JP6981108B2 - 鋳型及び精密鋳造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、鋳型、精密鋳造方法及び中空翼に係り、特に、中空翼を精密鋳造するための鋳型、精密鋳造方法及び中空翼に関する。
航空機用ジェットエンジン等に用いられるタービン翼には、軽量化や冷却効率等を向上させるために中空翼が用いられている。このような中空翼は、セラミックスからなる中子を用いることにより、精密鋳造で形成することができる。中空翼を精密鋳造するための鋳型は、中子を含むロウ型模型に、耐火材料を含むスラリを塗布して乾燥し、脱ロウした後に焼成して形成される。中子は、脱ロウ時等の位置ずれを抑えるために、Pt(白金)で形成されたピン等の支持部材で支持される(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−160551号公報
ところで、航空機用ジェットエンジン等に用いられる中空翼は、Ni(ニッケル)合金、Co(コバルト)合金またはFe(鉄)合金からなる耐熱合金で形成されている。支持部材がPtで形成されている場合には、Ptの融点(約1768℃)が、これらの耐熱合金の鋳込み温度に対してかなり高温であることから、支持部材が、精密鋳造時に金属溶湯と融合しないで残留する可能性がある。また、Ptに代えて、Ni(ニッケル)合金やMo(モリブデン)合金で形成された支持部材を用いる場合には、これらの合金の耐酸化性がPtよりも低いことから、支持部材の周りに形成される酸化被膜により、支持部材が、精密鋳造時に金属溶湯と融合しないで残留する可能性がある。このように、支持部材が、精密鋳造時に金属溶湯と融合しないで残留すると、異物等となり鋳造欠陥が発生する場合がある。
そこで本発明の目的は、鋳造欠陥を抑制可能な中空翼を精密鋳造するための鋳型、精密鋳造方法及び中空翼を提供することである。
本発明に係る鋳型は、中空翼を精密鋳造するための鋳型であって、Ni合金、Co合金またはFe合金からなる金属溶湯が注湯されるキャビティを有する鋳型本体と、前記鋳型本体のキャビティに配置され、セラミックスで形成される中子と、前記鋳型本体に設けられ、前記中子を支持し、Pd、Au及びAgの少なくとも1つを含有し、残部がPtと不可避的不純物とからなる白金族合金で形成される支持部材と、を備えることを特徴とする。
本発明に係る鋳型において、前記支持部材は、Pd−Pt合金、Au−Pt合金またはAg−Pt合金で形成されていることを特徴とする。
本発明に係る鋳型において、前記鋳型は、一方向凝固鋳造用または単結晶鋳造用であり、前記支持部材は、Pd−Pt合金で形成されていることを特徴とする。
本発明に係る鋳型において、前記鋳型は、普通鋳造用であり、前記支持部材は、Au−Pt合金またはAg−Pt合金で形成されていることを特徴とする。
本発明に係る鋳型において、前記支持部材は、細長く形成されており、前記支持部材の一端側が前記鋳型本体に係合しており、前記支持部材の他端側が前記中子と係合していることを特徴とする。
本発明に係る精密鋳造方法は、中空翼の精密鋳造方法であって、上記に記載の鋳型の前記キャビティに、Ni合金、Co合金またはFe合金からなる金属溶湯を注湯し、前記金属溶湯に前記支持部材を融合させながら鋳込む鋳込み工程と、前記鋳型を冷却することにより、前記支持部材を融合させた金属溶湯を凝固させて鋳造体を形成する凝固工程と、前記鋳造体から前記中子を除去する中子除去工程と、を備えることを特徴とする。
本発明に係る中空翼は、Ni合金、Co合金またはFe合金からなる母材金属で形成されており、前記母材金属は、Pd、Au及びAgの少なくとも1つと、Ptと、を固溶していることを特徴とする。
上記構成によれば、中子を支持する支持部材が、精密鋳造時に金属溶湯と融合し易くなるので鋳造欠陥を抑制することができる。
本発明の実施の形態において、中空翼を精密鋳造するための鋳型の構成を示す図である。 本発明の実施の形態において、中空翼を精密鋳造するための鋳型の製造方法を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態において、中空翼を精密鋳造するための鋳型を用いた精密鋳造方法を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態において、鋳込み工程を説明するための図である。 本発明の実施の形態において、凝固工程を説明するための図である。 本発明の実施の形態において、精密鋳造された中空翼の構成を示す図である。 本発明の実施の形態において、中空翼の電子線マイクロアナライザ(EPMA)分析結果を示す図である。
以下に本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。図1は、中空翼を精密鋳造するための鋳型10の構成を示す図である。中空翼は、例えば、航空機用ジェットエンジンや産業用ガスタービン等に用いられるタービン翼である。中空翼は、高温に曝されることから、Ni(ニッケル)合金、Co(コバルト)合金またはFe(鉄)合金からなる耐熱合金で形成されている。
鋳型10は、Ni合金、Co合金またはFe合金からなる金属溶湯が注湯されるキャビティ12を有する鋳型本体14を備えている。キャビティ12は、中空翼を精密鋳造するために翼形状に形成されている。鋳型本体14は、酸化物等からなる耐火材料で形成された耐火材層で構成されている。耐火材料には、アルミナ、ジルコン(珪酸ジルコニウム)、ジルコニア、イットリア等のセラミックスを用いることが可能である。
中子16は、鋳型本体14のキャビティ12に配置されている。中子16は、精密鋳造後に鋳造体から除去されることにより、鋳造体に中空部を形成する機能を有している。中子16は、耐熱性を備えるためや、金属溶湯との反応を抑制するために、セラミックスで形成されている。中子16は、精密鋳造後に除去しやすいことから、主成分がシリカ(SiO)で形成されているとよい。中子16の主成分とは、中子16の構成成分の中で最も含有率が大きい成分のことである。中子16の主成分がシリカである場合には、精密鋳造後にアルカリ溶液で中子16を溶出することにより容易に鋳造体から除去することができる。中子16は、例えば、80質量%のシリカと、20質量%の耐火材料とにより形成されているとよい。耐火材料には、アルミナ、ジルコン(珪酸ジルコニウム)、ジルコニア、イットリア等のセラミックスを用いることが可能である。中子16は、セラミックスで多孔質状に形成されていてもよい。中子16が多孔質状に形成されていると、精密鋳造後に鋳造体から機械加工等で容易に除去することができる。
支持部材18は、鋳型本体14に設けられており、中子16を支持する機能を有している。支持部材18は、細長くピン状に形成されており、一端側が鋳型本体14と係合し、他端側が中子16と係合しているとよい。支持部材18は、例えば、一端側が鋳型本体14に肉盛されて埋め込まれており、支持部材18の他端側が中子16と当接するように構成することが可能である。支持部材18が中子16を支持することにより、鋳型10を製造するときの脱ロウ時や、金属溶湯の鋳込み時に、支持部材18により中子16が支持されるので、中子16の位置ずれが抑制される。更に、金属溶湯の鋳込み時に、中子16が金属溶湯から熱曝露される場合でも、支持部材18により中子16が支持されるので、中子16の熱変形が抑制される。このように、支持部材18で中子16を支持することにより、中子16の位置精度を高めることができる。支持部材18は、例えば、円柱ピン等で押出成形等により形成されているとよい。支持部材18の外径は、例えば、0.2mmから1mmとするとよい。支持部材18は、少なくとも1つ設けられていればよく、複数設けられていることが好ましい。
