σd、σe、および半値半幅Wを、ステップS104またはステップS106において直接読み込むこともできる。
なお、上述した代表値データからデータ変換の各例においては、代表値データに含まれる1つの中心位置を表す代表値と強度値Isのセットからの変換方法を説明している。ただし、一般には、代表値データは、代表値と強度値Isのセットを複数含む。従って、変換に際しては、その複数のセットについてそれぞれ変換を行い、それぞれのセットから変換されたプロファイルデータを加算することで、代表値と強度値Isのセットを複数有する代表値データを、プロファイルデータに変換することができる。
以上の例では、変換後されたプロファイルデータのアドレス(横軸)は質量電荷比(m/z)であるとしているが、アドレスは質量電荷比(m/z)に限られるわけでない。アドレスは、上述のように各種の質量分析器やイオン検出器の原理に応じた検出時刻、位置情報、周波数等の、質量電荷比(m/z)に対応する量である、質量電荷比情報とすることもできる。その場合においても、代表値データからプロファイルデータの変換方法は、上述の方法と基本的に同じである。
例えば、質量分析装置10が飛行時間型質量分析装置である場合には、プロファイルデータの横軸として飛行時間(検出時刻)を採用する方がアドレス(サンプリング)間隔が等間隔となり好ましい場合がある。飛行時間型質量分析装置のプロファイルデータから代表値データを作成する際に、横軸のサンプリング点が等間隔の飛行時間であれば代表値データを作成する際に、重心積算形式と面積形式のいずれであっても代表値を検出器で検出されたイオン量に正しく比例させることができる。
一方、飛行時間型質量分析装置のプロファイルデータにおいて、横軸(アドレス)として飛行時間から質量電荷比(m/z)に換算した値を用いると、上述のようにアドレス(サンプリング)間隔が等間隔ではなくなり、質量電荷比(m/z)に応じて広がってしまう。そのため、面積形式では質量電荷比の大きなピークほど面積値が過大に計算されてしまう。この場合には、重心積算形式を使用することにより代表値とピークに含まれるイオン量を比例させることができる。
なお、この場合であっても、横軸を飛行時間から質量電荷比(m/z)に換算する際に、縦軸の信号強度が、質量電荷比(m/z)に応じて補正されていれば、面積形式でも上述の過大計算の問題は生じない。しかし、一般的には、横軸の物理量を質量電荷比に換算する際に縦軸の信号強度値が補正されていない場合が多い。
逆に、縦軸の信号強度が質量電荷比(m/z)に応じて補正されている場合には、重心積算計算形式で計算した結果には、誤差が生じてしまう。
よって、上記のようにアドレスがイオンを検出した際の物理量から質量電荷比に換算されたプロファイルデータから代表値データを作成する際には、質量分析装置の検出原理に応じて代表値がイオン量を正しく表すように計算方法を選択することが必要である。
逆に、代表値データからプロファイルデータを作成する際にも、アドレスを質量電荷比のまま計算する場合、重心積算形式の代表値データを変換する際と同じ方式を使用しないと、イオン量に正確に対応したプロファイルデータを作成することができない。
なお、飛行時間型質量分析装置のプロファイルデータにおいて、横軸を飛行時間として処理した場合には、アドレスが等間隔となるため重心積算形式、面積形式いずれの代表値データを変換する方式を用いても、正しい変換を行うことができる。
同様に他の原理の質量分析装置でも、変換処理の際のプロファイルデータのアドレスとして、質量電荷比(m/z)以外の、飛行時間などのイオン検出時に使用した物理量を使用したほうが、計算が容易または正確になる場合がある。
しかし本実施形態の質量分析データ処理プログラムに入力されるデータのアドレスは質量電荷比(m/z)であることが多く、検出原理に応じた物理量に換算するためには、換算式やそれに準ずる情報が必要になる。
飛行時間型質量分析装置の場合、飛行時間Tは、上述のT=L√(m/2eV)の関係式により容易に質量電荷比(m/z)に換算できる。ただし、より望ましくは、様々な質量のイオンの実際の装置内での飛行時間を記録したデータテーブルの情報をもとに、質量、飛行時間の相互の変換を行う必要がある。検出器からの信号を他の物理量を用いて記録する他の原理の質量分析装置についても同様である。
検出原理に応じた物理量に換算するための情報がない場合には、質量電荷比(m/z)をアドレスとし、その他の入力された情報から最も適切な方法で、代表値データからプロファイルデータへの変換を行うとよい。
代表値データからプロファイルデータへの変換において、プロファイルデータのアドレスを質量電荷比(m/z)とするか、飛行時間などのイオン検出時に使用した物理量とするかについては、質量分析データを取得した質量分析装置の検出原理(検出方式)に基づいて、決定することが望ましい。この質量分析装置の検出原理は、ステップS107において質量分析データから読み込まれた処理情報か、ステップS106において入力部から読み込まれた処理情報に含まれる情報に基づいて決定することが望ましい。
なお、検出原理とは、例えば質量分析装置10が、飛行時間型質量分析装置であって飛行時間をアドレスとしたデジタルデータ(プロファイルデータ)がイオン量と正しく関連付けられた形式であることを示す情報であったり、質量電荷比(m/z)をアドレスとして扱う場合にはどのようは形式(面積形式や重心積算形式)で代表値データとプロファイルデータ間の変換を行えば信号強度値とイオン量を正しく関連付けられるかを示す情報である。他の一例として、どのような物理量をアドレスとして使用すれば信号強度がイオン量に正しく関連付けられるかを示す情報である。
