JP6981385B2 - 熱間プレス用鋼板 - Google Patents
熱間プレス用鋼板 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6981385B2 JP6981385B2 JP2018167595A JP2018167595A JP6981385B2 JP 6981385 B2 JP6981385 B2 JP 6981385B2 JP 2018167595 A JP2018167595 A JP 2018167595A JP 2018167595 A JP2018167595 A JP 2018167595A JP 6981385 B2 JP6981385 B2 JP 6981385B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- plating layer
- alloy plating
- oxide
- hot pressing
- hot
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Coating With Molten Metal (AREA)
- Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)
- Shaping Metal By Deep-Drawing, Or The Like (AREA)
- Electroplating Methods And Accessories (AREA)
Description
[1]鋼板表面に、片面当たりのめっき付着量が120g/m2以下のZn合金めっき層を有し、さらに前記Zn合金めっき層の表面に、900℃における酸化物の標準反応ギブズエネルギーがZnOよりも高い酸化物層を有することを特徴とする熱間プレス用鋼板。
[2]前記酸化物層は、Co、Mo、Sbのうちの1種または2種以上から選択される金属酸化物であることを特徴とする[1]に記載の熱間プレス用鋼板。
[3]前記Zn合金めっき層は、Zn−Al合金めっき層、Zn−Al−Mg合金めっき層、Zn−Al−Mg−Si合金めっき層、Zn−Fe合金めっき層、Zn−Ni合金めっき層のうちのいずれか1種であることを特徴とする[1]または[2]に記載の熱間プレス用鋼板。
[4]前記Zn−Ni合金めっき層は、10〜25質量%のNiを含み、残部はZnおよび不可避的不純物からなることを特徴とする[3]に記載の熱間プレス用鋼板。
一般的なめっき製造ラインで120g/m2超えの厚めっきを形成させるためには、ラインスピードを大幅に抑制する必要があり、コストアップを招く。したがって、片面当たりのめっき付着量は120g/m2以下とする。なお、好ましくは、90g/m2以下である。また、10g/m2未満では熱間プレス加熱時のFeスケール生成抑制効果が不十分になるため、10g/m2以上であることが好ましい。また、自動車用熱間プレス部材は主に足回りや骨格部材など耐食性を必要とする部位に適用される。そのため、めっき層としては犠牲防食作用を有するZn合金めっき層であることが必要である。
本発明では、Zn合金めっき層の表面に、900℃における酸化物の標準反応ギブズエネルギーがZnOよりも高い酸化物層を有する。Znめっき層を有する熱間プレス鋼板を熱間プレス成形した際、Znめっき層表面には凹凸のあるZnO主体の酸化皮膜が形成する。しかしながら、摺動などによってめっき層にクラックが生じた場合、プレス金型と鋼板との間は閉ざされた空間であるため、酸素が十分に供給されないことから、ZnO主体の酸化皮膜が十分に形成されず、めっき層中のZnが金属として気化し、金型にZnが凝着するというZn型付着が優先的に起こる。本発明では、900℃における酸化物の標準反応ギブズエネルギーがZnOよりも高い酸化物層をZn合金めっき層の表面に付与することで、この酸化物層が気化するZnに対して酸素供給源として機能する。その結果、熱間プレス成形時の金型へのZn凝着量を減少させ、耐型付着特性を改善することができる。
Cは、鋼組織としてマルテンサイトなどを形成させることで強度を向上させる。1470MPa級を超えるような強度を得るためには0.20%以上必要である。一方、0.35%を超えるとスポット溶接部の靱性が劣化する。したがって、C量は0.20〜0.35%とすることが好ましい。
Siは鋼を強化して良好な材質を得るのに有効な元素である。そのためには0.1%以上必要である。一方、0.5%を超えるとフェライトが安定化されるため、焼き入れ性が低下する。したがって、Si量は0.1〜0.5%とすることが好ましい。
Mnは鋼の高強度化に有効な元素である。機械特性や強度を確保するためは1.0%以上含有させることが必要である。一方、3.0%を超えると焼鈍時の表面濃化が増加し、めっき密着性の確保が困難になる。したがって、Mn量は1.0〜3.0%とすることが好ましい。
P量が0.02%を超えると鋳造時のオーステナイト粒界へのP偏析に伴う粒界脆化により、局部延性の劣化を通じて強度と延性のバランスが低下する。したがって、P量は0.02%以下とすることが好ましい。
SはMnSなどの介在物となって、耐衝撃性の劣化や溶接部のメタルフローに沿った割れの原因となる。したがって、極力低減することが望ましく0.01%以下とすることが好ましい。また、良好な伸びフランジ性を確保するため、より好ましくは0.005%以下とする。