支持部材18は、Pd(パラジウム)、Au(金)及びAg(銀)の少なくとも1つを含有し、残部がPt(白金)と不可避的不純物とからなる白金族合金で形成されている。支持部材18は、Pd−Pt合金、Au−Pt合金またはAg−Pt合金からなる白金族合金で形成されているとよい。支持部材18を形成する白金族合金は、二元系合金に限定されず、三元系合金や四元系合金であってもよい。
Pd、Au及びAgの融点は、Ptの融点(約1768℃)よりも低いことから、Pd、Au及びAgの少なくとも1つと、Ptとを合金化することにより、白金族合金をPtより低融点にすることができる。また、Pd、Au及びAgは、白金族元素であることから、Ptと同様に耐酸化性に優れているので、支持部材18の周りに酸化被膜の形成が抑制される。このような理由から、支持部材18が、この白金族合金で形成されることにより、鋳込み時に支持部材18が金属溶湯に拡散等で融合し易くすることが可能となるので、支持部材18の残留を抑制することができる。
支持部材18は、Pd−Pt合金で形成されているとよい。Pdは、Ptよりも高温強度に優れているので、Pd−Pt合金は、Ptよりも高温強度が高くなる。これにより、支持部材18の高温強度特性が向上するので、中子16をより強固に支持することができる。Pd−Pt合金におけるPdの含有率は、10質量%以上50質量%以下とするとよい。Pdの含有率を10質量%以上50質量%以下とすることにより、Pd−Pt合金の高温強度をより高めることができる。また、Pdは、AuやAgよりも融点が高いので、Pd−Pt合金としたときに融点の低下を少なくすることができる。支持部材18をPd−Pt合金で形成することにより、一方向凝固鋳造や単結晶鋳造のような鋳込み温度が比較的高い精密鋳造の場合でも、支持部材18を好適に用いることができる。このことから、支持部材18をPd−Pt合金で形成する場合には、一方向凝固鋳造用や単結晶鋳造用の鋳型に用いられるとよい。
支持部材18は、Au−Pt合金で形成されているとよい。Auは、Pdよりも融点が低いので、Au−Pt合金としたときに融点の低下を大きくすることができる。これにより、普通鋳造(等軸晶)のように鋳込み温度が比較的低い精密鋳造の場合でも、支持部材18を金属溶湯に拡散等で融合し易くすることができる。このことから、支持部材18をAu−Pt合金で形成する場合には、普通鋳造(等軸晶)用の鋳型に用いられるとよい。また、一方向凝固鋳造や単結晶鋳造のように鋳込み温度が比較的高い精密鋳造の場合には、支持部材18は、0質量%より大きく40質量%以下のAuを含有し、残部がPtと不可避的不純物とからなるAu−Pt合金で形成されているとよい。Auの含有率を0質量%より大きく40質量%以下とすることにより、Au−Pt合金の融点を低下しすぎないようにすることができる。
支持部材18は、Ag−Pt合金で形成されているとよい。Agは、PdやAuよりも融点が低いので、Ag−Pt合金としたときに融点の低下をより大きくすることができる。これにより、普通鋳造(等軸晶)のように鋳込み温度が比較的低い精密鋳造の場合でも、支持部材18を金属溶湯に拡散等で融合し易くすることができる。このことから、支持部材18をAg−Pt合金で形成する場合には、普通鋳造(等軸晶)用の鋳型に用いられるとよい。また、一方向凝固鋳造や単結晶鋳造のように鋳込み温度が比較的高い精密鋳造の場合には、支持部材18は、0質量%より大きく22質量%以下のAgを含有し、残部がPtと不可避的不純物とからなるAg−Pt合金で形成されているとよい。Agの含有率を0質量%より大きく22質量%以下とすることにより、Ag−Pt合金の融点が低下しすぎないようにすることができる。
次に、中空翼を精密鋳造するための鋳型10の製造方法について説明する。図2は、中空翼を精密鋳造するための鋳型10の製造方法を示すフローチャートである。鋳型10の製造方法は、ロウ型成形工程(S10)と、支持部材取付け工程(S12)と、スラリ層形成工程(S14)と、脱ロウ工程(S16)と、焼成工程(S18)と、を備えている。
