JP6986928B2 - 情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム - Google Patents
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Description
なお、本明細書では、追跡性とは、いわゆるトレーサビリティを意味し、1つの文書に含まれる複数の項目の間での対応付け、または複数の文書に含まれる複数の項目の間での対応付けをいう。また、追跡性情報とは、追跡性を保持するための関連性についての情報である。例えば、項目間又は文書間のリンク情報である。
しかし、例えば、追跡性情報がもともと不完全であったとの理由、または、既存のシステムを流用して新たなシステムを開発した時に、追跡性の変更を追跡性情報として文書に反映することを忘れてしまったとの理由により、文書の追跡性を確保できなくなることがある。
このため、特許文献1の技術では、全ての仕様・設計情報で、同じ意味に対して必ず同じ文字列を使わなければならない。
このため、文書作成者の記載の揺らぎによって複数の仕様・設計情報間で文言が統一されていない場合は、特許文献1の技術では、有効に追跡性を検出することができない。
複数の文書データのうちの任意の文書データ内の任意の箇所である、記述が変更されたことがある基準箇所と同時期に記述が変更されたことがある前記複数の文書データ内の1つ以上の箇所である同時期変更箇所ごとに、前記基準箇所と同時期に記述が変更された比率である同時期変更率を算出し、同時期変更率の時間推移を導出する算出部と、
前記同時期変更率の時間推移を解析し、前記同時期変更率が既定レベル以上変化している同時期変更箇所を抽出する抽出部と、
前記抽出部により抽出された同時期変化箇所を出力する出力部とを有する。
なお、この実施の形態により本発明が限定されるものではない。
***概要説明***
本実施の形態では、システム開発における文書の追跡性を効率的に管理することができる仕様書選択参照装置を説明する。
より具体的には、本実施の形態に係る仕様書選択参照装置は、システムに関連する文書A及びBの変更履歴を読み込む。
そして、仕様書選択参照装置は、各変更履歴を任意の単位期間で分類する。仕様書選択参照装置は、同じ分類となった変更履歴同士を対応付けた後、記述が変更されたことがある、任意の文書内の任意の箇所(以下、基準箇所という)に着目した場合に、基準箇所と同時期に変更することのある変更箇所(以下、同時期変更箇所という)が、基準変更箇所と同時期に変更される確率(以下、変更確率という)を算出する。
更に、仕様書選択参照装置は、算出した変更確率が、任意の期間の集合で分類したその他の分類と比較した時に、どのように変化するかを分析する。
そして、仕様書選択参照装置は、変更確率の変化が、任意の閾値以上である場合に、これを検出し、仕様・設計情報などの追跡性情報に変化があった可能性があるとして、任意の表示形式で、これをユーザーに表示する。
同時期変更箇所は基準箇所と同時期に記述が変更されたことがある箇所であるため、同時期変更箇所には基準箇所に対する追跡性情報が設けられていると考えられる。同時期変更箇所の基準箇所に対する追跡性情報に変動があると、変更確率も変化すると考えられる。
このため、本実施の形態では、仕様書選択参照装置は、変更確率が大きく変化した場合は同時期変更箇所の基準箇所に対する追跡性情報にも変動があったと推定し、変更確率が大きく変化した同時期変更箇所を出力する。
図1は、本実施の形態に係る仕様書選択参照装置100の機能構成例を示す。
仕様書選択参照装置100は、文書A、Bの変更履歴101を入力とし、文書A及びBにおける追跡性情報が変化した可能性を出力として、ユーザーに提供する。
なお、同時期変更箇所は、前述したように、基準箇所と同時期に記述が変更されたことがある複数の文書内の箇所である。
変更確率分析部103は、同時期変更箇所ごと及び期間ごとに変更確率を算出する。
変更確率分析部103は、後述の追跡性変化検出部104とともに算出部を構成する。
また、変更確率分析部103により行われる動作は、追跡性変化検出部104の動作とともに算出処理を構成する。
また、追跡性変化検出部104は、変更確率の時間推移を解析する。そして、追跡性変化検出部104は、単位期間の集合の範囲で変更確率が既定レベル以上変化している同時期変更箇所を抽出する。
追跡性変化検出部104は、前述した変更確率分析部103とともに算出部を構成する。
また、追跡性変化検出部104により行われる動作は、変更確率分析部103の動作とともに算出処理を構成する。
また、追跡性変化検出部104は、抽出部を構成する。
追跡性変化検出部104により行われる動作は、抽出処理を構成する。
追跡性変化箇所表示部105は、例えば、追跡性変化検出部104により抽出された同時期変化箇所をディスプレイに表示する。
追跡性変化箇所表示部105は、出力部を構成する。
また、追跡性変化箇所表示部105により行われる動作は、出力処理を構成する。
仕様書選択参照装置100は、ハードウェアとして、プロセッサ901及び記憶装置902を備える。
記憶装置902には、履歴読込部102、変更確率分析部103及び追跡性変化検出部104の機能を実現するプログラムが記憶されている。
