JP6987554B2 - 非破壊検査装置及びその方法 - Google Patents

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Description

本発明は、超音波を用いて物体内部の欠陥、密度ムラ、その他の異常等を非破壊で検出する非破壊検査装置及びその方法に関する。
従来、超音波を利用して、非破壊で検査を行う超音波探傷検査が知られている。超音波探傷検査は、超音波のパルス信号を金属材料等の表面や内部に伝播させることにより、音響的に不連続な部分からの反射信号や反射強度、伝搬時間などにより、材料内部の傷や長さ、形状などを非破壊で評価し、その良否判定を検査規格などにより良否判定する技術である。超音波は物体内部を伝播し、亀裂などの欠陥部にて反射をする。そして、この反射波(エコー)を受信することで欠陥の有無、位置の特定を行うパルス反射法が超音波探傷検査の中で主流として使用されている。
超音波の反射は「音響インピーダンス」が大きく異なる部分の界面にて起きる。音響インピーダンスは、「物体の密度ρ」×「物体中の音速c」で定義される物性値である。例えば、鉄の音響インピーダンスは46.4×10Nsm−3であり乾燥空気の音響インピーダンスは、428.6Nsm−3である。従来の超音波エコーでは、欠陥のある界面において音波が反射することを用いた検査方法であるため、例えば密度ムラのような音響インピーダンスがわずかにしか変化しない欠陥を検出することは困難であった。
超音波により微小欠陥を検出するため、入射波に対する透過波の波形を周波数分析して基本波と高調波を求め、基本波の振幅と高調波の振幅の比より微小欠陥の有無を判定することが知られ、特許文献1に記載されている。
また、従来の方法では明確でない亀裂は、超音波が通過するため通常の方法での検出は難しい。そのため、連続的なパルスの超音波信号を被検査対象に投射し、亀裂を通過させると、超音波の基本周波数成分に加え高調波成分や分数調波成分が条件によって観測される。この観測によって通常の方法では困難な亀裂の検出が試みられている。
さらに、連続パルスの超音波を発生させるには特殊な装置が必要である。また、連続パルスの超音波は、多層部材など多くの反射波が発生する場合には波の干渉が生じ、正しい解析ができない。そのため、被検査対象物の内部に入った単一超音波パルスを受信部で受信し、受信した単一超音波パルスの減衰波形の瞬時周波数とその時間変化(時間的な移り変わり)を求める。そして、従来の単一超音波パルス信号を用いた方法では見つけることができないような異常な状況を発見し、反射波の干渉を受けにくく、周波数変化のわずかな量を捉えることが特許文献2に記載されている。
特開2004−340807号公報 特許第5105384号公報
上記従来技術である特許文献2に記載の方法では、受信した単一超音波パルス信号の減衰波形を、減衰波形の包絡線と位相とから表される近似式で近似し、近似式中の位相から瞬時角周波数を求める。そして、瞬時角周波数の時間変化に基づいて、被検査対象物の状態を診断する必要があり、その手順が複雑である。また、密度ムラのような音響インピーダンスがわずかにしか変化しない欠陥を検出することは困難であった。
本発明の目的は、上記従来技術の課題を解決し、簡単な構成で音響インピーダンスがわずかにしか変化しない欠陥(例えば、密度ムラなど)を検出する非破壊検査方法及び装置を得ることにある。
上記目的を達成するため、本発明の非破壊検査装置は、超音波送信器により被検査物に超音波を伝播して超音波受信器で前記超音波を受信し、伝播時間の変化により前記被検査物の欠陥を検知する非破壊検査装置において、第1の周波数の超音波を送信する超音波送信器1と、前記第1の周波数とは異なる第2の周波数の超音波を送信する超音波送信器2と、前記超音波送信器1及び前記超音波送信器2から送信した超音波を受信する前記超音波受信器と、を備え、前記超音波受信器で受信されたうなり波形に基づいて前記被検査物の欠陥の有無を判定するものである。
これにより、超音波受信器で受信する超音波はうなり波形となり、わずかな伝播時間の遅延であっても、うなり波形の位相は大きく変化するので、被検査物の密度ムラなど音響インピーダンスの大きく変化しない欠陥であっても検知が可能となる。
また、上記のものにおいて、前記超音波送信器1及び前記超音波送信器2は前記被検査物の片面に、前記超音波受信器は前記被検査物の他面に正対して配置され、前記超音波は前記被検査物の内部を透過して前記超音波受信器へ伝播されることが望ましい。
さらに、上記のものにおいて、前記超音波送信器1、前記超音波送信器2及び前記超音波受信器は前記被検査物の片面に配置され、前記超音波は前記被検査物の内部で反射されて前記超音波受信器へ伝播されることが望ましい。
さらに、上記のものにおいて、前記第2の周波数に対して前記第1の周波数は、0.3〜3%異なることが望ましい。
さらに、上記のものにおいて、前記超音波送信器1あるいは前記超音波送信器2のいずれか一方の周波数を290〜310kHzとし、他方の周波数は前記一方の周波数に対して1〜10kHzの周波数差としたことが望ましい。
さらに、上記のものにおいて、前記うなり波形のエンベロープの山数を前記被検査物の内部で1〜3山とすることが望ましい。
さらに、上記のものにおいて、前記超音波送信器1あるいは前記超音波送信器2による前記超音波は、送信継続時間が有限な超音波バースト波とされたことが望ましい。
さらに、本発明の非破壊検査方法は、超音波送信器により被検査物に超音波を伝播して超音波受信器で前記超音波を受信し、伝播時間の変化により前記被検査物の欠陥を検知する非破壊検査方法であって、超音波送信器1から第1の周波数の超音波を送信すると共に、超音波送信器2から前記第1の周波数とは異なる第2の周波数の超音波を送信し、前記被検査物の内部を伝播した前記超音波送信器1及び前記超音波送信器2から送信した超音波を前記超音波受信器でうなり波形として受信し、前記超音波受信器で受信されたうなり波形に基づいて前記被検査物の欠陥の有無を判定することを特徴とする。
また、上記において、前記超音波送信器1及び前記超音波送信器2を前記被検査物の片面に、前記超音波受信器を前記被検査物の他面に正対して配置し、前記超音波は前記被検査物の内部を透過して前記超音波受信器へ伝播されることが望ましい。
さらに、上記において、前記超音波送信器1、前記超音波送信器2及び前記超音波受信器を前記被検査物の片面に配置し、前記超音波は前記被検査物の内部で反射されて前記超音波受信器へ伝播されることが望ましい。
本発明によれば、超音波受信器で受信する超音波はうなり波形となり、わずかな伝播時間の遅延であっても、うなり波形の位相は大きく変化するので、比較的に簡単な構成で被検査物の密度ムラなど音響インピーダンスの大きく変化しない欠陥の検知が可能となる。
本発明による一実施形態に係る非破壊検査装置の基本構成図 一実施形態における超音波受信器による受信波形を示す時間対振幅のグラフ 従来の非破壊検査装置の基本構成図 従来において検出困難な欠陥がある場合を示す構成図 他の実施形態に係る非破壊検査装置の基本構成図 大気中での実験の構成を示す図 大気中での実験の結果を示すグラフ
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
超音波探傷検査としてパルス反射法と透過式が知られている。パルス反射法は、超音波のパルス信号を金属材料等の表面や内部に伝播させることにより、音響的に不連続な部分からの反射信号や反射強度、伝搬時間などにより、材料内部の傷や長さ、形状などを良否判定する。そして、被検査物に対して超音波送信器より超音波(波の振動方向が波の進行方向と同じ縦波)を垂直に伝播させ、その一部が内部の欠陥に反射して超音波送信器に戻ることで欠陥を検知する。
また、透過式は、被検査物の片面に超音波送信器、他面に超音波受信器を置いて被検査物の内部に伝播された超音波を受信することで、材料内部の欠陥により透過する伝播時間の変化により、欠陥の存在を知る。
超音波の送信・受信には超音波素子が用いられ、超音波素子は電気エネルギを印加して超音波を発生、又は超音波振動エネルギを電気信号に変換する素子で、通常超音波センサには圧電現象を利用したチタン酸バリウム振動素子を用いる。圧電素子は交流電圧を加えると素子が振動し、固有の周波数を持ち、その周波数と同じ周波数の交流電圧を加えることで効率良く振動する。
図1は、本発明の一実施形態に係る非破壊検査装置の基本構成図である。図2は、超音波受信器3による受信波形を示す時間対振幅のグラフ、図3は、従来の非破壊検査装置の基本構成図、図4は、従来において検出困難な欠陥がある場合を示す構成図である。図1に示す構成は、被検査物4の片面に超音波送信器1及び2、他面に超音波受信器3を正対して配置している。したがって、透過式の超音波探傷検査に相当する。
被検査物4は、矢印5方向に移動し、超音波送信器1、2及び超音波受信器3は固定される。あるいは逆に被検査物4を固定し、超音波送信器1、2及び超音波受信器3を移動する。超音波送信器1及び2は、それぞれが異なる周波数の超音波を同時に発生する。つまり、超音波送信器1は第1の周波数、超音波送信器2は第2の周波数を発生し、超音波送信器1及び2からの伝播超音波1及び2を超音波受信器3で受信することで、被検査物4の欠陥により透過する伝播時間の変化により、欠陥を検知する。超音波送信器1及び2と超音波受信器3とは被検査物4を挟むように配置すれば良い。
超音波送信器1及び2は、それぞれ異なる周波数の超音波が伝播超音波1、2として被検査物4の内部を伝播するため、超音波受信器3は、二つの超音波が重なりあった波、うなり波形を受信する。伝播超音波1、2は、互いに異なる経路を通り、超音波受信器3に到達する。
一方、従来の非破壊検査装置は、透過式の場合、図3に示すように被検査物4の片面に超音波送信器1、他面に超音波受信器3を正対して配置し、欠陥7では、超音波が遮られることで欠陥を検知していた。また、反射式では超音波送信器1のみを被検査物4の片面に配置し、超音波送信機1に超音波受信機の機能を持たせ、超音波送信器1で反射波を受信している。そして、欠陥7で超音波が早く反射して超音波送信器1へ戻ることで欠陥を検知していた。
図3に示すような明確な亀裂などの欠陥の場合は、従来の非破壊検査装置でも欠陥7の検知は可能であるが、図4に示すような変質部による密度ムラなど音響インピーダンスの大きく変化しない欠陥8の場合、超音波が遮られたり、反射したりすることは生じない。したがって、図4で示すように欠陥8のある部分を伝播する超音波と、欠陥8のない部分を伝播する超音波とで、超音波送信器1から超音波受信器3までの伝播時間の差はわずかであり、音響インピーダンスの大きく変化しない欠陥を検知することは極めて困難であった。
それに対して、図1に示す実施形態では、超音波送信器1から超音波受信器3までの距離と、超音波送信器2から超音波受信器3までの距離は、略同一である。そして、被検査物4が完全に同質かつ均質物体とすれば、伝播超音波1、2の二つの経路の音速に違いがない。そのため、伝播超音波1、2は、同時に超音波受信器3に到達する。
伝播超音波1、2が超音波受信器3に到達するまでの経路中の一方に、欠陥が存在する場合、伝播超音波1、2は欠陥を通ることで音速が変化する。そのため、伝播超音波1、2が超音波受信器3に到達するまでの伝播時間は、被検査物4が完全に同質かつ均質物体のときに比べ、わずかに異なることになる。
超音波受信器3で受信する超音波は、それぞれ異なる周波数の伝播超音波1、2であるので、重なり合った状態、うなり波形である。うなり波形の包絡線(エンベロープ)は二つの伝播超音波1、2の位相変化により大きく変化するため、伝播超音波1、2による伝播時間がわずかな差であっても検知することが可能となる。超音波の送信時間は、送信継続時間が有限な超音波バースト波とすることが伝播時間の違いを精度良く検知する上では望ましい。
また、被検査物4の厚さ、つまり超音波送信器1及び2から超音波受信器3までの距離は、超音波が超音波受信器3に到達する時間がうなり波形のエンベロープの少なくとも1から3周期程度となるようにする。これにより、超音波の送信時間が長すぎて誤検知することを防ぐことができる。
図2は、超音波送信器1と超音波送信器2とで異なる周波数を送信することで、うなり波形が超音波受信器3で生成されたものである。下図における周波数は、上図の周波数の1.1倍である。うなり波形は、二つの伝播超音波1、2の重ね合わせであり、その形状、点線で示したエンベロープは各伝播超音波の位相、すなわち伝播時間に大きく影響を受ける。
上図は、超音波送信器1から超音波受信器3までの伝播時間と、超音波送信器2から超音波受信器3までの伝播時間とで差がない場合であり、欠陥が存在しない場合である。下図は、超音波送信器2による伝播超音波2が4/6周期だけ遅く超音波受信器3へ到着した場合の受信波形である。図2に示すようにわずかな伝播時間の遅延であっても、うなり波形の位相は大きく変化する。
うなり波形の詳細と位相の変化について説明する。伝播超音波1、2をF、Fとする。それぞれの周波数f、f、それぞれの角周波数ω、ω、それぞれの初期位相をφ、φとすると、f=2πω、f=2πωであるから、伝播超音波1、2を1とすると、F=sin(2πωt+φ)、F=sin(2πωt+φ)となる。F、Fの重ね合わせで発生するうなり波形Fは、
Figure 0006987554
として表現できる。このときcosの項はうなり波形のエンベロープを示し、sinの項はエンベロープ内部の波形を示している。
ここで伝播超音波2であるFの伝播時間がわずかに遅れ、遅れ時間をΔtとする。ただし、この遅れ時間ΔtはFの周期(1/f)以内とすれば、Fは時間tを用いて式2のように表すことができる。
Figure 0006987554
そして、生成されるうなり波形Fは式3となる。
Figure 0006987554
式3において、cosの項はうなり波形のエンベロープを示し、sinの項はエンベロープ内部の波形を示している。したがって、伝播超音波2であるFの遅れがうなり波形Fのエンベロープの位相に影響を与えていることが分かる。
伝播超音波1、2の周波数f、fの影響度を明確にするため、式3を変形すると、式4となる。
Figure 0006987554
式4においても、cosの項はうなり波形のエンベロープを示しているので、伝播超音波2であるFの伝播時間がΔt遅れると、うなり波形Fのエンベロープは、
(ω/ω−ω)Δtだけ位相がずれた形状となることが分かる。仮に、伝播超音波1の周波数f=301kHz、伝播超音波2の周波数f=300kHzとした場合、うなり波形のズレは、
(ω/ω−ω)Δt=(f/f−f)Δt=300Δtとなり、伝播超音波2であるFの伝播時間がΔt遅れると300倍に拡大されて検出ができることが分かる。ここで、fとfとのずれ量は、どちらかの周波数に対して0.3〜3%とすることがうなり波形の生成と検出感度の点から望ましい。
図5は、他の実施形態に係る非破壊検査装置の基本構成図である。被検査物4は、矢印5方向に移動し、超音波送信器1、2及び超音波受信器3は被検査物4の片面(上側)に固定される。あるいは逆に被検査物4を固定し、超音波送信器1、2及び超音波受信器3を移動する。超音波送信器1及び2は、それぞれ異なる周波数の超音波を同時に発生する。超音波送信器1及び2からの伝播超音波1及び2は、被検査物4の他面(下側)から反射波を超音波受信器3で受信する。
被検査物4の内部に欠陥がある場合、伝播超音波1及び2の一部が内部の欠陥に反射して超音波送信器に戻る。そして、欠陥により透過する伝播時間の変化により、欠陥を検知する。いわゆる反射式であり、図1で説明したように、超音波送信器1及び2は、それぞれ異なる周波数の超音波が伝播超音波1、2として被検査物4の内部を伝播するため、超音波受信器3は、二つの超音波が重なりあった波、つまりうなり波形を受信する。
超音波送信器1から超音波受信器3までの距離と、超音波送信器2から超音波受信器3までの距離は、略同一である。そして、被検査物4が完全に同質かつ均質物体とすれば、伝播超音波1、2の二つの経路の音速に違いがない。そのため、伝播超音波1、2は、同時に超音波受信器3に到達する。
伝播超音波1、2が超音波受信器3に到達するまでの経路中の一方に、欠陥が存在する場合、伝播超音波1、2は欠陥を通ることで音速が変化する。そのため、伝播超音波1、2が超音波受信器3に到達するまでの伝播時間は、被検査物4が完全に同質かつ均質物体のときに比べ、わずかに異なることになる。
超音波受信器3で受信する超音波は、それぞれ異なる周波数の伝播超音波1、2であるので、重なり合った状態、うなり波形である。うなり波形の包絡線(エンベロープ)は二つの伝播超音波1、2の位相変化により大きく変化するため、伝播超音波1、2による伝播時間がわずかな差であっても検知することが可能となる。