ロウ型成形工程(S10)は、セラミックスで形成される中子16にロウ材を被覆してロウ型模型を成形する工程である。セラミックスで形成される中子16の周りにロウ材を被覆して、中空翼のロウ型模型を成形する。ロウ材と、ロウ材の被覆方法とについては、一般的なロストワックス法で用いられるロウ材やロウ材の被覆方法を用いることができる。
支持部材取付け工程(S12)は、ロウ型模型に、中子16を支持し、Pd、Au及びAgの少なくとも1つを含有し、残部がPtと不可避的不純物とからなる白金族合金で形成される支持部材18を取付ける工程である。支持部材18は、支持部材18をロウ材の溶融温度以上に加熱した後に、ロウ型模型に突き刺して取付けるとよい。支持部材18の一端側は、鋳型本体14に肉盛して埋め込んで保持するために、ロウ型模型から突出しているとよい。支持部材18の他端側は、中子16に当接させるとよい。
スラリ層形成工程(S14)は、支持部材18を取付けたロウ型模型に、耐火材料からなるスラリ層を被覆する工程である。スラリ層の被覆方法については、耐火材料とバインダとを混合したスラリの塗布と、スタッコ処理とを繰り返すことにより行われるとよい。耐火材料には、上述したアルミナ等を用いることができる。バインダには、コロイダルシリカ等を用いることが可能である。支持部材18を取付けたロウ型模型に、スラリ塗布とスタッコ処理とを行った後に、水分等を除去するために乾燥させるとよい。
脱ロウ工程(S16)は、スラリ層が被覆され、支持部材18を取付けたロウ型模型を加熱してロウ材を除去し、鋳型成形体を成形する工程である。スラリ層が被覆され、支持部材18を取付けたロウ型模型から、ロウ材を溶融して除去することにより、鋳型成形体を成形する。脱ロウは、スラリ層が被覆され、支持部材18を取付けたロウ型模型をオートクレーブ等に入れて加熱・加圧処理して行われるとよい。処理条件は、例えば、加熱温度100℃から180℃、圧力0.4MPaから0.8MPaとするとよい。脱ロウ時には、中子16が支持部材18で支持されているので、中子16の位置精度を高めることができる。
焼成工程(S18)は、鋳型成形体を焼成する工程である。鋳型成形体を焼成炉等で900℃から1300℃で加熱して焼成することにより、スラリ層が焼き固められて殻体(シェル)となり鋳型10が形成される。支持部材18は、白金族合金で形成されているので、支持部材18は、耐酸化性に優れており、酸化皮膜の形成が抑制されている。このようにして、鋳型10を製造することができる。
次に、中空翼を精密鋳造するための鋳型10を用いた精密鋳造方法について説明する。図3は、中空翼を精密鋳造するための鋳型10を用いた精密鋳造方法を示すフローチャートである。この鋳型10を用いた精密鋳造方法は、鋳込み工程(S20)と、凝固工程(S22)と、中子除去工程(S24)と、を備えている。
鋳込み工程(S20)は、鋳型10のキャビティ12に、Ni合金、Co合金またはFe合金からなる金属溶湯を注湯し、金属溶湯に支持部材18を融合させながら鋳込む工程である。図4は、鋳込み工程(S20)を説明するための図である。鋳型10のキャビティ12に、金属溶湯20が注湯される。金属溶湯20の注湯時には、中子16が支持部材18で支持されているので、中子16の位置ずれを抑えることができる。例えば、Ni合金を鋳造する場合には、鋳込み温度は、Ni合金の液相線に対して+100℃以上+150℃以下であるとよい。
また、鋳込み工程(S20)では、金属溶湯に支持部材18を拡散等で融合させながら鋳込みが行われる。支持部材18は、Pd、Au及びAgの少なくとも1つを含有し、残部がPtと不可避的不純物とからなる白金族合金で形成されていることから、支持部材18における金属溶湯20と接している部位が、金属溶湯20中に徐々に拡散して融合することにより一体化する。また、支持部材18は、金属溶湯20中に徐々に拡散等して融合することから、支持部材18は、金属溶湯20と一体化するまでは中子16を支持することができる。これにより、中子16が金属溶湯20により熱曝露される場合でも、中子16の熱変形を抑制することが可能となる。