また、質量分析データから読み込まれた処理情報や、ステップS106において入力部から読み込まれた処理情報には、質量分析装置の原理に応じた飛行時間やその他の物理量と質量電荷比の換算式もしくは換算テーブルを含んでいてもよい。
代表値データからプロファイルデータへの変換において、上記の信号強度とイオン量の関係を考慮した上で、プロファイルデータのアドレス(サンプリング)の間隔は、任意に決定することができる。すなわち、プロファイルデータのアドレスの間隔は、その代表値データが取得された質量分析装置10の分解能よりも小さな値であっても良く、大きな値であっても良い。
また、本実施形態のプログラムにおいて、図4に示した方法等をデータ処理装置20に実行させ、プロファイルデータを代表値データに変換することもできる。
上述の実施の形態によれば、次の作用効果が得られる。
(1)本実施形態の質量分析データを処理する質量分析データ処理プログラムは、コンピュータを含むデータ処理装置20に、質量電荷比情報の代表値と代表値に対するイオン強度を表すデータセットを含む代表値データである代表値データを、質量電荷比情報に対するイオン強度のデータであるプロファイルデータに変換させる(図2のステップS107)データ変換処理を実行させる。
この構成により、代表値データ(セントロイドデータ)をプロファイルデータに変換することができるので、プロファイルデータ用の処理プログラムのみで、プロファイルデータと代表値データ(セントロイドデータ)との両データを処理することができる。
(2)質量分析データ処理プログラムは、さらに、データ処理装置20に代表値データをプロファイルデータに変換させる際に、代表値データの種類、イオン強度を表すデータの種類、質量分析データを取得した質量分析装置の検出原理、および質量分析データを取得した質量分析装置の分解能に対応する情報のうちの少なくとも1つの情報を、変換処理を決定する処理情報として読み込み、読み込んだ処理情報に基づいて変換条件を決定させる構成とすることで、さまざまな形式の代表値データを適切にプロファイルデータに変換することができる。
たとえば、質量分析データが代表値データであるとステップS102で判断されたとき、質量分析データが代表値データの種類(最大強度形式、重心強度形式、重心積算値形式、面積形式)を含んでいるか否かをステップS103で判断する。ステップS103が肯定されると、質量分析データに含まれる代表値データの表記形式が最大強度形式、重心強度形式、重心積算形式、面積形式のいずれであるかを判断し、ステップS108において、読み込まれた表記形式に適切な変換条件を決定し、ステップS109でデータ変換が行われる。変換条件とは、重心積算形式、面積形式では図5(a)〜(c)のいずれか、重心強度形式では図6(a)または図6(c)、最大強度形式では図6(b)で説明したデータ変換処理のいずれを用いるかという条件である。
(3)質量分析データ処理プログラムは、さらに、データ処理装置20に、ユーザに対して少なくとも1つの情報の入力を促すメッセージを表示装置24に表示させ(ステップS104)、ユーザにより入力部25に入力された少なくとも1つの情報を読み込ませ(ステップS106)、少なくとも1つの情報に基づいて変換条件を決定させる(ステップS108)構成とすることができる。このように構成した質量分析データ処理プログラムでは、さまざまな形式の代表値データに対して、さらに適切にプロファイルデータに変換することができる。
(4)質量分析データ処理プログラムは、さらに、データ処理装置20に、少なくとも1つの情報を質量分析データから読み込ませ(ステップS107)、少なくとも1つの情報に基づいて変換条件を決定させる(ステップS108)構成とすることができる。このように構成した質量分析データ処理プログラムでは、さまざまな形式の代表値データに対して、さらに適切にプロファイルデータに変換することができる。
(5)質量分析データ処理プログラムは、さらに、データ処理装置20に、質量分析データが代表値データであるか否かを判断させ(ステップS102)、質量分析データが代表値データであれば、その代表値の表記形式を読み込ませ(ステップS107)、読み込んだ表記形式に基づく変換条件を決定させ(ステップS108)、決定された変換条件に基づいて代表値データをプロファイルデータに変換させる(ステップS109)構成とすることもできる。このように構成した質量分析データ処理プログラムでは、質量分析データが代表値データであるか否かなどの判別をユーザに委ねる必要がなく、ユーザの操作負荷を軽減することができる。
(6)質量分析データ処理プログラムは、さらに、データ処理装置20に、質量分析データが代表値データであるか否かを判断させ(ステップS102)、質量分析データが代表値データであれば、データ変換処理における変換処理を決定するための処理情報が含まれているかを判断させ(ステップS103)、処理情報が含まれていると判断されたときは、処理情報に基づいて変換処理の変換条件を決定させる(ステップS108)構成とすることもできる。このように構成した質量分析データ処理プログラムでは、質量分析データが代表値データであるか否か、および処理情報が含まれているか否かなどの判別をユーザに委ねる必要がなく、ユーザの操作負荷を軽減することができる。
