JP6981515B2 - 力覚提示物 - Google Patents

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Description

本発明は力覚を提示する技術に関する。
特許文献1には、人が対象物に手指を触れたときに感じる対象物の凹凸感等の力覚を提示する技術が開示されている。特許文献2には、ペンタブレットの操作者に対して力覚をフィードバックする技術が開示されている。
特開2000−89895号公報 特開2000−207114号公報
特許文献1,2の技術は、電磁石から発生させた磁力によって多様な力覚を提示するものである。本発明はあらかじめ着磁された磁性体を用い、視覚によって認識可能なパタンごとに異なる力覚を提示することを目的とする。
本発明の力覚提示物は、第1面を含み、前記第1面にはS極の領域とN極の領域とを含む第1テクスチャが予め着磁されているベースオブジェクトと、視覚によって認識可能な第1パタンが設けられており、前記ベースオブジェクトの前記第1面側に重ね合せられる第1シートと、前記第1パタンとは異なる、視覚によって認識可能な第2パタンが設けられており、前記ベースオブジェクトの前記第1面側に重ね合せられる第2シートと、第2面を含み、前記第2面にはS極の領域とN極の領域とを含む第2テクスチャが予め着磁されている第1接触オブジェクトと、第3面を含み、前記第3面にはS極の領域とN極の領域とを含み、前記第2テクスチャとは異なる第3テクスチャが予め着磁されている第2接触オブジェクトと、前記ベースオブジェクト側に設けられた前記ベースオブジェクトよりも磁力の強い第1永久磁石と、前記第1接触オブジェクトに設けられた前記第1接触オブジェクトよりも磁力の強い第2永久磁石と、前記第2接触オブジェクトに設けられた前記第2接触オブジェクトよりも磁力の強い第3永久磁石と、を有し、前記第1接触オブジェクトの前記第2面を前記第1面に近接させた際に前記第1面側に配置される前記第2永久磁石の磁極は、前記第2接触オブジェクトの前記第3面を前記第1面に近接させた際に前記第1面側に配置される前記第3永久磁石の磁極と異なる。
本発明では、あらかじめ着磁された磁性体を用い、視覚によって認識可能なパタンごとに異なる力覚を提示できる。
図1は実施形態の着磁装置の機能構成を説明するための概念図である。 図2Aおよび図2Bは、実施形態の着磁装置の機能構成を説明するための概念図である。 図3Aはカッティングプロッタのカッター部品を例示した斜視図であり、図3Bは当該カッター部品の分解斜視図である。図3Cは着磁用部品を例示した斜視図であり、図3Dは当該着磁用部品の分解斜視図である。 図4は磁石の形状と表面磁束密度との関係を例示したグラフである。 図5はS極パタン情報とN極パタン情報とを含むテクスチャ情報を例示した図である。 図6Aおよび図6Bは、着磁された磁性シートを例示した図である。 図7は2つの磁性シートによって凹凸感を提示する動作を例示した図である。 図8は2つの磁性シートによって凹凸感を提示する動作を例示した図である。 図9Aから図9Dは、着磁された磁性シートを例示した図である。 図10Aから図10Cは、2つの磁性シートによって凹凸感を提示する動作を例示した図である。 図11Aから図11Dは2つの磁性シート間の引力面積比を例示するための図である。 図12は、磁性パタンのピッチと保持力および引力面積比との関係を例示した図である。 図13Aから図13Dは、着磁された磁性シートを例示した図である。 図14Aおよび図14Bは、着磁された磁性シートを例示した図である。 図15は、ストライプテクスチャとチェッカーテクスチャとの引力面積比の違いを例示した図である。 図16Aおよび図16Bは、ストライプテクスチャが着磁された磁性シートの組のピッチと保持力および引力面積比との関係をそれぞれ例示した図である。 図17Aおよび図17Bは、チェッカーテクスチャが着磁された磁性シートの組のピッチと保持力および引力面積比との関係をそれぞれ例示した図である。 図18Aおよび図18Bはベースオブジェクトに重ね合わされるシートを例示した図である。 図19はベースオブジェクトを例示した図である。 図20Aから図20Dは接触オブジェクトを例示した図である。 図21Aから図21Cは接触オブジェクトを例示した図である。 図22Aおよび図22Bは2つの磁性シート間の引力面積比の関係を説明するための図である。 図23はベースオブジェクトに重ね合わされるシートを例示した図である。 図24はベースオブジェクトに重ね合わされるシートを例示した図である。 図25はベースオブジェクトを含むベースシートとベースオブジェクトに重ね合わされるシートとが綴じ合わされた構成を例示した概念図である。 図26はベースオブジェクトを含むベースシートと第2ベースオブジェクトを含む第2ベースシートとベースオブジェクトおよび第2ベースオブジェクトに重ね合わされるシートとが綴じ合わされた構成を例示した概念図である。 図27はベースオブジェクト側に磁力の強い永久磁石を設け、2つの接触オブジェクトの一方のみに磁力の強い永久磁石を設けた構成を例示した概念図である。 図28はベースオブジェクト側に磁力の強い永久磁石を設け、2つの接触オブジェクトに互いに磁極の向きが異なる磁力の強い永久磁石を設けた構成を例示した概念図である。 図29はベースオブジェクトに重ね合わされるシートを例示した図である。 図30はベースオブジェクトに重ね合わされるシートを例示した図である。 図31はベースオブジェクト側に磁力の強い永久磁石を設け、2つの接触オブジェクトの一方に磁力の強い永久磁石を設け、他方側に継鉄を設けた構成を例示した概念図である。 図32はベースオブジェクト側に磁力の強い永久磁石を設け、2つの接触オブジェクトに磁力の強い永久磁石を設け、シートに磁気遮蔽物を設けた構成を例示した概念図である。 図33はベースオブジェクトに重ね合わされるシートを例示した図である。 図34はベースオブジェクトを含むベースシートとベースオブジェクトに重ね合わされるシートとが綴じ合わされ、ベースオブジェクト側に磁力の強い永久磁石を設け、シートに磁気遮蔽物を設けた構成を例示した概念図である。 図35はベースオブジェクトを含むベースシートとベースオブジェクトに重ね合わされるシートと磁気遮蔽物を含む遮蔽シートとが綴じ合わされ、ベースオブジェクト側に磁力の強い永久磁石を設けた構成を例示した概念図である。 図36はベースオブジェクトを含むベースシートと第2ベースオブジェクトと複数のシートが綴じ合わされ、ベースオブジェクト側に磁力の強い永久磁石を設けた構成を例示した概念図である。 図37は実施形態の入力装置を例示するための図である。 図38Aから図38Cは実施形態の入力装置を例示するための図である。 図39は実施形態の入力装置を例示するための図である。 図40Aから図40Cは実施形態の入力装置を例示するための図である。 図41は実施形態の磁性点字ブロックを例示するための図である。 図42Aおよび図42Bは実施形態の磁性点字ブロック用のシューズを例示するための図である。 図43Aおよび図43Bは実施形態の磁性点字ブロック用の白杖を例示するための図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
[第1実施形態]
本形態では、入力されたテクスチャ情報に基づいて対象物に当該テクスチャ情報に対応する切れ目を入れるための装置であるカッティングプロッタ(「カッティングマシン」ともいう)のカッター部品を着磁用部品に置き換え、このカッティングプロッタを駆動させることで磁性シートに着磁する(磁性シートを磁化する)。
<構成>
図1から図3に例示するように、本形態の着磁装置1は、着磁用部品11、カッター部品装着部12、描画ヘッド13、入力部14、記憶部15、制御部16、および駆動部17を有し、配置された磁性シート18に着磁する。この着磁装置1は、カッター部品101、カッター部品装着部12、描画ヘッド13、入力部14、記憶部15、制御部16、および駆動部17を有するカッティングプロッタのカッター部品101を着磁用部品11に置き換えたものである。
≪カッター部品101および着磁用部品11≫
図3Aおよび図3Bに例示するように、カッター部品101は、対象物に切れ目を入れるためのカッター部101a、カッター部101aが固定される円柱状の固定部101b、およびキャップ部101cを有する。カッター部101aの一端は刃先101aaとなっており、その他端は固定部101bに固定されている。カッター部101aは固定部101bに対して脱着可能であってもよいし、脱着できなくてもよい。キャップ部101cの先端側には貫通孔101caが設けられている。キャップ部101cは固定部101bのカッター部101a側に装着可能である。キャップ部101cを固定部101bのカッター部101a側に装着すると、刃先101aaが貫通孔101caを通じてキャップ部101cの外側に突出する。固定部101bの外壁側面には装着領域101baが設けられており、この装着領域101baが上述のカッティングプロッタの装着位置に固定可能である。
図3Cおよび図3Dに例示するように、カッター部品101に置き換えられる着磁用部品11は、対象物に着磁するための円柱状の磁石11a(装着機構に支持されており、装着機構が装着位置に装着されたときに磁極が対象物に対向する構造を持つ磁石)、磁石11aが固定される円柱状の固定部11b(カッター部品の装着位置への装着部分と略同一の構造を持つ装着機構)、およびキャップ部11cを有する。磁石11aはネオジム磁石などの永久磁石である。磁石11aとしてネオジム磁石を用いる場合、その先端部11aaの表面磁束密度は、磁石11aの形状に応じて異なる。図4に異なる直径(Diameter [mm])および長さ(Length [mm])を持つ円柱状のネオジム磁石の円柱底面中心部における表面磁束密度(Surface Magnetic Flux Density (Bs) [mT])を例示する。図4に例示するように、直径の大きな磁石11aほど表面磁束密度が大きくなるが、直径が大きすぎると中心部の磁束密度は低下し、また磁性シート18に着磁可能なパタンの解像度は低下する。同一の直径では長い磁石11aほど表面磁束密度が大きくなるが、カッター部品101に置き換え可能な着磁用部品11としての制約から磁石11aの長さが制限される。一例として、直径2mm、長さ10mmのネオジム磁石を磁石11aとして用いることができる。磁石11aの一端の先端部11aaは何れかの磁極(S極またはN極)であり、他端は固定部11bに固定されている。磁石11aは固定部11bに対して脱着可能であってもよいし、脱着できなくてもよい。キャップ部11cの先端側には貫通孔11caが設けられている。キャップ部11cは固定部11bの磁石11a側に装着可能である。キャップ部11cを固定部11bの磁石11a側に装着すると、磁石11aの先端部11aaが貫通孔11caを通じてキャップ部11cの外側に突出する(磁石11aの磁極がキャップ部11cの外側に配置される)。固定部11bの外壁側面には装着領域11baが設けられており、この装着領域11baが上述のカッティングプロッタの装着位置に固定可能である。
本形態では、固定部11bの外部形状は固定部101bの外部形状と略同一であり、装着領域11baの配置および形状(装着機構の構造)も装着領域101baの配置および形状(カッター部品の装着位置への装着部分)と略同一である。キャップ部11cの外部形状はキャップ部101cの外部形状と略同一であることが望ましいが、これらの形状が異なっていてもよい。装着領域11baに対する先端部11aaの相対位置は、装着領域101baに対する刃先101aaの相対位置と略同一であることが望ましい。好ましくは、キャップ部11cを固定部11bに装着した際にキャップ部11cの外側に配置される先端部11aaの長さは、キャップ部101cを固定部101bに装着した際にキャップ部101cの外側に配置される刃先101aaの長さと略同一である。例えば、カッター部品101が含むカッター部101aを磁石11aに置換したものを着磁用部品11としてもよい。この場合、固定部101bが固定部11bであり、キャップ部101cがキャップ部11cである。このような場合、固定部101b側のカッター部品101の形状と、固定部11b側の着磁用部品11の形状とが略同一であることが望ましい。これにより、特別なスペーサーの設置や加工を行うことなく、公知のカッター部品101から着磁用部品11を生成することができる。なお、αとβとが略同一とは、αとβとが同一であるか、または、αとβとが近似することを意味する。
≪カッター部品装着部12および描画ヘッド13≫
本来、カッター部品101の装着領域101baがカッター部品装着部12に固定されることで、カッター部品101が描画ヘッド13に取り付けられる。本形態ではこのカッター部品101に代え、着磁用部品11の装着領域11baがカッター部品装着部12(カッター部品の装着位置)に固定されることで、着磁用部品11が描画ヘッド13に取り付けられる(図1および図2B)。カッター部品装着部12に取り付けられた着磁用部品11は、その磁石11aの先端部11aa(磁極)が、着磁対象として配置された磁性シート18(対象物)の面18aに対向するように配置される。すなわち、カッター部品装着部12に、磁極(S極またはN極)が磁性シート18の面18aに対向する磁石11aを含む部品である着磁用部品11が取り付けられる。磁性シート18の面18aをS極に着磁するときには磁石11aの先端部11aaをN極とし、磁性シート18の面18aをN極に着磁するときには磁石11aの先端部11aaをS極とする。磁性シート18の面18aにS極の着磁とN極の着磁とを行う必要がある場合、先端部11aaがN極の磁石11aを含む着磁用部品11(S極の着磁用)と、先端部11aaがS極の磁石11aを含む着磁用部品11(N極の着磁用)とが必要となる。磁石11aが固定部11bに対して脱着可能であれば、磁性シート18の面18aにS極の着磁を行うときに、先端部11aaがN極の磁石11aを固定部11bに装着し、磁性シート18の面18aにN極の着磁を行うときに、先端部11aaがS極の磁石11aを固定部11bに装着してもよい。磁石11aの両端が互いに異なる磁極(S極およびN極)であり、その両端のうち選択された一端を先端部11aaとし、他端を固定部11bに固定可能であってもよい。すなわち、磁石11aが固定部11bに対して反転可能であり、磁石11aのいずれの一端(S極またはN極)を先端部11aaとするかが選択可能であってもよい。後述のように、描画ヘッド13および磁性シート18の位置はデジタル的に制御され、磁性シート18の面18aに対する描画ヘッド13の相対位置を変化させることができる。なお、磁性シート18の面18aとは別の面は、面18aとは異なる磁極に着磁される。すなわち、磁性シート18の面18aに着磁することは、磁性シート18自体に着磁することでもある。
≪入力部14、記憶部15、制御部16、および駆動部17≫
入力部14、記憶部15、制御部16、および駆動部17は、カッティングプロッタにもともと備えられた機能構成である。入力部14は入力インタフェースであり、記憶部15はRAM(random-access memory)やハードディスクなどであり、駆動部17はモータやアクチュエータなどからなる駆動装置である。制御部16は、CPU(central processing unit)等のプロセッサ(ハードウェア・プロセッサ)およびRAM(random-access memory)・ROM(read-only memory)等のメモリ等を備えるコンピュータが所定のプログラムを実行することで構成されてもよいし、集積回路によって構成されてもよい。
≪磁性シート18≫
磁性シート18は、強磁性材料を主原料とするシートであり、例えば、磁性ゴムを主原料とする磁性ゴムシート、磁性プラスチックを主原料とする磁性プラスチックシート、金属を主原料とする磁性金属シートなどである。強磁性材料が強い磁界内にさらされると、原子の双極子が磁場と整列し、その並びは磁場が除去された後も残る。一度磁化された強磁性材料は、反対向きの十分に強い磁界が印加されるか、強い衝撃、または十分に加熱されるまではその磁極の向きを保持する。本形態ではこの特徴を利用し、着磁用部品11の磁石11aによって磁性シート18を書き換え可能なように磁化する。
<動作>
本形態の着磁方法を説明する。着磁装置1(図1)の入力部14に、磁性シート18の面18aに着磁するパタン(着磁パタン)を表すテクスチャ情報が入力される。テクスチャ情報は磁性シート18の面18aのどの座標を磁化するかを表す二次元データである。着磁パタンが何れか一方の磁極(S極またはN極)に磁性シート18の面18aを磁化するためのものである場合(一方の磁極にのみに対応するパタンである場合)、テクスチャ情報はその磁極に磁化するパタンを表すパタン情報を含む。一方、着磁パタンが両方の磁極(S極およびN極)に磁性シート18の面18aを磁化するためのものである場合(両方の磁極に対応するパタンである場合)、テクスチャ情報は一方の磁極(例えばS極)に磁化するパタンを表すパタン情報(一方の磁極に対応するパタンを表す第1パタン情報)、および他方の磁極(例えばN極)に磁化するパタンを表すパタン情報(他方の磁極に対応するパタンを表す第2パタン情報)を含む。図5に、両方の磁極に磁性シート18の面18aを磁化するための着磁パタン110を例示する。図5に例示するように、着磁パタン110はS極に磁化するパタン111およびN極に磁化するパタン112を含む。この場合のテクスチャ情報は、パタン111を表す情報およびパタン112を表す情報を含む。テクスチャ情報は、描画ソフトウェアによって作成されたベクター形式の画像データであってもよいし、そのような画像データが変換されたラスタ形式の画像データ(ビットマップ画像データ)であってもよい。入力されたテクスチャ情報は記憶部15に格納される。また磁性シート18が着磁装置1に装着される。これにより、カッター部品装着部12に取り付けられた着磁用部品11の磁石11aの先端部11aa(磁極)が、磁性シート18の面18aに対向する。
カッティングプロッタである着磁装置1を動作させると、制御部16は記憶部15からテクスチャ情報を読み込み、駆動部17を制御して磁性シート18の面18aに対する描画ヘッド13の相対位置を変化させ、磁石11aの先端部11aaの磁力によって、テクスチャ情報に対応するパタンに磁性シート18の面18aを着磁する(テクスチャ情報に対応する着磁を磁性シート18の面18aに行う)。すなわち、駆動部17は、描画ヘッド13をX軸とZ軸の少なくとも何れかに沿って移動させることで、磁性シート18の面18aに対する磁石11aの先端部11aaの相対位置を変化させることができる。さらに駆動部17は、磁性シート18をY軸に沿って移動させることで磁性シート18の面18aに対する磁石11aの先端部11aaの相対位置を変化させることができる。ただし、X軸、Y軸、Z軸は互いに直交する座標軸である。X軸およびY軸を通るX−Y平面は磁性シート18の面18aと略平行(例えば、平行)であり、Z軸は磁性シート18の面18aに略直交(例えば、直交)する。磁性シート18に対する描画ヘッド13の相対位置をX座標および/またはY軸に沿って変化させると、磁性シート18の面18aにおける磁石11aの先端部11aaの(X,Y)座標を変化させることができ、磁性シート18の面18a内の着磁位置を変化させることができる。磁性シート18に対する描画ヘッド13の相対位置をZ座標に沿って変化させると、磁性シート18の面18aと磁石11aの先端部11aaとの距離を変化させることができる。磁性シート18の面18aへの着磁は、磁性シート18の面18aと磁石11aの先端部11aaとが接触または近接した場合に行われる。そのため、磁性シート18の面18aと磁石11aの先端部11aaとの距離を変化させることで、着磁の有無を制御することができる。駆動部17はテクスチャ情報に基づいて描画ヘッド13と磁性シート18との間の相対位置をX軸、Y軸、Z軸に沿って変化させ、これによってテクスチャ情報が表す着磁パタンで磁性シート18の面18a側を磁化する。なお、着磁パタンが両方の磁極(S極およびN極)に磁性シート18の面18aを磁化するためのものである場合、駆動部17はそれぞれの磁極に対応するパタンについて、磁性シート18の面18a側を磁化する。S極に磁化するパタンに基づいて磁化を行う場合、先端部11aaがN極の磁石11aを含む着磁用部品11を用い、駆動部17がS極のパタンに従って描画ヘッド13と磁性シート18との間の相対位置をX軸、Y軸、Z軸に沿って変化させ、S極のパタン(例えば、図5のパタン111)を磁性シート18の面18aに着磁する。N極に磁化するパタンに基づいて磁化を行う場合、先端部11aaがS極の磁石11aを含む着磁用部品11を用い、駆動部17がN極のパタンに従って描画ヘッド13と磁性シート18との間の相対位置をX軸、Y軸、Z軸に沿って変化させ、N極のパタン(例えば、図5のパタン112)を磁性シート18の面18aに着磁する。すなわち、着磁用部品11に含まれた磁石11aのN極(他方の磁極)が磁性シート18の面18aに対向しているときに、S極のパタン(例えば、図5のパタン111)の着磁(第1パタン情報に対応する着磁)を磁性シート18の面18aに行う。一方、着磁用部品11に含まれた磁石11aのS極(一方の磁極)が磁性シート18の面18aに対向しているときに、N極のパタン(例えば、図5のパタン112)の着磁(第2パタン情報に対応する着磁)を磁性シート18の面18aに行う。なお、先端部11aaの磁極の切り替え方法は前述の通りである。
着磁方法としては、以下の二種類が想定できる。
スライド法:磁石11aの先端部11aaの磁極を磁性シート18の面18aに接触または近接させたまま、磁性シート18における描画ヘッド13の(X,Y)座標を変化させる方法。
プロット法:磁石11aの先端部11aaの磁極を磁性シート18の面18aから離したまま、磁性シート18における描画ヘッド13の(X,Y)座標を変化させ、着磁する座標で磁石11aの先端部11aaの磁極を磁性シート18の面18aに接触または近接させる方法。
スライド法は、高速な着磁が可能であるが、着磁部分の原子双極子の向きを面18aに対して垂直に揃えることができず、表面磁束密度が低下する可能性がある。一方、プロット法は、着磁部分の原子双極子の向きを面18aに対して垂直に揃えることができるが、着磁に多くの時間を費やしてしまう。2mm間隔および1mm間隔で着磁するプロット法、ならびにスライド法によって、同じパタンを着磁した場合のステップ数、処理時間、および表面磁束密度の比較結果を例示する。
Figure 0006981515
この結果より、プロット法とスライド法とで表面磁束密度の最大値に大きな違いがないことが分かる。さらに、スライド法はプロット法に比べてステップ数および処理時間が格段に小さいことが分かる。また、プロット法を用いて2mm間隔で着磁した場合、表面磁束密度の最小値が大幅に低下する。これは、着磁点の間隔が広くなり、表面磁束密度が不均一になっているためである。以上より、プロット法よりもスライド法を用いて着磁する方が好ましいことが分かる。
<本形態の特徴>
本形態では、着磁用の特別な装置を用いることなく、任意の磁気パタンを着磁できる。
[第1実施形態の変形例]
第1実施形態では、磁性シート18の面18aを両方の磁極(S極およびN極)に磁化する場合、手動によって磁石11aの先端部11aaの磁極を切り替えていた。しかしながら、磁石11aの先端部11aaの磁極が自動的に切り替えられてもよい。すなわち、S極のパタンの着磁(第1パタン情報に対応する着磁)を磁性シート18の面18aに行う際に、着磁用部品11に含まれた磁石11aのN極(他方の磁極)を磁性シート18の面18aに自動的に対向させ、N極のパタンの着磁(第2パタン情報に対応する着磁)を磁性シート18の面18aに行う際に、着磁用部品11に含まれた磁石11aのS極(一方の磁極)を磁性シート18の面18aに自動的に対向させてもよい。すなわち、固定部11b(装着機構)がカッター部品装着部12(装着位置)に装着されたときに磁性シート18(対象物)の面18aに対向する磁極の極性が切り替え可能であってもよい。例えば、着磁用部品11の磁石11aが物理的に反転することで、磁石11aの先端部11aaの磁極が自動的に切り替えられてもよい。あるいは、磁石11aとして電磁石を用い、その電磁石に供給する電流の向きを切り替えることで、磁石11aの先端部11aaの磁極を自動的に切り替えてもよい。
[第2実施形態]
第2実施形態では、S極およびN極からなるパタンが着磁された2つのオブジェクトを用いて凹凸(「凸凹」ともいう)を知覚させる。本形態の力覚提示物は、「第1オブジェクト」と「第2オブジェクト」とを有する。「第1オブジェクト」は「第1面」を含み、「第1面」にはS極の領域とN極の領域とを含む「第1テクスチャ」が着磁されている。「第2オブジェクト」は「第2面」を含み、「第2面」にはS極の領域とN極の領域とを含む「第2テクスチャ」が着磁されている。ただし、人間または人間以外の動物である「動作主体」が、「第1オブジェクト」と「第2オブジェクト」との少なくとも何れかに接して、「第1面」と「第2面」とを互いに接触または近接させたまま、「第1面」と「第2面」との間の相対位置関係を変化させる操作、または/および、「第1面」と「第2面」との間の相対位置関係を変化させる動作が行われることにより、「動作主体」が凹凸を知覚するようにされている。すなわち、「動作主体」が、「第1オブジェクト」と「第2オブジェクト」との少なくとも何れかに接して、「第1面」と「第2面」とを互いに接触または近接させたまま、「第1面」と「第2面」との間の相対位置関係を変化させる操作、または/および、「第1面」と「第2面」との間の相対位置関係を変化させる動作が行われることにより、「動作主体」が「第1オブジェクト」と「第2オブジェクト」との少なくとも一方から受けるせん断応力が周期的に変化する。せん断応力の変化は「第1面」および「第2面」に沿った平面が含む直線方向の変化であるが、「動作主体」はこの変化を「第1面」および「第2面」に対して略垂直な凹凸として知覚(錯覚)する。「第1テクスチャ」および「第2テクスチャ」の例は、S極に着磁された領域とN極に着磁された領域とが交互に周期的に配置されたものである。例えば、「第1テクスチャ」および「第2テクスチャ」は、S極に着磁された帯状の領域とN極に着磁された帯状の領域とが交互に周期的に配置されたものであってもよいし、S極に着磁された周期的な略市松模様の領域とN極に着磁された周期的な略市松模様の領域とを含んでいてもよい。「第1テクスチャ」のパタンと「第2テクスチャ」のパタンとは同一であってもよいし、異なっていてもよい。「第1テクスチャ」のパタンと「第2テクスチャ」のパタンとの組み合わせによって、「動作主体」が「第1オブジェクト」と「第2オブジェクト」との少なくとも一方から受けるせん断応力の変化の仕方が異なり、「動作主体」が知覚する凹凸感も異なる。「第1面」と「第2面」との間の相対位置関係をいずれの方向に変化させるかに応じ、「動作主体」が「第1オブジェクト」と「第2オブジェクト」との少なくとも一方から受けるせん断応力の変化の仕方が異なってもよい。この場合には「第1面」と「第2面」との間の相対位置関係をいずれの方向に変化させるかに応じ、「動作主体」が知覚する凹凸感も異なる。例えば、「第1テクスチャ」および「第2テクスチャ」が、S極に着磁されたテープ状の領域とN極に着磁されたテープ状の領域とが交互に周期的に配置されたものであり、「第1テクスチャ」の当該テープ状の領域の長手方向が「第2テクスチャ」の当該テープ状の領域の長手方向に倣うように「第1面」と「第2面」とを互いに接触または近接させたまま、「第1面」と「第2面」との間の相対位置関係を変化させる操作を行う、または/および、「第1面」と「第2面」との間の相対位置関係を変化させる動作が行われてもよい。この場合、「第1面」と「第2面」との間の相対位置関係を、テープ状の領域の長手方向に変化させるか、短手方向に変化させるかによって、「動作主体」が「第1オブジェクト」と「第2オブジェクト」との少なくとも一方から受けるせん断応力の変化の仕方が異なり、知覚する凹凸感も異なる。なお、「第1面」と「第2面」との間の相対位置関係を変化させる操作、または/および、「第1面」と「第2面」との間の相対位置関係を変化させる動作の例は、以下(1)から(3)の何れか、またはその一部またはすべての組み合わせである。
(1)「動作主体」が直接「第1オブジェクト」と「第2オブジェクト」との少なくとも一方を動かすことで、「第1面」と「第2面」との間の相対位置関係を変化させる動作。(2)「動作主体」が「第1オブジェクト」と「第2オブジェクト」との少なくとも一方と「動作主体」との間に介在するものを動かすことで、間接的に「第1オブジェクト」と「第2オブジェクト」との少なくとも一方を動かし、「第1面」と「第2面」との間の相対位置関係を変化させる動作。
(3)「動作主体」が「第1オブジェクト」と「第2オブジェクト」との少なくとも一方を自動的に動かす装置を駆動し、「第1面」と「第2面」との間の相対位置関係を変化させる操作。
また、「第1面と第2面との間の相対位置関係を変化させる」とは、例えば、「第1面」に対して「第2面」をスライドさせること、「第2面」に対して「第1面」をスライドさせることなどである。
以下、図面を用いて本形態の具体例を説明する。
図6Aの磁性シート210は「第1オブジェクト」の具体例であり、図6Bの磁性シート220は「第2オブジェクト」の具体例である。磁性シート210の一方の面(板面)211(第1面)には、S極の領域211aとN極の領域211bとを含むテクスチャ(第1テクスチャ)が着磁されている。面211にはS極に着磁された帯状(テープ状)の領域211aとN極に着磁された帯状(テープ状)の領域211bとが交互に周期的に配置されている。同様に、磁性シート220の一方の面(板面)221(第2面)には、S極の領域221aとN極の領域221bとを含むテクスチャ(第2テクスチャ)が着磁されている。面221にはS極に着磁された帯状(テープ状)の領域221aとN極に着磁された帯状(テープ状)の領域221bとが交互に周期的に配置されている。この例の場合、領域211aの短手方向の幅(ピッチ)、領域211bの短手方向の幅(ピッチ)、領域221aの短手方向の幅(ピッチ)、領域221bの短手方向の幅(ピッチ)はいずれも2mmである。また、図6Aおよび図6Bでは、図形パタンの相違によって領域211a、領域211b、領域221a、および領域221bの磁極の相違を表現している。領域211a、領域211b、領域221a、および領域221bが視覚的に識別可能に塗り分けられているわけではない。すなわち、これらのテクスチャは着磁パタンであり、視覚的に塗り分けられた模様ではない(以下、同様)。磁性シート210および220への着磁は、例えば、第1実施形態で説明した方法によって行われる。しかし、それ以外の方法で磁性シート210および220への着磁が行われてもよい(以下、同様)。
図7、図8および図10Aに例示するように、利用者(動作主体)は、面211が外方を向くように磁性シート210を配置し、面211に面221が接触するように磁性シート220を配置する。ただし、磁性シート210の領域211a,211bの長手方向D1が磁性シート220の領域221a,221bの長手方向D2に倣う向きに、磁性シート220が磁性シート210に重ねられる。例えば、長手方向D1が長手方向D2に沿った方向となるように(言い換えると、長手方向D1と長手方向D2とが互いに略平行となるように)、磁性シート220が磁性シート210に重ねられる。利用者は指200で磁性シート210に重ねられた磁性シート220の他方の面222に接し、面211と面221とを互いに接触または近接(ほぼ接触)させたまま、面211と面221との間の相対位置関係を変化させる操作を行う。図7および図8の例では、面211と面221との間の相対位置関係を磁性シート210の領域211a,211bの短手方向であるXA方向に変化させる。これにより、利用者が磁性シート220から受けるXA方向のせん断応力が周期的に変化する。その結果、利用者は面221に略直交する方向の凹凸感を知覚する。なお、面211と面221との間の相対位置関係を磁性シート210の領域211a,211bの長手方向に変化させた場合には利用者が受けるせん断応力は変化せず、利用者は凹凸感を知覚しない。面211と面221との間の相対位置関係をいずれの方向に変化させるかに応じ、利用者が磁性シート220から受けるせん断応力の変化の仕方が異なり、知覚する凹凸感も異なる。
図9Aおよび図9Bは、磁性シート210とピッチが相違する磁性シート230,250の例示であり、図9Cおよび図9Dは、磁性シート220とピッチが相違する磁性シート240,260の例示である。磁性シート230,250は「第1オブジェクト」の具体例であり、磁性シート240,260は「第2オブジェクト」の具体例である。磁性シート230の一方の231(第1面)には、S極に着磁された帯状の領域231aとN極に着磁された帯状の領域231bとが交互に周期的に配置されている。同様に、磁性シート240の一方の面241(第2面)には、S極に着磁された帯状の領域241aとN極に着磁された帯状の領域241bとが交互に周期的に配置されている。磁性シート250の一方の面251(第1面)には、S極に着磁された帯状の領域251aとN極に着磁された帯状の領域251bとが交互に周期的に配置されている。同様に、磁性シート260の一方の面261(第2面)には、S極に着磁された帯状の領域261aとN極に着磁された帯状の領域261bとが交互に周期的に配置されている。ただし、領域231aの短手方向の幅、領域231bの短手方向の幅、領域241aの短手方向の幅、領域241bの短手方向の幅はいずれも4mmである。領域251aの短手方向の幅、領域251bの短手方向の幅、領域261aの短手方向の幅、領域261bの短手方向の幅はいずれも6mmである。
「第1オブジェクト」として磁性シート230が用いられ、「第2オブジェクト」として磁性シート240が用いられる場合、利用者は、磁性シート210,220、面211,221、領域211a,211b,221a,221bを磁性シート230,240、面231,241、領域231a,231b,241a,241bに代え、磁性シート210および220を用いた場合と同様に、面231と面241とを互いに接触または近接させたまま、面231と面241との間の相対位置関係を変化させる操作、または/および、面231と面241との間の相対位置関係を変化させる動作を行い、これによって凹凸感を知覚する(図10B)。同様に、「第1オブジェクト」として磁性シート250が用いられ、「第2オブジェクト」として磁性シート260が用いられる場合、利用者は、磁性シート210,220、面211,221、領域211a,211b,221a,221bを磁性シート250,260、面251,261、領域251a,251b,261a,261bに代え、磁性シート210および220を用いた場合と同様に、面251と面261とを互いに接触または近接させたまま、面251と面261との間の相対位置関係を変化させる操作、または/および、面251と面261との間の相対位置関係を変化させる動作を行い、これによって凹凸感を知覚する(図10C)。
その他、「第1オブジェクト」として磁性シート210,230,250の何れかが用いられ、「第2オブジェクト」として磁性シート220,240,260の何れかが用いられ、「第1オブジェクト」のピッチと「第2オブジェクト」のピッチとが異なっていてもよい。
「第1オブジェクト」および「第2オブジェクト」として用いられる磁性シートのピッチは、利用者が知覚するせん断応力、すなわち凹凸感に影響を与える。まず、図10Aから図10Cに例示するように、利用者が知覚するせん断応力の空間周波数、すなわち凹凸の間隔は、「第1オブジェクト」として用いられる磁性シートのピッチおよび「第2オブジェクト」として用いられる磁性シートのピッチのうち小さいほうに依存する。例えば、図10Aのように「第1オブジェクト」および「第2オブジェクト」として用いられる磁性シートのピッチがともに2mmである場合に知覚される凹凸の間隔は、図10Bのように「第1オブジェクト」および「第2オブジェクト」として用いられる磁性シートのピッチがともに4mmである場合に知覚される凹凸の間隔よりも狭い。次に、図11Aから図11Dに例示するように、利用者が知覚するせん断応力の大きさ、すなわち凹凸感の強さは、「第1オブジェクト」として用いられる磁性シートのピッチと「第2オブジェクト」として用いられる磁性シートのピッチとの組み合わせに依存する。図11Aおよび図11Bに例示するように、「第1オブジェクト」および「第2オブジェクト」として用いられる磁性シートのピッチが同一である場合(例えば、同じ2mmである場合)、「第1オブジェクト」および「第2オブジェクト」として用いられる磁性シート間の引力面積比(Attractive force area Ratio)の最大値(100%)と最小値(0%)の差が最大となり
、利用者が知覚する凹凸感の強さが最大となる。図11Aおよび図11Cに例示するように、「第1オブジェクト」として用いられる磁性シートのピッチが6mmであり、「第2オブジェクト」として用いられる磁性シートのピッチが2mmである場合、磁性シート間の引力面積比の最大値は66.67%となり、最小値は33.33%となり、利用者が知覚する凹凸感の強さは「第1オブジェクト」および「第2オブジェクト」として用いられる磁性シートのピッチが同一である場合よりも小さくなる。さらに、図11Aおよび図11Dに例示するように、「第1オブジェクト」として用いられる磁性シートのピッチが4mmであり、「第2オブジェクト」として用いられる磁性シートのピッチが2mmである場合、磁性シート間の引力面積比の最大値および最小値はともに50%となり、利用者は凹凸感を知覚しない。
利用者が知覚する凹凸感の強さを定式化すると以下のようになる。「第2オブジェクト」として用いられる磁性シートAのピッチをp=n[mm]とし、「第1オブジェクト」として用いられる磁性シートBのピッチp=m[mm]とする。ただし、n≦mとする。2つの磁性シートA,Bが触れ合う面での引力面積比Ar(A,B)は、2つのピッチp、pの関数fで表される。
Ar(A,B)=f(p,p)[%] (1)
ただし、関数fは磁性シートA,Bに着磁されたパタンに依る。また2つの磁性シートA,B間に発生する保持力(Holding Force:H(A,B)[g/cm])は、Ar(A,B)および両磁性シートA,Bの表面磁束密度Bs、Bs[mT]に依存し、関数gで表せる。
(A,B)=g(Ar(A,B),Bs(A),Bs(B))[g/cm] (2)
この2つの磁性シートA,Bの面を互いに接触または近接させたまま、これらの面の間の相対位置関係を変化させたときに知覚される凹凸感の強さV(A,B)は、H(A,B)の最大値H(A,B)MAXに依存し、関数hで表せる。
(A,B)=h(H(A,B)MAX
=h(g(Ar(A,B),Bs(A),Bs(B)MAX) (∵(2))
=h(g(f(p,p),p,pMAX) (∵(1)および同一部材を用いた場合、表面磁束密度Bs、Bsは主にピッチp,pにそれぞれ依存)
=F(p,p) (3)
図12は、磁性シートA,Bのピッチp,pと、磁性シートA,B間に発生する保持力および最大引力面積比(引力面積比の最大値)との関係を例示したものである。図12の左側の縦軸は保持力を表し、右側の縦軸は最大引力面積比を表し、横軸は磁性シートA,Bのピッチp,p((A)はピッチp、(B)はピッチp)を表す。このように、「第1オブジェクト」および「第2オブジェクト」として用いられる磁性シートA,Bによって知覚される凹凸の強さは、磁性シートA,Bのピッチに応じて変化する。
「第1オブジェクト」および「第2オブジェクト」の他の例を示す。図13Aから図14Bは、S極に着磁された周期的な略市松模様(略チェッカー)の領域とN極に着磁された周期的な略市松模様の領域とを含むテクスチャが着磁された磁性シートを「第1オブジェクト」および「第2オブジェクト」とする例である。図13A、図13Cおよび図14Aの磁性シート210’,230’,250’は「第1オブジェクト」の具体例であり、図13B、図13Dおよび図14Bの磁性シート220’,240’,260’は「第2オブジェクト」の具体例である。略市松模様とは、市松模様または市松模様に近似する模様を意味する。すなわち、本形態の略市松模様とは、S極が着磁された正方形(または長方形)とN極が着磁された正方形(または長方形)とが交互に周期的に配置されたパタン(市松模様)のみならず、S極が着磁された正方形(または長方形)に類似するパタンとN極が着磁された正方形(または長方形)に類似するパタンとが交互に周期的に配置されたパタンをも含む。正方形(または長方形)に類似するパタンの例は、正方形(または長方形)の角が丸められたパタン、円、楕円などである。