凝固工程(S22)は、鋳型10を冷却することにより、支持部材18を融合させた金属溶湯20を凝固させて鋳造体を形成する工程である。図5は、凝固工程(S22)を説明するための図である。鋳型10を冷却することにより、支持部材18を拡散等で融合させた金属溶湯20が凝固して鋳造体22が形成される。鋳型10の冷却については、炉冷でもよいし、空冷でもよい。
中子除去工程(S24)は、鋳造体22から中子16を除去する工程である。凝固工程(S22)後に、鋳造体22から中子16を除去して中空翼を形成する。中子16が、例えば、主成分がシリカからなるセラミックスで形成されている場合には、水酸化ナトリウム等のアルカリ溶液で溶出させて鋳造体22から中子16を除去することができる。鋳造体22の中子16が除去された箇所には、中空部が形成される。また、鋳型本体14に肉盛されて埋め込まれた支持部材18の一端側については、製品部を構成しないので、機械加工等により除去されるとよい。このようにして、中空翼の精密鋳造を行うことが可能となる。なお、中空翼の精密鋳造方法については、普通鋳造法(等軸晶)でもよいし、一方向凝固鋳造法や単結晶鋳造法でもよい。また、精密鋳造装置には、これらの鋳造法で用いられる一般的な鋳造装置を用いることが可能である。
図6は、精密鋳造された中空翼30の構成を示す図である。中空翼30は、鋳造体22の中子16を除去した部位に形成されている中空部32を有している。中空翼30は、Ni合金、Co合金またはFe合金からなる母材金属で形成されている。そして、母材金属は、Pd、Au及びAgの少なくとも1つと、Ptと、を固溶している。支持部材18は、金属溶湯に拡散等で融合して一体化していることから、母材金属には、Pd、Au及びAgの少なくとも1つと、Ptとが固溶されている。このように、支持部材18は、金属溶湯に拡散等で融合して一体化していることから、支持部材18が残留して異物やクラック等の鋳造欠陥を発生することが抑制される。また、中子16が支持部材18で支持されることにより、中子16の位置ずれが抑制されることから、中空翼30は、中空部32の位置精度が向上している。
以上、上記構成の鋳型によれば、Ni合金、Co合金またはFe合金からなる金属溶湯が注湯されるキャビティを有する鋳型本体と、鋳型本体のキャビティに配置され、セラミックスで形成される中子と、鋳型本体に設けられ、中子を支持し、Pd、Au及びAgの少なくとも1つを含有し、残部がPtと不可避的不純物とからなる白金族合金で形成される支持部材と、を備えているので、精密鋳造時に、金属溶湯に支持部材を拡散等で融合させながら鋳込んで一体化することができる。これにより、精密鋳造時に、支持部材が金属溶湯と融合しないで残留することによる異物やクラック等の鋳造欠陥の発生が抑制される。
中空翼の精密鋳造試験を行った。鋳型には、上記の図1に示す鋳型と同様の構成のものを用いた。鋳型本体は、アルミナ等の耐火材料で形成した。中子は、シリカで形成した。支持部材は、Pd―Pt合金でピン状に形成した。Pd―Pt合金については、Pdの含有率を変えることにより4種類の白金族合金を評価した。Pd―Pt合金のPdの含有率については、10質量%、25質量%、50質量%及び80質量%とした。支持部材の外径は、0.2mmから1mmとした。
中空翼の鋳込みには、Ni合金を用いた。Ni合金には、インコネル718(登録商標)、MarM247(登録商標)、Rene77(登録商標)を使用した。鋳型のキャビティにNi合金溶湯を注湯し、Ni合金溶湯に支持部材を拡散等で融合させながら鋳込みを行った。鋳込みについては、鋳型温度を1100℃とし、鋳込み温度を1500℃とした。鋳込み後に鋳型を冷却することにより、支持部材を拡散等で融合させたNi合金溶湯を凝固させて、Ni合金鋳造体を形成した。次に、Ni合金鋳造体に含まれる中子をアルカリ溶液で溶出させて中空部を形成し、中空翼とした。なお、鋳型本体に肉盛されて埋め込まれた支持部材の一端側については、製品部を構成しないが、分析評価のために除去しないこととした。
各Pd―Pt合金で形成した支持部材を用いた鋳型で精密鋳造した中空翼について、電子線マイクロアナライザ(EPMA)分析を行った。いずれのPd―Pt合金で形成した支持部材を用いた場合でも、中空翼を形成する母材金属であるNi合金中に、PdとPtとが固溶していた。このことから、支持部材は、Ni合金溶湯中に拡散等で融合して一体化することがわかった。
代表として10質量%のPdを含むPd―Pt合金で形成した支持部材を用いた鋳型で精密鋳造した中空翼について、電子線マイクロアナライザ(EPMA)分析を行った結果について説明する。分析箇所については、鋳型本体に肉盛されて埋め込まれた支持部材の一端側の近傍領域とした。図7は、中空翼の電子線マイクロアナライザ(EPMA)分析結果を示す図である。図7において、図7(a)は、SEM像であり、図7(b)は、COMP像であり、図7(c)は、Pdイメージ像であり、図7(d)は、Ptイメージ像であり、図7(e)は、Niイメージ像であり、図7(f)は、Alイメージ像である。
図7(c)及び図7(d)に示すように、鋳型のキャビティに位置していた支持部材の箇所では、母材金属であるNi合金に、PdとPtとが固溶しており、Pd及びPtの濃化が認められなかった。このように、鋳型のキャビティに位置していた支持部材の箇所では、支持部材が、Ni合金溶湯中に拡散等で融合して一体化していた。また、鋳型本体に肉盛されて埋め込まれた支持部材の一端側の箇所については、Pt及びPdの濃化が認められた。このように中空翼となる製品部では、支持部材が、Ni合金溶湯中に拡散等で融合して一体化し、母材金属であるNi合金に、Pd及びPtが固溶していた。また、中空翼となる製品部では、支持部材の残留による異物やクラック等の鋳造欠陥が認められなかった。
10 鋳型
12 キャビティ
14 鋳型本体
16 中子
18 支持部材
20 金属溶湯
22 鋳造体
30 中空翼
32 中空部

Claims (6)

  1. 中空翼を精密鋳造するための鋳型であって、
    Ni合金、Co合金またはFe合金からなる金属溶湯が注湯されるキャビティを有する鋳型本体と、
    前記鋳型本体のキャビティに配置され、セラミックスで形成される中子と、
    前記鋳型本体に設けられ、前記中子を支持し、Pd、Au及びAgの少なくとも1つを含有し、残部がPtと不可避的不純物とからなる白金族合金で形成される支持部材と、
    を備えることを特徴とする鋳型。
  2. 請求項1に記載の鋳型であって、
    前記支持部材は、Pd−Pt合金、Au−Pt合金またはAg−Pt合金で形成されていることを特徴とする鋳型。
  3. 請求項2に記載の鋳型であって、
    前記鋳型は、一方向凝固鋳造用または単結晶鋳造用であり、
    前記支持部材は、Pd−Pt合金で形成されていることを特徴とする鋳型。
  4. 請求項2に記載の鋳型であって、
    前記鋳型は、普通鋳造用であり、
    前記支持部材は、Au−Pt合金またはAg−Pt合金で形成されていることを特徴とする鋳型。
  5. 請求項1から4のいずれか1つに記載の鋳型であって、
    前記支持部材は、細長く形成されており、前記支持部材の一端側が前記鋳型本体に係合しており、前記支持部材の他端側が前記中子と係合していることを特徴とする鋳型。
  6. 中空翼の精密鋳造方法であって、
    請求項1から5のいずれか1つに記載の鋳型の前記キャビティに、Ni合金、Co合金またはFe合金からなる金属溶湯を注湯し、前記金属溶湯に前記支持部材を融合させながら鋳込む鋳込み工程と、
    前記鋳型を冷却することにより、前記支持部材を融合させた金属溶湯を凝固させて鋳造体を形成する凝固工程と、
    前記鋳造体から前記中子を除去する中子除去工程と、
    を備えることを特徴とする精密鋳造方法。
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