JP2023546822A - Ms/msによる定量的分析のためのグループ検出を管理するための高分解能検出 - Google Patents

Ms/msによる定量的分析のためのグループ検出を管理するための高分解能検出 Download PDF

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Abstract

タンデム質量分析計が、サンプルイオンを受け取り、センチネルイオンのためのMS走査を監視するように動作し得る。MS1におけるセンチネルイオンの検出時、質量分析計は、センチネルイオンに関連付けられた少なくとも1つのMS/MS走査のグループに切り替え、流入サンプルイオンを断片化し、断片化の結果として生じるプロダクトイオンを質量分析する。一実施形態において、MS/MS走査の各々は、質量分析計の分離多重反応監視(MRM)を備えている。

Description

(関連米国出願)
本願は、その全内容が参照することによって本明細書に組み込まれる2020年10月7日に出願された米国仮出願第63/088,669号の優先権の利益を主張する。
(技術分野)
本明細書の教示は、前駆体イオン対完全プロダクトイオンスペクトル質量分析法/質量分析法(MS/MS)走査のグループをトリガし、既知の化合物を識別または定量化するために、高分解能タンデム質量分析計を動作させること関する。より具体的に、いくつかの実施形態において、システムおよび方法が、MS走査中、センチネルイオン(sentinel ion)の検出に基づいて高分解能タンデム質量分析計によって実行されるべきMS/MS走査の次のグループをトリガするために、提供される。
(センチネル分析および高分解能MS/MS)
多重反応監視(MRM)または選択反応監視(SRM)は、下で説明されるように、標的化入手方法である。MRMでは、プロダクトイオンへの前駆体イオンの1つ以上の遷移が、サンプルの化合物に関して事前に定義される。サンプルが、タンデム質量分析計に導入されるにつれて、1つ以上の遷移のうちの各遷移の前駆体イオンが、選択され、断片化され、各遷移のプロダクトイオンは、質量分析され、各遷移に関するプロダクトイオン強度を生産する。
MRMは、多くの場合、質量分析法/質量分析法(LC-MS/MS)実験に結合された液体クロマトグラフィにおいて実施され、LC-MS/MS実験は、1つ以上の着目化合物を識別または定量化するために使用される。多くの異なる着目化合物を含む複合サンプルが分析されるとき、分析において使用されるMRM遷移の数は、多くなり得る。タンデム質量分析計の1つのサイクルにおいて実施されるMRM遷移の数を低減させるために、MRM遷移をスケジューリングする方法が、開発された。この方法は、スケジューリングされたMRMと称される。
スケジューリングされたMRMでは、実験中に分析されるべき各MRM遷移は、滞留時間または滞留時間範囲も割り当てられる。実験中、MRM遷移が、次いで、それらの滞留時間または滞留時間範囲に基づいて、タンデム質量分析計の各サイクル中、実行されるべき遷移のリストに追加され、リストから除去される。このようにして、任意の1つのサイクル中、実行されている遷移の数は、低減させられる。
しかしながら、残念ながら、いくつかの事例では、着目化合物が、スケジューリングされたMRM実験において規定される滞留時間において、サンプルから分離しないこともある。例えば、スケジューリングされたMRM実験は、異なる実験室によって、または異なる実験条件のもとで、実施され得る。加えて、スケジューリングされたMRMは、各遷移のために使用される滞留時間の精度および絶対値に依存する。分離デバイスが変化する度に、または分離の勾配が変化する度に、各遷移に関する滞留時間は、再算出されなければならない。これは、ワークフローが数千のMRM遷移を含むとき、特に煩雑になる。これは、異なる溶出率を有する異なる製造業者によって生産される分離デバイスにわたってスケジューリングされたMRMワークフローを使用することも困難にする。さらに、分離は、滞留時間に全く基づかないこともある。
結果として、滞留時間に基づかないMRM遷移をトリガする方法が、開発された。この方法では、スカウト(scout)またはセンチネルMRM遷移が、分析されるべき追加のMRM遷移のグループをトリガするために使用される。より具体的に、サンプルのための実験のMRM遷移は、グループが順次実行されるように、MRM遷移の2つ以上の連続したグループに分割される。各グループは、実行されるべき次のMRM遷移のグループを識別する少なくとも1つのスカウトまたはセンチネルMRM遷移を含む。
入手中、第1のMRM遷移のグループが、監視のために選択される。第1のグループにおける少なくとも1つのセンチネルMS/MS走査がタンデム質量分析計によって検出されると、少なくとも1つのセンチネルMS/MS走査によって識別された次のMRM遷移のグループは、タンデム質量分析計によって監視される遷移のリストに追加される。換言すると、各グループにおける少なくとも1つのセンチネルMS/MS走査が、次の連続したグループにおける遷移をトリガするために使用される。
MRM遷移のグループは、監視から除去されることもできる。例えば、次の連続したグループにおける少なくとも1つのセンチネルMS/MS走査が検出されると、第1のグループにおける遷移は、監視から除去されることができる。
結果として、監視からのMRM遷移の加算および減算をトリガするためにセンチネル遷移を使用することによって、任意のある時点において監視されているMRM遷移の全体数は、低減させられる。加えて、遷移のグループは、特定の滞留時間に依存しないので、これらのシステムおよび方法に基づくワークフローが、分離デバイスが変化する度、または分離の勾配が変化する度の修正なしに、使用されることができる。
参照することによって本明細書に組み込まれる米国特許第10,566,178号(以降、「第’178号特許」)(特許文献1)は、スケジューリングされたMRMの限界を克服するために、センチネル遷移を使用して説明される。第’178号特許は、センチネル遷移が、サンプルから化合物を分離するためのLC等の分離デバイスを含むシステムと共に使用されるシステムおよび方法を説明する。
参照することによって本明細書に組み込まれる米国特許出願第16/790,803号(以降、「第’803号特許」)(特許文献2)は、第’178号特許の継続出願であり、センチネル遷移が分離デバイスなしで使用されるシステムおよび方法を説明する。第’803号出願は、本質的に、センチネル遷移がタンデム質量分析計に着目化合物を導入することの任意の方法と共に使用されるシステムおよび方法を説明する。
分離デバイスなしでタンデム質量分析計に着目化合物を導入することの1つの例示的方法は、サンプル導入デバイスの使用を通したものである。参照することによって本明細書に組み込まれる米国仮特許出願第63/029,226号(以降、「第’226号特許」)(特許文献3)は、スカウトまたはセンチネル遷移が、ある射出時間で、サンプル順序に従ってサンプルを射出するサンプル導入デバイスと共に使用されるシステムおよび方法を説明する。射出時間で、サンプル順序に従ってサンプルを射出する例示的サンプル導入デバイスは、個々のマイクロタイタプレートウェルから開放ポートインタフェース(OPI)に迅速にサンプルを送達する音響液滴射出(ADE)デバイスである。
MRM実験は、典型的に、限定ではないが、トリプル四重極(QqQ)または四重極線形イオントラップ(QqLIT)デバイスを含む「低分解能」器具を使用して実施される。「高分解能」器具の出現に伴って、QqQ/QqLITシステムに類似したワークフローを使用して、MSおよびMS/MSを収集することが所望された。高分解能器具は、限定ではないが、四重極飛行時間(QqTOF)、静電イオントラップ(ELIT)、TOF-TOF、または軌道イオントラップデバイス(例えばオービトラップ)を含む。これらの高分解能器具は、新しい機能性も提供する。
QqQ/QqLITシステムに基づくMRMは、複合混合物中の特定の成分の検出のための最も高い特異性および感度を提供するためのその能力に起因して、あらゆる応用分野における標的化された定量化のための選択の標準的質量分光技法である。しかしながら、今日の正確な質量システムの速さおよび感度は、類似性能特性を伴う新しい定量化方略を可能にしている。この方略(MRM高分解能(MRM-HR)または並列反応監視(PRM)と称される)では、ループMS/MSスペクトルが、短蓄積時間を伴って、高分解能において収集され、次いで、断片化イオン(プロダクトイオン)が、統合および定量化のためのMRM状ピークを発生させるために、入手後に抽出される。SCIEXのTRIPLETOF(登録商標)システムのような器具類を用いることで、この標的化技法は、最高級トリプル四重極器具に類似した定量的性能を可能にするために十分に敏感かつ高速であり、高分解能および高質量精度において測定された、完全断片化データを伴う。
換言すると、MRM-HR等の方法では、高分解能前駆体イオン質量スペクトルが、取得され、1つ以上の前駆体イオンが、選択され、断片化され、高分解能完全プロダクトイオンスペクトルが、各選択された前駆体イオンに関して取得される。完全プロダクトイオンスペクトルが、各選択された前駆体イオンに関して収集されるが、着目プロダクトイオン質量が、規定され得、着目プロダクトイオン質量ウィンドウ以外の全てのものは、廃棄され得る。
結果として、スカウトまたはセンチネル分析が、同様に、MRM-HRを実施することが可能である高分解能タンデム質量分析計を用いて実施され得る。上で説明されるセンチネル分析を実施する従来の方法では、MRM遷移のプロダクトイオンの検出は、追加の関連付けられたMRM遷移の誤トリガを回避するために必要とされる選択性を提供する。しかしながら、高分解能タンデム質量分析計の追加される機能性は、他の方法で必要とされる選択性を提供し得る。その結果、高分解能タンデム質量分析計を使用して、センチネル分析を実施するための追加のシステムおよび方法の必要がある。
(質量分析法背景)