図13Aに例示するように、磁性シート210’(第1オブジェクト)の一方の面211’(第1面)には、S極が着磁された角が丸められた正方形の領域211a’とN極が着磁された角が丸められた正方形の領域211b’とが周期的に交互に繰り返される略市松模様のテクスチャ(第1テクスチャ)が着磁されている。図13Bに例示するように、磁性シート220’(第2オブジェクト)の一方の面221’(第2面)には、S極が着磁された角が丸められた正方形の領域221a’とN極が着磁された角が丸められた正方形の領域221b’とが周期的に交互に繰り返される略市松模様のテクスチャ(第2テクスチャ)が着磁されている。磁性シート210’および220’に着磁された略市松模様のパタンのピッチ(周期的に交互に繰り返し配置される各パタンの幅)はすべて2mmである。
図13Cに例示するように、磁性シート230’(第1オブジェクト)の一方の面231’(第1面)には、S極が着磁された角が丸められた正方形の領域231a’とN極が着磁された角が丸められた正方形の領域231b’とが周期的に交互に繰り返される略市松模様のテクスチャ(第1テクスチャ)が着磁されている。図13Dに例示するように、磁性シート240’(第2オブジェクト)の一方の面241’(第2面)には、S極が着磁された角が丸められた正方形の領域241a’とN極が着磁された角が丸められた正方形の領域241b’とが周期的に交互に繰り返される略市松模様のテクスチャ(第2テクスチャ)が着磁されている。磁性シート230’および240’に着磁された略市松模様のパタンのピッチはすべて4mmである。
図14Aに例示するように、磁性シート250’(第1オブジェクト)の一方の面251’(第1面)には、S極が着磁された角が丸められた正方形の領域251a’とN極が着磁された角が丸められた正方形の領域251b’とが周期的に交互に繰り返される略市松模様のテクスチャ(第1テクスチャ)が着磁されている。図14Bに例示するように、磁性シート260’(第2オブジェクト)の一方の面261’(第2面)には、S極が着磁された角が丸められた正方形の領域261a’とN極が着磁された角が丸められた正方形の領域261b’とが周期的に交互に繰り返される略市松模様のテクスチャ(第2テクスチャ)が着磁されている。磁性シート250’および260’に着磁された略市松模様のパタンのピッチはすべて6mmである。
上述のような略市松模様のテクスチャが着磁された磁性シートを「第1オブジェクト」および「第2オブジェクト」とした場合も、利用者が「第1オブジェクト」の「第1面」と「第2面」とを互いに接触または近接させたまま、「第1面」と「第2面」との間の相対位置関係を変化させる操作を行う、または/および、「第1面」と「第2面」との間の相対位置関係を変化させる動作を行うことにより、凹凸を知覚することができる。なお「第1オブジェクト」のピッチと「第2オブジェクト」のピッチとは互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。その他、略市松模様のテクスチャが着磁された磁性シートを「第1オブジェクト」とし、前述のような帯状の領域が交互に繰り返されるテクスチャが着磁された磁性シートを「第2オブジェクト」としてもよい。逆に、前述のような帯状の領域が交互に繰り返されるテクスチャが着磁された磁性シートを「第1オブジェクト」とし、略市松模様のテクスチャが着磁された磁性シートを「第2オブジェクト」としてもよい。
上述のような略市松模様のテクスチャが着磁された磁性シートを「第1オブジェクト」および「第2オブジェクト」の少なくとも一方として用いる場合も、「第1オブジェクト」および「第2オブジェクト」として用いられる磁性シートのピッチは、利用者が知覚するせん断応力、すなわち凹凸感に影響を与える。すなわち、利用者が知覚するせん断応力の空間周波数、すなわち凹凸の間隔は、「第1オブジェクト」として用いられる磁性シートのピッチおよび「第2オブジェクト」として用いられる磁性シートのピッチのうち小さいほうに依存する。また、利用者が知覚するせん断応力の大きさ、すなわち凹凸感の強さは、「第1オブジェクト」として用いられる磁性シートのピッチと「第2オブジェクト」として用いられる磁性シートのピッチとの組み合わせに依存する。また、前述した知覚される凹凸感の強さの定式化は、略市松模様のテクスチャが着磁された磁性シートを「第1オブジェクト」および「第2オブジェクト」の少なくとも一方として用いる場合にも適用でき、知覚される凹凸感の強さV(A,B)は式(3)で表される。ただし、前述のような帯状の領域が交互に繰り返されるテクスチャが着磁された磁性シートを「第1オブジェクト」および「第2オブジェクト」とする場合に比べ、略市松模様のテクスチャが着磁された磁性シートを「第1オブジェクト」および「第2オブジェクト」の少なくとも一方として用いる場合の方が、磁性シート間の最大引力面積比が小さくなり、知覚される凹凸感を小さくできる。例えば、図15に例示するように、2mmのピッチの磁性シートと6mmのピッチの磁性シートとを用いる場合であっても、帯状の領域が交互に繰り返されるテクスチャ(ストライプテクスチャ)が着磁された磁性シートの組を用いる場合の最大引力面積比は66.67%となるのに対し、略市松模様のテクスチャ(チェッカーテクスチャ)が着磁された磁性シートの組を用いる場合の最大引力面積比は55.56%となる。また、図16Aから図17Bに例示するように、ストライプテクスチャが着磁された磁性シートの組を用いる場合でもチェッカーテクスチャが着磁された磁性シートの組を用いる場合でも、「第1オブジェクト」として用いられる磁性シートのピッチと「第2オブジェクト」として用いられる磁性シートのピッチとが等しい場合に、それらの磁性シート間の保持力および最大引力面積比が最大になる。ここで、ストライプテクスチャの場合には、「第1オブジェクト」として用いられる磁性シートのピッチと「第2オブジェクト」として用いられる磁性シートのピッチとが相違する場合でも、或る程度の大きさの保持力および最大引力面積比が得られている(図16Aおよび図16B)。これに対し、チェッカーテクスチャの場合には、「第1オブジェクト」として用いられる磁性シートのピッチと「第2オブジェクト」として用いられる磁性シートのピッチとが相違する場合の保持力および最大引力面積比が、それらのピッチが同一の場合に比べて大幅に低下する(図17Aおよび図17B)。すなわち、ストライプテクスチャの場合には、2つの磁性シートのピッチが相違してもある程度の強さの凹凸感を知覚させることができるが、チェッカーテクスチャの場合には、2つの磁性シートのピッチが相違すると知覚される凹凸感の強さが大幅に低下することが分かる。一方、ストライプテクスチャの場合には、「第1オブジェクト」と「第2オブジェクト」との相対位置を1次元方向に変化させたときにしか凹凸感を知覚させることができないが、チェッカーテクスチャの場合には、この相対位置を二次元方向に変化させた場合にも凹凸感を知覚させることができる。
<本形態の特徴>
本形態では、2つの磁性シートを用いて凹凸感を知覚させることができ、それぞれに着磁されたテクスチャやピッチに応じて多様な凹凸感を表現できる。
[第2実施形態の変形例]
「第1オブジェクト」として用いられる磁性シートと「第2オブジェクト」として用いられる磁性シートとの間で十分な磁力が及ぶのであれば、これらの2つの磁性シートが非接触な状態でそれらの面(第1面と第2面)の間の相対位置関係を変化させてもよい。例えば、これらの2つの磁性シートの間に紙などの非磁性体の薄いシートが介在してもよい。利用者が「第1オブジェクト」として用いられる磁性シートのピッチと「第2オブジェクト」として用いられる磁性シートの両方に接していてもよいし、「第1オブジェクト」として用いられる磁性シートのみに接していてもよい。
[第3実施形態]
第3実施形態は第2実施形態の原理を応用したものである。前述のように、一方の磁性シートに着磁されたテクスチャが同一であったとしても、それに重ねられる他方の磁性シートに着磁されたテクスチャが異なれば、利用者に異なる凹凸感を提示できる。本形態ではこの特徴を利用する。本形態の力覚提示物は、「ベースオブジェクト」「第1シート」「第2シート」「第1接触オブジェクト」および「第2接触オブジェクト」を有する。「ベースオブジェクト」は、「第1面」を含み、「第1面」にはS極の領域とN極の領域とを含む「第1テクスチャ」が予め着磁されている。「第1シート」は、視覚によって認識可能な「第1パタン」が設けられており、「ベースオブジェクト」の「第1面」側に(例えば「第1面」に)重ね合せられる。「第2シート」は、「第1パタン」とは異なる、視覚によって認識可能な「第2パタン」が設けられており、「ベースオブジェクト」の「第1面」側に(例えば「第1面」に)重ね合せられる。「第1接触オブジェクト」は、「第2面」を含み、「第2面」側には(例えば「第2面」には)S極の領域とN極の領域とを含む「第2テクスチャ」が予め着磁されている。「第2接触オブジェクト」は、「第3面」を含み、「第3面」側には(例えば「第3面」には)S極の領域とN極の領域とを含み、「第2テクスチャ」とは異なる「第3テクスチャ」が予め着磁されている。ここで、「動作主体」が「第1行動」を行ったときに「第1接触オブジェクト」から感じる凹凸感覚と、「第2行動」を行ったときに「第2接触オブジェクト」から感じる凹凸感覚とは互いに異なる。言い換えると、「動作主体」が「第1行動」を行ったときに「第1接触オブジェクト」から受けるせん断応力の変化の仕方と、「動作主体」が「第2行動」を行ったときに「第2接触オブジェクト」から受けるせん断応力の変化の仕方と、は互いに異なる。ただし、「第1行動」とは、「ベースオブジェクト」の「第1面」側に「第1シート」が重ね合せられているときに、「動作主体」が、「第1接触オブジェクト」に接触して、「第1面」と「第2面」とを互いに近接させたまま、「第1面」と「第2面」との間の相対位置関係を変化させる操作、または/および、「第1面」と「第2面」との間の相対位置関係を変化させる動作を行う行動を意味する。「第2行動」とは、「ベースオブジェクト」の「第1面」側に「第2シート」が重ね合せられているときに、「動作主体」が、「第2接触オブジェクト」に接触して、「第1面」と「第3面」とを互いに近接させたまま、「第1面」と「第3面」との間の相対位置関係を変化させる操作、または/および、「第1面」と「第3面」との間の相対位置関係を変化させる動作を行う行動を意味する。
以下、図面を用いて本形態の具体例を説明する。以降、既に説明した事項については同じ参照番号を引用して説明を簡略化する。
図19に本形態の「ベースオブジェクト」であるベースオブジェクト310を例示する。本形態のベースオブジェクト310は磁性シートであり、その一方の面310a(第1面)にはS極の領域311a,312a,313a,314aとN極の領域311b,312b,313b,314bとを含むテクスチャ(第1テクスチャ)が予め着磁されている。ベースオブジェクト310の面310aは、4つの領域311,312,313,および314に区分されている。領域311には、S極の帯状の領域311aとN極の帯状の領域311bとが周期的な交互な繰り返しとなるように着磁されている。領域312には、S極の帯状の領域312aとN極の帯状の領域312bとが周期的な交互な繰り返しとなるように着磁されている。領域313には、S極の帯状の領域313aとN極の帯状の領域313bとが周期的な交互な繰り返しとなるように着磁されている。領域314には、S極の帯状の領域314aとN極の帯状の領域314bとが周期的な交互な繰り返しとなるように着磁されている。
図18Aに本形態の「第1シート」であるシート341を例示し、図18Bに本形態の「第2シート」であるシート342を例示する。シート341,342は、紙や合成樹脂などの非磁性体の薄いシートである。シート341,342は、不透明な材質から構成されていてもよいし、透明な材質から構成されていてもよい。シート341の一方の面には、視覚によって認識可能なパタン(第1パタン)が設けられている。シート342の一方の面には、シート341のパタン(第1パタン)とは異なる、視覚によって認識可能なパタン(第2パタン)が設けられている。図18Aおよび図18Bに例示するシート341,342の一方の面には、互いに相違する画像(例えば、絵や写真など)が描かれている。この例の場合、シート341ではスキー場が表現されており、シート342ではオフロードコースが表現されている。シート341および342は、ベースオブジェクト310の面310aにそれぞれ重ね合わせることができる。
図20Aおよび図20Bに本形態の「第1接触オブジェクト」である接触オブジェクト320を例示する。本形態の接触オブジェクト320は磁性シートを含む。接触オブジェクト320の一方の面322には画像(例えば、スノーボーダーの絵や写真など)が描かれている。接触オブジェクト320の他方の面321(第2面)には、S極の領域321aとN極の領域321bとを含むテクスチャ(第2テクスチャ)が予め着磁されている。本形態の接触オブジェクト320の面321には、S極の帯状の領域321aとN極の帯状の領域321bとが周期的な交互な繰り返しとなるように着磁されている。なお、接触オブジェクト320の一部が磁性シートである場合には、接触オブジェクト320の面321(第2面)のうちの磁性シートがある部分にテクスチャ(第2テクスチャ)が予め着磁されている。以降、接触オブジェクト320の面321(第2面)全体にテクスチャ(第2テクスチャ)が予め着磁されている場合について説明する。
図20Cおよび図20Dに本形態の「第2接触オブジェクト」である接触オブジェクト330を例示する。本形態の接触オブジェクト330も磁性シートを含む。接触オブジェクト330の一方の面332には画像(例えば、車の絵や写真など)が描かれている。接触オブジェクト330の他方の面331(第3面)には、S極の領域331aとN極の領域331bとを含むテクスチャ(第3テクスチャ)が予め着磁されている。接触オブジェクト330の面331に着磁されたテクスチャは、接触オブジェクト320の面321に着磁されたテクスチャと相違する。本形態の接触オブジェクト330の面331には、S極の帯状の領域331aとN極の帯状の領域331bとが周期的な交互な繰り返しとなるように着磁されている。ただし、面331に着磁されているテクスチャのピッチは、接触オブジェクト320の面321に着磁されているテクスチャのピッチと異なる。なお、接触オブジェクト330の一部が磁性シートである場合には、接触オブジェクト330の面331(第3面)のうちの磁性シートがある部分にテクスチャ(第3テクスチャ)が予め着磁されている。以降、接触オブジェクト330の面331(第3面)全体にテクスチャ(第3テクスチャ)が予め着磁されている場合について説明する。
ベースオブジェクト310の面310aにシート341(第1シート)が重ね合わされているとき、さらにシート341に接触オブジェクト320が重ね合わされる。接触オブジェクト320の面321はシート341側に向けられ、接触オブジェクト320とベースオブジェクト310との間にシート341が配置される。利用者(動作主体)は、指などで接触オブジェクト320の面322に接触して、面310a(第1面)と面321(第2面)とを互いに近接させたまま、面310a(第1面)と面321(第2面)との間の相対位置関係を変化させる操作、または/および、面310a(第1面)と面321(第2面)との間の相対位置関係を変化させる動作(第1行動)を行う。これにより、利用者は接触オブジェクト320から凹凸感を知覚する。前述のように、この凹凸感覚は、接触オブジェクト320の面321に着磁されたS極の領域321aとN極の領域321bとからなるパタンと、このパタンが近接しているベースオブジェクト310の面310aの領域(領域311,312,313,および314の何れか)に着磁されたS極の領域(領域311a,312a,313a,および314aの何れか)とN極の領域(領域311b,312b,313b,および314bの何れか)とからなるパタンとの組み合わせによって異なる。
一方、ベースオブジェクト310の面310aにシート342(第2シート)が重ね合わされているとき、さらにシート342に接触オブジェクト330が重ね合わされる。接触オブジェクト330の面331はシート342側に向けられ、接触オブジェクト330とベースオブジェクト310との間にシート342が配置される。利用者(動作主体)は、指などで接触オブジェクト330の面332に接触して、面310a(第1面)と面331(第3面)とを互いに近接させたまま、面310a(第1面)と面331(第3面)との間の相対位置関係を変化させる操作、または/および、面310a(第1面)と面331(第3面)との間の相対位置関係を変化させる動作(第2行動)を行う。これにより、利用者は接触オブジェクト330から凹凸感を知覚する。前述のように、この凹凸感覚も、接触オブジェクト330の面331に着磁されたS極の領域331aとN極の領域331bとからなるパタンと、このパタンが近接しているベースオブジェクト310の面310aの領域(領域311,312,313,および314の何れか)に着磁されたS極の領域(領域311a,312a,313a,および314aの何れか)とN極の領域(領域311b,312b,313b,および314bの何れか)とからなるパタンとの組み合わせによって異なる。
さらに、接触オブジェクト320の面321に着磁されているS極の領域321aとN極の領域321bとを含むテクスチャは、接触オブジェクト330の面331に着磁されているS極の領域331aとN極の領域331bとを含むテクスチャとは相違する。そのため、ベースオブジェクト310の面310aのいずれかの領域α(領域311,312,313,および314の何れか)に、接触オブジェクト320に着磁された領域321aおよび321bを含むテクスチャが近接し、利用者が「第1行動」を行っているときに知覚する凹凸感覚と、同じ領域αに、接触オブジェクト330に着磁された領域331aおよび331bを含むテクスチャが近接し、利用者が「第2行動」を行っているときに知覚する凹凸感覚とは、互いに相違する。前述のように、領域αに、接触オブジェクト320に着磁された領域321aおよび321bを含むテクスチャが近接し、利用者が「第1行動」を行っているときに接触オブジェクト320から受けるせん断応力の変化の仕方と、同じ領域αに、接触オブジェクト330に着磁された領域331aおよび331bを含むテクスチャが近接し、利用者が「第2行動」を行っているときに接触オブジェクト330から受けるせん断応力の変化の仕方とは、互いに相違するからである。
<本形態の特徴>
以上より、同じベースオブジェクト310を用いた場合でも、接触オブジェクト320を用いるか接触オブジェクト330を用いるかによって、利用者に異なる凹凸感覚を提示できる。例えば、接触オブジェクト320を用いるか接触オブジェクト330を用いるかによって、凹凸感覚の強さやピッチ(知覚される凹凸の間隔)を相違させることもできるし、凹凸感覚を知覚しない領域を相違させることもできる。このように互いに異なる凹凸感覚に対応する互いに異なる画像をシート341およびシート342に描いておけば、シート341およびシート342に表された互いに異なる画像に応じ、互いに異なる凹凸感覚を知覚させることができる。このように、本形態では永久磁石のみを用いているにもかかわらず、シートに表された画像に応じて凹凸感覚を変化させることができる。このような技術は、例えば、シートに応じて異なる凹凸感覚を提示する絵本などに応用することができる。
[第3実施形態の変形例1]
「ベースオブジェクト」の「第1面」に着磁される「第1テクスチャ」が、S極に着磁された周期的な略市松模様の領域とN極に着磁された周期的な略市松模様の領域とを含む「チェッカーテクスチャ」であってもよい。同様に、「第1接触オブジェクト」の「第2面」に着磁される「第2テクスチャ」が「チェッカーテクスチャ」であってもよいし、「第2接触オブジェクト」の「第3面」に着磁される「第3テクスチャ」が「チェッカーテクスチャ」であってもよい。
例えば、前述したベースオブジェクト310に代えて、図21Aに例示するベースオブジェクト310’が用いられてもよいし、接触オブジェクト320に代えて、図21Bに例示する接触オブジェクト320’が用いられてもよいし、接触オブジェクト330に代えて、図21Cに例示する接触オブジェクト330’が用いられてもよい。
