以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して具体的に説明する。
図1は、第1実施形態に係る駐車支援装置が適用された車1の構成を示すブロック図である。図1に示すように、車1は、駐車支援ECU(Electronic Control Unit)2、複数の撮影装置3、各種センサ4、操作装置5、スピーカ6、および、複数の表示装置7を備えている。なお、車1はその他の構成も備えているが、図1においては記載を省略している。以下の説明では、車1の進行方向を前方向として、車1の車幅方向を左右方向とする。
本実施形態における車1は、フェンダミラーやドアミラーなどのアウターリアビューミラーとして、光学式ミラーの替わりに電子ミラーシステムを搭載する。なお、光学式ミラーとは、光の反射を利用して、鏡像を映し出すものをさす。電子ミラーシステムは、車1の後方や側方などの運転者の死角になる領域を撮影装置(後述する右側後方カメラ31および左側後方カメラ32)で撮影し、運転者が視認しやすい位置に設置された表示装置(後述する右サイドモニタ71および左サイドモニタ72)に撮影された画像を表示させる。電子ミラーシステムにおける撮影装置は、一般的に従来の光学式ミラーが設置されていたところと同様の位置に設置される。電子ミラーシステムにおける撮影装置は、光学式ミラーよりも小型化が可能であるため、走行中の空気抵抗を減らすことができる。したがって、車1の燃費の向上に寄与する。
複数の撮影装置3は、それぞれ、車1の外部周辺画像を撮影する。各撮影装置3は、例えば、CCDやCMOSなどの撮像素子を備え、所定の撮影領域を所定のフレームレートで撮影する。本実施形態においては、複数の撮影装置3には、右側後方カメラ31、左側後方カメラ32、右側方カメラ33、左側方カメラ34、前方カメラ35、および、後方カメラ36がある。
右側後方カメラ31は、車1の右側後方の画像を撮影する。右側後方カメラ31は、少なくとも従来の右側の光学式アウターリアビューミラーが写す範囲を撮影する。右側後方カメラ31は、上述するように、電子ミラーシステムにおける撮影装置である。右側後方カメラ31は、車1の右側に取り付けられた棒状の支持部材の先端に支持されている。以下の説明において、右側後方カメラ31が撮影した画像を「右側ミラー画像」という。右側後方カメラ31は、本発明の「撮影手段」に相当する。また、右側ミラー画像は、本発明の「外部画像」に相当する。
左側後方カメラ32は、車1の左側後方の画像を撮影する。左側後方カメラ32は、少なくとも従来の左側の光学式アウターリアビューミラーが写す範囲を撮影する。左側後方カメラ32は、上述するように、電子ミラーシステムにおける撮影装置である。左側後方カメラ32は、車1の左側に取り付けられた棒状の支持部材の先端に支持されている。以下の説明において、左側後方カメラ32が撮影した画像を「左側ミラー画像」という。左側後方カメラ32は、本発明の「撮影手段」に相当する。また、左側ミラー画像は、本発明の「外部画像」に相当する。
右側方カメラ33は、車1の右側面および路面を含めて、車1の右側の画像を撮影する。右側方カメラ33は、例えば、右側後方カメラ31を支持する上記支持部材(たとえば路面に対向する部分)に取り付けられており、取り付け位置の前方および後方の両方を含んだ画像を撮影する。
左側方カメラ34は、車1の左側面および路面を含めて、車1の左側の画像を撮影する。左側方カメラ34は、例えば、左側後方カメラ32を支持する上記支持部材(たとえば路面に対向する部分)に取り付けられており、取り付け位置の前方および後方の両方を含んだ画像を撮影する。
前方カメラ35は、車1の前面および路面を含めて、車1の前方の画像を撮影する。前方カメラ35は、例えば車1の前部の車幅方向中央付近に取り付けられている。
後方カメラ36は、車1の後面および路面を含めて、車1の後方の画像を撮影する。後方カメラ36は、例えば車1のバックドアの車幅方向中央付近に取り付けられている。
なお、これらのカメラ31〜36は、必要な領域の画像を撮影可能であれば、その取り付け位置は限定されない。各カメラ31〜36が撮影した画像データは、駐車支援ECU2に出力される。そして、これらの画像データは、駐車支援ECU2によって、各表示装置7に表示するときに適した画像に処理される。
各種センサ4は、各種検出値を検出して、駐車支援ECU2に出力する。各種センサ4には、ハンドルの操舵角を検出する舵角センサ、車1の各車輪の車輪速を検出する車速センサ、ブレーキペダルの操作量を検出するブレーキセンサ、アクセルペダルの操作量を検出するアクセルセンサ、シフトレバーの操作に連動して変化するシフトポジションを検知するシフトポジションセンサなどが含まれる。なお、上記したものは、一例であり、これらに限定されない。
スピーカ6は、音声を出力するものであり、駐車支援ECU2より入力される音声信号に基づいて、音声を出力する。
複数の表示装置7は、それぞれ例えばLCD(液晶表示装置)によって構成されており、車1の車内に配置されている。なお、各表示装置7は、LCDに限定されず、有機ELディスプレイやプラズマディスプレイなどであってもよい。複数の表示装置7はすべて、運転者から視認容易な位置に取り付けられている。複数の表示装置7には、右サイドモニタ71、左サイドモニタ72、および、コンソールモニタ73がある。
右サイドモニタ71は、車幅方向右寄りに配置されている。右サイドモニタ71は、例えばダッシュボードにおける車幅方向右側の位置、車幅方向右側のピラー、あるいは、右側前席ドアなどに配置されている。右サイドモニタ71には、通常走行時、右側ミラー画像が表示され、駐車支援時、目標駐車位置に駐車するための駐車支援情報に基づく表示を右側ミラー画像に重畳させた駐車支援画像(後述の右用駐車支援画像)が表示される。右サイドモニタ71は、上述するように、電子ミラーシステムにおける表示装置である。右サイドモニタ71は、本発明の「表示手段」に相当する。