図2に示した処理プログラムは一例であり、いわゆるセントロイドデータとも呼ばれる代表値データをいわゆるプロファイルデータに変換する処理を含むプログラムであれば、処理装置に実装する際のプログラムの仕様、形態は様々である。したがって、たとえば次のような変形例も想定できる。
(1)質量分析データの構造にもよるが、代表値データで示された質量分析データであることをデータヘッダ情報に書き込み、データ構造の解析を行うことなく、分析対象の質量分析データが代表値データであることを識別できるようにしてもよい。
(2)(1)のヘッダ情報に代表値データの表記形式、あるいは変換条件そのものを書き込んでおき、書き込まれた変換条件でデータ変換処理を実行するようにしてもよい。
(3)(1)の識別結果により代表値データであると判断したデータ処理装置がユーザに対して、代表値データの表記形式やを入力させるようなインターフェースを備えるようにしてもよい。インターフェースとして、たとえば、最大強度形式、重心強度形式、重心精算形式を表示し、ユーザに選択させてもよい。
(4)(1)のヘッダ情報に変換条件そのものを書き込んでおき、データ処理装置はヘッダ情報に基づき、分析対象の質量分析データの代表値データからプロファイルデータを生成してもよい。このようなデータ構造が採用されると、プログラムのステップ数を少なくできる。
上述した質量分析データ処理プログラムは、CD−ROMなどの記録媒体やインターネットなどのデータ信号を通じて提供することができる。図1に示したデータ処理装置20は、CD−ROMにより提供されるプログラムをディスクドライブ(DD)26から読み込み記憶部30に保存することができる。また、データ処理装置20は、ネットワークケーブルNWを介して、不図示の外部のサーバからプログラムの供給を受けることができる。すなわち、外部のサーバは、プログラムをデータ信号として搬送波を介して、ネットワークケーブルNWを介して送信する。このように、プログラムは、記録媒体やデータ信号(搬送波)などの種々の形態のコンピュータ読み込み可能なコンピュータプログラム製品として供給できる。
本発明は上記実施形態の内容に限定されるものではない。本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も本発明の範囲内に含まれる。
50…質量分析システム、10…質量分析装置、20…データ処理装置、22…CPU、23…メモリ、24…表示装置、25…入力部、30…記憶部、サーバ…SW

Claims (6)

  1. 質量分析データを処理する質量分析データ処理プログラムにおいて、
    コンピュータを含むデータ処理装置に、
    質量電荷比情報の代表値と前記代表値に対するイオン強度を表すデータセットを含む代表値データである代表値データを、質量電荷比情報に対するイオン強度のデータであるプロファイルデータに変換させるデータ変換処理を実行させる、質量分析データ処理プログラム。
  2. 請求項1に記載の質量分析データ処理プログラムにおいて、
    前記データ処理装置に前記代表値データを前記プロファイルデータに変換させる際に、前記代表値データの種類、前記イオン強度を表すデータの種類、前記質量分析データを取得した質量分析装置の検出原理、および前記質量分析データを取得した質量分析装置の分解能に対応する情報のうちの少なくとも1つの情報を、変換処理を決定する処理情報として読み込み、読み込んだ前記処理情報に基づいて変換条件を決定させる、質量分析データ処理プログラム。
  3. 請求項2に記載の質量分析データ処理プログラムにおいて、
    前記データ処理装置に、
    ユーザに対して前記少なくとも1つの情報の入力を促すメッセージを表示装置に表示させ、
    ユーザにより入力部に入力された前記少なくとも1つの情報を読み込ませ、
    前記少なくとも1つの情報に基づいて変換条件を決定させる、質量分析データ処理プログラム。
  4. 請求項2に記載の質量分析データ処理プログラムにおいて、
    前記データ処理装置に、
    前記少なくとも1つの情報を、前記質量分析データから読み込ませ、
    前記少なくとも1つの情報に基づいて変換条件を決定させる、質量分析データ処理プログラム。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の質量分析データ処理プログラムにおいて、
    前記データ処理装置に、
    前記質量分析データが前記代表値データであるか否かを判断させ、
    前記質量分析データが前記代表値データであれば、その代表値の表記形式を読み込ませ、
    読み込んだ表記形式に基づく変換条件を決定させ、
    決定された前記変換条件に基づいて前記代表値データを前記プロファイルデータに変換させる、質量分析データ処理プログラム。
  6. 請求項1に記載の質量分析データ処理プログラムにおいて、
    前記データ処理装置に、
    前記質量分析データが前記代表値データであるか否かを判断させ、
    前記質量分析データが前記代表値データであれば、前記データ変換処理における変換処理を決定するための処理情報が含まれているかを判断させ、
    前記処理情報が含まれていると判断されたときは、前記処理情報に基づいて前記変換処理の変換条件を決定させる、質量分析データ処理プログラム。
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