ベースオブジェクト310’は磁性シートであり、その一方の面310a’(第1面)にはS極の領域311a’,312a’,313a’,314a’,315a’とN極の領域311b’,312b’,313b’,314b’,315b’とを含む周期的な略市松模様のテクスチャ(第1テクスチャ)が予め着磁されている。ベースオブジェクト310’の面310a’は、5つの領域311’,312’,313’,314’,および315’に区分されている。領域311’には、S極の領域311a’とN極の領域311b’とからなる周期的な略市松模様のテクスチャが着磁されている。領域312’には、S極の領域312a’とN極の領域312b’とからなる周期的な略市松模様のテクスチャが着磁されている。領域313’には、S極の領域313a’とN極の領域313b’とからなる周期的な略市松模様のテクスチャが着磁されている。領域314’には、S極の領域314a’とN極の領域314b’とからなる周期的な略市松模様のテクスチャが着磁されている。領域315’には、S極の領域315a’とN極の領域315b’とからなる周期的な略市松模様のテクスチャが着磁されている。
接触オブジェクト320’は磁性シートである。接触オブジェクト320’の一方の面には画像が描かれており、他方の面321’(第2面)には、S極の領域321a’とN極の領域321b’とからなる周期的な略市松模様のテクスチャ(第2テクスチャ)が予め着磁されている。接触オブジェクト330’は磁性シートである。接触オブジェクト330’の一方の面には画像が描かれており、他方の面331’(第3面)には、S極の領域331a’とN極の領域331b’とからなる周期的な略市松模様のテクスチャ(第3テクスチャ)が予め着磁されている。
このようにしても第3実施形態と同様な効果を得ることができる。ただし、第2実施形態で説明したように、ベースオブジェクト310、接触オブジェクト320、および接触オブジェクト330の少なくとも何れかに代えて、チェッカーテクスチャが着磁されたベースオブジェクト310’、接触オブジェクト320’、および接触オブジェクト330’の少なくとも何れかとして用いた場合、利用者が知覚するせん断応力の大きさ、すなわち凹凸感の強さは小さくなる。図22Aに例示するように、ストライプテクスチャが着磁されたベースオブジェクトAおよび接触オブジェクトBを用いた場合、それらのピッチが同一のときに利用者が知覚する凹凸感の強さが最大となり、それらのピッチが同一ではない場合でも、利用者が知覚するせん断応力はある程度大きく、ある程度の強さの凹凸感を知覚する組み合わせが存在する。一方、図22Bに例示するように、チェッカーテクスチャが着磁されたベースオブジェクトAおよび接触オブジェクトBを用いた場合、それらのピッチが同一のときに利用者が知覚する凹凸感の強さが最大となり、それらのピッチが同一ではない場合には利用者が知覚するせん断応力が小さくなり、凹凸感はほとんど知覚されない。すなわち、チェッカーテクスチャが着磁されたベースオブジェクトAおよび接触オブジェクトBを用いた場合には、凹凸感を知覚させる領域を制限することができる。
[第3実施形態の変形例2]
第3実施形態およびその変形例1で説明したように、同じ「ベースオブジェクト」を用いた場合でも、「第1接触オブジェクト」を用いるか「第2接触オブジェクト」を用いるかによって、利用者に異なる凹凸感覚を提示できる。この凹凸感覚は、「第1接触オブジェクト」および「第2接触オブジェクト」に着磁されたS極の領域とN極の領域とからなるパタンと、このパタンが近接している「ベースオブジェクト」の「第1面」の各領域に着磁されたS極の領域とN極の領域とからなるパタンとの組み合わせによって異なる。そのため、「ベースオブジェクト」の「第1面」の同じ経路上を移動させる場合であっても、「第1接触オブジェクト」および「第2接触オブジェクト」のいずれを移動させるかによって、利用者が知覚する凹凸感覚を相違させることができる。さらに、「ベースオブジェクト」の「第1面」の各領域に「第1接触オブジェクト」の「第2面」を近接させつつ当該「第1接触オブジェクト」を移動させたときに利用者が知覚する各凹凸感覚の強さと、当該各領域に「第2接触オブジェクト」の「第3面」を近接させつつ当該「第2接触オブジェクト」を移動させたときに利用者が知覚する各凹凸感覚の強さとを、互いに非線形な関係とすることもできる。すなわち、利用者が知覚する各凹凸感覚の強さを、以下の(I)かつ(II)、または、以下の(I)かつ(III)、を満たすようにすることもできる。
(I)利用者が「第1接触オブジェクト」に接触し、「ベースオブジェクト」の「第1面」の或る領域αに「第1接触オブジェクト」の「第2面」を近接させつつ当該「第1接触オブジェクト」を移動させた場合に利用者が知覚する凹凸感覚の強さは、「ベースオブジェクト」の「第1面」の他の領域βに「第1接触オブジェクト」の「第2面」を近接させつつ当該「第1接触オブジェクト」を移動させた場合に利用者が知覚する凹凸感覚の強さよりも弱い。
(II)利用者が「第2接触オブジェクト」に接触し、当該「ベースオブジェクト」の当該領域αに「第2接触オブジェクト」の「第3面」を近接させつつ当該「第2接触オブジェクト」を移動させた場合に利用者が知覚する凹凸感覚の強さは、当該「ベースオブジェクト」の当該他の領域βに「第2接触オブジェクト」の「第3面」を近接させつつ当該「第2接触オブジェクト」を移動させた場合に利用者が知覚する凹凸感覚の強さよりも強い。
(III)利用者が「第2接触オブジェクト」に接触し、当該「ベースオブジェクト」の当該領域αに「第2接触オブジェクト」の「第3面」を近接させつつ当該「第2接触オブジェクト」を移動させた場合に利用者が知覚する凹凸感覚の強さは、当該「ベースオブジェクト」の当該他の領域βに「第2接触オブジェクト」の「第3面」を近接させつつ当該「第2接触オブジェクト」を移動させた場合に利用者が知覚する凹凸感覚の強さと等しい。
ここで「行動A1−1」「行動A1−2」「行動A2−1」「行動A2−2」を次のように定義する。
・「行動A1−1」は、「ベースオブジェクト」の「第1面」側に「第1シート」が重ね合せられているときに、「動作主体」が、「第1接触オブジェクト」に接触して、「第1面」の「第1着磁領域」と「第2面」とを互いに近接させたまま、「第1面」の「第1着磁領域」と「第2面」との間の相対位置関係を変化させる操作、および/または、「第1面」の「第1着磁領域」と「第2面」との間の相対位置関係を変化させる動作である。
・「行動A1−2」は、「ベースオブジェクト」の「第1面」側に「第1シート」が重ね合せられているときに、「動作主体」が、「第1接触オブジェクト」に接触して、「第1面」の「第2着磁領域」と「第2面」とを互いに近接させたまま、「第1面」の「第2着磁領域」と「第2面」との間の相対位置関係を変化させる操作、および/または、「第1面」の「第2着磁領域」と「第2面」との間の相対位置関係を変化させる動作である。
・「行動A2−1」は、「ベースオブジェクト」の「第1面」側に「第2シート」が重ね合せられているときに、「動作主体」が、「第2接触オブジェクト」に接触して、「第1面」の「第1着磁領域」と「第3面」とを互いに近接させたまま、「第1面」の「第1着磁領域」と「第3面」との間の相対位置関係を変化させる操作、および/または、「第1面」の「第1着磁領域」と「第3面」との間の相対位置関係を変化させる動作である。
・「行動A2−2」は、「ベースオブジェクト」の「第1面」側に「第2シート」が重ね合せられているときに、「動作主体」が、「第2接触オブジェクト」に接触して、「第1面」の「第2着磁領域」と「第3面」とを互いに近接させたまま、「第1面」の「第2着磁領域」と「第3面」との間の相対位置関係を変化させる操作、および/または、「第1面」の「第2着磁領域」と「第3面」との間の相対位置関係を変化させる動作である。
この場合、「第1テクスチャ」が、着磁パタンが互いに異なる「第1着磁領域」と「第2着磁領域」とを含み、(1)「行動A1−1」を行ったときに「動作主体」が「第1接触オブジェクト」から感じる凹凸感覚の強さが、「行動A1−2」を行ったときに「動作主体」が「第1接触オブジェクト」から感じる凹凸感覚の強さよりも弱く、(2)「行動A2−1」を行ったときに「動作主体」が「第2接触オブジェクト」から感じる凹凸感覚の強さが、「行動A2−2」を行ったときに「動作主体」が「第2接触オブジェクト」から感じる凹凸感覚の強さ以上となるように、「第1テクスチャ」「第2テクスチャ」「第3テクスチャ」が構成されてもよい。
言い換えると、「第1テクスチャ」が、着磁パタンが互いに異なる「第1着磁領域」と「第2着磁領域」とを含み、(1)「行動A1−1」を行ったときに「動作主体」が「第1接触オブジェクト」から受けるせん断応力の最大値が、「行動A1−2」を行ったときに「動作主体」が「第1接触オブジェクト」から受けるせん断応力の最大値よりも小さく、(2)「行動A2−1」を行ったときに「動作主体」が「第2接触オブジェクト」から受けるせん断応力の最大値が、「行動A2−2」を行ったときに「動作主体」が「第2接触オブジェクト」から受けるせん断応力の最大値以上となるように、「第1テクスチャ」「第2テクスチャ」「第3テクスチャ」が構成されてもよい。
以下、図面を用いて本変形例の具体例を説明する。
本変形例の「ベースオブジェクト」としてベースオブジェクト310を用い(図19)、「第1シート」としてシート741−iを用い(例えば、図23)、「第2シート」としてシート742−iを用い(例えば、図24)、「第1接触オブジェクト」として接触オブジェクト320を用い(図20Aおよび図20B)、「第2接触オブジェクト」として接触オブジェクト330を用いる(図20Cおよび図20D)場合を例示する。ただし、i=1,…,Kであり、Kは1以上の整数である。互いに異なるiに対応するシート741−iの面741a−iに記載された「第1パタン」は互いに相違する。同様に、互いに異なるiに対応するシート742−iの面742a−iに記載された「第2パタン」は互いに相違する。
前述のように、ベースオブジェクト310には、着磁パタンが互いに異なる4つの領域311〜314を含むテクスチャ(第1テクスチャ)が設けられている。領域311は「第1着磁領域」の例であり、領域312は「第2着磁領域」の例である。ここでは、領域311の領域311a,311bの短手方向の幅はそれぞれ6mmであり、領域312の領域312a,312bの短手方向の幅はそれぞれ2mmであり、領域313の領域313a,313bの短手方向の幅はそれぞれ5mmであり、領域314の領域314a,314bの短手方向の幅はそれぞれ4mmであるとする。また、前述のように、接触オブジェクト320の面321(第2面)には、領域321a,321bを含むテクスチャ(第2テクスチャ)が予め着磁されている。接触オブジェクト330の面331(第3面)には、領域331a,331bを含むテクスチャ(第3テクスチャ)が予め着磁されている。接触オブジェクト320の領域321a,321bの短手方向の幅はそれぞれ2mmであり、接触オブジェクト330の領域331a,331bの短手方向の幅はそれぞれ6mmであるとする。
シート741−iの一方の面741a−iには視覚によって認識可能な「第1パタン」が記載されており(図23)、シート742−iの一方の面742a−iには視覚によって認識可能な「第2パタン」が記載されている(図24)。「第1パタン」と「第2パタン」とは互いに異なる。ただし、「第1パタン」には点P1,P2,P3,P4,P5を通る経路P1−P5が記載されており、「第2パタン」にも点P1,P2,P3,P4,P5を通る経路P1−P5が記載されている。「第1パタン」における経路P1−P5の位置および形状は、「第2パタン」における経路P1−P5の位置および形状と同一である。
≪ベースオブジェクト310の面310a側にシート741−iおよび接触オブジェクト320を重ね合せて接触オブジェクト320を移動させる場合≫
ベースオブジェクト310の面310a(第1面)側にシート741−i(第1シート)が重ね合せられると、ベースオブジェクト310の領域311〜314にシート741−iの領域7411−i〜7414−iがそれぞれ重ね合わされる。ただし、シート741−iの他方の面(面741a−iの裏面)側がベースオブジェクト310の面310a側に向けられる。点P1,P2を通る経路P1−P2は領域7411−iに配置され、点P2,P3を通る経路P2−P3は領域7412−iに配置され、点P3,P4を通る経路P3−P4は領域7413−iに配置され、点P4,P5を通る経路P4−P5は領域7414−iに配置されている。
接触オブジェクト320(第1接触オブジェクト)は、その面321側を上述のように配置されたシート741−iの面741a−i側に向けて配置される。この状態で利用者(動作主体)が、接触オブジェクト320に接触して、ベースオブジェクト310の領域ρ(ただし、ρ∈{311,…,314})と面321(第2面)とを互いに近接させたまま、面310a(第1面)と面321(第2面)との間の相対位置関係を変化させる操作、および/または、面310aと面321との間の相対位置関係を変化させる動作を行う。このときに利用者が接触オブジェクト320から感じる凹凸感覚の強さをμ1(ρ)と表現する。この場合、各領域の凹凸感覚の強さは以下の式(4)の関係を満たす。
μ1(312)>μ1(311)>μ1(313)≒μ1(314) (4)
なお、μ1(311),μ1(312),μ1(313),μ1(314)は、接触オブジェクト320が経路P1−P2,P2−P3,P3−P4,P4−P5をそれぞれ移動しているときに利用者が知覚する凹凸感覚の強さである。
この凹凸感覚の強さの関係を、利用者が接触オブジェクト320から受けるせん断応力の最大値の関係で表すと以下の式(5)のようになる。
Λ1(312)>Λ1(311)>Λ1(313)≒Λ1(314) (5)
ただし、利用者が、接触オブジェクト320に接触して、ベースオブジェクト310の領域ρと面321とを互いに近接させたまま、面310aと面321との間の相対位置関係を変化させる操作、および/または、面310aと面321との間の相対位置関係を変化させる動作を行ったときに、利用者が接触オブジェクト320から受けるせん断応力の最大値をΛ1(ρ)と表現する。なお、Λ1(311),Λ1(312),Λ1(313),Λ1(314)は、接触オブジェクト320が経路P1−P2,P2−P3,P3−P4,P4−P5をそれぞれ移動しているときに利用者が受けるせん断応力の最大値である。
≪ベースオブジェクト310の面310a側にシート742−iおよび接触オブジェクト330を重ね合せて接触オブジェクト330を移動させる場合≫
ベースオブジェクト310の面310a(第1面)側にシート742−i(第2シート)が重ね合されると、ベースオブジェクト310の領域311〜314にシート742−iの領域7421−i〜7424−iがそれぞれ重ね合わされる。ただし、シート742−iの他方の面(面742a−iの裏面)側がベースオブジェクト310の面310a側に向けられる。点P1,P2を通る経路P1−P2は領域7421−iに配置され、点P2,P3を通る経路P2−P3は領域7422−iに配置され、点P3,P4を通る経路P3−P4は領域7423−iに配置され、点P4,P5を通る経路P4−P5は領域7424−iに配置されている。
接触オブジェクト330(第2接触オブジェクト)は、その面331側を上述のように配置されたシート742−iの面742a−i側に向けて配置される。この状態で利用者が、接触オブジェクト330に接触して、ベースオブジェクト310の領域ρ(ただし、ρ∈{311,…,314})と面331(第3面)とを互いに近接させたまま、面310a(第1面)と面331(第3面)との間の相対位置関係を変化させる操作、および/または、面310aと面331との間の相対位置関係を変化させる動作を行う。このときに利用者が接触オブジェクト330から感じる凹凸感覚の強さをμ2(ρ)と表現する。この場合、各領域の凹凸感覚の強さは以下の式(6)の関係を満たす。
μ2(311)>μ2(312)>μ2(313)>μ2(314) (6)
なお、μ2(311),μ2(312),μ2(313),μ2(314)は、接触オブジェクト330が経路P1−P2,P2−P3,P3−P4,P4−P5をそれぞれ移動しているときに利用者が知覚する凹凸感覚の強さである。
この凹凸感覚の強さの関係を、利用者が接触オブジェクト330から受けるせん断応力の最大値の関係で表すと以下の式(7)のようになる。
Λ2(311)>Λ2(312)>Λ2(313)>Λ2(314) (7)
ただし、利用者が、接触オブジェクト330に接触して、ベースオブジェクト310の領域ρと面331とを互いに近接させたまま、面310aと面331との間の相対位置関係を変化させる操作、および/または、面310aと面331との間の相対位置関係を変化させる動作を行ったときに、利用者が接触オブジェクト330から受けるせん断応力の最大値をΛ2(ρ)と表現する。なお、Λ2(311),Λ2(312),Λ2(313),Λ2(314)は、接触オブジェクト330が経路P1−P2,P2−P3,P3−P4,P4−P5をそれぞれ移動しているときに利用者が受けるせん断応力の最大値である。
式(4)および式(5)を比較すれば分かるように、接触オブジェクト320も接触オブジェクト330もベースオブジェクト310上の同じ経路P1−P5を移動しているにもかかわらず、利用者は接触オブジェクト320および330から互いに異なる凹凸感覚を知覚する。また、さらに、接触オブジェクト320が領域311,312(経路P1−P2,P2−P3)を移動した場合の凹凸感覚の強さの大小関係(μ1(311)<μ1(312))は、接触オブジェクト330が領域311,312(経路P1−P2,P2−P3)を移動した場合の凹凸感覚の強さの大小関係の逆になっている。せん断応力の最大値の大小関係についても同様である。このように、同一のベースオブジェクト310上の同じ経路にそって接触オブジェクト320,330を移動させる場合であっても、接触オブジェクト320を用いるか接触オブジェクト330を用いるかによって、利用者が知覚する凹凸感覚を非線形に変更できる。
[第3実施形態の変形例3]
「ベースオブジェクト」「第1シート」「第2シート」を冊子状に束ねてもよい。すなわち、「第1シート」の一部分と「第2シート」の一部分とが、「ベースオブジェクト」を含む「ベースシート」の一部分に取り付けられていてもよい。これにより、「第1シート」が「ベースオブジェクト」の「第1面」側に重ね合わされた際、「ベースオブジェクト」に対する「第1シート」の相対位置が予め定められた範囲内となり、「第2シート」が「ベースオブジェクト」の「第1面」側に重ね合わされた際、「ベースオブジェクト」に対する「第2シート」の相対位置が予め定められた範囲内となる。これにより、「ベースオブジェクト」の「第1面」の所望の位置に「第1シート」の「第1パタン」および「第2シート」の「第2パタン」を位置決めできる。このような構成の応用例は書籍である。このような「書籍」は、「ベースオブジェクト」を表紙および/またはページに含み、「第1の絵柄」である「第1パタン」が設けられた「第1シート」と、「第1の絵柄」とは異なる「第2の絵柄」である「第2パタン」が設けられた「第2シート」と、のそれぞれをページとして含む。すなわち、この「書籍」は、(1)「第1面」を含み、「第1面」にはS極の領域とN極の領域とを含む「第1テクスチャ」が予め着磁されている「ベースオブジェクト」を表紙および/またはページに含み、(2)視覚によって認識可能な「第1の絵柄」である「第1パタン」が設けられており、「ベースオブジェクト」の「第1面側」に重ね合せられる「第1シート」と、視覚によって認識可能な、「第1の絵柄」とは異なる「第2の絵柄」である「第2パタン」が設けられており、「ベースオブジェクト」の「第1面」側に重ね合せられる「第2シート」と、のそれぞれをページとして含む。このような場合、「第1接触オブジェクト」には「書籍」の「第1の絵柄」に対応する「第3の絵柄」が設けられ、「第2接触オブジェクト」には「書籍」の「第2の絵柄」に対応する「第4の絵柄」が設けられる。すなわち、「第1接触オブジェクト」は「第2面」を含む。「第2面」にはS極の領域とN極の領域とを含む「第2テクスチャ」が予め着磁されている。さらに「第1接触オブジェクト」には「書籍」の「第1の絵柄」に対応する「第3の絵柄」が設けられている。「第3の絵柄」は、例えば「第2面」以外の「第1接触オブジェクト」の位置(例えば、「第2面」の裏面)に設けられている。また、「第2接触オブジェクト」は「第3面」を含む。「第3面」にはS極の領域とN極の領域とを含み、「第2テクスチャ」とは異なる第3テクスチャが予め着磁されている。さらに、「第2接触オブジェクト」には「書籍」の「第2の絵柄」に対応する「第4の絵柄」が設けられている。「第4の絵柄」は、例えば「第3面」以外の「第1接触オブジェクト」の位置(例えば、「第3面」の裏面)に設けられている。「書籍」は、このような「第1接触オブジェクト」および「第2接触オブジェクト」ともに用いられることで、「力覚提示物」として機能させることができる。
以下、図面を用いて本変形例の具体例を説明する。
図25に例示するように、本変形例の「力覚提示物」は、前述したベースオブジェクト310(図19)を含む表紙751(ベースシート)、表紙752、前述したシート741−i(第1シート)(図23)、シート742−i(第2シート)(図24)、および取り付け部760を少なくとも有する書籍を含む。また、本変形例の「力覚提示物」は、図25の書籍に対応づけられた「第1接触オブジェクト」(図20Aおよび図20B)と「第2接触オブジェクト」(図20Cおよび図20D)も少なくとも含む。表紙751,752は紙や合成樹脂などの非磁性体のシートである。ただし、i=1,…,Kであり、Kは1以上の整数である。
例えば、図25に例示した書籍とこの書籍に対応づけられた第1接触オブジェクトと第2接触オブジェクトとは書籍とその付録として組にして販売して利用者が購入できるようにしてもよいし、書籍とこの書籍に対応づけられた第1接触オブジェクトと第2接触オブジェクトとを別々に販売して利用者が購入できるようにしてもよいし、第1接触オブジェクトと第2接触オブジェクトを書籍の販促ツールとして無料配付して、書籍のみを販売して利用者が購入できるようにしてもよい。図25に例示した書籍は、例えば幼児や子供向けの絵本であり、第1シートや第2シートには視覚によって認識可能なパタンである絵のほかに文字等が含まれていてもよい。これらの点は、以降に説明する第3実施形態の各変形例でも同様である。
本変形例のベースオブジェクト310、表紙751,752、およびシート741−i,742−iの平面形状はいずれも略矩形である。表紙751にはベースオブジェクト310が内蔵されており、表紙751に対するベースオブジェクト310の相対位置は固定されている。ベースオブジェクト310の面310aは表紙751の内側の面751aと略平行であり、ベースオブジェクト310の一辺310cは表紙751の一辺751cと略平行である。
表紙751の一辺751c側、表紙752の一辺752c側、シート741−iの一辺741c−i側、およびシート742−iの一辺742c−i側は、それぞれ取り付け部760に取り付けられている。これにより、シート741−iの一部分とシート742−iの一部分とが、取り付け部760を介し、ベースオブジェクト310を含む表紙751の一部分に取り付けられている。取り付け部760は、バインダーのとじ具であってもよいし、綴じ合わせ用の糸であってもよいし、針金であってもよいし、無線綴じ用のシートであってもよい。すなわち、表紙751の一辺751c側、表紙752の一辺752c側、シート741−iの一辺741c−i側、およびシート742−iの一辺742c−i側が、とじ具である取り付け部760によってバインドされてもよいし、糸、針金、またはシートである取り付け部760によって綴じ合わされてもよい。シート741−iの一辺741c−i側およびシート742−iの一辺742c−i側は、表紙751の一辺751c側に固定されてもよいし、固定されなくてもよい。ただし、表紙751の一辺751c側に対する、シート741−iの一辺741c−i側およびシート742−iの一辺742c−i側の相対位置が予め定められた範囲内となる必要がある。同様に、表紙752の一辺752c側に対する、シート741−iの一辺741c−i側およびシート742−iの一辺742c−i側の相対位置が予め定められた範囲内となる必要がある。
本変形例では、表紙752の面752a側にシート741−iの面741a−i側が配置され、シート741−iの他方の面741b−i側にシート742−iの面742a−i側が配置され、シート742−iの他方の面742b−iに表紙751の面751a側が配置されている。すなわち、表紙751、表紙752、シート741−i、およびシート742−iがすべて重ね合わされた場合、表紙752の面752a側にシート741−iの面741a−i側が配置され、シート741−iの他方の面741b−i側にシート742−iの面742a−i側が配置され、シート742−iの他方の面742b−iに表紙751の面751a側が配置される。
シート741−iおよびシート742−iの少なくとも一部のシートを、表紙751の面751a側に重ね合せたり、表紙752の面752a側に重ね合せたりできる。ここでシート741−iの一辺741c−iおよびシート742−iの一辺742c−iが取り付け部760に支持されている。そのため、シート741−iを表紙751の面751a側に重ね合せ、それによってシート741−i(第1シート)をベースオブジェクト310の面310a(第1面)側に重ね合せた際、ベースオブジェクト310に対するシート741−iの相対位置が予め定められた範囲内となる。例えば、シート741−iを表紙751の面751a側に重ね合せた際、ベースオブジェクト310に対するシート741−iの相対位置が常に同じ(所定の位置)になる。同様に、シート742−iを表紙751の面751a側に重ね合せ、それによってシート742−i(第2シート)をベースオブジェクト310の面310a(第1面)側に重ね合せた際、ベースオブジェクト310に対するシート742−iの相対位置が予め定められた範囲内となる。例えば、シート742−iを表紙751の面751a側に重ね合せた際、ベースオブジェクト310に対するシート742−iの相対位置が常に同じ(所定の位置)になる。これにより、ベースオブジェクト310の所望の位置に容易にシート741−iおよびシート742−iを重ね合せることができる。
本変形例によれば、例えば、利用者である幼児や子供などが、絵本(書籍)に含まれる複数のページのうちのあるページを開けたときに、複数の接触オブジェクトの中からそのページの絵(パタン)に対応する接触オブジェクトを選択して、そのページの絵に接触オブジェクトを重ね合せ、そのページの絵に描かれた経路に沿って接触オブジェクトを操作することにより、絵に描かれた経路に対応する凹凸感を感じるようにすることができる。これらの点は、以降に説明する第3実施形態の各変形例でも同様である。
[第3実施形態の変形例4]
「ベースオブジェクト」「第2ベースオブジェクト」「第1シート」「第2シート」を冊子状に束ねてもよい。ここで「第2ベースオブジェクト」は「第4面」を含む。「第4面」はS極の領域とN極の領域とを含み、「第4テクスチャ」が予め着磁されている。「第4テクスチャ」と「第1テクスチャ」とは、互いに同一であってもよいし、互いに異なっていてもよい。「第1シート」の一方の面には「第1パタン」が設けられており、「第1シート」の他方の面には視覚によって認識可能な「第3パタン」が設けられている。「第3パタン」と「第1パタン」とは、互いに同一であってもよいし、互いに異なっていてもよい。「第2シート」の一方の面には「第2パタン」が設けられており、「第2シート」の他方の面には視覚によって認識可能な「第4パタン」が設けられている。「第4パタン」と「第2パタン」とは、互いに同一であってもよいし、互いに異なっていてもよい。「第1シート」の一部分と「第2シート」の一部分とは、「ベースオブジェクト」を含む「ベースシート」の一部分に取り付けられ、さらに「第2ベースオブジェクト」を含む「第2ベースシート」の一部分に取り付けられている。「第1シート」の一方の面および「第2シート」の一方の面は「第2ベースオブジェクト」の「第4面」側に配置されており、「第1シート」の他方の面および「第2シート」の他方の面は「ベースオブジェクト」の「第1面」側に配置されている。このような構成の場合、「第1シート」が「ベースオブジェクト」の「第1面」側に重ね合わされた際、「ベースオブジェクト」に対する「第1シート」の相対位置が予め定められた範囲内となり、「第2シート」が「ベースオブジェクト」の「第1面」側に重ね合わされた際、「ベースオブジェクト」に対する「第2シート」の相対位置が予め定められた範囲内となる。同様に、「第1シート」が「第2ベースオブジェクト」の「第4面」側に重ね合わされた際、「第2ベースオブジェクト」に対する「第1シート」の相対位置が予め定められた範囲内となり、「第2シート」が「第2ベースオブジェクト」の「第4面」側に重ね合わされた際、「第2ベースオブジェクト」に対する「第2シート」の相対位置が予め定められた範囲内となる。これにより、「ベースオブジェクト」の「第1面」の所望の位置に「第1シート」の「第1パタン」および「第2シート」の「第2パタン」を位置決めできる。同様に、「第2ベースオブジェクト」の「第4面」の所望の位置に「第1シート」の「第3パタン」および「第2シート」の「第4パタン」を位置決めできる。
好ましくは、「動作主体」が「第3行動」を行ったときに「第1接触オブジェクト」から感じる凹凸感覚と、「第4行動」を行ったときに「第2接触オブジェクト」から感じる凹凸感覚とは互いに異なる。言い換えると、「動作主体」が「第3行動」を行ったときに「第1接触オブジェクト」から受けるせん断応力の変化の仕方と、「動作主体」が「第4行動」を行ったときに「第2接触オブジェクト」から受けるせん断応力の変化の仕方と、は互いに異なる。ただし、「第3行動」とは、「第2ベースオブジェクト」の「第4面」側に「第1シート」が重ね合せられているときに、「動作主体」が、「第1接触オブジェクト」に接触して、「第4面」と「第2面」とを互いに近接させたまま、「第4面」と「第2面」との間の相対位置関係を変化させる操作、および/または、「第4面」と「第2面」との間の相対位置関係を変化させる動作を行う行動を意味する。「第4行動」とは、「第2ベースオブジェクト」の「第4面」側に「第2シート」が重ね合せられているときに、「動作主体」が、「第2接触オブジェクト」に接触して、「第4面」と「第3面」とを互いに近接させたまま、「第4面」と「第3面」との間の相対位置関係を変化させる操作、および/または、「第4面」と「第3面」との間の相対位置関係を変化させる動作を行う行動を意味する。
「動作主体」が前述の「第1行動」を行ったときに「第1接触オブジェクト」から感じる凹凸感覚と、「第3行動」を行ったときに「第1接触オブジェクト」から感じる凹凸感覚とが、互いに異なってもよい。言い換えると、「動作主体」が前述の「第1行動」を行ったときに「第1接触オブジェクト」から受けるせん断応力の変化の仕方と、「第3行動」を行ったときに「第1接触オブジェクト」から受けるせん断応力の変化の仕方とが、互いに異なってもよい。同様に、「動作主体」が前述の「第2行動」を行ったときに「第2接触オブジェクト」から感じる凹凸感覚と、「第4行動」を行ったときに「第2接触オブジェクト」から感じる凹凸感覚とが、互いに異なってもよい。言い換えると、「動作主体」が前述の「第2行動」を行ったときに「第2接触オブジェクト」から受けるせん断応力の変化の仕方と、「第4行動」を行ったときに「第2接触オブジェクト」から受けるせん断応力の変化の仕方とが、互いに異なってもよい。
以下、図面を用いて本変形例の具体例を説明する。
図26に例示するように、本変形例の「力覚提示物」は、前述したベースオブジェクト310(図19)を含む表紙751(ベースシート)、前述したベースオブジェクト310’(第2ベースオブジェクト)(図21A)を含む表紙852(第2ベースシート)、シート841−i(第1シート),シート842−i(第2シート)、および取り付け部760を有する書籍を含む。また、本変形例の「力覚提示物」は、図26の書籍に対応づけられた「第1接触オブジェクト」(図20Aおよび図20B)と「第2接触オブジェクト」(図20Cおよび図20D)も少なくとも含む。表紙852は紙や合成樹脂などの非磁性体のシートである。ただし、i=1,…,Kであり、Kは1以上の整数である。
本変形例のベースオブジェクト310’は面310a’(第4面)を含む。面310a’にはS極の領域とN極の領域とを含み、ベースオブジェクト310の面310aに着磁されているテクスチャ(第1テクスチャ)と異なるテクスチャ(第4テクスチャ)が予め着磁されている。シート841−iの一方の面841a−iには視覚によって認識可能なパタン(第1パタン)(例えば、図23)が設けられており、シート841−iの他方の面841b−iには視覚によって認識可能なパタン(第3パタン)が設けられている。第3パタンは第1パタンと異なる。シート842−iの一方の面842a−iには視覚によって認識可能なパタン(第2パタン)(例えば、図24)が設けられており、シート842−iの他方の面842b−iには視覚によって認識可能な第4パタンが設けられている。第4パタンは第2パタンと異なる。
ベースオブジェクト310,310’、表紙751,852、およびシート841−i,842−iの平面形状はいずれも略矩形である。表紙852にはベースオブジェクト310’が内蔵されており、表紙852に対するベースオブジェクト310’の相対位置は固定されている。ベースオブジェクト310’の面310a’は表紙852の内側の面852aと略平行であり、ベースオブジェクト310’の一辺310c’は表紙852の一辺852cと略平行である。
表紙751の一辺751c側、表紙852の一辺852c側、シート841−iの一辺841c−i側、およびシート842−iの一辺842c−i側は、それぞれ取り付け部760に取り付けられている。これにより、シート841−iの一部分とシート842−iの一部分とが、取り付け部760を介し、ベースオブジェクト310を含む表紙751の一部分に取り付けられている。また、シート841−iの一部分とシート842−iの一部分とが、取り付け部760を介し、ベースオブジェクト310’を含む表紙852の一部分に取り付けられている。シート841−iの一辺841c−i側およびシート842−iの一辺842c−i側は、表紙751の一辺751c側に固定されてもよいし、固定されなくてもよい。同様に、シート841−iの一辺841c−i側およびシート842−iの一辺842c−i側は、表紙852の一辺852c側に固定されてもよいし、固定されなくてもよい。ただし、表紙751の一辺751c側に対する、シート841−iの一辺841c−i側およびシート842−iの一辺842c−i側の相対位置が予め定められた範囲内となる必要がある。また表紙852の一辺852c側に対する、シート841−iの一辺841c−i側およびシート842−iの一辺842c−i側の相対位置が予め定められた範囲内となる必要がある。
本変形例では、表紙852の面852a側にシート841−iの面841a−i側が配置され、シート841−iの他方の面841b−i側にシート842−iの面842a−i側が配置され、シート842−iの他方の面842b−iに表紙751の面751a側が配置されている。すなわち、表紙751、表紙852、シート841−i、およびシート842−iがすべて重ね合わされた場合、表紙852の面852a側にシート841−iの面841a−i側が配置され、シート841−iの他方の面841b−i側にシート842−iの面842a−i側が配置され、シート842−iの他方の面842b−iに表紙751の面751a側が配置される。
シート841−iおよびシート842−iの少なくとも一部のシートを、表紙751の面751a側に重ね合せたり、表紙852の面852a側に重ね合せたりできる。ここでシート841−iの一辺841c−iおよびシート842−iの一辺842c−iが取り付け部760に支持されている。そのため、シート841−iを表紙751の面751a側に重ね合せ、それによってシート841−i(第1シート)をベースオブジェクト310の面310a(第1面)側に重ね合せた際、ベースオブジェクト310に対するシート841−iの相対位置が予め定められた範囲内となる。例えば、シート841−iを表紙751の面751a側に重ね合せた際、ベースオブジェクト310に対するシート841−iの相対位置が常に同じ(所定の位置)になる。同様に、シート842−iを表紙751の面751a側に重ね合せ、それによってシート842−i(第2シート)をベースオブジェクト310の面310a(第1面)側に重ね合せた際、ベースオブジェクト310に対するシート842−iの相対位置が予め定められた範囲内となる。例えば、シート842−iを表紙751の面751a側に重ね合せた際、ベースオブジェクト310に対するシート842−iの相対位置が常に同じ(所定の位置)になる。また、シート841−iを表紙852の面852a側に重ね合せ、それによってシート841−i(第1シート)をベースオブジェクト310’の面310a’(第4面)側に重ね合せた際、ベースオブジェクト310’に対するシート841−iの相対位置が予め定められた範囲内となる。例えば、シート841−iを表紙852の面852a側に重ね合せた際、ベースオブジェクト310’に対するシート841−iの相対位置が常に同じ(所定の位置)になる。同様に、シート842−iを表紙852の面852a側に重ね合せ、それによってシート842−i(第2シート)をベースオブジェクト310’の面310a’(第4面)側に重ね合せた際、ベースオブジェクト310’に対するシート842−iの相対位置が予め定められた範囲内となる。例えば、シート842−iを表紙852の面852a側に重ね合せた際、ベースオブジェクト310’に対するシート842−iの相対位置が常に同じ(所定の位置)になる。これにより、ベースオブジェクト310,310’の所望の位置に容易にシート841−iおよびシート842−iを重ね合せることができる。
[第3実施形態の変形例5]
第3実施形態の変形例3および変形例4では、「第1シート」の枚数と「第2シート」の枚数とが互いに同一である例を示した。しかし、「第1シート」の枚数と「第2シート」の枚数とが互いに異なっていてもよい。
[第3実施形態の変形例6]
さらにフェライト磁石やネオジム磁石などの磁力の強い永久磁石を用いて力覚を提示してもよい。例えば、「ベースオブジェクト」よりも磁力の強い「第1永久磁石」を設け、「第1接触オブジェクト」または「第2接触オブジェクト」の一方のみに磁性シートに加えて磁性シートよりも磁力の強い「第2永久磁石」を設けてもよい。例えば、「第1接触オブジェクト」のみに「第2永久磁石」が設けられている場合に「第1接触オブジェクト」を用いた前述の操作および/または動作が行われると、利用者は、前述の凹凸感覚に加え、「第1永久磁石」と「第2永久磁石」との間の引力または斥力に基づく力覚をも知覚する。一方、この場合に前述の「第2接触オブジェクト」を用いた操作および/または動作が行われた場合には、利用者は、前述の凹凸感覚のみを知覚する。逆に「第2接触オブジェクト」のみに「第2永久磁石」が設けられている場合に「第2接触オブジェクト」を用いた前述の操作および/または動作が行われると、利用者は、前述の凹凸感覚に加え、「第1永久磁石」と「第2永久磁石」との間の引力または斥力に基づく力覚をも知覚する。一方、この場合に前述の「第1接触オブジェクト」を用いた操作および/または動作が行われた場合には、利用者は、前述の凹凸感覚のみを知覚する。
以下、図面を用いて本変形例の具体例を説明する。
図27に例示する「力覚提示物」は、ベース部951と、前述のシート741−i(第1シート)(例えば、図23)と、シート742−i(第2シート)(例えば、図24)と、第1接触オブジェクト970と、第2接触オブジェクト980とを有する。
ベース部951は、前述のベースオブジェクト310(図19)および永久磁石961−1,961−2(第1永久磁石)を内蔵している。ベース部951は板面951aを持ち、ベースオブジェクト310は、その一方の面310aがこの板面951aと略平行となるように固定されている。ベースオブジェクト310の他方の面310b側には永久磁石961−1,961−2が固定されている。永久磁石961−1,961−2の磁力はベースオブジェクト310の磁力よりも強い。永久磁石961−1,961−2の例は、フェライト磁石またはネオジム磁石である。この例では、永久磁石961−1のS極側の端部961a−1がベースオブジェクト310の面310b側を向き、N極側の端部961b−1がその反対側を向いている。また、永久磁石961−2のN極側の端部961a−2がベースオブジェクト310の面310b側を向き、S極側の端部961b−2がその反対側を向いている。