左サイドモニタ72は、車幅方向左寄りに配置されている。左サイドモニタ72は、例えばダッシュボードにおける車幅方向左側の位置、車幅方向左側のピラー、あるいは、左側前席ドアなどに配置されている。左サイドモニタ72には、通常走行時、左側ミラー画像が表示され、駐車支援時、目標駐車位置に駐車するための駐車支援情報に基づく表示を左側ミラー画像に重畳させた駐車支援画像(後述の左用駐車支援画像)が表示される。左サイドモニタ72は、上記するように、電子ミラーシステムにおける表示装置である。左サイドモニタ72は、本発明の「表示手段」に相当する。
コンソールモニタ73は、車1のセンターコンソール部分に設置される。コンソールモニタ73は、駐車支援時に、駐車支援ECU2より入力される画像信号に基づいて、俯瞰画像を表示する。なお、コンソールモニタ73は、ナビゲーションシステムなどのディスプレイと兼用してもよい。この場合、操作装置5より駐車支援の開始を指示する操作信号が入力された場合に、ナビゲーション画面から駐車支援用の画面(俯瞰画像や駐車支援画像など)に切り替えるようにすればよい。
操作装置5は、運転者(または同乗者)によって操作されて、操作に応じた操作信号を駐車支援ECU2に出力するものである。本実施形態では、操作装置5は、コンソールモニタ73の画面上に配置されたタッチパネルである。コンソールモニタ73の画面上に表示されたボタンなどが指先で操作されると、タッチパネルがタッチ位置を読み取って、対応した操作信号を出力する。なお、操作装置5はこれに限定されず、操作ボタンやジョイスティックなどの入力デバイスであってもよい。運転者(または同乗者)は、操作装置5の操作によって、駐車支援ECU2に、駐車支援の開始を指示したり、目標駐車位置を指定したりすることができる。
駐車支援ECU2は、駐車支援を行うための電子制御ユニットであり、CPUおよびメモリを備えたマイクロコンピュータによって実現されている。駐車支援ECU2は、各撮影装置3から入力される画像データ、各種センサ4より入力される各検出信号、および、操作装置5より入力される操作信号に基づいて、駐車支援のための制御を行う。本実施形態においては、駐車支援ECU2は、車1の駐車支援のための各種制御を行う。駐車支援ECU2が、本発明の「駐車支援装置」に相当する。
駐車支援ECU2は、機能ブロックとして、車両状態特定部21、俯瞰画像作成部22、駐車枠検出部23、目標駐車位置設定部24、軌道作成部25、支援画像作成部26、および、画像音声制御部27を備えている。
車両状態特定部21は、現在の車1の状態(以下、「車両状態」という)を特定する。車両状態は、各種センサ4から入力される検出信号に基づいて特定される。本実施形態においては、車両状態特定部21は、車両状態として、車1の現在位置、ハンドルの操舵角、ブレーキペダルの操作量、アクセルペダルの操作量、車速、および、シフトポジションなどを特定する。
俯瞰画像作成部22は、俯瞰画像を作成する。俯瞰画像は、車1の上方の仮想視点から見下ろしたように表示された画像である。俯瞰画像作成部22は、右側方カメラ33、左側方カメラ34、前方カメラ35、および、後方カメラ36より入力される画像データから、所定の画像処理により、俯瞰画像を作成する。
駐車枠検出部23は、俯瞰画像作成部22が作成した俯瞰画像から、駐車枠を検出する。駐車枠検出部23は、例えば白線を検出し、白線によって形成された矩形状の領域を駐車枠として検出する。なお、駐車枠を検出する方法は限定されない。パターンマッチングなどの画像認識処理によって、駐車枠を検出するようにしてもよい。駐車枠を形成する線は、白線に限られず、黄線やその他の色の線の場合があるし、また、破線の場合もある。また、駐車枠は、矩形状に形成されている場合に限られず、平行四辺形の形状に形成されている場合や、2本の平行線のみで形成されている場合などもある。これらの場合にも、駐車枠として検出できるのが望ましい。
目標駐車位置設定部24は、目標駐車位置を設定する。目標駐車位置設定部24は、駐車枠検出部23が検出した駐車枠の中から、車1を駐車するための駐車枠(以下、「目標駐車枠」という)を選択する。目標駐車枠は、駐車枠検出部23が検出した駐車枠の中から、所定のアルゴリズムにしたがって自動的に選択される。なお、駐車枠検出部23が検出した駐車枠をすべて(またはある程度選択して)コンソールモニタ73に表示し、操作装置5の操作によって、運転者に目標駐車枠を選択させるようにしてもよい。また、駐車枠検出部23による駐車枠の検出および表示を行わず、運転者が操作装置5の操作によって、俯瞰画像上に目標駐車枠を設定するようにしてもよい。そして、目標駐車枠内の所定の位置を目標駐車位置として設定する。所定の位置は、たとえば目標駐車枠の中心位置である。また、俯瞰画像を用いず、その他の手法で目標駐車位置を設定するようにしてもよい。例えば、超音波センサ(ソナー)によって駐車スペースを検出し、検出された駐車スペースから車1を駐車するための駐車スペースを選択して、目標駐車位置に設定してもよい。目標駐車位置の設定方法は限定されない。
軌道作成部25は、車1の現在位置から、目標駐車位置に駐車するための理想的な駐車軌道(以下、「理想軌道」という)を作成する。理想軌道は、車両状態特定部21が特定した車両状態(特に車1の現在位置)と、目標駐車位置設定部24が設定した目標駐車位置とに基づいて作成される。なお、理想軌道を作成するアルゴリズムは特に限定されない。