質量分析計は、多くの場合、サンプルから着目化合物を識別し、特性評価するために、または複数のサンプルを分析するために、分離デバイス(クロマトグラフィデバイス等)、またはサンプル導入システム(ADEデバイスおよびOPI等)と結合される。そのような結合システムでは、溶出または射出された溶液は、イオン化され、一連の質量スペクトルが、滞留時間と呼ばれる規定された時間間隔において、溶出溶媒から取得される。これらの滞留時間は、例えば、1秒~100分以上に及ぶ。一連の質量スペクトルは、クロマトグラムまたは抽出イオンクロマトグラム(XIC)を形成する。
XICにおいて見出されるピークが、例えば、サンプル内の既知のペプチドまたは化合物を識別するために、または特性評価するために使用される。より具体的に、ピークの滞留時間および/またはピークの面積は、サンプル内の既知のペプチドまたは化合物を識別するために、または特性評価(定量化)するために使用される。サンプル導入デバイスによって経時的に提供される複数のサンプルの場合、ピークの滞留時間は、ピークを正しいサンプルと整列させるために使用される。
従来の分離結合質量分析法システムでは、既知の化合物の断片またはプロダクトイオンが、分析のために選択される。タンデム質量分析法または質量分析法/質量分析法(MS/MS)走査が、次いで、プロダクトイオンを含む質量範囲に関して、分離の各間隔において実施される。各MS/MS走査において見出されるプロダクトイオンの強度は、例えば、経時的に収集され、スペクトルまたはXICの集合として分析される。
一般に、タンデム質量分析法またはMS/MSは、化合物を分析するための周知の技法である。タンデム質量分析法は、サンプルからの1つ以上の化合物のイオン化と、1つ以上の化合物の1つ以上の前駆体イオンの選択と、断片またはプロダクトイオンへの1つ以上の前駆体イオンの断片化と、プロダクトイオンの質量分析とを伴う。
タンデム質量分析法は、定質的および定量的情報の両方を提供することができる。プロダクトイオンスペクトルは、着目分子を識別するために使用されることができる。1つ以上のプロダクトイオンの強度は、サンプル内に存在する化合物の量を定量化するために使用されることができる。
多数の異なるタイプの実験方法またはワークフローが、タンデム質量分析計を使用して、実施されることができる。これらのワークフローの3つの広義のカテゴリは、標的化入手、情報依存型入手(IDA)またはデータ依存型入手(DDA)、およびデータ独立入手(DIA)である。
標的化入手方法では、プロダクトイオンへの前駆体イオンの1つ以上の遷移は、着目化合物に関して事前に定義される。サンプルが、タンデム質量分析計に導入されるにつれて、1つ以上の遷移が、各期間または複数の期間のサイクルまたは複数のサイクル中、調べられ、または監視される。換言すると、質量分析計は、各遷移の前駆体イオンを選択し、断片化し、遷移のプロダクトイオンのみに関して、標的化質量分析を実施する。結果として、強度(プロダクトイオン強度)が、各遷移に関して生産される。標的化入手方法は、限定ではないが、多重反応監視(MRM)および選択反応監視(SRM)を含む。
標的化入手方法では、遷移のリストが、典型的に、各サイクル時間中、調べられる。任意のある時点における調べられる遷移の数を減少させるために、各遷移に関する滞留時間または滞留時間範囲を含む、いくつかの標的化入手方法が、修正されている。その滞留時間において、またはその滞留時間範囲内でのみ、特定の遷移が調べられるであろう。滞留時間が遷移に伴って規定されることを可能にする1つの標的化入手方法は、スケジューリングされたMRMと称される。
IDA方法では、サンプルがタンデム質量分析計に導入されている間、ユーザが、プロダクトイオンの非標的化質量分析を実施するための基準を規定することができる。例えば、IDA方法では、前駆体イオンまたは質量分析法(MS)調査走査が、前駆体イオンピークリストを発生させるために実施される。ユーザは、ピークリスト上の前駆体イオンの一部に関してピークリストをフィルタリングするために、基準を選択することができる。MS/MSが、次いで、前駆体イオンの一部の各前駆体イオンに実施される。プロダクトイオンスペクトルが、各前駆体イオンに関して生産される。MS/MSは、サンプルがタンデム質量分析計に導入されるにつれて、前駆体イオンの一部の前駆体イオンに繰り返し実施される。
しかしながら、プロテオミクスおよび多くの他のサンプルタイプでは、化合物の複雑性および動的範囲は、非常に広い。これは、広範囲の分析物の識別および定量化の両方を行うために、サンプルを徹底的に調べるために非常に高速のMS/MS入手を要求する従来の標的化およびIDA方法に関する課題を提起する。
結果として、タンデム質量分析法の第3の広義のカテゴリである、DIA方法が、開発された。これらのDIA方法が、複合サンプルからのデータ収集の再現性および包括性を増加させるために使用されている。DIA方法は、非特定的断片化方法とも呼ばれることができる。従来のDIA方法では、タンデム質量分析計の動作は、前の前駆体またはプロダクトイオン走査において入手されたデータに基づいて、MS/MS走査中、変動させられない。代わりに、前駆体イオン質量範囲が、選択される。前駆体イオン質量選択ウィンドウが、次いで、前駆体イオン質量範囲にわたって段階化される。前駆体イオン質量選択ウィンドウにおける全ての前駆体イオンが、断片化され、前駆体イオン質量選択ウィンドウにおける前駆体イオンの全てのプロダクトイオンの全てが、質量分析される。
質量範囲を走査するために使用される前駆体イオン質量選択ウィンドウは、ウィンドウ内の複数の前駆体の可能性が低いように、非常に狭くあることができる。このタイプのDIA方法は、例えば、MS/MSALLと呼ばれる。MS/MSALL方法では、約1amuの前駆体イオン質量選択ウィンドウが、走査されるか、または、質量範囲全体にわたって段階化される。プロダクトイオンスペクトルが、各1amu前駆体質量ウィンドウに関して生産される。質量範囲全体を一度分析または走査するために要する時間は、1走査サイクルと称される。しかしながら、各サイクル中、広い前駆体イオン質量範囲にわたって、狭い前駆体イオン質量選択ウィンドウを走査することは、いくつかの器具および実験に関して実践的ではない。
結果として、より大きい前駆体イオン質量選択ウィンドウまたはより広い幅を伴う選択ウィンドウが、全体前駆体質量範囲にわたって段階化される。このタイプのDIA方法は、例えば、SWATH入手と呼ばれる。SWATH入手では、各サイクルにおいて前駆体質量範囲にわたって段階化される前駆体イオン質量選択ウィンドウは、5~25amuまたはさらにより広い幅を有し得る。MS/MSALL方法のように、各前駆体イオン質量選択ウィンドウにおける前駆体イオンの全ては、断片化され、各質量選択ウィンドウにおける前駆体イオンの全てのプロダクトイオンの全てが、質量分析される。
米国特許第10,566,178号明細書 米国特許出願公開第16/790,803号明細書 米国仮特許出願公開第63/029,226号明細書
グループの少なくとも1つのセンチネルMS/MS走査の正確な質量が前駆体イオンのためのMS走査(すなわち、前駆体イオンMS走査)中に検出されると、一連の連続したグループから、前駆体イオン対完全プロダクトイオンスペクトルMS/MS走査のあるグループをトリガするためのシステム、方法、およびコンピュータプログラム製品が、開示される。システムは、イオン源と、タンデム質量分析計と、プロセッサとを含む。
いくつかの実施形態において、この方法の間に使用されるセンチネルイオンは、タンデム質量分析計を動作させ、センチネルイオンのためのMS走査監視を実施するとき、その質量弁別性のために選択され得る。いくつかの実施形態において、センチネルイオンの1つ以上の同位体が、センチネルイオンの存在を確認するために、検出および評価され得る。
イオン源は、サンプルの1つ以上の化合物をイオン化し、1つ以上の前駆体イオンのイオンビームを生産する。タンデム質量分析計は、イオン源からイオンビームを受け取る。複数のサイクルのうちの各サイクルに関して、タンデム質量分析計は、リストから読み取られる一連のMS/MS走査が続くMS走査をイオンビームに対して実行する。一連のMS/MS走査のうちの各MS/MS走査に関して、各MS/MS走査の前駆体イオンの正確な質量がMS走査から質量閾値内で見出された場合、タンデム質量分析計は、前駆体イオンを選択し、断片化し、前駆体イオンの断片化の全ての結果として生じるプロダクトイオンを質量分析する。
プロセッサは、各々が前駆体イオンの正確な質量を含む複数のMS/MS走査を受信する。複数のMS/MS走査は、例えば、ユーザから受信される。プロセッサは、異なるグループが複数のサイクル中に別個に実行され得るように、複数のMS/MS走査を2つ以上の連続したグループに分割する。プロセッサは、2つ以上の連続したグループのうちの各先行するグループにおいて少なくとも1つのセンチネルMS/MS走査を選択し、少なくとも1つのセンチネルMS/MS走査は、2つ以上の連続したグループのうちの実行されるべき次のグループを識別する。少なくとも1つのセンチネルMS/MS走査は、例えば、2つ以上の連続したグループのうちの次の隣接するグループを識別またはトリガする。プロセッサは、タンデム質量分析計が第1のグループのMS/MS走査を実行するように、タンデム質量分析計のリスト上に2つ以上の連続したグループのうちの第1のグループを配置する。第1のグループのセンチネルMS/MS走査の前駆体イオンの正確な質量がタンデム質量分析計よって検出されると、プロセッサは、リスト上にセンチネルMS/MS走査によって識別された2つ以上の連続したグループのうちの次のグループを配置する。
種々の実施形態において、高分解能タンデム質量分析計が、説明され、高分解能タンデム質量分析計は、質量フィルタと、断片化セルと、高分解能質量分析器と、コントローラとを備え、コントローラは、質量フィルタ、断片化セル、および高分解能質量分析器の動作を指示し、コントローラは、センチネルイオンのためのMS走査を監視することを質量分析計に指示するように動作し、質量分析計がセンチネルイオンを検出すると、コントローラは、センチネルイオンに関連付けられた少なくとも1つのMS/MS走査のグループに切り替え、流入サンプルイオンを断片化し、断片化の結果として生じるプロダクトイオンを質量分析することを質量分析計に指示するように動作する。