第1接触オブジェクト970は、前述の接触オブジェクト320(図20Aおよび図20B)と同様の磁性シート920と永久磁石971(第2永久磁石)とを内蔵している。磁性シート920の一方の面921(第2面)には、前述の接触オブジェクト320の一方の面321と同じテクスチャ(第2テクスチャ)が予め着磁されている。第1接触オブジェクト970は板面970aを持ち、磁性シート920の面921がこの板面970aと略平行となるように固定されている。磁性シート920の他方の面922側には永久磁石971が固定されている。永久磁石971の磁力は磁性シート920の磁力よりも強い。永久磁石971の例は、フェライト磁石またはネオジム磁石である。この例では、永久磁石971のN極側の端部971bが磁性シート920の面922側を向き、S極側の端部971aがその反対側を向いている。第1接触オブジェクト970は、板面970aの反対側に板面970bを持つ。板面970bには画像(例えば、スノーボーダーの絵や写真など)が描かれている。
第2接触オブジェクト980は、前述の接触オブジェクト330(図20Cおよび図20D)と同様の磁性シート930を内蔵している。磁性シート930の一方の面931(第3面)には、前述の接触オブジェクト330の一方の面331と同じテクスチャ(第3テクスチャ)が予め着磁されている。第2接触オブジェクト980は板面980aを持ち、磁性シート930の面931がこの板面980aと略平行となるように固定されている。第2接触オブジェクト980は、磁性シート930以外の永久磁石を含まない。第2接触オブジェクト980は、板面980aの反対側に板面980bを持つ。板面980bには画像(例えば、車の絵や写真など)が描かれている。
ベース部951の板面951a側にシート741−i(第1シート)が重ね合わされているとき、さらにシート741−iに第1接触オブジェクト970の板面970aが重ね合わされる。シート741−iの面741b−i側は板面951a側に向けられ、シート741−iの面741a−i側は第1接触オブジェクト970の板面970a側に向けられる。これにより、ベースオブジェクト310の面310a側にシート741−iが重ね合わされ、さらにシート741−iの面741a−i側に磁性シート920の面921側が重ね合わされる。利用者は、指などで第1接触オブジェクト970の板面970bに接触して、面310a(第1面)と面921(第2面)とを互いに近接させたまま、面310a(第1面)と面921(第2面)との間の相対位置関係を変化させる操作、および/または、面310a(第1面)と面921(第2面)との間の相対位置関係を変化させる動作を行う。これにより、利用者は第1接触オブジェクト970から凹凸感を知覚する。さらに、この操作および/または動作の過程で、永久磁石971が永久磁石961−1に近接した場合、永久磁石971と永久磁石961−1との間の磁力(引力)に基づいて、利用者は第1接触オブジェクト970が永久磁石961−1側へ引き寄せられる力覚を知覚する。また、この操作および/または動作の過程で、永久磁石971が永久磁石961−2に近接した場合、永久磁石971と永久磁石962−2との間の磁力(斥力)に基づいて、利用者は第1接触オブジェクト970が永久磁石961−2から引き離される力覚を知覚する。すなわち、利用者は凹凸感覚だけではなく、位置に応じてさらに引力や斥力を知覚する。
一方、ベース部951の板面951a側にシート742−i(第2シート)が重ね合わされているとき、さらにシート742−iに第2接触オブジェクト980の板面980aが重ね合わされる。シート742−iの面742b−i側は板面951a側に向けられ、シート742−iの面742a−i側は第2接触オブジェクト980の板面980a側に向けられる。これにより、ベースオブジェクト310の面310a側にシート742−iが重ね合わされ、さらにシート742−iの面742a−i側に磁性シート930の面931側が重ね合わされる。利用者は、指などで第2接触オブジェクト980の板面980bに接触して、面310a(第1面)と面931(第3面)とを互いに近接させたまま、面310a(第1面)と面931(第3面)との間の相対位置関係を変化させる操作、および/または、面310a(第1面)と面931(第3面)との間の相対位置関係を変化させる動作を行う。これにより、利用者は第2接触オブジェクト980から凹凸感を知覚する。しかし、第2接触オブジェクト980は磁性シート930以外の永久磁石を含んでいないため、第2接触オブジェクト980が永久磁石961−1,2に近接しても永久磁石961−1,2による引力や斥力は知覚されない。
[第3実施形態の変形例7]
フェライト磁石やネオジム磁石などの磁力の強い永久磁石を「第1接触オブジェクト」および「第2接触オブジェクト」の両方に設けてもよい。すなわち、「ベースオブジェクト」側に当該「ベースオブジェクト」よりも磁力の強い「第1永久磁石」を設け、「第1接触オブジェクト」に磁性シートに加えて磁性シートよりも磁力の強い「第2永久磁石」を設け、「第2接触オブジェクト」に磁性シートに加えて磁性シートよりも磁力の強い「第3永久磁石」を設けてもよい。「第1接触オブジェクト」および「第2接触オブジェクト」にそれぞれ設けられる永久磁石の磁極の向きは互いに同一であってもよいし、互いに反対向きであってもよい。本変形例では、「第1接触オブジェクト」および「第2接触オブジェクト」にそれぞれ設けられる永久磁石の磁極の向きが互いに反対向きである例を示す。すなわち、本変形例では、「第1接触オブジェクト」の「第2面」を「ベースオブジェクト」の「第1面」に近接させた際に当該「第1面」側に配置される「第2永久磁石」の磁極は、「第2接触オブジェクト」の「第3面」を当該「第1面」に近接させた際に当該「第1面」側に配置される「第3永久磁石」の磁極と異なる。これにより、「第1接触オブジェクト」の「第2永久磁石」が「ベースオブジェクト」側の「第1永久磁石」に近接した際に「第2永久磁石」が「第1永久磁石」から受ける磁力の向きと、「第2接触オブジェクト」の「第3永久磁石」が当該「第1永久磁石」に近接した際に「第3永久磁石」が「第1永久磁石」から受ける磁力の向きとを、互いに相違させることができる。すなわち、「第2永久磁石」が「第1永久磁石」から引力を受ける場合には、「第3永久磁石」は「第1永久磁石」から斥力を受ける。逆に「第2永久磁石」が「第1永久磁石」から斥力を受ける場合には、「第3永久磁石」は「第1永久磁石」から引力を受ける。これにより、「第1永久磁石」が配置された「ベースオブジェクト」の同じ位置であるにもかかわらず、「第1接触オブジェクト」と「第2接触オブジェクト」とで互いに異なる力覚(引力または斥力)を提示できる。
以下、図面を用いて本変形例の具体例を説明する。
図28に例示する「力覚提示物」は、ベース部951と、シート741−i(第1シート)と、シート742−i(第2シート)と、第1接触オブジェクト970と、第2接触オブジェクト1080とを有する。
第2接触オブジェクト1080は、前述の接触オブジェクト330(図20Cおよび図20D)と同様の磁性シート930および永久磁石1071(第3永久磁石)を内蔵している。磁性シート930の一方の面931(第3面)には、前述の接触オブジェクト330の一方の面331と同じテクスチャ(第3テクスチャ)が予め着磁されている。第2接触オブジェクト1080は板面1080aを持ち、磁性シート930の面931がこの板面1080aと略平行となるように固定されている。磁性シート930の他方の面932側には永久磁石1071が固定されている。永久磁石1071の磁力は磁性シート930の磁力よりも強い。永久磁石1071の例は、フェライト磁石またはネオジム磁石である。この例では、永久磁石1071のS極側の端部1071bが磁性シート930の面932側を向き、N極側の端部1071aがその反対側を向いている。すなわち、第1接触オブジェクト970の板面970a(第2面)をベース部951の板面951aに近接させた際(板面970aをベースオブジェクト310の面310a側に向けた際)に板面951a(第1面)側に配置される永久磁石971(第2永久磁石)の磁極(N)は、第2接触オブジェクト1080の板面1080a(第3面)をベース部951の板面951aに近接させた際(板面1080aをベースオブジェクト310の面310a側に向けた際)に板面951a(第1面)側に配置される永久磁石1071(第3永久磁石)の磁極(S)と異なる。第2接触オブジェクト1080は、板面1080aの反対側に板面1080bを持つ。板面1080bには画像(例えば、車の絵や写真など)が描かれている。
ベース部951の板面951a側にシート741−i(第1シート)が重ね合わされているとき、さらにシート741−iに第1接触オブジェクト970が重ね合わされる。この場合の動作および知覚される力覚は、第3実施形態の変形例6で説明した通りである。
一方、ベース部951の板面951a側にシート742−i(第2シート)が重ね合わされているとき、さらにシート742−iに第2接触オブジェクト1080が重ね合わされる。シート742−iの面742b−i側は板面951a側に向けられ、シート742−iの面742a−i側は第2接触オブジェクト1080の板面1080a側に向けられる。これにより、ベースオブジェクト310の面310a側にシート742−iが重ね合わされ、さらにシート742−iの面742a−i側に磁性シート930の面931側が重ね合わされる。利用者は、指などで第2接触オブジェクト1080の板面1080bに接触して、面310a(第1面)と面931(第3面)とを互いに近接させたまま、面310a(第1面)と面931(第3面)との間の相対位置関係を変化させる操作、および/または、面310a(第1面)と面931(第3面)との間の相対位置関係を変化させる動作を行う。これにより、利用者は第2接触オブジェクト1080から凹凸感を知覚する。さらに、この操作および/または動作の過程で、永久磁石1071が永久磁石961−1に近接した場合、永久磁石1071と永久磁石961−1との間の磁力(斥力)に基づいて、利用者は第2接触オブジェクト1080が永久磁石961−1側から引き離される力覚を知覚する。また、この操作および/または動作の過程で、永久磁石1071が永久磁石961−2に近接した場合、永久磁石1071と永久磁石962−2との間の磁力(引力)に基づいて、利用者は第2接触オブジェクト1080が永久磁石961−2へ引き寄せられる力覚を知覚する。すなわち、利用者は凹凸感覚だけではなく、位置に応じてさらに引力や斥力を知覚する。
ここで、第1接触オブジェクト970の永久磁石971が永久磁石961−1に近接した際に永久磁石971が永久磁石961−1から受ける磁力の向き(引力)は、第2接触オブジェクト1080の永久磁石1071が永久磁石961−1に近接した際に永久磁石1071が永久磁石961−1から受ける磁力の向き(斥力)と反対である。また、第1接触オブジェクト970の永久磁石971が永久磁石961−2に近接した際に永久磁石971が永久磁石961−2から受ける磁力の向き(斥力)は、第2接触オブジェクト1080の永久磁石1071が永久磁石961−2に近接した際に永久磁石1071が永久磁石961−2から受ける磁力の向き(引力)と反対である。これにより、第1接触オブジェクト970を用いるか第2接触オブジェクト1080を用いるかに応じ、これらが永久磁石961−1,2に近接した際に知覚される力覚を相違させることができる。
例えば、シート741−iとして図29のシート741−α1が用いられ、シート742−iとして図30のシート742−α1が用いられるとする。シート741−α1の面741a−α1には図29のような「第1パタン」が記載されており、シート742−α1の面742a−α1には図30のような「第2パタン」が記載されている。ここで、ベース部951の板面951a側にシート741−α1,742−α1がそれぞれ重ね合わされているとき、領域A1の位置に永久磁石961−1が配置され、領域A2の位置に永久磁石961−2が配置されるとする。
ベース部951の板面951a側にシート741−α1が重ね合わされ、さらにシート741−α1に第1接触オブジェクト970が重ね合わされているとき、第1接触オブジェクト970が領域A1の位置に達すると、永久磁石971と永久磁石961−1と間の引力に基づき、利用者は第1接触オブジェクト970が領域A1に引き寄せられるような力覚(第1接触オブジェクト970が図の池に落ちるような力覚)を知覚する。一方、第1接触オブジェクト970が領域A2の位置に達すると、永久磁石971と永久磁石961−2と間の斥力に基づき、利用者は第1接触オブジェクト970が領域A2から引き離されるような力覚(第1接触オブジェクト970が図のジャンプ台からジャンプするような力覚)を知覚する。
また、ベース部951の板面951a側にシート742−α1が重ね合わされ、さらにシート742−α1に第2接触オブジェクト1080が重ね合わされているとき、第2接触オブジェクト1080が領域A1の位置に達すると、永久磁石1071と永久磁石961−1と間の斥力に基づき、利用者は第2接触オブジェクト1080が領域A1から引き離されるような力覚(第2接触オブジェクト1080が図の岩に乗り上げるような力覚)を知覚する。一方、第2接触オブジェクト1080が領域A2の位置に達すると、永久磁石1071と永久磁石961−2と間の引力に基づき、利用者は第2接触オブジェクト1080が領域A2に引き寄せられるような力覚(第2接触オブジェクト1080が図の穴に落ちるような力覚)を知覚する。
[第3実施形態の変形例8]
第3実施形態の変形例7の「第2接触オブジェクト」に磁力の強い永久磁石に代えて継鉄(ヨーク)を設けてもよい。すなわち、「ベースオブジェクト」側に当該「ベースオブジェクト」よりも磁力の強い「第1永久磁石」を設け、「第1接触オブジェクト」に磁性シートに加えて磁性シートよりも磁力の強い「第2永久磁石」を設け、「第2接触オブジェクト」に磁性シートに加えて継鉄を設けてもよい。これにより、「第1永久磁石」が配置された「ベースオブジェクト」の同じ位置であるにもかかわらず、「第1接触オブジェクト」と「第2接触オブジェクト」とで互いに異なる力覚を提示できる。
以下、図面を用いて本変形例の具体例を説明する。
図31に例示する「力覚提示物」は、前述のベース部951と、シート741−i(第1シート)と、シート742−i(第2シート)と、第1接触オブジェクト970と、第2接触オブジェクト1180とを有する。
第3実施形態の変形例7の「力覚提示物」との相違点は、第2接触オブジェクト1080が第2接触オブジェクト1180に置換されている点である。第2接触オブジェクト1180は、前述の接触オブジェクト330(図20Cおよび図20D)と同様の磁性シート930および継鉄1081を内蔵している。第2接触オブジェクト1180は板面1180aを持ち、磁性シート930の面931がこの板面1180aと略平行となるように固定されている。磁性シート930の他方の面932側には継鉄1081が固定されている。継鉄1081の例は、純鉄、珪素鉄、フェライト系ステンレスなどである。第2接触オブジェクト1180は、板面1180aの反対側に板面1180bを持つ。板面1180bには画像(例えば、車の絵や写真など)が描かれている。
ベース部951の板面951a側にシート741−i(第1シート)が重ね合わされているとき、さらにシート741−iに第1接触オブジェクト970が重ね合わされる。この場合の動作および知覚される力覚は、第3実施形態の変形例6で説明した通りである。
一方、ベース部951の板面951a側にシート742−i(第2シート)が重ね合わされているとき、さらにシート742−iに第2接触オブジェクト1180が重ね合わされる。シート742−iの面742b−i側は板面951a側に向けられ、シート742−iの面742a−i側は第2接触オブジェクト1180の板面1180a側に向けられる。これにより、ベースオブジェクト310の面310a側にシート742−iが重ね合わされ、さらにシート742−iの面742a−i側に磁性シート930の面931側が重ね合わされる。利用者は、指などで第2接触オブジェクト1180の板面1180bに接触して、面310a(第1面)と面931(第3面)とを互いに近接させたまま、面310a(第1面)と面931(第3面)との間の相対位置関係を変化させる操作、および/または、面310a(第1面)と面931(第3面)との間の相対位置関係を変化させる動作を行う。これにより、利用者は第2接触オブジェクト1180から凹凸感を知覚する。さらに、この操作および/または動作の過程で、継鉄1081が永久磁石961−1,2に近接した場合、継鉄1081と永久磁石961−1,2との間の磁気吸引力に基づいて、利用者はいずれも第2接触オブジェクト1180が永久磁石961−1,2側へ引き寄せられる力覚を知覚する。すなわち、利用者は凹凸感覚だけではなく、位置に応じてさらに引力を知覚する。
前述のように、第1接触オブジェクト970の永久磁石971が永久磁石961−1に近接した際に永久磁石971が永久磁石961−1から受ける磁力の向き(引力)は、第1接触オブジェクト970の永久磁石971が永久磁石961−2に近接した際に永久磁石971が永久磁石961−2から受ける磁力の向き(斥力)と逆向きである。一方、第2接触オブジェクト1180の継鉄1081が永久磁石961−1,2に近接した際に継鉄1081が永久磁石961−1,2から受ける力は同一(共に引力)である。
[第3実施形態の変形例9]
シートの少なくとも一部の領域に磁気遮蔽物が設けられていてもよい。すなわち、「ベースオブジェクト」側に当該「ベースオブジェクト」よりも磁力の強い「第1永久磁石」が設けられ、「第1接触オブジェクト」および「第2接触オブジェクト」の少なくとも一方に、「第1接触オブジェクト」または「第2接触オブジェクト」よりも磁力の強い「第2永久磁石」が設けられ、「第1シート」および「第2シート」の少なくとも一方の一部の領域に「磁気遮蔽物」が設けられてもよい。「磁気遮蔽物」の例は継鉄である。「第1接触オブジェクト」および「第2接触オブジェクト」の一方のみに「第2永久磁石」が設けられてもよいし、「第1接触オブジェクト」および「第2接触オブジェクト」の両方に「第2永久磁石」が設けられてもよい。「第1接触オブジェクト」および「第2接触オブジェクト」の一方に「第2永久磁石」が設けられ、他方側に「継鉄」が設けられてもよい。これにより、「第1永久磁石」からの磁力が一部の領域で「磁気遮蔽物」によって遮蔽される。これによって、当該一部の領域で知覚される力覚を他の領域と相違させることができる。さらに「磁気遮蔽物」が継鉄である場合には、さらに「第2永久磁石」と「磁気遮蔽物」との間の磁気吸引力に基づく力覚を提示できる。
以下、図面を用いて本変形例の具体例を説明する。以下では、「第1接触オブジェクト」および「第2接触オブジェクト」に「第1接触オブジェクト」および「第2接触オブジェクト」よりも磁力の強い「第2永久磁石」が設けられる例を示す。図32に例示する「力覚提示物」は、ベース部951と、シート741−i(第1シート)と、シート742−i(第2シート)と、第1接触オブジェクト970と、第2接触オブジェクト1080とを有する。これらの構成は、第3実施形態の変形例7で説明した通りである。ただし、本変形例では、さらにシート741−iの面741b−i側の一部の領域に板状の磁気遮蔽物1245−iの一方の板面が固定され、シート742−iの面742b−i側の一部の領域に板状の磁気遮蔽物1246−iの一方の板面が固定されている。
ベース部951の板面951a側にシート741−i(第1シート)が重ね合わされているとき、さらにシート741−iに第1接触オブジェクト970が重ね合わされる。この状態で第3実施形態の変形例6で説明した動作が行われる。ここで、ベース部951の永久磁石961−1,2の磁界が磁気遮蔽物1245−iで遮蔽されていない領域に第1接触オブジェクト970が配置される場合に知覚される力覚は第3実施形態の変形例6で説明した通りである。一方、永久磁石961−1の磁界が磁気遮蔽物1245−iで遮蔽されている領域に第1接触オブジェクト970が配置されている場合、永久磁石971と永久磁石961−1との間の磁力に基づく力覚は知覚されないか、弱められる。同様に、永久磁石961−2の磁界が磁気遮蔽物1245−iで遮蔽されている領域に第1接触オブジェクト970が配置されている場合、永久磁石971と永久磁石961−2との間の磁力に基づく力覚は知覚されないか、弱められる。また、この領域に第1接触オブジェクト970が配置されている場合には前述の凹凸感覚も知覚されないか、弱められる。ただし、磁気遮蔽物1245−iが継鉄である場合、永久磁石971と磁気遮蔽物1245−iとの間の磁気吸引力に基づく力は知覚される。