支援画像作成部26は、車1の駐車支援を行うための駐車支援画像を作成する。具体的には、支援画像作成部26は、車1を目標駐車位置に駐車するための駐車支援情報を取得する。そして、取得した駐車支援情報に基づく表示を、右側ミラー画像および左側ミラー画像にそれぞれ重畳させて、駐車支援画像を作成する。なお、駐車支援情報に基づく表示を右側ミラー画像に重畳させた駐車支援画像を「右用駐車支援画像」といい、駐車支援情報に基づく表示を左側ミラー画像に重畳させた駐車支援画像を「左用駐車支援画像」という。本実施形態における駐車支援情報には、たとえば、目標駐車枠に関する情報、注目ポイントに関する情報、および、運転操作に関する情報が含まれる。なお、これ以外の情報が含まれていてもよい。目標駐車枠に関する情報は、右側ミラー画像および左側ミラー画像における目標駐車枠を報知するための情報である。注目ポイントに関する情報は、駐車時において右側ミラー画像および左側ミラー画像で注目すべきポイントを報知するための情報である。なお、注目すべきポイントとしては、たとえば、車1の側面、路面上の駐車枠の線、障害物(たとえば他車や壁、建築物など)、および、これらの境界などの、右側ミラー画像および左側ミラー画像に表示される特徴物が抽出される。運転操作に関する情報は、車1を理想軌道に沿って走行させるために必要な運転操作を報知するための情報である。これらの情報は、イメージデータとテキストデータとのいずれかあるいは両方によって構成される。駐車支援情報は、車両状態、理想軌道、および、各撮影装置3が撮影した各画像データなどに基づいて記憶部(図示略)から読み出されることで、支援画像作成部26によって取得される。あるいは、駐車支援情報は、車両状態、理想軌道、および、各撮影装置3が撮影した各画像データなどに基づいて作成されることで、支援画像作成部26によって取得される。
画像音声制御部27は、駐車支援のための報知制御を行う。本実施形態においては、画像音声制御部27は、右用駐車支援画像を右サイドモニタ71に表示させる。また、画像音声制御部27は、左用駐車支援画像を左サイドモニタ72に表示させる。さらに、画像音声制御部27は、駐車支援情報に基づく音声をスピーカ6に出力させる。なお、画像音声制御部27は、駐車支援が開始されると、俯瞰画像作成部22が作成した俯瞰画像をコンソールモニタ73に表示させる。画像音声制御部27が、本発明の「表示制御手段」に相当する。
次に、第1実施形態に係る駐車支援ECU2が行う駐車支援処理を、図2に示すフローチャートを参照して、以下に説明する。
図2は、駐車支援処理の一例を示している。本実施形態においては、駐車支援処理は、例えば、操作装置5より駐車支援の開始を指示する操作信号が入力された場合に開始される。なお、シフト操作によりRレンジ(後進レンジ)が選択された場合、車速が例えば時速10km以下となった場合など、駐車を行う意思を示す動作があった場合に開始されるようにしてもよい。
駐車支援処理が開始されると、まず俯瞰画像作成部22によって俯瞰画像が作成される(S11)。具体的には、右側方カメラ33、左側方カメラ34、前方カメラ35、および、後方カメラ36からそれぞれ、画像データが駐車支援ECU2に入力され、俯瞰画像作成部22が、これらの画像データを用いて俯瞰画像を作成する。このとき、作成された俯瞰画像は、画像音声制御部27によって、コンソールモニタ73に表示される。なお、コンソールモニタ73には、俯瞰画像の代わりにあるいはこれに追加して、他の画像を表示させてもよい。たとえば、他の画像として、車1の前進時には前方カメラ35が撮影した画像、車1の後退時には後方カメラ36が撮影した画像などを表示させてもよい。また、俯瞰画像および各カメラ33〜36の画像データをすべて表示させてもよい。
次に、目標駐車位置設定部24によって目標駐車位置の設定が行われる(S12)。具体的には、駐車枠検出部23が作成された俯瞰画像から駐車枠を検出し、そして、目標駐車位置設定部24が検出された駐車枠の中から目標駐車枠の選択および目標駐車位置の設定を行う。
次に、軌道作成部25によって理想軌道の作成が行われる(S13)。具体的には、軌道作成部25が、車1の現在位置から目標駐車位置までの理想軌道を作成する。
図3は、軌道作成部25によって作成された理想軌道を説明するための図である。図3では、車1が点Psに位置するときに、駐車支援処理が開始されたとして説明する。図3において、点Psは、たとえば車1の中心位置としている(点P11,Pg1も同様)。点Psにおいて駐車支援処理の開始処理が実行され、複数の駐車枠のうち選択された目標駐車枠K1から点Pg1に示される位置が目標駐車位置として設定されたとする。このとき、開始位置Psから目標駐車位置Pg1に駐車するには、切り返しが必要となるので、理想軌道として軌道L11および軌道L12が作成される。軌道L11は開始位置Psから切り返し位置P11までの理想軌道であり、軌道L12は切り返し位置P11から目標駐車位置Pg1までの理想軌道である。なお、理想軌道は、開始位置を基準とした位置情報の集合である。
次に、車両状態特定部21によって車1の現在の車両状態の特定が行われる(S14)。具体的には、車両状態特定部21が、各種センサ4から入力される検出値に基づいて、車1の現在位置、ハンドルの操舵角(操舵量)、アクセルの操作量、ブレーキの操作量、シフトポジションなどの車両状態を特定する。
次に、支援画像作成部26によって駐車支援画像の作成が行われる(S15)。具体的には、支援画像作成部26は、駐車支援情報を取得し、取得した駐車支援情報に基づく表示を右側ミラー画像および左側ミラー画像にそれぞれ重畳させて、右用駐車支援画像および左用支援画像を作成する。
次に、画像音声制御部27によって駐車支援画像の報知処理が行われる(S16)。具体的には、画像音声制御部27が、右用駐車支援画像を右サイドモニタ71に表示させ、また、左用駐車支援画像を左サイドモニタ72に表示させる。さらに、画像音声制御部27は、駐車支援情報に基づく音声をスピーカ6に出力させる。