種々の実施形態において、質量分析法のための方法が、説明されるようなタンデム質量分析計による動作のために提供され、この方法は、サンプルイオンのイオンビームを受け取ることと、センチネルイオンのためのイオンビームに対して実施される前駆体イオンのMS走査を監視することと、MS走査においてセンチネルイオンを検出することと、センチネルイオンに関連付けられた少なくとも1つのMS/MS走査のグループをトリガすることと、少なくとも1つのMS/MS走査モードのうちの各々に関して、イオンビームを断片化することと、結果として生じるプロダクトイオンを質量分析することとを含む。
種々の実施形態において、センチネルイオンは、質量分析計のMS走査モードを使用して検出されるとき、その質量弁別性のために選択される質量弁別的センチネルイオンを備えている。
本出願人の教示のこれらおよび他の特徴が、本明細書に記載される。
当業者は、下で説明される図面が、例証目的のみのためであることを理解するであろう。図面は、本教示の範囲をいかようにも限定するように意図するものではない。
図1は、その上に本教示の実施形態が実装され得るコンピュータシステムを図示するブロック図である。
図2は、種々の実施形態による複数のMS/MS走査についての正確な質量情報が、各々が次のグループを識別する少なくとも1つのセンチネルMS/MS走査を含むMS/MS走査の2つ以上の連続したグループに複数のMS/MS走査を分割するために使用される方法を示す例示的略図である。
図3は、種々の実施形態による複数のMS/MS走査についての正確な質量および化学式情報の両方が、各々が次のグループを識別する少なくとも1つのセンチネルMS/MS走査を含むMS/MS走査の2つ以上の連続したグループに複数のMS/MS走査を分割するために使用される方法を示す例示的略図である。
図4は、種々の実施形態によるグループの少なくとも1つのセンチネルMS/MS走査の正確な質量が前駆体イオンMS走査中に検出されると、一連の連続したグループから、前駆体イオン対完全プロダクトイオンスペクトルMS/MS走査のあるグループをトリガするためのシステムの概略図である。
図5は、種々の実施形態によるグループの少なくとも1つのセンチネルMS/MS走査の正確な質量が前駆体イオンMS走査中に検出されると、一連の連続したグループから、前駆体イオン対完全プロダクトイオンスペクトルMS/MS走査のあるグループをトリガする方法を示すフローチャートである。
図6は、種々の実施形態によるグループの少なくとも1つのセンチネルMS/MS走査の正確な質量が前駆体イオンMS走査中に検出されると、一連の連続したグループから、前駆体イオン対完全プロダクトイオンスペクトルMS/MS走査のあるグループをトリガする方法を実施する1つ以上の異なるソフトウェアモジュールを含むシステムの概略図である。
図7Aおよび7Bは、種々の実施形態によるセンチネルイオンに関連付けられたMS/MS走査のグループを実行するように切り替える方法を示すフローチャートである。 図7Aおよび7Bは、種々の実施形態によるセンチネルイオンに関連付けられたMS/MS走査のグループを実行するように切り替える方法を示すフローチャートである。
図8は、タンデム質量分析計の簡略化概略図である。
本教示の1つ以上の実施形態が、詳細に説明される前に、当業者は、本教示が、構造の詳細、構成要素の配置、および以下の詳細な説明に記載される、または図面に図示されるステップの配置に対するその用途に限定されないことを理解するであろう。本明細書に使用される語法および専門用語が説明の目的のためであり、限定と見なされるべきではないことも理解されたい。
(コンピュータ実装システム)
図1は、本教示の実施形態が実装され得るコンピュータシステム100を図示するブロック図である。コンピュータシステム100は、情報を通信するためのバス102または他の通信機構と、情報を処理するためにバス102と結合されたプロセッサ104とを含む。コンピュータシステム100は、メモリ106も含み、それは、プロセッサ104によって実行されるべき命令を記憶するためのバス102に結合されたランダムアクセスメモリ(RAM)または他の動的記憶デバイスであり得る。メモリ106は、プロセッサ104によって実行されるべき命令の実行中、一時的変数または他の中間情報を記憶するために使用され得る。コンピュータシステム100は、読み取り専用メモリ(ROM)108またはプロセッサ104に関する静的情報および命令を記憶するためのバス102に結合された他の静的記憶デバイスをさらに含む。磁気ディスクまたは光ディスク等の記憶デバイス110が、提供され、情報および命令を記憶するためのバス102に結合される。
コンピュータシステム100は、情報をコンピュータユーザに表示するために、ブラウン管(CRT)または液晶ディスプレイ(LCD)等のディスプレイ112にバス102を介して結合され得る。英数字および他のキーを含む入力デバイス114が、プロセッサ104に情報およびコマンド選択を通信するためのバス102に結合される。別のタイプのユーザ入力デバイスは、プロセッサ104に方向情報およびコマンド選択を通信すること、およびディスプレイ112上のカーソル移動を制御することを行うためのマウス、トラックボール、またはカーソル方向キー等のカーソル制御116である。この入力デバイスは、典型的に、デバイスを平面内の位置に規定することを可能にする2つの軸、すなわち、第1の軸(すなわち、x)および第2の軸(すなわち、y)において、2自由度を有する。
コンピュータシステム100が、本教示を実施することができる。本教示のある実装と一貫して、結果が、メモリ106内に含まれる1つ以上の命令の1つ以上の一続きを実行するプロセッサ104に応答して、コンピュータシステム100によって提供される。そのような命令は、記憶デバイス110等の別のコンピュータ読み取り可能な媒体から、メモリ106に読み込まれ得る。メモリ106内に含まれる命令の一続きの実行は、プロセッサ104に本明細書に説明されるプロセスを実施させる。代替として、配線回路が、本教示を実装するためのソフトウェア命令の代わりに、またはそれと組み合わせて、使用され得る。したがって、本教示の実装は、ハードウェア回路およびソフトウェアの任意の具体的組み合わせに限定されない。
種々の実施形態において、コンピュータシステム100は、ネットワーク化システムを形成するために、ネットワークを横断してコンピュータシステム100のような1つ以上の他のコンピュータシステムに接続されることができる。ネットワークは、プライベートネットワークまたはインターネット等のパブリックネットワークを含むことができる。ネットワーク化システムでは、1つ以上のコンピュータシステムが、データを記憶し、他のコンピュータシステムに供給することができる。データを記憶および供給する1つ以上のコンピュータシステムは、クラウドコンピューティングシナリオにおいて、サーバまたはクラウドと称され得る。1つ以上のコンピュータシステムは、例えば、1つ以上のウェブサーバを含むことができる。サーバまたはクラウドにおよびそれからデータを送信および受信する他のコンピュータシステムは、例えば、クライアントまたはクラウドデバイスと称され得る。
本明細書に使用されるような用語「コンピュータ読み取り可能な媒体」は、実行のためにプロセッサ104に命令を提供することに関与する任意の媒体を指す。そのような媒体は、限定ではないが、不揮発性媒体、揮発性媒体、および伝送媒体を含む多くの形態をとり得る。不揮発性媒体は、例えば、記憶デバイス110等の光学または磁気ディスクを含む。揮発性媒体は、メモリ106等の動的メモリを含む。伝送媒体は、バス102を備えているワイヤを含む、同軸ケーブル、銅ワイヤ、およびファイバ光学系を含む。
一般的形態のコンピュータ読み取り可能な媒体またはコンピュータプログラム製品は、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、可撓性ディスク、ハードディスク、磁気テープ、または任意の他の磁気媒体、CD-ROM、デジタルビデオディスク(DVD)、Blu-ray(登録商標)ディスク、任意の他の光学媒体、サムドライブ、メモリカード、RAM、PROM、およびEPROM、FLASH(登録商標)-EPROM、任意の他のメモリチップ、またはカートリッジ、またはコンピュータが読み取り得る任意の他の有形媒体を含む。
種々の形態のコンピュータ読み取り可能な媒体が、実行のためにプロセッサ104に1つ以上の命令の1つ以上の一続きを搬送することに関わり得る。例えば、命令は、最初に、遠隔コンピュータの磁気ディスク上に搬送され得る。遠隔コンピュータは、命令をその動的メモリの中にロードし、モデムを使用して、電話回線を介して命令を送信することができる。コンピュータシステム100にローカルなモデムが、電話回線上でデータを受信し、赤外線信号にデータを変換するために赤外線送信機を使用することができる。バス102に結合された赤外線検出器が、赤外線信号において搬送されるデータを受信し、バス102上にデータを配置することができる。バス102は、メモリ106にデータを搬送し、それからプロセッサ104が命令を読み出し、実行する。メモリ106によって受信される命令は、随意に、プロセッサ104による実行前または後のいずれかに、記憶デバイス110に記憶され得る。
種々の実施形態によると、方法を実施するためにプロセッサによって実行されるように構成された命令が、コンピュータ読み取り可能な媒体上に記憶される。コンピュータ読み取り可能な媒体は、デジタル情報を記憶するデバイスであることができる。例えば、コンピュータ読み取り可能な媒体は、ソフトウェアを記憶するための当技術分野において公知であるような、コンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM)を含む。コンピュータ読み取り可能な媒体は、実行されるように構成された命令を実行するために好適なプロセッサによって、アクセスされる。
本教示の種々の実装の以下の説明は、例証および説明の目的のために提示されている。包括的ではなく、開示される精密な形態に本教示を限定しない。修正および変形例が、上記の教示に照らして可能であるか、または、本教示の実践から入手され得る。加えて、説明される実装は、ソフトウェアを含むが、本教示は、ハードウェアおよびソフトウェアの組み合わせとして、またはハードウェア単独で実装され得る。本教示は、オブジェクト指向および非オブジェクト指向プログラミングシステムの両方を用いて、実装され得る。
(前駆体イオンの正確な質量トリガされるセンチネル分析)