うなり波形によると、超音波の伝播時間がわずかであっても検出できる例として、実際に、大気中で行った例を説明する。図6は、大気中での実験の構成を示す図であり、超音波送信器1及び2から異なる周波数の超音波を送信し、超音波受信器3でうなり波形として受信している。超音波送信器1及び2と超音波受信器3は、大気中に置かれ、超音波送信器1の周波数が300kHz、超音波送信器2の周波数は、293kHzとして周波数差が7kHzである。あるいは超音波送信器1の周波数が293kHz、超音波送信器2の周波数は、300kHzとしても良い。
超音波送信器1及び2と超音波受信器3の距離は450mm、送信パルス時間幅は0.35msとしている。したがって、うなり波形の包絡線(エンベロープ)は約2.5山程度生じる。超音波送信器1あるいは超音波送信器2のいずれか一方の周波数を300kHz近傍、例えば290〜310kHzとし、他方の周波数は一方の周波数に対して1〜10kHzの周波数差とすること、うなり波形のエンベロープの山数を1〜3山程度とすること、が実用的である。
図7は大気中での実験の結果を示すグラフであり、超音波の送信パルス開始時刻を基準にして、受信波形を測定した結果である。そして、上図と下図は測定時刻を変えて行ったものである。横軸が時間、縦軸が超音波受信器3で受信された信号の振幅(V)である。また、大気中で実験を行ったため、測定時刻によって大気の密度がわずかに変化している。この変化が測定可能かどうかを確認する実験である。図7において、送信パルスが受信された時刻を基準線aで示している。上図と下図では、大気の密度の変化により伝播時間が異なっているので本来、受信時刻にずれが生じ基準線aでの受信波形には、ずれが生じるはずである。しかしながら、図からはその違いが分からない、またこれ以上の測定も極めて困難である。
それに対して、うなり波形のエンベロープを見ると、うなりの頂点の位置が上図では基準線bであり、下図では基準線cとなっている。つまり、うなり波形のエンベロープは、測定時刻による大気の密度変化に応じて大きく変化している。この場合、変化幅である基準線bと基準線cとの差は0.03msであることが確認できる。図7に示すようにわずかな伝播時間の遅延であってもうなり波形は大きく変化し、うなり波形の頂点の到達時間を検出することで、音響インピーダンスがわずかにしか変化しない欠陥(密度ムラなど)を高感度に検出可能となる。
なお、低周波数の超音波素子は低エネルギで超音波を送信できるが、そのビーム径は大きく、40kHz程度の駆動では小さい欠陥の検出には不向きであった。さらに、小ビーム径を持つ高周波数素子は、駆動させるためにより高いエネルギを必要としており、300kHz程度の高周波数の信号を電気回路的に合成すること、高出力で歪みなく駆動することは困難であった。
そこで、超音波送信器1、2は、超音波を送信するため、超音波素子を高電圧のオンオフ信号、つまり矩形波でパルス的に駆動するスイッチ回路で所定時間だけ連続する超音波バースト波として送信することが望ましい。
そして、超音波受信器3で得られた信号は解析装置でサンプリングしてA/D変換され、メモリに記録する。さらに、受信されたうなり波形から伝播時間の違いにより欠陥の有無を判定することが良い。
超音波送信器1、超音波送信器2を矩形波であるパルス信号を生成して、周波数を300kHz近傍で送信することとすれば、ビームサイズを小さくでき、欠陥の検出感度を向上できる。また、スイッチ回路で矩形波でパルス的に駆動すれば、振幅歪みが問題になるようなアナログ信号を増幅する訳でないので、従来のように周波数を40kHz程度としたものと比べても駆動回路自体で無駄な消費電力を必要としない。
また、超音波送信器1、2の二つでそれぞれ異なる周波数で送信することで超音波受信器3でうなり波形とするので、一つの超音波送信器1で電気的に合成されたうなり波形を送信する場合と比べて、アナログ信号を増幅することにはならない。
さらに、超音波を発生することの構成が簡素化され、無駄な消費電力を必要としない。そして、コストを抑制すると共に、より高精度化を省エネルギで達成することができる。さらに、超音波受信器3で受信された信号は、帯域外のノイズの除去、増幅等を経て分析すれば良い。