図4は、左サイドモニタ72に表示される左用駐車支援画像の一例を示している。図4に示す左用駐車支援画像は、車1が図5に示す点Pxを走行しているときの一例である。図5に示す駐車支援開始位置(点Ps)、目標駐車位置(点Pg1)、理想軌道(軌道L11,L12)、切り返し位置(点P11)は、図3に示すものと同じである。図5に示す状況においては、車1は、軌道L11を走行しているときであって、理想軌道上の切り返し位置P11に到達する前である。なお、図5において、領域RRは右側後方カメラ31の撮影領域を示しており、領域RLは左側後方カメラ32の撮影領域を示している。図4に示す例においては、駐車支援情報に含まれる各情報が次のように表示されている。すなわち、運転操作に関する情報がコメントC1として、注目ポイントに関する情報が図形Z1,Z2として、目標駐車枠に関する情報が図形F1として表示されている。図5は車1が理想軌道上の切り返し位置P11に到達する前の状況を示しているので、図4に示すコメントC1は車1を切り返し位置P11に誘導するための情報である。このコメントC1においては、車1の側面、路面、および、複数の駐車枠を区切る線などの特徴物を用いて、これらの特徴物同士の位置関係がどのような状態となるように運転操作すると、理想軌道に沿って走行できるかが提示されている。なお、スピーカ6からはこのコメントC1の内容が音声出力される。図4に示す図形Z1は、コメントC1に示す「車両の側面と路面との境界」を示したものである。図4に示す図形Z2は、コメントC1に示す「駐車枠のこの端(図4において目標駐車枠の右下の端)」を示すためのものである。さらに、図4に示す図形F1は、右側ミラー画像および左側ミラー画像に表示される目標駐車枠K1を示している。運転者は、左サイドモニタ72に表示される左用駐車支援画像を確認しつつ、車1の運転操作を行う。
次に、車1の駐車が終了したか否かの判断が行われる(S17)。駐車が終了したか否かの判断は、例えば、シフト操作によりPレンジ(パーキングレンジ)が選択されたか否か、俯瞰画像に基づき車1が目標駐車枠K1内に位置することを認識したか否か、運転者による操作装置5の操作により駐車支援を終了する旨の操作が入力されたか否かにより判断すればよい。なお、駐車が終了したか否かの判断は上記したものに限定されない。また、1つの判断条件に基づいて判断しても、複数の判断条件に基づいて判断してもよい。ステップS17で、まだ駐車が終了していないと判断されると(S17:NO)、ステップS14からステップS17までの処理を繰り返し行う。一方、ステップS17で、駐車が終了したと判断されると(S17:YES)、駐車支援処理を終了する。
本実施形態においては、以上のようにして、駐車支援処理が行われる。これにより、運転者は、右サイドモニタ71に表示される右用駐車支援画像および左サイドモニタ72に表示される左用駐車支援画像を確認しながら、運転操作することで、車1を理想軌道に沿って走行させることができる。よって、車1を目標駐車位置に駐車させることができる。なお、上記した駐車支援処理は一例であってこれに限定されない。例えば、ステップS17で、まだ駐車が終了していないと判断された場合に、ステップS13からステップS16までの処理を繰り返し行うように構成してもよい。すなわち、軌道作成部25による理想軌道の作成が駐車支援中に随時行われるように構成してもよい。
次に、第1実施形態に係る駐車支援ECU2の作用および効果について説明する。
本実施形態によると、車1を理想軌道に沿って走行させるための駐車支援情報に基づく表示が、右サイドモニタ71に表示される右側ミラー画像、および、左サイドモニタ72に表示される左側ミラー画像に重畳表示される。すなわち、右サイドモニタ71および左サイドモニタ72に駐車支援画像が表示される。そして、運転者は、表示された駐車支援画像を確認することで右側ミラー画像および左側ミラー画像のそれぞれに表示される特徴物同士がどのような位置関係となるように駐車すればよいかを理解しながら、自分で運転操作(ハンドルの操舵、アクセルおよびブレーキの操作、および、シフト操作など)を行う。よって、駐車時にどのようなことを確認しながら、どのように運転操作を行うとよいかを理解できる。以上のことから、駐車支援ECU2は、運転者の駐車技量の向上、特に、右側ミラー画像および左側ミラー画像を確認しながらの駐車技量の向上を図ることができる。このため、運転者が、自動操舵を行わない車を運転するときでも、光学式アウターリアビューミラーに写る鏡像を確認しながら自分で駐車できるようになる。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態に係る駐車支援装置が適用された車1の構成は、上記第1実施形態(図1参照)と同様であるため、その説明を省略する。なお、第1実施形態と同じあるいは類似する構成要素には、同一の符号を付してその説明を省略する。第1実施形態においては、駐車支援情報に含まれる運転操作に関する情報が、理想軌道に沿って車1を走行させるために必要な運転操作の情報である場合を示した。第2実施形態においては、運転操作に関する情報が、車1の現在位置と理想軌道とのずれを補正するために必要な運転操作の情報である場合を示す。この点で、第1実施形態と異なる。
本実施形態に係る支援画像作成部26は、上記第1実施形態と同様に、駐車支援情報を取得し、駐車支援画像を作成する。ただし、本実施形態に係る支援画像作成部26は、所定の報知条件を満たした場合に、車1の現在位置が理想軌道からずれているか否かを判断し、当該判断結果に基づいて駐車支援画像を作成する。所定の報知条件は、所定の位置(たとえば切り返し位置)に到達したこと、操作装置5に所定の操作(たとえば報知実行操作)が入力されたことなどである。所定の位置に到達したか否かの判断は、車両状態特定部21が特定した車両状態に基づいて判断され、たとえば切り返し位置に到達したか否かは、車速がゼロになったか否か、シフトポジションがDレンジ(ドライブレンジ)からRレンジに切り替わったか否か、シフトポジションがRレンジからDレンジに切り替わったか否かなどにより判定可能である。なお、報知条件は上記したものに限定されない。具体的には、支援画像作成部26は、車1の現在位置が理想軌道からずれていない(ずれが極めて小さい場合も含む)と判断すると、取得した駐車支援情報のうち目標駐車枠に関する情報のみを用いて、駐車支援画像を作成する。よって、作成される駐車支援画像には、目標駐車枠に関する情報を示す図形が重畳されている。なお、車1の現在位置が理想軌道からずれていないと判断された場合、これに追加して「理想の駐車軌道に沿って駐車できています」などの実際の駐車を称賛するコメントを表示したり音声出力したりしてもよい。一方、支援画像作成部26は、車1の現在位置が理想軌道からずれていると判断すると、取得した駐車支援情報のうちのすべての情報(すなわち、目標駐車枠に関する情報、注目ポイントに関する情報、および、運転操作に関する情報)を用いて、駐車支援画像を作成する。よって、作成される駐車支援画像には、目標駐車枠に関する情報を示す図形、注目ポイントに関する情報を示す図形、および、運転操作に関する情報を示すコメントが重畳されている。本実施形態に係る運転操作に関する情報は、上記するように、車1の現在位置と理想軌道とのずれを無くすために必要な運転操作の情報である。