上で説明されるように、低分解能タンデム質量分析法システム(QqQ/QqLIT)におけるMS/MSデータ収集のデューティサイクルを増加させるための1つの方法は、クロマトグラフ分離中、MRMの時間スケジューリングに依拠することである。スケジューリングされたMRMを用いて、ユーザは、分析物のかなり大きいパネルを監視することが可能であった。しかしながら、MRMによって分析物のより大きいパネルを監視するための能力を用いることで、特定の滞留時間の周囲の小検出ウィンドウを使用することは、適切な検出を確実にするために、滞留時間の長いリストを管理することのさらなる複雑性を生じさせる。
スカウトまたはセンチネル分析の開発に伴って、第’178号特許、第’803号特許、および第’226号特許において説明されるように、ユーザは、リスト内の滞留時間値を管理することをもはや要求されない。代わりに、センチネルMRM遷移のMRM検出(選択的検出)が、追加のMRM遷移のグループが監視されることを開始すべきであるかどうかを決定する。したがって、追加のMRM遷移のトリガは、もはや滞留時間ウィンドウに依存しない。この概念は、低分解能QqQ/QqLITシステムに基づいて開発され、MRM遷移検出に依拠することによって、誤検出を有意に低減させ、その結果、グループ内の全ての他のMRMをトリガする。
高分解能タンデム質量分析法器具の出現に伴って、QqQ/QqLITシステムに類似したワークフローを使用して、MSおよびMS/MS情報を収集することが所望された。加えて、新しい機能性が、QqTOFシステム等の高分解能システムに導入された。1つのそのような機能性は、例えば、SCIEXのTRIPLETOF(登録商標)システム上のMRM-HRであった。MRM-HRは、例えば、単純インタフェースを提供し、ユーザは、完全走査において、または所与のプロダクトイオンの周囲の小ウィンドウを用いて(故に、MRM状ワークフロー)、前駆体イオンから収集されるべき所望のプロダクトイオン質量のリストを提供する。
これらの高分解能システムにおいて、ユーザは、随意に、滞留時間検出ウィンドウを規定し、最良のデータ収集を調整することができる。上で説明されるセンチネル分析を実施する従来の方法では、MRM遷移のプロダクトイオンの検出は、追加の関連付けられたMRM遷移の誤トリガを回避するために必要とされる選択性を提供する。しかしながら、高分解能タンデム質量分析計の追加される機能性は、他の方法で必要とされる選択性を提供し得る。その結果、高分解能タンデム質量分析計を使用して、センチネル分析を実施するための追加のシステムおよび方法の必要がある。
種々の実施形態において、高分解能MS走査中に検出された前駆体イオンの正確な質量が、センチネル分析において、ある高分解能前駆体イオン対完全プロダクトイオンスペクトルMS/MS走査のグループをトリガするために使用される。本質的に、高分解能MS走査は、従来のセンチネル分析におけるMRM遷移に類似した選択性を生産することができる。
本願では、用語「MS/MS走査」は、タンデム質量分析計の動作のモードを指すために使用され、それは、質量フィルタリング、イオンビームから1つ以上の標的イオンを選択するための断片化および高分解能質量分析、標的イオンの断片化、および結果として生じるプロダクトイオンの質量分析の組み合わせを適用する。特定のMS/MS走査モードは、特定の標的化合物を選択し、断片化し、分析するための質量分析計の動作パラメータを定義する。
便宜に、センチネルイオンが、その質量弁別性のために選択され得る。例えば、センチネルイオンが、予期されるサンプルイオンに基づいて、比較的に雑音がない場所において、弁別的質量のために選択され得る。質量弁別性は、例えば、質量欠損によって提供され得る。弁別的/区別可能な断片化パターンを有するセンチネルイオンが採用される従来技術の教示と対照的に、本センチネルイオンの断片化パターンは、重要ではない。何故なら、システムおよび方法が、センチネルイオンを識別するために、MS走査中、高分解能質量分析に依拠するからである。
加えて、種々の実施形態において、高分解能MS走査中に検出された前駆体イオンの同位体パターンが、センチネル分析において、ある高分解能前駆体イオン対完全プロダクトイオンスペクトルMS/MS走査のグループをトリガするためにさらに使用される。同位体パターンは、前駆体イオンの正確な質量に加え、センチネル分析のための選択性を提供するために使用される。
本来、MRM-HRは、QqQ/QqLITタンデム質量分析計(着目MRM遷移の単純なテーブルを使用する)によって使用されるものと類似したセンチネル分析ワークフローにおいて使用されるために意図された。しかしながら、高分解能システムのユーザが、概して、MRM-HRと併せて高分解能MSデータ収集を組み合わせた高分解能ワークフロー(同時に両方を収集する、ループ実験)を採用した。MS走査は、例えば、未知のもののスクリーニングおよび定量化のためである。MRM-HR方法は、化合物を標的化するために使用され、選択性(MS/MS走査)の追加されたレベルを有する。
高分解能MS走査が、MRM検出に匹敵し得る選択性をもたらし得るので、種々の実施形態において、MS/MS走査のグループが、前駆体イオンセンチネルの正確な質量、または、前駆体イオンセンチネルの正確な質量と予期される同位体パターンまたは前駆体イオンの正確な同位体比との両方を使用することによって、センチネル分析においてトリガされる。正確な質量および予期される同位体パターンが、MS走査レベルにおいて取得されるため、種々の実施形態において、あるサイクル中に化合物にMSMS分析を実施する必要が、軽減される。高分解能分析モードのもとで、高度の選択性が、達成され、センチネル前駆体イオンの誤検出、および分析のために標的化されたMS/MS走査のグループの関連付けられたトリガは、最小化される。
図2は、種々の実施形態による例示的略図200であり、複数のMS/MS走査についての正確な質量情報が複数のMS/MS走査をMS/MS走査の2つ以上の連続したグループに分割するために使用される方法を示し、グループの各々は、次のグループを識別する少なくとも1つのセンチネルMS/MS走査を含む。MS/MS走査の各グループは、タンデム質量分析計によって実施されるべき一連のMS/MS走査を備えている。各MS/MS走査は、分析の一部として、MS走査を含み得る。この文脈では、グループは、それらが、時間的に一連の予期される化合物送達順序において論理的に配置されるので、連続的である。クロマトグラフィカラムからのサンプル送達の場合、一連のものは、クロマトグラフィカラムからの化合物の予期される溶出順序として、構築され得る。ADE-OPI等の他のタイプのサンプル導入装置に関して、一連のものは、予期される送達時間に基づいて構築され得るか、または、サンプルウェル内の予期される存在に基づいて、グループ分けされ得る。
ユーザが、例えば、複数のMS/MS走査201を規定する。複数のMS/MS走査201が、図2に示されるように、少なくとも、各MS/MS走査に関する前駆体イオンの正確な質量(M1、M2、・・・、Mn)を提供することによって、規定される。種々の実施形態において、複数のMS/MS走査201の各MS/MS走査に関して規定され得る他の情報は、限定ではないが、プロダクトイオンスペクトルから選択されるべき1つ以上のプロダクトイオン、プロダクトイオン質量ウィンドウ、または前駆体イオンに関する滞留時間または滞留時間ウィンドウを含み得る。
用語「質量」および「質量/電荷比(m/z)」が、同義的に使用され得ることに留意されたい。当業者は、質量が、電荷によって除算することによって、m/zに変換され得、m/zが、電荷によって乗算することによって、質量に変換され得ることを理解する。結果として、用語「質量」の使用は、「m/z」も含むべきであり、用語「m/z」の使用は、「質量」も含むべきである。
複数のMS/MS走査201が、MS/MS走査の2つ以上の連続したグループ(G1、G2、・・・、Gp)に分割され、すなわち、各々がタンデム質量分析計によって実行されるべき少なくとも1つのMS/MS走査を含む一連のものを分離する。例えば、分離デバイスが、使用されている場合、複数のMS/MS走査201が、各MS/MS走査の前駆体イオンに関する予期される滞留時間または滞留時間ウィンドウに基づいて、複数の一連の少なくとも1つのMS/MS走査に分割されることができる。質量分析計は、一連のものまたはリストとしてMS/MS走査のグループを記憶し、リストから連続した順序で少なくとも1つのMS/MS走査を実行するように動作し得る。または、例えば、サンプル導入システムが、使用されている場合、複数のMS/MS走査201が、サンプル導入の時間または順序に基づいて、分割され得る。
2つ以上の連続したグループのうちのMS/MS走査の各先行するグループは、そのグループに関連付けられたセンチネルイオンに関して対応する少なくとも1つのセンチネルMS/MS走査を含む。センチネルMS/MS走査は、2つ以上の連続したグループのうちの次のグループを識別する。例えば、図2では、グループG1は、MS/MS走査の次のグループG2を識別する前駆体イオンの正確な質量M12によって表される、センチネルMS/MS走査を含む。したがって、センチネルMS/MS走査は、センチネルイオンの前駆体イオンのMS走査を備えている。
その結果、グループG1のセンチネルMS/MS走査の前駆体イオンの正確な質量M12が、MS前駆体イオン走査中に検出されると、次のグループG2のMS/MS走査が、分析の各サイクル中に実施されるべきMS/MS走査のリストに追加される。リスト上のMS/MS走査が、MS/MS走査の前駆体イオンの正確な質量が先行するMS走査において検出されなかった場合、実行されないこともあることに留意されたい。先行するグループのMS/MS走査が、次のグループが追加されたとき、リストから除去され得ることにも留意されたい。先行は、MS/MS走査のグループ間のある程度の重複が必要とされ得るので、直接先行するグループではないこともある。