Nbは鋼の強化に有効な成分であるが、過剰に含まれると形状凍結性が低下する。したがって、Nbを含有させる場合は0.05%以下とする。
TiもNbと同様に鋼の強化には有効であるが、過剰に含まれると形状凍結性が低下するという課題がある。したがって、Tiを含有させる場合は0.05%以下とする。
Bはオーステナイト粒界からのフェライト生成および成長を抑制する作用を有するため、0.0002%以上の添加が好ましい。一方、過剰なBの添加は成形性を大きく損なう。したがって、Bを含有させる場合は0.0002〜0.0050%とする。
Crは鋼の強化および焼き入れ性を向上させるために有用である。このような効果を発現するためには0.1%以上の添加が好ましい。一方、合金コストが高いため0.3%超えの添加では大幅なコストアップを招く。したがって、Crを含有させる場合は0.1〜0.3%とする。
Sbも熱間プレスのプロセス中に鋼板表層の脱炭を抑止する効果がある。このような効果を発現するためには0.003%以上の添加が必要である。一方、Sb量が0.030%を超えると圧延荷重の増加を招くため生産性を低下させる。したがって、Sbを含有させる場合は0.003〜0.030%とする。
○:Zn凝着量が、酸化物層無しの場合と比較して200mg以上減少
△:Zn凝着量が、酸化物層無しの場合と比較して0mg以上200mg未満減少
×:Zn凝着量が、酸化物層無しの場合と比較して増大
評価○であれば、耐型付着特性に優れた熱間プレス用Zn合金めっきと判断した。
○:クラック発生無しまたはクラック深さの平均値が10μm未満
△:クラック深さの平均値が10μm以上200μm未満
×:クラック深さの平均値が200μm以上
評価が○であれば、耐LME特性に優れるとした。
Claims (4)
- 鋼板表面に、片面当たりのめっき付着量が120g/m2以下のZn合金めっき層を有し、さらに前記Zn合金めっき層の表面に、900℃における酸化物の標準反応ギブスエネルギーがZnOよりも高い酸化物層を有し、前記酸化物層は、Sb酸化物であることを特徴とする熱間プレス用鋼板。
- 前記Zn合金めっき層は、Zn−Al合金めっき層、Zn−Al−Mg合金めっき層、Zn−Al−Mg−Si合金めっき層、Zn−Fe合金めっき層、Zn−Ni合金めっき層のうちのいずれか1種であることを特徴とする請求項1に記載の熱間プレス用鋼板。
- 前記Zn−Ni合金めっき層は、10〜25質量%のNiを含み、残部はZnおよび不可避的不純物からなることを特徴とする請求項2に記載の熱間プレス用鋼板。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の熱間プレス用鋼板の製造方法であって、前記酸化物はPVD(PhysicalVapor Deposition)、CVD(ChemicalVapor Deposition)、コールドスプレーのいずれか1種により形成される熱間プレス用鋼板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018167595A JP6981385B2 (ja) | 2018-09-07 | 2018-09-07 | 熱間プレス用鋼板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018167595A JP6981385B2 (ja) | 2018-09-07 | 2018-09-07 | 熱間プレス用鋼板 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020041177A JP2020041177A (ja) | 2020-03-19 |
JP6981385B2 true JP6981385B2 (ja) | 2021-12-15 |
Family
ID=69797720
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018167595A Active JP6981385B2 (ja) | 2018-09-07 | 2018-09-07 | 熱間プレス用鋼板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6981385B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7338606B2 (ja) * | 2020-10-28 | 2023-09-05 | Jfeスチール株式会社 | 熱間プレス部材および熱間プレス用鋼板ならびに熱間プレス部材の製造方法 |
Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0472077A (ja) * | 1990-07-11 | 1992-03-06 | Kawasaki Steel Corp | めっき鋼板の耐低温チッピング性改善方法 |
JP3582504B2 (ja) * | 2001-08-31 | 2004-10-27 | 住友金属工業株式会社 | 熱間プレス用めっき鋼板 |
JP5446675B2 (ja) * | 2009-09-29 | 2014-03-19 | Jfeスチール株式会社 | 熱間プレス成形用めっき鋼板およびその製造方法 |