そして、プロセッサ901がこれらプログラムを実行して、後述する履歴読込部102、変更確率分析部103及び追跡性変化検出部104の動作を行う。
図12では、プロセッサ901が履歴読込部102、変更確率分析部103及び追跡性変化検出部104の機能を実現するプログラムを実行している状態、すなわち、プロセッサ901が履歴読込部102、変更確率分析部103及び追跡性変化検出部104として動作している状態を模式的に表している。
次に、本実施の形態に係る仕様書選択参照装置100の動作例を説明する。
先ず、履歴読込部102の動作例を、図2に示すフローチャートを参照して説明する。
なお、変更履歴の入力手段は特に限定しない。また、一度に入力する文書の数量や、変更履歴の数量も特に限定しない。
図1の例では、履歴読込部102は、文書A、Bの変更履歴101を取得する。
文書AはP301〜P305の変更履歴レコードを含み、文書BはP306〜P310の変更履歴レコードを含んでいるものとする。
各変更履歴レコードは、変更日と変更内容で構成される。変更日には、文書において記述の変更が行われた日が示される。変更内容には、記述の変更があった項目と記述の変更内容が示される。
文書AのP401〜P403、および文書BのP404〜P406はそれぞれ2012年、2013年、2014年という年に分類できる。
つまり、変更確率分析部103は、基準箇所を選択し、選択した基準箇所の記述が変更された1つ以上の単位期間のうちのいずれかの単位期間に記述が変更されたことがある複数の文書データ内の箇所を同時期変更箇所として抽出する。そして、変更確率分析部103は、同時期変更箇所ごとに、基準箇所の記述が変更された単位期間と同じ単位期間に記述が変更された頻度を調査して変更確率を算出する。
図7では、P701の変更履歴、つまり文書Aの3章2節の変更箇所を基準箇所としている。
なお、図7の内容は、P701、P702、P703の符号を除いて、図5の内容と同じである。
具体的には、変更確率分析部103は、図8に示す通りに変更確率を算出する。
文書Aの2章1節は、2012年〜2014年の三年間で、2012年の1回のみ記述が変更されているので、変更確率=33.3%と算出される。一方、文書Bの7章2節は、2012年〜2014年の三年間で2012年と2013年の2回で記述が変更されているので、変更確率=66.6%と算出される。
このように、変更確率分析部103は、単位期間の集合(図8の例では、単位期間:1年の集合である3年)ごとに、各同時期変更箇所の変更確率を算出する。
なお、この確率算出の範囲は必ずしも排他的である必要はなく、変更確率分析部103は、前記例の場合、2012年〜2014年、2014年〜2016年といったように範囲を重複させて確率算出をしてもよい。
追跡性変化検出部104は、例えば、図8に示す変更確率を読み込む。
そして、追跡性変化検出部104は、同時期変更箇所ごとに、変更確率の変化量を算出し、変化量の絶対値が任意の閾値以上の同時期変更箇所を抽出する。
つまり、追跡性変化検出部104は、変更確率の時間推移を解析し、変更確率が既定レベル以上変化している同時期変更箇所を抽出する。
図10では、2012〜2014年、2015〜2017年、2018〜2020年、2021〜2023年の範囲で変更確率を算出して得られた、変更確率の時間推移を示す。
より具体的には、図10では、文書A内の箇所α(基準箇所に相当)の記述を変更した際の文書B内の同時期変更箇所の変更確率の時間推移を示す。
追跡性変化検出部104は、例えば、変更確率を計算した範囲の2つ分、例えば2012〜2014年及び2018〜2020年の範囲と、2015〜2017年及び2021〜2023年の範囲との間で、50%以上変更確率が変化した同時期変更箇所を抽出する。
このため、追跡性変化検出部104は、例えば、図10に示す同時期変更箇所βを抽出する。
これにより、追跡性変化検出部104は、文書間の関連性に変化があった可能性を指摘することができる。
このため、追跡性変化検出部104は、例えば、図10に示す同時期変更箇所γを抽出する。
これにより、追跡性変化検出部104は、文書間の関連性に変化があった可能性を指摘することができる。
このため、追跡性変化検出部104は、同時期変更箇所δは抽出しない。
このため、追跡性変化検出部104は、変更確率が大きく変化した場合は同時期変更箇所の基準箇所に対する追跡性情報にも変動があったと推定し、変更確率が大きく変化した同時期変更箇所を抽出する。
なお、説明の簡明化のため、図11では、図10において示した例と同じ条件の情報が入力された場合の例を示している。
つまり、図11では、変更確率に大きな変化があった同時期変更箇所βの変更確率の時間推移のグラフ(P1101)と同時期変更箇所γの変更確率の時間推移のグラフ(P1102)のみが表示される。
このように、本実施の形態によれば、追跡性変化検出部104で抽出された同時期変更箇所の情報だけが示されることで、ユーザーは効率的に追跡性の変化があった可能性のある箇所を調査することが可能になる。
しかし、追跡性変化箇所表示部105は、追跡性変化検出部104で抽出された同時期変更箇所のグラフに限らず、任意の同時期変更箇所のグラフを表示してもよい。例えば、図10に示すように、追跡性変化箇所表示部105は、全ての同時期変更箇所のグラフを表示してもよい。
最後に、仕様書選択参照装置100のハードウェア構成の補足説明を行う。