図2では、MS/MS走査の前駆体イオンの正確な質量は、分析のためにMS/MS走査の次のグループを選択するために必要とされる選択性を提供する。種々の実施形態において、この選択性は、センチネルMS/MS走査の前駆体イオンの同位体パターンの識別を要求することによってもさらに向上させられる。例えば、センチネルMS/MS走査の前駆体イオンの正確な質量がMS走査において検出されると、MS走査はさらに、検出された前駆体イオンの1つ以上の予期される同位体に関して検索される。同位体は、予期される同位体比におけるMS前駆体イオンスペクトルにおける前駆体イオンピークを検出することによって検出される。予期される同位体比は、例えば、予期される前駆体イオン質量によって除算された同位体質量である。再び、質量またはm/zが、使用され得る。他の実施形態において、質量精度も、利用され得る。
いくつかの実施形態において、質量分析計および/またはそのコントローラは、MS/MSによってセンチネルイオンの検出を確認するためにさらに動作し、質量分析計は、質量分析計がMS/MS走査の次のグループに切り替えるように命令される前、検出されたセンチネルイオンとセンチネルイオンの少なくとも1つの断片化イオンとを評価することによって、センチネルイオンを検出する。
図3は、種々の実施形態による複数のMS/MS走査についての正確な質量および化学式情報の両方が、複数のMS/MS走査を各々が次のグループを識別する少なくとも1つのセンチネルMS/MS走査を含むMS/MS走査の2つ以上の連続したグループに分割するために使用される方法を示す例示的略図300である。ユーザが、例えば、複数のMS/MS走査301を規定する。複数のMS/MS走査201が、図3に示されるように、各MS/MS走査に関する前駆体イオンの正確な質量(M1、M2、・・・、Mn)と、前駆体イオン化学式(F1、F2、・・・、Fn)との両方を提供することによって、規定される。種々の実施形態において、再び、複数のMS/MS走査301の各MS/MS走査に関して規定され得る他の情報は、限定ではないが、プロダクトイオンスペクトルから選択されるべき1つ以上のプロダクトイオン、プロダクトイオン質量ウィンドウ、または前駆体イオンに関する滞留時間または滞留時間ウィンドウを含み得る。
複数のMS/MS走査301が、MS/MS走査の2つ以上の連続したグループ(G1、G2、・・・、Gp)に分割される。例えば、分離デバイスが使用されている場合、複数のMS/MS走査301が、各MS/MS走査に関する前駆体イオンに関して予期される滞留時間または滞留時間ウィンドウに基づいて、分割されることができる。または、例えば、サンプル導入システムが使用されている場合、複数のMS/MS走査301が、サンプル導入の時間または順序に基づいて、分割され得る。
2つ以上の連続したグループのMS/MS走査の各先行するグループは、少なくとも1つのセンチネルMS/MS走査を含む。センチネルMS/MS走査は、2つ以上の連続したグループのうちの次のグループを識別する。例えば、図2において、グループG1は、MS/MS走査の次のグループのG2を識別する前駆体イオンの正確な質量M12と前駆体イオン化学式F12とによって表されるセンチネルMS/MS走査を含む。
結果として、グループG1のセンチネルMS/MS走査の前駆体イオンの正確な質量M12と前駆体イオン化学式F12から計算される同位体との両方がMS前駆体イオン走査中に検出されると、次のグループG2のMS/MS走査が、分析の各サイクル中、実施されるべきMS/MS走査のリストに追加される。図3では、前駆体イオンの正確な質量とMS/MS走査の前駆体イオン化学式から計算される同位体との両方が、分析のためにMS/MS走査の次のグループを選択するために必要とされる選択性を提供する。種々の実施形態において、質量精度は、センチネルイオンの存在を確認する情報も提供することができる。
(前駆体イオンの正確な質量に基づいてMS/MS走査をトリガするためのシステム)
図4は、種々の実施形態によるグループの少なくとも1つのセンチネルMS/MS走査の正確な質量が前駆体イオンMS走査中に検出されると、一連の連続したグループから、前駆体イオン対完全プロダクトイオンスペクトルMS/MS走査のあるグループをトリガするためのシステム400の概略図である。システム400は、イオン源410と、タンデム質量分析計420と、プロセッサ430とを含む。
イオン源410は、サンプルの1つ以上の化合物をイオン化し、1つ以上の前駆体イオンのイオンビームを生産する。サンプルは、例えば、サンプル混合物である。イオン源410は、限定ではないが、エレクトロスプレーイオン化(ESI)を実施するデバイスを含む任意のタイプのイオン源デバイスを含む。イオン源410は、図4に示されるように、タンデム質量分析計420の一部であり得るか、または、別個のデバイスであり得る。
種々の実施形態において、1つ以上の化合物は、分離デバイス(図示せず)によってイオン源410に提供される。分離デバイスは、種々の技法のうちの1つを使用して、経時的に化合物を分離し得る。これらの技法は、限定ではないが、イオン移動度、ガスクロマトグラフィ(GC)、液体クロマトグラフィ(LC)、またはキャピラリ電気泳動(CE)を含む。
種々の実施形態において、1つ以上の化合物が、サンプル導入システム(図示せず)によってイオン源410に提供される。サンプル導入システムは、例えば、経時的に、またはサンプル順序において、1つ以上の化合物を導入し得る。サンプル導入システムは、限定ではないが、個々のマイクロタイタプレートウェルから開放ポートインタフェース(OPI)に迅速にサンプルを送達するフローインジェクション分析(FIA)デバイスまたは音響液滴射出(ADE)デバイスを含み得る。
タンデム質量分析計420は、例えば、1つ以上の物理的質量フィルタと、1つ以上の物理的質量分析器とを含み得る。タンデム質量分析計420の質量分析器は、限定ではないが、飛行時間(TOF)、オービトラップ、またはフーリエ変換質量分析器を含み得る。
タンデム質量分析計420は、イオン源410からイオンビームを受け取る。複数のサイクルのうちの各サイクルに関して、タンデム質量分析計420は、イオンビームに対してMS走査を実行し、その後、リストから読み取られる一連のMS/MS走査が続く。リストは、例えば、デューティサイクルリストである。一連のMS/MS走査のうちの各MS/MS走査に関して、各MS/MS走査の前駆体イオンの正確な質量がMS走査から質量閾値内で見出された場合、タンデム質量分析計420は、前駆体イオンを選択し、断片化し、前駆体イオンの断片化の全ての結果として生じるプロダクトイオンを質量分析する。前駆体イオンの正確な質量に関する例示的質量閾値は、10ミリダルトン(mDa)である。
ここで実施されるMS走査は、IDAに関して上で説明される前駆体イオンまたはMS調査走査のようなものである。前駆体イオン質量範囲が選択され、質量範囲内の前駆体イオンが、高分解能質量分析器を使用して、質量分析される。衝突エネルギーが、使用されないか、またはちょうど十分な衝突エネルギーが、化学背景雑音を除去するために使用されるが、十分ではない衝突エネルギーが、前駆体イオン質量範囲を伴う前駆体イオンを断片化するために使用される。
説明されたばかりのように、実施される各MS/MS走査は、例えば、高分解能前駆体イオン対完全プロダクトイオンスペクトル走査である。各MS/MS走査では、前駆体イオンが、選択され、断片化され、全ての結果として生じるプロダクトイオンが、例えば、高分解能質量分析器を使用して、質量分析される。
プロセッサ430は、限定ではないが、コンピュータ、マイクロプロセッサ、または制御信号およびデータをタンデム質量分析計420に送信し、それから受信し、データを処理することが可能である任意のデバイスであり得る。プロセッサ430は、例えば、図1のコンピュータシステム100であり得る。種々の実施形態において、プロセッサ430は、タンデム質量分析計420と通信する。
プロセッサ430は、各々が前駆体イオンの正確な質量を含む複数のMS/MS走査を受信する。複数のMS/MS走査は、例えば、ユーザから受信される。プロセッサ430は、複数のMS/MS走査を2つ以上の連続したグループに分割し、それによって、異なるグループは、複数のサイクル中、別個に実行され得る。例えば、プロセッサ430は、予期される滞留時間に従って、複数のMS/MS走査を順序付けることができる。予期される滞留時間は、例えば、ユーザから、各MS/MS走査に関して受信される。プロセッサ430は、次いで、異なるグループが、複数のサイクル中、別個に実行され得るように、順序付けられたMS/MS走査を2つ以上の連続したグループに分割し得る。
プロセッサ430は、2つ以上の連続したグループのうちの各先行するグループにおいて少なくとも1つのセンチネルMS/MS走査を選択し、少なくとも1つのセンチネルMS/MS走査は、2つ以上の連続したグループのうちの実行されるべき次のグループを識別する。少なくとも1つのセンチネルMS/MS走査は、例えば、2つ以上の連続したグループのうちの次の隣接するグループを識別またはトリガする。
プロセッサ430は、タンデム質量分析計420が第1のグループのMS/MS走査を実行するように、タンデム質量分析計420のリスト上に2つ以上の連続したグループのうちの第1のグループを配置する。第1のグループのセンチネルMS/MS走査の前駆体イオンの正確な質量がタンデム質量分析計420によって検出されると、プロセッサ430は、リスト上にセンチネルMS/MS走査によって識別された2つ以上の連続したグループのうちの次のグループを配置する。
種々の実施形態において、センチネルMS/MS走査の選択性は、前駆体イオンについての同位体情報を含むことによって、さらに改良される。例えば、複数のMS/MS走査のうちのセンチネルMS/MS走査が、センチネルMS/MS走査の前駆体イオンの同位体についての情報をさらに含む。次いで、センチネルMS/MSの前駆体イオンの正確な質量と前駆体イオンの同位体の質量との両方がMS走査中に質量閾値内でタンデム質量分析計によって検出されると、プロセッサ430は、リスト上にセンチネルMS/MS走査によって識別された2つ以上の連続したグループのうちの次のグループを配置する。
種々の実施形態において、センチネルMS/MS走査の前駆体イオンの同位体についての情報は、前駆体イオン化学式である。種々の実施形態において、センチネルMS/MSの前駆体イオンの同位体の質量が、化学式から計算される。
種々の実施形態において、2つ以上の連続したグループのうちの各グループは、正しいピーク定義を確実にするために、2つ以上のグループのうちの少なくとも1つの他のグループのMS/MS走査と重複するMS/MS走査を含む。重複は、例えば、隣接するグループとである。