ベース部951の板面951a側にシート742−i(第2シート)が重ね合わされているとき、さらにシート742−iに第2接触オブジェクト1080が重ね合わされる。この状態で第3実施形態の変形例7で説明した動作が行われる。ここで、ベース部951の永久磁石961−1,2の磁界が磁気遮蔽物1246−iで遮蔽されていない領域に第2接触オブジェクト1080が配置される場合に知覚される力覚は第3実施形態の変形例7で説明した通りである。一方、永久磁石961−1の磁界が磁気遮蔽物1246−iで遮蔽されている領域に第2接触オブジェクト1080が配置されている場合、永久磁石1071と永久磁石961−1との間の磁力に基づく力覚は知覚されないか、弱められる。同様に、永久磁石961−2の磁界が磁気遮蔽物1246−iで遮蔽されている領域に第2接触オブジェクト1080が配置されている場合、永久磁石1071と永久磁石961−2との間の磁力に基づく力覚は知覚されないか、弱められる。また、この領域に第2接触オブジェクト1080が配置されている場合には前述の凹凸感覚も知覚されないか、弱められる。ただし、磁気遮蔽物1246−iが継鉄である場合、永久磁石1071と磁気遮蔽物1246−iとの間の磁気吸引力に基づく力は知覚される。
例えば、シート742−iとして図33のシート742−β1が用いられるとする。シート742−β1の面742a−β1には図33のような「第2パタン」が記載されている。ここで、ベース部951の板面951a側にシート742−β1が重ね合わされているとき、領域A3の位置に継鉄である磁気遮蔽物1246−iが配置されるとする。ベース部951の板面951a側にシート742−β1が重ね合わされ、さらにシート742−β1に第2接触オブジェクト1080が重ね合わされているとき、第2接触オブジェクト1080が領域A3の位置に達するとする。このとき、利用者は永久磁石1071と磁気遮蔽物1246−iと間の磁気吸引力を知覚する。しかし、領域A3では永久磁石1071と永久磁石961−1,2との間の磁界は遮断されているため、これらの間の引力や斥力は知覚されないか、弱められる。さらに領域A3では前述の凹凸感覚も知覚されないか、弱められる。そのため、第2接触オブジェクト1080が領域A3に位置するとき、利用者は第2接触オブジェクト1080が面742a−β1上の滑らかに滑っているような力覚を知覚する。
[第3実施形態の変形例10]
「第1シート」、および、「磁気遮蔽物」が設けられた「第2シート」、の両方が「ベースオブジェクト」の「第1面」に重ね合わされてもよい。すなわち、「ベースオブジェクト」側に当該「ベースオブジェクト」よりも磁力の強い「第1永久磁石」が設けられ、「第1接触オブジェクト」と「第2接触オブジェクト」の少なくとも一方に、当該接触オブジェクト(「第1接触オブジェクト」または「第2接触オブジェクト」)よりも磁力の強い「第2永久磁石」が設けられ、「第2シート」の一部の領域に「磁気遮蔽物」が設けられ、「第1シート」および「第2シート」が「ベースオブジェクト」の「第1面」側に重ね合わされてもよい。ただし、「磁気遮蔽物」は「第1シート」と「第1永久磁石」との間に配置される。この場合、「磁気遮蔽物」は「第2シート」の一部の領域だけではなく、当該一部の領域に重ね合わされる「第1シート」の一部の領域においても、「第1永久磁石」の磁界を遮断する。
以下、図面を用いて本変形例の具体例を説明する。
図34に例示するように、本変形例の「力覚提示物」は、前述したベースオブジェクト310および永久磁石961−1,2を含むベース部951、面741b−iの一部の領域に磁気遮蔽物1246−iが設けられたシート741−i(第1シート)、面742b−iの一部の領域に磁気遮蔽物1245−iが設けられたシート742−i(第2シート)、および取り付け部1360を有する書籍を含む。また、本変形例の「力覚提示物」は、図34の書籍に対応づけられた「第1接触オブジェクト」(図20Aおよび図20B)と「第2接触オブジェクト」(図20Cおよび図20D)も少なくとも含む。ただし、i=1,…,Kであり、Kは1以上の整数である。
ベース部951の一辺951c側、シート741−iの一辺741c−i側、およびシート742−iの一辺742c−i側は、それぞれ取り付け部1360に取り付けられている。これにより、シート741−iの一部分とシート742−iの一部分とが、取り付け部1360を介し、ベース部951の一部分に取り付けられている。取り付け部1360の具体例は前述の取り付け部760と同じである。すなわち、シート741−i、シート742−i、およびベース部951は、取り付け部1360によって冊子状に束ねられている。
本変形例では、ベース部951の面951a側にシート742−iの面742b−i側が配置され、シート742−iの面742a−i側にシート741−iの面741b−i側が配置される。この場合、永久磁石961−2の磁界が磁気遮蔽物1246−iによって遮蔽される。磁気遮蔽物1246−iが設けられている領域に重ね合わされるシート741−iの領域A4には磁気遮蔽物が設けられていないが、領域A4にも永久磁石961−2の磁界の影響は及ばない。そのため、図34に示すように重ね合わされた場合、シート741−iの磁気遮蔽物1245−iが設けられている領域だけではなく、磁気遮蔽物1245−iが設けられていない領域A4でも、ベース部951の永久磁石(永久磁石961−1,2)による影響が抑制される。そのため、このようなシート741−iの面741a−i側に第1接触オブジェクト970が重ね合わされ、前述のように第1接触オブジェクト970を移動させ、第1接触オブジェクト970が領域A4に達した場合、磁気遮蔽物1246−iによって永久磁石961−2の影響が抑制される。これにより、領域A4に磁気遮蔽物が設けられていないにもかかわらず、領域A4に磁気遮蔽物が設けられているのと同様な力覚を知覚させることができる。
[第3実施形態の変形例11]
「第1シート」および/または「第2シート」の一部の領域に磁気遮蔽物を設けるのではなく、一部の領域に磁気遮蔽物が設けられた「遮蔽シート」を「第1シート」および「第2シート」に重ね合わせてもよい。すなわち、「ベースオブジェクト」よりも磁力の強い「第1永久磁石」が「ベースオブジェクト」側に設けられ、「第1接触オブジェクト」および「第2接触オブジェクト」の少なくとも一方に「第1接触オブジェクト」または「第2接触オブジェクト」よりも磁力の強い「第2永久磁石」が設けられる。このような「第1シート」の一部分と「第2シート」の一部分と「遮蔽シート」の一部分とが、「ベースシート」の一部分に取り付けられる。ただし、「遮蔽シート」は一部の領域に「磁気遮蔽物」が設けられたシートである。「第1シート」および「遮蔽シート」が「ベースオブジェクト」の「第1面」側に重ね合わされた際、「磁気遮蔽物」が「第1シート」と「第1永久磁石」との間に配置される。
以下、図面を用いて本変形例の具体例を説明する。
図35に例示するように、本変形例の「力覚提示物」は、前述したベースオブジェクト310および永久磁石961−1,2を含むベース部951、前述したシート741−i,742−iと同様の構成のシート1441−j(第1,2シート)、一部の領域に磁気遮蔽物1451dを内蔵した遮蔽シート1451、一部の領域に磁気遮蔽物1452dを内蔵した遮蔽シート1452、および取り付け部1460を有する書籍を含む。また、本変形例の「力覚提示物」は、図35の書籍に対応づけられた「第1接触オブジェクト」(図20Aおよび図20B)と「第2接触オブジェクト」(図20Cおよび図20D)も少なくとも含む。ただし、j=1,…,Mであり、Mは4以上の整数である。
ベース部951の一辺951c側、シート1441−jの一辺1441c−j側、遮蔽シート1451の一辺1451c、および遮蔽シート1452の一辺1452cは、それぞれ取り付け部1460に取り付けられている。これにより、各シート1441−jの一部分、遮蔽シート1451の一部分、および遮蔽シート1452の一部分が取り付け部1460を介し、ベース部951の一部分に取り付けられている。取り付け部1460の具体例は前述の取り付け部760と同じである。すなわち、ベース部951、シート1441−j、および遮蔽シート1451,1452は、取り付け部1460によって冊子状に束ねられている。ただし、シート1441−1〜1441−(n−1)(第1シート)は、遮蔽シート1451の一方の面1451a側に配置可能である。シート1441−n〜1441−(m−1)(第2シート)は、遮蔽シート1451の他方の面1451b側に配置可能である。また、シート1441−1〜1441−(n−1)、遮蔽シート1451、シート1441−n〜1441−(m−1)は、遮蔽シート1452の一方の面1452a側に配置可能である。遮蔽シート1452の他方の面1452b側には、シート1441−m〜1441−Mが配置可能である。これらのシート1441−1〜M、遮蔽シート1451、および遮蔽シート1452は、ベース部951の面951a側に配置可能である。ただし、1≦n<m<Mである。
また、取り付け部1460に取り付けられた遮蔽シート1451の一辺1451cから磁気遮蔽物1451dまでの距離は、遮蔽シート1452の一辺1452cから磁気遮蔽物1452dまでの距離と相違する。例えば、遮蔽シート1451、1452をベース部951の面951a側に重ね合せ、遮蔽シート1451の領域をベース部951の面951a上に射影した領域と、遮蔽シート1452の領域をベース部951の面951a上に射影した領域とが互いに重複しない。例えば、磁気遮蔽物1451dによって遮蔽される永久磁石961−1の磁界の領域B1が、磁気遮蔽物1452dによって遮蔽される永久磁石961−2の磁界の領域B2と重複しないように磁気遮蔽物1451dおよび磁気遮蔽物1452dが配置される。
[第3実施形態の変形例12]
「ベースオブジェクト」および「第2ベースオブジェクト」が複数のシートとともに冊子状に重ね合わされ、重ね合わされた複数のシートにおける「ベースオブジェクト」の磁力の及ぶ範囲と「第2ベースオブジェクト」の磁力の及ぶ範囲とが互いに相違していてもよい。
すなわち、本変形例の「力覚提示物」は、前述の「ベースオブジェクト」を含む「ベースシート」、「第2ベースオブジェクト」、前述の「第1シート」、前述の「第2シート」、「第3シート」、および「第4シート」を有する。「第2ベースオブジェクト」は「第4面」を含む。「第4面」には「第4テクスチャ」が予め着磁されている。「第4テクスチャ」はS極の領域とN極の領域とを含むテクスチャである。「第4テクスチャ」は前述の「ベースオブジェクト」の「第1テクスチャ」と異なる。「第3シート」には視覚によって認識可能な「第3パタン」が設けられており、「第4シート」には視覚によって認識可能な「第4パタン」が設けられている。「第3パタン」は「第4パタン」と異なる。「第1シート」の一部分と「第2シート」の一部分と「第3シート」の一部分と「第4シート」の一部分とは、「ベースオブジェクト」を含む「ベースシート」の一部分に取り付けられている。「第3シート」および「第4シート」は「第2ベースオブジェクト」の「第4面」側に重ね合せられる。「第2ベースオブジェクト」、「第1シート」、「第2シート」、「第3シート」、および「第4シート」が「ベースオブジェクト」の「第1面」側に重ね合わされた際、「ベースオブジェクト」と「第2ベースオブジェクト」との間に「第1シート」および「第2シート」が配置され、「第1シート」および「第2シート」と、「第3シート」および「第4シート」と、の間に「第2ベースオブジェクト」が配置され、「ベースオブジェクト」の磁力は「第1シート」および「第2シート」に及び、「第2ベースオブジェクト」の磁力は「第3シート」および「第4シート」に及ぶ。
この場合に、冊子状に重ね合わされた複数のシートのすべてに「第1永久磁石」の磁力が及んでもよい。すなわち、「ベースオブジェクト」側に当該「ベースオブジェクト」よりも磁力の強い「第1永久磁石」が設けられており、「第2ベースオブジェクト」、「第1シート」、「第2シート」、「第3シート」、および「第4シート」が「ベースオブジェクト」の「第1面」側に重ね合わされた際、「第1永久磁石」の磁力が少なくとも「第1シート」、「第2シート」、「第3シート」、および「第4シート」に及んでもよい。
以下、図面を用いて本変形例の具体例を説明する。
図36に例示するように、本変形例の「力覚提示物」は、前述したベースオブジェクト310(図19)および永久磁石961−1,2を含むベース部951(ベースシート)、前述したベースオブジェクト310’(第2ベースオブジェクト)(図21A)、前述したシート741−i,742−iと同様の構成のシート1441−j(第1〜4シート)、および取り付け部1560を有する書籍を含む。また、本変形例の「力覚提示物」は、図36の書籍に対応づけられた「第1接触オブジェクト」(図20Aおよび図20B)と「第2接触オブジェクト」(図20Cおよび図20D)も少なくとも含む。ただし、j=1,…,Nであり、Nは4以上の整数である。
前述のように、ベースオブジェクト310’の一方の面310a’(第4面)には、S極の領域とN極の領域とを含み、ベースオブジェクト310の面310aに着磁されたテクスチャ(第1テクスチャ)と異なるテクスチャ(第4テクスチャ)が予め着磁されている。シート1441−jの一方の面1441a−jには、視覚によって認識可能なパタンが記載されている。各面1441a−jに記載されているパタンは互いに異なる。
ベース部951の一辺951c側、シート1441−jの一辺1441c−j側、およびベースオブジェクト310’の一辺310c’は、それぞれ取り付け部1560に取り付けられている。これにより、各シート1441−jの一部分およびベースオブジェクト310’の一部分が取り付け部1560を介し、ベース部951の一部分に取り付けられている。取り付け部1560の具体例は前述の取り付け部760と同じである。すなわち、ベース部951、シート1441−j、およびベースオブジェクト310’は、取り付け部1560によって冊子状に束ねられている。ただし、シート1441−1〜1441−(n−1)(第3,4シート)は、ベースオブジェクト310’の一方の面310a’側に重ね合されることが可能である。また、シート1441−n〜1441−N(第1,2シート)は、ベースオブジェクト310’の他方の面310b’側に配置され、ベースオブジェクト310の面310a側に重ね合せることが可能である。
図36に例示するように、ベースオブジェクト310’およびすべてのシート1441−jがベースオブジェクト310の面310a側に重ね合わされた際、ベースオブジェクト310とベースオブジェクト310’との間にシート1441−n〜1441−Nが配置される。またシート1441−n〜1441−Nとシート1441−1〜1441−(n−1)との間にベースオブジェクト310’が配置される。この際、ベースオブジェクト310の磁力(面310a側の磁力)は、シート1441−n〜1441−Nの領域A5に及ぶ。このベースオブジェクト310の磁力は、シート1441−1〜1441−(n−1)には及ばない。また、ベースオブジェクト310’の磁力(面310a’側の磁力)は、シート1441−1〜1441−(n−1)に及ぶ。
これにより、同じ第1接触オブジェクト970を用いる場合であっても、ベースオブジェクト310の面310a側に重ね合わされるシート1441−1〜1441−Nの厚みに応じて、利用者に知覚させる凹凸感覚を相違させることができる。例えば、ベースオブジェクト310の面310a側にシート1441−n〜1441−Nを重ね合せ、シート1441−nの面1441a−nに第1接触オブジェクト970の面970a側を重ね合わせ、前述のような操作および/または動作を行った場合、利用者は、ベースオブジェクト310の面310a側の着磁パタンと第1接触オブジェクト970の磁性シート920の面921の着磁パタンとの組み合わせに応じた凹凸感覚を知覚する。一方、ベースオブジェクト310の面310a側にシート1441−1〜1441−Nを重ね合せ、シート1441−1の面1441a−1に第1接触オブジェクト970の面970a側を重ね合わせ、前述のような操作および/または動作を行った場合、利用者は、ベースオブジェクト310’の面310a’側の着磁パタンと第1接触オブジェクト970の磁性シート920の面921の着磁パタンとの組み合わせに応じた凹凸感覚を知覚する。ここで、ベースオブジェクト310の面310a側に着磁されているテクスチャとベースオブジェクト310’の面310a’側に着磁されているテクスチャとを相違させることで、これらの凹凸感覚も相違させることができる。
一方、永久磁石961−1,2の磁力はベースオブジェクト310の磁力よりも強い。そのため、図36に例示するように、ベースオブジェクト310’およびすべてのシート1441−jがベースオブジェクト310の面310a側に重ね合わされた場合でも、永久磁石961−1,2の磁力をすべてのシート1441−jに及ばせることができる(領域A6およびA7)。ベースオブジェクト310の面310a側に重ね合わされるシート1441−1〜1441−Nの厚みを変化させて、上述のように利用者が知覚する凹凸感覚を変化させる場合であっても、第1接触オブジェクト970が含む永久磁石971と永久磁石961−1,2との間の磁力に基づく力覚を知覚させることができる。
[第3実施形態の変形例13]
第3実施形態の変形例12において、少なくとも一部のシート1441−1〜1441−Nの一部の領域に磁気遮蔽物が設けられていてもよい。また、シート1441−1〜1441−Nに加え、第3実施形態の変形例11で例示したように磁気遮蔽物を内蔵した遮蔽シートを取り付け部1560によって冊子状に束ねてもよい。このようなものの応用例も書籍である。また、第3実施形態の変形例11で例示した永久磁石961−1,961−2が省略されてもよい。すなわち、ベース部951がベースオブジェクト310を含むが永久磁石961−1,961−2を含まないものに置換されてもよい。「力覚提示物」が、このような「書籍」または第3実施形態の変形例12で説明した「書籍」に加え、当該「書籍」に対応づけられた「第1接触オブジェクト」(図20Aおよび図20B)または「第2接触オブジェクト」(図20Cおよび図20D)の一方のみを備えていてもよい。この場合、例えば、利用者である幼児や子供などが、絵本(書籍)に含まれる複数のページのうちのあるページを開けたときに、そのページの絵に接触オブジェクトを重ね合せ、そのページの絵に描かれた経路に沿って接触オブジェクトを操作することにより、絵に描かれた経路に対応する凹凸感を感じるようにすることができる。その他、第3実施形態の各変形例で例示したテクスチャ、磁気シートと永久磁石の位置との位置関係、磁気遮蔽物の配置・大きさ・個数、遮蔽シートの配置・枚数などは本発明を限定するものではない。
[第4実施形態]
第4実施形態も第2実施形態の原理を応用したものである。本形態では、第2実施形態の原理を入力装置に組み合わせ、電磁石を用いることなく、入力装置への情報入力の際に利用者に凹凸感を提示する「力覚提示物」の説明を行う。
入力装置がタッチパネルの場合、「力覚提示物」は、タッチパネルの入力面に配置される「第1オブジェクト」と、タッチパネルに対する入力操作を行う「動作主体」に装着、把持、または支持される「第2オブジェクト」とを有する。「第1オブジェクト」は「第1面」を含み、「第1面」にはS極の領域とN極の領域とを含む「第1テクスチャ」が予め着磁されている。「第2オブジェクト」は「第2面」を含み、「第2面」にはS極の領域とN極の領域とを含む「第2テクスチャ」が予め着磁されている。「第1オブジェクト」は、例えば、一方の板面をタッチパネルの入力面側に向けて配置される磁気シートであり、「第1面」は、磁気シートの他方の板面である。入力面に「第1オブジェクト」が配置されたタッチパネルに対する入力操作を行う「動作主体」が、「第2オブジェクト」を装着、把持または支持して、「第1面」と「第2面」とが互いに接触または近接するようにしたまま、「第1面」と「第2面」との間の相対位置関係を変化させる操作、または/および、第1面と第2面との間の相対位置関係を変化させる動作を行うことにより、タッチパネルに対する入力操作が行われるとともに、「動作主体」が凹凸感覚を感じる。すなわち、「動作主体」がこのような動作を行うことにより、タッチパネルに対する入力操作が行われるとともに、「動作主体」が第2オブジェクトから受けるせん断応力が周期的に変化し、それによって凹凸感覚を知覚する。