図9に示すプロセッサ901は、プロセッシングを行うIC(Integrated Circuit)である。
プロセッサ901は、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)等である。
図9に示す記憶装置902は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)等である。
そして、OSの少なくとも一部がプロセッサ901により実行される。
プロセッサ901はOSの少なくとも一部を実行しながら、履歴読込部102、変更確率分析部103及び追跡性変化検出部104の機能を実現するプログラムを実行する。
プロセッサ901がOSを実行することで、タスク管理、メモリ管理、ファイル管理、通信制御等が行われる。
また、履歴読込部102、変更確率分析部103及び追跡性変化検出部104の処理の結果を示す情報、データ、信号値及び変数値の少なくともいずれかが、記憶装置902、プロセッサ901内のレジスタ及びキャッシュメモリの少なくともいずれかに記憶される。
また、履歴読込部102、変更確率分析部103及び追跡性変化検出部104の機能を実現するプログラムは、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ブルーレイ(登録商標)ディスク、DVD等の可搬記録媒体に格納されていてもよい。
また、仕様書選択参照装置100は、処理回路により実現されてもよい。処理回路は、例えば、ロジックIC(Integrated Circuit)、GA(Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field−Programmable Gate Array)である。
この場合は、履歴読込部102、変更確率分析部103及び追跡性変化検出部104は、それぞれ処理回路の一部として実現される。
なお、本明細書では、プロセッサと、メモリと、プロセッサとメモリの組合せと、処理回路との上位概念を、「プロセッシングサーキットリー」という。
つまり、プロセッサと、メモリと、プロセッサとメモリの組合せと、処理回路とは、それぞれ「プロセッシングサーキットリー」の具体例である。
Claims (7)
- 複数の文書データのうちの任意の文書データ内の任意の箇所である、記述が変更されたことがある基準箇所と同時期に記述が変更されたことがある前記複数の文書データ内の1つ以上の箇所である同時期変更箇所ごとに、前記基準箇所と同時期に記述が変更された比率である同時期変更率を算出し、同時期変更率の時間推移を導出する算出部と、
前記同時期変更率の時間推移を解析し、前記同時期変更率が既定レベル以上変化している同時期変更箇所を抽出する抽出部と、
前記抽出部により抽出された同時期変化箇所を出力する出力部とを有する情報処理装置。 - 前記算出部は、
前記複数の文書データから、単位期間ごとに、記述が変更された複数の箇所を抽出し、
抽出された複数の箇所の中から前記基準箇所を選択し、
選択した前記基準箇所の記述が変更された1つ以上の単位期間のうちのいずれかの単位期間に記述が変更されたことがある前記複数の文書データ内の箇所を同時期変更箇所として抽出し、
同時期変更箇所ごとに、前記基準箇所の記述が変更された単位期間と同じ単位期間に記述が変更された頻度を算出して前記同時期変更率を算出する請求項1に記載の情報処理装置。 - 前記算出部は、
任意の複数の単位期間の集合ごとに、各同時期変更箇所の同時期変更率を算出し、
算出した同時期変更率を時系列に並べて、前記同時期変更率の時間推移を算出する請求項1に記載の情報処理装置。 - 前記出力部は、
前記抽出部により抽出された同時期変化箇所の同時期変更率の時間推移を出力する請求項1に記載の情報処理装置。 - 前記出力部は、
任意の同時期変化箇所の同時期変更率の時間推移を出力する請求項1に記載の情報処理装置。 - コンピュータが、複数の文書データのうちの任意の文書データ内の任意の箇所である、記述が変更されたことがある基準箇所と同時期に記述が変更されたことがある前記複数の文書データ内の1つ以上の箇所である同時期変更箇所ごとに、前記基準箇所と同時期に記述が変更された比率である同時期変更率を算出し、同時期変更率の時間推移を導出する算出処理と、
前記コンピュータが、前記同時期変更率の時間推移を解析し、前記同時期変更率が既定レベル以上変化している同時期変更箇所を抽出する抽出処理と、
前記コンピュータが、前記抽出処理により抽出された同時期変化箇所を出力する出力処理とを有する情報処理方法。 - 複数の文書データのうちの任意の文書データ内の任意の箇所である、記述が変更されたことがある基準箇所と同時期に記述が変更されたことがある前記複数の文書データ内の1つ以上の箇所である同時期変更箇所ごとに、前記基準箇所と同時期に記述が変更された比率である同時期変更率を算出し、同時期変更率の時間推移を導出する算出処理と、
前記同時期変更率の時間推移を解析し、前記同時期変更率が既定レベル以上変化している同時期変更箇所を抽出する抽出処理と、
前記抽出処理により抽出された同時期変化箇所を出力する出力処理とをコンピュータに実行させる情報処理プログラム。
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