種々の実施形態において、プロセッサ430は、次のグループのセンチネルMS/MS走査が検出されると、リストから第1のグループをさらに除去する。
種々の実施形態において、プロセッサ430は、2つ以上の連続したグループのうちの前のグループを識別する2つ以上の連続したグループのうちの各次のグループに関して、停止センチネルMS/MS走査をさらに選択する。グループの停止センチネルMS/MS走査が検出されると、プロセッサ430は、リストから停止センチネルによって識別された前のグループをさらに除去する。
種々の実施形態において、2つ以上の連続したグループのうちの各グループに関するセンチネルMS/MS走査は、各グループの一部として、または入手全体のために監視される。例えば、2つ以上の連続したグループのうちの各グループは、2つ以上の連続したグループのうちの他のグループの各センチネルMS/MS走査をさらに含む。これは、センチネルMS/MS走査が、滞留ウィンドウから独立することも可能にする。結果として、タンデム質量分析計420は、各MS/MS走査に関して、滞留時間ウィンドウを使用せずに、各MS/MS走査の前駆体イオンを検出する。
代替として、センチネルMS/MS走査が、広い滞留時間ウィンドウを伴って、実行されることができる。しかしながら、センチネルMS/MS走査によってトリガされるMS/MS走査のグループは、滞留時間ウィンドウに従って、実行されない。
プロセッサ430は、少なくとも1つのセンチネルとして、グループのMS/MS走査のいずれかを選択することができる。例えば、プロセッサ430は、最新の予期される滞留時間を伴う各グループのMS/MS走査を選択することによって、各グループにおいて少なくとも1つのセンチネルMS/MS走査を選択することができる。換言すると、プロセッサ430は、センチネルMS/MS走査として、各グループの終わりにおけるMS/MS走査を選択することができる。
種々の実施形態において、プロセッサ430は、1つ以上の化合物が、サンプル導入システムによってタンデム質量分析計420に導入される順序に基づいて、複数のMS/MS走査を2つ以上の連続したグループに分割する。
(前駆体イオンの正確な質量に基づいてMS/MS走査をトリガする方法)
図5は、種々の実施形態によるグループの少なくとも1つのセンチネルMS/MS走査の正確な質量が前駆体イオンMS走査中に検出されると、一連の連続したグループから、前駆体イオン対完全プロダクトイオンスペクトルMS/MS走査のあるグループをトリガする方法500を示すフローチャートである。
ステップ方法500の510では、イオンビームが、タンデム質量分析計を使用して、イオン源から受け取られ、タンデム質量分析計を使用して、複数のサイクルのうちの各サイクルに関して、イオンビームに対してMS走査が実行され、その後、リストから読み取られる一連のMS/MS走査が続く。一連のMS/MS走査のうちの各MS/MS走査に関して、各MS/MS走査の前駆体イオンの正確な質量がMS走査から質量閾値内で見出された場合、タンデム質量分析計は、前駆体イオンを選択し、断片化し、前駆体イオンの断片化の全ての結果として生じるプロダクトイオンを質量分析する。
ステップ520では、各々が前駆体イオンの正確な質量を含む複数のMS/MS走査が、プロセッサを使用して受信される。
ステップ530では、プロセッサを使用して、複数のMS/MS走査が、異なるグループが複数のサイクル中に別個に実行され得るように、2つ以上の連続したグループに分割される。
ステップ540では、プロセッサを使用して、少なくとも1つのセンチネルMS/MS走査が、2つ以上の連続したグループのうちの各先行するグループにおいて選択され、少なくとも1つのセンチネルMS/MS走査は、2つ以上の連続したグループのうちの実行されるべき次のグループを識別する。
ステップ550では、プロセッサを使用して、2つ以上の連続したグループのうちの第1のグループが、タンデム質量分析計のリスト上に配置される。
ステップ560では、プロセッサを使用して、第1のグループのセンチネルMS/MS走査の前駆体イオンの正確な質量がMS走査中に質量閾値内でタンデム質量分析計によって検出されると、センチネルMS/MS走査によって識別された2つ以上の連続したグループのうちの次のグループが、リスト上に配置される。
第1のグループのセンチネルMS/MS走査の前駆体イオンの正確な質量がMS走査中、質量閾値内でタンデム質量分析計によって検出されると、これは、センチネルイオンの検出を含む。
(MS/MS走査をトリガするためのコンピュータプログラム製品)
種々の実施形態において、コンピュータプログラム製品が、そのコンテンツが命令を伴うプログラムを含む有形コンピュータ読み取り可能な記憶装置媒体を含み、命令は、グループの少なくとも1つのセンチネルMS/MS走査の正確な質量が前駆体イオンMS走査中に検出されると、一連の連続したグループから、前駆体イオン対完全プロダクトイオンスペクトルMS/MS走査のあるグループをトリガする方法を実施するためにプロセッサ上で実行される。この方法は、1つ以上の異なるソフトウェアモジュールを含むシステムによって実施される。
図6は、種々の実施形態によるグループの少なくとも1つのセンチネルMS/MS走査の正確な質量が前駆体イオンMS走査中に検出されると、一連の連続したグループから、前駆体イオン対完全プロダクトイオンスペクトルMS/MS走査のあるグループをトリガする方法を実施する1つ以上の異なるソフトウェアモジュールを含むシステム600の概略図である。システム600は、測定モジュール610と、分析モジュール620とを含む。
複数のサイクルのうちの各サイクルに関して、測定モジュール610は、イオンビームに対してリストから読み取られる一連のMS/MS走査が続くMS走査を実行するようにタンデム質量分析計に命令する。一連のMS/MS走査のうちの各MS/MS走査に関して、各MS/MS走査の前駆体イオンの正確な質量がMS走査から質量閾値内で見出されると、タンデム質量分析計は、前駆体イオンを選択し、断片化し、前駆体イオンの断片化の全ての結果として生じるプロダクトイオンを質量分析する。イオンビームは、分離デバイスを使用して、サンプルから分離される1つ以上の化合物をイオン化するイオン源によって生産される。
分析モジュール620は、各々が前駆体イオンの正確な質量を含む複数のMS/MS走査を受け取る。分析モジュール620は、異なるグループが複数のサイクル中に別個に実行され得るように、複数のMS/MS走査を2つ以上の連続したグループに分割する。分析モジュール620は、2つ以上の連続したグループのうちの各先行するグループにおいて、少なくとも1つのセンチネルMS/MS走査を選択し、少なくとも1つのセンチネルMS/MS走査は、2つ以上の連続したグループのうちの実行されるべき次のグループを識別する。
測定モジュール610は、タンデム質量分析計のリスト上に2つ以上の連続したグループのうちの第1のグループを配置する。第1のグループのセンチネルMS/MS走査の前駆体イオンの正確な質量がMS走査中に質量閾値内でタンデム質量分析計によって検出されると、測定モジュール610は、リスト上にセンチネルMS/MS走査によって識別された2つ以上の連続したグループのうちの次のグループを配置する。
図7Aおよび7Bは、種々の実施形態によるタンデム質量分析計に、センチネルイオンに関連付けられたMS/MS走査のグループを実行するように切り替える方法を図示するフローチャートである。この方法は、タンデム質量分析計によって受け取られたサンプルイオンのイオンビームをフィルタリングし、断片化し、および/または、分析することを実施するタンデム質量分析計の動作を調整するコントローラによって実施され得る。
一般的な動作では、タンデム質量分析計は、イオンビームに少なくとも1つの質量フィルタを適用することによって、分析するためのイオンの一部を選択する。フィルタリングされたイオンが、断片化セルによって断片化され得る。結果として生じるプロダクトイオンが、次いで、QqTOF、ELIT、軌道イオントラップ、またはTOF-TOF等の高分解能質量分析器によって質量分析され得る。分析されるべき多数の異なるイオンタイプを含むサンプルに関して、タンデム質量分析計の動作を調整することは、困難であり得る。図7Aおよび7Bは、MS走査モードにおいて検出されたセンチネルイオンに基づいて(すなわち、断片化せずに)、タンデム質量分析計の動作を調整または編成する方法の実施形態を図示する。このように、センチネルイオンは、(例えば質量欠損を導入することによって)低雑音領域において特定の質量を有するように選択され得るが、それは、イオンビームに対してMS/MS走査のグループを実行するために、タンデム質量分析計切り替えるために時間内に検出可能であろう。このように、コントローラは、MS走査モード中、センチネルイオンの検出に基づいて、MS/MS走査のグループをトリガすることが可能である。MS走査モードは、MS/MS動作が実行されていない状態で動作し得るか、または、MS/MS動作の一部として動作させられ得る。
図7Aを参照すると、ある実施形態において、方法700が、タンデム質量分析法のために提供される。ステップ710では、質量分析計は、センチネルイオンのためのMS走査を監視する。ステップ720では、質量分析計は、センチネルイオンを検出する。ステップ730では、質量分析計は、検出されたセンチネルイオンに関連付けられたMS/MS走査のグループを実行するように切り替える。ステップ740では、質量分析計は、各MS/MS走査に関して、選択されたサンプルイオンを断片化し、そのMS/MS走査に従って結果として生じるプロダクトイオンを質量分析することによって、MS/MS走査のグループを実行する。
7Bを参照すると、ある実施形態において、方法705が、タンデム質量分析法のために提供される。ステップ710では、質量分析計は、センチネルイオンのためのMS走査を監視する。ステップ720では、質量分析計は、センチネルイオンを検出する。ステップ730では、質量分析計は、検出されたセンチネルイオンに関連付けられたMS/MS走査のグループを実行するように切り替える。ステップ740では、質量分析計は、各MS/MS走査に関して、選択されたサンプルイオンを断片化し、そのMS/MS走査に従って、結果として生じるプロダクトイオンを質量分析することによって、MS/MS走査のグループを実行する。ステップ750では、質量分析計は、次のセンチネルイオンに関する次のMS走査を監視する。ステップ760では、質量分析計は、次のセンチネルイオンを検出する。ステップ770では、質量分析計は、次のセンチネルイオンに関連付けられたMS/MS走査の次のグループを実行するように切り替える。
いくつかの実施形態において、次のセンチネル走査を監視し得る質量分析計は、センチネルイオンに関連付けられたMS/MS走査のグループを実行するであろう。いくつかの実施形態において、質量分析計は、センチネルイオンに関連付けられたMS/MS走査のグループを実行することから、次のセンチネルイオンのためのMS走査のみを実行することに切り替えた後、次のセンチネル走査を監視し得る。
図8は、タンデム質量分析計800の簡略化概略図である。タンデム質量分析計800は、少なくとも質量フィルタ810と、断片化セル820と、高分解能質量分析器830とを含む。タンデム質量分析計800は、質量分析計840の動作を指示するように動作するコントローラ840をさらに含む。コントローラ840は、例えば、上で説明されるように、コンピューティングシステム100のコンポーネントを備え得る。例えば、この方法は、上で説明される方法を実行するように質量分析計800に指示するように、プログラム命令を実行するコントローラ840のプロセッサによって実施され得る。
本教示は、種々の実施形態と併せて説明されるが、本教示は、そのような実施形態に限定されることを意図するものではない。対照的に、本教示は、当業者によって理解されるであろうように、種々の代替、修正、および均等物を包含する。
さらに、種々の実施形態を説明する際、本明細書は、ステップの特定の一続きとして、方法および/またはプロセスを提示し得る。しかしながら、この方法またはプロセスが、本明細書に記載されるステップの特定の順序に依拠しない限りにおいて、この方法またはプロセスは、説明されるステップの特定の一続きに限定されるべきではない。当業者が理解し得るように、ステップの他の一続きが、可能であり得る。したがって、本明細書に記載されるステップの特定の順序は、請求項に関する限界として解釈されるべきではない。同様に、説明される用途は、検出技法としてMRMを使用したが、説明される方法は、MRM3、単一イオン監視(SIM)、またはさらなる標的化プロダクトイオン走査(TOF-MS)等のMS/MS分析のための任意の標的化分析に適用され得る。加えて、この方法および/またはプロセスを対象とする請求項は、そのステップの性能を書かれた順序に限定されるべきではなく、当業者は、一続きが変動し、依然として、種々の実施形態の精神および範囲内のままであり得ることを容易に理解することができる。

Claims (38)

  1. 高分解能タンデム質量分析計であって、前記質量分析計は、
    質量フィルタと、
    断片化セルと、
    高分解能質量分析器と、
    前記質量フィルタ、断片化セル、および高分解能質量分析器の動作を指示するためのコントローラと
    を備え、
    前記コントローラは、センチネルイオンのためのMS走査を監視することを前記質量分析計に指示するように動作し、
    前記質量分析計が前記センチネルイオンを検出すると、前記コントローラは、前記センチネルイオンに関連付けられた少なくとも1つのMS/MS走査のグループに切り替え、流入サンプルイオンを断片化し、前記断片化の結果として生じるプロダクトイオンを質量分析することを前記質量分析計に指示するように動作する、質量分析計。
  2. 前記コントローラは、前記少なくとも1つのMS/MS走査のグループ中、次のセンチネルイオンのための次のMS走査を監視するようにさらに動作し、
    前記質量分析計が前記次のセンチネルイオンを検出すると、前記コントローラは、前記次のセンチネルイオンに関連付けられた少なくとも1つのMS/MS走査の次のグループに切り替えることを前記質量分析計に指示するように動作する、請求項1に記載の質量分析計。
  3. 前記コントローラは、次のセンチネルイオンを監視するために、前記質量分析計を次のMS走査に切り替えるようにさらに動作する、請求項1または請求項2に記載の質量分析計。
  4. 前記MS/MS走査の各々は、前記質量分析計の分離多重反応監視(MRM)を備えている、請求項1-3のいずれか1項に記載の質量分析計。
  5. 前記コントローラは、前記センチネルイオンの少なくとも1つの同位体を監視することによって、前記センチネルイオンを監視するようにさらに動作し、前記質量分析計は、前記センチネルイオンの存在を確認するために、前記検出されたセンチネルイオンの質量精度を評価すること、または前記検出されたセンチネルイオンと前記少なくとも1つの同位体とを評価することによって、前記センチネルイオンを検出する、請求項1-4のいずれか1項に記載の質量分析計。
  6. 前記検出されたセンチネルイオンと前記少なくとも1つの同位体とを評価することは、前記検出されたセンチネルイオンと前記少なくとも1つの同位体との各々を予期される強度閾値と比較することを含む、請求項5に記載の質量分析計。
  7. 前記検出されたセンチネルイオンと前記少なくとも1つの同位体とを評価することは、前記検出されたセンチネルイオンと、予期される同位体比において検出される前記少なくとも1つの同位体とを比較することを含む、請求項5または請求項6に記載の質量分析計。
  8. 前記センチネルイオンは、前記質量分析計によって記憶された前駆体イオン化学式によって識別される、請求項1-7のいずれか1項に記載の質量分析計。
  9. 前記コントローラは、前記前駆体イオン化学式から前記センチネルイオンの少なくとも1つの同位体の質量を計算するようにさらに動作する、請求項8に記載の質量分析計。
  10. 前記質量分析計は、分離デバイスから送達されたサンプルをイオン化するように動作するイオン源をさらに備えている、請求項1-9のいずれか1項に記載の質量分析計。
  11. 前記質量分析計は、前記質量分析計に前記サンプルを導入するためのサンプル導入システムをさらに備えている、請求項1-10のいずれか1項に記載の質量分析計。
  12. 前記質量分析計は、複数の異なるセンチネルイオンのための前駆体イオンの前記MS走査を監視するように動作し、前記コントローラは、送達の予期される順序に基づいて、各センチネルイオンに関して前記MS走査を監視することを前記質量分析計に指示するように動作する、請求項1-11のいずれか1項に記載の質量分析計。
  13. 前記サンプルは、クロマトグラフィカラムからの溶出によって送達され、前記コントローラは、前記クロマトグラフィカラムからの予期される溶出順序に基づいて、前記センチネルイオンを順序付けるように動作する、請求項12に記載の質量分析計。
  14. 前記予期される溶出順序は、前記質量分析計によって記憶されたリストとして提供される、請求項13に記載の質量分析計。
  15. 前記質量分析計は、複数の異なるセンチネルイオンのための前記MS走査イオンを監視し、各グループが対応するセンチネルイオンに関連付けられた少なくとも1つのMS/MS走査の対応する複数のグループに切り替えるように動作し、前記コントローラは、正しいピーク定義を確実にするために、次のセンチネルイオンの検出時、次のグループに切り替えるとき、MS/MS走査を重複させることを前記質量分析計に指示するように動作する、請求項1-14のいずれか1項に記載の質量分析計。
  16. 前記コントローラは、各グループに関して停止MS/MS走査を選択するように動作し、停止MS/MS走査が検出されると、前記コントローラは、次のセンチネルイオンを監視するために次のMS走査に切り替えること、またはMS/MS走査モードの次のグループに切り替えることのいずれかを前記質量分析計に指示するように動作する、請求項1-15のいずれか1項に記載の質量分析計。
  17. MS/MS走査の少なくとも1つのグループは、次のセンチネルイオンのMS走査を含む、請求項1-16のいずれか1項に記載の質量分析計。
  18. 前記質量分析計は、そのMS/MS走査モードのための時間ウィンドウを使用せず、各MS/MS走査中、プロダクトイオンを検出するように動作する、請求項1-17のいずれか1項に記載の質量分析計。
  19. 前記高分解能質量分析器は、
    QqTOFと、
    静電イオントラップ(ELIT)と、
    TOF-TOFと、
    軌道イオントラップと
    を含むグループから選択される、請求項1-18のいずれか1項に記載の質量分析計。
  20. 前記コントローラは、MS/MS走査モード中、前記MS走査イオンを監視することを前記質量分析計に指示するように動作し、
    前記質量分析計は、前記センチネルイオンの前駆体イオンの正確な質量および断片化されたセンチネルイオンのプロダクトイオンを評価することによって、前記センチネルイオンを検出する、請求項1-19のいずれか1項に記載の質量分析計。
  21. タンデム質量分析計を備えている質量分析法のための方法であって、前記方法は、
    サンプルイオンのイオンビームを受け取ることと、
    センチネルイオンのための前記イオンビームに対して実施されるMS走査を監視することと、
    前記MS走査において前記センチネルイオンを検出することと、
    前記センチネルイオンに関連付けられた少なくとも1つのMS/MS走査のグループをトリガすることと、
    前記少なくとも1つのMS/MS走査モードのうちの各々に関して、
    前記イオンビームを断片化することと、
    結果として生じるプロダクトイオンを質量分析することと
    を含む、方法。
  22. 前記少なくとも1つのMS/MS走査モードのグループをトリガしながら、次のセンチネルイオンのための次のMS走査を監視することと、
    前記次のセンチネルイオンを検出することと、
    前記次のセンチネルイオンに関連付けられた次の少なくとも1つのMS/MS走査のグループに切り替えることと
    をさらに含む、請求項21に記載の方法。