図6は、第2実施形態に係る駐車支援ECU2が行う駐車支援処理を示すフローチャートである。第2実施形態に係る駐車支援処理は、図6に示すように、第1実施形態に係る駐車支援処理(図2参照)と比較して、ステップS15〜S16の代わりに、ステップS21〜S23が追加されている点で異なる。
本実施形態に係る駐車支援処理において、軌道作成部25によって理想軌道が作成された後に(S13)、車両状態特定部21によって車両状態が特定されると(S14)、続いて、報知条件を満たしたか否かの判断が行われる(S21)。なお、本実施形態における報知条件は、車1が切り返し位置に到達したことである場合を説明する。すなわち、ステップS21では、支援画像作成部26によって、たとえばシフトポジションがDレンジからRレンジ(RレンジからDレンジ)に切り替わったか否かが判断されることで、車1が切り返し位置に到達したか否かの判断が行われ、もって、報知条件を満たしたか否かの判断が行われる。ステップS21で報知条件を満たしていないと判断されると(S21:NO)、報知条件を満たすまで、ステップS14およびステップS21の処理を繰り返し行う。なお、このとき、画像音声制御部27は、報知条件を満たすまで、右サイドモニタ71に右側ミラー画像を表示させ、左サイドモニタ72に左側ミラー画像を表示させる。一方、ステップS21で、報知条件を満たしたと判断されると(S21:YES)、次の処理(S22)に移る。
次に、支援画像作成部26によって駐車支援画像の作成が行われる(S22)。具体的には、支援画像作成部26が、駐車支援情報を取得し、取得した駐車支援情報に基づく表示を右側ミラー画像および左側ミラー画像にそれぞれ重畳させて、右用駐車支援画像および左用駐車支援画像を作成する。なお、支援画像作成部26は、駐車支援画像の作成において、上記するように、車1の現在位置が理想軌道からずれているか否かを判断し、当該判断結果に基づいて、駐車支援画像を作成する。
次に、画像音声制御部27によって駐車支援画像の報知処理が行われる(S23)。具体的には、画像音声制御部27は、右用駐車支援画像を右サイドモニタ71に表示させ、また、左用駐車支援画像を左サイドモニタ72に表示させる。さらに、画像音声制御部27は、駐車支援情報に基づく音声をスピーカ6に出力させる。
図7は、左サイドモニタ72に表示される左用駐車支援画像の一例を示している。この状態では、車1の現在位置が理想軌道からずれており、車1の現在位置を理想軌道上に戻すためには、さらにハンドルを右に操舵しつつ、前進させる必要がある。図7に示す例においては、駐車支援情報に含まれる各情報が次のように表示されている。すなわち、運転操作に関する情報がコメントC2として、注目ポイントに関する情報が図形Z1,Z2として、目標駐車枠に関する情報が図形F1として表示されている。このコメントC2においては、車1の側面、路面、および、複数の駐車枠を区切る線などの特徴物を用いて、これらの特徴物同士の位置関係がどのような状態となるように運転操作すると、車1の現在位置を理想軌道上に戻せるかが提示されている。なお、スピーカ6からは、このコメントC2の内容が音声出力される。図7に示す図形Z1は、コメントC2に示す「車両の側面と路面との境界」を示したものである。図7に示す図形Z2は、コメントC2に示す「駐車枠のこの端(図7において目標駐車枠の右下の端)」を示すためのものである。さらに、図7に示す図形F1は、右側ミラー画像および左側ミラー画像に表示される目標駐車枠K1を示している。運転者は、左サイドモニタ72に表示される左用駐車支援画像を確認しつつ、車1の運転操作を行う。
次に、上記第1実施形態と同様に、車1の駐車が終了したか否かの判断が行われ(S17)、まだ駐車が終了していない場合(S17:NO)、ステップS14からステップS17までの処理を繰り返し行い、駐車が終了した場合(S17:YES)、駐車支援処理を終了する。
本実施形態においては、以上のようにして、駐車支援処理が行われる。これにより、運転者は、右サイドモニタ71に表示される右用駐車支援画像および左サイドモニタ72に表示される左用駐車支援画像を確認しながら、運転操作することで、車1が理想軌道からずれている場合に、理想軌道に戻すことができる。よって、車1を目標駐車位置に駐車させることができる。
次に、第2実施形態に係る駐車支援ECU2の作用および効果について説明する。
本実施形態によると、車1の現在位置と理想軌道のずれを解消するための駐車支援情報に基づく表示が、右サイドモニタ71に表示される右側ミラー画像および左サイドモニタ72に表示される左側ミラー画像に重畳される。すなわち、右サイドモニタ71および左サイドモニタ72に駐車支援画像が表示される。そして、運転者は、表示された駐車支援画像を確認することで右側ミラー画像および左側ミラー画像のそれぞれに表示される特徴物同士がどのような位置関係となるように駐車すればよいかを理解しながら、自分で運転操作(ハンドルの操舵、アクセルおよびブレーキの操作、および、シフト操作など)を行う。よって、駐車時にどのようなことを確認しながら、どのように運転操作を行うとよいかを理解できる。以上のことから、駐車支援ECU2は、運転者の駐車技量の向上、特に、右側ミラー画像および左側ミラー画像を確認しながらの駐車技量の向上を図ることができる。このため、運転者が、自動操舵を行わない車を運転するときでも、光学式アウターリアビューミラーに写る鏡像を確認しながら駐車できるようになる。