1 超音波送信器1
2 超音波送信器2
3 超音波受信器
4 被検査物
5 矢印
6 うなり波形
7 欠陥(亀裂等の欠陥)
8 欠陥(密度ムラなどの欠陥)
a、b、c 基準線

Claims (10)

  1. 超音波送信器により被検査物に超音波を伝播させて超音波受信器で前記超音波を受信し、伝播時間の変化により前記被検査物の欠陥を検知する非破壊検査装置において、
    第1の周波数の超音波を送信する超音波送信器1と、
    前記第1の周波数とは異なる第2の周波数の超音波を送信する超音波送信器2と、
    前記超音波送信器1及び前記超音波送信器2からの伝播超音波を受信する前記超音波受信器と、
    を備え、
    前記超音波送信器1及び前記超音波送信器2は前記超音波を同時に発生し、前記超音波受信器はそれぞれ異なる周波数の前記伝播超音波が重なり合った状態のうなり波形を受信し、前記うなり波形に基づいて前記被検査物の欠陥の有無を判定することを特徴とする非破壊検査装置。
  2. 前記超音波送信器1及び前記超音波送信器2は前記被検査物の片面に、前記超音波受信器は前記被検査物の他面に正対して配置され、前記超音波は前記被検査物の内部を透過して前記超音波受信器へ伝播されることを特徴とする請求項1に記載の非破壊検査装置。
  3. 前記超音波送信器1、前記超音波送信器2及び前記超音波受信器は前記被検査物の片面に配置され、前記超音波は前記被検査物の内部で反射されて前記超音波受信器へ伝播されることを特徴とする請求項1に記載の非破壊検査装置。
  4. 前記第2の周波数に対して前記第1の周波数は、0.3〜3%異なることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の非破壊検査装置。
  5. 前記超音波送信器1あるいは前記超音波送信器2のいずれか一方の周波数を290〜310kHzとし、他方の周波数は前記一方の周波数に対して1〜10kHzの周波数差としたことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の非破壊検査装置。
  6. 前記うなり波形のエンベロープの山数を前記被検査物の内部で1〜3山とすること特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の非破壊検査装置。
  7. 前記超音波送信器1あるいは前記超音波送信器2による前記超音波は、送信継続時間が有限な超音波バースト波とされたことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の非破壊検査装置。
  8. 超音波送信器により被検査物に超音波を伝播させて超音波受信器で前記超音波を受信し、伝播時間の変化により前記被検査物の欠陥を検知する非破壊検査方法であって、
    第1の周波数の超音波を送信する超音波送信器1と、
    前記第1の周波数とは異なる第2の周波数の超音波を送信する超音波送信器2と、
    前記超音波送信器1及び前記超音波送信器2からの伝播超音波を受信する前記超音波受信器と、を備え
    前記超音波送信器1及び前記超音波送信器2は前記超音波を同時に発生し、前記超音波受信器はそれぞれ異なる周波数の前記伝播超音波が重なり合った状態のうなり波形を受信し、前記うなり波形に基づいて前記被検査物の欠陥の有無を判定することを特徴とする非破壊検査方法。
  9. 前記超音波送信器1及び前記超音波送信器2を前記被検査物の片面に、前記超音波受信器を前記被検査物の他面に正対して配置し、前記超音波は前記被検査物の内部を透過して前記超音波受信器へ伝播されることを特徴とする請求項8に記載の非破壊検査方法。
  10. 前記超音波送信器1、前記超音波送信器2及び前記超音波受信器を前記被検査物の片面に配置し、前記超音波は前記被検査物の内部で反射されて前記超音波受信器へ伝播されることを特徴とする請求項8に記載の非破壊検査方法。
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