入力装置がマウスなどの入力装置の場合、「力覚提示物」は、「第1オブジェクト」と「第2オブジェクト」とを有する。「第1オブジェクト」は「第1面」を含み、「第1面」にはS極の領域とN極の領域とを含む「第1テクスチャ」が予め着磁されている。「第2オブジェクト」は「第2面」を含み、「第2面」にはS極の領域とN極の領域とを含む「第2テクスチャ」が予め着磁されている。「第2オブジェクト」は「動作主体」に把持される「入力装置」に装着または設けられる。「第2オブジェクト」が装着または設けられた「入力装置」を操作する動作主体が、「第1面」と「第2面」とが互いに接触または近接するようにしたまま、「第1面」と「第2面」との間の相対位置関係を変化させる操作、または/および、「第1面」と「第2面」との間の相対位置関係を変化させる動作を行うことにより、「入力装置」に対する入力操作が行われるとともに、「動作主体」が凹凸感覚を感じる。すなわち、「動作主体」がこのような動作を行うことにより、入力装置に対する入力操作が行われるとともに、動作主体が入力装置から受けるせん断応力が周期的に変化し、それによって凹凸感覚を知覚する。
以下、図面を用いて本形態の具体例を説明する。
<入力装置がタッチパネルの場合>
図37および図38に、第2実施形態の原理をタッチパネルに組み合わせた例を示す。
図37に例示するように、スマートフォン端末装置やタブレット端末装置などの電子機器400のタッチパネル401の入力面(表面)に、「第1オブジェクト」である磁性シート410が装着される。磁性シート410の一方の板面412がタッチパネル401の入力面側に向けて配置され、磁性シート410の他方の板面411(第1面)にはS極の領域411aとN極の領域411bとを含むテクスチャ(第1テクスチャ)が予め着磁されている。なお、「第1テクスチャ」はピッチやパタン(ストライプテクスチャやチェッカーテクスチャなど)が異なる複数の領域を有していてもよい。
図38Aに例示する「第2オブジェクト」は利用者が装着、把持、または支持する手袋420であり、その指の腹部分の表面421(第2面)に、S極の領域421aとN極の領域421bとを含むテクスチャ(第2テクスチャ)が予め着磁されている。なお、第2テクスチャはピッチやパタン(ストライプテクスチャやチェッカーテクスチャなど)が異なる複数の領域を有していてもよい。図38Aでは、指ごとにピッチやパタンが異なるテクスチャが着磁されている。
利用者は、手袋420を装着、把持、または支持し、S極の領域421aとN極の領域421bとを含むテクスチャ部分で、電子機器400のタッチパネル401の入力面に配置された磁性シート410を擦る。これにより、磁性シート410の板面411(第1面)と手袋420の指の腹部分の表面421(第2面)とが互いに接触または近接するようにしたまま、板面411(第1面)と表面421(第2面)の間の相対位置関係を変化させる操作、または/および、板面411(第1面)と表面421(第2面)との間の相対位置関係を変化させる動作が行われ、タッチパネルに対する入力操作が行われるとともに、利用者が凹凸感覚を知覚する。この入力操作に応じてタッチパネル401(出力装置)から像(例えば、映像、動画、画像)を表示したり、電子機器400のスピーカ(出力装置)から音を出力したりしてもよい。これにより、入力操作に応じて、力覚を提示するとともに、像および/または音の提示内容を変化させることができる。なお、図38Aに例示した手袋420では、指ごとにピッチやパタンが異なるテクスチャが着磁されているため、どの指でタッチパネル401を操作するかによって異なる凹凸感を知覚させることができる。また、磁性シート410の板面411(第1面)にピッチやパタンが異なる複数の領域が設けられている場合、利用者がどの指でどの領域を操作するかによって、利用者に異なる凹凸感を知覚させることができる。
「第2オブジェクト」として図38Bおよび図38Cに例示するタッチペン430が用いられてもよい。タッチペン430は、略円柱状の把持部435および略円盤状の先端部436を有する。把持部435の一端は、先端部436の一方の面432の中央付近に固定または一体化されている。先端部436の他方の面431(第2面)には、S極の領域531aとN極の領域531bとを含むテクスチャ(第2テクスチャ)が予め着磁されている。利用者は、タッチペン430の把持部435を把持または支持し、先端部436の面431側で電子機器400のタッチパネル401の入力面に配置された磁性シート410を擦る。これにより、磁性シート410の板面411(第1面)と先端部436の面431(第2面)とが互いに接触または近接するようにしたまま、板面411(第1面)と面431(第2面)の間の相対位置関係を変化させる操作、または/および、板面411(第1面)と面431(第2面)との間の相対位置関係を変化させる動作が行われ、タッチパネル401に対する入力操作が行われるとともに、利用者が凹凸感覚を知覚する。この入力操作に応じてタッチパネル401(出力装置)から像を表示したり、電子機器400のスピーカ(出力装置)から音を出力したりしてもよい。これにより、入力操作に応じて、力覚を提示するとともに、像および/または音の提示内容を変化させることができる。
図39に、入力操作に応じ、力覚の提示とともにゲームコンテンツの提示を行う例を例示する。図39に例示するように、スマートフォン端末装置やタブレット端末装置などの電子機器400’のタッチパネル401’の入力面(表面)の下部に、第2実施形態で例示した磁性シート210が装着される。磁性シート210の一方の板面212がタッチパネル401’の入力面側に向けて配置され、磁性シート210の他方の板面211(第1面)にはS極の領域211aとN極の領域211bとを含むテクスチャ(第1テクスチャ)が予め着磁されている。磁性シート210の板面211には、第2実施形態で例示した磁性シート220が配置される。磁性シート220の一方の面221(第2面)には、S極の領域221aとN極の領域221bとを含むテクスチャ(第2テクスチャ)が着磁されており、磁性シート220は面221が板面211に対向するように配置される。利用者は指200で磁性シート210に重ねられた磁性シート220の他方の面222に接し、面211と面221とを互いに接触または近接(ほぼ接触)させたまま、面211と面221との間の相対位置関係を変化させる操作を行う。これにより、タッチパネル401’に対する入力操作が行われるとともに、利用者が凹凸感覚を知覚する。この入力操作に応じてタッチパネル401’(出力装置)でのゲームコンテンツの表示内容が変化したり、電子機器400’のスピーカ402’(出力装置)から出力される音が変化したりする。
<入力装置がマウスなどの入力装置の場合>
図40Aから図40Cに、第2実施形態の原理をマウス500に組み合わせた例を示す。マウス500の底面500aには、「第2オブジェクト」である磁性シート510が固定されている。磁性シート510の一方の面511(第2面)にはS極の領域511aとN極の領域511bとを含む「第2テクスチャ」が予め着磁されている。「第2テクスチャ」の例はストライプテクスチャとチェッカーテクスチャなどである。磁性シート510の他方の面512はマウス500の底面500aに固定されている。
「第1オブジェクト」としては、例えば、磁性シート210,230,250,210’,230’,250’、ベースオブジェクト310,310’などを用いることができる。例えば、「第1オブジェクト」として磁性シート210が用いられる場合、利用者(動作主体)は、面211(第1面)が外方を向くように磁性シート210を配置し、この面211にマウス500に固定された磁性シート510の面511(第2面)が接触するようにマウス500を把持する。利用者はこのマウス500を磁性シート210の面211(第1面)に沿ってスライドさせることにより、面211(第1面)と面511(第2面)とが互いに接触または近接するようにしたまま、面211(第1面)と面511(第2面)との間の相対位置関係を変化させる。これにより、マウス500に対する入力操作が行われるとともに、利用者が凹凸感覚を知覚する。この入力操作に応じて図示していないディスプレイ(出力装置)から像を表示したり、投影機(出力装置)から映像を投影したり、スピーカ(出力装置)から音を出力したりしてもよい。これにより、入力操作に応じて、力覚を提示するとともに、像および/または音の提示内容を変化させることができる。
<本形態の特徴>
本形態では、入力装置への情報入力を行う際に、情報入力を行う利用者に凹凸感覚を知覚させることができる。
[第5実施形態]
第5実施形態も第2実施形態の原理を応用したものであり、歩行面に第1オブジェクトを固定し、第2オブジェクトを装着または把持した動作主体が移動する際に凹凸感が提示され、歩行者に点字ブロックと同様な触覚情報を与えるものである。本形態の「第1オブジェクト」は「第1面」を表側に向けた状態で歩行面に固定可能であり、「第2オブジェクト」は「第2面」を外部に向けた状態で「動作主体」が装着可能または把持可能な部材である。なお、前述のように「第1オブジェクト」は「第1面」を含み、「第1面」にはS極の領域とN極の領域とを含む「第1テクスチャ」が着磁されており、「第2オブジェクト」は「第2面」を含み、「第2面」にはS極の領域とN極の領域とを含む「第2テクスチャ」が着磁されている。「第2オブジェクト」を装着または把持した「動作主体」は、「第1面」と「第2面」とを互いに接触または近接させたまま、歩行面に固定された「第1オブジェクト」の「第1面」の上を歩行し、「第1面」と「第2面」との間の相対位置関係を変化させることによって凹凸を知覚する。
以下、図面を用いて本形態の具体例を説明する。
図41に、本形態の「第1オブジェクト」である磁性シート610および620を例示する。磁性シート610の一方の面611(第1面)には、S極の領域611aとN極の領域611bとを含むテクスチャ(第1テクスチャ)が着磁されている。磁性シート610の面611(第1面)は表側に向けられ、磁性シート610の他方の面612は床600(歩行面)に固定されている。同様に、磁性シート620の一方の面621(第1面)には、S極の領域621aとN極の領域621bとを含むテクスチャ(第1テクスチャ)が着磁されている。磁性シート620の面621(第1面)は表側に向けられ、磁性シート620の他方の面622は床600(歩行面)に固定されている。図41では面611,621にストライプテクスチャが着磁されているが、チェッカーテクスチャが着磁されていてもよい。
図42Aおよび図42Bに、本形態の「第2オブジェクト」である靴640を例示する。靴640の靴底641(第2面)には磁性シート630の一方の面632が固定されている。磁性シート630の他方の面631には、S極の領域631aとN極の領域631bとを含むテクスチャ(第2テクスチャ)が着磁されている。当然ながら、歩行者(動作主体)は靴底641を外部に向けた状態で靴640を装着可能である。
靴640を装着した歩行者は、磁性シート610または620の面611または621(第1面)と靴底641(第2面)とを互いに接触または近接させたまま、床600(歩行面)に固定された磁性シート610または620の面611または621(第1面)の上を歩行し、面611または621(第1面)と靴底641(第2面)との間の相対位置関係を変化させることによって凹凸を知覚する。
図43Aおよび図43Bに、「第2オブジェクト」の他の例である白杖650を例示する。白杖650は、略円柱状の把持部655および略円盤状の先端部656を有する。把持部655の一端は、先端部656の一方の面652の中央付近に固定または一体化されている。先端部656の他方の面651(第2面)には、S極の領域651aとN極の領域651bとを含むテクスチャ(第2テクスチャ)が予め着磁されている。白杖650を把持した歩行者は、磁性シート610または620の面611または621(第1面)と白杖650の先端部656の面651(第2面)とを互いに接触または近接させたまま、床600(歩行面)に固定された磁性シート610または620の面611または621(第1面)の上を歩行し、面611または621(第1面)と面651(第2面)との間の相対位置関係を変化させることによって凹凸を知覚する。
<本形態の特徴>
本形態では、床600に物理的な凹凸を設けることなく、歩行者に凹凸感を知覚させることができる。床600に物理的な凹凸を設ける必要がないため、床600にゴミや埃がたまりにくいといった利点がある。さらに、ストライプテクスチャなどを用い、面611または621(第1面)と靴底641または面651(第2面)との間の相対位置関係をいずれの方向に変化させるかに応じ、歩行者(動作主体)が靴底641または面651から受けるせん断応力の変化の仕方が異なり、異なる凹凸感を知覚できるようにしてもよい。これにより、歩行者の進行方向によって異なる凹凸感を提示することもできる。
[その他の変形例等]
なお、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではない。例えば、「第1オブジェクト」「第2オブジェクト」「ベースオブジェクト」「第1接触オブジェクト」「第2接触オブジェクト」などが磁性シート以外の磁性体から構成されてもよい。「第1オブジェクト」「第2オブジェクト」「ベースオブジェクト」「第1接触オブジェクト」「第2接触オブジェクト」などが電磁石であってもよい。また、上記の実施形態では、ストライプテクスチャまたは/およびチェッカーテクスチャが磁性体に着磁される例を示したが、上述した原理によって凹凸感を提示できるのであれば、その他のパタンのテクスチャが磁性体に着磁されてもよい。また、第1実施形態では、カッティングプロッタのカッター部品を着磁用部品に置き換え、このカッティングプロッタを駆動させることで磁性シートに着磁した。しかし、カッティングプロッタに代え、ペンプリンタ等のように平面方向にヘッドを移動させることが可能な他の装置を用いてもよい。すなわち、このような装置のヘッドに装着されるペン等の部品を着磁用部品に置き換え、この装置を駆動させることで磁性シートに着磁してもよい。
1 着磁装置
11 着磁用部品
210,220,230,240,250,260,410,510,610 磁性シート
310,310’ ベースオブジェクト
341,342 シート
401 タッチパネル
420 手袋
430 タッチペン
500 マウス
600 床
640 靴
650 白杖

Claims (5)

  1. 第1面を含み、前記第1面にはS極の領域とN極の領域とを含む第1テクスチャが予め着磁されているベースオブジェクトと、
    視覚によって認識可能な第1パタンが設けられており、前記ベースオブジェクトの前記第1面側に重ね合せられる第1シートと、
    前記第1パタンとは異なる、視覚によって認識可能な第2パタンが設けられており、前記ベースオブジェクトの前記第1面側に重ね合せられる第2シートと、
    第2面を含み、前記第2面にはS極の領域とN極の領域とを含む第2テクスチャが予め着磁されている第1接触オブジェクトと、
    第3面を含み、前記第3面にはS極の領域とN極の領域とを含み、前記第2テクスチャとは異なる第3テクスチャが予め着磁されている第2接触オブジェクトと、
    前記ベースオブジェクト側に設けられた、前記ベースオブジェクトよりも磁力の強い第1永久磁石と、
    前記第1接触オブジェクトまたは前記第2接触オブジェクトの一方側のみに設けられた、前記第1接触オブジェクトまたは前記第2接触オブジェクトよりも磁力の強い第2永久磁石と、を有する力覚提示物。
  2. 第1面を含み、前記第1面にはS極の領域とN極の領域とを含む第1テクスチャが予め着磁されているベースオブジェクトと、
    視覚によって認識可能な第1パタンが設けられており、前記ベースオブジェクトの前記第1面側に重ね合せられる第1シートと、
    前記第1パタンとは異なる、視覚によって認識可能な第2パタンが設けられており、前記ベースオブジェクトの前記第1面側に重ね合せられる第2シートと、
    第2面を含み、前記第2面にはS極の領域とN極の領域とを含む第2テクスチャが予め着磁されている第1接触オブジェクトと、
    第3面を含み、前記第3面にはS極の領域とN極の領域とを含み、前記第2テクスチャとは異なる第3テクスチャが予め着磁されている第2接触オブジェクトと、
    前記ベースオブジェクト側に設けられた前記ベースオブジェクトよりも磁力の強い第1永久磁石と、
    前記第1接触オブジェクトに設けられた前記第1接触オブジェクトよりも磁力の強い第2永久磁石と、
    前記第2接触オブジェクトに設けられた前記第2接触オブジェクトよりも磁力の強い第3永久磁石と、を有し、
    前記第1接触オブジェクトの前記第2面を前記第1面に近接させた際に前記第1面側に配置される前記第2永久磁石の磁極は、前記第2接触オブジェクトの前記第3面を前記第1面に近接させた際に前記第1面側に配置される前記第3永久磁石の磁極と異なる、力覚提示物。
  3. 第1面を含み、前記第1面にはS極の領域とN極の領域とを含む第1テクスチャが予め着磁されているベースオブジェクトと、
    視覚によって認識可能な第1パタンが設けられており、前記ベースオブジェクトの前記第1面側に重ね合せられる第1シートと、
    前記第1パタンとは異なる、視覚によって認識可能な第2パタンが設けられており、前記ベースオブジェクトの前記第1面側に重ね合せられる第2シートと、
    第2面を含み、前記第2面にはS極の領域とN極の領域とを含む第2テクスチャが予め着磁されている第1接触オブジェクトと、
    第3面を含み、前記第3面にはS極の領域とN極の領域とを含み、前記第2テクスチャとは異なる第3テクスチャが予め着磁されている第2接触オブジェクトと、
    前記ベースオブジェクト側に設けられた前記ベースオブジェクトよりも磁力の強い第1永久磁石と、
    前記第1接触オブジェクトに設けられた前記第1接触オブジェクトよりも磁力の強い第2永久磁石と、
    前記第2接触オブジェクトに設けられた継鉄と、
    を有する力覚提示物。
  4. 第1面を含み、前記第1面にはS極の領域とN極の領域とを含む第1テクスチャが予め着磁されているベースオブジェクトと、
    視覚によって認識可能な第1パタンが設けられており、前記ベースオブジェクトの前記第1面側に重ね合せられる第1シートと、
    前記第1パタンとは異なる、視覚によって認識可能な第2パタンが設けられており、前記ベースオブジェクトの前記第1面側に重ね合せられる第2シートと、
    第2面を含み、前記第2面にはS極の領域とN極の領域とを含む第2テクスチャが予め着磁されている第1接触オブジェクトと、
    第3面を含み、前記第3面にはS極の領域とN極の領域とを含み、前記第2テクスチャとは異なる第3テクスチャが予め着磁されている第2接触オブジェクトと、
    前記ベースオブジェクト側に設けられた前記ベースオブジェクトよりも磁力の強い第1永久磁石と、
    前記第1接触オブジェクトおよび前記第2接触オブジェクトの少なくとも一方に設けられた、前記第1接触オブジェクトまたは前記第2接触オブジェクトよりも磁力の強い第2永久磁石と、
    前記第1シートおよび前記第2シートの少なくとも一方の一部の領域に設けられた磁気遮蔽物と、
    を有する力覚提示物。
  5. 第1面を含み、前記第1面にはS極の領域とN極の領域とを含む第1テクスチャが予め着磁されているベースオブジェクトと、
    視覚によって認識可能な第1パタンが設けられており、前記ベースオブジェクトの前記第1面側に重ね合せられる第1シートと、
    第2面を含み、前記第2面にはS極の領域とN極の領域とを含む第2テクスチャが予め着磁されている第1接触オブジェクトと、
    第3面を含み、前記第3面にはS極の領域とN極の領域とを含み、前記第2テクスチャとは異なる第3テクスチャが予め着磁されている第2接触オブジェクトと、
    を有する力覚提示物であって、
    前記ベースオブジェクトを表紙および/またはページに含み、
    第1の絵柄である前記第1パタンが設けられた前記第1シートをページとして含む
    書籍と、
    前記書籍の前記第1の絵柄に対応する第3の絵柄が設けられた前記第1接触オブジェクトと、
    前記書籍の前記第1の絵柄に対応する第4の絵柄が設けられた前記第2接触オブジェクトと、
    前記ベースオブジェクト側に設けられた、前記ベースオブジェクトよりも磁力の強い第1永久磁石と、
    前記第1接触オブジェクトまたは前記第2接触オブジェクトの一方側のみに設けられた、前記第1接触オブジェクトまたは前記第2接触オブジェクトよりも磁力の強い第2永久磁石と、を有する力覚提示物。

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