次に、本発明の第3実施形態について説明する。第3実施形態においては、作成した理想軌道に従うように駐車支援を行うのではなく、車1の車輪の移動軌跡をハンドルの操舵角に基づいて予測し、予測した車輪の移動軌跡を用いて駐車支援を行う。この点で、上記第1および第2実施形態と異なる。図8は、第3実施形態に係る駐車支援装置が適用された車1の構成を示している。なお、第1および第2実施形態と同じあるいは類似する構成要素には、同一の符号を付してその説明を省略する。同図に示すように、上記第1実施形態に係る車1(図1参照)と比較して、駐車支援ECU2は、軌道作成部25の代わりに車輪軌道予測部28を備えている点で異なる。
車輪軌道予測部28は、ハンドルの操舵角に基づいて、車1の車輪が移動する軌道を予測する。本実施形態においては、後輪の軌道を予測する場合を示すが、前輪の軌道を予測するものであってもよいし、前輪および後輪の両方の軌道を予測するものであってもよい。以下の説明において、車輪軌道予測部28によって予測された軌道を「予測軌道」という場合がある。
支援画像作成部26は、上記第1および第2実施形態と同様に、駐車支援情報を取得し、駐車支援画像を作成する。ただし、本実施形態における駐車支援情報には、上記第1および第2実施形態と異なり、車輪軌道予測部28が予測した予測軌道に関する情報がさらに含まれる。すなわち、本実施形態における駐車支援情報には、目標駐車枠に関する情報、注目ポイントに関する情報、運転操作に関する情報、および、予測軌道に関する情報が含まれる。なお、本実施形態における運転操作に関する情報は、上記第1および第2実施形態と異なり、車1を目標駐車枠に駐車するために必要な運転操作の情報であり、予測軌道と目標駐車枠との情報に基づいて作成される。また、本実施形態における支援画像作成部26は、予測軌道と目標駐車枠との情報に基づいて、車1を目標駐車位置に駐車可能であるかを判断し、当該判断結果に基づいて、駐車支援画像を作成する。具体的には、支援画像作成部26は、車1を目標駐車位置に駐車可能であると判断すると、取得した駐車支援情報のうち、目標駐車枠に関する情報および予測軌道に関する情報を用いて駐車支援画像を作成する。よって、作成される駐車支援画像には、目標駐車枠に関する情報を示す図形および予測軌道に関する情報を示す図形が重畳される。なお、車1を目標駐車位置に駐車可能であると判断された場合、これに追加して「理想の駐車軌道に沿って駐車できています」などの実際の駐車を称賛するコメントを表示したり音声出力したりしてもよい。一方、支援画像作成部26は、車1を目標駐車位置に駐車可能でないと判断すると、取得した駐車支援情報のうちのすべての情報(すなわち、目標駐車枠に関する情報、注目ポイントに関する情報、運転操作に関する情報、および、予測軌道に関する情報)を用いて、駐車支援画像を作成する。よって、作成される駐車支援画像には、目標駐車枠に関する情報を示す図形、注目ポイントに関する情報を示す図形、運転操作に関する情報を示すコメント、および、予測軌道に関する情報を示す図形が重畳される。
図9は、第3実施形態に係る駐車支援ECU2が行う駐車支援処理を示すフローチャートである。第3実施形態に係る駐車支援処理は、図9に示すように、第1実施形態に係る駐車支援処理(図2参照)と比較して、ステップS13が行われない点、および、ステップS15〜S16の代わりにステップS31〜S34が追加されている点で異なる。
本実施形態に係る駐車支援処理において、目標駐車位置設定部24によって目標駐車位置が設定された後に(S12)、車両状態特定部21によって車両状態が特定されると(S14)、続いて、支援画像作成部26によって車1が後退時であるか否かの判断が行われる(S31)。後退時であるか否かは、たとえばシフトポジションがRレンジであるか否かにより判断可能である。ステップS31において、後退時でないと判断されると(S31:NO)、ステップS17に移る。ステップS17においては、上記第1実施形態と同様に、車1の駐車が終了したか否かの判断が行われ、まだ駐車が終了していない場合(S17:NO)、ステップS14に戻り、駐車が終了した場合(S17:YES)、駐車支援処理を終了する。一方、ステップS31において、後退時であると判断されると(S31:YES)、次の処理(S32)に移る。
ステップS32においては、車輪軌道予測部28によって、車輪(後輪)の軌道予測が行われる。具体的には、車輪軌道予測部28は、ハンドルの操舵角に基づいて予測軌道を予測する。
次に、支援画像作成部26によって駐車支援画像の作成が行われる(S33)。具体的には、支援画像作成部26は、駐車支援情報を取得し、取得した駐車支援情報に基づく表示を右側ミラー画像および左側ミラー画像にそれぞれ重畳させて、右用駐車支援画像および左用駐車支援画像を作成する。なお、支援画像作成部26は、駐車支援画像の作成において、上記するように、予測軌道と目標駐車枠との情報に基づいて、車1を目標駐車位置に駐車可能であるかを判断し、当該判断結果に基づいて、駐車支援画像を作成する。なお、右側ミラー画像および左側ミラー画像と予測軌道に関する情報に基づいて、後輪の予測軌道と所定の障害物とが重なり、車1が障害物に接触する可能性があるときは、この障害物との接触を回避するために必要な運転操作に関する情報を駐車支援画像上にさらに表示させてもよい。このような運転操作に関する情報を示すコメントの一例を示すと、「前輪タイヤが左右の車両(障害物)に接触しないように、距離を確認してください」のようなものがある。
次に、画像音声制御部27によって駐車支援画像の報知処理が行われる(S34)。具体的には、画像音声制御部27が、右用駐車支援画像を右サイドモニタ71に表示させ、また、左用駐車支援画像を左サイドモニタ72に表示させる。さらに、画像音声制御部27が、駐車支援情報に基づく音声をスピーカ6に出力させる。ステップS34の処理が終わると、ステップS14に戻る。
図10は、左サイドモニタ72に表示される左用駐車支援画像の一例を示している。この状態では、車1を目標駐車位置に駐車できず、さらにハンドルを左に操舵する必要がある。図10に示す例においては、駐車支援情報に含まれる各情報が次のように表示されている。すなわち、運転操作に関する情報がコメントC3として、注目ポイントに関する情報が図形Z2,Z3として、目標駐車枠に関する情報が図形F1として、予測軌道に関する情報が図形Y1として表示されている。このコメントC3においては、車1の側面、路面、および、複数の駐車枠を区切る線などの特徴物と予測軌道とを用いて、これらの位置関係がどのような状態となるように運転操作すると、車1を目標駐車位置に駐車できるかが提示されている。なお、スピーカ6からは、このコメントC3の内容が音声出力される。図10に示す図形Z2は、コメントC3に示す「駐車枠のこの端(図10において目標駐車枠の右下の端)」を示すためものである。図10に示す図形Z3は、後輪の予測軌道の終端を示すためのものである。さらに、図10に示す図形F1は、右側ミラー画像および左側ミラー画像に表示される目標駐車枠K1を示している。運転者は、左サイドモニタ72に表示される左用駐車支援画像を確認しつつ、車1の運転操作を行う。
本実施形態においては、以上のようにして、駐車支援処理が行われる。これにより、運転者は、右サイドモニタ71に表示される右用駐車支援画像および左サイドモニタ72に表示される左用駐車支援画像を確認しながら、運転操作することで、車1を目標駐車位置に駐車させることができる。
次に、第3実施形態に係る駐車支援ECU2の作用および効果について説明する。
本実施形態によると、車1を目標駐車位置に駐車するための駐車支援情報に基づく表示が、右サイドモニタ71に表示される右側ミラー画像および左サイドモニタ72に表示される左側ミラー画像に重畳される。すなわち、右サイドモニタ71および左サイドモニタ72に駐車支援画像が表示される。そして、運転者は、表示された駐車支援画像を確認することで右側ミラー画像および左側ミラー画像のそれぞれに表示される特徴物および予測軌道がどのような位置関係になるように駐車すればよいかを理解しながら、自分で運転操作(ハンドルの操舵、アクセルおよびブレーキの操作、および、シフト操作など)を行う。よって、駐車時にどのようなことを確認しながら、どのように運転操作を行うとよいかを理解できる。以上のことから、駐車支援ECU2は、運転者の駐車技量の向上、特に、右側ミラー画像および左側ミラー画像を確認しながらの駐車技量の向上を図ることができる。このため、運転者が、自動操舵を行わない車を運転するときでも、光学式アウターリアビューミラーに写る鏡像を確認しながら駐車できるようになる。
第3実施形態においては、駐車支援情報に基づく表示として、目標駐車枠に関する情報、予測軌道に関する情報、注目ポイントに関する情報、および、運転操作に関する情報がそれぞれ、表示されている場合を示したが、これに限定されず、いずれか1つ以上の情報が表示されていればよい。たとえば、予測軌道に関する情報を示す表示のみが右側ミラー画像および左側ミラー画像に重畳されている場合であっても、運転者は、右側ミラー画像および左側ミラー画像に表示される特徴物がどの位置に映っているときに、どの程度ハンドルを操舵すればよいかを理解することができる。したがって、駐車支援ECU2は、運転者の駐車技量の向上を図ることができる。
第3実施形態においては、駐車支援ECU2が軌道作成部25を備えていない場合を示したが、これを備えていてもよい。軌道作成部25を備えた場合、支援画像作成部26は、軌道作成部25によって作成された理想軌道に基づく車輪の軌道(模範軌道)に関する情報を駐車支援情報として作成する。そして、支援画像作成部26は、この模範軌道に関する情報を上記その他の駐車支援情報(予測軌道に関する情報など)とともに用いて、駐車支援画像を作成する。このとき、模範軌道と予測軌道との描画方法(線の太さや色、線の形状(たとえば実線や破線、鎖線)など)を変えておく。これにより、運転者は、予測軌道を模範軌道に重ねるように運転操作することで、車1を目標駐車位置に駐車することができる。また、模範軌道を作成した場合、駐車支援情報に含まれる運転操作に関する情報が、予測軌道と模範軌道とを重ねるために必要な運転操作の情報であるように構成してもよい。
上記第1ないし第3実施形態においては、駐車支援画像(図4,7,10参照)において、運転操作を示すコメントC1,C2,C3、目標駐車枠を示す図形F1、注目ポイントを示す図形Z1,Z2,Z3が表示されている場合を示したが、これらが全て表示されている必要はなく、これらのうちのいずれか1つ以上が表示されていればよい。たとえば、目標駐車枠を示す図形F1が表示されていれば、駐車支援開始時に設定された目標駐車枠K1が右側ミラー画像および左側ミラー画像においてどの駐車枠であるかを把握することができる。よって、目標駐車枠を見失うことがなくなる。また、注目ポイントを示す図形Z1,Z2,Z3が表示されていれば、どのようなポイントに注意して運転すればよいかを理解することができる。
上記第1ないし第3実施形態においては、駐車支援画像(図4,7,10参照)が、従来の光学式アウターリアビューミラーの形状に合わせて、四隅を切り取って(黒塗りして)表示される場合を示したが、これに限定されず、右サイドモニタ71および左サイドモニタ72の形状(たとえば矩形)に合わせて表示されてもよい。
上記第1ないし第3実施形態に示す駐車支援処理をそれぞれ組み合わせてもよい。例えば、第1実施形態に係る駐車支援画像(図4参照)および第2実施形態に係る駐車支援画像(図7参照)の各々において、第3実施形態に係る駐車支援情報(予測軌道に関する情報と、運転操作に関する情報の少なくともいずれか)をさらに表示するように構成してもよい。また、車1の前進時と後進時とで、第1ないし第3実施形態に係る各駐車支援画像のいずれかが表示されるように、切り替えるように構成してもよい。さらに、第1ないし第3実施形態に示す駐車支援画像をすべて表示するように構成してもよい。なお、これらは一例であって、上記したものに限定されるものではない。
上記第1ないし第3実施形態においては、電子ミラーシステムをアウターリアビューミラーに適用した場合を示したが、これに限定されない。車室内から車両後方を映すインナーリアビューミラーに適用してもよい。この場合、複数の撮影装置3にはインナーリアビューカメラが含まれる。インナーリアビューカメラは、少なくとも光学式インナーリアビューミラーが写す範囲を撮影するものである。また、複数の表示装置7にはインナーリアビューモニタが含まれる。インナーリアビューモニタは、従来の光学式インナーリアビューミラーの位置に設置され、インナーリアビューカメラの画像を表示する。このような変形例においても、駐車支援ECU2(支援画像作成部26)は、インナーリアビューカメラが撮影した画像に駐車支援情報に基づく表示を重畳させて、駐車支援画像を作成する。そして、画像音声制御部27が、駐車支援画像をインナーリアビューモニタに表示させる。これにより、運転者は、駐車時に駐車支援画像を確認しながら、車1を目標駐車位置に駐車することができる。したがって、駐車支援ECU2は、運転者の駐車技量の向上を図ることができる。また、電子ミラーシステムをアウターリアビューミラーおよびインナーリアビューミラーの両方に適用してもよい。この場合、インナーリアビューモニタに、右用駐車支援画像、左用駐車支援画像、および、インナーリアビューカメラ用の駐車支援画像の3つを表示することも可能である。
上記第1ないし第3実施形態においては、車1が右側後方カメラ31および右側方カメラ33を備えている場合を示したが、これに限定されない。たとえば、右側後方カメラ31の撮影領域が右側方カメラ33の撮影領域に含まれている場合には、右側後方カメラ31を備える必要がない。この場合、駐車支援ECU2は、右側方カメラ33から入力される画像データに適切な画像処理を行うことで、右側ミラー画像を作成する。同様に、左側後方カメラ32の撮影領域が左側方カメラ34の撮影領域に含まれている場合には、左側後方カメラ32を備える必要がない。また、電子ミラーシステムをインナーリアビューミラーに適用した変形例においても、インナーリアビューカメラの撮影領域が後方カメラ36の撮影領域に含まれている場合には、インナーリアビューカメラを備える必要がない。
上記第1ないし第3実施形態においては、運転操作を示すコメントにおいて、右側ミラー画像および左側ミラー画像のそれぞれにおける特徴物同士の位置関係が用いられている場合を示したが、これに限定されない。例えば、右側方カメラ33、左側方カメラ34、前方カメラ35、および、後方カメラ36がそれぞれ撮影した各画像における特徴物を用いるように構成してもよい。この場合のコメントの一例としては、たとえば「〇〇(右側方カメラ33、左側方カメラ34、前方カメラ35、および、後方カメラ36のいずれかによって撮影された特徴物)が右側ミラー画像(あるいは左側ミラー画像)に映り込むまでハンドルを操舵しながら、前進(あるいは後進)してください」などがある。
上記第1ないし第3実施形態においては、駐車支援画像を右サイドモニタ71や左サイドモニタ72に表示させる場合を示したが、これに限定されない。たとえば、駐車支援画像を、コンソールモニタ73に表示させてもよい。このとき、コンソールモニタ73には、駐車支援画像のみを表示させてもよいし、俯瞰画像および駐車支援画像(右用駐車支援画像と左用駐車支援画像とのいずれかあるいは両方)を表示させてもよい。たとえば、図11には、俯瞰画像と第1実施形態における左用駐車支援画像とが表示された場合を示している。コンソールモニタ73に、俯瞰画像および駐車支援画像の両方を表示させた場合、運転者は、俯瞰画像上において車1がどの位置にあるときに、駐車支援画像(ミラー画像)がどのように表示されるかを把握できるため、俯瞰画像と駐車支援画像との対応関係の把握が容易となる。また、運転者はコンソールモニタ73を見ることで、駐車支援画像および俯瞰画像を確認できるので、右サイドモニタ71あるいは左サイドモニタ72とコンソールモニタ73との間の視線移動が抑制される。すなわち、視線移動を少なくすることができる。なお、駐車支援画像をコンソールモニタ73に表示させる場合、右サイドモニタ71および左サイドモニタ72には、駐車支援画像を表示させてもよいし、それぞれ右側後方カメラ31の画像(右側ミラー画像)および左側後方カメラ32の画像(左側ミラー画像)を表示させるようにしてもよい。また、電子ミラーシステムをインナーリアビューミラーに適用した変形例においても同様に、駐車支援画像をコンソールモニタ73に表示させてもよい。
上記第1ないし第3実施形態においては、運転操作に関する情報を示すコメントをスピーカ6から音声出力させた場合を示したが、これを行わなくてもよい。すなわち、当該コメントを駐車支援画像上に表示させるだけであってもよい。また、運転操作に関する情報を示すコメントを、駐車支援画像上に表示させずに、スピーカ6から音声出力させるように構成してもよい。
上記第1ないし第3実施形態においては、画像音声制御部27は、右用駐車支援画像および左用駐車支援画像の両方を表示させる場合を説明したが、いずれか一方のみを表示するように構成してもよい。例えば、ハンドルを左に操舵している時には、左用駐車支援画像を表示させ、右用駐車支援画像を表示させないようにする。反対に、ハンドルを右に操舵している時には、右用駐車支援画像を表示させ、左用駐車支援画像を表示させないようにする。なお、上記したものは一例であって、これに限定されるものではない。
上記第1ないし第3実施形態においては、車1を並列駐車する場合について説明したが、車1を縦列駐車する場合についても同様に駐車支援処理を行うことができる。
本発明に係る駐車支援装置は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係る駐車支援装置の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。