JP6984167B2 - ワーク姿勢調整装置 - Google Patents
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Description
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、姿勢調整に要するアクチュエータの出力を低減可能なワーク姿勢調整装置を提供することにある。
プレートは、ワーク(80)を保持可能であって、少なくとも1軸を中心にベースに対して回転可能に設けられる。アクチュエータは、プレートを回転させる駆動力を出力する。カム部材は、アクチュエータにより回転駆動される。カム部材は、アクチュエータの回転軸と同軸に設けられる基部(27、57)、および、基部から偏芯して突出し、周壁が前記ガイド部に当接する偏芯部(28、58)を有する偏芯ピンである。カムブロックは、カム部材をガイドするガイド部(36、66)が形成され、カム部材の回転によりプレートと一体に駆動される。付勢部材は、カム部材がカムブロックに押し付けられるように付勢する。ベースとプレートとが水平であるとき、プレートの回転軸方向から見て、プレートの回転中心と、カム部材の回転中心と、カム部材の偏芯中心とが、同一直線上に配列される。
(第1実施形態)
第1実施形態によるワーク姿勢調整装置を図1〜図10に基づいて説明する。以下、複数の実施形態において、実質的に同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
図1および図2に示すように、ワーク姿勢調整装置1は、例えばセラミック等のコーティング材に浸漬して表面コーティングを施すワーク80を保持するものであって、ベース10、プレート11、および、姿勢調整ユニット20、50等を備える。本実施形態では、ワーク80の傾きを機外にて測定しておき、ワーク姿勢調整装置1にてワーク80の傾きを調整する。そして、図示しない加工部にワーク80を垂直に挿入することで、ワーク80に均一な被膜を形成することができる。
ワーク保持プレート12は、平面視略矩形に形成され、略中央に、加工対象であるワーク80を保持するワーク保持ブロック13が設けられる。
中継プレート15は、ワーク保持プレート12の外縁を囲むように、矩形環状に形成される。ベース10は、中継プレート15の外縁を囲むように、矩形環状に形成される。すなわち、ワーク保持プレート12、中継プレート15、および、ベース10は、内側からこの順で配列される。中継プレート15およびワーク保持プレート12は、ベース10に対して第2軸としてのA軸方向に回転可能に設けられる。ワーク保持プレート12は、ベース10および中継プレート15に対して第1軸としてのB軸方向に回転可能に設けられる。
第1姿勢調整ユニットとしての姿勢調整ユニット50は、モータ51により、ワーク80の中心を通り、A軸に直交するB軸を中心にワーク保持プレート12を回転させることで、ワーク80のB軸周りの傾斜角度を調整する。中継プレート15は、モータ51の回転により駆動されない。
換言すると、ワーク保持プレート12は、A軸およびB軸周りに回転可能であり、中継プレート15は、A軸周りに回転可能であって、B軸周りに回転不能である。
本実施形態では、モータ21、51が「アクチュエータ」に対応する。
以下、「水平」、「平行」、「垂直」、「同一直線上」といった文言については、設計誤差程度のズレは許容されるものとする。
モータ21は、ベース10に設けられる。モータ21の回転軸は、継手22を介して偏芯ピン26と接続される。これにより、偏芯ピン26は、モータ21の回転により回転する。
偏芯ピン26は、基部27、および、偏芯部28を有する。
カムブロック30は、底壁31、および、底壁31のモータ21側から立ち上がって形成される立設壁35を有し、側面視略L字状に形成される。立設壁35には、偏芯部28が挿入されるガイド部としてのガイド穴36が形成される。カムブロック30には、プランジャ40が設けられる。プランジャ40は、カムブロック30を鉛直方向下側に付勢することで、偏芯部28をガイド穴36の上斜面37(図5参照)に押し付ける。
モータ51は、中継プレート15に設けられる。モータ51の回転軸は、継手52を介して偏芯ピン56と接続される。これにより、偏芯ピン56は、モータ51の回転により回転する。
偏芯ピン56は、基部57、および、偏芯部58を有する。
カムブロック60は、底壁61、および、底壁61のモータ51側から立ち上がって形成される立設壁65を有し、側面視略L字状に形成される。立設壁65には、偏芯部58が挿入されるガイド部としてのガイド穴66が形成される。カムブロック60には、プランジャ70が設けられる。プランジャ70は、カムブロック60を鉛直方向下側に付勢することで、偏芯部58をガイド穴66の上斜面に押し付ける。
図3に示すように、偏芯ピン26の基部27は、モータ21の回転軸と同軸に設けられる。基部27は、モータ21の回転軸と同軸であれば、どのような形状であってもよい。偏芯部28は、円柱状に形成され、基部27の先端側に突出する。図5に示すように、偏芯部28の軸中心である偏芯中心C1は、偏芯ピン26の回転中心C2とはずれている。図6(a)に示すように、中継プレート15が水平のとき、偏芯部28は、偏芯中心C1が、回転中心C2および中継プレート15の回転中心C3と、同一直線上となるように設けられる。本実施形態では、中継プレート15が水平のとき、偏芯中心C1、回転中心C2、中継プレート15の回転中心C3の順に配列される。
以下、偏芯ピン26の回転角度をθe、中継プレート15の回転角度をθpとする。
図4に示すように、底壁31において、中継プレート15の上側に配置される領域を固定領域32、ベース10の上側に配置される領域を突出領域33とする。固定領域32は、底面にて中継プレート15と当接し、ボルト等にて中継プレート15に固定される。突出領域33は、固定領域32よりも板厚が薄くなるように、底面側に段差34が形成されている。これにより、カムブロック30とベース10とは離間している。
モータ21の回転により、偏芯部28の周壁がガイド穴36の内壁と当接しつつ回転することで、ワーク保持プレート11および中継プレート15がA軸周りに回転する。
図6に示すように、先端部41は、中継プレート15がベース10に対して水平であるとき、ベース10の上側面に当接する。図7に示すように、中継プレート15が正方向に傾斜している状態のとき、先端部41がベース10に当接した状態にてスプリングが押し縮められ、カムブロック30がベース10側に付勢される。これにより、偏芯部28が上斜面37側に片寄せされる。図8に示すように、中継プレート15が負方向に傾斜している状態のとき、先端部41とベース10とは離間している。
W=F×Δx ・・・(1)
式(1)より、仕事Wが一定であれば、変位Δxが小さくなると、力Fが大きくなる。
図10に示すように、偏芯ピン26が0°から90°まで回転するとき、回転角度θeが90°に近づくほどプランジャ40のスプリングの縮み代が大きくなるので、ばね荷重Pspが大きくなる。
プレート11は、加工対象であるワーク80を保持可能であり、少なくとも1軸を中心にベース10に対して回転可能に設けられる。モータ21、51は、プレート11を回転させる駆動力を出力する。
カムブロック30は、偏芯ピン26をガイドするガイド穴36が形成され、偏芯ピン26の回転により、中継プレート15と一体に駆動される。カムブロック60は、偏芯ピン56をガイドするガイド穴66が形成され、偏芯ピン56の回転により、ワーク保持プレート12と一体に駆動される。
これにより、倍力機構25、55により倍力される領域を有効に利用できるので、ワーク80の姿勢調整可能範囲を広げることができる。
本実施形態では、姿勢調整ユニット20、50のいずれにもカムによる倍力機構25、55が用いられる。これにより、モータ21、51として、低出力のモータを選択することができる。
これにより、倍力機構25を適切に構成することができる。
本発明の第2実施形態を図11および図12に示す。本実施形態では、カム部材の形状が第1実施形態と異なるので、この点を中心に説明する。上記実施形態と同様、姿勢調整ユニット20、50の機構は同様であるので、ここでは、姿勢調整ユニット20の偏芯ピン26に替えて板カム126を用いる例を説明する。なお、姿勢調整ユニット50の偏芯ピン56に替えて本実施形態の板カム126を用いてもよい。
図12は、図10と対応する図であって、ばね荷重Pspおよび荷重換算値Pc、Pxは図10と同様である。板カム126は、荷重換算値Pcaが、ばね荷重Pspの増加に応じて倍力する等加速度カムである。等加速度カムを用いることで、矢印A2で示すように、プランジャ40のスプリングを押し縮めるのに要する荷重換算値Pca0をより低減可能である。すなわち、カム部材として等加速度カムを用いることで、モータ21の必要トルクがより低減され、より低出力のモータを選定することができる。
また、上記実施形態と同様の効果を奏する。
上記実施形態では、プレートには、ワーク保持プレートおよび中継プレートが含まれ、A軸周りの角度調整、および、B軸周りの角度調整にカム部材およびカムブロックが用いられる。他の実施形態では、A軸周りの角度調整、または、B軸周りの角度調整に、カム部材およびカムブロックを用いなくてもよい。また、ワーク姿勢調整装置は、中継プレートを省略し、1軸方向の角度を調整するものであってもよい。
上記実施形態では、カム部材は、プランジャにてカムブロックを鉛直方向下側に付勢することで、ガイド穴の上斜面に片寄せされる。他の実施形態では、付勢部材は、その付勢力により、カム部材を下側の斜面に片寄せするようにしてもよい。この場合、カムブロックにガイド穴を形成する必要はなく、例えばカムブロックの上側面に、カム部材をガイドする傾斜面を形成し、当該傾斜面を「ガイド部」としてもよい。
上記実施形態では、ワーク姿勢調整装置は、コーティング材に浸漬され、コーティング処理されるワークを保持するものである。他の実施形態では、ワーク姿勢調整装置は、コーディング処理以外の加工処理が施されるワークを保持するものであってもよい。
以上、本発明は、上記実施形態になんら限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施可能である。
10・・・ベース
11・・・プレート
12・・・ワーク保持プレート 15・・・中継プレート
21、51・・・モータ
26、56・・・偏芯ピン(カム部材)
30、60・・・カムブロック
36、66・・・ガイド穴(ガイド部)
40、70・・・プランジャ(付勢部材)
126・・・板カム(カム部材)
Claims (2)
- ベース(10)と、
ワーク(80)を保持可能であり、少なくとも1軸を中心に前記ベースに対して回転可能に設けられるプレート(11)と、
前記プレートを回転させる駆動力を出力するアクチュエータ(21、51)と、
前記アクチュエータにより回転駆動されるカム部材(26、56)と、
前記カム部材をガイドするガイド部(36、66)が形成され、前記カム部材の回転により前記プレートと一体に駆動されるカムブロック(30、60)と、
前記カム部材が前記カムブロックに押し付けられるように付勢する付勢部材(40、70)と、
を備え、
前記カム部材は、前記アクチュエータの回転軸と同軸に設けられる基部(27、57)、および、前記基部から偏芯して突出し、周壁が前記ガイド部に当接する偏芯部(28、58)を有する偏芯ピンであり、
前記ベースと前記プレートとが水平であるとき、前記プレートの回転軸方向から見て、前記プレートの回転中心と、前記カム部材の回転中心と、前記カム部材の偏芯中心とが、同一直線上に配列されるワーク姿勢調整装置。 - 前記プレートは、
前記ワークを保持するワーク保持ブロック(13)が設けられ、第1軸を中心に回転可能であるワーク保持プレート(12)と、
前記ワーク保持プレートと前記ベースとの間に設けられ、前記第1軸に直交する第2軸を中心に前記ワーク保持プレートと一体に回転可能である中継プレート(15)と、
を有し、
前記カム部材および前記カムブロックは、前記第1軸を中心に前記プレートを駆動する第1姿勢調整ユニット(50)、および、前記第2軸を中心に前記プレートを駆動する第2姿勢調整ユニット(20)の少なくとも一方に設けられる請求項1に記載のワーク姿勢調整装置。
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