  23. 前記質量分析計は、MS/MSを実施することによって、前記センチネルイオンの検出を確認するようにさらに動作し、前記質量分析計は、前記質量分析計が前記少なくとも1つのMS/MS走査のグループに切り替えるように命令される前、前記検出されたセンチネルイオンと前記センチネルイオンの少なくとも1つの断片化イオンとを評価することによって、前記センチネルイオンを検出する、請求項1または2のいずれかに記載の方法。
  24. システムであって、前記システムは、グループの少なくとも1つのセンチネルMS/MS走査の正確な質量がMS走査中に検出されると、一連の連続したグループから、前駆体イオン対完全プロダクトイオンスペクトル(MS/MS)走査の前記グループをトリガし、前記システムは、
    イオン源からイオンビームを受け取るタンデム質量分析計であって、前記タンデム質量分析計は、複数のサイクルのうちの各サイクルに関して、リストから読み取られる一連のMS/MS走査が続くMS走査を前記イオンビームに対して実行し、前記一連のMS/MS走査のうちの各MS/MS走査に関して、前記各MS/MS走査の前駆体イオンの正確な質量が前記MS走査から質量閾値内で見出された場合、前記タンデム質量分析計は、前記前駆体イオンを選択し、断片化し、前記前駆体イオンの断片化の全ての結果として生じるプロダクトイオンを質量分析する、タンデム質量分析計と、
    前記タンデム質量分析計と通信するプロセッサと
    を備え、
    前記プロセッサは、
    各々が前駆体イオンの正確な質量を含む複数のMS/MS走査を受信することと、
    異なるグループが前記複数のサイクル中に別個に実行され得るように、前記複数のMS/MS走査を2つ以上の連続したグループに分割することと、
    前記2つ以上の連続したグループのうちの各先行するグループにおいて少なくとも1つのセンチネルMS/MS走査を選択することであって、前記少なくとも1つのセンチネルMS/MS走査は、前記2つ以上の連続したグループのうちの実行されるべき次のグループを識別する、ことと、
    前記タンデム質量分析計の前記リスト上に前記2つ以上の連続したグループのうちの第1のグループを配置することと、
    前記第1のグループのセンチネルMS/MS走査の前駆体イオンの正確な質量がMS走査中、質量閾値内で前記タンデム質量分析計によって検出されると、前記センチネルMS/MS走査によって識別された前記2つ以上の連続したグループのうちの次のグループを前記リスト上に配置することと
    を行う、システム。
  25. 前記複数のMS/MS走査のうちのセンチネルMS/MS走査は、前記センチネルMS/MS走査のMS走査中に捕捉された前駆体イオンの同位体についての情報をさらに含み、前駆体イオンの正確な質量と前記センチネルMS/MSの前記前駆体イオンの前記同位体の質量とが、MS走査中、質量閾値内で前記タンデム質量分析計によって検出されると、前記センチネルMS/MS走査によって識別された前記2つ以上の連続したグループのうちの次のグループを前記リスト上に配置する、請求項24に記載のシステム。
  26. 前記センチネルMS/MS走査の前駆体イオンの同位体についての前記情報は、前駆体イオン化学式である、請求項25に記載のシステム。
  27. 前記センチネルMS/MSの前記前駆体イオンの前記同位体の質量は、前記化学式から計算される、請求項26に記載のシステム。
  28. 前記イオンビームは、1つ以上の化合物をイオン化する前記イオン源によって生産され、前記1つ以上の化合物は、分離デバイスによって提供される、請求項25に記載のシステム。
  29. 前記イオンビームは、1つ以上の化合物をイオン化する前記イオン源によって生産され、前記1つ以上の化合物は、前記サンプル導入システムによって提供される、請求項25に記載のシステム。
  30. 前記プロセッサは、前記1つ以上の化合物が前記サンプル導入システムによって前記タンデム質量分析計に導入される順序に基づいて、前記複数のMS/MS走査を2つ以上の連続したグループに分割する、請求項29に記載のシステム。
  31. 前記2つ以上の連続したグループのうちの各先行するグループは、正しいピーク定義を確実にするために、前記2つ以上のグループのうちの少なくとも1つの他のグループのMS/MS走査と重複するMS/MS走査を含む、請求項24に記載のシステム。
  32. 前記プロセッサは、前記次のグループのセンチネルMS/MS走査が前記タンデム質量分析計によって検出されると、前記リストから前記第1のグループをさらに除去する、請求項24に記載のシステム。
  33. 前記プロセッサは、前記2つ以上の連続したグループのうちの前のグループを識別する前記2つ以上の連続したグループのうちの各次のグループに関して、停止センチネルMS/MS走査をさらに選択し、前記グループの停止センチネルMS/MS走査が検出されると、前記プロセッサは、前記リストから前記停止センチネルによって識別された前のグループをさらに除去する、請求項24に記載のシステム。
  34. 前記2つ以上の連続したグループのうちの各先行するグループは、前記2つ以上の連続したグループのうちの他のグループの各センチネルMS/MS走査をさらに含む、請求項24に記載のシステム。
  35. 前記タンデム質量分析計は、前記各MS/MS走査に関して、時間ウィンドウを使用せずに、前記各MS/MS走査のプロダクトイオンを検出する、請求項24に記載のシステム。
  36. 前記プロセッサは、最新の予期される時間を伴う前記各グループのMS/MS走査を選択することによって、各グループにおける前記少なくとも1つのセンチネルMS/MS走査を選択する、請求項24に記載のシステム。
  37. グループの少なくとも1つのセンチネルMS/MS走査の正確な質量がMS走査中に検出されると、一連の連続したグループから、前駆体イオン対完全プロダクトイオンスペクトル(MS/MS)走査のグループをトリガする方法であって、前記方法は、
    タンデム質量分析計を使用して、複数のサイクルのうちの各サイクルに関して、イオン源から1つ以上の前駆体イオンのイオンビームを受け取ることと、
    前記タンデム質量分析計を使用して、リストから読み取られる一連のMS/MS走査を前記イオンビームに対して実行することであって、前記一連のMS/MS走査のうちの各MS/MS走査に関して、前記各MS/MS走査の前駆体イオンの正確な質量が前記MS走査から質量閾値内で見出された場合、前記タンデム質量分析計は、前記前駆体イオンを選択し、断片化し、前記前駆体イオンの断片化の全ての結果として生じるプロダクトイオンを質量分析する、ことと、
    プロセッサを使用して、各々が前駆体イオンの正確な質量を含む複数のMS/MS走査を受信することと、
    前記プロセッサを使用して、異なるグループが前記複数のサイクル中に別個に実行され得るように、前記複数のMS/MS走査を2つ以上の連続したグループに分割することと、
    前記プロセッサを使用して、前記2つ以上の連続したグループのうちの各先行するグループにおいて少なくとも1つのセンチネルMS/MS走査を選択することであって、前記少なくとも1つのセンチネルMS/MS走査は、前記2つ以上の連続したグループのうちの実行されるべき次のグループを識別する、ことと、
    前記プロセッサを使用して、前記タンデム質量分析計の前記リスト上に前記2つ以上の連続したグループのうちの第1のグループを配置することと、
    前記プロセッサを使用して、前記第1のグループのセンチネルMS/MS走査の前駆体イオンの正確な質量がMS走査中に質量閾値内で前記タンデム質量分析計によって検出されると、前記リスト上に前記センチネルMS/MS走査によって識別された前記2つ以上の連続したグループのうちの次のグループを配置することと
    を含む、方法。
  38. 非一過性および有形コンピュータ読み取り可能な記憶装置媒体を備えているコンピュータプログラム製品であって、前記記憶装置媒体のコンテンツは、命令を伴うプログラムを含み、前記命令を伴うプログラムは、グループの少なくとも1つのセンチネルMS/MS走査の正確な質量がMS走査中に検出されると、一連の連続したグループから、前駆体イオン対完全プロダクトイオンスペクトル(MS/MS)走査のグループをトリガする方法を実施するためにプロセッサ上で実行され、前記方法は、
    システムを提供することであって、前記システムは、1つ以上の異なるソフトウェアモジュールを備え、前記異なるソフトウェアモジュールは、測定モジュールと分析モジュールとを備えている、ことと、
    複数のサイクルのうちの各サイクルに関して、前記測定モジュールを使用して、リストから読み取られる一連のMS/MS走査をイオンビームに対して実行するようにタンデム質量分析計に命令することであって、前記一連のMS/MS走査のうちの各MS/MS走査に関して、前記各MS/MS走査の前駆体イオンの正確な質量が前記MS走査から質量閾値内で見出された場合、前記タンデム質量分析計は、前記前駆体イオンを選択し、断片化し、前記前駆体イオンの断片化の全ての結果として生じるプロダクトイオンを質量分析する、ことと、
    前記分析モジュールを使用して、各々が前駆体イオンの正確な質量を含む複数のMS/MS走査を受け取ることと、
    前記分析モジュールを使用して、異なるグループが前記複数のサイクル中に別個に実行され得るように、前記複数のMS/MS走査を2つ以上の連続したグループに分割することと、
    前記分析モジュールを使用して、前記2つ以上の連続したグループのうちの各先行するグループにおいて少なくとも1つのセンチネルMS/MS走査を選択することであって、前記少なくとも1つのセンチネルMS/MS走査は、実行されるべき前記2つ以上の連続したグループのうちの次のグループを識別する、ことと、
    前記測定モジュールを使用して、前記タンデム質量分析計の前記リスト上に前記2つ以上の連続したグループのうちの第1のグループを配置することと、
    前記測定モジュールを使用して、前記第1のグループのセンチネルMS/MS走査の前駆体イオンの正確な質量がMS走査中に質量閾値内で前記タンデム質量分析計によって検出されると、前記リスト上に前記センチネルMS/MS走査によって識別された前記2つ以上の連続したグループのうちの次のグループを配置することと
    を含む、コンピュータプログラム製品。
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