JP5549921B2 (ja) * | 2010-02-23 | 2014-07-16 | 新日鐵住金株式会社 | 熱間プレス部品の製造方法および熱間プレス部品 |
JP6020589B2 (ja) * | 2013-07-02 | 2016-11-02 | Jfeスチール株式会社 | 熱間プレス部材の製造方法 |
DE102014004649A1 (de) * | 2014-03-29 | 2015-10-01 | Daimler Ag | Bauteil, insbesondere Strukturbauteil für einen Kraftwagen sowie Verfahren zum Herstellen eines Bauteils |
-
2018
- 2018-09-07 JP JP2018167595A patent/JP6981385B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2020041177A (ja) | 2020-03-19 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN109072380B (zh) | 钢板、镀覆钢板和它们的制造方法 | |
JP4967360B2 (ja) | 熱間プレス用めっき鋼板およびその製造方法ならびに熱間プレス成形部材の製造方法 | |
JP5720856B2 (ja) | 熱間成形用亜鉛系めっき鋼板 | |
JP6458834B2 (ja) | 熱延鋼板の製造方法、冷延フルハード鋼板の製造方法及び熱処理板の製造方法 | |
JP6365681B2 (ja) | 溶融亜鉛めっき鋼板 | |
CN111936656B (zh) | 高强度钢板及其制造方法 | |
CN111936658A (zh) | 高强度钢板及其制造方法 | |
JP6458833B2 (ja) | 熱延鋼板の製造方法、冷延フルハード鋼板の製造方法及び熱処理板の製造方法 | |
JP4837604B2 (ja) | 合金化溶融亜鉛めっき鋼板 | |
KR20150029736A (ko) | 성형성 및 형상 동결성이 우수한 고강도 용융 아연 도금 강판, 그리고 그의 제조 방법 | |
JP2011184757A (ja) | 高強度鋼板の製造方法 | |
JP4883216B2 (ja) | 加工性とスポット溶接性に優れた高強度溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法 | |
JP4329639B2 (ja) | 耐液体金属脆性に優れた熱処理用鋼板 | |
JP7255634B2 (ja) | 熱間プレス部材およびその製造方法 | |
WO2019092468A1 (en) | A hot-dip coated steel sheet | |
JP6981385B2 (ja) | 熱間プレス用鋼板 | |
JP2020041175A (ja) | 熱間プレス用鋼板 | |
WO2022091529A1 (ja) | 熱間プレス部材および熱間プレス用鋼板ならびにそれらの製造方法 | |
JPWO2020049833A1 (ja) | 熱間プレス用鋼板 | |
JP2020041174A (ja) | 熱間プレス用鋼板 | |
JP6819796B2 (ja) | 熱間プレス用鋼板 | |
JP2021181618A (ja) | 熱間プレス部材およびその製造方法 | |
JP6933197B2 (ja) | 熱間プレス用鋼板 | |
JP2021181617A (ja) | 熱間プレス部材およびその製造方法 | |
JP3464611B2 (ja) | 成形性と耐食性に優れた高強度溶融亜鉛メッキ熱延鋼板及びその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20190327 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20200422 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20210127 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20210202 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20210226 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20210622 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20210714 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20211019 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20211101 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6981385 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |